説明

吸着構造体およびその製造方法

【課題】比表面積が大きく、吸着速度の速い、かつ、長寿命の吸着構造体を提供する。
【解決手段】エレクトロスプレー法により製造された、吸着性材料製の繊維及び/又は微粒子よりなる吸着構造体。キャピラリー1と基板電極2の間に電源3によって直流高電圧が印加されており、キャピラリー1から電荷を帯びた溶融高分子または高分子溶液が、電界中を電極2に向かって吸い寄せられる。このとき、高分子が低分子であるとスプレー状になり、高分子であると複数に分かれた繊維状となり、電極に向かって渦を巻くように引き寄せられ、電極2上にデポジットし、吸着構造体が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス処理または排水処理や超純水製造など、気相中や水中の有害物質の吸着除去または有用物質の回収などに使用される吸着構造体と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
I. イオン交換や吸着を必要とする工業分野ではイオン交換樹脂やイオン交換繊維などのイオン交換体が利用されている。イオン交換繊維を用いて気相中のガス成分を吸着除去しようとする試みは、従来から行われており、特開2000−102715ではイオン交換体として10〜50μmの繊維直径を持つイオン交換繊維を使用している。また、純水や排水中の金属イオン、あるいはイオン状物質を除去する目的ではイオン交換樹脂やイオン交換繊維が使用されている(特公平6−83790など)。これらイオン交換体はさらなる低圧力損失化、高効率化、長寿命化が求められている。
【0003】
イオン交換樹脂の交換基は樹脂表面よりも網目構造の内部に多く存在しているため、総交換容量の大きさに比べ反応速度が遅い。言い換えると樹脂内部への拡散速度が非常に小さいので、一定時間における総交換容量は小さくなる。樹脂の粒径を小さくして比表面積を大きくすると、圧損の上昇、樹脂の流出、フィルターの目詰まりというような問題が起きる。そこで、それらの欠点を補うためにイオン交換繊維が考えられた。イオン交換繊維は樹脂と比較して、比表面積が大きいため反応速度が大きいという利点がある。
【0004】
従来のイオン交換繊維を合成する方法としては、複合紡糸法により作製した繊維にイオン交換基を導入する方法がある。複合紡糸法は多数の島成分が海成分の中に存在する繊維を紡糸した後に、海成分を除去することにより、超極細繊維の束を得る方法であり、特開平6−272114、特開平7−97720等では0.01デニール以下の繊維を得ている。しかしながら、複合紡糸法は海島成分の高分子を溶融するために300℃前後の高温にする必要がある、溶融高分子を口金から押し出すために高圧力をかける必要がある、繊維を細くするために延伸する必要がある、などの点から、紡糸装置は巨大なものとなり、紡糸にはかなりのエネルギーを要する。また、紡糸後の複合繊維から海成分を除去するために多量の溶媒を使用し、多量の廃棄物がでる。さらに、紡糸した繊維を適宜切断し、カットファイバーとした後に、抄紙しシート状とする必要があり、工程数が膨大なものとなっていた。
【0005】
II. ノズル中の溶液に高電圧を印加することにより該ノズル先端から対電極に向って溶液を噴霧させて微小繊維や微粒子を製造するエレクトロスプレー法が公知である(例えば、下記非特許文献1)。
【0006】
このエレクトロスプレー法によって繊維又は微粒子を製造する装置にあっては、溶液は、微細な先端を持つガラスキャピラリーに収容され、キャピラリー内に電圧を印加するための電極(白金線)が挿入されている。キャピラリーの先端径は数10μmであり、キャピラリー先端から対電極となる導電性基板までの距離は5〜20cm程度である。このキャピラリーと基板との間に数kV〜数10kVの電圧を印加すると静電気力によってキャピラリー先端から液滴が噴射される。内部に電極を挿入したガラス製キャピラリーの代わりに、金属製ニードルを使用することも可能である。
【0007】
エレクトロスプレー現象のメカニズムは完全には解明されていないが、概略は以下のように考えられている。まず、電圧の印加によりノズル先端の液体表面に電極と反対符号の電荷をもつイオンが集まる。液体表面に蓄積された電荷と電場の相互作用によってキャピラリー先端では、メニスカスが半円球状に盛り上がる。より高い電圧の下では、テイラーコーン(Taylor-Cone)と呼ばれる円錐状のメニスカスが形成される。電圧をさらに大きくし、メニスカス表面の静電反発力が表面張力を上回ると、液体の一部がテイラーコーンから飛び出し、液滴あるいはジェットとして噴出を始める。噴出した液滴あるいはジェットは、強く帯電しており、電場により対電極へ引き寄せられる。場合によっては液滴内部での静電気力反発によってさらに分裂して細かい液滴あるいはジェットを形成する。このとき形成される液滴のサイズは極めて小さく、比表面積が非常に大きいため、きわめて短時間のうちに溶媒が蒸発する。通常、溶媒は飛行過程中に蒸発するので、対電極上には乾燥した溶質分子がデポジットされる。このとき対電極上には、ナノ・マイクロスケールの粒状、紡錘状、繊維状などの構造が形成される。一般に、分子量の比較的小さい試料(分子量数万程度)からは粒状構造が、分子量の比較的大きい試料(分子量数十万以上)からは繊維状構造が形成されやすい。
【特許文献1】特開2000−102715号
【特許文献2】特公平6−83790号
【特許文献3】特開平6−272114号
【特許文献4】特開平7−97720号
【非特許文献1】成形加工 Vol.16 No.9 2004
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、比表面積が大きく、吸着速度の速い、かつ、長寿命の吸着構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の吸着構造体は、エレクトロスプレー法により製造された、吸着性材料製の繊維及び/又は微粒子よりなるものである。
【0010】
請求項2の吸着構造体は、請求項1において、前記繊維及び/又は微粒子が、通気性又は透水性を有する支持体と一体化されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の吸着構造体は、請求項2において、該支持体が濾紙、濾布、織布、不織布、中空糸体、又は多孔質体であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4の吸着構造体は、請求項1ないし3のいずれか1項において、該繊維及び/又は微粒子が有機高分子よりなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5の吸着構造体は、請求項4において、該有機高分子がポリスチレン、スチレン共重合物、ポリ(2−ビニルピリジン)、又はポリ(4−ビニルピリジン)であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6の吸着構造体は、請求項4又は5において、少なくとも該繊維及び/又は微粒子がカチオン交換基、アニオン交換基、キレート形成基のうち、少なくとも1種の官能基を有することを特徴とするものである。
【0015】
請求項7の吸着構造体は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記繊維の径が0.01〜50μmであることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8の吸着構造体の製造方法は、吸着性材料製の繊維及び/又は微粒子よりなる吸着構造体を製造する方法において、該繊維及び/又は微粒子をエレクトロスプレー法により製造することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、エレクトロスプレー法を用い、簡便に吸着構造体を合成する。エレクトロスプレー法は、素材を溶融、あるいは溶媒に溶解又は分散できれば、基本的にどんな構造のものでも適用することができる。高電圧を印加する必要があるものの、合成に要する電流が著しく低いために、繊維を得るための必要なエネルギーは非常に少ない。また、得られる構造体は、複合紡糸法と異なり、延伸する必要がなく、抄紙の必要がないため、工程数も少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。まず、図1を参照してエレクトロスプレー法を概説する。
【0019】
キャピラリー1と基板電極2の間に電源3によって直流高電圧が印加されており、キャピラリー1から電荷を帯びた溶融高分子または高分子溶液が、電界中を電極2に向かって吸い寄せられるように飛散する。このとき、高分子が低分子であると飛散物はスプレー状になり、高分子であると複数に分かれた繊維となり、電極に向かって渦を巻くように引き寄せられ、電極上にデポジットし、繊維及び/又は微粒子の集合体が得られる。なお、電極2上にシート状の支持体を配置しておき、この支持体上にデポジットさせてもよい。
【0020】
キャピラリー1へは容器4内の高分子溶液がポンプ5を介して供給される。
【0021】
キャピラリー1の先端径は0.1〜10μm程度が好適である。キャピラリー1と電極2との間隔は1〜50cm程度が好適である。キャピラリー1と電極2との間の印加電圧は1〜100kV程度が好適である。
【0022】
得られる繊維及び/又は微粒子の集合体よりなる吸着構造体は、使用する素材、溶媒、印加電圧、電極間距離、溶液の送液速度などの条件により、粒状、繊維状など構造が変化する。
【0023】
吸着構造体としては、繊維集合体よりなるものが好ましく、その繊維径は0.01〜50μmが好ましく、0.02〜1μmがさらに好ましい。繊維径を小さくすることにより、比表面積を大きくすることができるが0.01μmより細くなると強度に問題でてくる。
【0024】
繊維及び/又は微粒子の集合体は、強度、成形性などの面から、支持体上に積層され、必要に応じ固定化されるのが好ましい。繊維及び/又は微粒子の集合体は、支持体上に直接合成しても良く、合成した後、支持体上に積層してもよい。前述の通り、電極2上に支持体を配置しておけば、支持体上に繊維及び/又は微粒子が直接にデポジットし、一体化する。
【0025】
支持体上に繊維及び/又は微粒子の集合体を固定するには、熱、溶剤等によって溶着する方法や、バインダー材を用いて接着する方法があるが、不純物の溶出を極力低減するためには熱溶着する方法が好ましい。
【0026】
積層するための支持体は連続した空隙を有するものであれば特に制限されないが、濾紙、濾布、織布、不織布、中空糸体、多孔質体などが好ましい。その孔径あるいは繊維間距離は特に制限されないが、0.1〜100μmが好ましく、0.1〜50μmが特に好ましい。大きくしすぎると繊維が孔径内に入り込み圧損の原因となる。また、0.1μmより小さいと支持体自身が圧損の原因となる。
【0027】
また、1本のキャピラリーから得られる吸着構造体の大きさには限界があるが、キャピラリーを配置することにより、広面積の吸着構造体を形成することもできる。また、噴霧時間を長く取ることにより厚みを自由にコントロールすることも可能である。
【0028】
支持体、繊維及び/又は微粒子の集合体の素材(出発物質)としては、特に制限されるものではないが、有機高分子の方がよい。ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアミドなどが使用されるがこの限りでなく、これらを構成するモノマーからなる共重合物などでもよい。
【0029】
有機高分子の溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クレゾール、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸メチル、水、メタノール、エタノール、などが使用されるがこの限りではない。
【0030】
吸着構造体は疎水的吸着効果によりそのままでも吸着体として使用できるが、必要に応じて例えば、イオン交換基などの官能基を導入して使用することもできる。また、元々イオン交換基を持つ有機高分子を用いて合成すれば、イオン交換基の導入は不要である。ただし、水溶性高分子を吸着構造体の出発物質として用いた場合、水に適用するためには別途架橋などの不溶化処理が必要である。なお、吸着構造体が支持体を有する場合、支持体にも官能基を導入してもよい。
【0031】
イオン交換基を導入する方法としては、高分子の種類により適宜選択される。例えば、ポリスチレンで合成した吸着構造体あれば、パラホルムアルデヒドと硫酸の共存下で加熱処理することにより、スルホン酸基が導入された強カチオン交換繊維が得られる。また、ポリスチレンをクロロメチル化ののち、4級アンモニウム化することにより、強アニオン交換繊維が得られる。また、酸触媒と潤滑剤の存在下で、ホルムアルデヒドおよびアシルアミノメチル化剤で処理した後、酸もしくは塩基触媒下で加水分解してアミノメチル基に変換し、さらにモノクロル酢酸で処理することにより、イミノジ酢酸基が導入されたキレート繊維を得ることができる。
【0032】
例えば、ポリ(4−ビニルピリジン)で合成した吸着構造体であれば、ジブロモブタンなどを接触させ、反応させることにより、架橋4級化することができ、強アニオン交換繊維が得られる。
【0033】
また、直接イオン交換基を導入できない有機高分子であっても、放射線やUVを用いて例えばスチレンやグリシジルメタクリレートなど反応性官能基をラジカル重合することによって、イオン交換基を導入することが可能である。
【0034】
ポリスチレンはそのような反応性官能基を導入する必要がなく、スルホン酸基導入が容易であり、好適に使用できる。また、ポリ(4−ビニルピリジン)も容易に架橋4級化が可能であり好適である。
【0035】
なお、支持体の厚さは0.1〜10mm程度が好適である。
【実施例】
【0036】
実施例1
平均重量分子量32万のポリスチレン(アルドリッチ製)をジメチルホルムアミド(和光純薬製)に濃度10wt%で溶解させ、図1に示すエレクトロスプレー法により、吸着構造体を製造した。エレクトロスプレー法の操作条件は、印加電圧10kV、電極間距離10cm、送液速度0.05mL/min、キャピラリー先端の直径0.5mmである。得られた吸着構造体は平均繊維径0.1μmの繊維集合体であった。
【0037】
パラホルムアルデヒド2gを添加した、80wt%硫酸溶液200mlに、得られた吸着構造体1gを浸漬し、60℃に加熱し1時間反応させた。反応後の吸着構造物をアルカリで処理した後、十分に水洗し、イオン交換容量を測定したところ、5.4meq/gであった。得られた吸着構造体1gを厚さ約1mm、直径47mmの円形状のポリエステル不織布(支持体)上に厚さ2mmとなるように積層した。この積層物に対し、10μg/LのNaイオン含有水を2L/minで通水する試験を行ったところ、Naイオン除去効率は99.9%であった。
【0038】
実施例2
実施例1と同様にしてポリスチレン吸着構造体を製造した。
【0039】
この吸着構造体を、パラホルムアルデヒド2gを添加した、80wt%硫酸溶液200mlに浸漬し、60℃に加熱し1時間反応させた。次いで、塩化第二スズ20mgを添加したクロロメチルエーテル180mlに反応後の吸着構造体を浸漬した後、30wt%トリメチルアミン水溶液200mlを添加し、30℃、1時間で反応させた。
【0040】
反応後の吸着構造体を塩酸で処理した後、十分に水洗してイオン交換容量を測定したところ、4.3meq/gであった。
【0041】
1gのこの吸着構造体を実施例1と同じポリエステル不織布上に厚さ2mmとなるように積層し、10μg/LのClイオン含有水を2L/minで通水する試験を行ったところ、Clイオン除去効率は99.9%であった。
【0042】
実施例3
図1において、基板電極2上に厚さ1mm、大きさ100×100mmのポリエステル不織布を配置した。
【0043】
平均重量分子量16万のポリ(4−ビニルピリジン)をエタノール(含水率2wt%)に15wt%となるように溶解させた溶液を用い、この不織布上に繊維集合体を図1に示すエレクトロスプレー法により直接積層した。エレクトロスプレー法の操作条件は、印可電圧10kV、電極間距離10cm、送液速度0.05mL/min、キャピラリー直径は0.5mmである。これにより平均繊維径約0.5μmの繊維集合体1gを得た。
【0044】
繊維集合体と不織布とが一体となったこの吸着構造体を10wt%ジブロモブタン−アセトン溶液500mlに30℃で接触させ、架橋4級化した。反応後の吸着構造体を塩酸で処理した後、十分に水洗し、イオン交換容量を測定したところ、4.5meq/gであった。この吸着構造体に、10μg/LのClイオン含有水を2L/minで通水する試験を実施したところ、Clイオン除去効率は99.9%であった。
【0045】
比較例1
直径80μmのポリスチレン繊維で抄紙した不織布(100×100×1.5mm)を、パラホルムアルデヒド5wt%、80wt%硫酸の混合溶液200mlに浸漬し、60℃に加熱し1時間反応させた。反応後の不織布をアルカリで処理した後、十分に水洗し、イオン交換容量を測定したところ、2.0meq/gであった。このイオン交換不織布に10μg/LのNaイオン含有水を20L/minで通水する試験を行ったところ、Naイオン除去効率は81%であった。
【0046】
比較例2
比較例1と同様のポリスチレン不織布を、パラホルムアルデヒド2g添加した、80wt%硫酸溶液200mlに浸漬し、60℃に加熱し1時間反応させた。次いで、塩化第二スズ20mgを添加したクロロメチルエーテル180mlに反応後の不織布を浸漬した後、30wt%トリメチルアミン水溶液200mlを添加し、30℃、1時間で反応させた。反応後の不織布を塩酸で処理した後、十分に水洗し、イオン交換容量を測定したところ、1.8meq/gであった。合成したイオン交換不織布に10μg/LのClイオン含有水を20L/minで通水する試験を行ったところ、Clイオン除去効率は75%であった。
【0047】
【表1】

【0048】
以上の実施例及び比較例の対比から明らかな通り、本発明によれば、従来のイオン交換繊維等の性能を大きく上回る高表面積の吸着構造体を簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】エレクトロスプレー法の説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 キャピラリー
2 電極
3 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロスプレー法により製造された、吸着性材料製の繊維及び/又は微粒子よりなる吸着構造体。
【請求項2】
請求項1において、前記繊維及び/又は微粒子が、通気性又は透水性を有する支持体と一体化されていることを特徴とする吸着構造体。
【請求項3】
請求項2において、該支持体が濾紙、濾布、織布、不織布、中空糸体、又は多孔質体であることを特徴とする吸着構造体。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、該繊維及び/又は微粒子が有機高分子よりなることを特徴とする吸着構造体。
【請求項5】
請求項4において、該有機高分子がポリスチレン、スチレン共重合物、ポリ(2−ビニルピリジン)、又はポリ(4−ビニルピリジン)であることを特徴とする吸着構造体。
【請求項6】
請求項4又は5において、少なくとも該繊維及び/又は微粒子がカチオン交換基、アニオン交換基、キレート形成基のうち、少なくとも1種の官能基を有することを特徴とする吸着構造体。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記繊維の径が0.01〜50μmであることを特徴とする吸着構造体。
【請求項8】
吸着性材料製の繊維及び/又は微粒子よりなる吸着構造体を製造する方法において、該繊維及び/又は微粒子をエレクトロスプレー法により製造することを特徴とする吸着構造体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−334469(P2006−334469A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159798(P2005−159798)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】