説明

吸熱性材料及び吸熱性材料の製造方法

【課題】従来の吸熱性材料においては、紡糸の段階で赤外線吸収剤を練込・付着させて当該練込・付着繊維糸により吸熱性繊維を製造しているので、練込・付着繊維糸を大量に生産してストックして受注に対応できるようにしておく必要があり、吸熱性繊維の小ロット生産には不向きであるために、容易に得ることができる、吸熱性に優れた材料並びに当該吸熱性材料の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る吸熱性材料は鉄含金染料であるC.I.Acid Green 1、または、鉄含金顔料であるC.I.Pigment Green 8により0.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されたものであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然光を吸収し得る吸熱性材料及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維製品に吸熱性を付与することにより保温効果や乾燥時間の短縮効果を獲得するために、繊維の芯部に導電性セラミックス微粒子を含ませたものといった、いわゆる吸熱性材料が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1記載のものにおいては、紡糸の段階で赤外線吸収剤を練込・付着させて当該練込・付着繊維糸により製造しているので、練込・付着繊維糸を大量に生産してストックして受注に対応できるようにしておく必要があり、小ロット生産には不向きであるという問題点があった。
【0004】
また、繊維に対して染色処理を行なうことによって赤外線吸収能を向上させることで、赤外線カメラ等による透撮を有効に防止を機能を付与された繊維並びに当該繊維の染色方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、当該特許文献2において求められるような透撮防止のために求められ得る赤外線吸収能が高いということは吸熱性とは多少関係があるものの、自然光からの吸熱性の如何は、特定の赤外光を吸収する能力のみならず、他の波長の光を吸収することも実現される。換言すれば、吸熱性を有効に得るためには、特定の波長の光ではなく、目的を損なわない限り広い波長領域の光を吸収することが望ましいと考えられる。そのため、特許文献2において開示された赤外線吸収能の高さがそのまま吸熱性の高さに直接的につながるとは必ずしも言い切れないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−96346号公報
【特許文献2】特願2009−299249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した背景のもと、確実な吸熱性を獲得することに着目したものであり、容易に得ることができる、吸熱性に優れた材料並びに当該材料の製造方法を提供することを所期の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0009】
すなわち本発明に係る吸熱性材料及び吸熱性材料の製造方法は、分子中に鉄が配位された着色料により0.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されたものであることを特徴とするものである。
【0010】
ここで、「吸熱性材料」とは、繊維やフィルムの他、種々の材料を含む概念である。
【0011】
また、「分子中に鉄が配位された着色料」とは、上記の材料に着色し得るものであれば、染料や顔料に限られるものではなく、広く種々な化合物を包含する概念である。
【0012】
また本発明に係る吸熱性材料及び吸熱性材料の製造方法は、分子中に鉄が配位された着色料により1.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されたものである。
【0013】
そして本発明に係る吸熱性材料は、分子中に鉄が配位された着色料が、鉄含金染料である。
【0014】
本発明では、前記鉄含金染料が、C.I.Acid Green 1である。
【0015】
他方本発明に係る吸熱性材料は、前記分子中に鉄が配位された着色料が、鉄含金顔料である。
【0016】
また本発明では鉄含金顔料が、C.I.Pigment Green 8である。
【0017】
そして本発明に係る吸熱性材料は、L***色差表記における座標L*値が50以上である。
【0018】
さらに本発明に係る吸熱性材料は、繊維材料に染色処理を施したものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、容易に得ることができる、吸熱性に優れた材料並びに当該吸熱性材料の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例に係る実験1の結果を表及びグラフとして示す図。
【図2】同実験2の結果を表及びグラフとして示す図。
【図3】同実験3の結果を表及びグラフとして示す図。
【図4】同実験4の結果を表及びグラフとして示す図。
【図5】同実験5の結果を表及びグラフとして示す図。
【図6】同実験6の結果を表及びグラフとして示す図。
【図7】同実験7の結果を表及びグラフとして示す図。
【図8】同実験8の結果を表及びグラフとして示す図。
【図9】同実験9の結果を表及びグラフとして示す図。
【図10】同実験10の結果を表及びグラフとして示す図。
【図11】同実験11の結果を表及びグラフとして示す図。
【図12】同実験12の結果を表及びグラフとして示す図。
【図13】同実験13の結果を表及びグラフとして示す図。
【図14】同実験14の結果を表及びグラフとして示す図。
【図15】同実験15の結果を表及びグラフとして示す図。
【図16】同実験16の結果を表及びグラフとして示す図。
【図17】同実験17の結果を表及びグラフとして示す図。
【図18】同実験18の結果を表及びグラフとして示す図。
【図19】同実験19の結果を表及びグラフとして示す図。
【図20】同実験20の結果を表及びグラフとして示す図。
【図21】同実験21の結果を表及びグラフとして示す図。
【図22】同実験22−1の結果を表及びグラフとして示す図。
【図23】同実験22−2の結果を表及びグラフとして示す図。
【図24】同実験23−1の結果を表及びグラフとして示す図。
【図25】同実験23−2の結果を表及びグラフとして示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0022】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0023】
すなわち本実施形態に係る吸熱性材料及び吸熱性材料の製造方法は、分子中に鉄が配位された着色料により0.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されたものであることを特徴とするものである。
【0024】
本願発明者等はこのようなものであると、太陽光等の光を浴びる事で、吸熱効果、換言すれば保温効果や、当該材料を濡らしてからの乾燥時間の短縮効果もあることを初めて発見することにより、本発明をなし得たものである。
【0025】
そしてこのようなものであれば、財団法人日本紡績検査協会による機能性素材の評価試験法「光吸収保温性/温度測定試験」で、対照品との温度差が、照射10分後に2.0℃以上、消灯1分後に1.0℃以上認められるまでの吸熱効果を、容易且つ確実に得ることができる。
【0026】
また、さらに高く吸熱効果を得るためには、吸熱性材料及び吸熱性材料の製造方法は、分子中に鉄が配位された着色料により1.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されることが望ましい。そして、処理濃度を2.00%o.w.f.付近まで高めると、さらに高い吸熱効果を得ることができる。
【0027】
そして処理濃度が0.50〜1.00%o.w.f程度で得られる発色色相であれば、L***色差表記(CIELAB)における座標L*値を高い値とすることができ、更に染色加工を施すことで多様な色展開が可能となる。
【0028】
そして本発明に係る吸熱性材料は、分子中に鉄が配位された着色料が、鉄含金染料であることを特徴としている。具体的には、前記鉄含金染料が、C.I.Acid Green 1であることが望ましい。
【0029】
他方本発明に係る吸熱性材料は、前記分子中に鉄が配位された着色料が、鉄含金顔料であることが望ましい。
【0030】
また本発明では鉄含金顔料が、C.I.Pigment Green 8であることが望ましい。
【0031】
そして本発明に係る吸熱性材料は、L***色差表記における座標L*値が50以上であることを特徴とするものである。このようなものであれば、染色加工を施すことで多様な色展開が可能となる。具体的に多様な色展開を可能なものとするためには、酸性染料、より具体的にはクロム含金染料又は非含金タイプ酸性染料を配合して染色すれば、鉄含金染料と酸性染料との組み合わせによって可視部の色相を調整することができるので、染色においてカラーレンジが広がって緑色系、青色系、ベージュ色系及び赤色系の色彩にも染色することができる。
【0032】
前記クロム含金染料はC.I.Acid Yellow 17、C.I.Acid Yellow 116、C.I.Acid Yellow127、C.I.Acid Yellow 129、C.I.Acid Yellow 155、C.I.Acid Yellow 220、C.I.Acid Yellow 232、C.I.Acid Yellow 235、C.I.Acid Orange 86、C.I.Acid Orange 87、C.I.AcidOrange 88、C.I.Acid Orange 140、C.I.Acid Orange 162、C.I.Acid Orange 166、C.I.Acid Red 211、C.I.Acid Red 215、C.I.Acid Red 251、C.I.Acid Red 256、C.I.Acid Red 315、C.I.Acid Red 399、C.I.Acid Red 407、C.I.Acid Violet 75、C.I.Acid Blue 127:1、C.I.Acid Blue 171、C.I.Acid Blue 193、C.I.Acid Blue 229、C.I.Acid Blue 317、C.I.Acid Blue 335、C.I.Acid Brown 19、C.I.Acid Brown 28、C.I.Acid Brown 45、C.I.Acid Brown 224、C.I.Acid Brown 283、C.I.Acid Brown 298、C.I.Acid Brown 413、IsolanYellow NHF-S(商品名:ダイスタージャパン株式会社製)、Isolan Red NHF-S(商品名:ダイスタージャパン株式会社製)及びIsolan Blue NHF-S(商品名:ダイスタージャパン株式会社製)から少なくとも一つ選ばれる染料を使用するのが好ましい。
【0033】
前記非含金タイプ酸性染料はC.I.Acid Yellow 79、C.I.Acid Orange 67、C.I.Acid Orange 95、C.I.Acid Red 52、C.I.Acid Red 111、C.I.Acid Red 138、C.I.Acid Violet 48、C.I.Acid Violet 97、C.I.Acid Blue 18、C.I.Acid Blue 205、C.I.Acid Blue 221、Kayanol Brilliant Flavine FL CONC(商品名:日本化薬株式会社製)、Kayanol Milling Yellow 5GW(商品名:日本化薬株式会社製)、Inolar Milling Red MNW(商品名:株式会社井上化学工業所製)及びLanaset Blue 2R(商品名:ハンツマン・ジャパン株式会社製)から少なくとも一つ選ばれる染料を使用するのが好ましい。
【0034】
さらに本発明に係る吸熱性材料は、繊維材料に染色処理を施したものであるこのと望ましい。このようなものであれば、繊維材料に対する染色処理のみで吸熱性を付与することができるので、必要な量の繊維材料に対し所望の色を得る為の染色と同時に染色処理を行なえば所要量の吸熱性材料を容易に得ることができる。その結果、吸熱性繊維を予め大量に準備することを回避しつつ、小ロットからの吸熱性材料の製造が可能となる。
【0035】
具体的には繊維材料として、ナイロン6、ナイロン66及びウールサージの他に、ポリエステルや、シルク、綿や麻、或いはそれらを混紡した繊維材料、さらにその他、既存の種々の繊維材料においても、有効に適用することができる。
【0036】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【実施例】
【0037】
以下に、本発明の実施例について詳述するが、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
【0038】
鉄含金染料C.I.Acid Green 1や鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8による染色処理を施した処理布は、太陽光等の自然光を浴びる事で、保温効果や乾燥時間の短縮効果に優れていることが、本願発明者等によって発見された。
【0039】
本願実施例では、財団法人日本紡績検査協会による機能性素材の評価試験法「光吸収保温性/温度測定試験」で、その吸熱効果を証明する。
【0040】
<1.実施例及び比較例の作成>
表1ないし表3に示される、本実施例に係る実験1ないし実験23−2に供する各実施例及び比較例の作成を、下記のように行った。
【0041】
<実験1>
実施例1の作成:商品名C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を0.50%o.w.f.、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例1とした。
【0042】
比較例1の作成:Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.15%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.10%o.w.f.とを配合し(Total 0.25%o.w.f.)、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例1と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例1とした。
【0043】
<実験2>
実施例2の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を1.00%o.w.f.、90%酢酸1.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例2とした。
【0044】
比較例2の作成:Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.29%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.21%o.w.f.とを配合し(Total 0.50%o.w.f.)、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例2と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例2とした。
【0045】
<実験3>
実施例3の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を2.00%o.w.f.、90%酢酸1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例3とした。
【0046】
比較例3の作成:Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.58%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.42%o.w.f.とを配合し(Total 1.00%o.w.f.)、90%酢酸1.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例3と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例3とした。
【0047】
<実験4>
実施例4の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を4.00%o.w.f.、90%酢酸1.50%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例4とした。
【0048】
比較例4の作成:実験3の処理2で実施した、Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.58%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.42%o.w.f.との配合(Total 1.00%o.w.f.)により得られる被処理物が、上記実施例4と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例4とした。
【0049】
<実験5>
実施例5の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を6.00%o.w.f.、90%酢酸2.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例5とした。
【0050】
比較例5の作成:実験3の処理2で実施した、Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.58%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.42%o.w.f.との配合(Total 1.00%o.w.f.)により得られる被処理物が、上記実施例5と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例5とした。
【0051】
<実験6>
被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とし、実験1と同様に染色処理を実施し、実施例6及び比較例6を作成した。
【0052】
<実験7>
被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とし、実験2と同様に染色処理を実施し、実施例7及び比較例7を作成した。
【0053】
<実験8>
被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とし、実験3と同様に染色処理を実施し、実施例8及び比較例8を作成した。
【0054】
<実験9>
実施例9の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を0.50%o.w.f.、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例9とした。
【0055】
比較例9の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を0.30%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.125%o.w.f.とを配合し(Total 0.425%o.w.f.)、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例9と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例9とした。
【0056】
<実験10>
実施例10の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を1.00%o.w.f.、90%酢酸1.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例10とした。
【0057】
比較例10の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を0.60%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.25%o.w.f.とを配合し(Total 0.85%o.w.f.)、90%酢酸1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例10と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例10とした。
【0058】
<実験11>
実施例11の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を2.00%o.w.f.、90%酢酸1.50%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例11とした。
【0059】
比較例11の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を1.20%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.50%o.w.f.とを配合し(Total 1.70%o.w.f.)、90%酢酸1.50%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例11と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例11とした。
【0060】
<実験12>
実施例12の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を4.00%o.w.f.、90%酢酸2.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例12とした。
【0061】
<比較例12の作成>Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を1.80%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.75%o.w.f.とを配合し(Total 2.55%o.w.f.)、90%酢酸2.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例12と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例12とした。
【0062】
<実験13>
実施例13の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を5.00%o.w.f.、90%酢酸2.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例12とした。
【0063】
比較例13の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を2.40%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を1.00%o.w.f.とを配合し(Total 3.40%o.w.f.)、90%酢酸2.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られる被処理物は、上記処理1で得られる被処理物と同様の緑色を呈し、比較対照試料の通常加工布とした。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例13と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例13とした。
【0064】
<実験14>
実施例14の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を6.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例14とした。
【0065】
比較例14の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を3.00%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を1.25%o.w.f.とを配合し(Total 4.25%o.w.f.)、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例14と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例14とした。
【0066】
<実験15>
実施例15の作成:C.I.Acid Green 1(山田化学工業品)を7.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例15とした。
【0067】
比較例15の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を3.60%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を1.50%o.w.f.とを配合し(Total 5.10%o.w.f.)、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.50%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例15と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例15とした。
【0068】
<実験16>
実施例16の作成:Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。そして上記分散液を用いてPigment Green 8成分を0.50%o.w.f.と、90%酢酸0.50%o.w.f.、酢酸ナトリウム0.50%o.w.f.、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×60分の常圧処理を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例16とした。
【0069】
比較例16の作成:Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.15%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.10%o.w.f.とを配合し(Total 0.25%o.w.f.)、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン6ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例16と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例16とした。
【0070】
<実験17>
実施例17の作成:Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液を用いてPigment Green 8成分を1.00%o.w.f.と、90%酢酸0.50%o.w.f.、酢酸ナトリウム0.50%o.w.f.、水道水を加え、被処理物としてナイロン66ジャージー(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×60分の常圧処理を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例17とした。
【0071】
比較例17の作成:Telon Yellow RLN micro(C.I.Acid Yellow 230/ダイスター品)を0.29%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.21%o.w.f.とを配合し(Total 0.50%o.w.f.)、酢酸アンモニウムを2.00%o.w.f.、精錬洗浄剤エマール40(花王品)を1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてナイロン66ジャージー布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例17と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例17とした。
【0072】
<実験18>
実施例18の作成:Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液を用いてPigment Green 8成分を1.00%o.w.f.と、90%酢酸0.50%o.w.f.、酢酸ナトリウム0.50%o.w.f.、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×60分の常圧処理を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例18とした。
【0073】
比較例18の作成:Acid Light Yellow 2G 90%(C.I.Acid Yellow 17/山田化学工業品)を0.60%o.w.f.と、Alizarine Direct Blue A2G conc.(C.I.Acid Blue 40/山田化学工業品)を0.25%o.w.f.とを配合し(Total 0.85%o.w.f.)、90%酢酸1.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物としてウールサージ布(色染社品)を入れて、浴比1:60の処理液を作成した。40℃から100℃まで1℃/分の速度で昇温し、100℃×50分の常圧処理を行った。100℃を保持して10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加し、更に10分経過後に90%酢酸を0.25%o.w.f.追加して、吸尽を促した。表1に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例18と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例18とした。
【0074】
【表1】

<実験19>
実施例19の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、明るい茶色の色相を得る「別浴処理」を行なった。Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液にリオゲンPLFリキッド(クラリアント品)1.00%o.w.f.、メイサンFLS(明成化学品)0.4g/L、テキスポートBO48(日華化学品)1.0g/Lに、水道水を加え、被処理物を入れて浴比1:20の処理液を作成した。40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧処理を行った。尚、Pigment Green 8の濃度は0.80%o.w.f.、被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とした。しかる後、染料として、Telon Orange M-GSN(ダイスター品)1.30%o.w.f.、染色助剤としてメイサンFLS(明成化学品)0.6g/L、リオゲンKSE(クラリアント品)1.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、浴比1:20の処理液を作成した。上記処理1で得られる被処理物を入れ、40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧染色処理を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例19とした。
【0075】
比較例19の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで、明るい茶色の色相を得る染色を行なった。染料として、Supranol Yellow 4GL〈C.I.Acid Yellow 79〉(ダイスター品)0.25%o.w.f.、Lanaset Blue 2R(Ciba SC品)0.20%o.w.f.、Telon Orange M-GSN(ダイスター品)1.30%o.w.f.の三種を配合し、染色助剤としてメイサンFLS(明成化学品)0.6g/L、リオゲンKSE(クラリアント品)1.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物を入れて浴比1:20の処理液を作成した。40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧染色処理を行った。尚、被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とした。表2に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例19と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例19とした。
【0076】
<実験20>
実施例20の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、暗い紅色の色相を得る「同浴処理」を行なった。Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液に、染料としてKayanol Milling Red BW(日本化薬品)1.30%o.w.f.、染色助剤としてメイサンFLS(明成化学品)0.6g/L、リオゲンKSE(クラリアント品)1.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物を入れて浴比1:20の処理液を作成した。40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧染色処理を行った。尚、Pigment Green 8の濃度は0.80%o.w.f.、被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とした。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例20とした。
【0077】
比較例20の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで、暗い紅色の色相を得る染色を行なった。染料として、Supranol Yellow 4GL〈C.I.Acid Yellow 79〉(ダイスター品)0.25%o.w.f.、Lanaset Blue 2R(Ciba SC品)0.20%o.w.f.、Kayanol Milling Red BW(日本化薬品)1.30%o.w.f.の三種を配合し、染色助剤としてメイサンFLS(明成化学品)0.6g/L、リオゲンKSE(クラリアント品)1.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物を入れて浴比1:20の処理液を作成した。40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧染色処理を行った。尚、被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とした。表2に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例20と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例20とした。
【0078】
<実験21>
実施例21の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、暗い青色の色相を得る「別浴処理」を行なった。Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液にリオゲンPLFリキッド(クラリアント品)1.00%o.w.f.、メイサンFLS(明成化学品)0.4g/L、テキスポートBO48(日華化学品)1.0g/Lに、水道水を加え、被処理物を入れて浴比1:20の処理液を作成した。40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧処理を行った。尚、Pigment Green 8の濃度は0.80%o.w.f.、被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とした。しかる後、染料として、Lanaset Blue 2R(ダイスター品)2.00%o.w.f.、染色助剤としてメイサンFLS(明成化学品)0.6g/L、リオゲンKSE(クラリアント品)1.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、浴比1:20の処理液を作成した。上記処理1で得られる被処理物を入れ、40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧染色処理を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例21とした。
【0079】
比較例21の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで、暗い青色の色相を得る染色を行なった。染料として、Supranol Yellow 4GL〈C.I.Acid Yellow 79〉(ダイスター品)0.25%o.w.f.、Lanaset Blue 2R(Ciba SC品)2.20%o.w.f.の二種を配合し、染色助剤としてメイサンFLS(明成化学品)0.6g/L、リオゲンKSE(クラリアント品)1.00%o.w.f.、90%酢酸3.00%o.w.f.に、水道水を加え、被処理物を入れて浴比1:20の処理液を作成した。40℃から95℃まで1℃/分の速度で昇温し、95℃×30分の常圧染色処理を行った。尚、被処理物はナイロン66ジャージー布(色染社品)とした。表2に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例21と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例21とした。
【0080】
【表2】

<実験22―1>
実施例22―1の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、明るい茶色の色相を得る「別浴処理」を行なった。Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液にキャリアジンCD-W(日成化成品)3.0%o.w.f.、90%酢酸0.2g/L、酢酸ナトリウム0.2g/Lを加え、被処理物を入れて浴比1:20で120℃×30分の加圧処理を行った。尚、Pigment Green 8の濃度は1.50%o.w.f.、被処理物はカチオン可染ポリエステル地(CDP)とした。しかる後、染料として、Nichilon Golden Yellow GL〈C.I.Basic Yellow 28〉(日成化成品)4.0 %o.w.f.、染色助剤としてアボランUL75(バイエル品)1.0 g/L、更に90%酢酸0.2 g/L、酢酸ナトリウム0.2g/L を加え、浴比1:20で110℃×30分の加圧染色処理を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例22―1とした。
【0081】
比較例22−1の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで 、明るい茶色の色相を得る染色を行なった。染料として、Kayacryl Yellow 3RL-ED(日本化薬品)0.171%o.w.f.、Kayacryl Blue BG-ED(日本化薬品)0.036%o.w.f.、C.D.P.N. Red GL-ID(日成化成品)0.0196%o.w.f.の三種を配合し、染色助剤としてデスパロン100AW-N(高松油脂)1.00%o.w.f.、更に90%酢酸0.2g/L、酢酸ナトリウム0.2g/Lを加え、被処理物を入れて浴比1:20で110℃×30分の加圧染色処理を行った。尚、被処理物はカチオン可染ポリエステル地(CDP)とした。しかる後、更に別浴で、染料としてNichilon Golden Yellow GL〈C.I.Basic Yellow 28〉(日成化成品)4.00%o.w.f.、染色助剤としてアボランUL75(バイエル品)1.0g/L、更に90%酢酸0.2g/L、酢酸ナトリウム0.2g/Lを加え、上述の被染物を入れて浴比1:20で110℃×30分の加圧染色処理を行った。表3に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例22−1と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例22―1とした。
【0082】
<実験22−2>
実施例22−2の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、明るい茶色の色相を得る「同浴処理」を行なった。Pigment Green 8コンク(Chempro Exports/India品)、デモールRN(北広ケミカル品)、ポリビニルピロリドンを、重量比1:1:1の比率で水中に分散させた。上記分散液に、染料としてNichilon Golden Yellow GL〈C.I.Basic Yellow 28〉(日成化成品)4.0 %o.w.f.、染色助剤としてアボランUL75(バイエル品)1.0 g/L、キャリアー剤としてキャリアジンCD-W(日成化成品)3.0%o.w.f.、更に90%酢酸0.2g/L、酢酸ナトリウム0.2g/Lを加え、被処理物を入れて浴比1:20で120℃×30分の加圧処理を行った。尚、Pigment Green 8の濃度は1.5%o.w.f.、被処理物はカチオン可染ポリエステル地(CDP)とした。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例22―2とした。
【0083】
比較例22−2の作成:上述した比較例22−1の同様のものを比較例22−2とした。
【0084】
<実験23―1>
実施例23−1の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、暗い紅色の色相を得る「別浴処理」を行なった。染料はNichilon Red RS(日成化成品)4.00%o.w.f.とし、実施例22−1と同様に染色を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例23―1とした。
【0085】
比較例23―1の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで 、暗い紅色の色相を得る染色を行なった。上記被染物に用いる染料をNichilon Red RS(日成化成品)4.00%o.w.f.とし、他は比較例22―1と同様に染色を行った。表3に示すように、これにより得られる被処理物は上記実施例23―1と同様の色彩を呈している。よって本実施例では当該被処理物を、比較対照試料の通常加工布である比較例23―1とした。
【0086】
<実験23−2>
実施例23−2の作成:鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用い、暗い紅色の色相を得る「同浴処理」を行なった。被染物に対して用いる染料をNichilon Red RS(日成化成品)4.00%o.w.f.とし、実験22―2と同様に染色を行った。これにより得られた被処理物を、本実施例に係る実施例23―2とした。
【0087】
比較例23−2の作成:上述した比較例23−1の同様のものを比較例23−2とした。
【0088】
【表3】

<2.温度測定試験>
上記のように作成した各実施例並びに各比較例に係る処理布並びに通常加工布について、各々10cm×15cmに採取し、裏面中央部に熱電対温度センサーを設置し、試料表面に照射距離30cmの位置からレフランプ(Panasonic製写真用レフランプPRF-500WB)を照射し、温度変化を1分毎に測定した。測定は、照射10分間と消灯後10分間の20分間とし、試験環境は20±2℃、50±5%RHとした。試料を入れ替え、再度測定を行い、平均値を試験結果とした。
<3.1 実験1ないし18に係る実験結果>
表1に示した実験1ないし18の各温度測定試験結果を、図1ないし図18に示す。財団法人日本紡績検査協会の「光吸収保温性/温度測定試験」では、対照品との温度差が、照射10分後に2.0℃以上、消灯1分後に1.0℃以上認められることを、評価の目安としている。
【0089】
実験1〜15の結果より、C.I.Acid Green 1で処理したナイロン6及びナイロン66ジャージー布、またはウールサージ布と、酸性染料を用いて同様の緑色に染色された同繊維とを比べたところ、C.I.Acid Green 1処理に良好な吸熱効果が認められた。処理濃度を2.00%o.w.f.付近まで高めると、最も良好な吸熱効果を得た。本実験でのチャンピオンデータは、実験11:ウールサージ C.I.Acid Green 1 [2.00%o.w.f.]で、対照品との温度差が照射10分後4.0℃、消灯1分後2.9℃認められた。しかし、それ以上処理濃度を高めても、その効果は2.00%o.w.f.と同程度で向上しなかった。処理布の色相がCIELAB座標L*値60付近といった高明度な発色であれば、様々な色展開が可能なので、処理濃度0.50〜1.00%o.w.f.が実用的であると思われる。
【0090】
また、実験16〜18の結果より、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8で処理したナイロン6及びナイロン66ジャージー布、ウールサージ布に於いても、良好な吸熱効果が確認出来た。
【0091】
特に、本試験で得られた測定結果は、人の体温に近い温度帯での吸熱効果であり、有効であると言える。
【0092】
<3.2 実験19ないし21に係る実験結果>
表2に示した実験19〜21の各温度測定試験結果を、図19ないし図21に示す。上述の通り、対照品との温度差が、照射10分後に2.0℃以上、消灯1分後に1.0℃以上認められることを、評価の目安としている。
【0093】
実験19〜21の結果より、ナイロン66ジャージー布を用い鉄含金顔C.I.Pigment Green 8を0.80%o.w.f.処理と酸性染料との組み合わせで、様々な色展開が可能と言える。この鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8による処理と染色処理とを、同浴または別浴で発色させた場合と、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで染色処理のみで同様の色相に発色をさせた場合とを比較したところ、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8処理の吸熱効果も確認出来た。これは、ナイロン6やウールと言った素材に於いても、同様の効果が期待出来ることを意味する。
【0094】
この吸熱処理は、人の体温に近い温度帯での吸熱効果であり、様々な色展開が可能であり、染色処理と同浴で実施出来ることから、低コストで実用的な処理と言える。
【0095】
<3.3 実験22、23に係る実験結果>
表3に示す実験22〜23の各温度測定試験結果を、図22ないし図25に示す。これらの実験においても上記各実験同様に、対照品との温度差が、照射10分後に2.0℃以上、消灯1分後に1.0℃以上認められることを、評価の目安としている。
【0096】
実験22〜23結果より、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を1.50%o.w.f.濃度で処理したポリエステル素材に於いて、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8による処理と染色処理とを、同浴または別浴で発色させた場合と、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いないで染色処理のみで同様の色相に発色をさせた場合とを比較したところ、鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8処理の吸熱効果が認められた。
【0097】
この吸熱処理は、人の体温に近い温度帯での吸熱効果であり、様々な色展開が可能であり、染色処理と同浴で実施が可能であり、更にポリエステル、ナイロン、ウール等との混紡素材にも有効な処理で、低コストで実用的な処理と言える。
【0098】
<4.結論>
本発明に係る「分子中に鉄が配位された着色料」と定義される、鉄含金染料C.I.Acid Green 1または鉄含金顔料C.I.Pigment Green 8を用いて処理したナイロン6、ナイロン66、ウールで、本実施例のように調査したところ、このような良好な吸熱効果が認められた。これらは人の体温に近い温度帯で吸熱効果がある。本実施例は一例として布地に対して染色を行っていることも踏まえると、上記各実施例の結果は、本発明がテキスタイル分野で有効であることを実証している。特に、処理濃度を2.00%o.w.f.付近まで高めると、最も良好な吸熱効果を得た。しかし、それ以上処理濃度を高めても、その効果は2.00%o.w.f.と同程度で向上しなかった。
【0099】
一方、処理濃度0.50〜1.00%o.w.f.程度で得られる発色色相であれば、CIELAB座標L*値60付近と高明度で、更に染色加工を施すことで多様な色展開が可能である。また、その処理は染色処理と同浴で実施することが可能であり、低コストで実用的な処理が実現し得ることが判明した。
<補 足>
本実験結果のCIELAB座標値は、色を数値で表示する「L*a*b*表色系(JIS Z 8729)」を採用したもので、明度を「L*」、色度を「a*」、「b*」で表す。「L*」は、100に近い程白方向、0に近い程黒方向を示す。「a*」はプラス(+)程赤方向、マイナス(−)程緑方向を示す。「b*」はプラス(+)程、黄方向マイナス(−)程青方向を示す。測定には、datacolor社製の色彩分光光度計(SF-600plus)と数値化ソフト(CHROMA CALC)を用いて実施した。
【0100】
本試験で得られる試料について、JIS L 0808 標準処理濃度表1号(標準濃度の1/1)及び3号(標準濃度の1/6)から、近い色目の色票記号を選定し、CIELAB座標値を測定し、参考として下記に示す。
【0101】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は光を吸収することにより熱を蓄え得る吸熱性材料及び当該吸熱性材料の製造方法として利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子中に鉄が配位された着色料により0.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されたものであることを特徴とする吸熱性材料。
【請求項2】
分子中に鉄が配位された着色料により1.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理されたものである請求項1記載の吸熱性材料。
【請求項3】
前記分子中に鉄が配位された着色料が、鉄含金染料である請求項1または2記載の吸熱性材料。
【請求項4】
前記鉄含金染料が、C.I.Acid Green 1である請求項3記載の吸熱性材料。
【請求項5】
前記分子中に鉄が配位された着色料が、鉄含金顔料である請求項1または2記載の吸熱性材料。
【請求項6】
前記鉄含金顔料が、C.I.Pigment Green 8である請求項5記載の吸熱性材料。
【請求項7】
***色差表記における座標L*値が50以上である請求項1、2、3、4、5または6記載の吸熱性材料。
【請求項8】
繊維材料に染色処理を施したものである請求項1、2、3、4、5、6または7記載の吸熱性材料。
【請求項9】
分子中に鉄が配位された着色料により0.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理を行なう染色工程を有することを特徴とする吸熱性材料の製造方法。
【請求項10】
分子中に鉄が配位された着色料により1.5%o.w.f以上の処理濃度で染色処理を行なう染色工程を有することを特徴とする吸熱性材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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