説明

吸収性のα−シアノアクリレート組成物

【課題】重合して、優れた接着剤/シーラント特性を有する接着剤またはシーラントを形成する、モノマー組成物を提供する。
【解決手段】モノマー組成物は、少なくとも1種の重合性アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを含む。特に、α−シアノアクリレートモノマーは、スペーサーR1を有する一般式(I)のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーであるが、(I)において、R1=(II)であり、nが2〜12を表し、R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、そしてR3またはR4の少なくとも一方が、1〜13個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、直鎖、分岐、または環式)を表し、R2が、1〜13個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、直鎖、分岐、または環式)を表し、スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、接着剤またはシーラントとして有用である新規な種類のα−シアノアクリレート(α- cyanoacrylate)モノマーに関し、更に詳細には、アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーである化合物に関する。更に本発明は、外科的用途、医学的用途、および工業的用途で組織の接着剤/シーラントとして有用であるα−シアノアクリレート組成物における上記のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを使用する方法、ならびにかかるモノマーの製造方法に関する。
【0002】
〔従来技術〕
モノマーおよびポリマーの接着剤/シーラントは、工業(家庭用を含む)および医学的/外科的用途の両方で使用されている。このような接着剤/シーラントの中では、例えば、α−シアノアクリレートモノマーおよびかかるモノマーから得られるポリマーが挙げられる。かかるモノマーおよびポリマーの接着剤/シーラント特性の発見により、接着剤/シーラントが硬化する速度、これにより形成される結合の強度、および使用するのが比較的容易であることに起因して、接着剤/シーラントの広い使用法が見出された。かかる特性により、α−シアノアクリレート組成物は、多くの接着剤用途、例えば、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、木材、および更に近年では、医学的な、生物学的なまたは生体組織を結合する場合に主として選択されている。
【0003】
α−シアノアクリレート組成物の医学および外科的用途は、創傷の閉鎖での外科縫合、メッシュおよびステープル、または他の医療用具に対する代替物または補助剤としての使用法、ならびに外傷、例えば、裂傷、擦過傷、火傷、口内炎、潰傷、および他の外傷を被覆および保護する場合の使用法を含む。α−シアノアクリレート組成物が施される場合、モノマーの形で施されるのが一般的であり、これによる重合によって、所望の接着ボンドまたはシーラント強度を生じる。
【0004】
例えば、重合性α−シアノアクリレートモノマーおよびかかるモノマーを含む組成物が、レオン(Leung)らによる米国特許第5,328,687号に開示されている。かかる組成物を基材に施す好適な方法、および特に医学的用途での方法が、例えば、米国特許第6,620,846 B1号、米国特許第6,512,023 B1号、および米国特許第3,995,641号に記載され、各々の記載内容を参照することによって、そのまま本願の内容に組み込まれる。
【0005】
レオンによる米国特許第5,928,611号では、多数の考え得る置換基を有するα−シアノアクリレートモノマーを広く開示している。開示内容は、有機ラジカル置換基を有するエステルのシアノアクリレートモノマーに関して代替的に説明しながら、α−シアノアクリレートモノマーに対して焦点を集めている。しかしながら、開示内容では、特定のシアノアクリレートモノマーを用いて形成されるポリマーにより得られる特定の特性、例えば吸収性について明確に述べていない。
【0006】
クロネンタール(Kronenthal)らによる米国特許第3,995,641号は、哺乳類の組織において吸収性のポリマー接着剤を形成するカルボアルコキシアルキル(carbalkoxyalkyl)のα−シアノアクリレートモノマーについて開示している。所定の環境下、吸収性のポリマー接着剤/シーラントは、特に所定の医学的用途の場合に非吸収性のポリマー接着剤/シーラントに対して有益である。しかしながら、α−シアノアクリレートモノマーの中には、特に反応速度が遅いものがあり、これにより外科的な接着剤/シーラントとして実用的な価値を減ずるものもある。
【0007】
従って、医学的用途に十分に迅速な硬化速度を示し、そして吸収性のポリマー接着剤/シーラントを形成する、α−シアノアクリレート組成物に関する需要が依然として存在している。また、処置および再調整する機会を提供するために、生体内で重合して、内部接着剤またはシーラントを形成することが可能であるモノマーベースの内部接着剤またはシーラント組成物を有するのが望ましい。特に、接着剤またはシーラント組成物が内部キャビティおよび空隙を充填し、組織の間隙および細孔に浸透および適合し、その後に硬化または定着するのが望ましい。
【0008】
更に、生体内で重合するモノマーベースの内部接着剤またはシーラント組成物を有し、且つモノマー、その組成物、およびこれにより得られるポリマーが生体適合性であるのが望ましい。また、これにより得られるポリマーは、生体分解性である必要がある。
【0009】
最終的に、これにより得られるポリマーの分解性生成物は、生体適合性および水溶性の両方を有し、これにより、分解生成物が、人体から廃棄物として完全に取り除かれるのが望ましい。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを含むモノマー組成物に関し、モノマー組成物は、重合して、ひときわ優れた接着剤/シーラント特性を有する接着剤またはシーラントを形成し、最小限の毒性〜非毒性であり、生物によって吸収可能である。
【0011】
本発明のα−シアノアクリレートモノマーは、スペーサーR1を有する下記の一般式で表されるアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーであり:
【化1】

ここで、
【化2】

ここで、nが、2〜12を表し、
R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、R3またはR4の少なくとも一方が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、直鎖、分岐、または環式)を表し、
R2が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、直鎖、分岐、または環式)を表し、
スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である。
【0012】
また、本発明は、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを含む第1の容器と、必要により、重合を開始するのに有効な量の重合開始剤または促進剤と、を備えるシール可能なパッケージを含むキットを提供する。
【0013】
更に本発明は、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーと、必要により、重合を促進し且つこれにより得られるポリマーの十分な機械的性能を達成するのに有効な量の重合開始剤または促進剤と、を含むモノマー組成物を生体組織に施す、生体組織の閉鎖方法を提供する。
【0014】
更に本発明は、接着剤/シーラントポリマーが吸収される所望の速度を決定し、必要により、所望の吸収速度をもたらすために、モノマーおよび重合開始剤または促進剤の好適な組み合わせを選択し、必要により、重合開始剤または促進剤およびモノマーを生体組織に施して、吸収性のポリマー接着剤を形成することを含む、生体組織の処置方法を提供する。
【0015】
〔発明の詳細な説明および好ましい実施の形態〕
本発明の場合、“吸収性”なる用語は、接着剤またはシーラントを施した後、動物(人間を含む)の組織によって完全にまたは部分的に、吸収され得るか、分解され得るか、または生物分解され得ることを意味する。
【0016】
本発明の場合、“実質的に吸収される”なる用語は、少なくとも90%吸収されることを意味する。
【0017】
本発明のモノマー組成物、およびかかる組成物から形成されるポリマーは、組織接着剤として、開放創の被覆材として、および他の生物医学的な用途において有用である。更に詳細には、例えば、組織を接合し;外科的に切開されまたは外傷性の裂傷を受けた組織を併置し(apposing);火傷、皮膚または他の表面若しくは深層の組織外傷(例えば、擦過傷、すり減った(chaffed)または剥けた皮膚、および/または口内炎)を手当し;生体組織の修復および再生を助ける場合の使用法が見出されている。
【0018】
本発明のモノマー組成物、およびかかる組成物から形成されるポリマーは、種々の組織、内臓、および血管における創傷をシールし;出血を阻止または防ぐために創傷をシールし;体液の漏れを防ぐ場合に多くの用途を有し;そして、例えば、血管および種々の器官または組織の内面もしくは外面に施すことが可能である。
【0019】
本発明のモノマー組成物は、少なくとも1種の重合性アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを含む。具体的には、α−シアノアクリレートモノマーは、スペーサーR1を有する下記の一般式で表されるアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーであり:
【化3】

ここで、
【化4】

ここで、nが、2〜12を表し、
R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、R3またはR4の少なくとも一方が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、直鎖、分岐、または環式)を表し、
R2が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、直鎖、分岐、または環式)を表し、
スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である。
【0020】
nの値は、組成物の調製および精製を可能とすると共に、望ましい生物分解性および接着性を与えるような範囲にあることが重要である。nの好ましい範囲は、約2〜12の範囲であり、約2〜8の範囲であるのが更に好ましい。
【0021】
炭素原子の合計数(N)は、R3およびR4側枝における炭素原子の数、ならびにスペーサー骨格における炭素原子の数(n)の合計数として定義され、且つ下式:
【化5】

における炭素原子の合計数(N)は、少なくともn+1である。
【0022】
下式:
【化6】

における炭素原子の合計数(N)は、4以上であるのが好ましい。
【0023】
下式:
【化7】

における炭素原子の合計数(N)は、5以上であるのが更に好ましい。
【0024】
モノマーの例示としては、以下のものがある:
式(II):
【化8】

で表される3−(2−シアノ−アクリロイルオキシ)酪酸エチルエステル(3-(2-Cyano-acryloyloxy)-butyric acid ethyl ester)(Et-β-HBT-CA)、
式(III):
【化9】

で表される3−(2−シアノ−アクリロイルオキシ)ヘキサン酸エチルエステル(3-(2-Cyano-acryloyloxy)-hexanoic acid ethyl ester)(Et-β-CPL-CA)、
であるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書に記載されるアルキルエステルのシアノアクリレートモノマーは、クロネンタールらによる米国特許第3,995,641号に記載の手順に従って調製可能であり、その特許は、参照することによって、本願の内容に組み込まれる。クロネンタールらの方法において、かかるシアノアクリレートモノマーは、α−シアノアクリル酸を環式の1,3−ジエンと反応させて、ディールス−エルダー付加体(Diels-Alder adduct)を形成し、その後、アルカリ加水分解に付した後、酸性化して、対応のα−シアノアクリル酸付加体を形成することによって調製される。α−シアノアクリル酸付加体は、アルキルブロモアセテート(alkyl bromoacetate)によってエステル化されて、対応のカルボアルコキシメチルのα−シアノアクリレート付加体を形成するのが好ましい。
【0026】
或いは、α−シアノアクリル酸付加体は、塩化チオニル(thionyl chloride)との反応によってα−シアノアクリリルハロゲン化物付加体(the alpha-cyanoacrylyl halide adduct)に転化されても良い。その後、α−シアノアクリリルハロゲン化物付加体は、アルキルヒドロキシアセテートまたはメチル置換アルキルヒドロキシアセテートとの反応によって、対応のカルボアルコキシメチルのα−シアノアクリレート付加体またはカルボアルコキシアルキルのα−シアノアクリレート付加体をそれぞれ形成する。環式の1,3−ジエンブロック基は、最終的に除去され、カルボアルコキシメチルのα−シアノアクリレート付加体またはカルボアルコキシアルキルのα−シアノアクリレート付加体は、かかる付加体を、僅かに不足する無水マレイン酸の存在下で加熱することによって、対応のカルボアルコキシアルキルのα−シアノアクリレートに転化される。
【0027】
アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーは、アルキルシアノアセテートまたはアルキルエステルのシアノアセテートと、パラホルムアルデヒドとのクネーフェナーゲル反応(Knoevenagel reaction)によって調製することも可能である。これにより、シアノアクリレートオリゴマー(cyanoacrylate oligomer)に至る。次に、かかるオリゴマーを熱分解することにより、シアノアクリレートモノマーが形成される。更に精製した後、高純度(95.0%を超え、好ましくは99.0%を超え、更に好ましくは99.8%を超える)のシアノアクリレートモノマーを得ることが可能である。
【0028】
低水分含有且つ本質的に不純物非含有(例えば、外科用のグレード)にて調製されるモノマーが、生物医学的な使用の場合に好ましい。
【0029】
アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーは、単独で使用され得るか、または、1種以上のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーまたは他のモノマー、例えばアルキルシアノアクリレートおよびアルコキシアルキルシアノアクリレートなどのモノマー、非限定例として、メチルシアノアクリレート、エチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、n−オクチルシアノアクリレート(n-octyl cyanoacrylate)、2−オクチルシアノアクリレート(2-octyI cyanoacrylate)、ドデシルシアノアクリレート(dodecyl cyanoacrylate)、2−エチルヘキシルシアノアクリレート(2-ethylhexyl cyanoacrylate)、メトキシエチルシアノアクリレート(methoxyethyl cyanoacrylate)、2−エトキシエチルシアノアクリレート(2-ethoxyethyl cyanoacrylate)、3−メトキシブチルシアノアクリレート(3-methoxybutyl cyanoacrylate)、2−ブトキシエチルシアノアクリレート(2-butoxyethyl cyanoacrylate)、2−イソプロポキシエチルシアノアクリレート(2-isopropoxyethyl cyanoacrylate)、および1−メトキシ−2−プロピルシアノアクリレート(1-methoxy-2-propyl cyanoacrylate)とのコモノマーとして使用され得る。
【0030】
アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーの重合速度が遅い場合、アルキルエステルのシアノアクリレートモノマーの重合を開始または促進させる効果的な試薬が、モノマー組成物と一緒に用いられても良い。アルキルエステルのα−シアノアクリレートと共に使用する場合に特に好適な開始剤および促進剤により、より迅速な硬化速度が得られると共に、接着剤の吸収特性が保持される。アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーは、好適な開始剤または促進剤によって硬化が刺激されると、数秒から数分間の短さにて硬化し、形成が可能となる。硬化速度は、モノマー組成物に添加される開始剤または促進剤の量または濃度を選択することによって厳密に制御され得るので、本発明の開示内容の観点から、当業者によって、容易に制御することが可能である。好適な開始剤により、モノマーの完全な重合を堅実に制御可能となることから、モノマーの重合は、特定の用途に望ましい時間で起こることが可能となる。
【0031】
開始剤または促進剤は、求核官能基を有する分子(有機または無機もしくはこれらの混合物)である。かかる官能基の非限定例は、窒素含有基(例、アミノ、イミン、アミド、イミド)、リン含有化合物(例、ホスフィン)、酸素含有化合物(例、ヒドロキシル、カルボキシレート、水)、イオウ含有化合物(例、チオール)である。効果的な無機開始剤または促進剤の非限定例は、NaCl、NaHCO3、Na2CO3、およびリン酸ナトリウムである。有機・無機混合開始剤または促進剤の非限定例は、有機金属化合物、例えばグリニャール試薬(Grinard agents)である。好適な開始剤または促進剤は、例えば、米国特許第6,620,846 B1号に記載され、その記載内容は、参照することによって、そのまま本発明に組み込まれる。
【0032】
第四級アミンの開始剤または促進剤についても、有効であると知られている。好ましい実施の形態において、本発明は、第四級アミンの重合開始剤または促進剤、例えば、下式:
【化10】

[但し、R4、R5、R6、およびR7が、それぞれ個別に、H、もしくは置換または無置換の直鎖、分岐、または環式のアルキル基;置換または無置換の芳香族環;置換または無置換のアラルキル基(aralkyl group);もしくは、1個以上のヘテロ原子の官能基、例えば酸素、硫黄、窒素等を含んでいても良い置換または無置換のアルキルまたは芳香族基を表し、
-が、ハロゲン化物等のアニオン、例えば、塩化物、臭化物、またはフッ化物、またはヒドロキシルを表す。]
を有する第四級アミンの使用法を提供する。好ましい実施の形態において、R4、R5、R6、およびR7の少なくとも1個は、芳香族基および/またはヘテロ原子の官能性、例えばエーテルもしくはエステル結合、またはヘテロ原子が硫黄または窒素である場合の対応する結合を含む。第四級アミンの開始剤としては、臭化ドミフェン(domiphen bromide)、塩化ブチリルコリン(butyrylcholine chloride)、臭化ベンザルコニウム(benzalkonium bromide)、および塩化アセチルコリン(acetyl choline chloride)からなる群から選択されるのが好ましい。
【0033】
開始剤は、固体の形、例えば粉末または固体薄膜か、または液体の形、例えば粘稠性またはペースト様材料であっても良い。また、開始剤または促進剤は、種々の添加剤、例えば界面活性剤または乳化剤を含んでいても良い。開始剤または促進剤は、モノマー組成物に溶解し、および/または実施の形態において、開始剤または促進剤とモノマー組成物との共溶出(co-elute)を促進する少なくとも1種の界面活性剤を含み、またはかかる界面活性剤が加えられているのが好ましい。実施の形態において、界面活性剤は、モノマー組成物における開始剤または促進剤の分散を促進することが可能である。
【0034】
開始剤または促進剤は、モノマー組成物より先に組織に施されても良く、または、モノマー組成物が組織に施されてから、モノマー組成物に直接施されても良い。実施の形態において、開始剤または促進剤をモノマー組成物と組み合わせた直後に、組成物を組織に施しても良い。
【0035】
開始剤または促進剤の選択により、更に、重合されるモノマーが生体組織に吸収される速度に影響をおよぼす場合がある。従って、最も好適な開始剤または促進剤は、医学的用途に好適な速度でモノマーを重合すると共に、2年未満で実質的に吸収されるポリマーを提供する開始剤または促進剤である。好ましい開始剤としては、水の吸収により、ポリマーの分解を促進するように水を吸収する開始剤である。しかしながら、全ての開始剤が水を必ずしも吸収せず、水を吸収する開始剤は種々の速度で吸収するので、このような特性に基づき開始剤を選択することによっても、ポリマーの分解において所与の程度の制御を行うことができる。本発明の場合、“医学的用途に好適”なる用語は、開始剤または促進剤が、3分未満、好ましくは2.5分未満、更に好ましくは1分未満、屡々、45秒未満でモノマーを重合することを意味する。
【0036】
開始剤または促進剤、例えば前述の第四級アミンが本発明で使用されるのが好ましいものの、他の開始剤または促進剤についても、過度な実験を行うことなく当業者によって選択されても良い。かかる好適な開始剤または促進剤の非限定例は、洗浄剤組成物;界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート(polysorbate)20(例、ICIアメリカズ(ICI Americas)社製のトゥイーン20(Tween20(登録商標))、ポリソルベート80(例、ICIアメリカズ社製のトゥイーン80(Tween80(登録商標))、およびポロキサマー(poloxamers)、カチオン性界面活性剤、例えば臭化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium bromide)、アニオン性界面活性剤、例えば硫酸ナトリウムテトラデシル(sodium tetradecyl sulfate)、ならびに両性または双極性界面活性剤、例えばドデシルジメチル(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド(dodecyldimethyl(3-sulfopropyl)ammonium hydroxide)、分子内塩(inner salt);アミン、イミンおよびアミド、例えばイミダゾール(imidazole)、トリプトアミン(tryptamine)、尿素、アルギニン、およびポビジン(povidine);ホスフィン、亜リン酸塩、およびホスホニウム塩(phosphonium salts)、例えばトリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)および亜リン酸トリエチル(triethyl phosphite);アルコール、例えばエチレングリコール、没食子酸メチル、アスコルビン酸、タンニン、およびタンニン酸;無機塩基および塩、例えば亜硫酸水素ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、およびケイ酸ナトリウム;硫黄化合物、例えばチオ尿素およびポリスルフィド;ポリマーの環式エーテル、例えばモネンシン(monensin)、ノナクチン(nonactin)、クラウンエーテル、カリックスアレーン(calixarenes)、およびポリマーのエポキシド(epoxides);環式および脂環式カーボネート、例えばジエチルカーボネート;相間移動触媒、例えばAliquat336;有機金属化合物、例えばナフテン酸コバルトおよびマンガンアセチルアセトネート(manganese acetylacetonate);ならびにラジカル開始剤または促進剤およびラジカル、例えばジ−t−ブチルペルオキシド(di-t-butyl peroxide)およびアゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile)である。
【0037】
本発明の特定の組成物は、以下に詳細に説明されるように、アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーおよび増粘剤、可塑剤、着色剤、防腐剤、熱放散剤(heat dissipating agent)、安定剤等の種々の組み合わせを有していても良い。本発明の組成物は、65重量%〜99.9重量%のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを有し、0.005重量%〜10重量%の開始剤または促進剤によって重合が促進されるのが好ましい。更に好ましくは、本発明の組成物は、80重量%〜99.9重量%のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを有し、0.02重量%〜10重量%の開始剤または促進剤によって重合が促進される。なおいっそう好ましくは、本発明の組成物は、85重量%〜99.9重量%のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマー、例えば3−(2−シアノ−アクリロイルオキシ)酪酸エチルエステル(3-(2-Cyano-acryloyloxy)-butyric acid ethyl ester)および3−(2−シアノ−アクリロイルオキシ)ヘキサン酸エチルエステル(3-(2-Cyano-acryloyloxy)-hexanoic acid ethyl ester)を有し、0.05重量%〜5重量%の開始剤または促進剤、例えば臭化ドミフェンによって重合が促進される。また、本発明の組成物は、組成物の合計質量に対して0重量%〜25重量%、好ましくは0重量%〜10重量%、例えば0重量%〜5重量%の少なくとも1種の以下の成分:増粘剤、可塑剤、着色剤、防腐剤、熱放散剤、安定剤等を含んでいても良い。勿論、他の割合および/または成分に基づく他の組成物は、本願の開示内容の観点から、本発明の実施の形態により容易に調製され得る。
【0038】
組成物は、必要により、防腐剤を含んでいても良い。防腐剤は、パラベンおよびクレゾールを含む防腐剤から選択されても良いが、これらに限定されない。例えば、好適なパラベンの非限定例は、アルキルパラベンおよびその塩、例えばメチルパラベン、メチルパラベンナトリウム、エチルパラベン、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ブチルパラベン等である。好適なクレゾールは、クレゾール、クロロクレゾール(chlorocresol)等であるが、これらに限定されない。また、防腐剤は、他の公知の試薬から選択されても良く、非限定例は、以下のものが挙げられる:ヒドロキノン(hydroquinone) (imidazolidinyl urea, available from Sutton Laboratories, Charthan, N.J.)、ピロカテコール(pyrocatechol)、レゾルシノール(resorcinol)、4−n−ヘキシルレゾルシノール(4-n-hexyl resorcinol)、カプタン(captan)(すなわち、3a,4,7,7a−テトラヒドロ−2−((トリクロロメチル)チオ)−1H−イソインドール−1,3−(2H)ジオン(3a,4,7,7a- tetrahydro-2- ((trichloromethyl)thio)-1 H-isoindole-1 ,3(2H)-dione))、安息香酸、ベンジルアルコール、クロロブタノール(chlorobutanol)、デヒドロ酢酸(dehydroacetic acid)、o−フェニルフェノール(o-phenylphenol)、フェノール、フェニルエチルアルコール(phenylethyl alcohol)、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサール(thimerosal)、チモール(thymol)、フェニル水銀化合物、例えばホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル、および酢酸フェニル水銀、ホルムアルデヒド、ならびにホルムアルデヒド生成物質(formaldehyde generator)、例えば防腐剤のGermall II(登録商標)およびGermall 115(イミダゾリジニル尿素(imidazolidinyl urea)、ニュージャージー州チャタム(Chartham)のサットン・ラボラトリーズ(Sutton Laboratories)製)である。他の好適な防腐剤は、1999年10月29日に出願の米国特許出願第09/430,180号に開示され、その開示内容全体は、参照することによって本願に組み込まれる。実施の形態において、2種以上の防腐剤の混合物が使用されても良い。
【0039】
また、本発明のモノマー組成物は、熱放散剤を含んでいても良い。熱放散剤は、モノマーに可溶性または不溶性の液体または固体を含む。液体は、揮発性であっても良く、重合中に蒸発して、組成物から熱を放出することが可能である。好適な熱放散剤は、レオンらの米国特許第6,010,714号において見出すことが可能であり、その開示内容全体は、本願の内容に組み込まれる。
【0040】
組成物は、必要により少なくとも1種の可塑剤を含んでいても良く、かかる可塑剤は、モノマーから形成されるポリマーに対して可撓性を与える。可塑剤は、水分を殆ど含まないか、または含まないのが好ましく、モノマーの安定性またはモノマーの重合に重大な影響を与えないようにする必要がある。かかる可塑剤は、創傷、切開、擦過、潰瘍の閉鎖または保護、もしくは可撓性の接着剤が望ましい他の用途で用いられる重合化組成物において有用である。一部の増粘剤、例えばポリ−2−エチルヘキシルシアノアクリレート(poly-2- ethylhexylcyanoacrylate)についても、ポリマーに可撓性を与えることが可能である。
【0041】
可塑剤の適例は、アセチルトリブチルシトレート(acetyl tributyl citrate)、ジメチルセバケート(dimethyl sebacate)、トリエチルホスフェート(triethyl phosphate)、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート(tri(2-ethylhexyl)phosphate)、トリ(p−クレシル)ホスフェート(tri(p- cresyl) phosphate)、グリセリルトリアセテート(glyceryl triacetate)、グリセリルトリブチレート(glyceryl tributyrate)、ジエチルセバケート(diethyl sebacate)、ジオクチルアジペート(dioctyl adipate)、イソプロピルミリステート(isopropyl myristate)、ブチルステアレート(butyl stearate)、ラウリン酸、トリオクチルトリメリテート(trioctyl trimellitate)、ジオクチルグルタレート(dioctyl glutarate)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane)、およびこれらの混合物である。好ましい可塑剤は、トリブチルシトレート(tributyl citrate)およびアセチルトリブチルシトレート(acetyl tributyl citrate)である。実施の形態において、好適な可塑剤は、ポリマーの可塑剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)エステルおよびキャッピングされた(capped)PEGエステルまたはエーテル、ポリエステルグルタレート、およびポリエステルアジペートを含む。
【0042】
可塑剤を約0.1重量%〜約25重量%の範囲の量で添加することにより、可塑剤を有していない重合化モノマーに対して、重合化モノマーの伸び率および靱性が増大する。
【0043】
また、組成物は、少なくとも1種の増粘剤を含んでいても良い。増粘剤の適例は、ポリシアノアクリレート(polycyanoacrylates)、ポリ酢酸(polylactic acid)、ポリグリコール酸(polyglycolic acid)、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン(polycaprolactone)、乳酸−カプロラクトン共重合体、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸(poly-3- hydroxybutyric acid)、ポリオルトエステル(polyorthoesters)、ポリアルキルアクリレート(polyalkyl acrylates)、アルキルアクリレートおよび酢酸ビニルの共重合体、ポリアルキルメタクリレート(polyalkyl methacrylates)、ならびにアルキルメタクリレート(alkyl methacrylates)およびとブタジエンの共重合体である。
【0044】
組成物は、必要により、少なくとも1種のチキソトロープ剤(thixotropic agent)を含んでいても良い。好適なチキソトロープ剤は、当業者に知られており、シリカゲル、例えばシリルイソシアネート(silyl isocyanate)で処理されたシリカゲルを含むが、これに限定されない。チキソトロープ剤の適例は、例えば、米国特許第4,720,513号に開示され、その記載内容をそのまま本願の内容に組み込む。
【0045】
組成物は、必要により、少なくとも1種の、耐衝撃性を付与する天然または合成のゴムを含んでいても良いが、これは本発明の工業的な組成物の場合に特に望ましい。好適なゴムは、当業者に知られている。かかるゴムの非限定例は、ジエン、スチレン、アクリロニトリル、およびこれらの混合物である。好適なゴムの例示は、例えば、米国特許第4,313,865号および第4,560,723号に開示され、これらの開示内容は、そのまま本願の内容に組み込まれる。
【0046】
組成物は、必要により、少なくとも1種のアニオン性気相安定剤および/または少なくとも1種のアニオン性液相安定剤を含んでいても良い。これらの安定剤は、時期尚早の重合を抑制する。かかる安定剤は、アニオン性安定剤およびラジカル安定剤の混合物を含んでいても良い。モノマーの所望の重合および吸収性に悪影響を及ぼさない限り、任意の安定剤の混合物が含まれる。好適な安定剤は、例えば、米国特許第6,512,023号に開示され、その開示内容全体を、参照することによって本願の内容に組み込む。
【0047】
本発明の組成物は、他のシアノアクリレート、例えばメチルシアノアクリレートおよびエチルシアノアクリレートと比較して、アルキルエステルのα−シアノアクリレート、例えば3−(2−シアノ−アクリロイルオキシ)酪酸エチルエステル(3-(2-Cyano-acryloyloxy)-butyric acid ethyl ester、Et-β-HBT-CA)および3−(2−シアノ−アクリロイルオキシ)ヘキサン酸エチルエステル(3-(2-Cyano-acryloyloxy)-hexanoic acid ethyl ester、Et-β-CPL-CA)における側鎖構造部分の吸収性に起因して毒性を減ずると考えられている。しかしながら、本発明の医療用組成物は、ポリマーの生体内分解中に生成される活性ホルムアルデヒド濃度水準を減ずるのに有効な少なくとも1種の生体適合性物質を含んでいても良い(本願明細書において、“ホルムアルデヒド濃度低減剤”と称する)。かかる成分は、ホルムアルデヒドスカベンジャー化合物(formaldehyde scavenger compound)であるのが好ましい。本発明で有用なホルムアルデヒドスカベンジャー化合物の例示は、亜硫酸;重亜硫酸;亜硫酸および重亜硫酸の混合物;亜硫酸アンモニウムの塩;アミン;アミド;イミド;ニトリル(nitriles);カルバメート(carbamates);アルコール;メルカプタン(mercaptans);タンパク質;アミン、アミド、およびタンパク質の混合物;活性のメチレン化合物、例えば環式ケトンおよびβ−ジカルボニル基を有する化合物;ならびにカルボニル基非含有で且つNH基を含み、環が窒素または酸素原子から形成される複素環式化合物であって、環が不飽和、またはフェニル基に縮合する場合には不飽和若しくは飽和であり、NH基が、炭素または窒素原子に結合し、その原子が、他の酸素または窒素原子に対して二重結合で直接結合する、複素環式化合物である。
【0048】
ホルムアルデヒド水準低減化合物および組成物の他の例示は、米国特許第6,010,714号、同第5,624,669号、同第5,582,834号、同第5,575,997号で具現され、これらの開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。
【0049】
本発明の組成物から形成される接着剤の結合力を改良するために、二官能性のモノマーの架橋剤が、本発明のモノマー組成物に添加されても良い。かかる架橋剤は、公知である。オーバーハルツ(Overhults)らによる米国特許第3,940,362号は、かかる架橋剤を開示し、その開示内容は、参照することによってそのまま本願の内容に組み込まれる。架橋剤の適例は、アルキルビス(2−シアノアクリレート)(alkyl bis(2-cyanoacrylates))、トリアリルイソシアヌレート(triallyl isocyanurates)、アルキレンジアクリレート(alkylene diacrylates)、アルキレンジメタクリレート(alkylene dimethacrylates)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylol propane triacrylate)、およびアルキルビス(2−シアノアクリレート)(alkyl bis(2-cyanoacrylates))である。本発明の開示内容により、触媒量のアミン活性化フリーラジカル開始剤、促進剤、または速度調節剤が添加されて、重合を開始するか、またはシアノアクリレートモノマー/架橋剤のブレンドによる重合速度を変更することが可能である。
【0050】
基材(例、組織表面)と本発明の組成物との間の接着を改良するために、アルキルエステルのα−シアノアクリレートにおいて施す前に、下塗り剤が用いられて、基剤を調節することが可能である。好適な下塗り剤は、pH調整剤(例、有機または無機塩基)、イオン性および非イオン性界面活性剤、ならびに有機または無機塩であるが、これらに限定されない。他の好適な下塗り剤は、本願の開示内容の観点から当業者によって容易に同定され得る。
【0051】
更に、本発明の組成物は、繊維補強材および着色剤、例えば染料、顔料、および顔料色素(pigment dyes)を含んでいても良い。繊維補強材の適例は、PGAのミクロフィブリル(microfibrils)、コラーゲンのミクロフィブリル、セルロースのミクロフィブリル、およびオレフィン系のミクロフィブリルである。好適な着色剤は、例えば、1−ヒドロキシ−4−[4−メチルフェニル−アミノ]−9,10−アントラセンジオン(D+CバイオレットNo.2)(1- hydroxy-4-[4-methylphenyl-amino] -9,10 anthracenedione (D+C violet No. 2));6−ヒドロキシ−5−[(4−スルホフェニル)アクソ]−2−ナフタレン−スルホン酸のジナトリウム塩(FD+CイエローNO.6)(disodium salt of 6-hydroxy-5- [(4-sulfophenyl)axo]-2-naphthalene-sulfonic acid (FD+C Yellow No. 6));9−(o−カルボキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4,5,7−テトラヒドロ−3H−キサンテン−3−オン(9- (o-carboxyphen0yl)-6-hydroxy-2,4,5,7-tetraiodo-3H- xanthen-3-one)、ジナトリウム塩、一水化物(FD+CレッドNo.3)(monohydrate (FD+C Red No. 3));2−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−5−スルホ−2H−インドール−2−イリデン)−2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1H−インドール−5−スルホン酸ジナトリウム塩(FD+CブルーNo.2)(2-(1 ,3-dihydro- 3-oxo-5-suIfo-2H-indol- 2-ylidene)-2,3-dihydro-3-oxo-1 H-indole-5-sulfonic acid disodium salt (FD+ C Blue No. 2));および[フタロシアニナト(2−)]銅( [phthalocyaninato (2-)] copper)である。
【0052】
本発明の組成物に対する他の変性剤は、米国特許第5,624,669号、同第5,582,834号、同第5,575,997号、同第5,514,371号、同第5,514,372号、および同第5,259,835号、ならびに米国特許出願第08/714,288号で具現され、これらの全ての開示内容は、参照することによってそのまま本願の内容に組み込まれる。
【0053】
本発明の実施の形態において、組成物は、必要により、少なくとも1種の生物剤または治療薬を含んでいても良い。本発明の複数の充填粒子と共に使用され得る生物剤/治療薬の種類は、非常に広範である。概して、本発明の接着剤/シーラント組成物に投与され得る生物剤/治療薬は、以下のものを含むが、これらに限定されない:すなわち、抗感染剤、例えば抗生物質、抗菌剤(例、ジヨードメチル−p−トリルスルホン(Diiodomethyl-p-tolylsulfone)、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(2,4,4'-Trichloro-2'- Hydroxydiphenyl Ether)、またはこれらの組み合わせ)、および抗ウィルス剤;鎮痛薬および鎮痛薬の配合物;食欲抑制薬;抗蠕虫薬;抗関節炎薬;抗喘息薬;抗痙攣薬;抗鬱薬;抗利尿薬;下痢止め薬;抗ヒスタミン薬;抗炎症薬;抗偏頭痛薬剤;制嘔吐剤;抗新生物薬;抗パーキンソン病薬;止痒薬;抗精神病薬;解熱薬;鎮痙薬;抗コリン作用薬;交感神経興奮剤;キサンシン誘導体;カルシウムチャンネル遮断薬(calcium channel blockers)およびβ−ブロッカー、例えばピンドロル(pindolol)を含む心臓血管の薬剤、ならびに抗不整脈薬;抗高血圧薬;利尿薬;一般の冠状、末梢、および脳を含む血管拡張剤;中枢神経系刺激薬;鎮咳薬および風邪薬、うっ血除去薬を含む;ホルモン、例えばエストラジオール(estradiol)および他のステロイド、コルチコステロイドを含む;睡眠薬;免疫抑制薬;筋弛緩剤;副交感神経遮断薬;覚醒薬;鎮静剤;精神安定剤;天然由来のまたは遺伝子工学によって合成されたタンパク質、多糖類、糖蛋白質、リポ蛋白質;オリゴヌクレオチド、抗体、抗原、コリン作用薬、化学療法薬、放射性医薬品、骨誘導性薬、膀胱静止性のヘパリン中和剤、凝血原および止血剤、例えばプロトロンビン(prothrombin))、トロンビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン(fibronectin)、ヘパリナーゼ(heparinase、第X/Xa因子(Factor XIXa)、第VII/VIIa因子(Factor Vl I/VI Ia)、第IX/IXa因子(Factor IX/IXa)、第XI/XIa因子(Factor Xl/Xla)、第XII/XIIa因子(Factor Xll/Xlla)、組織因子、バトロキソビン(batroxobin)、アンクロッド(ancrod)、エカリン(ecarin)、フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand Factor)、コラーゲン、エラスチン、アルブミン、ゼラチン、血小板表面の糖蛋白質、バソプレシン、バソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン((selectin)、凝血促進性の毒物、プラスミノゲン活性化因子阻害剤、血小板活性剤、および止血作用を有する合成ペプチド。
【0054】
本発明の組成物は、他のシール手段と共に利用されても良い。例えば、接着剤は、外科縫合、テープ、またはステープルによって閉鎖された創傷に施されても良い。本発明の接着剤は、他のシール手段、例えば、米国特許第6,014,714号で同定される手段と共に使用されても良く、かかる文献の開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。
【0055】
本発明の組成物は、単一または複数の用途で施されても良い。接着剤は、第1の層で施されても良く、第1の層が完全にまたは部分的に重合可能となった後、次の層が追加されても良い。かかる処理は、創傷の寸法および各々の塗布で施される接着剤の量に応じて、多数回行われても良い。
【0056】
モノマー組成物は、ガラス、プラスチック、金属充填物、および薄膜形成充填物を含む材料から作製される任意の種類の好適な容器中に充填されても良いが、材料は、これらに限定されない。好適な容器としては、かかる容器中において、容器またはモノマー組成物の成分に対して受容不可能な損傷、または分解無しに組成物が分配および滅菌され得る容器である。容器の少なくともモノマー接触面における後ハロゲン化(post-halogenated)(例、フッ素化)またはシラン化ポリマー(silanized polymeric)バリア層により、1999年10月29日に出願された米国特許出願第09/430,289号に開示されているように、モノマー組成物の優れた貯蔵寿命を得るが、かかる文献の開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。乾式加熱によって滅菌が達成される場合には、ガラスであるのが特に好ましい。なぜなら、乾式加熱殺菌で用いられる温度条件下では(通常、少なくとも約140℃)、多くのプラスチックが安定性に欠けるからである。かかる種類の容器としては、例えば、アンプル、バイアル、注射器、ピペットが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
また、本発明は、吸収性シアノアクリレート接着剤を組織に運搬するシール可能なキットを提供する。キットは、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーを含む第1の容器、および重合開始剤または促進剤を含むシール可能なパッケージを備える。
【0058】
キットは、開始剤または促進剤を含む第2の容器を備えていても良い。または、開始剤または促進剤が所望の使用前にモノマーと接触しない限り、第1の容器は、容器中または容器上において、開始剤または促進剤を有することが可能である。開始剤または促進剤は、これらが共に充填された重合性モノマー組成物と共に機能して、モノマーの重合を開始するか、またはモノマーの重合速度を変更(例、加速)することにより、ポリマーの接着剤を形成するように選択される。開始剤または促進剤および重合性モノマーの適切な組み合わせは、本願の開示内容の観点から、過度な実験を行うことなく当業者により決定され得る。また、キットは、組成物を生体組織に施す助けとなるためにブラシ、スワブ、またはスポンジを含んでいても良い。また、キットは、滅菌されるのが好ましい;しかしながら、容器および成分は、別個に、または一緒に滅菌されても良い。本発明のキットおよびキットの構成部分(組成物を含む)は、10-3〜10-6滅菌保証レベル(Sterility Assurance Level、SAL)の範囲の滅菌水準を有し、外科の場合には無菌であることが好ましい。かかるキットの種々の設計が、例えば1999年8月30日に出願された米国特許出願第09/385,030号に開示され、かかる文献の開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。滅菌は、当業者に公知の技術によって達成されても良く、化学的な方法、物理的な方法、および照射法を含む方法によって達成されるのが好ましいが、これらの方法に限定されない。物理的な方法としては、例えば、無菌充填、ろ過、加熱殺菌(乾式または湿式)、およびレトルトキャニング(retort canning)が挙げられるが、これらに限定されない。照射法としては、例えば、ガンマ照射、電子線照射、およびマイクロ波照射が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本発明の実施の形態において、好適なアプリケータを使用して、接着剤組成物を基材に施しても良い。例えば、アプリケータは、概して、閉鎖末端部、開口末端部、および中空の内部ルーメンを有するチューブ状に形成されるアプリケータ本体部を含んでもよく、粉砕可能または折り曲げ可能なアンプルを保持する。アプリケータおよびその関連するパッケージは、使い捨てアプリケータとして、または複数回使用のアプリケータとして設計されても良い。好適な複数回使用のアプリケータは、例えば、1999年8月30日に出願の米国特許出願第09/385,030号に開示され、その開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。
【0060】
本発明の実施の形態において、アプリケータは、アプリケータ本体部およびアンプル以外の他の要素を含んでいても良い。例えば、アプリケータ先端部が、アプリケータの開口末端部に設けられていても良い。アプリケータ先端部の材料は、アンプル内での組成物の塗布を高め、そして容易にするために、多孔性で、吸収性で、または事実上、吸収性であっても良い。本発明により使用され得るアプリケータおよびアプリケータ先端部の好適な設計は、例えば、レオンによる米国特許第5,928,611号および1998年4月30日に出願の米国特許出願第09/069,979号、1998年4月30日に出願の同第09/069,875号、2000年1月7日に出願の同第09/479,059号、および2000年1月7日に出願の同第09/479,060号に開示され、これらの開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。
【0061】
本発明の実施の形態において、アプリケータは、開始剤または促進剤を、アプリケータまたはアプリケータ先端部の表面部分に、または先端部の内部および外部を含む、アプリケータ先端部の表面全体に含んでいても良い。開始剤または促進剤がアプリケータ先端部内に、またはアプリケータ先端部上に含まれる場合、開始剤または促進剤は、アプリケータ先端部の表面に施されるか、もしくはアプリケータ先端部のマトリックスまたは内側部分に含浸されまたは組み込まれても良い。更に、開始剤または促進剤は、例えば、先端部の作製中に、アプリケータ先端部に組み込まれても良い。
【0062】
他の実施の形態において、開始剤または促進剤は、アプリケータ本体部の内面および/またはアンプルまたはアプリケータ本体部内に設けられる他の容器の外面に被覆されるか、第2の折り曲げ可能なバイアルまたはアンプルの形でアプリケータ本体部に載置されるか、および/または、重合性モノマー組成物と開始剤または促進剤との間の非接触関係が、接着剤の使用まで維持される限り、他の方法でアプリケータ本体部内に含まれても良い。
【0063】
アプリケータの種々の設計および開始剤または促進剤をアプリケータに組み込む方法が、レオンによる米国特許第5,928,611号、および1998年4月30日に出願の米国特許出願第09/069,979号、1998年4月30日に出願の同第09/069,875号、1998年9月1日に出願の同第09/145,200号に開示され、これらの開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。
【0064】
アルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーは、このモノマーの吸収性、および生体組織および関連する液体により得られるポリマーの吸収性によって、医学的用途に特に有用である。本発明によると、重合され、そして施されるシアノアクリレートモノマーは、生体組織に施した後、2年未満、好ましくは約2〜24ヶ月、更に好ましくは3〜18ヶ月、最も好ましくは6〜12ヶ月で実質的に吸収される。
【0065】
重合化モノマーの吸収速度は、組成物の性質および施される組成物の量を含む数種類の要因によって影響を及ぼされる。例えば、組成物の直接の生体内環境でのpHを調節することにより、1996年9月16日に出願の米国特許出願第08/714,288号に開示されているように、ポリマーの分解を調節する助けとなる場合があり、かかる文献の開示内容全体は、参照することによって本願の内容に組み込まれる。
【0066】
モノマーの選択が、これにより得られるポリマーの吸収速度、およびモノマーの重合速度に影響をおよぼす場合がある。例えば、理論に拘泥されることなく、開始剤の吸湿性が高ければ高いほど、ポリマーの分解を更に迅速にするであろうと考えられている。吸収性および/または重合速度を変更した2種以上の異なるモノマーは、一緒に使用されて、これにより得られるポリマーの吸収速度、およびモノマーの重合速度に対する制御が大幅に可能となる。従って、本発明の実施の形態における重要な側面は、重合および吸収速度の両方を比較的狭く且つ予想可能な範囲で制御するために、モノマーおよび開始剤の選択に在る。
【0067】
本明細書で記載される組成物は、多数の医学的用途を有している。例えば、内部外科用接着剤およびシーラントとして、接着剤は、組織を組織に対して、組織を医療用具(例、メッシュ、クリップ、および膜)に対して、医療用具を医療用具に対して、接着することが可能である。シーラントとして、組成物は、組織に、医療用具に、または組織と共に医療用具の内面に対して被覆されて、漏れを防ぐことが可能である。組成物は、生体内原位置で(in situ)膜を形成するために使用可能であり、かかる薄膜は、例えば外科的接着を妨害する用途を有している場合がある。組成物は、生体内原位置でフォーム(foams)を形成するために使用可能であり、かかるフォームは、フィラー(例、死腔の除去、再生、および美容外科)、充填剤、再生医療(例、骨格)の材料、ならびにフォームおよびスポンジが有用な他の用途を有している場合がある。組成物は、注射可能となるように調製され、そして使用されて、生体内原位置でゲルを形成することが可能となり、かかるゲルは、配置されて(localized)、組織に対して接着し、そしてゲルが注入された部位に止まる。かかるゲルは、細胞および他の生物剤、生体活性剤、および医薬品、または機能性食品剤の運搬マトリックス等の用途、ならびに閉栓剤としての、そして造影剤(contrasting agent)を配置するための手段としての用途を有している場合がある。
【0068】
外科的シーラント/接着剤として、これは、主な創閉鎖装置、例えばステープル、縫糸、メッシュに対する補助剤として使用されて、気体、液体、または固体の潜在的な漏れをシールすることが可能である。更に詳細には、外科的接着剤/シーラントは、外科的な処置の一部として、種々の形にて、例えば以下のもの:すなわち、液体、粉末、膜、スポンジ、またはフォーム、含浸布、含浸スポンジまたはフォーム、もしくはスプレーにて、組織に施されても良い。
【0069】
フィラーとして、モノマー組成物は、顔面、欠陥、または空隙のフィラーとして使用され得る。例えば、組成物は、内部空隙の間隙に施され、そこで重合して、これにより得られるポリマーが、内部キャビティおよび空隙を充填して、組織の間隙および細孔に浸透し、適応することが可能である。組成物は、死腔形成の潜在的リスクを有する多数の処置後に使用されても良く、かかる処置の非限定例は、胸筋合併乳房切除術(radical mastectomy)(すなわち、癌の処置のための乳房および局所リンパ節の除去)、乳房再生および豊胸処置、再建または美容の腹部形成術および脂肪吸引、顔のたるみ取り、帝王切開術および肥満患者の子宮摘出術、大腿部領域への整形外科的処置、切開創ヘルニアの修復、脂肪腫の摘出、ならびに外傷性疾患、すなわち閉鎖性外傷である。
【0070】
〔実施例〕
本発明は、更に、後述の非限定の実施例を参照しつつ理解されるであろう。
【0071】
〔実施例1A〕
3−(2−シアノアセトキシ)酪酸エチルエステル(Et−β−HBT−CAc)の合成
【化11】

【0072】
194.0gのエチル−3−ヒドロキシブチレート(ethyl-3-hydroxybutyrate)、149.83gのシアノ酢酸、および10.76gの4−ジメチルアミノピリジン(4-dimethylaminopyridine、DMAP)の混合物が、機械的な撹拌器を具備する3Lの三ツ口丸底フラスコ中において、1500mLのCH2Cl2中で撹拌された。かかる混合物に対して、約75mlのN−N’−ジメチルホルムアミド(N-N'-dimethylformamide、DMF)が添加されて、透明な溶液を形成した。かかる溶液が氷水浴中で冷やされた。別個に調製されたジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodiimide、DCC)溶液(600mLのCH2Cl2中の363.45g)が、追加の漏斗を用いて、上記の冷やされた溶液に添加された。添加を開始してから5分以内に、白色の沈殿が形成した。反応混合物が一晩撹拌された。
【0073】
沈殿が、ろ過によって最初に除去され、そしてろ液が、ロータリ蒸発によって蒸発されて、溶剤を除去した。所望の生成物(3−(2−シアノアセトキシ)酪酸エチルエステル)が、真空下での2回の蒸留によって得られた。合計して、212.5g(収率73%)の無色の液体が集められた。
【0074】
1H NMR (CDCI3, δppm): 5.39(m, 1H), 4.16(q, 2H), 3.42(s, 2H), 2.62(m, 2H),1.37(d, 3H), 1.27(t, 3H)
GC-MS: 99.4%
沸点:100〜109℃/0.20〜0.27mmHg
【0075】
〔実施例1B〕
3−(2−シアノアクリロイルオキシ)酪酸エチルエステル(Et−β−HBT−CA)の合成
【化12】

【0076】
39.84gの3−(2−シアノアセトキシ)酪酸エチルエステル(Et−β−HBT−CAc)、6.6gのパラホルムアルデヒド、0.06mLのピペリジン(piperidine)、および150mLのベンゼンの混合物が、マグネティックスターラーを具備する250mLの丸底フラスコ中において撹拌された。かかる反応フラスコに対して、ディーン・スタークトラップ(Dean-Stark trap)および冷却器が取り付けられた。反応フラスコが油浴中に沈められた。反応混合物が還流するように加熱され、一晩反応させた。
【0077】
僅かに茶色く着色された反応混合物が、ロータリエバポレータによって蒸発されて、溶剤を除去し、茶色く着色された粘稠性の残留物を産出し、室温まで冷却した後に固体のゲルにされた。かかる固体のゲルは、3−(2−シアノアクリロイルオキシ)酪酸エチルエステルのオリゴマーであった。
【0078】
かかるオリゴマーに対して、0.20gのヒドロキノン(hydroquinone、HQ)および2.0gのP25が添加された。簡素な真空蒸留が設定され、全てのガラス製品の部品が5NのH2SO4で予め処理され、そして脱イオン水(DI水)で濯いだ後に真空炉で乾燥された。オリゴマー、ヒドロキノン、およびP25の上記の混合物が140℃まで加熱されて、低沸点の不純物を除去し、その後、真空下に油浴中にて160℃を超える温度に加熱されて、解重合を行った。これにより得られる粗なモノマーが真空下で1回以上蒸留された。合計して8.4g(収率20%)の無色の液体が、最終生成物のモノマー(3−(2−シアノアクリロイルオキシ)酪酸エチルエステル)として得られた。
【0079】
極少量の上記のモノマー生成物が、2つの湿潤な指先の間に載置されて、これらの指先を1分以内で強固に接着した。
【0080】
1H NMR (CDCI3, δppm): 7.03(s, 1H), 6.60(s, 1H), 5.43(m, 1H), 4.15(q, 2H),2.65(m, 2H), 1.40(d, 3H), 1.23(t, 3H)
GC-MS: 98.3%
沸点:114〜115℃/〜0.17mmHg
【0081】
〔実施例2A〕
3−(2−シアノアセトキシ)ヘキサン酸エチルエステル(Et−β−CPL−CAc)の合成
【化13】

【0082】
625mLのCH2Cl2中で、100.14gのエチル−3−ヒドロキシヘキサノエート(ethyl-3-hydroxyhexanoate)、63.75gのシアノ酢酸、および4.58gの4−ジメチルアミノピリジン(4-dimethylaminopyridine、DMAP)の混合物が、機械的な撹拌器を具備する2Lの三ツ口丸底フラスコ中において撹拌された。約31mLのN−N’−ジメチルホルムアミド(DMF)が添加されて、透明な溶液を形成した。かかる溶液が氷水浴中で冷やされた。別個に調製されたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)溶液(250mLのCH2Cl2中の154.75g)が、追加の漏斗を用いて、上記の冷やされた溶液に添加された。添加を開始してから5分以内に、白色の沈殿が形成した。反応混合物が一晩撹拌された。
【0083】
沈殿が、ろ過によって最初に除去され、そしてろ液が、ロータリ蒸発によって蒸発されて、溶剤を除去した。所望の生成物が、真空下での2回の蒸留によって得られた。合計して、86.0g(収率61%)の無色の液体が集められた。
【0084】
1H NMR (CDCI3, δppm): 5.35(m, 1H), 4.15(q, 2H), 3.42(s, 2H), 2.62(m, 2H),1.63(m, 2H), 1.37(m, 2H), 1.24(t, 3H), 0.95(t, 3H)
GC-MS: 99.4%
沸点:115〜130℃/〜0.43mmHg
【0085】
〔実施例2B〕
3−(2−シアノアクリロイルオキシ)ヘキサン酸エチルエステル(Et−β−CPL−CA)の合成
【化14】

【0086】
実施例1Bに記載されているのと同様の手順に従い、同様の装置を利用したが、45.45gの3−(2−シアノアセトキシ)ヘキサン酸エチルエステル(Et−β−CPL−CAc)、6.6gのパラホルムアルデヒド、0.06mlのピペリジン、0.20gのHQ、2.0gのP25、および150mlのベンゼンが使用された。
【0087】
実施例1Bに記載されたように、粗生成物が、真空条件下の第2の蒸留によって更に精製された。合計して、9.6g(収率20%)の最終生成物が無色の液体として得られた。
【0088】
極少量の上記の生成物が、2つの湿潤な指先の間に載置されて、これらの指先を1分以内で強固に接着した。
【0089】
1H NMR (CDCI3, δppm): 7.03(s, 1H), 6.60(s, 1H), 5.40(m, 1H), 4.15(q, 2H),2.65(m, 2H), 1.70(m, 2H), 1.38(m, 2H), 1.22(t, 3H), 0.95(t, 3H)
GC-MS: 99.0%
沸点:107〜114℃/〜0.40mmHg
【0090】
〔実施例3A〕
シアノ酢酸の1−ブトキシカルボニル−エチルエステル(Bu−Lac−CAc)の合成
【化15】

【0091】
2000mLのCH2Cl2中で、292.32gのブチルラクテート(butyllactate)、204.14gのシアノ酢酸、および14.66gの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の混合物が、機械的な撹拌器を具備する3Lの三ツ口丸底フラスコ中において撹拌された。約50mLのN−N’−ジメチルホルムアミド(DMF)が添加されて、透明な溶液を形成した。かかる溶液が氷水浴中で冷やされた。別個に調製されたジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)溶液(500mLのCH2Cl2中の495.19g)が、追加の漏斗を用いて、上記の冷やされた溶液に添加された。添加を開始してから5分以内に、白色の沈殿が形成した。反応混合物が一晩撹拌された。
【0092】
沈殿が、ろ過によって最初に除去され、ろ液が、ロータリ蒸発によって蒸発されて、溶剤を除去した。所望の生成物が、真空下での2回の蒸留によって得られた。合計して、266.0g(収率62%)の無色の液体が集められた。
【0093】
1H NMR (CDCI3, δppm): 5.17(q, 1H), 4.19(t, 2H), 3.57(s, 2H), 1.62(m, 2H),1.56(d, 3H), 1.39(m, 2H), 0.95(t, 3H)
GC-MS: 97.0%
沸点:87〜97℃/0.10〜0.19mmHg
【0094】
〔実施例3B〕
2−シアノアクリル酸の1−ブトキシカルボニル−エチルエステル(Bu−LAc−CA)の合成
【化16】

【0095】
実施例1Bに記載されているのと同様の手順に従い、同様の装置を利用したが、85.29gのシアノ酢酸の1−ブトキシカルボニル−エチルエステル(Bu−Lac−CAc)、13.2gのパラホルムアルデヒド、0.12mlのピペリジン、0.40gのHQ、4.0gのP25、および250mLのベンゼンが使用された。
【0096】
実施例1Bに記載されたように、粗生成物が、真空条件下の第2の蒸留によって更に精製された。合計して、38.2g(収率42%)の最終生成物が無色の液体として得られた。
【0097】
極少量の上記の生成物が、2つの湿潤な指先の間に載置されて、そしてこれらの指先を1分以内で強固に接着した。
【0098】
1H NMR (CDCI3, δppm): 7.12(s, 1H), 6.68(s, 1H), 5.21(q, 1H), 4.19(t, 2H),1.62(m, 5H), 1.38(m, 2H), 0.96(t, 3H).
GC-MS: 99.2%
沸点:89〜99℃/0.31〜0.41mmHg
【0099】
〔実施例4〕
豚皮様皮膚(pig skin)を用いるラップ剪断試験の一般的な手順
【0100】
新鮮な豚皮様皮膚が、豚殺後5時間以内のブタの背中から採取された。トリミングおよびシェービングによって体毛が除去されて、滑らかな皮膚表面を露出させた。皮膚表面の内側に付着する脂肪分が切り取られた。皮膚が、2”×1”の切り取り試片に裁断され、使用前に、生理食塩水湿潤のペーパータオルで被覆された。
【0101】
皮膚の外表面は、接着面として使用されて、ラップ剪断接合部サンプルを調製した。
【0102】
切り取り試片は、ラップ剪断接合部の形成前に、たたくようして水気を取られた。約100μLの接着剤が、近接端部から1/2”内における一の切り取り試片に載置され、平坦にして、1/2”×1”領域を被覆した(図1)。他の切り取り試片は、接着剤が施された切り取り試片の領域に亘って載置されて、1/2”×1”の重複部分を形成した。1lbの重りが、重複領域の上に載置された。接合部を、20〜30分間硬化し、接合部の強度が、後述のように試験された。
【0103】
硬化された接合部の強度は、5mm/分の引き抜き速度でインストロン(Instron)(5544型(Model 5544))を用いて試験された。
【0104】
典型的に、約10個の接合部サンプルが、各接着剤に関して試験された。結果が、表1にまとめられた。
【0105】
【表1】

【化17】

【0106】
表1に記載されたように、モノマーのR3およびR4におけるスペーサーの長さ(n)および鎖長の両方は、かかるモノマーから形成される対応のポリマーの物理性能に対して影響力を有していた。
【0107】
〔実施例5〕
生体内分解の調査に関する一般的な手順
【0108】
1”×1”のプロレン(Prolene、商標)メッシュ(エシコン(Ethicon)社)が、0.5重量%のNaHCO3水溶液で簡単に濯がれ、そしてたたくようにして水気を取られた。メッシュが、ペトリ皿において、新たに調製された寒天平板に載置され、そして約100mgのモノマー接着剤が施され、メッシュに亘って均一に広げられた。モノマー接着剤は、パラフィルムで覆われ、シールされたペトリ皿で一晩完全に硬化された。メッシュに対して形成され、完全に硬化されたポリマーフィルムが除去され、脱イオン水で濯がれて、付着する寒天を取り除き、ペーパータオルでたたくようにして水気を取られた。ポリマーフィルムの厚さは、約0.6mmであった。
【0109】
上記のフィルムが100mLの脱イオン水を含む加水分解チャンバーに載置されると共に、溶液の温度が75℃に維持された。溶液のpHは、ポリマーフィルムの分解中、0.05NのNaOH水溶液を添加して7.27に維持された。7.27のpHを維持するのに必要とされるNaHO水溶液の量が、時間の関数として記録された。分解時間は、消費されるNaOH溶液の合計に対して90%を消費するために培地に必要とされる時間として定義された。各ポリマーの分解時間は、表2にまとめられた。
【0110】
更に、上記のポリマーのガラス転移温度(Tg)についても、表2に報告された。
【表2】

【0111】
表2に示されるように、本発明の組成物から形成されるポリマーは、体温(すなわち37℃)より低いTgを示し、これは、医学的用途の場合に特に望ましいので、モノマー接着剤の調製に可塑剤を使用する必要がないと思われる。
【0112】
2つのメカニズムが、逆クネーフェナーゲル反応(reverse Knoevenagel reaction)(F.レアオナード(F. Leaonard)等著, ジャーナル・オブ・アプライド・ポリマー10(J. Appl. Polym., 10), 259-272頁, 1966)および側鎖の加水分解(side-chain hydrolysis)(V.レナエルツ(V. Lenaerts)等著, バイオマテリアルズ5(Biomaterials, 5), 65-68頁, 1984)を介するシアノアクリレートポリマーの分解に関して提案された。標題のシアノアクリレートポリマーの分解は、以下の説明図に示されているように、両方のメカニズムによって同時に起こる場合があった。指摘のように、側鎖のメカニズムを介して2つの分解箇所が存在する可能性がある。
【化18】

説明図:標題のシアノアクリレートポリマーの分解
【0113】
加水分解性の側鎖エステル官能性の存在は、逆クネーフェナーゲル反応のメカニズムから得られる、分解生成物としてのホルムアルデヒドの生成を減ずることが可能である側鎖の加水分解メカニズムに望ましいと考えられる。側鎖の加水分解の分解生成物は、重大な安全の懸念となり得ない側鎖のエステル構造またはその断片、例えばアルコールおよび酸を含むと考えられる。
【0114】
〔実施の態様〕
(1)モノマー組成物において、
下式:
【化19】

で表される、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーであって、
下記のスペーサーR1:
【化20】

を有し、
ここでnが、2〜12を表し、
R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、R3またはR4の少なくとも一方が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
R2が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
前記スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である、
少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマー、
を含む、モノマー組成物。
(2)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
R2が、直鎖、分岐、および環式である、モノマー組成物。
(3)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
R3およびR4が、直鎖、分岐、および環式である、モノマー組成物。
(4)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
Nが、少なくとも3である、モノマー組成物。
(5)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
Nが、少なくとも4である、モノマー組成物。
(6)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
nが、2〜10を表し、
R2が、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
少なくとも1個のR3が、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
R4が、水素を表し、
Nが、約3〜約20を表す、モノマー組成物。
(7)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
R2が、エチルを表し、
少なくとも1個のR3が、n−プロピルを表し、
R4が、水素を表し、
Nが、5を表す、モノマー組成物。
(8)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
R2が、エチルを表し、
少なくとも1個のR3が、メチルを表し、
R4が、水素を表し、
Nが、3を表す、モノマー組成物。
(9)実施態様1に記載のモノマー組成物において、
生物剤または治療薬、
をさらに含む、モノマー組成物。
(10)実施態様9に記載のモノマー組成物において、
前記生物剤または治療薬が、抗感染剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウィルス剤;鎮痛薬、鎮痛薬の配合物、食欲抑制薬、抗蠕虫薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗利尿薬、下痢止め薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗偏頭痛薬剤、制嘔吐剤、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮剤、キサンシン誘導体、心臓血管の薬剤、抗不整脈薬、抗高血圧薬、利尿薬、血管拡張剤、ホルモン、免疫抑制薬、筋弛緩剤、副交感神経遮断薬、覚醒薬、鎮静剤、精神安定剤、天然由来のまたは遺伝子工学によって合成されたタンパク質、多糖類、糖蛋白質、リポ蛋白質;オリゴヌクレオチド、抗体、抗原、コリン作用薬、化学療法薬、放射性医薬品、骨誘導性薬、膀胱静止性のヘパリン中和剤、凝血原、止血剤、バソプレシン、バソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝血促進性の毒物、プラスミノゲン活性化因子阻害剤、血小板活性剤、および止血作用を有する合成ペプチドからなる群から選択される、モノマー組成物。
【0115】
(11)実施態様10に記載のモノマー組成物において、
前記抗菌剤が、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、ハロゲン化ヒドロキシルジフェニルエーテル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、モノマー組成物。
(12)実施態様10に記載のモノマー組成物において、
前記ハロゲン化ヒドロキシルジフェニルエーテルが、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルである、モノマー組成物。
(13)生体組織の処置方法において、
モノマー組成物を生体組織に施すこと、
を含み、
前記モノマー組成物は、
下式:
【化21】

で表される、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーであって、
下記のスペーサーR1:
【化22】

を有し、
ここで、
nが、2〜12を表し、
R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、R3またはR4の少なくとも一方が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
R2が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
前記スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である、
少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマー、
を含む、生体組織の処置方法。
(14)キットにおいて、
シール可能なパッケージ、
を含み、
前記シール可能なパッケージは、
モノマー組成物を含む第1の容器であって、
前記モノマー組成物は、
下式:
【化23】

で表される、少なくとも1種のα−シアノアクリレートモノマーであって、
下記のスペーサーR1:
【化24】

を有し、
ここで、
nが、2〜12を表し、
R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、R3またはR4の少なくとも一方が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
R2が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
前記スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である、
少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマー、
を含む、
第1の容器と、
重合性開始剤または促進剤を含む第2の容器と、
を備える、キット。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】ラップ剪断節理に関する概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー組成物において、
下式:
【化1】

で表される、少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマーであって、
下記のスペーサーR1:
【化2】

を有し、
ここで、
nが、2〜12を表し、
R3およびR4が、それぞれアルキル基または水素を表し、R3またはR4の少なくとも一方が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
R2が、約1〜13個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
前記スペーサーR1における炭素原子の合計数(N)が、少なくともn+1である、
少なくとも1種のアルキルエステルのα−シアノアクリレートモノマー、
を含む、モノマー組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
R2が、直鎖、分岐、および環式である、モノマー組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
R3およびR4が、直鎖、分岐、および環式である、モノマー組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
Nが、少なくとも3である、モノマー組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
Nが、少なくとも4である、モノマー組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
nが、2〜10を表し、
R2が、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
少なくとも1個のR3が、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表し、
R4が、水素を表し、
Nが、約3〜約20を表す、モノマー組成物。
【請求項7】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
R2が、エチルを表し、
少なくとも1個のR3が、n−プロピルを表し、
R4が、水素を表し、
Nが、5を表す、モノマー組成物。
【請求項8】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
R2が、エチルを表し、
少なくとも1個のR3が、メチルを表し、
R4が、水素を表し、
Nが、3を表す、モノマー組成物。
【請求項9】
請求項1に記載のモノマー組成物において、
生物剤または治療薬、
をさらに含むモノマー組成物。
【請求項10】
請求項9に記載のモノマー組成物において、
前記生物剤または治療薬が、抗感染剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウィルス剤;鎮痛薬、鎮痛薬の配合物、食欲抑制薬、抗蠕虫薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗利尿薬、下痢止め薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗偏頭痛薬剤、制嘔吐剤、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、鎮痙薬、抗コリン作用薬、交感神経興奮剤、キサンシン誘導体、心臓血管の薬剤、抗不整脈薬、抗高血圧薬、利尿薬、血管拡張剤、ホルモン、免疫抑制薬、筋弛緩剤、副交感神経遮断薬、覚醒薬、鎮静剤、精神安定剤、天然由来のまたは遺伝子工学によって合成されたタンパク質、多糖類、糖蛋白質、リポ蛋白質;オリゴヌクレオチド、抗体、抗原、コリン作用薬、化学療法薬、放射性医薬品、骨誘導性薬、膀胱静止性のヘパリン中和剤、凝血原、止血剤、バソプレシン、バソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝血促進性の毒物、プラスミノゲン活性化因子阻害剤、血小板活性剤、および止血作用を有する合成ペプチドからなる群から選択される、モノマー組成物。
【請求項11】
請求項10に記載のモノマー組成物において、
前記抗菌剤が、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、ハロゲン化ヒドロキシルジフェニルエーテル、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、モノマー組成物。
【請求項12】
請求項10に記載のモノマー組成物において、
前記ハロゲン化ヒドロキシルジフェニルエーテルが、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルである、モノマー組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−537564(P2008−537564A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503119(P2008−503119)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/010348
【国際公開番号】WO2006/102385
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】