説明

吸引清掃モジュール

【課題】吸引清掃モジュールを提供する。
【解決手段】本吸引清掃モジュールは第1ハウジングと、第2ハウジングと、第3ハウジングと、ファン送風機とを備える。該第1ハウジングの底部に接続された該第2ハウジングは外殻部を有し、吸引チャネルが該外殻部と該第1ハウジングの間に形成され、該第2ハウジングは該吸引チャネルと連通する集塵スペースを更に有する。該第3ハウジングは該第1及び第2ハウジングに結合され、濾過流出口を有する。該第3ハウジングに接続された該ファン送風機は該濾過流出口に対応する流入口と流出口とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置、特に、吸引清掃モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
自動化技術及び人工知能の急速な発展に伴い、ロボットは人間環境において益々重要な役割を果たしている。近年、清掃ロボットを主な用途としてサービスロボットが急速に開発されてきた。清掃ロボットは広範囲に亘り、国際ロボット連盟(IFR)によれば工業用ロボットと家庭用ロボットとに分類される。近年、家庭床掃除ロボット(電気掃除機)は急速に成長し、市場において年間生産数が2.5百万台を超える主流製品となっている。清掃ロボットの世界生産額は2007年の3億米ドルから2014年の18億米ドルへ6倍に増加すると推定されており、非常に大きな発展可能性がある。
【0003】
清掃ロボットに関する考慮項目の1つは、清掃性能である。この清掃性能はブラシ及び真空モジュールの構成により異なる。真空モジュールだけを使用する場合、重い顆粒状粉末粒子を吸引するためにより大きな吸引力を必要とし、消費電力とノイズが増加する。真空モジュールだけを使用する構成に加えて、ブラシモジュールと真空モジュールを組み合わせた構成も存在する。ブラシモジュールは塵、埃などの顆粒状粉末粒子を集めて、吸引によりこれらを取り除くための真空モジュールの吸引孔に導くために使用される。しかし、ブラシモジュールを使用しても、現在入手可能な真空清掃装置はまだ、低消費電力と低ノイズを維持しながら満足な清掃性能で動作することが出来ない。
【0004】
特許文献1に従来の自動電気掃除機の1つが開示されている。これは、主にブラシモジュールを使用しながらブラシモジュールの掃除動作を助けるために真空モジュールを使用して床掃除作業を実行できる自律的床掃除ロボットである。この自律的床掃除ロボットにおいては、塵カートリッジとファン送風機とはモジュール化され、ロボットの後部に一体化されるよう構成されるとともに、塵カートリッジは自律的床掃除ロボットのハウジング内に平らな引き出しとして挿入されるよう構成されている。また、特許文献2に、掃除するエリア内を自ら移動しながら自動清掃作業を実行する第1掃除ユニット、即ち、ロボット掃除機と、第1掃除ユニットに結合され掃除するエリア内をユーザにより移動させられながら手動清掃作業を実行する第2掃除ユニット、即ち、手動掃除機とを備えるロボット掃除システムが開示されている。第1掃除ユニットは塵を第2掃除ユニットに届けるための塵出口を有し、この塵出口を介して第2掃除ユニットに結合される。従って、ロボット掃除システムはロボット掃除機を分解することなく手動清掃作業中にロボット掃除機内に集められた塵とくずを取り除くことが出来る。また、特許文献3に、自律的床掃除装置用の集塵器が開示されている。これは、自律的床掃除装置の上面に開口した空気流路内に装着された容器である。この空気流路は自律的床掃除装置のファン送風機から取り外せるよう設計されているので、集塵器全体を自律的床掃除装置の上面から取り出すことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6883201号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0157420号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0028574号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は改善された吸引チャネルを有するスマートな吸引清掃モジュールを提供する。この吸引チャネルは吸引清掃モジュールの集塵スペースの隣に配置され、ファン送風機の吸引力の低下による集塵能力の低下を防ぐことが出来る。
【0007】
本発明は集塵チャネルと集塵器との一体化された構成とインテリジェントな検出機能を非常にスリムなファン送風機に一体化した構成とを特徴とするスマートな吸引清掃モジュールを提供する。これらの構成によりファン送風機の回転はインテリジェントな検出機能の働きに応じて制御されるので、ファン送風機の回転速度に関係する吸引清掃モジュールの吸引力は自動かつインテリジェントな方法で制御されうる。インテリジェントな検出機能は塵濃度検出、集塵器が一杯か否かの検出、集塵器のカバーが閉じているか否かの検出、及びフィルター損傷の検出を含む。即ち、ファン送風機は、検出結果に応じてファン送風機を制御して回転速度を変えるための制御ハードウェアと制御ファームウェアとを有する。例えば、空気流中に存在する顆粒状粉末粒子の量が増加すると、ファン送風機の回転速度を増加させ、吸引清掃モジュールの吸引力を増加させる。また、集塵器が一杯か、又はフィルターが損傷している時、ファン送風機を停止させる。前記インテリジェントな検出機能を実現するための赤外線センサー等のセンサーの使用に加えて、吸引清掃モジュールの電圧/電流変動を検出できる他のセンサーをより低消費電力かつより低ノイズで清掃性能を大幅に向上させるために使用する。
【0008】
また、本発明は集塵チャネル内の円滑な空気流を維持しながらサイズを柔軟に調整することを可能にするための構成を特徴とするスマートな吸引清掃モジュールを提供する。この構成により様々な電気掃除機に適合するよう、集塵チャネルを再設計する必要なしに集塵器の寸法を容易に調整できる。このため、様々な電気掃除機に対して集塵器の集塵スペースを最大にできる。また、使用の便利さのために、本発明のスマートな吸引清掃モジュールは急速クリーンアップ構造とモジュール化された吸引入口セットとを更に有する。急速クリーンアップ構造と集塵器に下開き開口又は引き出し開口を形成したこととによって、吸引清掃モジュールのユーザは、簡単な操作で顆粒状粉末粒子が自然に集塵器から落下するのを可能に出来る。従って、吸引清掃モジュール全体を分解して手を汚す必要がない。
【0009】
一つの実施形態では、本発明は吸引清掃モジュールを提供する。この吸引清掃モジュールは第1ハウジングと、該第1ハウジングの底部に接続され外殻部と集塵スペースとを有する第2ハウジングであって、吸引チャネルが該外殻部と該第1ハウジングの間に形成され、該集塵スペースが該吸引チャネルと連通する第2ハウジングと、該第1及び第2ハウジングに結合され濾過流出口を有する第3ハウジングと、該第3ハウジングに結合され、該濾過流出口に対応する位置に配置される流入口と流出口とを有するファン送風機とを備える。
【0010】
別の実施形態では、前記第2ハウジングは前記第1ハウジングに結合され、該第1ハウジングに結合された作動機構により回転駆動されることで、該第2ハウジングは選択的に前記第3ハウジングに当接し該第1ハウジングと該第3ハウジングの間に配置された集塵開口を塞ぐか、又は開くことが出来る。
【0011】
更に別の実施形態では、前記第3ハウジングの前記第1ハウジング及び第2ハウジングに対応する位置に第1開口が形成され、該第1開口の両側に第1留め枠が配置されている。また、前記第2ハウジングは前記外殻部を形成するためのチャネルパネルと、該チャネルパネルに結合され前記第1ハウジングと該第2ハウジングの間の位置に第2開口が形成された集塵器と、該集塵器の該第2開口の両側に配置され前記第1留め枠に結合される第2留め枠とを更に備え、該第2開口は前記第1開口に対応して配置される。本実施形態では、第1ハウジングと第2ハウジングとのモジュール化された部品を上方へスライドさせて引き出し、第3ハウジングから取り外すことが出来る。
【0012】
本出願の利用可能性の更なる範囲は下記の詳細な説明からより明らかとなるであろう。しかし、本発明の思想と範囲内の様々な変更と変形は詳細な説明から当業者にとって明らかとなるであろう。詳細な説明と特定の実施例は、本発明の実施形態を示めしているが、例示のためだけに提示されていることは理解されるべきである。
本発明は下記の詳細な説明と添付の図面からより完全に理解されるであろう。これらは例示だけのためであり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る吸引清掃モジュールの展開図である。
【図1B】本発明の第1実施形態に係る吸引清掃モジュールの3次元図である。
【図2A】第1実施形態に係る吸引清掃モジュールの切断面を示す概略図である。
【図2B】第1実施形態に係る吸引清掃モジュールの断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に係る吸引清掃モジュールにおける第2ハウジングの操作を示す概略図である。
【図3B】本発明の第1実施形態に係る吸引清掃モジュールにおける第2ハウジングの操作を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に係るカートリッジ基部の概略図である。
【図5】本発明の吸引清掃モジュールを使用する自動電気掃除機の切断面を示す概略図である。
【図6A】本発明の第2実施形態に係る吸引清掃モジュールの展開図である。
【図6B】本発明の第2実施形態に係る吸引清掃モジュールの3次元図である。
【図7A】本発明の第2実施形態に係る吸引清掃モジュールにおける第2ハウジングの操作を示す概略図である。
【図7B】本発明の第2実施形態に係る吸引清掃モジュールにおける第2ハウジングの操作を示す概略図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る吸引清掃モジュールの切断面を示す概略図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る吸引清掃モジュールの展開図である。
【図10】図8に示す吸引清掃モジュールを自動電気掃除機に嵌合させる方法を示す概略図である。
【図11】図8に示す吸引清掃モジュールから塵を捨てる方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照しながら本発明の実施するための形態について説明する。
【0015】
図1A及び図1Bは本発明の第1実施形態に係る吸引清掃モジュールの展開図と3次元図である。図2A及び図2Bは第1実施形態に係る吸引清掃モジュールの切断面を示す概略図と吸引清掃モジュールの断面図である。
第1実施形態において、吸引清掃モジュール2は第1ハウジング20、第3ハウジング21、第2ハウジング22、ファン送風機23、及び作動機構24を備える。第1ハウジング20は吸引入口200と集塵開口202とを有する。第2ハウジング22は第1ハウジング20の底部に接続され、外殻部と集塵スペース224を有し、該外殻部と第1ハウジング20の間に吸引チャネル26が形成されるとともに、集塵スペース224は吸引チャネル26と連通する。第3ハウジング21は濾過流出口201を有し、第1ハウジング20及び第2ハウジング22に結合される。本実施形態では、第1ハウジング20と第3ハウジング21は一体形成されているが、別の実施形態では、第1ハウジング20と第3ハウジング21は別個に形成されてもよい。
【0016】
図2A及び図2Bに示すように、第3ハウジング21と第1、第2ハウジング20、22のインターフェイスとの間にフィルター226が配置されている。また、フィルター226の上方の第1ハウジング20に溝203が形成され、フィルター226の下の第2ハウジング22に受容溝204が形成されている。フィルター226は枠25に嵌め込まれ囲われている。枠25の上部は溝203に挿入され、枠25の底部に形成された1つ以上の突起250を対応する受容溝204の凹部に挿入することで枠25の底部は受容溝204に受容される。なお、第1ハウジング20内のフィルター226の配置は実際の要件に応じて変更でき、本実施形態に限定されない。
【0017】
第2ハウジング22は集塵開口202に対応する位置で第1ハウジング20に回動可能に結合され、第3ハウジング21に当接し集塵開口202を塞ぐか、又はある傾斜角で開くよう選択的に回転駆動可能である。集塵開口202は第1ハウジング20と第3ハウジング21の間に位置する。本実施形態では、第2ハウジング22は基部パネル220、前部パネル221、一対の側部パネル222、及び一対の回動軸223から構成される。前部パネル221は基部パネル220の一方の側端に接続され、各側部パネル222は基部パネル220と前部パネル221とに2辺で接続され、これらの間に挟まれている。このため、集塵スペース224が第2ハウジング22内に形成される。各側部パネル222の回動軸223に対応する位置に貫通孔2220が形成され、一対の回動軸223をそれぞれ対応する貫通孔2220に嵌合させることで、第2ハウジング22を該ハウジングの両側に回動可能に結合することが出来る。図1Aに示すように、第1ハウジング20から突出した各回動軸223の一部は、動力伝達部品225に更に結合される。なお、図1Aの実施形態には一対の回動軸223が示されているが、これに限定されない。他の実施形態では、例えば、該ハウジングの一方の側に嵌合した回動軸が一つだけであってもよい。なお、本実施形態で使用される動力伝達部品225はギアである。図2Aにおいて、前部パネル221は、吸引入口200の片側に位置し第1ハウジング20内に集塵チャネル26を形成する流れガイド面2210を有する。本実施形態では、該流れガイド面は曲面であるが、これに限定されず、様々な集塵チャネルを形成するために任意の形状であってよい。集塵チャネル26は第1ハウジング20内に第2ハウジング22を使用して形成され、追加の部品は必要ないので、第2ハウジング22の集塵スペースを大きくできるだけでなく、集塵チャネル26内の空気流の円滑さが増大する。
【0018】
また、ファン送風機23は流入口230と流出口231とを有し、流入口230が濾過流出口201に対応する位置に配置されるよう第3ハウジング21に結合される。図2Aに示す実施形態では、第3ハウジング21は濾過流出口201が設けられるファン送風機23に対応する位置に傾斜面211を更に有し、流入口230が濾過流出口201内に受容されると、ファン送風機23は水平面に対して角度θだけ傾斜する。ファン送風機23は傾斜面211により傾斜するので、流入口230は集塵チャネル26に対応して位置し、集塵チャネル26内の空気流はフィルター226を通過後、流入口230に直接流入する。これにより、吸引清掃モジュール内の空気流の進行経路は短縮され、ファン送風機の従来の長い流路による吸引損失を回避することが出来る。
【0019】
第1ハウジング20に結合された作動機構24は第2ハウジング22を回転させる動きを生成することが出来る。本実施形態では、作動機構24は、第1ハウジング20の側面に形成された溝207にスライド可能に嵌合する一対のレバー240を備える。また、各レバー240はリブ241と、リブ241の一方の側に形成されたスロット242とを有する。また、動力伝達部品225に結合される動力出力部品243がスロット242内部に受容される。なお、動力出力部品243はリニアギアである。一対のレバー240を下方へ押してレバー240を下方へ直線的に移動させることで、動力出力部品243は直線運動するよう駆動されて、動力伝達部品225を回転させる。本実施形態では一対のレバー240を使用しているが、単一のレバー240を使用して単一の動力出力部品243を駆動し、単一の動力伝達部品225を単一の回動軸223の周りに回転させ集塵開口202を塞ぐか、又はある傾斜角で開くよう選択してもよい。作動機構24のユーザによる操作のし易さを向上させるために、レバー240の上部にロッド244が接続されている。これによりユーザは苦労なしにレバー240に力を働かせることが出来る。なお、ロッド244は本発明の吸引清掃モジュールの必須の構成要素の1つではなく、実際の要件に応じて選択的に使用されてよい。
【0020】
本発明の第1実施形態に係る吸引清掃モジュールにおける第2ハウジングの操作を示す概略図である図3A及び図3Bを参照されたい。図3Aに示すように、レバー240が押されて下方へ直線的に移動させられていない時、集塵開口202は第2ハウジング22の基部パネル220により塞がれている。レバー240が押されて下方へ直線的に移動させられると直ぐ、レバー240の下方移動に対応して動力出力部品243も下方へ移動し、動力出力部品243のギアは動力伝達部品225のギアと噛合し係合しているので動力伝達部品225を反時計回り方向に回転駆動する。動力伝達部品225の反時計回りの回転により、第2ハウジング22の基部パネル220は図3Bに示すように傾斜し、集塵開口202が現れ第2ハウジング22内の塵や埃が重力により自然に落下するのを許す。第2ハウジング22に下開き開口を形成することで、第2ハウジング22の構造が簡略化されるだけでなく、吸引清掃モジュールのユーザは、レバー240を押すという簡単な操作により顆粒状粉末粒子が集塵器から自然に落下するのを可能にでき、非常に便利である。明らかに、第2ハウジング22内の塵を捨てた後、レバー240を上方へ引くことで第2ハウジング22はその元の位置に回転して戻る。他の実施形態では、レバー240をその元の位置に戻す動力を提供するためにバネ等の弾性部材を使用してもよい。
【0021】
図1A及び図2Aに示すように、吸引入口200に対応する位置にスロット270が形成されたカートリッジ基部27が第1ハウジング20の吸引入口200に嵌合されている。カートリッジ基部27は塵除去器271と流れガイド272とを更に有する。なお、集塵開口202が第2ハウジング22により塞がれた時、第2ハウジング22の前部パネル221はカートリッジ基部27に当接する。本実施形態では、塵除去器271と流れガイド272はスロット270の両側の溝にそれぞれ挿入される。また、カートリッジ基部27はその両側に配置された2つの固定用パネル273によりハウジング20に固定されうる。塵除去器271は吸引入口200を通って吸引清掃モジュールに塵が吸引されるように床上の塵をかき回すよう構成されている。塵除去器271の一方の側に配置された流れガイド272はかき回した塵が吸引入口200に漏れなく吸引されるよう確実にするために使用される。本実施形態では、塵除去器271は鋸歯構造を有する。また、カートリッジ基部27は脱着・交換可能であるので、ユーザは床の材質に応じて特定の塵除去器271を有するカートリッジ基部27を選択することが出来る。例えば、木製の床の場合、柔らかいプラスチック塵除去器271を有するカートリッジ基部27を選択し、タイル床の場合、硬いプラスチック塵除去器271を有するカートリッジ基部27を選択する。また、カーペット掃除の場合、ブラシ構造の塵除去器271を有するカートリッジ基部27を選択する。従って、本発明の吸引清掃モジュールは、単にカートリッジ基部27を床に応じて変更することで全ての種類の床の掃除に適合しうる。カートリッジ基部27と塵除去器271は実際の要件に応じて選択でき、如何なる制約もない。
【0022】
また、第1ハウジング20は、第2ハウジング22の状態を検出するためのセンサー206を集塵スペース224に対応する位置に更に備える。センサー206は第2ハウジング22の状態を検出するために設けられている。この状態検出は第2ハウジング22が閉位置にあるか開位置にあるかの検出、又は第2ハウジング22内に溜まった塵の量が特定の閾値を超えたか否かの検出を含む。第2ハウジング22内に溜まった塵の量が特定の閾値を超えた時、センサー206は塵に覆われるので、警報信号を制御部28に発することが出来る。また、集塵器が図2Bに示すように開位置にある時、センサー206は第2ハウジング22により覆われるので、別の警報信号を制御部28に発することが出来る。制御部28は受信した警報信号に従って警報ユニットに警報を発するよう指示し、ユーザに第2ハウジング22が一杯か又は第2ハウジング22が適切に閉じられていないことを知らせる。
【0023】
本実施形態では、制御部28はファン送風機23に装着されている。制御部28は第2ハウジング22内に溜まった塵が特定の閾値を超えたか否かを受信した警報信号に従って判定できる。閾値を超えている場合、制御部28は警報ユニット280に警報を発してユーザに知らせるよう指示し、同時にファン送風機23を停止させ、第2ハウジング22内の塵を取り除くことを可能にする。なお、センサー206はこれに限定されないが赤外線センサーであってよい。警報ユニットは音声装置、発光装置などであってよい。また、第1ハウジング20は、フィルター21の状態を検出するための別のセンサー208をフィルター226とファン送風機23の間に更に備える。センサー208はフィルター226が損傷しているか否かを検出するために設けられ、粉末センサーであってよい。センサー208は検出信号を制御部28に送信する。センサー208の傍を通過する空気流中に存在する塵の量は、フィルター226が損傷していると大幅に増えるので、塵濃度の増加が検出され、センサー208からの信号に検出結果が示され、制御部28により認識される。制御部28はセンサー208の傍を特定の期間に通過する空気流中に存在する塵の量が特定の閾値を超えると直ぐに、フィルター226が損傷していると判断し、警報ユニット280に警報を発するよう指示し、ファン送風機23を停止させる。また、第1ハウジング20は、吸引入口200に入る塵の量を検出しそれに応じて塵濃度信号を制御部28に発するための粉末センサー209を吸引入口200に対応する位置に更に備える。このため、制御部28は受信した塵濃度信号に応じてファン送風機23の回転速度を制御して吸引清掃モジュールの吸引力を調整するための制御信号を発することが出来る。また、スマート制御を実現するために、制御部28はファン送風機23の電圧/電流変動を検出しファン送風機23の回転速度を制御するための基礎データとして使用するよう構成されている。これにより、本吸引清掃モジュールの清掃性能が大幅に向上するだけでなく、吸引清掃モジュールはより低消費電力かつより低ノイズで動作することが出来る。
【0024】
本発明の吸引清掃モジュールを使用する自動電気掃除機の切断面を示す概略図である図5を参照されたい。図1A及び図5に示すように、自動電気掃除機3はケース30を有し、吸引清掃モジュール2はケース30内に収容されている。制御パネル31がケース30の表面上に配置され、自動電気掃除機3の操作インターフェイスとして、また吸引清掃モジュール2に関する警報情報を表示するために使用される。自動電気掃除機3は制御部からの制御信号に従って駆動輪及び遊び車輪32により移動するよう駆動されうる。従って、吸引清掃モジュール2が塵の量が増加していることを検出した時、制御部は吸引清掃モジュールの吸引力を増大させるための制御信号を発するとともに、清掃性能を改善するために自動電気掃除機3が往復運動、即ち、前後に繰り返し移動するよう制御する。
【0025】
本発明の第2実施形態に係る吸引清掃モジュールの展開図と3次元図である図6A及び図6Bを参照されたい。第2実施形態の吸引清掃モジュールは図1Aに例示したものと基本的に同じであるが、図6A及び図6Bの作動機構29は図1Aの作動機構24と異なる点が異なる。第2実施形態では、作動機構29は、第1ハウジング20の両側に結合された一対のレバー290を備える。また、各レバー290は動力伝達部品225に結合される動力出力部品291を有する。従って、動力伝達部品225に第2ハウジング22を傾斜させるための回転運動を行わせるようレバー290を回転駆動することが出来る。本第2実施形態では一対のレバー290を使用しているが、単一のレバー290を使用して単一の動力出力部品291を駆動し、単一の動力伝達部品225を単一の回動軸223の周りに回転させ集塵開口202を塞ぐか、又はある傾斜角で開くよう選択してもよい。
【0026】
本発明の第2実施形態に係る吸引清掃モジュールの操作を示す概略図である図7A及び図7Bを参照されたい。図7Aに示すように、レバー290が回転させられていない時、集塵開口202は第2ハウジング22の基部パネル220により塞がれている。一方、レバー290が時計回りに回転させられると直ぐ、動力出力部品291はレバー290の回転に対応して回転し、動力出力部品291のギアは動力伝達部品225のギアと噛合し係合しているので動力伝達部品225を反時計回り方向に回転するよう駆動する。動力伝達部品225の反時計回りの回転により、第2ハウジング22の基部パネル220は図7Bに示すようにある傾斜角だけ傾斜し、集塵開口202が現れ第2ハウジング22内の塵や埃が重力により自然に落下するのを許す。明らかに、第2ハウジング22内の塵を捨てた後、レバー290を反時計回りに引くことで第2ハウジング22はその元の位置に回転して戻る。他の実施形態では、レバー290をその元の位置に戻す動力を提供するためにバネ等の弾性部材を使用してもよい。
【0027】
本実施形態は下開き操作、即ち、第1ハウジング20と第3ハウジング21の間に位置する集塵開口202を第2ハウジング22の回転により開いたり閉じたり出来ることを特徴とする。しかし、下記の別の実施形態では、引出し開きで操作されるタイプの吸引清掃モジュールを開示する。本発明の第3実施形態に係る吸引清掃モジュールの切断面を示す概略図である図8を参照されたい。本実施形態では、吸引清掃モジュール4は第1ハウジング40、第3ハウジング42、第2ハウジング41、及びファン送風機43を備える。第2ハウジング41は第1ハウジング40の底部に接続され、外殻部と集塵スペース45を有し、該外殻部と第1ハウジング40の間に吸引チャネル44が形成されており、集塵スペース45は吸引チャネル44と連通している。第3ハウジング42は濾過流出口420を有し、第1ハウジング40及び第2ハウジング41に結合されている。本実施形態では、第1ハウジング40と第2ハウジング41は一体形成されているが、これに限定されず、第1ハウジング40と第2ハウジング41は別個に形成されてもよい。また、第1ハウジング40と第3ハウジング42は一体形成されても、又は別個に形成されてもよい。
【0028】
ファン送風機43は第3ハウジング42に結合されている。本実施形態では、第3ハウジングはファン送風機42が配置される傾斜面421を有する。ファン送風機42はモーター430、ファン431、入口432、及び出口433を備え、モーター430はファン431に結合されファン431を回転させ空気流を生成する。また、ファン送風機43は上部殻434と下部殻435とを有し、モーター430とファン431はこれらの殻の間の空間に収容されている。なお、入口432は濾過流出口420に対応する位置に位置している。図8に示すように、第2ハウジング41の面上の第1ハウジングに対応する位置にフィルター460を装着するための枠座46が配置され、吸引入口440が吸引チャネル44内の第1ハウジング40と第2ハウジング41の間に配置されている。なお、吸引チャネル44の吸引入口440は、吸引入口440に対応する位置にスロット470を有するカートリッジ基部47が嵌合するよう設計されている。また、カートリッジ基部47はスロット470の両側にそれぞれ塵除去器471と流れガイド472とを更に有する。カートリッジ基部47の構造は上記実施形態で説明したものと同様であり、更なる説明を省略する。また、動力センサー441、集塵状態センサー450、及びフィルターセンサー424を吸引清掃モジュール4内に設けてもよい。これらは上記実施形態で説明したセンサー206、209、208と同様に動作するので、更なる説明を省略する。
【0029】
図8及び図9に示すように、第3ハウジング42の第1ハウジング40及び第2ハウジング41に対応する位置に第1開口422が形成されている。第1留め枠423が第1開口422の両側に配置されている。また、第2ハウジング41は殻を形成するチャネルパネル410と、チャネルパネル410に結合された集塵器411と、第1ハウジング40と第2ハウジング41の間で集塵器411に形成され第1開口422に対応して配置された第2開口413の両側に配置され、第1留め枠423に結合される第2留め枠412とを更に備える。本実施形態では、第2留め枠412は枠ラック461の突起462が挿入されるバックルスロット414を有する。また、枠ラック461にフィルター460を支持する複数のリブ463を形成することが出来る。また、第1ハウジング40と第2ハウジング41とのモジュール化された部品をユーザが第3ハウジング42から引き出すのを容易にするために、第1ハウジング40にハンドル48が形成されている。
【0030】
図8に示す吸引清掃モジュールを自動電気掃除機に嵌合させる方法を示す概略図である図10を参照されたい。図5に示したものと同様に、自動電気掃除機3は吸引清掃モジュール4を収容するためのケース30を有する。また、自動電気掃除機3は駆動輪及び遊び車輪32を有し、制御信号に従って移動するよう駆動されうる。吸引清掃モジュール4が多量の塵を検出した時、吸引清掃モジュール4の吸引力を増大させるとともに、塵を完全に取り除くために自動電気掃除機に前後に繰り返し移動するよう指示する。図8に示す吸引清掃モジュールから塵を捨てる方法を示す概略図である図11を参照されたい。吸引清掃モジュール4に集められた塵が特定の量を超えた場合、ユーザは自動電気掃除機3のケース30を開き、第1ハウジング40、第2ハウジング41、及びフィルター460からなるモジュール化部品をケース30から上方へ引き出すことが出来る。また、フィルター460は枠ラック461に装着されているので、ユーザは枠ラック461を第2留め枠412から簡単に取り外し第2ハウジング41から塵を捨てることが出来る。
【0031】
上記説明を参照すると、本発明の構成要素群の最適な寸法関係(サイズの変動、材料、形状、機能、動作方法、組立て、及び使用を含む)は当業者にとって容易に明らかであることが理解されよう。図面に例示し本明細書で説明した関係に等価な関係は全て、本開示に含まれると意図されている。
【符号の説明】
【0032】
20、40 第1ハウジング
21、42 第3ハウジング
22、41 第2ハウジング
23、43 ファン送風機
26、44 吸引チャネル
201 濾過流出口
202 集塵開口
224 集塵スペース
230 流入口
231 流出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングと、
該第1ハウジングの底部に接続され外殻部と集塵スペースとを有する第2ハウジングであって、吸引チャネルが該外殻部と該第1ハウジングの間に形成され、該集塵スペースが該吸引チャネルと連通する第2ハウジングと、
該第1及び第2ハウジングに結合され濾過流出口を有する第3ハウジングと、
該第3ハウジングに結合され、該濾過流出口に対応する位置に配置される流入口と流出口とを有するファン送風機と
を備える吸引清掃モジュール。
【請求項2】
前記第3ハウジングは前記濾過流出口が配置された傾斜面を有し、前記ファン送風機は該濾過流出口に取り付けられ、該ファン送風機は水平面に対してある角度だけ傾斜する請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項3】
前記第2ハウジングは前記第1ハウジングに結合され、該第1ハウジングに結合された作動機構により回転駆動されることで、該第2ハウジングは選択的に前記第3ハウジングに当接し該第1ハウジングと該第3ハウジングの間に配置された集塵開口を塞ぐか、又は開くことが出来る請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項4】
前記第2ハウジングは
基部パネルと、
該基部パネルに接続され前記外殻部を形成する前部パネルと、
該基部パネル及び該前部パネルに接続されこれらに挟まれ前記集塵スペースを該第2ハウジング内に形成する一対の側部パネルと、
該2つの側部パネルの1つに接続され前記第1ハウジングの側部に回動可能に結合された回動軸であって、該第1ハウジングから突出した該回動軸の一部は動力伝達部品に結合される回動軸と
を備える請求項3に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項5】
前記作動機構は前記第1ハウジングの側面に回動可能に結合されたレバーを備え、該レバーは該レバーの回転駆動を回転運動を作動させるために使用できるよう前記動力伝達部品に結合された動力出力部品を備える請求項4に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項6】
前記作動機構は前記第1ハウジングの側面に形成された溝内にスライド可能に嵌合したレバーを備え、該レバーは該レバーの直線駆動を回転運動を作動させるために使用できるよう前記動力伝達部品に結合された動力出力部品を備える請求項4に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項7】
前記レバーはロッドに更に接続されている請求項6に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項8】
前記第1ハウジング又は前記第2ハウジングの前記集塵スペースに対応する位置に、該吸引清掃モジュールの集塵状態を検出するためのセンサーが配置されている請求項4に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項9】
前記吸引チャネル内の吸引入口はカートリッジ基部が嵌合するよう設計されており、一方、該カートリッジ基部は該吸引入口に対応する位置にスロットを有し、該カートリッジ基部は該スロットの両側にそれぞれ配置された塵除去器と流れガイドとを更に有する請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項10】
前記前部パネルは流れガイド面を有し、前記カートリッジ基部に当接可能であり、一方、前記第2ハウジングは前記第3ハウジングに当接可能である請求項9に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項11】
前記第3ハウジングと前記第1及び第2ハウジングのインターフェイスとの間に配置されたフィルターを更に備える請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項12】
前記ハウジングは前記フィルターと前記ファン送風機の間の位置に該フィルターの状態を検出するためのセンサーを更に有する請求項11に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項13】
前記ハウジングは前記吸引入口に対応する位置に粉末センサーを更に有する請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項14】
制御部を備えた電気掃除機内に収容されるよう適合し、該制御部は前記粉末センサーの検出に基づいて、前記ファン送風機の動作による吸引力を調整することと、該電気掃除機に往復運動させることとからなるグループから1つの動作を選択し実行できる請求項13に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項15】
前記第3ハウジングの前記第1ハウジング及び第2ハウジングに対応する位置に第1開口が形成され、該第1開口の両側に第1留め枠が配置されている請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項16】
前記第2ハウジングは
前記外殻部を形成するためのチャネルパネルと、
該チャネルパネルに結合され前記第1ハウジングと該第2ハウジングの間の位置に第2開口が形成された集塵器と、
該集塵器の該第2開口の両側に配置され前記第1留め枠に結合される第2留め枠と
を更に備え、
該第2開口は前記第1開口に対応して配置される請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項17】
前記第2ハウジングの前記集塵スペースに対応する位置に、該吸引清掃モジュールの集塵状態を検出するためのセンサーが配置されている請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項18】
前記吸引チャネル内の吸引入口はカートリッジ基部が嵌合するよう設計されており、一方、該カートリッジ基部は該吸引入口に対応する位置にスロットを有し、該カートリッジ基部は該スロットの両側にそれぞれ配置された塵除去器と流れガイドとを更に有する請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項19】
前記第1ハウジングはハンドルを更に有する請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項20】
前記第1及び第2ハウジングは、該第1及び第2ハウジングの一体形成と個別形成とからなるグループから選択された方法で形成されている請求項1に記載の吸引清掃モジュール。
【請求項21】
前記第1及び第3ハウジングは、該第1及び第3ハウジングの一体形成と個別形成とからなるグループから選択された方法で形成されている請求項1に記載の吸引清掃モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−31509(P2013−31509A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168320(P2011−168320)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(390023582)財團法人工業技術研究院 (524)
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】