説明

周波数を記憶する装置ならびに周波数を記憶しおよび読み出すための方法

【課題】周波数を記憶する装置、周波数を装置に記憶する方法、さらに記憶された周波数を装置から読み出す方法、および記憶装置の駆動方法、ならびに対応するコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】周波数を記憶する装置(100)であって、入力端と出力端、および供給電圧入力端と供給電圧出力端を備えるコンパレータ(102)と、前記コンパレータ(102)の入力端と当該コンパレータ(102)の出力端との間の接続されたメモリスタ(104)とを有することを特徴とする装置(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数を記憶する装置、周波数を装置に記憶する方法、さらに記憶された周波数を装置から読み出す方法、および記憶装置の駆動方法、ならびに対応するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリスタは、直流信号によってその電気抵抗を変化させることのできる受動電気構成素子である。これに対して限界周波数より上の交流信号の場合には、抵抗は一定である。非特許文献1には、電気回路におけるメモリスタの種々の使用可能性が紹介されている。回路においてメモリスタはそれぞれ自立的な給電装置を介して直流信号が供給され、メモリスタの抵抗が変化される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Practical Approach to Programmable Analog Circuits with Memristors、IEEE Transaction on Circuits and Systems I:Regular Papers、Vol.57,No.8,2010年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この背景から本発明の課題は、周波数を記憶する装置、周波数を装置に記憶する方法、さらに記憶された周波数を装置から読み出す方法、および記憶装置の駆動方法、ならびに対応するコンピュータプログラムを提供することである。有利な構成は、それぞれの従属請求項および以下の説明から明らかとなる。
【0005】
本発明は、メモリスタが発振能力のある回路の発振周波数を決定する素子として、外部からこの回路に印加される周波数信号によって変化し、この変化が回路の発振周波数を印加された周波数信号に適合するという知識に基づく。このようにして変化された回路の発振周波数は、印加される周波数信号の遮断後、かつ回路の供給電圧の遮断後には変化しない。したがってメモリスタには発振周波数に関する情報を記憶することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、周波数を記憶する装置を提供するものであり、この装置は、入力端と出力端、および供給電圧入力端と供給電圧出力端を備えるコンパレータと、コンパレータの入力端とコンパレータの出力端との間の接続されたメモリスタとを有することを特徴とする。
【0007】
コンパレータは、2つの電圧を比較する電子回路である。第1の電圧が第2の電圧よりも高い場合、コンパレータの出力端には第1の信号が印加され、反対の場合には出力端に第2の信号が印加される。メモリスタとは、一定の電流が流れるときに変化するオーム抵抗を有する構成素子であると理解できる。直流成分のない高周波交流電流による駆動の際には抵抗は一定である。
【0008】
コンパレータは第2の入力端を有することができ、抵抗を第2の入力端とコンパレータの出力端との間に接続することができる。抵抗とはオーム抵抗であると理解することができる。装置はキャパシタを有することができ、このキャパシタは電位端子とコンパレータの2つの入力端の一方との間に接続されている。キャパシタとはコンデンサであると理解することができる。この装置はさらなる抵抗を有することができ、この抵抗は別の電位端子とコンパレータの入力端との間に接続されている。さらなる構成素子によって装置を自励発振回路として構成することができる。コンパレータは、2つの電圧状態の間を往復切り替えすることができる。キャパシタは抵抗と組み合わせて、最終発振周波数を調整するために遅延部として作用する。遅延素子を変更することにより、2つの状態の切替え間で種々の時定数を達成することができる。パルス源を別の電位端子と、別の抵抗および/またはコンパレータの入力端との間に接続することができる。パルス源は、所定の周波数の発振信号を提供するよう構成することができる。発振信号は自励発振回路に影響を与えることができる。自励発振回路の発振と発振信号とは1つの混合信号に重畳することができる。混合信号は直流成分を有することができ、この直流成分はメモリスタに記憶された周波数についての情報を変化させることができる。この情報は、装置の発振が発振信号の周波数により振動するまで変化することができる。
【0009】
本発明はさらに、ここに紹介するアプローチによる記憶装置に周波数を記憶するための方法を提供し、この方法は、記憶すべき周波数の書き込み信号を装置に印加し、この周波数に対応する情報をメモリスタに記憶するステップを有する。
【0010】
書き込み信号とは、信号源から提供される周波数の安定した信号であると理解できる。装置の発振回路では、この書き込み信号の印加の前に出力発振信号を、出力発振信号と書き込み信号との信号重畳によって混合発振に変化させることができる。混合発振は直流成分を有することができる。この直流成分は、メモリスタに記憶された周波数についての情報を、回路が書き込み信号のクロックで発振するまで変化させることができる。
【0011】
本発明はさらに、ここに紹介するアプローチによる記憶装置から、記憶された周波数を読み出すための方法を提供し、この方法は、コンパレータに供給電圧入力端と供給電圧出力端によって供給電圧を通電し、周波数に対応する情報を読み出すために読み出し信号を取り出すステップを有する。
【0012】
読み出し信号とは、メモリスタによって規定された装置の固有振動であると理解できる。固有振動はコンパレータの供給電圧によって励振することができる。
【0013】
本発明はさらに、ここに紹介するアプローチによる記憶装置を駆動するための方法を提供し、この方法は、ここに紹介するアプローチにしたがい周波数を記憶する方法のステップと、ここに紹介するアプローチにしたがい周波数を読み出す方法のステップとを有する。
【0014】
この方法は、記憶ステップと読み出しステップとの間に休止ステップを有することができ、装置には休止ステップでは電圧が印加されず、通電されず、周波数に対応する情報が維持される。休止ステップに続いて、装置を記憶された周波数で新たに駆動することができる。これにより装置は、周波数についての情報をエネルギーを必要とせずに記憶することができる。
【0015】
プログラムがコンピュータまたは装置で実行されるときに、機械により読み出し可能な担体、たとえば半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光学的メモリに記憶することができ、前記実施形態による方法ステップの実行または制御のために使用されるプログラムコードを有するコンピュータプログラムも有利である。
【0016】
本発明を以下、添付図面に基づき例として詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例による記憶装置の回路図である。
【図2】本発明の別の実施例による記憶装置の回路図である。
【図3】本発明の実施例による記憶装置の駆動方法のフローチャートである。
【図4】初期状態における本発明の実施例による記憶装置の発振信号の線図である。
【図5】記憶の開始段階における本発明の実施例による記憶装置の発振信号の線図である。
【図6】記憶の終了段階における本発明の実施例による記憶装置の発振信号の線図である。
【図7】メモリスタに周波数についての情報が記憶されたときの終了状態における本発明の実施例による記憶装置の発振信号の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の有利な実施例の以下の説明では、異なる図面に示してあっても類似に作用する要素には同じまたは類似の参照符合が付してあり、これら要素の説明は繰り返さない。
【0019】
図1は、本発明の実施例による記憶装置100の回路図である。装置100はコンパレータ102、メモリスタ104、抵抗106、キャパシタ108および別の抵抗110を有する。コンパレータ102は反転入力端−、非反転入力端+、ならびに出力端を有する。さらにコンパレータは供給電圧用の負端子と正端子を有する。メモリスタ104は2つの端子を有する。メモリスタ104の第1の端子はコンパレータ102の非反転入力端+と接続されている。メモリスタ104の第2の端子はコンパレータ102の出力端と接続されている。抵抗106も同様に2つの端子を有する。抵抗106の第1の端子はコンパレータ102の反転入力端−と接続されている。抵抗106の第2の端子はコンパレータ102の出力端およびメモリスタ104の第2の端子と接続されている。キャパシタ108、すなわちコンデンサは2つの端子を有する。キャパシタ108の第1の端子は、装置100の第1の電位端子と接続されている。キャパシタ108の第2の端子はコンパレータ102の反転入力端−、および抵抗106の第1の端子と接続されている。別の抵抗110は2つの端子を有する。別の抵抗110の第1の端子は、装置100の第2の電位端子と接続されている。別の抵抗110の第2の端子は、コンパレータ102の非反転入力端+、およびメモリスタ104の第1の端子と接続されている。動作時にはコンパレータ102の負端子と正端子が、図示しない供給電圧用の電圧源と接続される。
【0020】
図2は、本発明の別の実施例による記憶装置100の回路図である。装置100は図1に示した装置に対応する。付加的に図2ではパルス源200が、装置100の第2の電位端子112と別の抵抗110との間に配置されている。
【0021】
言い替えると図1と2は、メモリスタ104を有する周波数メモリ100を示す。メモリスタは新種の電気抵抗である。メモリスタの抵抗は一定ではなく、可変にプログラミングすることができる。メモリスタは、抵抗値は過去に依存する抵抗である。所定の限界周波数より高い周波数の交流が流れるときはその値を変化しない。限界周波数より低い周波数の電流が流れると抵抗が変化する。したがってメモリスタ104はたとえばメモリとして使用することができる。メモリスタの寸法は数nmの範囲にある。したがって従来のメモリ技術よりも高い記憶密度が可能である。この構成素子に対する他の適用も回路技術的に可能である。ここに紹介するアプローチでは、メモリスタ104を「周波数」の記憶のために使用する可能な回路を紹介する。
【0022】
プログラミング可能な周波数発生器(PLL、位相ロックループ)はプログラミング可能な分周器または周波数乗算器であり、基準周波数を任意の係数で乗算または割算することができる。クロック発生器と関連して任意の周波数を生成し、または後続の周波数発生器を形成することができる。ここに紹介する周波数メモリ100とは異なり、PLL発生器は自励型ではない。すなわちPLL発生器は別のクロック発生器をソースとして必要とする。たとえば水晶発振器ではクロック信号が発振水晶によって生成される。ここで周波数は機械的構造形式または機械的トリマによって調整される。双安定マルチバイブレータは、2つの出力段階の間を往復切り替えするコンパレータである。これは実際にはすべてのクロック発生器に対するベース段である。
【0023】
周波数メモリ100は、「周波数」を記憶し、これを再び読み出すことのできる回路である。プログラミングのために、所定の周波数範囲の信号が回路100の入力端114に印加される。出力端112には、入力周波数の信号が出力される。所定の限界周波数より低い信号が印加されると(たとえば入力端がアースに接続されると)、出力信号の周波数は維持される。供給電圧が遮断されると、この値はメモリに維持される。供給電圧の印加後には再びプログラミングされた周波数の信号が出力される。
【0024】
メモリスタ104を有する周波数メモリ100により、周波数を直接記憶し、直接読み出すことができる。メモリスタは、クロック信号を必要とするさらなる回路に組み込むことができる。計算ユニットでの使用も同様に可能である。周波数メモリ100は同様に、データを効率的に記憶するためにメモリスタ104を記憶場所として使用する可能性を提供する。回路100を読み出しプログラミングするために、デジタル構成素子を使用することができ、したがってこの回路はアナログ回路のための処理を不要とする。回路100は集積回路に配置することができる。
【0025】
ここに紹介するアプローチは、コンパレータ102を有するプログラミング可能な抵抗104の接続に基づくものである。抵抗104は、限界周波数より低い周波数の電流によりプログラミングすることができ、限界周波数より高い交流電流は抵抗104を変化させない。抵抗104はコンデンサ108を充電および放電する。コンパレータ102は、コンパレータ108の充電値を別の値と比較し、発振動作を達成するために充電状態と放電状態とをそれぞれ切り替える。平衡状態では直流が抵抗104に流れない。入力端114が不平衡状態となることにより、直流が抵抗104に形成され、それにより抵抗104の電気抵抗値が変化し、システム100の全体周波数が変化する。メモリスタに対しては多くの制御回路がこの原理にしたがって構成されている。
【0026】
図1と図2は、本発明の実施例による回路100の構造の例を示す。基本構造は双安定マルチバイブレータに相当する。メモリスタ104は回路100内に、通常の発振動作では直流成分が構成部104を流れないように組み込まれている。回路100がメモリスタ104の限界周波数より高い周波数で発振するとき、プログラミングされた値は維持され、メモリスタ104の抵抗は変化しない。メモリスタ104の固有の限界周波数より高い周波数の交流電流が流れる場合、メモリスタは通常の抵抗とまったく同じ特性を有する。限界周波数より低い負の電流は、メモリスタ104の抵抗を減少させる。電流が平均で正であれば、メモリスタの抵抗は上昇する。
【0027】
図3は、本発明の実施例による記憶装置の駆動方法300のフローチャートである。この方法300は、記憶のための方法ステップ302と、読み出しのための方法ステップ306と、休止ステップ306とを有する。
【0028】
本発明の実施例による周波数を記憶する方法は印加ステップ302を有する。印加ステップでは、図2に示したように記憶装置のメモリスタに書き込み信号が印加される。この書き込み信号は、周波数に対応する情報をメモリスタに記憶するため記憶すべき周波数を有している。書き込み信号はたとえば図2に示すようにパルス源から調達することができる。書き込み信号は装置の固有振動に重畳される。重畳の際には、直流成分がゼロになり固有振動の周波数が記憶すべき周波数に対応するまでメモリスタの抵抗が変化するよう、メモリスタ内の電荷担体を移動させる直流成分が生じる。
【0029】
本発明の実施例による記憶された周波数の読み出し方法は通電ステップ304を有する。通電ステップでは、図1または図2に示される装置のコンパレータに記憶のため供給電圧が通電される。供給電圧は、コンパレータの供給電圧入力端と供給電圧出力端との間に印加される。供給電圧によって装置は励振され、記憶された周波数に相当する情報を読み出すために読み出し信号を取り出すことができる。
【0030】
休止ステップ306では装置に電圧および/または信号が印加されない。休止中に装置は、記憶すべき周波数についての情報をメモリスタの書き込まれた抵抗に記憶することができる。休止ステップ306に続いて、読み出し方法ステップ304により情報を再び読み出すことができる。
【0031】
入力信号が印加されない基本動作では、マルチバイブレータ100が通常のクロック発生器のように発振する。メモリスタ104を高周波の交流が流れ、その抵抗値は一定に留まる。基本動作の測定書き込みまたは信号値線図が図4に示されている。パルス源200は入力端114と接続されていない。メモリスタ104を流れる電流が図示されている。発振器100は一定の周波数で発振する。
【0032】
周波数が回路100の入力端114に印加されると、発振器のデューティ比が変化する。パルス源200は入力端114と接続される。発振回路100は離調し、メモリスタ104を流れる電流信号は図5に示すように直流電圧成分を受け取る。この電流では、ゼロラインより上の面積がゼロラインの下の面積より大きい。したがって平均ではメモリスタ104を直流が流れ、メモリスタの抵抗は上昇する。この直流電圧成分はメモリスタ104の抵抗を、直流電圧成分が再び0に相当するようになるまで変化させる。これが図6に示されている。次に周波数はプログラミングされる。メモリスタ104の抵抗が値0.5kから値1kに上昇すると、図6に示すような電流が流れる。直流オフセットがもはや存在しておらず、したがってメモリスタ104の抵抗は一定に留まる。パルス源200が回路100から分離されると、発振器100は図7に示すように調整された周波数でさらに発振する。
【0033】
ここに図示した回路100はメモリスタ用の基本回路である。メモリスタに対して別の制御をするときは、この回路100とは異なっていて良い。メモリスタは交流電圧によって読み出すことができるから、メモリスタによる適用には対応する読み出し回路が必要である。ここに紹介する周波数メモリ100は、どのように読み出しを行うことができるかという可能性を示す。たとえばメモリスタは、メモリ、ニューラルネットワーク、フィルタ、分類システムおよび画像識別システムに使用することができる。コンパレータは比較的簡単なトランジスタから開発される。ここに紹介するアプローチによる回路でのメモリスタにより、純粋なデジタルトランジスタだけを有する超小型メモリを形成することができる。
【0034】
図4、5、6、7は、図1と2に示された記憶装置のメモリスタから取り出された種々の発振信号の信号経過線図である。信号経過線図の横軸には上昇する時間がμsでプロットされている。縦軸には電流強度がmAでプロットされており、値0μAが破線により表されている。
【0035】
図4には、記憶装置の読み出し動作での出力状態の時間線図が示されている。横軸は10μsの時間範囲にわたって伸長し、縦軸には±3.6mAの範囲の値が示されている。横軸は縦軸と−3.6mAで交差する。出力状態で装置は、過励振402を伴う矩形信号400で発振する。矩形信号400は、約3μsの発振持続時間で±2.4mAの振幅を有する。矩形信号400は0mAに対して対称である。矩形信号は直流成分を有していない。
【0036】
図5は、プログラミングのための印加の開始がプロットされた時間線図である。パルス源からの書き込み信号が図4の矩形信号に重畳されている。縦軸は20μsにわたって伸長しており、縦軸には±4.2mAがプロットされている。横軸は縦軸と−4.2mAで交差する。装置は顕著に離調している。重畳された信号500は約±3mAの間で不規則な振幅と、平均で約2.8μsの不規則な発振持続時間を有する。信号500は、装置が再び調和発振できるように適合するため、メモリスタ基板内の電荷担体を移動させる直流成分を有する。ここで装置の固有振動は、この固有振動が印加される書き込み信号に対応するまで変化する。
【0037】
図6は、プログラミング過程が終了する際の印加の終了時における信号がプロットされた時間線図である。縦軸は100μsにわたって伸長しており、縦軸には±2.4mAがプロットされている。横軸は縦軸と−2.4mAで交差する。装置は再び調和発振する。装置の基本振動はパルス源の書き込み信号に同期している。結果信号600は直流成分をもはや有していない。メモリスタの抵抗は、固有振動の周波数が書き込み信号の周波数と一致するように変化する。結果信号600は、2つの過励振602を伴う矩形の経過を有している。結果信号600は、約2μsの発振持続時間で±1.3mAの振幅を有する。
【0038】
図7は、新たな状態を読み出すための印加の終了後における信号がプロットされた時間線図である。図1に示す装置は再び自励発振する。縦軸は100μsにわたって伸長しており、縦軸には±2.4mAがプロットされている。横軸は縦軸と−2.4mAで交差する。発振700の形状は図4の発振の形状に相当する。発振700は、1つの過励振702を伴う矩形の経過を有している。発振700は、約2μsの発振持続時間で±1.8mAの振幅を有する。
【0039】
前記および図面に示された実施例は単なる例として選択されたものである。種々の異なる実施例を個々の特徴に基づき互いに組み合わせることができる。実施例を別の実施例の特徴により補うこともできる。
【0040】
さらに本発明の方法ステップは繰り返すことも、記述の順序で実施することもできる。
【0041】
実施例が第1の特徴と第2の特徴との「および/または」結合を含む場合、1つの実施形態によればこの実施例は第1の特徴も第2の特徴も含み、別の実施形態によれば第1の特徴または第2の特徴のいずれかだけを有することを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数を記憶する装置(100)であって、
入力端および出力端ならびに供給電圧入力端および供給電圧出力端を有するコンパレータ(102)と、
前記コンパレータ(102)の入力端と当該コンパレータ(102)の出力端との間に接続されたメモリスタ(104)と、
を備えることを特徴とする装置(100)。
【請求項2】
前記コンパレータ(102)は第2の入力端を有し、抵抗(106)が前記第2の入力端と前記コンパレータ(102)の出力端との間に接続されている、請求項1に記載の装置(100)。
【請求項3】
電位端子(112)と前記コンパレータの第2の入力端との間に導電的に配置されたキャパシタ(108)を備える、請求項2に記載の装置(100)。
【請求項4】
別の電位端子(114)と前記コンパレータの入力端との間に接続された別の抵抗(110)を備える、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置(100)。
【請求項5】
前記別の電位端子(114)と前記別の抵抗(110)および/または前記コンパレータ(102)の入力端との間にパルス源(200)が接続されている、請求項4に記載の装置(100)。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の記憶装置(100)における周波数を記憶する方法であって、
記憶すべき周波数の書き込み信号を前記装置(100)に印加(302)し、前記周波数に対応する情報を前記メモリスタ(104)に記憶するステップを有する方法。
【請求項7】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の記憶装置(100)から記憶された周波数を読み出す方法であって、
前記供給電圧入力端および前記供給電圧出力端によって前記コンパレータ(102)に供給電圧を通電し、前記周波数に対応する情報を読み出すために読み出し信号(700)を取り出すステップを有する方法。
【請求項8】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の記憶装置(100)の駆動方法であって、
請求項6による周波数を記憶する方法のステップ(302)と、
請求項7による周波数を読み出す方法のステップ(304)とを有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法(300)であって、前記記憶ステップ(302)と前記読み出しステップ(304)との間に休止ステップ(306)を有し、
前記装置(100)は前記休止ステップ(306)で信号が印加されず、かつ通電されず、前記周波数に対応する情報が維持される方法。
【請求項10】
プログラムが装置で実施されるときに請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法ステップを実行または制御するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−110743(P2013−110743A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−252916(P2012−252916)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】