説明

吸収性物品の包装体

【課題】着用者が吸収性物品の吸収性能を直感的に把握して、吸収性物品を選択することができる吸収性物品の包装体を提供する。
【解決手段】本発明に係る吸収性物品1の包装体Pは、吸収性物品1と、吸収性物品を複数収容する包装袋部100と、を備える。吸収性物品1には、吸収性物品の吸収性能に対応付けられた表示要素60を有する性能表示部51が形成され、包装袋部の外面105には、性能表示部に対応付けられた包装性能表示部110が形成されている。表示要素60は、絵柄及び/又は記号であって、表示要素の内容及び数によって吸収性物品の吸収性能を示すように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品と、この吸収性物品を収容する包装袋部と、を備える吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸収性構造が異なる2種類の吸収性物品を収容したケースが記載されている。2種類の吸収性物品のうち一方の吸収性物品の外面には、星形の目印が付されており、他方の吸収性物品の外面には、目印が付されていない。着用者は、目印の有無によって2種類の吸収性物品を区別する。また、別の吸収性物品の外面には、吸収性物品の特徴を示す文字が付されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−514349号公報(図2A、段落0027、及び段落0028等)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、着用者によっては、複数種類の吸収性物品を常備しておき、使用時に吸収性物品を選択して使用することがある。上述の吸収性物品によれば、着用者は、目印の違いによって2種類の吸収性物品を区別することができ、また文字によって吸収性物品の特徴を把握して、吸収性物品を選択することができる。しかし、着用者は、吸収性物品の特徴を文字によって認識するため、その特徴を直感的に把握して選択し難い。また、文字が読めない着用者は、吸収性物品の特徴を把握することが困難であり、例えば吸収性能の違いを認識して吸収性物品を選択することができないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、着用者が吸収性物品の吸収性能を直感的に把握して、吸収性物品を選択することができる吸収性物品の包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明の例示的側面としての吸収性物品の包装体は、次のような特徴を有する。吸収性物品の包装体(包装体P)は、液透過性の表面シート(表面シート10)、液不透過性の裏面シート(裏面シート20)、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体(吸収体30)を有する吸収性物品(吸収性物品1)と、該吸収性物品を複数収容する包装袋部(包装袋部100)と、を備える。吸収性物品には、該吸収性物品の吸収性能に対応付けられた表示要素(花柄部60、星柄部61、ハート柄部62、月柄部63、太陽柄部64)を有する性能表示部(性能表示部51等)が形成されており、表示要素は、絵柄及び/又は記号であって、該表示要素の内容及び数によって該吸収性物品の吸収性能を示すように構成されており、包装袋部の外面(外面105)には、前記性能表示部に対応付けられた包装性能表示部(包装性能表示部110)又は前記包装袋部の外側から前記性能表示部を視認するための窓部(窓部106)が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、着用者は、包装袋部の外側から性能表示部を視認することによって吸収性能を把握することができる。また、表示要素は、絵柄及び/又は記号によって構成され、かつその内容及び数によって吸収性能を表示する。したがって、着用者は、文字等で吸収性能を表示する場合と比べて直感的に吸収性能を把握して、吸収性物品を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る第1吸収性物品の包装体の模式斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る第2吸収性物品の包装体の模式斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る第1吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る第1吸収性物品の背面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る第1吸収性物品を折り畳んで包装シートによって覆う様子を説明する模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体の模式斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る第5吸収性物品を示した図である。
【図8】第3の実施形態に係る吸収性物品を折り畳んで包装シートに収納した状態の平面図である。
【図9】第3の実施形態に係る第6吸収性物品の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品の包装体について説明する。吸収性物品の包装体Pは、図1及び図2に示すように吸収性物品1と、この吸収性物品1を収容する包装袋部100と、を有する。本実施形態に係る吸収性物品1は、例えば、生理用ナプキンである。吸収性物品1は、吸収性能が異なる第1吸収性物品1A及び第2吸収性物品1Bを有する。具体的には、第1吸収性物品1Aは、昼用の生理用ナプキンであり、第2吸収性物品1Bは、夜用の生理用ナプキンである。したがって、第2吸収性物品1Bは、第1吸収性物品1Aよりも長手方向の長さが大きく、吸収性能が高くなるように(多くの経血を吸収可能に)構成されている。なお、以下の説明において、第1吸収性物品と第2吸収性物品とで共通の構成は、同符号を用いて説明を省略する。
【0010】
まず、図1及び図2に基づいて包装袋部100について詳細に説明する。図1は、第1吸収性物品1Aの包装体Pの模式斜視図であり、図2は、第2吸収性物品1Bの包装体Pの模式斜視図である。複数の吸収性物品1を収容する包装袋部100は、第1吸収性物品1Aを収容する第1包装袋部100Aと、第2吸収性物品1Bを収容する第2包装袋部100Bと、を有する。包装袋部100は、複数の吸収性物品1を収容する袋形状である。包装袋部100の内部には、上下方向に重ねされて複数の吸収性物品1が収容される。包装袋部100の上部には、開口部101が設けられており、着用者は、開口部101を介して吸収性物品1を出し入れすることができる。なお、包装袋部100の開口部101は、吸収性物品1を出し入れ可能に構成されていればよく、開口部101の位置や形状は、図1及び図2に示す例に限定されない。
【0011】
各包装袋部100の外面105には、包装性能表示部110,111が設けられている。包装性能表示部110,111は、後述する吸収性物品1の性能表示部に対応付けられている。第1包装袋部100Aの包装性能表示部110は、表示要素としての花柄部60を有する。第2包装袋部100Bの包装性能表示部111は、表示要素としての星柄部61を有する。着用者は、包装袋部の外部から花柄部60又は星柄部61を視認して、内部に収容されている吸収性物品1の吸収性能を把握することができる。したがって、着用者は、吸収性物品の選択時に包装袋部100の外側から吸収性物品の性能を把握して選択することができる。
【0012】
次いで、図1〜図5に基づいて、吸収性物品1について詳細に説明する。図3は、第1吸収性物品1Aの肌当接面側から見た平面図であり、図4は、第1吸収性物品1Aの背面図である。図5は、第1吸収性物品1Aを折り畳んで包装シート70によって覆う様子を説明する模式図である。
【0013】
吸収性物品1は、着用者の肌に当接する表面シート10と、液体を透過しない液不透過性の裏面シート20と、吸収体30とを有する。吸収体30は、表面シート10と裏面シート20との間に配設される。従って、吸収体30は、図3において破線で示される。吸収体30は、吸収性物品1の長手方向L及び幅方向Wにおける中央部分に配設される。また、吸収性物品1は、吸収性物品1の長手方向Lに直交する吸収体30の幅方向W外側に設けられるサイドシート41,42、ウイング部43,44を備える。
【0014】
表面シート10は、体液等の液体を透過する液透過性のシートである。表面シート10は、少なくとも吸収体30の表面を覆う。表面シート10は、着用者の膣口(体液排出口)に対応する当接領域S1を有する。表面シート10は、吸収性物品の長手方向Lにおいて当接領域S1の前方に位置する前方領域S2と、当接領域S1の後方に位置する後方領域S3と、を有する。
【0015】
表面シート10は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。
【0016】
裏面シート20は、裏面シート20の長さと略同一の長さを有する。裏面シート20は、ポリエチレン、ポリプロピレン等を主体としたフィルム、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。裏面シート20は、着用時の違和感を生じさせない程度の柔軟性を有する材料とすることが好ましい。
【0017】
吸収体30は、親水性繊維、パルプを含む。サイドシート41,42は、表面シート10と同様の材料から選ぶことができる。但し、サイドシート41,42を乗り越えて吸収性物品1外方へ経血が流れることを防止するためには、疎水性又は撥水性を有することが好ましい。
【0018】
サイドシート41,42は、表面シート10の両側に配設される。サイドシート41,42は、吸収体30の側縁の一部及びウイング部43,44を覆う。吸収性物品1では、表面シート10、サイドシート41,42、及び裏面シート20の周縁が接合されて、吸収体30が内封される。表面シート10と裏面シート20との接合方法としては、ヒートエンボス加工、超音波、又はホットメルト型接着剤のいずれか一つ、又は複数を組み合わせることが可能である。
【0019】
裏面シート20において、ショーツと接触する表面(非当接面20a)には、裏面シート20の長手方向に沿って、接着材50がライン状に塗布される(図4参照)。接着材50は、裏面シート20の長手方向Lに沿って複数ライン状に塗布される。ウイング部43及びウイング部44において、ショーツと接触する表面にもまた、接着材50が塗布される。使用前の状態では、接着材50には粘着性を保持するための保護シート79が接着されている。保護シート79は、使用時に着用者によって剥離される。
【0020】
表面シート10には、複数の圧搾溝(圧搾部)21、22、23が設けられている。圧搾溝21、22、23は、図2に示すように、表面シート10から吸収体30までを厚さ方向に圧搾して構成されている。圧搾溝21、22、23は、図1に示す吸収性物品1の平面視において、吸収体30の長手方向L及び幅方向W内側において曲線状に設けられた圧搾溝21と、前方領域S2と当接領域S1との間に配置された圧搾溝22と、後方領域S3と当接領域S1との間に配置された圧搾溝23と、を有する。
【0021】
第1吸収性物品1Aの後方領域S3には、表示要素としての花柄部60を複数有する性能表示部51が設けられている。一方、第2吸収性物品1Bの後方領域S3には、表示要素としての星柄部(図示せず)を有する性能表示部(図示せず)が設けられている。花柄部60及び星柄部は、圧搾溝と同様に、表面シート10から吸収体30までを厚さ方向に圧搾して構成されている。なお、本実施形態では、圧搾溝21,22,23と、表示要素としての花柄部60及び星柄部とは、エンボス加工によって圧搾加工される。表示要素は、エンボス加工によって形成されているが、この構成に限られず、例えば印刷によって形成されていてもよいし、ホットメルト加工によって形成されていてもよい。
【0022】
このように、吸収性物品の吸収性能に対応付けられた表示要素を有する性能表示部を吸収性物品1に設けることにより、着用者は、性能表示部51を視認することによって吸収性能を把握することができる。また、表示要素は、絵柄及び/又は記号によって構成され、かつその内容及び数によって吸収性能を表示する。したがって、着用者は、文字等で吸収性能を表示する場合と比べて直感的に吸収性能を把握することができる。
【0023】
具体的には、昼用の生理用ナプキンである第1吸収性物品1Aに花柄部60を有する性能表示部を設け、夜用の生理用ナプキンである第2吸収性物品1Bに星柄部を有する性能表示部を設けることにより、表示要素の内容(花及び星)から想起されるイメージを用いて、各吸収性物品1の吸収性能を着用者に伝えることができる。
【0024】
更に例えば、昼や明るいイメージを想起する絵柄としては、花柄のみならず、太陽柄、ハート柄を用いることができる。このような絵柄の表示要素を用いることにより、昼用の生理用ナプキンであることや、軽い日用(少ない日用)の生理用ナプキンであることを着用者に伝えることができる。一方、夜のイメージを想起する絵柄しては、星柄のみならず、月柄を用いることができる。このような表示要素を用いることにより、夜用の生理用ナプキンであることや、重い日用(多い日用)の生理用ナプキンであることを着用者に伝えることができる。
【0025】
また、表示要素の絵柄によって吸収性物品の吸収性能を示す構成によれば、文字等によって吸収性物品の特徴を着用者に伝達する構成と比較して、絵柄等による装飾効果を発揮でき、吸収性物品をかわいらしく装飾することができる。更に、着用者は、吸収性物品の選択時における指標が絵柄であるため、選択時に生理の憂鬱な気分を意識せずに、見た目で楽しんで選択することができる。
【0026】
このように構成された吸収性物品1は、包装シート70によって個別に包装されている。包装シート70は、吸収性物品1の裏面シート20側において吸収性物品1と対向する対向面71と、吸収性物品1を収容した状態で外側に位置する非対向面72と、を有する。
【0027】
図5に示すように、吸収性物品1は、幅方向に沿った所定の折り位置L1、L2において、表面シート10を内側にして折り畳まれる。吸収性物品が折り畳まれた状態で、包装シートの長手方向における一方の端部が包装シートに貼着される。包装シート70の端部は、粘着テープ75(図1及び図2参照)によって包装シート70の一部と貼着される。
【0028】
包装シート70の非対向面72には、性能表示部55,56(図1及び図2参照)が付されている。第1吸収性物品1Aの性能表示部55は、表面シート10の性能表示部51と同じ柄の花柄部60を有する。このように、包装シート70の非対向面72に花柄部60を有する性能表示部55を設けることにより、吸収性物品1を包装シートに包んだ状態で、吸収性物品1の吸収性能を着用者に伝えることができる。
【0029】
例えば、包装袋部100から取り出した状態で吸収性物品1を保管したり、包装袋部100から取り出した状態で吸収性物品1を持ち運んだりする場合であっても、着用者は、吸収性物品1が包装シート70に包まれた状態で、包装シート70の表示要素を見て、昼用の吸収性物品であるか等の吸収性物品1の吸収性能を把握して選択することができる。また、文字等で表す場合と比較して、一見して生理用ナプキンであるとわかなないため、中身を認識されたくない場合において好適である。
【0030】
更に、本実施形態では、吸収性物品1の表面シート10にも性能表示部51を設けているため、着用者は、使用時に表示要素を視認することにより吸収性能を把握して使用時の安心感を得ることができる。なお、本実施形態では、吸収性物品1の表面シート10と包装シート70の両方に性能表示部を設けているが、この構成に限定されない。具体的には、本発明に係る吸収性物品1は、少なくとも外側から性能表示部を視認できるように構成されていればよく、包装シート70のみに設けられていてもよい。また、外側から性能表示部を視認可能な構成としては、包装シート70に性能表示部を設ける構成に限られず、例えば吸収性物品1の裏面シート20に性能表示部を設けて、包装シート70を介して外部から視認できるように構成してもよい。なお、この構成においては、包装シートを、透明又は半透明な材質等、可視光を透過可能な材質によって構成する。
【O032】
【0031】
また、本実施形態では、包装シート70の非対向面72に性能表示部55を設けているが、粘着テープ75に性能表示部を設けてもよい。粘着テープ75に性能表示部を設けることによっても、着用者は、吸収性物品1の外側から吸収性能を把握することができる。
【0032】
なお、性能表示部と包装性能表示部は、対応付けられていればよく、同一の形状であってもよいし、一部異なる形状であってもよい。具体的には、着用者が、同じ絵柄であると認識できればよく、例えば大きさが異なっていてもよい。
【0033】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体について、図5を参照して詳細に説明する。なお、第2の実施形態の説明においては、第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については同符号を用いて説明を省略する。
【0034】
図6は、第2の実施形態に係る吸収性物品の包装体の模式斜視図である。(a)は第3吸収性物品1Cの包装体、(b)は第4吸収性物品1Dの包装体、(c)は第5吸収性物品1Eの包装体の模式斜視図を示している。第3吸収性物品1Cは、第3包装袋部100Cに収容されており、第4吸収性物品1Dは、第4包装袋部100Dに収容されており、第5吸収性物品1Eは、第5包装袋部100Eに収容されている。各包装体の包装袋部100には、包装性能表示部が設けられてなく、吸収性物品1の性能表示部を視認するための窓部106が設けられている。このように構成された包装体によっても、着用者は、包装袋部100の窓部を介して吸収性物品の性能表示部を視認して、内部に収容されている吸収性物品1の吸収性能を把握することができる。したがって、着用者は、吸収性物品の性能を把握して、吸収性物品を選択することができる。
【0035】
なお、窓部106は、包装袋部100の外部からこの窓部を介して内部を見えるように構成されていればよく、透明又は半透明な材質等、可視光を透過可能な材質によって構成される。更に、本実施形態では、包装袋部100に、窓部又は包装性能表示部のいずれか一方を設けているが、窓部と包装性能表示部の両方を設けてもよい。
【0036】
各吸収性物品には、表示要素である星柄部61を有する性能表示部がそれぞれ設けられている。図7は、第5吸収性物品1Eを示した図である。(a)は、第5吸収性物品1Eを折り畳んで包装シート70に収納した状態の平面図であり、(b)は、第5吸収性物品1Eを折り畳む前の状態の包装シート70の平面図である。各包装シートには、長手方向Lに沿う包装シート70の外周縁に沿って複数の表示要素としての星柄部61が配列されている。第3吸収性物品1Cの第3性能表示部52は、包装シートの外周縁に沿って星柄部61が1列に配列されている。第4吸収性物品1Dの第4性能表示部53は、包装シート70の外周縁に沿って星柄部61が2列に配列されている。第5吸収性物品1Eの第5性能表示部54は、包装シート70の外周縁に沿って星柄部61が3列に配列されている。
【0037】
このように表示要素である星柄部61を配列することにより、表示要素の列数によって吸収性能を示すことができる。また、包装シート70の長手方向に沿って列状に表示要素を配列することにより、吸収性物品1を折り畳んだ際に、吸収性物品の正面のみならず厚さ方向においても表示要素を配置することができ、様々な角度に対して表示要素を示すことができる。また、製造工程において、吸収性物品1を長手方向に沿って搬送する場合には、表示要素をこのような配置にすると、吸収性物品1の製造上、有効性が高い。
【0038】
また、例えば、表示要素の数を吸収性物品の長手方向における長さに対応付けて、長さが長い吸収性物品ほど表示要素の数を多くすることにより、着用者は、表示要素の数によって吸収性物品の長さを直感的に把握して、安心感を得ることができる。特に、表示要素の数を、吸収性物品の後方領域の長手方向における長さに対応付けて、長さが長い吸収性物品ほど表示要素の数を多くすることにより、着用者は、表示要素によって安心感を得ることができる。
【0039】
具体的には、着用者は、睡眠時等、夜長時間使用する生理用ナプキンは、睡眠中の液漏れや長時間にわたる吸収力等を考慮するため、後方領域の長さが十分な長いことを把握すると安心感を得ることができる。表示要素の数によって、吸収性能(夜用の生理用ナプキンであることや後方領域における吸収量が多いこと)を伝えることができる。
【0040】
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態に係る吸収性物品の包装体について、図8を参照して詳細に説明する。図8は、吸収性物品を折り畳んで包装シート70に収納した状態の平面図である。(a)〜(c)は、第6吸収性物品から第8吸収性物品を示しており、それぞれ吸収性物品の裏面側に表示要素が付されている。例えば、第6吸収性物品1Fは、吸収性物品の裏面側の保護シート79に表示要素としてのハート柄部62が設けられている。包装シート70は、可視光が透過可能な材質によって形成されており、包装シート70を介して裏面シート20に付された表示要素を視認できる。(a)に示す第6吸収性物品1Fの表示要素は、ハート柄部62であり、(b)に示す第7吸収性物品1Gの表示要素は、月柄部63であり、(c)に示す第8吸収性物品1Hの表示要素は、太陽柄部64である。なお、図9に示す例では、吸収性物品の保護シート79に表示図柄を配置しているが、例えば、裏面シート20に設けてもよい。
【0041】
図8(d)〜(f)は、第9吸収性物品から第11吸収性物品を示しており、それぞれ吸収性物品の包装シート70の粘着テープ75に表示要素が付されている。(a)に示す第9吸収性物品1Jの表示要素は、ハート柄部62であり、(b)に示す第10吸収性物品1Kの表示要素は、月柄部63であり、(c)に示す第11吸収性物品1Mの表示要素は、太陽柄部64である。
【0042】
また、本実施形態では、異なる吸収性能を有する吸収性物品に、異なる性能表示部を設けているが、例えば、同じ吸収性能を有する吸収性物品に異なる性能表示部を設けてもよい。例えば、同じ特徴を有する吸収性物品を1種類の性能表示部のみならず、複数種類の性能表示部を有するように構成することにより、同じ昼用の吸収性物品のバリエーションが増え、着用者は、選択時及び使用時において楽しむことができる。
【0043】
なお、表示要素は、記号であってもよい。例えば、数字であってもよいし、矢印や音符記号によって構成してもよい。
【0044】
また、本発明の実施形態では、包装シートに1個の吸収性物品を収容しているが、包装シートに2個以上の吸収性物品を収容するように構成してもよい。
【0045】
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン以外に、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等であってもよい。
【0046】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0047】
1…吸収性物品、 10…表面シート、 20…裏面シート、 30・・・吸収体、 21,22,23…圧搾部、 30…吸収体、 41,42…サイドシード、 43,44…ウイング部、 51,52,53,54,55,56…性能表示部、 60…花柄部(表示要素)、 61…星柄部(表示要素)、62…ハート柄部(表示要素)、 63…月柄部(表示要素)、 64…太陽柄部(表示要素)、 70…包装シート、 71…対向面、 72…非対向面、 75…封止シール、 100…包装体、 101…開口部、 105…外面、 106…窓部、 110,111…包装性能表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及び前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体を有する吸収性物品と、
該吸収性物品を複数収容する包装袋部と、を備える吸収性物品の包装体であって、
前記吸収性物品には、該吸収性物品の吸収性能に対応付けられた表示要素を有する性能表示部が形成されており、
前記表示要素は、絵柄及び/又は記号であって、該表示要素の内容及び数によって該吸収性物品の吸収性能を示すように構成されており、
前記包装袋部の外面には、前記性能表示部に対応付けられた包装性能表示部又は前記包装袋部の外側から前記性能表示部を視認するための窓部が形成されている、吸収性物品の包装体。
【請求項2】
前記吸収性物品は、包装シートによって個別に収容されており、
前記性能表示部は、前記表面シート又は前記裏面シートのうち少なくともいずれか一方に設けられ、かつ前記包装シートを介して該包装シートの外側から透視可能である、請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項3】
前記吸収性物品は、包装シートによって個別に収容されており、
前記性能表示部は、前記包装シートに設けられている、請求項1に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項4】
前記包装シートは、前記吸収性物品を収容した状態における平面形状が略矩形であり、
前記表示要素は、前記吸収性物品の長手方向に沿う前記包装シートの外周縁に沿って少なくとも一列に配置されており、該表示要素の配列数によって、前記吸収性物品の吸収性能を示す、請求項3に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項5】
前記吸収性物品は、第1吸収性能を有する第1吸収性物品と、該第1吸収性能と異なる第2吸収性能を有する第2吸収性物品と、を備え、
前記第1吸収性物品は、前記第1吸収性能を示す第1性能表示部を有しており、
前記第2吸収性物品は、前記第2吸収性能を示す第2性能表示部を有する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の吸収性物品の包装体。
【請求項6】
前記第1吸収性物品は、該第2吸収性物品よりも長手方向の長さが長く構成されており、
前記表示要素の数は、前記長手方向の長さに応じており、前記第1吸収性物品よりも前記第2吸収性物品の方が多い、請求項5に記載の吸収性物品の包装体。
【請求項7】
前記表面シートは、着用者の体液排出部と当接するように構成され、
前記体液排出部と当接する領域に対する長手方向後方の長さは、前記第1吸収性物品よりも前記第2吸収性物品の方が長く構成されており、
前記表示要素の数は、前記体液排出部と当接する領域に対する長手方向後方の長さに応じている、請求項5又は請求項6に記載の吸収性物品の包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−116493(P2012−116493A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265817(P2010−265817)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】