周期的投与によって作製されたインフルエンザウイルスに対するモノクローナル抗体及びその使用
同じサブタイプ又は異なるサブタイプのインフルエンザウイルスの株と交差反応する中和するモノクローナル抗体を、周期的免疫化によって作製する方法が本明細書に提供される。また、このような抗体を含む組成物、及びこのような抗体を用いてインフルエンザウイルス疾患を診断、予防、又は治療する方法が本明細書に提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じか又は異なるサブタイプのインフルエンザA型ウイルス赤血球凝集素(HA)の2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、2、3、4、又はそれより多くの免疫原性組成物を非ヒト対象に、各免疫原性組成物の投与を一定時間離して投与すること、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製すること、及び、インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンを選択することを含み、この中で、各免疫原性組成物が、不活性型インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の生インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原、又はインフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原をコードする核酸を含み、かつこの中で、1の免疫原性組成物は、別の免疫原性組成物とは、前記インフルエンザウイルス、又は、前記HA若しくはその断片又は前記HA若しくはその断片をコードする核酸が由来し又は得られるインフルエンザウイルスが、抗原的に異なるという点において異なる、前記方法。
【請求項2】
2以上のインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、2、3、4、又はそれより多くの免疫原性組成物を非ヒト対象に、各免疫原性組成物の投与を一定時間離して投与すること、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製すること、及び、インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンを選択することを含み、この中で、各免疫原性組成物が、不活性型インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の生インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原、又はインフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原をコードする核酸を含み、かつこの中で、1の免疫原性組成物は、別の免疫原性組成物とは、前記インフルエンザウイルス、又は前記HA若しくはその断片又は前記HA若しくはその断片をコードする核酸が由来し又は得られるインフルエンザウイルスが、抗原的に異なるという点において異なる、前記方法。
【請求項3】
前記モノクローナル抗体を単離することをさらに含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記2以上のインフルエンザA型ウイルスが、H3サブタイプ、又はサブタイプH1及びH3のものである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記インフルエンザA型ウイルスサブタイプがH1及びH3である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(i)非ヒト対象に、第一の不活性型インフルエンザウイルス、第一の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第一の生インフルエンザウイルス、第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第一の免疫原性組成物を投与すること;(ii)第一の時間の後、前記対象に、第二の不活性型インフルエンザウイルス、第二の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第二の生インフルエンザウイルス、第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第二の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第二のインフルエンザウイルスが前記第一のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;及び(iii)第二の時間の後、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製し、かつインフルエンザA型ウイルスHAの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマクローンを選択することを含む、前記方法。
【請求項7】
インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(i)非ヒト対象に、第一の不活性型インフルエンザウイルス、第一の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第一の生インフルエンザウイルス、第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第一の免疫原性組成物を投与すること;(ii)第一の時間の後、前記対象に、第二の不活性型インフルエンザウイルス、第二の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第二の生インフルエンザウイルス、第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第二の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第二のインフルエンザウイルスが前記第一のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;並びに(iii)第二の時間の後、前記対象に、第三の不活性型インフルエンザウイルス、第三の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第三の生インフルエンザウイルス、第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHA、あるいは第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第三の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第三のインフルエンザウイルスが、前記第一の及び前記第二のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;並びに(iv)第三の時間の後、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマクローンを選択することを含む、前記方法。
【請求項8】
インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(i)非ヒト対象に、第一の不活性型インフルエンザウイルス、第一の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第一の生インフルエンザウイルス、第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第一の免疫原性組成物を投与すること;(ii)第一の時間の後、前記対象に、第二の不活性型インフルエンザウイルス、第二の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第二の生インフルエンザウイルス、第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第二の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第二のインフルエンザウイルスが前記第一のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;(iii)第二の時間の後、前記対象に、第三の不活性型インフルエンザウイルス、第三の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第三の生インフルエンザウイルス、第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHA、あるいは第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第三の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第三のインフルエンザウイルスが、前記第一の及び前記第二のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;(iv)第三の時間の後、前記対象に、第四の不活性型インフルエンザウイルス、第四の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第四の生インフルエンザウイルス、第四のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHA、あるいは第四のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第四の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第四のインフルエンザウイルスが、前記第一の、前記第二の、及び前記第三のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;並びに(v)第四の時間の後、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマクローンを選択することを含む、前記方法。
【請求項9】
前記第一の時間が2〜4週間又は2〜6週間であり、かつ第二の時間が2〜5日間又は5〜10日間である、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第一の及び第二の時間が2〜4週間又は2〜6週間であり、かつ前記第三の時間が2〜5日間又は5〜10日間である、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記第一、第二、及び第三の時間が2〜4週間又は2〜6週間であり、かつ第四の時間が2〜5日間又は5〜10日間である、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記HAサブタイプがH3である、請求項6、7、又は8記載の方法。
【請求項13】
前記第一のインフルエンザウイルスが、A/香港/1/1968型であり、第二のインフルエンザウイルスが、A/アラバマ/1/1981型であり、第三のインフルエンザウイルスが、A/北京/47/1992型であり、かつ第四のインフルエンザウイルスが、A/ワイオミング/3/2003型である、請求項8記載の方法。
【請求項14】
前記モノクローナル抗体を単離することをさらに含む、請求項6、7、又は8記載の方法。
【請求項15】
請求項1、6、7、又は8記載の方法によって作製される、同じサブタイプ又は異なるサブタイプのインフルエンザA型ウイルスHAの2以上の株に結合しかつ中和する、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項16】
請求項2記載の方法によって作製される2以上のインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプ由来の株に結合しかつ中和する、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項17】
2009年5月22日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)によりブダペスト条約の規定の下で保管された、7A7と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐10058)。
【請求項18】
2009年5月22日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)によりブダペスト条約の規定の下で保管された、12D1と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐10059)。
【請求項19】
2009年5月22日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)によりブダペスト条約の規定の下で保管された、39A4と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐10060)。
【請求項20】
2010年5月25日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)により、ブダペスト条約の規定の下で保管された66A6と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐_____)。
【請求項21】
請求項17記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項22】
請求項18記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項23】
請求項19記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項24】
請求項20記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項25】
請求項21、22、23、又は24記載のモノクローナル抗体から作製される、ヒト化抗体。
【請求項26】
配列番号1の配列に結合し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株を中和する、単離された抗体。
【請求項27】
配列番号124の配列に結合し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株を中和する、単離された抗体。
【請求項28】
配列番号125の配列に結合し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株を中和する、単離された抗体。
【請求項29】
前記H3サブタイプのインフルエンザA型ウイルスに結合する単離された抗体であって、(a)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6の可変重鎖(VH)ドメイン;(b)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6の可変軽鎖(VL)ドメイン;(c)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVHドメイン及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVLドメイン;(d)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH相補性決定領域(CDR);(e)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDR;あるいは(f)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH CDR及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDRを含む、前記抗体。
【請求項30】
請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を含む、組成物。
【請求項31】
請求項25記載の抗体を含む、組成物。
【請求項32】
対象に、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を予防する方法。
【請求項33】
対象に、請求項25記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を予防する方法。
【請求項34】
対象に、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を治療する方法。
【請求項35】
対象に、請求項25記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を治療する方法。
【請求項36】
(a)請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を用いて、対象の細胞又は組織試料におけるインフルエンザウイルスHAのレベルをアッセイすること;及び(b)(a)においてアッセイされた前記インフルエンザウイルスHAのレベルを、インフルエンザウイルスに感染していない正常組織試料におけるインフルエンザウイルスHAのレベルと比較することを含み、この中で、インフルエンザウイルス抗原の対照レベルと比較したインフルエンザウイルスHAのアッセイしたレベルにおける増大が、インフルエンザA型ウイルスH3サブタイプの株の存在を示す、インフルエンザA型ウイルスH3の株を検出する方法。
【請求項37】
インフルエンザA型ウイルスH3サブタイプの株が、A/香港/1/1968型、A/アラバマ/1/1981型、A/北京/47/1992型、又はA/ワイオミング/3/2003型である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
容器に、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を含む、キット。
【請求項39】
容器に、請求項25記載の抗体を含む、キット。
【請求項40】
配列番号1の配列を含む、免疫原性組成物。
【請求項41】
配列番号124の配列を含む、免疫原性組成物。
【請求項42】
配列番号125の配列を含む、免疫原性組成物。
【請求項43】
対象における免疫応答を誘導する方法であって、前記対象に、請求項40、41、又は42記載の免疫原性組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
検出可能な薬剤又は治療薬に抱合又は融合されたものである、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体。
【請求項45】
検出可能な薬剤又は治療薬に抱合又は融合されたものである、請求項25記載の抗体。
【請求項46】
H3サブタイプのインフルエンザA型ウイルスに結合する抗体をコードする単離された核酸であって、前記抗体が、(a)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVHドメインのアミノ酸配列;(b)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVLドメインのアミノ酸配列;(c)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVHドメイン及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVLドメインのアミノ酸配列;(d)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH CDRのアミノ酸配列;(e)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDRのアミノ酸配列;あるいは(f)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH CDR及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDRを含む、前記核酸。
【請求項47】
請求項46記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項48】
前記核酸の発現を調節するヌクレオチド配列をさらに含む、請求項47記載のベクター。
【請求項49】
請求項46記載の核酸又は請求項47若しくは48記載のベクターを含み又は発現するよう遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項50】
前記核酸が、請求項49記載の宿主細胞の培養物由来の抗体を発現及び回復させる条件下で、前記宿主細胞を培養することを含む、抗体を作製する方法。
【請求項1】
同じか又は異なるサブタイプのインフルエンザA型ウイルス赤血球凝集素(HA)の2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、2、3、4、又はそれより多くの免疫原性組成物を非ヒト対象に、各免疫原性組成物の投与を一定時間離して投与すること、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製すること、及び、インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンを選択することを含み、この中で、各免疫原性組成物が、不活性型インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の生インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原、又はインフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原をコードする核酸を含み、かつこの中で、1の免疫原性組成物は、別の免疫原性組成物とは、前記インフルエンザウイルス、又は、前記HA若しくはその断片又は前記HA若しくはその断片をコードする核酸が由来し又は得られるインフルエンザウイルスが、抗原的に異なるという点において異なる、前記方法。
【請求項2】
2以上のインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、2、3、4、又はそれより多くの免疫原性組成物を非ヒト対象に、各免疫原性組成物の投与を一定時間離して投与すること、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製すること、及び、インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンを選択することを含み、この中で、各免疫原性組成物が、不活性型インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の生インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原、又はインフルエンザウイルスに由来し若しくはそれから得られる抗原をコードする核酸を含み、かつこの中で、1の免疫原性組成物は、別の免疫原性組成物とは、前記インフルエンザウイルス、又は前記HA若しくはその断片又は前記HA若しくはその断片をコードする核酸が由来し又は得られるインフルエンザウイルスが、抗原的に異なるという点において異なる、前記方法。
【請求項3】
前記モノクローナル抗体を単離することをさらに含む、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記2以上のインフルエンザA型ウイルスが、H3サブタイプ、又はサブタイプH1及びH3のものである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記インフルエンザA型ウイルスサブタイプがH1及びH3である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(i)非ヒト対象に、第一の不活性型インフルエンザウイルス、第一の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第一の生インフルエンザウイルス、第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第一の免疫原性組成物を投与すること;(ii)第一の時間の後、前記対象に、第二の不活性型インフルエンザウイルス、第二の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第二の生インフルエンザウイルス、第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第二の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第二のインフルエンザウイルスが前記第一のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;及び(iii)第二の時間の後、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製し、かつインフルエンザA型ウイルスHAの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマクローンを選択することを含む、前記方法。
【請求項7】
インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(i)非ヒト対象に、第一の不活性型インフルエンザウイルス、第一の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第一の生インフルエンザウイルス、第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第一の免疫原性組成物を投与すること;(ii)第一の時間の後、前記対象に、第二の不活性型インフルエンザウイルス、第二の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第二の生インフルエンザウイルス、第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第二の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第二のインフルエンザウイルスが前記第一のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;並びに(iii)第二の時間の後、前記対象に、第三の不活性型インフルエンザウイルス、第三の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第三の生インフルエンザウイルス、第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHA、あるいは第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第三の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第三のインフルエンザウイルスが、前記第一の及び前記第二のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;並びに(iv)第三の時間の後、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマクローンを選択することを含む、前記方法。
【請求項8】
インフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を作製する方法であって、(i)非ヒト対象に、第一の不活性型インフルエンザウイルス、第一の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第一の生インフルエンザウイルス、第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第一のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第一の免疫原性組成物を投与すること;(ii)第一の時間の後、前記対象に、第二の不活性型インフルエンザウイルス、第二の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第二の生インフルエンザウイルス、第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来するか又はそれから得られるHA、あるいは第二のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第二の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第二のインフルエンザウイルスが前記第一のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;(iii)第二の時間の後、前記対象に、第三の不活性型インフルエンザウイルス、第三の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第三の生インフルエンザウイルス、第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHA、あるいは第三のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第三の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第三のインフルエンザウイルスが、前記第一の及び前記第二のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;(iv)第三の時間の後、前記対象に、第四の不活性型インフルエンザウイルス、第四の弱毒インフルエンザウイルス、弱毒インフルエンザウイルス以外の第四の生インフルエンザウイルス、第四のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHA、あるいは第四のインフルエンザウイルス若しくはその断片に由来し又はそれから得られるHAをコードする核酸を含む第四の免疫原性組成物を投与し、この中で、前記第四のインフルエンザウイルスが、前記第一の、前記第二の、及び前記第三のインフルエンザウイルスとは抗原的に異なること;並びに(v)第四の時間の後、前記対象由来のB細胞ハイブリドーマを作製し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株に結合しかつ中和するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマクローンを選択することを含む、前記方法。
【請求項9】
前記第一の時間が2〜4週間又は2〜6週間であり、かつ第二の時間が2〜5日間又は5〜10日間である、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記第一の及び第二の時間が2〜4週間又は2〜6週間であり、かつ前記第三の時間が2〜5日間又は5〜10日間である、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記第一、第二、及び第三の時間が2〜4週間又は2〜6週間であり、かつ第四の時間が2〜5日間又は5〜10日間である、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記HAサブタイプがH3である、請求項6、7、又は8記載の方法。
【請求項13】
前記第一のインフルエンザウイルスが、A/香港/1/1968型であり、第二のインフルエンザウイルスが、A/アラバマ/1/1981型であり、第三のインフルエンザウイルスが、A/北京/47/1992型であり、かつ第四のインフルエンザウイルスが、A/ワイオミング/3/2003型である、請求項8記載の方法。
【請求項14】
前記モノクローナル抗体を単離することをさらに含む、請求項6、7、又は8記載の方法。
【請求項15】
請求項1、6、7、又は8記載の方法によって作製される、同じサブタイプ又は異なるサブタイプのインフルエンザA型ウイルスHAの2以上の株に結合しかつ中和する、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項16】
請求項2記載の方法によって作製される2以上のインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプ由来の株に結合しかつ中和する、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項17】
2009年5月22日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)によりブダペスト条約の規定の下で保管された、7A7と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐10058)。
【請求項18】
2009年5月22日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)によりブダペスト条約の規定の下で保管された、12D1と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐10059)。
【請求項19】
2009年5月22日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)によりブダペスト条約の規定の下で保管された、39A4と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐10060)。
【請求項20】
2010年5月25日に米国培養細胞系統保存機関(ATCC, 10801 University Blvd., Manassas, VA 20110-2209)により、ブダペスト条約の規定の下で保管された66A6と指定されたハイブリドーマ(ATCC受入番号PTA‐_____)。
【請求項21】
請求項17記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項22】
請求項18記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項23】
請求項19記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項24】
請求項20記載のハイブリドーマによって産生される、単離されたモノクローナル抗体。
【請求項25】
請求項21、22、23、又は24記載のモノクローナル抗体から作製される、ヒト化抗体。
【請求項26】
配列番号1の配列に結合し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株を中和する、単離された抗体。
【請求項27】
配列番号124の配列に結合し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株を中和する、単離された抗体。
【請求項28】
配列番号125の配列に結合し、かつインフルエンザA型ウイルスHAサブタイプの2以上の株を中和する、単離された抗体。
【請求項29】
前記H3サブタイプのインフルエンザA型ウイルスに結合する単離された抗体であって、(a)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6の可変重鎖(VH)ドメイン;(b)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6の可変軽鎖(VL)ドメイン;(c)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVHドメイン及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVLドメイン;(d)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH相補性決定領域(CDR);(e)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDR;あるいは(f)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH CDR及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDRを含む、前記抗体。
【請求項30】
請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を含む、組成物。
【請求項31】
請求項25記載の抗体を含む、組成物。
【請求項32】
対象に、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を予防する方法。
【請求項33】
対象に、請求項25記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を予防する方法。
【請求項34】
対象に、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を治療する方法。
【請求項35】
対象に、請求項25記載の抗体を投与することを含む、インフルエンザウイルス疾患を治療する方法。
【請求項36】
(a)請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を用いて、対象の細胞又は組織試料におけるインフルエンザウイルスHAのレベルをアッセイすること;及び(b)(a)においてアッセイされた前記インフルエンザウイルスHAのレベルを、インフルエンザウイルスに感染していない正常組織試料におけるインフルエンザウイルスHAのレベルと比較することを含み、この中で、インフルエンザウイルス抗原の対照レベルと比較したインフルエンザウイルスHAのアッセイしたレベルにおける増大が、インフルエンザA型ウイルスH3サブタイプの株の存在を示す、インフルエンザA型ウイルスH3の株を検出する方法。
【請求項37】
インフルエンザA型ウイルスH3サブタイプの株が、A/香港/1/1968型、A/アラバマ/1/1981型、A/北京/47/1992型、又はA/ワイオミング/3/2003型である、請求項36記載の方法。
【請求項38】
容器に、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体を含む、キット。
【請求項39】
容器に、請求項25記載の抗体を含む、キット。
【請求項40】
配列番号1の配列を含む、免疫原性組成物。
【請求項41】
配列番号124の配列を含む、免疫原性組成物。
【請求項42】
配列番号125の配列を含む、免疫原性組成物。
【請求項43】
対象における免疫応答を誘導する方法であって、前記対象に、請求項40、41、又は42記載の免疫原性組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項44】
検出可能な薬剤又は治療薬に抱合又は融合されたものである、請求項21、22、23、24、26、27、28、又は29記載の抗体。
【請求項45】
検出可能な薬剤又は治療薬に抱合又は融合されたものである、請求項25記載の抗体。
【請求項46】
H3サブタイプのインフルエンザA型ウイルスに結合する抗体をコードする単離された核酸であって、前記抗体が、(a)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVHドメインのアミノ酸配列;(b)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVLドメインのアミノ酸配列;(c)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVHドメイン及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVLドメインのアミノ酸配列;(d)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH CDRのアミノ酸配列;(e)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDRのアミノ酸配列;あるいは(f)抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVH CDR及び抗体7A7、12D1、39A4、又は66A6のVL CDRを含む、前記核酸。
【請求項47】
請求項46記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項48】
前記核酸の発現を調節するヌクレオチド配列をさらに含む、請求項47記載のベクター。
【請求項49】
請求項46記載の核酸又は請求項47若しくは48記載のベクターを含み又は発現するよう遺伝子操作された宿主細胞。
【請求項50】
前記核酸が、請求項49記載の宿主細胞の培養物由来の抗体を発現及び回復させる条件下で、前記宿主細胞を培養することを含む、抗体を作製する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
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【図32】
【図33】
【図34】
【公表番号】特表2012−527899(P2012−527899A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513195(P2012−513195)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/036170
【国際公開番号】WO2010/138564
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511235962)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/036170
【国際公開番号】WO2010/138564
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511235962)
【Fターム(参考)】
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