説明

吸着剤及びその製造方法、並びに、水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シート

【課題】より安価で高性能の吸着剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の吸着剤は、ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としたシリカ、及び、シリカの表面を修飾したシランカップリング剤から成り、シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカのBJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.2cm3/グラム以上である。あるいは又、シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカの非局在化密度汎関数法によって求められた細孔径分布において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計が0.1cm3/グラム以上あり、且つ、5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の0.2以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸着剤及びその製造方法、並びに、水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
クロム(Cr)等の重金属を水から除去するために、従来、イオン交換樹脂やキレート樹脂、ゼオライトが使用されている(例えば、特開平09−187646や特開2003−137536、特開平4-292412参照)。また、有機物を水から除去するために、従来、シリカゲルが用いられている(特開平11−099331参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−187646
【特許文献2】特開2003−137536
【特許文献3】特開平4-292412
【特許文献4】特開平11−099331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、イオン交換樹脂やキレート樹脂、ゼオライトは高価であり、より安価で高性能の吸着剤が強く求められている。また、シリカゲルでは大きな有機分子は吸着できないという問題点があり、大きい分子を吸着することができる材料が求められている。
【0005】
従って、本開示の目的は、より安価で高性能の吸着剤及びその製造方法、並びに、係る吸着剤を用いた水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る吸着剤は、
ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としたシリカ、及び、
シリカの表面を修飾したシランカップリング剤、
から成り、
シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカのBJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.2cm3/グラム以上である。
【0007】
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る吸着剤は、
ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としたシリカ、及び、
シリカの表面を修飾したシランカップリング剤、
から成り、
シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカの非局在化密度汎関数法(NLDFT法,Non Localized Density Functional Theory 法)によって求められた細孔径分布において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計が0.1cm3/グラム以上あり、且つ、5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の0.2以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上である。
【0008】
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る吸着剤の製造方法は、シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカのBJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.2cm3/グラム以上である吸着剤の製造方法であって、
ケイ素を含有する植物由来の材料を焼成することでシリカを得た後、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾する。
【0009】
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る吸着剤の製造方法は、シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカの非局在化密度汎関数法によって求められた細孔径分布において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計が0.1cm3/グラム以上あり、且つ、5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の0.2以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上である吸着剤の製造方法であって、
ケイ素を含有する植物由来の材料を焼成することでシリカを得た後、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾する。
【0010】
上記の目的を達成するための本開示の水浄化用吸着剤は、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る吸着剤を備えている。また、上記の目的を達成するための本開示のマスクは、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る吸着剤を備えている。更には、上記の目的を達成するための本開示の吸着シートは、本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る吸着剤から成るシート状部材、並びに、シート状部材を支持する支持部材から構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本開示の第1の態様あるいは第2の態様に係る吸着剤及びその製造方法、並びに、水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シートにあっては、ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としているので、製造コストが安価である。そして、吸着剤の比表面積の値、細孔の容積の値、細孔径分布が規定されており、しかも、シリカの表面はシランカップリング剤によって修飾されているが故に、吸着剤に高い吸着能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1、参考例1、比較例1A及び比較例1Bの吸着剤等の試料における非局在化密度汎関数法に基づき得られた細孔径分布の測定結果を示すグラフである。
【図2】図2の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例3のマスクの模式図、及び、マスクの本体部分の模式的な断面構造を示す図である。
【図3】図3は、実施例4における浄水器の模式的な断面図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は、実施例4におけるボトルの模式的な一部断面図及び模式的な断面図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、実施例4におけるボトルの変形例の模式的な一部断面図及び一部を切り欠いた模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本開示を説明するが、本開示は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様〜第2の態様に係る吸着剤及びその製造方法、並びに、水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シート、全般に関する説明
2.実施例1(本開示の第1の態様〜第2の態様に係る吸着剤及びその製造方法)
3.実施例2(本開示の水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シート)、その他
【0014】
[本開示の第1の態様〜第2の態様に係る吸着剤及びその製造方法、並びに、水浄化用吸着剤、マスク及び吸着シート、全般に関する説明]
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る吸着剤、本開示の第1の態様〜第2の態様に係る吸着剤の製造方法によって得られる吸着剤、本開示の水浄化用吸着剤、マスクあるいは吸着シートを構成する本開示の吸着剤(以下、これらを総称して、『本開示の吸着剤等』と呼ぶ場合がある)にあっては、シリカの表面はシランカップリング剤によって修飾されているが故に、本開示の吸着剤等は、有機物(有機分子)を効果的に吸着することができる。
【0015】
そして、本開示の吸着剤等において、シランカップリング剤には酸処理が施されている形態とすることができる。また、本開示の吸着剤の製造方法にあっては、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾した後、シランカップリング剤に酸処理を施す形態とすることができる。このような形態とすることで、本開示の吸着剤等は、例えば、金属原子を含む陽イオン(例えば銅イオン)を効果的に吸着することができる。ここで、酸処理とは、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、ホウ酸等の無機酸に、本開示の吸着剤等を浸漬する処理を指す。そして、これらの形態にあっては、シランカップリング剤の末端は所望の金属イオン(金属原子を含む)と結合する官能基を有することが好ましい。あるいは又、シランカップリング剤に酸処理を施した後、シランカップリング剤に所望の金属イオン(金属原子を含む)と結合する官能基を付与することが好ましい。尚、このような形態の本開示の吸着剤等によって、金属原子を含む陰イオンや陽イオン[例えば、AsO3-3といった形態を有する砒素イオン、CrO4-2といった形態を有するクロムイオン、あるいは又、Pb+2といった形態を有する鉛イオン]、塩化水銀やメチル水銀等に含まれている水銀原子を効果的に吸着することができる。シランカップリング剤の有する官能基、あるいは又、シランカップリング剤に付与される官能基として、アミノ基や、アミノ基等に鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)等の金属を配位させたキレート環、チオール基等の硫黄(S)を有する分子を例示することができる。
【0016】
あるいは又、上記の好ましい形態を含む本開示の吸着剤等は、数平均分子量が1×102以上の有機物(例えば、有機分子や蛋白質)を吸着する吸着剤であり、対象として、脂肪酸(具体的には、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、スクアレン、コレステロール)、色素(例えば、リソールルビンBCA)、毒素(例えば、ミクロシスチン、アフラトキシンB1、ノジュラリン、アナトキシン、サキシトキシン、シリンドロスパモプシン)、農薬・殺虫剤(例えば、シマジン、パラチオン、フェノブカルブ、カリバリル、シハロトリン)、蛋白質(例えば、α-アミラーゼ、ノイラミタ―ゼ)を挙げることができる。
【0017】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の吸着剤等において、シランカップリング剤として、具体的には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルジメチルメトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランを例示することができる。
【0018】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本開示の吸着剤等にあっては、シリカの原料としてケイ素を含有する植物由来の材料を用いるが、具体的には、植物由来の材料として、米(稲)、大麦、小麦、ライ麦、稗(ヒエ)、粟(アワ)等の籾殻や藁、珈琲豆、茶葉(例えば、緑茶や紅茶等の葉)、サトウキビ類(より具体的には、サトウキビ類の絞り滓)、トウモロコシ類(より具体的には、トウモロコシ類の芯)、果実の皮(例えば、ミカンやバナナの皮等)、あるいは又、葦、茎ワカメを挙げることができるが、これらに限定するものではなく、その他、例えば、陸上に植生する維管束植物、シダ植物、コケ植物、藻類、海草を挙げることができる。尚、これらの材料を、原料として、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、植物由来の材料の形状や形態も特に限定はなく、例えば、籾殻や藁そのものでもよいし、あるいは乾燥処理品でもよい。更には、ビールや洋酒等の飲食品加工において、発酵処理、焙煎処理、抽出処理等の種々の処理を施されたものを使用することもできる。特に、産業廃棄物の資源化を図るという観点から、脱穀等の加工後の藁や籾殻を使用することが好ましい。これらの加工後の藁や籾殻は、例えば、農業協同組合や酒類製造会社、食品会社、食品加工会社から、大量、且つ、容易に入手することができる。
【0019】
そして、本開示の吸着剤の製造方法にあっては、ケイ素を含有する植物由来の材料を、例えば、空気中で、200゜C以上で焼成することによって、シリカを得ることができる。植物由来の材料を、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。植物由来の材料を予め洗浄してもよい。あるいは又、得られたシリカを、所望に応じて粉砕して所望の粒度としてもよいし、分級してもよい。更には、最終的に得られたシリカに殺菌処理を施してもよい。焼成のために使用する炉の形式、構成、構造に制限はなく、連続炉とすることもできるし、回分炉(バッチ炉)とすることもできる。
【0020】
以上の好ましい形態を含む本開示の吸着シートにおいて、支持部材として織布や不織布を挙げることができ、支持部材を構成する材料として、セルロースやポリプロピレン、ポリエステルを挙げることができる。そして、吸着シートの形態として、本開示の吸着剤が支持部材と支持部材との間に挟まれた形態、吸着剤が支持部材に練り込まれた形態を挙げることができる。あるいは又、吸着シートの形態として、本開示の吸着剤/ポリマー複合体が支持部材と支持部材との間に挟まれた形態、本開示の吸着剤/ポリマー複合体が支持部材に練り込まれた形態を挙げることができる。吸着剤/ポリマー複合体を構成する材料(ポリマー)として、例えば、カルボキシニトロセルロースを挙げることができる。
【0021】
本開示の吸着剤は、例えば、水の浄化あるいは空気の浄化、広くは流体の浄化のために用いることができる。本開示の吸着剤の使用形態として、シート状での使用、カラムやカートリッジに充填された状態での使用、バインダー(結着剤)等を用いて所望の形状に賦形した状態での使用、粉状での使用を例示することができる。溶液中に分散させた浄化剤や吸着剤として用いる場合、表面を親水処理又は疎水処理して使用することができる。本開示の吸着シートから、例えば、空気浄化装置のフィルター、マスク、防護手袋や防護靴を構成することができる。
【0022】
本開示の吸着剤等は、あるいは、本開示の吸着剤等の出発物質であるシリカは、細孔(ポア)を多く有している。細孔は、一般に、孔径が2nm乃至50nmの『メソ細孔』、孔径が50nmを超える『マクロ細孔』、及び、孔径が2nmよりも小さい『マイクロ細孔』に分類される。本開示の吸着剤等にあっては、BJH法による細孔の容積は0.1cm3/グラム以上であるが、上述したとおり、好ましくは0.2cm3/グラム以上であることが望ましい。
【0023】
本開示の吸着剤等において、窒素BET法による比表面積の値(以下、単に、『比表面積の値』と呼ぶ場合がある)は、より一層優れた機能性を得るために、好ましくは50m2/グラム以上であることが望ましい。
【0024】
窒素BET法とは、吸着剤(ここでは、本開示の吸着剤等)に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより吸着等温線を測定し、測定したデータを式(1)で表されるBET式に基づき解析する方法であり、この方法に基づき比表面積や細孔容積等を算出することができる。具体的には、窒素BET法により比表面積の値を算出する場合、先ず、本開示の吸着剤等に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、吸着等温線を求める。そして、得られた吸着等温線から、式(1)あるいは式(1)を変形した式(1’)に基づき[p/{Va(p0−p)}]を算出し、平衡相対圧(p/p0)に対してプロットする。そして、このプロットを直線と見なし、最小二乗法に基づき、傾きs(=[(C−1)/(C・Vm)])及び切片i(=[1/(C・Vm)])を算出する。そして、求められた傾きs及び切片iから式(2−1)、式(2−2)に基づき、Vm及びCを算出する。更には、Vmから、式(3)に基づき比表面積asBETを算出する(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第66頁参照)。尚、この窒素BET法は、JIS R 1626−1996「ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法」に準じた測定方法である。
【0025】
a=(Vm・C・p)/[(p0−p){1+(C−1)(p/p0)}] (1)
[p/{Va(p0−p)}]
=[(C−1)/(C・Vm)](p/p0)+[1/(C・Vm)] (1’)
m=1/(s+i) (2−1)
C =(s/i)+1 (2−2)
sBET=(Vm・L・σ)/22414 (3)
【0026】
但し、
a:吸着量
m:単分子層の吸着量
p :窒素の平衡時の圧力
0:窒素の飽和蒸気圧
L :アボガドロ数
σ :窒素の吸着断面積
である。
【0027】
窒素BET法により細孔容積Vpを算出する場合、例えば、求められた吸着等温線の吸着データを直線補間し、細孔容積算出相対圧で設定した相対圧での吸着量Vを求める。この吸着量Vから式(4)に基づき細孔容積Vpを算出することができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第62頁〜第65頁参照)。尚、窒素BET法に基づく細孔容積を、以下、単に『細孔容積』と呼ぶ場合がある。
【0028】
p=(V/22414)×(Mg/ρg) (4)
【0029】
但し、
V :相対圧での吸着量
g:窒素の分子量
ρg:窒素の密度
である。
【0030】
メソ細孔の孔径は、例えば、BJH法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。BJH法は、細孔径分布解析法として広く用いられている方法である。BJH法に基づき細孔径分布解析をする場合、先ず、本開示の吸着剤等に吸着分子として窒素を吸脱着させることにより、脱着等温線を求める。そして、求められた脱着等温線に基づき、細孔が吸着分子(例えば窒素)によって満たされた状態から吸着分子が段階的に着脱する際の吸着層の厚さ、及び、その際に生じた孔の内径(コア半径の2倍)を求め、式(5)に基づき細孔半径rpを算出し、式(6)に基づき細孔容積を算出する。そして、細孔半径及び細孔容積から細孔径(2rp)に対する細孔容積変化率(dVp/drp)をプロットすることにより細孔径分布曲線が得られる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第85頁〜第88頁参照)。
【0031】
p=t+rk (5)
pn=Rn・dVn−Rn・dtn・c・ΣApj (6)
但し、
n=rpn2/(rkn−1+dtn2 (7)
【0032】
ここで、
p:細孔半径
k:細孔半径rpの細孔の内壁にその圧力において厚さtの吸着層が吸着した場合のコア半径(内径/2)
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔容積
dVn:そのときの変化量
dtn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの吸着層の厚さtnの変化量
kn:その時のコア半径
c:固定値
pn:窒素の第n回目の着脱が生じたときの細孔半径
である。また、ΣApjは、j=1からj=n−1までの細孔の壁面の面積の積算値を表す。
【0033】
マイクロ細孔の孔径は、例えば、MP法に基づき、その孔径に対する細孔容積変化率から細孔の分布として算出することができる。MP法により細孔径分布解析を行う場合、先ず、本開示の吸着剤等に窒素を吸着させることにより、吸着等温線を求める。そして、この吸着等温線を吸着層の厚さtに対する細孔容積に変換する(tプロットする)。そして、このプロットの曲率(吸着層の厚さtの変化量に対する細孔容積の変化量)に基づき細孔径分布曲線を得ることができる(日本ベル株式会社製BELSORP−mini及びBELSORP解析ソフトウェアのマニュアル、第72頁〜第73頁、第82頁参照)。
【0034】
JIS Z8831−2:2010 「粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性−第2部:ガス吸着によるメソ細孔及びマクロ細孔の測定方法」、及び、JIS Z8831−3:2010 「粉体(固体)の細孔径分布及び細孔特性−第3部:ガス吸着によるミクロ細孔の測定方法」に規定された非局在化密度汎関数法(NLDFT法)にあっては、解析ソフトウェアとして、日本ベル株式会社製自動比表面積/細孔径分布測定装置「BELSORP−MAX」に付属するソフトウェアを用いる。前提条件としてモデルをシリンダ形状としてカーボンブラック(CB)を仮定し、細孔径分布パラメータの分布関数を「no−assumption」とし、得られた分布データにはスムージングを10回施す。
【0035】
尚、本開示の吸着剤等においては、減圧下、120゜Cで3時間、加熱理を行った後、シリカの窒素BET法による比表面積、各種細孔の容積を測定すればよい。
【実施例1】
【0036】
実施例1は、本開示の第1の態様及び第2の態様に係る吸着剤及びその製造方法に関する。実施例1の吸着剤は、ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としたシリカ、及び、シリカの表面を修飾したシランカップリング剤から成る。そして、シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカのBJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上、好ましくは0.2cm3/グラム以上である。あるいは又、シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカの非局在化密度汎関数法(NLDFT法)によって求められた細孔径分布において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計が0.1cm3/グラム以上あり、且つ、5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の0.2以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上である。そして、実施例1の吸着剤は、有機物(有機分子)を効果的に吸着する。
【0037】
実施例1にあっては、シリカの原料であるケイ素を含有する植物由来の材料を米(稲)の籾殻とした。そして、実施例1における吸着剤の製造方法にあっては、ケイ素を含有する植物由来の材料を焼成することでシリカを得た後、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾する。尚、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾することを、以下、便宜上、『シランカップリング処理』と呼ぶ場合がある。
【0038】
実施例1の吸着剤の製造においては、先ず、ケイ素を含有する植物由来の材料である籾殻を、具体的には、500゜Cにて、3時間、大気中で焼成することで、シリカを得た。尚、このシリカを、『参考例1』と呼ぶ。
【0039】
次に、参考例1のシリカ0.5グラムを100ミリリットルのトルエンに加え、更に、3−アミノプロピルトリエトキシシランを5.0グラム加えて、80゜Cにて5時間、攪拌した。その後、濾過して固相を得た後、100ミリリットルのトルエンで洗浄することで、シランカップリング剤で表面が修飾されたシリカから成る実施例1の吸着剤を得た。
【0040】
一方、ワコー株式会社製のシリカゲル[商品名:Silica Gell,Small Granular(White)]を『比較例1A』とした。また、比較例1Aのシリカゲルに対して、実施例1と同様に、その表面をシランカップリング剤で修飾することで、『比較例1B』の試料を得た。
【0041】
実施例1、参考例1、比較例1A、比較例1Bの試料に対して、非局在化密度汎関数法(NLDFT法)に基づく細孔径分布を求めた結果を図1に示す。1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計に対する5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、以下の表1のとおりであった。尚、表1において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計を『容積−A』(単位:cm3/グラム)で表示し、5nm乃至20nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計を『容積−B』(単位:cm3/グラム)で表示し、容積−Aに対する容積−Bの占める割合を『割合』で表示する。また、これらの試料の比表面積及び細孔容積を測定したところ、表2に示す結果が得られた。尚、表2中、「比表面積」及び「全細孔容積」は、窒素BET法による比表面積及び全細孔容積の値を指し、単位はm2/グラム及びcm3/グラムである。また、「BJH法」、「MP法」は、BJH法による細孔(メソ細孔〜マクロ細孔)の容積測定結果、MP法による細孔(マイクロ細孔)の容積測定結果を示し、単位はcm3/グラムである。尚、測定に際しては、試料の前処理として、減圧下、120゜Cで3時間、加熱理を行った。
【0042】
[表1]
容積−A 容積−B 割合
実施例1 0.112 0.111 0.991
参考例1 0.232 0.228 0.983
比較例1A 0.391 0.010 0.026
比較例1B 0.000 0.000 ―
【0043】
[表2]
比表面積 全細孔容積 BJH法 MP法
実施例1 65 0.198 0.197 0.00
参考例1 106 0.294 0.271 0.02
比較例1A 702 0.403 0.138 0.39
比較例1B 6.5 0.013 0.001 0.002
【0044】
分析の結果、参考例1に対してシランカップリング処理を行った実施例1にあっては、シリカの表面にシランカップリング剤が吸着した結果、比表面積、全細孔容積、BJH法の値は減少しているものの、左程、大幅な減少ではない。また、『割合』に殆ど変化は認められない。これは、実施例1のシリカの特異な細孔形状(構造)に起因していると考えられる。一方、比較例1Aのシリカゲルにシランカップリング処理を行った比較例1Bにあっては、表面にシランカップリング剤が吸着した結果、比表面積、全細孔容積、BJH法の値が大幅に減少している。
【0045】
実施例1、参考例1、比較例1A及び比較例1Bの試料のそれぞれを10ミリグラム採取し、0.01グラム/リットルの濃度のアリザリングリーン水溶液40ミリリットルに添加して、100rpmにて1時間、攪拌した。その後、紫外・可視分光光度計を用いた比色法法に基づき、アリザリングリーン水溶液1グラム当たりのアリザリングリーン吸着量(ミリグラム)を測定した結果、以下の表3に示す結果が得られた。
【0046】
[表3]
実施例1 20ミリグラム
参考例1 2ミリグラム
比較例1A 0ミリグラム(検出限界以下)
比較例1B 0ミリグラム(検出限界以下)
【0047】
実施例1の吸着剤にあっては、ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としているので、製造コストが安価である。そして、吸着剤の比表面積の値、細孔の容積の値、細孔径分布が規定されており、しかも、シリカの表面はシランカップリング剤によって修飾されているが故に、吸着剤に高い吸着能を付与することができる。
【実施例2】
【0048】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の吸着剤にあっては、シランカップリング剤の末端は、所望の金属イオン(具体的には、クロムイオン)と結合する官能基を有している。あるいは又、シランカップリング剤に酸処理を施した後、シランカップリング剤の末端に所望の金属イオン(具体的には、クロムイオン)と結合する官能基を付与する。具体的には、実施例1の吸着剤0.2グラムをpH1.0の塩酸水溶液(100cm3)に投入し、1時間、攪拌した後、濾過して固相を得た。次いで、この固相を、FeCl3・6H2Oの3.8グラムを150ミリリットルの水に溶かした水溶液中に投入し、1時間、攪拌した。その後、濾過して固相を得た後、純水で洗浄することで、シランカップリング剤の末端に所望の金属イオンと結合する官能基が付与された実施例2の吸着剤を得た。ここで、官能基は、アミノ基に鉄が配位した構造を有している。
【0049】
実施例2、参考例1、比較例1A及び比較例1Bの試料のそれぞれを、10ミリグラム採取し、0.01%の濃度のクロム酸ナトリウム水溶液5ミリリットルに添加して、1時間、攪拌した。その後、紫外・可視分光光度計を用いた比色法に基づき、クロム酸ナトリウム水溶液1グラム当たりのクロム酸吸着量(ミリグラム)を測定した結果、実施例2では吸着量が6.7ミリグラムであった。一方、参考例1、比較例1A、比較例1Bでは吸着を確認することができなかった。
【実施例3】
【0050】
実施例3は、本開示のマスク及び吸着シートに関する。実施例3のマスクは、実施例1〜実施例2の吸着剤を備えている。また、実施例3の吸着シートは、実施例1〜実施例2の吸着剤から成るシート状部材、並びに、シート状部材を支持する支持部材から構成されている。
【0051】
マスクの模式図を図2の(A)に示し、マスクの本体部分(吸着シート)の模式的な断面構造を図2の(B)に示すが、実施例3のマスクの本体部分は、セルロースから成る不織布と不織布との間に、シート状にした実施例1〜実施例2の吸着剤が挟み込まれた構造を有する。実施例1〜実施例2の吸着剤をシート状とするためには、例えば、カルボキシニトロセルロースをバインダーとした吸着剤/ポリマー複合体を形成するといった方法を採用すればよい。尚、炭素/ポリマー複合体は、実施例1〜実施例2の吸着剤、及び、バインダーから成り、バインダーは、例えば、カルボキシニトロセルロースから成る。一方、実施例3の吸着シートは、実施例1〜実施例2の吸着剤から成るシート状部材(具体的には、カルボキシニトロセルロースをポリマー(バインダー)とした吸着剤/ポリマー複合体)、並びに、シート状部材を支持する支持部材(具体的には、シート状部材を挟み込んだ支持部材である不織布)から成る。マスクにおける吸着剤に、本開示の吸着剤を適用することで、例えば、花粉の蛋白部位が吸着剤に吸着することで、花粉を効果的に吸着することができると考えられる。
【実施例4】
【0052】
実施例4は、本開示の水浄化用吸着剤(水浄化剤)に関する。実施例4の水浄化用吸着剤は、実施例1〜実施例2から成り、例えば、水の浄化、広くは流体の浄化のために用いる。あるいは又、水から、スーパーオキサイド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素といった活性酸素種(酸化ストレス物質)を除去することができる。
【0053】
実施例4における浄水器の断面図を図3に示す。実施例4における浄水器は、連続式浄水器であり、水道の蛇口の先端部に浄水器本体を直接取り付ける蛇口直結型の浄水器である。実施例4における浄水器は、浄水器本体10、浄水器本体10の内部に配置され、実施例1〜実施例2の吸着剤11が充填された第1充填部12、綿13が充填された第2充填部14を備えている。水道の蛇口から排出された水道水は、浄水器本体10に設けられた流入口15から、吸着剤11、綿13を通過して、浄水器本体10に設けられた流出口16から排出される。
【0054】
あるいは又、模式的な一部断面図を図4の(A)に示すように、実施例1〜実施例2の吸着剤を、キャップ部材30の付いたボトル(所謂ペットボトル)20に組み込んでもよい。具体的には、キャップ部材30の内部に実施例1〜実施例2の吸着剤(濾材40)を配し、濾材40が流出しないように、フィルター31,32をキャップ部材30の液体流入側及び液体排出側に配置する。そして、ボトル20の内の液体あるいは水(飲料水や化粧水等)21を、キャップ部材30の内部に配された濾材40を通過させて飲むことで、あるいは、使用することで、例えば、液体(水)を浄化、洗浄する。尚、キャップ部材30は、通常、図示しない蓋を用いて閉じておく。
【0055】
あるいは又、模式的な断面図を図4の(B)に示すように、透水性を有する袋50の中に実施例1〜実施例2の吸着剤(濾材40)を格納し、ボトル20内の液体あるいは水(飲料水や化粧水等)21の中に、この袋50を投入する形態を採用することもできる。尚、参照番号22は、ボトル20の口部を閉鎖するためのキャップである。
【0056】
あるいは又、模式的な断面図を図5の(A)に示すように、ストロー部材60の内部に実施例1〜実施例2の吸着剤(濾材40)を配し、吸着剤(濾材40)が流出しないように、図示しないフィルターをストロー部材の液体流入側及び液体排出側に配置する。そして、ボトル20の内の液体あるいは水(飲料水)21を、ストロー部材60の内部に配された実施例1〜実施例2の吸着剤(濾材40)を通過させて飲むことで、例えば、液体(水)を浄化、洗浄する。尚、参照番号61は、ボトル20の口部を閉鎖するためのキャップである。
【0057】
あるいは又、一部を切り欠いた模式図を図5の(B)に示すように、スプレー部材70の内部に実施例1〜実施例2の吸着剤(濾材40)を配し、吸着剤(濾材40)が流出しないように、図示しないフィルターをスプレー部材70の液体流入側及び液体排出側に配置する。そして、スプレー部材70に設けられた押しボタン71を押すことで、ボトル20の内の液体あるいは水(飲料水や化粧水等)21を、スプレー部材70の内部に配された実施例1〜実施例2の吸着剤(濾材40)を通過させて、スプレー穴72から噴霧することで、例えば、液体(水)を浄化、洗浄する。尚、参照番号73は、ボトル20の口部を閉鎖するためのキャップである。
【0058】
以上、好ましい実施例に基づき本開示を説明したが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。実施例において説明したマスクや吸着シート、浄水器等の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。また、本開示における吸着剤に関して、窒素BET法やNLDFT法に基づく比表面積や細孔径の値、細孔径分布について適切な範囲を説明したが、その説明は、比表面積の値や細孔径の値、細孔径分布が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。即ち、上記の適切な範囲は、あくまでも本開示の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、本開示の効果が得られるのであれば、比表面積の値等が上記の範囲から多少外れてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10・・・浄水器本体、11・・・吸着剤、12・・・第1充填部、13・・・綿、14・・・第2充填部、15・・・流入口、16・・・流出口、20・・・ボトル、21・・・液体あるいは水(飲料水や化粧水等)、22,61,73・・・キャップ、30・・・キャップ部材、31,32・・・フィルター、40・・・吸着剤(濾材)、50・・・袋、60・・・ストロー部材、70・・・スプレー部材、71・・・押しボタン、72・・・スプレー穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としたシリカ、及び、
シリカの表面を修飾したシランカップリング剤、
から成り、
シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカのBJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である吸着剤。
【請求項2】
ケイ素を含有する植物由来の材料を原料としたシリカ、及び、
シリカの表面を修飾したシランカップリング剤、
から成り、
シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカの非局在化密度汎関数法によって求められた細孔径分布において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計が0.1cm3/グラム以上あり、且つ、5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の0.2以上である吸着剤。
【請求項3】
シランカップリング剤には酸処理が施されており、シランカップリング剤の末端は特定の金属イオンと結合する官能基を有する請求項1又は請求項2に記載の吸着剤。
【請求項4】
シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカのBJH法による細孔の容積が0.1cm3/グラム以上である吸着剤の製造方法であって、
ケイ素を含有する植物由来の材料を焼成することでシリカを得た後、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾する吸着剤の製造方法。
【請求項5】
シリカの窒素BET法による比表面積の値が10m2/グラム以上、シリカの非局在化密度汎関数法によって求められた細孔径分布において、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計が0.1cm3/グラム以上あり、且つ、5nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の占める割合は、1nm乃至25nmの範囲内に細孔径を有する細孔の容積の合計の0.2以上である吸着剤の製造方法であって、
ケイ素を含有する植物由来の材料を焼成することでシリカを得た後、シリカの表面をシランカップリング剤で修飾する吸着剤の製造方法。
【請求項6】
シリカの表面をシランカップリング剤で修飾した後、シランカップリング剤に酸処理を施し、更に、シランカップリング剤の末端に特定の金属イオンと結合する官能基を付与する請求項4又は請求項5に記載の吸着剤の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸着剤を備えた水浄化用吸着剤。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸着剤を備えたマスク。
【請求項9】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸着剤から成るシート状部材、並びに、シート状部材を支持する支持部材から構成された吸着シート。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−81912(P2013−81912A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224481(P2011−224481)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】