説明

吸着材、有機物回収方法及び油分回収方法

【課題】水中の有機物や油分を簡易かつ効率的、低コストで回収する。
【解決手段】コアを構成する無機粒子及び金属粒子の少なくとも一方と、前記コアを被覆してなる表面張力の異なる少なくとも二種類のポリマーとを具え、表面に前記ポリマーの前記表面張力差に起因した凹凸構造が形成されてなる吸着材を用いて、油分の回収を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中から有機物や油分を回収するための吸着材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、工業の発達や人口の増加により水資源の有効利用が求められている。そのためには、工業排水などの廃水の再利用が非常に重要である。これらを達成するためには水の浄化、すなわち水中から他の物質を分離することが必要である。
【0003】
液体からほかの物質を分離する方法としては、各種の方法が知られており、たとえば膜分離、遠心分離、活性炭吸着、オゾン処理、凝集、さらには所定の吸着材による浮遊物質の除去などが挙げられる。このような方法によって、水に含まれるリンや窒素などの環境に影響の大きい化学物質を除去したり、水中に分散した油類、クレイなどを除去したりすることができる。
【0004】
これらのうち、膜分離はもっとも一般的に使用されている方法のひとつであるが、水中に分散した油類を除去する場合には膜の細孔に油が詰まり易く、膜の寿命が短くなりやすいという問題がある。このため、水中の油類を除去するには膜分離は適切でない場合が多い。このため重油等の油類が含まれている水からそれらを除去する手法としては、例えば重油の浮上牲を利用し、水上の設置されたオイルフェンスにより水の表面に浮いている重油を集め、表面から吸引および回収する方法、または、重油に対して吸着性をもった疎水性材料を水上に敷設し、重油を吸着させて回収する方法等が挙げられる。
【0005】
かかる観点より、近年においては、油分吸着材を用い、油類が分散した水中内に浸漬させることによって、前記油分吸着材に前記油類を吸着させ、前記水中から除去する試みがなされている。例えば、特許文献1には、磁性体粒子の表面に樹脂等の有機質を吸着させてなる油分吸着材を用い、水中から油分を吸着除去する技術が開示されている。しかしながら、この方法では、この方法では、水中への分散性が低く、前記機能性粒子が沈降したり、表面に浮遊したりしてしまう傾向があり、効率良く油分の吸着除去を行うことができなかった。
【0006】
また、特許文献2には、親水性ブロックと親油性ブロックとを有する油分吸着材としての吸着ポリマーを用いて油を吸着させ、その後その吸着ポリマーを水から除去する方法が開示されている。しかしながら、このような方法では吸着ポリマーと水の分離に労力がかかるだけでなく、油が吸着したポリマーが軟化して作業性が悪いという問題もある。
【0007】
一方で、特許文献3には、磁性化された吸着性粒子を用いて、油類を吸着した後の吸着性粒子を、磁気を用いて分離する方法も知られている。例えば、磁性体表面をステアリン酸で修飾し、その磁性体に水中の油を吸着させ、回収する方法が開示されている。しかしながら、この方法でも磁性体の表面修飾に低分子化合物であるステアリン酸やカップリング剤を使用するため、それらの低分子化合物が逆に水を汚染してしまう可能性が高いという問題がある。
【0008】
また、上述した特許文献1〜3のいずれにおいても、油分吸着材は油分を吸着した後はそのまま廃棄されてしまい、前記油分吸着材の利用効率が悪いという問題がある。さらに、利用に供する油分吸着材においても、その製造過程において規格外となるものはそのまま廃棄されてしまうことになり、かかる観点からも前記油分吸着材の利用効率が劣化してしまうことになる。この結果、必要な油分を吸着除去するには比較的多量の油分吸着材が必要となり、油分除去操作に関するコストが必然的に増大してしまうという問題があった。
【0009】
さらに水中に溶解している界面活性剤などの有機物は従来活性炭などにより吸着する方法が知られているが、吸着後は凝集剤などを添加して沈殿し分離するため再利用が難しいという問題があった。先述したような磁性を有する吸着剤であれば水中からの分離に凝集剤を使用しなくても良いため再利用が可能になるが、吸着効率を上げるには表面に細孔を作製しなくてはならず、このような方法は未だ開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭60−97087号
【特許文献2】特開平07−102238号
【特許文献3】特開2000−176306号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題に鑑み、水中の有機物や油分を簡易かつ効率的、低コストで回収することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、コアを構成する無機粒子及び金属粒子の少なくとも一方と、前記コアを被覆してなる表面張力の異なる少なくとも二種類のポリマーとを具え、表面に前記ポリマーの前記表面張力差に起因した凹凸構造が形成されてなることを特徴とする、吸着材に関する。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記吸着材を用いて水中の有機物を吸着する有機物回収方法に関する。
さらに、本発明の一態様は、上記吸着材を用いて水中の油分を吸着する有機物回収方法に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、水中の有機物や油分を吸着する吸着材を用いた回収方法を簡易かつ効率的に行い、前記方法を低コストで実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、実施形態に基づいて説明する。
【0016】
(吸着材)
本実施形態における吸着材は、無機粒子及び金属粒子の少なくとも一方がコアを構成し、ポリマーが前記コアを被覆して凝集したものである。前記無機粒子及び前記金属粒子は、吸着材のコアをなすものであるので、水中に短時間浸漬しても大きな化学変化を起こさないものから適宜選択する。
【0017】
例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス、タルク、アルミナ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、雲母等のセラミック粒子及び、アルミニウム、鉄、銅、及びこれらの合金等の金属粒子、及びこれらの酸化物である磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、マグネシアフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、バリウムフェライト、等を用いることができる。
【0018】
特に、以下に説明するように、上記吸着材を回収する際に有利であることから、前記無機粒子及び前記金属粒子は、磁性体を含むことが好ましい。
【0019】
磁性体は特に限定されるものではないが、室温領域において強磁性を示す物質であることが望ましい。しかしながら、本実施形態に当ってはこれらに限定されるものではなく、強磁性物質を全般的に用いることができ、例えば鉄、および鉄を含む合金、磁鉄鉱、チタン鉄鉱、磁硫鉄鉱、マグネシアフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、バリウムフェライト、などが挙げられる。
【0020】
これらのうち水中での安定性に優れたフェライト系化合物であればより効果的に本発明を達成することができる。例えば磁鉄鉱であるマグネタイト(Fe)は安価であるだけでなく、水中でも磁性体として安定し、元素としても安全であるため、水処理に使用しやすいので好ましい。
【0021】
また、本実施形態では、上記無機粒子及び金属粒子自体を磁性体とすることができる。この場合、前記磁性体は磁性粉として構成されるが、球状、多面体、不定形など種々の形状を取り得るが特に限定されない。また、望ましい磁性粉としての粒径や形状は、製造コストなどを鑑みて適宜選択すれば良く、特に球状または角が丸い多面体構造が好ましい。
【0022】
鋭角な角を持つ粒子であると、表面を被覆するポリマー層を傷つけ、吸着材の形状を維持しにくくなってしまうことがあるためである。これらの磁性粉は、必要であればCuメッキ、Niメッキなど、通常のメッキ処理が施されていてもよい。また、その表面が腐食防止などの目的で表面処理されていてもよい。
【0023】
また、上記磁性体は、上述のように直接磁性粉として構成される代わりに、前記磁性粉が樹脂等のバインダーで結合されたものであってもよい。すなわち、前記磁性体を磁力によって回収する際に、前記磁力が及ぶだけの磁性を有すれば特に限定されるものでない。
【0024】
上記磁性粉の大きさは、磁性粉の密度、用いられるポリマーの種類や密度、表面修飾する官能基の種類と量、など種々の条件によって変化する。しかしながら、本実施形態では、前記磁性粉の平均粒子径は、一般に0.05〜100μm、好ましくは0.2〜5μmである。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法により測定されたものである。具体的には、株式会社島津製作所製のSALD−DS21型測定装置(商品名)などにより測定することができる。
【0025】
上記磁性粉の平均粒子径が100μmよりも大きいと、凝集する粒子が大きくなりすぎて、油分回収工程の際に、水への分散が悪くなる傾向があり、また粒子の実効的な表面積が減少して、油類などの吸着量が減少する傾向にあるので好ましくない。また粒子径が0.05μmより小さくなると、1次粒子が緻密に凝集し、樹脂複合体の表面積が小さくなる傾向があるので好ましくない。
【0026】
なお、上述した平均粒子径は磁性粉の場合に限られず、上述したセラミック粒子等の無機粒子や非磁性の金属粒子に対しても好ましく、同様の作用効果を奏する。
【0027】
また、本実施形態において、上述した無機粒子等からなる吸着材のコアを被覆するポリマーは、表面張力の異なる少なくとも二種類のポリマーとする。これによって、表面張力の小さいポリマーが表面張力の大きいポリマーに引き寄せられるようになるので、得られる前記吸着材の表面には凹凸構造が形成されることになる。したがって、前記吸着材の実効的な表面積が増大するので、吸着可能な油分の量を増大させることができる。
【0028】
なお、上述した表面張力の差分に起因したポリマー間の引き寄せは、以下に示すような上記吸着材の製造過程、具体的には、上述したコアを構成する無機粒子等と上記ポリマーとを溶媒中に溶解した後、前記溶媒を揮発させる際において、前記ポリマーが前記無機粒子等の表面に析出する際に生じる現象である。したがって、上述した表面張力とは、前記析出時における表面張力を意味することになる。
【0029】
また、前記少なくとも二種類のポリマーの表面張力の差分は、1mN/m〜40mN/mであることが好ましい。これによって上述した作用効果が増大し、上記吸着材の表面に十分な大きさの凹凸構造を形成することができる。具体的には、幅が10nm〜1000nmであり、深さが10nm〜1000nmである大きさの凹凸構造を形成することができる。したがって、前記吸着材の実効的な表面積を十分に増大させることができ、吸着可能な油分量を十分に増大させることができるようになる。
【0030】
本実施形態において、前記少なくとも二種類のポリマーは、
構造A群:スチレン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、
からなる群より選ばれる少なくとも一つを主構造とするポリマーと、
構造B群:アクリロニトリル重合体、メタクリル酸アルキル重合体、アクリル酸アルキル重合体、ポリアセタール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一つと、
を含むことが好ましい。
【0031】
これらのポリマーを用いることにより、両者の表面張力の差分を上述したような好ましい範囲に設定することができ、上述した凹凸構造を吸着材の表面に形成することができるようになる。なお、上述した樹脂群の内、樹脂A群の方が樹脂B群よりも表面張力が大きい。
【0032】
上述した樹脂以外にも、上述した表面張力差、好ましくは上述した表面張力の差分を満足するような樹脂は存在する。しかしながら、本態様では、上記樹脂は吸着材の表面に位置して油分を吸着するものであって、実際に油分を吸着させる際には、水中に浸漬及び分散させることになる。したがって、上述以外の樹脂を用いた場合は、水中に浸漬させることによってかなりの部分が溶解してしまうことになるので、実際には油分吸着を行うことができない。
【0033】
したがって、上述した樹脂群は、吸着材の表面に凹凸構造を形成するという応用的な機能の観点のみならず、油分吸着という基本的な機能の観点からも好ましい。
【0034】
上述した樹脂群において、樹脂A群は親油性を呈し、樹脂B群は親水性を呈するので、前記樹脂A群が主として油分吸着能力に寄与し、前記樹脂B群が主として水分散性に寄与することになる。したがって、本実施形態の吸着材は油分吸着能力と水分散性とを両立させることができる。この結果、以下に説明するように、前記吸着材を用いて油分吸着を実施した際に、前記樹脂B群に起因して前記吸着材が油分を含む水中に沈降したり、水面に偏在したりせずに、水中の全体に亘って均一に分散するようになり、前記樹脂A群に起因して前記吸着材が前記油分を十分に吸着するようになるので、簡易かつ高効率で油分の回収を行うことができるようになる。
【0035】
特に、樹脂A群がポリスチレンを主成分とするポリマーであり、樹脂Bがポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル、及びポリビニルブチラールから選ばれる少なくとも一つを主成分とする樹脂であることが好ましい。これらの組み合わせを採用することにより、上述した作用効果に加えて、親水性と疎水性を併せ持つため、油分を吸着し、かつ水に分散しやすくなるという作用効果を得ることができる。
【0036】
(吸着材の製造)
次に、上述した本実施形態の吸着材の製造方法について説明する。
【0037】
最初に、上述した無機粒子等と、表面張力の異なる少なくとも二種以上のポリマー、例えば、上記樹脂A群の一つ以上及び上記樹脂B群の一つ以上と、溶媒Aとを準備し、これらを混合して、所定のスラリー溶液を調整する。実際には、前記無機粒子等と前記ポリマーとを溶媒Aに対して溶解させる。
【0038】
上記溶媒Aは、上述した無機粒子等とポリマーとを溶解し、上述したスラリー溶液を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは極性溶媒とする。極性溶媒は親水性に優れるので、無機粒子等の表面に微量に存在する水酸基と溶媒Aとが親和し、前記無機粒子等が凝集せず溶媒A中に均一に分散するようになる。
【0039】
なお、本実施形態で、“親水性”とは、水と自由に混和するものと定義し、具体的には1気圧において温度20℃で同容量の純水と緩やかにかき混ぜた場合に、流動がおさまった後も当該混合液が均一な外観を維持するものである。
【0040】
上記溶媒Aを非極性溶媒とすると、前記溶媒Aは疎水性溶媒(水の溶解度が10%以下のものと定義する)となるので、スラリー溶液中で無機粒子が凝集して不均一となる場合がある。このため以下に説明するスプレードライにより吸着材を製造した場合、無機粒子等を含まないものや、無機粒子等ばかりのものができてしまい、実際の油分吸着に適さない不良品の分別に多くの工程が必要になる。さらに、不良品の組成も均一でないため、再利用の際に、上記スラリー溶液に戻すには、その溶液濃度を設定値に保持すべく、前記不良品に対する組成分析が必要になり、再利用の工程が煩雑になってしまう。
【0041】
上記親水性の溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。好ましくは、様々なポリマーを溶解させることのできるアセトン、テトラヒドロフランがよい。
【0042】
次に、上述したスラリー溶液を噴霧乾燥する。この噴霧乾燥には、いわゆる有機物含有溶液から有機溶媒を除去して粒子状の前記有機物を得ることができるスプレードライ法を用いる。本実施形態において、前記有機物は、前記無機粒子等をコアとし、その周囲を上記ポリマーで被覆してなる樹脂複合体粒子であり、本発明の吸着材である。
【0043】
スプレードライ法によれば、スプレードライの環境温度や噴出速度などを調整することにより1次粒子が凝集した2次凝集体の平均粒子径が調整できる。なお、スプレードライ法を用いた場合は、凝集した1次粒子の間から有機溶媒が除去され、前記ポリマーが前記無機粒子等の表面に析出する際に、上述した表面張力の差分に起因したポリマー間の引き寄せが行われる。
【0044】
スプレードライ法は公知のいかなるものでも構わないが、例えばディスクタイプ、加圧ノズルタイプ、2流体ノズルタイプが挙げられる。
【0045】
(油分回収方法)
次に、上述の吸着材を用いた油分回収方法について説明する。油分回収操作は、油分を含んでなる水から、前記油分を分離するものである。ここで“油分”とは、水中に混和/分散している有機物のうち、一般に常温において液体であり、水に難溶性であり、粘性が比較的高く、水よりも比重が低いものをいう。より具体的には、動植物性油脂、炭化水素、芳香油などである。これらは、脂肪酸グリセリド、石油、高級アルコールなどに代表される。これらの油類はそれぞれ有する官能基などに特徴があるので、それに応じて上記吸着材を構成するポリマーや官能基を選択することができる。
【0046】
最初に、油分を含んでなる水に、上記吸着材を浸漬、分散させる。上述したように、吸着材の表面には凹凸構造が形成された実効的な表面積が増大しているとともに、例えば樹脂A群からなる親油性のポリマーが形成されているので、前記ポリマーと前記油分との親和性及び前記凹凸構造に起因して、前記油分が前記ポリマーに多量に吸着される。
【0047】
前記吸着材が前記油分を吸着した後、前記吸着材を水から分離し、結果として、前記水中に存在した前記油分を分離除去する。なお、前記吸着材を分離する際には、公知の方法、例えば上述した重力による沈降や、サイクロンを用いた遠心力を用いて容易に行うことができる。さらに、上記無機粒子等が磁性体を含む場合は、磁気による分離をも併用することが可能となる。
【0048】
油分回収処理の対象とされる水は特に限定されない。具体的には工業排水、下水、生活排水などに用いることができる。処理しようとする水に含まれる油分濃度も特に限定されない。
【0049】
次いで、上記吸着材によって油分を吸着して水中から除去した後は、前記吸着材を溶媒Bで洗浄して吸着した油分を除去する。この溶媒Bは、前記吸着材に使用されているポリマーを溶解しないものでなくてはならない。具体的には、溶媒Bへの溶解度が1000mg/L以下のものを用いる。
【0050】
このような溶媒は被覆するポリマーや表面修飾により異なるが、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキシルアルコール、シクロヘキサノールや、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジメチルアニリン、フロン、n−ヘキサン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
【0051】
この中でも、特に非極性の溶媒が好ましい。非極性の溶媒は疎水性を示し、特に油分との親和性が高くなるので、前記吸着材に吸着した前記油分の洗浄を簡易かつ効率的に行うことができる。また非極性溶媒を用いた場合には、劣化した吸着材の分離除去が非常に容易になる。なお、“疎水性”とは、水の溶解度が10%以下で、水と分離するものと定義する。特に、ヘキサンが油の溶解力が高く、沸点も約70度であって室温では常に安定した液体であるため、扱いやすく好ましい。
【0052】
また、溶媒Bとしてはアルコールをも好ましく用いることができる。この場合は、吸着材の表面に付着あるいは吸着した水と置換しやすく、油分以外の不純物を除去しやすい。アルコール類の中では、沸点の低いメタノールとエタノールが特に好ましい。
【0053】
本工程において、上記吸着材は、例えばカラムに充填し、その内部に溶媒Bを通過させる方法や、特に前記吸着材が磁性体を含むような場合は、洗浄槽中に入れるとともに多量の溶媒を投入し、サイクロンや磁力などの方法で分離させる方法が挙げられる。
【0054】
次いで、前記吸着材から油分を除去した後は、洗浄に使用した溶媒Bを乾燥させる。この際、前記吸着材が劣化しておらず、規格内となっている場合は、溶媒Bを完全に取り除くことで、もう一度吸着材して再利用できる。乾燥工程は特に限定されないが、例えば風通しの良いところで乾燥させたり、減圧乾燥させたり、カラムにつめて通風したりして溶媒を除去する。
【0055】
(有機物回収方法)
次に、上述の吸着材を用いた有機物回収方法について説明する。ここでいう有機物は油分とは異なり、水に溶解している物質のことである。より具体的には、界面活性剤、色素、におい物質に代表されるものである。これらの有機物はそれぞれ有する官能基などに特徴があるので、それに応じて上記吸着材を構成するポリマーや官能基を選択することができる。
【0056】
最初に、有機物を含んでなる水に、上記吸着材を浸漬、分散させる。油分の吸着よりも吸着に長い時間を有する場合が多い。上述したように、吸着材の表面には凹凸構造が形成された実効的な表面積が増大している。これら有機物はポリマー表面に吸着するため、表面積や細孔体積が大きくなればなるほど吸着効率が改善する。このため、本発明の吸着剤は、このような有機物の吸着に優れている。
【0057】
前記吸着材が前記有機物を吸着した後、前記吸着材を水から分離し、結果として、前記水中に存在した前記有機物を分離除去する。なお本工程においても、前記吸着材を分離する際には、公知の方法、例えば上述した重力による沈降や、サイクロンを用いた遠心力を用いて容易に行うことができる。さらに、上記無機粒子等が磁性体を含む場合は、磁気による分離をも併用することが可能となる。
【実施例】
【0058】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0059】
(実施例1)
吸着材の製造
構造A群のスチレンを主骨格とするポリスチレン(スチレン100%)と構造B群のメチルメタクリレートを主成分とするポリメチルメタクリレート(メチルメタクリレート100%)とを体積比9:1(構造B群を有するポリマーが10体積%)の割合で混合したポリマー6重量部を、300mlのテトラヒドロフラン中に溶解させて溶液とし、その溶液中に平均粒子径800nmの球状マグネタイト粒子40重量部(比表面積5.7m/g)を分散させて組成物を得た。この組成物を、ミニスプレードライヤー(柴田科学株式会社製、B−290型)を用いて噴霧し、球状に凝集した平均2次粒子径が約20μmの樹脂複合体、すなわち吸着粒子を製造した。
【0060】
AFM観察を行ったところ、前記ポリスチレン及び前記ポリメチルメタクリレート間の表面張力差に起因して凹凸構造がポーラス構造として観察された。観察された孔は、平均幅約50nm、平均深さ約20nmであった。
【0061】
次いで、前記孔がポリマーに起因することを確認するため、作製した吸着粒子をテトラヒドロフランに溶解し、マグネタイトをフィルターで分離した溶液を作製した。この溶液を表面が平滑なシリコンウエハ上に落とし、スピンコート法で薄膜を成型した。乾燥時間は約10秒であった。同様にAFMで観察したところ、平均幅約300nm、平均深さ約100nmの孔を有する凹凸構造が形成されていることが観察された。マグネタイトの存在しないところでも観察されたことから、この孔がポリマーに起因することが分かる。水銀圧入法により吸着粒子の細孔体積を測定したところ1.33mL/g(粒子間の空隙含む)であった。
【0062】
油分吸着
上述のようにして得た吸着粒子1gを1Lの共栓付三角フラスコに測り取り、直鎖脂肪族の油500μLを含む水200mlを加え、よく撹拌して前記吸着粒子に油を吸着させた。吸着粒子の水への分散性は良好であった。その後、磁石を用いて前記吸着粒子を三角フラスコに取り出した後、ヘキサン100mlを添加してよく撹拌して洗浄し、油を抽出した。このヘキサンを、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて分析し、前記吸着粒子の油の吸着量を求めたところ499.9μL以上(水中油分濃度検出限界以下)の油を吸着していた。
【0063】
また、前記吸着粒子を10mlのヘキサン中に投入しよく攪拌した。このヘキサン中から磁石を用いて前記吸着粒子を取り出し、ヘキサンを分析したところ、全量の油を脱離していた。この脱離後の前記吸着粒子をAFMで観察したところ、吸着前と同様に上記凹凸構造に起因したポーラス構造を維持していることが判明した。
【0064】
次いで、上記吸着粒子を洗浄した後、ステンレスバットに入れ、有機ドラフト中で30分乾燥させたところ、全量のヘキサンが飛んでいることがわかった。この後、前記吸着粒子を乾式のサイクロンにかけ、小さい粒子を除去し、残りを良品として回収した。このようにして得られた再生吸着粒子を、同様の試験で500μLの油含む水200mL中に投入し油を吸着させたところ、499.9μl以上の油分を回収していることがわかった。
【0065】
有機物吸着
また上述のようにして得た吸着粒子1gを1Lの共栓付三角フラスコに測り取り、ドデシル硫酸ナトリウム500ppmを含有する水200mlを加え、よく撹拌して前記吸着粒子にドデシル硫酸ナトリウムを吸着させた。その後、磁石を用いて前記吸着粒子を三角フラスコに取り出した後、水をLC/MSで分析したところ、約82%のドデシル硫酸ナトリウムを吸着していることが判明した。
【0066】
(実施例2)
構造B群のメチルメタクリレートを主成分とするポリメチルメタクリレート(メチルメタクリレート100%)に代えて、構造A群に属するスチレン(80%)/アクリロニトリル(20%)のランダム共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0067】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.13mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約70%であることがわかった。
【0068】
(実施例3)
構造B群のメチルメタクリレートを主成分とするポリメチルメタクリレート(メチルメタクリレート100%)に代えて、構造B群に属するスチレン(20%)/アクリロニトリル(80%)のランダム共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0069】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.20mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は良好であり、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約75%であることがわかった。
【0070】
(実施例4)
構造B群のメチルメタクリレートを主成分とするポリメチルメタクリレート(メチルメタクリレート100%)に代えて、構造B群に属するポリ乳酸を用い、さらに溶剤をテトラヒドロフランからクロロホルムに代えた以外は、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0071】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.27mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は良好であり、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約71%であることがわかった。
【0072】
(実施例5)
構造B群のメチルメタクリレートを主成分とするポリメチルメタクリレート(メチルメタクリレート100%)に代えて、構造A群に属するABS樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0073】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.15mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約72%であることがわかった。
【0074】
(実施例6)
構造A群のポリスチレンに代えて、同じ構造A群に属するスチレン(55%)/ブタジエン(45%)ランダム共重合体を用い、構造B群のポリメチルメタクリレートとの体積比が1:9の割合になるように混合した後、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0075】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.31mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約90%であることがわかった。
【0076】
(実施例7)
構造A群のポリスチレンに代えて、同じ構造A群に属するスチレン(81%)/イソプレン(19%)ランダム共重合体を用い、構造B群のポリメチルメタクリレートとの体積比が1:9の割合になるように混合した後、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0077】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.30mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約87%であることがわかった。
【0078】
(実施例8)
構造A群のポリスチレンに代えて、同じ構造A群に属するABS樹脂を用い、構造B群のポリメチルメタクリレートとの体積比が1:9の割合になるように混合した後、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0079】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.11mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約88%であることがわかった。
【0080】
(実施例9)
構造A群のポリスチレンに代えて、同じ構造A群に属するスチレン(80%)/アクリロニトリル(20%)のランダム共重合体を用い、構造B群のポリメチルメタクリレートとの体積比が1:9の割合になるように混合した後、さらに溶剤をテトラヒドロフランからアセトンに代えて、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0081】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.03mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約79%であることがわかった。
【0082】
(実施例10)
構造A群のポリスチレンに代えて、構造B群に属するポリビニルブチラールを用い、ポリメチルメタクリレートとポリビニルブチラールとの体積比を9:1とするとともに、溶剤をテトラヒドロフランからアセトンに代えて、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0083】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.16mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約85%であることがわかった。
【0084】
(実施例11)
構造A群のポリスチレンに代えて、構造B群に属するポリ乳酸を用い、ポリメチルメタクリレートとポリ乳酸との体積比を9:1とし、実施例1と同様にして吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0085】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造が形成されていることが観察され、また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ1.09mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣るものの、油分吸着(回収)量は499.9μl以上、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約88%であることがわかった。
【0086】
(比較例1)
構造B群に属するポリメチルメタクリレートを用いずに、実施例1と同様にしてポリスチレンからなる吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0087】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造は形成されていないことが判明した。また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ0.84mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は若干劣り、油分吸着(回収)量は499.9μl以上であるが、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約30%と低いことが判明した。
【0088】
(比較例2)
構造A群に属するポリスチレンを用いずに、実施例1と同様にしてスチレン(20%)/アクリロニトリル(80%)のランダム共重合体からなる吸着粒子(吸着材)を作製し、油分吸着及び有機物吸着を実施した。
【0089】
前記吸着粒子の構造を実施例1と同様にAFM等で観察したところ、凹凸構造は形成されていないことが判明した。また、水銀圧入法により細孔体積を測定したところ0.78mL/g(粒子間の空隙含む)であることが判明した。また、油分吸着及び有機物吸着を行う際の水分散性は良好であるが、油分吸着(回収)量は484.0μl以上であるが、ドデシル硫酸ナトリウム吸着(回収)量は約41%と低いことが判明した。
【0090】
以上、実施例及び比較例より、本発明に従った実施例においては、吸着粒子の表面に凹凸構造が形成され、これによって高い油分吸着能及び有機物吸着能を有することが判明した。
【0091】
また、上記実施例では、特許請求の範囲で規定した総ての樹脂A群及び樹脂B群に対する具体的なデータは示されていないが、上記実施例に示されていないその他の樹脂A群及び樹脂B群を用いた場合においても同様の作用効果が得られることが確認された。
【0092】
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアを構成する無機粒子及び金属粒子の少なくとも一方と、
前記コアを被覆してなる表面張力の異なる少なくとも二種類のポリマーとを具え、
表面に前記ポリマーの前記表面張力差に起因した凹凸構造が形成されてなることを特徴とする、吸着材。
【請求項2】
前記少なくとも二種類のポリマーの前記表面張力の差分が、1mN/m〜40mN/mであることを特徴とする、請求項1に記載の吸着材。
【請求項3】
前記少なくとも二種類のポリマーは、
構造A群:スチレン、ブタジエン、イソプレン、エチレン、プロピレン、
からなる群より選ばれる少なくとも一つを主構造とするポリマーと、
構造B群:アクリロニトリル重合体、メタクリル酸アルキル重合体、アクリル酸アルキル重合体、ポリアセタール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一つと、
を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸着材。
【請求項4】
樹脂A群がポリスチレンを主成分とするポリマーであり、樹脂Bがポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル、及びポリビニルブチラールから選ばれる少なくとも一つを主成分とする樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載の吸着材。
【請求項5】
前記凹凸構造の幅が10nm〜1000nmであり、深さが10nm〜1000nmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の吸着材。
【請求項6】
前記無機粒子及び金属粒子の少なくとも一方は、磁性体を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の吸着材。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の吸着材を用いて水中の有機物を吸着する有機物回収方法。
【請求項8】
請求項1〜6に記載の吸着材を用いて水中の油分を吸着する油分回収方法。

【公開番号】特開2010−207680(P2010−207680A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55010(P2009−55010)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】