吸込具構成部材

【課題】嵩張らないようにすることができる吸込具を構成する吸込具構成部材を提供すること。
【解決手段】吸込具構成部材であって、筒状体(30)は、それぞれが山折りされることにより当該筒状体(30)が平坦化される位置に形成された第1稜線及び第2稜線(30j)を有し、当該筒状体(30)が平坦化された第1状態と、当該筒状体(30)の内部に所定の空間が形成されており吸込具(10)として使用可能な第2状態との間で切り替え可能であり、第2状態とされたときの当該筒状体(30)の接続部側(30b)の端部における第1稜線と第2稜線(30j)との間のうち少なくとも一方側に形成されており当該端部における第1稜線と第2稜線(30j)との中間位置を含む部分の外形を略平面状に保持しながら当該中間位置を挟む両側を屈曲するような形状に導く屈曲誘導手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸引パイプに取り付けて使用する吸込具を構成する吸込具構成部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機の吸引パイプに接続して狭い場所等を清掃するための吸込具が知られている。一般に、吸込具は、強度や耐久性を考慮して合成樹脂等で成形されている。この吸込具を吸引パイプに接続してトイレ、玄関、油分付着面等の不清潔な場所を清掃した後、その吸込具を接続したままリビング等を清掃することに抵抗を感じる場合には、不清潔な場所の清掃後に吸込具を洗浄する必要があった。
【0003】
この課題を解決するものとして、例えば、特許文献1に記載された使い捨ての吸込具が挙げられる。この特許文献1に記載の吸込具は、例えば紙からなる折り曲げ可能な板状部材を筒状に形成したノズルを有し、このノズルは、一端に吸引口を有し他端に接続口を有するとともに、吸引口から接続口に向かって縮径する形状を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−172936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されるような筒状に形成された吸込具は、その内部に空間を有するので、収納時や輸送時には嵩張るという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、嵩張らないようにすることができる吸込具を構成する吸込具構成部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、吸込具における筒状体に、接続部から吸込部に至る形状を有し、かつ、外側に凸となっており山折りが可能な2本の稜線を設けることが考えられる。この2本の稜線は、そこで山折りされることにより当該筒状体を平坦化させることができる位置に形成される。このようにすれば、吸込具は、収納時や輸送時には、2本の稜線をそれぞれ山折りして吸込具を平坦化させておくことができる。そして、使用時には、各稜線同士が互いに近づくように当該稜線に力を加えることにより、筒状体の内部に所定の空間が形成されて吸込具として使用可能な状態とすることができる。
【0008】
しかしながら、各稜線同士が互いに近づくように当該稜線に力を加えると、筒状体における各稜線の中間位置のなす角が非常に小さくなってこの部分に折れが発生しやすい。このことは、径の小さな接続部側でより顕著となる。そして、この中間位置のなす角が非常に小さくなった状態、あるいは、この中間位置に折れが発生した状態の吸込具が吸引パイプと接続された場合、吸込具の外周面と吸引パイプの先端の内周面とは、各稜線の部分はそれぞれ点接触となり、各稜線の中間位置も略点接触となるため、両者の接触箇所が少なくなることにより吸込具が吸引パイプから脱落しやすくなる。
【0009】
そこで、本発明者らは、接続部側の端部に、当該端部における各稜線の中間位置を含む部分を略平面状に保持する手段を備えることにより、吸込具として使用可能な筒状にされた状態においても、筒状体における各稜線の中間位置のなす角が小さくなること、あるいは、この部分に折れが発生することを抑制することができる点に想到した。
【0010】
本発明は、このような観点からなされたものであり、一端に掃除機の吸引パイプに接続される接続部を有し他端に吸込部を有して前記吸込部から前記接続部に向かって縮径する形状の筒状体を有する吸込具を構成する吸込具構成部材を提供する。この吸込具構成部材の前記筒状体は、それぞれが前記接続部から前記吸込部に至る形状を有するとともに外側に凸となっており、かつ、山折りされることにより当該筒状体が平坦化される位置に形成された第1稜線及び第2稜線を有し、前記第1稜線及び前記第2稜線がともに山折りされて当該筒状体が平坦化された第1状態と、当該筒状体の内部に所定の空間が形成されており吸込具として使用可能な第2状態との間で切り替え可能である。さらに、この吸込具構成部材の前記筒状体は、前記第2状態とされたときの当該筒状体の前記接続部側の端部における前記第1稜線と前記第2稜線との間のうち少なくとも一方側に形成されており当該端部における前記第1稜線と前記第2稜線との中間位置を含む部分の外形を略平面状に保持しながら当該中間位置を挟む両側を屈曲するような形状に導く屈曲誘導手段を有する。
【0011】
本発明の吸込具構成部材は、筒状体が平坦化された第1状態と、筒状体の内部に所定の空間が形成されており吸込具として使用可能な第2状態との間で切り替え可能であるので、収納時や輸送時には第1状態とし使用時には第2状態とするというように、状況に応じてその形態を変更することができる。
【0012】
さらに、この吸込具構成部材は、筒状体が第2状態とされたときの当該筒状体の接続部側の端部における各稜線の中間位置を含む部分の外形が略平面状に保持される。具体的に、この吸込具構成部材は、筒状体が第2状態とされたときの当該筒状体の接続部側の端部における第1稜線と第2稜線との間のうち少なくとも一方側に形成されており当該端部における第1稜線と第2稜線との中間位置を含む部分の外形を略平面状に保持しながら当該中間位置を挟む両側を屈曲するような形状に導く屈曲誘導手段を有するので、筒状体を第2状態とするときに各稜線に外力が加えられても、その端部は、第1稜線と第2稜線との中間位置を含む部分の外形が平面に保持されながらその両側で屈曲するような形状となる。よって、筒状体における各稜線の中間位置のなす角が小さくなること、あるいは、この部分に折れが発生することを抑制することができる。
【0013】
この場合において、前記屈曲誘導手段は、前記接続部側の端部における各稜線の中間位置を挟むように互いに離間した位置から前記吸込部側に向かって延びる形状を有する一対の切込部であることが好ましい。
【0014】
このようにすれば、筒状体を第2状態とするときに各稜線に加える外力は、一対の切込部で遮られて接続部側の端部における各稜線の中間位置を含む部分に伝達されないので、この一対の切込部で挟まれた部分の外形を平面状に保持しやすくなる。よって、筒状体における各稜線の中間位置のなす角が小さくなること、あるいは、この部分に折れが発生することを一層抑制することができる。
【0015】
また、本発明は、前記吸込部における前記第1稜線と前記第2稜線との間のうち前記屈曲誘導手段が形成された側の外形が外側に凸の湾曲形状であることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、筒状体における屈曲誘導手段が形成された部分と吸込部における湾曲形状となった部分とが協働することにより、筒状体のうち屈曲誘導手段が形成された側の外形を湾曲形状に保ちやすくなる。その結果、この吸込具が吸引パイプに接続されたとき、筒状体のうち湾曲形状の外形を有する部分と吸引パイプの先端の内周面とが線接触するようになるので、両者の接触箇所が十分に確保されて吸込具の吸引パイプからの脱落を一層抑制することができる。
【0017】
また、本発明において、前記一対の切込部は、前記接続部側の端部における前記第1稜線と前記第2稜線との間を3等分する位置に形成されていることが好ましい。
【0018】
このようにすれば、筒状体の接続部側の端部のうち一対の切込部が形成された側の外形が円弧状に近くなるので、筒状体のうち一対の切込部が形成された側の外形を湾曲形状に保ちやすくなる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、嵩張らないようにすることができ、かつ、吸引パイプからの脱落を抑制することができる吸込具を構成する吸込具構成部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の吸込具の斜視図である。
【図2】図1に示した吸込具を接続部側から見た状態の斜視図である。
【図3】図1に示した吸込具のYZ面での断面斜視図である。
【図4】図1に示した吸込具を吸込部側から見た状態を説明する図である。
【図5】図1に示した吸込具を構成する吸込具構成部材の展開図である。
【図6】図1に示した吸込具を掃除機の吸引パイプに接続し吸込部を床面に当接させた状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の好ましい実施形態について、図1ないし図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、図1に示す吸込具10における軸方向をY軸方向とし、当該吸込具10を平坦化するように折り畳むときの折り畳み方向をZ軸方向とし、Y軸及びZ軸のそれぞれと直交するとともに後述する第1稜線30hと第2稜線30jとを結ぶ方向をX軸方向とする。ここで、図1では、X軸方向とY軸方向とが一致している。また、図1に示すように吸込具10内に所定の空間が形成された状態を第2状態とし、吸込具10が平坦化された状態を第1状態とする。図4において、X軸方向の右側に位置する起立規制部50は、一部を二点鎖線で示している。また、この図4は、逆止弁形成片61を筒状体30内に折り曲げる前の状態を示している。
【0022】
図1に示すように、本実施形態における吸込具10は、筒状の本体20と、この本体20の内部に接合された袋状を呈する捕集具70とを有する。
【0023】
本体20は、Y軸方向に長い形状の筒状体30と、この筒状体30に一体的に設けられた保形部40と、筒状体30に一体的に設けられた起立規制部50,50と、筒状体30に一体的に設けられた逆止弁60とを有する。この本体20は、紙や合成樹脂等からなる折り曲げ可能なシート状の部材で形成されている。なお、本実施形態では、起立規制部50,50は2箇所に設けられている。
【0024】
図1及び図2に示すように、筒状体30は、後述する板状部材21の特定方向(X軸方向)の接合端部31a同士を重ねて接合することにより形成されており、その重なった部分である重合部30aを有する。そして、その軸方向(Y軸方向)の一端に掃除機の吸引パイプPと接続される接続部30bを有し、その軸方向の他端に害虫や塵埃等の吸込物を吸い込む吸込部30cを有し、吸込部30cから接続部30bに向かって次第に縮径する形状を有する。また、筒状体30は、第1稜線30hと第2稜線30jと上方稜線30k,30kとを有する。これら各稜線は、筒状体30が外側に凸となるように折り曲げられることにより形成される。さらに、この筒状体30は、Y軸方向の所定位置に複数個の第1穴30s,30s…及び複数個の第2穴30t,30t…を有する。ここで、筒状体30における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうちZ軸方向の下側の外形は、外側に凸となった湾曲形状を有する。この湾曲形状は、円弧状であることがより好ましい。なお、本実施形態では、筒状体30における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうちZ軸方向の上側の外形は多角形状となっているが、この部分の形状は多角形状に限定されず、例えば、下側と同様に外側に凸となった湾曲形状であってもよい。この筒状体30は、図6に示す使用状態において傾斜する姿勢となる。
【0025】
重合部30aは、図6に示す使用状態において上方となる部分、すなわち、図1において後述する逆止弁折曲部60aが存在する部分に位置する。この重合部30aは、板状部材21が二重になっていることから、筒状体30の他の部分と比べて高い剛性をもつ。
【0026】
接続部30bは、吸引パイプPに接続される部分であり、その端部におけるXZ面の形状は、略六角形となっている。筒状体30の接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうちZ軸方向の下側及び上側には、それぞれ屈曲誘導手段が形成されている。屈曲誘導手段は、接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの中間位置を含む部分の外形を略平面状に保持しながら当該中間位置を挟む両側を屈曲するような形状に導くものである。具体的に、当該接続部30b側の端部におけるZ軸方向の下側に形成された屈曲誘導手段は、当該端部における各稜線の中間位置を挟むように互いにX軸方向に離間した位置から吸込部30c側に向かって延びる形状の一対の切込部30m,30mであり、Z軸方向の上側に形成された屈曲誘導手段は、当該端部における各稜線の中間位置を挟むように互いにX軸方向に離間した位置から吸込部30c側に向かって延びる形状の第1切込部30q及び第2切込部30rである。この一対の切込部30m,30mにより、接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうちZ軸方向の下側は、当該一対の切込部30m,30mで挟まれており略平面状の第1平面部30nと、この第1平面部30nの両側に形成されており略平面状の一対の第2平面部30p,30pとに分けられる。本実施形態では、一対の切込部30m,30mは、接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうちZ軸方向の下側を3等分する位置に形成されている。そして、一対の第2平面部30p,30pは、その第1平面部30n側の端部がZ軸方向において第1平面部30nと重なるような形状を有する。また、第1切込部30q及び第2切込部30rは、重合部30aにおける接続部30b側の端部のX軸方向の両側に位置する。なお、本実施形態では、屈曲誘導手段として、一対の切込部30m,30m、あるいは、第1切込部30q及び第2切込部30rを示したが、屈曲誘導手段としては、このような切込部に限定されず、例えば、連続した破線状の孔や、折り曲げが誘導されるように薄肉にする等して剛性を低くしたものであってもよく、さらには、当該端部における各稜線の中間位置を含む部分を二重にする等してこの部分の剛性を高めることにより、その二重となった部分を挟むように互いにX軸方向に離間した位置での屈曲を誘導するものであってもよい。
【0027】
吸込部30cは、Z軸方向における逆止弁折曲部60aと対向する部分で後述する保形部40とつながる保形部接続部30dと、Z軸方向における逆止弁折曲部60aと保形部接続部30dとの間に位置する部分で後述する起立規制部50,50とつながる起立規制部接続部30e,30eと、逆止弁60とつながる逆止弁接続部30fとを有する。本実施形態では、筒状体30を図6に示す傾斜姿勢としたときの吸込部30cにおける下方は湾曲形状となるように形成されている。
【0028】
第1稜線30h及び第2稜線30jは、それぞれ接続部30b側の端部から吸込部30c側の端部に至るように直線状に延びる形状を有し、この部分での山折りが可能となっている。これら第1稜線30h及び第2稜線30jは、保形部40が形成されていない状態において当該第1稜線30h及び第2稜線30jの部分でそれぞれ山折りされることにより筒状体30が平坦化された第1状態となる位置に形成されている。上方稜線30k,30kは、重合部30aにおけるX軸方向の両端に位置する部分に形成されている。なお、本実施形態では、上方稜線30k,30kは、2本形成されている。
【0029】
複数個の第1穴30s,30s…は、筒状体30において所定の径を有する部分に周方向に沿って並んで設けられる。これら第1穴30s,30s…は、筒状体30の外部と内部とをつないでいる。また、複数個の第1穴30s,30s…は、筒状体30と吸引パイプPとが接続された状態において筒状体30の外部から吸引パイプPへと至る気流を確保することが可能な形状を有する。なお、本実施形態では、これらの第1穴30s,30s…は、筒状体30の所定部分の3箇所に設けられているが、少なくとも1箇所に設けられていればよい。
【0030】
複数個の第2穴30t,30t…は、筒状体30の複数個の第1穴30s,30s…が形成された部分よりも吸込部30c側、すなわち、筒状体30における複数個の第1穴30s,30s…が形成された部分の径よりも大きな径を有する部分に周方向に沿って並んで設けられる。これら第2穴30t,30t…は、筒状体30と吸引パイプPとが接続された状態において筒状体30の外部から吸引パイプPへと至る気流を確保することが可能な形状を有する。さらに、これら第2穴30t,30t…は、各第1穴30s,30s…よりも大きな径を有する。なお、本実施形態では、第2穴30t,30t…は、筒状体30の所定部分の4箇所に設けられているが、少なくとも1箇所に設けられていればよい。
【0031】
保形部40は、保形部接続部30dから延びるように当該筒状体30に一体的に設けられており、筒状体30の形状を保つように当該筒状体30の剛性を高めるものである。この保形部40は、後述する板状部材21の保形部形成片41を筒状体30との境界部分で当該筒状体30の内側に折り曲げることにより形成されており、保形部40と筒状体30との境界部分である保形部折曲部40aは湾曲形状を呈する。そして、この保形部40は、吸込部30cから接続部30bに向かって次第に立ち上がるように傾斜した形状を有する。また、保形部40は、図6に示す傾斜姿勢の筒状体30における下方に位置する部分のうち吸込部30c側の端部から延びている。この保形部40は、筒状体30の内周面と当接する当接部40c,40cと、後述する第1重なり部50b,50bを筒状体30の内周面との間で挟持する挟持部40d,40dとを有する。
【0032】
当接部40c,40cは、吸込部30cを変形させるような外力が筒状体30に作用したときにその外力に抗するように筒状体30の内周面に当接する。なお、本実施形態では、当接部40c,40cは、保形部40におけるX軸方向の両端の2箇所に形成されているが、少なくともいずれか1箇所に形成されればよい。
【0033】
挟持部40d,40dは、保形部折曲部40aと当接部40c,40cとの間に形成されている。そして、挟持部40d,40dは、当接部40c,40cと隣接するように当該保形部40におけるX軸方向の両端に形成されている。
【0034】
起立規制部50,50は、起立規制部接続部30e,30eから延びるように当該筒状体30に一体的に設けられており、吸込部30cが変形するような外力が当該筒状体30に作用したときに保形部40が起立することを規制するものである。この起立規制部50,50は、後述する板状部材21の起立規制部形成片51,51を筒状体30との境界部分で当該筒状体30の内側に折り曲げることにより形成されており、起立規制部50,50と筒状体30との境界部分である起立規制部折曲部50a,50aは直線状を呈する。なお、本実施形態では、起立規制部50,50は、保形部40と逆止弁60との間の2箇所に設けられている。また、起立規制部50,50は、省略されてもよい。
【0035】
この起立規制部50,50は、挟持部40d,40dと重なる第1重なり部50b,50bと、当接部40c,40cと重なる第2重なり部50c,50cとを有する。第1重なり部50b,50bは、筒状体30の内周面と挟持部40d,40dとの間で挟持されるように当該挟持部40d,40dと重なる。第2重なり部50c,50cは、筒状体30の内周面との間で当接部40c,40cを挟持するように当該当接部40c,40cと重なる。この第1重なり部50b,50bと第2重なり部50c,50cとは、隣接している。そして、当接部40c,40c、挟持部40d,40d、第1重なり部50b,50b及び第2重なり部50c,50cが上記のように一部ずつが互い違いに重なり合うことにより、保形部40と起立規制部50,50とは互いに拘束しあうように係合する。
【0036】
逆止弁60は、吸込部30cにおける逆止弁接続部30fから延びるように当該筒状体30に一体的に設けられており、一旦吸い込んだ吸込物が吸込具10の外へ出ないように阻止するものである。図3に示すように、この逆止弁60は、後述する板状部材21の逆止弁形成片61を筒状体30との境界部分で当該筒状体30の内側に折り曲げることにより形成されており、逆止弁60と筒状体30との境界部分である逆止弁折曲部60aは直線状を呈する。この逆止弁60は、保形部40とともに吸込部30cの吸込口を塞ぐ形状を有し、逆止弁折曲部60aとは反対側に形成されたストッパ部60bを有する。このストッパ部60bは、保形部40における接続部30b側の端部よりもさらに接続部30b側に位置し、当該逆止弁60が筒状体30の外側に開くことを抑制するものである。ここで、図1、図3に示す逆止弁60及び図6において実線で示す逆止弁60は、吸込部30cを塞ぐ閉塞位置にあり、図6において二点鎖線で示す逆止弁60は、吸込物の吸込を許容する許容位置にある。この逆止弁60は、逆止弁折曲部60aを支点として許容位置と閉塞位置との間を移動可能となっている。なお、逆止弁60は、省略が可能である。
【0037】
捕集具70は、不織布により袋状に形成されており、気体の通過を許容しながら吸込物を捕集するものである。なお、この捕集具70は、不織布からなるものに限らず、布からなるもの、あるいは、金属や合成樹脂からなる網状のものであってもよい。図3に示すように、捕集具70は、その内周面が吸込物を受け入れる開口を画定する開口画定部70aと、吸込物を捕集する捕集部70bとを有する。ここで、捕集部70bとは、捕集具70における開口画定部70a以外の部分を指す。この捕集具70は、その開口が吸込部30c側を向くように、すなわち、開口から捕集部70bへ向かう向きと吸込部30cから接続部30bへ向かう向きとが一致するように筒状体30の内周面に接合されている。その接合領域として、第1接合領域31vと、第2接合領域31wとを有する。第1接合領域31vは、筒状体30の内周面における吸込部30cと複数個の第2穴30t,30t…との間に設けられており開口画定部70aの外周面と全周にわたって接合される領域である。第2接合領域31wは、第1接合領域31vから接続部30b側に向かって延びる形状を有しており捕集部70bの外周面と部分的に接合される領域である。なお、図5に示すように、本実施形態では、第2接合領域31wは、第1接合領域31vを始点として第1穴30sに至らないように直線状に延びる形状としているが、この第2接合領域31wは、第1穴30sを避けて接続部30b側の端部まで延びる形状であってもよい。
【0038】
また、捕集具70は、筒状体30内に接合された状態において、捕集部70bの一部が、接続部30b側の端部から筒状体30の外部に露出する寸法に形成されている。そして、図2及び図3に示すように、捕集具70は、捕集部70bの最大外径における外周面と筒状体30の内周面との間に隙間が形成される形状を有する。
【0039】
図5は、これまで説明してきた吸込具10を形成するための吸込具形成部材11を示すものである。つまり、この吸込具形成部材11は、吸込具10を展開したものに相当する。吸込具形成部材11は、その特定方向(X軸方向)の一対の接合端部31a,31a同士が接合されることにより本体20を形成する板状部材21と、この板状部材21に接合されており捕集具70を形成する捕集具形成部材71とを有する。
【0040】
吸込具10における本体20を形成する板状部材21は、筒状体30を形成するベース31と、保形部40を形成する保形部形成片41と、起立規制部50,50を形成する起立規制部形成片51と、逆止弁60を形成する逆止弁形成片61とを有する。また、この板状部材21は、折り曲げ可能な紙や合成樹脂からなる部材にて形成されている。
【0041】
ベース31は、特定方向(X軸方向)に一対の接合端部31a,31aが配置された所定形状を有しており、板状部材21が本体20に形成されたときの当該本体20における筒状体30を形成する。このベース31は、筒状体30における重合部30aを形成する一対の接合端部31a,31aと、筒状体30における接続部30bを形成する接続部形成部31bと、筒状体30における吸込部30cを形成する吸込部形成部31cと、筒状体30における第1稜線30h、第2稜線30j及び上方稜線30k,30kをそれぞれ形成する第1稜線形成部31h、第2稜線形成部31j及び上方稜線形成部31k,31kと、筒状体30における一対の切込部30m,30mを形成する一対の切込部形成部31m,31mと、筒状体30における第1平面部30nを形成する第1平面部形成部31nと、筒状体30における一対の第2平面部30p,30pを形成する一対の第2平面部形成部31p,31pと、筒状体30における第1切込部30q及び第2切込部30rを形成する第1切込部形成部31q及び第2切込部形成部31rと、複数個の第1穴30s,30s…と、複数個の第2穴30t,30t…と、段部31uと、第1接合領域31v及び第2接合領域31wと、一対の接合端部31a,31a同士が接合される領域である端部接合領域31xとを有する。
【0042】
一対の接合端部31a,31aは、ベース31の特定方向の両端にそれぞれ形成されている。この一対の接合端部31a,31aは、互いに重ね合わされてその重なった部分の一部である端部接合領域31xで接合されることにより、筒状体30における重合部30aを形成する。この一対の接合端部31a,31aは、特定方向において後述する上方稜線形成部31k,31kの外側の領域に形成されている。
【0043】
接続部形成部31bは、ベース31における特定方向と略直交する方向(Y軸方向)の一端側に設けられており、ベース31が筒状体30に形成されたときに接続部30bを形成する。
【0044】
吸込部形成部31cは、ベース31におけるY軸方向の他端側に設けられており、ベース31が筒状体30に形成されたときに吸込部30cを形成する。この吸込部形成部31cは、保形部形成片41を接続する保形部形成片接続部31dと、起立規制部形成片51,51を接続する起立規制部形成片接続部31e,31eと、逆止弁形成片61を接続する逆止弁形成片接続部31fとを含む。なお、本実施形態では、起立規制部形成片接続部31e,31eは、保形部形成片接続部31dを挟んで対称な2箇所に形成されている。
【0045】
第1稜線形成部31h、第2稜線形成部31j及び上方稜線形成部31k,31kは、それぞれが接続部形成部31bと吸込部形成部31cとを結ぶ方向に延びる形状を有し、互いにX軸方向に離間して配置されている。そして、ベース31が筒状体30に形成されたときに、これらの各稜線形成部が外側に凸となるように折り曲げられることにより、第1稜線30h、第2稜線30j及び上方稜線30k,30kを形成する。なお、本実施形態では上方稜線形成部31k,31kは、ベース31に2箇所形成されている。
【0046】
第1稜線形成部31h及び第2稜線形成部31jは、吸込部形成部31c側の端部から接続部形成部31b側の端部に至るように直線状に延びる形状を有する。この第1稜線形成部31h及び第2稜線形成部31jは、逆止弁形成片接続部31fが設けられていない側(図5において右側)に位置する一方の接合端部31aが、逆止弁形成片接続部31fが設けられている側(図5において左側)に位置する他方の接合端部31aに近づくように当該ベース31がこの第1稜線形成部31hで略180度折り曲げられ、他方の接合端部31aが一方の接合端部31aに近づくように当該ベース31がこの第2稜線形成部31jで略180度折り曲げられることにより、一対の接合端部31a,31a同士が重なる位置に形成されている。
【0047】
各上方稜線形成部31k,31kは、吸込部形成部31c側の端部を始点とし、終点が接続部形成部31bへ至らない寸法に形成されている。また、この上方稜線形成部31k,31kは、各稜線形成部において最も一対の接合端部31a,31a寄りに形成されている。
【0048】
一対の切込部形成部31m,31mは、ベース31の接続部形成部31b側の端部における第1稜線形成部31hと第2稜線形成部31jとの間に形成されている。そして、この一対の切込部形成部31m,31mにより、ベース31の接続部形成部31b側の端部における第1稜線形成部31hと第2稜線形成部31jとの間は、第1平面部形成部31nとその両側に位置する一対の第2平面部形成部31p,31pとに分けられる。一対の切込部形成部31m,31mは、ベース31の接続部形成部31b側の端部における第1稜線形成部31hと第2稜線形成部31jとの中間位置を挟むように互いに特定方向に離間しており、当該端部から吸込部形成部31cに向かって延びる形状を有する。
【0049】
第1切込部形成部31qは、ベース31の接続部形成部31b側の端部における一方の接合端部31aと第1稜線形成部31hとの間に形成されており、第2切込部形成部31rは、ベース31の接続部形成部31b側の端部における他方の接合端部31aと第2稜線形成部31jとの間に形成されている。これら第1切込部形成部31q及び第2切込部形成部31rは、それぞれ接続部形成部31b側の端部から吸込部形成部31cに向かって延びる形状を有し、それぞれの延長線が各上方稜線形成部31k,31kと一致する。
【0050】
複数個の第1穴30s,30s…は、一方の接合端部31aと第1稜線形成部31hとの間に1箇所、第1稜線形成部31hと第2稜線形成部31jとの間に1箇所、そして、第2稜線形成部31jと他方の接合端部31aとの間に1箇所の合計3箇所に形成されている。なお、複数個の第1穴30s,30s…を形成する箇所は、これらの箇所に限定されない。複数個の第2穴30t,30t…は、一方の接合端部31aと第1稜線形成部31hとの間に1箇所、第1稜線形成部31hと第2稜線形成部31jとの間に2箇所、そして、第2稜線形成部31jと他方の接合端部31aとの間に1箇所の合計4箇所に形成されている。なお、複数個の第2穴30t,30t…を形成する箇所は、これらの箇所に限定されない。
【0051】
段部31uは、ベース31における他方の接合端部31aが形成されている側(図5における左側)の端部に形成されており、当該端部が、ベース31が筒状体30に形成されたときの上方稜線30kと重ならないようにするためのものである。
【0052】
第1接合領域31vは、吸込部形成部31cと複数個の第2穴30t,30t…との間に設けられる。第2接合領域31wは、第1接合領域31vから接続部形成部31b側に向かって延びる形状を有する。そして、端部接合領域31xは、一対の接合端部31a,31a同士を接合する領域である。この端部接合領域31xは、ベース31における逆止弁形成片接続部31fが位置する側(図5における左側)の端部に設けられており、接続部形成部31b側の端部から吸込部形成部31c側の端部に至る形状を有する。
【0053】
保形部形成片41は、吸込部形成部31cにおける保形部形成片接続部31dから延びるようにベース31に一体的に設けられており、ベース31との境界部分である折曲誘導部41aで折り曲げられることにより保形部40を形成する。折曲誘導部41aは、ベース31が筒状体30に形成されたときに保形部形成片41の当該筒状体30の内側への折り曲げを誘導可能な形状を有する。具体的に、この折曲誘導部41aは、保形部形成片41が当該折曲誘導部41aで折り曲げられて保形部40が形成されたときの当該保形部40が吸込部30cから接続部30bに向かって次第に立ち上がるように傾斜した形状となるように接続部形成部31b側に凸となった形状を有する。なお、本実施形態では、この折曲誘導部41aは、接続部形成部31b側に向かって凸となった湾曲形状としているが、この部分は、接続部形成部31b側に向かって凸となった形状であればよく、湾曲形状に限らず、複数の直線同士で結ばれることにより接続部形成部31b側に向かって凸となった形状や、直線と曲線とで結ばれることにより接続部形成部31b側に向かって凸となった形状であってもよい。
【0054】
また、この保形部形成片41は、折曲誘導部41aの形状に沿うように接続部形成部31b側に向かって凸となった形状の凸部41bを有し、この部分でベース31とつながっている。なお、本実施形態では、この凸部41bにおける特定方向の両端の位置は、吸込部形成部31c側の端部における第1稜線形成部31h及び第2稜線形成部31jが形成された位置と一致しているが、この凸部41bにおける特定方向の両端の位置は、吸込部形成部31c側の端部における第1稜線形成部31h及び第2稜線形成部31jが形成された位置よりも内側であってもよい。
【0055】
さらに、保形部形成片41は、当該保形部形成片41が折曲誘導部41aで折り曲げられたときに当接部40c,40cを形成する当接部形成部41c,41cと、当該保形部形成片41が折曲誘導部41aで折り曲げられたときに挟持部40d,40dを形成する挟持部形成部41d,41dと、当該保形部形成片41の筒状体30の内側への折り曲げを補助する折曲補助部41eとを有する。当接部形成部41c,41cは、保形部形成片41における特定方向の両端部のうち、凸部41bとは反対側の端部に形成されており、ベース31が筒状体30に形成されたときの当該筒状体30の内周面に当接可能な形状を有する。挟持部形成部41d,41dは、保形部形成片41における特定方向の両端部のうち、当接部形成部41c,41cとY軸方向において隣接する位置に形成されており、後述する起立規制部50,50における第1重なり部50b,50bを筒状体30の内周面との間で挟持可能な形状を有する。折曲補助部41eは、当該保形部形成片41を特定方向に隣接する2つの領域に区分する形状を有しており、当該保形部形成片41の筒状体30の内側への折り曲げを補助するものである。
【0056】
起立規制部形成片51,51は、吸込部形成部31cにおける起立規制部形成片接続部31e,31eから延びるようにベース31に一体的に設けられており、ベース31との境界部分であり直線状の起立規制部形成片折曲部51a,51aで折り曲げられることにより起立規制部50,50を形成する。この起立規制部形成片51,51は、保形部形成片41側の端部に、第1重なり部50b,50bを形成する第1重なり部形成部51b,51bと、第2重なり部50c,50cを形成する第2重なり部形成部51c,51cとを有する。第1重なり部形成部51b,51bは、挟持部形成部41d,41dと特定方向に隣接する位置に形成されており、第2重なり部形成部51c,51cは、当接部形成部41cと特定方向に隣接する位置に形成されている。この第2重なり部形成部51c,51cは、起立規制部形成片51,51が起立規制部形成片折曲部51a,51aで折り曲げられて起立規制部50,50が形成されたときに保形部40における当接部40c,40cを筒状体30の内周面との間で挟持することができるように当接部形成部41c,41cと特定方向に所定寸法離間している。
【0057】
逆止弁形成片61は、吸込部形成部31cにおける逆止弁形成片接続部31fから延びるようにベース31に一体的に設けられており、ベース31との境界部分であり直線状の逆止弁形成片折曲部61aで折り曲げられることにより逆止弁60を形成する。この逆止弁形成片61は、逆止弁形成片折曲部61aと反対側の端部にストッパ部60bを形成するストッパ部形成部61bを有する。
【0058】
捕集具形成部材71は、不織布により形成されており、ベースが筒状体30に形成されたときに袋状の捕集具70を形成するものである。なお、捕集具形成部材71は、不織布からなるものに限らず、布からなるもの、あるいは、金属や合成樹脂からなる網状のものであってもよい。この捕集具形成部材71は、開口を形成する開口形成部71aと、捕集部70bを形成する捕集部形成部71bとを有する。
【0059】
次に、吸込具形成部材11を用いて吸込具構成部材及び吸込具10を製造する工程を説明する。ここで、吸込具構成部材とは、筒状体30が平坦化された第1状態と、筒状体30の内部に所定の空間が形成されており吸込具10として使用可能な第2状態とを切り替え可能な部材を指す。
【0060】
まず、ベース31の第1接合領域31v、第2接合領域31w及び端部接合領域31xに接着剤や両面テープ等の接合材を設ける。そして、捕集具形成部材71の開口形成部71aの外周面が第1接合領域31vで、捕集部形成部71bが第2接合領域31wでそれぞれ接合されるように当該捕集具形成部材71をベース31上に載置する。
【0061】
次いで、各起立規制部形成部51,51を起立規制部形成片折曲部51a,51aで略180度折り曲げた後、逆止弁形成片接続部31fが設けられていない側(図5において右側)に位置する一方の接合端部31aが、逆止弁形成片接続部31fが設けられている側(図5において左側)に位置する他方の接合端部31aに近づくようにベース31を第1稜線形成部31hで略180度折り曲げ、他方の接合端部31aが一方の接合端部31aに近づくようにベース31を第2稜線形成部31jで略180度折り曲げる。このとき、開口形成部71aの外周面が全周にわたって第1接合領域31vで接合されるとともに、一対の接合端部31a,31a同士が端部接合領域31xで接合される。これにより第1状態の吸込具構成部材が形成される。
【0062】
続いて、吸込具構成部材の第1稜線30hと第2稜線30jとが互いに近づくように当該各稜線に力を加えることにより、内部に所定の空間を有する筒状体30が形成される。このとき、図2に示すように、一対の第2平面部30p,30pは、その第1平面部30n側の端部が当該第1平面部30nとZ軸方向において重なる形状となる。そして、筒状体30における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうち一対の切込部30m,30mが位置する側の外形は、湾曲形状となる。これにより吸込具構成部材が第2状態となる。
【0063】
そして、保形部形成片41を折曲誘導部41aで筒状体30の内側に折り曲げる。その際、折曲補助部41eにより区分された2つの領域を順番に筒状体30の内側に折り曲げることにより、当該折曲補助部41eの補助を受けながら当該保形部形成片41を筒状体30の内側へ折り曲げることができる。保形部形成片41の折り曲げが完了したとき、保形部40は、吸込部30cから接続部30bに向かって次第に立ち上がるように傾斜した形状となるとともに、その挟持部40d,40dが筒状体30の内周面との間で第1重なり部50b,50bを挟持するように当該第1重なり部50b,50bと重なり、かつ、当接部40c,40cが筒状体30の内周面との間で第2重なり部50c,50cに挟持されるように当該第2重なり部50c,50cと重なる。これにより、保形部40及び起立規制部50,50は互いに拘束し合うように係合した状態となる。
【0064】
最後に、逆止弁形成片61を逆止弁形成片折曲部61aで筒状体30の内側へ折り曲げる。その際、ストッパ部60bが、保形部40における接続部30b側の端部よりもさらに接続部30b側に位置するように折り曲げる。
【0065】
以上の工程により、吸込具形成部材11から吸込具構成部材ないし吸込具10が形成される。
【0066】
次に、吸込具10と吸引パイプPとの接続について説明する。
【0067】
吸込具10における接続部30b側の端部の径は、吸引パイプPの先端の径よりも小さいため、吸込具10は、接続部30b側の端部が吸引パイプPの内側に入り込むようにして吸引パイプPと接続される。この状態において、吸込具10における各稜線、すなわち、第1稜線30h、第2稜線30j及び各上方稜線30k,30kのすべてが、吸引パイプPの先端の内周面に接触するとともに、筒状体30における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうち一対の切込部30m,30mが位置する側、すなわち、湾曲形状となっている側は、略全域にわたって吸引パイプPの内周面と線接触する。
【0068】
続いて、図6に基づいて、吸込具10の使用状態を説明する。
【0069】
図6は、吸込具10の接続部30bが吸引パイプPの先端と接続されて吸込部30cが床面に当接されたときの側面図である。なお、この図6では、保形部40及び逆止弁60が見えるように一部破断面としており、また、掃除機による吸い込みがなされているときの逆止弁60の状態、すなわち、逆止弁60が許容位置にある状態を二点鎖線で示している。図6に示すように、吸込具10における吸込部30cが床面に当接された状態では、吸込具10は床面に対して傾斜する姿勢となる。このとき、重合部30aが傾斜姿勢の筒状体30において上方に位置する。そして、この傾斜姿勢の筒状体30において下方に位置する部分の吸込部30c側の端部に保形部40が接続されている。この図6において、二点鎖線で示された逆止弁60、すなわち、許容位置にある逆止弁60は、逆止弁折曲部60aで折れ曲がっており、その先端が傾斜姿勢の筒状体30において上方に位置する部分の内面に近接している。そして、掃除機による吸い込みを停止すると、逆止弁60は、当該図6において実線で示した位置、すなわち、保形部40と当接して吸込部30cを閉塞する閉塞位置に向かって変位する。
【0070】
以上のように、本実施形態の吸込具構成部材は、筒状体30が平坦化された第1状態と、筒状体30の内部に所定の空間が形成されており吸込具10として使用可能な第2状態との間で切り替え可能であるので、収納時や輸送時には第1状態とし使用時には第2状態とするというように、状況に応じてその形態を変更することができる。
【0071】
また、この吸込具構成部材は、筒状体30が第2状態とされたときの当該筒状体30の接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの中間位置を含む部分に、その外形が略平面状の第1平面部30nを有する。具体的に、この吸込具構成部材は、接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの間の少なくとも一方に、当該端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの中間位置を挟むように互いに離間した位置から吸込部30c側に向かって延びる形状を有する一対の切込部30m,30mを有するので、第2状態とするときに各稜線に加える外力がこの一対の切込部30m,30mで遮られて接続部30b側の端部における各稜線の中間位置に伝達されず、これにより、吸込具構成部材が第2状態とされたときの当該筒状体30の接続部30b側の端部における一対の切込部30m,30mで挟まれた部分の外形が略平面状に保たれる。よって、筒状体30の外周面における各稜線の中間位置のなす角が小さくなること、あるいは、この部分に折れが発生することを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態の吸込具10は、筒状体30における一対の切込部30m,30mで挟まれた部分と吸込部30cの湾曲形状となった部分とが協働することにより、筒状体30の外周面のうち一対の切込部30m,30mが形成された側を湾曲形状に保ちやすくなる。その結果、この吸込具10が吸引パイプPに接続されたとき、筒状体30の外形における湾曲形状に保たれた部分と吸引パイプPの先端の内周面とが線接触するようになるので、両者の接触箇所が十分に確保されて吸込具10の吸引パイプPからの脱落を抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態の吸込具10は、筒状体30の外周面の接続部30b側の端部における第1稜線30hと記第2稜線30jとの間を3等分する位置に一対の切込部30m,30mが形成されているので、筒状体30の外周面の接続部30b側の端部のうち一対の切込部30m,30mが形成された側の外形が円弧状に近くなることにより、筒状体30の外周面のうち一対の切込部30m,30mが形成された側が湾曲形状に保たれやすくなる。
【0074】
さらに、本実施形態の板状部材21によれば、一対の接合端部31a,31a同士の接合により筒状体30が形成されたときに保形部形成片41を折曲誘導部41aで筒状体30の内側に折り曲げるという簡易な作業で、筒状体30の形状を保つように当該筒状体30の剛性を高める保形部40を有する吸込具10を形成することができる。ここで、保形部40は、保形部形成片41が接続部形成部31b側に凸となった形状を有する折曲誘導部41aで折り曲げられて形成されるので、吸込部30cから接続部30bに向かって立ち上がるように傾斜した形状となる。保形部40は、この形状を有することにより、吸込部30cから接続部30bに向かって立ち上がるように傾斜しないようにベースとの境界部分で折り曲げられた場合、すなわち、折り曲げられる部分となるベースとの境界部分が直線状であってその直線部分で筒状体30の内周面と当該保形部40における筒状体30の内周面側の面とが略全面にわたって接触するように折り曲げられた場合に比べて、筒状体30の剛性を高めて吸込部30cを変形させる外力に抗することができるため、筒状体30は、吸込部30cの形状を保つことができる。よって、本実施形態の板状部材21によれば、使用時における吸込部30cの変形を抑制し、効率良く清掃作業を行うことができる吸込具10を形成することができる。
【0075】
また、本実施形態の板状部材21は、一対の接合端部31a,31a同士の接合により筒状体30が形成された状態において吸込部30cが変形するような外力が当該筒状体30に作用しても、保形部40の当接部40cが筒状体30の内周面に当接してその外力に抗するので、吸込部30cの変形が一層抑制される。
【0076】
また、本実施形態の板状部材21は、起立規制部形成片51,51をベース31との境界部分で内側に折り曲げるという簡易な作業で、起立規制部50,50を有する吸込具10が形成される。その結果、保形部40を傾斜した状態から起立させるような外力が当該保形部40に作用しても、起立規制部50,50が保形部40の起立を規制するので、保形部40の傾斜状態が維持される。これにより保形部40は筒状体30の剛性を高めて吸込部30cの変形を抑制する。
【0077】
また、本実施形態の板状部材21は、保形部形成片41及び起立規制部形成片51,51をそれぞれベース31との境界部分で折り曲げて保形部40及び起立規制部50,50を形成したときに、保形部40と起立規制部50,50とは互いに拘束し合うように係合するので、両者が互いの変位を効果的に規制して互いの折り曲げ状態を維持する。具体的には、起立規制部50,50の第1重なり部50b,50bは、保形部40のうち筒状体30の内周面に近い側の面に重なり、第2重なり部50c,50cは、保形部40のうち筒状体30の内周面に近い側の面と反対側の面に重なるので、保形部40と起立規制部50,50とは、両者が互い違いに一部ずつ重なり合って互いに拘束し合う関係となる。
【0078】
また、本実施形態の板状部材21は、一対の接合端部31a,31a同士の接合により形成された筒状体30の吸込部30cが床面に当接された状態においては当該筒状体30が傾斜する姿勢となる。したがって、掃除機の運転を停止すると、吸込んだ吸込物は傾斜姿勢の筒状体30における下方に位置する部分の内面を伝って吸込部30cへ向かって落下する。ここで、保形部40は、傾斜姿勢の筒状体30における下方に位置する部分の吸込部30c側の端部から延びるように設けられているため、掃除機の運転停止時に傾斜姿勢の筒状体30における下方に位置する部分の内面を伝って落下した吸込物は、吸込部30cから接続部30bに向かって立ち上がるように傾斜した形状の保形部40と筒状体30の内周面との間に受けられて吸込具10の外に出ることが抑制される。
【0079】
また、本実施形態の板状部材21は、逆止弁形成片61をベース31との境界部分で内側に折り曲げるという簡易な作業で、逆止弁折曲部60aを支点として許容位置と閉塞位置との間を移動可能な逆止弁60を有する吸込具10を形成することができる。
【0080】
また、本実施形態の板状部材21は、ベース31との境界部分での折り曲げにより逆止弁60が形成されたときの当該逆止弁60と保形部40とで吸込部30cの吸込口を塞ぐことができる。よって、この板状部材21によれば、一旦吸込んだ吸込物が吸込具10の外に出ることが抑制される吸込具10を形成することができる。
【0081】
また、本実施形態の板状部材21によれば、ベース31における一対の接合端部31a,31a同士の接合により形成される筒状体30の外部から吸引パイプP内へと至る気流を確保することが可能な形状の第1穴30sと、この第1穴30sよりも吸込部30c側に設けられており筒状体30の外部から吸引パイプP内へと至る気流を確保することが可能な形状の第2穴30tとを有する吸込具10が形成される。したがって、吸引パイプPが、筒状体30における接続部30b側の端部と第1穴30sとの間で当該吸込具10と接続される場合は、吸引パイプPの先端に近いところに形成された第1穴30sを通じて筒状体30の外部から吸引パイプP内へと至る気流が確保されるので、筒状体30の内部が陰圧となって吸込具10が潰れるといった不具合の発生が抑制される。そして、吸引パイプPが、筒状体30における第1穴30sと第2穴30tとの間で当該吸込具10と接続される場合は、吸引パイプPの先端に近いところに形成された第2穴30tを通じて筒状体30の外部から吸引パイプP内へと至る気流が確保されるので、筒状体30の内部が陰圧となって吸込具10が潰れるといった不具合の発生が抑制される。
【0082】
また、本実施形態の吸込具形成部材11は、ベース31における一対の接合端部31a,31a同士の接合により捕集具70を備える吸込具10が形成される。この吸込具10における第1接合領域31vは、吸込部30cと第2穴30tとの間に形成されているので、一旦吸い込んだ吸込物が第2穴30tから吸込具10外にこぼれ出ることを防止することができる。さらに、この吸込具10は、第2穴30tを避け、かつ、第1接合領域31vから接続部30b側に向かって延びる形状の第2接合領域31wを有するので、筒状体30の内周面に当該筒状体30と捕集具70との接合部分が有効に確保され、捕集具70の筒状体30からの離脱を抑制することができる。
【0083】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0084】
例えば、上記実施形態では、接続部30b側の端部における第1稜線30hと第2稜線30jとの間のうちZ軸方向の上下両側に屈曲誘導部として一対の切込部30m,30m、第1切込部30q及び第2切込部30rを設けた例について示したが、いずれか一方の側に設けられた屈曲誘導部は、省略されてもよい。なお、Z軸方向の上側に設けられた第1切込部30q及び第2切込部30rが省略される場合、上方稜線30k,30kも省略される。
【符号の説明】
【0085】
10 吸込具
11 吸込具形成部材
20 本体
21 板状部材
30 筒状体
30a 重合部
30b 接続部
30c 吸込部
30d 保形部接続部
30e 起立規制部接続部
30f 逆止弁接続部
30h 第1稜線
30j 第2稜線
30k 上方稜線
30m 一対の切込部
30n 第1平面部
30p 第2平面部
30q 第1切込部
30r 第2切込部
30s 第1穴
30t 第2穴
31 ベース
31a 接合端部
31b 接続部形成部
31c 吸込部形成部
31d 保形部形成片接続部
31e 起立規制部形成片接続部
31f 逆止弁形成片接続部
31h 第1稜線形成部
31j 第2稜線形成部
31k 上方稜線形成部
31m 一対の切込部形成部
31n 第1平面部形成部
31p 第2平面部形成部
31q 第1切込部形成部
31r 第2切込部形成部
31u 段部
31v 第1接合領域
31w 第2接合領域
31x 端部接合領域
40 保形部
40a 保形部折曲部
40c 当接部
40d 挟持部
41 保形部形成片
41a 折曲誘導部
41b 凸部
41c 当接部形成部
41d 挟持部形成部
41e 折曲補助部
50 起立規制部
50a 起立規制部折曲部
50b 第1重なり部
50c 第2重なり部
51 起立規制部形成片
51a 起立規制部形成片折曲部
51b 第1重なり部形成部
51c 第2重なり部形成部
60 逆止弁
60a 逆止弁折曲部
60b ストッパ部
61 逆止弁形成片
61a 逆止弁形成片折曲部
61b ストッパ部形成部
70 捕集具
70a 開口画定部
70b 捕集部
71 捕集具形成部材
71a 開口形成部
71b 捕集部形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に掃除機の吸引パイプに接続される接続部を有し他端に吸込部を有して前記吸込部から前記接続部に向かって縮径する形状の筒状体を有する吸込具を構成する吸込具構成部材であって、
前記筒状体は、それぞれが前記接続部から前記吸込部に至る形状を有するとともに外側に凸となっており、かつ、山折りされることにより当該筒状体が平坦化される位置に形成された第1稜線及び第2稜線を有し、前記第1稜線及び前記第2稜線がともに山折りされて当該筒状体が平坦化された第1状態と、当該筒状体の内部に所定の空間が形成されており吸込具として使用可能な第2状態との間で切り替え可能であり、前記第2状態とされたときの当該筒状体の前記接続部側の端部における前記第1稜線と前記第2稜線との間のうち少なくとも一方側に形成されており当該端部における前記第1稜線と前記第2稜線との中間位置を含む部分の外形を略平面状に保持しながら当該中間位置を挟む両側を屈曲するような形状に導く屈曲誘導手段を有する吸込具構成部材。
【請求項2】
前記屈曲誘導手段は、前記接続部側の端部における各稜線の中間位置を挟むように互いに離間した位置から前記吸込部側に向かって延びる形状を有する一対の切込部である請求項1に記載の吸込具構成部材。
【請求項3】
前記吸込部における前記第1稜線と前記第2稜線との間のうち前記屈曲誘導手段が形成された側の外形が外側に凸の湾曲形状である請求項1又は2に記載の吸込具構成部材。
【請求項4】
前記一対の切込部は、前記接続部側の端部における前記第1稜線と前記第2稜線との間を3等分する位置に形成されている請求項2に記載の吸込具構成部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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