説明

吸着ステージ

【課題】 ワークよりはみ出すワーク吸着部にウェットプロセス用の液体が吸い込まれないようにする。
【解決手段】 ステージ本体12の表面に、吸着対象ワークのうちの最大のワーク5aの外形よりも多少小さくなる吸着部形成領域を設定する。吸着部形成領域の内側にて、吸着対象ワークのうちの小さいサイズのワーク5bの外形に沿う個所に仕切部15を、その他の部分に多孔質プレート16をそれぞれ設ける。仕切部15で仕切られた各多孔質プレート16に、1つの引き口18より分岐させた流路17を接続する。小さいサイズのワーク5bを保持する場合は、その外周縁部と、仕切部15よりも外側の多孔質プレート16を覆うマスク19の端部とを突合せて仕切部15上に載置し、この状態で引き口18より真空引きすることで、仕切部15の内側と外側の多孔質プレート16に、ワーク5bとマスク19をそれぞれ吸着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを吸着して保持する吸着ステージに関するもので、特に、印刷等のウェットプロセスを行うワークの保持を行うための吸着ステージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種薄膜ガラスやプラスチック製の薄膜シート等のワークの位置を固定するために、吸着ステージが広く一般的に用いられている。
【0003】
この種の吸着ステージの1つに真空吸着ステージがあり、該真空吸着ステージとしては、多孔質吸着形式のものと、孔(穴)吸着形式のものがある。
【0004】
図6は、上記多孔質吸着形式の真空吸着ステージの一例の概略を示すもので、ステージ本体1の上側に、表面がワーク吸着面となるセラミック多孔質等の多孔質プレート2を設け、且つ1つの引き口3から分岐して上記ステージ本体1の内部を通して上記多孔質プレート2の底面部に連通させた流路4を備えてなる構成として、上記多孔質プレート2の表面に基板等のワーク5を載置した状態で、上記引き口3に接続したポンプ6により上記流路4を介して上記多孔質プレート2を真空引きすることで、該多孔質プレート2の内部の空隙を減圧して、上記ワーク5を多孔質プレート2の表面に吸着して保持、固定するようにしてある。かかる多孔質吸着形式の真空吸着ステージによれば、ワーク5の変形を抑制し、均質にワーク5を固定できるとされている。
【0005】
図7は、孔吸着形式の真空吸着ステージの一例の概略を示すもので、ステージ本体7に、ワーク吸着面となる表面に開口する多数の細孔8を設け、且つ1つの引き口3から分岐して上記多数の細孔8に連通する流路4aを備えてなる構成として、上記ステージ本体7の表面に基板等のワーク5を載置した状態で、上記引き口3に接続したポンプ6により上記流路4aを介して上記多数の細孔8を真空引きすることで、該各細孔8の内部を減圧して、上記ワーク5を上記ステージ本体7の表面に吸着して保持、固定するようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
なお、図6及び図7における符号9はワーク5上に印刷したインクである。
【0007】
又、他の吸着ステージとしては、静電吸着ステージ、電磁吸着ステージが広く用いられている。更に、これらの静電吸着ステージや電磁吸着ステージでは、ワーク吸着面に吸着させたワークの取り外しを容易にする等、所要の目的のために、ワーク吸着面に多数の細孔(細穴)が設けられていることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭61−144898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、上記図6に示した多孔質吸着形式の真空吸着ステージを用いて、該真空吸着ステージに保持したワーク5に対して、印刷等のウェットプロセスを行う場合には、実際にワーク5を吸着する真空吸着部となる多孔質プレート2が、ワーク5より小さくなるように設計して、上記真空吸着ステージにワーク5が保持、固定されているときには、たとえば、インク等の上記ウェットプロセスで使用する液体が上記多孔質プレート2に吸い込まれない(染み込まない)ようにする必要がある。
【0010】
したがって、上記真空吸着ステージは、通常、大きさの異なる複数のワーク5を同じ真空吸着ステージを用いて吸着するようにはなっていないというのが実状である。
【0011】
そのために、真空吸着部となる上記多孔質プレート2よりも小さいサイズのワーク5を保持、固定を行わせる場合には、図8に示すように、ワーク5よりはみ出した部分の多孔質プレート2の表面をマスク10で覆って対応することが必要とされる。更に、上記ワーク5とマスク10の端面同士を単に突合せて配置した状態では、両者の隙間から上記インク等のウェットプロセスで使用する液体が染み込んで、上記多孔質プレート2に吸い込まれる虞が懸念されるため、該隙間をシリコン等のシール剤11でシールする必要があり、よって、作業が非常に煩雑になると共に、上記シール材11によるシール部分が漏れる虞も解消できないという問題がある。
【0012】
更に、ワーク5が大きい場合は、真空吸着部となる上記多孔質プレート2も大きくする必要があるが、一般に、上記多孔質プレート2は中実な材料に比して剛性が低いため、たとえば、該多孔質プレート2の表面に吸着して保持したワーク5に対し、印刷装置のブランケットロール等のように上方から移動荷重を作用させるような場合には、多孔質プレート2の変形量が大きくなる虞があり、よって、上記ウェットプロセスの精度の低下につながる虞も懸念される。
【0013】
図7に示した孔吸着形式の真空吸着ステージに保持したワーク5に対して印刷等のウェットプロセスを行うときには、ステージ本体7における細孔8を穿設した領域がワーク5より小さくなるように設計して、上記真空吸着ステージにワーク5が保持、固定されているときには、たとえば、インク等、上記ウェットプロセスで使用する液体が上記細孔8に吸い込まれないようにする必要がある。
【0014】
したがって、図示してないが、上記孔吸着形式の真空吸着ステージの場合も、真空吸着部となる上記ステージ本体7における細孔8穿設領域よりも小さいサイズのワーク5の固定を行おうとする場合には、図8に示したものと同様に、該細孔8穿設領域のワーク5よりはみ出す部分をマスク10で覆って対応することが必要とされ、更に、上記ワーク5とマスク10の端面同士の隙間をシリコン等のシール剤11でシールする必要が生じるため、作業が非常に煩雑になると共に、シール部分が漏れる虞も解消できないという問題が生じてしまう。
【0015】
そこで、本発明は、印刷等のウェットプロセスの対象となるワークについて、複数の大きさの異なるワークを吸着して保持することができると共に、ワークに対して行うウェットプロセスで用いる液体が、ワーク吸着面に設けてある多孔質プレートや細孔に吸い込まれる虞を解消できて、ワークを保持させるために要する労力を軽減することが可能な吸着ステージを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、ステージ本体の表面における吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの最大のワークの外形よりも所要寸法小さくなるよう設定した吸着部形成領域の内側に、上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの上記吸着部形成領域よりも小さいサイズのワークの外形に沿う仕切部を設け、且つ該吸着部形成領域の内側における上記仕切部を除く部分に、ワーク吸着部を設けてなる構成とする。
【0017】
又、上記構成において、ワーク吸着部を、ステージ本体の表面部に設けた多孔質プレートとし、且つ仕切部で仕切られた各多孔質プレートに連通する流路を設けるようにした構成とする。
【0018】
同様に、上記構成において、ワーク吸着部を、ステージ本体の表面に開口する多数の細孔からなる構成とし、且つ上記各細孔に連通する流路を設けるようにした構成とする。
【0019】
更に同様に、上記構成において、ワーク吸着部を、ステージ本体の表面に開口する多数の細孔を備えた静電吸着部又は電磁吸着部とするようにした構成とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の吸着ステージによれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)ステージ本体の表面における吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの最大のワークの外形よりも所要寸法小さくなるよう設定した吸着部形成領域の内側に、上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの上記吸着部形成領域よりも小さいサイズのワークの外形に沿う仕切部を設け、且つ該吸着部形成領域の内側における上記仕切部を除く部分に、ワーク吸着部を設けてなる構成としてあるので、吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの最大のワークは、吸着部形成領域の仕切部によって仕切られたワーク吸着部全体で吸着することができる。又、吸着部形成領域よりも小さいサイズのワークは、その外形に沿う仕切部に外周縁部を載置すると共に、該仕切部の外側のワーク吸着部をマスクで覆うようにすれば、該仕切部の内側のワーク吸着部で吸着することができる。よって、複数の大きさの異なるワークを吸着して保持することができる。
(2)更に、複数の大きさの異なるワークのうちの最大のワークを吸着するときは、該ワークによりすべてのワーク吸着部を覆うことができる。又、吸着部形成領域よりも小さいサイズのワークを吸着するときは、該ワークの外形に沿う仕切部の内側のワーク吸着部は該ワークで覆うことができ、上記仕切部よりも外側のワーク吸着部はマスクで覆うことができ、更に、上記ワークとマスクの端部同士を突合せて配置した個所は、上記仕切部で受けることができて、両者の端部同士の隙間の下にはワーク吸着部がないため、ステージ上に保持、固定した状態のワークを印刷等のウェットプロセスに供しても、該ウェットプロセスで用いる液体が上記ワーク吸着部に吸い込まれる等の悪影響を及ぼす虞を解消できる。
(3)ワーク吸着部を、ステージ本体の表面部に設けた多孔質プレートとし、且つ仕切部で仕切られた各多孔質プレートに連通する流路を設けるようにした構成とすることにより、上記(1)に示した効果を得ることが可能な多孔質吸着形式の真空吸着ステージを容易に実現することができる。更に、吸着部形成領域よりも小さいサイズのワークを保持する場合であっても、真空吸着する前の工程では、該ワークと、該ワークの外形に対応する仕切部よりも外側の多孔質プレートの上を覆うマスクは、それぞれ所定個所に載置するのみでよいため、上記ワークを保持させるために要する労力を軽減することができる。しかも、吸着部形成領域に設ける多孔質プレートを、より高剛性の仕切部で補強できるため、ステージ上に保持したワークに対して印刷装置のブランケットロール等のように上方から移動荷重を作用させるような場合には、該荷重を、上記仕切部で受けることができ、このため、上記多孔質プレートの変形量が大きくなる虞を抑制することができて、ステージ上に保持したワークをウェットプロセスに供する際における精度の向上化を図る効果が期待できる。
(4)ワーク吸着部を、ステージ本体の表面に開口する多数の細孔からなる構成とし、且つ上記各細孔に連通する流路を設けるようにした構成とすることにより、上記(1)に示した効果を得ることが可能な孔吸着形式の真空吸着ステージを容易に実現することができる。更に、上記(3)と同様の効果を得ることもできる。
(5)ワーク吸着部を、ステージ本体の表面に開口する多数の細孔を備えた静電吸着部又は電磁吸着部とするようにした構成とすることにより、上記(1)に示した効果を得ることが可能な静電吸着ステージ又は電磁吸着ステージを容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の吸着ステージの実施の一形態を示す概略平面図である。
【図2】図1の吸着ステージの要部を拡大して示す切断側面図である。
【図3】図1の吸着ステージの使用方法を示すもので、(イ)はサイズの大きなワークを保持する場合を、(ロ)はサイズの小さいワークを保持する場合をそれぞれ示す図2に対応する図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の形態を示す概略平面図である。
【図5】図4の吸着ステージの要部を拡大して示す切断側面図である。
【図6】従来提案されている多孔質吸着形式の真空吸着ステージの一例の概略を示す切断側面図である。
【図7】従来提案されている孔吸着形式の真空吸着ステージの一例の概略を示す切断側面図である。
【図8】図6の多孔質吸着形式の真空吸着ステージでウェットプロセスを行うためのサイズの小さいワークを保持する場合の対応として考えられる手段の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1乃至図3(イ)(ロ)は本発明の吸着ステージの実施の一形態として、多孔質吸着形式の真空吸着ステージに適用する場合の例を示すもので、以下のような構成としてある。
【0024】
すなわち、ステージ本体12の表面部に、吸着対象となる複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうちの最大サイズのワーク5aの外形よりも一回り小さい、たとえば、数mm小さい形状の吸着部形成領域13を設定して、該吸着部形成領域13の内側に、所要の深さで多孔質プレート嵌合用の凹部14を設ける。
【0025】
上記凹部14の内側で且つ上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうちの上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bの外形に沿う位置には、該ワーク5bの外形の所要寸法内側位置から所要寸法外側位置までとなる所要の幅寸法、たとえば、数mmの幅寸法を備えた仕切部15を、その上面が上記ステージ本体12の表面と面一になる高さで設ける。
【0026】
更に、上記仕切部15の内側と外側の凹部14に、それぞれワーク吸着部としての多孔質プレート16を嵌合させて取り付ける。この際、上記多孔質プレート16の表面は、上記ステージ本体12の表面及び仕切部15の上面と面一になるようにする。
【0027】
17は、1つの引き口18から分岐させて上記ステージ本体12の内部を通して上記仕切部の内側と外側の各多孔質プレート16の底面部の所要個所にそれぞれ連通させた流路である。
【0028】
以上の構成としてある本発明の吸着ステージとしての真空吸着ステージを使用して、上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうちの最大サイズのワーク5aを保持する場合は、図3(イ)に示すように、該ワーク5aを、上記吸着部形成領域13に設けてある多孔質プレート16の全面を覆うように配置し、この状態で、上記引き口18に接続した図示しないポンプを運転して、上記流路17を介して上記仕切部15の内側と外側の各多孔質プレート16を真空引きする。これにより、上記多孔質プレート16の内部の空隙が減圧されるため、上記仕切部15の内側と外側の各多孔質プレート16からなるワーク吸着部の表面全体で上記ワーク5aが吸着されて、該ワーク5aがステージ上に保持、固定される。
【0029】
この際、上記したように吸着部形成領域13に設けてある多孔質プレート16は、その全面が上記ワーク5aにより覆われているため、本発明の吸着ステージとしての真空吸着ステージに保持、固定した状態の上記ワーク5aを印刷等のウェットプロセスに供しても、該ウェットプロセスで用いる液体(図示せず)が上記多孔質プレート16に吸い込まれる虞はない。
【0030】
又、上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうち、上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bを保持する場合は、図3(ロ)に示すように、該ワーク5bの外周縁部を、上記吸着部形成領域13に設けてある上記仕切部15の上に載置すると共に、該仕切部15の外側の多孔質プレート16の上方を覆う所要形状としたマスク19を、その内側端部を上記仕切部15上に、且つ外側端部をステージ本体12における上記吸着部形成領域13の外周縁部にそれぞれ載置させて配置し、この状態で、上記引き口18に接続した図示しないポンプを運転して、上記流路17を介して上記仕切部15の内側と外側の各多孔質プレート16を真空引きする。これにより、上記各多孔質プレート16の内部の空隙が減圧される。この際、上記仕切部15の内側のワーク吸着部である多孔質プレート16の表面に、上記ワーク5bが吸着されると共に、上記仕切部15の外側の多孔質プレート16の表面には上記マスク19が吸着されて空気が流入することはないため、上記ワーク5bがステージ上に保持、固定されるようになる。
【0031】
この際、上記吸着部形成領域13に設けてある多孔質プレート16において、上記仕切部15の内側の多孔質プレート16の表面は、上記ワーク5bにより覆われ、又、上記仕切部15の外側の多孔質プレート16の表面は、上記マスク19により覆われ、更に、上記ワーク5bとマスク19の端部同士を突合せて配置した個所は、上記仕切部15で受けられていて、両者の隙間の下方には多孔質プレート16が存在しないため、本発明の吸着ステージとしての真空吸着ステージに保持、固定した状態の上記ワーク5bを印刷等のウェットプロセスに供しても、該ウェットプロセスで用いる液体(図示せず)が上記多孔質プレート16に吸い込まれる虞はない。
【0032】
このように、本発明の吸着ステージとしての真空吸着ステージによれば、複数の大きさの異なるワーク5a,5bを良好に吸着して保持することができ、この複数の大きさの異なるワーク5a,5bを吸着保持した状態で、該各ワーク5a,5bをそれぞれウェットプロセスに供しても、該ウェットプロセスで用いる液体がワーク吸着面に設けてある上記多孔質プレート16に吸い込まれる虞を解消することができる。
【0033】
しかも、上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bを保持する場合であっても、真空引きする前の工程では、ワーク5bと、該ワーク5bの外側にはみ出す上記仕切部15よりも外側の多孔質プレート16の上を覆うマスク19は、それぞれ所定個所に載置する作業のみでよいため、上記ワーク5bを保持させるために要する労力を軽減することができる。
【0034】
更に、上記ステージ本体12の表面部にて多孔質プレート16が設置される吸着部形成領域13の内側に上記仕切部15が設けてあるため、ステージ上に上記複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうちの最大サイズのワーク5aを保持した状態で、印刷装置のブランケットロール等のように上方から移動荷重を作用させるような場合には、該荷重を、多孔質プレート16よりも丈夫な(剛性が高い)上記仕切部15で受けることができるため、上記多孔質プレート16の変形量が大きくなる虞を抑制することができて、ウェットプロセスの精度の向上化を図る効果が期待できる。
【0035】
次に、図4及び図5は本発明の実施の他の形態として、孔吸着形式の真空吸着ステージ適用する場合の例を示すもので、以下のような構成としてある。
【0036】
すなわち、ステージ本体20の表面部に、図4に一点鎖線で示す如く、吸着対象となる複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうちの図4に二点鎖線で示した最大サイズのワーク5aの外形よりも一回り小さい形状の吸着部形成領域13を設定し、更に、該吸着部形成領域13の内側で且つ上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワーク5a,5bのうちの上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bの外形に沿う位置に、該ワーク5bの外形の所要寸法内側位置から所要寸法外側位置までとなる所要の幅寸法を備えた仕切部15を形成するための領域を定めて、上記吸着部形成領域13の内側における上記仕切部15を形成するための領域を除く部分に、ワーク吸着部として、上記ステージ本体20の表面に開口する多数の細孔21を設け、これにより、上記ワーク5bの外形に沿う位置に、内外方向に所要幅で細孔21が存在しない仕切部15を形成する。
【0037】
更に、1つの引き口18から分岐して上記ステージ本体20に設けた各細孔21に連通する流路17aを設けてなる構成とする。
【0038】
その他、図1乃至図3(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0039】
本実施の形態の孔吸着形式の真空吸着ステージによっても、上記図1乃至図3(イ)(ロ)の実施の形態の多孔質吸着形式の吸着ステージと同様に使用することで、複数の大きさの異なるワーク5a,5bを良好に吸着して保持することができ、この複数の大きさの異なるワーク5a,5bを吸着保持した状態で、該各ワーク5a,5bをそれぞれウェットプロセスに供しても、該ウェットプロセスで用いる液体がワーク吸着面に設けてある上記細孔21に吸い込まれる虞を解消することができる。
【0040】
又、上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bを保持する場合は、真空引きする前の工程で、ワーク5bと、該ワーク5bの外側にはみ出す上記仕切部15よりも外側の多孔質プレート16の上を覆うマスク19を、それぞれ所定個所に載置する作業のみでよいため、上記ワーク5bを保持させるために要する労力を軽減することができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、仕切部15は、吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bの外形に沿う形状を備えていれば、矩形の各辺部をそれぞれ延長して格子状とする等、図示した以外の平面形状としてもよい。
【0042】
又、複数の大きさの異なるワークとして、3種以上の大きさの異なるワークを保持するための吸着ステージに適用してもよい。この場合は、最大サイズのワーク5aの外形に応じて設定する吸着部形成領域13の内側に、該吸着部形成領域13よりも小さいサイズの各ワークの外形に応じた平面形状の仕切部15をそれぞれ設けるようにすればよく、この際、上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズの各ワークの外形に応じた平面形状の仕切部15の配置は、同心状配置、あるいは、上記吸着部形成領域13よりも小さいサイズの各ワークの外形に応じた平面形状の仕切部15同士が交差する配置等、任意に設定した配置としてよい。
【0043】
図示した仕切部15の幅は、図示するための便宜上の寸法であり、対応するワークの外周縁部とマスク19の端部とを突合せた状態で載置できるようにしてあれば、内外方向の幅寸法は適宜変更してもよい。又、仕切部15の幅寸法は必ずしも数mmに限定されるものではなく、ワークの可撓性等に応じて幅寸法を適宜拡縮してもよい。
【0044】
吸着部形成領域13は、最大サイズのワーク5aの外形よりも小さい形状としてあれば、必ずしも数mm小さい形状に限定されるものではなく、上記最大サイズのワーク5aの可撓性等に応じて大きさや形状を適宜変更してもよい。
【0045】
ステージ本体のワーク吸着面となる表面に吸着させたワークの取り外しを容易にするため等、所要の目的のために、ワーク吸着面に多数の細孔が設けてなる形式の吸着ステージであれば、静電吸着ステージや電磁吸着ステージ等、真空吸着ステージ以外の形式の吸着ステージに適用してもよい。この場合は、最大サイズのワーク5aの外形に応じて設定する吸着部形成領域13の内側における該吸着部形成領域13よりも小さいサイズのワーク5bの外形に応じて設ける仕切部15を除く部分に、ワーク吸着部となる静電吸着部や電磁吸着部を設けるようにすればよい。
【0046】
印刷装置以外のいかなるウェットプロセスを行う機械、装置の吸着ステージとして適用してもよい。
【0047】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
5a,5b ワーク
12 ステージ本体
13 吸着部形成領域
15 仕切部
16 多孔質プレート(ワーク吸着部)
17,17a 流路
20 ステージ本体
21 細孔(ワーク吸着部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージ本体の表面における吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの最大のワークの外形よりも所要寸法小さくなるよう設定した吸着部形成領域の内側に、上記吸着対象となる複数の大きさの異なるワークのうちの上記吸着部形成領域よりも小さいサイズのワークの外形に沿う仕切部を設け、且つ該吸着部形成領域の内側における上記仕切部を除く部分に、ワーク吸着部を設けてなる構成を有することを特徴とする吸着ステージ。
【請求項2】
ワーク吸着部を、ステージ本体の表面部に設けた多孔質プレートとし、且つ仕切部で仕切られた各多孔質プレートに連通する流路を設けるようにした請求項1記載の吸着ステージ。
【請求項3】
ワーク吸着部を、ステージ本体の表面に開口する多数の細孔からなる構成とし、且つ上記各細孔に連通する流路を設けるようにした請求項1記載の吸着ステージ。
【請求項4】
ワーク吸着部を、ステージ本体の表面に開口する多数の細孔を備えた静電吸着部又は電磁吸着部とするようにした請求項1記載の吸着ステージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−260318(P2010−260318A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114850(P2009−114850)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】