説明

吹付け用の空気圧工具

【課題】低い指の力で空気圧工具を作動可能であり且つ作動する手及び関連する指節骨の保護がもたらされるような方法で空気圧工具を開発する。
【解決手段】本発明は吹付けのための一体的なプラスチック部としての空気圧工具に関し、圧力媒体を供給するための接続部を備える接続ニップルと、圧力媒体の標的付けられた解放のために少なくとも1つのノズル開口を備える吹付けヘッドとを含み、可撓な変形可能な屈曲部が関連する接続ニップルを備える剛的な接続部に取り付けられ、次いで、吹付けヘッドが取り付けられた状態で、屈曲不能の剛的な上方部が屈曲部に取り付けられる。本発明は更に空気圧工具のためのバルブロッドに関し、バルブロッドはシールを取り出すための引張工具として形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、請求項1の前文に従った吹付け用の空気圧工具である。
【背景技術】
【0002】
同一出願人による特許文献1の故に、実質的に3つのピースで構成される空気圧工具は既知になっている。屈曲不能部が下方のねじ込みニップルに取り付けられ、屈曲不能部はその上方領域において屈曲部に移行し、最終的に、吐出ノズルが屈曲部に配置される。
【0003】
ここでは、バルブロッドが中央通路内に配置され、屈曲部の領域においてその上方自由端部と当接する。
【0004】
空気圧工具の作動は、以下のように行われる。親指の圧力によって屈曲部を弾性変形し、それによって、バルブロッドの他端部に配置されるバルブディスクをそのバルブシートから持ち上げさせるようバルブを傾けるために、親指が上方の屈曲部で係合しなければならない。
【0005】
しかしながら、既知の空気圧工具の不利点は、比較的高い親指の力が必要であり、基底の親指関節は恒久作業中に激しく押圧され、それ以外にも、それは腱鞘炎を頻繁に引き起こす。
【0006】
同じ先行技術が特許文献2の主題から明らかにされ、そこでは、同様に、屈曲部が剛的な下方部に取り付けられ、ねじ込みニップルも剛的な下方部内に配置され、バルブロッドは屈曲部の上方端部に配置される上方ホルダ内に保持される。ここでも、強力な親指の圧力によって、上方部分の変形が親指で達成されなければならず、それは基底の親指関節及び関連する腱への損傷の危険性を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国出願公開第19928418A1号
【特許文献2】国際公開WO83/01748A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、低い指の力で空気圧工具を作動可能であり、且つ、作動する手及び関連する指節骨の保護がもたらされるような方法で、前述の種類の空気圧工具を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
所与の目的を達成するために、本発明は請求項1の技術的な教示によって特徴付けられる。
【0010】
接続ニップルが配置される剛的な接続部に、可撓な変形可能な(よって、屈曲可能な)屈曲部が取り付けられ、次いで、屈曲部に、屈曲不能な上方部が取り付けられ、最終的に、屈曲不能な上方部に、1つ又は複数の吐出開口又はノズル開口を備える吹付けヘッドが配置されることが、本発明の本質的な特徴である。
【0011】
所与の技術的な教示は、屈曲部が吹付けヘッド付近で頂部に配置されず、接続ニップルが配置される剛的な接続部付近の底部に配置されるという利点をもたらす。よって、屈曲部は、ハンドルの周りを把持する最後の4本指の領域内に配置され、従来技術におけるように、作動する手の親指の領域内にもはや配置されない。これは5本指作動の利点をもたらし、それは右手(又は左手)の4本指を用いて反力が空気圧工具の下方部に加えられ、同じ手の親指を用いて屈曲力が空気圧工具の上方屈曲不能部に加えられることを意味する。よって、同じ手の親指と比べて互いに反作用する4本指の力の故に、梃子作用が屈曲不能な上方部に加えられ、梃子作用は、大きな梃子力で屈曲部を屈曲し得るよう、接続部付近に配置される屈曲部に移転される。
【0012】
よって、指関節及び関連する腱の保護をもたらす比較的低い指力を用いて、指関節及び親指関節を大きく押圧することなく、空気圧工具に対して大きな屈曲力を加えることが初めて可能である。提供される梃子力の故に、4本指を反力として使用し、親指を実際の動力源として使用し、それによって、特別に容易な屈曲を行うことが今や初めて可能である。何故ならば、本発明によれば、屈曲部は空気圧工具の下方領域に今や配置され、最早、従来技術の場合におけるように上方領域に配置されないからである。
【0013】
本発明に従って空気圧工具を作動するための他の動作モードにおいて、親指自体が反力としてのみ作用し、屈曲不能な上方部に位置するのに対し、同じ手の4本指は、内向きに方向付けられる対応する圧力を掌に向かって今や加え、よって、空気圧工具内部のバルブロッドを傾斜位置に導き、よって、バルブディスクをバルブシートから持上げさせるために、ある角度でその長手軸について屈曲部を屈曲する。
【0014】
これは新規な作動の方法である。何故ならば、本発明によれば、屈曲部は今や4本指の領域内にあり、例えば、特許文献1又は特許文献2に示されるような親指の領域内には最早ないからである。
【0015】
本発明の好適な構造では、空気圧工具全体が、1回の製造ステップにおいて射出成形工具内で一体的に射出成形される一体材料から作製されるプラスチック部分で構成され、空気圧工具のプラスチック材料全体は、均一なプラスチックで構成される。それによって、単一の射出成形工具及び単一のプラスチック材料を用いて非屈曲部及び屈曲部が製造されるという利点が達成される。
【0016】
本発明に従った屈曲部の更なる実施態様では、屈曲部が多数のリブで構成され、リブは互いに離間して配置され且つ互いに平行に整列され、且つ、第一外径を有し、リブは対応する環状溝と交互に配置され、各場合において、それは1つの環状溝が1つのリブに追従し、環状溝はリブの外径に対して減径された外径を有することを意味する。
【0017】
よって、環状溝が比較的小さい直径を有し、従って、プラスチック材料を屈曲可能にするのに対し、そのようなリブは屈曲可能に形成されないので、リブ付き部としての屈曲部は、屈曲可能な方法で構成される。
【0018】
従って、屈曲部は、環状溝の溝底部のコアによって、屈曲可能な方法において構成される。屈曲が起こるのは、環状溝の底部の直径、よって、プラスチックの材料厚みが空気圧工具の外径と比較して有意により小さいからである。よって、これは屈曲部の領域における空気圧工具の本体の材料弱化断面を包含する。
【0019】
それによって、減径材料断面を備える部分が形成され、それによって、屈曲部の屈曲性が達成される。
【0020】
本発明の更なる有利な実施態様では、他の構造的な構成によって屈曲部の屈曲性が達成される。屈曲部の領域におけるプラスチック材料の連続的な材料弱化断面の代わりに、この領域におけるプラスチックの断面を他の屈曲不能領域におけるプラスチックの断面と等しく構成することをもたらし得る。しかしながら、この場合には、屈曲性を達成するために、凹部、溝、又は、スプライン等の弱化断面が屈曲可能部分の領域に設けられなければならない。
【0021】
その上、第三実施態様では、屈曲可能部分の領域におけるプラスチックの材料を残余の屈曲不能部分に比較してより柔軟且つより弾性的に構成し得る。
【0022】
屈曲部を含む空気圧工具全体が一体成形物で形成される、即ち、弾性プラスチックで形成されるという事実の故に、例えば、特許文献2の主題に関して該当するように、いずれかの個々の部分が空気圧工具から抜け落ち、破損し、漏れやすくなり得る危険性はない。
【0023】
出願人の試験結果は、そのような空気圧工具の本質的な故障源が、バルブディスク及び関連するバルブロッドと相互作用するシールに本質的にあることを示した。
【0024】
この理由のために、本発明は、バルブディスク及びバルブロッドと相互作用するシールの容易な交換性をもたらす。
【0025】
これは接続部からシールを引き抜くための引張工具としても同時に構成されるバルブロッドの特別な形状によって達成される。
【0026】
この目的のために、2つの部分、即ち、環状リミットストップを介してより小さな直径を備える下方部に移行するより大きな直径を備える上方部から成るバルブロッドが本発明に従って提供され、下方部の領域内には、更なる環状インサートが配置され、下方部の外径には、その外周に冠形状を有する更なる環状ショルダが配置される。
【0027】
勿論、バルブロッド全体は適切な金属材料で一体的に形成され、例えば、旋削によって加工される。
【0028】
本発明によれば、このバルブロッドはシールを引き抜くための引張工具としても同時に構成される。このシールを交換するために、空気圧工具は、底部に配置される接続部を用いて、適切な当接表面に打ち付けられる、即ち、バルブロッドが重力によって下向きに駆動され、それによって、下方部にある下方環状ショルダが、その冠部付き表面と共に、交換されるべきシールを通じて滑り、交換されるべきシールの他の側に達するような方法で打ち付けられる。
【0029】
よって、バルブロッドのバルブディスクは、接続部から下向きに突出可能であり、手で把持可能であり、それによって、バルブロッドを更に引っ張ることによって、上方環状リミットストップは、交換されるべきシールに当接する。バルブロッドを更に引っ張ることによって、上方リミットストップは、シールを接続ニップルから下向きに駆動し、シールを容易に取り外し得る。何故ならば、上方リミットストップは環状リミットストップとして形成されるからである。よって、シールは容易に取り外し可能な方法において構成され、上述されたように、逆のプロセスによって、シールを再び挿入し得る。
【0030】
バルブロッドを除去するとき、吹付けヘッド内の吐出開口を含む空気運搬通路全体は自由にアクセス可能であり、吹付けヘッド内の吐出開口を含む空気運搬通路全体を適切な洗浄液又は圧縮空気を用いて容易に洗浄し得る。
【0031】
よって、本発明の場合には、バルブロッドがバルブディスクのためのシールを交換する引張工具としても同時に構成されることが重要であり、これは前述された第一主要請求項に関して組み合わせにおいて或いは単独で独立項として請求される。
【0032】
一体成形物(シングルピース)から成る弾性プラスチックからの空気圧工具の本体の構造の他の利点は、円周に亘って均一に分配される複数の吐出開口(ノズル)を備える吹付けヘッドを設計することが今や初めて可能であることである。
【0033】
よって、単一ノズル構成においてそうであるような歯擦音ノイズ又は笛声音ノイズを生成することなく、低ノイズレベルの比較的大きな空気流を排出し得る。
【0034】
これを達成し得るのは、本発明によれば多数の吐出開口が円周に亘って均一に分配され、各吐出開口がセクタチャンバの領域内に配置されるからである。
【0035】
各セクタチャンバは、円周上に径方向に均一に配置されるリブによって境界付けられ、長手方向に整列される吐出開口は、各セクタチャンバの底部に配置される。
【0036】
吐出開口を通じて生成される吐出流の故に、空気が各個々の吐出開口のための各セクタチャンバの領域内に吸入され、それによって、吹付けヘッドの領域内の乱流が回避され、よって、有意に減少された吹付けノイズが達成される。
【0037】
本発明の主題は、個々の特許請求項の主題に起因するのみならず、個々の特許請求項の相互の組み合わせにも起因する。
【0038】
要約中に開示される情報及び特徴を含む全ての文書、特に、図面中に例示される空間的構造は、それらが従来技術に対して単独で或いは組み合わせにおいて新規であることを条件として、本発明にとって本質的であるとして請求される。
【0039】
本発明は、例示的な実施態様のみを示す図面を用いて、以後により詳細に説明される。本発明の更なる特徴及び利点は、図面及びその記載によって暗示される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】手動で作動される空気圧工具を概略的に示す側面図である。
【図2】更なる詳細を伴う図1に従った空気圧工具を示す側面図である。
【図3】バルブロッドの2つの異なる機能的位置を伴う図1及び図2に従った空気圧工具を示す断面図である。
【図4】図3に従った空気圧工具のバルブロッドを示す側面図である。
【図5】バルブロッドのバルブディスクでの詳細を示す断面図である。
【図6】図3中の矢印VIの方向における空気圧工具を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は空気圧工具1の本発明に従った新規な構造を例示しており、例示的な実施態様において、空気圧工具は左手の指で作動されると想定されるが、右手でも作動可能である。
【0042】
ここでは、接続部2に屈曲部17が取り付けられ、通常、接続部2内には接続ニップル3が配置され(図2及び3を参照)、屈曲部は空気圧工具1の全体の実際の屈曲性を保証することが重要である。
【0043】
この屈曲部17に剛的な上方部分13が取り付けられ、従って、上方部分13は屈曲可能ではなく、吹付けヘッド23に一体的に移行し、吹付けヘッド23内には一連のノズル開口25が円周に亘って均一に分配されて配置される。
【0044】
左手の4つの指(人差指36及び小指37のみに番号が付与されている)を用いて、圧力が空気圧工具1の本体上で矢印38の方向に加えられ、同じ手の親指35を用いて、圧力が屈曲不能な上方部13上で矢印26の方向に加えられる。
【0045】
手の4つの指(36−37)は下方部を保持するので、その長手軸についてのある角度の空気圧工具1の屈曲が屈曲部17の領域において起こり、2つの力方向、即ち、矢印26の方向における親指35の力方向及び矢印38の方向における4つの指の力方向が互いに対して向けられる。これは梃子効果をもたらし、従って、僅かな指力で空気圧工具全体の良好な屈曲性をもたらす。
【0046】
それによって、僅かな指力のみが必要とされ、それぞれの指関節及び関連する腱は僅かに圧迫されるだけである。これは従来技術に対する本質的な利点である。何故ならば、従来技術の場合には、多作動のために腱鞘炎は極めて一般的であったからである。
【0047】
本発明は、屈曲部17が剛的な屈曲不能接続部2に直接的に取り付けられ、次いで、屈曲部17に屈曲不能上方部13及び吹付けヘッド23が取り付けられるという特別な構成を通じて、これを回避する。
【0048】
本発明の更なる詳細は図2及び3によって暗示される。
【0049】
空気圧工具の残余の工具本体に一体的に接続される剛的な接続部2内に接続ニップル3が射出成形されることは明らかである。接続ニップル3は多数のリブ6及び突起7を有し、それらを用いて、ニップル3は接続部2の材料中に非回転式に埋設される。
【0050】
接続ニップル3は、好ましくは、高強度金属材料で構成され、ねじ山逃げ(thread runout)にアンダーカット5を有する。
【0051】
従って、圧縮空気のために接続ネジ内のねじ込み(screwing)のためのネジ山付き受口4が形成される。
【0052】
上方環状溝8が接続ニップル3の領域に設けられ、交換可能なシール9が上方環状溝内に着座される。
【0053】
バルブロッド10の一部であるバルブディスク11は、シール9の下面に対して位置する。
【0054】
バルブディスク11は図5中に例示され、シールに当接する上方凹部30を有し、バルブディスク11の傾斜中の接続ニップル3の壁への損傷を防止するために、環状コーン31が径方向外向きに配置される。
【0055】
図4によれば、バルブロッド10はバルブディスク11で構成され、バルブディスク11は、減径直径を有する下方部12と共に一体的に係合される。
【0056】
拡径直径を備える環状ショルダ15が下方部12の領域に形成され、環状ショルダ15は、外周上で冠部を支持する。
【0057】
この環状ショルダ15からある距離29で、下方部12は同じ直径を備えて延び、拡径直径を備える上方部13に移行し、それによって、環状リミットストップ14を形成する。
【0058】
環状ショルダ15とバルブディスク11との間には、ある距離40が形成される。
【0059】
シール9を交換するために、機能の例示が破線で描写され、バルブロッド10がシール9を引き抜く引張工具としてどのように作用するかを示している。
【0060】
この目的のために、空気圧工具1は当接表面に対して矢印41の方向に打ち付けられ、環状ショルダ15は、シール9の中心開口を通じて、その冠部16と共に重力駆動されて滑り、図3中に破線で示されるような位置に達する。
【0061】
よって、このようにして、バルブディスク11は、接続ニップル3から、底部にある位置11’に突出する。指力によって下向きに引っ張られることが可能であり、それによって、リミットストップ14はシール9の上面に当接する。
【0062】
バルブディスク11を更に引っ張ることの故に、下方部12がバルブロッド10から突出し、リミットストップ14はシール9の上面を押し付け、シール全体はその環状溝8から分離され、バルブロッド10と共に下向きに引き下げられる。
【0063】
よって、シール9は容易に交換可能である。
【0064】
新しいシールを挿入するために、シールを上方部13上に単に配置し且つ拡径可能であり、それによって、シールは減径直径を有する下方部12上に位置するようになる。次に、反対の組立て経路が矢印41の方向に対して反対方向に起こり、それによって、バルブロッド10を押し込むとき、バルブディスク11は、シール9がその環状溝8内に位置するようになるまで、シール9を上向きに移動する。
【0065】
従って、バルブロッド10が二重機能、即ち、一方では、バルブディスク11及びシール9を備える空気圧工具を作動し、他方では、シールを迅速に交換し且つ再び組み付け得る引張工具としても作用する機能を有することが重要である。
【0066】
それ以外に、バルブロッド10を取り外すとき、空気運搬通路33全体が自由にアクセス可能になり、吹付けヘッド23の領域にある開口25を含む空気運搬通路33全体を適切な洗浄手段を用いて或いは圧縮空気を用いて洗浄し得る。
【0067】
屈曲部17は空気圧工具1全体と同じ非屈曲性材料で構成されるが、円周に亘って互いに離間して均一に分配されて配置されるリブ18が環状溝19と交互に起こり、環状溝19の溝底部42が材料弱化シャフトを形成し、従って、環状溝19は容易に屈曲可能である点で、屈曲部17の屈曲性が構築される。このようにして、例えば、図2中に例示されるような矢印26の方向に、屈曲部17の領域において如何なる屈曲も起こり得る。
【0068】
上方部20は屈曲部17に一体的に取り付けられ、それによって、上方部20は、その通路33で、バルブロッド10の上方部13を受け入れる。
【0069】
上方部20は環状ショルダ15で構成され、環状ショルダ15はその上方領域において円錐部22に移行し、円錐部22は、円錐状ショルダ28を形成することによって、吹付けヘッド23に移行する。
【0070】
上方部20の領域内に、同様に、接続部2の領域内に、把持溝21を配置し得る。
【0071】
図6によれば、吹付けヘッド23は、円周に亘って均一に分配された多数の長手リブ24で構成され、長手リブ24は、各場合において、互いの間にセクタチャンバ32を形成する。各セクタチャンバ32の底部にノズル開口25が配置され、ノズル開口25は長手方向において整列される。
【0072】
長手リブ24によって互いに分離されるセクタチャンバ32を形成することによって、各ノズル開口25の吹付けヘッド23から長手方向に上向きに排出されるノズル流は、セクタチャンバ32内で同様に長手方向に上向きに吸入される吸入空気によって置換されることが保証される。このようにして、各セクタチャンバ32内の各ノズル開口25のために、別個の空気流が引き続き吸入され、それによって、空気流の望ましくない乱流、従って、望ましくない大きな音の吹付けノイズが回避される。
【0073】
それ以外に、長手リブ24を備えるセクタチャンバ32の配置は、セクタチャンバ内にこのような方法で隠されて配置されるノズル開口25の故に、長手リブがスペーサとして作用するので、吹付けヘッド23を本体部に直接的に取り付けることは可能ではない。
【0074】
それ以外に、空気圧工具1の本体の上側に、先端として半球状に形成されたリミットストップ27が配置されている。
【0075】
通路33の内部で、全てのノズル開口は、直線的に形成された通路33の前端部34を介して、吹付けヘッド23内に走っている。
【0076】
出願人の試験結果は、本発明の装着状況の故に、圧縮空気が空気圧工具1を通じて流れるならば、屈曲部17の屈曲がより一層容易化されることを示した。圧縮空気が流通するならば、圧縮空気の流れのない屈曲部17の屈曲に比べ、屈曲部17の屈曲は約1/3の因数だけより容易化されることを示した。
【0077】
例示の目的のために、図3及び4に従った装着状況に取り組む。バルブロッド10の上方部13の(より大きな)直径は6mmであり、(より小さな)バルブ部12の直径は4mmである。通路33の内径は8mmである。よって、リミットストップ14は2mmの直径を有する。圧縮空気が流れ、リミットストップ14に高速で衝突するとき、リミットストップ14は圧縮空気流内に障壁を形成し、よって、その長手軸の方向にバルブロッド10上で上向きに作用する引張力が創成される。よって、バルブディスク11とシール9との間のバルブシートは圧縮される。他方、圧縮空気は上方部13の外周と通路33の内周との間の狭い環状通路を通じて高速で流れる。それによって、圧縮空気が流れるならば、圧縮空気が流れない場合よりも、生成される流力は屈曲部17の屈曲を有意により低い力で実施し得ることをもたらす。
【符号の説明】
【0078】
1 空気圧工具(pneumatic tool)
2 接続部(connecting part)
3 接続ニップル(connecting nipple)
4 ネジ山付き受口(threaded receptacle)
5 アンダーカット(undercut)
6 リブ(rib)
7 突起(projection)
8 環状溝(annular groove)
9 シール(seal)
10 バルブロッド(valve rod)
11 バルブディスク(valve disk)
11’ バルブディスク(valve disk)
12 バルブ部(valve part)
13 上方部(upper part)
14 リミットストップ(limit stop)
15 環状ショルダ(annular shoulder)
16 冠部(crown)
17 屈曲部(bending part)
18 リブ(rib)
19 環状溝(annular groove)
20 上方部(upper part)
21 把持溝(gripping groove)
22 円錐部(conical part)
23 吹付けヘッド(blow head)
24 長手リブ(longitudinal rib)
25 ノズル開口(nozzle opening)
26 矢印の方向(direction of arrow)
27 リミットストップ(limit stop)
28 円錐状ショルダ(cone shoulder)
29 矢印の方向(direction of arrow)
30 凹部(recess)
31 環状コーン(annular cone)
32 セクタチャンバ(sector chamber)
33 通路(channel)
34 前端部(front end)
35 親指(thumb)
36 人差指(index finger)
37 小指(little finger)
38 矢印の方向(direction of arrow)
39 距離(distance)
41 矢印の方向(direction of arrow)
42 溝底部(groove bottom)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力媒体を供給するための接続部を備える接続ニップルと、前記圧力媒体の標的付けられた解放のために少なくとも1つのノズル開口を備える吹付けヘッドとを含む、
吹付けのための空気圧工具であって、
可撓な変形可能な屈曲部が前記関連する接続ニップルを備える前記剛的な接続部に取り付けられ、吹付けヘッドが取り付けられた状態で、屈曲不能の剛的な上方部が前記屈曲部に取り付けられることを特徴とする、
空気圧工具。
【請求項2】
前記屈曲部は、当該空気圧工具の下方領域において前記圧力接続付近に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の空気圧工具。
【請求項3】
前記屈曲部に圧力を加えることによって、当該空気圧工具の内部内のバルブロッドを傾斜位置に導き、よって、バルブディスクをシールから持ち上げ得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気圧工具。
【請求項4】
当該空気圧工具全体が同じプラスチックから成る一体部分で構成されることを特徴とする、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項5】
前記屈曲部は、互いに離間して配置され且つ互いに平行に整列される多数のリブと、環状溝とで構成され、前記リブは、対応する前記環状溝と交互に配置され、前記環状溝は、前記リブの直径に対して減径された外径を有することを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項6】
前記接続部、前記屈曲部、及び、前記吹付けヘッドを備える前記上方部は同じ断面を有し、前記屈曲部の領域において、溝、スプライン等のような、弱化凹部が形成されることを特徴とする、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項7】
前記吹付けヘッドは、円周に亘って均一に分配されて配置される複数のノズル開口を備える形成され、各ノズル開口は、セクタチャンバの領域内に配置され、各セクタチャンバは、円周に亘って径方向に均一に配置されるリブによって境界付けられ、長手方向において整列されるノズル開口が各セクタチャンバの底部に配置されることを特徴とする、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の空気圧工具。
【請求項8】
空気圧工具用のバルブヘッドであって、
シールを取り出すための引張工具として形成されることを特徴とする、
バルブヘッド。
【請求項9】
当該バルブヘッドは、少なくとも2つの部分から形成され、よって、上方部と、下方部とで構成され、前記上方部は、環状リミットストップを介してより小さい直径を有する前記下方部に移行するより大きな直径を有し、前記下方部は、前記下方部の下方領域において、外周に冠部付き環状ショルダを有し、前記下方部と同じ直径を備える領域が前記環状ショルダに取り付けられ、より大きな直径を備えるバルブディスクに引き続き移行することを特徴とする、請求項8に記載のバルブロッド。
【請求項10】
空気圧工具のシールを組付け且つ分解するための方法であって、
分解、及び、逆の組付けは、
前記空気圧工具が、前記底部に配置されるその接続部を用いて、適切な当接表面上に打ち付けられるステップと、
前記バルブロッドが重力及び重量によって前記接続部に向かって下向きに駆動されるステップと、
前記下方部の前記冠部付き環状ショルダが、交換されるべき前記シールを通じて滑り、その他の側に達するステップと、
前記バルブロッドの前記バルブディスクを把持し、且つ、引張運動を用いて前記空気圧工具から下向きに引っ張り得るステップと、
前記引張運動の故に、前記上方環状リミットストップは、交換されるべき前記シールに当接するステップと、
前記バルブロッドに対して作用する更なる引張運動の故に、前記上方環状リミットストップは、前記シールを前記接続部から下向きに駆動するステップとを含む、
方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−71302(P2012−71302A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208610(P2011−208610)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(511231883)
【氏名又は名称原語表記】Lucien MASSON
【住所又は居所原語表記】Hubrainweg 20a,CH−8124 Maur,Switzerland
【Fターム(参考)】