説明

吸収性経口摂取剤ならびに製造および使用の関連方法

架橋ポリカルボン酸部分から成る群の中から選択される超吸収性ポリマーハイドロゲル(SAPH)の形の一時的な胃膨張剤の食前摂取によって行われる食欲抑制および体重管理について説明する。摂取形の超純粋調製物の好ましい組成物および製造方法はもちろんのこと、SAPH物質の使用、用量および投与;販売および送達の好ましい方法についても説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年2月5日出願のU.S. Provisional Application Serial No. 61/026,183;名称:Polymeric Agents and Associated Methods of Use for Appetite Suppression and Weight Management;および2008年6月6日出願のU.S. Provisional Patent Application Serial No. 61/059,420;名称:Ingestible SAPH Mixtures with Improved Water-Swelling Characteristics;および2009年2月4日出願のU.S. Patent Application Serial No. 12/365,447;名称:Absorbent Ingestible Agents and Associated Methods of Manufacture and Useに対する優先権の利益を請求する;これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み入れられている。
【0002】
技術分野
本発明は、胃環境で大量の水を吸収可能であり、食欲を最大限に抑制して、それゆえ短期での減量はもちろんのこと、長期にわたる体重管理も補助するように設計された一時的な食前胃膨張剤としての使用に好適である、吸収性ポリカルボン酸ポリマーの摂取形の組成物および投与方法に関するものである。
【0003】
背景技術
肥満および過剰な体重増加の広まりは、新たに生じた世界的な流行として幅広く認識されてきた。世界保健機関が最近公表したデータにより、2007年に16億人の人々(4人に1人)が過体重または肥満であったことが推定されている。このうち4億人が小児であった。現代社会は、過体重に関連する多くの生命を脅かす疾患およびしばしば致死的な疾患の管理に関連する制御不能な医療費の負担の下で崩壊しつつある、過度の負担を負った医療制度の関連コストのために力を失っている。2型糖尿病、特定の癌、脳卒中、高血圧、加齢性眼疾患は、心臓病、肝臓病および腎臓病と共に、この集団を苦しめている著しく蔓延した合併状態である。
【0004】
体重管理はかつて、単なる虚栄心の問題と見なされていた。今や体重管理は、空前の規模の健康危機へと拡大した。現在、数千もの製品や技術が商品化されて、過体重や肥満の人々が減量および体重管理する目標に向けて支援している。しかし残された食後空腹感の問題は、大半のカロリー制限食および減量計画の未解決および根本的な問題のままである。最善の意図にもかかわらず、「肥満との戦い」に勝つことはまれである。その失敗の原因としては、体重維持を専門とする多くの冗長はホルモン系によって体重制御が調節されるという事実に存する。さらにヒトの生理機能におけるカロリー制限によって、「空腹」痛、頭痛、悪心および他の欠乏感の発生が引き起こされ、それらはあまりに重篤であることが多く、大半の食事療法者はその意志の力のみを行使するだけでは、その食に対する衝動を制御することはほぼ不可能となる。
【0005】
胃が実際には食物で満たされていないときに、「満足」感または満腹感を高めるために多くの試みがなされてきたが、提案された各手段は所望の実用的な成功レベルに到達することの難しさに直面してきた。高繊維食品は、膨満感の大幅な上昇、腹部不快感および排泄量の増加を引き起こす、かなりの量の物質の消費を必要とする。中枢神経系刺激薬は、重篤および時として致命的な副作用を有する。増粘剤およびレオロジー修飾剤は、最小限の有効性を有する。外科的処置は、有効であることが多いが、危険で非常に費用がかかる。
【0006】
したがって当分野には、個人が減量するためにカロリー摂取を低減できるようにすると同時に、過食の再発に至る残存する空腹感も最小限に抑える、安全および有効な組成物および方法に対する継続的な要求が存在する。本発明は、当分野におけるこれらの要求の1つ以上への対処を試みる。
【0007】
概要
本発明は、空腹感管理の分野、特に減量および体重管理のための摂取組成物および方法に関するものである。ある態様において、本発明は、いったん摂取されると、残存する空腹感を低下させてまたは存在させずにその食事分量を減少させることによりそのカロリー摂取の低下に努めている人において、胃容積を機械的に占有することおよびまたは満腹感を制御するホルモン環境を変更することによって、食欲の一時的な抑制および/または早期満腹感の促進を補助する、超高純度の生体不活性高吸収性ポリマーハイドロゲル(SAPH)または胃膨張剤組成物を含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、ポリマーが胃環境で水を吸収する摂取型高吸収性ポリカルボン酸ポリマーの有効量を個人に投与するまたは消費することを含む、食欲を制御する方法を含む。ある態様において、方法は、本発明のSAPHまたは膨張性組成物を食欲を抑制するための一時的な食前胃膨張剤として投与することを含み、したがって個人の体重管理を補助および/または早期満腹感を促進する。なお他の態様において、本発明は、本発明のポリカルボキシラート組成物の有効量を個人に投与するまたは消費することを含む、個人のカロリー摂取を低減する方法に関する。
【0009】
本明細書に記載する態様または実施形態のいずれかにおいて、本発明のSAPHまたは膨張性組成物の有効量は、単位調剤形態で、および当業者に公知であるまたは公知になる任意の製薬的に許容される調剤形態で少なくとも1日1回投与もしくは摂取され得る、食品添加または栄養補助組成物として供給され得る。さらに栄養補助食品は、たとえば経口、経腸、非経口、静脈内、経皮、鼻内、直腸、局所、経膣などの当業者に認識された任意の製薬的に許容される経路によって投与することができる。好ましい実施形態において、本発明の栄養補助食品は、たとえばカプセル剤、錠剤、カプレット剤、軟ゲルカプセル剤、放出制御錠、粉剤、液剤、液体またはゲル充填カプセル剤などでの、少なくとも1日1回の個人による経口投与または消費に適した単位調剤形態である。
【0010】
本発明に含まれるSAPH組成物のさらなる態様および利点は、以下の説明、非制限的な実施例、および請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の例示的なSAPH組成物(PREE(商標)として市販)の摂取に対する参加者の応答に関連する臨床試験データのグラフ図。参加者は、朝食、昼食および夕食の各時点でのPREE(商標)に対するその応答を評価するように求められた。
【図2】本発明の例示的なSAPH組成物(PREE(商標)として市販)の摂取に対する参加者の応答に関連する臨床試験データのグラフ図。参加者は、PREE(商標)の総合的な複合スコアを、これらの感覚を減量に変換するその能力と組合された、1日の3回の食事の各時点で食事分量を減少させて、空腹感を制御するその能力に関して提供するように求められた。これらの基準に基づいて、参加者はPREE(商標)を:a)有効でない:期間の13.3%;b)中程度有効:期間の45.3%;およびc)非常に有効:期間の41.3%として評価した。
【図3】本発明の例示的なSAPH組成物(PREE(商標)として市販)の摂取に対する参加者の応答に関連する臨床試験データのグラフ図。応答参加者は、その通常の食事量からの減少パーセントでの、その食事分量減少の程度を測定するように求められた。
【図4】本発明の例示的なSAPH組成物(PREE(商標)として市販)の摂取に対する参加者の応答に関連する臨床試験データのグラフ図。すべての試験関連副作用の発生頻度を記録した。
【図5】本発明の例示的なSAPH組成物(PREE(商標)として市販)の摂取に対する参加者の応答に関連する臨床試験データのグラフ図。参加者の減量を促進するPREE(商標)の能力を測定した。
【0012】
詳細な説明
本発明は、本発明のSAPH組成物の驚くべきおよび予想外の膨潤特徴に関するものである。このように本発明のSAPH組成物は、栄養補助食品または減量/体重管理組成物として好都合および効果的である。特に、本明細書に記載する組成物は、驚くべきおよび予想外に有益な胃膨潤特徴を与え、この特徴により組成物は食品分量の制御のための食品添加物または補助栄養食品として有用となり、空腹感が弱められ、ならびに減量が促進され、および/または体重管理が容易になる。
【0013】
本明細書で使用するように、「超吸水性樹脂ハイドロゲル」、「ポリマーハイドロゲル」、「SAPH」、「SAPH材料」、「SAPH組成物」、「吸収性摂取剤」、「膨張性組成物」と「胃膨張剤」という用語、およびその組合せは、発明の組成物および方法に関して互換的に使用される。
【0014】
摂食および体重維持に対する生理学的制御は、高度に冗長性である。実際に、多数の複雑なシグナル伝達経路が進化的に保存されて、人体を体重変化―特に減量―から保護してきた。これらの補償機構は、相互作用的であり、重複している。結果として、減量を達成するために設計された食事方法および医学的方法は、歴史的に不十分な結果をもたらし、一時的に成功するときでも持続するのは困難である。このようなものとして、個人の食欲を調節および/または抑制するのに有用な組成物および方法を本明細書に記載する。本発明のある方法において、本発明の組成物は、ボディマス;すなわち体重の減少のために単位調剤形態で個人に投与また摂取される。
【0015】
本願は、2008年2月5日に出願された.S. Provisional Application Serial No. 61/026,183;および2008年6月6日に出願されたU.S. Provisional Patent Application Serial No. 61/059,420の利益を請求する;その開示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0016】
いくつかの周辺のシグナル伝達経路がエネルギーホメオスタシスを調節することが公知である(表1を参照)。インスリンおよびレプチンは、体脂肪質量に応じて循環して、視床下部内の受容体に作用して食欲を減退させるホルモンである。減量中に体脂肪質量が減少するとき、インスリンおよびレプチンレベルが下降して、食欲および体重増加を強く刺激する。別の制御ホルモンであるグレリンは、胃上皮によって主に産生されて、食欲および摂食を刺激するように思われる。グレリンレベルは体重に反比例して、肥満の人々は低いグレリンレベルを示す。食事誘発性減量はグレリンレベルを上昇させることが示されており、グレリンが食欲およびエネルギー摂取を刺激することによってこのような減量に対抗する役割を果たし得ることが示唆される。
【0017】
グレリンは主に胃上皮細胞で見出されるが、脳および視床下部の各種の部位でも見出される。食前のグレリンレベルは非常に高く、これにより脳細胞を刺激して、我々に食事すべきであることを伝えさせる。食後には、このホルモンのレベルは相当低下する。グレリンの効果に対抗するホルモンの1つがレプチンである。レプチンは脂肪組織によって放出され、それが視床下部神経細胞に飽和信号を与えるために、「満腹ホルモン」であるように作用する。レプチンは高い血漿レベルでは、食物消費の数時間後であっても満腹感を誘起する。
【0018】
レプチンと同様に、グレリンと同じ上皮細胞によって産生されるオベスタチンと呼ばれる食欲遮断ホルモンも空腹感を下方調節する。オベスタチンレベルが上昇すると、脳の満腹中枢への受容体シグナル伝達がそれゆえ空腹感覚を低下させる。さらに食物摂取は、弓状核のメラノコルチンおよびニューロペプチド(Y)(NYP)系を含むさらなるCNS受容体によって調節される。推定上の抑制性シナプス前受容体であるNPY Y2受容体(Y2R)は、末梢ホルモンが接近可能である、弓状核のNPYニューロンで発現される。Y2RアゴニストであるペプチドYY(3−36)(PYY(3−36))は、食事のカロリー含有量に応じて食後に(すなわち食事を食べた後に)消化管から放出されて、食欲を抑制する。
【0019】
【表1】

【0020】
歴史的に摂取型架橋ポリカルボン酸は、たとえば製薬、食品接触および化粧品業界において多種多様の用途を有してきた。しかし従来のポリアクリレートは、小さい膨潤比を達成するだけである。しかし功奏する胃膨張剤は、好ましくは水吸収1グラムに対して少なくとも200倍グラム超の、さらに好ましくは水吸収1グラムに対して少なくとも350倍グラム超の、最も好ましくは水吸収1グラムに対して少なくとも500倍グラム超の、胃環境内で発生可能である実質的により高い膨潤比を示す必要がある。
【0021】
胃膨張剤として使用するために合成SAPH材料を利用するには、すべて本発明で開示されるような:a)適切な組成物の一体化されたおよび商業的に合理的な組合せを特定すること;b)摂取目的のための法的要件を満たすであろう簡単なおよびコスト効果的な製造方法;c)正しい投与経路;d)理想的な送達方法、およびe)適正な投薬計画を含む、当分野で公知のいくつかの問題を克服することが必要である。
【0022】
現在利用可能な膨張剤、たとえばカルシウムポリカルボフィルは、最終製品の膨潤があまりに少なくまたはあまりに遅く、食事の前に水と共に摂取するように設計された食前胃膨張剤として許容されないために、本使用には不適切であることが判明している。この理由で、これらの物質は膨張性下剤としての摂取形で現在商品化されており、本発明の所期の目的の所望の副作用とは明らかに見なされない緩下剤効果を有する。さらにカルシウムポリカルボフィル剤は、軽度の粘膜付着性向を有し、このことがその体重を減少または管理しようとしている本発明の過体重ユーザによって合理的に消費されるであろう他の食品、栄養素、医薬品または他の製品の同時摂取を潜在的に妨害する可能性がある。
【0023】
従来の胃膨張剤が直面している他の課題は、その製造時に発生するSAPH物質中の望ましくない毒性または発癌性副生成物または汚染物質が、すなわち残留溶媒(Scheurerはもっぱらベンゼン除去に焦点を合わせた)、およびさらに言及すれば、残留モノマー、または残留低分子量オリゴマー、またはこのような物質を摂取型製品としての所期の用途に全く適さないようにするであろう残留重金属が過剰に存在することを含む。その上、望ましくない汚染物質の濃度が過剰であることは、効果的な一時的な食前胃膨張剤の適応を提供するために摂取が必要であるSAPH物質が比較的大量であるために、さらになお望ましくない。
【0024】
本発明は、現在公知の膨張剤を超えるいくつかの驚くべきおよび予想外の利点を提供する。たとえば摂取型物質は、毒性、安全性、発癌性、製造容易性、純度および環境基準に関する厳密な法的要件を絶えず満たす必要がある。さらにSAPH物質は、減量/体重管理ツールとして使用される胃膨張剤として使用するために、規定当局によって承認されなければならない。一般のハイドロゲルの製造および本発明のSAPHに関して:a)重合および架橋の原材料;b)溶媒、およびc)製造用薬剤および方法の選択は、本発明によって行われるように、摂取剤としての最終製品を考慮してそれぞれ選ぶ必要がある。通例、所望の最終製品中の3つのクラスの望ましくない汚染物質それぞれ1つ:a)残留モノマーおよび低分子量オリゴマー;b)残留溶媒、またはc)残留重金属汚染物質を除去するために、追加のまたは第2の操作を実施する必要がある。しかし本発明は、3つの形の望ましくない不純物すべてを法的審査およびそれゆえ商業的実現可能性を満たすほど十分に低いレベルまで同時除去することを含む、単一の統合された方法を含む。
【0025】
またはSAPH物質は、規定された目的のための好都合な摂取形;すなわちカプセル剤またはゲルカプセル剤と同時に摂取された遊離水を吸収する急速吸収性SAPHと共に、非組合せ減量または体重管理ツールとして使用したときの、理想的な高速溶解カプセル剤またはゲルカプセル剤で提供されねばならない。急速なカプセルの溶解およびSAPHの吸収は、遊離水が胃内でのその胃吸収または小腸への移送の前にSAPHに吸収されるために必要であり、小腸ではSAPHは本発明の目的のためのその有効性を失う。
【0026】
次に、SAPH物質は、空腹感制御/体重管理に有効であるために、早期満腹感を促進するために十分な容積膨張を提供すべきである。ある実施形態において、本発明のSAPH組成物の容積膨張は、水吸収1グラムに対して少なくとも200倍グラム超の;水吸収1グラムに対して少なくとも350倍グラム超の;水吸収1グラムに対して少なくとも500倍グラム超である。
【0027】
ある実施形態において、本発明のSAPHまたは膨張性組成物は、約100nm〜約1mmの平均膨潤前粒径または粒度を有する。栄養補助食品/体重管理組成物にSAPH物質の多少の微粉または細粒を包含させることが、容量膨張および/または膨潤速度の少なくとも1つを上昇させるのに好都合であることが予想外に見出された。しかし細粒の量は、望ましくない腫脹効果を避けるために慎重に制御する必要がある。言い換えれば、細粒の重量パーセンテージがあまりにも高い場合、胃への正味の水流入量のために膨張性下剤効果が発生し得る。したがって、ある実施形態において、本発明のSAPHまたは膨張性組成物は、約0.5重量%〜約25重量%の細粒を含む。本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、細粒は、約0.5ミクロン〜約50ミクロンの膨潤前粒径または粒度を有し得る。あるさらなる実施形態において、SAPH組成物は約1重量%〜約5重量%の微粒子を含む。本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、細粒は約1ミクロン〜約25ミクロンの平均粒度を有し得る。またさらなる実施形態において、本発明のSAPH組成物は、複数の平均膨潤前粒度を有する粒子または粒を含む。特定の粒径の数値および分布は、所望の容量膨張、膨潤速度、および/または単位投薬サイズを含むいくつかの考慮事項に応じて選択されるであろう。粒子または粒(gains)は、任意の所望の孔径、たとえば1mm、900ミクロン、800ミクロン、700ミクロン、600ミクロン、500ミクロン、400ミクロン、300ミクロン、200ミクロン、100ミクロンまたはそれ未満のメッシュふるいで分離できる。例示されたサイズの間に存在するメッシュサイズはすべて、明示的に意図される。ある実施形態において、本発明のSAPH物質は、(SAPH物質の総量の重量の)約0%〜約5%の850ミクロンメッシュで分離された粒子;約5%〜約20%の500ミクロンメッシュで分離された粒子;約25%〜約90%の180ミクロンメッシュで分離された粒子;および約1%〜約15%の106ミクロンメッシュで分離された粒子;および約0.5%〜約5%の約1ミクロン〜25ミクロンの平均径を有する細粒を含む。
【0028】
また空腹感制御/体重管理に有効であるために、SAPH物質は、独自の様々に変化するpH、および生理的温度における塩分範囲から成る胃環境でその作用を提供可能でなければならない。さらにSAPH物質は、ハイドロゲルが体の消化管を通過する間に生体不活性を維持するように、非消化性でなければならない。同様に体は、物質が効果的な食前胃膨張剤の目的に足りる時間にわたって胃管腔内に保持されるようにするために、SAPHを粒子状物質として認識する必要があるであろう。上の特徴は、本発明のSAPH組成物の1つ以上の実施形態によって満たされる。ある実施形態において、本発明のSAPH組成物は、SAPHの最終水膨潤形で約0.5mm〜2mmの平均膨潤粒径を示す。
【0029】
本発明のSAPH組成物の1つ以上の実施形態において、SAPH物質は、単なるハイドロゲルスポンジではなく、保水性高分子電解質ハイドロゲルであるため、吸収された水は消化管通過中に放出されないであろう;SAPH物質は吸収性でもなく、消化(GI)管からの他の物質も吸収せず;蠕動作用に耐えるのに十分な強靭性で、大きい粒径のまま残存して通過中の膠質浸透圧変化を防止し;容易にGI管から排除することが可能であり、口腔および消化管内面に付着するはずがなく;生体適合性、またはさらに好ましくは生体不活性であり、GI通過中に生体不活性のままである。
【0030】
本発明によって提供されるさらなる利点は、a)生態系または環境に対する危険ではないこと;b)特に、製品の保存寿命の間にて他の賦形剤による劣化または酸化の可能性を最小限に抑える必要がある、カプセル化実施形態に低コストで製造可能であり、易流動性であること;c)速効性であること、ならびにd)好都合なおよび非侵襲性の作用機構を提供することの1つ以上を含む。
【0031】
したがって一態様において、本発明は、胃受容体に対するシナプス前機械刺激を促進するために食前胃容量を生成または模倣する組成物に関する。本発明の組成物の消費によって、摂食開始の直前、またはちょうど摂食開始時に摂食衝動を低下させて、空腹感を抑制するように時間調節された、これらのホルモンメディエータの1つ以上の放出を支配する自然な生理的応答を誘起する。別の態様において、本発明は、長期にわたって定期的に使用されるときに、これらの複雑なシグナル伝達経路内で進行性の生理的修正を誘発する組成物に関する。結果は、胃知覚機構によって放出された循環ホルモンに応答する中枢神経系受容体によって支配される「満腹閾値」を再設定することによって減量状態を持続して達成するために、長期にわたって体の正常なエネルギー管理の恒常的応答を修正または無効化することである。
【0032】
ある態様において、本発明のSAPH物質は、個人への経口投与または個人による摂取のために調合された1つ以上のハイドロゲル形成ポリカルボン酸化合物を含む。本明細書に記載するSAPHまたは胃膨張性組成物のいずれかにおいて、組成物は約1〜約99重量%の架橋ポリカルボン酸を含むことができる。さらなる実施形態において、胃膨張性組成物は約10%の、または20%の、または30%の、または40%の、または50〜約99重量%の架橋ポリカルボン酸を含む。本発明は、特定された範囲内のすべての量を含む。別の実施形態において,SAPH物質または膨張剤は、ポリアクリル酸またはポリアクリルアミドの架橋ホモポリマー;ポリアクリル酸およびポリアクリルアミドの架橋コポリマー;これらの物質のアルカリ金属塩またはその組合せの少なくとも1つを含む。
【0033】
本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、SAPH物質のポリマーは、1つ以上のエチレン性不飽和カルボン酸;エチレン性不飽和カルボン酸無水物、またはその酸性塩もしくは塩基性塩から調製することができる。さらにポリマーは、SAPH物質へグラフトするための、当分野で公知であるコモノマーを含むことがあり、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸またはその塩、セルロース性モノマー、修飾セルロース性モノマー、ポリビニルアルコールまたはデンプン水解物などのコモノマーを含む。ある実施形態において、本発明のSAPH物質は、約5重量パーセントを超えるモノマー混合物を含むコモノマーを含む。他の実施形態において、SAPH物質は、約10重量パーセントを超えるモノマー混合物を含むコモノマーを含む。他の実施形態において、本発明のSAPH物質は、約25重量パーセントのモノマー混合物を含むコモノマーを含む。
【0034】
本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物モノマーは、たとえば制限なく、アクリル酸、メタクリル酸およびエタクリル酸などのアクリル酸の少なくとも1つを含み得る。他の実施形態において、グラフトまたはコポリマーの例は、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸またはその塩の使用を含み得、セルロース性モノマー、修飾セルロース性モノマー、ポリビニルアルコールまたはデンプン水解物を選択することができる。実施形態において、開始モノマーはアクリル酸、メタクリル酸、またはその塩、たとえばアクリル酸のナトリウム塩である。
【0035】
ある態様において、本発明のSAPH物質は、(ポリ)ビニルまたは非ビニル架橋剤の少なくとも1つをさらに含む。本発明のSAPHの架橋剤として作用することができる、少なくとも2個の重合性2重結合を有する多くのビニル化合物は公知であり、たとえばi)非ビニル架橋剤:ポリマーのカルボキシル基と反応することができる少なくとも2個の官能基を有する薬剤、たとえばグリセリン、ポリグリコール、エチレングリコール、ジグリシジルエーテル、およびアリアミン(aliamines)を含む。これらの化合物のさらなる例は、U.S. Pat. Nos. 4,666,983;5,145,906;および4,734,478に記載されている;その開示は参照によりその全体が本明細書に記載されている。
【0036】
さらなる態様において、本発明はSAPH物質を産生する方法を含む。ある実施形態において、本発明の方法は、流体溶媒の導入前の工程の開始時に重合混合物に非ビニル架橋剤を均一に添加することを含む。本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、非ビニル架橋剤は、ヘキサンジアミン、グリセリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1000またはその組合せの少なくとも1つを含む。別の実施形態において、非ビニル架橋剤は、一般に安全と認識されるとして、そうでなければヒト摂取用途に許容されることがFDAもしくはこのような同様の規制当局により承認され得るとして挙げられたポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600また他のPEG物質の少なくとも1つを含む。
【0037】
存在するすべての架橋剤の総量は、きわめて低濃度の残留モノマー、低分子量オリゴマー、溶媒および他の揮発性有機物質を含む、最終反応生成物から抽出される可能性のある物質はきわめて低濃度で、所望のSAPH物質の良好な吸収能力、荷重下で良好な吸収作用、および高い収率を備えたSAPH物質を与えるのに十分でなければならない。本明細書に記載するように、SAPHのモノマー、コモノマー、架橋剤などは本発明の好ましい製造方法の超臨界二酸化炭素相に優先的に溶解性であるのに対して、ポリマーおよびハイドロゲルは溶解性でないことが所望である。軽度に架橋された用途では、架橋剤は存在する重合性モノマーの量に基づいて、少なくとも約500ppm;約2500ppm;または約5000ppmwの量で存在し得る。より重度に架橋された用途では、架橋剤は、存在する重合性モノマーの量に基づいて、約50,000ppmw以下の;約25,000ppmw以下の;または約10,000ppmw以下の量で存在し得る。
【0038】
(ポリ)ビニル架橋剤と非ビニルおよびまたは2方式(dimodal)架橋剤のブレンドを利用する本発明のこのような実施形態において、3種類の架橋剤すべての溶媒和は本質的に相加的である。すなわち1つの架橋剤の量を増加させる場合、別の量を減少させて超臨界流体相において同じ総溶媒和を維持する必要がある。さらにブレンド中の架橋剤成分の割合を変化させて異なるSAPH特性および加工特徴が達成され得る。胃環境内でその作用を生じさせなければならない摂取材料にとっては、このことは特に重要である。架橋剤ブレンド全体で(ポリ)ビニル架橋剤があまりに少量を構成している場合、重合したハイドロゲルは容易に細砕、加工、および乾燥されるための十分な靭性を有さないことがある。この理由で、架橋剤ブレンド全体の(ポリ)ビニル架橋剤の割合は好ましくは、容易に細砕、加工、および乾燥されるのに十分な靭性を有するハイドロゲルを産生するために少なくとも十分である。この靭性は、乾燥後ではあるが熱処理前にはSAPH物質の遠心分離容量と反比例する。このレベルの靭性を達成するためにブレンド中で必要な架橋剤の正確な量は、SAPH物質の好ましい最終使用目的に応じて変化するであろう。
【0039】
使用したSAPHの膨潤比に応じて、非組合せ形式およびいくつかの組合せ形式における本発明の摂取SAPHの実際の量は、好ましくは1用量当り少なくとも250ミリグラムさらに好ましくは1用量当り少なくとも500ミリグラム、および最も好ましくは1用量当り少なくとも750ミリグラムであり、食事の30〜60分前に6〜12オンスの水と共に投与される。
【0040】
本発明のさらなる態様は、単位用量中の本発明のSAPH組成物の有効量を投与または消費することを含む、食欲を制御する方法に関し、ここでSAPHは食欲を制御するのに有効である。別の実施形態において本発明は、単位調剤形態中の本発明のSAPH組成物の有効量を、食欲を抑制して、したがって個人の減量および/もしくは体重管理を補助する、ならびに/または早期満腹感を促進するための一時的な食前胃膨張剤として、投与または摂取することを含む、個人の体重を減少させる方法を含む。また他の態様において、本発明は、本発明のポリカルボキシラート組成物の個人への投与もしくは個人による摂取または消費を含む、個人のカロリー摂取を低減する方法に関する。
【0041】
「有効量」、「有効用量」、「治療的有効量」、または「製薬的有効量」は、発生を予防する、抑制する、処置する(症状をある程度まで、好ましくはすべての症状を軽減する)ためにまたは生物における所望の生理的変化を発生もしくは促進するために必要な用量である。有効量は、状態または疾患の種類、使用した組成物、投与経路、処置される哺乳動物の種類、考慮される特定の哺乳動物の身体的特徴、同時投与される薬剤、および当業者が認識するであろう他の因子によって変わる。一般に、請求された成分の0.1mg/kg〜1000mg/kg体重/日の量がSAPHの有効性に応じて投与/摂取される。さらに本発明の組成物の有効量は、所期のまたは所望の生物学的効果を促進するために実施例で利用されるこれらの量を含む。
【0042】
このような化合物の毒性および治療有効性は、たとえばLD50(集団の50%が死亡する用量)およびED50(集団の50%で治療的に有効な用量)を決定するために、細胞培養物または実験動物において標準薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比が治療指数であり、これは比LD50/ED50として表すことができる。
【0043】
本明細書に記載する態様または実施形態のいずれかにおいて、本発明の栄養補助食品組成物の有効量は、少なくとも1日1回、当業者に公知のまたは公知となる任意の製薬的に許容される調剤形態で投与または摂取され得る。さらにSAPHは、たとえば経口、経腸、非経口、静脈内、経皮、鼻内、経直腸、非経口、経膣などの当業者によって認識される任意の製薬的に許容される経路によって投与することができる食品添加剤または栄養補助食品として提供され得る。好ましい実施形態において、SAPHは、本発明の食品添加剤または栄養補助食品として提供され、少なくとも1日1回、たとえばカプセル剤、錠剤、カプレット剤、軟ゲルカプセル剤、制御放出錠剤、粉剤、液剤、液体またはゲル充填カプセル剤などでの個人による経口投与または消費に適した単位調剤形態である。
【0044】
本明細書に記載する任意の実施形態において、本発明の組成物は、任意の数の製薬的に許容される賦形剤と共に投与することができる。本明細書に記載するSAPHまたは膨張性組成物の実施形態のいずれかにおいて、組成物は約0.01〜約80重量%の賦形剤を含有し得る。ある実施形態において、SAPHまたは膨張剤組成物は、約0.01%〜約5%、または10%、または15%、または20%、または25%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70重量%の賦形剤を含む。本発明は、特定された範囲の間に生じるすべての値を意図する。本発明の1つ以上の組成物は、1つ以上の非毒性の製薬的に許容される担体および/または希釈剤および/またはアジュバント、および所望ならば他の活性成分と共に存在することが可能である。本発明の製薬組成物は、たとえば錠剤、トローチ剤、口内錠、水性または油性懸濁剤、分散性粉剤または顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤としての経口使用に好適な形であることが可能である。
【0045】
好ましい実施形態のいずれかにおいて、本発明の組成物は以下の少なくとも1つ:安定剤もしくは担体、たとえばセルロース、ステアリン酸マグネシウム、シリカ;脂質;油;塩;酸;塩基;乳化剤;賦形剤;香味剤;またはその組合せも含む。本発明の不活性マトリクスは、以下の少なくとも1つ:セルロース繊維(BH 200として)、マグネシウム(ステアリン酸マグネシウムとして)、およびシリカを含む。ある実施形態において、本発明の組成物は、セルロース繊維約0.01mg〜約1000mgを含む。他の実施形態において、本発明の組成物はL−ロイシン約0.01mg〜約1000mgを含む。
【0046】
経口使用向けの組成物は、製薬組成物製造の分野で公知の任意の方法に従って調製することが可能であり、このような組成物は、製薬的に的確および口当たりのよい調製物を提供するために、1つ以上のこのような甘味剤、香味剤、着色剤または保存剤を含有することができる。カプセル剤、錠剤またはゲルカプセル剤は、カプセル剤、錠剤またはゲルカプセル剤(すなわち軟ゲルカプセル剤)の製造に好適である非毒性の製薬的に許容される賦形剤と混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤はたとえば希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、たとえばコーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、たとえばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、および潤滑剤、たとえばL−ロイシン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであることができる。
【0047】
ある実施形態において、SAPHまたは膨張性組成物は約0.01〜約20.00重量%のステアリン酸を含む。さらなる実施形態において、SAPHまたは膨張性組成物は約0.01〜約10.00重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。またさらなる実施形態において、SAPHまたは膨張性組成物は約0.01〜約20.00重量%のケイ酸マグネシウム(すなわちタルク)を含む。
【0048】
疎水性賦形剤、たとえば,界面活性剤、乳化剤、脂質、洗剤、潤滑剤などはいくつかの例において、SAPHまたは膨張性組成物膨潤の速度を遅延させることができる。したがって本発明は、賦形剤が親水性である実施形態も考慮する。親水性賦形剤が胃環境内でのSAPHハイドロゲルのより急速な流体吸収を可能にする(すなわちより高速な膨潤を可能にする)と考えられる。したがってあるさらなる実施形態において、SAPHまたは膨張性組成物は、親水性賦形剤、たとえばアミノ酸賦形剤、たとえばロイシンまたはL−ロイシンを含む。
【0049】
ロイシン(LeuまたはLとして省略される)は、化学式HOCCH(NH)CHCH(CHの・−アミノ酸である。ロイシンは必須アミノ酸であり、このことはヒトがロイシンを合成できないことを意味する。ロイシンは炭化水素側鎖を有し、疎水性アミノ酸として分類される。ロイシンはイソブチルR基を有する。ロイシンは、フェリチン、アスタシンおよび他の「緩衝」タンパク質のサブユニットの主要な成分である。必須アミノ酸のロイシンは動物では合成されず、それゆえ通常はタンパク質の成分として摂取する必要がある。ロイシンは植物および微生物で、ピルビン酸から開始する複数のステップを介して合成される。ロイシンは、筋肉タンパク質の合成を増強することによって、筋肉組織の分解を遅延させることが見出されている。ロイシンは肝臓、脂肪組織、および筋肉組織で利用される。脂肪および筋肉組織において、ロイシンはステロールの形成で使用され、これらの2つの組織でのロイシンの組合で使用は、肝臓でのその使用の7倍の大きさである。L−ロイシンは食品添加剤としてE番号E641を有し、香味増強剤として分類される。ロイシンがラットの脳に直接注射された研究において、ラットの食欲は減退した。ラットに対する複数の研究による証拠は、ロイシンが骨格筋でのタンパク質合成に関与して、筋肉分解を遅延させることを示唆している。さらにロイシンは、胃に存在する環境などの水性環境で急速に溶解する。特に微粉化ロイシンは、ボディービルダーが筋肉の発達を改善するために摂取する公知の栄養補助食品であり、水にほぼ瞬間的に溶解する。微粉化ロイシンは、触ると滑らかまたは「すべすべ」感を示す粉末であり、本発明の組成物の潤滑調合物と同様に挙動することができる。
【0050】
本発明のSAPHまたは膨張性組成物にロイシンを添加すると、ポリマーハイドロゲルのより高速の膨潤が可能となり、食欲調節および筋肉量がさらに増強されるため、本発明の組成物と共に調合および投与されるときに驚くべきおよび予想外の相乗効果が生じる。ロイシンを使用することのさらなる利点は、その低いコスト、入手可能性、食品添加剤としての安全性およびGRAS状態、ならびに純度を含む。特に微粉化L−ロイシンはただちに入手可能であり、本発明の製剤での使用に適している。本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、本発明のSAPHまたは膨張性組成物は、約0.5%〜約50%のロイシン、またはL−ロイシン、または微粉子化L−ロイシン、またはその組合せの少なくとも1つを含む。あるさらなる実施形態において、本発明のSAPHまたは膨張性組成物は、約1%〜約15%のロイシン、またはL−ロイシン、または微粉子化L−ロイシン、またはその組合せの少なくとも1つを含む。さらなる実施形態において、本発明のSAPHまたは膨張性組成物は、約5%のロイシン、またはL−ロイシン、または微粉化L−ロイシン、またはその組合せの少なくとも1つを含む。
【0051】
カプセル剤、錠剤またはゲルカプセル剤は、コーティングしないことが可能であるか、またはそれらは公知の技法によってコーティングすることができる。いくつかの場合において、このようなコーティングは、消化管での分解および吸収を遅延させて、それによってさらに長期間にわたる持続作用を提供するための公知の技法によって調製することができる。たとえば時間遅延物質、たとえばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを利用することができる。
【0052】
経口使用のための製剤は、有効成分が賦形剤または不活性固体希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセル剤として、または活性成分が水または油媒体、たとえばラッカセイ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセル剤として使用することもできる。さらに実施形態のいずれかにおいて、本発明の組成物は希釈剤、または他の添加剤、たとえば結合剤、充填剤、助剤、増粘剤、香味剤、ガム、着色剤、保存料、安定剤、調節剤、乳化剤、流動剤、潤滑剤、吸収剤などまたはその組合せをさらに含み得る。また別の実施形態において、本発明の組成物は食物繊維補助食品、たとえばセルロース、グルコマンナン、オーツ麦ブランまたは他の天然繊維源を含み得る。本発明は、製薬的に許容される担体または希釈剤中に所望の化合物の製薬的有効量を含む、貯蔵または投与のために調製された組成物を含む。治療使用のために許容される担体または希釈剤は製薬界で周知であり、たとえば、参照により本明細書に組み入れられている、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。たとえば保存料、安定剤、染料および香味剤を提供することができる。これらは安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステルを含む。さらに抗酸化剤および懸濁化剤も使用できる。
【0053】
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に好適な賦形剤と混合された活性物質を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、たとえばカルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムである;分散化剤または湿潤剤は、天然発生型ホスファチド、たとえばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、たとえばステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪アルコールとの縮合生成物、たとえばヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、たとえばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物、たとえばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであることができる。水性懸濁剤は、1つ以上の保存料、たとえばp−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、および1つ以上の甘味剤、たとえばスクロースまたはステビア(登録商標)などの他の天然甘味料も含有することができる。
【0054】
油性懸濁剤は、植物油、たとえばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油に、または鉱油、たとえば流動パラフィンに活性成分を分散させることによって調合することができる。油性懸濁剤は、増粘剤、たとえばミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することができる。甘味剤および香味剤を添加して、味の良い経口調製物を提供することができる。これらの組成物は、抗酸化剤、たとえばアスコルビン酸またはアルファ−トコフェロールの添加によって保存することができる。
【0055】
水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な分散性粉剤および顆粒剤は、分散化剤または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存料と混合した活性成分を提供する。好適な分散化剤もしくは湿潤剤または懸濁化剤は、すでに上に挙げたものによって例示される。さらなる賦形剤、たとえば甘味料、香味料および着色剤も存在することができる。本発明の製薬組成物は、水中油型乳剤の形でもよい。油相は植物油もしくは鉱油またはこれらの混合物であることができる。好適な乳化剤は、天然発生型ゴム、たとえばアラビアゴムまたはトラガカントゴム、天然発生型ホスファチド、たとえばダイズ、レシチン、および脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、たとえばモノオレイン酸ソルビタン、ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、たとえばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであることができる。乳剤は甘味料および香味剤も含有することができる。
【0056】
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、たとえばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコールまたはスクロースを用いて調合することができる。このような製剤は、粘滑剤はもちろんのこと、保存料および香味料および着色剤も含むことができる。製薬組成物は滅菌注射用水性または油性懸濁剤の形が可能である。この懸濁剤は、上で挙げたこれらの好適な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知の技術に従って調合することができる。滅菌注射用調製物は、たとえば1,3−ブタンジオール溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用液剤または懸濁剤であることが可能である。特に利用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに滅菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣例的に利用されている。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油を利用することができる。さらに脂肪酸、たとえばオレイン酸は注射剤調製物に用途を見出している。
【0057】
1953年8月にBrownに付与されたUS Pat. No. 2,649,439から始まって、上の出願人によって広範囲に開示されたような従来技術の多くの例が、SAPHポリマー物質の製造について記載している。BrandtはU.S. Pat. Nos. 4,654,039およびRe. 32,649で、SAPH樹脂の調製工程およびこのような物質への公知の架橋剤の使用を開示している。基本工程の変形は、GB Patent 2,119,384で教示されており、そこでは先に重合した吸収性樹脂粉末を架橋剤、好ましくはポリアルコール、溶媒および水を混合して樹脂表面をコーティングして、90〜300℃の範囲の温度まで加熱して表面を架橋する重合後表面架橋工程が開示されている。U.S. Pat. No. 5,506,324は、エチレンオキシド鎖のヒドロキシル部分当り2〜8個のエチレンオキシド単位によってエトキシル化されているC2−10多価炭化水素を使用して架橋される、カルボキシル部分を含有するポリマーを含むポリマー樹脂粒子を開示し、ここで各鎖端のヒドロキシ部分はC2−10不飽和カルボン酸またはそのエステルによってエステル化される。好ましい実施形態において、SAPH樹脂粒子は乾燥および分粒の後に熱処理を受ける。
【0058】
SAPH物質の製造への同様の手法の他の多くの例が従来技術に引用されている。しかしそれぞれ、過剰量の残留重金属、およびまたは残留モノマー、およびまたは残留低分子量オリゴマー、およびまたは残留溶媒の形の不純物の存在を有するという問題に悩まされており;これにより最終物質は、本発明で要求されるように好適なSAPHを構築するのに必要な予想量では、ヒトの摂取および消費にはあまりに毒性となり、あまりに発癌性となり、またはそうでなければ規制当局によって許容されなくなる。
【0059】
したがって、毒性または発癌性ではなく、食欲抑制および体重管理を補助する一時的な食前胃膨張を提供する目的で求められる、SAPH物質の推奨投薬量範囲内でのヒトの摂取および消費のために科学的および医学的に許容されるであろう、残留モノマーおよび低分子量オリゴマーの濃度が低下した;残留溶媒の濃度が低下した;および重金属の濃度が低下したSAPH物質を調製する工程を有することが所望である。
【0060】
ゆえに別の態様において、本発明は、SAPH物質がa)低い残留モノマーおよび低分子量オリゴマー濃度;ならびにb)低い残留有機揮発物濃度を含む、低い残留溶媒濃度、ならびにc)低い重金属濃度を有し、それにより食欲抑制および体重管理を補助する一時的な食前胃膨張を提供する目的のための最終物質が非毒性であり、非発癌性であり、およびヒトの摂取および消費が規制当局によって許容されるように、SAPH物質を製造することができる工程に関する。
【0061】
本発明の本態様の実施形態において、工程は(i)(a)1つ以上のエチレン性不飽和カルボキシル含有モノマー、(b)1つ以上の架橋剤、および(c)超臨界流体溶媒から成る重合媒体を含む重合混合物中でモノマーまたはモノマー混合物を重合して架橋ハイドロゲルを形成すること、(ii)望ましくないまたは過剰な濃度の反応生成物を含有する超臨界流体溶媒を排出すること、(iii)ハイドロゲルを樹脂状粒子に粉砕すること、(iv)ハイドロゲルを乾燥させて樹脂状結晶を形成すること、(v)樹脂状結晶を好ましい粒径にメッシュ分類することと;および(vi)樹脂状結晶を熱処理することを含む。
【0062】
ある実施形態において、本発明の方法によって産生されたSAPH物質は、固体ポリマーの重量に基づいて約50ppm未満の;約10ppm未満の;および/または約2ppm未満の累積的な残留モノマーおよび低分子量オリゴマー含有量を含む。残留量は、本発明の実施形態で使用される1日暴露限界が規制されているような特定のモノマーの最大濃度に課された規制基準よりも著しく少ない。
【0063】
ある実施形態において、本発明の方法によって産生されたSAPH物質は、固体ポリマーの重量に基づいて、約50ppm未満の;約10ppm未満の;および/または約1ppm未満の残留有機揮発物およびまたは溶媒含有量を含む。残留量は、本発明の実施形態で使用される1日暴露限界が規制されているような任意の特定の溶媒または有機揮発物の最大濃度に課された規制基準よりも著しく少ない。
【0064】
ある実施形態において、本発明の方法によって産生されたSAPH物質は、固体ポリマーの重量に基づいて、約10ppm未満の;約5ppm未満の;および/または約1ppm未満の残留重金属を含む。残留量は、本発明の実施形態で使用される1日暴露限界が規制されているような任意の特定の金属の最大濃度に課された規制基準よりも著しく少ない。
【0065】
SAP物質から望ましくない製造副生成物および毒性汚染物質の除去を試みるために各種の工程が使用されてきた。たとえば過去には、流動床乾燥機を使用して残留溶媒を低減した。残念なことに、これらの方法は残留溶媒を約10ppm未満に低減することができず、そしてこのような乾燥方法は、現在の規制命令を満たすのに十分な残留溶媒を排除するのに数日かかる可能性がある。さらに乾燥方法は、コストおよび時間の両方がかかる。その上、乾燥方法は揮発性物質のみに有用であり、残留モノマー、低分子量オリゴマーまたは毒性重金属のいずれかの形の不揮発性物質を除去することができない;そしてそれゆえ乾燥方法の単独使用は、SAPHから許容される摂取形を製造するための適切な選択肢として排除されるであろう。
【0066】
第2に、共沸蒸留(AD)技法は多様に記載されており、当業者に周知である。ADはポリマーの水性懸濁剤から有機溶媒を除去するために使用する。しかしAD工程は有機溶媒がある程度の水溶性を有する場合のみに機能し、このことは架橋ハイドロゲルマトリクス物質の多孔性ドメイン内に溶媒が捕捉されているSAPH物質を精製するときには当てはまらないことが多い。重要なのは、AD技法も望ましくない残留モノマー、低分子量オリゴマーまたは重金属を除去するのに有用でないことである。ゆえにAD法は、本発明の好ましい使用のために要求されるように、市販のSAP物質に見出される望ましくない汚染物質を除去するのに好適でないだろう。
【0067】
第3に、有機溶媒を他の有機溶媒によって抽出することができる。抽出剤が水溶性でない場合、次にさらなるステップで抽出剤を除去する必要がある。抽出剤が水溶性である場合、物質を水で洗浄することによって抽出剤を除去することができる。しかし副生成物は除去しなければならない大量の汚染された廃水であるため、工程のコストを著しく上昇させる。その上、ADでは、望ましくない残留モノマー、低分子量オリゴマー、または重金属を除去するためには何も行われない。
【0068】
第4に、有機溶媒は、蒸気処理によって除去することもできる。しかし蒸気の使用は、ポリマー網目の軟化点を超えた場合に、蒸気の激しい熱応力がSAPH物質の多孔性構造を崩壊させるために、技術上の問題を引き起こす。
【0069】
第5に、超臨界流体抽出(SFE)法およびその変形がポリマー精製での独立したステップとして利用されており、そしてこのような方法は従来技術に開示されている。しかし本発明にとって重要なのは、従来技術の開示によって、SAPH物質の製造での有機相溶媒和ステップとして、特に本明細書での意図した使用に関連するようなステップとして含まれている超臨界流体媒体の使用が提供されないことである。本発明に開示した方法のコスト削減の利点、生成物収率、および容易さによって、超純粋SAPH物質の製造の分野での説得力のある改善および発明上の進歩が提供される。
【0070】
第6に、European Patent Publication 505 163は、あるHLBを有する界面活性剤およびビニル性2重結合と反応することができるビニル付加化合物の組合せによってポリマーを処理することを含む、ポリアクリル酸SAPHゲルポリマー中に存在する残留(メタ)アクリル酸を低減する方法に関する。ビニル付加化合物の例は、亜硫酸塩および亜硫酸水素塩を含む。しかしこの方法は、過剰な溶媒または重金属を除去しない。
【0071】
U.S. Pat. No. 5,629,377は、高い吸収値および低い残留モノマーレベルを有するSAPH物質を開示する。物質は、不飽和カルボキシル含有モノマーを塩素または臭素含有酸化剤の存在下で重合することによって調製され、次に好ましくは210℃〜235℃の温度まで加熱されるハイドロゲルを形成する。方法は吸収性を改善するには有効であるが、塩素または臭素含有酸化剤を活性化するために必要な高い熱処理温度は、エネルギーコストおよび水分の損失を含む各種の理由で不利益である。工程は残留溶媒も他の揮発性濃度も許容されるレベルまで低下させない。
【0072】
US Pat, No. 6,914,099は、製造工程でペルオキソ2硫酸塩添加剤を使用して、産生された残留モノマーのレベルが低下したSAPHポリマーを開示している。このような添加剤は毒性であり、高価であり、低分子量オリゴマー、残留溶媒または重金属を除去しない。Rebre, et. al.はU.S. Pat. Nos. 5,373,066、5,408,006、5,442,014、および5,563,218で、製造工程で過酸化水素を添加剤として使用する、産生された残留モノマーのレベルが低下した吸水性ポリマーを開示している。同様にこのような開示は、本明細書に記載する目的のために溶媒および他の揮発物および重金属を許容されるレベルまで低下させることを説明できていない。
【0073】
さらなる態様および実施形態は、添付の非制限的な実施例の検討から当業者に明らかとなるであろう。明細書に組み入れられ、明細書の一部を形成する添付の実施例は、本発明の複数の実施形態を例証して、説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。実施例は、本発明の実施形態を例証する目的のためだけであり、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。
【0074】
SAPH物質の例示的な重合方法
本発明は、重合媒体に最適な溶媒を生成するために超臨界流体環境の使用を開示する。重合媒体の選定および超臨界溶媒の選択は、モノマーならびに他の開始原材料および製造物質が前記溶媒に溶解性であり、そして所望の最終ポリマーに不溶性である場合に有益であろう。さらに超臨界溶媒は、モノマーおよびポリマーに対して不活性でなければならず、好ましくは従来技術で周知のこのような重合反応の有機相で通例使用されるような芳香族または脂肪族炭化水素またはハロ炭化水素と同じ溶媒和特徴を有するであろう。
【0075】
当業者は他の超臨界流体が本明細書に記載される使用に有効であることを認識するであろうが、本発明の最も好ましい超臨界流体重合媒体は、二酸化炭素(CO)から成るであろう。COは、ヘキサンに似た溶解性パラメータを有する非極性溶媒として特徴付けられる。しかしCOがやや極性の分子と多少の親和性を有するのは、その分子四重極のためである。二酸化炭素も、その好都合な臨界温度(31.3℃)および圧力(7.4MPa)、低いコスト、低い毒性、蒸留およびリサイクルの容易性、ならびに高価ではない特徴のために、本明細書に開示する超臨界流体法で最も好ましい溶媒として選択される。
【0076】
当業者は、重合媒体中の溶媒としての超臨界流体の使用が他の液体または液化性溶媒の反応チャンバへの添加によってさらに増強され得ることを認識するであろう。調節剤と呼ばれるこれらの溶媒は、加圧反応容器内になお密閉されている間にSAPHマトリクスからの所望の抽出物の溶解性を上昇させる、または抽出物の置換を促進するために、超臨界二酸化炭素媒体にも添加することができる。本発明の方法で有用な一般的な調節剤は、メタノール、ベンゼン、ヘキサン、クロロホルムおよびその他を含む。選択された調節剤は、ポリマーを膨潤させて拡散および抽出速度を上昇させることによってはもちろんのこと、本発明によって利用可能になったより低い残留レベルで、摂取物質としての適切な許容性レベルを有することによっても作用することが望ましい。本発明の方法で有用な調節剤は、非極性または芳香族はもちろんのこと、極性も含む。ゆえに、選択された調節剤は、溶解性が制限因子でないときでさえ、抽出を増強することが望ましい。選択された調節剤が摂取型および非毒性であること、そしてそうでなければ本発明の開示された使用目的のために規制当局によって許容されることも望ましい。本発明の方法のある実施形態において、調節剤はシクロヘキサン、ヘキサン、メタノール、またはその組合せの少なくとも1つを含む。メタノールは、その低い毒性および超臨界相で本発明のSAPH物質の著しい膨潤を引き起こす能力、蒸留時のその揮発性、ならびに製造工程における容易なリサイクルのために有用である。
【0077】
調節剤の包含に加えて、当業者は、従来技術で開示されているような超音波またはマイクロ波加熱法の同時使用によって、SAPHマトリクスの精製効率がさらに改善され得ることを認識するであろう。
【0078】
通例、SAPH物質の製造工程の重合段階は、架橋親水性物質が調製されるような条件下での、フリーラジカルまたは酸化還元(レドックス)触媒系、通常は塩素または臭素含有酸化剤の導入を包含する。フリーラジカル開始剤は、たとえば過酸素化合物、たとえば過硫酸ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム、過酸化カプリリル、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、ジペルフタル酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過酢酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムを含む、任意の慣例的な水溶性フリーラジカル重合開始剤であり得る。本発明の方法のある実施形態において、レドックス触媒は過酸化水素であり、これは低い摂取毒性を有する。
【0079】
慣例的なレドックス開始剤系も利用することができる。これらの系は、上述の過酸素化合物を還元剤、たとえば亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L−またはイソ−アスコルビン酸もしくはその塩、または第1鉄塩と組合せることによって形成できる。ある実施形態において、存在する重合性モノマーの総モル数に基づいて、約5モルパーセント以下の開始剤を利用することができる。他の実施形態において、約0.001〜約0.25モルパーセントの;または約0.25〜約1.0モルパーセントの開始剤が、超臨界流体媒体中で重合される重合性モノマーの総モル数に基づいて利用される。本発明のある実施形態において、還元剤は重硫酸ナトリウムであり、低い摂取毒性を有する。
【0080】
乾燥ハイドロゲルが熱処理を受ける一実施形態において、工程は、塩素または臭素含有酸化剤の存在下で実施され得る。使用される場合、塩素または臭素含有酸化剤の選択は、本明細書で示すような許容される摂取基準と適合する必要があるであろう。塩素または臭素含有酸化剤は、熱処理後に樹脂特性の所望のバランスが達成されるような量で存在する。ある実施形態において、方法は、モノマーの総重量に基づいて、塩素または臭素含有酸化剤の重量で少なくとも約10ppm;少なくとも約50ppm;少なくとも約100ppm;または少なくとも約200ppmを含むことを含む。利用される塩素または臭素含有酸化剤の量は、存在するモノマーの総重量に基づいて重量により約2000ppm以下;約1000ppm以下;約800ppm以下;または約500ppm以下であることが望ましい。塩素または臭素含有酸化剤は好ましくは、重合開始前に重合混合物中に溶解または分散される。しかし酸化剤をハイドロゲルに水溶液として塗布してもよい。
【0081】
改良された逆懸濁重合方法
本発明のSAPH物質、たとえば架橋ポリ(アクリル酸)は、有機相溶媒に代えて超臨界流体を許容するように改良された逆懸濁重合技法によって合成することができる。本発明の本方法の一実施形態において、好ましい部分中和アクリル酸、架橋剤、および開始剤を含有する水相を超臨界流体相に分散させて、界面活性剤によって安定させる。逆懸濁は、超臨界COを有機相溶媒として使用して実施できる。実施形態において、重合は、PEG 400またはPEG 600を好ましい架橋剤として、メタノールを調節剤として使用し、モノオレイン酸ソルビタンを界面活性剤として使用して、過硫酸ナトリウムまたはカリウムによって開始することができる。ある実施形態において、モノマーの中和度は約25%〜約50%;または約75%である。
【0082】
本発明の本方法の実施形態において、工程は反応物質すべてが接触して、そして反応は成分の1つ以上の間欠的または連続添加によって進行するバッチ方式で実施され、除去を目標とする可溶化または懸濁副生成物、汚染物質および他の望ましくない残留物の同期およびまたは同時除去のために、溶媒として作用する超臨界CO流体を間欠的にパルス送出すること、または重合媒体中に連続的に循環させることのどちらかを含む。反応期間の間に、重合混合物は、望ましくない汚染物質および過剰濃度の未使用原材料および望ましくない反応副生成物を連続的に除去するためにCOを排出、蒸留およびリサイクルすることによって、SAPHの樹脂状粒子を超純粋形で産生するのに十分な重合条件下に絶えず置かれる。
【0083】
Obayashi et al., U.S. Pat. No. 4,340,706、およびFlesher et al., U.S. Pat. No. 4,506,052に非常に詳細に記載されている慣例的な逆懸濁重合手順によって、界面活性剤、乳化剤および重合安定剤などの他の成分の添加が許容されるが、本発明のSAPH物質を形成するのに必要であるように、有機溶媒を利用するとき、これらの慣習的方法はハイドロゲル形成ポリマー物質をこのような工程から回収して、過剰な有機溶媒、重金属および残留モノマーならびに低分子量オリゴマーの実質的にすべてを除去するために個別に処理することを必要とする。その上、このような物質は一般に、1)撹拌器による成形;2)共沸蒸留および/または濾過と続いての乾燥による反応媒体からの回収を必要とする工程の間に、水性反応媒体全体を吸収する。濾過によって回収する場合、次にハイドロゲル中に存在する溶媒を除去するいくつかの手段を使用する必要がある。このような手段は当分野で一般に公知である。これらのさらなるステップは、最も好ましくはCOまたは他の好適な物質を使用する、本発明の超臨界流体の反応の使用によって不要になる。
【0084】
反応温度サイクリング方法
本発明に含まれるSAPH物質としてのポリ(アクリル酸)は、約102℃の比較的高いガラス転移温度を有する。その製造は、超臨界流体条件下ではガラス転移温度が低下し得ることを認識して、重合が発生する任意の温度で実施され得る。超臨界相は、超臨界相を維持するに十分な高い圧力環境を必要とする。温度も同様に、好ましくは少なくとも約25℃;少なくとも約50℃に;または少なくとも約75℃に上昇させなければならない。しかし本発明の方法では、重合媒体は同時に:a)超臨界条件下で産生されるSAPH物質の見かけのガラス転移温度より低く、およびb)添加した好ましい溶媒、界面活性剤および調節剤の沸点よりも高く、およびc)反応および続いての除去を目標とするモノマーの溶媒和温度および融点よりも高い温度まで間欠的に急上昇させられる。
【0085】
本発明の超臨界環境の使用のさらなる利点によって、重合反応の最適操作温度を低下させることができる。超臨界環境は重合効率、および反応収率を改善するだけではない;温度低下は、製造コストを実質的に低下させて、エネルギーを節約する。
【0086】
反応圧力サイクリング方法
反応は、二酸化炭素の超臨界流体圧(7.4MPa)を超え、重合が起こる任意の圧力で実施され得る。本発明の方法のある実施形態において、反応は、少なくとも約10MPa;少なくとも約15MPa;または少なくとも約25MPaの圧力にて実施される。しかし反応圧力は、たとえば反応温度を効率的な重合を生じる閾値以下のガラス転移点まで低下させることなどによって反応収率を低下させるほど十分な大きさであることは決してない。別の実施形態において、工程は圧力サイクリングを利用して、反応容器内の温度を低下および上昇させる。COのリサイクル済み精製蒸留分量を圧力下で添加すると、反応温度は制御自在に上昇して、標的残留物を含まない溶媒媒体が供給され、それゆえ重合媒体から新たに形成された溶媒和物の最大限に急速な取込みに向けて平衡が移動する。超臨界COを排気することによって、反応容器内での温度低下が制御自在に促進される。それゆえ圧力、温度、新たに導入されたCOの分量および反応物質の同期サイクリングによって、望ましくない不純物および標的汚染物質を同時に最大限に除去されて本発明の超純粋SAPH物質が得られる間に、最大限に効率的な重合/溶媒和環境が可能となる。
【0087】
反応時間
反応は、モノマーの架橋親水性樹脂への所望の変換を生じさせるのに十分な時間にわたって実施される。好ましくは変換は、少なくとも約95パーセント;少なくとも約98パーセント;または少なくとも99.99パーセントである。SAPH物質の商業製造のための所望の純度およびスループットに基づく全体的な時間要件を決定するためには、収益逓減コスト分析が必要である。ある実施形態において、最大反応時間は、約6時間以下;約3時間以下;または約1時間以下である。
【0088】
中和
本明細書に記載する工程の実施形態のいずれかにおいて、少なくとも約25モルパーセント;少なくとも約50モルパーセントの;または少なくとも約65モルパーセントのSAPH物質のカルボン酸単位が塩基によって中和される。この中和は、重合の完了前または完了後に実施され得る。実施形態において、開始モノマー混合物は、重合前に所望のレベルまで中和されるカルボン酸部分を有する。最終ポリマーまたは開始モノマーは、それらを塩形成カチオンと接触させることによって中和され得る。本明細書に記載する実施形態のいずれかにおいて、塩形成カチオンは:アルカリ金属;アンモニウム、置換アンモニウム、またはアミンベースカチオン;アルカリ金属水酸化物、たとえば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、またはアルカリ金属炭酸塩、たとえば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムを含む。なお別の実施形態において、開始モノマーは水酸化ナトリウムによって75モルパーセントまで中和される。
【0089】
細粒スパイキング方法
リサイクルした「細粒」を重合混合物に添加することによって、本発明のSAPHを調製することも可能である。「細粒」は一般に、これに限定されるわけではないが、乾燥および細砕生成物が熱処理前にふるい分けされるときに、140メッシュふるいを通過するSAPH樹脂粒子の画分を含むと見なされる。重合混合物に添加される細粒の量は、固体全体に基づいて、好ましくは約12重量パーセント未満;約10重量パーセント未満;または約8重量パーセント未満である。本方法は、反応収率を改善して、作製した樹脂の製造ロスを減少させ、同時に最終SAPH物質の製造コストを削減する。
【0090】
粉砕の方法
反応装置からの除去後、SAPH物質は、好都合な粒径縮小の機械的手段、たとえば当業者によって一般に利用されるような細砕、細断、切断または押出によって粉砕を受ける。粒径縮小後の最終粒子のサイズは、粒子の均一乾燥を行えるようにすべきである。本発明のSAPHの使用目的に応じて、所望の粒径はたとえば、いくつかのミックスおよび栄養補助バーなどで使用される最も微細な粉剤用の約100〜250ミクロンの最も小さい好都合なサイズから;あるプディングで使用するための約750〜1,000ミクロンの最も大きい好都合なサイズにまで及ぶであろう。ゆえに未乾燥物質の好ましい粒径は0.05〜0.5mmに、または乾燥時に所望の粒径の微細な樹脂状結晶または粉剤を提供するであろう他のこのようなサイズに及ぶ。この粒径縮小は、所望の結果を与える当分野で公知の任意の手段によって実施することができる。好ましく粒径縮小は、細断によって遂行される。最も好ましくは、粒径縮小は細砕によって遂行される。最終サイズ選択は、当分野で周知であるように連続メッシュふるい分け技法によって行われ、「細粒」は上述のような再使用のために収集される。最終SAPHミックス中の微粉末の量を減少させて、カプセル剤または他の製品へのさらなる加工時に使用される吸入可能な粉塵を、このような粉塵に潜在的に暴露される作業者のための職業安全および環境安全因子として減少させることが所望である。
【0091】
例示的な熱処理方法
高分子量架橋ポリカルボン酸の膨潤効率を改善するために、架橋SAPH物質には慣習的に熱処理が行われる。重合で得られた懸濁剤の形のこれらのSAPH物質は、80〜130℃で処理することができる。慣習的に、重合が沸点が80℃を超える懸濁化剤を使用して実施された場合、ポリマー懸濁剤は超大気圧下でオートクレーブ内で加熱される。しかしこの別個のステップは、重合が超臨界条件下で実施される場合には本発明によって不要になり、本発明の利点である。本発明のSAPHの加熱中に、SAPHは固体として低速で単離され、この加熱ステップの間に超臨界流体が排出されて、反応装置の温度および圧力が加熱の間に低速で低下して定常乾燥中に周囲温度および大気圧となる。超臨界COが排出されると、酸化によりSAPHが損傷するのを避けるために、超臨界COは窒素雰囲気によって置換される。慣習的な熱処理には通例、ベンゼンまたは他の望ましくない重合溶媒の抽出を補助するために、別の溶媒の導入が必要である。本ステップは、本発明の実施により不要であり、本発明のまた別の利点である。ある実施形態において、本発明の架橋SAPHを反応チャンバ内で約80℃〜約130℃;または約90℃〜約120℃の熱に暴露させる。SAPHが加熱中に凝集しないように、処理温度はSAPHのガラス転移温度より低く維持することが望ましく、処理温度は、本発明の大半の好ましい実施形態の場合、102℃を超えない温度である。本発明のSAPHの熱処理の期間は2分間〜5時間であり、比較的長い処理時間には80℃が、そして非常に短い処理時間には102℃以下が好適である。架橋SAPHがあまりに長い時間加熱されると、水系での膨潤比が低下して、ポリマーは次にもはや膨潤できないため、実質的に0に低下することがある。
【0092】
例示的な乾燥方法
熱処理後、ハイドロゲル粒子に乾燥条件を受けさせて、残存する任意の重合媒体、二酸化炭素、揮発性モノマーおよび低分子量オリゴマー、分散液、界面活性剤、残留溶媒および実質的にすべての未消費の水も除去する。好ましい乾燥機は流動床またはベルト乾燥機である。代わりにドラム乾燥機が使用され得る。特に真空系によって補助されるこのような技法は、当分野で周知である。乾燥が行われる最適温度は、残存する任意の:重合媒体および水を含む液体;調節剤、界面活性剤および任意の溶媒も合理的な期間で除去されるのに十分高い温度である。乾燥温度は、予想されるあらゆる揮発物を除去するために十分高いが、SAPH物質の分解を引き起こすほど高くない;すなわち理想的にはSAPH物質のガラス転移温度を超えてはならない。望ましくは、乾燥中の本発明のSAPH粒子の周囲温度は常に約50℃以上;約75℃以上;約90℃以上;または約100℃に維持される。しかし本発明の最も好ましい実施形態のSAPHの乾燥温度は常に、102℃未満であるそのガラス転移温度のすぐ下に維持されるものとする。乾燥時間は、残存する望ましくない反応成分、水および任意の望ましくない揮発性不純物の実質的にすべてを除去するのに十分であるべきである。好ましくは、最短乾燥時間は少なくとも10分間であり、少なくとも15分間が好ましい。好ましくは、乾燥時間は60分間以下であり、25分間以下が最も好ましい。ある実施形態において、乾燥は、水、および任意の溶媒が吸収剤樹脂粒子から揮発して、最大限に除去されるような条件下で実施される。このような除去は、真空技法によって、または不活性気体、たとえば窒素もしくは脱湿加熱空気を樹脂粒子層の上または中に通過させることによって最大限に行うことができる。ある実施形態において、乾燥は、約70〜90℃に加熱された空気を、真空下の樹脂粒子層の中または上に吹き付ける乾燥機にて行われる。本発明の方法で有用な例示的な乾燥機は、たとえば流動床、ベルト乾燥機、またはドラム乾燥機を含む。任意のイベントにおいて、乾燥時間は、いずれの残存揮発物も管轄規制当局によって制定されたような摂取物質としての許容暴露限度よりも低いレベルまで除去するのに十分であるべきである。
【0093】
含水率
乾燥後、本発明のある実施形態において、SAPH物質の含水率は、0〜約20重量パーセント;約20重量パーセント未満;約10重量パーセント未満;または約5重量パーセント未満である。ゆえに乾燥および室温までの冷却の直後に、SQLプロトコルに基づいて品質保証試料をバッチから取り出し、次に本発明のSAPH物質を水分バリア法で、好ましくは2重裏打ち容器で包み、無水水分バリアパック(当業者によって一般に使用されるような)と共に密閉して、水分付着から保護する。容器は、さらなる製造加工のための使用の準備が整うまで開封すべきではない。
【0094】
例示的なSAPH組成物
本発明の重合媒体中での超臨界条件を使用する、記載した改良逆重合方法に従って産生したSAPH粒子は、例外的に低いレベルの:a)残留モノマー、残留低分子量オリゴマー;(表3の残留モノマーを参照)、b)残留溶媒、(表4の残留溶媒および揮発物を参照)、およびc)重金属−特に最も厳密に規制され、ヒ素、カドミウム、鉛および水銀である、4つの毒性重金属(表5の残留金属を参照)を有する。本製造工程の重要な利点は、溶媒和および精製が実施されるのと同時に、過剰なモノマー、揮発物および重金属が超臨界二酸化炭素相に優先的におよび選択的に懸濁されることと;続いて二酸化炭素の排出時に取り込まれて除去されることである。さらにこの工程によって、溶媒物質の蒸留およびリサイクルが容易となり、コストが削減され、有害な環境廃棄物を最小限に抑えられる。最終乾燥ステップは通常、入手可能な最も高感度の分析機器の検出限界より低いレベルまで、あらゆる残存揮発物の除去を完了する。
【0095】
純度分析の方法
本発明のSAPHの純度を、そのHealth Science and Analytical Division, 9240 Santa Fe Springs Road, Santa Fe Springs, CA, 90670にあるBodycote Testing Groupによって実施された最新式の方法およびプロトコルによって分析した。3つの各クラスの副生成物を次のように実施した(これらの試験結果を表3、4、および5に示す):
【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
【表5】

【0100】
一実施形態において、本発明のSAPHは、空腹感を緩和する食前一時的摂取型胃膨張剤として、ポリエチレングリコール400によって軽度に架橋されたポリアクリル酸ハイドロゲルの形で超純粋SAPH物質を含む。特に本発明のSAPHは、カロリー摂取、すなわち食事分量サイズを減少しようと努めている人々において、残存する空腹感を経験せずに、食欲の抑制および/または早期満腹感の促進を補助するための摂取型減量および体重管理手段として有用である。本発明のさらなる目的は、食欲および満足感を敏感に制御する、さらに体重管理ツールとして有用な摂食挙動を修正して、それゆえその体重を減量およびまたは管理しようと努めている人々を助ける補助剤を提供する長期手段として使用するための、胃シグナル伝達機構の緩和を含む。その上、本発明は、ヒト使用に限定されることを意図せず、それにより動物への使用も考慮される。
【0101】
例示的な投薬量および投与
当業者によって認識されるように、本発明の純SAPH物質は生体不活性、非毒性であり、安全基準として一般に認識されるすべてを満たしている;本開示の使用目的のための実用的および商業的制限は、最も詳細には、従来技術で開示された市販のSAPH物質中で一般に同定された不純物および汚染物質の製造後濃度の許容されないレベルの存在に関する。3つのクラスそれぞれの一般的なSAPH汚染物質(残留モノマーおよび残留低分子量オリゴマー、残留溶媒、ならびに重金属)の中での摂取使用を監視する有力な管轄規制機関によって課せられた具体的な制限によって管理されて、任意の摂取形で使用される任意のSAPH物質の閾値投薬量は、その具体的な閾値最大1日暴露限界に最も近いことが見出された規制残留成分に基づいて計算する必要があるだろう。したがって、摂取することができる最大許容量は、各国の各不純物に課される具体的な規則に基づいて、このような国の管理当局によって規制されるように、必然的に異なるであろう。これらの規則および規制は、新たな科学的、毒物学的、疫学的および環境的情報が生じるために、時々変化する;適切な暴露限界を設定するための合意が達成される。ゆえに当業者は、任意の投薬量または送達形に含まれるSAPHの量が変化し得ることを認識するであろう。しかし当業者は、本発明の開示された目的のためにこれらの各規制に従うであろう、本明細書の好ましい各実施形態で送達可能品の製造のために利用する必要がある方法を認識するであろう。基本的には、本発明の摂取型SAPHには、2つの好ましい送達手段;a)非組合せ形およびb)組合せ形が存在する。
【0102】
I.例示的な非組合せ摂取形:
本発明のSAPH組成物は、充填カプセル剤またはゲルカプセル剤でのSAPHの非組合せ形で送達することができる。本発明のSAPH組成物は、そのような形で安全に、好都合に、およびコスト効率的に提供される。
【0103】
チュアブル錠剤、粉剤または口内錠の使用は、本発明では3つの理由で禁忌が示される:第1に、このような送達形は、(同時摂取された遊離水による同時暴露および活性化の前に)SAPHの膨潤比を早期に低下させるように作用する、口内の唾液中にある唾液アミラーゼならびに他の分解および消化物質に本発明のSAPHを潜在的にまたは意図的に暴露させるため、胃内でのSAPHの膨張能力が低下する。第2に、本発明のSAPHは全く味がない;当業者に公知であるような他のさらに味の良い構成要素と組合せてまたは共にそうでなければ提供され得るような、香味剤または他の調節剤を添加せずにまたはそれらの存在下で直接味わう場合、このような味は嗜好性が十分でないために不安を生じるような不快感を引き起こし、使用者の利便性、ゆえに製品の使用者による順守を低下させる。第3に、錠剤および口内錠の製造は、a)SAPHの有効性を低下させる、打錠に使用される配合禁忌の構成要素(pH、化学的不安定性または反応性など)の添加を必要とし得る、およびb)圧縮される物質に対して不均一な加熱を生じる可能性がある、高圧縮方法を含む。このような圧縮方法によってSAPHの結晶性領域のいずれがガラス転移点を超えて加熱される場合、このように加熱されたSAPH領域は、機能的に無益となり、本発明の原理および特定の目的による物質の効率を低下させるであろう。
【0104】
好都合なカプセル剤形またはゲルカプセル剤形で供給される本発明のSAPHの最大単回単位用量は、‘000’カプセルサイズ、すなわち市販の最大標準カプセルサイズで送達される。‘000’カプセルに含有させることができる本発明のSAPHのミリグラム量は、本発明のSAPHの見かけのバルク密度によって変わる。見かけのバルク密度は最終物質の平均粒径によって規定され、平均粒径は粉砕の工業規格方法および本明細書に記載する連続メッシュふるい分け方法に基づいて所望通りに変更することができる。例として、これに限定されるわけではないが、見かけのバルク密度が0.8g/ccの本発明のSAPHは、‘000’カプセル中にSAPH約1.0gを提供する。推奨されるようにカプセル1個当たり6〜12オンスの水によって消費される1または2個のカプセル剤を食事の30〜60分前に摂取すると、本発明のSAPHに対するヒトの最大1日暴露量は、1日当たり6gと計算される。さらに好ましくは非組合せ形において、本発明のSAPHは、見かけのバルク密度が0.8g/ccのSAPH 750mgを含有する‘00’サイズカプセル剤で提供され、それゆえ指示通り摂取すると、1日当たり4.5gの最大1日暴露量を送達する。ゆえに、より少量の本発明の非組合せ形および組合せ形の両方の好ましい調剤形態は、最も高濃度の形よりもさらに少ない汚染物質を含有するであろう。
【0105】
好ましい実施形態の硬カプセルシェルは、BSEフリーであることが証明され、適切な規格を満たす硬ゼラチンから作製される;急速溶解硬シェルが最も好ましい。さらに好ましい実施形態は、そうでなければ多様な市販名で公知である植物シェルを使用し、市販名の一例はCapsuline(登録商標)Inc.、および他の供給者によって提供されるような「Veggie Caps」である。本発明の最も好ましい実施形態は、非組合せ生成物として送達されるときに、ゲルカプセル剤の形である。他の投薬量サイズは、見かけのバルク密度を変更すること、賦形剤を添加すること、または当分野で周知の標準方法を含めることによって異なるサイズのカプセル剤またはゲルカプセル剤を使用することによって、容易に調製できる。
【0106】
当業者によって認識されるように、非組合せ形の概念は、本発明の開示の文脈で出願人によって使用されるように、少量の抗菌保存料、たとえばメチルパラベンおよびまたはプロピルパラベンの包含を排除するものではない。これらの保存料は医薬品および食品で一般に使用され、そして少量の保存料の添加によって本発明の原理、実施および目的は妨害されない。これらの保存料は存在するとき、本発明のSAPH物質に通例、混合物中の樹脂状結晶の総重量に基づいて、0.5重量%未満の量で添加することができる。
【0107】
その上、標準カプセル充填方法を使用して本発明のSAPHを充填したカプセル剤またはゲルカプセル剤は、SAPH粒子の間に、多数の所望の組成物の微細砕粉剤によって充填することができる多数の空隙を含有する。このような組成物の例は、制限なく;生成物を改良、増強もしくはそうでなければ商業的魅力を向上させ、その有用性を広げる、または本発明の単独のSAPH物質にあるさらに拡張されたもしくは別の利点を与える、香味料、活性構成要素、栄養構成要素、天然生成物、医薬品、賦形剤、アジュバント、不活性物質または他の組成物を含む。さらに組成物は、医用調剤形態で慣例的に利用されるような、さらなる食用非毒性構成要素を場合により含み得る。それゆえ本発明の組成物は、1つ以上の賦形剤を約0.1〜約99重量%の範囲内の量で場合により含み得、賦形剤の例は、これに限定されるわけではないが:ラクトース、糖、コーンスターチ、修飾コーンスターチ、マンニトール、ソルビトール、および無機塩、たとえば炭酸カルシウムなどを含む。場合により存在し得る他の慣例的な構成要素は、香味料、保存料、安定剤、可塑剤、付着防止剤またはシリカ流動調製剤または流動促進剤、たとえばSyloidブランドの二酸化ケイ素はもちろんのこと、FD&Cカラーも含む。
【0108】
その上、カプセル剤またはゲルカプセル剤の非組合せ形で提供される本発明は、制限なく:a)ボトル;b)ブリスターパック;c)ホイルパウチ;d)パケット;およびカプセル剤またはゲルカプセル剤の販売で一般的なの他の一般的な包装形を含む、当分野で周知の多数の単位用量または複数回用量パッケージで送達することができる。さらに本発明は、規定により義務付けられ得る、またはそうでなければ商業的に所望であり得るようなすべての適切な情報の記載されたラベルおよびまたは添付文書を保持する。さらなるパッケージが想定され、本開示によって制限されることを意図しない。
【0109】
臨床データの検証
本発明のSAPHの例示的な実施形態をその非組合せ形で、患者100名の前向き多施設医師指導非盲検試験において臨床的に評価した。試験は、「体重管理のための新規合成胃膨張剤の使用」という名称であった。4週間の試験の目的は、食欲を最大限に抑制して、それゆえ食欲の低下を促進して、食事分量を減少させ、次に体重管理を促進するように設計された、一時的な食前胃膨張剤としての使用について、本発明の有用性を臨床的に試験することであった。試験の組入れ基準は:a)その体重の管理を望む参加者;b)年齢範囲:18〜75歳、およびc)説明同意書、および肖像権使用同意書に署名した参加者であった。除外基準は:a)試験法または質問法を順守しなかった参加者;b)750mg硬シェルカプセル剤の非組合せ形で本発明のSAPHの摂取に耐えることができなかった参加者;c)18歳未満または75歳を超える参加者;d)心臓、肺、腎臓、消化管、肝臓、または活動性癌を含む中程度に重篤な共存症疾患(この決定は治験看護師および/または医師に従う)、または消化管手術歴を有する参加者、およびe)医療提供者問診または病歴によって決定されたようなアルコールまたは薬物乱用のある参加者であった。
【0110】
参加者には、本発明のプロトコル経口摂取に加えて、食事および運動プログラムを行った。情報は毎週、4週間にわたって各参加者から:a)ある個人情報;b)食事および運動の習慣および行動;c)SAPHの利用;d)SAPHの有効性;e)空腹状態;f)食事分量サイズならびにg)任意の関連副作用または有害事象に関して収集した。臨床試験で利用した本発明のSAPH組成物は、PREE(商標)という商標名で現在販売されている。推奨された食事は、ごく少量の精製炭水化物を含んでいた;しかし全体の計画は、総炭水化物、脂肪、およびタンパク質を含んでいた。推奨される炭水化物の使用は、複合炭水化物、主に緑色野菜および穀類、たとえば玄米の使用を含み、ソーダ、糖を含有する製品、コーンシロップ、小麦製品、パン、パスタ、ジャガイモ、および同様の食品を含めて、きわめて少量の精製炭水化物が繰り返し強調された。各対象はこれらの食事概念に関して、試験の間、および毎週のチェックイン期間に再度助言された。その上、参加者は中程度の運動プログラムを順守するように求められた。
【0111】
プロトコル
1.参加者は、医学的に管理された減量を積極的に求めていた人々から募集した。
2.参加者は、組入れおよび除外基準を満足して、診療所が提供した健康診断に合格した。
3.参加者は、試験前後に写真撮影された。
4.参加者は、投薬、食事、運動、または試験質問票未記入を含む、順守基準を繰り返し順守しなかった場合に、偏見なく試験を終了させた。
5.参加者は、本試験のすべての側面を理解したことを示す説明同意書;およびその写真の使用を許可する肖像権使用同意書に署名することを求められた。
6.試験コーディネータは、全参加者にプロトコルおよび試験の他の詳細事項に関して指導した。
7.参加者は、本試験の経過中に本発明を摂取する方法および時点ならびに有害反応およびその他の関連情報を報告する方法について正確に指導を受けた。
8.参加者は、説明書、質問票4通、および本発明の1ヶ月分の供給量(本発明のSAPH 750mgを含有するカプセル剤90個を含有するボトル)を含む試験フォルダを与えられた。
9.参加者は、医師またはスタッフの看護師による試験へのスクリーニングを受けた。
10.参加者は、質問書の記入時および記入方法ならびに毎週ファックスを送付する宛先に関する説明書を受け取った。
11.参加者は、その血圧、体重、体組成の検査を受け、質問票を記入するために;ならびに試験前および試験後の写真撮影のために、4週間にわたって毎週診療所を再訪することを求められた。
12.いずれの有害事象も診療所または監督医師にただちに報告された。
【0112】
試験の2つの主なエンドポイントは:a)あらゆる副作用および関連有害事象のリスト記載および評点によって記録された安全性;ならびにb)本発明が食欲を制御する能力であった。試験の第2の2つのエンドポイントは:a)消費される食事分量を減少させる能力;およびb)試験の経過での体重変化の程度であった。2片ゼラチンカプセル内のSAPH 750mgの形で提供された。患者は、各食事の30〜60分前にカプセル剤1〜2個を、カプセル1個に付き水6〜12オンスと共に摂取するように指導された。患者はカプセル剤90個およびベースラインに、次に4週間にわたって毎週記入される質問票を含む試験パケットを提供された。データは個別に収集および解析された。
【0113】
解析方法
1.質問ツールからの回答は1〜5にコード化した。
2.質問票からの回答を参加者のベースラインデータから引いて、評価項目を生成した。
3.各質問の回答は、t検定、カイ二乗検定、フィッシャーの正確確率両側t検定、または適切な場合にはANOVA解析を使用して解析した。
【0114】
カテゴリ解析
1点差は「最小の改善」として、2点差は「軽度の改善」として、3点差は「著しい改善」として、4点差は「劇的な改善」として、および5点差は「最大の改善」として分類した。カイ2乗検定を使用してすべてのカテゴリを解析した。
【0115】
統計的有意性
統計的有意性の評点は:a)非常に有意:p<0.05;b)有意:p<0.10、およびc)統計的傾向:p<0.15であった。
【0116】
予備結果
以下のように分析および報告された2週間分の情報による、試験の最初の参加者24名による結果:
1.応答者:95.8%(23/24)
2.分量サイズの平均減少率:21.0%
3.空腹管理有効性の平均評点:88.9%
4.満足感満腹効果を「感じる」までの平均時間:36分
5.効果の平均持続時間:2.1時間
6.平均減量:最初の2週間の期間にわたって4.6ポンド
7.投与した用量:>1500
8.報告された副作用または有害事象:
1.軽度のげっぷがあった患者4名
2.軽度の便秘があった患者2名
3.中程度の痙攣感があった患者1名
4.軽度の寒気があった患者1名
5.軽度の頭痛があった患者1名
【0117】
最終結果および統計解析を表にして、統計解析し、および最終特許出願に含めた。
【0118】
図1〜5を参照して、所見を以下にまとめる:
1.参加者の統計値:
−平均年齢:49歳
−平均開始値:BMI−30.5;体重−183ポンド;身長−65インチ
−平均終了値:BMI−29.3;体重−175ポンド;身長−65インチ
2.応答者:94.1%
3.平均4週減量:7.6ポンド(ボディマス4.2%)
4.1日に摂取した平均カプセル剤数:2.1
5.食事分量サイズの平均減少率:34.3%
6.空腹感制御有効性の平均評点:86.7%
7.満足満腹感効果を「感じる」までの平均時間:33分
8.「満足感」効果の平均持続時間:2.5時間
9.投与された総用量:>2,000
10.副作用の総発生率:3.6%;有害事象:なし
【0119】
臨床試験参加者は、朝食、昼食および夕食の各時点にPREE効果によるその応答を評価するよう求められた(図1)。PREE(商標)は、時間の94.1%で膨満感または早期満腹感を生じた。食事の5.9%において、患者は「効果ないこと」が認められたと述べた。さらに食事によって満足感または早期満腹感のみを感じることに加えて、参加者は、1日3回の各食事において食事分量を減少させて、空腹感を制御するその能力について、このような感覚を減量に変換する能力と組合わせて、PREE(商標)の全体的な組合せスコアを提供するように求められた(図2)。
【0120】
PREE(商標)による臨床効果を経験した参加者の94.1%のうち(グラフ1を参照)、効果がPREE(商標)から感じられたか否かだけでなく、効果によって食事分量が実際に減量したか否か;および減量した場合には、どれだけ減量するかも理解することが重要であった。応答参加者は、その通常の食事サイズからのその食事分量減少の程度を減少パーセントで評価するように求められた(図3)。図3に示すように、時間の30.8%で食事分量は10〜24%減少した。同様に、定時食分量の30.8%は25〜49%減少して、定時の38.5%で分量サイズは50%以上減少した。本試験で報告された平均食事分量減少率は、34.3%であった。
【0121】
このまたは任意の臨床試験の最も重要な所見の1つは、副作用の決定および任意の試験関連有害事象の記録である。図4は、すべての試験関連副作用の発生率を示す。重要なのは、試験中に有害事象が報告されなかったことである。参加者は、PREE(商標)摂取に関連する可能性がある副作用もすべて報告するように求められた。食事の合計3.6%に何らかの形の副作用が伴った。参加者は、1(効果なし)〜5(非常に重篤)の範囲に及ぶ5点スケールで効果を評価するように求められた。1名が食事前にカプセル剤2個を1日3回摂取したときに、「4」と評価された腹部膨満を報告した。評価されたその他の副作用は3(中程度)を超えなかった。カプセル剤が溶解する数分間にわたる軽度のげっぷ(摂取の10分以内)は、報告された最も一般的な副作用であった。時々、これらのげっぷは、2(軽度)以下と評価された不快な味を伴っていた。
【0122】
PREE(商標)が減量で参加者の減量を促進する能力も測定した。図5に見られるように、参加者は週平均1.9ポンド減量して、4週間の試験での平均減量は7.6ポンドであった。大半の体重管理専門家は、体重があまりに急速に減少すると、一般減量は持続不可能であることを認めている。ゆえに大半は、人々がよりゆっくりと−一般に週1〜2ポンドの範囲で減量して、減少した体重を維持できるようにすることを推奨している。
【0123】
本発明のSAPH組成物は、工程における空腹感または絶食感を伴わずに、個人が賢明におよび連続的に減量するのを促進するために設計され、および有効である。
【0124】
II.例示的な組合せ摂取形:
本発明のSAPHは、成分および構成要素と組合せたときに、適合性が高く、他の摂取物質、多くの有用な摂取形に柔軟に、多様におよび代わりに組み入れることができる。本発明のSAPH他の摂取物質と組合せる具体的な目的は、摂取形に組み入れられる、単独では空腹感抑制能力のない、または代わりに空腹感抑制能力を最大限に提供しない他の物質に、減量およびまたは体重管理のための特徴を与えることである。
【0125】
当業者によって認識されるように、本発明のSAPHは、粒径の増大と共にさらなる粒状感を示す樹脂状物質である。場合により組合せ形に組み入れられる、本発明の1つの主な目的は、物質のより大きいサイズの粒子の粒度を軟化手段によって軽減することであろう。好ましくはこのような手段は、好ましくは水道水から成る水溶液によって、およびさらに好ましくは蒸留水、および最も好ましくは着味水によって、樹脂状SAPH物質形の洗浄、スプレーまたはミスト処理を迅速に行って、実質的な程度の膨潤を許容する時間よりもはるかに短時間で、物質をごく短時間軟化させることができる最終水和ステップの使用によって行われる。SAPHの接触時間は、選択した元の粒径および所望の軟化程度に応じて、1秒間〜1分間の範囲に及ぶであろう。注目すべきは、膨潤比を低下させて軟化が発生し、最終送達形でこれを考慮する必要があることを、当業者が認識することである。さらに好ましくは、激しく混合されている正確に測定した量の水の水性ミスト中で乾燥樹脂を混合または回転させて、すべての粒子を含まれている水に接触させて、制御された量の軟化を与えることができる。最も好ましくは、乾燥ステップの完了時に、窒素雰囲気を加湿空気で置換して、軟化が発生するまでSAPH物質と混合するときに、温度は30℃まで低下するであろう。空気混合のタイミングは、平均粒径および所望の軟化程度に応じて、好ましくは1秒間〜3分間、さらに好ましくは3分間〜1分間、および最も好ましくは1分間未満であろう。本発明のこのように軟化した樹脂状SAPHを次に、各種の用途、たとえばミックス、食品ベースおよび他の多くの最終形に組み入れることが可能であり、いくつかの例は下に記載されており、そのいくつかは口での咀嚼作用を受けて、次に摂取されるこのような用途において最も確実に、軟化SAPHの要求にさらに応える。このような形は、例として、これに限定されるわけではないが、:クッキー、焼成品、特定の菓子、圧縮バー、および軟化されていない物質の粒状感が商業的に好ましくない分野の当業者に周知である他の同様の送達手段を含む。
【0126】
組合せ摂取形としての本発明のSAPHの適応性はもちろんのこと、その利点をもさらに例証するために、以下のさらに具体的な実施例を与える。これらの実施例は、出願人が予想して、当業者が予想できるようなこのような使用のいくつかを説明する。実施例が完璧なリストであることは意図されない。実施例は本発明の原理および実施のみを例証するものであることが意図され、ゆえに本明細書で開示される意味によって解釈できる本発明の範囲が決して制限されないことが意図され、理解される。
【0127】
実施例III
SAPH組成物
標準カプセル充填方法を使用して本発明のSAPHを充填したカプセル剤またはゲルカプセル剤は、SAPH粒子の間に多くの空隙を含有しており、この空隙は多くの所望の組成物の微細砕粉剤によって充填することができる。このような組成物の例は、制限なく;生成物を改良、増強もしくはそうでなければ商業的魅力を向上させ、その有用性を広げる、または本発明の単独のSAPH物質にあるさらに拡張されたもしくは別の利点を与える、香味料、活性構成要素、栄養構成要素、天然生成物、製薬品、賦形剤、アジュバント、不活性物質または他の組成物を含むことができる。さらに組成物は、医用調剤形態で慣例的に利用されるような、さらなる食用非毒性構成要素を場合により含み得る。それゆえ、本発明の組成物は、1つ以上の賦形剤を約0.1〜約99重量%の範囲内の量で場合により含み得、賦形剤の例は、これに限定されるわけではないが:ラクトース、糖、コーンスターチ、修飾コーンスターチ、マンニトール、ソルビトール、および無機塩、たとえば炭酸カルシウムなどを含む。場合により存在し得る他の慣例的な構成要素は、香味料、保存料、安定剤、可塑剤、付着防止剤またはシリカ流動調製剤または流動促進剤、たとえばSyloidブランドの二酸化ケイ素はもちろんのこと、FD&Cカラーも含む。
【0128】
全く予想外であったが、カプセル化のために多数の充填剤を用いて出願人が実験する間に、以前は不活性構成要素と考えられていたものの独自の組合せを混合することによって、記載されたことのない新規の反応が見られた。実施例IまたはIIのSAPHをステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクと混合したとき、得られる混合物によって、これまで未知であり記載されていない水膨潤特徴の実質的な改善がSAPHに与えられる。組合せ混合物によって、最終粒径の10%〜100%の実質的な拡大が、胃膨張剤として使用するように設計された摂取型SAPHに望ましい膨圧、色、緩衝ならびに他の物理的および化学的特徴の改善と共に示される。その上、これらの構成要素を添加すると、低コストで容易にカプセルに充填されるように、SAPH物質の流動性が改善する。
【0129】
例示的な実施形態において、SAPH混合物は、約50〜約99重量%のSAPHを含む。ある実施形態において、SAPH混合物は少なくとも約80.00%の;少なくとも約90.00%の;または約92.59重量%のSAPHを含む。
【0130】
別の例示的な実施形態において、SAPH混合物は約0.01〜約20.00重量%のステアリン酸も含む。ある実施形態において、SAPH混合物は少なくとも約0.10%の;少なくとも約1.00%の;または少なくとも約2.78重量%のステアリン酸を含む。
【0131】
また別の例示的な実施形態において、SAPH混合物は約0.01〜約10.00重量%のステアリン酸マグネシウムも含む。ある実施形態において、SAPH混合物は少なくとも約0.10%の;少なくとも約1.00%の;または約1.85重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
【0132】
別の例示的な実施形態において、SAPH混合物は約0.01〜約20.00重量%のタルクも含む。ある実施形態において、SAPH混合物は少なくとも約0.01%の;少なくとも約1.00%の;または少なくとも約2.78重量%のタルクを含む。
【0133】
好ましい実施形態において、SAPH混合物中の3つの賦形剤の構成要素の比は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクでそれぞれ3:2:3である。いずれの特定の理論にも縛られることなく、構成要素の特定の比が混合物の膨潤特性に直接影響することが仮定される。しかし本発明は予測不可能な技術に関連しているため、構成要素の相乗的相互作用は予測されていない。
【0134】
本発明の賦形物質は次に、当業者に周知の方法によって標準製薬用ミキサで共にブレンドされる。混合は2段階で行われる。最初の事前ブレンドは、ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムと共に混合されたSAPHから成る。第2の事前ブレンドとしてタルクが混合物に添加され、そして4つすべての構成要素の得られた組合せを約2〜約20分間の範囲でそれが均一になるまで混合する。混合は室温および除湿空気下の圧力にて行う。
【0135】
非組合せカプセル形でのSAPH混合物の有用性に加えて、本発明のSAPH混合物は本明細書に記載する他のいずれの形でも有効に使用することができる。構成要素を上述のように事前混合して、次にSAPH混合物を栄養バー、栄養補助食品混合物、食品、および当業者によってただちに認識されるような他の多くの用途に添加することによって、使用者は、これらの摂取型用途に望ましいSAPHの水膨潤特徴を最大限にすることができる。さらに流動性およびコストの改善に加えて、混合物は最終摂取製品の嗜好性、質感および風味も改善される。
【0136】
本明細書に記載するような結晶性賦形剤は、当業者に公知である。ステアリン酸は金属のブレンドで工程制御剤としてその無水粉末結晶形で使用されているが、ステアリン酸またはそのマグネシウム塩がタルクと相互作用することは不明であり、そして確かに、先に記載された発明のSAPHなどの任意の物質とのその粒子相互作用は、これまで記載されていない。この例におけるSAPHの水膨潤特徴を増強する相乗的能力は、前例がなく、現在、ドライケミストリの観点からは説明されないままである。あらゆる目的のために参照により本明細書に組み入れられている、Influence of stearic acid on mechanochemical reaction between Ti and BN powders; Jung-Soo Byun, Jae-Hyeok Shim and Young Whan Cho. Nano-Materials Research Center, Korea Institute of Science and Technology, Seoul 136-791, South Koreaを参照。
【0137】
1.栄養補助食品
食品医薬品局(FDA)および同様の機関によって国際的に規制されているような栄養補助食品は通例、これに限定されるわけではないが:a)ビタミン;b)無機質;c)ハーブ;d)抽出物;e)プロバイオティクス;f)プロホルモン;g)酵素;h)アミノ酸;i)タンパク質;j)脂質;k)炭水化物;l)植物、花、根およびまたは他の天然動物および植物生成物および誘導体;m)油;n)種;o)果実;p)賦形剤;q)アジュバント、r)香味料;s)安定剤;t)保存料;u)スパイス;v)酸化防止剤、w)pH緩衝剤、x)賦形剤;y)アジュバント、ならびに当業者によって周知であるような多くの他の種類および分類の物質、ならびに構成要素を含む、多様なクラスの活性および不活性成分から選択される成分の多くの順列および組合せを含有することができる、経口送達形である。
【0138】
本発明のSAPHは、それぞれ1つとの組合せで、またはこれらの上述の物質および構成要素との任意の組合せで提供することができる。好ましくは、カプセルまたはゲルカプセル形で組合された本発明のSAPHは、最終製品組合せの所望の要件に応じて、0.01%〜99.99%のSAPH重量パーセントで変化するであろう。SAPHの粒径も、要望通りに調節することができる。
【0139】
これらの栄養補助食品のいくつかの具体的な使用用途は、特に:a)エネルギーおよび代謝;b)老化防止;c)記憶;d)運動性能および持久力;e)頭髪、皮膚および爪用調合物;f)視力および眼用調合物;g)骨および関節用調合物;h)前立腺調合物;i)勃起不全;j)睡眠;k)不安;l)女性の健康のための調合物;m)心臓および循環用調合物;n)風邪およびインフルエンザ調合物;o)全体的な健康、ならびに当業者に周知である成分を含有する調合物としての他の数十種類の治療薬のために調合される構成要素の組合せを提供するであろう。
【0140】
本発明の主な目的の1つは、本発明のSAPHをこれらの慣習的な栄養補助食品構成要素と組合せて、減量/体重管理市場のために特別に設計され、減量/体重管理市場を商業的に標的とした栄養補助食品の第1の専用製品群を形成することである。本新規組合せ製品群の目的は、栄養補助を望むだけでははく、同時に減量またはその体重の管理も望み;最も好ましくはその分量サイズを減少させることによってそのカロリー摂取を楽に低減するための、その食欲に介在して残存する空腹感を管理する手段として、一時的な食前胃膨張を与えるSAPH物質を使用することも望む人々に、商業的に合理的な解決策を提供することであろう。
【0141】
最後に、本発明のSAPHは高分子電解質構造であるので、商品化前に保存寿命表示を決定するために、各組合せの安定性試験を完了させる必要がある。構成要素と本発明のSAPHとの間に保存寿命を商業的に合理的な閾値より短縮する何らかの相互作用が生じた場合、当分野で周知である各種の技法を適用すると、消費に備えて組合せてカプセル化するのと同時に、構成要素を単離することができる。有用な保存寿命を商業的に合理的な限度まで延長するこのような技法は、これに限定されるわけではないが:コーティング、マイクロカプセル化、脂質化、分配、およびその他を含む。
【0142】
2.食事代用品および食品添加物:
市販の食事代用品は現在、ほんの数例を挙げると:粉剤、プディング、クッキー、シェイク、またはバーを含む、多くの形で販売されている。本発明のSAPHは、以後の処理ステップが102℃であるSAPHのガラス転移温度を超えて物質を加熱することを包含しない限り、本発明のために、各種類の食事代用品に急速に、容易に、およびコスト効率的に多く包含させることができる。その上、本発明のSAPHは、営業手法として、食事代用品と共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければ食事代用品と関連した方法で販売される同時販売品として、上の実施例1と同様に提供することができる。
【0143】
本発明のSAPHは、粉剤の形で商業的に提供されるとき、水と混合されたときに組合されて魅力的で味の良い摂取型食品を与える無水着色料、甘味料および香味料を用いて調合される。水は要望に応じて、高温でも(シナモンアップル味ミックス、ココア味ミックスの場合)または低温でもよい。SAPH混合物を水に添加すると、SAPH物質は水を急速に吸収して、作るのが楽しいのと同時に、食べるのも楽しいゲル物質を形成する。このことは、子供の使用が想定されている際に特に重要であろう。最終生成物の粘稠度は、使用したSAPHの平均粒径および添加した水の相対量によって変化させることができる。ドリンクおよびシェイクは、ミックス中の超微細樹脂状SAPH結晶を過剰量の水に添加することによって作製される。添加する水が多いほど、それに比例してより低濃度で得られるドリンクが生成される。やや少ない水により大粒のSAPHを入れると、使用者が個別に決定することができる、低濃度の粘液から高濃度のプディング様物質に及ぶ粘稠度が生じる。得られた混合物は室温にて消費することができるか、または混合物を次に要望通りに冷却するか、または水の沸点まで加熱して、物質がゼラチンからタピオカプディングに及ぶ粘稠度を発現させることができる−混合物だけでは、同様に使用される市販製品と通例関係付けられるカロリー含有量を有さないであろう。上の実施例1から明らかであるように、多数の栄養物、天然生成物、栄養補助構成要素および他の添加剤は、要望通りに含まれることが可能であり、本発明のすべての利点を有する、作るのが楽しく容易であり、低カロリーで味がよく、栄養価の高い食事代用品を低コストで提供する。
【0144】
本発明のSAPHは、通例の水道水中でその重量の約500倍g/gを吸収する。ゆえに、本明細書に記載するような食事代用品の多くを作製するために、ごく少量の物質を使用する必要がある。本実施形態のさらなる利点は、このような混合物のコンパクトなサイズ、軽量および最終製品の体積であり;ハイキング、キャンプ、登山およびレクリエーションをする人々による使用はもちろんのこと、特にエネルギー調合物を含有可能なたとえばコンパクト包装食に含めるための、ある陸軍派遣および特殊部隊における使用にもきわめて有益であろう。
【0145】
3.ダイエット用菓子およびキャンディ:
本発明のSAPHをあらゆるタイプおよび種類の菓子およびキャンディに含めることができる。水と共に消費すると、胃膨張が起こって食欲を減退させ、それゆえこのような高エネルギーで高カロリー食品を過剰消費したいという欲望が制限される。その上、本発明のSAPHは、営業手法として、本発明のSAPHは、営業手法として、ダイエット用菓子およびキャンディと共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければダイエット用菓子およびキャンディと関連した方法で販売される同時販売品として、上の実施例1と同様に提供することができる。
【0146】
4.食事プラン:
市販の食事プランは、栄養バランスが取れており、カロリーが制限された食品を消費者へ提供する。これらのプランに伴う問題は、消費後に空腹感が残存することである。本発明のSAPHは、100℃を超える加熱を必要としなかったこれらの料理の調理済みの食事の内容に含めることができる。代わりに、本発明のSAPHは、営業手法として、食事プランと共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければ食事プランと関連した方法で販売される同時販売品として、上の実施例1と同様に提供することができる。
【0147】
5.クッキーおよび他の焼成品:
市販のクッキーおよび他の焼成品は、焼成工程後にシュガースプリンクルまたは他のトッピングを振りかけることが多い。同様に、本発明のSAPHは、早期満腹感を促進して、これらの製品の過剰消費しようとする衝動を低下させるために、加熱サイクル後にこのような焼成品に利用することができる。その上、本発明のSAPHは、営業手法として、クッキーおよび他の焼成品と共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければクッキーおよび他の焼成品と関連した方法で販売される同時販売品として、上の実施例1と同様に提供することができる。
【0148】
6.栄養(「パワー」)バー:
市販の栄養バーは、このような用語が当業者に十分に理解されているように、自然食品、穀物、果実、ナッツ、ハチミツ、香味料、甘味料、ビタミン、無機物および当業者に周知の多数の他の構成要素の配合から成る、通例は軽く圧縮された集合体である。通例、このようなバーは加熱されず、ゆえに事前に圧縮されたミックス中に本発明のSAPHを直接含めるのに好都合な送達手段を提供する。代わりに、本発明のSAPHは、上の実施例5と同様に、製造後にバー表面に塗布することができる。平均粒径は、広範囲の使用を満たすための多くの外観、粘稠度および粒度を与えるために変更することができる。その上、本発明のSAPHは、営業手法として、栄養バーと共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければ栄養バーと関連した方法で販売される同時販売品として、上の実施例1と同様に提供することができる。
【0149】
7.ボトル入り飲用水の補助剤:
水の飲みすぎに内在する潜在的な健康上の懸念について概説した最近の研究における賛否両論の所見にもかかわらず、有力な科学的および医学的意見には、平均な人で1日に付き8オンスグラスで8〜10杯の水を摂取することを推奨することが含まれている。1人当りのボトル入り飲用水の消費は、2006年には2001年からほぼ50パーセント上昇して、27.6ガロンとなっている。世界的には米国がボトル入り飲用水の最大消費国であるが、1人当たりの消費量では、米国は2005年には10位でしかない。その年には、イタリアが1人当りでアメリカのほぼ2倍のボトル入り飲用水を消費した。結果として、ボトル入り飲用水業界は現在、毎年110億ドルを超える売上を発表している。ボトル入り飲用水の多様性も上昇している。当業者は、ボトル入り飲用水と言えば、これに限定されるわけではないが:コーヒー、お茶、ソーダ、ジュース、風味付け水、活性化水、強化水、水素注入水、ミネラルウォーター、エネルギーおよびスポーツドリンク、水性植物または動物抽出物、水性生物学的飲料、炭酸および非炭酸飲料、ならびに主要構成要素として水を多く含む、他のすべての形のボトル入りまたは缶入り液体を含むことができる、胃環境におけるSAPH物質の膨張を促進するあらゆる好適な主に水性の流体を含むであろうことを認識するであろう。
【0150】
多くの消費者は、健康上の理由でボトル入り飲用水を購入する。多くは体重管理プログラムと組合せてボトル入り飲用水を飲むことを選択する。ゆえに、本発明の別の主な目的は、付加価値のある単一パッケージング概念で2つの品目を販売する好都合な手段を提供するために、カプセル剤またはゲルカプセル剤の形の本発明のSAPHをボトル入り飲用水製品のパッケージの一体化部分として提供することである。1個以上のカプセル剤またはゲルカプセル剤は多くの方法で含めることができる。
【0151】
好ましくは、1つ以上のカプセル剤は、ボトルの外面にテープ、シュリンクラップまたは他の同様の手段を用いて、出荷時の損傷が発生することのないボトルの箇所に、好都合におよび着脱自在に付着させることが可能であり、SAPH物質が同梱されていることに消費者の注意を引き付けるための見やすいラベルを場合により含む。さらに好ましくは、カプセル剤またはゲルカプセル剤は、キャップ下のボトルの口部分に時々使用されるシール手段に含めることができる。このようなシール手段は、このようなシールに共通している剥離が容易な機構を含有することが可能であり、カプセル剤またはゲルカプセル剤をシールの下面またはさらに好ましくはシールの背面の耐水性容器手段の中に、カプセル剤またはゲルカプセル剤をボトル入り飲用水と共に消費するために好都合に利用できるような方式でさらに安全に含むであろう。最も好ましくは、カプセル剤またはゲルカプセル剤をボトル入り飲用水のキャップ内に一体となって配置された小型コンパートメント内に配置することができる。キャップは好ましくは、カプセル剤またはゲルカプセル剤を含有することができる小さい空間を画成する一体成形された単片ふたとして提供される、リビングヒンジふたを用いて構成できる。さらに好ましくは、ふたは、下のカプセル剤またはゲルカプセル剤のためにコンパートメントを画成するスナップオン、ポップオフ機構として構築することができる。このようなスナップオンふたによって、カプセル剤またはゲルカプセル剤の自動装填が容易になるであろう。このようなふたは、消費者が容易に取り外せるようにするための小型タブまたは把持凹部を持つように構築することもできる。
【0152】
いずれにしてもおよび任意の組合せパッケージ手段の使用によって、本発明の目的は、ボトル入り飲用水製品と同時配置および一体包装する容易で安価な方法で、本発明のSAPHを含めることである。その上、本発明のSAPHは、営業手法として、ボトル入り飲用水製品と共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければボトル入り飲用水製品と関連した方法で販売される同時販売品として提供することができる。
【0153】
8.運動およびフィットネス機器補助剤:
他の同時販売の機会に加えて、本発明のSAPHは、運動およびフィットネス機器との同時販売品として含めることができる。カプセル剤またはゲルカプセル剤は、機器と共に直接販売できるか、または代わりに同時広告して、インターネット接続による販売を介した割引手段、または他の手段、たとえば当業者によって周知であるような方法によって購入後販売品として提供することができる。その上、本発明のSAPHは、営業手法として、運動およびフィットネス機器と共に、組合せて、添付して、同梱して購入される、またはそうでなければ運動およびフィットネス機器と関連した方法で販売される同時販売品として、上の実施例1と同様に提供することができる。
【0154】
9.アルコール吸収剤:
予想外の発見において、本発明のSAPHは、ある一般的なアルコール飲料を純水とほぼ同じ程度まで吸収する不思議な能力を有する。本発明のSAPHを多数の市販ブランドのビール、ワインおよび瓶入り蒸留酒を用いて試験した。すべてのブランドのビールは250〜400倍g/gの膨潤比で良好に吸収された。透明無色蒸留酒、たとえばウォッカおよびジンも、グラス内で十分な水によってエタノール10%未満に希釈した場合には、200〜350g/gで良好に吸収された。各種ウィスキー、たとえばスコッチ、バーボンおよびその他などの有色蒸留酒は、100〜200倍g/gであまり十分に吸収されなかったが、十分に希釈すると、吸収の改善が起こるであろう。試験を行ったいずれのワインでも、ワインが赤、白、スパークリングまたはそれ以外であることとは関係なく、吸収は起こらなかった。
【0155】
この発見によって、本発明のSAPHを節酒補助手段として有用にする新規の機会が提供される。他の販路に加えて、このような製品は、酒店、バーおよび居酒屋ならびにアルコール飲料が販売される他の場所において、客が消費を抑制するのを、および同量のアルコール消費量にもかかわらずその血中アルコールレベルを場合により低下させるのを補助するために提供することができる。このようなものとして、本発明のSAPHは、特に飲酒後の運転に関して、より責任を伴う飲酒行動を促進する補助手段として商品化することができる。
【0156】
この節酒補助用途の第2の利点は、胃内のアルコール飲料を取り込む早期満腹感機能および続いての満足感の誘導であり、それゆえ次の摂取されたアルコール飲料量が消費されるのを制限する。アルコール消費の低下によって、アルコール依存症の減少が促進されて、交通の安全性が向上し、アルコール関連の過剰摂取が減少して、そして肝硬変および肝臓病の発症が抑制される。これらの利点は、アルコール消費に関連する社会全体の罹患率、死亡率およびコストを実質的に低減するであろう。
【0157】
あるさらなる実施形態において、本発明は、残存する空腹感を伴わずにサイズが縮小された摂取される食事分量に個人を適応させるために、本発明のSAPHが経時的に使用される(すなわち投与または消費される)。このような経時的に行動を修正することは、これに限定されるわけではないが:a)持続的減量;b)食物の無駄の減少;c)倹約;c)自尊心の向上、およびe)医療コストの低減を含む、多くの有益な効果を有するであろう。必要な食事分量サイズを認識して累進的な変化を引き起こすために本発明を使用することは、ゆえに本発明の別の主な目的である。
【0158】
本明細書に記載する詳細な実施例および実施形態は例証目的のためだけに一例として与えられており、本発明に決して限定されると見なされないことが理解される。それに照らした各種の修飾または変更は、当業者に提案され、本出願の精神および範囲内に含まれ、添付請求項の範囲内であると見なされる。たとえば構成要素の相対量は、所望の効果を最適化するために変更されることがあり、さらなる構成要素が追加されることがあり、および/または同様の構成要素が記載した構成要素の1つ以上の代用とされることがある。本発明の系、方法、および工程に関連するさらなる有利な特徴および機能は、添付請求項から明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋ポリカルボキシラートホモポリマー、架橋ポリカルボキシラートコポリマーまたはその組合せの少なくとも1つ;および製薬的に許容される賦形剤を含む、経口送達用胃膨張性組成物。
【請求項2】
前記ポリカルボキシラートホモポリマーまたはコポリマーがエチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸無水物、またはその酸性塩もしくは塩基性塩の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の胃膨張性組成物。
【請求項3】
前記架橋ポリカルボキシラートホモポリマーまたはコポリマーがポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、またはそのアルカリ塩の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の胃膨張性組成物。
【請求項4】
前記ホモポリマーがポリアクリル酸のナトリウム塩を含む、請求項2に記載の胃膨張性組成物。
【請求項5】
前記組成物が約50〜約99重量%の架橋ポリカルボキシラート、および約1〜約10重量%のL−ロイシンを含む、請求項1に記載の胃膨張性組成物。
【請求項6】
前記組成物が約95重量%の架橋ポリカルボキシラート、および約5重量%のL−ロイシンを含む、請求項5に記載の胃膨張性組成物。
【請求項7】
架橋ポリカルボン酸、ステアリン酸、およびステアリン酸マグネシウムの組合せを含む、ポリマーハイドロゲル組成物。
【請求項8】
前記組成物がケイ酸マグネシウム、ゼラチン、グリセリンまたはその組合せの少なくとも1つをさらに含む、請求項7に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項9】
前記ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびタルクがそれぞれ3:2:3の相対比で存在する、請求項7に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項10】
前記組成物が約50〜約99重量%の前記架橋ポリカルボン酸、約0.01〜約20.00重量%のステアリン酸、約0.01〜約10.00重量%のステアリン酸マグネシウム、および約0.01〜約20.00重量%のケイ酸マグネシウムを含む、請求項8に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項11】
前記架橋ポリカルボン酸が複数のサイズ分布を有する粒子を含む、請求項10に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項12】
前記ポリカルボン酸が少なくとも1つのコモノマーをさらに含む、請求項10に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項13】
前記コモノマーがアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸もしくはその塩、セルロース性モノマー、修飾セルロース性モノマー、ポリビニルアルコール、デンプン水解物またはその組合せの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項14】
前記コモノマーが約5重量%を超える前記モノマー混合物を含む、請求項13に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項15】
前記コモノマーが約10重量%を超える前記モノマー混合物を含む、請求項13に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項16】
前記組成物が(ポリ)ビニルまたは非ビニル架橋剤の少なくとも1つをさらに含む、請求項7に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項17】
前記(ポリ)ビニルまたは非ビニル架橋剤がグリセリン、ポリグリコール、エチレングリコール、ジグリシジルエーテル、およびアリアミンから成る群から選択される、請求項16に記載のポリマーハイドロゲル。
【請求項18】
前記コポリマーがアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸もしくはその塩、セルロース性モノマー、修飾セルロース性モノマー、ポリビニルアルコール、デンプン水解物、およびその組合せから成る群から選択される、請求項1に記載の胃膨張性組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の組成物の有効量を単位調剤形態で食事の前に投与することを含み、前記組成物が早期満腹感を促進するのに有効である、個人の食欲を調節する方法。
【請求項20】
(i)
(a)少なくとも1つのエチレン性不飽和カルボキシル含有モノマー、
(b)少なくとも1つの架橋剤、および
(c)超臨界流体溶媒から成る重合媒体、
を含む重合混合物中で、モノマーまたはモノマー混合物を重合させ、前記混合物が架橋ハイドロゲルを形成すること;
(ii)前記超臨界流体溶媒を排出すること;
(iii)前記ハイドロゲルを樹脂状粒子に粉砕すること;
(iv)前記ハイドロゲルを乾燥させて樹脂状結晶を形成すること;
(v)前記樹脂状結晶を分類すること;および
(vi)前記樹脂状結晶を加熱すること;
を含む、膨張剤を形成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−511086(P2011−511086A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545981(P2010−545981)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/033157
【国際公開番号】WO2009/100181
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510214137)ウェロソフィー・コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】WELLOSOPHY CORPORATION
【Fターム(参考)】