説明

吸収性物品

【課題】着用者の股間に適合するように湾曲形成することができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】長手方向yと幅方向xを有するアウターシート2と、アウターシート2の肌面側に設けられた吸収体13と、アウターシート2の幅方向xの両側の肌面側に設けられたサイドシート8とを有する吸収性物品1であって、アウターシート2は、長手方向yに折り畳まれることにより山折り4と谷折り5が形成されたプリーツ部3を有し、プリーツ部3は幅方向xの両端が固定され、サイドシート8は幅方向xの内方部分に長手方向yに延びる弾性部材9が設けられ、吸収体13はアウターシート2のプリーツ部3以外の部分に形成された固定部7に固定されている吸収性物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、尿パッド等の吸収性物品は着用者の股間に当てて装着される。しかし、着用者の股間の肌面は腹部から臀部にかけて湾曲した形状を有しているため、吸収性物品は、股間の湾曲形状に合うように形成することにより、尿等の排泄物を好適に受け、横漏れを防ぐことが求められる。例えば、特許文献1には、吸収性物品の幅方向の両側と長手方向の両端部に、弾性部材が配された立体ガードが設けられ、この立体ガードの弾性収縮によりカップ状に湾曲形成される吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−288016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、着用者の股間に合うように湾曲形成することができる吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、長手方向と幅方向を有するアウターシートと、アウターシートの肌面側に設けられた吸収体と、アウターシートの幅方向の両側の肌面側に設けられたサイドシートとを有する吸収性物品であって、アウターシートは、長手方向に折り畳まれることにより山折りと谷折りが形成されたプリーツ部を有し、プリーツ部は幅方向の両端が固定され、サイドシートは幅方向の内方部分に長手方向に延びる弾性部材が設けられ、吸収体はアウターシートのプリーツ部以外の部分に形成された固定部に固定されているところに特徴を有する。本発明の吸収性物品は、アウターシートがプリーツ部を有しているため、プリーツ部の折り畳みを展開することによりアウターシートを肌面側が内側に湾曲するように立体形成することができる。そのため、本発明の吸収性物品を着用者が着用すると、吸収性物品は着用者の肌に沿うように股間に装着され、着用者からの排泄物を好適に受けることができる。さらに、プリーツ部の折り畳みの展開度合を調整することにより、着用者に応じて湾曲形状を調節することが可能となり、着用者の股間へのフィット性を高めることができる。
【0006】
アウターシートには、固定部の長手方向の両側に、プリーツ部が各々設けられていることが好ましい。このようにプリーツ部が設けられることにより、アウターシートが、着用者の腹側から臀部側にかけて股間に沿うように立体形成されやすくなる。
【0007】
各プリーツ部は、固定部に近い側に山折りが形成されていることが好ましい。このようにプリーツ部が形成されていれば、湾曲形成されたアウターシートの底部がフラットに形成されやすくなり、吸収性物品を着用した状態で着用者が着座した場合、着用者の両大腿部の間で吸収性物品の収まりが良くなる。
【0008】
アウターシートは、プリーツ部の折り畳みを展開することにより、長手方向に最大で1.05倍以上1.40倍以下長くなるように形成されていることが好ましい。このようにアウターシートが形成されていれば、プリーツ部の折り畳みを展開することにより、アウターシートが着用者の股間に沿うように適度に湾曲して形成されやすくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸収性物品は、アウターシートがプリーツ部を有しているため、プリーツ部の折り畳みを展開することによりアウターシートを肌面側が内側に湾曲するように立体形成することができる。そのため、本発明の吸収性物品を着用者が着用すると、吸収性物品は着用者の肌に沿うように股間に装着され、着用者からの排泄物を好適に受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の吸収性物品を外面側から見た平面図を表す。
【図2】図1に示した吸収性物品を肌面側から見た平面図を表す。
【図3】図2に示した吸収性物品のアウターシートを肌面側から見た平面図を表す。
【図4】図1に示した吸収性物品のA−A断面図を表す。
【図5】図1に示した吸収性物品のプリーツ部を展開し、外面側から見た斜視図を表す。
【図6】図5に示した吸収性物品を肌面側から見た斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の吸収性物品について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。
【0012】
図1〜図6には、本発明の吸収性物品の一例としてオープン型使い捨ておむつを示す。図1は本発明の吸収性物品を外面側から見た平面図を表し、図2は図1に示した吸収性物品を肌面側から見た平面図を表し、図3は図2に示した吸収性物品のアウターシートを肌面側から見た平面図を表し、図4は図1のA−A断面図を表し、図5は図1に示した吸収性物品のプリーツ部を展開し、外面側から見た斜視図を表し、図6は図5に示したプリーツ部を展開した吸収性物品を肌側面から見た斜視図を表す。なお、本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが長手方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。
【0013】
本発明の吸収性物品1は、長手方向yと幅方向xを有するアウターシート2と、アウターシート2の肌面側に設けられた吸収体13と、アウターシート2の幅方向xの両側の肌面側に設けられたサイドシート8とを有する。吸収性物品1を使用する際、吸収体13は着用者の肌に面するように位置し、アウターシート2は着用者とは反対側すなわち外側に位置する。
【0014】
本発明において、長手方向とは、吸収性物品を着用の際、着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当し、幅方向とは、着用者の左右方向に延びる方向に相当する。肌面側とは、吸収性物品を着用する際に着用者の肌に向く側を意味し、外面側とは、着用者とは反対に向く側を意味する。
【0015】
本発明の吸収性物品の態様としては、使い捨ておむつ、尿パッド等が挙げられる。使い捨ておむつとはパンツの代わりに着用する吸収性物品であり、例えば、後方部の左右に一対の止着部材が設けられ、当該止着部材により着用時にパンツ型に形成するオープン型使い捨ておむつであったり、前方部と後方部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつが挙げられる。尿パッドとはパンツや使い捨ておむつ等の肌面側に載置して用いられる吸収性物品であり、一般に使い捨ておむつより大きさが小さく形成される。なかでも本発明の吸収性物品は、オープン型使い捨ておむつや尿パッドに好適に適用され、オープン型使い捨ておむつにより好適に適用される。
【0016】
図面には吸収性物品1としてオープン型使い捨ておむつが示されており、アウターシート2の後方部の左右側端部に止着部材10が取り付けられ、アウターシート2の前方部の外面側に、着用時に止着部材10を留めるための止着対応部12が設けられている。止着部材10には、止着対応部12と接合される止着部11が備えられている。
【0017】
本発明の吸収性物品1は、使用前は、図1や図2に示すようにアウターシート2が平面状に形成され、使用時には、図5や図6に示すように吸収体13がアウターシート2とサイドシート8との間に配され、アウターシート2が長手方向yに肌面側が内側に湾曲するように立体形成される。そのため、本発明の吸収性物品1を着用者が着用すると、吸収性物品1は着用者の肌に沿うように股間に装着され、着用者からの排泄物を好適に受けることができるようになる。
【0018】
アウターシート2の形状は特に限定されない。アウターシート2の形状としては、略長方形、砂時計型、ひょうたん型等が挙げられる。
【0019】
アウターシート2は、図1〜図4に示すように、長手方向yに折り畳まれることにより山折り4と谷折り5が形成されたプリーツ部3を有している。そして、プリーツ部3は幅方向xの両端が接合部6で固定されている。具体的には、アウターシート2は、幅方向xの両端で、山折り4を挟んだ両側および谷折り5を挟んだ両側が接合されている。そのため、プリーツ部3の折り畳みを展開すると、図5および図6に示されるように、アウターシート2が長手方向yに肌面側が内側に湾曲するように立体形成される。また、プリーツ部3が幅方向xの両端が接合部6で固定される結果、アウターシート2は幅方向xにも肌面側が内側に湾曲するように立体形成され、吸収性物品1が着用者からの排泄物を好適に受けることができるようになる。接合部6は、接着剤、熱融着、超音波融着等の公知の接合手段により形成されればよい。
【0020】
本発明において、山折り4と谷折り5はアウターシート2の外面側から見て定められるものとする。また、プリーツ部3とは、図1や図2のようにアウターシート2が平面状に形成された状態で、アウターシート2のうち、接合部6で接合された山折り4から谷折り5に至る部分およびそれと重なる部分を意味する。
【0021】
図1では、プリーツ部3が長手方向yの両側に2つずつ設けられている。各プリーツ部3は、アウターシート2が長手方向yに折り畳まれて形成される。この際、各プリーツ部3は、少なくとも1つずつ形成された山折り4と谷折り5で折られることにより形成される。各プリーツ部3は、例えば図4に示すように、山折り4と谷折り5が1つずつ形成されてもよいし、図には示されていないが、山折り4と谷折り5が2つ以上ずつ形成されて、山折り4(あるいは谷折り5)により形成される2つ以上のひだが重なり合うように形成されてもよい。
【0022】
山折り4と谷折り5は、長手方向yに並んで配される限りその延在方向は特に限定されないが、好ましくは、山折り4と谷折り5は幅方向xに対し略平行に形成される。また、山折り4と谷折り5は互いに同じ数だけ形成されることが好ましく、山折り4と谷折り5がそれぞれ複数形成される場合は、山折り4と谷折り5は交互に形成されることが好ましい。
【0023】
アウターシート2は、吸収体13が固定される固定部7を有する。このとき、アウターシート2には、図1〜図3に示すように、固定部7の長手方向yの両側にプリーツ部3が各々設けられていることが好ましい。このようにプリーツ部3が設けられることにより、アウターシート2が、着用者の腹側から臀部側にかけて股間に沿うように立体形成されやすくなる。
【0024】
プリーツ部3は、アウターシート2の固定部7の長手方向yの両側にそれぞれ2つ以上設けられていることがより好ましい。このようにプリーツ部3が設けられていれば、プリーツ部3でアウターシート2が着用者の股間に沿うように湾曲形成されやすくなる。
【0025】
固定部7の長手方向yの両側にプリーツ部3が各々設けられる場合、固定部7の長手方向yの両側に設けられるプリーツ部3,3間の長さ(すなわち、固定部7の長手方向yの一方側に設けられるプリーツ部3と他方側に設けられるプリーツ部3との間の長さ)は、アウターシート2の長手方向yの長さの5%以上であることが好ましく、10%以上がより好ましく、また35%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。このようにアウターシート2にプリーツ部3が設けられていれば、プリーツ部3を展開することにより、アウターシート2が着用者の股間に沿うように形成されやすくなる。
【0026】
アウターシート2は、プリーツ部3の折り畳みを展開することにより、長手方向yに最大で1.05倍以上1.40倍以下(より好ましくは、1.10倍以上1.30倍以下)長くなるように形成されていることが好ましい。すなわち、プリーツ部3が展開した状態でのアウターシート2の長手方向yの長さが、プリーツ部3が折り畳まれた状態でのアウターシート2の長手方向yの長さに対し、1.05倍以上1.40倍以下となることが好ましい。なお、プリーツ部3が折り畳まれた状態とは、プリーツ部3が複数ある場合は、全てのプリーツ部が折り畳まれた状態を意味し、プリーツ部3が展開した状態とは、全てのプリーツ部が展開した状態を意味する。また、プリーツ部3が展開した状態でのアウターシート2の長手方向yの長さは、プリーツ部3の接合部6の接合を解いた状態で測定する。このようにアウターシート2が形成されていれば、プリーツ部3の折り畳みを展開することにより、アウターシート2が着用者の股間に沿うように適度に湾曲して形成されやすくなる。
【0027】
各プリーツ部3は、固定部7に近い側に山折り4が形成されていることが好ましい。具体的には、プリーツ部3の折り畳みを展開した状態で、各プリーツ部3には、長手方向yに対し固定部7に近い側にまず山折り4が形成されることが好ましい。図1では、長手方向yに対し、固定部7に近い側にまず山折り4が設けられ、次いで、長手方向yの外方に谷折り5が設けられている。このようにプリーツ部3が形成されていれば、湾曲形成されたアウターシート2の底部がフラットに形成されやすくなり、吸収性物品1を着用した状態で着用者が着座した場合、着用者の両大腿部の間で吸収性物品1の収まりが良くなる。
【0028】
アウターシート2の幅方向xの両側の肌面側には、図3に示すように、サイドシート8が設けられ、サイドシート8の幅方向xの内方部分には長手方向yに延びる弾性部材9が設けられている。サイドシート8は弾性部材9の収縮力によって内方端が着用者の肌に向かって立ち上がり、これによりサイドシート8は、吸収性物品1の使用時、吸収体13を湾曲形成されたアウターシート2の内側に保持するように機能するとともに、尿等の防漏壁として機能する。また、サイドシート8に設けられた弾性部材9の収縮力により、吸収性物品1全体が長手方向yに肌側面が内側に湾曲するように作用を受け、その結果、アウターシート2のプリーツ部3が展開しやすくなり、アウターシート2が着用者の股間に沿うように形成されやすくなる。
【0029】
サイドシート8は、幅方向xの外方部分がアウターシート2に接合し、幅方向xの内方部分がアウターシート2に接合していない。その結果、サイドシート8の幅方向xの内方部分が弾性部材9の収縮力によって立ち上がり、湾曲形成されたアウターシート2と協同して、吸収性物品1が吸収体13を内側に収めたカップ形状に形成される。
【0030】
サイドシート8は、長手方向yの端部がアウターシート2に接合していることが好ましい。このようにサイドシート8が設けられていれば、サイドシート8の幅方向xの内方部分が上方に立ち上がりやすくなり、吸収体13が湾曲形成されたアウターシート2の内側に収まりやすくなるとともに、防漏壁としての機能が高まる。
【0031】
アウターシート2の肌面側には吸収体13が設けられている。吸収体13は着用者から排泄された尿を吸収するものであり、吸収性物品1の使用の際、図6に示すように、吸収体13は湾曲形成されたアウターシート2とサイドシート8の間に挿入され、保持される。すなわち、吸収体13は、アウターシート2のプリーツ部3が折り畳まれた状態では、図1および図2に示すように、アウターシート2に重ねて扱うことができ、アウターシート2のプリーツ部3が展開された状態では、図6に示すように、湾曲形成されたアウターシート2の内側に収められて取り扱われる。
【0032】
図1、図2、図4に示すように、吸収体13はアウターシート2に固定部7で固定されている。固定部7は、接着剤等の固定手段により形成されればよい。固定部7はアウターシート2のプリーツ部3以外の場所に形成される。従って、吸収体13は、プリーツ部3には固定されていない。さらに、吸収体13は、プリーツ部3を跨いでアウターシート2に固定されていないことが好ましい。このように吸収体13がアウターシート2に固定されていれば、吸収性物品1の着用の際、プリーツ部3の折り畳みを展開しやすくなる。
【0033】
吸収体13の形状は特に限定されない。吸収体13の形状は、例えば、略長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等が挙げられる。なお、図面には示されていないが、吸収体13は、長手方向yの端縁に切欠きが形成されていてもよい。吸収体13の長手方向yの端縁に切欠きが形成されていれば、プリーツ部3を展開したアウターシート2とサイドシート8の間に吸収体13が挿入されると、吸収体13が幅方向xに湾曲して形成されやすくなる。その結果、吸収体13の着用者の肌へのフィット性が高められるとともに、吸収体13が着用者からの排泄物を好適に受けやすくなり、横漏れが防止される。切欠きは吸収体13の幅方向xの中心線(すなわち、長手方向yに延びる中心線)を跨ぐように形成されることが好ましく、幅方向xの中心線に対し線対称に形成されることがより好ましい。切欠きの形状としては、吸収体13の長手方向yの端縁から内方に向かって幅方向xの長さが漸減するように形成されていることが好ましい。
【0034】
吸収体13は、アウターシート2のプリーツ部3が展開した状態で、長手方向yに対しアウターシート2よりも短く形成されている。すなわち、アウターシート2のプリーツ部3が展開した状態では、吸収体13は、湾曲形成されたアウターシート2とサイドシート8の間に挿入され得るように、長手方向yに対しアウターシート2よりも短く形成されている。一方、吸収体13は、アウターシート2のプリーツ部3が折り畳まれた状態では、アウターシート2よりも長手方向yに対し長く形成されていてもよく、短く形成されていてもよく、同じ長さで形成されていてもよい。好ましくは、吸収体13は、アウターシート2のプリーツ部3が折り畳まれた状態で、長手方向yに対し、アウターシート2の95%以上125%以下(より好ましくは100%以上120%以下)の長さを有している。吸収体13がアウターシート2に対しこのような関係で形成されていれば、プリーツ部3が展開されたアウターシート2の内側に吸収体13が好適に保持されやすくなる。また、吸収体13の大きさが十分確保され、吸収体13によって着用者から排泄された尿が好適に吸収されるようになる。なお、プリーツ部3が折り畳まれた状態とは、プリーツ部3が複数ある場合は、全てのプリーツ部が折り畳まれた状態を意味し、プリーツ部3が展開した状態とは、全てのプリーツ部が展開した状態を意味する。プリーツ部3が展開した状態でのアウターシート2の長手方向yの長さは、プリーツ部3の接合部6の接合を解いた状態で測定する。吸収体13は、幅方向xに対しては、アウターシート2と同じかそれよりも短く形成されていることが好ましい。
【0035】
以上のように、本発明の吸収性物品1は、アウターシート2がプリーツ部3を有しているため、プリーツ部3の折り畳みを展開することによりアウターシート2を肌面側が内側に湾曲するように立体形成することができる。さらに、プリーツ部3の折り畳みの展開度合を調整することにより、着用者に応じて湾曲形状を調節することが可能となり、着用者の股間へのフィット性を高めることができる。そのため、本発明の吸収性物品1を着用者が着用すると、吸収性物品1は着用者の肌に沿うように股間に装着され、着用者からの排泄物を好適に受けることができるようになる。
【0036】
本発明の吸収性物品1はまた、アウターシート2がプリーツ部3を有しているため、一般の使い捨ておむつの脚周りに設けられるような脚用弾性部材(レッグギャザー)がなくても、吸収性物品1を着用者の臀部に沿うように膨らみを持たせて立体形成することができる。例えば、サイドシート8の外方部分やそれより幅方向xの外方に位置するアウターシート2に脚用弾性部材が設けられなければ、着用者は脚用弾性部材の収縮力による圧迫を受けず、吸収性物品1の着用感が向上する。
【0037】
次に、吸収性物品を構成する材料について説明する。アウターシートを構成する材料としては、不織布、織布、編布、プラスチックフィルム、およびこれらの積層体等を使用できる。アウターシートの材料として不織布、織布、編布等の布材料を用いる場合、布材料を構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の合成繊維、セルロース、レーヨン、コットン等の天然繊維を用いればよい。アウターシートの材料として不織布を用いる場合、不織布としては、スパンボンド法、エアスルー法、ポイントボンド法、メルトブロー法、エアレイド法やそれらの製法の組み合わせ等により製造されるものが好ましい。また、スパンボンド法とメルトブロー法を組み合わせたSMS法により製造された不織布を用いてもよい。アウターシートの材料としてプラスチックフィルムを用いる場合は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の合成樹脂を用いればよい。アウターシートは、親水性であっても液不透過性であってもよいが、液不透過性であることが好ましい。なお、液不透過性とは撥水性の意味も含まれる。サイドシートは、アウターシートとして使用可能な材料を用いればよい。
【0038】
吸収体は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収体としては、例えば、吸収性材料をシート部材で覆ったものを用いることができる。
【0039】
吸収性材料としては、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維;ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸収性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされていてもよい。吸収性材料は、尿等の吸収速度を高め、吸収体の保形性を高める点から、親水性繊維を含むことが好ましく、パルプ繊維を含むことがより好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。より好ましくは、吸収体は、吸収性材料として親水性繊維と吸水性樹脂を含有する。
【0040】
吸収性材料を覆うシート部材の少なくとも一部は液透過性である。液透過性のシート部材としては、紙(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や親水性不織布等を用いることができる。また液透過性のシート部材として、織布、編布、孔が形成されたプラスチックフィルムを用いてもよい。液透過性のシート部材は吸収体の肌面側に設けられ、吸収体の外面側にも設けられてもよい。また、吸収体の外面側には、液不透過性不織布やプラスチックフィルム等の液不透過性のシート部材が設けられてもよい。
【0041】
吸収体は、不織布間に吸水性樹脂を有しパルプ繊維を有しないシート状吸収体を有していてもよい。シート状吸収体は不織布間に吸水性樹脂を有するため、高い吸収容量を実現できる。また、シート状吸収体は不織布間にパルプ繊維を有しないため、嵩張らず薄型に形成することができるとともに、柔軟に形成することができる。
【0042】
シート状吸収体に用いられる不織布は液透過性であり、そのような不織布としては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維;ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維を界面活性剤で親水化したものを用いればよい。シート状吸収体に用いられる不織布としては、比較的薄くて柔軟性の高い不織布が好ましく、例えば、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、またはSMS不織布を用いることが好ましい。
【0043】
弾性部材としては、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の使い捨ておむつ等の吸収性物品に通常用いられる弾性伸縮材料が用いることができる。弾性部材は、伸張状態でホットメルト接着剤、熱接着、超音波接着等の接合手段で固定されることが好ましい。例えば、繊度100〜2,500dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1〜5.0倍に伸張して配設し、固定する。接合手段としては、好ましくは、ゴム系のホットメルト接着剤である。
【0044】
吸収性物品がオープン型使い捨ておむつである場合、止着部と止着対応部としては、フック・ループ・ファスナーや粘着剤等が用いることができる。例えば、止着部と止着対応部の一方にフック・ループ・ファスナーのフック部材が設けられ、他方にフック・ループ・ファスナーのループ部材が設けられる態様、止着部と止着対応部の一方に粘着剤が設けられ、他方にプラスチックフィルムが設けられる態様等が示される。ループ部材としては不織布を用いてもよく、この場合、止着部または止着対応部を不織布で構成してもよい。また、止着部と止着対応部の一方にプラスチックフィルムを設ける場合は、止着部または止着対応部をプラスチックフィルムで構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1: 吸収性物品
2: アウターシート
3: プリーツ部
4: 山折り
5: 谷折り
7: 固定部
8: サイドシート
9: 弾性部材
13: 吸収体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向と幅方向を有するアウターシートと、
前記アウターシートの肌面側に設けられた吸収体と、
前記アウターシートの前記幅方向の両側の肌面側に設けられたサイドシートとを有する吸収性物品であって、
前記アウターシートは、前記長手方向に折り畳まれることにより山折りと谷折りが形成されたプリーツ部を有し、前記プリーツ部は前記幅方向の両端が固定され、
前記サイドシートは、前記幅方向の内方部分に前記長手方向に延びる弾性部材が設けられ、
前記吸収体は、前記アウターシートの前記プリーツ部以外の部分に形成された固定部に固定されていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記アウターシートは、前記固定部の前記長手方向の両側に、前記プリーツ部が各々設けられている請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記各プリーツ部は、前記固定部に近い側に山折りが形成されている請求項1または2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記アウターシートは、前記プリーツ部の折り畳みを展開することにより、前記長手方向に最大で1.05倍以上1.40倍以下長くなるように形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−90757(P2013−90757A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234291(P2011−234291)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】