説明

吸脱湿剤、デシカント空調用吸脱湿剤組成物、成形体およびデシカント空調システム

【目的】 本発明の目的は、高い吸湿性、放湿性を有し、かつその吸湿、放湿性能を短時間で発現することのできる吸脱湿剤を提供することにある。
【解決手段】
−SO3で表される基を1.5mmol/g以上有する重合体からなる吸脱湿剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸湿性および脱湿性能が高く、特に吸湿速度および脱湿速度ともに優れる吸脱湿剤、吸脱湿剤組成物、成形体、デシカントロータおよびデシカント空調システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気中の湿気を除去する手段として、圧縮機を用いる方法が多くとられてきた。しかしながら、圧縮機を用いる方法では、フロンガスを用いること、圧縮機が発する騒音、振動があること、さらには電気消費量が大きいことなどが問題であった。
そこで、この圧縮機を用いる方法の問題点を解決するものとして、デシカントを用いたデシカント空調が検討されている。
デシカント空調では、除湿したい空気をデシカントロータに通過させ、空気中の水分をデシカントロータに含まれるデシカントに吸着させ、空気から脱湿を行う。デシカントは、相対湿度を下げた空気をデシカントロータに通すことによって、デシカントロータから水分を取り出し、室外へ排気する。
このデシカント空調で用いられるデシカントとしては、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、五酸化リン等の吸湿剤が用いられてきたが、これらの吸湿剤は、吸湿量が多く、また吸湿速度も速いが、潮解性があるために、吸湿後液状化して他を汚染したり、成形し難く、再生が困難である等の欠点があった。また、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、活性アルミナ、活性炭等の吸湿剤は、前記のような問題がないものの、吸湿量が少ないこと、吸湿速度が遅く、また再生に高温を要する、さらには吸脱湿の繰返しにより粉末化が起きるといった欠点があり、実用化の妨げとなっていた。
これに対し、有機系の吸湿剤として、カルボキシル基を有する高分子重合体が検討され、例えば、カルボキシル基のナトリウム塩やカリウム塩の構造を有する架橋アクリロニトリル系重合体粒子などが検討されている。しかしながら、このカルボキシル基のナトリウム塩やカリウム塩の構造を有する粒子は、粒子にこれらの構造を導入するために加水分解工程が必要であり、製造工程が煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−17101号公報
【特許文献2】特開2001−11320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、高い吸湿性、放湿性を有し、かつその吸湿、放湿性能を短時間で発現することのできる、デシカント空調に最適な吸脱湿剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を有する重合体(以下、「特定重合体」という)からなることを特徴とする吸脱湿剤を提供するものである。
【0006】
一般式(1)
【0007】
【化1】



【0008】
(一般式式(1)中R〜Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、Rは−SO3で表される基、下記(a)で表される基、下記(b)で表される基または下記(c)で表される基である。なお、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)
【0009】
(a)
【化2】



【0010】
(b)
【化3】



【0011】
(c)
【化4】



【0012】
一般式(2)
【0013】
【化5】



【0014】
(一般式(2)中、R〜R12は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基および−SO3で表される基から選ばれ、R〜R12の少なくとも1つは−SO3で表される基である。なお、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)
一般式(1)および一般式(2)において、R〜Rである1〜3のアルキル基およびR〜R12である1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基を、RおよびR〜R12である−SO3で表される基のRとしては、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基、アミノ基などが好ましい。前記アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどを、アミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンジブチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアミン、モルホリン、ピペリジンなどを、アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウムなどを例示することができる。また、これらのカチオン種は、種々のイオン交換技法により他種のカチオン種と相互に交換することが可能である。
本発明において特定重合体は、−SOで表される基を1.5mmol/g以上、好ましくは2.0mmol/g以上含有する。−SOで表される基の含有量が1.5mmol/g未満であると、十分な吸湿性能が得られず、空調用の脱吸湿剤としての使用に不適切である。なお、−SOで表される基のRは一般式(1)および一般式(2)と同様の基を示す。
本発明において、−SOで表される基の測定方法としては、試料となる特定重合体を十分に乾燥後、1gを精秤し、100gのイオン交換水に分散後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて滴定する方法である。
このような−SO表される基を1.5mmol/g以上含有する特定重合体は、例えば、以下の方法によって得ることができる。
本発明における特定重合体の製造方法としては以下の方法を挙げることができる。
(1)−SOで表される基を有する単量体と架橋性単量体を共重合する方法
−SOで表される基を有する単量体(以下、スルホン酸基含有単量体ともいう。)としては、−SOで表される基を有し、かつ、重合性不飽和基を有する化合物が用いられる。具体的には、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有芳香族ビニル系化合物;イソプレンスルホン酸(即ち、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸)などのスルホン酸基含有脂肪族ジエン系化合物;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びこれらの塩などが挙げられる。このうちでも単量体の反応性の観点からイソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸が好ましい。
【0015】
なお、−SOで表される基含有単量体は、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0016】
架橋性単量体は1分子中に2個以上の重合性不飽和基または反応性基を有するものが好ましい。具体的には、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これら架橋性単量体は1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
【0017】
また、−SOで表される基を有する単量体および架橋性単量体以外のその他の単量体を共重合することもできる。
【0018】
その他の単量体としては、芳香族ビニル系化合物、共役ジエン系化合物、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアン化ビニル系化合物、アクリルアミドなどを挙げることができるが、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸やヒドロキチエチルメタクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい
−SOで表される基を有する単量体は、重合する全単量体のモル比に対して、5〜95モル%、好ましくは10〜80モル%、架橋性単量体は重合する全単量体のモル比に対して3〜60モル%、好ましくは5〜50モル%、その他の単量体の共重合割合は、重合する単量体全量モル比に対して1〜90モル%、好ましくは、5〜80モル%、特に好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは5〜40モル%である。
【0019】
重合方法は、(水)溶液重合、乳化重合、ミニエマルション重合、懸濁重合、沈殿重合などが挙げられる。
このようにして得られる重合体の重量平均分子量範囲は、通常2000〜1000000、好ましくは5000〜500000である。
(2)−SOで表される基を含まない単量体と架橋性単量体を共重合した後、共重合体をスルホン化する方法
−SOで表される基を含まない単量体は、芳香族ビニル系単量体及び脂肪族ビニル系単量体のうち少なくとも一方、好ましくはガラス転移温度の調整の観点から両方を含むものであり、また、適宜、他の単量体を含むことができる。
【0020】
上記芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどが挙げられる。中でも、スチレンが好ましく用いられる。
【0021】
芳香族ビニル系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
上記脂肪族ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,2−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどのほか、分岐した炭素数4〜7の各種脂肪族あるいは脂環族ジエン類が挙げられる。中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく用いられる。
【0023】
架橋性単量体としては、前記(1)の方法と同様のものを使用することができる。
【0024】
重合方法としては、溶液重合、乳化重合などが挙げられる。次いで、−SOで表される基を含まない単量体と架橋性単量体との共重合体をスルホン化するが、スルホン化の方法としては、公知の方法、例えば日本化学会編集、新実験講座(14巻 III、1773頁)、あるいは、特開平2−227403号公報などに記載された方法を用いることができる。
【0025】
具体的には、共重合体中の二重結合部分あるいは芳香族環を、スルホン化剤と適宜溶媒を用いてスルホン化し、さらに必要に応じて水又は塩基性化合物を作用させることにより得ることができる。スルホン化の際には、二重結合が開環して単結合になるか、あるいは、二重結合を残したまま水素原子が−SO(Rは水素原子または1価の金属原子)で表される基と置換する。芳香族環の場合には、主としてパラ位がスルホン化される。
【0026】
上記スルホン化剤の好適な例としては、無水硫酸、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体のほか、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩(Na塩、K塩、Li塩など)などが挙げられる。
【0027】
上記電子供与性化合物としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル類;ピリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類;ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのスルフィド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル化合物などが挙げられる。中でも、スルホン化が安定に進行する観点から、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサンが好ましい。
【0028】
上記溶媒としては、スルホン化剤に不活性な溶媒が用いられる。具体的には、クロロホ
ルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸
化イオウ、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水
素;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;水等が挙げられる。
【0029】
これらの溶媒は、1種を単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。
【0030】
上記塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属ア
ルコキシド;メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、アミルリチウム、プロピルナトリウム、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシウムアイオダイド、ジエチルマグネシウム、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機金属化合物;アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリ
ブチルアミン、ピリジン、ピペラジンなどのアミン類;ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、亜鉛などの金属化合物を挙げることができる。これらの塩基性化合物は、1種単独で使用することも、また2種以上を併用することもできる。これらの塩基性化合物の中では、アルキル金属水酸化物、アンモニア水が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが好ましい。
(3)−SOで表される基を有する単量体を重合する方法
−SOで表される基を有する単量体(以下、スルホン酸基含有単量体ともいう。)としては、上記(1)の方法と同様に−SOで表される基を有し、かつ、重合性不飽和基を有する化合物が用いられる。具体的には、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有芳香族ビニル系化合物;イソプレンスルホン酸(即ち、2−メチル−1,3−ブタジエン−1−スルホン酸)などのスルホン酸基含有脂肪族ジエン系化合物;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸、スルホエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロパンスルホン酸及びこれらの塩などが挙げられる。このうちでも単量体の反応性の観点からイソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸が好ましい。
なお、−SOで表される基含有単量体は、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
−SOで表される基を有する単量体はその他の単量体と共重合することができ、その他の単量体としては、芳香族ビニル系化合物、共役ジエン系化合物、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアン化ビニル系化合物、アクリルアミドなどを挙げることができるが、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸やヒドロキチエチルメタクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
−SOで表される基を有する単量体は、重合する全単量体のモル比に対して、5〜95モル%、好ましくは10〜80モル%、架橋性単量体は重合する全単量体のモル比に対して3〜60モル%、好ましくは5〜50モル%、その他の単量体の共重合割合は、重合する単量体全量モル比に対して1〜90モル%、好ましくは、5〜80モル%、特に好ましくは5〜50モル%、さらに好ましくは5〜40モル%である。
重合方法は、(水)溶液重合、乳化重合、ミニエマルション重合、懸濁重合、沈殿重合などが挙げられる。
このようにして得られる重合体の重量平均分子量範囲は、通常2000〜1000000、好ましくは5000〜500000である。
上記(1)〜(3)の方法に示されるようにして得られた特定重合体には、必要に応じて架橋剤を添加して用いることができる。特に、上記(3)の方法に挙げられるように、架橋性重合体を用いずに得られた特定重合体には、架橋剤を添加することが好ましい。
添加する架橋剤としては、上記単量体の重合体と架橋構造を形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、以下のようなものを使用することができる。このような架橋剤の好ましい例としては、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ジヒドラジド系架橋剤、(ブロック)イソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤などの架橋剤;珪素、亜鉛、チタン、ジルコニアなどの無機金属を有するアルコキシド系架橋剤、キレート系架橋剤を挙げることができる。
添加する架橋剤は、上記特定重合体100重量部に対して1〜100重量%、好ましくは1〜50重量%である。
なお、これら添加する架橋剤は、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0031】
本発明において、特定重合体は水に溶解または分散することが可能であり、特定重合体の分散粒径は数十nm〜数μm程度の任意の粒子径とすることができる。また、本発明の重合体は水に分散または溶解できるため、バインダー成分を添加することなく基材に担持させることも可能となる。
【0032】
本発明の吸脱湿剤は、特定重合体を主成分としてなり、必要に応じて上記架橋剤を添加したものである。
本発明の吸脱湿剤は、通常、何らかの基材に担持させて使用される。基材としては特に制限は無く、不職布、メッシュ、紙、パルプ、樹脂、金属、ガラスなどが挙げられる。
また基材の形状は特に制限は無く、粒子状、繊維状、シート状、フィルム状、ハニカム状など適宜の形状に形成することができる。
ここで、基材に担持させる吸脱湿剤の量は、通常30〜1000g/m程度である。
本発明の吸脱湿剤を基材に担持させる方法は特に制限されるものではないが、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター、ナイフコーター、ドクターブレード、スクリーン印刷、スプレー塗布、スピンコーター、アプリケーター、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、(マイクロ)グラビアコーター、ディップコート、フレキソ印刷、ポッティング、すきこみ処理等の手法を用いることができ、他の基材例えば転写基材上に塗布した後に転写してもよい。
本発明の吸脱湿剤を基材に担持させるためには、必要に応じてバインダーとなる樹脂と混合して添加し、吸脱湿剤組成物として用いてもよい。
バインダーとしては、例えばアクリル系樹脂、アクリルシリコン樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、カルボジイミド樹脂、(ブロック)イソシアネート樹脂などをあげることができる。
本発明の吸脱湿剤には、必要に応じて、レベリング剤、塗れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、顔料、無機充填剤等の任意添加成分を添加することができる。
【0033】
本発明の吸脱湿剤は、特にデシカント空調用に好適である。デシカント空調には、熱交換機タイプ、ロータータイプ、ブロックタイプなどのデシカント空調システムに用いることができる。
【実施例】
【0034】
次に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
以下において、「%」とは、特別な記載がない場合、「重量%」を示す。「部」とは、特別な記載がない場合、「重量部」を示す。
(実施例1)
ビーカー中に、イオン交換水441部、ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)320部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)20部、過硫酸ナトリウム5%水溶液20部を投入し溶解し水溶性モノマー溶液を作製した。
【0036】
別のビーカー中に、シクロヘキサン1300部、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム70%溶液(リカサーフ M−30)7.1部を溶解した乳化剤溶液を作製した。
上記で作製した水溶性モノマー溶液に乳化剤溶液を攪拌しながら滴下し、全量加えた。その後氷浴中で冷却しながら超音波分散機(「UH−600S」、SMT社製)を用いて120秒間の超音波照射を3回行い、逆相エマルションを得た。得られた逆相エマルションをセパラブルフラスコ中に全量移し、70℃で3時間加熱した後、減圧乾燥することによりビニルスルホン酸ナトリウム−メチレンビスアクリルアミド共重合体を得た。得られた共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒径0.2μmであった。
(実施例2) ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)360部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)10部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製した。
【0037】
得られたビニルスルホン酸ナトリウム−メチレンビスアクリルアミド共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒子径0.3μmであった。
(実施例3)
ビーカー中に、イオン交換水681部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)80部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)20部、過硫酸ナトリウム5%水溶液20部を投入し溶解し水溶性モノマー溶液を作製した。
【0038】
別のビーカー中に、シクロヘキサン1300部、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム70%溶液(リカサーフ M−30)7.1部を溶解した乳化剤溶液を作製した。
上記で作製した水溶性モノマー溶液に乳化剤溶液を攪拌しながらゆっくり滴下し、全量加えた。その後氷浴中で冷却しながら超音波分散機(「UH−600S」、SMT社製)を用いて120秒間の超音波照射を3回行い、逆相エマルションを得た。得られたエマルションをセパラブルフラスコ中に全量移し、70℃で3時間加熱した。その後、減圧乾燥することにより2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−メチレンビスアクリルアミド共重合体を得た。得られた共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒子径0.2μmであった。
(実施例4)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)90部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)10部に変更した以外は、実施例3と同様の方法で作製した。
【0039】
得られた2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−メチレンビスアクリルアミド共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒子径0.3μmであった。
(実施例5) セパラブルフラスコ中に、イオン交換水300部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液15部を投入し75℃まで加熱した。その後、過硫酸ナトリウム5%水溶液6部を投入した。次にO/W型エマルション(イオン交換水37部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10%水溶液25部、スチレン75部、ジビニルベンゼン20部、メタクリル酸5部)を3時間かけて滴下した。その後80℃で2時間加熱した。冷却後、水酸化ナトリウム3.5%水溶液9部を添加し、スチレン−ジビニルベンゼンのエマルションを得た。得られたエマルションの固形分濃度は20.6%であり重合転化率が97%であった。透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ、一次粒子径が47nmであった。
【0040】
得られたラテックスをスプレードライヤ(パイロットシリーズL−1 2型、大川原化工機社製)を用いて乾燥しスチレン−ジビニルベンゼン(DVB)共重合体の粉体を得た。
【0041】
得られたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体の粉体10部に1,2−ジクロロエタン80部を加え、室温で1時間保持して膨潤させた。次いでこれに濃硫酸120部を加え、60℃で8時間反応させた。イオン交換水250部を1時間かけて加えて濃硫酸を希釈し、濾過した。得られたスルホン化スチレン(スルホン化ST)−ジビニルベンゼン共重合体を100℃で乾燥し水分を除去した。乾燥後のスルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体5部をイオン交換水100部に再分散させ、水酸化ナトリウム5%水溶液16.5部により中和した。
(実施例6)
ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)360部、アクリルアミド(AAM)9部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)1部に変更した以外は、実施例1と同様の方法で作製した。
【0042】
得られたビニルスルホン酸ナトリウム−メチレンビスアクリルアミド共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒子径0.3μmであった。
(実施例7)
イソプレンスルホン酸ナトリウム塩40%水溶液(IPS)326部、アクリル酸80%水溶液(AA)221部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中のイソプレンスルホン酸ナトリウム塩、アクリル酸のモル比は、25/75である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水165部および35%過酸化水素水26部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間続けたのち、48%水酸化ナトリウム水溶液45部を添加して部分中和を行った。得られたイソプレンスルホン酸ナトリウム塩−アクリル酸共重合体の部分中和物の重量平均分子量は15,000であった。
続いて、得られた共重合体の部分中和物40%水溶液100部に架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤25%水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒製)32部を添加し硬化性組成物を得た。
(実施例8)
架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤25%水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒製)16部に変更した以外は、実施例7と同様の方法で作製した。
(実施例9)
イソプレンスルホン酸ナトリウム塩40%水溶液(IPS)487部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート95%水溶液(HEMA)146部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中のイソプレンスルホン酸ナトリウム塩、2-ヒドロキシエチルメタクリレートのモル比は、50/50である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水122部および35%過酸化水素水27部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間行った。得られたイソプレンスルホン酸ナトリウム塩−2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体の部分中和物の重量平均分子量は10,000であった。
続いて、得られた共重合体40%水溶液100部に架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤40%水溶液(カルボジライト V−02、日清紡ケミカル株式会社)20部を添加し硬化性組成物を得た。
(実施例10)
架橋剤としてカルボジイミド系架橋剤40%水溶液(カルボジライト V−02、日清紡ケミカル株式会社)5部に変更した以外は、実施例9と同様の方法で作製した。
(実施例11)
イソプレンスルホン酸ナトリウム塩40%水溶液(IPS)301部、アクリル酸80%水溶液(AA)141部、ジアセトンアクリルアミド20%水溶液(DAAM)102部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中のイソプレンスルホン酸ナトリウム塩、アクリル酸、ジアセトンアクリルアミドのモル比は、30/65/5である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水224部および35%過酸化水素水4部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間続けたのち、48%水酸化ナトリウム水溶液29部を添加して部分中和を行った。得られたイソプレンスルホン酸ナトリウム塩−アクリル酸−ダイセトンアクリルアミド共重合体の部分中和物の重量平均分子量は 30,000であった。
続いて、得られた共重合体の部分中和物33%水溶液100部に架橋剤としてジヒドラジド系架橋剤40%水溶液(アジピン酸ジヒドラジド、ADH)3部を添加し硬化性組成物を得た。
(実施例12)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸38%水溶液(AMPS)172部、アクリル酸80%水溶液(AA)101部、ジアセトンアクリルアミド20%水溶液(DAAM)67部を混合して単量体水溶液を調製した。この単量体水溶液中の、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸、ジアセトンアクリルアミドのモル比は、20/75/5である。攪拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素ガス導入管を付設した容量1リットルの四ツ口セパラブルフラストに、水481部および35%過酸化水素水3部を入れ、フラスコ内温を100℃に保ち、上記単量体水溶液を2時間かけて滴下した。単量体水溶液を添加終了後さらに重合を1時間続けたのち、48%水酸化ナトリウム水溶液22部を添加して部分中和を行った。得られた2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩−アクリル酸−ダイセトンアクリルアミド共重合体の部分中和物の重量平均分子量は 300,000であった。
続いて、得られた共重合体の部分中和物20%水溶液100部に架橋剤としてジヒドラジド系架橋剤40%水溶液(アジピン酸ジヒドラジド、ADH)2部を添加し硬化性組成物を得た。
(参考例1)
ビーカー中に、イオン交換水441部、ビニルスルホン酸ナトリウム25%水溶液(SVS)56部、アクリルアミド(AAM)66部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBA)20部、過硫酸ナトリウム5%水溶液20部を投入し溶解し水溶性モノマー溶液を作製した。
【0043】
別のビーカー中に、シクロヘキサン1300部、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム70%溶液(リカサーフ M−30)7.1部を溶解した乳化剤溶液を作製した。
上記で作製した水溶性モノマー溶液に乳化剤溶液を攪拌しながら滴下し、全量加えた。その後氷浴中で冷却しながら超音波分散機(「UH−600S」、SMT社製)を用いて120秒間の超音波照射を3回行い、逆相エマルションを得た。得られた逆相エマルションをセパラブルフラスコ中に全量移し、70℃で3時間加熱した後、減圧乾燥することによりビニルスルホン酸ナトリウム−アクリルアミド−メチレンビスアクリルアミド共重合体を得た。得られた共重合体は透過型電子顕微鏡(H−7650、日立ハイテク社製)にて観察したところ一次粒径0.2μmであった。
(参考例2)
架橋剤としてオキサゾリン系架橋剤25%水溶液(エポクロスWS−700、日本触媒製)を添加しないこと以外は、実施例7と同様の方法で作製した。
(比較例1)
比較材料としてポリアクリル酸ナトリウム塩架橋物である市販の高吸水性樹脂(アクアキープ SA60S、住友精化社製)を用いた。
(比較例2)
比較材料として市販の合成ゼオライト(HS−320 ナトリウムY、和光純薬社製)を用いた。
[評価]
上記のようにして得られた重合体の各々について、12時間吸湿量、12時間脱湿量、10分吸湿量、10分脱湿量、12時間吸湿後外観を評価した。なお、実施例7〜12および参考例2で得られた硬化性組成物に関しては、150℃のオーブンにて30分焼成後の硬化物を粉体状にした後、同様に評価した。評価方法は下記のとおりである。
(−SOで表される基の測定)
実施例で得られた重合体を十分に乾燥後、1gを精秤し、100gのイオン交換水に分散後、5%NaOH水溶液を用いて滴定した。なお、実施例7〜12および比較例2で得られた硬化性組成物に関しては、重合体中の−SOの量を実際の単量体の仕込みより計算して算出した。
(吸湿試験)
実施例で得られた重合体1gを熱風乾燥機により120℃で12時間乾燥して重量を測定する(W1)。次に温度30℃で相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に12時間または10分静置して重量を測定する(W2)。吸湿量は以下の式で求めた。
【0044】
吸湿量(重量%)=[(W2−W1)/W1]×100
(脱湿試験)
前記吸湿試験後の重合体(W2)を50℃、相対湿度約10%RHに調整した恒温槽に12時間または10分静置して重量を測定する(W3)。脱湿量は以下の式で求めた。
【0045】
脱湿量(重量%)=[(W2−W3)/W1]×100
(12時間吸湿試験後外観)
12時間吸湿試験後の各材料の外観(べたつき、変形など)を目視で確認した。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
表1〜3に示すとおり、本発明の実施例1〜12で得られた吸脱湿剤によれば、優れた吸湿特性と50℃という低温での脱湿特性を有しており、吸湿後の外観変化もほとんど見られない。これは高濃度で−SOXで表される基を有することと高架橋により発現していると考えられる。一方、比較例1〜2は吸脱湿特性が不十分、または吸脱湿特性が十分であっても吸湿後外観のべたつきが発生することによりデシカント空調向けのデシカント材料として不向きである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の吸脱湿財は優れた吸湿特性、低温再生を有しているためデシカント空調向けのデシカント材料として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される構造単位および下記一般式(2)で表される構造単位から選ばれる少なくとも1種を有する重合体からなることを特徴とする吸脱湿剤。
一般式(1)





(一般式(1)中R〜Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、Rは−SO3で表される基、下記(a)で表される基、下記(b)で表される基または下記(c)で表される基である。なお、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)
(a)





(b)





(c)





一般式(2)





(一般式(2)中、R〜R12は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基および−SO3で表される基から選ばれ、R〜R12の少なくとも1つは−SO3で表される基である。なお、Rは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)
【請求項2】
前記重合体が−SO3で表される基(ここでRは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム基またはアミノ基である。)を1.5mmol/g以上有することを特徴とする請求項1記載の吸脱湿剤。
【請求項3】
前記重合体が架橋構造を有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の吸脱湿剤。
【請求項4】
さらに架橋剤を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸脱湿剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸脱湿剤とバインダーを含むことを特徴とする吸脱湿剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の吸脱湿剤を含有する成形体。
【請求項7】
請求項6に記載の成形体を有することを特徴とするデシカント空調システム。

【公開番号】特開2013−107070(P2013−107070A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97658(P2012−97658)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】