説明

周波数ダイバーシティ及び位相回転

集積回路が、スマートユーティリティネットワーク通信の一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化するように構成されるロジックを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は無線通信ネットワーク等に関し、特に、そのようなネットワークにおける通信に周波数ダイバーシティ及び位相回転を適用するためのシステム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)は比較的短距離での情報伝達に用いられる。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)とは異なり、WPANを介して達成される接続はインフラをほとんど或いはまったく必要とせず、WPANにより、広範なデバイスに対して、小型で、電力効率がよく、且つ安価な解決策を実現することが可能となる。スマートユーティリティネットワーク(SUN)は、メータ情報が1つのメータから他のメータに送られるメッシュネットワーク内のような短い距離で、或いはメータ情報がポールトップ回収ポイントに送られるスタートポロジ内のような一層長い距離で動作し得る。用語WPAN及びSUNは本明細書中では交換可能に用いられる。
【発明の概要】
【0003】
SUN通信などの通信に周波数ダイバーシティ及び位相回転を適用するためのシステム及び方法を本明細書で説明する。少なくとも幾つかの開示される実施例において、デバイスが、プロセッサとプロセッサに結合されるメモリを含む。このプロセッサは、一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを、一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化することにより、スマートユーティリティネットワーク通信に周波数ダイバーシティを適用する。
【0004】
他の開示される実施例において、機械可読記憶媒体が、実行可能な命令を含み、命令は、実行されると1つ又はそれ以上のプロセッサに、一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化することにより、スマートユーティリティネットワーク通信に周波数ダイバーシティを適用させる。
【0005】
他の開示される実施例において、方法が、一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化することにより、スマートユーティリティネットワーク通信に周波数ダイバーシティを適用することを含む。
【0006】
これら及びその他の特徴及び利点は、添付の図面及び特許請求の範囲に関連して以下の詳細な説明から一層よく理解できるであろう。
【0007】
本開示を更によく理解するため、添付の図面及び下記の詳細な説明を参照する。これらにおいて同様の参照符号は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】図1Aは、少なくとも幾つかの例示の実施例に従った2の周波数ダイバーシティを図示する。
【図1B】図1Bは、少なくとも幾つかの例示の実施例に従った2の周波数ダイバーシティを図示する。
【0009】
【図2A】図2Aは、少なくとも幾つかの例示の実施例に従った4の周波数ダイバーシティを図示する。
【図2B】図2Bは、少なくとも幾つかの例示の実施例に従った4の周波数ダイバーシティを図示する。
【0010】
【図3】図3は、少なくとも幾つかの例示の実施例に従ったデュアルキャリア変調トランスミッタを図示する。
【0011】
【図4】図4は、少なくとも幾つかの例示の実施例に従った周波数ダイバーシティの方法を図示する。
【図5】図5は、少なくとも幾つかの例示の実施例を実現するのに適した装置を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、本発明の種々の実施例に向けたものである。これらの実施例の1つまたはそれ以上は好ましいものであり得るが、別途明記しない限り、開示される実施例は、請求項を含む本開示の範囲を限定するものとして解釈或いは使用されるべきではない。更に、当業者は理解するであろうが、以下の説明は広い適用範囲を有し、またいかなる実施例の説明もその実施例の例示を意図するに過ぎず、請求項を含む本開示の範囲を限定することは意図していない。
【0013】
本開示は、SUN又はWPANシステムにおいて周波数及び時間ダイバーシティがどのように実現され得るかを記載する。しかし、本開示は、SUNシステムに限定されず、任意の無線通信システムに適用することができる。WPAN又は低速WPANは、電力が限られ処理能力条件の緩い用途における無線接続を可能にする、シンプルな低コスト通信ネットワークである。WPANの主要な目的は、設置の容易さ、信頼性の高いデータ転送、短距離運用、非常に低いコスト、合理的な電池寿命、そしてシンプルであるがフレキシブルなプロトコルにある。
【0014】
WPANの幾つかの特性には:無線(over-the-air)データ速度が250kb/s、100kb/s、40kb/s、及び20kb/s;スター、又はピア・ツー・ピア、又はメッシュ運用;16ビットショートアドレス、又は64ビット拡張アドレスの割り当て;保証された時間スロットの任意選択的割り当て;衝突回避チャネルアクセスを備えるキャリアセンス多重アクセス;転送信頼性のための完全承認プロトコル;低い電力消費;エネルギー検出;リンク品質表示;2450MHz帯域に16チャネル、915MHz帯域に30チャネル、及び868MHz帯域に3チャネル、がある。これらの特性は必要条件ではなく、各々のWPANは多くの様式でこれらの特性から逸脱し得る。フル機能デバイス(FFD)及び限定機能デバイス(RFD)の2つの異なるデバイスタイプがWPAN内で使用され得る。FFDは、パーソナルエリアネットワーク(PAN)コーディネータ、コーディネータ、又はデバイスとして機能する3つのモードで動作し得る。FFDは、RFDや他のFFDと通信可能であり、一方RFDはFFDとのみ通信可能である。更なる情報は、http://www.ieee802.org/15/pub/TG4.htmlから入手でき、参照として本明細書に組み込まれるIEEE Std. 802.15.4−2006に見出すことができる。
【0015】
ユーティリティネットワーク又はスマートユーティリティネットワーク(SUN)は、電気、ガス、水道の使用量、及び他の同様のデータを顧客敷地からそのユーティリティ(公共事業)が運営するデータ回収ポイントへ送信するような公共料金メータ計測の用途に使用するために特に設計された、低速(例えば、40kbps〜1Mbps)の低電力WPANである。例えば、メータは住宅地の各戸に設置され、使用量データは、15分毎など定期的に各メータから、WPANの要素であるデータ回収ポイントに送信される。データ回収ポイントは、ファイバー、銅線、又は無線接続により中央オフィスに接続され、そこで地域の全ての使用量データを回収する。使用量データは、それぞれスター形式又はネットワーク形式で、各メータから直接回収ポイントへ送られるか、或いはメータからメータへ送られて最終的に回収ポイントへ到達する。
【0016】
WPANにおけるビット誤り率及びフレーム誤り率を改善するため、時間ダイバーシティ又は周波数ダイバーシティが実現され得る。例えば、BPSK又はQPSKなど同じデータシンボル、又はそのデータシンボルの関数が種々の回数又は種々の周波数にわたって反復され得る。固定メータで動作するSUNシステムでは、ドップラーレートは通常低く、周波数ダイバーシティの利点が一般に時間ダイバーシティより著しくなる。OFDMシンボルという用語は、通常はIFFTで時間ドメインに変換される直交サブキャリアのセットを指し、データシンボルという用語は、一般にBPSK、QPSK、16−QAM、又はm−QAMなど各サブキャリアに対する変調を指す。
【0017】
図1Aは、周波数ドメイン拡散及び共役対称性を図示する。具体的には、2の周波数ダイバーシティがどのようにSUNシステムに適用され得るかである。図1AのX軸は、直交周波数分割多重(OFDM)データシンボルが符号化されるサブキャリアを表す。中央の長い縦線はDCサブキャリアを示し、これは、少なくとも一実施例では用いられない。縦の実線は各々、この例の1つのデータサブキャリアを表す。2本の縦の破線はパイロットサブキャリアを表す。DCサブキャリアの左に、データサブキャリアが左から右に−7、−6、−5及び−3、−2、−1としてインデックスされる。パイロットサブキャリアは−4としてインデックスされる。DCサブキャリアの右に、データサブキャリアが左から右に1、2、3及び5、6、7としてインデックスされる。パイロットサブキャリアは4としてインデックスされる。2の周波数ダイバーシティを提供するため、サブキャリア−7でのデータシンボルの複素共役は、サブキャリア7に符号化される。同様に、サブキャリア−6、−5、−3、−2、及び−1でのデータシンボルの複素共役は、それぞれサブキャリア6、5、3、2、及び1に符号化される。少なくとも一実施例において、パイロットサブキャリアはデータサブキャリアのように用いられ且つ機能する。このように、単一のデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)を用いることにより、トランスミッタで実信号を生成することができる。少なくとも一実施例において、符号化は、正にインデックスされたサブキャリアから負にインデックスされたサブキャリアに向かって生じる。
【0018】
図1Bにおいて、周波数ドメイン拡散及び位相回転が実現される。この例のサブキャリア4は、レシーバで既知であるパイロットデータを搬送するパイロットサブキャリアを示すため破線で表している。ここで、サブキャリア1内のデータシンボルは、サブキャリア−7にコピーされる。IFFTの出力でのピーク対平均電力比(PAR)を低減するために、位相回転がサブキャリア−7に適用される。同様に、サブキャリア2、3、5、6、及び7は、それぞれサブキャリア−6、−5、−3、−2、及び−1に符号化又はマッピングされる。このように全てのサブキャリアが周波数ダイバーシティによる利点を得る。種々の実施例において、任意の数のサブキャリアが、DCサブキャリアの両側で任意の他の数のサブキャリアにマッピングされる。このように、少なくとも一実施例において、周波数ドメイン拡散及び位相回転のためのパイロットサブキャリアに対する要件はなく、複素(complex)出力が生じる。しかし、周波数ドメイン拡散及び共役対称性の場合、パイロットサブキャリアは、少なくとも一実施例において、OFDMデータシンボル全体に共役対称性があり、リアル出力を生成するようにすべきである。
【0019】
図2A及びBは、4の周波数ダイバーシティを実現する方法を図示する。まず、サブキャリア−7、−6、及び−5でのデータシンボルが、それぞれ−3、−2、及び−1に符号化される。このように、用いられるサブキャリアの数の1/4の周波数ダイバーシティが確保される。次に、図1に類似して、負のサブキャリアのデータシンボルの複素共役が、正のサブキャリアに符号化される。
【0020】
図2Bにおいて位相回転が実現される。サブキャリア1内のデータシンボルは、周波数ダイバーシティのため、サブキャリア−7、−3、及び5に符号化される。IFFTの出力での低PARのため、サブキャリア−7、−3、及び5に位相回転が適用される。同様に、サブキャリア2がサブキャリア−6、−2、及び6にマッピングされ、サブキャリア3がサブキャリア−5、−1、及び7にマッピングされる。このように、各サブキャリアは4の周波数ダイバーシティを有する。少なくとも一実施例において、位相回転は、低PARを生成するためサブキャリアからサブキャリアで変化し、各位相回転は対応するサブキャリアのインデックスに基づく。
【0021】
表1は、SUNシステムに用いることができる変調及び符号化方式(MCS)のセットを示す。OFDMシンボル毎のデータサブキャリアの数は、少なくとも一実施例において4で割ることができる。このように、4という因数で周波数ダイバーシティを提供することは簡単明瞭である。種々の実施例において、4以外の因数の周波数ダイバーシティが実現される。
【表1】

【0022】
時間ダイバーシティの効果は、高ドップラーレートに対して非常に役立ち得る。時間ダイバーシティを実現する1つの手法は反復であり、例えば、2つの異なる時間に同じOFDMシンボルを送信することである。時間ダイバーシティを実現する他の手法は、サブキャリアの周期的シフトを介する、又は反復されたOFDMシンボルに異なるインターリーブを適用することを介するものである。少なくとも一実施例において、表1のMCSレベルは、下記の特性を有する。
【表2】

【0023】
図3は、デュアルキャリア変調トランスミッタ(DCM)300を図示し、DCM300は、データレートを犠牲にすることなく周波数ダイバーシティを提供する。インターリーバモジュール302は、種々の実施例において種々のアルゴリズムに従って、2つのデータシンボルのビットを共に配列する。ビットは、セパレータモジュール304及び306を介して半分に分離され、各半分がシリアル・パラレル・コンバータ308、310に入る。次に、これら2つの半分がユニタリー変換モジュール312により共に符号化され、その出力が逆高速フーリエ変換モジュール314を介して2つのサブキャリア上に分離される。これらの2つのサブキャリアの一方がノイズ、干渉、又は周波数選択性フェージングを受ける場合、両方のデータシンボルは、他方のサブキャリアを用いて回復され得る。接合最大事後確率(MAP)復号化器(又は、max−star又はmax−log近似を用いる一層複雑でないMAP復号化器)をレシーバ(図示せず)で用いることができる。
【0024】
少なくとも一実施例において、周波数又は時間ダイバーシティは、低いデータレートに用いられ、DCMは、QPSKを用いる中間(intermediate)データレートに用いられる。この場合のユニタリー行列は下記式により得られる。
【数1】

ここで+及び−は、Tがユニタリー行列であり、即ち、TT=Iであることを確実にするように選択され、ここで()は行列転置を表し、Iは単位行列である。
【0025】
直交周波数分割多重(OFDM)は、SUNの物理層に対して用いることができる変調手法である。表2は、幾つかのOFDMオプションを示す。オプション1は、128ポイント逆高速フーリエ変換(IFFT)を用いて生成され得、オプション2は、64ポイントIFFTを用いて生成され得、オプション3、4、及び5は、それぞれ、32、16、及び8ポイントIFFTを用いて生成され得る。オーバーサンプリングでは、種々の実施例において、256ポイントなどIFFTの種々のサイズに用いることができる。
【表3】

【0026】
複素信号を用いることへの2つの利点は、周波数拡散が用いられるとき周波数ダイバーシティが良好であること(重複トーンは大きな周波数分離を有する)及びIFFTの出力での低いピーク対平均電力比(PAR)である。少なくとも一実施例において、複素信号は、全てのMCSレベルに用いられる。例えば、実信号に対しオプション1を用いる(拡散係数2で2相位相偏移変調(BPSK)を用いる)と、一般的(generic)データに対して9.1dBのPAR及び実信号の生成となるのに対し、複素信号に対しオプション1を用いると、一般的データに対して7.2dBのPAR及び複素信号の生成となる。
【0027】
少なくとも一実施例において、データシンボルは、24個のデータサブキャリアで符号化され、各データサブキャリアは、3つの他のサブキャリアにコピーされる。しかし、位相回転なしにデータをサブキャリアに単に符号化すると、全ての96個のトーンに独立したデータを有するものに比しピーク対平均比が増加する。そのため、3つのコピーは位相回転され、PARがIFFTの出力で増加しないようにする。例えば、コピーされたデータサブキャリアの最初のセットでは、サブキャリアからサブキャリアの追加位相は90度である。第2のセットでは、追加位相は180度である。第3のセットでは、追加位相は270度である。
【0028】
少なくとも一実施例において、サブキャリアは、データサブキャリア及びパイロットサブキャリアの両方を含み−52から52までにインデックスされる。例えば、これらはd−52〜d52と示すことができる。サブキャリア1は、(それぞれ90、180、及び270度の位相回転で)サブキャリア27、−52、及び−26に符号化されて、コピー間で最大周波数間隔が維持されるようにする。d27〜d52のデータは、[1、j、−1、−j、1、j、−1、−j、…]だけ回転され、d−52〜d−27のデータは[j、−j、j、−j、j、−j、j、−j、…]だけ回転され、d−26〜d−1のデータは[−1、j、1、−j、−1、j、1、−j、…]だけ回転される。例えば、dは1でスケーリングされた後d27に符号化され、dはjでスケーリングされた後d28に符号化され、dは−1でスケーリングされた後d29に符号化され、dは−jでスケーリングされた後d30に符号化され、dは1でスケーリングされた後d31に符号化される等である。言い換えると、ベクトル(d、d、d、…、d26)は、(d27、d28、d29、…、d52)に符号化され、その後、線形位相が適用されて(1×d27、j×d28、−1×d29、…、j×d52)を得る。
【0029】
数式の形式において、k=−52〜−1の場合、dはexp(j×[π×m(k)+π/2])で乗算され、ここでm(k)は、絶対インデックスとしてのサブキャリア番号であり、即ち、k=−52〜−1の場合、m(k)=0〜51である。同じ位相回転を、全ての5つのオプションに対して用いることができる。
【0030】
表3は、一般的データを用いた種々のオプションに対する種々のPARを示す。
【表4】

Matlabフォーマットでの位相回転を以下に示す。一般に、N個のサブキャリアがある場合、Matlabサブキャリアナンバリングは、0、1、2、3、…、(N/2)−1であり、その後−(N/2)、…、−3、−2、−1が続く。%記号は説明的なコメントを示す。

%オプション1の2の周波数拡散
ltfr1=zeros(1,128);
ltfr1(2:53)=2×(rand(1、52)>0.5)-1; %元のデータサブキャリア
ltfr1(77:128)=exp(j×2×π×(1:2:103)/4).×(ltfr1(2:53)); %位相回転のあるコピーされたデータサブキャリア

%オプション1の4の周波数拡散
ltfr1=zeros(1,128);
ltfr1(2:27)=2×(rand(1、26)>0.5)-1; %元のデータサブキャリア
ltfr1(28:53)=exp(j×2×π×(0:25)/4).×(ltfr1(2:27)); %位相回転のあるコピーされたデータサブキャリア
ltfr1(77:102)=exp(j×2×π×(1:2:51)/4).×(ltfr1(2:27)); %位相回転のあるコピーされたデータサブキャリア
ltfr1(103:128)=exp(j×2×π×(2:3:77)/4).×(ltfr1(2:27)); %位相回転のあるコピーされたデータサブキャリア
【0031】
代替の実施例において、位相回転は、異なるアルゴリズムにより生成することができる。例えば、位相回転は、サブキャリアの第1の群のインデックス、前記サブキャリアの第2の群のインデックス、又はその両方から得ることができる。例えば、マッピングが各サブキャリアのインデックス番号により変化する、位相回転マッピングf、f、及びfのセットを考える。
【数2】

また、f、f、及びfは、少なくとも一実施例において位相回転及び振幅シフトの両方である。
【0032】
図4は、402で開始し408で終了する周波数ダイバーシティを図示する。少なくとも一実施例を例示するが、方法400は種々の実施例において上述の任意のステップを含み得る。404で、スマートユーティリティネットワーク通信において、一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルが、一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化される。406で、前記一つ又は複数の第2のデータシンボルが位相回転される。少なくとも一実施例において、位相回転は、前記一つ又は複数の第1のデータシンボルに比べ[1、j、−1、−j、1、j、−1、−j...]、[j、−j、j、−j、j、−j、j、−j...]、又は[−1、j、1、−j、−1、j、1、−j...]である。別の実施例において、前記一つ又は複数の第2のデータシンボルは、前記一つ又は複数の第1のデータシンボルの複素共役である。位相回転は、少なくとも一実施例において、前記一つ又は複数の第1のサブキャリアのインデックスに基づく。例えば、位相回転は、第1のサブキャリアのインデックス及びそのデータが符号化されているサブキャリアのインデックスの関数である。このように、周波数拡散データはランダムに表れ、IFFTの出力で低PARを有する。
【0033】
上述のシステムは、そこに課せられた必要なワークロードの処理に充分な、処理能力、メモリリソース、及びネットワーク処理能力を有する特定の装置で実現し得る。図5は、本明細書に開示される1つ又はそれ以上の実施例の実現に適した特定の装置580を示す。コンピュータシステム580は機械可読媒体587と通信する1つ又はそれ以上のプロセッサ582(中央処理装置又はCPUと称され得る)を含む。機械可読媒体587は、二次記憶装置584、リードオンリーメモリ(ROM)586、及びランダムアクセスメモリ(RAM)588を含むメモリデバイスを含んでもよい。プロセッサは更に、入力/出力(I/O)590デバイス及びネットワーク接続性デバイス(network connectivity device)592と通信する。プロセッサは1つ又はそれ以上のCPUチップとして実現されてもよい。
【0034】
二次記憶装置584は典型的には、1つ又はそれ以上のディスクドライブ、テープドライブ、又は光学ディスクから成り、データの不揮発性記憶に用いられる。またRAM588が全作業データを保持するのに充分に大きくない場合に、オーバーフローデータの記憶装置デバイスとして二次記憶装置584が使用される。二次記憶装置584は、プログラム及び命令589を格納するために使用されてもよい。プログラム及び命令589は、実行のためこれらのプログラムが選択されるとRAM588にロードされる。ROM586はプログラム実行中に読み出される、命令589及び恐らくはデータを格納するために用いられる。ROM586は不揮発性メモリデバイスであり、そのメモリ容量は、二次記憶装置のメモリが大容量であるのに比べて、典型的には小容量である。RAM588は揮発性データの記憶、及び恐らくは命令589の格納に使用される。ROM586及びRAM588双方へのアクセスは、二次記憶装置584へのアクセスより高速であるのが典型的である。
【0035】
I/Oデバイス590は、プリンタ、ビデオモニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、スイッチ、ダイヤル、マウス、トラックボール、音声認識器、カードリーダ、紙テープリーダ、又は他の周知の入力デバイスを含み得る。ネットワーク接続性デバイス592は、モデム、モデムバンク、イーサネットカード、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースカード、シリアルインタフェース、トークンリングカード、ファイバー分散データインタフェース(FDDI)カード、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)カード、例えば符号分割多重アクセス(CDMA)及び/又はグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM)等の無線トランシーバカード、及び他の周知のネットワークデバイスの形式を取り得る。これらのネットワーク接続性デバイス592によって、プロセッサ582がインターネット又は1つ又はそれ以上のイントラネットと通信することが可能になり得る。このようなネットワーク接続を用いて、プロセッサ582は、上述の方法ステップを実行中に、ネットワークから情報を受け取り、或いはネットワークへ情報を出力し得る。プロセッサ582を用いて実行されるべき命令のシーケンス589としてしばしば表されるこのような情報は、例えば、キャリアに組み込まれたコンピュータデータ信号の形式で、ネットワークから受け取られ、ネットワークへ出力され得る。
【0036】
例えばプロセッサ582を用いて実行されるべきデータ又は命令589を含み得るこのような情報は、例えば、コンピュータデータベースバンド信号又はキャリアに組み込まれた信号の形式で、ネットワークから受け取られ、ネットワークへ出力され得る。ネットワーク接続性デバイス592によって生成されたベースバンド信号、又はキャリアに組み込まれた信号は、導電体内又はその表面上、同軸ケーブル内、導波管内、例えば光ファイバ等の光学媒体内、或いは空気中又は自由空間内、を伝播する。ベースバンド信号又はキャリアに組み込まれた信号に含まれる情報は、情報の処理又は生成、或いは情報の送信又は受信、のいずれかに望ましくなり得るように、異なるシーケンスに従って順序付けられ得る。ベースバンド信号又はキャリアに組み込まれた信号、或いはその他の形式の現在使用されている又は今後開発される信号は、本明細書中では伝送媒体と称されるが、当業者に周知の幾つかの方法に従って生成され得る。
【0037】
プロセッサ582は、ハードディスク、フロッピーディスク、光学ディスク(これらの種々のディスクベースのシステムは全て二次記憶装置584とみなされ得る)、ROM586、RAM588、又はネットワーク接続性デバイス592からアクセスする、命令589、コード、コンピュータプログラム、スクリプトを実行する。
【0038】
代替一実施例において、このシステムは、対応する適切な入力及び出力を用いて、本開示に記載される任意の動作を実行するように構成されたロジックを含む特定用途向け集積回路(ASIC)、又は同様に構成されたデジタル信号プロセッサ(DSP)において実現してもよい。このようなロジックは、様々な実施例において、トランスミッタ、レシーバ、又はトランシーバにおいて実現される。
【0039】
上述の開示は、本発明の原理および種々の実施例を説明するためのものである。当業者にとっては、上述の開示を完全に理解すれば多くの変更や修正が明らかになろう。更に、本明細書中に記載された任意の動作が成功して完了したとき、本明細書中に記載される動作が失敗したとき、或いはエラー時に、音響又は映像アラートが始動され得るようにしてもよい。また動作の順番は、記載された順番と異なるものとすることができ、2つ又はそれ以上の動作が同時に実行されてもよい。特許請求された発明の範囲内でこの他にも多くの実施例が可能である。例示の実施例の文脈で説明したような特徴又はステップの全て又はその幾つかを有する例示の実施例の文脈で説明した一つ又はそれ以上の特徴又はステップの異なる組み合わせを有する実施例も、本明細書に包含されることを意図している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路であって、
スマートユーティリティネットワーク通信の一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化し(404)、
OFDMシンボル内で前記一つ又は複数の第1のデータシンボルに対して第1の角度の位相回転を適用する(406)ことにより前記一つ又は複数の第2のデータシンボルを生成する、
ように構成されるロジックを含む、集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記一つ又は複数の第1のサブキャリア内の前記一つ又は複数の第1のデータシンボルを一つ又は複数の第3のサブキャリア内の一つ又は複数の第3のデータシンボルとして符号化する(404)ように構成されるロジックと、
OFDMシンボル内で前記一つ又は複数の第1のデータシンボルに対して第2の角度の位相回転を適用する(406)ことにより前記一つ又は複数の第3のデータシンボルを生成するように構成されるロジックと、
を含む、集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記一つ又は複数の第1のサブキャリア内の前記一つ又は複数の第1のデータシンボルを一つ又は複数の第4のサブキャリア内の一つ又は複数の第4のデータシンボルとして符号化する(404)ように構成されるロジックと、
OFDMシンボル内で前記一つ又は複数の第1のデータシンボルに対して第3の角度の位相回転を適用する(406)ことにより前記一つ又は複数の第4のデータシンボルを生成するように構成されるロジックと、
を含む、集積回路。
【請求項4】
実行可能な命令を含む機械可読記憶媒体であって、前記命令は、実行されると1つ又はそれ以上のプロセッサに、
スマートユーティリティネットワーク通信において、一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを、一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化させ(404)、更に、
前記一つ又は複数の第2のデータシンボルを前記一つ又は複数の第1のデータシンボルに対して位相回転(406)させる、
記憶媒体。
【請求項5】
請求項4に記載の記憶媒体であって、前記位相回転(406)が、[1、j、−1、−j、1、j、−1、−j、…]、[j、−j、j、−j、j、−j、j、−j、…]、又は[−1、j、1、−j、−1、j、1、−j、…]だけ回転される、記憶媒体。
【請求項6】
方法であって、
スマートユーティリティネットワーク通信において、一つ又は複数の第1のサブキャリア内の一つ又は複数の第1のデータシンボルを、一つ又は複数の第2のサブキャリア内の一つ又は複数の第2のデータシンボルとして符号化すること(404)、及び、
OFDMシンボル内で前記一つ又は複数の第1のデータシンボルに対して第1の角度の位相回転すること(406)、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記位相回転(406)が、[1、j、−1、−j、1、j、−1、−j、…]、[j、−j、j、−j、j、−j、j、−j、…]、又は[−1、j、1、−j、−1、j、1、−j、…]だけ回転される、方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514739(P2013−514739A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544654(P2012−544654)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/059869
【国際公開番号】WO2011/084356
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.GSM
3.フロッピー
【出願人】(390020248)日本テキサス・インスツルメンツ株式会社 (219)
【出願人】(507107291)テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド (50)
【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
【Fターム(参考)】