説明

吸気口選択装置および筐体

【課題】情報機器の冷却に関する問題を解消すること。
【解決手段】吸気口選択装置300は、情報機器50〜80に取り付けられた温度センサ51c〜53c、61c〜63c、71c〜73c、81c〜83cから温度情報を取得する。そして、吸気口選択装置300は、取得した各温度情報を基にして、情報機器毎に、吸気口の開閉を選択する。そして、吸気口選択装置300は、開ける吸気口の情報および閉める吸気口の情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気口選択装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のサーバ装置をラックに集中的に収容することで、わずかなスペースに多くのサーバ装置を配置することが可能となっている。また、ラックに収容される情報機器は、サーバ装置のみならず、各サーバ装置を相互に接続するハブなどもまとめて同一のラックに収容する。以下の説明では適宜、サーバ装置、ハブを情報機器と表記する。
【0003】
情報機器は、内部の温度が高温となると、故障する恐れがある。このため、情報機器は、吸気口と排気口とを有しており、内部の温度が高温状態にならないように、吸気口から外気を吸い込み、内部の空気を排気口から排出している。上記のように、ラックに複数の情報機器を収容すると、各機器装置の温度が上昇しやすくなるため、吸気、排気を適切に行い、情報機器を冷却することが重要である。
【0004】
また、情報機器には、保守者が情報機器の状態をチェックするための保守面やオペレータが操作するオペレータ面等が備えられている。例えば、保守者は、かかる保守面を操作して、情報機器の状態をチェックし、必要に応じて部品やデータの破棄や交換、ソフトウェアのアップデートなどの保守作業を実行する。
【0005】
ここで、保守面の向きがばらばらの状態で、情報機器がラックに収容されていると、保守者は保守作業を行うために、ラックの周りを行ったり来たりすることとなり、保守者にかかる負担が大きいものとなる。このため、各情報機器の保守面の向きを統一して、ラックに収容する。このように、各情報機器の保守面の向きを統一することで、保守者の負担を軽減させるだけでなく、保守者が保守作業を行うスペースが固定され、保守面側ではないラックの方向のスペースや扉の開閉にかかる問題を考慮する必要もなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平1−297892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術では、情報機器の冷却に問題が生じる。
【0008】
例えば、各情報機器の保守面やオペレータ面は、メーカや製品カテゴリ等により、排気口との配置関係が統一されていない。また、吸気口と排気口との位置関係も様々である。このため、各情報機器の保守面を統一すると、ある情報機器の排気口の近くに、他の情報機器の吸気口が配置されてしまう。この結果、排気口から排出された温度の高い空気が、他の情報機器の吸気口から吸引され、情報機器を冷却することができなくなってしまう。
【0009】
なお、ラックに格納しない単一の情報機器であっても設置環境によっては、情報機器の吸気口の周辺温度が高くなる場合があるため、上記問題はラックに限らず、単一の情報機器であっても発生し得る。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、情報機器の冷却に関する問題を解消することができる吸気口選択装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の吸気口選択装置によれば、温度取得部および選択部を有する。温度取得部は、情報機器に取り付けられた開閉可能な複数の吸気口の周辺にそれぞれ配置された温度センサが測定した温度を取得する。選択部は、温度取得部が取得した温度を基にして吸気口の開閉を選択する。
【発明の効果】
【0012】
開示の吸気口選択装置によれば、冷却に適した吸気口を選択することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施例1にかかる情報機器の一例を示す図(1)である。
【図2】図2は、本実施例1にかかる情報機器の一例を示す図(2)である。
【図3】図3は、本実施例1にかかる情報機器の構成を示す図である。
【図4】図4は、本実施例1にかかる温度情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図5】図5は、本実施例1にかかる吸気口選択装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図6は、本実施例1にかかる温度管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施例1にかかる位置対応情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図8】図8は、本実施例1にかかる表示部の表示結果の一例を示す図である。
【図9】図9は、本実施例1にかかる吸気口選択装置が温度情報を取得する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本実施例1にかかる吸気口選択装置が吸気口の開閉を選択する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施例2にかかるラックの一例を示す図(1)である。
【図12】図12は、本実施例2にかかるラックの一例を示す図(2)である。
【図13】図13は、ラックの背面を開いた場合の各情報機器の保守面の一例を示す図である。
【図14】図14は、本実施例2にかかるラックの構成を示す図である。
【図15】図15は、情報機器60が出力する温度情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図16】図16は、情報機器70が出力する温度情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図17】図17は、情報機器80が出力する温度情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図18】図18は、本実施例2にかかる吸気口選択装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図19】図19は、本実施例2にかかる温度管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図20】図20は、本実施例2にかかる位置対応情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図21】図21は、本実施例2にかかる表示部の表示結果の一例を示す図である。
【図22】図22は、本実施例2にかかる吸気口選択装置が温度情報を取得する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】図23は、本実施例2にかかる吸気口選択装置が吸気口の開閉を選択する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】図24は、排気口の周辺に温度センサを配置した各情報機器の一例を示す図である。
【図25】図25は、情報機器の内部の電子部品の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する吸気口選択装置および筐体の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
本実施例1にかかる情報機器について説明する。図1および図2は、本実施例1にかかる情報機器の一例を示す図である。図1は、情報機器50を前方から見たものである。図2は、情報機器50を後方から見たものである。なお、情報機器50は、サーバ装置、各種ネットワーク機器などに対応する。
【0016】
図1および図2に示すように、情報機器50は、前面51、左側面52、右側面53、背面54を有する。また、前面51、左側面52、右側面53には、保守者によって開閉可能な吸気口51a、52a、53aが設置されている。吸気口51a、52a、53aには、それぞれカバー51b、52b、53bが設置されている。
【0017】
例えば、保守者は、カバー51bを右にスライドすることで吸気口51aを閉じ、カバー51bを左にスライドすることで吸気口51aを開ける。保守者は、カバー52bを右にスライドすることで吸気口52aを閉じ、カバー52bを左にスライドすることで吸気口52aを開ける。保守者は、カバー53bを右にスライドすることで吸気口53aを閉じ、カバー53bを左にスライドすることで吸気口53aを開ける。
【0018】
図2に示すように、情報機器50は、背面54に排気口54aが設置されている。情報機器50は、内部の温度が過度に情報することを防ぐために、カバーの開けられた吸気口から外気を情報機器50の内部に取り込み、排気口54aから内部の空気を排出する。本実施例1では一例として、情報機器50の前面51をオペレータ面とする。また、情報機器50の背面54を保守面とする。オペレータ面は、例えば、オペレータ等が情報機器50の状態を確認する場合に参照する面である。保守面は、例えば、保守者等が情報機器50に対する保守作業を行い場合に、ノートパソコンなどを接続する面である。
【0019】
図1に示すように、オペレータ面には、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disc)等の記憶媒体を情報機器50に挿入するための挿入口1Aが配置されている。また、オペレータ面には、情報機器50の異常を通知するためのLED(Light Emitting Diode)ランプ1Bなどが配置されている。
【0020】
図2に示すように、保守面には、排気口54aに加えて、各種ポート1Cが配置されている。各種ポート1Cは、例えば、LAN(Local Area Network)ポート、シリアルポート、USB(Universal Serial Bus)ポートなどに対応する。保守者は、各種ポートにノートパソコンなどを接続し、各種の保守作業を実行する。また、後述する吸気口選択装置も、各種ポート1Cによって、情報機器50に接続する。
【0021】
次に、本実施例1にかかる情報機器の構成の一例について説明する。図3は、本実施例1にかかる情報機器の構成を示す図である。図3に示すように、情報機器50は、図1、2で説明したものに加えて、温度センサ51c、52c、53c、ファン54b、温度情報記憶部55、インターフェース部56を有する。なお、情報機器50にはその他にも、各種の電子部品を搭載しているが、ここでは説明を省略する。
【0022】
温度センサ51c、52c、53cは、温度を測定するセンサである。例えば、温度センサ51cは、情報機器50内側の吸気口51aの周辺に配置される。温度センサ52cは、情報機器50内側の吸気口52aの周辺に配置される。温度センサ53bは、情報機器50内側の吸気口53aの周辺に配置される。温度センサ51c、52c、53cは、温度情報を、温度情報記憶部55に出力する。
【0023】
ファン54bは、情報機器50の内部の空気を、排気口54aを介して外部に排出するためのファンである。
【0024】
温度情報記憶部55は、温度センサ51c、52c、53cから温度情報を受け付け、温度情報を記憶する記憶装置である。温度情報記憶部55は、位置識別情報と、温度情報と、温度情報を測定した日時とを対応付けて記憶する。位置識別情報は、温度センサの位置が前面であるのか、左側面であるのか、右側面であるのかを一意に識別する情報である。例えば、温度センサ51cの位置識別情報を「a1」とする。温度センサ52cの位置識別情報を「a2」とする。温度センサ53cの位置識別情報を「a3」とする。「a1」は前面に対応し、「a2」は左側面に対応し、「a3」は右側面に対応する。
【0025】
インターフェース部56は、吸気口選択装置100との間でデータ通信を行う処理部である。例えば、吸気口選択装置100に接続される通信ケーブルを、各種ポート1Cに挿入することで、インターフェース部56は、吸気口選択装置100に接続される。インターフェース部56は、吸気口選択装置100から温度情報の要求を受け付けた場合に、温度情報記憶部55に記憶された位置識別情報毎の温度情報を吸気口選択装置100に出力する。
【0026】
図4は、本実施例1にかかる温度情報のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、温度情報は、日時と、装置識別情報と、位置識別情報と、温度とを対応付けて記憶する。このうち、装置識別情報は、情報機器50を一意に識別する情報である。インターフェース部56は、温度情報の要求を受け付ける度に、温度情報を、吸気口選択装置100に出力する。
【0027】
図3に示した吸気口選択装置100の構成の一例について説明する。図5は、本実施例1にかかる吸気口選択装置の構成を示す機能ブロック図である。図5に示すように、この吸気口選択装置100は、インターフェース部110、入力部120、表示部130、タイマ135、記憶部140、制御部150を有する。吸気口選択装置100は、例えば、携帯端末、パソコン、ノートパソコン等に対応する。
【0028】
インターフェース部110は、情報機器50との間でデータ通信を行う処理部である。インターフェース部110は、通信ケーブル等によって、情報機器50に接続される。インターフェース部110は、後述する制御部150からの各種制御命令を、情報機器50に出力する。制御命令には、温度情報を要求する命令が含まれる。また、インターフェース部110は、情報機器50から受け付ける情報を、制御部150に出力する。情報機器50から受け付ける情報には、図4に示した温度情報等が含まれる。
【0029】
入力部120は、吸気口選択装置100に各種の情報を入力するための入力装置である。入力部120は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置に対応する。
【0030】
表示部130は、制御部150から出力される情報を表示する表示装置である。例えば、表示部130は、吸気口の開閉に関する情報を表示する。表示部130は、例えば、ディスプレイやタッチパネルに対応する。
【0031】
タイマ135は、日時の情報を、制御部150に出力するタイマである。
【0032】
記憶部140は、温度管理テーブル140a、位置対応情報140bを記憶する記憶装置である。記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
【0033】
温度管理テーブル140aは、情報機器50内部の温度を保持するテーブルである。図6は、本実施例1にかかる温度管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、この温度管理テーブル140aは、ログ識別情報と、日時と、装置識別情報と、位置識別情報と、温度とを対応付ける。
【0034】
ログ識別情報は、ログを一意に識別する情報である。本実施例1では一例として、ログ識別情報を「LOG−TEMP」とする。日時は、温度を測定した日時を示す情報である。装置識別情報は、情報機器を一意に識別する情報である。例えば、図3等に示した情報機器50の装置識別情報を「f1」とする。位置識別情報は、温度センサの位置を一意に識別する情報である。温度は、各温度センサが検出した温度の情報である。
【0035】
例えば、図6に示す例では、日時「2011年8月23日8時0分00秒」の情報機器50において、位置識別情報「a1」に対応する位置の温度が「37.1度」である旨が記憶されている。また、位置識別情報「a2」に対応する位置の温度が「35.2度」、位置識別情報「a3」に対応する位置の温度が「39.4度」である旨が記憶されている。
【0036】
位置対応情報140bは、位置識別情報と、吸気口とを対応付ける情報である。例えば、位置識別情報は、位置識別情報に該当する温度センサに最も近い吸気口を対応付ける。図7は、本実施例1にかかる位置対応情報のデータ構造の一例を示す図である。図7に示すように、位置対応情報は、位置識別情報と吸気口識別情報とを対応付ける。図7に示すように、位置識別情報「a1」に対応する吸気口識別情報は「吸気口51a」である。位置識別情報「a2」に対応する吸気口識別情報は「吸気口52a」である。位置識別情報「a3」に対応する吸気口識別情報は「吸気口53a」である。
【0037】
制御部150は、温度取得部150a、選択部150b、通知部150cを有する。制御部150は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。制御部150は、インターフェース部110を介して、情報機器50との間でデータをやり取りするものとする。
【0038】
温度取得部150aは、図3の情報機器50に取り付けられた吸気口51a、52a、53bの周辺にそれぞれ配置された温度センサ51b、52b、53bが測定した温度を取得する処理部である。
【0039】
例えば、温度取得部150aは、温度情報を要求する制御命令を、情報機器50に出力する。そして、温度取得部150aは、情報機器50から温度情報を取得する。温度情報のデータ構造は、図4に示したものとなる。温度取得部150aは、ログ識別情報、日時、装置識別情報、位置識別情報、温度を対応付けて、温度管理テーブル140aに登録する。
【0040】
温度取得部150aは、日時の情報をタイマ135から取得し、予め指定された指定時間になる度に、温度情報を要求する制御命令を、情報機器50に出力する。温度取得部150aは、情報機器50から温度情報を取得する度に、温度管理テーブル140aに温度情報を格納する。
【0041】
選択部150bは、温度管理テーブル140aを基にして、吸気口の開閉を選択する処理部である。
【0042】
例えば、選択部150bは、温度管理テーブル140aを参照し、位置識別情報毎の最高温度を検出する。選択部150bは、位置識別情報毎の最高温度を比較し、各最高温度の内、最も低い温度に対応する位置識別情報を判定する。そして、選択部150bは、判定した位置識別情報と、位置対応情報140bとを比較して、吸気口の開閉を選択する。選択部150bは、最も低い温度に対応する位置識別情報に対応する吸気口を「開ける吸気口」として選択し、その他の吸気口を「閉める吸気口」とする。
【0043】
例えば、位置識別情報「a1」の最高温度を「37.1度」、位置識別情報「a2」の最高温度を「35.3度」、位置識別情報「a3」の最高温度を「39.4度」とする。この場合には、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報は、位置識別情報「a2」となる。このため、選択部150bは、最も低い温度に対応する位置識別情報を位置識別情報「a2」として判定する。また、位置識別情報「a2」に対応する吸気口は「吸気口52a」となる。このため、選択部150bは、開ける吸気口として、「吸気口52a」を選択する。そして、選択部150bは、その他の吸気口51a、53aを閉める吸気口として選択する。
【0044】
選択部150bは、吸気口の開閉に関する情報を、通知部150cに出力する。具体的に、選択部150bは、開ける吸気口の情報、閉める吸気口の情報、最も低い温度に対応する位置識別情報を、通知部150cに出力する。
【0045】
通知部150cは、吸気口の開閉に関する情報を、表示部130に表示させる処理部である。また、通知部150cは、温度管理テーブル140aを基にして、時間経過に伴って変化する位置毎の温度を表示部130に表示させても良い。また、通知部150cは、位置識別情報に対応する位置を具体的に表示部130に表示しても良い。
【0046】
図8は、本実施例1にかかる表示部の表示結果の一例を示す図である。図8に示す例では、最高気温が最も低い位置が「a2」であり、開ける吸気口は「吸気口52a」であり、閉める吸気口は「吸気口51a、53a」である旨が表示されている。通知部150cは、吸気口の位置がわかりやすいように、吸気口と位置識別情報とを対応付けて表示しても良い。また、「a1」が前面、「a2」が左側面、「a3」が右側面である旨を、表示しても良い。また、情報機器50の前面に「a1」のシールを貼り、左側面に「a2」のシールを貼り、右側面に「a3」のシールを貼ってもよい。
【0047】
図8に示す表示結果を見た保守者は、吸気口52aを開け、吸気口51aおよび吸気口53aを閉じる。このように、保守者が吸気口を開閉することで、情報機器50は、最も温度が低い外気を内部に吸入することができ、情報機器50を冷却することができる。
【0048】
次に、本実施例1にかかる吸気口選択装置100の処理手順について説明する。図9は、本実施例1にかかる吸気口選択装置が温度情報を取得する処理手順の一例を示すフローチャートである。吸気口選択装置100は、図9に示す処理を、所定の時間間隔毎に繰り返し実行する。
【0049】
図9に示すように、吸気口選択装置100は、指定時間になったか否かを判定する(ステップS101)。吸気口選択装置100は、指定時間になっていない場合には(ステップS102,No)、処理を終了する。
【0050】
一方、吸気口選択装置100は、指定時間になった場合には(ステップS102,Yes)、温度情報を情報機器50に要求する(ステップS103)。そして、吸気口選択装置100は、温度情報を情報機器50から取得する(ステップS104)。吸気口選択装置100は、温度情報を温度管理テーブル140aに登録する(ステップS105)。
【0051】
図10は、本実施例1にかかる吸気口選択装置が吸気口の開閉を選択する処理手順の一例を示すフローチャートである。吸気口選択装置100は、例えば、吸気口を選択する旨の要求を入力部120等から受け付けた場合に、図10に示す処理を実行しても良い。
【0052】
図10に示すように、吸気口選択装置100は、温度管理テーブル140aから各位置識別情報に対応する温度を取得する(ステップS111)。吸気口選択装置100は、温度が最も低い位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択する(ステップS112)。そして、吸気口選択装置100は、吸気口の開閉に関する情報を表示する(ステップS113)。
【0053】
次に、本実施例1にかかる吸気口選択装置100の効果について説明する。吸気口選択装置100は、情報機器50に取り付けられた吸気口51a〜53a周辺の温度センサ51c〜53cから温度情報を取得する。そして、吸気口選択装置100は、各温度センサ51c〜53cが測定した温度を基にして、吸気口の開閉を選択する。このため、情報機器50の開閉可能な吸気口51a〜53aのうち、最も温度の低い外気を取り込むことができる吸気口を保守者に通知することができるため、情報機器50を最適に冷却することができる。
【0054】
なお、実施例1では、吸気口選択装置100が、情報機器50の外部に接続される場合を例にして説明したがこれに限定されるものではない。例えば、情報機器50自体に、吸気口選択装置100に対応する機能を組み込んで構成しても良い。
【実施例2】
【0055】
次に、本実施例2にかかるラックについて説明する。図11および図12は、本実施例2にかかるラックの一例を示す図である。図11は、ラック200を斜め前前方から見たものである。図12は、ラック200を後方から見たものである。
【0056】
図11および図12に示すように、ラック200は、前面210、右側面220、左側面230、背面240を有する。なお、ラックの内部の状況を分かりやすくするために、背面240等の一部にガラス240aを設置しても良い。
【0057】
ラック200の内部には、複数の情報機器が積み重なって格納されている。ラック200の前面210、右側面220、左側面230、背面240は、取り外し可能であり、保守者は、前面210、右側面220、左側面230、背面240の何れかを取り外して、保守作業を行う。なお、本実施例2では一例として、ラック200の内部に格納された複数の情報機器は、各情報機器の保守面が、ラック200の背面240側を向いているものとする。
【0058】
図13は、ラックの背面を開いた場合の各情報機器の保守面の一例を示す図である。図13に示すように、ラック200は、上から順に、情報機器50、60、70、80が格納されている。ここでは、情報機器50〜80が格納されている例を示すが、その他の情報機器が格納されていても良い。
【0059】
例えば、情報機器50、70、80に関しては、背面が保守面になっており、情報機器60に関しては、前面が保守面になっているものとする。また、情報機器50、70、80は、背面に排気口が設置される。情報機器60は、前面に排気口が設置される。例えば、各情報機器の保守面やオペレータ面は、メーカや製造カテゴリにより、排気口との配置関係が統一されていない。また、吸気口と排気口との位置関係も様々である。このため、各情報機器の保守面を統一すると、ある情報機器の排気口の近くに、他の情報機器の吸気口が配置されてしまう。
【0060】
情報機器50は、実施例1に示した情報機器50に対応する。情報機器50の背面54には、排気口54aが設置されている。また、背面54には、各種ポート1Cが設置されている。保守者は、各種ポート1Cにノートパソコンなどを接続し、各種の保守作業を実行する。また、後述する吸気口選択装置も、各種ポート1Cによって、情報機器50に接続する。
【0061】
情報機器60の前面61には、吸気口61aが設置されている。例えば、保守者は、カバー61bを右にスライドすることで吸気口61aを閉じ、カバー61bを左にスライドすることで吸気口61aを開ける。また、前面61には、各種ポート2Cが設置されている。保守者は、各種ポート2Cにノートパソコンなどを接続し、各種の保守作業を実行する。また、後述する吸気口選択装置も、各種ポート2Cによって、情報機器60に接続する。
【0062】
情報機器70の背面74には、排気口74aが設置されている。また、背面74には、各種ポート3Cが設置されている。保守者は、各種ポート3Cにノートパソコンなどを接続し、各種の保守作業を実行する。また、後述する吸気口選択装置も、各種ポート3Cによって、情報機器70に接続する。
【0063】
情報機器80の背面84には、排気口84aが設置されている。また、背面84には、各種ポート4Cが設置されている。保守者は、各種ポート4Cにノートパソコンなどを接続し、各種の保守作業を実行する。また、後述する吸気口選択装置も、各種ポート4Cによって、情報機器80に接続する。
【0064】
図13に示した各種ポート1C〜4Cは、例えば、LANポート、シリアルポート、USBポートなどに対応する。
【0065】
次に、本実施例2にかかるラックの構成の一例について説明する。図14は、本実施例2にかかるラックの構成を示す図である。図14に示すように、ラック200は、情報機器50、60、70、80を格納する。
【0066】
情報機器50には、カバーによって開閉可能な吸気口51a、52a、53aが設置されている。例えば、カバー52bを右(前面51側)にスライドすることで、吸気口52aは閉じ、左(背面54側)にスライドすることで、吸気口52aは開く。図示しないが、他の吸気口51a、53aにもカバーが設置されている。吸気口51aは、情報機器50の前面51に設置される。吸気口52aは、情報機器50の左側面52に設置される。吸気口53aは、情報機器50の右側面53に設置される。
【0067】
情報機器50には、温度センサ51c、52c、53cが配置されている。例えば、温度センサ51cは、情報機器50内側の吸気口51aの周辺に配置される。温度センサ52cは、情報機器50内側の吸気口52aの周辺に配置される。温度センサ53cは、情報機器50内側の吸気口53aの周辺に配置される。温度センサ51c、52c、53cは、温度情報を、情報機器50の温度情報記憶部に出力する。
【0068】
情報機器50の温度情報記憶部は、温度センサ51c、52c、53cから温度情報を受け付け、温度情報を記憶する記憶装置である。情報機器50の温度情報記憶部は、温度センサの位置を一意に識別する位置識別情報と、温度情報と、温度情報を測定した日時とを対応付けて記憶する。例えば、温度センサ51cの位置識別情報を「a1」とする。温度センサ52cの位置識別情報を「a2」とする。温度センサ53cの位置識別情報を「a3」とする。
【0069】
情報機器50は、インターフェース部を介して、吸気口選択装置300との間でデータ通信を行う。情報機器50は、吸気口選択装置300から温度情報の要求を受け付けた場合に、温度情報記憶部に記憶された位置識別情報毎の温度情報を吸気口選択装置300に出力する。情報機器50が出力する温度情報のデータ構造は、図4に示したものに対応する。
【0070】
情報機器60は、カバーによって開閉可能な吸気口61a、62a、63aが設置されている。例えば、カバー63bを左にスライドすることで、吸気口63aは閉じ、右にスライドすることで、吸気口63aは開く。図示しないが、他の吸気口61a、62aにもカバーが設置されている。吸気口61aは、情報機器60の前面61に設置される。吸気口62aは、情報機器60の左側面62に設置される。吸気口63aは、情報機器60の右側面63に設置される。
【0071】
情報機器60には、温度センサ61c、62c、63cが配置されている。例えば、温度センサ61cは、情報機器60内側の吸気口61aの周辺に配置される。温度センサ62cは、情報機器60内側の吸気口62aの周辺に配置される。温度センサ63cは、情報機器60内側の吸気口63aの周辺に配置される。温度センサ61c、62c、63cは、温度情報を、情報機器60の温度情報記憶部に出力する。
【0072】
情報機器60の温度情報記憶部は、温度センサ61c、62c、63cから温度情報を受け付け、温度情報を記憶する記憶装置である。情報機器60の温度情報記憶部は、温度センサの位置を一意に識別する位置識別情報と、温度情報と、温度情報を測定した日時とを対応付けて記憶する。例えば、温度センサ61cの位置識別情報を「b1」とする。温度センサ62cの位置識別情報を「b2」とする。温度センサ63cの位置識別情報を「b3」とする。
【0073】
情報機器60は、インターフェース部を介して、吸気口選択装置300との間でデータ通信を行う。情報機器60は、吸気口選択装置300から温度情報の要求を受け付けた場合に、温度情報記憶部に記憶された位置識別情報毎の温度情報を吸気口選択装置300に出力する。
【0074】
図15は、情報機器60が出力する温度情報のデータ構造の一例を示す図である。図15に示すように、この温度情報は、日時と、装置識別情報と、位置識別情報と、温度とを対応付けて記憶する。このうち、装置識別情報は、情報機器60を一意に識別する情報である。情報機器60の装置識別情報を「f2」とする。
【0075】
情報機器70は、カバーによって開閉可能な吸気口71a、72a、73aが設置されている。例えば、カバー72bを右にスライドすることで、吸気口72aは閉じ、左にスライドすることで、吸気口72aは開く。図示しないが、他の吸気口71a、73aにもカバーが設置されている。吸気口71aは、情報機器70の前面71に設置される。吸気口72aは、情報機器70の左側面72に設置される。吸気口73aは、情報機器70の右側面73に設置される。
【0076】
情報機器70には、温度センサ71c、72c、73cが配置されている。例えば、温度センサ71cは、情報機器70内側の吸気口71aの周辺に配置される。温度センサ72cは、情報機器70内側の吸気口72aの周辺に配置される。温度センサ73cは、情報機器70内側の吸気口73aの周辺に配置される。温度センサ71c、72c、73cは、温度情報を、情報機器70の温度情報記憶部に出力する。
【0077】
情報機器70の温度情報記憶部は、温度センサ71c、72c、73cから温度情報を受け付け、温度情報を記憶する記憶装置である。情報機器70の温度情報記憶部は、温度センサの位置を一意に識別する位置識別情報と、温度情報と、温度情報を測定した日時とを対応付けて記憶する。例えば、温度センサ71cの位置識別情報を「c1」とする。温度センサ72cの位置識別情報を「c2」とする。温度センサ73cの位置識別情報を「c3」とする。
【0078】
情報機器70は、インターフェース部を介して、吸気口選択装置300との間でデータ通信を行う。情報機器70は、吸気口選択装置300から温度情報の要求を受け付けた場合に、温度情報記憶部に記憶された位置識別情報毎の温度情報を吸気口選択装置300に出力する。
【0079】
図16は、情報機器70が出力する温度情報のデータ構造の一例を示す図である。図16に示すように、この温度情報は、日時と、装置識別情報と、位置識別情報と、温度とを対応付けて記憶する。このうち、装置識別情報は、情報機器70を一意に識別する情報である。情報機器70の装置識別情報を「f3」とする。
【0080】
情報機器80は、カバーによって開閉可能な吸気口81a、82a、83aが設置されている。例えば、カバー82bを右にスライドすることで、吸気口82aは閉じ、左にスライドすることで、吸気口82aは開く。図示しないが、他の吸気口81a、83aにもカバーが設置されている。吸気口81aは、情報機器80の前面81に設置される。吸気口82aは、情報機器80の左側面82に設置される。吸気口83aは、情報機器80の右側面83に設置される。
【0081】
情報機器80には、温度センサ81c、82c、83cが配置されている。例えば、温度センサ81cは、情報機器80内側の吸気口81aの周辺に配置される。温度センサ82cは、情報機器80内側の吸気口82aの周辺に配置される。温度センサ83cは、情報機器80内側の吸気口83aの周辺に配置される。温度センサ81c、82c、83cは、温度情報を、情報機器80の温度情報記憶部に出力する。
【0082】
情報機器80の温度情報記憶部は、温度センサ81c、82c、83cから温度情報を受け付け、温度情報を記憶する記憶装置である。情報機器80の温度情報記憶部は、温度センサの位置を一意に識別する位置識別情報と、温度情報と、温度情報を測定した日時とを対応付けて記憶する。例えば、温度センサ81cの位置識別情報を「d1」とする。温度センサ82cの位置識別情報を「c2」とする。温度センサ83cの位置識別情報を「c3」とする。
【0083】
図17は、情報機器80が出力する温度情報のデータ構造の一例を示す図である。図17に示すように、この温度情報は、日時と、装置識別情報と、位置識別情報と、温度とを対応付けて記憶する。このうち、装置識別情報は、情報機器80を一意に識別する情報である。情報機器80の装置識別情報を「f4」とする。
【0084】
次に、図14に示した吸気口選択装置300の構成の一例について説明する。図18は、本実施例2にかかる吸気口選択装置の構成を示す機能ブロック図である。図18に示すように、この吸気口選択装置300は、インターフェース部310、入力部320、表示部330、タイマ335、記憶部340、制御部350を有する。
【0085】
インターフェース部310は、情報機器50、60、70、80との間でデータ通信を行う処理部である。インターフェース部310は、通信ケーブル等によって、情報機器50、60、70、80に接続される。インターフェース部310は、後述する制御部350からの各種制御命令を、情報機器50、60、70、80に出力する。制御命令には、温度情報を要求する命令が含まれる。また、インターフェース部310は、情報機器50、60、70、80から受け付ける情報を、制御部350に出力する。情報機器50、60、70、80から受け付ける情報には、図4、図15〜図17に示した温度情報等が含まれる。
【0086】
入力部320は、吸気口選択装置300に各種の情報を入力するための入力装置である。入力部320は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置に対応する。
【0087】
表示部330は、制御部350から出力される情報を表示する表示装置である。例えば、表示部330は、吸気口の開閉に関する情報を表示する。表示部330は、例えば、ディスプレイやタッチパネルに対応する。
【0088】
タイマ335は、日時の情報を、制御部350に出力するタイマである。
【0089】
記憶部340は、温度管理テーブル340a、位置対応情報340bを記憶する記憶装置である。記憶部340は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、またはハードディスク、光ディスクなどの記憶装置に対応する。
【0090】
温度管理テーブル340aは、情報機器50〜80内部の温度を保持するテーブルである。図19は、本実施例2にかかる温度管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図19に示すように、この温度管理テーブル340aは、ログ識別情報と、日時と、装置識別情報と、位置識別情報と、温度とを対応付ける。
【0091】
ログ識別情報は、ログを一意に識別する情報である。本実施例2では一例として、ログ識別情報を「LOG−TEMP」とする。日時は、温度を測定した日時を示す情報である。装置識別情報は、情報機器を一意に識別する情報である。例えば、図14等に示した情報機器50の装置識別情報を「f1」とする。情報機器60の装置識別情報を「f2」とする。情報機器70の装置識別情報を「f3」とする。情報機器80の装置識別情報を「f4」とする。位置識別情報は、温度センサの位置を一意に識別する情報である。温度は、各温度センサが検出した温度の情報である。
【0092】
例えば、図19に示す例では、日時「2011年8月23日8時0分00秒」の情報機器50(装置識別情報f1)において、位置識別情報「a1」に対応する位置の温度が「37.1度」である旨が記憶されている。また、位置識別情報「a2」に対応する位置の温度が「35.2度」、位置識別情報「a3」に対応する位置の温度が「38.3度」である旨が記憶されている。
【0093】
また、日時「2011年8月23日8時0分00秒」の情報機器60(装置識別情報f2)において、位置識別情報「b1」に対応する位置の温度が「38.1度」である旨が記憶されている。また、位置識別情報「b2」に対応する位置の温度が「35.2度」、位置識別情報「b3」に対応する位置の温度が「39.4度」である旨が記憶されている。
【0094】
また、日時「2011年8月23日8時0分00秒」の情報機器70(装置識別情報f3)において、位置識別情報「c1」に対応する位置の温度が「32.5度」である旨が記憶されている。また、位置識別情報「c2」に対応する位置の温度が「34.7度」、位置識別情報「c3」に対応する位置の温度が「37.0度」である旨が記憶されている。
【0095】
また、日時「2011年8月23日8時0分00秒」の情報機器80(装置識別情報f4)において、位置識別情報「d1」に対応する位置の温度が「33.3度」である旨が記憶されている。また、位置識別情報「d2」に対応する位置の温度が「35.6度」、位置識別情報「d3」に対応する位置の温度が「37.6度」である旨が記憶されている。
【0096】
位置対応情報340bは、位置識別情報と、位置識別情報の位置に最も近い吸気口とを対応付ける情報である。図20は、本実施例2にかかる位置対応情報のデータ構造の一例を示す図である。図20に示すように、位置対応情報340bは、位置識別情報と吸気口識別情報とを対応付ける。図20に示すように、位置識別情報「a1」に対応する吸気口識別情報は「吸気口51a」である。位置識別情報「a2」に対応する吸気口識別情報は「吸気口52a」である。位置識別情報「a3」に対応する吸気口識別情報は「吸気口53a」である。
【0097】
また、位置識別情報「b1」に対応する吸気口識別情報は「吸気口61a」である。位置識別情報「b2」に対応する吸気口識別情報は「吸気口62a」である。位置識別情報「b3」に対応する吸気口識別情報は「吸気口63a」である。また、位置識別情報「c1」に対応する吸気口識別情報は「吸気口71a」である。位置識別情報「c2」に対応する吸気口識別情報は「吸気口72a」である。位置識別情報「c3」に対応する吸気口識別情報は「吸気口73a」である。また、位置識別情報「d1」に対応する吸気口識別情報は「吸気口81a」である。位置識別情報「d2」に対応する吸気口識別情報は「吸気口82a」である。位置識別情報「d3」に対応する吸気口識別情報は「吸気口83a」である。
【0098】
制御部350は、温度取得部350a、選択部350b、通知部350cを有する。制御部350は、例えば、ASICや、FPGAなどの集積装置に対応する。また、制御部350は、例えば、CPUやMPU等の電子回路に対応する。制御部350は、インターフェース部310を介して、情報機器50〜80との間でデータをやり取りするものとする。
【0099】
温度取得部350aは、図14の情報機器50〜80に取り付けられた各吸気口の周辺にそれぞれ配置された温度センが測定した温度を取得する処理部である。
【0100】
例えば、温度取得部350aは、温度情報を要求する制御命令を、情報機器50〜80に出力する。そして、温度取得部350aは、情報機器50〜80から温度情報を取得する。情報機器50から取得する温度情報のデータ構造は、図4に示すものとなる。情報機器60〜80から取得する温度情報のデータ構造はそれぞれ、図15〜図17に示すものとなる。温度取得部350aは、ログ識別情報、日時、装置識別情報、位置識別情報、温度を対応付けて、温度管理テーブル340aに登録する。
【0101】
温度取得部350aは、日時の情報をタイマ335から取得し、予め指定された指定時間になる度に、温度情報を要求する制御命令を、情報機器50〜80に出力する。温度取得部350aは、情報機器50〜80から温度情報を取得する度に、温度管理テーブル340aに温度情報を格納する。
【0102】
選択部350bは、温度管理テーブル340aを基にして、各情報機器50〜80の吸気口の開閉を選択する処理部である。
【0103】
選択部350bが情報機器50の吸気口51a、52a、53aの開閉を選択する処理について説明する。選択部350bは、装置識別情報が「f1」となる、位置識別情報毎の最高温度を比較し、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報を判定する。そして、選択部350bは、判定した位置識別情報と、位置対応情報340bとを比較して、吸気口の開閉を選択する。選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報に対応する吸気口を「開ける吸気口」として選択し、その他の吸気口を「閉める吸気口」とする。
【0104】
例えば、位置識別情報「a1」の最高温度を「37.1度」、位置識別情報「a2」の最高温度を「35.3度」、位置識別情報「a3」の最高温度を「39.4度」とする。この場合には、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報は、位置識別情報「a2」となる。このため、選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報を位置識別情報「a2」として判定する。また、位置識別情報「a2」に対応する吸気口は「吸気口52a」となる。このため、選択部350bは、開ける吸気口として、「吸気口52a」を選択する。そして、選択部350bは、その他の吸気口51a、53aを閉める吸気口として選択する。
【0105】
選択部350bが情報機器60の吸気口61a、62a、63aの開閉を選択する処理について説明する。選択部350bは、装置識別情報が「f2」となる、位置識別情報毎の最高温度を比較し、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報を判定する。そして、選択部350bは、判定した位置識別情報と、位置対応情報340bとを比較して、吸気口の開閉を選択する。選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報に対応する吸気口を「開ける吸気口」として選択し、その他の吸気口を「閉める吸気口」とする。
【0106】
例えば、位置識別情報「b1」の最高温度を「38.1度」、位置識別情報「b2」の最高温度を「35.3度」、位置識別情報「b3」の最高温度を「39.4度」とする。この場合には、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報は、位置識別情報「b2」となる。このため、選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報を位置識別情報「b2」として判定する。また、位置識別情報「b2」に対応する吸気口は「吸気口62a」となる。このため、選択部350bは、開ける吸気口として、「吸気口62a」を選択する。そして、選択部350bは、その他の吸気口61a、63aを閉める吸気口として選択する。
【0107】
選択部350bが情報機器70の吸気口71a、72a、73aの開閉を選択する処理について説明する。選択部350bは、装置識別情報が「f3」となる、位置識別情報毎の最高温度を比較し、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報を判定する。そして、選択部350bは、判定した位置識別情報と、位置対応情報340bとを比較して、吸気口の開閉を選択する。選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報に対応する吸気口を「開ける吸気口」として選択し、その他の吸気口を「閉める吸気口」とする。
【0108】
例えば、位置識別情報「c1」の最高温度を「32.5度」、位置識別情報「c2」の最高温度を「34.7度」、位置識別情報「c3」の最高温度を「37.0度」とする。この場合には、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報は、位置識別情報「c1」となる。このため、選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報を位置識別情報「c1」として判定する。また、位置識別情報「c1」に対応する吸気口は「吸気口71a」となる。このため、選択部350bは、開ける吸気口として、「吸気口71a」を選択する。そして、選択部350bは、その他の吸気口72a、73aを閉める吸気口として選択する。
【0109】
選択部350bが情報機器80の吸気口81a、82a、83aの開閉を選択する処理について説明する。選択部350bは、装置識別情報が「f4」となる、位置識別情報毎の最高温度を比較し、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報を判定する。そして、選択部350bは、判定した位置識別情報と、位置対応情報340bとを比較して、吸気口の開閉を選択する。選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報に対応する吸気口を「開ける吸気口」として選択し、その他の吸気口を「閉める吸気口」とする。
【0110】
例えば、位置識別情報「d1」の最高温度を「33.3度」、位置識別情報「d2」の最高温度を「35.6度」、位置識別情報「d3」の最高温度を「37.6度」とする。この場合には、各最高温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報は、位置識別情報「d1」となる。このため、選択部350bは、最も低い温度に対応する位置識別情報を位置識別情報「d1」として判定する。また、位置識別情報「d1」に対応する吸気口は「吸気口81a」となる。このため、選択部350bは、開ける吸気口として、「吸気口81a」を選択する。そして、選択部350bは、その他の吸気口82a、83aを閉める吸気口として選択する。
【0111】
選択部350bは、各情報機器50〜80の各吸気口の開閉に関する情報を、通知部350cに出力する。具体的に、選択部350bは、各情報機器50〜80における、開ける吸気口の情報、閉める吸気口の情報、最も低い温度に対応する位置識別情報を、通知部350cに出力する。
【0112】
通知部350cは、各情報機器50〜80の各吸気口の開閉に関する情報を、表示部330に表示させる処理部である。通知部350cは、温度管理テーブル340aを基にして、時間経過に伴って変化する位置毎の温度を表示部330に表示させても良い。また、通知部350cは、位置識別情報に対応する位置を具体的に表示部330に表示しても良い。
【0113】
図21は、本実施例2にかかる表示部の表示結果の一例を示す図である。図21に示す例では、情報機器50において、最高気温が最も低い位置が「a2」であり、開ける吸気口は「吸気口52a」であり、閉める吸気口は「吸気口51a、53a」である旨が表示されている。
【0114】
図21に示すように、情報機器60において、最高気温が最も低い位置が「b2」であり、開ける吸気口は「吸気口62a」であり、閉める吸気口は「吸気口61a、63a」である旨が表示されている。また、情報機器70において、最高気温が最も低い位置が「c1」であり、開ける吸気口は「吸気口71a」であり、閉める吸気口は「吸気口72a、73a」である旨が表示されている。また、情報機器80において、最高気温が最も低い位置が「d1」であり、開ける吸気口は「吸気口81a」であり、閉める吸気口は「吸気口82a、83a」である旨が表示されている。通知部350cは、吸気口の位置がわかりやすいように、吸気口と位置識別情報とを対応付けて表示しても良い。
【0115】
ところで、図14を参照すると、情報機器60の吸気口61aの下側には、情報機器70の排気口74aが位置し、情報機器60の吸気口61aの上側には、情報機器50の排気口54aが位置している。排気口からは高温の空気が排出されるため、情報機器60の吸気口を開けた場合には、情報機器60を冷却することができない。
【0116】
ここで、例えば、情報機器60の位置と情報機器50の位置とを入れ替えれば、情報機器60の吸気口61aが排気口に挟まれなくなるので、図14の位置関係のままよりは、吸気口61aを開けた場合の冷却効果を期待することができる。
【0117】
選択部350bは、上記のように位置を変更した方が良い情報機器を選択する処理を更に実行しても良い。例えば、選択部350bは、各情報機器50〜60の排気口の周辺に設定された温度センサ51c、61c、71c、81cの温度分布を基にして、温度分布が上下の情報機器と異なる情報機器を、位置を変更した方がよい情報機器として選択する。
【0118】
選択部350bは、位置を変更した方がよい情報機器の情報を、通知部350cに出力する。通知部350cは、位置を変更した方がよい情報機器の情報を表示部330に表示させる。
【0119】
次に、本実施例2にかかる吸気口選択装置300の処理手順について説明する。図22は、本実施例2にかかる吸気口選択装置が温度情報を取得する処理手順の一例を示すフローチャートである。吸気口選択装置300は、図22に示す処理を、所定の時間間隔毎に繰り返し実行する。
【0120】
図22に示すように、吸気口選択装置300は、指定時間になったか否かを判定する(ステップS201)。吸気口選択装置300は、指定時間になっていない場合には(ステップS202,No)、処理を終了する。
【0121】
一方、吸気口選択装置300は、指定時間になった場合には(ステップS202,Yes)、温度情報を各情報機器50〜80に要求する(ステップS203)。そして、吸気口選択装置300は、各温度情報を情報機器50〜80から取得する(ステップS204)。吸気口選択装置300は、温度情報を温度管理テーブル340aに登録する(ステップS205)。
【0122】
図23は、本実施例2にかかる吸気口選択装置が吸気口の開閉を選択する処理手順の一例を示すフローチャートである。吸気口選択装置300は、例えば、吸気口を選択する旨の要求を入力部320等から受け付けた場合に、図23に示す処理を実行しても良い。
【0123】
図23に示すように、吸気口選択装置300は、温度管理テーブル340aから各位置識別情報に対応する温度を取得する(ステップS211)。吸気口選択装置300は、温度が最も低い位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択する(ステップS212)。
【0124】
吸気口選択装置300は、温度分布が上下の情報機器と異なる情報機器を選択する(ステップS213)。そして、吸気口選択装置300は、吸気口の開閉に関する情報および位置を変更した方が良い情報機器を表示する(ステップS214)。
【0125】
次に、本実施例2にかかる吸気口選択装置300の効果について説明する。吸気口選択装置300は、情報危機50〜80に取り付けられた温度センサ51a〜53a、61a〜63a、71a〜73a、81a〜83aから温度情報を取得する。そして、吸気口選択装置300は、取得した各温度情報を基にして、情報機器毎に、吸気口の開閉を選択する。このため、吸気口選択装置300によれば、メーカや製造カテゴリの異なる複数の情報機器をラック200に格納する場合であっても、最も冷却に適した吸気口を情報機器毎に保守者に通知することができる。また、最も冷却に適した吸気口を通知することで、各情報機器の高温による障害を未然に防止することもできる。
【実施例3】
【0126】
実施例1、2に示した情報機器50〜80、吸気口選択装置100、300の構成や処理の内容は一例である。実施例3では、情報機器および吸気口選択装置にかかるその他の実施例について説明する。
【0127】
選択部が吸気口の開閉を選択するその他の処理について説明する。下記に示す温度取得部は、実施例1、2に示した温度取得部150a、350aに対応する。下記に示す選択部は、実施例1、2に示した選択部150b、350bに対応する。下記に示す通知部150cは、実施例1、2に示した通知部150c、350cに対応する。下記に示す温度管理テーブルは、実施例1、2に示した温度管理テーブル140a、340aに対応する。
【0128】
(平均温度が最も低い位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択する場合について)
選択部は、平均温度が最も低い位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択しても良い。選択部は、温度管理テーブルを基にして、位置識別情報毎の平均気温を算出し、各平均気温のうち、最も低い平均気温に対応する位置識別情報を判定する。選択部は、判定した位置識別情報に対応する吸気口を開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。
【0129】
このように、平均温度を利用して、吸気口の開閉を選択することで、一時的に温度が低くなった位置の吸気口を開ける対象となる吸気口として選択することを防止することができ、安定して冷却可能な吸気口を選択することができる。
【0130】
(所定時刻における温度が、最も低い位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択する場合について)
選択部は、所定時刻における温度が、最も低い位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択しても良い。例えば、所定時刻は、現在の時刻でも良いし、予め設定した時刻でも良い。選択部は、温度管理テーブルを基にして、所定時刻における温度を、位置識別情報毎に抽出する。選択部は、抽出した所定時刻の温度のうち、最も低い温度に対応する位置識別情報を判定する。選択部は、判定した位置識別情報に対応する吸気口を開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。
【0131】
このように、所定時刻の温度を利用して、吸気口の開閉を選択することで、例えば、時間によって温度が低くなる位置に偏りが生じる場合でも、かかる偏りに対応して、冷却に適した吸気口を選択することができる。
【0132】
(温度が所定の温度以上となる回数を温度センサの位置と対応付けて計数し、計数した回数が最小となる位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択する場合について)
選択部は、温度が所定の温度以上となる回数を温度センサの位置と対応付けて計数し、計数した回数が最小となる位置に対応する吸気口を、開ける吸気口として選択しても良い。選択部は、温度管理テーブルを基にして、温度が所定の温度以上となる回数を、位置識別情報毎に計数する。選択部は、温度が所定の温度以上となる回数が最小となる位置識別情報を判定する。選択部は、判定した位置識別情報に対応する吸気口を開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。
【0133】
このように、温度が所定の温度以上となる回数を利用して、吸気口の開閉を選択することで、一時的に温度が低くなった位置の吸気口を開ける対象となる吸気口として選択することを防止することができ、安定して冷却可能な吸気口を選択することができる。
【0134】
(通知部のその他の処理について)
通知部は、吸気口の開閉に関する情報を、表示部に表示させていたが、これに限定されるものではない。通知部は、吸気口の開閉に関する情報を、ネットワークを介して上位装置に通知してもよい。
【0135】
(排気口の周辺に温度センサを配置する場合について)
ところで、情報機器50〜80の排気口の周辺に温度センサを設け、この温度センサを更に利用して、選択部は、吸気口の開閉を選択しても良い。図24は、排気口の周辺に温度センサを配置した各情報機器の一例を示す図である。
【0136】
図24に示すように、情報機器50〜80の排気口の周辺に温度センサが配置されている。例えば、情報機器50において、排気口54a側に温度センサ54cが配置されている。情報機器50は、温度センサ51c〜54cが測定した温度の情報を、吸気口選択装置300に出力する。
【0137】
温度取得部は、情報機器50において、吸気口51aが開き、吸気口52b、53bが閉まった状態5−1における温度センサ54cの温度を、温度管理テーブルに記憶する。また、温度取得部は、吸気口52aが開き、吸気口51a、53aが閉まった状態5−2における温度センサ54cの温度を、温度管理テーブルに記録する。また、温度取得部は、吸気口53aが開き、吸気口51a、52aが閉まった状態5−3における温度センサ54cの温度を、温度管理テーブルに記録する。
【0138】
選択部は、状態5−1〜5−3の温度センサ54cの温度を比較し、最も温度の低い状態を判定する。選択部は、選択した状態において、開いていた吸気口を、開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。例えば、状態5−1の温度センサ54cの温度が最も低い温度であれば、選択部は、吸気口51aを開ける吸気口として選択する。選択部は、吸気口52a、53aを閉める吸気口として選択する。
【0139】
情報機器60において、排気口64a側に温度センサ64cが配置されている。情報機器60は、温度センサ61c〜64cが測定した温度の情報を、吸気口選択装置300に出力する。
【0140】
温度取得部は、情報機器60において、吸気口61aが開き、吸気口62a、63aが閉まった状態6−1における温度センサ64cの温度を、温度管理テーブルに記憶する。また、温度取得部は、吸気口62aが開き、吸気口61a、63aが閉まった状態6−2における温度センサ64cの温度を、温度管理テーブルに記録する。また、温度取得部は、吸気口63aが開き、吸気口61a、62aが閉まった状態6−3における温度センサ64cの温度を、温度管理テーブルに記録する。
【0141】
選択部は、状態6−1〜6−3の温度センサ64cの温度を比較し、最も温度の低い状態を判定する。選択部は、選択した状態において、開いていた吸気口を、開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。例えば、状態6−1の温度センサ64cの温度が最も低い温度であれば、選択部は、吸気口61aを開ける吸気口として選択する。選択部は、吸気口62a、63aを閉める吸気口として選択する。
【0142】
情報機器70において、吸気口74a側に温度センサ74cが配置されている。情報機器70は、温度センサ71c〜74cが測定した温度の情報を、吸気口選択装置300に出力する。
【0143】
温度取得部は、情報機器70において、吸気口71aが開き、吸気口72a、73aが閉まった状態7−1における温度センサ74cの温度を、温度管理テーブルに記憶する。また、温度取得部は、吸気口72aが開き、吸気口71a、73aが閉まった状態7−2における温度センサ74cの温度を、温度管理テーブルに記録する。また、温度取得部は、吸気口73aが開き、吸気口71a、72aが閉まった状態7−3における温度センサ74cの温度を、温度管理テーブルに記録する。
【0144】
選択部は、状態7−1〜7−3の温度センサ74cの温度を比較し、最も温度の低い状態を判定する。選択部は、選択した状態において、開いていた吸気口を、開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。例えば、状態7−1の温度センサ74cの温度が最も低い温度であれば、選択部は、吸気口71aを開ける吸気口として選択する。選択部は、吸気口72a、73aを閉める吸気口として選択する。
【0145】
情報機器80において、吸気口84a側に温度センサ84cが配置されている。情報機器80は、温度センサ81c〜84cが測定した温度の情報を、吸気口選択装置300に出力する。
【0146】
温度取得部は、情報機器80において、吸気口81aが開き、吸気口82a、83aが閉まった状態8−1における温度センサ84cの温度を、温度管理テーブルに記憶する。また、温度取得部は、吸気口82aが開き、吸気口81a、83aが閉まった状態8−2における温度センサ84cの温度を、温度管理テーブルに記録する。また、温度取得部は、吸気口83aが開き、吸気口81a、82aが閉まった状態8−3における温度センサ84cの温度を、温度管理テーブルに記録する。
【0147】
選択部は、状態8−1〜8−3の温度センサ84cの温度を比較し、最も温度の低い状態を判定する。選択部は、選択した状態において、開いていた吸気口を、開ける吸気口として選択し、その他の吸気口を閉める吸気口として選択する。例えば、状態8−1の温度センサ84cの温度が最も低い温度であれば、選択部は、吸気口81aを開ける吸気口として選択する。選択部は、吸気口82a、83aを閉める吸気口として選択する。
【0148】
(情報機器の内部の電子部品の配置例について)
次に、情報機器の内部の電子部品の配置例について説明する。図25は、情報機器の内部の電子部品の配置例を示す図である。例えば、情報機器50に配置される複数の電子部品のうち、冷却対象として優先度が他の電子部品よりも高い電子部品を、排気口54aの周辺に配置する。冷却対象として優先度が他の電子部品よりも高い電子部品は、CPU10Aである。排気口54aの周辺は、空気の通り道となる。このため、排気口54aの周辺に冷却対象として優先度の高い電子部品を配置することで、他の領域に配置する場合と比較して、より効率的に電子部品を冷却することができる。
【0149】
情報機器60〜80に関しても、情報機器50と同様にして、冷却対象として優先度が他の電子部品よりも高い電子部品を、排気口の周辺に配置する。
【0150】
(保守者が吸気口選択装置を用いる作業内容の一例について)
次に、保守者が吸気口選択装置300を用いる作業内容の一例について説明する。例えば、保守者は、初期設定時、保守作業時に、吸気口選択装置300を情報機器50〜80と接続する。保守者は、前準備として、情報機器50〜80の吸気口のカバーを全て開けておく。保守者は、前準備を行った後に、吸気口選択装置300に処理を実行させ、吸気口選択装置300の表示部330を参照し、開ける吸気口および閉める吸気口を判断し、閉める吸気口のカバーを閉める。
【0151】
また、保守者は、各情報機器50〜80の運転時に、吸気口選択装置300を情報機器50〜80と接続し、温度を確認しても良い。吸気口選択装置300は、上記処理の他に、各温度センサの温度が所定の温度を超えているか否かを判定し、判定結果を表示部330に表示しても良い。なお、吸気口選択装置300と各情報機器50〜80をLAN等で常時接続しておき、保守者は、各情報機器50〜80の温度の状態を確認しても良い。
【0152】
(カバーに駆動部を設置)
ところで、情報機器50〜80の吸気口のカバーに駆動装置等を取り付けて、吸気口のカバーが自動的に開閉するように構成しても良い。吸気口選択装置300は、上記の処理に加えて、情報機器50〜80の駆動装置に制御命令を出力し、判定結果に応じて、カバーを開閉させる。例えば、吸気口選択装置300は、初期設定時に、駆動装置に制御命令を出力し、吸気口のカバーを全て開ける。そして、上記のように吸気口の開閉を選択した後に、開けると判定した吸気口のカバーを開けたままにし、その他の吸気口のカバーを閉めるように、制御命令を各駆動装置に出力する。
【符号の説明】
【0153】
50、60、70、80 情報機器
100、300 吸気口選択装置
200 ラック
110、310 インターフェース部
120、320 入力部
130、330 表示部
135、335 タイマ
140、340 記憶部
150、350 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報機器に取り付けられた開閉可能な複数の吸気口の周辺にそれぞれ配置された温度センサが測定した温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部が取得した温度を基にして吸気口の開閉を選択する選択部と
を有することを特徴とする吸気口選択装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記温度取得部が測定した温度が所定の温度以上となる回数を温度センサと対応付けて計数し、計数した回数が最小となる温度センサに最も近い位置の吸気口を開く旨を選択することを特徴とする請求項1に記載の吸気口選択装置。
【請求項3】
前記情報機器は複数存在し、各情報機器がそれぞれ上下に配置されており、
前記温度取得部は、所定の時間間隔で温度を測定し、前記選択部は、前記温度取得部が測定した温度を基にして吸気口の開閉を選択することを特徴とする請求項1または2に記載の吸気口選択装置。
【請求項4】
前記情報機器は排気口の周辺に温度センサが更に配置されており、前記温度取得部は、前記排気口の周辺に温度センサを更に用いて温度を測定し、前記選択部は、前記吸気口の周辺に配置された温度センサの温度と、前記排気口の周辺に配置された温度センサの温度とを基にして、吸気口の開閉を選択することを特徴とする請求項1、2または3に記載の吸気口選択装置。
【請求項5】
前記選択部が選択した吸気口の開閉にかかる情報を表示する表示部を更に有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の吸気口選択装置。
【請求項6】
前記選択部は、前記吸気口の周辺に設置された温度センサの温度分布を基にして、温度分布が上下の情報機器と異なる情報機器を更に選択することを特徴とする請求項3、4または5に記載の吸気口選択装置。
【請求項7】
開閉可能な複数の吸気口をそれぞれ有する複数の吸気面と、
排気口を有する排気面と、
前記複数の吸気面と前記排気面との間に収容される電子機器とを備え、
前記電子機器に配置される複数の電子部品のうち、冷却対象として優先度が他の電子部品より高い電子部品が、前記排気面周辺に配置されたことを特徴とする筐体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−77709(P2013−77709A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216879(P2011−216879)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】