説明

吸収性物品を用いた乳児の尿の回収及び検査

【課題】
【解決手段】赤ちゃんの尿を検査するためにおむつ内で使用するための回収挿入体が開示されている。回収挿入体は、尿を回収して一時的に保持するように構成され、後から尿中の被分析物の有無を検査されることができる。回収挿入体は、おむつの吸収体から流体的に分離されており、身体側ライナーと外カバーの間に配置されるかあるいは身体側ライナーによって画定されるポケット内に配置されることができる。回収挿入体は、挿入体カバーと、スポンジ、セルロース系材料、ポリマー不織材料などの挿入体コアとを含む場合がある。さらに、回収挿入体は、超吸収性材料を実質的に含んでいない場合がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品を用いた乳児の尿の回収及び検査に関する。
【背景技術】
【0002】
新生児、特に未熟児の世話をする際に、尿試料の回収及び検査は頻繁にする必要がある。しかし、新生児及び未熟児の肌はダメージを受けやすいので、保育者(世話をする者)は尿試料回収時に注意を払わなければならない。一般の慣例として、保育者は、典型的には、子供または少なくとも子供の下半身の一部を尿回収袋に入れることによって尿試料を回収する。そのとき、子供が排尿するとすぐに尿は袋内に保持される。保育者は、尿試料の入った袋を回収し、赤ちゃんの肌を洗うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,798,603号明細書
【特許文献2】米国特許第5,486,166号明細書
【特許文献3】米国特許第5,490,846号明細書
【特許文献4】米国特許第5,192,606号明細書
【特許文献5】米国特許第5,702,377号明細書
【特許文献6】米国特許第5,931,823号明細書
【特許文献7】米国特許第6,060,638号明細書
【特許文献8】米国特許第6,150,002号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0102750号公報
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0054255号公報
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0059941号公報
【特許文献12】PCT特許出願WO95/16425号公報
【特許文献13】米国特許第5,399,219号明細書
【特許文献14】米国特許第5,540,796号明細書
【特許文献15】米国特許第5,595,618号明細書
【特許文献16】米国特許第4,704,116号明細書
【特許文献17】米国特許第5,075,077号明細書
【特許文献18】米国特許第5,670,381号明細書
【特許文献19】米国特許第5,252,459号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2003/0124739号公報
【特許文献21】米国特許第5,464,739号明細書
【特許文献22】米国特許第5,633,044号明細書
【特許文献23】米国特許第5,750,359号明細書
【特許文献24】米国特許第4,657,855号明細書
【特許文献25】特開平3−210193公報
【特許文献26】米国特許第4,637,979号明細書
【特許文献27】米国特許第4,806,423号明細書
【特許文献28】米国特許第4,814,271号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、赤ちゃんが尿がたまったまま座っていたり、赤ちゃんの肌を洗いすぎたりすると、皮膚炎、皮膚発疹及び他の皮膚関連の問題につながりかねない。それゆえ、回収袋に起因する皮膚関連の問題を最小限にすることができる新生児及び未熟児のための改良された回収及び検査方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、赤ちゃんから尿を回収して一時的に保持するためのおむつが提供される。おむつには、身体側ライナーと外カバーの間に配置された吸収体(吸収性コア)が含まれる。おむつの股領域には回収挿入体(コレクション・インサート)が配置され、尿を回収して一時的に保持するように構成されている。例えば、回収挿入体は、身体側ライナーと外カバーの間に配置されることができるか、あるいは身体側ライナーによって画定されるポケット内に配置されることができる。回収挿入体は、吸収体から流体的に分離されている。身体側ライナーは、身体側ライナーを通って回収挿入体内へ尿試験紙を挿入できるように構成されたスロットを画定することができる。
【0006】
一実施形態では、回収挿入体には、挿入体カバー及び挿入体コアが含まれる。挿入体コアは、スポンジ(海綿)、セルロース系材料、ポリマー不織材料、及び同類のものである場合がある。さらに、回収挿入体は、超吸収性材料を実質的に含んでいない場合がある。
【0007】
別の実施形態では、尿中の被分析物の有無を検査する方法が提供される。当該方法に従って、身体側ライナーと外カバーの間に配置された吸収体を有するおむつが提供される。おむつには、吸収体から流体的に分離されており、尿を回収して一時的に保持するように構成されているような、回収挿入体が含まれる。回収挿入体によって回収された尿は、被分析物の有無を検査される。
【0008】
別の方法では、新生児または未熟児の尿中の被分析物の有無を検査することができる。この方法は、先ず、身体側ライナーと外カバーの間に配置された吸収体を有するおむつを提供するステップを含む。おむつは、吸収体から流体的に分離されおり、尿を回収して一時的に保持するように構成されているような、回収挿入体を有する。おむつは、回収挿入体が、赤ちゃんから排出された尿を回収する位置にくるように、赤ちゃんに当てられる。そのようにして、回収挿入体によって回収された尿について被分析物の有無を検査することができる。
【0009】
本発明の他の機構及び態様を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】おむつ内に示されている回収挿入体の例示実施形態の斜視図。
【図2】回収挿入体なしに用いられるおむつの例示実施形態の斜視図。
【図3】おむつ内に示されている回収挿入体の例示実施形態の斜視図。
【図4】おむつの回収挿入体における検査流体の例示実施形態の斜視図。
【図5】体液を検査するために用いることができる例示的なラテラルフローデバイスの斜視図。
【図6】新生児または未熟児が着ける本発明の例示的なおむつの斜視図。 本明細書及び図面で繰り返し用いられる符号は、本発明の同一または類似の機構または構成要素を表すよう意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、本発明の様々な実施形態に詳細に言及し、その例のうちの1若しくは複数の例について以下に説明する。各例は、本発明の説明のために与えられており、本発明を限定するものではない。実際に、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な変更及び変形がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される機構は、別の実施形態に用いられてさらなる実施形態を生み出すことができる。それゆえ、本発明は、そのような変更形態及び変形形態を対象とすることを意図している。
【0012】
一般的に、本発明は、赤ちゃん、特に新生児及び未熟児(すなわち体重約6.8キログラム(約15ポンド)以下の赤ちゃん)からの尿試料を回収及び検査に関する。一部の実施形態では、尿試料の回収と被分析物の有無の検査を同時に行うことができる。本発明の1つの利点として、新生児または未熟児からの尿は、尿回収袋を使うより便利で健康的なやり方で回収及び検査されることができる。例えば、本発明の物品及び方法は、赤ちゃんの肌が尿及び他の体液に過度に触れないようにする助けになることができる。それゆえ、赤ちゃんの洗いすぎを避けることができ、肌の健康維持を助ける。
【0013】
従って、標的ゾーン(例えば股領域)内に位置する回収挿入体を有する吸収性物品が提供される。回収挿入体は、吸収性物品と一体化されるかあるいは吸収性物品に取り外し可能に挿入または取り付けられることができる。その構造がどうであれ、回収挿入体は、尿の大部分を吸収性物品の吸収体に閉じ込める一方で、検査を可能にするために十分な量の尿を回収及び保持するように構成されている。
【0014】
I.回収挿入体
【0015】
上記のように、本発明の回収挿入体は、検査のために十分な量の尿を保持するように構成されている。しかし、回収挿入体は尚もおむつの吸収体は過剰な尿を吸収することができ、そのためおむつは着用者の肌から毛管作用により尿を十分に運び去りかつ周辺環境への漏れを抑制させることができる。一部の実施形態では、おむつの吸収体は、おむつ内に放出された尿の大部分(すなわち50重量%以上)を吸収する。そのようなものとして、回収挿入体は、おむつ内に排出される所望の量の尿のみを回収する。
【0016】
回収挿入体は、一般的に、尿が排出されると期待されるおむつの標的ゾーンに位置する。例えば、図1を参照すると、概ね股領域104の中間部に(例えば概ねおむつの長さ及び幅の中ほどに)回収挿入体102を含むおむつ100が示されている。回収挿入体102は、前後を吸収体材料106に囲繞されて示されている。図のように、回収挿入体102及び吸収体106は、おむつ100の構造体内に位置する。具体的には、回収挿入体102及び吸収体106は、身体側ライナー107と外カバー109の間に配置されている。図3に示すように、回収挿入体102は、吸収体106によって完全に囲繞されることができる。
【0017】
しかし、代替実施形態では、回収挿入体102は、身体側ライナー107の外表面に配置され得る。例えば、図2に示すように、回収挿入体102は、標的ゾーンに位置しかつ身体側ライナー107上に配置されたポケット112内に置かれることができる。それゆえ、回収挿入体102は、おむつ100に取り外し可能に取り付けられ、好きなときに取り外されることができる。ひとたびポケット112から取り外されたら、回収挿入体内に封じ込められた尿は検査のためにいかなる方法によって放出されることもできる。加えて、回収挿入体は身体側ライナー107に別の要領で取り付けられることができる。例えば、回収挿入体は、身体側ライナーに接着結合されることができる。同じように、回収挿入体は、フックアンドループ式取付機構によって身体側ライナーに取り付けられることができる。
【0018】
一般的には、回収挿入体には、尿を回収して後から検査のために一時的に保持するのに適切な任意の材料が含まれる。しかし、回収挿入体に、尿をより恒久的に保持するように構成された超吸収性材料などの材料が含まれるならば、回収された尿はすぐには検査のために利用可能でないことがある。加えて、回収挿入体は尿成分を変えないのが好ましい。超吸収性ポリマー及び吸収性ヒドロゲル材料などの材料は、ひとたび吸収された尿を放出させないようにし得る。それゆえ、1つの特定の実施形態では、回収挿入体は、超吸収性材料及び/または吸収性ヒドロゲル材料(例えば1重量%以下)を実質的に含まない。そのようなものとして、回収挿入体は、超吸収性が含まれておらずかつ/または吸収性ヒドロゲル材料が含まれていないものであることができ、求められるときに回収された尿を検査のために容易に放出させる。
【0019】
一実施形態では、回収挿入体は圧縮スポンジを含む。濡れると、圧縮スポンジは膨張してスポンジ内に尿を保持する。それゆえ、スポンジから回収された尿を放出するのが望ましいときは、スポンジは再圧縮される(例えば絞られる)ことができ、それによって、回収された尿はスポンジから放出される。スポンジは、天然のスポンジ、再生セルローススポンジ材料など、任意の適切な材料を含むことができる。回収挿入体として高密度化架橋セルロースマットを用いることもでき、それは一般的に架橋セルロース系繊維であり得る。
【0020】
当然のことながら、回収挿入体は、圧縮スポンジに限定されるものではない。つまり、回収挿入体の構造において、概ね快適で着用者の肌を刺激しせず、かつ液体を回収して一時的に保持することができるような任意の吸収性材料が利用され得る。例えば、回収挿入体は、粉砕された木材パルプ、クレープ加工されたセルロースウォディング、吸収性発泡体、高分子繊維、または任意の等価な材料または材料の組合せから構成されることができる。例えば、一実施形態では、回収挿入体は、1若しくは複数の層からなるメルトブロー組織を含む。各層は、1平方メートル当たり約30グラムないし約100グラム(gsm)の坪量を有しかつ特許文献1に従って作られることができ、特許文献1の全開示は、引用を以て本明細書の一部となす。
【0021】
回収挿入体は、木材パルプフラッフの混合物からのセルロース系フラッフを含むことができる。1つの好適なタイプのフラッフは、主として針葉樹繊維を含むさらし高吸収性木材パルプである米国アラバマ州チルダースバーグのUSアライアンス社(U.S. Alliance)から入手可能な商品名CR1654であると確認されている。吸収性材料は、様々な従来の方法及び技術を用いてウェブ構造に形成され得る。例えば、吸収性ウェブは、乾式形成技術、空気形成技術、湿式形成技術、発泡体形成技術、または同様のもの、並びにこれらの組合せを用いて形成され得る。そのような技術を実行するための方法及び装置は当分野で公知である。
【0022】
しかし、回収挿入体の全吸収能力は、検査のための所望の尿試料サイズに適合するものとする。さらに、回収挿入体のサイズは、予め決められた所望の量の流体容量を収容するように変えられ得る。例えば、尿試験紙検査デバイスとともに使用するための回収挿入体と比較して高容量検査用の回収挿入体に対して異なる吸収能力が利用され得る。ほとんどの実施形態では、回収挿入体の全吸収性は、食塩水約100グラム以下(0.9重量%)、例えば約1グラムないし約75グラムなどであり得る。典型的には、回収挿入体の全吸収性は、生理食塩水約50g以下、例えば約1グラムないし約25グラムなどであり得る。さらに、尿試験紙デバイスなどの小型試料サイズを必要とするデバイスで検査するとき、回収挿入体の吸収能力は約1グラムないし約10グラムであり得る。
【0023】
加えて、回収挿入体は、2〜3例を挙げると、矩形、円形、砂時計またはレーストラックなどの、多種多様のサイズ及び形状の吸収性物品に利用され得る。所望の形状に形成または切断された後、回収挿入体は、回収挿入体の完全性及び形状を維持するのに役立つ適切な外被によってくるまれるかまたは包み込まれ得る。そのようなものとして、回収挿入体は、挿入体カバー内に包み込まれた挿入体コアを含む場合がある。
【0024】
一実施形態では、挿入体カバーは、挿入体コアから回収された尿がおむつの吸収体へ毛管作用でしみ出すことを抑制する働きをすることができる。おむつの吸収体はより親水性なので(例えば典型的には超吸収性材料を含む)、尿は、バリヤまたは他の予防機構なしに挿入体コアから吸収体内に毛管作用でしみ出しやすい。それゆえ、おむつの挿入体から吸収体への尿の通過を阻止するために、挿入体カバーを液不透過性材料で構成することができる。回収挿入体は、一実施形態では、吸収体から流体的に分離される(例えば流体連通していない)ことができる。
【0025】
そのようなものとして、回収挿入体は、尿が回収挿入体から出て行かないように液不透過性シート内に完全に包み込まれることができる。しかし、この実施形態では、おむつが濡れたときに尿が回収挿入体に入るようにするために、挿入体カバーには上部(すなわち身体側ライナー表面)上に位置する開口部を設けることができる。
【0026】
あるいは、挿入体コアは、吸収体材料と接触する領域の周りだけが液不透過性シートでくるまれることができる。そのようなものとして、回収挿入体は、覆われていないかまたは液透過性材料で覆われた身体側ライナーと接触する上部を残してその両側端部及び下部の周りが液不透過性シートで包み込まれることができる。それゆえ、尿は容易に回収挿入体内へ流れることはできるが、実質的に回収挿入体から吸収体内に毛管作用でしみ出すことはない。
【0027】
回収挿入体を包み込むことができる液不透過性シートは、薄いプラスチックフィルムまたは他の可塑性のある液不透過性材料から形成され得る。一実施形態では、液不透過性シートはポリエチレンフィルムから形成される。しかし、他の材料が用いられることもある。例えば、おむつの外カバーに関連して後述する液不透過性シートが回収挿入体カバーとして用いられることがある。
【0028】
II.吸収性物品
【0029】
本発明に従って、回収挿入体は、新生児及び未熟児を含む乳児向けに作られた任意の吸収性物品に挿入されるかまたは取り付けられることができる。典型的には、吸収性物品は、実質的に液不透過性層(例えば外カバー)と、液透過性層(例えば、身体側ライナー、サージ層など)と、吸収体とを含む。
【0030】
ここで、本発明に従って形成され得る吸収性物品の様々な実施形態についてさらに詳しく説明する。説明のためだけに、図1におむつ100として吸収性物品を示す。図の実施形態では、おむつ100は締結されていない構成で砂時計のようにくびれた形状を有するものとして示されている。しかし、概ね矩形形状、T字形状またはI字形状などの他の形状ももちろん使用され得る。おむつ100には、一般に、外カバー109と身体側ライナー107の間に配置された吸収体を含む様々な構成材によって形成されるシャーシが含まれる。しかし、本発明の例示実施形態では他の層も用いられ得ることを理解されたい。例えば、吸収性物品の構造体には、特許文献2及び特許文献3に記載されているサージ層などのサージ層が存在してもよく、両特許文献は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。同じように、図1で参照した層のうちの1若しくは複数の層が、本発明の特定の例示実施形態では除外されることもある。
【0031】
身体側ライナー107は、一般的に、吸収体内に保持される液体から着用者の肌を分離するのを助けるために用いられる。例えば、ライナー107は、典型的には柔軟で柔らかな風合いの、着用者の肌を刺激しないような、身体に面した表面を呈する。典型的には、ライナー107はまた、その表面が着用者に対して比較的乾燥したままであるように、吸収体より親水性である。上記したように、ライナー107は、その厚さを液体が容易に浸透できるように液透過性であり得る。不織布ウェブを含む例示的なライナー構造体は、特許文献4ないし特許文献11に開示されており、これらの特許文献は全て、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0032】
外カバー109は、典型的には実質的に液体を透過させない材料から形成される。例えば、外カバー109は、薄いプラスチックフィルムまたは他の可塑性のある液不透過性材料から形成され得る。一実施形態では、外カバー109は、約0.01ミリメートルないし約0.05ミリメートルの厚さを有するポリエチレンフィルムから形成される。フィルムは、液体を透過させないが気体及び水蒸気を透過させ得る(すなわち「通気性があり得る」)。これは、蒸気が吸収体103から逃がすが、それにもかかわらず液体滲出液が外カバー109を通過しないようにする。もっと布のような感触が望ましいならば、外カバー109は、不織布ウェブに積層されたポリオレフィンフィルムから形成され得る。例えば、伸ばして薄くしたポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン繊維のスパンボンドウェブに熱的に積層され得る。
【0033】
一部の実施形態では、おむつ100は、おむつ100の両側端部からウエスト領域sの一方へ延在する1対のサイドパネル(または耳)(図示せず)を含むこともある。サイドパネルは、選択されたおむつ構成材と一体的に形成され得る。例えば、サイドパネルは、外カバー109と一体的に形成され得るか、あるいは上面を提供するべく用いられる材料から一体的に形成され得る。代替構成では、サイドパネルは、外カバー109と上面の間で外カバー109、上面
に結合されかつ組み合わせられた部材によって、あるいは様々な他の構成で、提供され得る。必要に応じて、サイドパネルは、本発明の弾性不織複合材料を用いて、弾性を持たせるかまたは別な方法でエラストマーの状態にされ得る。伸縮性のあるサイドパネル及び選択的に構成されたファスナータブを含む吸収性物品の例は、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15に記載されており、これらの特許文献は各々、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0034】
おむつ100は、バリヤを提供しかつ体液(滲出液)の横方向の流れを封じ込めるように構成された1対の閉じ込めフラップを含むこともある。閉じ込めフラップは、吸収体の側端部に隣接する身体側ライナー107の左右両側の側端部に沿って配置され得る。閉じ込めフラップは、吸収体の全長に沿って長手方向に延在し得るか、あるいは吸収体の長さに沿って部分的にのみ延在し得る。閉じ込めフラップは、吸収体より長さが短いとき、股領域104においておむつ100の両側端部に沿ってどこかに選択的に配置され得る。一実施形態では、閉じ込めフラップは、体液(滲出液)をより良好に封じ込めるように吸収体の全長に沿って延在する。そのような閉じ込めフラップは一般的に当業者によく知られている。例えば、閉じ込めフラップの適切な構造及び配置は特許文献16に記載されており、特許文献16は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0035】
フィット性を向上させるために、かつ体液(滲出液)の漏れを減らす役に立つように、おむつ100は、以下に詳述するように、適切な弾性部材で弾性を持たされ得る。例えば、図1に代表的に示すように、おむつ100は、漏れを少なくしかつ改善された快適さ及び外観を提供するために着用者の脚の周りにぴったりフィットすることができる伸縮性のあるレッグバンドを提供するように、おむつ100の側縁部を動作可能に引っ張るように構築されたレッグ弾性ゴムを含み得る。伸縮性のあるウエストバンドを提供するようにおむつ100の端縁部に弾性を持たせるために、ウエスト弾性ゴムも使用され得る。ウエスト弾性ゴムは、弾性があり、着用者のウエストの周りに快適にぴったりフィットするように構成されている。
【0036】
おむつ100はまた、1若しくは複数の締結具を含み得る。例えば、ウエスト領域の左右両側の側端部に2つの柔らかいファスナーを設け、着用者の周りに1つのウエスト開口部及び1対のレッグ開口部を作り出すようにすることができる。締結具の形状は、一般的に多様であり得るが、例えば、概ね矩形形状、正方形形状、円形形状、三角形形状、楕円形状、線形形状などを含み得る。締結具は、例えば、フックアンドループ材料、ボタン、ピン、スナップ、接着剤テープファスナー、粘着ファスナー、ファブリックアンドループ・ファスナーなどを含み得る。1つの特定の実施形態では、各締結具は、柔らかい裏地の内面に付けられた別体をなすフック材料片を含む。
【0037】
しかし、1つの特定の実施形態では、新生児及び/または未熟児用おむつは、検査のために尿を回収するように特別なやり方で構築されることができる。新生児及び未熟児は一般的には体重が6.8キログラム以下であり、一部の未熟児は体重がそれよりずっと少ない(例えば約0.9ないし2.7キログラム(約2ないし約6ポンド))。これらの新生児及び未熟児は、典型的には寝たきりで、仰向けにされても寝返りを打つことすらしない。このように動けないので、締結されたおむつの必要性は著しく低下される。それゆえ、一実施形態では、おむつは、使用時に締結機構なして股を通して殿部を包みかつ赤ちゃんの生殖器部にそっと当てられるように構成されることができる。要するに、おむつを締結機構なしで構築することができる。
【0038】
この構成では、回収挿入体は赤ちゃんの生殖器に隣接して配置されることができ、赤ちゃんが排出した尿は回収挿入体に回収される。例えば、図6を参照すると、締結機構が含まれていないおむつ100で股領域104の間を覆われた仰向けの赤ちゃん120が示されている。それゆえ、保育者は、おむつ100の前面部分を容易に持ち上げ、おむつを変える必要なしに検査または取外しのために回収挿入体102を剥き出しにすることができる。
【0039】
おむつ100の様々な領域及び/または構成材は、接着剤、超音波接合、熱ボンドなど任意の既知の取付機構を用いて組み合わせられ得る。適切な接着剤は、例えば、ホットメルト接着剤、粘着剤などを含み得る。使用されるとき、接着剤は、均一層、パターン層、噴霧されたパターン、または離れた線、渦、ドットのうちのどれかとして塗布され得る。例えば、図の実施形態では、外カバー109及び身体側ライナー107は、接着剤を用いて互いに対して及び吸収体に取り付けられる。あるいは、吸収体は、ボタン、フックアンドループ式ファスナー、接着剤テープファスナーなどの従来の締結具を用いて、外カバー109に結合され得る。同様に、レッグ弾性部材106、ウエスト弾性部材108、締結具などの他のおむつ構成材も任意の取付機構を用いておむつ100に組み立てられ得る。
【0040】
III.試料検査
【0041】
一般的に、任意の検査方法を用いて、挿入体内に回収された尿試料を検査することができる。例えば、保育者は、回収挿入体によって回収された尿を抽出して任意の望ましい検査に適した試料に保存することができる。しかし、一部の実施形態では、回収挿入体から尿を抽出せずに尿を検査することができる。
【0042】
一実施形態では、吸収性物品から回収挿入体を取り外さずに、尿試験紙デバイスによって回収挿入体内の尿試料を検査することができる。典型的には、試料の検査を開始するために尿試験紙デバイスの一端のみを尿試料に接触させる必要がある。例えば、図4を参照すると、尿試験紙40の試料検査端部41が、身体側ライナー107に位置するスロット42内に挿入される。スロット42は、おむつ100内の回収挿入体102との接触に導く。そのようなものとして、尿の検査を開始するために、尿試験紙40は回収挿入体102内に保持されている尿と接触することができる。スロット42は、尿試験紙40と回収挿入体102との接触を可能にするために、身体側ライナー102上のどこにでも配置されることができる。加えて、スロット42は、尿試験紙40がスロット内にぴったり合うように大きさを決定されることができる。それゆえ、尿試験紙が回収挿入体に入って圧迫すると、スロットからの尿の放出は止められる。
【0043】
本発明に従って任意の適切な尿試験紙デバイスを利用することができる。そのような尿試験紙検査装置は、尿試料中の被分析物の有無を検査する分野で一般に知られている。1つの特定の実施形態では、尿試験紙デバイスは、異種アッセイを行うラテラルフローアッセイデバイスである場合がある。異種アッセイは、検出前に或る種が別の種から分離されるアッセイである。分離は、物理的分離によって、例えば種の1つを別の反応槽に移動させること、濾過、遠心分離、クロマトグラフィー、固相捕捉、磁気分離などによって、行われ得る。この分離は、種の一方または両方の移動が行われないが、種は原位置で互いから分離される点で非物質的でもあり得る。例えば、一部の実施形態では、有機体に対して病原性を持つかあるいは有機体にとって異質である抗原の存在に反応して抗体が作られるような免疫系のメカニズムを利用する異種免疫アッセイが行われる。これらの抗体及び抗原すなわち免疫反応物は、互いに結合しあうことができ、それによって、流体検査試料中のその特定の抗原の存在及び濃度を判定するために用いられ得るような特異性の高い反応メカニズムを生じさせる。しかし、他の実施形態では、望ましい分離を達成するために異種アッセイが非特異化学反応を用いることがある。
【0044】
いずれにしても、ラテラルフローアッセイデバイスの使用は、検査中の体液及び試薬のより均一なフローを含む様々な恩恵をもたらす。これは、検査の精度を高めかつ外部制御機構の必要性を最小限にし得る。例えば、図5を参照して、ラテラルフローアッセイデバイス10の一実施形態をここでさらに詳細に説明する。図のように、デバイス10は、硬い支持体12によって任意選択で支持されるクロマトグラフ媒体14を含む。クロマトグラフ媒体14は、検査試料がそこを通過できるような様々な材料のうち任意のものから作られ得る。例えば、クロマトグラフ媒体14は、多糖(例えば紙などのセルロース材料及び酢酸セルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体);ポリエーテルスルホン;ポリエチレン;ナイロン;ポリフッ化ビニリデン(PVDF);ポリエステル;ポリプロピレン;シリカ;不活性アルミナ、珪藻土、MgSO、または多孔質ポリマーマトリクス内に均一に分散された他の無機微粉材料などの無機材料に、塩化ビニル、塩化ビニル−プロピレンコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーなどのポリマーを加えたもの;天然(例えばワタ)及び合成(例えばナイロンやレーヨン)の両方の生地;シリカゲル、アガロース、デキストラン、ゼラチンなどの多孔質ゲル;ポリアクリルアミドなどの高分子フィルム;その他などの、合成または天然の材料から形成された多孔質メンブレンであり得る。1つの特定の実施形態では、クロマトグラフ媒体14は、ニトロセルロース及び/またはポリエーテルスルホン材料から形成される。当然のことながら、「ニトロセルロース」なる語はセルロースの硝酸エステルを指し、それは、ニトロセルロース単独または硝酸及び他の酸の混合エステル、例えば1ないし7個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸などであり得る。
【0045】
当業者によって容易に認められるように、クロマトグラフ媒体14のサイズ及び形状は一般的に多様であり得る。例えば、多孔質メンブレンストリップは、約10ないし約100ミリメートル、一部の実施形態では約20ないし約80ミリメートル、一部の実施形態では約40ないし約60ミリメートルの長さを有し得る。メンブレンストリップの幅は、約0.5ないし約20ミリメートル、一部の実施形態では約1ないし約15ミリメートル、一部の実施形態では約2ないし約10ミリメートルであり得る。同じように、メンブレンストリップの厚さは、一般的に感染経路別検出を行うことができるほど十分に小さい。例えば、メンブレンストリップは、約500マイクロメートル以下の、一部の実施形態では、約250マイクロメートル以下の、一部の実施形態では、約150マイクロメートル以下の厚さを有し得る。
【0046】
上記したように、支持体12はクロマトグラフ媒体14を支える。例えば、支持体12が図5に示すようなクロマトグラフ媒体14に直接隣接して配置され得るか、あるいは1若しくは複数の介在層がクロマトグラフ媒体14と支持体12の間に配置され得る。いずれにせよ、支持体12は一般的にクロマトグラフ媒体14を支えることができる任意の材料から形成され得る。支持体12は、光が透過する材料、例えば透明または光拡散(例えば半透明)材料から形成され得る。また、媒体14を流れる流体が支持体12から漏れないように支持体12は液不透過性であるのが一般的には望ましい。支持体に適した材料の例には、限定されるものではないが、ガラス;ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(例えばマイラー(登録商標)フィルム)、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、エポキシド、メタクリレート、ポリメラミンなどのポリマー材料;その他が含まれる。クロマトグラフ媒体14に十分な構造的支持を提供するために、支持体12は一般的に一定の最小厚さを有するように選択される。同じように、支持体12の厚さは、典型的には、その光学特性に悪影響を与えるほどには大きくない。それゆえ、例えば、支持体12は、約100ないし約5,000マイクロメートル、一部の実施形態では約150ないし約2,000マイクロメートル、一部の実施形態では約250ないし約1,000マイクロメートルの厚さを有し得る。例えば、約125マイクロメートルの厚さを有する1つの適切なメンブレンストリップが、マサチューセッツ州ベッドフォードのミリポア社(Millipore Corp.)から「SHF180UB25」という商品名で入手可能である。
【0047】
クロマトグラフ媒体14は支持体12上へ流延(キャスティング)され得、得られた積層体は所望のサイズ及び形状にダイカットされ得る。あるいは、クロマトグラフ媒体14は単に、例えば接着剤によって、支持体12に積層され得る。一部の実施形態では、ニトロセルロースまたはナイロン多孔質メンブレンがマイラー(登録商標)フィルムに接着される。多孔質メンブレンをマイラー(登録商標)フィルムに結合するために粘着剤などの接着剤が用いられる。このタイプの積層構造は、マサチューセッツ州ベッドフォードのミリポア社から市販されていると思われる。適切な積層デバイス構造のさらに別の例は特許文献17に記載されており、特許文献17は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0048】
デバイス10は、媒体14に隣接して配置される吸収性材料18を含むこともある。吸収性材料18は、毛管現象及び媒体14を通る流体の流れを促進するための手助けができる。さらに、吸収性材料18は、クロマトグラフ媒体14全体を通って移動した流体を受容するので、未反応成分を検出領域から引き離して「偽陽性」の見込みを低下させるのに役立つ。本発明で用いられ得るいくつかの適切な吸収性材料には、限定されるものではないが、ニトロセルロース、セルロース系材料、多孔質ポリエチレンパッド、ガラス繊維ろ紙などが含まれる。吸収性材料は、デバイスに組み込まれる前に湿っていても乾燥していてもよい。プレウェッティングは、一部の流体に対して毛細管流動を促進し得るが、典型的には必要とされない。また、当分野で公知であるように、吸収性材料は、毛管作用で運ばれる過程を助けるように界面活性剤で処理され得る。
【0049】
被分析物の検出を開始するために、体液(例えば尿)は、クロマトグラフ媒体14の一部分に滴下され得、その後、その中を図5中に矢印「L」によって示される方向に移動する。あるいは、流体は、先ず、クロマトグラフ媒体14と流体連通している試料滴下ゾーン16と接触し得る。試料滴下ゾーン16は、図5に示すような別体のパッドまたは材料によって画定され得るか、または単にクロマトグラフ媒体14によって画定され得る。図の実施形態では、流体は、試料滴下ゾーン16から、試料パッドの一端と連通して配置されるコンジュゲートパッド(図示せず)まで移動し得る。コンジュゲートパッドは、1若しくは複数の拡散的に固定化された試薬を含み得、流体がそこを通過できるような材料(例えばガラス繊維)から形成され得る。吸収性材料18及び/または試料パッドを形成し得るいくつかの適切な材料には、限定されるものではないが、ニトロセルロース、セルロース、多孔質ポリエチレンパッド、ガラス繊維ろ紙が含まれる。必要に応じて、試料パッドはまた、拡散的または非拡散的のいずれかでそこに付着させられる1若しくは複数のアッセイ前処理試薬を含み得る。
【0050】
本発明のラテラルフローアッセイデバイスは、それが形成される特定の方法に関係なく、被分析物の存在の指標を与えるための1若しくは複数のゾーンを用いる。具体的には、そのようなゾーンには、典型的には、被分析物及び/または他の試薬と相互に作用して信号(例えば視覚信号)を生成するような化学または生物学的試薬が含まれる。例えば、再び図5を参照すると、ラテラルフローアッセイデバイス10には検出ゾーン20が含まれ、検出ゾーン20内には捕捉試薬が配置される。典型的には、捕捉試薬は、実質的にクロマトグラフ媒体14のマトリクスを通過して拡散しない(すなわち非拡散的に固定化される)ように滴下される。これは、捕捉試薬が他の化合物と反応すると生じる色の変化を使用者が容易に検出できるようにする。捕捉試薬は、例えば、クロマトグラフ媒体14の表面上に存在する官能基とのイオン結合及び/または共有結合を、その上に固定化されたままでいるように形成し得る。例えば、後述する粒子などの粒子は、検出ゾーン20において試薬の固定化を促進し得る。すなわち、試薬は粒子上にコーティングされ、粒子はその後デバイス10のクロマトグラフ媒体14上に固定化される。このように、試薬は媒体14を流れる化合物と容易に接触することができる。
【0051】
検出精度を向上させるためにラテラルフローアッセイデバイス10に用いられ得る別のゾーンはコントロールゾーン22である。コントロールゾーン22は、検査が正しく行われているという信号を使用者に与える。具体的には、十分な量の被検査体液と接触したときにクロマトグラフ媒体14を流れる試薬が用いられ得る。これらの試薬は、その後、視覚的にかまたは器具の使用によってかのいずれかで、コントロールゾーン22内で観察され得る。コントロール試薬には、一般的に、発光化合物(例えば蛍光性、燐光性など)、放射性化合物、目で見える化合物(例えば有色色素または金属物質(金など))、リポソームまたは他のベシクル含有信号発生物質、酵素及び/または基質、その他などの検出可能な物質が含まれる。他の適切な検出可能な物質は、特許文献18及び特許文献19に記載されているであろう。両特許文献は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0052】
必要に応じて、アッセイデバイスに使用される試薬のうちの1若しくは複数が粒子(「ビーズ」または「マイクロビーズ」と呼ばれることがある)上に配置され得る。とりわけ、粒子は、クロマトグラフ媒体中を移動する試薬の能力を向上させる。例えば、核、マイコプラズマ、プラスミド、色素体、哺乳類細胞(例えば赤血球ゴースト)、単細胞微生物(例えば細菌)、多糖(例えばアガロース)などの天然の粒子が用いられ得る。さらに、合成粒子が利用されることもある。例えば、一実施形態では、蛍光性または有色色素で標識されるラテックス微粒子が利用される。本発明では任意の合成粒子が用いられ得るが、粒子は、典型的には、ポリスチレン、ブタジエンスチレン、スチレンアクリル系ビニルターポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、スチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピリジン、ポリジビニルベンゼン、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル、塩化ビニルアクリレート、その他、あるいはそれらのアルデヒド、カルボキシル、アミノ、ヒドロキシルまたはヒドラジド誘導体から形成される。使用されるとき、粒子の形状は一般的に多様であり得る。例えば、1つの特定の実施形態では、粒子は球形の形状である。しかし、当然のことながら、板状、ロッド形状、円盤状、棒状、管状、不規則な形状などの他の形状も本発明が意図するものである。それに加えて、粒子のサイズも多様であり得る。例えば、粒子の平均サイズ(例えば直径)は、約0.1ナノメートルないし約1,000ミクロン、一部の実施形態では約0.1ナノメートルないし約100ミクロン、一部の実施形態では約1ナノメートルないし約10ミクロンであり得る。市販の適切な粒子の例には、モレキュラープローブ社(Molecular Probes, Inc.)から商品名「フルオロスフェア(FluoSphere)」(レッド580/605)及び「トランスフルオロスフェア(TransfluoSphere)」(543/620)で販売されている蛍光性のカルボキシル化されたミクロスフェア、並びに「テキサスレッド(Texas Red)」及び5−及び6−カルボキシテトラメチルローダミン(これらもモレキュラープローブ社から販売されている)が含まれる。それに加えて、市販の適切な有色のラテックス微粒子の例には、バングズラボラトリーズ社(Bang's Laboratory, Inc)から販売されているカルボキシル化されたラテックスビーズが含まれる。
【0053】
検出ゾーン20及びコントロールゾーン22の位置は、行われている検査の性質に基づいて多様であり得る。図で説明される実施形態では、例えばコントロールゾーン22は、クロマトグラフ媒体14によって画定され、検出ゾーン20から下流に配置される。そのような実施形態では、コントロールゾーン22は、上記したようにして非拡散的に固定化されかつコントロール試薬との化学的及び/または物理的結合を形成するような材料を含み得る。例えば、コントロール試薬がラテックス粒子を含むとき、コントロールゾーン22は、粒子に結合する高分子電解質を含み得る。様々な高分子電解質結合システムは、例えば特許文献20に記載されており、特許文献20は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。しかし、代替実施形態では、コントロールゾーン22は、単に、クロマトグラフ媒体14を通過した後にコントロール試薬が流入する吸収性材料18の或る領域によって画定され得る。
【0054】
選択される特定の制御技術に関わらず、酵素または他の対象となる被分析物が存在するにせよしないにせよ、デバイス10への十分な量の検査試料の滴下は、信号をコントロールゾーン22内で形成させることになる。そのようなコントロールゾーンによってもたらされる恩恵の中には、注意深い測定または計算を必要とせずに使用者または他の人は十分な量の検査試料が加えられたことを知らされることがある。これは、反応時間、検査試料容量などを外部から制御せずにラテラルフローアッセイデバイス10を用いる能力を提供する。はっきりと意思疎通できない老人、子供または患者の場合、コントロールゾーン22は、試料が排出され、回収され、首尾よく検査されたことの判定の指標を提供する。
【0055】
検出ゾーン20、コントロールゾーン22、またはラテラルフローアッセイデバイス10に使用される他のゾーンは、一般的に、使用者が検査試料内の酵素または他の被分析物の濃度をより良好に判定し得るように任意の数の異なる検出領域を提供し得る。各領域は、同一または異なる材料を含み得る。例えば、ゾーンは2つ以上の異なる領域(例えば線、ドットなど)を含み得る。領域は、デバイス10を通る検査試料の流れに実質的に垂直な方向に線の形で配置され得る。同じように、一部の実施形態では、領域は、デバイス10を通る検査試料の流れに実質的に平行な方向に線の形で配置され得る。
【0056】
ラテラルフローアッセイデバイスに使用される具体的な試薬は、対象となる被分析物及び使用されるアッセイ技術によって決まる。例えば、1つの特定の実施形態では、尿中の白血球の存在を検出することが尿路感染症(「UTT」)の早期診断として望ましいことがある。通常は尿中に白血球が存在するが、病理学的レベルの限界値は遠心分離されていない尿1ミリリットル当たり約1×10個の白血球であることが決められている。尿中に白血球が存在するとき、白血球エステラーゼが生成され、白血球の存在に対するとして生体指標(バイオマーカ)として用いられ得る。
【0057】
白血球エステラーゼ酵素の存在を検出するために様々な試薬が用いられ得る。そのような試薬の1つは、産物を放出するように目的の酵素に化学的に作用されるか「開裂」される基質である。例えば、基質は、白血球エステラーゼの存在下で触媒加水分解されて芳香族化合物を作り出すエステルであり得る。芳香族エステルは、例えば、次の一般化学式
【化1】

を有するインドキシルエステルを含み得る。
ここで、Rは、置換または未置換であり得、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルキレン基、脂肪酸基などであり得る。そのほかに、芳香環も置換または未置換であり得る。具体例としては、例えば、酢酸インドキシル、酪酸インドキシル、ラウリン酸インドキシル、ステアリン酸インドキシル、N末端修飾アミノ酸またはペプチドのインドキシルエステル、及びそれらのチオインドキシル類似体、並びにN−トシル−L−アラニン3−インドキシルエステルが挙げられる。そのようなインドキシルエステルは、白血球エステラーゼによって加水分解されて次の構造
【化2】

を有するインドキシルなどのベンゾピロールを形成する。
【0058】
特許文献21及び特許文献22に記載されているような乳酸エステルを用いることもでき、両特許文献は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。乳酸エステルは、一般的には白血球エステラーゼによって加水分解されてヒドロキシ−ピロール化合物を生成する。他の適切なエステル基質には、チアゾールエステル、ピロールエステル、チオフェンエステル、ナフチルエステル、フェノキシルエステル、キノリルエステル、例えば特許文献23、特許文献24、特許文献25に記載されているものなどが含まれ、これらの特許文献は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0059】
典型的には、基質は、尿または他の体液の滴下の前にラテラルフローアッセイデバイス10上に拡散的に固定化される。基質は、試料滴下ゾーン16から下流に配置されるのが好ましい。このように、検査試料は、滴下のときに酵素と混合することができる。必要に応じて、pHは、上記したように、所望の酵素触媒反応を促進するために相対的に中性レベルで維持され得る。所望のpHレベルを達成するために、デバイス10への滴下の前にバッファが基質と混合され得る。あるいは、バッファは、検査されている体液にさらされると試薬と混合することができるように、ラテラルフローアッセイデバイス10に別々に滴下され得る。
【0060】
いずれにせよ、芳香族化合物は、特定の試薬の存在下で色の変化を誘発することができる基質の分裂を経て放出される。放出された芳香族化合物は、電子が豊富で(例えばアミン)かつ電子不足基との結合を形成し得るような基を含む点で求核試薬である。例えば、インドキシルエステルは、白血球エステラーゼによって加水分解されてインドキシルを形成する。インドキシルには、一般化学式
【化3】

を有するジアゾニウムイオンによる求電子攻撃を受けることができる電子が豊富な芳香族環系が含まれる。
【0061】
ジアゾニウムイオンは、ジアゾニウム部分の対イオンが環系と共有結合しているような双性イオンであり得る。ジアゾニウムイオンの環系は、置換または未置換であり得る。イオンは、様々な適切なジアゾニウム塩、例えば、塩化ジアゾニウム、ジアゾニウム酸硫酸塩、ジアゾニウムアルキル硫酸塩、ジアゾニウムフルオロホウ酸塩、ベンゼンスルホン酸ジアゾニウム、ジアゾニウム酸1,5−ナフタレンジスルホナートなどによって供給され得る。ジアゾニウム塩の具体例は、1−ジアゾ−2−ナフトール−4−スルホネート、1−ジアゾフェニル−3−カーボネート、4−ジアゾ−3−ヒドロキシ−1−ナフチルスルホネート(DNSA)、4−ジアゾ−3−ヒドロキシ−7−ニトロ−1−ナフチルスルホネート(NDNSA)、4−ジアゾ−3−ヒドロキシ−1,7−ナフチルジスルホネート、2−メトキシ−4−(N−モルホリニル)ベンゼンジアゾニウム・クロリド、4−ジアゾ−3−ヒドロキシ−7−ブロモ−1−ナフチルスルホネート、4−ジアゾ−3−ヒドロキシ−7−[1,オキソプロピル]−1−ナフチルスルホネートである。1つの特に望ましいジアゾニウム塩は、5−クロロ−2−メトキシベンゼンジアゾニウム・クロリドであり、これは黄色を有し、名称「ジアゾレッドRC(Diazo Red RC)」または「ファーストレッドRC(Fast Red RC)」に分類される。具体的には、「ファーストレッドRC」は、次の構造
【化4】

を有する。
【0062】
他の適切なジアゾニウム塩は、一般的な名称「ファーストレッドB(Fast Red B)」及び「ファーストブルーB(Fast Blue B)」によって分類される。さらに別の適切なジアゾニウム塩は、特許文献26、特許文献27、特許文献28に記載されているであろう。これらの特許文献は、本明細書において全文を引用することを以て本明細書の一部となす。
【0063】
上記したように、基質の加水分解によって放出される求核芳香族化合物は、試薬(例えばジアゾニウムイオン)による求電子攻撃を受けることができる。この反応は、多くの場合に「カップリング」と呼ばれ、異なる色を有する別の試薬の形成をもたらす。例えば、ジアゾニウムイオンは、芳香族化合物と反応して、一般化学式R−N=N−R’を有する芳香族アゾ化合物を形成し得る。ここで、「R」及び「R’」はアリール基である。理論によって制限される意図はないが、この反応は、吸収最大値をスペクトルの赤端側に移動(シフト)させる(「深色移動」)か、あるいはスペクトルの青端側に移動させる(「浅色移動」)かのいずれかを誘発すると考えられている。吸収移動のタイプは、得られたアゾ分子の性質と、浅色移動の結果、電子受容体(酸化剤)として働くか、または深色移動の結果、電子供与体(還元剤)として働くかとによって決まる。吸収移動は、検査試料内の白血球エステラーゼまたは他の酵素の存在を示すような、視覚的にかまたは器具の使用によってかのいずれかで検出可能な色差を与える。例えば、感染検査試料との接触の前に、ジアゾニウムイオンは、無色であり得るかまたは特定の色を有し得る。しかし、検査試料と接触させ、基質の加水分解によって放出される芳香族化合物と反応させた後には、ジアゾニウムイオンの最初の色とは異なる色を呈する芳香族アゾ化合物が生じることになる。形成され得る例示的な芳香族アゾ化合物には、ジメチルジアゼン、ジフェニルジアゼン、1−ナフチル−2−ナフチルジアゼン、3−クロロフェニル−4−クロロフェニルジアゼン、メチルビニルジアゼン、2−ナフチルフェニルジアゼンが含まれる。1つの特定の実施形態では、例えば「ファーストレッドRC」(黄色)は、ジアゾニウムイオンであり、インドキシルと反応して、赤色でありかつ次の一般構造式(置換または未置換であり得る)
【化5】

を有するような芳香族アゾ化合物を形成し得る。
【0064】
通常は、上記したジアゾニウムイオンは、ラテラルフローアッセイデバイス10の検出ゾーン20内に固定化される。ジアゾニウムイオンは、媒体14に直接滴下され得るか、あるいは滴下の前に先ず溶液に形成され得る。溶液を形成するために、限定されるものではないが、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチルアルコール、ジメチルホルムアミド(DMF)及び他の極性有機溶媒などの様々な溶媒が使用され得る。例えば、溶液中のジアゾニウム塩の量は、溶媒1ミリリットル当たり約0.001ないし約100ミリグラム、一部の実施形態では溶媒1ミリリットル当たり約0.1ないし約10ミリグラムであり得る。1つの特定の実施形態では、検出ゾーン20は、クロマトグラフ媒体14によって画定され、公知の技術を用いてその上に溶液をコーティングされることによって形成され、その後に乾燥させられる。ジアゾニウムイオン濃度は、望ましいレベルの検出感度を与えるように選択的に制御され得る。
【0065】
典型的には、ジアゾニウムイオンは、実質的にクロマトグラフ媒体14のマトリクスを通過して拡散しない(すなわち非拡散的に固定化される)ように滴下され、それが、ジアゾニウムイオンが求核芳香族化合物と反応すると生じる色の変化を使用者が容易に検出できるようにする。ジアゾニウムイオンは、クロマトグラフ媒体14の表面上に存在する官能基とのイオン結合及び/または共有結合を、その上に固定化されたままでいるように形成し得る。例えば、後述する粒子などの粒子は、検出ゾーン20においてジアゾニウムイオンの固定化を促進し得る。すなわち、ジアゾニウムイオンは粒子上にコーティングされ、次に粒子はデバイス10のクロマトグラフ媒体14上に固定化される。このように、ジアゾニウムイオンは、媒体14を流れる求核芳香族化合物と容易に接触することができる。
【0066】
ラテラルフローアッセイデバイスの1つの恩恵は、所望の反応を促進するために1若しくは複数の追加試薬ゾーンを容易に組み込むことができる能力である。例として、試薬ゾーン(図示せず)が用いられ得る。図の実施形態では、試料が試料滴下ゾーン16から試料滴下ゾーン16と流体連通している試薬ゾーンまで移動するように、試薬ゾーンが配置され得る。試薬ゾーンは、媒体14上に形成され得る。あるいは、試薬ゾーンは、別体の材料またはパッドから形成され得る。そのような試薬パッドは、検査試料がそこを通過できるような任意の材料、例えばガラス繊維などから形成され得る。
【0067】
上記で特定したゾーンに加え、ラテラルフローアッセイデバイス10は他の任意選択のゾーンも含み得る。例えば、ラテラルフローアッセイデバイス10は、酵素触媒基質反応のための促進剤が含まれるような促進ゾーン(図示せず)を含み得る。典型的には、促進剤は、検査試料に触れると媒体14を通って流れ得るように、上記した方法で促進ゾーン内に拡散的に固定化される。促進ゾーンの位置は、一般に、検出ゾーン20から上流に配置される限り多様であり得る。例えば、一部の実施形態では、促進ゾーンは、基質の適用部(例えば試薬ゾーン)から上流にある或る位置(例えば試料滴下ゾーン16)に配置され得る。基質と促進剤の間に設けられる分離部のせいで、両者の間の早過ぎる反応の見込みはこのようにして低下する。しかし、当然のことながら、促進剤は、それにもかかわらず、一部の適用例では基質と結合され得る。
【0068】
利用され得る別のゾーンは消光(クエンチング)ゾーン(図示せず)である。消光ゾーンは、さもなければ検出システムの精度に支障を来すであろう化合物を検査試料から取り除くように構成される。例えば、検査試料内の汚染物質(例えば、フェノール性物質、ビリルビン、ウロビリノーゲンなど)は検出ゾーン20内でジアゾニウムイオンと反応して芳香族アゾ化合物を形成し、それによって「偽陰性」結果を生じさせることがある。それゆえ、消光ゾーンは、反応汚染物質と反応することができるジアゾニウムイオンなどの消光剤を含み得る。消光剤は、検出ゾーン20内で用いられる検出剤と同じでも違ってもよい。典型的には、消光剤は、媒体14の中を流れて検査を妨げることがないように上記した方法で消光ゾーン内で非拡散的に固定化される。消光ゾーンの位置は多様であり得るが、典型的には、酵素検出の妨げとならないように検出ゾーン20及び基質が適用される位置から上流に配置される。例えば、図の実施形態では、消光ゾーンは、試料滴下ゾーン16のすぐ下流かつ媒体14の上に配置され得る。あるいは、消光ゾーンは、試料滴下ゾーン16から上流に配置され得る。
【0069】
ここで、図5のデバイス10を用いて検査試料内の白血球エステラーゼの存在を検出する例示的な方法について詳細に説明する。先ず、尿含有白血球エステラーゼが試料滴下ゾーン16に放出され、「L」方向に試薬ゾーンまで移動する。試薬ゾーンでは、エステラーゼは混ざり合って触媒反応を開始し始めることができる。媒体を流れる間に、酵素及び基質は反応して、後にジアゾニウムイオンと結合して検出ゾーン20内で有色芳香族アゾ化合物を形成するような芳香族生成物を放出する。反応後、検出ゾーン20は変色し、それは尿路感染症を示し得る。制御された流体の性質により、未反応基質は、検出領域における芳香族アゾ化合物の観察を不利に妨げることができないように反応媒体の端部まで移動する。
【0070】
当然ながら、本発明は、尿路感染症の診断に限定されるものでは決してない。尿などの体液の検査によって数多くの健康状態が診断され得る。唯1つの状態のための検査でさえも、複数の異なる被分析物が標的とされることが必要とされ得る。例として、アッセイデバイスは、特定の生物学的被分析物(例えば、抗体、抗原など)の存在を検査するために、特異結合対を用い得る。特異結合メンバは、一般的に、特異結合対のメンバ、すなわち、1つの分子がもう1つの分子に化学的及び/または物理的に結合しているような2つの異なる分子のメンバを指す。例えば、免疫反応特異結合メンバは、組換えDNA法またはペプチド合成によって形成されるものを含めて、抗原、ハプテン、アプタマー、抗体(一次または二次)及びそれらの複合体を含み得る。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、組換えタンパク質、あるいはそれらの混合物または断片、並びに抗体の混合物及び他の特異結合メンバであり得る。そのような抗体の調整及びそれらの特異結合メンバとしての使用に対する適性についての詳細は、当業者に公知である。他のありふれた特異結合対には、限定されるものではないが、ビオチンとアビジン(またはそれらの誘導体)、ビオチンとストレプトアビジン、炭水化物とレクチン、相補的ヌクレオチド配列(標的核酸配列を検出するためにDNAハイブリダイゼーションアッセイにおいて用いられるプローブと捕捉核酸配列を含む)、組換え法によって形成される相補的ペプチド配列を含む相補的ペプチド配列、エフェクタ分子と受容体分子、ホルモンとホルモン結合タンパク質、酵素補因子と酵素、酵素阻害物質と酵素などが含まれる。さらに、特異結合対は、元の特異結合メンバの類似体であるメンバを含み得る。例えば、被分析物と共通する少なくとも1つのエピトープを有する限り、被分析物の誘導体または断片、すなわち被分析物類似体が用いられ得る。
さらに別の対象となる被分析物は、タンパク質、酵素、亜硝酸塩、ケトン、様々な細菌、赤血球または白血球、グルコース、ビリルビン、ウロビリノーゲンなどを含み得る。例として、尿中の亜硝酸塩の存在は、尿路感染症または体内の他の細菌感染症さえも示し得る。亜硝酸塩の存在を検査するために、アッセイデバイスは、例えば、芳香族アミン及び別の芳香族化合物の両方を含むクロマトグラフ媒体上に拡散的に固定化された基質を用い得る。アミンは、亜硝酸塩と反応してジアゾニウム塩を形成することになるように選択される。塩は、今度は、芳香族化合物と反応して、色の変化によって亜硝酸塩が検出されたことを目で見てわかるように示すアゾ染料を生成し得る。
【0071】
IV.キット及び方法
【0072】
別の実施形態では、赤ちゃんの尿を検査するためのキットが提供される。キットは、検査装置及び吸収性物品の両方を含むことができる。吸収性物品及び検査装置は、上記した構成または変更形態のうちの任意のものを含むことができる。そのようなものとして、検査装置及び吸収性物品の任意の数の組合せをキット内で利用することができる。
【0073】
さらに別の実施形態では、赤ちゃんの尿中の被分析物の有無を検出する方法が開示されている。この方法は、上記したように、吸収性物品とともに回収挿入体によって回収された尿を検出するステップを含む場合がある。その後、回収された尿は、検査装置の使用を含めて任意の方法に従って検査されることができる。そのようなものとして、その方法の中で検査装置と回収挿入体を備えた吸収性物品との任意の様々な異なる組合せを用いることができる。
【0074】
本発明を特定の実施形態を詳細について説明してきたが、当然のことながら、当業者は、上述の記載を理解すれば、これらの実施形態の変更形態、変形形態及び等価形態を容易に考え出すことができる。従って、本発明の範囲は、添付の請求項及びその等価範囲として判断されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤ちゃんから尿を回収して一時的に保持するための股領域を画定するおむつであって、
液透過性身体側ライナーと、
液不透過性外カバーと、
前記身体側ライナーと外カバーの間に配置された吸収体と、
前記おむつの前記股領域に配置された回収挿入体とを含み、
前記回収挿入体が、尿を回収して一時的に保持するように構成され、前記回収挿入体が、前記吸収体から流体的に分離されていることを特徴とするおむつ。
【請求項2】
前記回収挿入体が、前記身体側ライナーと前記外カバーの間に配置されていることを特徴とする請求項1のおむつ。
【請求項3】
前記身体側ライナーがポケットを画定し、前記回収挿入体が前記ポケット内に配置されていることを特徴とする請求項1のおむつ。
【請求項4】
前記回収挿入体が、挿入体カバー及び挿入体コアを含むことを特徴とする請求項1のおむつ。
【請求項5】
前記挿入体コアが、スポンジを含むことを特徴とする請求項4のおむつ。
【請求項6】
前記挿入体コアが、セルロース系材料を含むことを特徴とする請求項4のおむつ。
【請求項7】
前記回収挿入体が、実質的に超吸収性材料を含んでいないことを特徴とする請求項4のおむつ。
【請求項8】
前記身体側ライナーが、該身体側ライナーを通って前記回収挿入体内へ尿試験紙を挿入できるように構成されたスロットを画定することを特徴とする請求項1のおむつ。
【請求項9】
前記おむつが、締結機構を持たないことを特徴とする請求項1のおむつ。
【請求項10】
尿中の被分析物の有無を検査する方法であって、
身体側ライナーと外カバーの間に配置された吸収体を有し、前記吸収体から流体的に分離されかつ尿を回収して一時的に保持するように構成された回収挿入体を含むようなおむつを提供するステップと、
前記回収挿入体によって回収された尿中の前記被分析物の有無を検査するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記回収挿入体を、前記身体側ライナーによって画定されるポケット内に挿入するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10の方法。
【請求項12】
前記尿検査ステップが、前記ポケットから前記回収挿入体を取り外し、前記回収挿入体から前記尿を抽出するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11の方法。
【請求項13】
前記尿検査ステップが、前記回収挿入体によって回収された前記尿に尿試験紙を接触させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項10の方法。
【請求項14】
前記尿試験紙が、ラテラルフローデバイスであることを特徴とする請求項13の方法。
【請求項15】
前記回収挿入体が、挿入体カバー及び挿入体コアを含むことを特徴とする請求項10の方法。
【請求項16】
前記挿入体コアが、スポンジを含むことを特徴とする請求項15の方法。
【請求項17】
前記挿入体コアが、セルロース系材料を含むことを特徴とする請求項15の方法。
【請求項18】
前記回収挿入体が、実質的に超吸収性材料を含んでいないことを特徴とする請求項10の方法。
【請求項19】
新生児または未熟児の尿中の被分析物の有無を検査する方法であって、
身体側ライナーと外カバーの間に配置された吸収体を有し、前記吸収体から流体的に分離されかつ尿を回収して一時的に保持するように構成された回収挿入体を含むようなおむつを提供するステップと、
前記おむつを、前記回収挿入体が前記新生児または未熟児から排出された尿を回収するように配置されるように、前記新生児または未熟児に当てるステップと、
前記回収挿入体によって回収された尿中の前記被分析物の有無を検査するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記回収挿入体が、実質的に超吸収性材料を含んでいないことを特徴とする請求項19の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−526564(P2010−526564A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504918(P2010−504918)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050801
【国際公開番号】WO2008/132619
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】