説明

吸汁害虫の交尾行動かく乱剤

【課題】 稲作分野において主要な害虫とされている吸汁害虫の交尾行動かく乱剤を提供する。
【解決手段】 本発明者らは、稲作分野における吸汁害虫にフロニカミドを適用することで、害虫の交尾行動をかく乱し、長期間に渡って安定した高い防除効果を奏することを見出した。本知見は、フロニカミドの単純な殺有害生物剤としての使用とは一線を画す、害虫の交尾行動をかく乱するという全く予期されなかった効果である。本発明は、フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤、該交尾行動かく乱剤を処理して、該害虫の交尾行動をかく乱する方法などに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸汁害虫の交尾行動かく乱剤に関する。
【背景技術】
【0002】
N−シアノメチル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミド(一般名フロニカミド(flonicamid))は、特許文献1に化合物No.1として記載されている化合物である。特許文献2には、フロニカミドを含むピリジン系化合物と各種効力増強成分とを含有する有害生物防除剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ヨーロッパ特許公報第580374号
【特許文献2】国際公開公報 WO 2009/128409
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
稲作分野において主要な害虫とされている吸汁害虫であるウンカ類は、増殖力が高く、イネに対して甚大な被害を引き起こす。特にトビイロウンカは収穫期までの間に複数世代に亘って増殖を繰り返し、イネの坪枯れを起こすことが主たる被害である。坪枯れとは、トビイロウンカの吸汁害により、イネが枯死及び/又は倒伏する被害のことである。現在、ウンカ類に対する防除剤は、ネオニコチノイド系殺虫剤が主流であるが、近年急激に、ネオニコチノイド系殺虫剤に対して感受性の低下したウンカ類が見られるようになったことから、稲作分野において、ネオニコチノイド系殺虫剤に置き換わり、新たな主流となり得る防除剤又は防除方法が希求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
トビイロウンカの生態は特徴的であり、本発明者らは、トビイロウンカを含めたウンカ類の防除において、その特徴的な生態に関連付けて研究を行った。
トビイロウンカはベトナム以北の地域では越冬できない。例えば日本では、主に6月下旬〜7月の梅雨期に海外から下層ジェット気流に乗って飛来してくる長翅型成虫が発生源となる。飛来密度は、同じく海外飛来性のセジロウンカに比べてかなり低く、飛来した時点での寄生密度では大きな問題は引き起こさない。
しかし、飛来後、雌成虫は約4日間の産卵前期間を経てイネ葉鞘の組織内に産卵し、25℃では卵期間7〜9日、幼虫期間14日を経て次世代(第1世代)成虫となる。第1世代の雌成虫は増殖率の高い短翅型となることが多い。短翅型雌はあまり移動せず、産卵数も多いため、第2世代個体群は局所的に、しかも幾何級数的に密度が高くなり、第2世代又は第3世代の発生時期に、坪枯れを引き起こす。
また、トビイロウンカが越冬できるベトナム以南の東南アジア諸国においても、上記のような、局所的な増殖及び坪枯れによる甚大な被害が生じることは同様である。
さらに、現状では、トビイロウンカの卵に対して有効で、且つ環境及び益虫に対する安全性を有する農薬は見出されていない。
このようなことから、本発明者らは、トビイロウンカの被害を防ぐ方法を見出すべく、飛来成虫及び第1世代成虫に産卵させないこと、産卵させにくくすること及び卵が孵化しないようにすることなど、害虫の次世代個体数や密度を低下させることに着目した。
【0006】
その結果、本発明者らは、各種農薬有効成分の中でもフロニカミドが前記課題を解決する、吸汁害虫の交尾行動かく乱作用を持つことを見出し、本発明を完成させた。本発明における交尾行動かく乱作用とは、メスが腹部の振動でオスを呼ぶ行動を抑制し、オスがメスを探す一連の交尾行動を抑制する作用を言う。このように交尾行動をかく乱された結果、メスの産卵数は減少し、更に、産卵された卵は未受精卵であるため孵化しない。
即ち、本発明は、フロニカミドを吸汁害虫に作用させることにより、吸汁害虫を防除する方法、吸汁害虫の次世代個体数を低下させる方法及び吸汁害虫の交尾行動をかく乱する方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸汁害虫の交尾行動かく乱剤及び防除方法は、長期間に亘って安定した高い防除効果を奏することができる。
また、本発明は、フロニカミドの単純な殺有害生物剤としての使用とは一線を画す、害虫の次世代個体数を低下させるという全く予期されなかった効果を奏するものである。例えば、育苗箱処理を行った場合、従来用いられてきた防除剤では、長期間の残効が期待できないため散布剤を複数回処理する必要があるが、本発明の方法においては、少なくとも、散布剤処理の回数を軽減することが可能である。本発明が開示する「害虫の次世代個体数を低下させる」という全く予期されなかった効果を応用し、例えば育苗箱処理に適用した場合、通常所望される十分な長期間に亘って吸汁害虫防除効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】フロニカミド粒剤の育苗箱処理によるトビイロウンカ成虫放飼試験を行った際の次世代個体数抑制効果の結果を示すグラフである。
【図2】フロニカミド育苗箱処理用粒剤の育苗箱処理によるトビイロウンカ成虫放飼試験を行った際の次世代個体数抑制効果の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における農薬有効成分はフロニカミドである。フロニカミド(flonicamid)は一般名であり、その化学名はN−シアノメチル−4−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボキサミドである。フロニカミドは塩を形成する場合がある。
【0010】
本発明においてイネ寄生吸汁害虫は、ウンカ類、ヨコバイ類、カメムシ類等が挙げられる。
ウンカ類はトビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等が挙げられ、ヨコバイ類はツマグロヨコバイ等が挙げられ、カメムシ類はアカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ等が挙げられる。
本発明において前記吸汁害虫は、好ましくはウンカ類及びヨコバイ類が挙げられる。より好ましくはウンカ類が挙げられる。
更に好ましくはトビイロウンカが挙げられる。
本発明の防除対象である前記吸汁害虫には、ネオニコチノイド系殺虫剤に感受性が低下した吸汁害虫が挙げられる。
【0011】
本発明において、フロニカミドと、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、動植物油、鉱物油、水溶性高分子、樹脂及びワックスから成る群から選択された少なくとも1種の効力増強成分を併用することができる。
【0012】
本発明においてフロニカミドは、従来の農薬製剤の場合と同様に、各種補助剤と配合し、乳剤、粉剤、水和剤、液剤、粒剤、懸濁製剤等の種々の形態に製剤することができる。ここにいう補助剤としては、担体、懸濁剤、増粘剤、安定剤、分散剤、湿潤剤、浸透剤、凍結防止剤、消泡剤等が挙げられ、必要により適宜添加すればよい。担体としては、固体担体と液体担体に分けられ、固体担体としては、澱粉、砂糖、セルロース粉、シクロデキストリン、活性炭、大豆粉、小麦粉、もみがら粉、木粉、魚粉、粉乳等の動植物性粉末;タルク、カオリン、ベントナイト、有機ベントナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、ケイソウ土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、シリカ、硫黄粉末、消石灰等の鉱物性粉末等が挙げられ、液体担体としては、水;エチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ケロシン、灯油、流動パラフィン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類;酢酸エチルエステル、脂肪酸のグリセリンエステル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等の含硫化合物類或いはN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。分散剤としては、ポリカルボン酸またはその塩、リグニンスルホン酸またはその塩等が挙げられる。前記効力増強成分を用いる場合は、フロニカミドと、前記効力増強成分を一緒に混合・製剤しても良いし、或いは別々に製剤してそれらを混合しても良い。これら製剤品の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。
【0013】
本発明においてフロニカミドは、育苗箱に処理したり、水田に処理したりすることができる。本発明の方法では、吸汁害虫に吸汁させることにより特に大きな顕著な効果を奏することから、育苗箱処理が望ましい。水溶解度の高い農薬有効成分であるフロニカミドは、育苗箱処理によりイネの根部からの薬剤吸い上げ作用により、効率的に植物体内に取り込ませることができるからである。
【0014】
本発明においては、前記したようにフロニカミドを各種の形態に製剤することができるが、育苗箱処理が望ましいとの観点から、中でも育苗箱処理用の粒剤とすることが望ましい。
本発明の効果を発揮させるために適した育苗箱処理用の粒剤としては、フロニカミドと難水溶性樹脂を含有する組成物で、製剤中でフロニカミドと難水溶性樹脂がマトリックス、即ちフロニカミドが難水溶性樹脂に取り込まれた組成物を形成していることを特徴とする組成物が挙げられ、以下に詳述する。
【0015】
本発明に用いる有効成分フロニカミドは、水溶解度が非常に高い化合物(20℃における水溶解度:5200mg/L)であることが知られている。育苗箱処理用の薬剤は、長期に薬効を持続させる必要があるため、農薬有効成分の溶出を制御することが求められる一方で、フロニカミドのような水溶解度の極めて高い化合物を本使用態様に適用させることは困難とされてきた。前記組成物は、前記フロニカミドの水溶解度に起因する問題を解消する上で有効な一態様である。配合量については0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%である。
本発明で使用するフロニカミドの平均粒子径は、1〜500μm、望ましくは1〜100μm、更に望ましくは5〜50μmである。
本発明で使用することのできる難水溶性樹脂としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・ベオバ共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体、アクリル酸エステル、アクリル・シリコン共重合体、酸化ポリエチレン、ウレタン樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。難水溶性樹脂はエマルションとして使用することが望ましく、特に、エチレン・アクリル酸共重合体エマルションが望ましい。エチレン・アクリル酸共重合体エマルションとしては、例えば、HYTEC S-3111、HYTEC S-3121、HYTEC S-3127(東邦化学工業社製)などが挙げられる。これらの樹脂エマルションは単独で使用されるのみならず混合して使用することもできる。配合量については固形分で0.1〜30重量%、好ましくは1〜15重量%である。
本発明に使用する担体としては、特に限定されないが、例えば、クレー、ベントナイト、タルク、炭酸カルシウム、ジークライト、セリサイト、酸性白土、珪藻土、ゼオライト、パーライト、アタパルジャイトなどの担体を使用することができる。配合量については、特に制限されないが、40〜99.8重量%、好ましくは60〜98.5重量%の範囲内である。
前記組成物は、難水溶性樹脂を使用するため水とのなじみが悪く、本田移植後に薬剤が浮遊することがあるため、湿潤剤を添加することが望ましい。湿潤剤としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられ、望ましくは、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートが挙げられる。これらの湿潤剤は単独で使用されるのみならず混合して使用することもできる。湿潤剤を使用する場合、配合量については特に制限されないが、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
前記組成物は、農薬の製造において通常用いられる造粒法、例えば、押し出し造粒法、転動造粒法、転動流動造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法、攪拌混合造粒法、被覆造粒法、打錠法などにより調製することができる。
例えば、フロニカミド、湿潤剤及び担体を均一に混合した後、難水溶性樹脂エマルションを加えてニーダーなどで混練し、ドームグランなど押出し造粒機により造粒し、乾燥、整粒することにより前記組成物を得ることができる。
また、前記組成物は、所望により溶出速度を更に制御するため、パラフィン等の溶出制御剤を添加することができる。
前記組成物には、以上述べた成分以外に、任意成分として、例えば、本発明の農薬製剤中で農薬活性成分を安定に保つ目的および/または造粒する際の造粒性などを向上させる目的で、必要に応じて、界面活性剤、補助剤などを含有せしめることができる。
【0016】
本発明においては、必要に応じてフロニカミド以外の農薬成分、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物成長調整剤などと、混用、併用することができ、この場合には一層優れた効果を示すこともある。例えば、適用範囲、薬剤処理の時期、防除活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、フロニカミドと他の農薬の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。例えば、前記組成物を調製する場合、フロニカミドとそれ以外の農薬成分とも一緒に製剤できる。本発明には、このように有効成分を混合して施用する場合も含まれる。
【0017】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤の有効成分化合物、すなわち殺虫性化合物(一般名;一部申請中を含む、又は試験コード)としては、例えばプロフェノホス(profenofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(diazinon)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos‐methyl)、アセフェート(acephate)、プロチオホス(prothiofos)、ホスチアゼート(fosthiazate)、カズサホス(cadusafos)、ジスルホトン(dislufoton)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos)、エチオン(ethion)、エトリムホス(etrimfos)、キナルホス(quinalphos)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジメトエート(dimethoate)、スルプロホス(sulprofos)、チオメトン(thiometon)、バミドチオン(vamidothion)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロパホス(propaphos)、ホサロン(phosalone)、ホルモチオン(formothion)、マラチオン(malathion)、テトラクロルビンホス(tetrachlovinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、シアノホス(cyanophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、メチダチオン(methidathion)、フェントエート(phenthoate)、ESP、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、フェンチオン(fenthion)、ヘプテノホス(heptenophos)、メトキシクロル(methoxychlor)、パラチオン(paration)、ホスホカルブ(phosphocarb)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、モノクロトホス(monocrotophos)、メタミドホス(methamidophos)、イミシアホス(imicyafos)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、テルブホス(terbufos)、ホスファミドン(phospamidon)、ホスメット(phosmet)、ホレート(phorate)、ホキシム(phoxim)、トリアゾホス(triazophos)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(carbaryl)、プロポキスル(propoxur)、アルジカルブ(aldicarb)、カルボフラン(carbofuran)、チオジカルブ(thiodicarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカルブ(pirimicarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、フラチオカルブ(furathiocab)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メトルカルブ(metolcarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC、フェノチオカルブ(fenothiocarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ベンスルタップ(bensultap)、チオスルタップナトリウム(thiosultap-sodium)、モノスルタップ(monosultap)、ビスルタップ(bisultap)、シュウ酸水素チオシクラム(thiocyclam hydrogen oxalate)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(dicofol)、テトラジホン(tetradifon)、エンドスルファン(endosulfan)、ジエノクロル(dienochlor)、ディルドリン(dieldrin)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、シヘキサチン(cyhexatin)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(fenvalerate)、ペルメトリン(permethrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、シフルトリン(cyfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ラムダシハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ピレスリン(pyrethrins)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、テトラメスリン(tetramethrin)、レスメスリン(resmethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ビフェントリン(bifenthrin)、ゼータシペルメトリン(zeta-cypermethrin)、アクリナトリン(acrinathrin)、アルファシペルメトリン(alpha-cypermethrin)、アレスリン(allethrin)、ガンマシハロトリン(gamma-cyhalothrin)、シータシペルメトリン(theta-cypermethrin)、タウフルバリネート(tau-fluvalinate)、トラロメスリン(tralomethrin)、プロフルスリン(profluthrin)、ベータシペルメトリン(beta-cypermethrin)、ベータシフルトリン(beta-cyfluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、フェノトリン(phenothrin)、フルメトリン(flumethrin)、デカメトリン(decamethrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、フルアズロン(fluazuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ジオフェノラン(diofenolan)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フィプロニル(fipronil)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、エチプロール(ethiprole)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)、ニジノテフラン(nidinotefuran)、ジノテフラン(dinotefuran)、ニチアジン(nithiazine)等のネオニコチノイド;
テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)等のヒドラジン系化合物;
スピロディクロフェン(spirodiclofen)等のようなテトロニック酸系化合物;
フルアクリピリム(fluacrypyrin)等のようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(flufenerim)等のようなピリジナミン系化合物;
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物、また、その他の化合物として、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、シラフルオフェン(silafluofen)、トリアザメイト(triazamate)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、インドキサカルブ(indoxacarb)、アセキノシル(acequinocyl)、エトキサゾール(etoxazole)、シロマジン(cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマット(spirotetramat)、プロパルギット(propargite)、クロフェンテジン(clofentezine)、メタフルミゾン(metaflumizone)、3−ブロモ−N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−(4−クロロ−2−(1−シクロプロピルエチルカルバモイル)−6−メチルフェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−ブロモ−N−(2−ブロモ−4−クロロ−6−(シクロプロピルメチルカルバモイル)フェニル)−1−(3−クロロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、フルベンジアミド(flubendiamide)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(Cyantraniliprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、フェナザキン(fenazaquin)、アミドフルメット(amidoflumet)、クロロベンゾエート(chlorobenzoate)、スルフルアミド(sulfluramid)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、メタアルデヒド(metaldehyde)、HGW-86、AKD‐1022、リアノジン(ryanodine)、ピリダリル(pyridalyl)、ベルブチン(verbutin)、チアゾリルシナノニトリル(thiazolylcinnanonitrile)のような化合物;等が挙げられる。更に、Bacillus thuringienses aizawai、Bacillus thuringienses kurstaki、Bacillus thuringienses israelensis、Bacillus thuringienses japonensis、Bacillus thuringienses tenebrionis、Bacillus thuringiensesが生成する結晶タンパク毒素、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤等のような微生物農薬、アベルメクチン(avermectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin Benzoate)、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、スピノサッド(spinosad)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、DE−175、アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、スピネトラム(spinetoram)のような抗生物質及び半合成抗生物質;アザディラクチン(azadirachtin)、ロテノン(rotenone)のような天然物;ディート(deet)のような忌避剤;等と、混用、併用することもできる。
【0018】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物、すなわち殺菌性化合物(一般名;一部申請中を含む、又は日本植物防疫協会試験コード)としては、例えば、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)、フェリムゾン(ferimzone)のようなアニリノピリミジン系化合物;
5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンのようなトリアゾロピリミジン系化合物;
フルアジナム(fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、マイクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ファーコナゾールシス(furconazole‐cis)、プロクロラズ(prochloraz)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、シプコナゾール(sipconazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアホール(flutriafol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、シメコナゾール(simeconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(fthalide)、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(benomyl)、チオファネートメチル(thiophanate‐methyl)、カーベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリアゾール(fuberiazole)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル−M(metalaxyl-M)、メフェノキサム(mefenoxam)、オキサジキシル(oxadixyl)、オフレース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル−M(benalaxyl-M、別名キララキシル(kiralaxyl、chiralaxyl))、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラム(cyprofuram)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ボスカリド(boscalid)、ビキサフェン(bixafen)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、セダキサン(sedaxane)のようなアニリド系化合物;
ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルファミド系化合物;
水酸化第二銅(cupric hydroxide)、有機銅(oxine copper)のような銅系化合物;
ヒメキサゾール(hymexazol)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(fosetyl‐Al)、トルクロホスメチル(tolclofos‐Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネート、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)のような有機リン系化合物;
キャプタン(captan)、キャプタホル(captafol)、フォルペット(folpet)のようなフタルイミド系化合物;
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)のようなベンズアニリド系化合物;
ペンチオピラド(penthiopyrad)、3-(ジフロロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9RS)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミドと3-(ジフロロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9SR)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミドの混合物(イソピラザム(isopyrazam))、シルチオファム(silthiopham)、フェノキサニル(fenoxanil)、フラメトピル(furametpyr)のようなアミド系化合物;
フルオピラム(fluopyram)、ゾキサミド(zoxamide)のようなベンズアミド系化合物;
トリホリン(triforine)のようなピペラジン系化合物;
フロニカミド(flonicamid)、ピリフェノックス(pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(fenarimol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(fenpropidin)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim‐methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ−イソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)のようなバリンアミド系化合物;
メチル N-(イソプロポキシカルボニル)-L-バリル-(3RS)-3-(4-クロロフェニル)-β-アラニナート(valiphenalate)のようなアシルアミノアシッド系化合物;
フェナミドン(fenamidone)のようなイミダゾリノン系化合物;
フェンヘキサミド(fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
アトラキノン系化合物;
クロトン酸系化合物;
バリダマイシン(validamycin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)のような抗生物質;
イミノクタジン(iminoctadine)、ドディン(dodine)のようなグアニジン系化合物;
6-ターシャリーブチル-8-フルオロ-2,3-ジメチルキノリン-4-イル アセテート(テブフロキン(tebufloquin))のようなキノリン系化合物;
(Z)-2-(2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニルチオ)-2-(3-(2-メトキシフェニル)チアゾリジン-2-イリデン)アセトニトリル(フルチアニル(flutianil))のようなチアゾリジン系化合物;
その他の化合物として、ピリベンカルブ(pyribencarb)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロメジン(diclomezine)、キノキシフェン(quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)クロルピクリン(chloropicrin)、ダゾメット(dazomet)、メタムナトリウム塩(metam‐sodium)、ニコビフェン(nicobifen)、メトラフェノン(metrafenone)、UBF-307、ジクロシメット(diclocymet)、プロキンアジド(proquinazid)、アミスルブロム(amisulbrom;別名アミブロドール(amibromdole))、3-(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルベンゾイル)-5-クロロ-2-メトキシ-4-メチルピリジン、4-(2,3,4-トリメトキシ-6-メチルベンゾイル)-2,5-ジクロロ-3-トリフルオロメチルピリジン、ピリオフェノン(pyriofenone)、マンジプロパミド(mandipropamid)、フルオピコリド(fluopicolide)、カルプロパミド(carpropamid)、メプチルジノキャップ(meptyldinocap)、N-[(3', 4'-ジクロロ-1,1-ジメチル)フェナシル]-3-トリフルオロメチル-2-ピリジンカルボキサミド、N-[(3', 4'-ジクロロ-1,1-ジメチル)フェナシル]-3-メチル-2-チオフェンカルボキサミド、N-[(3', 4'-ジクロロ-1,1-ジメチル)フェナシル]−1-メチル-3-トリフルオロメチル-4-ピラゾールカルボキサミド、N-[[2'-メチル-4'-(2-プロピルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-3-トリフルオロメチル-2-ピリジンカルボキサミド、N-[[2'-メチル-4'-(2-プロピルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-3-メチル-2-チオフェンカルボキサミド、N-[[2'-メチル-4'-(2-プロピルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-1-メチル-3-トリフルオロメチル-4-ピラゾールカルボキサミド、N-[[4'-(2-プロピルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-3-トリフルオロメチル-2-ピリジンカルボキサミド、N-[[4'-(2-プロピルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-3-メチル-2-チオフェンカルボキサミド、N-[[4'-(2-プロピルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]−1-メチル-3-トリフルオロメチル-4-ピラゾールカルボキサミド、N-[[2'-メチル−4'-(2-ペンチルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-3-トリフルオロメチル-2-ピリジンカルボキサミド、N-[[4'-(2-ペンチルオキシ)-1,1-ジメチル]フェナシル]-3-トリフルオロメチル-2-ピリジンカルボキサミド、フェリムゾン(ferimzone)、スピロキサミン(spiroxamine)、S-2188(fenpyrazamine)、S-2200、ZF-9646、BCF-051、BCM-061、BCM-062等が挙げられる。
【0019】
本発明において、フロニカミドの処理量は、対象作物、処理方法、製剤形態等の条件によって異なるので、一概に規定しがたいが、通常、0.1〜24,000g/haである。散布処理の場合、通常、フロニカミドの処理量は0.1〜10,000g/haであり、望ましくは1〜1,000g/haであり、さらに望ましくは10〜500g/haであり、その上さらに望ましくは25〜500g/haである。水面処理の場合、通常、フロニカミドの処理量は5〜1,000g/haであり、望ましくは10〜1,000g/haであり、さらに望ましくは50〜600g/haである。育苗箱処理の場合、通常、フロニカミドの処理量は0.001〜100g/箱であり、望ましくは0.01〜10g/箱であり、さらに望ましくは0.1〜5g/箱である。
フロニカミドの有効濃度としては、0.05〜7,000ppmであり、望ましくは0.5〜700ppmであり、より望ましくは0.5〜350ppmであり、更に望ましくは0.8〜200ppmである。
【0020】
次に、本発明の望ましい実施形態のいくつかを例示するが、これらにより本発明は限定解釈されるものではない。
(1)フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤。
(2)該害虫が、ウンカ類及びヨコバイ類からなる群より選ばれる少なくとも1種である、(1)に記載された交尾行動かく乱剤。
(3)該害虫が、ウンカ類である、(1)に記載された交尾行動かく乱剤。
(4)フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤を処理して、該害虫を防除する方法。
(5)フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤を処理して、該害虫の交尾行動をかく乱する方法。
(6)さらに該害虫の次世代個体数を抑制する、(5)に記載された方法。
(7)さらに該害虫の次世代個体数を抑制し、イネを該害虫から保護する、(5)に記載された方法。
(8)フロニカミドの有効成分量が0.1〜24,000 g/haで処理される、(5)に記載された方法。
(9)該処理が土壌処理である、(5)に記載された方法。
(10)該交尾行動かく乱剤を水田内に処理する、(5)に記載された方法。
(11)該交尾行動かく乱剤を育苗箱内に処理する、(5)に記載された方法。
(12)フロニカミドを水田内に、0.1〜10,000g/haの処理量で散布処理して該害虫を防除する、(5)に記載された方法。
(13)フロニカミドを水田内に、5〜1,000g/haの処理量で水面処理して該害虫を防除する、(5)に記載された方法。
(14)フロニカミドを育苗箱内に、0.001〜100g/箱の処理量で処理して該害虫を防除する、(5)に記載された方法。
(15)(11)に記載の方法に用いる、フロニカミドと難水溶性樹脂とを含有する有害生物防除用組成物。
(16)製剤中でフロニカミドと難水溶性樹脂がマトリックスを形成していることを特徴とする(15)に記載の有害生物防除用組成物。
(17)難水溶性樹脂が、エチレン・アクリル酸共重合体である、(15)〜(16)に記載の組成物。
(18)湿潤剤をさらに含有する、(15)〜(17)に記載の組成物。
(19)フロニカミドの平均粒子径が1〜100μmである、(15)〜(17)に記載の組成物。
(20)フロニカミドの平均粒子径が1〜100μmである、(18)に記載の組成物。(21)(15)〜(17)又は(19)に記載された組成物が粒剤である、有害生物防除用組成物。
(22)(18)又は(20)に記載された組成物が粒剤である、有害生物防除用組成物。
(23)フロニカミド及びエチレン・アクリル酸共重合体を混合・混練・造粒し、乾燥する工程を有することを特徴とする(21)に記載の組成物の製造方法。
(24)フロニカミド、エチレン・アクリル酸共重合体及び湿潤剤を混合・混練・造粒し、乾燥する工程を有することを特徴とする(22)に記載の組成物の製造方法。
(25)フロニカミドと難水溶性樹脂とを含有する有害生物防除用組成物。
(26)製剤中でフロニカミドと難水溶性樹脂がマトリックスを形成していることを特徴とする(25)に記載の有害生物防除用組成物。
(27)難水溶性樹脂が、エチレン・アクリル酸共重合体である(25)〜(26)に記載の組成物。
(28)湿潤剤をさらに含有する(25)〜(27)に記載の有害生物防除用組成物。
(29)フロニカミドの平均粒子径が1〜100μmである、(25)〜(27)に記載の組成物。
(30)フロニカミドの平均粒子径が1〜100μmである、(28)に記載の組成物。
(31)(25)〜(27)又は(29)に記載の組成物が粒剤である、有害生物防除用組成物。
(32)(28)又は(30)に記載の組成物が粒剤である、有害生物防除用組成物。
(33)フロニカミド及びエチレン・アクリル酸共重合体を混合・混練・造粒し、乾燥する工程を有することを特徴とする(31)に記載の組成物の製造方法。
(34)フロニカミド及びエチレン・アクリル酸共重合体を混合・混練・造粒し、乾燥する工程を有することを特徴とする(32)に記載の組成物の製造方法。
【実施例】
【0021】
以下に、本発明の実施例を記載するが、これらにより本発明は限定解釈されるものではない。
製剤例1
フロニカミド1重量部、ベントナイト(豊順工業社製)20重量部、粉末炭酸カルシウム(清水工業社製)76重量部を混合した後、トキサノンGR-31A(ポリカルボン酸塩水溶液、三洋化成工業社製)3重量部、サンエキスC(リグニンスルホン酸カルシウム水溶液、日本製紙ケミカル社製)3重量部と必要量の水を加えて混練し、押し出し造粒機により造粒後、乾燥、整粒して農薬粒剤を得た。
【0022】
製剤例2
フロニカミド2重量部、粉末炭酸カルシウム92.3重量部及びポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート(ソルポール5096、東邦化学工業社製)3重量部を混合した後、エチレン・アクリル酸共重合体を27w/w%含む水性エマルション(商品名:HYTEC S−3111(東邦化学工業社製)を10重量部加え、必要量加水し混練、押し出し機により造粒後、乾燥、整粒して農薬粒剤を得た。
【0023】
製剤例3
フロニカミド2重量部、クレー 92.3重量部及びポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート(ソルポール5096、東邦化学工業社製)3重量部を混合した後、エチレン・アクリル酸共重合体を27w/w%含む水性エマルション(商品名:HYTEC S−3121(東邦化学工業社製)を10重量部加え、必要量加水し混練、押し出し機により造粒後、乾燥、整粒して農薬粒剤を得る。
【0024】
試験例1 フロニカミド育苗箱処理によるトビイロウンカに対する防除効果
1.2cm×1.2cmセル苗(3本/株)の株元に1.5mg ai/株の割合で、製剤例1に準じて調製した粒剤を育苗箱に処理した。フロニカミド処理1日後にイネをセルから土壌ごと引き抜き、1ポットに1株ずつ移植し、水深を3cmに保持した。小型温室を2つ用意し、フロニカミド処理・無処理それぞれ24ポットを各小型温室に設置した。移植10、17及び30日後にトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)成虫各100頭/温室を放虫した。放虫後、一定期間毎にイネに寄生した、イネ24株あたりの成虫の数及び新たに生まれた次世代の幼虫の数を測定した。結果を第1表及び図1に示す。なお、図1中で、○−○(丸印)はフロニカミド処理区における成幼虫数(頭)を表し、△−△(三角印)は無処理区における成幼虫数(頭)を表す。
【0025】
【表1】

【0026】
第1表及び図1において、無処理の成幼虫数の推移から、イネ移植後29日目が第1世代のピークであり、イネ移植後57日目が第2世代のピークであった。イネ移植後39日目に成幼虫数が減少しているのは、第1世代成虫が産卵した卵が孵化前の状態であると推察できる。また、3回の成虫放飼は、実際の水田において、トビイロウンカが他地域から飛来した場面を想定している。この状況下、フロニカミド処理区では第1世代のピークが見られず、第2世代成幼虫数も大幅に抑制した。
【0027】
試験例2:トビイロウンカに対する交尾行動かく乱作用
40mm×40mmの脱脂綿に10粒のイネを播種し、背丈約5cmとなったイネ苗を準備した。イネ苗は有効成分フロニカミド200ppmを含有する水溶液で浸漬処理し、風乾し、ガラスバイアル瓶(内径40mm×高さ75mm;容量50ml)内に入れた。老齢幼虫の時点から1頭飼育した未交尾状態のトビイロウンカ(Nilaparvata lugens)の成虫を薬剤無処理イネ苗で飼育した。羽化後6日目から24時間の間は1頭ずつ浸漬処理イネで飼育した。羽化後7日目に浸漬処理イネ上でオスメス各1頭を一緒にしてから24時間経過した後、オスを取り除き、メスは、その後羽化14日目まで産卵させ、取り除いた。新たに生まれた次世代幼虫の数を浸漬処理イネ苗(フロニカミド処理区)および薬剤無処理イネ苗(無処理区)について対比して、次世代幼虫の発生数を測定した。また、オスメス各1頭を一緒にしたとき2時間観察し、交尾行動の有無を確認した。
なお、未交尾状態で次世代幼虫の発生が無いことを確認するため、無処理区で未交尾のメスを単独で飼育し、次世代幼虫の発生数を測定した(未交尾区)。結果を第2表に示す。
【0028】
【表2】

【0029】
試験例3:ネオニコチノイド系殺虫剤に感受性の低下したトビイロウンカ系統に対する交尾行動かく乱作用
試験例2のトビイロウンカを、代表的なネオニコチノイド系殺虫剤である一般名イミダクロプリドに対して感受性の低下したトビイロウンカに置き換えて、同様に試験を行い、フロニカミド処理区及び無処理区について対比して、次世代幼虫の発生数を測定した。結果を第3表に示す。
【0030】
【表3】

【0031】
試験例4:セジロウンカに対する交尾行動かく乱作用
試験例2のトビイロウンカを、セジロウンカ(Sogatella furcifera)に置き換えて、同様に試験を行い、フロニカミド処理区及び無処理区について対比して、次世代幼虫の発生数を測定した。結果を第4表に示す。
【0032】
【表4】

【0033】
試験例5:ヒメトビウンカに対する交尾行動かく乱作用
試験例2のトビイロウンカを、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatella)に置き換えて、同様に試験を行い、フロニカミド処理区及び無処理区について対比して、次世代幼虫の発生数を測定した。結果を第5表に示す。
【0034】
【表5】

試験例2〜5の結果から、本発明では、様々なウンカ類に対して交尾行動かく乱を起こし、次世代個体数を抑制することが分かる。また、従来、ウンカ類防除剤の主流として使用されてきたイミダクロプリドに感受性が低下しているトビイロウンカに対しても本発明は優れた効果を示すことが分かる。
【0035】
試験例6:トビイロウンカに対する交尾行動かく乱作用
イネ苗を、有効成分フロニカミド50、12.5、3.1及び0.8ppmを含有する水溶液で処理したこと以外は、試験例2に準じて試験を行った。フロニカミド処理区及び無処理区について対比して次世代幼虫の発生数を測定した結果を、第6表に示す。
【0036】
【表6】

【0037】
試験例7:セジロウンカに対する交尾行動かく乱作用
イネ苗を、有効成分フロニカミド50、12.5及び3.1ppmを含有する水溶液で処理したこと以外は、試験例4に準じて試験を行った。フロニカミド処理区及び無処理区について対比して次世代幼虫の発生数を測定した結果を、第7表に示す。
【0038】
【表7】

【0039】
試験例8:ヒメトビウンカに対する交尾行動かく乱作用
イネ苗を、有効成分フロニカミド50、12.5及び3.1ppmを含有する水溶液で処理したこと以外は、試験例5に準じて試験を行った。フロニカミド処理区及び無処理区について対比して次世代幼虫の発生数を測定した結果を、第8表に示す。
【0040】
【表8】

【0041】
試験例9:ネオニコチノイド系殺虫剤に感受性の低下したトビイロウンカ系統に対する交尾行動かく乱作用
イネ苗を、有効成分フロニカミド0.8ppmを含有する水溶液で処理したこと以外は、試験例3に準じて試験を行った。フロニカミド処理区及び無処理区について対比して、次世代幼虫の発生数を測定した結果を、第9表に示す。
【0042】
【表9】

試験例6〜9の結果から、本発明では、様々なウンカ類に対して3.1ppmなどの低濃度の有効成分を処理した場合においても、交尾行動をかく乱し、次世代個体数を抑制することが分かる。また、従来、ウンカ類防除剤の主流として使用されてきたイミダクロプリドに感受性が低下しているトビイロウンカに対しても、本発明は、3.1ppmなどの低濃度の有効成分を処理した場合においても、優れた効果を示すことが分かる。
【0043】
試験例10:ツマグロヨコバイに対する交尾行動かく乱作用
試験例2のトビイロウンカを、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)に置き換えて、同様に試験を行い、イネ苗は有効成分フロニカミド200、50ppmを含有する水溶液で処理したフロニカミド処理区及び無処理区について対比して、次世代幼虫の発生数を測定した。結果を第10表に示す。
【0044】
【表10】

試験例10の結果から、本発明では、ツマグロヨコバイに対して次世代個体数を抑制することが分かる。
【0045】
試験例11 フロニカミド育苗箱処理によるトビイロウンカに対する防除効果
30cm×60cm育苗箱に6、12、24及び36g ai/箱の割合で、前記製剤例2に準じて調製した有害生物防除用組成物を育苗箱に処理した。無処理区とジノテフラン粒剤(商品名:スタークル箱粒剤、三井化学アグロ社製)処理区(24g ai/箱)及びイミダクロプリド粒剤(商品名:アドマイヤー箱粒剤、バイエルクロップサイエンス社製)処理区(24g ai/箱)を設置した。移植当日処理にフロニカミドを処理し、田植え機により1区32mの圃場に移植した。移植36、43、51、57及び65日後に圃場100mに対してトビイロウンカ成虫各500頭及び卵12000個を放虫した。移植78、89及び96にイネに寄生した、イネ24株あたりの成虫の数及び新たに生まれた次世代の幼虫の数を測定した。結果を第11表に示す。なお、参考として図2に、フロニカミド処理区について、24 g ai/10aフロニカミド処理区の場合を代表してグラフに表す。●−●(黒色丸印)は24 g ai/10aフロニカミド処理区における成幼虫数(頭)を表し、□−□(白色四角印)はイミダクロプリド粒剤処理区における成幼虫数(頭)を表し、△−△(白色三角印)はジノテフラン粒剤処理区における成幼虫数(頭)を表し、×−×(×印)は無処理区における成幼虫数(頭)を表す。
【0046】
【表11】

【0047】
5回の放虫は、西南暖地の水田において、トビイロウンカが他地域から飛来する時期に合わせて実施した。無処理の成幼虫数の推移から、イネ移植後89日目が第1世代(次世代)のピークであった。対照剤スタークル箱粒剤処理区では調査開始の移植70日後まで寄生成幼虫密度を抑制していたが、その後増加に転じた。対照剤アドマイヤー箱粒剤処理区でも同様に調査開始の移植70日後まで寄生成幼虫密度を抑制していたが、その後増加に転じ、移植後89日目が第1世代(次世代)のピークが観察された。この状況下、フロニカミド処理区では第1世代(次世代)のピークが見られず、移植89日後まで寄生成幼虫数を大幅に抑制した。この結果は、本発明が、害虫個体数の増加を薬剤処理後可能な限り長い間抑制したいという要求があるイネ寄生吸汁害虫防除の場面において、特に有用であることを示している。
【0048】
試験例12 フロニカミド茎葉処理によるトビイロウンカに対する防除効果
田植え機により1区32mの圃場に移植した。移植36、43、51、57及び65日後に圃場100mに対してトビイロウンカ成虫各500頭及び卵12000個を放虫した。移植70日後、出穂期にフロニカミドを150L/10aの散布水量で茎葉処理した。無処理区とピメトロジン水和剤(商品名:チェス水和剤、シンジェンタ社製)処理区及びジノテフラン水溶剤(商品名:スタークル顆粒水溶剤、三井化学アグロ社製)処理区を設置した。処理直前、処理2、8、19、26及び33日後にイネに寄生した、イネ24株あたりの成虫の数及び新たに生まれた次世代の幼虫の数を測定した。結果を第12表に示す。
【0049】
【表12】

【0050】
5回の放虫は、西南暖地の水田において、トビイロウンカが他地域から飛来する時期に合わせて実施した。無処理の成幼虫数の推移から、処理19日目が第1世代(次世代)のピークであった。処理26日目に成幼虫数が減少しているのは、第1世代成虫が産卵した卵が孵化前の状態であると推察できる。対照剤ピメトロジン水和剤及びジノテフラン水溶剤処理区では共に高い密度抑制効果を示した。この状況下、フロニカミド処理区では第1世代(次世代)のピークが見られず、処理2〜3週間後まで対照剤と同等に寄生成幼虫数を抑制した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤。
【請求項2】
該害虫が、ウンカ類である、請求項1に記載された交尾行動かく乱剤。
【請求項3】
フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤を処理して、該害虫を防除する方法。
【請求項4】
フロニカミドを有効成分として含有するイネ寄生吸汁害虫の交尾行動かく乱剤を処理して、該害虫の交尾行動をかく乱する方法。
【請求項5】
さらに該害虫の次世代個体数を抑制する、請求項4に記載された方法。
【請求項6】
さらに該害虫の次世代個体数を抑制し、イネを該害虫から保護する、請求項4に記載された方法。
【請求項7】
フロニカミドの有効成分量が0.1〜24,000 g/haで処理される、請求項4に記載された方法。
【請求項8】
該処理が土壌処理である、請求項4に記載された方法。
【請求項9】
該交尾行動かく乱剤を育苗箱内に処理する、請求項4に記載された方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法に用いる、フロニカミドと難水溶性樹脂とを含有する有害生物防除用組成物。
【請求項11】
難水溶性樹脂が、エチレン・アクリル酸共重合体である請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
湿潤剤をさらに含有する、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
湿潤剤が、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートである請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
フロニカミドの平均粒子径が1〜100μmである請求項10に記載の組成物。
【請求項15】
請求項10に記載の組成物が、粒剤である、有害生物防除用組成物。
【請求項16】
フロニカミド及びエチレン・アクリル酸共重合体を混合・混練・造粒し、乾燥する工程を有することを特徴とする請求項15に記載の組成物の製造方法。
【請求項17】
フロニカミドと難水溶性樹脂とを含有する有害生物防除用組成物。
【請求項18】
湿潤剤をさらに含有する、請求項17に記載の有害生物防除用組成物。
【請求項19】
請求項18に記載の組成物が粒剤である、有害生物防除用組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−46504(P2012−46504A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164896(P2011−164896)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】