説明

吸排水性抗菌消臭液ユニット、それを適用した敷物並びにスプレー装置

【課題】細菌の増殖、これに伴う悪臭の発生を効果的に抑制することができる吸排水性抗菌消臭液ユニット、それを適用した敷物並びにスプレー装置を提供する。
【解決手段】敷物に塗布することで該敷物に吸排水性及び抗菌消臭性を付与することができる吸排水性抗菌消臭液ユニットであって、感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、銅などの金属を含有するフタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とからなる吸排水性抗菌消臭液ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の室内や廊下の床面、自動車や列車、飛行機の床面に敷設されるカーペットやマット、特には玄関マット、浴室や洗面所に敷設されるカーペットや足拭きマット、台所のキッチンマット、便所用マットなど、水に濡れやすく、しかも悪臭を発生しやすい用途に適用される敷物に優れた吸排水性及び抗菌消臭性を付与することができる吸排水性抗菌消臭液ユニット、それを適用した敷物並びにスプレー装置に関する。
【0002】
詳細には、水を速やかに吸水して保持すると共に、一旦吸収した水を放出することができる感温吸排水性ポリマーを採用しており、該感温吸排水性ポリマーが水分を吸水した後、排水性を発揮するようになるまでの間、細菌の増殖、これに伴う悪臭の発生を効果的に抑制することができる吸排水性抗菌消臭液ユニット、それを適用した敷物並びにスプレー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、例えばホテルや劇場などの公共施設の玄関先には玄関マットが敷かれていることが多い。雨天時には、多くの利用者がこの玄関マットを通って出入りするため、該玄関マットは多くの水を含んでしまい、利用者が玄関マットを踏むことで、足を濡らしてしまうことがあった。このため、頻繁に玄関マットを取り替えなければならないという煩雑さもあった。さらには、玄関の奥には大理石などが敷かれた玄関ホールが隣接されていることが多く、足を濡らした利用者が玄関ホールで転倒するという危険もあった。
【0004】
一方、浴室や洗面所に敷設されるカーペットや足拭きマットなどの敷物は、水が掛かって濡れる度毎に、取り外して乾燥させる必要があり、濡れたままに放置すれば、該敷物が細菌の温床となり、悪臭の発生原因ともなっていた。
【0005】
さらに、便所用マットなどの敷物の場合、尿で濡れることを前提として使用とするものであることから、頻繁に清掃しなければならないという煩雑さがあった。濡れたままにしておくと、悪臭が発生し、利用者に不快感を与えていた。
【0006】
このような事情から、ゼオライト、シリカゲル等の無機物からなる吸水材や吸水性樹脂からなる吸水材を使用した敷物が提案されている。ところが、このような敷物にあっては、吸水性を高くするため、吸水材量を多くした場合、吸水材が吸水して膨潤して強度が低くなり、反対に敷物としての強度を高くするため、吸水材量を減らすと、十分な吸水性が得られないといった問題があった。
【0007】
そこで、十分な吸水性と強度を兼ね備えた敷物が提案されるに至っている(例えば特許文献1参照)。この敷物は、吸水量10g/g以上の高吸水性繊維からなる吸水性不織布層の少なくとも片面に、伸度50%以上の伸縮性不織布層が積層され、部分的に一体化されたことを特徴とするものである。
【0008】
しかし、この敷物にあっては、吸水量が飽和に達すると、保持した水分を放水、放湿する機能を持っていないため、効果がなくなり取り替えなければならない。また、踏みつけられる等の圧力が加わると、吸水した水が逆戻りする現象も発生するといった不具合があった。
【0009】
そこで、従来より知られる、水を速やかに吸水して保持すると共に、一旦吸収した水を放出することができる機能を有する感温性の吸排水性ポリマー(例えば特許文献2参照)を、従来の吸水性ポリマーに代えて敷物に採用することについて検討する。
【0010】
感温吸排水性ポリマーは、水分を吸水し保持した後、温度が感温点に達したときにはじめて排水性が発揮するようになっている。このため、感温点に達するまでの間、吸水したポリマーを含む敷物は、細菌の温床となり、悪臭の発生源ともなることが予想される。特に自動車や列車などの隔離された室内に置かれる敷物に適用した場合、悪臭被害が著しいと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平6−57610
【特許文献2】特開2005−333976
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、感温吸排水性ポリマーが水分を吸水した後、排水性を発揮するようになるまでの間、細菌の増殖、これに伴う悪臭の発生を効果的に抑制することができる吸排水性抗菌消臭液ユニット、それを適用した敷物並びにスプレー装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、請求項1〜4に記載の発明は、敷物に塗布することで該敷物に吸排水性及び抗菌消臭性を付与することができる吸排水性抗菌消臭液ユニットであって、
感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、下記化学式1で表されるフタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とからなることを特徴とする吸排水性抗菌消臭液ユニットをその要旨とした。
【化1】

尚、式中のMは、鉄、マンガン、チタン、バナジウム、ニッケル、銅、タングステンから選択される金属である。
【0014】
請求項5〜6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の吸排水性抗菌消臭液ユニットが塗布されたことを特徴とする敷物をその要旨とした。
【0015】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸排水性抗菌消臭液ユニットを敷物に塗布する際に使用するスプレー装置であって、
スプレー本体と、
感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、下記化学式1で表されるフタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とが、それぞれ別々の収納部に収納されるようにしたスプレー容器と、
前記スプレー容器からスプレー本体へと吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液を導入する吸い上げ管と、
前記スプレー本体に回動自在に装着されるトリガーと、
を備えており、前記スプレー本体に装着される吸い上げ管が二股状に枝分かれして、該吸い上げ管の各先端部が前記容器の各収納部の液内にそれぞれ配置されており、前記トリガーを回動操作することにより、前記吸排水性溶媒液と抗菌消臭溶媒液とが混合状態でスプレーされることを特徴とするスプレー装置をその要旨とした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜5に記載の吸排水性抗菌消臭液ユニット並びにこれを適用した敷物にあっては、感温点が10−45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とからなることから、該ユニットを敷物に塗布することで、簡単に優れた吸排水性及び抗菌消臭性を敷物に付与することができ、この結果、敷物中に含まれる一旦水分を吸水した排水性ポリマーが排水性を発揮するようになるまでの間、細菌の増殖、これに伴う悪臭の発生を効果的に抑制することができる。
【0017】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸排水性抗菌消臭液ユニットを敷物に塗布する際に使用するスプレー装置にあっては、スプレー容器の収納部内に感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とが、それぞれ別々の収納されるようになっている。感温吸排水性ポリマーは、溶媒液中でフタロシアニン化合物と共存させると、該フタロシアニン化合物を凝集させる作用があり、この場合、使用時にフタロシアニン化合物の持つ機能が十分に発揮されなくなる恐れがある。
【0018】
請求項7に記載のスプレー装置にあっては、保管時には感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とが、スプレー容器内の各収納部内にそれぞれ別々の収納されるようになっており、上記不具合を生じることは無い。使用時には、二股状に枝分かれした各先端部が前記容器の各収納部の液内に配置される吸い上げ管を通してスプレー容器内の吸排水性溶媒液と抗菌消臭溶媒液とが混合状態でスプレーされるようになっており、該ユニットがスプレーされる敷物において、吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液に含まれる感温吸排水性ポリマーとフタロシアニン化合物の機能が十分に発揮されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の吸排水性抗菌消臭液ユニットを収めたスプレー装置を示す正面図。
【図2】本発明の吸排水性抗菌消臭液ユニットをスプレー装置を用いてスプレーした敷物を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の吸排水性抗菌消臭液ユニット、それを適用した敷物並びにスプレー装置を図面に従ってさらに詳しく説明する。図1は、本発明の吸排水性抗菌消臭液ユニット(以下、単にユニットという)を収めたスプレー装置を示している。該装置に収納されるユニットは、感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とからなる。
【0021】
吸排水性溶媒液を構成する溶媒成分としては、水、またはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、或いはこれらの混合物の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。中でも、安全性、入手容易性及び価格などの点から、水/エタノール(重量比)=95/5〜30/70の範囲の配合割合としたエタノール水溶液が好ましい。この混合溶媒成分を使用すると、該ユニットを敷物に適用した後、短時間で乾燥し、臭気も強くないので、使用時に周辺環境に悪影響を与える恐れもないので好ましい。
【0022】
この溶媒成分に含まれる吸排水性ポリマーとしては、取り扱い性が良好であり、かつ吸排水性の制御が容易であることから、吸水性に優れると共に一旦吸水した後、温度変化に伴って吸水率が変化して排水する機能を持つ感温吸排水性ポリマーを用いている。また、感温吸排水性ポリマーとしては、感温点が10〜45℃の温度領域にあるものであれば何でもよいが、感温点が35℃のものがさらに好ましい。
【0023】
感温吸排水性ポリマーの具体例としては、N−置換(メタ)アクリルアミド及びN,N−置換(メタ)アクリルアミドのうち、少なくとも一方を重合成分として架橋剤存在下で重合してなる重合体であるであることが好ましい。これらのモノマーを用いることにより、温度変化に対して敏感に吸排水を繰り返す樹脂を得ることができる。
【0024】
N−置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。本発明においては、特にN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0025】
N,N−置換(メタ)アクリルアミドの具体例としては、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。本発明においては、特にN,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0026】
吸排水性溶媒液における感温吸排水性ポリマーの含有量としては、特に限定されないが、十分な感温吸排水性と良好な分散性を確保するため、1〜30重量%が好ましい。
【0027】
抗菌消臭溶媒液に含まれるフタロシアニン化合物としては、下記化学式2で表されるものであり、式中のMは、鉄、マンガン、チタン、バナジウム、ニッケル、銅、タングステンから選択される金属である。
【化2】

【0028】
上記フタロシアニン化合物の中でも、銅の錯体を形成したものが、抗菌性、消臭性に優れる点で好ましい。抗菌消臭溶媒液におけるフタロシアニン化合物の含有量としては、特に限定されないが、十分な抗菌消臭性と良好な分散性を確保するため、1〜30重量%が好ましい。
【0029】
抗菌消臭溶媒液を構成する溶媒成分としては、上述した吸排水性溶媒液を構成する溶媒成分と同じ、水、またはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、或いはこれらの混合物の中から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。中でも、安全性、入手容易性及び価格などの点から、水/エタノール(重量比)=95/5〜30/70の範囲の配合割合としたエタノール水溶液が好ましい。この混合溶媒成分を使用すると、該ユニットを敷物に適用した後、短時間で乾燥し、臭気も強くないので、使用時に周辺環境に悪影響を与える恐れもないので好ましい。
【0030】
上記吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液中には、それぞれバインダー成分をさらに含むこともできる。この場合、該ユニットを敷物にスプレーしたときに、敷物を構成する繊維表面にバインダー成分を介して感温吸排水性ポリマーやフタロシアニン化合物が付着するので、敷物を使用に際して感温吸排水性ポリマーやフタロシアニン化合物が容易に脱落するのを防止することができ、永く感温吸排水性及び抗菌消臭性を確保できるという利点がある。
【0031】
バインダー成分としては特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び2−メタクリロイルプロピオンの中から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0032】
上記吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液中に含まれるバインダー成分の含有量としては、特に限定されないが、その含有量が余りに多いと、バインダー成分によって感温吸排水性ポリマーやフタロシアニン化合物が覆われてしまい、十分な感温吸排水性及び抗菌消臭性を得ることができなくなる。一方、バインダー成分の含有量が少ないと、敷物を構成する繊維表面にへのバインダー成分を介しての感温吸排水性ポリマーやフタロシアニン化合物の付着力が弱くなる。バインダー成分の含有量としては、1〜30重量%が好ましい。
【0033】
尚、ユニットを構成する吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液中には、色素、増粘剤等を所望により配合してもよく、さらに別の防腐・防黴剤、殺菌剤等を配合することもできる。
【0034】
また、ユニットを構成する吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液のそれぞれは、後述のスプレー装置を用いてスプレーできるように、エマルジョン、懸濁、エアゾールの形態に調製され得る。
【0035】
次に、上記ユニットを敷物に塗布する際に使用するスプレー装置(以下、単に装置という)について説明する。図1に示すように、装置10は、スプレー本体11と、スプレー容器12と、吸い上げ管13と、トリガー14とを備えている。
【0036】
スプレー容器12は、上記ユニットを構成する感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーXを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物Yを含む抗菌消臭溶媒液とが、それぞれ別々の収納部12a、12bに収納されるようになっている。このため、感温吸排水性ポリマーによってフタロシアニン化合物を凝集することがなく、凝集により使用時にフタロシアニン化合物の持つ機能が十分に発揮されなくなる恐れもない。
【0037】
このスプレー容器12のそれぞれの収納部12a、12bの液内には、二股状に枝分かれした吸い上げ管13の先端部13a、13bが配置されており、この吸い上げ管13の基端部分では枝分かれした管が一つにまとまり、スプレー本体11内のスプレーノズル15と繋がる送液路(図示しない)には吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液が混合状態で供給されるようになっている。
【0038】
そして、スプレー本体11に回動自在に装着されたトリガー14を回動操作することによって、スプレー本体11内に配したシリンダ、ピストン(図示しない)が移動し、各収納部12a、12b内の吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液が送液路(図示しない)内へと送出され、スプレーノズル15を通してスプレーされるようになっている。
【0039】
この装置10を用いることで、保管時において、感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とは、それぞれ別々の収納されるようになっており、感温吸排水性ポリマーによってフタロシアニン化合物が凝集することはない。
【0040】
次に、図1に示す装置を用いてユニットをスプレーした敷物について説明する。図2に示す敷物20は、基布21にパイル糸23をタフティングしたタフトカーペットであり、その裏面に樹脂バッキング22を設けたものである。ユニットをスプレーした敷物20の表層を構成する基布21及びパイル糸23の表面には、感温吸排水性ポリマーXとフタロシアニン化合物Yが付着しており、これにより、優れた吸排水性及び抗菌消臭性が付与されている。
【0041】
この敷物20にあっては、水が掛かって濡れたとき敷物中に含まれる感温吸排水性ポリマーが、敷物20上の水分を速やかに吸水して保持するようになっている。一旦、吸水した感温吸排水性ポリマーXは、所定の感温点に達したときに排水性を発揮するようになるが、それまでの間は、フタロシアニン化合物Yが細菌の増殖、これに伴う悪臭の発生を効果的に抑制するようになっている。
【0042】
この敷物20にスプレーするユニットの乾燥付着量として特に限定されないが、十分な性能を発揮し、かつ経済性を考慮したとき、1〜100g/m2での付着量とするのが望ましい。
【0043】
本発明は、上記例に限定されず、例えばユニットを敷物にスプレーする場合、図1に示す装置を用いないで、感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、フタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液をそれぞれ別々のスプレー装置を用いてスプレーしても良く、また、ユニットをスプレーした敷物を大量生産する場合には、例えば敷物を構成する基布やバッキングの生産ラインでユニットを構成する吸排水性溶媒液や抗菌消臭溶媒液を別々にスプレーするなど、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で自由に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0044】
10・・・装置
11・・・スプレー本体
12・・・スプレー容器
12a、12b・・・収納部
13・・・吸い上げ管
14・・・トリガー
X・・・感温吸排水性ポリマー
Y・・・フタロシアニン化合物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷物に塗布することで該敷物に吸排水性及び抗菌消臭性を付与することができる吸排水性抗菌消臭液ユニットであって、
感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、下記化学式1で表されるフタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とからなることを特徴とする吸排水性抗菌消臭液ユニット。
【化1】

尚、式中のMは、鉄、マンガン、チタン、バナジウム、ニッケル、銅、タングステンから選択される金属である。
【請求項2】
吸排水性ポリマーが、N−置換(メタ)アクリルアミド及びN,N−置換(メタ)アクリルアミドのうち、少なくとも一方を重合成分として架橋剤存在下で重合してなる重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の吸排水性抗菌消臭液ユニット。
【請求項3】
吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液を構成する溶媒成分がエタノール水溶液からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸排水性抗菌消臭液ユニット。
【請求項4】
吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液中にそれぞれバインダー成分をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸排水性抗菌消臭液ユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸排水性抗菌消臭液ユニットが塗布されたことを特徴とする敷物。
【請求項6】
吸排水性抗菌消臭液ユニットの乾燥付着量が1〜100g/m2であることを特徴とする請求項5に記載の敷物。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸排水性抗菌消臭液ユニットを敷物に塗布する際に使用するスプレー装置であって、
スプレー本体と、
感温点が10〜45℃である感温吸排水性ポリマーを含む吸排水性溶媒液と、下記化学式1で表されるフタロシアニン化合物を含む抗菌消臭溶媒液とが、それぞれ別々の収納部に収納されるようにしたスプレー容器と、
前記スプレー容器からスプレー本体へと吸排水性溶媒液及び抗菌消臭溶媒液を導入する吸い上げ管と、
前記スプレー本体に回動自在に装着されるトリガーと、
を備えており、前記スプレー本体に装着される吸い上げ管が二股状に枝分かれして、該吸い上げ管の各先端部が前記容器の各収納部の液内にそれぞれ配置されており、前記トリガーを回動操作することにより、前記吸排水性溶媒液と抗菌消臭溶媒液とが混合状態でスプレーされることを特徴とするスプレー装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−41281(P2012−41281A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182159(P2010−182159)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)
【Fターム(参考)】