説明

吸収性物品の携帯用包装構造

【課題】吸収性物品を清拭シートと共に持ち運ぶことができ、吸収性物品及び清拭シートの取り出しをスムーズに行なうことができると共に、吸収性物品又は清拭シートのみの取り出しが可能な吸収性物品の携帯用包装構造を提供すること。
【解決手段】吸収性物品の携帯用包装構造1は、吸収性物品取り出し口21を有する吸収性物品収容部2、及び清拭シート取り出し口31を有する清拭シート収容部3が隣接されて形成され、該清拭シート収容部3が一枚の板状蓋体4を有しており、前記板状蓋体4は、前記清拭シート収容部3の一部に、前記吸収性物品取り出し口21及び前記清拭シート取り出し口31を封止又は開放可能に接合されており、前記吸収性物品収容部2には複数個の吸収性物品20が収容され、前記清拭シート収容部3には複数枚の清拭シート30が収容されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、使い捨ておむつ等の吸収性物品を清拭シートと共に持ち運ぶことのできる吸収性物品の携帯用包装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品の着用前に、着用者の肌に付着した経血や尿等の排泄物を、ウエットティッシュや清浄綿などの清拭シートで拭き取ることが行われている。例えば特許文献1には、このような清拭シートと汚れたおむつ等を入れるための袋とを同梱したおむつ処理セットが開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の技術においては、別途包装された交換用のおむつとは別に、おむつ処理セットを携帯しておく必要があるため、例えば外出先でおむつ交換をする場合、バックの中から交換用のおむつが入った包装袋とおむつ処理セットを探し出し、個別に開封して中身を取り出す作業が必要であり、おむつの交換作業に手間取るという問題があった。
【0004】
このような問題を解消するために、包装袋の中に、吸収性物品と共に清拭シートを同梱する技術が開示されている。例えば特許文献2には、清拭シートを収納袋に収納し、該収納袋と吸収性物品とを、使用済みの吸収性物品を入れるためのゴミ袋を兼ねた包装袋(包装兼ゴミ袋)に同梱する技術が開示されている。
【0005】
特許文献2に記載の技術においては、吸収性物品と清拭シートとが包装兼ゴミ袋によって一体的に包装されており、該包装兼ゴミ袋は解包装後に使用済みの吸収性物品と共に廃棄されるため、解包装後は、包装されていた吸収性物品及び清拭シートを使い切ることが前提となる。
しかし、吸収性物品の使用時に必ずしも清拭シートを使用するとは限らず、吸収性物品のみを使用し、清拭シートを使用しない場合がある。そのような場合、特許文献2に記載の技術においては、未使用にもかかわらず清拭シートを廃棄しなければならず、清拭シートが無駄になっていた。
【0006】
【特許文献1】実開平2−1123号公報
【特許文献2】実開平3−13130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、吸収性物品を清拭シートと共に持ち運ぶことができ、吸収性物品及び清拭シートの取り出しをスムーズに行なうことができると共に、吸収性物品又は清拭シートのみの取り出しが可能な吸収性物品の携帯用包装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、吸収性物品取り出し口を有する吸収性物品収容部、及び清拭シート取り出し口を有する清拭シート収容部が隣接されて形成され、該清拭シート収容部が一枚の板状蓋体を有しており、前記板状蓋体は、前記清拭シート収容部の一部に、前記吸収性物品取り出し口及び前記清拭シート取り出し口を封止又は開放可能に接合されており、前記吸収性物品収容部には複数個の吸収性物品が収容され、前記清拭シート収容部には複数枚の清拭シートが収容されている、吸収性物品の携帯用包装構造を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸収性物品の携帯用包装構造によれば、吸収性物品を清拭シートと共に持ち運ぶことができ、吸収性物品を取り出すときに清拭シートも一緒に取り出すことができると共に、清拭シートを取り出す必要のないときは吸収性物品のみを取り出すことができるため、清拭シートを無駄にすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の吸収性物品の携帯用包装構造について、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1〜図3には、本発明の第1実施形態としての吸収性物品の携帯用包装構造(以下、携帯用包装構造ともいう)が示されている。
【0011】
第1実施形態の携帯用包装構造1は、吸収性物品取り出し口21を有する吸収性物品収容部2、及び清拭シート取り出し口31を有する清拭シート収容部3が隣接されて形成され、該清拭シート収容部3が一枚の板状蓋体4を有している。
【0012】
第1実施形態においては、吸収性物品収容部2と清拭シート収容部3とは何れも矩形体形状(直方体形状)に形成され、且つ一体化されて一つの矩形体形状の箱体10を形成しており、該吸収性物品収容部2と該清拭シート収容部3との間に間仕切り板5が配されている。
【0013】
箱体10は、底面が矩形形状(長方形形状)の矩形体形状を有しており、吸収性物品取り出し口21が形成されている箱体10の前側長側面を構成する前板11と、該前板11と対向し箱体10の背側長側面を構成する背板12と、箱体10の左右両側短面を構成する左右2枚の側板13,13と、箱体10の底面を構成する底板14と、箱体10の上面を構成する天板15と、一枚の間仕切り板5とからなる。天板15には、清拭シート取り出し口31が形成されている。箱体10の内部は、底板14及び天板15に対して平行に配された間仕切り板5によって、上下2部屋に分け隔てられており、間仕切り板5より下方に位置する部屋が吸収性物品収容部2、間仕切り板5より上方に位置する部屋が清拭シート収容部3となっている。
【0014】
図1及び図2に示すように、吸収性物品取り出し口21及び清拭シート取り出し口31は、箱体10の外表面における板状蓋体4で被覆可能な領域に形成され、且つ該清拭シート取り出し口21が、該吸収性物品取り出し口31よりも清拭シート収容部3と該板状蓋体4との接合部12a(第1折曲部12a)に接近するように形成されている。吸収性物品取り出し口21及び清拭シート取り出し口31の形成位置を、板状蓋体4との関係においてこのように調整することにより、清拭シート取り出し口31を板状蓋体4で封止しつつ、吸収性物品取り出し口21のみを開放することが可能となるため、例えば吸収性物品20のみを必要とし清拭シート30を取り出す必要のない場合は、板状蓋体4で清拭シート取り出し口31を封止しつつ、吸収性物品取り出し口21を開放することによって、吸収性物品20のみを取り出すことができ、清拭シート30を無駄にすることがない。
【0015】
吸収性物品取り出し口21は、平面視において幅狭の矩形形状を有しており、吸収性物品収容部2の前側長側面における間仕切り板5の近傍に、長手方向を水平方向(間仕切り板5の長手方向)と一致させて形成されている。吸収性物品取り出し口21の形状及び大きさ(開口面積)は、吸収性物品収容部2に収容される吸収性物品20の大きさや取り出し易さ等を考慮して、適宜設定することができる。
【0016】
清拭シート取り出し口31は、平面視において実質的に縦長で且つ長手方向両側縁がやや外方に向けて凸の縦長形状を有しており、箱体10の上面を構成する天板15の中央部に、その長手方向を該上面の長手方向と一致させて形成されている。清拭シート取り出し口31の形状及び大きさ(開口面積)は、清拭シート収容部3に収容される清拭シート30の大きさや取り出し易さ等を考慮して、適宜設定することができる。
【0017】
板状蓋体4は、清拭シート収容部3の一部に、吸収性物品取り出し口21及び清拭シート取り出し口31を封止又は開放可能に接合されている。ここでいう「接合」には、清拭シート収容部3にこれとは別体の板状蓋体4を接合する場合のみならず、清拭シート収容部3の構成部材の一部が板状蓋体4となっている場合も含まれる。第1実施形態においては、清拭シート収容部3の構成部材の一つである背板12の一部が板状蓋体4となっている。この第1実施形態の板状蓋体4は、背板12の天板15より上方に延出した延出部を、天板15及び前板11にそれぞれ沿わせるように、第1折曲部12aと第2折曲部12bとで折り曲げることにより形成されている。第1折曲部12aは、清拭シート収容部3と板状蓋体4との接合部12aに相当する。また、第1折曲部12a及び第2折曲部12bは、図1及び図2に示す、板状蓋体4による取り出し口21,31の封止状態において、天板15(箱体10の上面)の長手方向両側縁と対応する。斯かる構成により、清拭シート取り出し口31は、板状蓋体4における第1折曲部12aと第2折曲部12bとの間によって封止され、吸収性物品取り出し口21は、板状蓋体4における第2折曲部12bと自由端12c(清拭シート収容部3と板状蓋体4との接合部12aから最も離れた自由端)との間によって封止される。板状蓋体4は、例えば厚紙等の折り曲げ可能な材料から形成されており、第1折曲部12a及び第2折曲部12bの折り曲げ角度は、それぞれ任意に調整することができる。これらの折り曲げ角度を適宜調整することにより、吸収性物品取り出し口21、清拭シート取り出し口31をそれぞれ封止又は開放することができる。
【0018】
板状蓋体4の自由端12cには、該板状蓋体4を箱体10に接離自在に接着するテープ材6が貼り付けられている。テープ材6としては、公知の感圧接着型の粘着テープ等を用いることができる。
【0019】
吸収性物品収容部2には複数個の吸収性物品20,20・・・が適宜折り畳まれて収容され、清拭シート収容部3には複数枚の清拭シート30,30・・・が適宜折り畳まれて収容されている。
吸収性物品20としては、経血や尿等の排泄物を吸収し得る種々の吸収性物品、例えば生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、使い捨ておむつ等を用いることができ、特に制限されない。
清拭シート30としては、肌に付着した排泄物を拭き取ることができるものであればよく、コットンや木材パルプ等の繊維をシート化してなるシートが用いられ、例えばティッシュペーパー、水や各種薬液等の液体を含んだウエットシート等を用いることができる。特に、第1実施形態の携帯用包装構造1は、清拭シート30がウエットシートである場合に有効である。
【0020】
吸収性物品取り出し口21の周囲には、板状蓋体4を該周囲に接離自在に接着させる接着材7が配されている。板状蓋体4は、接着材7を介して吸収性物品取り出し口21の周囲に接離自在に接着される。斯かる構成により、吸収性物品取り出し口21の封止時における密封性が向上し、ゴミなどの異物の混入が効果的に防止され、吸収性物品20の衛生面の向上を図ることが可能となる。同様の観点から、第1実施形態においては、清拭シート取り出し口31の周囲にも接着材7が配されている。接着材7としては、例えば、メカニカルファスナーのオス材若しくはメス材、ホットメルト接着剤等が挙げられる。接着材7としてメカニカルファスナーのオス材又はメス材を用いた場合には、板状蓋体4の上記周囲に対応する箇所に、該接着材7と対をなすメカニカルファスナーのメス材又はオス材が配される。
【0021】
箱体10(吸収性物品収容部2、清拭シート収容部3、間仕切り板5)及び板状蓋体4の形成材料としては、厚紙、プラスチック、木材、金属、あるいはこれらを適宜組み合わせた複合材等を用いることができる。特に携帯時の耐久性の観点から、プラスチック(例えばシート状プラスチック)、あるいはプラスチックと他の材料との複合材(例えばシート状複合材)が好ましい。また、清拭シート収容部3に収容される清拭シート31が前記ウエットシートである場合、少なくとも清拭シート収容部3及び板状蓋体4は、酸素や水蒸気等に対するバリヤー機能を有するガスバリヤー材を用いて形成されることが好ましい。ガスバリヤー材としては、例えば、アルミのような金属箔をラミネートした材等が挙げられる。
【0022】
上述の如き構成の第1実施形態の携帯用包装構造1によれば、生理用ナプキン等の吸収性物品20を複数収容し且つその取り出し口21を備えた吸収性物品収容部2と、ウエットシート等の清拭シート30を複数枚収容し且つその取り出し口31を備えた清拭シート収容部3とを有しているため、吸収性物品20を清拭シート30と共に持ち運ぶことができ、吸収性物品20を取り出すときに清拭シート30も一緒に取り出すことができ、必要なときに必要なものを必要な量取り出すことができるため、非常に便利である。
また、第1実施形態の携帯用包装構造1は、清拭シート取り出し口21が、吸収性物品取り出し口31よりも接合部12a(第1折曲部12a)に接近するように形成されており、板状蓋体4による封止状態の解除が吸収性物品取り出し口21、清拭シート取り出し口31の順で行われる(清拭シート取り出し口31の開放前に吸収性物品取り出し口21が開放される)ようになされているため、清拭シート取り出し口31を封止しつつ、吸収性物品取り出し口21を開放することができ、特許文献2に記載の如き従来の携帯用包装構造のように清拭シート30を無駄にすることがない。
【0023】
図4は、本発明の第2実施形態を示す図である。第2実施形態については、上述した第1実施形態の携帯用包装構造1と異なる構成部分を主として説明し、第1実施形態と同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態において特に説明しない構成部分は、第1実施形態の携帯用包装構造1についての説明が適宜適用される。
【0024】
第2実施形態の携帯用包装構造1においては、吸収性物品収容部2と清拭シート収容部3とは何れも矩形体形状に形成され、且つ該吸収性物品収容部2における吸収性物品取り出し口21が形成されていない取り出し口非形成面2aと、該清拭シート収容部3における清拭シート取り出し口31の形成面3aとが対向するように配されており、該取り出し口非形成面2aを構成する一辺2asと該形成面3aを構成する一辺3asとの間が接合されて接合部8を形成している。
【0025】
そして、第2実施形態においては、吸収性物品収容部2の取り出し口非形成面2a及び/又は清拭シート収容部3の形成面3aが接合部8を回動軸として相対的に回動することで両者(取り出し口非形成面2aと形成面3a)が接離自在になされており、且つ該取り出し口非形成面2aと該形成面3aとが接触したときに、該取り出し口非形成面2aで清拭シート取り出し口31を被覆可能になされている。図4は、取り出し口非形成面2aと形成面3aとが離れた状態を示している。
【0026】
第2実施形態について更に説明すると、吸収性物品収容部2は矩形体形状の箱体25からなり、清拭シート収容部3は矩形体形状の箱体35からなる。箱体25と箱体35とは、底面及び上面の形状及び大きさが同一であり、箱体25の上面2aに箱体35の底面3aを重ね合わせることにより、第2実施形態の基本構成が作られている。箱体25の上面2aは、前記取り出し口非形成面2aであり、箱体35の底面3aは、清拭シート取り出し口31の前記形成面3aである。
【0027】
吸収性物品取り出し口21は、吸収性物品収容部2における、接合部8を形成する一辺2asによって構成されていない接合部非形成面25aに形成されており、板状蓋体4は、取り出し口非形成面2aと形成面3aとが接触したときに、吸収性物品取り出し口21を被覆した状態で接合部非形成面25aに接離自在に接着可能になされている。従って、第2実施形態においては、吸収性物品取り出し口21は板状蓋体4によって封止され、清拭シート取り出し口31は清拭シート収容部3(形成面3a)と板状蓋体4とによって二重に封止されることとなり、清拭シート取り出し口31を開放するためには、先ず、板状蓋体4による吸収性物品取り出し口21の封止状態を解除(開放)する必要がある。斯かる構成により、清拭シート取り出し口31を清拭シート収容部3(形成面3a)で封止しつつ、吸収性物品取り出し口21のみを開放することが可能となるため、吸収性物品20のみの取り出しが可能となり、清拭シート30を無駄にすることがない。尚、吸収性物品収容部2において前記接合部非形成面に該当する面は、1)形成面3aと対向する取り出し口非形成面2a、及び2)箱体25(吸収性物品収容部2)の背側長側面(図示せず)の2面を除く他の4面であり、図4に示す第2実施形態においては、これら4面のうちの一つである前側長側面に吸収性物品取り出し口21が形成され、接合部非形成面25aとされている。
【0028】
板状蓋体4は、箱体35の前側長側面35aの上縁に、該前側長側面35aの下縁から一部を延出させて接合されており、この板状蓋体4の延出部41は、取り出し口非形成面2aと非形成面3aとを接触させたときに、吸収性物品取り出し口21を被覆し、封止する。板状蓋体4と前側長側面35aの上縁との間は公知の粘着テープにより接合されており、板状蓋体4はこの接合部を回動軸として清拭シート収容部3に対して相対的に回動可能になされている。
【0029】
延出部41(板状蓋体4)の端部には、テープ材6が貼り付けられている。延出部41は、このテープ材6によって、取り出し口非形成面2aと形成面3aとが接触したときに、吸収性物品取り出し口21を被覆した状態で接合部非形成面25aにおける該吸収性物品取り出し口21の下方に接離自在に接着される。尚、板状蓋体4と接合部非形成面25aとの間の接着手段は、両者の間を接離自在に接着し得るものであればよく、テープ材6に限定されない。
【0030】
箱体25(吸収性物品収容部2)及び箱体35(清拭シート収容部3)としては、上述した第1実施形態における箱体10の形成材料と同様のものを用いることができる。特に、箱体25の上面2a(取り出し口非形成面2a)の形成材料としては、清拭シート取り出し口31の封止時における密封性の向上の観点から、上述したガスバリヤー材を用いることが好ましい。
また、接合部8は、例えば、取り出し口非形成面2aを構成する一辺2asと形成面3aを構成する一辺3asとを重ねた状態で、該一辺2asと該一辺3asとの間を公知の粘着テープで接合することにより形成することができる。
上述の如き構成の第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0031】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されない。
例えば、上述した第1実施形態においては、清拭シート収容部3の構成部材の一つである背板12の一部が板状蓋体4となっていたが、このような構成に代えて、清拭シート収容部3の構成部材とは別体の板状蓋体4を形成し、この別体の板状蓋体4を該清拭シート収容部3の一部に公知の粘着テープ等を用いて接合した構成としても良い。
【0032】
また、第2実施形態において、吸収性物品取り出し口21の周囲及び/又は清拭シート取り出し口31の周囲に、第1実施形態で使用可能な接着材7を配しても良い。斯かる構成により、板状蓋体4は、接着材7を介して吸収性物品取り出し口21の周囲に接離自在に接着され、吸収性物品収容部2(箱体25)は、接着材7を介して清拭シート取り出し口31の周囲に接離自在に接着される。
また、上述した第2実施形態においては、清拭シート収容部3の構成部材とは別体の板状蓋体4を、該清拭シート収容部3の一部に粘着テープ等を用いて接合していたが、このような構成に代えて、板状蓋体4が清拭シート収容部3の構成部材の一つからなる構成としても良い。
【0033】
また、第1及び第2実施形態においては、吸収性物品取り出し口21及び清拭シート取り出し口31の何れも、最初から所定の形状に開口されていたが、このような構成に代えて、実質的に取り出し口21,31が形成されていない状態から、ミシン目のような既知の開口手段により開口することで、取り出し口21,31を形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態である携帯用包装構造の斜視図である。
【図2】図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す携帯用包装構造の各取り出し口を開放した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態である携帯用包装構造の各取り出し口を開放した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 携帯用包装構造1
2 吸収性物品収容部
20 吸収性物品
21 吸収性物品取り出し口
25 箱体
2a 取り出し口非形成面
25a 接合部非形成面
3 清拭シート収容部
30 清拭シート
31 清拭シート取り出し口
35 箱体
3a (取り出し口の)形成面
4 板状蓋体
5 間仕切り板5
6 テープ材
7 接着材
8 接合部
10 箱体
11 前板
12 背板
12a 第1折曲部(接合部)
12b 第2折曲部
13 側板
14 底板
15 天板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品取り出し口を有する吸収性物品収容部、及び清拭シート取り出し口を有する清拭シート収容部が隣接されて形成され、該清拭シート収容部が一枚の板状蓋体を有しており、
前記板状蓋体は、前記清拭シート収容部の一部に、前記吸収性物品取り出し口及び前記清拭シート取り出し口を封止又は開放可能に接合されており、
前記吸収性物品収容部には複数個の吸収性物品が収容され、前記清拭シート収容部には複数枚の清拭シートが収容されている、吸収性物品の携帯用包装構造。
【請求項2】
前記吸収性物品収容部と前記清拭シート収容部とは何れも矩形体形状に形成され、且つ一体化されて一つの矩形体形状の箱体を形成しており、該吸収性物品収容部と該清拭シート収容部との間に間仕切り板が配されている請求項1記載の吸収性物品の携帯用包装構造。
【請求項3】
前記吸収性物品取り出し口及び前記清拭シート取り出し口は、前記箱体の外表面における前記板状蓋体で被覆可能な領域に形成され、且つ該清拭シート取り出し口が、該吸収性物品取り出し口よりも前記清拭シート収容部と該板状蓋体との接合部に接近するように形成されている請求項2記載の吸収性物品の携帯用包装構造。
【請求項4】
前記吸収性物品収容部と前記清拭シート収容部とは何れも矩形体形状に形成され、且つ該吸収性物品収容部における前記吸収性物品取り出し口が形成されていない取り出し口非形成面と、該清拭シート収容部における前記清拭シート取り出し口の形成面とが対向するように配されており、該取り出し口非形成面を構成する一辺と該形成面を構成する一辺との間が接合されて接合部を形成しており、
前記取り出し口非形成面及び/又は前記形成面が前記接合部を回動軸として相対的に回動することで両者が接離自在になされており、且つ該取り出し口非形成面と該形成面とが接触したときに、該取り出し口非形成面で前記清拭シート取り出し口を被覆可能になされている請求項1記載の吸収性物品の携帯用包装構造。
【請求項5】
前記吸収性物品取り出し口は、前記吸収性物品収容部における、前記接合部を形成する前記一辺によって構成されていない接合部非形成面に形成されており、前記板状蓋体は、前記取り出し口非形成面と前記形成面とが接触したときに、該吸収性物品取り出し口を被覆した状態で該接合部非形成面に接離自在に接着可能になされている請求項4記載の吸収性物品の携帯用包装構造。
【請求項6】
前記吸収性物品取り出し口の周囲に、前記板状蓋体を該周囲に接離自在に接着させる接着材が配されている請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品の携帯用包装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−239167(P2008−239167A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78475(P2007−78475)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】