説明

吸収性材料裏地を有する輸送用容器

容器は、二つの相補的な覆い部(102,103)を有し、反対側の容器Cに対応するための中央外側へ広がる窪み(106,107)を備える。覆い部のうちのひとつ(102)は、高吸収性材料裏地(108)が内面を覆う。各覆い部の窪みは、各周底面部(109,110)により囲まれている。周底面部は窪みの上端縁(112,114)を有し、窪みから反対の方向に、すなわち容器を閉じた状態の内側に向けて階段状になっている。裏地(108)の介在により、覆い部を一緒に閉じたとき、上端縁は隣接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送用容器に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、液漏れの危険性のある容器、つまり不完全な開閉物からの液漏れ、もしくは不慮の損傷による不測の液漏れの危険性のある容器のために、改良した輸送用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明によれば、
液漏れの危険性のある液体容器のための輸送用容器であり、
・前記容器を包むための覆いを有し、不浸透性の材料の相補的な一対の覆い部から形成され、前記覆いの閉じる方に対して、互いに反対に配置可能であり、
・前記覆い部のうちの一方は
・容器が有する窪みが、閉じた前記覆いの外側の方へ広がり、
・前記窪みの周りに縁を有し、前記周縁は前記窪みに隣接するか、もしくは前記周縁から離れた位置に設置され、前記外側方向もしくは反対の前記内側方向へ伸長し、
・前記覆い部の他方は、
・前記覆いを閉じるときに、他方の覆い部の反対中央領域に前記窪みを備え
・前記中央領域の周りに縁を有し、前記周縁は、閉じた前記覆いの内側もしくは外側へ伸長し、
前記周縁が伸長する前記方向は、前記容器を閉じるときに前記周縁の一方が他方に納まるような方向であり、
・少なくとも前記覆い部のうちのひとつに高吸収性材料裏地が備えられ、前記裏地は、前記容器を閉じるとき、一方の窪みから、もしくは前記窪みと前記中央領域の二つから前記周縁のところまで、または前記周縁と前記周縁の間に広がり、二つの覆い部の内面を覆う前記裏地の間の前記周縁において、もしくは覆い部のうちのひとつの内面を覆う前記裏地と一方のみ内面が覆われている他方の覆い部の間の前記周縁において、ごく僅かな隙間があり、外側容器に包まれた容器から誤って開放された液体が、前記周縁の中心にある前記高吸収性材料により吸収され、前記周縁の間に感知可能に通過せず、初期の液体漏れ(たとえあったとしても)は、上述の僅かな隙間に達し、そこで前記高吸収性材料は膨らみ、「ゲルブロッキング」という前記膨らみにより、さらなる液体の浸透は妨げられるような配置を備える。
【0004】
前記中央領域は平坦で、その覆い部が前記他方の覆い部に対して蓋としての役割を果たし、通常前記中央領域は、それ特有の窪みを有し、二つの覆い部は、前記同じ容器の反対部分に、お互い反対の窪みに納まる各容器を備える。これらは、単一の容器のためのものであり、もしくは複数の容器のためのものである。後者は、前記窪みが単一のサイズの容器が入るように、もしくは前記窪みが複数の異なるサイズの容器が入るように形成される。
【0005】
二つの覆い部は窪みを有し、それらは、一方の覆い部の窪みが他方の覆い部の窪みより大きい。通常、より大きい窪みを有する前記周縁は、同じ方向へ、つまり窪みと同様、閉じた覆いの外側へ伸長する。
【0006】
前記あるいは各窪みは、定まった形状であり、覆い部の中の前記周縁は、その端から真直ぐ伸長する。一方、通常、周底面部は、後者の窪みと前記周縁の間に、前記窪みの周辺に備えられる。
【0007】
好ましくは、前記周底面部と前記中央領域は、単に一方の覆い部が窪みもしくは前記周底面部を備え、二つの覆い部も窪みを備え、前記周縁と同様に、同じ方法ですなわち僅かな隙間で、互いに隣接する上端縁を有し、前記中央部のランドは互いに一歩離れて配置され、万一液体の放出の際に、前記高吸収性材料裏地の拡大が可能となるような空間を備える。前記窪みの外側への液体の浸透に対して、前記上端縁においてゲルブロッキングが発生し、前記上端縁が危機瀬戸際の役割となる。
【0008】
前記周底面部は、互いに一歩離れて配置される内側のランドを有し、前記配置により、容器破損時の万一液体の放出の際に、前記高吸収性材料裏地の拡大が可能となるような空間を備え、前記上端縁の外側への液体の浸透に対し、前記上端縁においてゲルブロッキングが発生し、前記上端縁が危機瀬戸際の役割となる。
【0009】
より好ましくは、前記あるいは各窪みが少なくとも一方の狭い領域を有し、それは、前記窪みの中に容器が配置されるように調整されるという目立った特徴を有し、また少なくとも一方の広い領域は、容器破損の際の万一の液体放出の際には前記高吸収性材料の拡大が可能となる空間を備えるよう、前記容器に隙間を提供する。
【0010】
より好ましくは、前記あるいは各窪みは、規格サイズの容器が入るよう形成され、前記容器は、閉鎖した容器の中に、少なくとも前記容器の中で液体内容物の占める空間とほぼ同じ大きさの追加の空間を提供出来るよう形成され、前記高吸収性材料裏地は、この量の液体を吸収可能である。
【0011】
より好ましくは、前記追加の空間は、少なくとも液体内容物空間の1.5倍の大きさである。
【0012】
前記周底面部の間、もしくは前記一方の周底面部と前記中央領域の間の拡大空間に加えて、好ましくは窪みは容器の周辺に隙間を有し、前記窪みの中に前記容器が配置されるように調整されるという目立った特徴を有する。この隙間により、高吸収性材料のさらなる拡大が可能となる。その一方、先に述べたように、前記隣接した上端縁により、周縁間において、さらなるゲルブロックが発生し易いよう液体の通過に対して初期のゲルブロックが発生する。ゲルブロック行為は、特に上端縁と周縁の間の角において特徴付けられ、前記角は変形を防ぐよう前記覆い部を強化し、後者が前記高吸収性材料の拡大を可能とする。
【0013】
好ましくは、前記容器の間もしくは容器(一つ以上の場合)と前記覆い部の間の前記閉じた容器内の空間は、少なくとも前記容器の中の液体内容物の占める空間とほぼ同じ大きさであり、そのために、前記高吸収性材料は最大量の液体を吸収可能である。まさに、有り余る過剰の吸収性が可能であり、そのために容器からの液漏れに対して、吸収が局部的に発生する。実際の局部的な拡大により、液漏れ箇所からの液漏れの拡大を妨害できる。この場合、高吸収性材料の拡大により、前記反対の覆い部が前記薬ビンとその蓋になり得ることで、液漏れに対して密閉可能となり、覆い部の内面が覆われていないときでさえ、ある程度まで、液漏れのない状態で、含有サンプルは使用可能である。
【0014】
好ましくは、前記容器は、液漏れしないことを確実にするためのさらなる特徴を備える。前記周縁の前記内部は、外側に向く開口縁を有し、前記内部周縁の方向に側壁を有する。前記外側の周縁もまた、開口縁を有し、その開口縁は前記内部周縁とその側壁の間に堅く納まるよう形成される。このように、別のゲルブロッキングが前記周縁と前記開口縁の間の角において、備えられる。
【0015】
前記容器が予期せず開くことを防ぐために、前記内側の周縁の方向にある前記側壁が、前記内部周縁の方へ斜めに備えられ、前記他方の開口縁の端に突き出てそれを捕らえる。
【0016】
前記二つの覆い部は分離して形成され、使用可能なヒンジを有し、一対の貝殻を形成し、前記ヒンジされた端に沿って開くことに対して安全性を備えている。前記反対の端には、一対の内部ロック蓋が備えられている。
【0017】
前記裏地は高吸収性材料及び繊維束の層であると考察される。一方好ましくは、前記裏地は、浸透性の材料の表面層を備え、高吸収性材料が、前記浸透性の表面層と前記裏地の付いた覆い部の間に閉じ込められる。前記表面層が、ゲルブロッキングの発生を補佐する。
【0018】
通常前記裏地は、前記もしくは各覆い部については、積層ローラー工程が適用され、特に前記覆い部は次の操作の熱成形により形成される。別の方法としては、前記裏地は、熱成形プレスにより前記覆い部に積層される。また一方では、もし前記覆い部が射出成形されるのであれば、前記裏地は、成形の後に積層されるか、場合により樹脂材料が型に注入されると共に、射出成形工程に含まれるかもしれない。
【0019】
好ましくは、前記裏地が不織布の二つの層から成り、前記高吸収性材料が間に挟まれている。前記層は、積層工程の間の前記裏地の粘着のために、互いに軽く付着している。不織布に対して、また、前記層が一方もしくは他方は膜から成り、前記外側の層の場合は穴が開いている。前記覆い部の前記内側層の粘着を補助するために、後者の層かつ/もしくは前記裏地は、接着として働く低融点樹脂材料の薄い膜が備えられている。また、前記二層の前記内側はポリエチレンのような樹脂材料であり、前記二つの層の前記外側の層、例えばポリプロピレンなどの融点より、より低い融点を有する。不織布の前記内側の層は、ポリエチレンのような低融点樹脂材料の薄い層に替えることも考えられる。
【0020】
好ましくは、消毒剤、殺菌性、抗菌性もしくは抗ウイルス性の物質が高吸収性材料に混合される。
【0021】
ひとつの実施形態において、前記容器は、前記あるいは液漏れの恐れのある各容器の温度管理のために、各覆い部に接触した熱管理物質として少なくとも一方の外皮を含む。前記熱管理物質は、食塩の共融混合物質である。好ましくは、前記あるいは各相変化外皮はその覆い部に相補的な熱成形物を含み、周縁において熱成形物と係合する。前記熱成形物は、熱管理物質の外皮に密着した第二の熱成形物を備える。前記輸送用容器は、前記覆い及び前記共融物材料外皮のために発泡材料容器を含む。また、前記もしくは各外皮は、前記もしくは各覆い部の補助的な開口縁に密着した開口縁を有する熱成形物を含む。
【0022】
本発明の理解を促すために、添付した図面を参照して、本発明の具体的な実施形態を一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に従う、開いている輸送用容器の透視図である。
【図2】閉じている輸送用容器の同様な図である。
【図3】完全に包まれた容器を示す輸送用容器の断面図である。
【図4】完全に包まれた容器の不慮の破砕後の梱包の同様な図である。
【図5】図104の左手側をより詳細に示す断片図である。
【図6】容器の製造を示す線図である。
【図7】本発明の第二の輸送用容器を示す図1と同様な図である。
【図8】本発明の第二の輸送用容器を示す図3と同様な図である。
【図9】第二の容器の改良型を示す図8と同様な図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面の図1から図4を参照すると、輸送用容器101は1mmの厚いポリプロピレンから形成される。
【0025】
容器は、二つの相補的な覆い部102、103を備え、それらは使用可能なヒンジ104で接合され、そのヒンジの位置において、覆い部の材料は三つの位置105で部分的に切断されて接続されている。覆い部は、反対側の容器Cに対応するための中央の外側に広がる窪み106、107を備えており、これらは、以下に記載の特に窪みの上端縁、周縁と開口縁に、相互に係合する構造を有する点において相補的である。覆い部102、103のうちの一つの中央の窪みにおける容器Cでは、覆い部の他方がヒンジされ、もう一方の覆い部と容器Cに折り重なるように横に倒れる。そのとき、前記記載のような相互に係合する構造に伴い、容器は完全に包まれる。この閉じた状態では、輸送用容器は、閉じた状態で160mm×110mmのサイズである。これまで記載の構造は、容器の比較的に厚い材料を有し、容器に適した通常の防備を備え、破損に備えた液体のサンプルを含む医療の薬ビンとなる。容器の配置を確実にするために、窪みが容器の配置構造1061、1071に強固に備え付けられている。
【0026】
覆い部のうちの一つ102は、高吸収性材料の裏地(ライニング)108で内面を覆われる。しかし、裏地材料及び材料の機能の詳細について記載する前に、覆い部の構造について説明する。
【0027】
各覆い部の窪みは、各窪みの周りを囲む周底面部109、110に囲まれている。容器が閉じるとき、窪みは隙間111により分離される。その周底面部は上端縁112、114を有し、窪みとは反対方向に、つまり容器が閉じられた状態の内側に向けて、階段状になっている。裏地108の介在により、それらの縁は、覆い部が一緒に閉じるとき、隣接する。
【0028】
周底面部から横に離れて伸長した周底面部の外側の端に、周縁116、118がある。これらは、覆い部を閉じるときに、一方が他方に納まる。開口縁120、122は、周底面部及び上端縁に平行な周縁から離れて伸びる位置にある。これらはまた、覆い部を閉じるときに隣接する。開口縁は相補的な本質を持つ覆い部の境界にある。後者のうちの一つに属する窪み106は他方の窪み107より浅く、開口縁120の端123において、不要部は切り取られる。他方の窪み107は、周縁118の方に、後ろに伸びる側壁124を有し、その開口縁122をわずかに持ち上げ、それゆえに、一旦覆い部が閉じると、開口縁120は周縁118とその側壁124により形成される溝125の中に捕らえられる。このように、二つの覆い部は、ただ強制的に再び分離され、それによって通常の輸送状態で包み込まれた容器を保持する。側壁124は、略Z構造126に続き、容器の端を強化する働きをする。
【0029】
容器の表皮の角における移行部は、すなわち上端縁と周縁の間の角、及び周縁と開口縁の間の角の二つの部分を備えており、そこでは、覆い部が一緒に堅く納まるのではなく、むしろそれらにより、覆い部が閉じた状態である限り、離れないように角部の強固効果により、開口縁120が溝125の底に捕らえられた状態で動かない。
【0030】
輸送の間、容器が閉じた状態を保持することをさらに確実にするために、使用可能なヒンジとは反対の覆い部の端に、各蓋128、130を有し、それぞれには、スリット129、131が備えられている。これらは、互いに通り越えて曲げることにより、内部で係合する。
【0031】
上記に述べたように、覆い部102は、裏地108を備え、ポリプロピレン不織布の二層を含み、それは通常粉末形状の高吸収性材料を含む。これは、覆い部の不要部を切り取られた端123まで伸びている。このようにして、裏地は、上端縁と周縁の間及び周縁と開口縁の間の角の周りまで伸びる。水分の存在下では、裏地の性質より、角では裏地が伸びる空間は無い。もし容器Cが誤って破砕した場合、−梱包と容器に異常な圧力がかかることにより−そうすると液体は容器の中に開放され、周縁の中央の高吸収剤により吸収され、角での起こり得る拡大は最小限となるか−もしくは、少なくとも上端縁と周縁の間の角では−毛細管現象により生じるさらなる水分の通過を防御する働きをする。周縁と開口縁の間の角の対策は、この点に関して、さらなる安全要因を提供することとなる。
【0032】
周底面部の間の、窪み周辺の隙間111と、窪みにおいて容器と覆い部の間の空間134は、共に容器内部に、ある容積を備えられている。万一容器の破砕の場合には、この容積は、液体内容物に占められ、さらに特に重要なことは、高吸収剤材料は、図4に示されるように、容積がEまで拡大する。したがって、高吸収剤材料が吸収出来ない過剰の液体のせいで、覆いが破裂して開いたり、あるいは強制的に周縁を分離するような、つまり液漏れするような傾向は全くない。まさに、通常図5に示すような状態が予想され、すなわち、二つの覆い部は、共に十分固く保持され、窪みの上端縁112、114の内部端に次々とゲルブロッキングGBが生じるのに十分な容積の拡大がある。これらの上端縁は、−最も起こり得る容器の破裂損傷の形態−これらの上端縁が共に固く押し付けられていて、前述のゲルブロッキングを推し進めるという点において、さらなる機能を果たす。
【0033】
次に図6を参照して、容器の製造について説明する。最初の材料は、
・片側に接着として作用するポリエチレン152を堆積させた、厚さ1mmの熱成形グレードのポリプロピレンのロール151と
・少量の接着の添加により密着させた高吸収性材料の積層品のロール152は、ポリプロピレン不織布スクリムの外側の層153、154と高吸収剤粉末の充填物155を含む。特に不織布層は覆い部のむき出し状態の外側の層154では40g/mm2の材料であり、他方の層153では20g/mm2の材料であり、高吸収剤粉末は60g/mm2の割合で使用されている。
さらに、15g/mm2ポリエチレン層153は、接着層として備えられる。
【0034】
ロールから引き出された織布は、向かい合った各赤外線ヒーター156、157の間を通過する。ポリプロピレンの織布は水平に移動し、高吸収剤織布が垂直に移動し、1対の連結ローラー158に挟まれ、低スクリム層は、高温ポリエチレンの中に圧入される。結合した織布は、すぐに一対の真空加圧成形ダイス159、160の間を通過する。織布は、成形するように形成され、その外観は、それぞれの覆い部となる。高吸収剤裏地は、堅く結合し、覆い部に接着されて、覆い部の内面を覆う。形成された織布は、それから切断工程170を通過し、そこで、余分の織布材料は次の形成された梱包から切り落とされる。
【0035】
図7及び図8より、発明に従う第二の容器を説明する。図1から図5に記載の容器と共通して、同じ機能を果たす以下に示すような構成部材については、最初の梱包の100数表示に従って、参照数表示200番を使用する。
【0036】
2つの相補的な覆い部 202、203
使用可能なヒンジ 204
外側に広がる窪み 206、207
高吸収性材料裏地 208
窪みの周底面部 209、210
窪みの上端縁 212、214
周縁 216、218
開口縁 220、222
側壁 224
溝 225
略 Z形状 226
蓋 228、230
空間 234
これは、第一のものと主に二つ相違点がある。
1.窪みの配置
2.低温物への配備
窪み206、207は、複数の内容物が入るのではなく、異なるサイズの内容物が入るように配置される。このように、窪み207は、長さの短い直径の大きな内容物に対する4つの深い窪み領域2075と、長い直径の小さい内容物に対する三つの浅い窪み領域2076を有し、そのような内容物については記載しない。窪み206は、二つ一組で並んだ長く直径の小さい六つの内容物に対して三つの窪み領域2066を有している。しかし、窪み領域は2076と2066は同じ深さである。窪み206はまた、領域2075に対応した、2075より深いが、浅い窪み領域2065を備えている。このようにして直径の大きい内容物は、最初に窪み207に含まれるが、小さい直径の内容物は、半分が一方の窪みに入り、半分が他方の窪みに入る。領域2065、2075と領域2066、2076は互いに直角に、交差しているため、二つの型の内容物は、同時に適応できない。しかしながら、その配置により、一つの型の内容物に対して四つ、他方の型に対して六つ適応可能であり、一度に輸送可能となる。
【0037】
また、図8に「冷たい梱包物」240を示す。これらは、熱成形外皮241であり、食塩水の共融混合物質242を含み、それは、典型的には塩化カルシウムと食塩水の混合物であり、グリコール及び菜種油のような有機栽培のオイルも混合されている。そのような食塩水の共融混合物質は、例えば0℃より数℃高い所望の温度において、共融、凝固あるいは相変化するよう形成出来ることが知られている。このように、材料が全て融解するまで、いずれの材料に関しても、温度制御を行なう大きい熱容量により、その温度が保持される。外皮は、第一のもしくは第二の熱成形物243、244であり、共融混合物を保持するために、245で共に密封される。一方成形物244は、蓋の本質を示し、成形物243は覆い部202、203に対して相補的である。つまり成形部2432は、窪み206に相補的な中央領域246があり、周縁216に相補的な周縁247がある。このように温度管理梱包物は、覆い202と対になり、その結果温度管理物質242の効果により、共融温度において梱包の内容物を保持する。ふた244は中央領域246とへり247の間の溝248底において成形物2432を密封する。
【0038】
成形物2433は、本質的に似ており、その中央領域は、窪み207に相補的であり、より狭い溝248とその周縁247は、内部の周縁218の中で係合する。
【0039】
温度管理物質の機能をさらに確実にするために、覆い部202、203の組み合わせ、それらの内容物、温度管理梱包物240は、図8には示されていないが、覆われた輸送箱の中の奥まった場所にある絶縁発泡ブロック内に挿入することが出来る。
【0040】
図9に移ると、先の記載の配置により、温度管理梱包物が自由に取付け出来、またまさに再利用が可能であるという長所があるが、一方この図の配置は、開口縁220、222まで、周縁281に熱密封した熱成形物外皮280を備え、その結果、食塩水の共融混合物は、成形物と覆い部に囲まれる。この配置は自由に取り付けることは不可能だが、この配置により、覆い部と食塩水の材料との本質的な密着が可能となる。
【0041】
本発明は、上記記載の実施例の詳細について限定しない。例えば、高吸収性裏地に、不織スクリムの代わりに穴が開いているフィルムが適していると予測される。スクリムは、芯材として好まれる。また一方、備えられたフィルムは、液体が、その表面(高吸収性材料を保持する)を横切って配置している穴を通って流れるのに十分な親水性であり、高吸収性材料自体は、万一内容物の破裂の場合のゲルブロッキングの発生は、本発明におけるそのような場合において重要な側面であるが、ゲルブロッキンッグ以外に、液体が材料中を浸透するのに適正な芯材を提供する。一方、芯材線維を高吸収剤に加え、高吸収剤を通った液体の毛細管輸送を推し進めることが可能である。しかしながら、ポリプロピレンスクリムはやや疎水性であるが、スクリムの中の高吸収性材料に拡大が起こり、接触する部分は乾いているという表面としての長所がある。
【0042】
さらに、高吸収剤は、不織層上もしくは閉じた梱包内の最内部にある穴の開いた材料上に十分に密着させた層に敷かれることが予測され、他方、最外層は省略され、例えばポリエチレンの層により密着した層は、直接ポリプロピレン上に接着される。より大きい吸収性を有するため、我々は粉末の高吸収性材料を使用することを好むが、材料は、繊維形状で使用されることが予測される。この場合、さらにまさに高吸収剤を通してウイッキングが促進する繊維の使用については、
周縁におけるゲルブロッキングを越えて、繊維が液体のウイッキングの通路を提供しないことをを確実にするために、注意が必要である。
【0043】
しかし、好ましくは上記の実施例において、二つの覆い部は、窪みに対応する容器を提供し、例えば容器は、小さい薬ビンであり、覆い部の一方のみであるが、事実上トレイとして備えられ、窪みに備えられ、他方は明白な中央領域が備えられ、事実上トレイを覆う蓋となる。
【0044】
さらに、両方の覆い部は、材料を含む高吸収剤が裏打ちされていることが可能である。しかしながら、我々は、単に一方に裏地を備え、他方に透明の材料を形成することを好む。それは、受領時、梱包を開ける前に漏れを目視で検査することが出来、特に、粉末の染料が裏地に備えられており、容器の液漏れの場合、裏地の全体の湿った領域への着色が広がる。
【0045】
上記記載のように、覆い部の材料はポリプロピレンが提供される。しかしながら、ポリエチレンテレフタレートのような材料−PET−も使用可能である。構造的完全性の理由で、覆い部は0.35mm以下の材料からは形成されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液漏れの危険性のある液体容器のための輸送用容器であり、
・前記容器を包むための覆いを有し、不浸透性の材料の相補的な一対の覆い部から形成され、前記覆いの閉じる方に対して、互いに反対に配置可能であり、
・前記覆い部のうちの一方は
・容器が有する窪みが、閉じた前記覆いの外側の方へ広がり、
・前記窪みの周りに縁を有し、前記周縁は前記窪みに隣接するか、もしくは前記窪みから離れた位置に設置され、前記外側方向もしくは反対の前記内側方向へ伸長し、
・前記覆い部の他方は、
・前記覆いを閉じるときに、他方の覆い部の反対中央領域に前記窪みを備え
・前記中央領域の周りに縁を有し、前記周縁は、閉じた前記覆いの内側もしくは外側へ伸長し、
前記周縁が伸長する前記方向は、前記容器を閉じるときに前記周縁の一方が他方に納まるような方向であり、
・少なくとも前記覆い部のうちのひとつに高吸収性材料裏地が備えられ、前記裏地は、前記容器を閉じるとき、一方の窪みから、もしくは前記窪みと前記中央領域の二つから前記周縁のところまで、または前記周縁と前記周縁の間に広がり、二つの覆い部の内面を覆う前記裏地の間の前記周縁において、もしくは覆い部のうちのひとつの内面を覆う前記裏地と一方のみ内面が覆われている他方の覆い部の間の前記周縁において、ごく僅かな隙間があり、
外側容器に包まれた容器から誤って開放された液体が、前記周縁の中心にある前記高吸収性材料により吸収され、前記周縁の間に感知可能に通過せず、初期の液体漏れ(たとえあったとしても)は、上述の僅かな隙間に達し、そこで前記高吸収性材料は膨らみ、「ゲルブロッキング」という前記膨らみにより、さらなる液体の浸透は妨げられるような配置を備えることを特徴とする輸送用容器。
【請求項2】
前記中央領域は平坦で、その覆い部が前記他方の覆い部に対して蓋としての役割を果たすことを特徴とする請求項1に記載の輸送用容器。
【請求項3】
前記中央領域は、それ特有の窪みを有し、二つの覆い部は、前述の容器の反対部分に対して、互いに反対の窪みに納まる各容器を備えることを特徴とする請求項1に記載の輸送用容器。
【請求項4】
前記各窪みは同じサイズであることを特徴とする請求項3に記載の輸送用容器。
【請求項5】
前記各窪みのうちの一つは前記他方窪みより大きいことを特徴とする請求項3に記載の輸送用容器。
【請求項6】
前記覆い部は、前記窪みと同じ方向に伸長する縁を有する前記より大きい窪みを備えることを特徴とする請求項5に記載の輸送用容器。
【請求項7】
窪みを有する複数の容器が、複数の容器のために備えられることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項8】
前記窪みが複数の異なるサイズの容器が入るよう形成されることを特徴とする請求項7に記載の輸送用容器。
【請求項9】
前記あるいは各窪みは、定まった形状であり、覆い部の中の前記周縁は、その端から真直ぐ伸長することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項10】
周底面部が各覆い部の中の窪みと周縁の間に、前記単一の窪みもしくは前記複数の窪みの周辺に備えられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項11】
前記周底面部と前記中央領域は、単に一方の覆い部が窪みもしくは前記周底面部を備え、二つの覆い部も窪みを備え、
・窪みの上端縁は、周縁と共に角でゲルブロッキングを形成し、前記容器を閉じるとき、前記上端縁は僅かに隙間がある状態で、互いに隣接し、
・互いに一歩離れる内部のランドを有し
容器破損時の万一液体の放出の際に、前記高吸収性材料裏地の拡大が可能となるような空間を備える配置であり、前記上端縁の外側への液体の浸透に対し、前記上端縁においてゲルブロッキングが発生し、前記上端縁が危機瀬戸際の役割となることを特徴とする請求項9もしくは請求項10に記載の輸送用容器。
【請求項12】
前記あるいは各窪みが少なくとも一方の狭い領域を有し、それは、前記窪みの中に容器が配置されるように調整されるという目立った特徴を有し、また少なくとも一方の広い領域は、容器破損の際の万一の液体放出の際には前記高吸収性材料の拡大が可能となる空間を備えるよう、前記容器に隙間を提供することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項13】
前記あるいは各窪みは、規格サイズの容器が入るよう形成され、前記容器は、閉鎖した容器の中に、少なくとも前記容器の中で液体内容物の占める空間とほぼ同じ大きさの追加の空間を提供するよう形成され、前記高吸収性材料裏地が、この量の液体を吸収可能であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項14】
前記追加の空間は、少なくとも液体内容物空間の1.5倍の大きさであることを特徴とする請求項13に記載の輸送用容器。
【請求項15】
前記容器は、液漏れしないことを確実にするためのさらなる特徴を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項16】
・前記周縁の前記内部は、外側に向く開口縁を有し、前記内部周縁の方向に側壁を有し、
・前記外部周縁も開口縁を有し、その開口縁が前記内部周縁とその側壁の間に堅く納まるよう形成され、前記周縁と前記開口縁は角においてゲルブロッキングを形成することを特徴とする請求項15に記載の輸送用容器。
【請求項17】
前記内部周縁の方向にある前記側壁が、前記他方の開口縁の端に突き出て、それを捕らえるように前記内部周縁の方へ斜めに備えられていることを特徴とする請求項16に記載の輸送用容器。
【請求項18】
前記二つの覆い部は分離することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項19】
前記二つの覆い部は、一対の貝殻を形成している使用可能なヒンジにより接続されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項20】
前記使用可能なヒンジとは反対の前記覆い部の端には一対の内部ロック蓋が備えられていることを特徴とする請求項19に記載の輸送用容器。
【請求項21】
前記裏地は高吸収性材料及び繊維束の層であることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項22】
前記裏地は、浸透性材料の表面層を備え、高吸収性材料が、前記浸透性の表面層と前記裏地の付いた覆い部の間に閉じ込められることを特徴とする請求項1〜20のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項23】
前記裏地が不織布の二つの層から成り、前記高吸収性材料が間に挟まれることを特徴とする請求項22に記載の輸送用容器。
【請求項24】
前記層は、前記裏地の粘着のために、互いに軽く付着していることを特徴とする請求項23に記載の輸送用容器。
【請求項25】
前記裏地が一方もしくは他方の層が膜から成る二つの層を有し、前記外側の層の場合は穴が開いていることを特徴とする請求項22に記載の輸送用容器。
【請求項26】
前記裏地は、低融点樹脂材料の膜が備えられていることを特徴とする請求項23〜25のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項27】
前記二つの層の前記内部はポリエチレンのような樹脂材料であり、前記二つの層の前記外側の層、例えばポリプロピレンなどの融点より、より低い融点を有することを特徴とする請求項23〜25のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項28】
消毒剤、殺菌性、抗菌性かつ/もしくは抗ウイルス性の物質が前記高吸収性材料に混合されることを特徴とする請求項1〜27のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項29】
変色する液漏れインジケータが前記高吸収性材料に混合されることを特徴とする請求項1〜28のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項30】
前記あるいは液漏れの恐れのある各容器の温度管理のために、各覆い部に接触した熱管理物質として少なくとも一方の外皮を含むことを特徴とする請求項1〜29のいずれかに記載の輸送用容器。
【請求項31】
前記熱管理物質は、食塩水の共融混合物質であることを特徴とする請求項30に記載の輸送用容器。
【請求項32】
前記あるいは各相変化外皮は、覆い部に相補的な熱成形物を含み、周縁において熱成形物と係合することを特徴とする請求項30もしくは請求項31に記載の輸送用容器。
【請求項33】
前記熱成形物は、前記熱管理物質の外皮に密着させた第二の熱成形物を備えることを特徴とする請求項32に記載の輸送用容器。
【請求項34】
前記あるいは各相変化外皮は、前記あるいは各覆い部の相補的な開口縁に密着した開口縁を有する熱成形物を含むことを特徴とする請求項30もしくは請求項31に記載の輸送用容器。
【請求項35】
前記覆い及び前記共融混合物外皮のために、発泡材料容器を含むことを特徴とする請求項30〜34のいずれか一つに記載の輸送用容器。
【請求項36】
・覆い部材料の前記裏地材料の製造に、積層ローラー工程を含み、
・その次に、前記覆い部を熱成形する
工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の輸送用容器の製造方法。
【請求項37】
・覆い部材料の前記裏地材料の製造に、熱成形プレス工程を含み
・前記覆い部を熱成形し、そこへ一操作工程により前記裏地を積層する
工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の輸送用容器の製造方法。
【請求項38】
・前記覆い部を射出成形し
・その次に、そこへ前記裏地を備え付ける
工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の輸送用容器の製造方法。
【請求項39】
・射出成形時に裏地材料を挿入し
・前記裏地材料に接触する前記覆い部を射出成形する
工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の輸送用容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−528941(P2010−528941A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−509897(P2010−509897)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001850
【国際公開番号】WO2008/146010
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(509324414)
【Fターム(参考)】