説明

吸水性シートを用いた簡易保湿フィルター及び簡易保湿フィルターの配置部材またはその使用方法

【解決手段】 本発明は、通気性を有する表面シートと裏面シートとの間に吸水性樹脂を配置し、キルティング加工を施した吸水性シートをフィルターポケットに収納した簡易保湿フィルターと、これを配置する箱型の配置部材で、冷蔵庫の野菜室内に配置することにより、野菜の鮮度を上げて保存期間の延ばす簡易保湿方法である。
【効果】 簡易保湿フィルターに水分を含ませ、野菜室に配置したり、野菜を覆ったりすることにより、外気や冷蔵庫の冷気が簡易保湿フィルターを通じて、野菜周辺の湿度を上げ、野菜を萎びさせることなく保存期間を延ばすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫内などに保管される野菜類を保湿し、保存期間を長くさせる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状物が紙、不織布、合成紙、プラスティックフィルム、ウレタン及び布から成る群から選ばれた少なくとも1つであるシート状保存材が特許文献1に開示されている。また、同文献には、食品用保湿庫にポケットを付けて配置することも開示されている。
(例えば、特許文献1参照)
特許文献2には、吸放湿性のある部材に水溶性抗酸化物質を含有させた鮮度保持材を野菜室または冷気通路中に配置し、冷蔵庫内を循環する冷気中の水分に抗酸化物質を溶出させることにより、庫内の食品に抗酸化物質を配給して酸化を抑制する思想が開示されている。
(例えば、特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】実開平3−126489号公報(第1頁、第1図参照)
【特許文献2】特開2005-83686号公報(第1頁、第1図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明では、吸水性のあるシートをシート状保存材として使用する思想が開示されている。これではシートを使用したときに水分を吸収した内容物が重みにより下方に集中してしまう。これでは簡易な保湿手段として使用する場合に、様々な使用態様にそった柔軟に使用することができない。
また、特許文献2に記載された発明では、冷蔵庫内に鮮度保持材を配置する場合に、冷蔵庫の構造を一部変えねばならず、簡単な構造で容易に使用できるものではない。
【0005】
そこで、本発明は、従来公知の吸収性シートよりも野菜の保湿に適した、保湿効果を有する吸水性シートを用いた簡易保湿フィルターを提供するものであって、簡単に使用でき、冷蔵庫自体の構造を変えることなく、冷蔵庫内の保湿効果を上げることができる簡易保湿フィルター及びその配置部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一方もしくは双方が通気性を有する表面シートと裏面シートとの間に吸水性樹脂を配置して表面シートと裏面シートの端部を接着し、表面シートと裏面シート及び吸水性樹脂を縫着するキルティング加工を施した吸水性シートを用いるものであって、
吸水性シートの端部に表面シートと裏面シートのみが接着された端縁部を有し、該端縁部から次の吸水性シートが順次形成され、連続シート状になっており、連続する吸水性シート間の端縁部には破断線が形成され、破断線ごとに切り離されたシートを単位シートとし、
単位シートの一単位分または複数単位で切り離し、切り離された吸水性シートの長さに対応した表面が通気性を有する吸水性シート収納フィルターポケットに収納したことを特徴とする簡易保湿フィルターである。
【0007】
また、吸水性シートは吸水性樹脂に予め水分を吸収させてあることが好ましい。
【0008】
また、前壁と後壁が底部により連結され、前壁と後壁との内側に空間部分が形成される状態で直立し、前壁と後壁にそれぞれ開口部を設け、
一方もしくは双方が通気性を有する表面シートと裏面シートとの間に吸水性樹脂を配置して表面シートと裏面シートの端部を接着し、表面シートと裏面シート及び吸水性樹脂を縫着するキルティング加工を施した吸水性シートを用い、吸水性シートの端部に表面シートと裏面シートのみが接着された端縁部を有し、該端縁部から次の吸水性シートが順次形成されて連続シート状になっており、連続する吸水性シート間の端縁部には破断線が形成され、破断線ごとに切り離されたシートを単位シートとし、
単位シートの一単位分または複数単位で切り離し、切り離された吸水性シートの長さに対応した表面が通気性を有する吸水性シート収納フィルターポケットに収納したことを特徴とする簡易保湿フィルターを配置することによって簡易保湿フィルターを直立せしめることを特徴とする簡易保湿フィルター配置部材がある。
【0009】
また、簡易保湿フィルター配置部材の使用方法として、前壁と後壁が底部により連結され、前壁と後壁との内側に空間部分が形成される状態で直立し、前壁と後壁にそれぞれ開口部を設け、開口部から一方もしくは双方が通気性を有する表面シートと裏面シートとの間に吸水性樹脂を配置して表面シートと裏面シートの端部を接着し、表面シートと裏面シート及び吸水性樹脂を縫着するキルティング加工を施した吸水性シートであって、吸水性シートの端部に表面シートと裏面シートのみが接着された端縁部を形成し、該端縁部から次の吸水性シートが順次形成され、連続シート状とし、連続する吸水性シート間の端縁部には破断線を形成したことを特徴とする吸水性シートを入れて、空間部分に配置することによって吸水性シートを直立せしめることを特徴とする吸水性シート配置部材を冷蔵庫の野菜室内部の壁面に沿って若しくは野菜室内部の仕切として配置しつつ、通風路を確保して保湿する吸水性シート配置部材の使用方法がある。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、吸水性樹脂を用いた吸水性シートであるため十分に水分を吸収することができる。この吸水性シートは被保湿物、主に野菜類を保湿するために、被保湿物を覆うことにより保湿効果を上げることができる。
また、キルティング加工を施すことにより、吸水性シート内の樹脂がシート内下部へ移動することを防ぎ、吸水性シートに覆われた被保湿物全体を効率良く保湿することが可能になる。
また、冷蔵庫の冷気を強くせずとも、冷蔵庫内の温度を下げることができるので、電気エネルギーを省くことができる。
しかも、野菜の周りに吸水性シートを配置することで、野菜の汚れなどを吸水性シートが吸収して、野菜室内の汚れをとり、清潔を保つ効果も有する。
【0011】
また、請求項1に記載の発明は、連続シートにすることで吸水性シートが簡易な方法で保管できる。使用時には破断線にそって容易に吸水性シートを一枚づつ切り取ることができる。また、端縁部は表面シートと裏面シートのみが接着されているものであるから吸水性シートから水分が漏れることなく、切り離された吸水性シートを使用することができる。これにより、使用者が吸水性シートを容易に保管し、取り外して使用することができる。
また、フィルターポケットに入れてフィルターとしているため、吸水性シートを補強した形態となる。
【0012】
請求項2に記載の発明により、水分を含ませたことで、吸水性シートが対象物に対して保湿効果を持たせることができる。
【0013】
請求項3、4に記載の発明により、冷蔵庫内の保湿効果を上げるために、吸水性シートを簡単にかつ効果的に配置することができる。
従来の保湿部材は冷蔵庫内の構造に別部材を加えたり、配置用の部材を接着させたりしているため、主に冷蔵庫を使用する主婦が簡単に使用することが難しかった。
冷蔵庫内の構造をなんら変えることなく、当該配置部材に簡易保湿フィルターを入れて、冷蔵庫の野菜室に配置するだけで、冷蔵庫内の温度を下げ、湿度を上げることにより保湿効果を上げることができ、冷蔵庫野菜室内の野菜の保存を通常よりも長くすることができる。
また、吸水性シートを挿入した配置部材を仕切として使用することによって、より野菜室内を分室化して、より効率良く冷蔵庫の冷気が吸水性シートにより多湿にすることが可能となる。
また、冷蔵庫の冷気を強くせずとも、冷蔵庫内の温度を下げることができるので、電気エネルギーを省くことができる。
しかも、野菜の周りに吸水性シートを配置することで、野菜の汚れなどを吸水性シートが吸収して、野菜室内の汚れをとり、清潔を保つ効果も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(実施例)
【0015】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。
図1は本発明の吸水性シートの正面図、図2は図1の吸水性シートのA−A線断面図、図3は吸水性シート配置部材の斜視図、図8は連続シートの斜視図、図7は簡易保湿フィルターの斜視図である。
【0016】
図7に示すように、本発明の簡易保湿フィルター101は、吸水性シート1をフィルターポケット102に内包して形成されている、
吸水性シート1は、図1に示すように、一方または双方が通気性を有する表面シート2と裏面シート3との間に吸水性樹脂4を挟み込み、表面シート2、裏面シート3を接着させて一枚のシートとしたものである。つまり、表面シート2、裏面シート3は両方が通気性を有する部材かどちらか一方が通気性を有する部材からなるものである。
通気性を有するシートは比較的通気性が高い部材を使用する。綿、麻などの天然素材や紙部材などが好ましい。通気性の有しない部材を使用する場合、ナイロンなどのフィルムを使用する。
【0017】
吸水性シート1は、吸水性樹脂4を表面シート2、裏面シート3とで挟み込んだ状態でキルティングにより接着されている。まず、吸水性樹脂の外側であって、表面シート2と裏面シートの外縁部に沿って接着用キルティング5がなされている。このように、縫い合わせることにより、表面シート2と裏面シート3とで吸水性樹脂4を挟み込んで、同樹脂の内容物が表面シートと裏面シート3から落下しないように形成されている。
また、図示しないが、一枚のシートを中心で折りたたんで表面シート2と裏面シート3とし、折りたたんだ内側に吸水性樹脂4を挟持して接着するものであってもよい。
【0018】
また、本発明において使用する吸水性樹脂4は、袋状の包装体の内部に多数の小粒の粒状内容物7を収容したものを利用する。そして、吸水性シート1は使用時に垂直方向に立てた状態で維持させていたり、斜め方向で維持したりする。この場合、吸水性樹脂4の内部の粒状内容物7が重力により下方向へ集中することが多い。特に水分を吸収すると、水分の重みにより粒状内容物7が下方向へ集中することになる。吸水性シート1内に吸水性樹脂4を平均的に内包させるため、本発明では表面シート2から吸水性樹脂4を通してと裏面シート3にかけて保持用キルティング6がなされている。この保持用キルティング6は、表面シート2と裏面シートを縫い合わせているので、両者を接着させる効果も有する。
吸水性シートは使用時に直立させる場合もあり、吸水性樹脂による保湿効果をシート全体として平均的に効率良く発揮させるために、保持用キルティング6により吸水性樹脂は、粒状内容物7を平均的に存在させている。
【0019】
吸水性樹脂4は、ポリアクリル酸塩などの高分子吸収剤からなる。本発明の吸水性シート1に用いる吸水性樹脂は水分を含んだ状態で維持できることが必要である。高分子吸収剤は市販されている紙オムツなどに用いられており、かかる紙オムツから切り取って高分子吸収剤を使用することができる。
【0020】
表面シート3、裏面シート4の一方または双方は吸水性樹脂4が水分を含み、保湿効果をもたせるものであるため、通気性の良いものが好ましい。そのため、塩化ビニールシートなど通気性が悪いシートを用いることは好ましくない。
通気性を有する部材は、吸水性と保湿性を有する和紙を使用してもよい。
【0021】
図8に示すように、吸水性シート1は端部から連続した連続シート8とした状態で形成される。吸水性シート1を連続させているので、ロール芯9に巻き付けられた状態で保存することができる。吸水性シート1の端縁部11は周囲に吸水性樹脂4がはさみ込まれていない状態で、表面シート2と裏面シート3が接着された端縁部11が形成されている。連続する吸水性シート1の間の端縁部11には破断線10が形成されており、使用時には破断線10に沿って切り取って、1枚の吸水性シート1として使用される。
また、図示しないがロール状にせずに連続シート8を折り畳んで保存することも可能である。
【0022】
図7に示すように、フィルターポケット102は比較的網目の大きな網状のポケットを使用する。実施例に示すフィルターポケット102は表面103が網状部材で、裏面104がフィルムにより形成されている。つまり一面が通気性を有し、もう一面が通気性を有しないように形成されている。
フィルターポケット102は、表面103と裏面104の上縁以外の周縁部を接着させたものである。上縁が開口部105を形成して、表面103と裏面104の間に収納スペースができ、かかる収容スペースに吸水性シート1を収容することができる。このフィルターポケット102に吸水性シート1を収容して、本発明の簡易保湿フィルター101となる。
【0023】
連続シート8の破断線10により適宜の長さで、吸水性シート1を切って使用することができるが、破断線ごとの吸水性シートを単位シートとして、2単位のシートとしても使用する場合、フィルターポケット102連結して2単位分のフィルターポケットを使用する。このようにフィルターポケットを連結して使用することで、使用者が使用する対象物や冷蔵庫内の野菜室の大きさによって、適宜に吸水性シートの長さを変更して使用することが容易になる。
【0024】
次に、簡易保湿フィルター101を冷蔵庫内に効果的に配置するための配置部材31について説明する。
図3に示すように、配置部材31は箱型の形態を有する部材である。
配置部材31は合成樹脂材により成形される。
配置部材31は、前壁32、後壁33、側壁34、34、底面35からなり、空間部分を形成する。前壁32と後壁33の上縁部には円弧状に抉れた凹部36が形成されている。また、前壁32と後壁33の下方部分には複数の開口部37が形成されている。
配置部材31は簡易保湿フィルター101を空間部分に配置するだけでなく、吸水性シートの保湿効果を奏するために、開口部37や凹部36が形成されている。これら開口部37や凹部36により吸水性シートに含まれた水分が拡散して、配置部材により配置された箇所を保湿させることが可能になる。
【0025】
配置部材の第2実施例は、図4に示すように、右側配置部41と左側配置部42によりなる配置部材31である。右側配置部41、左側配置部42は各々前記第1実施例にかかる配置部材31を横手方向の中央で分割した形態を有している。つまり、右側配置部41も、前壁32、後壁33、側壁34、底面35からなる。前壁32と後壁33の上縁部には円弧状に抉れた凹部36が形成されており、前壁32と後壁33の下方部分には複数の開口部37が形成されている。左側は一部42も同様である。
【0026】
この右側配置部41と左側配置部42は、予め用意した第1実施例の配置部材31であると、簡易保湿フィルター101の長さと合わない場合に使用することができる。つまり、第1実施例の配置部材31よりも簡易保湿フィルター101の横方向の長さが長い場合に、右側配置部41と左側配置部42とで簡易保湿フィルター101の横手方向の両端を支持させて配置させることができる。したがって、第2実施例にかかる右側配置部41と左側配置部42を用いる場合、簡易保湿フィルター101の横手方向の長さが長くなったりした場合でも配置できる。すなわち、使用する簡易保湿フィルター101の大きさの変化に柔軟に対応することができる。
【0027】
次に、簡易保湿フィルター101の使用方法について説明する。
簡易保湿フィルター101の吸水性シート1に水分を含ませて、保湿対象物質を被覆することで、簡易な方法で保湿効果を上げることができる。特に野菜53など生鮮食品を保湿する場合に、簡易な方法で保湿することができ、保存効果を上げることができる。
【0028】
吸水性シート1に水分を含ませるには、図示しないが、噴霧器により水分を噴出させて、表面シートや裏面シートの外側から吸水性シート1に水分を含ませる。0.1〜0.2ミリメートルの厚みをもつ吸水性樹脂4を対象とした場合、この水分は吸水性シート1の400平方センチメートル当たり、300ccから400ccの水分が好ましい。つまり、水分は100平方センチメートルあたり75〜100ccが好ましい。これよりも水分が少ない場合や多い場合では、野菜に適した保湿効果を奏することが難しくなる。
これは、被覆物質が野菜の場合であって、冷蔵庫の野菜室52に使用する場合、冷気を循環させるために6割程度の被覆が適切であるところ、かかる被覆率を前提に適切な水分量を実験したところ、上記水分量が最も適切であった。
吸水性シート1の使用により、吸収性樹脂4が吸収した水分がなくなってくると、また、吸水性シート1の表面から噴霧器により水分を噴出させて水分を含ませ、繰り返し使用することが可能である。
【0029】
次に、配置部材31を用いた簡易保湿フィルター101の使用方法について説明する。図5、図6に示すように、配置部材は主に冷蔵庫51の野菜室52の内部に置き、簡易保湿フィルター101を支持させて配置する。
【0030】
図6は図5の野菜室52だけを拡大したものである。
配置は野菜室52の内部を覆うようにすればよい。前述したように適切な保湿効果をもつために、野菜室の内面の6割程度を覆うことが好ましい。冷蔵庫内は冷気が送風されており、かかる冷気を遮断すると野菜室内の温度が上昇してしまい、逆に野菜の保存期間が短くなってしまう。図6に示す実施例では、野菜室内の底面に簡易保湿フィルター101を敷き、右側面・左側面・中央付近に配置部材31を各1つ、前面に3つの簡易保湿フィルター101を入れた配置部材31を配置している。
底面に簡易保湿フィルターを敷くことは、冷蔵庫内の保湿効果を上げるだけでなく、野菜の水分が滴り落ちた場合などによる野菜室底面の汚れを防止する効果もある。
また、図10は図6における簡易保湿フィルター101の配置状態から、野菜の上側にも簡易保湿フィルター101を覆わせた別の実施例である。
【0031】
野菜室の配置は、冷蔵庫51の機能として冷風を循環させる必要があり、前述したように野菜室内面の6割程度を覆うものであればよい。野菜室は冷蔵庫の機種によっても広さ・形態が異なり、この広さ・形態によって配置方法を変えて使用することが必要である。
また、簡易保湿フィルター101を入れた配置部材31を仕切として用いて、野菜室内を2ないし4室に分室化することもできる。これにより、保湿力を効率良く上げることができ、野菜53の保存期間を長くすることができる。図6に示す実施例においても、中央付近に配置された配置部材31が仕切として機能し、野菜室を2室に分室化させている。
【0032】
図9に示すように、簡易保湿フィルター101は、野菜室51内に取り付けることができる冊子61に配置することも可能である。冊子61は野菜室の内側側面に着脱自在に設置する。冊子は簡易保湿フィルター101を単数若しくは複数個、配置することができる。簡易保湿フィルターを使用し続けて、劣化などにより取替えが必要となれば、冊子61から取り出して新しい簡易保湿フィルターを配置することが可能である。
【0033】
冷蔵庫内の湿度は通常約45%を保っているが、6割程度の被覆率により簡易保湿フィルター101を配置すると、70〜80%にまで湿度を高めることが可能になる。かかる湿度は簡易保湿フィルター101に吸水された水分が、多湿の気体となって野菜室内に供給されるためである。
なお、野菜室内で簡易保湿フィルター101を使用する場合、野菜室内の冷気の強度設定を上げて、約5度にした方が湿度を高めることができる。その理由は循環する冷風が強くなり、より多湿の気体がより多く野菜室内に供給されるためである。
かかる多湿状態とすることにより、通常より野菜が萎びることを延ばすことができ、野菜53の保存を延ばすことができる。
【0034】
なお、図示しないが簡易保湿フィルター101は鮮魚の運送に比較的多く用いられる発泡スチロール素材からなる簡易保存箱にも使用することができる。簡易保存箱に使用することで、鮮魚などの内容物を保湿し、鮮度を長時間保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、吸水性シートの斜視図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、配置部材の斜視図である。
【図4】図4は、配置部材の第2実施例である斜視図である。
【図5】図5は、冷蔵庫の野菜室内に配置部材を配置する状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図5における配置部材を配置した状態を示す野菜室内の拡大斜視図である。
【図7】図7は、本発明の簡易保湿フィルターを示す斜視図である。
【図8】図8は、吸水性シートを連続的に形成して、ロール状にしたものを示す斜視図である。
【図9】図9は、簡易保湿フィルターを配置する冊子の着脱状態を示す斜視図である。
【図10】図10は、図6における野菜の上に簡易保湿フィルターを覆った状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0036】
1…吸水性シート
2…表面シート
3…裏面シート
4…吸水性樹脂
5…接着用キルティング
6…保持用キルティング
7…粒状内容物
8…連続シート
9…ロール芯
10…破断線
11…端縁部
31…配置部材
32…前壁
33…後壁
34…側壁
35…底面
36…凹部
37…開口部
41…右側配置部材
42…左側配置部材
51…冷蔵庫
52…野菜室
53…野菜
61…冊子
101…簡易保湿フィルター
102…フィルターポケット
103…表面
104…裏面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方もしくは双方が通気性を有する表面シートと裏面シートとの間に吸水性樹脂を配置して表面シートと裏面シートの端部を接着し、表面シートと裏面シート及び吸水性樹脂を縫着するキルティング加工を施した吸水性シートを用いるものであって、
吸水性シートの端部に表面シートと裏面シートのみが接着された端縁部を有し、該端縁部から次の吸水性シートが順次形成され、連続シート状になっており、連続する吸水性シート間の端縁部には破断線が形成され、破断線ごとに切り離されたシートを単位シートとし、
単位シートの一単位分または複数単位で切り離し、切り離された吸水性シートの長さに対応した表面が通気性を有する吸水性シート収納フィルターポケットに収納したことを特徴とする簡易保湿フィルター。
【請求項2】
吸水性シートは吸水性樹脂に予め水分を吸収させてあることを特徴とする請求項1に記載の簡易保湿フィルター。
【請求項3】
前壁と後壁が底部により連結され、前壁と後壁との内側に空間部分が形成される状態で直立し、
前壁と後壁にそれぞれ開口部を設け、請求項1または2に記載の簡易保湿フィルターを配置することによって吸水性シートを直立せしめることを特徴とする簡易保湿フィルター配置部材。
【請求項4】
簡易保湿フィルター配置部材を冷蔵庫の野菜室内部の壁面に沿って若しくは野菜室内部の仕切として配置しつつ、通風路を確保して保湿する請求項3に記載の吸水性シート配置部材の使用方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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