説明

吸収性材料及び物品

【課題】使い捨て物品のための吸収性構造体を製造するのに用いられるような吸収性材料、特に荷重下ゲルベッド透過率を向上させた吸収性材料を提供する。
【解決手段】少なくとも部分的に架橋ポリマーで形成された吸収性材料。吸収性材料は、「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも約20g/gの遠心保持容量、及び「荷重下ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約200×10-9cm2の荷重下ゲルベッド透過率、又は「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」で判断される時の少なくとも約2,500×10-9cm2の自由膨潤ゲルベッド透過率を有する。架橋ポリマーは、少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマー又は少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーのいずれかを含むことができる。一実施形態では、架橋ポリマーは、架橋ポリマーと反対の荷電状態になる可能性を有する水溶性非架橋ポリマーで表面処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、おむつ、小児用トレーニングパンツ、女性用ケア物品、失禁用物品、包帯、手術衣、及び吸収性ワイプなどを含む使い捨て物品のための吸収性構造体を製造するのに用いられるもののような吸収性材料に関し、より詳細には、荷重下ゲルベッド透過率を向上させた吸収性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の使い捨て物品には、一般的に、空気形成、空気堆積、コフォーム、湿潤堆積、又は他の公知の形成技術により形成された吸収性コア又は吸収性複合体とも呼ばれることがある吸収性構造体が含まれる。吸収性構造体の液体吸い込み性能を改善し、それによって使用中にそれが次第に飽和状態になる時に、特に構造体が廃棄される前に繰返して液体放出を受ける場合に、このような構造体が漏れる傾向を低減するための努力が吸収性構造体製造業者によって続けられている。例えば、吸収性構造体の漏れを低減する手段の1つは、超吸収性材料の大量使用である。超吸収性材料の質量を増大させることに加え、市販の吸収性構造体設計における近年の努力は、一般的に、より高濃度の超吸収性材料及びより少量の繊維を用いて吸収性構造体をより薄くかつ高密度にすることに集中している。
【0003】
しかし、超吸収性材料の濃度を増大させることにより得られる全吸収容量の増大にも関わらず、このような吸収性構造体は、使用中に依然として漏れることがある。この漏れは、部分的には、構造体が有する吸い込み率、例えば、液体放出が取り込まれて、その後の超吸収性材料による吸収のために構造体内に取り込むことができる割合が不十分であることの結果であろう。より詳細には、このような吸収性構造体の吸込み率は、構造体内の超吸収性材料が吸収すると膨潤し、従って超吸収性粒子間又は吸収性構造体内の粒子及び親水性繊維間の開放チャンネルを制限又はそうでなければ遮断する傾向があるために、それが繰返し放出を受けると減少する場合がある。この現象は、多くの場合にゲルブロックの形成と呼ばれ、着用者が移動する間又は座る時に加わる荷重のような外部圧力下で超吸収性材料に十分なゲル一体性が欠ける結果として起こる場合がある。
【0004】
吸収性構造内のチャンネル及び空隙容積の開放性及びアクセス可能性を維持する性能は、ほとんど構造体内の超吸収性材料の荷重下ゲルベッド透過率(GBP)の機能とすることができる。荷重下GBPが高いことは、超吸収性材料が使用中に遭遇するような荷重下で膨潤する時に吸収性構造内の開放チャンネルを維持す性能が高いことを示している。
【0005】
従って、比較的高吸収性であり、自由膨潤ゲルベッド透過率(GBP)及び荷重下ゲルベッド透過率が改善された吸収性材料を組み込む吸収性構造体に対する必要性が存在する。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,108,820号
【特許文献2】米国特許第4,795,668号
【特許文献3】米国特許第5,540,992号
【特許文献4】米国特許第5,336,552号
【特許文献5】米国特許第5,382,400号
【特許文献6】米国特許第3,849,241号
【特許文献7】米国特許第4,340,563号
【特許文献8】米国特許第3,692,618号
【特許文献9】米国特許第3,802,817号
【特許文献10】米国特許第3,338,992号
【特許文献11】米国特許第3,341,394号
【特許文献12】米国特許第3,502,763号
【特許文献13】米国特許第3,502,538号
【特許文献14】米国特許第3,542,615号
【特許文献15】米国特許第4,777,073号
【非特許文献1】Lichstein、「INDA技術シンポジウム抄録集」、1974年3月、129〜142頁
【発明の開示】
【0007】
一実施形態では、本発明の吸収性材料は、一般的に、少なくとも部分的には架橋ポリマーを含む。「遠心保持容量試験」で判断された吸収性材料の遠心保持容量は、少なくとも約20g/gであり、「荷重下ゲルベッド透過率試験」で判断された荷重下ゲルベッド透過率は、少なくとも約200×10-9cm2である。
【0008】
別の実施形態では、本発明の吸収性材料は、一般的に、少なくとも部分的には架橋ポリマーを含む。「遠心保持容量試験」で判断された吸収性材料の遠心保持容量は、少なくとも約20g/gであり、「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」で判断された自由膨潤ゲルベッド透過率は、少なくとも約2,500×10-9cm2である。
【0009】
本発明の一実施形態による表面処理された吸収性材料は、一般的に、ゲル剛性指数が少なくとも約0.8である超吸収性材料を含む。超吸収性材料は、少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含む。少なくとも約50重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む水溶性非架橋ポリマーを含む表面処理剤が、超吸収性材料に付加される。
【0010】
別の実施形態では、表面処理された吸収性材料は、ゲル剛性指数が少なくとも約0.8である超吸収性材料を含む。超吸収性材料は、少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含む。少なくとも約50重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む水溶性非架橋ポリマーを含む表面処理剤が、超吸収性材料に付加される。
【0011】
一般的に、表面処理された吸収性材料を製造する方法の一実施形態は、水溶性陽イオン性ポリマーを水中で可溶化して水溶液を形成する段階を一般的に含む。この溶液は、ゲル剛性指数が少なくとも約0.8で少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含む超吸収性材料の外面に付加される。
【0012】
別の実施形態では、表面処理された吸収性材料を製造する方法は、水溶性陰イオン性ポリマーを水中で可溶化して水溶液を形成する段階を一般的に含む。この溶液は、ゲル剛性指数が少なくとも約0.8で少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含む超吸収性材料の外面に付加される。
【0013】
本発明の他の特徴は、一部は明らかであり、一部は以下に指摘することにする。
【0014】
定義
本明細書の関連では、以下の各用語又は語句は、以下の1つ又は複数の意味を含むことになる。
【0015】
「2成分」又は「多成分」繊維とは、本明細書で用いる場合、別々の押出し機から押出された天然繊維及びポリマー又は2つ又はそれよりも多いポリマーを互いに結合させて単一の繊維を形成したもののような2つ(例えば、2成分)又はそれよりも多い成分で形成された繊維を意味する。この成分は、多成分繊維の断面にわたって実質的に一定に位置決めされた区別可能な区域に配列され、繊維長さの少なくとも一部、より望ましくは全体に沿って連続的に延びる。多成分繊維の構成は、例えば、1つのポリマーが他のポリマーで囲まれている鞘/芯配列、並列型配列、パイ型配列、「海島型」配列、又は他の適切な配列とすることができる。2成分繊維は、Kaneko他に付与された米国特許第5,108,820号、Krueger他に付与された米国特許第4,795,668号、Marcher他に付与された米国特許第5,540,992号、及びStrack他に付与された米国特許第5,336,552号に開示されている。また、2成分繊維は、Pike他に付与された米国特許第5,382,400号にも教示されており、これを用いて2つ(又はそれよりも多く)のポリマーの差別的膨張及び収縮率を用いることにより、繊維の捲縮を生成することができる。
【0016】
「ボンデッドカーデッド」とは、コーミング又はカーディングユニットを通して送られ、これによって繊維を機械方向に分離又は分裂させて整列させ、ほぼ機械方向に配向された繊維状不織ウェブに形成されたステープル長繊維から作られたウェブを意味する。この材料は、ポイント結合、通気結合、超音波結合、接着剤結合、又は他の適切な結合技術を含む方法により互いに結合することができる。
【0017】
「親水性」とは、水性液体に接触するとそれによって濡れる材料又は表面を説明するものである。湿潤の程度は、次に、液体と関連材料との接触角及び表面張力によって説明することができる。特定の材料又は表面の濡れ性を測定するのに適切な機器及び技術は、「Cahn SFA−222表面力分析システム」又は実質的に同等のシステムによって提供することができる。このシステムで測定する場合、接触角が90度よりも小さい材料又は表面は、「濡れ性」又は親水性とされ、接触角が90度よりも大きいものは、「非濡れ性」又は疎水性とされる。
【0018】
「メルトブローン」とは、複数の細くて通常円形のダイ毛管を通して、収束する高速の加熱気体(例えば、空気)流内に溶融熱可塑性材料を溶融糸又はフィラメントとして押出し、その流れが溶融熱可塑性材料のフィラメントを細くしてそれらの直径を低減することにより形成された繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれ、收集表面上に堆積してランダムに分散したメルトブローン繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えば、本明細書において引用により組み込まれている、Butin他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブローン繊維は、一般的に連続又は不連続とすることができるミクロ繊維であり、一般的に約0.6デニール又はそれよりも小さく、一般的に收集表面上に堆積する時に自己結合性である。
【0019】
「不織」又は「不織ウェブ」とは、織物又は編物工程の助けを借りることなく形成された材料又はウェブを意味する。不織構造体は、例えば、メルトブローン工程、スパンボンド工程、及びボンデッドカーデッド工程のような多くの工程から形成されている。
【0020】
「スパンボンド」とは、溶融熱可塑性材料を円形又は他の構成を有する紡糸口金の複数の細い毛管からフィラメントとして押出し、次に、押出されたフィラメントの直径が、Appel他に付与された米国特許第4,340,563号、Dorschner他に付与された米国特許第3,692,618号、Matsuki他に付与された米国特許第3,802,817号、Kinneyに付与された米国特許第3,338,992号及び第3,341,394号、Hartmannに付与された米国特許第3,502,763号、Petersonに付与された米国特許第3,502,538号、及びDobo他に付与された米国特許第3,542,615号に説明されたもののような空気吸引工程により急速に減少されることによって形成された直径の小さな繊維を意味し、これらの特許の各々は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている。スパンボンド繊維は、一般的に連続であり、多くの場合に約0.3又はそれよりも大きい、より詳細には、約0.6と約10の間の平均デニールを有する。
【0021】
「超吸収性構造体」及び「超吸収性材料」とは、最も好ましい条件下で、0.9重量パーセント塩化ナトリウム水溶液を含有する水溶液中でその重量の少なくとも約10倍、より適切には、その重量の少なくとも約20倍を吸収することができる水膨潤性で水不溶性の有機又は無機材料を意味する。
【0022】
「熱可塑性」とは、熱に露出されると軟化し、室温まで冷却されると非軟化状態に実質的に戻る材料を説明するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、一般的に、液体処理特性に優れた表面処理された吸収性材料に関し、より詳細には、ゲル吸収性が高く、荷重下ゲルベッド透過率が向上した吸収性材料に関する。また、本発明は、このような表面処理された吸収性材料を含む吸収性構造体及びこれらの吸収性構造体を組み込んだ吸収性物品にも関する。例えば、このような吸収性物品には、以下に限定されるものではないが、女性用ケアパッド、陰唇間製品、タンポン、おむつ、失禁用物品(パッド、ガード、パンツ、及び下着など)、トレーニングパンツ、医療用衣類、ベッドパッド、吸汗性パッド、靴パッド、包帯、ヘルメットライナ、ワイプなどが含まれる。別の例として、吸収性構造体は、ティッシュ、タオル、又はナプキンなどの形態におけるようにそれ自体としても有用である場合がある。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、表面処理された吸収性材料には、一般的に、超吸収性材料と超吸収性材料の外面に付加された表面処理剤とが含まれる。適切な超吸収性材料は、天然、生物分解可能、合成及び修正天然ポリマー及び材料から選択することができる。更に、超吸収性材料は、シリカゲルのような無機材料とすることができ、架橋ポリマーのような有機化合物とすることもできる。「架橋」という用語は、超吸収性材料に関して用いる場合、通常は水溶性の材料を実質的に水不溶性であるが膨潤可能に実質的にするためのあらゆる手段を意味する。このような手段には、例えば、物理的交絡、結晶ドメイン、共有結合、イオン錯体及び会合、水素結合のような親水性会合、及び疎水性会合又はファンデルワールス力を含むことができる。架橋には、表面架橋及び/又はバルク架橋が含まれることは理解される。
【0025】
1つの特定的な実施形態では、超吸収性材料には、少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーが含まれる。ポリマーという用語は、本明細書で用いる場合、単一のポリマー又はポリマーの混合物のいずれかを意味するものとする。「陰イオン性ポリマー」という用語は、水溶液中でイオン化すると負に荷電するイオンになる可能性のある1つ又は複数の官能基を含むポリマー又はポリマーの混合物を意味するものとする。より適切には、超吸収性材料には、少なくとも約85重量パーセントの陰イオン性ポリマー、更に適切には、少なくとも約90重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーが含まれる。一般的に、陰イオン性ポリマーに適切な官能基には、以下に限定されるものではないが、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、亜硫酸基、及びリン酸基が含まれる。適切には、官能基は、カルボキシル基である。これらの官能基は、中和された形態であることが好ましい。適切な中和の程度は、少なくとも50%、より適切には少なくとも60%、更に適切には少なくとも70%である。
【0026】
合成の陰イオン性ポリマーの例には、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、加水分解ポリ(アクリルアミド)、ビニルエーテルとα−オレフィンとの無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニル酢酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルホリノン)、ポリ(ビニルアルコール)、及びその混合物及びコポリマーのアルカリ金属及びアンモニウム塩又は部分塩が含まれる。天然ベースの陰イオン性ポリマーの例には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸、及びカラギーナンの塩又は部分塩が含まれる。陰イオン性ポリマーの別の適切な例には、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸のような合成ポリペプチドが含まれる。
【0027】
別の実施形態では、超吸収性材料には、少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーが含まれる。陽イオン性ポリマーとは、本明細書で用いる場合、水溶液中でイオン化すると正に荷電したイオンになる可能性がある1つ又は複数の官能基を含むポリマー又はポリマーの混合物を意味する。より適切には、超吸収性材料には、少なくとも約85重量パーセントの陽イオン性ポリマー、更に適切には、少なくとも約90重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーが含まれる。一般的に、陽イオン性ポリマーに適切な官能基には、以下に限定されるものではないが、一級、二級、又は三級アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基、及び四級アンモニウム基が含まれる。これらの官能基は、中和された形態であることが好ましい。中和の適切な程度は、少なくとも50%、より適切には少なくとも60%、更に適切には少なくとも70%である。
【0028】
合成の陽イオン性ポリマーの例には、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アミノプロパノールビニルエーテル)、ポリ(アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)の塩又は部分塩が含まれる。天然ベースの陽イオン性ポリマーの例には、部分的に脱アセチル化したキチン、キトサン、及びキトサン塩が含まれる。また、ポリアスパラギン、ポリリジン、ポリグルタミン、ポリアルギニンのような合成ポリペプチドも陽イオン性ポリマーの例とすることができる。
【0029】
一実施形態では、表面処理された吸収性材料を製造するのに有用な超吸収性材料は、個別の粒子の形態である。超吸収性材料粒子は、あらゆる適切な形状、例えば、螺旋又は半螺旋、立方体、棒状、多面体などとすることができる。また、本明細書では、針、薄片、薄膜、及び繊維のような粒子の形状を用いることも考えられている。超吸収性材料の粒子の集塊を用いることができる。また、超吸収性材料は、様々な長さ及び断面寸法とすることもできる。
【0030】
本発明によれば、表面処理された吸収性材料を製造するのに適切な超吸収性材料は、適切には少なくとも約0.8、より適切には少なくとも約0.85、更に適切には少なくとも約0.90、更に適切には少なくとも約0.95のゲル剛性指数を含むある一定の液体処理特性を有する。超吸収性材料のゲル剛性指数とは、一般的に、材料が荷重下の変形に抵抗する性能を意味し、本明細書では、約0.9psiの荷重下で行った「荷重下吸収性試験」で判断される超吸収性材料の荷重下吸収性値(AUL)を「遠心保持容量試験」により判断される超吸収性材料の遠心保持容量(CRC)で割ったものであると特に定義される。「荷重下吸収性試験」及び「遠心容量試験」は、本明細書で後に説明する。
【0031】
1つの特定的な実施形態では、本発明の表面処理した超吸収性材料の遠心保持容量(CRC)は、「遠心保持容量試験」により判断される時に、少なくとも約20グラム液体/超吸収性材料のグラム重、より適切には少なくとも約23グラム液体/超吸収性材料のグラム重、更に適切には約25グラム液体/超吸収性材料のグラム重、更に適切には少なくとも約28グラム液体/超吸収性材料のグラム重である。
【0032】
一例として、適切な超吸収性材料の1つは、米国ノースカロライナ州グリーンズボロ所在の「Stockhausen,Inc.」により商品名「SXM 9543」の下で製造されている。この超吸収性材料は、架橋ポリアクリル酸ナトリウムベースの(陰イオン性)ポリマーであり、上述のAUL試験で判断された0.9psi(6.2kPa)AULが約21.6g/g、CRC試験で判断されたCRCが約23.2g/gである。従って、このような超吸収性材料のゲル剛性指数は、約0.93である。
【0033】
表面処理された吸収性材料の表面処理剤には、少なくとも部分的には、超吸収性材料の外面の全体又は一部に付加され、超吸収性材料と反対に荷電する可能性がある水溶性非架橋ポリマーが含まれる。例えば、超吸収性材料が全体的に陰イオン性(例えば、少なくとも約75重量%の陰イオン性ポリマーを含む)架橋ポリマーを含み、負に荷電する可能性を有する場合には、表面処理剤は、正に荷電する可能性を有する陽イオン性ポリマーを含む水溶性非架橋ポリマーを少なくとも部分的に含む。より詳細には、非架橋ポリマーは、少なくとも約50重量%の陽イオン性ポリマー、より適切には少なくとも約60重量%の陽イオン性ポリマー、更に適切には少なくとも約70重量%の陽イオン性ポリマー、更に適切には少なくとも約80重量%の陽イオン性ポリマーを含む。陽イオン性ポリマーは、適切には非架橋で水溶性であるが、この理由は後に明らかにする。
【0034】
表面処理剤として用いるのに適切な合成の陽イオン性ポリマーの例には、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アミノプロパノールビニルエーテル)、ポリ(アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)の塩又は部分塩が含まれる。適切な天然ベースの陽イオン性ポリマーの例には、部分的に脱アセチル化したキチン、キトサン、及びキトサン塩が含まれる。ポリアスパラギン、ポリリジン、ポリグルタミン、ポリアルギニンのような合成ポリペプチドは、適切な陽イオン性ポリマーの付加的な例である。
【0035】
表面処理剤として用いるのに適切な合成陰イオン性ポリマーの例には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、無水マレイン酸コポリマー、ポリビニル酢酸、ポリビニルホスホン酸、及びポリビニルスルホン酸の塩又は部分塩が含まれる。適切な天然ベースの陰イオン性ポリマーの例には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、カラギーナン、アルギン酸、及びアルギン酸塩が含まれる。ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、及びポリコハク酸のような合成ポリペプチドは、適切な陰イオン性ポリマーの付加的な例である。
【0036】
超吸収性材料が全体的に陽イオン性(例えば、少なくとも約75重量%の陽イオン性ポリマーを含む)架橋ポリマーを含む場合には、表面処理剤は、陰イオン性ポリマーを含む水溶性非架橋ポリマーを少なくとも部分的に含むことが適切である。より詳細には、非架橋ポリマーは、少なくとも約50重量%の陰イオン性ポリマー、より適切には少なくとも約60重量%の陰イオン性ポリマー、更に適切には少なくとも約70重量%の陰イオン性ポリマー、更に適切には少なくとも約80重量%の陰イオン性ポリマーを含む。陰イオン性ポリマーは、非架橋性で水溶性であることが適切であるが、この理由は後に明らかにする。
【0037】
超吸収性材料上の表面処理ポリマーの濃度は、適切には、超吸収性材料の重量で約0.05〜約10パーセントの範囲、より適切には、超吸収性材料の重量で約0.5〜約5パーセントの範囲である。
【0038】
表面処理剤は、水(及び、より詳細には蒸留水)のような可溶化剤を更に含むことができ、その場合、表面処理ポリマーが可溶化されて表面処理剤を超吸収性材料に付加することが容易になり、超吸収性材料の初期膨潤量が比較的少なくなる。表面処理ポリマーを水中で可溶化すると、表面処理剤は水溶液になる。
【0039】
表面処理された吸収性材料を製造する1つの方法によれば、表面処理ポリマーは、表面処理ポリマーと反対に荷電する可能性がある超吸収性材料に付加される。また、本発明の範囲から逸脱することなく、表面処理ポリマーを付加する超吸収性材料のゲル剛性指数を少なくとも約0.8にすることができることが考えられている。特定的な実施形態では、水溶液は、表面処理ポリマーを水中で、及びより適切には蒸留水中で可溶化することにより調製される。
【0040】
表面処理ポリマーを可溶化する水の量は、一般的に、水性表面処理剤を超吸収性材料に付加する時の超吸収性材料の望ましい「膨潤比」、及び表面処理ポリマーが超吸収性材料に残る望ましい濃度にも依存する。本明細書で用いる場合、膨潤比は、水性表面処理剤の水の量(重量による)/表面処理を行う超吸収性材料の1グラム重であると定義される。膨潤比が高ければ、表面処理ポリマーが超吸収性材料に深く浸透するように促進される。しかし、高分子量表面処理ポリマーを用いる場合には、潜在的粘性が高いために比較的高い膨潤比が必要である可能性がある。一例として、膨潤比は、適切には約0.5〜約20の範囲、より適切には約0.5〜約10の範囲、更に適切には約1〜約5の範囲である。
【0041】
付加的な例として、10グラムの超吸収性材料が表面処理されると仮定すると、超吸収性材料上の表面処理ポリマー濃度は、超吸収性材料の重量でほぼ2.5パーセントである。従って、必要な表面処理ポリマーの量は、2.5パーセント×10グラム、すなわち、0.25グラム重の表面処理ポリマーである。更に、望ましい膨潤比が約2.5であると仮定すると、表面処理剤を可溶化する水の必要量は、2.5×10グラム、すなわち、25グラム重の水である。
【0042】
表面処理剤は、表面処理ポリマーを可溶化することにより形成した水溶液に超吸収性材料を入れて十分に混合(例えば、撹拌)することによって超吸収性材料に付加することが適切である。しかし、表面処理剤は、噴霧、凝縮、被覆などのような様々な他の適切な技術を用いて超吸収性材料に付加することができ、これも本発明の範囲に含まれることは理解される。
【0043】
超吸収性材料を水溶液に入れて撹拌すると、少量の表面処理ポリマーと共に水が超吸収性材料に吸収される。処理した超吸収性材料には、次に、従来の乾燥工程を行って超吸収性材料の表面に残る水を除去し、超吸収性材料の表面上に表面処理ポリマーを残す。乾燥作業は、蒸発、真空吸引、熱乾燥、凍結乾燥、有機溶媒凝析、又は他の適切な除去技術によるものとすることができる。
【0044】
超吸収性材料は、超吸収性材料と反対に荷電する可能性を有するポリマーで表面処理されているために、粒子が乾燥されるか又は飽和度が低い場合には、例えば、材料が流体放出を受けて実質的に膨潤する前には、表面処理された吸収性材料の粒子間に強力なイオン引力はない。粒子がその後に尿のような液体の放出を受けると、超吸収性材料は液体を吸収して膨潤する。その結果、陽イオン性領域及び陰イオン性領域の両方が表面処理された吸収性材料の粒子表面に存在するように、超吸収性材料が露出された状態になる。
【0045】
膨潤粒子の1つの表面の陽イオンは、他の膨潤粒子表面の陰イオンを引き付けることになってその逆も同様であり、それによって粒子間の結合力が高まり、例えば、粒子が互いに「付着」させられる。これが起こった状態では、粒子間の動きが実質的に阻害され、超吸収性材料のゲル剛性指数が少なくとも約0.8である場合には、更に互いに固着した粒子が膨潤することにより、粒子間に開放空洞又は空気ポケットが発生することになる。着用者が座る、歩く、捻るなどを行うことにより粒子が圧力下で膨潤する時にこれらの開放空洞が維持及び/又は生成されると、表面処理された吸収性材料の透過率が実質的に増大する。
【0046】
一例として、本明細書で後に説明する「荷重下ゲルベッド透過率試験」により判断される表面処理された吸収性材料の荷重下ゲルベッド透過率(GBP)は、少なくとも約200×10-9cm2、より適切には少なくとも約250×10-9cm2、更に適切には少なくとも約300×10-9cm2、更に適切には少なくとも約350×10-9cm2、更に適切には少なくとも約400×10-9cm2、更に適切には少なくとも約450×10-9cm2、更に適切には少なくとも約500×10-9cm2、更に適切には少なくとも約550×10-9cm2である。
【0047】
付加的な例として、本明細書で後に説明する「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」により判断される表面処理された吸収性材料の自由膨潤ゲルベッド透過率(GBP)は、少なくとも約2,000×10-9cm2、2,500×10-9cm2、より適切には、少なくとも約3,000×10-9cm2である。
【0048】
実験1
3つの市販の超吸収性材料の各々に、本明細書で後に説明するように「遠心保持容量(CRC)試験」、「荷重下吸収性(AUL)試験」、自由膨潤「ゲルベッド透過率(GBP)試験」、及び「荷重下ゲルベッド透過率(GBP)試験」が行われた。試験した超吸収性材料の2つは、米国ノースカロライナ州グリーンズボロ所在の「Stockhausen,Inc.」からそれぞれ型式名称「Favor 880」及び「SXM 9543」で市販されている。他の試験した超吸収性材料は、米国ミシガン州ミッドランド所在の「Dow Chemical」から型式名称「Drytech 2035」で市販されている。試験結果は、以下の表1に報告する。
【0049】
(表1)

【0050】
注意すべきことは、「Favor 880」及び「Dow 2035」超吸収性材料の各々に対するゲル剛性指数が0.8よりも小さく、「SXM 9543」超吸収性材料のゲル剛性指数が、適切には約0.8よりも大きく、より詳細には、約0.93であることである。
【0051】
次に、3つの異なる超吸収性材料の各々に表面処理剤を付加することにより表面処理された吸収性材料が作られた。より詳細には、蒸留水と、水を含む米国ノースカロライナ州シャーロット所在のBASFから型式名称「CATIOFAST PR8106」で入手可能な溶液とを含む水溶液を100mlビーカに調製した。「CATIOFAST PR8106」は、水中に25重量パーセントのポリビニルアミン(陽イオン性ポリマーである)を含む水溶液である。「CATIOFAST PR8106」の量及び蒸留水の量のそれぞれは、30グラム重の乾燥超吸収性材料を処理することに基づいており、超吸収性材料に付加されるポリビニルアミンポリマーのターゲット濃度、並びにターゲット膨潤比に依存する。
【0052】
一例として、望ましいポリビニルアミン(表面処理ポリマー)濃度が約2.5重量パーセントの超吸収性材料である場合には、ほぼ0.75グラム重のポリビニルアミンが必要であった。「CATIOFAST PR8106」は水中で25重量パーセントのポリビニルアミンであるために、ビーカに加える「CATIOFAST PR8106」の量は、ほぼ3グラム重であった(例えば、その0.75グラムはポリビニルアミンであり、2.25グラムは水であった)。約2.5の望ましい膨潤比に対しては、ビーカに形成される水溶液には、ほぼ75グラム重の水が含まれた。「CATIOFAST PR8106」は既に2.25グラム重の水を含むために、ビーカに付加的に72.75グラム重の蒸留水を加え、混合物を撹拌して水溶液を形成した。
【0053】
次に、処理される30グラムの乾燥超吸収性材料をビーカに加え、水溶液の全てが吸収されるまで手で十分に撹拌した。処理した超吸収性材料を8インチ×10インチの皿に入れて米国イリノイ州マクゴー・パーク所在の「Baxter科学製品部門」から入手可能な「Baxter定温オーブン」(型番:DK−63)に入れて60℃で少なくとも15時間乾燥し、その後、低速の「Osterizer」配合機で10秒間粉砕して粒子にした。次に、得られた超吸収性粒子を篩いに掛け、300〜600ミクロンの類別物を吸収性関連の評価に用いた。表面処理された吸収性材料には、それぞれ本明細書で後に説明する「CRC試験」、0.9psiでの「AUL試験」、自由膨潤「GBP試験」、及び「荷重下GBP試験」が行われた。行った試験の結果を表2に示す。
【0054】
(表2)

【0055】
ゲル剛性指数が0.8よりも小さい「Favor 880」超吸収性材料に対しては、超吸収性材料と反対に荷電する可能性がある表面処理剤を付加すると、表面処理された吸収性材料の自由膨潤ゲルベッド透過率(例えば、0psiのGBP)を増大させたが、表面処理された吸収性材料の荷重下ゲルベッド透過率(例えば、0.3psiでのGBP)にほとんど影響を及ぼさなかった。同じくゲル剛性指数が0.8よりも小さい表面処理「Dow 2035」超吸収性材料の荷重下ゲルベッド透過率は、ある程度増大したが、望ましいほどは増大しなかった。しかし、表面処理剤をゲル剛性が約0.93である「SXM 9543」超吸収性材料に付加すると、表面処理された吸収性材料の自由膨潤GBP及び荷重下GBPの両方が実質的に増大した。
【0056】
しかし、処理済み「SXM 9543」の荷重下ゲルベッド透過率は、比較的高濃度の表面処理剤により悪影響を及ぼされる傾向がある。例えば、ポリビニルアミン濃度が約5重量パーセント、膨潤比が2.5に対する荷重下GBPは、ポリビニルアミン濃度が約2.5重量パーセントで同じ膨潤比に対する荷重下GBPよりも実質的に小さい。これは、高表面処理剤濃度により、その下にある超吸収性材料が膨潤することが阻害され、それによって表面処理された吸収性材料の荷重下吸収性(0.9psiでのAUL)が減少するためであろう。
【0057】
また、膨潤比は、表面処理ポリマーが超吸収性材料上に適切に分配されるのに十分であるべきであるが、表面処理ポリマーが超吸収性材料中に過剰に浸透しないほど適切に十分に低いことにも注意されたい。例えば、ポリビニルアミン濃度約2.5重量パーセントに対する荷重下GBPは、膨潤比が1.25から2.5まで増大する時に増大したが、膨潤比が更に5まで増大する時には減少した。
【0058】
実験2
別の実験では、表面処理を行っていない「Stockhausen,Inc.」から入手可能な「SXM 9543」超吸収性材料に対して本明細書で後に説明する「CRC試験」、0.9psi(6.2kPa)での「AUL試験」、「自由膨潤GBP試験」、及び「荷重下GBP試験」が行われた。次に、本発明による表面処理された吸収性材料が以下のように作られた。蒸留水1,210グラムをカナダオンタリオ州ニューヨーク所在の「Hobart Canada」により製造される1ガロン「Hobarts(登録商標)」混合機型番N50に注入し、次に、混合機を比較的低速(設定1)で撹拌しながら、米国ノースカロライナ州シャーロット所在のBASFから型式名称「CATIOFAST VFH」の下で入手可能な溶液54グラムを混合機に加えた。
【0059】
撹拌は、約5分間又は「CATIOFAST VFH」が完全に溶解するまで続けられた。「CATIOFAST VFH」は、水中に22〜24重量パーセントのポリビニルアミンを含む水溶液である。この溶液に、500グラムの乾燥「SXM 9543」超吸収性材料を加え、比較的高速(設定2)で約5分間十分に撹拌した。表面処理された吸収性材料を2つの10インチ×20インチの皿に入れ、80℃の「Baxter」オーブンで少なくとも15時間乾燥し、次に、低速の「Osterizer(登録商標)」配合機で約10秒間粉砕した(毎回、処理済み超吸収性構造体約50グラムを配合機に加えた)。粉砕済み超吸収性構造体を篩いに掛け、300〜600ミクロンの粒子を評価に用いた。次に、表面処理された吸収性材料に「CRC試験」、0.9psiでの「AUL試験」、自由膨潤「GBP試験」、及び「荷重下GBP試験」が行われた。結果を以下の表3に示す。
【0060】
(表3)

【0061】
一実施形態では、本発明の吸収性構造には、親水性繊維と本発明により作られた表面処理された吸収性材料とを含む不織ウェブが含まれる。適切な親水性繊維の例には、セルロース繊維のような本質的に濡れ性の材料から成る天然有機繊維が含まれる。セルロース繊維の適切な供給源には、漂白クラフト軟材又は硬材、高収量木材繊維、及び「ケミサーモメカニカルパルプ」繊維のような木材繊維と、バガス繊維、トウワタフラフ繊維、麦かん、ケナフ、麻、パイナップル葉繊維、又はピートモスが含まれる。また、再生セルロース及び渦巻状化学的補剛セルロース繊維のような他の親水性繊維を高密度化して、湿潤すると嵩高に膨張することができる吸収性構造体を形成することができる。また、パルプ繊維は、ホルムアルデヒド又はその誘導体、グルタルアルデヒド、エピクロルヒドリン、尿素又は尿素誘導体のようなメチロール化化合物、無水マレイン酸、非メチロール化尿素誘導体、クエン酸、又は他のポリカルボン酸のような散無水物などの架橋剤を用いることにより補剛することができる。
【0062】
適切な親水性繊維の一例は、米国アラバマ州クーサリバー所在の「Bowater」から型式名称「CR1654」で市販されており、これは、主に軟材繊維を含む漂白した高吸収性の硫酸塩木質パルプである。別の適切な親水性繊維は、米国ワシントン州フェデラルウェイ所在の「Weyerhauser」から型式名称「NB−416」で市販されており、これは、漂白した南方軟材パルプである。
【0063】
適切な親水性繊維の他の例には、レーヨン繊維のようなセルロース又はセルロース誘導体から成る合成繊維、ガラス繊維のような本質的に濡れ性の材料から成る無機繊維、特定のポリエステル又はポリアミド繊維のような本質的に濡れ性の熱可塑ポリマーで作られる合成繊維、適切な手段で親水性にしたポリプロピレン繊維のような非濡れ性の熱可塑ポリマーから成る合成繊維が含まれる。繊維は、例えば、シリカで処理するか、適切な親水性成分を有して繊維から容易に除去されない材料で処理するか、又は、繊維の形成中又はその後に親水性ポリマーで非濡れ性の疎水性繊維を外装することによって親水性にすることができる。
【0064】
本発明の目的に対しては、上述の様々な種類の繊維の選択した配合物を用いることができるように考えられている。更に、繊維の選択は、その代わりに又は付加的に、親水性であるか又は親水性になるように処理されて熱活性化で結合することにより吸収性構造体の一体性及び/又は柔らかさを向上させるために用いられる2成分又は2組成繊維を含むことができる。
【0065】
また、吸収性構造体は、その代わりに又は付加的に、本発明の範囲から逸脱することなく疎水性繊維を含むことができるように考えられている。別の実施形態では、吸収性構造体は、従来の発泡技術を用いて吸収性構造体を形成することなどにより表面処理された吸収性材料のみを含むことができる。
【0066】
吸収性構造体は、空気形成、空気堆積、コフォーム、湿潤堆積、ボンデッドカーデッドによるなどのあらゆる従来の方式で、又は繊維及び吸収性材料を混ぜ合わせて不織ウェブを形成する他の公知の技術により形成することができる。また、吸収性構造体は、あらゆる形状の単層とすることも多層とすることもできる。また、吸収性構造体は、発泡体構造とすることができ、又は、表面処理された吸収性材料が透湿性及び親水性のある繊維又はウェブの少なくとも1つの層上に又はこのような層の間に均一な又はパターン状のアレイに配置された積層体とすることもできる。
【0067】
吸収性構造体は、その意図する目的に適切な実質的にあらゆる形状及び大きさとすることができる。また、吸収性構造体は、並列関係又は面合わせ関係に位置決めすることができる2つ又はそれよりも多い不織ウェブ又は層を含むことができ、隣接するウェブ又は層の全て又は一部分は、互いに固定されて吸収性構造体を形成することができる。
【0068】
表面処理された吸収性材料は、親水性繊維と実質的に均質に混合して、吸収性材料及び繊維を吸収性構造中に均一に分配することができる。代替的に、表面処理された吸収性材料は、構造体の幅にわたって、長さに沿って、及び/又は厚さを通してなどにより吸収性構造内に不均一に分配され、吸収性材料が内部に分配される構造体の個別のターゲット領域又は区域を形成することができる。また、吸収性構造内の表面処理された吸収性材料の濃度は、吸収性構造体の厚さの全て又は一部を通して、幅の全て又は一部にわたって、及び/又は長さの全て又は一部に沿って不均一とすることができる。
【0069】
一般的に、吸収性構造内の表面処理された吸収性材料の濃度は、適切には、吸収性構造体の全重量に基づいて約90重量パーセント又はそれよりも少ないが、いずれの場合でもゼロよりは大きい。一実施形態では、吸収性構造内の表面処理された吸収性材料の濃度は、適切には約5〜約90重量パーセントの範囲、より適切には約40〜約90重量パーセントの範囲、更に適切には約40〜約80重量パーセントの範囲である。別の実施形態では、吸収性構造内の表面処理された吸収性材料の濃度は、約40〜約60重量パーセントの範囲である。
【0070】
吸収性構造体は、吸収性構造体の一体性及び/又は形状を維持するために適切なティッシュ又はウェブラップによって包むか又は他の方法で取り囲むことができ、又はそうでなくてもよい。
【0071】
上述のように、本発明により形成された吸収性構造体を吸収性物品に組み込むことができる。本明細書で用いる場合、吸収性物品とは、着用者の身体に接触又は近接して(例えば、身体に隣接して)身体から排出される様々な廃棄物を吸収及び/又は保持することができる物品を意味する。使い捨て物品のような一部の吸収性物品は、洗濯するか又は他の方法で復元して再使用する代わりに、限定された期間使用した後に廃棄されるように意図されている。一実施形態では、本発明の吸収性物品には、外側カバーと、外側カバーと対面する関係に位置決めされ、着用者の身体と隣接する関係になった身体側ライナと、外側カバーとライナの間に配置された吸収性本体とが含まれる。身体側ライナは、一般的に外側カバーと同じ広がりを有することができ、又はその代わりに、必要に応じて外側カバーの区域よりも大きいか又は小さい区域の上に重なることができる。
【0072】
一実施形態では、外側カバーは延伸可能であり、幾分弾性があってもなくてもよい。より詳細には、外側カバーは、流体放出を受けた吸収性本体の重量の下で延伸した状態で外側カバーがその本来の位置まで実質的に収縮することにならないように十分に伸張可能である。しかし、その代わりに、外側カバーは、ほぼ伸張不能にすることもでき、これも本発明の範囲に留まるように考えられている。
【0073】
外側カバーは、単層構造とすることができ、又は多層積層体構造として望ましいレベルの伸張性、並びに液体不透過性及び蒸気透過性を与えることができる。例えば、外側カバーは、蒸気透過性材料で構成された外側層と、液体不透過性材料で構成された内側層とを含み、2つの層が適切な積層接着剤又は他の結合技術により互いに固定された2層構成とすることができる。蒸気透過性の外側層は、あらゆる適切な材料とすることができるが、ほぼ布状のきめを有することが望ましい。外側層に適切な材料には、不織ウェブ、織材料、編み材料、及びフィルムが含まれる。不織布又はウェブは、多くの公知の工程、例えば、ボンデッドカーデッドウェブ工程、メルトブロー工程、及びスパンボンド工程で形成されている。
【0074】
外側カバーの液体不透過性内側層は、蒸気透過性(すなわち、「通気性」)又は蒸気不透過性のいずれかとすることができる。内側層は、薄いプラスチックフィルムで製造されることが望ましいが、他の可撓性のある液体不透過性材料を用いることもできる。より詳細には、内側層は、キャスト又はブローンフィルム機器で製造することができ、共押出しすることができ、必要に応じてエンボス加工することができる。内側層は、それ以外にあらゆる適切な非弾性ポリマー組成物で製造することができ、また、複数の層を含むことができることが理解される。内側層が蒸気透過性である場合には、それは、炭酸カルシウムなどの微小孔生成充填剤、二酸化チタンなどの乳白剤、及び珪藻土などの粘着防止剤のような充填剤を含有することができる。内側層に適切なポリマーには、以下に限定されるものではないが、ポリオレフィン、又はポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、及びエチレンビニルアルコールの配合物のような非弾性押出し可能ポリマーが含まれる。より詳細には、有用なポリオレフィンには、ポリプロピレン及びポリエチレンが含まれる。他の有用なポリマーには、ポリプロピレン及び低密度ポリエチレン又は鎖状低密度ポリエチレンのコポリマーのような、Shethに付与されて「Exxon Chemical Patents Inc.」に譲渡された米国特許第4,777,073号に説明されているようなものが含まれる。
【0075】
身体側ライナは、柔軟で柔らかい感触であり、着用者の皮膚に刺激がないことが適切であり、これは、吸収性本体から着用者の皮膚を隔離するのを助けるために用いられる。ライナは、吸収性本体よりも親水性が小さくて着用者に比較的乾燥した表面を呈することが望ましく、液体透過性になるのに十分な多孔性であることにより液体がその厚さを通して容易に透過することができる。適切な身体側ライナは、各種のウェブ材料で製造することができる。ライナには、合成及び天然繊維のいずれか又は両方を含む様々な織及び不織布又はフィルム積層体を用いることができる。例えば、身体側ライナは、望ましい繊維のメルトブローン又はスパンボンデッドウェブで構成することができ、又はボンデッドカーデッドウェブで構成することもできる。また、異なる繊維デニールを有することができる異なる材料の層を用いることもできる。様々な布は、天然繊維、合成繊維、又はその組合せで構成することができる。また、身体側ライナは、流体の取得を促進するために又は審美的に好ましいパターンを付与するために穿孔することもできる。
【0076】
吸収性物品の様々な構成要素は、接着剤、音波結合、熱結合、又はその組合せのような適切な形式の取付け法を用いて互いに組み立てられる。例えば、一実施形態では、外側カバー及び吸収性本体は、ホットメルト又は感圧接着剤のような接着剤の線で互いに固定される。また、身体側ライナは、外側カバーに固定され、同じ形式の取付け法を用いて吸収性本体にも固定することができる。
【0077】
本発明によれば、吸収性本体には、少なくとも部分的には、本明細書で上述したような吸収性構造体が含まれる。吸収性本体は、本発明の範囲から逸脱することなく、上に重なった関係又は並列関係などで吸収性構造体の1つ又はそれよりも多くを含むことができ、及び/又は吸収性構造体に加えてサージ層のような1つ又はそれよりも多くの層を含むことができるように考えられている。
【0078】
ここで、本明細書で先に参照した様々な試験を以下に説明する。
【0079】
自由膨潤ゲルベッド透過率試験
本明細書で用いる場合、「自由膨潤ゲルベッド透過率(GBP)試験」は、一般的に「自由膨潤」条件と呼ばれる条件の下でゲル粒子(例えば、表面処理済み吸収性材料又は表面処理前の超吸収性材料など)の膨潤ベッドの透過率を判断するものである。「自由膨潤」という用語は、これから説明するように試験溶液を吸収する時に制限荷重なしにゲル粒子が膨潤することができることを意味する。「ゲルベッド透過率試験」に適切な装置は、図1及び図2に全体的に28で示されている。試験装置28には、全体的に30で示すサンプル容器及び全体的に36で示すピストンが含まれる。ピストン36には、シャフトの縦方向軸線に下向きに穿孔された同心の円筒形穴40を有する円筒形「LEXAN」シャフト38が含まれる。シャフト38の両端を機械加工し、それぞれ42及び46で示す上端及び下端を設ける。48で示す重りが一端42に載せられており、それは、少なくともその中心の一部分を通って穿孔された円筒形の穴48を有する。
【0080】
円形のピストンヘッド50を他端46に位置決めし、各々直径が約0.95cmの7個の穴の同心内側リング60と、これも各々直径が約0.95cmの14個の穴の同心外側リング54とを設ける。穴54及び60は、ピストンヘッド50の上部から下部まで穿孔されたものである。ピストンヘッド50はまた、その中心に穿孔された円筒形の穴62を有し、シャフト38の端部46を受け取る。ピストンヘッド50の下部はまた、2軸延伸100メッシュステンレス鋼スクリーン64で覆うことができる。
【0081】
サンプル容器30には、シリンダ34と、2軸延伸して緊縮させてシリンダの下端に取り付けられた400メッシュステンレス鋼布スクリーン66とが含まれる。図1に68で示すゲル粒子サンプルは、試験中にシリンダ34内のスクリーン66上に支持される。
【0082】
シリンダ34は、透明「LEXAN」ロッド又は同等の材料に穿孔することができ、又は「LEXAN」チューブ又は同等の材料から切断することもでき、内径が約6cm(例えば、断面積が約28.27cm2)、壁厚が約0.5cm、高さがほぼ10cmである。スクリーン66の上方の高さほぼ7.8cmのシリンダ34の側壁に排水穴(図示せず)を形成し、液体がシリンダから排水されるようにして、それによってサンプル容器内の流体レベルをスクリーン66の上方ほぼ7.8cmに維持することができる。ピストンヘッド50は、「LEXAN」ロッド又は同等の材料を機械加工して作られ、高さほぼ16mmであり、直径がシリンダ34内部に適合し、壁間隙が最小であるが依然として自由に滑る大きさにされる。シャフト38は、「LEXAN」ロッド又は同等の材料を機械加工して作られ、外径が約2.22cm、内径が約0.64cmである。
【0083】
シャフトの上端42は、長さほぼ2.54cm、直径ほぼ1.58cmであり、重り48を支持するための環状肩部47を形成する。環状重り48の内径は約1.59cmであり、シャフト38の上端42上に滑り、それに形成された環状肩部47に載るようになっている。環状重り48は、ステンレス鋼又は0.9重量パーセント塩化ナトリウム蒸留水溶液である試験溶液の存在下で耐腐食性の他の適切な材料で作ることができる。ピストン36及び環状重り48を組み合わせた重量は、ほぼ596グラム(g)に等しく、これは、約28.27cm2のサンプル面積にわたって約0.3ポンド/平方インチ(psi)又は約20.7ダイン/cm2(2.07kPa)であるサンプル68に加えられた圧力に一致する。
【0084】
試験溶液が、以下に説明するように試験中に試験装置を通して流れる時に、サンプル容器30は、全体的に16メッシュ剛直ステンレス鋼支持スクリーン(図示せず)上に載っている。代替的に、サンプル容器30は、支持リングが容器の下部からの流れを制限しないようにシリンダ34と実質的に等しい直径方向の大きさにされた支持リング(図示せず)上に載せることができる。
【0085】
「自由膨潤」条件下で「ゲルベッド透過率試験」を行うために、重り48を載せたピストン36を空のサンプル容器30に入れ、圧板を除去して0.01mm精度の適切なゲージを用いて高さを測定する。各サンプル容器30を空にして高さを測定し、複数の試験装置を用いる場合には、どのピストン36及び重り48を用いるかの経過を把握することが重要である。後にサンプル68を飽和させてから膨潤させる時に測定するために、同じピストン36及び重り48を用いる必要がある。
【0086】
試験するサンプルは、米国標準30メッシュスクリーンを通して事前に篩い分けし、米国標準50メッシュスクリーン上に保持された粒子から調製される。その結果、試験サンプルには、約300〜約600ミクロンの範囲の大きさの粒子が含まれる。粒子は、手動又は自動で事前に振り分けることができる。ほぼ0.9グラムのサンプルをサンプル容器30に入れ、サンプル容器の下部で均等に広げる。0.9グラムのサンプルを入れてピストン36及び重り48を出した容器は、次に、試験溶液に約60分間浸漬してサンプルを飽和させ、制限荷重を掛けることなくサンプルを膨潤させる。
【0087】
この期間の終了時に、ピストン36及び重り48アセンブリをサンプル容器30の飽和サンプル68上に置き、その後、サンプル容器30、ピストン36、重り48、及びサンプル68を溶液から除去する。飽和サンプル68の厚さは、ゼロ点が最初の高さ測定から変化していなければ同じ厚さゲージを用いて重り48の下部からシリンダ34の上部までの高さを再び測定することにより判断される。サンプル68を飽和した後に得られた高さ測定値から、空のサンプル容器30、ピストン36、及び重り48を測定することから得られた高さ測定値が差し引かれる。得られる値は、膨潤サンプルの厚さ、すなわち、高さ「H」である。
【0088】
透過率測定は、飽和サンプル68、ピストン36、及び重り48を内部に入れたサンプル容器30に試験溶液の流れを送出することにより開始される。試験溶液を容器に流す流量を調節し、流体の高さをサンプル容器の下部の上方約7.8cmに維持する。サンプル68を通過する溶液量対時間は、重量測定法で測定する。流体レベルが高さ約7.8cmに安定して維持された状態で、データ点は、少なくとも20秒間にわたって毎秒収集される。膨潤サンプル68を通る流量Qは、サンプル68を通過する流体(グラム単位)対時間(秒単位)の線形最小二乗当て嵌め法によりグラム/秒(g/s)単位で判断される。
【0089】
cm2単位の透過率は、以下の式により得られる。
【0090】
K=[Q**μ]/[A*ρ*P]
【0091】
ここで、K=透過率(cm2)、Q=流量(g/sec)、H=サンプルの高さ(cm)、μ=液体粘性(ポアズ)(この「試験」に用いた試験溶液では、ほぼ1センチポアズ)、A=液体流に対する断面積(cm2)、ρ=液体密度(g/cm3)(この「試験」に用いた試験溶液では、ほぼ1g/cm3)、及びP=静水圧(dynes/cm2)(通常、ほぼ3,923dynes/cm2)である。静水圧は、次式で計算される。
【0092】
P=ρ**
【0093】
ここで、ρ=液体密度(g/cm3)、g=重力加速度、公称981cm/sec2、及びh=流体高さ、例えば、本明細書に説明する「ゲルベッド透過率試験」では7.8cmである。
【0094】
最少でも3つのサンプルを試験し、結果を平均してサンプルのゲルベッド透過率を判断する。
【0095】
荷重下ゲルベッド透過率試験
本明細書で用いる場合、「荷重下ゲルベッド透過率(GBP)試験」は、本明細書ではそれ以外に0.3psiでのGBPとも呼ばれ、一般的に「荷重下」条件と呼ばれる条件下でゲル粒子(例えば、本明細書で用いられる時の用語である超吸収性材料又は吸収性材料)の膨潤ベッドの透過率を判断するものである。「荷重下」という用語は、着用者が座ったり、歩いたり、捻ったりする時のように粒子に加えられる通常の使用時荷重とほぼ一致する荷重により粒子の膨潤が制限されることを意味する。
【0096】
より詳細には、「荷重下ゲルベッド透過率試験」は、上述の「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」と以下の例外を除いて実質的に同じである。ほぼ0.9グラムのサンプルをサンプル容器30に入れてサンプル容器の下部に均等に広げ、ピストン36及び重り48が、サンプル容器(ピストン及び重りを入れたもの)を試験溶液(0.9重量%NaCl生理食塩水)に約60分間浸漬する前にサンプル容器内のサンプル上に置かれる。その結果、サンプルが飽和して膨潤する時に0.3psi制限荷重がサンプルに加わる。
【0097】
荷重下吸収性試験
「荷重下吸収性(AUL)試験」は、材料を0.9psi荷重下にしながら、ゲル粒子サンプル(例えば、表面処理済み吸収性材料又は表面処理前の超吸収性材料など)が室温の塩化ナトリウムの0.9重量パーセント蒸留水溶液(試験溶液)を吸収する機能を測定するものである。「AUL試験」を行うための装置106を図3に示しており、全体的に100で示す「要求吸収性試験器(DAT)」を含み、これは、米国マサチューセッツ州ダナーズ所在のM/K・システムズから入手可能な「重量分析吸収性試験システム(GATS)」及び「INDA技術シンポジウム抄録集」、1974年3月の129〜142頁にLichsteinにより説明されたシステムに類似している。
【0098】
試験装置は、全体として101(図4)で示されており、そこに形成された空洞102及び空洞に入れた多孔性プレート103を有し、プレートを通って延びる複数の穴104により形成された直径約2.54cmの中心の孔領域を有する試験スタンドを更に含む。図4に示す空洞102の直径は約3.2cm、多孔性プレート103の直径は約3.1cmであり、各々直径が約0.3cmの7つの穴104を含む。穴104の1つは中心に位置し、残る6つの穴は、中心穴の中心から各隣接する穴の中心までの間隔が約1センチメートルになるように中心穴の周りに同心円状に位置決めされている。
【0099】
試験するサンプル110を含むためのサンプル容器には、シリンダ112と、2軸延伸して緊縮させてシリンダの下端に取り付けたステンレス鋼布スクリーン114とが含まれる。シリンダ112は、透明「LEXAN」ロッド又は同等の材料に穿孔することができ、又は「LEXAN」チューブ又は同等の材料から切断することもでき、内径が約1インチ(約2.54cm)である。ステンレス鋼布スクリーン114は、100メッシュスクリーンであることが適切である。
【0100】
ディスク又はピストン116は、「LEXAN」ロッド、「Plexiglass」、又は同等の材料を機械加工して作られ、壁間隙が最小であるが依然として自由に滑るようにシリンダ112内に適合する直径にされる。ピストン116の高さは、ほぼ0.8cmであり、ピストンの重量は、約4.4グラムにして容器内のサンプルの断面積にわたる荷重が約0.01psiになるようにすることが適切である。重り118は、ピストン116に載ってサンプル上の荷重(例えば、ピストンの重量に加えて)を増大させる大きさ(例えば、直径約2.5cm)にされる。例えば、約317グラムの重りを用いて、容器内のサンプルの断面積にわたり約0.9psiの荷重(例えば、ピストン重量を含む)を与える。
【0101】
空洞102、及び従って多孔性プレート103は、適切な導管122を通じて試験溶液(室温の0.9重量パーセント塩化ナトリウム蒸留水溶液)を含有するリザーバ120と流体連通する。図3に示すように、リザーバ120は、静電気秤108上に着座している。
【0102】
米国標準30メッシュスクリーンを通して粒子を篩い分けし、米国標準50メッシュスクリーン上に粒子を保持させ、サンプルが約300〜約600ミクロンの範囲の大きさの粒子を含むようにすることにより、約0.160グラムの重さのゲル粒子のサンプル110を調製する。サンプルは、適切な秤量紙に載せて秤量し、次に、粒子が均一に分布して容器の下部でスクリーンの上に重なるように、サンプル容器(ピストン116を除去した)の中に装填される。サンプル容器を軽く叩いて容器内の粒子のベッドを平らにする。
【0103】
「AUL試験」は、GF/Aガラスフィルタ紙124の円形の一片を多孔性プレート103上に形成された穴104を覆って置き、導管122を通じてリザーバ120から多孔性プレートまで送出される試験溶液によって飽和させることにより開始される。紙124は、シリンダ112の内径よりも大きく、外径よりも小さい大きさにし、穴104にわたる蒸発を阻害しながら確実に良好に接触させることが適切である。この時点で、静電気秤108のゼロ点を合わせる。ピストン116及び重り118を容器内のサンプル上に置き、容器(サンプル、ピストン、及び重りを入れたもの)を飽和ガラスフィルタ紙124を覆ってプレート103上に置き、試験溶液が導管122、プレート102の穴104、及びフィルタ紙を通じて容器内のサンプルに取り込まれることを可能にする。
【0104】
静電気秤108を用いて、試験溶液のサンプルまでの流れを約60分にわたって測定する。約60分後にサンプルに取り込まれた溶液の量(グラム)をサンプルの乾燥重量(例えば、約0.160グラム)で割ったものが、液体のグラム/サンプルグラム重量で表されるサンプルのAUL値である。
【0105】
測定値の精度は、2回検査して確認することができる。第1に、サンプル容器の下部のスクリーン114の上方にピストン116の高さが上昇した値にピストンの断面積を乗じたものは、60分間にわたってサンプルに取り込まれた溶液の量とほぼ等しくなるべきである。第2に、サンプル容器は、試験の前(例えば、超吸収性材料が乾燥している間)及びその後に重量を測定し、その重量の差は、60分間にわたってサンプルに取り込まれる溶液の量にほぼ等しくなるべきである。
【0106】
最低でも3回試験を行い、結果を平均して0.9psiでのAUL値を判断する。サンプルは、23±1℃及び50±2パーセント相対湿度で試験する。
【0107】
遠心保持容量試験
「遠心保持容量(CRC)試験」では、ゲル粒子(例えば、表面処理済み吸収性材料又は表面処理される前の超吸収性材料など)を飽和し、制御した条件下で遠心分離が行われた後に液体をその内部に保持する機能を測定する。得られる保持容量は、サンプルのグラム重量あたりの保持された液体のグラム(g/g)で表される。試験されるサンプルは、米国標準30メッシュスクリーンを通して事前に篩い分けされ、米国標準50メッシュスクリーン上に保持された粒子から調製される。その結果、サンプルには、約300〜約600ミクロンの範囲の大きさの粒子が含まれる。粒子は、手動又は自動で事前に篩い分けすることができ、試験するまで密封気密容器に保存される。
【0108】
保持容量は、試験溶液(0.9重量パーセント塩化ナトリウムの蒸留水溶液)がサンプルに自由に吸収されるようにしながらサンプルを収容することになる水透過率バッグに0.2±0.005グラムの事前に篩い分けしたサンプルを入れることにより測定する。米国コネチカット州ウィンザーロックス所在のデクスター・コーポレーションから入手可能な型式番号「1234T」ヒートシール可能フィルタ紙のようなヒートシール可能なティーバッグ材料は、ほとんどの用途で良好に機能する。このバッグは、バッグ材料の5インチ×3インチサンプルを半分に折って2つの開放縁部をヒートシールし、2.5インチ×3インチの矩形パウチを形成することにより形成される。ヒートシールは、材料の縁部の内側約0.25インチとすべきである。サンプルをパウチに入れた後に、パウチの残りの開放縁部もヒートシールする。空のバッグも作って対照として用いる。試験のために3つのサンプル(例えば、充填して密封したバッグ)を調製する。充填したバッグは、直ちに密封容器に入れなければ、調製して3分以内に試験する必要があり、密封容器に入れる場合は、充填したバッグは、調製から30分以内に試験すべきである。
【0109】
バッグは、3インチ開口部を有する2つの「TEFLON(登録商標)」被覆ガラス繊維スクリーン(米国ニューヨーク州ピーターズバーグ所在のタコニック・プラスチックス・インコーポレーテッド)の間に挟んで23℃の試験溶液の皿に浸漬し、バッグが完全に濡れるまでスクリーンが確実に押し下げられるようにする。湿潤後、サンプルは、溶液中に約30±1分間入れたままにし、その時点で溶液から除去して非吸収性の平坦な表面に一時的に置く。複数回試験するために、24個のバッグが皿内で飽和した後に、皿を空にして新しい試験溶液を補充すべきである。
【0110】
次に、サンプルに約350のgの力を与えることができる適切な遠心分離機のバスケットに湿潤バッグを入れる。適切な遠心分離機の1つは、水収集バスケット、デジタルrpmゲージ、及びバッグサンプルを保持して排水するように構成された機械加工排水バスケットを有する「Heraeus LaboFuge 400」である。複数のサンプルを遠心分離する場合には、サンプルは、遠心分離機内の対向する位置に置き、回転する時にバスケットの均衡を取るようにすべきである。バッグ(湿潤した空のバッグを含む)は、約1,600rpm(例えば、目標の約350のgの力を達成するための)で3分間遠心分離する。バッグを除去して重さを量るが、最初に空のバッグ(対照)の重さを量り、次にサンプルを含むバッグの重さを量る。サンプルに保持される溶液の量は、バッグ自体に保持される溶液を考慮すると、流体のグラム/サンプルのグラムで表されるサンプルの遠心保持容量(CRC)である。より詳細には、保持容量は、以下のように判断される。
CRC=(遠心分離後のサンプル/バッグ重量−遠心分離後の空のバッグ重量−乾燥サンプル重量)/乾燥サンプル重量
【0111】
3つのサンプルを試験して結果を平均し、遠心保持容量(CRC)を判断する。サンプルは、23±1℃及び50±2パーセント相対湿度で試験する。
【0112】
以上の実施形態の詳細は、説明のために挙げたものであり、本発明の範囲を制限するものではないことは理解されるであろう。先に本発明のいくつかの例示的な実施形態のみを詳細に説明したが、この例示的な実施形態には、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく多くの修正が可能であることを当業者は容易に認めるであろう。例えば、一実施形態に関連して説明した特徴を本発明のいずれかの他の実施形態に組み込むことができる。
【0113】
従って、全てのこのような修正は、特許請求の範囲及びその全ての均等物に規定される本発明の範囲に含まれるものとする。更に、いくつかの実施形態の利点、特に、好ましい実施形態の利点の全てを達成しない多くの実施形態を考えることができるが、特定の利点が欠けてもこのような実施形態が本発明の範囲外であると必ずしも解釈されるべきではないことが認識される。
【0114】
本発明又はその好ましい実施形態の要素を導入する時に、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素の1つ又はそれよりも多くが存在することを意味するものとする。「comprising」、「including」、及び「having」という用語は、包括的であり、列記した要素の他に付加的な要素が存在する場合があることを意味するものとする。
【0115】
本発明の範囲から逸脱することなく上述の構成に様々な変更を行うことができると考えられるので、以上の説明に含まれる全ての事柄は、制限的な意味ではなく例示的に解釈されるべきであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】「ゲルベッド透過率試験」を行うための装置の断面図である。
【図2】図1の線2−2の平面で取った断面図である。
【図3】「荷重下吸収性試験」を行うための装置の断面図である。
【図4】図3の線4−4の平面で取った断面図である。
【符号の説明】
【0117】
28 「ゲルベッド透過率試験」装置
30 サンプル容器
36 ピストン
38 「LEXAN」シャフト
48 重り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に架橋ポリマーを含む吸収性材料であって、
「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも約20g/gの遠心保持容量を有し、「荷重下ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約200×10-9cm2の荷重下ゲルベッド透過率を有する、
ことを特徴とする吸収性材料。
【請求項2】
前記架橋ポリマーは、少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性材料。
【請求項3】
前記「荷重下ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約400×10-9cm2の荷重下ゲルベッド透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の吸収性材料。
【請求項4】
「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも約25g/gの遠心保持容量を有することを特徴とする請求項1に記載の吸収性材料。
【請求項5】
「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約2,000×10-9cm2の自由膨潤ゲルベッド透過率を有することを特徴とする請求項1に記載の吸収性材料。
【請求項6】
前記「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約3,000×10-9cm2の自由膨潤ゲルベッド透過率を有することを特徴とする請求項5に記載の吸収性材料。
【請求項7】
前記架橋ポリマーは、少なくとも約85重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性材料。
【請求項8】
請求項1に記載の吸収性材料と親水性繊維及び疎水性繊維の少なくとも一方とを含むことを特徴とする吸収性構造体。
【請求項9】
前記吸収性材料は、吸収性構造体の重量で約5パーセント〜約90パーセントの範囲であることを特徴とする請求項8に記載の吸収性構造体。
【請求項10】
請求項8に記載の吸収性構造体を少なくとも部分的に含むことを特徴とする吸収性物品。
【請求項11】
おむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生製品、及び失禁用製品のうちの1つであることを特徴とする請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記架橋ポリマーは、少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性材料。
【請求項13】
ゲル剛性指数が少なくとも約0.8の超吸収性材料を含む表面処理された吸収性材料であって、
超吸収性材料が、少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含み、
少なくとも約50重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む水溶性非架橋ポリマーを含む表面処理剤が、前記超吸収性材料に付加されている、
ことを特徴とする吸収性材料。
【請求項14】
「荷重下ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約200×10-9cm2の荷重下ゲルベッド透過率(GBP)を有することを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項15】
前記「荷重下ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約400×10-9cm2の荷重下ゲルベッド透過率(GBP)を有することを特徴とする請求項14に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項16】
前記超吸収性材料は、「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも約20g/gの遠心保持容量(CRC)を有することを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項17】
前記超吸収性材料は、「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも約25g/gの遠心保持容量(CRC)を有することを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項18】
前記陽イオン性ポリマーは、ポリビニルアミンであることを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項19】
陽イオン性ポリマーの濃度は、前記超吸収性材料の約0.05〜約5重量パーセントの範囲であることを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項20】
前記超吸収性材料は、少なくとも約0.85のゲル剛性指数を有することを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項21】
前記表面処理剤は、前記超吸収性材料の実質的に外面全体に付加されていることを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項22】
前記表面処理剤の前記水溶性非架橋ポリマーは、少なくとも約70重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含むことを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項23】
前記表面処理剤は、1グラム重の超吸収性材料あたり約0.5〜約5グラム重の範囲の水を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項24】
「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約2,000×10-9cm2の自由膨潤ゲルベッド透過率を有することを特徴とする請求項13に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項25】
「荷重下ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約200×10-9cm2の荷重下ゲルベッド透過率(GBP)を有することを特徴とする請求項24に記載の表面処理された吸収性材料。
【請求項26】
少なくとも部分的に架橋ポリマーを含む吸収性材料であって、
「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも20g/gの遠心保持容量、及び「自由膨潤ゲルベッド透過率試験」による判定で少なくとも約2,500×10-9cm2の自由膨潤ゲルベッド透過率、
を有することを特徴とする吸収性材料。
【請求項27】
「遠心保持容量試験」による判定で少なくとも約25g/gの遠心保持容量を有することを特徴とする請求項26に記載の吸収性材料。
【請求項28】
前記架橋ポリマーは、少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含むことを特徴とする請求項26に記載の吸収性材料。
【請求項29】
表面処理された吸収性材料を製造する方法であって、
水溶性陽イオン性ポリマーを水中で可溶化して水溶液を形成する段階と、
少なくとも約0.8のゲル剛性を有し、かつ少なくとも約75重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含む、超吸収性材料の外面に前記水溶液を付加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
前記水溶液を前記超吸収性材料に付加した後に該溶液から水を除去し、それによって該超吸収性材料の前記表面上に陽イオン性ポリマーを残す段階を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
陽イオン性ポリマーの濃度は、前記超吸収性材料の約0.05〜約10重量パーセントの範囲であることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記可溶化する段階は、前記陽イオン性ポリマーを1グラム重の超吸収性材料あたり少なくとも約0.5から少なくとも約10グラム重の水中で可溶化する段階を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記水溶液を超吸収性材料の外面に付加する前記段階は、該超吸収性材料が該水溶液の少なくとも一部分を吸収するまで該水溶液及び超吸収性材料を互いに混合する段階を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
ゲル剛性指数が少なくとも約0.8の超吸収性材料を含む表面処理された吸収性材料であって、
超吸収性材料が、少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含み、
少なくとも約50重量パーセントの陰イオン性ポリマーを含む水溶性非架橋ポリマーを含む表面処理剤が、前記超吸収性材料に付加されている、
ことを特徴とする吸収性材料。
【請求項35】
表面処理された吸収性材料を製造する方法であって、
水溶性陰イオン性ポリマーを水中で可溶化させて水溶液を形成する段階と、
少なくとも約0.8のゲル剛性指数を有し、かつ少なくとも約75重量パーセントの陽イオン性ポリマーを含む架橋ポリマーを含む、超吸収性材料の外面に前記水溶液を付加する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項36】
前記水溶液を前記超吸収性材料に付加した後に該溶液から水を除去し、それによって該超吸収性材料の前記表面上に陰イオン性ポリマーを残す段階を更に含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記水溶液を超吸収性材料の外面に付加する前記段階は、該超吸収性材料が該水溶液の少なくとも一部分を吸収するまで該水溶液及び超吸収性材料を互いに混合する段階を含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記水溶液を前記超吸収性材料に付加した後に該溶液から水を除去し、それによって該超吸収性材料の前記表面上に陰イオン性ポリマーを残す段階を更に含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−500765(P2007−500765A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521810(P2006−521810)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/010205
【国際公開番号】WO2005/016393
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】