説明

吸着槽交換時期を監視するシステム及びこれを具備する揮発性有機化合物廃ガス処理装置

【課題】破過した吸着槽の交換時期を的確にかつ極めて簡単に把握することのできる吸着槽交換時期を監視するシステム、およびこれを具備する揮発性有機化合物廃ガス処理装置を提供する。
【解決手段】吸着槽1、2の破過点に基づいて被浄化ガスの流路を切り換えるとともに、吸着槽1、2の交換時期を監視するシステムであって、揮発性有機化合物検出センサ11による吸着槽1、2を通過した被浄化ガスのセンサ抵抗値Rsの計測、および同一揮発性有機化合物検出センサ11による標準ガス吸入口からの標準ガスのセンサ抵抗値Raの計測を交互に繰り返して計測し、計測データを基に、式Rs/Raにより前記吸着槽の破過点を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被浄化ガス中の揮発性有機化合物廃ガス(以下、廃VOCガス)を処理する吸着槽の交換時期を監視するシステム、およびこれを具備する揮発性有機化合物廃ガス処理装置(以下、廃VOCガス処理装置)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1−5に開示されているような被浄化ガス(大気環境に揮発性有機化合物(以下、VOC)を含む廃ガスが排出される場合に、有害性をもたらす濃度値以上のVOCを含むガスのことをいう)中の廃VOCガス(大気環境に排出されようとしている被浄化ガス中のVOCガスをいう)を処理する吸着槽において、従来、吸着容量の超過により被吸着体である廃VOCガスが吸着されずに通過する破過点を、予め吸着槽に吸着可能な揮発性有機化合物ガス(以下、VOCガス)の量から、一定濃度下での吸着可能時間で設定しており、その吸着可能時間の経過によって吸着槽の交換時期を判断している。
【0003】
しかしながら、廃VOCガス排出濃度が一定でない作業環境においては、破過が起こったか否かを正確に判断できないまま、吸着槽の交換を余儀なくされ、廃VOCガスの大気中への排出、あるいは吸着槽の交換回数の増大に繋がる、といった問題が生じていた。
【特許文献1】特開2006−88001号公報
【特許文献2】特開平5−257338号公報
【特許文献3】特開2004−033987号公報
【特許文献4】特開2005−257338号公報
【特許文献5】特開平6−165911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑み、破過した吸着槽の交換時期を的確にかつ極めて簡単に把握することのできる吸着槽交換時期を監視するシステム、およびこれを具備することによる吸着槽の交換を容易に報知できる廃ガス処理装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、被浄化ガス中の廃VOCガスを対象とした吸着槽の破過点に基づいて、被浄化ガスの流路を切り換えるとともに、前記吸着槽の交換時期を監視するシステムであって、前記被浄化ガスが前記吸着槽を通過したのち、少なくともその一部を被計測ガスとした揮発性有機化合物検出センサ(以下、センサ)によるセンサ抵抗値Rsの計測、および同一センサによる標準ガス吸入口から吸入する標準ガスのセンサ抵抗値Raの計測を交互に繰り返して計測する手段と、得られた計測データを基に、式Rs/Raにより前記吸着槽の破過点を算出する手段と、を備えることを特徴とする吸着槽の交換時期を監視するシステムを提供する。
【0006】
第2には、Rs/Ra>濃度値Xでは未破過状態、Rs/Ra<=濃度値Xでは破過状態と判定するシステム、第3には、廃VOCガスである被計測ガスおよび標準ガスの一方または両方をセンサに誘導する吸引ポンプを有するシステム、第4には、被計測ガスの流路を切り換える開閉式の被計測ガス用流路切換バルブを有するシステム、第5には、標準ガスの流量を調節する開閉式の標準ガス用流量調節バルブを有するシステム、第6には、標準ガス吸入口とセンサとの間に、標準ガスを清浄する第一吸着体を有するシステム、第7には、センサと吸引ポンプとの間に、標準ガスを清浄する第二吸着体を有するシステム、第8には、破過状態を示すRs/Ra<=濃度値Xとなる前に前記吸着槽の緊急交換を報知する手段をさらに備えるシステム、第9には、破過状態を示すRs/Ra<=濃度値Xとなる前であって、Rs/Ra<=濃度値Y(但し、濃度値X<濃度値Y<1)のときに、前記吸着槽の緊急交換を報知するシステムを提供する。
【0007】
また、本発明は、上記の課題を解決するものとして、第10には、被浄化ガスを吸入する吸入口と、廃VOCガスに対する少なくとも1つの吸着槽と、廃VOCガスを吸着して有害性をもたらす濃度値以下に浄化済みのガス(以下、浄化ガス)を排出する排出口とを備える処理装置において、前記いずれかの吸着槽交換時期を監視するシステムを備える、ことを特徴とする廃VOCガス処理装置をも提供する。
【0008】
上記のとおりの特徴を有する本発明は、1つのセンサにより吸着槽の排気側の濃度計測と外部からの大気ガス(以下、外気)等つまり標準ガスの計測を交互に繰り返して、それぞれのセンサ抵抗値を比較しながら破過点を決める、定量性のある容易な吸着槽交換時期を監視するシステムおよび廃VOCガス処理装置である。
【0009】
従来、吸着層へ吸引または排出される被浄化ガスの流量が変動したり、その中に含まれる廃VOCガス濃度は必ずしも一定ではなく、また作業内容によっては間歇的になっているのが現状である。あるいは、吸着槽が具備する吸着物によっては等温吸着量が一定ではなく、例えば一度吸脱着した場合に宿命的に平衡吸着量が残存することがあるなど、的確に破過状態を把握されていない状況もある。吸着槽の交換が遅くなれば大気汚染や周辺の環境悪化に繋がり、交換が早過ぎれば交換の負担が増大するが、上記のとおりの特徴を有する本発明によれば、これらの問題点を解消できるほか、例えば化学物質排出把握管理促進法(PRTR)に定められているような大気へのVOC排出量の把握が時々刻々の計測濃度値の積算から可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示す本発明の一実施形態では、まず、一つ以上の吸着槽1、2の排出口それぞれに対して、浄化ガスを引き込むガス濃度計測用の流路を各種構成要素3〜12を用いて構成してあり、この計測用流路では、吸引ポンプ10により例えば標準ガスとして外気と吸着槽1、又は2からの排出口ガス(以下、浄化ガス)を交互に吸引する。計測用流路制御および破過検出は、センサ出力処理、バルブの開閉切り換え等の制御、及び情報判断処理装置12により自動化されている。なお、吸引ポンプ10の代わりに、たとえばブロアの利用も可能である。ブロアは、図1の被浄化ガスをバルブ5又は6を通過させて、かつ吸着槽1又は2を通過させて浄化ガスを外部に誘引するために設置されている駆動体である。この浄化ガスは吸着槽が破過に至るまでの標準ガスとして用いることができる。ブロアによる吸引流量は吸引ポンプのそれに比して一般的に過大であるためにバルブ9は流量調整が可能とする開閉式バルブとしておく。
【0011】
この実施形態についてさらに説明すると、まず、交換対象である2つの吸着槽1、又は2の一方(例えば吸着槽1とする)に吸引または排出される廃VOCガスが吸着される工程において、吸着槽1を通過して排出される浄化ガスを、小型の吸引ポンプ10による吸引によってバルブ7を開路しセンサ11に導入させ、その濃度に対応するセンサ出力電圧Vsを計測する。
【0012】
計測終了後、バルブ7、8とも閉路とし、次にバルブ9を開路して、標準ガスとして、例えば外気を吸引し、センサ11によりその濃度を計測する。このとき、標準ガスを吸引した際には、センサ11に付着した微量のVOCやその他の微量な挟雑物質を除去することもでき、これによって、センサ11を比較的正常に機能させることができる。そして、標準ガスとしての機能を十分に発揮させるため、外気等を簡単な小型のカートリッジ状の第一吸着体3を通過させることが望ましく、特に、標準ガスとして外気を利用する場合には、外気に含まれる微量のVOC等を除去することができる。標準ガスとしては、外気以外にも、例えば、空気ボンベ等を利用してもよい。本発明における第一吸着体3の吸着物は、特殊なものである必要はなく、VOCを少しでも吸着する物質、たとえば活性炭のようなもののほかに、簡単なフィルタ類でもよい。ただし、前もってVOCを吸着していないものであることが望ましい。なお、本発明においては、計測後の被計測ガスを小型のカートリッジ状第二吸着体4によって浄化して大気に排出する構成としてもよい。
【0013】
センサ11は、たとえば図2に示した半導体型センサとすることができ、これにおいて、吸着槽1からの被計測ガス計測時のセンサ11の抵抗値は、Rs=(Vc/Vs−1)×RL、小型のカートリッジ状第一吸着体3からの標準ガスとしての外気計測時のセンサ11の抵抗値は、Ra=(Vc/Va−1)×RLで求められる。ここで、Vs=被計測ガス計測時のセンサ出力電圧、Va=外気計測時のセンサ出力電圧、Vc=印加電圧(回路電圧)、RL=VRL+RL0=センサ負荷抵抗値、RL0=センサ設置時に固定する一定の抵抗値、VRL=センサ設置時に負荷抵抗を固定するための調整可能な抵抗値である。このセンサ抵抗値Rsは、VOCガスに触れると小さくなる、つまりVsは大きくなる。
【0014】
同一のセンサ11を使用することでVcとRLはともに一定であるので、被計測ガス計測時の出力Vsと外気計測時の出力Vaを観測すれば、それぞれの抵抗値の比Rs/Raを求めることができ、この値からガス濃度を算出できる。したがって、破過点を大気に排出してよいVOCの種類によって法令等で予め決められている規定濃度と仮定とし、その濃度に対するセンサ抵抗値比を濃度値Xとすると、未破過状態ではRs/Ra>X、破過状態ではRs/Ra<=Xとなる。
【0015】
以上の破過点決定処理は図1におけるセンサ出力処理、バルブの開閉切り換え等の制御、及び情報判断処理装置12により自動的に実行される。
【0016】
一般的に吸着槽1、2の活性炭等の吸着物は、破過開始点に達すると、VOCガスの吸着能力が急激に失われ飽和吸着点に達するという特徴を有する。従って規定濃度は破過開始点と飽和吸着点との間になるように設定されるように、かつ、大気に排出される浄化ガス濃度が規定濃度を超えないように設定される必要がある。
【0017】
図2において負荷抵抗RLを可変抵抗VRLにより測定が可能な適正値に調整後、VOCの一つであるトルエンを例にとり、20ppmから350ppmまでのトルエン濃度に対するセンサ抵抗値比Rs/Raを求めて、その関係を図3に例示する。いま仮に大気に排出することができる濃度が50ppmと規定されているとすると、図3から、トルエン濃度50ppmにおけるRs/Raは0.14程度である。これらの数値以下では明らかに破過状態に達していることを意味する。
【0018】
図4は、上述した本発明の吸着槽交換時期を監視するシステムの全体の処理フローチャートである。本発明では、廃VOCガス処理装置における吸着槽1、又は2の破過状況に応じて被浄化ガスの流路を選択する(バルブ5、6の開閉制御)。吸着槽1、又は2の一方が破過状態になると(Rs/Ra<=濃度値X)他方に自動的に切換え、切換え後、破過状態の吸着槽を交換する。また、吸着槽1、又は2のいずれか一方が破過状態になっており(Rs/Ra<=濃度値X)、さらに、もう一方の吸着槽も破過に陥ろうとしたとき(Rs/Ra<=濃度値Y(但し、濃度値X<濃度値Y<1))、緊急に交換すべきであることを報知する。そして、すべての吸着槽が破過状態になった場合に、装置は自動で停止する。
【0019】
より具体的には、図1の装置の初期化後(S1)、まず吸着槽1が破過状態か否かを判定し(S2)、まだ破過状態でなければ(S2−No)、吸着槽1をα、バルブ5をβ、バルブ7をγとプログラム上設定し(S3)、αの流路上のβを開路、吸着槽2の流路上のバルブ6を閉路とする(S4)。次にブロアを稼動させ(S5)、ガス濃度計測をバックグラウンドで開始する(S6)。バックグラウンドとは、S6、S9、S14からの開始要求や停止要求を受けながら並列に動作することを意味する。
【0020】
ここで、システムの停止要求が作業者や管理者等によって発行されているか否かを判断し(S7)、停止要求が発行されておらず(S7−No)、かつα(この場合α=吸着槽1)の破過を検出していなければ(S8−No)、再びシステムの停止要求が発行されているか否かを判断する(S7)。停止要求が発行されておらず(S7−No)、かつαの破過を検出していれば(S8−Yes)、ステップS6で開始したガス濃度計測を停止し(S9)、αを破過状態と判定して(S10)、引き続き吸着槽1の破過状態を確認する(S2)。
【0021】
続いて、吸着槽1が破過状態になると(S2−Yes)、吸着槽2が破過状態か否かを判定し(S11)、未破過状態であれば(S11−No)、吸着槽2をα、バルブ6をβ、バルブ8をγとプログラム上設定し(S12)、吸着槽1の流路上のバルブ5を閉路、αの流路上のβを開路とし(S4)、引き続き処理S5−S10を行う(この場合α=吸着槽2)。この間に破過状態にある吸着槽1を未破過状態の吸着槽と交換する。S7―S8の繰り返しの途中でシステム停止要求があるときは(S7−Yes)、バックグラウンドでのガス濃度計測の停止要求を発行し(S14)、ブロアを停止し(S15)、バルブ5〜6を閉路として(S16)、システムを終了する。ここで、バックグラウンドで処理させたガス濃度計測に対する停止要求(S9、S14)は、ガス濃度計測フローの処理を直ちに停止させるのではなく、センサ11の洗浄(後述の図5におけるS108−S110)を行った上で停止する。また、すでに開始している場合に再び開始要求が発行された場合には、ガス濃度計測はガス濃度計測フローの最初の処理(S101)に移る。
【0022】
吸着槽1が破過状態であり(S2)、続いて吸着槽2が破過状態であるか判定し(S11)、もし破過状態である、すなわち吸着槽1および吸着槽2両方が破過状態である場合にはシステム停止要求を待ち(S13)、バックグラウンドで処理していたガス濃度計測および破過状態表示を停止し(S14)、ブロアを停止し(S15)、バルブ5〜6を閉じ(S16)、システムを終了する。
【0023】
上記バックグラウンドで処理されるガス濃度計測は、たとえば図5のフローチャートのとおり、第一吸着体3からの標準ガスとしての外気等に対するセンサ出力電圧Vaと吸着槽1からの浄化ガスに対するセンサ出力電圧Vsとを一つのセンサ11で求める。
【0024】
一つのセンサを用いることによってVsやVaの毎回の計測に際しての温度、風速等の環境的な外的条件の影響を小さくする。ガス濃度計測後に処理情報を図4のシステムフローに伝えるだけでなく、第一吸着体3からの外気によりセンサ11の洗浄を行う。
【0025】
より具体的には、まず、γを閉路とし、バルブ9を開くとともに吸引ポンプ10を稼動させて(S101)、第一吸着体3を通過した標準ガスとしての外気のセンサ出力電圧Vaを一定時間計測する(S102)。計測後、バルブ9を閉じ、図4のシステムフローの作動中のα、すなわち吸着槽1又は2に応じて、γ、すなわちバルブ7又は8のいずれかを開いて(S103)、αの浄化ガスのセンサ出力電圧Vsを一定時間計測する(S104)。計測後、吸引ポンプ10を停止し、γを閉じる(S105)。計測したVaおよびVsに基づき、前述したセンサ抵抗値の式を用いて、センサ抵抗値比Rs/Raを求め、濃度値X以下か否かを判断する(S106)。
【0026】
濃度値X以下でない場合は(S106−No)、X<Y<1なる濃度値Yと比較し(S111)、Y以下であれば(S111−Yes)破過状態が近づいているとして破過警告を検出する(S112)。破過警告の検出は、たとえば活性炭のように、破過に到達するにしたがって除々に排出口濃度が濃くなる場合に適用できる。濃度値Yを設定することで、吸着槽の状態は未破過/破過直前/破過の3種類で判断され、破過直前にて破過警告を発するシステムとなる。ここで、図5のフローにおいて破過警告を検出した場合(S112)、図6に例示した破過状態表示フローにおいて、α以外も全て破過状態である場合には(S203−Yes)、破過状態の吸着槽の緊急交換をディプレイ表示等により指示し(S204)、破過状態でない吸着槽がある場合には(S203−No)、破過状態の吸着槽に対する通常通りの交換を指示する(S205)。破過警告を検出していない場合も(S202−No)も同様に通常の交換を促す(S205)。これにより、一方の吸着槽が既に破過して、他方の吸着槽も破過に達しようとしたとき、緊急で交換するように促すことができる。濃度値1から濃度値Xに至る前に濃度値Yを設けると、たとえば廃VOCガスが破過点以下に近い濃度で排出されている場合の監視の精度を高めることや、可能な限り吸着して吸着槽の効率的な使用ができて交換コストを抑えたいという要求にも応えられる。
【0027】
図5のフローに戻り、センサ抵抗値比Rs/Raが濃度値X以下となった場合は(S106−Yes)、破過を検出したと判断して(S107)、γを閉じて、バルブ9を開き、吸引ポンプ10を稼動させて(S108)、一定時間吸引ポンプを稼動させてガスセンサ11を洗浄する(S109)。洗浄後、吸引ポンプ10を停止し、バルブ9を閉じる(S110)。破過を検出したと判断した場合は(S107)、破過検出の情報を図4のシステムフローに伝えて、α(稼働中の吸着槽1又は2)が破過状態と判断する(S8)。破過状態にある吸着槽は速やかに未吸着吸着槽と交換する。
【0028】
センサ11として、ここに例示した半導体型センサのみならず接触燃焼型センサ等VOCガスに有効に機能するガスセンサであればいずれもこのシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態を示す図
【図2】ガスセンサの一例を示す回路図
【図3】本発明について説明するための図
【図4】本発明における吸着槽交換時期を監視するシステムフローチャート
【図5】本発明におけるガス濃度計測フローチャート
【図6】本発明における破過状態表示フローチャート
【符号の説明】
【0030】
1 吸着槽
2 吸着槽
3 小型カートリッジ状吸着体
4 小型カートリッジ状吸着体
5 バルブ
6 バルブ
7 バルブ
8 バルブ
9 バルブ
10 吸引ポンプ
11 ガスセンサ
12 センサ出力処理、バルブの開閉切り換え等の制御、及び情報判断処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被浄化ガス中の揮発性有機化合物廃ガスを対象とした吸着槽の破過点に基づいて、前記被浄化ガスの流路を切り換えるとともに、前記吸着槽の交換時期を監視するシステムであって、前記被浄化ガスが前記吸着槽を通過したのち、少なくともその一部を被計測ガスとした揮発性有機化合物検出センサによるセンサ抵抗値Rsの計測、および同一の揮発性有機化合物検出センサによる標準ガス吸入口から吸入する標準ガスのセンサ抵抗値Raの計測を交互に繰り返して計測する手段と、得られた計測データを基に、式Rs/Raにより前記吸着槽の破過点を算出する手段と、を備えることを特徴とする吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項2】
前記吸着槽を、Rs/Ra>濃度値Xでは未破過状態、Rs/Ra<=濃度値Xでは破過状態であると判定する、請求項1に記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項3】
被計測ガスおよび標準ガスの一方または両方を揮発性有機化合物検出センサに誘導する吸引ポンプを有する、請求項1または2に記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項4】
被計測ガスの流路を切り換える開閉式の被計測ガス用流路切換バルブを有する、請求項1から3のいずれかに記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項5】
標準ガスの流量を調節する開閉式の標準ガス用流量調節バルブを有する、請求項1から4のいずれかに記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項6】
標準ガス吸入口と揮発性有機化合物検出センサとの間に、標準ガスを清浄する第一吸着体を有する、請求項1から5のいずれかに記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項7】
揮発性有機化合物検出センサと吸引ポンプとの間に、被計測ガスを浄化する第二吸着体を有する、請求項3から6のいずれかに記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項8】
破過状態を示すRs/Ra<=濃度値Xとなる前に前記吸着槽の緊急交換を報知する手段をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項9】
破過状態を示すRs/Ra<=濃度値Xとなる前であって、Rs/Ra<=濃度値Y(但し、濃度値X<濃度値Y<1)のときに、前記吸着槽の緊急交換を報知する、請求項8記載の吸着槽交換時期を監視するシステム。
【請求項10】
被浄化ガスを吸入する吸入口と、被浄化ガス中の揮発性有機化合物廃ガスに対する少なくとも1つの吸着槽と、浄化済みのガスを排出する排出口とを備える揮発性有機化合物廃ガス処理装置において、請求項1から9のいずれかに記載の吸着槽交換時期を監視するシステムを備える、ことを特徴とする揮発性有機化合物廃ガス処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−125670(P2009−125670A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303522(P2007−303522)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(506209422)地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センター (134)
【Fターム(参考)】