説明

周波数ドメイン干渉測定を利用して光学撮像を実行する方法および装置

【課題】低コヒーレンス干渉測定および光コヒーレントトモグラフィの光源の有用度と走査速度の欠点の克服を図る。
【解決手段】少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントであって、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが多重の異なる縦モードを含むものと、前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2003年10月23日出願の米国仮出願第60/514769号からの優先権を主張し、その開示内容全体をここに参考として組み入れる。
【0002】
本発明は、一般に光学撮像、詳記するならば、周波数ドメイン干渉測定を利用して光学撮像を実行する方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
先行技術において知られている通り、光干渉測定による反射率計測は、ミクロ組織の光学的性質、例えば反射、吸収、散乱、減衰、複屈折、分光分析などを可視化すべく、非侵襲性かつ高解像度(〜10μm)の横断面撮像を実行するための有力な道具である。先行技術において知られている干渉測定撮像技術は多数ある。これらの技術は、一般に2つのカテゴリの大別できる。(i)時間ドメイン技術、及び、(ii)周波数ドメイン技術である。
【0004】
時間ドメイン技術のひとつが低コヒーレンス干渉測定(“LCI”)である。この技術は、リファレンスアーム長さを変え、干渉信号を検出器で捕らえる走査システムを使用する。次に、コヒーレント光源の相互相関関数の包絡線を得るためにフリンジパターンを復調する。光コヒーレントトモグラフィ(“OCT”)は、LCIを利用して二次元又は三次元の画像を得るための技術である。OCTは、Swanson他に付与された米国特許第5321501号の中で述べられている。OCT技術の多様なバリエーションが述べられているが、多くは、最適な信号/ノイズ比(“SNR”)に達しておらず、その結果、最適解像に至らない、撮像フレームレートが低い、浸透深さが乏しいという欠点を有する。例えば眼に使用する場合は、熱損傷が起こる前に数ミリワットのパワーしか許容されない。それゆえ、パワーを増強することは、このような環境の中でSN比を高める上で実際的でない。やはり、相当のパワー増大を要求することなく優れたSN比を持つ撮像法を手にするのが望ましいと思われる。
【0005】
不十分なSN比でも、モーションアーティファクトを回避し、例えば生体内血管撮像のために使用可能な短い測定時間ウィンドウを克服する上で重要な高いフレームレートでOCT技術が使用されるのを防ぐことはできる。そのため、SN比と撮像速度(例えばフレームレート)を改善する道が望まれる。
【0006】
スペクトル干渉測定、又はスペクトルレーダ測定が、周波数ドメイン撮像技術のひとつである。スペクトルレーダ測定では、サンプル光とリファレンスアーム光の相互スペクトル密度の実部を分光計で測定する。相互スペクトル密度変調に基づいて深さプロファイル情報をコード化することができる。
【0007】
LCI及びOCTのSN比を高めるためにスペクトルレーダコンセプトを利用することについては、以前に述べられている。この技術は、ミリメートルのオーダーの走査範囲に及ぶ多数のピクセル(1000程度)を持つ電荷結合素子(“CCD”)を使用する。CCDデバイスの高速読み出しが高速撮像を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、CCDデバイスの使用に伴う不利な点が多数ある。第一に、CCDデバイスは、単一体の受光素子と比べて相対的に高価である。第二に、以前に述べられた方法は、データを収集するのに単一のCCDを使用する。電荷蓄積容量には限りがあるので、リファレンスアームパワーをサンプルアームパワーとほぼ同じレベル、サンプルアーム光に自己相関ノイズを生じさせる程度のレベルに減じることが要求される。加えて、搬送波の発生がないので、1/fノイズがこのシステムにおけるノイズを支配する。第三に、従来のCCD技術の短い積分時間をもってしても、干渉計における位相不安定が、相互スペクトル密度変調のフリンジ可視度を下げる。この欠点が、この技術をモーションアーティファクトに対して無防備にする。
【0009】
コヒーレント周波数変調方式の連続波反射率測定(CFMCW)が、Swanson他に付与された米国特許第5956355号及び第6160826号で知られたもうひとつの周波数ドメイン技術で、そこに、この技術を使った光学撮像の方法及び装置が述べられている。そこで述べられた撮像法は、連続同調式単一周波数レーザを光源として使用することを基礎に置いている。同調波長範囲は、100ミクロン未満の変動する解像度を達成するために数十ナノメートルであることが要求される。レーザの瞬時ライン幅は、1.0mmのオーダーの検出範囲を確保するために約0.1nm未満でなければならない。同調速度は、高速(例えばビデオレート)の撮像のために10kHzより高いのが望ましい。数十ナノメートルにわたってモードホップフリーの単一周波数同調が達成されるように外部キャビティタイプの半導体レーザを設計することはできるが、同調速度は、機械的安定性に対する要求が厳しいために1Hzに満たなかった。この速度の困難を克服する道が望ましい。
【0010】
よって、従来のLCI及びOCTの光源の有用度と走査速度の欠点を克服するシステム及び方法を提供するのが望ましいと思われる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1実施形態によれば、少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントであって、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが多重の異なる縦モードを含むものと、前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントと、を備える装置が提供される。
【0012】
本発明の第2実施形態によれば、少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供し、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが多重の異なる縦モードを含んでいるステップ、及び、前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出するステップを備える方法が提供される。
【0013】
本発明の実施例によれば、光学周波数ドメイン撮像(“OFDI”)システムは、目下研究中のサンプルを含む干渉計に光結合させられる多重周波数モード(又は多重縦モード又は多重軸モード)の波長掃引レーザ源を備えることができる。このシステムは更に、サンプルから反射された光とリファレンス光の間の象限において干渉測定信号を作成すべく構成されたアレンジメント、及び、その干渉測定信号を受信すべく配置された検出器を備えることができる。
【0014】
このような例示の特別なアレンジメントをもってすれば、従来システムのソースパワーと比べて相対的に低いソースパワーで動作でき、及び/又は、従来システムの収集レートと比べて相対的に高い収集レートで動作できるOFDIシステムを提供することが可能である。掃引源の使用は、結果的に、低減ショットノイズや、従来システムよりはるかに低いソースパワー、又は、従来システムよりはるかに高い収集レートを許す他の形のノイズを有する撮像システムをもたらす。これは、結果的にリアルタイムイメージングを可能にする高い検出感度につながり得る。このような高速の撮像は、モーションアーティファクトが継続的問題である胃腸、眼及び動脈の領域の撮像において開業医を補助できる。信号/ノイズ比を維持又は改善する一方、フレームレートを高めることにより、そのようなアーティファクトを最小化し、場合によっては無くすことができる。本発明の実施例によれば、OFDIを使って大きい組織領域をスクリーニングすることも可能となり、臨床的に実行可能なスクリーニングプロトコルの利用が可能となり得る。
【0015】
本発明の一実施例では、多重周波数モードの急速掃引出力を作るために光学帯域走査フィルタをレーザキャビティ内で使用し得る波長掃引レーザが提供できる。レーザキャビティ内で光学帯域走査フィルタを使用することにより、レーザスペクトルの同期同調のためにレーザキャビティ長を同調させる必要は無くなる。換言すれば、レーザの中心波長と同じレートでレーザの縦キャビティモードを同調させることは要求されなくなる。
【0016】
本発明の別の実施例では、検出器は、干渉測定信号を受け入れ、干渉測定信号の中の相対強度ノイズを抑制すべく配置されたデュアルバランスレシーバであり得る。
【0017】
本発明の一実施例による信号/ノイズ比(“SNR”)に利得があることは、フーリエドメインにおける信号処理のパフォーマンスを介するOCTのような時間ドメインアプローチの場合より有利である。SN比は、係数N(深さ範囲の空間解像度に対する比)の分だけ強化される。強化係数Nは、数百から数千に及ぶことがある。このSN比の増大は、撮像を係数Nの分だけ高速化させ、あるいは代わりに、撮像を同じ速度ながらN倍分の低いソースパワーで実現できるようにする。結果として、本発明のこの実施例は、従来のLCI及びOCTの2つの重大な欠点、すなわち、光源の有用度と走査速度の欠点を克服する。係数Nは1000以上に及んでよく、現在実用化されているOCT技術とLCI技術より3桁分高いレベルのOFDIシステムの設計を可能にする。
【0018】
SN比の利得が得られるのは、例えばショットノイズがホワイトノイズスペクトルを有するからである。検出器に周波数ω(又は波長λ)で存在する信号の強度は、周波数ωの信号にしか関与しないが、ショットノイズはあらゆる周波数で発生させられる。検出器当たりの光帯域幅を狭小化することにより、信号成分をそのまま留めながら、各周波数でのショットノイズの関与の度合いを減じることができる。
【0019】
本発明の実施例によれば、光源の有用度と電流データ収集速度はOCTと比べて改善される。ショットノイズは、量子化された電荷又は離散的な電荷に起因する電流の統計的変動に起因する。ショットノイズを減じることは、はるかに低いソースパワーとはるかに高いデータ収集レートを見込んでいる。電流データ収集レートは、ソースパワーの有用度と走査遅延に対する高速機構の有用度により制限を加えられる(毎秒4フレーム以下)。検出感度が係数8の分だけ上がれば、毎秒約30フレームの速度でリアルタイム撮像が可能となろう。検出感度が係数1000〜2000程度だけ上がれば、はるかに低いソースパワーとはるかに大きい空間帯域幅を持つ光源の使用が見込まれ、直ぐに使えるこの光源の方が安価で製造でき、高解像度のOFDI画像を作成できる。
【0020】
OFDIを眼に応用する場合、好ましくは、効率的な検出によって収集速度のかなりの増大が見込まれる。眼への応用における制限のひとつは、ANSI規格に従って目への進入を許されるパワーの大きさである(830nmで約700マイクロワット)。眼に応用したときの電流データ収集速度は毎秒約100〜500Aラインである。本発明の効率的なパワー検出技術では、毎秒約100000AラインのオーダーのAライン収集レート、又は、画像当たり約3000Aラインでのビデオレート撮像が見込まれよう。
【0021】
本発明の目標のうち少なくとも幾つかを達成するために、本発明の一実施例による装置及び方法を提供する。特に、少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプル用に準備し、少なくとも1つの第2電磁放射線を非反射性リファレンス用に準備してよい。第1放射線及び/又は第2放射線の周波数は経時変化する。第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する。あるいは代わりに、第1電磁放射線及び/又は第2電磁放射線は、経時変化するスペクトルを有する。スペクトルは、特定の時に多重周波数を含んでいてよい。加えて、第1偏光状態において第3放射線と第4放射線の間で干渉信号を検出することが可能である。更に、第1偏光状態と異なる第2偏光状態において第3放射線と第4放射線の間で更なる干渉信号を検出するのが好ましい。第1電磁放射線及び/又は第2電磁放射線は、その平均周波数が、毎ミリ秒100テラヘルツより大きい同調速度でほぼ連続的に経時変化するスペクトルを有してよい。
【0022】
本発明の一実施例では、第3放射線はサンプルから戻された放射線であってよく、少なくとも1つの第4放射線はリファレンスから戻された放射線であってよい。第1、第2、第3及び/又は第4の放射線の周波数はシフトしてよい。検出された干渉に基づいて画像を生成することができる。走査データ生成のためにサンプルの横方向位置を走査し、その走査データを画像生成のために第3アレンジメントに提供するプローブを使用してよい。少なくとも1つの光検出器と少なくとも1つの電気フィルタを使用してよく、この場合、光検出器の後に電気フィルタが続く配置であってよい。電気フィルタは、周波数シフトアレンジメントによる周波数シフトの大きさとほぼ同じ中心周波数を持つ帯域フィルタであってよい。電気フィルタの透過プロファイルは、ほぼその通過帯域全体にわたって変化し得る。プローブは、回転接合器と光ファイバーカテーテルを内蔵してよい。カテーテルは、毎秒30回転より高い速度で回転できる。少なくとも1つの偏光変調器が設けてあってよい。
【0023】
少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバを単独で、及び/又は、偏光ダイバーシティレシーバとデュアルバランスレシーバの両方を使用してよい。更に、
・第1電磁放射線と第2電磁放射線、及び/又は、
・第3電磁放射線と第4電磁放射線の間の位相差を追跡することが可能である。
【0024】
本発明のなお別の実施例によれば、第1電磁放射線と第2電磁放射線が放出でき、そのうち少なくとも1つは、その平均周波数が、毎ミリ秒100テラヘルツより大きい同調速度でほぼ連続的に経時変化するスペクトルを有する。
【0025】
本発明の更なる一実施例によれば、少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントを含むような装置が設けてあってよい。この装置はまた、第1電磁放射線と第2電磁放射線の周波数をシフトさせるのに適した少なくとも1つの第2アレンジメント、及び、第1電磁放射線と第2電磁放射線を干渉させて干渉信号を生成する干渉計を含む。更に、この装置は、第1電磁放射線と第2電磁放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントを含む。
【0026】
更に、本発明の別の実施例によれば、少なくとも1つの組織構造及び組織組成と関連した特定データを求めるためのシステム、方式、ソフトウェアアレンジメント及び記憶媒体が設けられている。特に、サンプルから得られた少なくとも1つの第1電磁放射線と、リファレンスから得られた少なくとも1つの第2電磁放射線とから形成される干渉信号と関連した情報が受信される。第1電磁放射線及び/又は第2電磁放射線は、周波数シフトさせられる。情報は、サンプル化データを第1フォーマットで生成すべくサンプル化される。更に、サンプル化データは、第2フォーマットの特定データに変換される。ここで、第1フォーマットと第2フォーマットは互いに異なるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】時間ドメイン光コヒーレントトモグラフィ(“OCT”)システムのブロック図である。
【図2】スペクトルレーダ技術を使って周波数ドメイン撮像を実行するシステムのブロック図である。
【図3A】本発明の一実施例によるコヒーレント単一周波数同調源を使って周波数ドメイン撮像を実行するシステムのブロック図である。
【図3B】図3Aのシステムにより生じさせられる周波数シフトの現れ方をひとまとまりで図解する波長対振幅のグラフを示す図である。
【図3C】図3Aのシステムにより生じさせられる周波数シフトの現れ方をひとまとまりで図解する波長対振幅のグラフを示す図である。
【図3D】図3Aのシステムにより発生させられるビート信号のグラフを示す図である。
【図4A】本発明の別の実施例による多重縦モードの波長掃引源を使って周波数ドメイン撮像を実行するシステムのブロック図である。
【図4B】図4Aのシステムにより生じさせられるスペクトルのシフトの現れ方をひとまとまりで図解する波長スペクトルのグラフを示す図である。
【図4C】図4Aのシステムにより生じさせられるスペクトルのシフトの現れ方をひとまとまりで図解する波長スペクトルのグラフを示す図である。
【図4D】図4Aのシステムにより発生させられるビート信号のグラフを示す図である。
【図5】本発明の別の実施例による波長掃引源を使って周波数ドメイン撮像を実行するシステムのブロック図である。
【図6】本発明の一実施例による可同調光波長フィルタのブロック図である。
【図7】本発明の一実施例による波長掃引レーザアレンジメントのブロック図である。
【図8A】図7の波長掃引レーザアレンジメントの出力側で測定された通りのレーザ出力スペクトルのグラフ例を示す図である。
【図8B】図7の波長掃引レーザの出力側で測定された通りのレーザ出力のグラフ例を示す図である。
【図9A】本発明の別の実施例による多角形ミラーを付けた可同調光波長フィルタアレンジメントのブロック図である。
【図9B】本発明のなお別の実施例による反射板を有する可同調光波長フィルタアレンジメントのブロック図である。
【図10A】本発明の更なる実施例による、波長掃引レーザと偏光ダイバーシティバランス検出(“PDBD”)回路を含む光学周波数ドメイン撮像(“OFDI”)システムのブロック図である。
【図10B】図10Aに示した例示的プローブアレンジメントのブロック図である。
【図10C】図10Aのシステムを使用する搬送波周波数ヘテロダイン検出の例示的出力を図解する多数のグラフを示す図である。
【図11】本発明の一実施例を使って得られた、人間の指先の生体内画像の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施例による位相追跡アレンジメントのブロック図である。
【図13】位相追跡器を有する、本発明によるOFDIシステムの一実施例のブロック図である。
【図14A】本発明による位相追跡操作技術の一例を図解するフロー線図である。
【図14B】本発明による位相追跡操作技術の一例を図解するフロー線図である。
【図14C】本発明による位相追跡操作技術の一例を図解するフロー線図である。
【図15】本発明の別の実施例によるOFDIシステムの単純化された線図である。
【図16】(図16(a)及び図16(b))は、本発明による周波数シフトの効果を示すグラフ、すなわち、深さ対信号周波数のグラフを示す図である。
【図17】本発明のなお別の実施例による2つの音響光学周波数シフタを使用するOFDIシステムのブロック図である。
【図18】ポイントスプレッドファンクションのグラフを示す図であり、図18(a)及び図18(c)は、本発明によるマッピングプロセスを使って測定されたポイントスプレッドファンクションのグラフを示す図であり、また、図18(b)及び図18(d)は、本発明によるマッピングプロセスを使って測定されたポイントスプレッドファンクションのグラフを示す図である。
【図19】Aの場合Δf=0およびBの場合Δf=−2.5であることを除いて同一の実験条件のもとで本発明によるマッピング技術を使って得られた2つの画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明とその利点をより完璧に理解してもらうため、以下、これを添付図面に則して詳細に説明する。
【0029】
図面全体を通して、別段の記述がない限り、図示された実施例の同様の機能、エレメント、コンポーネント又は部品を表すのに同じ参照番号及び参照記号を使用する。その上、本発明を図面に則して詳細に説明する一方、それを図解的な実施例と結び付けて説明する。
【実施例】
【0030】
図1は、2×2スプリッタ14の第1アーム14aに信号を提供する広帯域源12を含む例示的な先行技術による時間ドメイン光コヒーレントトモグラフィ(“OCT”)システム10を示す。スプリッタは、これに提供された信号をポート14aで分割し、該信号の第1の部分をリファレンスアーム16に結合したポート14bで提供する。スプリッタ14はまた、該信号の第2の部分をサンプルアーム18に結合したポート14cで提供する。
【0031】
サンプルアーム18は、サンプルボリューム19で終わり、このサンプルボリュームの横方向走査を提供するアレンジメント22がサンプルボリューム19の手前のサンプルアーム18に配置されている。リファレンスアーム16は、軸方向走査を提供するアレンジメント20で終わる。アレンジメント20及び22は、先行技術において一般に知られている通り動作する。
【0032】
手段20及びサンプルボリューム19からそれぞれリファレンスアーム16、サンプルアーム18に沿って後方へ反射された信号は、スプリッタ14のそれぞれのポート14b、14cに戻され、一般に知られている通り軸方向走査データ26を生成する検出器24に結合させられる。米国特許第6341036号(その開示内容全体をここに参考として組み入れる)は、上で述べ、図1に示したのと同様のシステムについて述べている。
【0033】
一般に、リファレンスアーム16のパス長さ全体を走査すると、サンプルボリューム19において3つの構造19a、19b、19cまでの距離に合致する位置に応じて干渉フリンジが周波数変調される。信号検出器24は、この干渉フリンジを検出するのに使用される。フリンジパターンのエンベロープ検出により、組織反射率を所与の場所にマッピングする画像26が構築される。
【0034】
以下で述べるある一定の実施例から明らかな通り、本発明の一実施例は、スペクトルレーダコンセプト(以下、スペクトルドメインOCTと呼ぶ)、及び/又は、スペクトルドメインと時間ドメインOCTの間のハイブリッド方式を基礎に置いた検出原理を活用するシステムに関するものであり、ここで言う時間ドメインOCTは、好ましくは先行技術による時間ドメインOCTより高い感度を示し、解像比に関して収集速度の大幅増大を許容するものである。
【0035】
時間ドメインOCTにおける信号/ノイズ比(“SNR”)の分析は、関連の広報においてすでに説明されている。時間ドメインOCTにおける干渉フリンジのピーク振幅は、
【数1】

によって与えられる。ここで、Pref、Psampleはそれぞれ、単位ワットのリファレンスアームパワー、サンプルアームパワーである。検出器の電力の項において、単位[A2]の信号は
【数2】

と定義される。ここで、ηは量子化率、eは電荷量、Eυは光子エネルギである。リファレンスアームパワー及びサンプルアームパワーは、それぞれの反射スペクトル密度
【数3】

によって与えられる。
【0036】
リファレンスアームのスペクトル密度とサンプルアームのスペクトル密度がソーススペクトル密度S(ω)に等しいと仮定し[ここで、サンプルアームのスペクトル密度は大きい係数の分だけ減衰させられる、すなわち、Sref(ω)=S(ω)、Ssample(ω)=αS(ω)、ここで、α≪1]、リファレンスアームとサンプルアームを表す上の式を信号の原定義式に挿入すると、
【数4】

が得られる。
【0037】
OCT信号のトータルノイズに関与する3つのノイズは、(i)サーマルノイズ、(ii)ショットノイズ、及び(iii)相対強度ノイズである。サーマルノイズはフィードバック抵抗によって発生させられ、ショットノイズは、電流の統計的変動に帰結する電荷量の有限的性質に関連させられ、相対強度ノイズは、古典的光源の混沌とした性格に起因する一時的変動に関連させられる。ノイズ密度(単位[A2/Hz])に関与するこれら3つの要素は、
【数5】

によって与えられる。ここで、kはボルツマン定数、Tは単位ケルビンの温度、Rfbはフィードバック抵抗の値、τcohは光源のコヒーレンス時間である。コヒーレンス時間は、関係式τcoh=√2In2/πλ02/(cΔλ) により、ガウス光源の半最大値Δλにおける全スペクトル幅に関連させられる。ショットノイズの限定検出ができるのは、方程式(5)の第2項が他のノイズの関与を支配するときである。
【0038】
信号/ノイズ比(SN比)は、
【数6】

によって与えられる。ここで、BWは信号帯域幅、パラメータS及びNnoise(f) は上で述べた通りである。
【0039】
[分光計及びCCDアレイ検出器を使用するスペクトルドメインOCT]
時間ドメインOCTシステムの最良の信号/ノイズパフォーマンスが得られるのは、ノイズがショットノイズ限定のときである。ショットノイズは、単エレメント形検出器の代わりに多エレメント形検出器を使用することによってかなり減じることができる。検出アーム光がアレイ検出器に当たってスペクトル分散を起こすと、アレイの各エレメントが、光源のスペクトル幅の1つの短小波長部分を検出する。ショットノイズは、好ましくは、アレイのエレメントの数に等しい係数分だけ減じられる。信号/ノイズ比改善の原理は、ショットノイズのホワイトノイズ特性と、同じ波長の電磁波だけが干渉フリンジを生成するという観察に基づいている。
【0040】
ショットノイズパワー密度Nnoise(f)(単位[W/Hz]、[A2/Hz]又は[V2/Hz])は、検出器で発生させられる電流(又は等価で光パワー×量子化率)に比例する。干渉計に進入する波長λ1の単色ビームの場合、検出器におけるフリンジ周波数又は搬送周波数f1は、ミラーの速度υによって求められる、すなわち、f1=2υ/λ1、である。ショットノイズは、波長λ1でのパワー(又はスペクトル密度S(ω))に比例する。できれば、第2の波長λ2が干渉計に結合させられるのが好ましい。そうすれば、第2のフリンジ周波数又は搬送周波数f2=2υ/λ2が同時に存在する。この第2の周波数におけるショットノイズは、好ましくは、波長λ1及びλ2で光パワーによって発生させられるショットノイズの総和である。また、周波数f1においてショットノイズは、波長λ1及びλ2で光パワーによって発生させられるショットノイズの総和でもある。従って、どちらの周波数でも、検出器に両方の波長が同時に存在することによって相互ショットノイズ分が発生させられる。各波長を別々の検出器にスペクトル分散させることにより、相互ショットノイズ分は除去できる。こうして、スペクトルドメインOCTは、時間ドメインOCTを超えて信号/ノイズ比の大幅な改善をもたらす。
【0041】
OCT信号は、空間ドメインで説明するのが最も簡単である。サンプルアームにおける対象が単一であるとき、OCT信号の干渉分はソーススペクトルのフーリエ変換の実部S(ω)に比例する。すなわち、
【数7】

ここで、Δzはサンプルアームとリファレンスアームの間のパス長さの差、kは波数ベクトルである。時間の関数として、OCT信号は式
【数8】

によって与えられる。ここで、υはリファレンスアームミラー速度である。信号の周波数スペクトルは、時間ドメインでのフーリエ変換によって与えられ、結果的に複素関数の形で表される。この関数の絶対値はスペクトル密度に等しい。
【数9】

これは、信号帯域幅がソーススペクトル幅に正比例し、リファレンスアームミラー速度、すなわち撮像速度と共に直線的に増減することを示す。方程式(9)は、周波数スペクトルの絶対値|I(f)|を信号Sに直接関連させる(方程式(4)を参照)。方程式(9)はまた、光源の各々の角周波数、又は等価で光源の各々の波長が、干渉測定定信号においてそれ自体の周波数で表されることも示す。深さプロファイル情報I(t)は、複素相互スペクトル密度からフーリエ変換によって得ることができる。
【0042】
複素相互スペクトル密度はまた、分散形エレメント又は干渉計形エレメントを使って信号I(t)を幾つかのスペクトル帯域に分割することによって得ることもできる。各検出器において、複素相互スペクトル密度の部分々々だけが求められる。各検出器の相互スペクトル密度を組み合わせることで初めて、信号の全スペクトル密度は引き出される。従って、スペクトル成分を個々の検出器に分けることによって同じ情報を得ることができる。すべての検出器の信号をソフトウェア又はハードウェアで組み合わせることで、結果的に、単一の検出器で得られるのと同じ信号が得られることになろう。
【0043】
検出アームでは、スペクトルを二等分することができ、ここで、2つの検出器が各々、スペクトルの半分を検出する。方程式(9)に従い、検出器1及び2における周波数スペクトルはそれぞれ、
【数10】

によって与えられる。時間ドメインOCTにおいて単一検出器によって収集される通りの周波数スペクトルは、I1(f)とI2(f)の総和によって与えられる。すなわち、I(f)=I1(f)+I2(f)である。従って、両方のスペクトルを組み合わせた後の信号Sは等しく(但し、f>f0のときI1(f)=0、f<f0のときI2(f)=0)、検出器当たりの帯域幅BWは係数2の分だけ減じることができる。
【0044】
ノイズは、検出器1及び2に関与するショットノイズの総和によって求められる。方程式(5)及び(6)から、検出器当たりのショットノイズは、検出器におけるリファレンスアームパワー×検出器当たりの帯域幅に比例する。スペクトルは二等分されたので、検出器1及び2におけるリファレンスパワーはそれぞれ、
【数11】

である。
【0045】
2つの検出器に関与するショットノイズの総和は
【数12】

で、時間ドメインOCTにおける単一検出器のショットノイズ
【数13】

と匹敵し得る。
【0046】
従って、検出及び光を2つの別々の検出器にスペクトル分散させることにより、信号は依然同じであるが、ノイズの方は係数2の分だけ減じられ、その結果、SN比に係数2の分だけの正味利得が得られることになる。
【0047】
上の分析を拡げることで、ショットノイズの関与が検出器の数に等しい係数の分だけ減じられることを立証できる。N個の検出器エレメント(各エレメントが合計リファレンスパワーのN分の1を受け取る)に関与するショットノイズの総和は、
【数14】

によって与えられる。
【0048】
信号は、時間ドメインOCTにおけると同じであり、スペクトルドメインOCTの場合のSN比は、
【数15】

によって与えられる。
【0049】
従って、スペクトルドメインOCTは、時間ドメインOCTと比べて、検出器エレメントの数に応じて100倍から1000倍のSN比改善を可能にする。電荷結合アレイ又は集積デバイス、例えばラインスキャンカメラ(但し、これだけに限らない)を検出器として使用することで、比N/BCWはアレイの積分時間τiに取って代わられ、その結果、
【数16】

が得られる。
【0050】
図2は、スペクトルドメインOCTシステムの一例を示し、スペクトルドメインOCTシステム100が、ソースアーム104、サンプルアーム106、リファレンスアーム108、及び検出アーム110を備えた干渉計102を含み、前記検出アームに付属のスペクトル分離ユニット112、複数の検出器からなる検出器アレイ114、及び同じ複数の増幅器116を備えている。増幅器116は、任意の電子アナログ処理回路(図示されていないが、当業者であれば知っているもの)及び信号変換用のA/D変換器(図示されていないが、当業者であれば知っているもの)を通して、また、ディジタル帯域フィルタ(“BPF”)ユニット122を通して処理/表示ユニット124に結合している。
【0051】
処理/表示ユニット124は、データ処理/表示機能を実行し、コヒーレント信号の組み合わせを提供できるようにするため、任意にディジタル帯域フィルタ(“BPF”)ユニット122、並びに、ディジタル高速フーリエ変換(“DFFT”)回路(図示されていない)を含むことができる。検出器アレイ114は、単純な強度レンジングと強度イメージング及び/又はドップラー高感度検出のために1×Nであってよく、デュアルバランス検出のために2×Nであってよく、単純な強度レンジング及び/又は偏光及び/又はドップラー高感度検出のために2×Nであってよく、又は、デュアルバランス検出と偏光の複合及び/又はドップラー高感度検出のために4×Nであってよい。あるいは代わりに、サンプル130についての横方向空間情報の検出を可能にすべく、任意の数“M”の検出器114のためにM×Nのアレイを使用してもよい。
【0052】
電磁放射線(例えば光)が、線源からソースアーム104に沿ってスプリッタに送られ、リファレンスアーム108とサンプルアーム106の間で分割される。光は、サンプルアームに沿って組織サンプル130に伝搬し、リファレンスアーム108を通って波長依存位相アレンジメントに伝搬する。光は、サンプルと波長依存位相アレンジメントから反射され、スプリッタへと戻され、そこで、反射光の少なくとも一部がスペクトル分離ユニット112(例えば格子として設けてあってよい)の方へ向けられる。検出アームの光は、スペクトル分離ユニット112によって分散させられ、スペクトルは検出器アレイ114の上に撮像される。リファレンスアーム108の長さを距離λ/8にわたって刻むことにより、リファレンスアーム108とサンプルアーム106の光の相互スペクトル密度を求めることができる。処理/表示ユニットは、送られてきた信号を受信し、深さプロファイル情報を生成すべく相互スペクトル密度のフーリエ変換を実行する。
【0053】
図3Aは、単一周波数同調源を使用するコヒーレンス周波数変調連続波(“C−FMCW”)システムの基本原理を図解する本発明の一実施例のブロック図である。周波数チャープレーザとして働く単色レーザ光70が、光信号をカプラ72の入力72aに提供する。カプラ72は、光信号を、リファレンスミラー82で終わるリファレンスアーム80と、サンプル86で終わるサンプルアーム84とに分割する。光は、パス80、84を下って伝搬し、リファレンスミラー82とサンプルミラー86から反射され、カプラ72を経由して干渉信号を光検出器88に提供し、そこでこの干渉信号は検出される。
【0054】
図3B〜3Dのグラフに示した通り、2つの反射光信号90(図3B)と92(図3C)の間に光遅延にあるとき、周波数fを有するビート信号94(図3Dを参照)が光検出器88で検出されることがある。軸に沿ってサンプルに多重反射点がある場合、干渉は、サンプルの反射(散乱)点とリファレンスミラーの間に光遅延差に比例する周波数を持つビート音からなる。各ビート周波数成分のパワーは、散乱の反射率に比例する。それゆえ、サンプルの画像は、干渉データのフーリエ変換によって構築することができる。
【0055】
上述の、図3A〜3Dに示した同様のエレメントが同じ参照番号を付けて描かれている図4A〜4Dについて説明すると、本発明の一実施例による光学周波数ドメイン撮像(“OFDI”)システムが、多重縦モードで構成されたレーザ出力スペクトルをカプラ72の入力に提供する波長掃引レーザ源95(ここでは周波数掃引源95とも呼ぶ)を備える。カプラ72は、送られてきた信号を、リファレンスミラー82で終わるリファレンスアーム80と、サンプル86で終わるサンプルアーム84とに分割する。光信号は、リファレンスミラー82とサンプル86から反射され、カプラ72を経由して信号スペクトルを光検出器88に提供し、そこでこの光スペクトルは検出される。
【0056】
信号スペクトルの中心(又は平均)波長は、スペクトル先頭側での新たな縦モードの生成とスペクトル後尾側でのモードの消滅によって適時に同調させられる。
【0057】
図3A〜3Dに則して上で述べたのと同じ原理は、波長掃引レーザ源95を使用するOFDI技術にも当てはまる。C−FMCWシステム(例えば、上で述べた図3Aのシステム)の場合と同様、ビート信号94を生成することができる。波長掃引レーザ源を使用するOFDIシステムの場合は、リファレンスミラーからの光96とサンプルからの光98の中心周波数の差に相当するビート周波数fを持つビート信号94を生成することができる。
【0058】
縦モード相互間の周波数間隔は、検出帯域幅よりはるかに大きいのが望ましい。モードビート周波数は(相対強度ノイズピーク)は、ディジタル化に先立ち、低域フィルタなどの適当な電子フィルタによって除去することができる。干渉信号94は、光遅延に比例する周波数成分を含む。その上、サンプルの画像は、ディジタル化された干渉データのフーリエ変換によって構築することができる。
【0059】
本発明の一実施例では、高速掃引多重周波数モード出力を生成するためにレーザキャビティ内で光帯域走査フィルタを利用する波長掃引レーザ95を提供することができる。本発明による例示的なフィルタを以下で図6及び9Aに則して説明する。レーザキャビティ内で光帯域走査フィルタを利用することにより、レーザスペクトルの同期同調を達成するためにレーザキャビティ長を同調させる必要はない。実際、このようなアレンジメントは、レーザの中心波長と同じレートでレーザの縦キャビティモードを同調させることを要求しない。
【0060】
OFDI技術を使って、フーリエ変換を通してAスキャン1回の持続時間にわたって時間の関数として記録される信号から、画像の単一のピクセルを構築することができる。これは、Aスキャン1回の間の短い時間で測定されたデータから単一のピクセルを構築するTD OCTと異なる。同じAスキャン周期の間に同じ数のデータを収集する検出帯域幅は、TD OCTとFD OCTとでほぼ同じである。しかしながら、OFDI技術に使用されるフーリエ変換は、Aスキャン周期全体にわたって収集された多数のデータポイントから単一の画像ピクセルを構築することにより、TD OCTの場合と比べて信号/ノイズ比を効果的に改善する。この効果は、現実の検出帯域幅よりN倍大きい“効果的”検出帯域幅をもたらす結果になり得る。よって、SN比はN倍だけ改善され得るということになり、ここで、Nはフーリエ変換における(ディジタル化)データポイントの数である。これで、ショットノイズ限定の場合のSN比は式
【数17】

によって与えられることが分かる。
【0061】
ところが、波長掃引源の狭帯域出力スペクトルのゆえに、相対強度ノイズ(RIN)が連続波広帯域光源のそれよりはるかに高いことがあり得る。熱光の場合、RINは1/Δυによって与えられる。ここで、Δυ=c・Δλ/λ2は(瞬時)ソース出力の光帯域幅である。レーザ光の場合、RINは異なる統計値から得られるので、熱光の場合と異なる値を持つ。FD−OCTの場合は、RINレベルの低い波長掃引レーザが好まれる。多重縦モードを持つレーザ光は、同じライン幅の熱光と同様のRINレベルを有してよい。この場合は、RINを抑制する手段が、デュアルバランス検出におけるような十分なSN比を確保する上で重要である。
【0062】
掃引源の使用が結果的にもたらすのは、現在のシステムと比べてショットノイズだけでなく他の形のノイズも減じ、それで、はるかに低いソースパワー、又は、はるかに高い収集速度が見込まれるシステムである。検出感度が向上したことで、リアルタイム撮像が見込まれる。このような高速撮像であれば、胃腸、眼及び動脈の撮像環境のようなモーションアーティファクトの問題に対処できる。信号/ノイズ比を維持又は改善する一方、フレームレートを高めることにより、そのようなアーティファクトを最小化することができる。本発明はまた、OFDI技術をもって大きい組織領域をスクリーニングすることも可能にし、この手法を使って臨床的に実行可能なスクリーニングプロトコルを実現させる。
【0063】
OFDIを眼に応用する場合、好ましくは、効率的な検出によって収集速度のかなりの増大が見込まれる。眼への応用における制限のひとつは、ANSI規格に従って目への進入を許されるパワーの大きさである(830nmで約700マイクロワット)。眼に応用したときの電流データ収集速度は毎秒約100〜500Aラインである。本発明の効率的なパワー検出技術では、毎秒約100000AラインのオーダーのAライン収集レート、又は、画像当たり約3000Aラインでのビデオレート撮像が見込まれよう。
【0064】
SN比の利得が得られるのは、ショットノイズがホワイトノイズスペクトルを有するからである。検出器に周波数ω(又は波長λ)で存在する信号の強度は、周波数ωの信号にしか関与しないが、ショットノイズはあらゆる周波数で発生させられる。検出器当たりの光帯域幅を狭小化することにより、信号成分をそのまま留めながら、各周波数でのショットノイズの関与の度合いを減じることができる。
【0065】
図5に示すのは、周波数ドメイン干渉測定を使った光学撮像(“OFDI”)を実行するシステム99の一実施例で、狭帯域スペクトルを放出する周波数掃引源100を備え、その狭帯域スペクトルの中心波長が、掃引源における利得媒体の帯域幅にわたって連続的かつ反復的に適時に同調させられる。瞬時放出スペクトルは、光源の複数の周波数モードからなる。周波数掃引源100は多種多様な仕方で設けてあってよく、その幾つかを以下で説明する。掃引源100は、例えば、多様な利得媒体、多様な可同調波長フィルタ、多様なキャビティ構成から作ってあってよい。
【0066】
高速同調式の波長掃引レーザ源、例えばソリッドステートレーザ、活性イオンドープ導波管レーザ、ファイバーレーザなどを提供する方法及び装置は、技術的に知られている。モード同期方式の波長掃引レーザも、相対強度ノイズ(RIN)がより低いという潜在的有利さをもって縦モードビート周波数の調波相互間の周波数領域において使用できる。光可飽和吸収器が、RINレベルを下げるためにレーザキャビティの内側又はレーザ源出力ポートの後に組み込んであってよい。
【0067】
掃引源100から提供された光は、光ファイバーカプラ102の方に向けられ、ここに送られた光は、リファレンスアーム103とサンプルアーム104に分割される。この実施例では、カプラ102は90:10のパワー分割比を有し、パワーの90%がサンプルアームの方に向けられる。但し、当業者であれば、カプラ102について他の結合比も使用し得ることを理解するであろう。何らかの特別な用途において特別な結合比を使用する場合、これは、本発明による例示的システムの固有動作を許容する量のパワーがリファレンスアームとサンプルアームの両方に提供されるように選択するのが望ましい。
【0068】
サンプルアームに提供されたパワーは、サーキュレータ111を通過し、横方向走査撮像プローブを通して撮像すべきサンプル136を照明する。リファレンスアームは、好ましくは固定された光遅延を提供する。リファレンスミラー124から、また、サンプル136内部から反射された光は、それぞれのサーキュレータ110、111を通して光ファイバービームスプリッタ(又は溶融カプラ)150の方に向けられ、互いに干渉して干渉信号を生成する。
【0069】
望ましいのは、複合カプラ150が、光源の波長同調範囲全体にわたって最小の偏光依存度と最小の波長依存度をもって等しい分割比を示すことである。等分割からはずれると、デュアルバランス検出の同相除去比(“CMRR”)が下がる結果となる。好ましい一実施例では、複合カプラ150がバルク広帯域ビームスプリッタとして設けられる。当業者であれば、他のタイプのカプラ(波長平滑化ファイバー溶融カプラを含むが、これだけに限らない)も使用してよいことを理解するであろう。
【0070】
干渉信号は、デュアルバランスレシーバ151によって受信される。レシーバ151の出力は、計算アレンジメント(例えばデータ収集ボード/コンピュータ160)に向けて設けられ、その出力信号がディジタル化され、画像を生成すべくコンピュータアレンジメントによって処理されるように作られている。
【0071】
図6は、例えば周波数掃引源(上で図5に則して述べた周波数掃引源100のような)として使用できるようになっていてよい例示的な光源100’を示し、ここでは、光フィルタ170が、レンズ172と光パス174を通して光源/コントローラ176(以下、“光コントローラ176”と呼ぶ)に結合している。光コントローラ176の方は、1つ以上のアプリケーション178に結合していてよい。アプリケーション178は、例えば、光学撮像プロセス及び/又は光学撮像システム、レーザ加工プロセス及びレーザ加工システム、写真平版プロセス及び写真平版システム、レーザトポグラフィシステム、通信プロセス及び通信システムに対応してよい。これで、フィルタ170と光コントローラ176から作られた例示的光源100’は、多種多様な広範な用途において使用してよく、そのうち幾つかの一般的な例をここで説明する。
【0072】
以下で詳細に述べる通り、フィルタ170により、光源100’は、中心波長が光コントローラ176の帯域幅にわたって連続的かつ反復的に適時に同調させることのできるスペクトルを放出する周波数掃引源として動作させられる。従って、光源100’は、光源/コントローラ176の複数の周波数モードからなる瞬時放出スペクトルを有してよい。この実施例では、光波長フィルタ170は、入力ポートと出力ポートが同一である反射型フィルタとして構成されている。従って、光パス174は、例えば入出力光ファイバーとして設けてあってよく、レンズ172は、コリメーションレンズに相当するものであってよい。図6に示したフィルタ170は、光コントローラ176を通してアプリケーション178の1つ又は全部に結合しているが、光コントローラ以外のデバイスを通してフィルタ170をアプリケーション178の1つ以上に直接結合させることも可能である。
【0073】
本発明のこの実施例では、光コントローラ176は、広い周波数(f)スペクトルを有する光ビーム(一実施例では、平行調整された光ビーム)を伝送すべく特別に工夫された多数のシステムを含むことができる。特に、光ビームは、可視光スペクトル(例えば赤、青、緑)の内側に複数の波長を含むことができる。光コントローラによって提供された光ビームはまた、可視スペクトル(例えば赤外線)の外側で限定される複数の波長を含んでもよい。
【0074】
以下で図7に則してより詳細に述べる通り、本発明の一実施例では、光コントローラ176は単指向性光伝送リングを含むことができる。以下で図9に則して詳細に説明する別の実施例では、光コントローラ176は直線共振システムを含むことができる。フィルタ170は、光コントローラ176からの光ビームを受け取り、この光ビームを、各々、知られている通り1つの光パスに沿って方向づけされる複数の異なる波長の光に分割すべく工夫された波長分散エレメント180を含む。波長分散エレメント180は、光コントローラ176からの光ビームを受け取り、この光ビームを、各々1つの光パスに沿って方向づけされる複数の波長の複数の光に分割すべく工夫された1つ以上のエレメントを含むことができる。波長分散エレメント180は更に、複数の波長の光を光軸182に関して複数の角方向又は角位置において方向づけする働きも持つ。本発明の一実施例では、波長分散エレメント180は、例えば反射格子184のような光分散エレメントを含むことができる。あるいは代わりに、波長分散エレメント180は、伝送格子(例えばディクソン型ホログラフィック格子のような伝送型格子)、プリズム、回折格子、音響光学回折用セル、又はこれらエレメントの1つ以上の組み合わせの形であってもよい。
【0075】
波長分散エレメント180は、各波長の光を、光軸182に関して角度をなすパスに沿ってレンズ系186の方に向ける。各角度は、波長分散エレメント180によって特定される。レンズ系186は、波長分散エレメント180から別々の波長の光を受け取り、その光をビーム偏向デバイス188上に設けられた所定位置に向け、又は向かわせ、及び/又は収束すべく工夫された1つ以上の光学エレメントを含むことができる。ビーム偏向デバイス188は、1つ以上々の離散的波長の光を受け取り、これを再び光軸182に沿ってレンズ系186を通して波長分散エレメント180及び光コントローラ176に選択的に戻すべく制御することができる。その後、光コントローラ176は、受け取った離散的波長の光をアプリケーション178のいずれか1つ以上に選択的に向けることができる。ビーム偏向デバイス188は、多様な仕方で形成及び/又は配置することができる。例えば、ビーム偏向デバイス188は、多角形ミラー、回転シャフト上に置かれた平面ミラー、検流計上に置かれたミラー、又は音響光学変調器を含む(但し、これだけに限らない)エレメントから作ることができる。
【0076】
図6に示した実施例では、分散エレメント180は、回折格子184、レンズ系186(テレスコープ193を形成する第1及び第2のレンズ190、192を有する)、及び、多角形ミラースキャナ194として描かれたビーム偏向デバイス188を含む。テレスコープ193は、第1及び第2のレンズ190、192から4f構成で作られている。テレスコープ193の第1及び第2のレンズ190、192は、各々ほぼ光軸182上で心出しされている。第1レンズ190は、波長分散エレメント180(例えば回折格子184)から第1の距離、第1レンズ190の焦点距離F1にほぼ等しい第1の距離をおいて位置する。第2レンズ192は、第1レンズ190から第2の距離、第1レンズ190の焦点距離F1と第2レンズ192の焦点距離F2の総和にほぼ等しい第2の距離をおいて位置する。この実施例では、第1レンズ190は、波長分散エレメント180から平行調整された離散的波長の光を受け取ることができ、また、同等の1つ以上の収束ビームが1つの像平面(図6においてIPで表されている)上に投影されるよう、平行調整された1つ以上の離散的波長の光の各々についてフーリエ変換を効果的に実行することができる。像平面IPは、第1レンズと第2レンズの間で、第1レンズから所定の距離、つまり、第1レンズの焦点距離F1によって限定された所定の距離をおいて位置する。像平面IPを通って伝搬した後、収束ビームは、第2レンズによって受け取られる同等の1つ以上の発散ビームを形成する。第2レンズは、1つ以上の発散ビームを受け取り、光軸182に関して所定の角位置を占める同等の数の平行調整ビームを形成し、これをビーム偏向デバイス188の所定の部分に向ける、又は向かわせる働きをする。
【0077】
テレスコープ193は、上で述べた通り多数の機能を実行し、更に、格子から発散する角分散光を第2レンズ192の後で収束する角分散光に変換するように構成されている。これは、フィルタ170の固有動作のために望まれることである。加えて、テレスコープ193は、ビームクリッピングを回避するために同調範囲を制御し、ビームサイズを多角形ミラー194で縮小する上で有用な自由度を提供する。
【0078】
図6に示した通り、多角形ミラー194は、好ましくは、狭帯域の内側のスペクトル成分だけを、多角形の正面に当たるミラーファセットの、光軸に関する角度の関数として反射する。反射された狭帯域光は回折され、光ファイバー174によって受け取られる。
【0079】
光軸に関する入射ビームの向きと多角形ミラー194の回転方向198が、波長同調の方向、すなわち、波長アップ(プラス)スキャンか、ダウン(マイナス)スキャンかを決定する。図6に示した配置は、プラスの波長掃引を生じさせる。図6に示したミラー194はファセット12面を有するが、12面より少ない形も12面より多い形も使用できることを理解されたい。その時々の用途において使用されるミラーファセットの数は、特定の用途における所望の走査速度と走査範囲によって異なる。その上、ミラーのサイズは、特定の用途のニーズに応じて、ミラー194の重量及び製作可能性を含む(但し、これだけに限らない)ファクターを考慮した上で選択される。また、レンズ190、192は異なる焦点距離を持つものであってよいことも認識されたい。レンズ190、192は、できれば、ミラー194の中心点200付近に焦点を作るように選択するのが望ましい。
【0080】
広い光スペクトルを持つガウスビームがファイバーコリメータ172から格子に入射するケースを考えよう。周知の格子方程式は、λ=p・(sinα+sinβ) で表される。ここで、λは光波長、pは格子ピッチ、α及びβはそれぞれ格子の垂直軸202に関するビーム入射角及び回折角である。フィルタの同調範囲の中心波長は、λ0=p・(sinα+sinβ) によって与えられる。ここで、λ0はテレスコープの光軸38と格子垂直軸の間の角度である。これで、フィルタのFWHM帯域幅は (δλ)FWHM/λ0=A・(p/m) cosα/Wによって与えられると示すことができる。ここで、二重通過のときA=√4In2/π、mは回折次数、Wはファイバーコリメータにおけるガウスビームの1/e2である。複素スペクトル密度の実部が求められると、レンジング深さzはz=λ02/4(δλ)FWHMによって限定される。
【0081】
フィルタの同調範囲は、基本的にレンズ1 20の有限開口数によって制限される。ビームクリッピングなしのレンズ1のアクセプタンス角は、Δβ=(D1−Wcosβ0/cosα)/F1によって与えられる。ここで、D1及びF1はそれぞれレンズ1の直径及び焦点距離である。これは、Δλ=pcosβ0・Δβを介してフィルタ同調範囲に関連する。フィルタの重要設計パラメータは、多角形ミラーの多重ファセットの性質を起点とすると、自由スペクトル範囲である。これについては後述する。レンズ1 20及びレンズ2 22を通って伝搬した後のスペクトル成分は、ビーム伝搬軸を光軸38に関して角度β’をなす位置に持つことになる。すなわち、β’=−(β−β0)・(F1/F2) である。ここで、F1及びF2はそれぞれレンズ1及びレンズ2の焦点距離である。多角形は、θ=2π/N(L/R相当)によって与えられたファセット対ファセット角を有する。ここで、Lはファセット幅、Rは多角形の半径、nはファセットの数である。入射スペクトルのβ’の範囲がファセット角より大きい場合、すなわち、Δβ’=Δβ・(F1/F2)>θである場合、多角形ミラーは、所与の時点で2つ以上のスペクトル成分を再帰反射することがあり得る。同時に反射された多重スペクトル成分の間隔、すなわち、自由スペクトル範囲は、(Δλ)FSR=pcosβ0(F2/F1)・θで表すことができる。
【0082】
キャビティ内走査フィルタとして応用するケースでは、レーザが最高の利得の波長を選ぶので、利得媒体が均質の広がりを持つならば、レーザの同調範囲が自由スペクトル範囲を超えることはあり得ない。フィルタによるレーザ同調のデューティサイクルは、基本的に、2つの必須条件が次の通り満たされていれば、ビームクリッピングによって過剰損失が生じさせられることなく100%であり得る。
【数18】

第1の方程式は、レンズ192の後のビーム幅がファセット幅より小さいこととする条件から導出される。第2の方程式は、レンズ192と多角形ミラーの正面ファセットの間の距離を表す方程式(1)において、それぞれ同調範囲の最低波長と最高波長204、206における2つのビームが多角形ミラーSの位置で重なり合わないこととするというところから導出される。
【0083】
一実験では、下記パラメータを持つ光学コンポーネントを選択した。W=1.9mm、p=1/1200mm、α=1.2rad、β0=0.71rad、m=1、D1=D2=25mm、F1=100mm、F2=45mm、N=24、R=25mm、L=6.54、S=5mm、θ=0.26rad、λ0=1320nm。これらパラメータから、フィルタの理論FWHM帯域幅、同調範囲及び自由スペクトル範囲を次の通り計算することができた。(δλ)FWHM=0.09nm、Δλ=126nm及び(Δλ)FSR=74nm。式(17)における両方の条件は、余裕をもって満たされた。フィルタの特性は、広帯域増幅器自発放出光を使って半導体光増幅器(SOA)及び光スペクトルアナライザから測定した。光スペクトルアナライザは、多角形ミラーが15.7kHzの速度でスピンしている間に正規化スループット(反射)スペクトルをピークホールドモードで記録した。測定された同調範囲は90nmで、理論値の126nmよりはるかに小さい。ディスクレパンシィは、テレスコープの収差、主として、格子からのビームの相対的に大きい角分散と関連したフィールド曲面に起因するものであった。収差は、最適化されたレンズを使用することによって改善されると期待できる。自由スペクトル範囲は73.5nmで、理論計算と一致した。FWHM帯域幅は0.12nmであった。理論限界0.11nmのディスクレパンシィは、光学エレメントの不完全と収差を考慮すれば合理的であり得る。
【0084】
図7に示すのは、本発明の一実施例によるキャビティ拡張型半導体レーザ208で、これは、例えば、上で図6に則して述べたフィルタ170に類似してよいフィルタ210を含むことができる。フィルタ210は、光方向制御エレメント212及び光パス214を通してファラデーサーキュレータ216に結合している。この実施例では、フィルタ210は格子232及び多角形ミラー236を含む。従って、フィルタ210は、多角形をベースにしたフィルタに相当するものであってよい。モータ234が前記ミラーを駆動する。
【0085】
この実施例のファラデーサーキュレータ216は、偏光コントローラ220、222を通して利得媒体224に結合しており、この利得媒体は、一実施例において半導体光増幅器(例えば、SOA、Philips、CQF 882/e)であってよく、この場合、このSOA224注入電流を提供する電流源226が結合させられる。キャビティ内エレメントは、例えばシングルモード光ファイバーによって接続してあってよい。2つの偏光コントローラ220、222は、キャビティ内の光の偏光状態を格子232の効率最大の軸及びSOA224の利得最大の軸に合うように整合することができる。
【0086】
レーザ出力238を、光ファイバー溶融カプラ230の90%ポートを通して得てよい。潜在的用途にとって有用な同期信号を発生させるため、レーザ出力の5%を、帯域幅0.12nmの可変波長フィルタ237を通して結合させてよい。このレーザ出力は、光検出器238の方に向けられる。一実施例では、フィルタの中心波長が1290nmで固定してあってよい。検出器信号は、レーザの出力波長が固定波長フィルタの狭帯域通過帯を通して掃引されるとき、ショートパルスを発生させる。同期パルスのタイミングは、フィルタの中心波長を変えることによって制御される。
【0087】
図8Aは、上で図7に則して述べたタイプのレーザの出力スペクトルのグラフ240を示す。これは、多角形ミラー(すなわち図7のミラー236)が15.7kHzの速度でスピンしているときに光スペクトルアナライザによって測定された通りのものである。エッジ対エッジ掃引範囲は、フィルタの自由スペクトル範囲に等しい73nm幅全体にわたって1282nmから1355nmまでであってよい。測定されたスペクトルのガウスプロファイル(方形プロファイルよりむしろ)は、フィルタの偏光感度とキャビティ内の複屈折によって生じた偏光依存のキャビティ損失に起因するものである。最大の掃引範囲と最大の出力パワーが得られるように偏光コントローラを調整するのが好ましい。
【0088】
図8Bは、時間ドメインにおけるレーザ出力の曲線242を示す。上軌跡244は、固定波長フィルタを通して得られた同期信号に対応する。ファセットからファセットまでのパワー変化の振幅は、3.5%より小さかった。ピーク出力パワー及び平均出力パワーはそれぞれ9mW、6mWであった。ここで、グラフ240のy軸目盛を時間ドメイン測定から校正しなければならなかったことに触れておきたい。そうしなければならなかったのは、レーザ同調速度が光スペクトルアナライザの掃引速度よりはるかに高いために光スペクトルアナライザは時間平均化スペクトルしか記録しなかったからである。
【0089】
キャビティ内レーザ光がSOA利得媒体(例えば図7のSOA224)を通過するにつれて、その光スペクトルにおいて周波数ダウンシフトが帯域内4波混合現象の結果として生じ得る。周波数ダウンシフトが生じたとき、プラス波長スキャンはレーザスペクトルの同調を促し、それで、より高い出力パワーを生み出す。レーザ出力のピークパワーは、同調速度の関数として測定できる。マイナス同調速度は、コリメータの位置と格子の向きを光軸(例えば図6の軸182)に関して反転させることによって得られる。できれば、フィルタの物理パラメータを両方の同調方向においてほぼ同一にすることが好ましい。そうすれば、自己周波数シフトとプラス同調の複合作用によって、より高い出力を得ることができ、レーザをより高い同調速度で動作させることが可能となる。従って、プラス波長スキャンは好ましい動作であると言ってよい。出力パワーは、同調速度が増すにつれて減少してよい。そこで、同調速度に対する出力パワーの感度を下げるためにキャビティ長は小さいのが望ましいと言える。この場合、自由空間レーザキャビティが好ましい。
【0090】
図9Aは、本発明による自由空間キャビティ拡張型可同調レーザ250の一実施例、詳記するならば、コリメーションレンズ256を通して多角形走査フィルタ255に結合した基板チップ254の上に製作された半導体導波管252を含む実施例を示す。正面ファセット258は非反射コーティングが施してあってよく、出力ファセット260は劈開され、又は好ましくは、最適な反射率を持つべく誘電材でコーティングされている。レーザの出力262が、出力結合レンズ264を通して得られる。コリメーションレンズ256、264は、好ましくは非球面レンズとして設けられている。
【0091】
フィルタ255は、これにレンズ256から向けられたビームを受け取るべく工夫された波長分散エレメント180’を含む。波長分散エレメント180’は、上で図6に則して述べた波長分散エレメント180に類似してよい。レンズ系186’を波長分散エレメント180’とビーム偏向デバイス188’の間に配置することができる。波長分散エレメント180’とビーム偏向デバイス188’は、上で図6に則して述べた波長分散エレメント180とビーム偏向デバイス188に類似してよい。レンズ系186’は、好ましくは、特にフィールド曲面及びコマにおいて収差の小さいアクロマートとして設けられた1対のレンズ187a、187bを含む。
【0092】
同期出力は、多角形スキャナ272から再帰反射される光のための0次回折パスの上に位置決めされたレンズ266、ピンホール268及び光検出器270を使用することによって得られる。光検出器は、特定波長の光ビームの焦点がピンホール268を通って掃引するとき、ショートパルスを発生させる。他のタイプの利得媒体が、希土イオンドープファイバー、Ti:Al23及びCr4+:ホルステライトを含んでよいが、これだけに限らない。
【0093】
図9Bは、本発明による波長可同調フィルタ280の別の実施例、詳記するならば、光ファイバー281、これに結合した光コリメーションレンズ282、これに光結合した回折格子284、集光レンズ286、及びスピニングディスク288を含んでよい実施例を示す。回折格子284は、プリズムなど他の角分散エレメントに取って代わられてよい。一実施例では、回折格子284は、集光レンズ286が不要になるように選択された焦点距離を持つ凹曲面を有することができる。
【0094】
好ましくは、スピニングディスク288の表面288aに2つ以上の反射体290が配置してあってよい。好ましくは、反射体290は、周期的かつ放射状にパターン化された細幅の多重ストライプを備える。反射体の素材は、好ましくは金である。ディスク288は、プラスチック又はシリコンの軽量基板から作ることができる。ディスク上面に配置された反射体の代わりに、ディスクは、その背面に一連のスルーホールに続けて単一の反射体を備え付けることができる。光ファイバー281から、相異なる波長の光ビームがディスク表面に入射し、格子によって回折された後に1本の線になり、レンズ286(レンズ286を含む光学系の中の)によって集束されてよい。好ましくは、スピニングディスクの反射体に衝突するビームだけが再帰反射され、光ファイバー281によって受け取られるようにしてよい。このビームのディスク表面への接近を容易にするためにミラー292を使用してよい。
【0095】
レンズ286からディスク288の反射体までの距離は、該レンズの焦点距離Fに等しい。格子方程式から、フィルタの同調範囲がΔλ=pcosβ0(D/F)によって与えられることを示すことができる。ここで、Dはストライプの間隔を表す。ストライプの幅wは、好ましくは、ディスク表面におけるビームスポットサイズwsにほぼ等しくなるように作られている。すなわち、
【数19】

ここで、z=πws2/λである。これで、FWHMフィルタ帯域幅は (δλ)FWHM/λ0=A・(p/m) cosα/Wによって与えられることになる。ここで、A=√4In2/πである。w>wsのとき、フィルタ帯域幅は大きくなり、w<wsのとき、フィルタの効率(反射率)はビームクリッピングによって下げられる。好ましくは、レンズ286の光軸に関する入社ビーム294の向き及びスピニング方向288が、波長同調の方向を支配する。波長スキャンは、ディスク288を図9Bに示す通り時計回りの方向にスピンさせることによって達成されるプラス波長スキャンが好ましい。
【0096】
[a.干渉計]
図10Aは、周波数ドメイン干渉測定を利用して光学撮像を実行する本発明によるOFDIシステム300の一実施例、詳記するならば、光源の複数の周波数モードからなる瞬時放出スペクトルを有する光信号を発出する周波数掃引源301を含む実施例を示す。掃引源301は、例えば、上で図4A、5、6、7、9及び9Bに則して述べた光源の1つとして設けてあってよい。光源301からの光は、光ファイバーカプラ302の方に向けることができ、この光ファイバーカプラが、送られてきた光をリファレンスアーム303とサンプルアーム304に分割する。
【0097】
リファレンスアーム303は、好ましくは偏光回路306及びサーキュレータ308を含む。これで、光源301からの光が、カプラ302、偏光回路306及びサーキュレータ308を通って光学モーションアーティファクト回路309に伝搬する。光学モーションアーティファクト回路309は、光を周波数シフタ311、位相追跡器312及び分散補償器314に向けるレンズ310から作ってあってよい。光は、光学回路309を通過し、リファレンスミラー316に入射する。回路309がモーションアーティファクトを除去又は減縮する働きをすることを認識されたい。また、回路309がエレメント310〜314の全部及び/又は回路エレメント310〜314の1つ以上を含んでよいことも認識されたい。
【0098】
サンプルアーム304はサーキュレータ318を含んでよい。これで、光源301から伝送された光信号が、光源301からカプラ302及びサーキュレータ308を通ってレンズ320に伝搬し、該レンズがその光をスキャンミラー322の方に向ける。スキャンミラー322は、検流計、圧電アクチュエータ又は別の、機能的に等価のデバイスを含む(但し、これだけに限らない)バラエティに富む光学エレメントから作ってあってよい。横方向ミラー324が、スキャンミラー322及びデータ収集ボード/コンピュータ326に結合している。データ収集ボード/コンピュータ326は、周波数掃引源301にも結合している。
【0099】
図10Aに示したOFDIシステム300はまた、リファレンスアーム303及び/又はサンプルアーム304からの信号を受け取るべく構成された偏光ダイバーシティバランス検出(“PDBD”)回路334を含むこともできる。特に、リファレンスアーム303は、サーキュレータ308及び偏光制御回路330を通してPDBD回路334のリファレンスポートに接続される。同様に、サンプルアーム304はサーキュレータ318及び偏光制御回路332を通してPDBD回路334のサンプルポートに接続される。
【0100】
[b.干渉計]
サンプルアーム304は、組織サンプル328から反射された光を集め、偏光ダイバーシティバランス検出(PDBD)回路334においてリファレンスアーム303からの光と組み合わせて干渉フリンジを形成できるようにする。
【0101】
例えば、OFDI技術は、リファレンスアームにおける光パス長が適時に走査されることを要求しない。そのため、本発明の実施例の中には、リファレンスアームを遅延固定リファレンスアームとして設けるのが好ましい例がある。そのような遅延固定リファレンスアームは、普通当業者が知っている様々なコンフィギュレーションを有してよい。
【0102】
リファレンスアーム303は、反射タイプ及び/又は透過タイプのどちらであってもよく、光をミラー316から戻すことができる。戻された光は、サーキュレータ308を経由して偏光制御回路330に向かわされる。同様に、サンプル338から反射光は、サーキュレータ318を経由して偏光制御回路332に向かわせることができる。リファレンスアームは、反射のない透過タイプであってもよい。偏光制御回路330は、リファレンスアーム光の偏光状態をサンプルアームのそれに合わせるのに使用することができる。干渉計における全複屈折は、波長依存の複屈折を誘導しないように最小化するのが望ましい。偏光コントローラは、曲げによって誘導される複屈折又はスクイージングをベースにした光ファイバー偏光コントローラを含んでよいが、これだけに限らない。
【0103】
できれば、色分散をリファレンスアームとサンプルアームの間でほぼ一致させるのが望ましい。著しい分散不一致があると、結果的に軸方向解像に損失が生じることになり得る。いかなる残留分散も、例えば、フーリエ変換前の検出器データの補間をベースにした非線形マッピングなどの適当な信号処理によって補償することができると考えられる。このマッピングは、少なくとも部分的に、周波数掃引源の光学レイアウトの調整によって実行することもできる。光源301が多角形スキャナ及びテレスコープを含む実施例では、フーリエ変換に先立ち波長空間を波ベクトル空間に変換すべく、多角形スキャナとテレスコープの間の距離を調整することができる。
【0104】
[c.サンプルアーム]
OFDIの用途によっては、サンプルアームは、劈開した(角度を付けた、平形の、又は光沢ある)光ファイバー又は自由空間ビームを備える光プローブによって終わらせてよい。ビームをサンプル上又はサンプル内部で集束するためにレンズ336(非球面形、グレーデッド形、球面形、回折形、ボール形、円筒形など、但し、これだけに限らない)を使用してよい。また、集束されたビームをサンプル上の所望の位置に向けるためにビーム方向制御エレメント(ミラー、プリズム、回折形光学エレメントなど、但し、これだけに限らない)がプローブに内蔵されていてもよい。ビームの位置は、サンプル上で時間の関数として変更してよく、そうすることによって二次元画像の再構築が可能となる。集束されたビームのサンプル上での位置の変更は、スキャンミラー322を使って実行してよい。スキャンミラー322は、例えば、検流計、圧電アクチュエータ、電気光学アクチュエータなどを含む(但し、これだけに限らない)多数の各種デバイスから作ってあってよい。
【0105】
サンプルアームプローブは、プローブの近位端でモーションが起こされ、そのモーションがモーション変換アレンジメント(ワイヤ、ガイドワイヤ、速度計ケーブル、スプリング、光ファイバーなど、但し、これだけに限らない)によって遠位端へ運ばれるような、内部運動エレメントを有する光ファイバープローブであってよい。この光ファイバープローブは、光がプローブの遠位端から出ていくときに光を通す定置外被で包囲してよい。これで、走査は、この光ファイバーを移動させることによって、例えば、光ファイバーを回転させるか、直線的に並進させるかすることによっても実現できる。図10Bは、プローブ359の一実施例、詳記するならば、内側のケーブル360(プローブの軸に沿って回転又は直線並進してよい)、外側の透明又は半透明の外被362、遠位レンズ364、及び発出光366(カテーテルの軸に関してどんな角度であってもよい)を含む実施例を示す。
【0106】
[d.検出]
PDBD回路334は、デュアルバランス検出を実行すべく配置された複数の検出器370を含んでよい。デュアルバランス検出がある一定の用途において好ましいのは、次の理由からである。第一に、ほとんどの光源は、1/fノイズ(f=周波数)を相対的に低い周波数で発生させ、バランス検出が1/fソースノイズを無くすことになる。第二に、サンプルアーム光の干渉分それ自体(すなわち、自己相関分)が真の信号分の先頭の存在し、好ましいことに、これがサンプルアームとリファレンスアームの間の干渉であり得る。このような自己相関分は特異な技術によって無くすことができ、バランス検出であれば、この自己相関分を測定信号から除去することができる。
【0107】
検出器370は、好ましくは、フォトダイオード(シリコン、InGaAs、拡張InGaAsなど、但し、これだけに限らない)を含んでよい。バランス検出は、最大パターンと最小パターンに関して厳密に位相からはずれたダイオード信号を取り除くことによって実現できる。2つの検出器信号の間の差は、PDBD回路334に内蔵された差動回路によって得られ、トランスインピーダンス増幅器(“TIA”)360によって増幅される。デュアルバランスレシーバの後には更に、検出帯域幅の外側のノイズを拒絶する低域フィルタ又は帯域フィルタが続いてよい。
【0108】
本発明のこの実施例では、デュアルバランス検出は次の通り実現できる。偏光ビームスプリッタ362が、リファレンスアームとサンプルアームからの信号を受け取り、2つの出力信号を提供する。この2つの出力信号は、更に、2つの非偏光ビームスプリッタ364a、364bによってそれぞれ分割される。各ビームスプリッタ364a、364bからの出力は、4つの検出器370から作られたデュアルバランスレシーバによって検出される。更に、デュアルバランスレシーバからの2つの出力は、ディジタル化され、偏光ダイバーシティを獲得すべくコンピュータアレンジメントで処理される。
【0109】
レシーバ出力は回路326に提供され、該回路は、A/D変換器経由で送られてきた信号をディジタル化し、このディジタル化された信号を更なる処理に備えてコンピュータに保存する。TIAの帯域幅は、好ましくはサンプリングレートの半分に合わせられる。TIAの利得は、好ましくは、最大レシーバ出力範囲がA/D変換器の電圧範囲に合わせられるように選択される。
【0110】
[e.処理]
3つ以上の検出器を使用すれば、信号を選別し、複素スペクトル密度を得ることができる。フーリエ変換を使って、複素相互スペクトル密度を組織内の深さプロファイルに変換することができる。深さプロファイル情報を得るために複素スペクトル密度を処理するについては、リファレンスアームにおいてPi/2の位相差を持つ少なくとも2つの信号を得てから、この2つの信号の何らかの直線的組み合わせによって複素スペクトル密度を再接続したり、スペクトル密度の平方を求めたりする幾つかの方法が、当業者には知られている。
【0111】
検出に続いて、アナログ処理として、トランスインピーダンス増幅器による増幅、低域フィルタ(帯域フィルタ)による処理、及び、信号のディジタル化を見込むことができる。この信号は、その後、フーリエ変換によって深さの関数として反射率に変換してよい。ディジタル処理には、ディジタル化、周波数ドメインか時間ドメインか(FIRフィルタかIIRフィルタか)どちらかでのディジタル帯域フィルタリング、及び、組織反射率を深さの関数として回収するフーリエ逆変換が含まれる。
【0112】
フーリエ変換に先立ち、好ましくは、検出された非線形波長座標を、規則的にサンプル化された波ベクトル空間に変換する。代表的に、信号のゼロパディング、フーリエ変換、及び再サンプリングを伴うフーリエ逆変換を再マッピングのために利用することができる。技術的に知られている他のデータ補間方法、例えば線形補間、双線形補間、3次スプライン補間なども、波長空間を規則的にサンプル化された波ベクトル空間に変換するのに利用してよい。このマッピングはまた、部分的に波長掃引源の光学レイアウトを調整することによっても実現できる。一例では、フーリエ変換に先立ち波長空間を波ベクトル空間に変換すべく、多角形スキャナとテレスコープの間の距離を調整してよい。
【0113】
本発明の別の実施例では、以下で述べる1つ以上の技術を使って、撮像のパフォーマンス及び機能性を更に高めることができる。かかる技術は、多重周波数モードの同調源を使用するOFDI技術だけに限られるのでなく、単一周波数モードの同調源を使用するOFDI技術も含んでよい。
【0114】
[a.偏光ダイバーシティ]
偏光フェージングが問題である用途には、偏光ダイバーシティスキームを使用してよい。偏光ダイバーシティについては多様なコンフィギュレーションが技術的に知られている。
【0115】
図10Aに示したシステムでは、偏光ダイバーシティ回路が次の通り動作する。偏光ビームスプリッタ362は、リファレンスアーム光信号とサンプルアーム光信号をその偏光状態に応じて分割する。偏光コントローラ330は、好ましくは、リファレンスアームパワーが偏光コントローラによって等しい大きさで分割されるように調整される。サンプルアームパワーの偏光状態は、プローブ又はサンプルのモーションによって不規則に変化すると想定でき、従って、偏光スプリッタによるサンプルアームパワーの分割比は時々で変化し得る。それでも、偏光ビームスプリッタ362の2つの出力ポートにおける2つの出力信号は、受光器により、例えば平方積及び総和の形で検出される。その結果生じる信号は、サンプルアーム光の偏光状態から独立している。
【0116】
[b.搬送波周波数ヘテロダイン検出]
光周波数シフタ311は、光周波数を搬送波周波数ヘテロダイン検出に向けてシフトさせるべくリファレンスアーム303の中に置かれている。結果として、信号周波数帯は、周波数シフトの大きさだけシフトさせられる。こうして、DC周囲の相対的に大きい1/fノイズ(f=周波数)及び相対強度ノイズ(RIN)を回避することができる。周波数シフタは、音響光学周波数シフタであってよいが、これだけに限らない。検出においては、搬送波周波数を復調するために適当な電子デバイスを使用するのが望ましい。
【0117】
周波数シフタ311を使用することの利益のひとつは、有効レンジング深さを倍増できることである。これは、図10Cに示す通り、電気周波数ドメインで図解することができる。同図において、グラフ380は、光源の瞬時出力スペクトルによって与えられたフリンジ可視度曲線を表す。可視度曲線は、光源の瞬時スペクトルがガウススペクトルであれば、ガウスプロファイルを有する。曲線390が表すのは、電気フィルタの透過効率プロファイルで、これは、サンプリング周波数の半分と定義された所与のナイキスト周波数に向けて最適化される。図10Cのセクション(a)は、干渉計の中に周波数シフタが存在せず、電気フィルタが低域フィルタである代表的ケースを示す。プラス周波数帯とマイナス周波数帯は区別できないので、プラス周波数帯及びマイナス周波数帯とそれぞれ関連した画像は重なり合う。この曖昧さのゆえに、このケースでは、周波数範囲の半分(ゼロからfNまで)又は(ゼロから−fNまで)だけが使用可能である。それでも、周波数シフタを使用することにより、図10Cのセクション(b)に示す通り、結果的に可視度曲線はfNSだけシフトすることになる。帯域フィルタ(又は低域フィルタ)をもってすれば、fNSを中心とした周波数帯の両側が曖昧さなしに画像を生成し、その結果、図10Cのセクション(a)に示したのと比べて2倍大きいレンジング深さが得られる。
【0118】
スクエアトップ帯域フィルタの代わりにスロープフィルタを使用することが可能である。図10Cのセクション(c)に示した例では、フィルタ390の透過効率曲線は、その低周波帯において指数関数的に上昇(下降)する勾配を有する。このフィルタは、減衰が相当大きく、結果として信号強度が深さと共に低下する点で有用であり得る。スロープフィルタは、表面からの強度大の信号をより深い場所からの信号に相対して効果的に抑制することにより、検出のダイナミックレンジを改善することができる。
【0119】
[c.リファレンスアーム遅延(位相追跡及びオートレンジング)]
上で述べた通り、OFDI技術は、リファレンスアームにおける光パス長が適時に走査されることを要求しない。そこで、遅延固定リファレンスアームを、普通当業者が知っている様々なコンフィギュレーションで作ることができる。リファレンスアームは、反射タイプか透過タイプかどちらかであり得る。
【0120】
用途によっては、より大きいレンジング深さが望まれるとき、データ収集レートを上げるか、光源の瞬時ライン幅を狭めるかすることなく、リファレンスアームにおいて光遅延を変更できることは有用であり得る。このような能力は、撮像レンズ及びサンプル正面からの距離が著しく変化し得る臨床現場において有用である。その著しく変化する原因は、検査用カテーテルの動きにあり、又はその位置がコントロールされないことにある。例えば、カテーテルが血管内部で回転するとき、Aスキャン1回の間に数ミリメートルに距離変化が生じ得る。
【0121】
リファレンスアーム303におけるメカニズムにおいて、リファレンスアーム303の群遅延を走査することを見込んでよい。この群遅延は、普通当業者が知っている多数の技術、例えば、光ファイバーの延伸、圧電変換器を使っての自由空間並進走査、又は、格子ベースパルス成形の光遅延線を介する方式など(但し、これだけに限らない)の技術のいずれかによって作り出すことができる。好ましくは、遅延は、非機械的な、又は動きの無いアレンジメントによって導入することができる。“非機械的”とは、機械的に運動する部分が利用されていないことを意味する。機械的に運動する部分が存在しないことは、遅延を導入する機械的デバイスを使用することの既知の不利益を減じることであると考えられる。伝統的なLCIシステム又はOCTシステムと対照的に、本発明の一実施例によるリファレンスアーム303は、必ずしも、サンプルにおいてレンジング深さ全体にわたって走査する必要があるわけでなく、好ましくは、少なくとも検出器の数のうちの1つ分(1/N)に等しいレンジング深さ分だけを走査することができる。この走査の特徴は、既知のLCIシステム及びOCTシステムで使用された従来の遅延走査スキームと異なるものである。リファレンスアーム303は、任意に、搬送波周波数を生成するために音響光学変調器、電気光学位相変調器など(但し、これだけに限らない)の位相変調機構を有する。
【0122】
干渉計における位相不安定を無くすために位相追跡を実行するのが好ましい。位相不安定が存在すると、個々の干渉測定フリンジが場所をシフトさせられることがあり得る。フリンジのシフトする動きに相対して検出速度が低い場合、平均すると、干渉信号のチャープが生じる結果となる。スキャンレートが10〜40kHzであれば、結果的に有効積分時間が100〜25μsとなる。積分時間より短い時間枠で生じる位相不安定は補償されるのが望ましい。位相ロック回路がエレクトロニクスでは普通に使用され、レーダ及び超音波では頻繁に使用される。リファレンスアームにおける電気光学位相変調器を使って10MHzでの干渉計パス長さ差を波長の一部分にわたって変調することにより、アクティブな位相追跡が実現できる。パス長さ変調の周波数において干渉計の出力側で1つの検出器によって測定された強度を復調することにより、フリンジ振幅最大のときに位相変調器が位相ロックのためにどの方向にシフトすべきかを指示するエラー信号が発生できる。このエラー信号によって求められた通りのオフセットを位相変調器に加えることにより、位相追跡器はフリンジ最大のときにロック動作を起こすことになる。
【0123】
位相変調器は、波長数個分にわたってのパス長さ差を変調することができる。処理ユニットは、位相変調器がその変調限界に達したかどうかを突き止め、フリンジ最大の異なるポイントでロックを維持すべく位相を全波1つ分ジャンプさせることができる。このアプローチは、位相を係数2πだけ制御するのが望ましいという事実を切り開く。加えて、この処理は、より低速のコンポーネント(例えば、Rapid Scanning Optical Delay(“RSOD”)ライン)を駆り立て、位相変調器/RSODライン組み合わせのパス長さ範囲を数ミリメートル拡張させようとする。位相ロックは、復調回路で実行されるミキシングの種類に基づき、フリンジ最大、フリンジ最小、又はゼロ交差のときに実行できる。
【0124】
本発明の別の実施例も、オートレンジング技術、及び、米国特許出願第2002/0198457号の中で述べられた処理技術を含む技術を利用することができる。その開示内容全体をここに参考として組み入れる。オートレンジング機構は、一実施例では、(a)第1の走査ラインを獲得する、(b)サンプルの表面場所“S”を位置決めする、(c)サンプルの最適走査範囲を位置決めする、(d)リファレンスアーム遅延波形を出力準備に向けて修整する、(e)出力をリファレンスアームに提供する、(f)画像がコンプリートであるかどうか突き止める、及び/又は、(g)画像がコンプリートでなければ、次の走査ラインへ移動する、又は、画像がコンプリートであれば、表面Sデータ及び記憶装置の中に保存された波形データを使って画像を再マップするためのプロセッサユニットを含んでよい。
【0125】
サンプルから戻された光信号が低振幅である場合、ノイズの介在により位相ロックが不安定ということがあり得る。本発明の別の実施例では、セパレートの、好ましくは単色の光源を干渉計の中まで伝送することができる。このセパレートソースの波長は、OFDIソースの波長同調範囲内であっても、OFDIソーススペクトルと異なる波長で中心が合わせてあってもよい。セパレートソースは、好ましくは、より高いパワーを有し、光がリファレンスアームとサンプルアームに向かい、ビーム再結合エレメントに戻るようにソースアームと組み合わせてあってよい(波長分割マルチプレクサ、格子、プリズム、フィルタなどを使って)。戻されたセパレートソースの光は、次に、OFDI光から分離されてから、ビーム再結合エレメント(すなわち、ビームスプリッタ出力)を通して伝送される。分離装置は、例えばダイクロイックミラー、フィルタ、格子、プリズム、波長分割マルチプレクサなどの分散エレメントによってスペクトル分離を実行できる。セパレートソースは、1つ以上の検出器を使ってOFDI光から分離された上で検出される。より高いパワーがこのセパレートソースによって提供されたことで、より高い振幅の干渉パターンの検出が可能となり、改善された入力を位相追跡器に提供できることになり、その結果、より安定した位相追跡が可能となる。
【0126】
次に、図11について説明すると、ここに示してあるのは、本発明の一実施例によるシステム及び方法を使って、15.7kHzのAラインスキャンレートで収集された、被験者の指先の生体内画像(300×500ピクセル)である。光感度は、測定した結果−100dBであった。SN比は、同じAラインスキャンレートの等価のTD OCTより上位である。最適化されていない検出であるため、組織表面からの強いミラー反射があるとき、垂直線ノイズが発生するが、これは、検出の最適化及び/又は適正な信号処理によってほとんど無くされるのが好ましい。
【0127】
図12は、本発明による位相追跡システム600の別の実施例、詳記するならば、その位相ロック範囲を拡張した実施例を示す。これは、小さい範囲にわたってのパス長さ差を変調する高速エレメント602(例えば、電気光学(EO)位相変調器602として作ってあってよい)と、拡張された範囲にわたってのパス長さ差を変調する低速エレメント604(例えば、Rapid Scanning Optical Delay(RSOD)ライン604として作ってあってよい)との組み合わせによって実現させられる。検出器606の信号は、ミキサ610によって位相変調器変調信号608とミックスし、エラー信号を発生させるべく低域フィルタ(図示されていない)に通すことができる。処理ユニット612は、好ましくは、オフセット電圧を発生させるべくエラー信号を処理し、このオフセット電圧を変調信号608に加え、それで、位相変調器ドライバ614のための出力を発生させる。加えて、処理ユニット612は、数ミリメートルの距離にわたって拡張された位相追跡範囲を提供すべくRSOD604への信号を発生させることができる。光源616、ファイバースプリッタ618、サンプルアーム620及びリファレンスアーム622を図示し、ここで説明する。
【0128】
検出器におけるフリンジパターンの発振1回の間の所与の瞬間での強度I(t)は、次式によって与えられる。
I(t)=cos[φ(t)]
【0129】
ここで、位相φはフリンジにおける位置を与える。φ=0のとき、信号はフリンジ最大の位置にあり、φ=πのとき、信号はフリンジ最小の位置にある。任意の瞬間において、位相φ(t)は次式によって与えられる。
φ(t)=α+β・sin(ωt)
【0130】
ここで、αはフリンジパターンの発振1回の間の位置を表し、β・sin(ωt)は位相変調器によって導入された位相変調を表し、βはその位相変調の振幅、ωは位相変調信号の周波数である。光検出器における強度I(t)は、周波数ω及び2ωの搬送波とミックスでき、その結果、ミキサ信号MixerC(t)、MixerS(t)、Mixer2ωC(t)及びMixer2ωS(t)が得られる。
【0131】
MixerC(t)=cos(ωt)・cos(α+βsin(ωt));
MixerS(t)=sin(ωt)・cos(α+βsin(ωt));
Mixer2ωC(t)=cos(2ωt)・cos(α+βsin(ωt));及び
Mixer2ωS(t)=sin(2ωt)・cos(α+βsin(ωt))。
MixerC、MixerS、Mixer2ωC及びMixer2ωSの搬送波周波数ωの発振1回にわたっての時間平均は、次式によって与えられる。
【0132】
MixerC(t)[バー]=0;MixerS(t)[バー]=sin(α)・J1(β);Mixer2ωC(t)[バー]=cos(α)・J2(β);Mixer2ωS(t)[バー]=0
【0133】
ここで、J1(β)及びJ2(β)は第1の種類のベッセル関数で、その値はβ、すなわち位相変調の振幅に依存する。従って、信号MixerS(t)[バー]及びMixer2ωC(t)[バー]はそれぞれsin(α)、cos(α)に比例し、ここで、αはフリンジパターンの発振1回の間プラスである。ミキサ出力MixerS(t)[バー]及びMixer2ωC(t)は、それぞれエラー信号として使用され、フリンジ最大、フリンジ最小、又はゼロ交差のときにエラー信号を最小化し、干渉計出力をロックする新たなセンタ位置に位相変調器をもっていくオフセット電圧を発生させる働きをする。複素スペクトル密度は、これで、連続する2回の同調スキャンによって求められるが、その1回目でエラー信号sin(α)が最小化され、次の2回目でエラー信号cos(α)が最小化され、その結果、2つの干渉パターンの間で90度の移相が生じるのである。このミキシングアレンジメントの使用により、複素スペクトル密度は、リファレンスアーム光の位相を変える補助の機械的アレンジメントに頼ることなく迅速に求めることができる。
【0134】
図13は、本発明によるバランス検出を提供する位相追跡器を含むOFDIシステム700の更なる実施例を示す。この実施例では、ソース702が、スプリッタ704を通過する電磁放射線(例えば光)を提供し、この光の一部をサンプルプローブ706に送り、残りの光をRapid Scanning Optical Delay(“RSOD”)ライン708に送る。RSOD708から光は位相変調器PM710に通される。位相変調器PM710からの光は、スプリッタ712に通され、そこから2つの補助スプリッタ714及び716に通され、その出力の一部がバランス検出出力としてスペクトル検出ユニット(図示されていないが、別途説明される)に送られ、残りの出力が位相追跡器アセンブリ720に送られる。位相追跡器アセンブリ720では、位相追跡検出器D1及びD2、722及び724が、対をなすスプリッタ714及び716の部分出力を受け取り、該スプリッタの方は、エラー信号を発生させるべく信号をミキサ726に送る。処理ユニット728がエラー信号を処理し、ここでオフセット電圧を発生させ、これを変調信号730に加え、それで、位相変調器ドライバ732のための出力を発生させる。BOX730で示された変調信号は、ミキサ726及び処理ユニット728へと前進させられる。加えて、フリンジ振幅が小さすぎると、位相追跡器はロック動作を起こす。あるいは代わりに、例えば、より長いフリンジ振幅を位相追跡器に提供すべく、よりコヒーレンス時間の長い二次光源をシステム700の結合させることができる。
【0135】
図14A〜14Cは、本発明による撮像システムにおいて、サンプルアームから受け取った信号を測定し、この信号の位相を増大させることによって位相追跡を処理ブロック750及び752で開始する位相追跡方法の一実施例を示す。この例示的方法において、処理は次にブロック754へと進み、ここで、x1と定義された信号の第1の信号区分を少なくとも1つの信号ピークで測定する。決定ブロック756において、x1と定義された信号が少なくとも1つの信号ピークで測定されたかどうか確定する。決定ブロック756において、x1と定義された信号が少なくとも1つの信号ピークで測定されたと確定した場合、処理はブロック754に戻り、信号は再び測定される。
【0136】
他方、決定ブロック756において、x1と定義された信号が少なくとも1つの信号ピークで測定されなかったと確定した場合、処理は決定ブロック758へと進み、ここで、信号を調整するかどうかを決定する。調整は、例えば、信号の位相をブロック760及び762に示す通りのインクレメンタル量だけ増大させるか減少させるかであってよい。信号の位相を増大させたか減少させたかに関係なく、処理は次にブロック754に戻り、ここで、信号の第2の信号区分をそのピークで測定する。この測定された信号についてブロック756〜762での処理を繰返す。ブロック750〜762の機能は他の撮像プロセスと並列及び/又は直列で実行してよい点に注目されたい。
【0137】
位相“φ”の調整は、A(x2−x1) と定義することができ、ここで、“A”は定数である。信号の位相をインクレメンタル量だけ増大させるか減少させるか確定するプロセスは、更に、サブステップ(1)A(x2−x1) が位相変調の範囲内であるかどうか確定する、(2)A(x2−x1) が範囲内である場合はφをA(x2−x1) に等しい量だけ変える、又は、A(x2−x1) が範囲外である場合はφをA(x2−x1)−m2πに等しい量だけ変える[ここで、mは1より大きい整数]ことを備えてよい。この方法は、任意に更にサブステップ(3)信号x1を再測定することを備えてよい。
【0138】
[d.データ処理]
一般に、検出器によって適時に記録されたデータは、光周波数ω及び波数kの厳格に一次の関数としてサンプル化されてはならない。それでも、フーリエ変換は、z空間とk空間(又はtとω)をリンクさせることができる。k空間でのサンプル化が非線形であることから、kドメインにおいて均一間隔のサンプルを作成すべく収集されたスペクトルを補間する。あるいは代わりに、補間が不要になるよう、光がk空間において等間隔のサンプルになるようにレーザの同調勾配を調整することができよう。あるいは代わりに、補間が不要になるよう、k空間において均一に拡げられた光をサンプル化すべく検出タイミングを設計することができよう。ポイントスプレッド関数を最適化するためには、干渉計のサンプルアームとリファレンスアームにおける分散を釣合わせるのが好ましい。分散の不釣合いも、ディジタル処理によって修正できよう。モーションによって誘導された位相チャープも、ディジタル処理によって修正できよう。モーションアーティファクト修正のためには、サンプルの軸方向運動を測定し、この運動の測定から固有の非線形マッピングを算出することができる。
【0139】
補間については様々な技術が普通当業者に知られている。それは、単純な2点補間、FFTゼロパディングとこの後に続く2点補間、及び、ナイキスト定理によって書き表されたサイン関数を使った厳密な補間を含むが、これだけに限らない。
【0140】
本発明の一実施例によれば、下記のものを備える、血管内の粥状斑の場所を特定するためのプローブも提供できる。干渉計、干渉計から受け取った信号を複数の光周波数に分割するスペクトル分離ユニット、及び、スペクトル分離ユニットから受け取った光周波数の少なくとも一部分を検出する検出器アレンジメント。
【0141】
[e.周波数シフト技術]
高速OFDI技術については、より高い同調速度、より高い出力パワー、又は、より広い同調範囲を得るためにコヒーレンス長さが譲歩することが往々にしてあるので、最大レンジング深さがレーザ出力のコヒーレンス関数の有限幅によって制限されることはあり得よう。コヒーレンス長さが有限であると、干渉計のパス長さ差が増大するにつれて干渉フリンジの可視度は低下することになる。これは結果的にSN比の低下につながり、従って、最大レンジング深さの制限につながる。その上、従来の干渉測定においてプラス電気周波数とマイナス電気周波数とを区別できないことは、プラス深さとマイナス深さの間の曖昧さにつながり得る。撮像を折り重ねるアーティファクトを回避するためには、画像がプラス深さかマイナス深さかどちらかでしか存在しないように干渉計のリファレンス遅延を調整するのが望ましい。これが更に、光源の所与のコヒーレンス長さにとってレンジング深さの制限につながることはあり得る。
【0142】
このようなあり得る制限を回避するために、圧電アクチュエータ、複屈折板又は3×3カプラを使って、直角干渉信号をプラス又はマイナスの位相バイアスに基づいて測定した。さもなければ、こうした技術は、プラス深さとマイナス深さと関連したオーバラップ画像を提供し得るが、これは、安定した直角信号の生成が困難であるために相当の残留アーティファクトを放置する傾向がある。本文では、プラス深さとマイナス深さの間の曖昧さを効果的に無くす単純な技術を提案し、実証する。
【0143】
本発明の一実施例による例示的技術では、干渉計において光周波数シフタを使って検出器信号の一定の周波数シフトを提供する。これで、コヒーレンスレンジの両側をクロストークなしで使用でき、レンジング深さを倍増できるようになる。同じコンセプトは、上で、回転複屈折板を57Hzで使って、又は、再循環周波数シフトループを使って一次元光周波数ドメイン反射率測定を行うという事例の中で述べた。この実施例では、音響光学周波数シフタを使用し、この技術を、数桁分高いレンジング速度をもって高速OFDIに適用する。その上、本発明の更なる実施例による信号処理技術を使って、周波数シフト技術において掃引源の非線形同調勾配を活用できるようにする。
【0144】
<<A.原理>>
[周波数シフト]
図15は、波長掃引源95、リファレンスアーム80において光周波数シフタ311を使用するシングルモード光ファイバー干渉計、光検出器88、及び信号プロセッサ160を含む、本発明によるOFDIシステムのハイレベル構成を示す。リファレンスアームに往復周波数シフトΔfがあるとき、リファレンスアーム光とサンプルアーム光の間の干渉と関連した光電流は、次の通り表すことができる。
【数20】

ここで、ηは量子化率、Pr(t)及びPs(t)はそれぞれリファレンスアーム光、サンプルアーム光の光パワー、R(z)はサンプルの反射率、G(|z|)はフリンジ可視度に相当するコヒーレンス関数、cは光の速度、ν(t)は光周波数、φ(z)は後方散乱の位相である。線形同調、すなわち、ν(t)=0−1tの場合、検出器信号の周波数は
【数21】

によって与えられる。
【0145】
ゼロ信号周波数は、深さz=cΔf/(2ν1)に対応する。従って、周波数シフトの方向を掃引源の同調方向と同じにすることにより、ゼロ信号周波数はマイナス深さを指すものとすることができる。図16(a)及び16(b)は、周波数シフトの効果を示す。フリンジ可視度又はコヒーレンス関数の値は、深さゼロでピークに達し、深さが増すにつれて減少する。コヒーレンス長さzcは、可視度が0.5に低下し、それによってSN比が6dBだけ低下するときの深さを指す。従って、論証可能であるが、SN比低下が6dB未満である場合、有効レンジング深さを最大深さスパンと定義してよい。例えば、図16(a)では、信号周波数の正負の曖昧さのゆえにコヒーレンスレンジの片側が使用できるだけである(斜線領域)。対照的に、図16(b)では、適当な周波数シフトを入れたことにより、プラス深さとマイナス深さの間の画像クロストーク一切なしに、−zcからzcまでコヒーレンスレンジの両側を利用することができる。
【0146】
[非線形同調]
ν(t)が時間に関して非線形であることは、一定の深さのところで信号の周波数チャープが生じることになり、軸方向解像度の低下を招く結果となる。この問題の解決策として、検出器信号のサンプリングと共に、時間間隔をあけて周波数チャープの非線形補償を行ってよい。あるいは代わりに、一定の時間間隔で検出器信号をサンプリングしてから、離散的フーリエ変換(“DFT”)に先立ち、サンプル化したデータを補間によって一様なν空間にマッピングしてよい。どちらの方法も、変換限界のある軸方向解像をもたらすことが実証された。しかしながら、これらの方法は、周波数シフト技術に直接には適用できない。非線形サンプリング法も非線形補間法も、結果的に周波数シフトに人工的なチャープを生じさせ、これが最適な軸方向解像度に低下につながるのである。それゆえ、おおよそ変換限界のある軸方向解像をレンジング深さ全体にわたって達成するためには改良補間法が使用できる。その例示的手順は次の通りであってよい。
【0147】
ステップ1.波長掃引源の各掃引動作の間に一様な時間間隔をあけてN個の信号サンプルを得る。
ステップ2.電気周波数ドメインにおいてN個のデータポイントのDFTを実行する。
ステップ3.マイナス深さとプラス深さにそれぞれ対応するΔfより下の周波数帯とΔfより上の周波数帯の2つを分離する。
ステップ4.深さゼロが電気周波数ゼロに整合されるように各周波数帯をシフトさせる。
ステップ5.ゼロパディングを各周波数帯に適用し、逆DFTを実行する。結果的に、各周波数帯について、より小さい時間間隔でより多くの数のサンプルのアレイが得られることになる。
ステップ6.波長掃引源の非線形性によって与えられた固有のマッピング機能を使って、各アレイを時間ドメインにおいて一様なν空間の中に補間する。
ステップ7.補間された各アレイのDFTを行う。
ステップ8.アレイインデックスをシフトさせることによって2つのアレイ(画像)を組み合わせる。
結果として、深さゼロは電気周波数の値Δfのところに位置する。
【0148】
<<B.実験>>
[OFDIシステム]
図17は、本発明の一実施例による2つの音響光学周波数シフタ(FS1 800及びFS2 802、Brimrose Inc.AMF-25-1.3)を使用するOFDIシステムの実験的セットアップの一例を示す。2つの周波数シフタは、Δf=FS2−FS1の正味シフトを生成すべく電圧制御式発振器を使って駆動してよい。2つの周波数シフタの使用により、音響光学水晶の材料分散は自動的に釣合わされた。ファイバーカップリングを含む各デバイスの挿入損は2.5dB未満であり得る。ディジタイザのサンプリングレートは10MHzであり得る。掃引レーザ100は、1271nmから1379nmまで中心的に掃引された108nmの同調範囲を提供すべく構成してあってよい(ν1=135GHz/μs)。反復レートは36kHzまで到達できたが、レーザはそれより低い7kHzのレートで操作され、1回の波長掃引の間に1300サンプルが収集された。その結果、ナイキスト周波数5MHzに対応する画像において5.8mmの深さスパンが得られた。プローブ810は検流計ミラー及び撮像レンズを含んでよく、共焦点パラメータ値1.1mmのプローブビームを生成した。電気回路836においてTTLトリガ信号を発生させるために、光タップカプラ820を狭帯域フィルタ830及び光検出器834と共に使用することができる。TTL信号は、アナログ/ディジタル変換器においてトリガとして使用してよい。
【0149】
干渉信号は、デュアルバランスレシーバ151を使って測定することができる。検出器信号は更に、ディジタル化に先立ち低域電気フィルタ840を使って処理した。他の種類の電気フィルタ、例えば帯域フィルタやスロープフィルタを使用してもよい。スロープフィルタの透過曲線は、その低周波帯において指数関数的に上昇(下降)する勾配を有してよい。このフィルタは、減衰が相当大きく、結果として信号強度が深さと共に低下する点で有用であり得る。スロープフィルタは、表面からの強度大の信号をより深い場所からの信号に相対して効果的に抑制することにより、検出のダイナミックレンジを改善することができる。
【0150】
掃引レーザ100のコヒーレンス関数を特徴づけるため、リファレンスミラーの様々な場所で部分反射体を使ってシステムのポイントスプレッド関数をΔf=0(FS1=−25MHz、FS2=−25MHz)で測定してよい。比較のため、各深さで収集されたサンプル化データをマッピングプロセスあり、マッピングプロセスなしの両方で処理した。図18(a)及び18(b)は例示的結果を示し、ここで、y軸はゼロ周波数における値に対して正規化されたDFT振幅の平方を表し、上と下のx軸はそれぞれ信号周波数と深さzを表す。マッピングプロセスなしの場合、我々の掃引レーザの非線形性のゆえに、ポイントスプレッド関数は相当に拡大され、深さが増すにつれてピークパワーは大きく低下する[図18(a)を参照]。ところが、マッピングプロセスありの場合、スプレッド関数は、ほぼ図18(b)に示す通りの変換限界のある軸方向解像を見せる。レーザ出力の有限コヒーレンス長さは、信号パワー深さの減少を見込んでいる。5.8mmの深さスパン全体にわたって、SN比は11dBより大きく低下する。より早く導入された有効レンジング深さ判定基準によれば、コヒーレンス長さに対応する深さは僅か2.9mm、画像における全体の半分であってよい。同じ実験を、周波数シフトがゼロでないΔf=−2.5MHz(FS1=−22.5MHz、FS2=−25MHz)の条件下で実施した。図18(c)及び18(d)はそれぞれ、マッピングプロセスあり、マッピングプロセスなしの両方で測定されたポイントスプレッド関数を示す。これらの図から分かる通り、周波数2.5MHzに存在する深さゼロにおいて生じる信号パワーのピークは、少なくとも音響光学周波数シフトにほぼ等しい。図18(d)で観察されるおおよそ変換限界のある軸方向解像は、マッピング技術を有効にしている。信号パワーの低下は5.8mmの深さスパン全体にわたって5dB未満であり、これは、レンジング深さを延ばす点で周波数シフト技術が有益であることを実証するものである。
【0151】
[画像]
OFDIシステムを使って人間の肺組織の生体外撮像を行った。図19は、Aの場合Δf=0、Bの場合Δf=−2.5であることを除いて同一の実験条件のもとで得られた2つの画像、AとBを示す。各画像は、上で述べたマッピング技術を使って得られた。組織の表面をプローブビーム軸に関して或る角度で置き、画像におけるプラス深さとマイナス深さの両方に信号が存在するようにリファレンスミラーを位置決めした。Aでは、組織画像が2.8mmの有効レンジング深さの範囲内にある、すなわち、深さスパン全体のうちの上半分にある。それでも、サンプル位置の相対的に大きい変化は、撮像を折り重ねるアーティファクトを生じさせる結果となった。対照的に、Bでは、プラス深さとマイナス深さの全体を曖昧さなしで表示できた。すなわち、周波数シフト技術によってレンジング深さが5.8mmに増大したという有利さがあったのである。
【0152】
以上の記述は単に本発明の原理を描いたにすぎない。述べた実施例について多様な改良形態及び変更形態のあることは、当該分野の当業者に明白であろう。従って、ここで明瞭に図示又は記述されなかったとしても、当業者であれば、多数のシステム、装置及び方法を考案し、本発明の範囲および主旨から逸脱することなく本発明の原理を具体化することが可能であることは、十分に認識されよう。
【0153】
(態様1)
少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線を非反射性リファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントを備え、ここで、前記少なくとも1つの第1アレンジメントによって提供された放射線の周波数が経時変化し、また、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントを備える装置。
【0154】
(態様2)
前記少なくとも1つの第3放射線がサンプルから戻された放射線であり、前記少なくとも1つの第4放射線がリファレンスから戻された放射線である、態様1に記載の装置。
【0155】
(態様3)
更に、前記少なくとも1つの第1電磁放射線、少なくとも1つの第2電磁放射線、少なくとも1つの第3電磁放射線及び少なくとも1つの第3電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトさせる少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様1に記載の装置。
【0156】
(態様4)
更に、検出された干渉に基づいて画像を生成する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様1に記載の装置。
【0157】
(態様5)
更に、走査データ生成のためにサンプルの横方向位置を走査し、その走査データを画像生成のために前記第3アレンジメントに提供するプローブを備える、態様4に記載の装置。
【0158】
(態様6)
前記走査データが、サンプル上の多重横方向位置で得られた干渉検出データを含む、態様5に記載の装置。
【0159】
(態様7)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光検出器の後に続く少なくとも1つの電気フィルタを備える、態様1に記載の装置。
【0160】
(態様8)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光検出器の後に続く少なくとも1つの電気フィルタを備える、態様3に記載の装置。
【0161】
(態様9)
前記少なくとも1つの電気フィルタが、前記周波数シフトアレンジメントによる周波数シフトの大きさとほぼ同じ中心周波数を持つ帯域フィルタである、態様8に記載の装置。
【0162】
(態様10)
前記電気フィルタの透過プロファイルがほぼその通過帯域全体にわたって変化する、態様9に記載の装置。
【0163】
(態様11)
前記プローブが回転接合器と光ファイバーカテーテルを備える、態様5に記載の装置。
【0164】
(態様12)
前記カテーテルが毎秒30回転より高い速度で回転する、態様11に記載の装置。
【0165】
(態様13)
更に、少なくとも1つの偏光変調器を備える、態様1に記載の装置。
【0166】
(態様14)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの偏光状態を検出できる、態様1に記載の装置。
【0167】
(態様15)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つのデュアルバランスレシーバを備える、態様1に記載の装置。
【0168】
(態様16)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバを備える、態様1に記載の装置。
【0169】
(態様17)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバ及びデュアルバランスレシーバを備える、態様1に記載の装置。
【0170】
(態様18)
更に、
・前記少なくとも1つの第1電磁放射線と少なくとも1つの第2電磁放射線のうち少なくとも1つ、及び、
・前記少なくとも1つの第3電磁放射線と少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つの間の位相差を追跡する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様1に記載の装置。
【0171】
(態様19)
更に、第1電磁放射線と第2電磁放射線を放出するアレンジメントを備え、その電磁放射線のうち少なくとも1つは、平均周波数が毎ミリ秒100テラヘルツより大きい同調速度でほぼ連続的に経時変化するスペクトルを有する、態様1に記載の装置。
【0172】
(態様20)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線を非反射性リファレンスに提供し、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つの周波数が経時変化するステップ、及び、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出するステップを備える方法。
【0173】
(態様21)
少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントを備え、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが特定の時に多重周波数を含んでおり、また、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントを備える装置。
【0174】
(態様22)
前記少なくとも1つの第3放射線がサンプルから戻された放射線であり、前記少なくとも1つの第4放射線がリファレンスから戻された放射線である、態様21に記載の装置。
【0175】
(態様23)
更に、前記少なくとも1つの第1電磁放射線、少なくとも1つの第2電磁放射線、少なくとも1つの第3電磁放射線及び少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトさせる少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様21に記載の装置。
【0176】
(態様24)
更に、検出された干渉に基づいて画像を生成する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様21に記載の装置。
【0177】
(態様25)
更に、走査データ生成のためにサンプルの横方向位置を走査し、その走査データを画像生成のために前記第3アレンジメントに提供するプローブを備える、態様24に記載の装置。
【0178】
(態様26)
前記走査データが、サンプル上の多重横方向位置で得られた干渉検出データを含む、態様25に記載の装置。
【0179】
(態様27)
前記リファレンスが非反射性である、態様21に記載の装置。
【0180】
(態様28)
前記スペクトルの中央値がほぼ直線的に経時変化する、態様21に記載の装置。
【0181】
(態様29)
前記スペクトルの中央値の変化の速度が少なくとも1000nm/msecである、態様28に記載の装置。
【0182】
(態様30)
スペクトルが少なくとも10kHzの反復レートで反復的に経時変化する、態様21に記載の装置。
【0183】
(態様31)
前記少なくとも1つの第1アレンジメントが、スペクトルを経時変化させるスペクトルフィルタを含む、態様21に記載の装置。
【0184】
(態様32)
前記スペクトルフィルタが、多角形スキャナ、及び、スペクトルを経時変化させるスペクトル分離アレンジメントを含む、態様31に記載の装置。
【0185】
(態様33)
前記少なくとも1つの第1アレンジメントが、電磁放射線を発生させ、増幅する半導体利得媒体を含む、態様21に記載の装置。
【0186】
(態様34)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光検出器の後に続く少なくとも1つの電気フィルタを備える、態様23に記載の装置。
【0187】
(態様35)
前記少なくとも1つの電気フィルタが、前記周波数シフトアレンジメントによる周波数シフトの大きさとほぼ同じ中心周波数を持つ帯域フィルタである、態様34に記載の装置。
【0188】
(態様36)
前記電気フィルタの透過プロファイルがほぼその通過帯域全体にわたって変化する、態様35に記載の装置。
【0189】
(態様37)
前記プローブが回転接合器と光ファイバーカテーテルを備える、態様25に記載の装置。
【0190】
(態様38)
前記カテーテルが毎秒30回転より高い速度で回転する、態様37に記載の装置。
【0191】
(態様39)
更に、少なくとも1つの偏光変調器を備える、態様21に記載の装置。
【0192】
(態様40)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの偏光状態を検出できる、態様21に記載の装置。
【0193】
(態様41)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つのデュアルバランスレシーバを備える、態様21に記載の装置。
【0194】
(態様42)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバを備える、態様21に記載の装置。
【0195】
(態様43)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバ及びデュアルバランスレシーバを備える、態様21に記載の装置。
【0196】
(態様44)
更に、
・前記少なくとも1つの第1電磁放射線と少なくとも1つの第2電磁放射線のうち少なくとも1つ、及び、
・前記少なくとも1つの第3電磁放射線と少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つの間の位相差を追跡する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様21に記載の装置。
【0197】
(態様45)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供し、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが特定の時に多重周波数を含んでいるステップ、及び、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出するステップを備える方法。
【0198】
(態様46)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントを備え、ここで、前記少なくとも1つの第1アレンジメントによって提供された放射線の周波数が経時変化し、
第1偏光状態において前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の第1干渉信号を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントを備え、また、
第2偏光状態において前記第3放射線と前記第4放射線の間の第2干渉信号を検出する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える装置。
【0199】
(態様47)
前記少なくとも1つの第3放射線がサンプルから戻された放射線であり、前記少なくとも1つの第4放射線がリファレンスから戻された放射線である、態様46に記載の装置。
【0200】
(態様48)
更に、前記少なくとも1つの第1電磁放射線、少なくとも1つの第2電磁放射線、少なくとも1つの第3電磁放射線及び少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトさせる少なくとも1つの第4アレンジメントを備える、態様46に記載の装置。
【0201】
(態様49)
更に、検出された干渉に基づいて画像を生成する少なくとも1つの第4アレンジメントを備える、態様46に記載の装置。
【0202】
(態様50)
更に、走査データ生成のためにサンプルの横方向位置を走査し、その走査データを画像生成のために前記第4アレンジメントに提供するプローブを備える、態様49に記載の装置。
【0203】
(態様51)
前記走査データが、サンプル上の多重横方向位置で得られた干渉検出データを含む、態様50に記載の装置。
【0204】
(態様52)
前記リファレンスが非反射性である、態様46に記載の装置。
【0205】
(態様53)
前記スペクトルの中央値がほぼ直線的に経時変化する、態様46に記載の装置。
【0206】
(態様54)
前記少なくとも1つの第1アレンジメントが、スペクトルを経時変化させるスペクトルフィルタを含む、態様46に記載の装置。
【0207】
(態様55)
前記スペクトルフィルタが、多角形スキャナ、及び、スペクトルを経時変化させるスペクトル分離アレンジメントを含む、態様54に記載の装置。
【0208】
(態様56)
前記少なくとも1つの第1アレンジメントが、電磁放射線を発生させ、増幅する半導体利得媒体を含む、態様46に記載の装置。
【0209】
(態様57)
更に、検出された干渉に基づいて画像を生成する少なくとも1つの第4アレンジメントを備え、ここで、第1偏光状態と第2偏光状態が互いにほぼ直交する、態様46に記載の装置。
【0210】
(態様58)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光検出器の後に続く少なくとも1つの電気フィルタを備える、態様48に記載の装置。
【0211】
(態様59)
前記少なくとも1つの電気フィルタが、前記周波数シフトアレンジメントによる周波数シフトの大きさとほぼ同じ中心周波数を持つ帯域フィルタである、態様58に記載の装置。
【0212】
(態様60)
前記電気フィルタの透過プロファイルがほぼその通過帯域全体にわたって変化する、態様59に記載の装置。
【0213】
(態様61)
前記プローブが回転接合器と光ファイバーカテーテルを備える、態様50に記載の装置。
【0214】
(態様62)
前記カテーテルが毎秒30回転より高い速度で回転する、態様46に記載の装置。
【0215】
(態様63)
更に、少なくとも1つの偏光変調器を備える、態様46に記載の装置。
【0216】
(態様64)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの偏光状態を検出できる、態様46に記載の装置。
【0217】
(態様65)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つのデュアルバランスレシーバを備える、態様46に記載の装置。
【0218】
(態様66)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバを備える、態様46に記載の装置。
【0219】
(態様67)
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバ及びデュアルバランスレシーバを備える、態様46に記載の装置。
【0220】
(態様68)
更に、
・前記少なくとも1つの第1電磁放射線と少なくとも1つの第2電磁放射線のうち少なくとも1つ、及び、
・前記少なくとも1つの第3電磁放射線と少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つの間の位相差を追跡する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、態様46に記載の装置。
【0221】
(態様69)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供し、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つの周波数が経時変化するステップ、
第1偏光状態において前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の第1干渉信号を検出するステップ、及び、
第2偏光状態において前記第3放射線と前記第4放射線の間の第2干渉信号を検出し、ここで、第1偏光状態と第2偏光状態が互いに異なるステップを備える方法。
【0222】
(態様70)
前記少なくとも1つの第3放射線がサンプルから戻された放射線であり、前記少なくとも1つの第4放射線がリファレンスから戻された放射線である、態様69に記載の方法。
【0223】
(態様71)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントを備え、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが、平均周波数が毎ミリ秒100テラヘルツより大きい同調速度でほぼ連続的に経時変化するスペクトルを有し、また、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントを備える装置。
【0224】
(態様72)
平均周波数が5キロヘルツより大きい反復レートで反復的に変化する、態様71に記載の装置。
【0225】
(態様73)
平均周波数が10テラヘルツより大きい範囲にわたって変化する、態様71に記載の装置。
【0226】
(態様74)
スペクトルが100ギガヘルツより小さい瞬時ライン幅を有する、態様71に記載の装置。
【0227】
(態様75)
更に、往復長さが5mより短いレーザキャビティを備える、態様71に記載の装置。
【0228】
(態様76)
前記スペクトルの同調範囲の中心が公称で中心波長1300nmに合わせてある、態様73に記載の装置。
【0229】
(態様77)
前記スペクトルの同調範囲の中心が公称で中心波長850nmに合わせてある、態様73に記載の装置。
【0230】
(態様78)
前記スペクトルの同調範囲の中心が公称で中心波長1700nmに合わせてある、態様73に記載の装置。
【0231】
(態様79)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供し、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが、平均周波数が毎ミリ秒100テラヘルツより大きい同調速度でほぼ連続的に経時変化するスペクトルを有するステップ、及び、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出するステップを備える方法。
【0232】
(態様80)
前記少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントを備え、ここで、前記少なくとも1つの第1アレンジメントによって提供された放射線の周波数が経時変化し、
前記少なくとも1つの第1電磁放射線と少なくとも1つの第2電磁放射線の周波数をシフトさせるのに適した少なくとも1つの第2アレンジメント、
前記第1電磁放射線と第2電磁放射線を干渉させ、それで干渉信号を生成する干渉計、及び、
前記第1電磁放射線と第2電磁放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントを備える装置。
【0233】
(態様81)
組織の構造及び組成のうち少なくとも1つと関連した特定データを求めるシステムであって、
所定の手法を実行するとき、
a)サンプルから得られた少なくとも1つの第1電磁放射線と、リファレンスから得られた少なくとも1つの第2電磁放射線から形成される干渉信号と関連した情報を受け取り、ここで、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトさせ、
b)前記情報をサンプル化し、それで、サンプル化データを第1フォーマットで生成し、
c)前記サンプル化データを第2フォーマットの特定データに変換する[ここで、第1フォーマットと第2フォーマットは互いに異なる]ように構成された処理アレンジメントを備えるシステム。
【0234】
(態様82)
前記第2フォーマットが、ほぼ同じ電磁周波数差を表す少なくとも2つのサンプリングインターバルを有する、態様81に記載のシステム。
【0235】
(態様83)
前記サンプリングインターバルの各々がほぼ同じ電磁周波数差を表す、態様82に記載のシステム。
【0236】
(態様84)
手順がサンプル化データの補間を含む、態様81に記載のシステム。
【0237】
(態様85)
前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つが特定周波数分だけ周波数シフトさせられ、また、前記補間が、周波数ドメインにおいてサンプル化データをアレイにフーリエ変換し、前記特定周波数に基づき前記アレイを少なくとも2つの周波数帯に分離することを含む、態様84に記載のシステム。
【0238】
(態様86)
前記補間が、周波数ドメインにおいてサンプル化データをアレイにフーリエ変換し、前記アレイのサイズを増大させ、前記アレイの増大した部分の各要素に所定の値を挿入することを含む、態様85に記載のシステム。
【0239】
(態様87)
前記処理アレンジメントが更に、特定データに基づき少なくとも1つの組織部分の画像を生成するように構成されている、態様81に記載のシステム。
【0240】
(態様88)
前記画像が特定解像度を有し、前記サンプル化データと関連した電磁周波数のスペクトルが前記特定解像度に関連し、また、前記特定解像度が前記電磁周波数のスペクトルのフーリエ変換限界にほぼ近い、態様87に記載のシステム。
【0241】
(態様89)
前記第2フォーマットが、ほぼ同じ電磁周波数差を表す少なくとも2つのサンプリングインターバルを有し、前記電磁周波数の大きさが前記サンプリングインターバルの少なくとも1つの逆数のほぼ1/4より大きい、態様85に記載のシステム。
【0242】
(態様90)
前記第2フォーマットが画像フォーマットであり、前記画像が変換されたサンプル化データに基づいている、態様87に記載のシステム。
【0243】
(態様91)
前記第2フォーマットが、ほぼ一定のk空間インターバルを含むフォーマットである、態様84に記載のシステム。
【0244】
(態様92)
組織の構造及び組成のうち少なくとも1つと関連した特定データを求める方法であって、
サンプルから得られた少なくとも1つの第1電磁放射線と、リファレンスから得られた少なくとも1つの第2電磁放射線から形成される干渉信号と関連した情報を受け取り、ここで、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトさせるステップ、
前記情報をサンプル化し、それで、サンプル化データを第1フォーマットで生成するステップ、及び、
前記サンプル化データを第2フォーマットの特定データに変換するステップ[ここで、第1フォーマットと第2フォーマットは互いに異なる]を備える方法。
【0245】
(態様93)
組織の構造及び組成のうち少なくとも1つと関連した特定データを求める記憶媒体であって、前記記憶媒体の保持するプログラムが処理アレンジメントにより実行されるとき、
サンプルから得られた少なくとも1つの第1電磁放射線と、リファレンスから得られた少なくとも1つの第2電磁放射線から形成される干渉信号と関連した情報を受け取り、ここで、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトさせる、
前記情報をサンプル化し、それで、サンプル化データを第1フォーマットで生成する、及び、
前記サンプル化データを第2フォーマットの特定データに変換する[ここで、第1フォーマットと第2フォーマットは互いに異なる]ことを備える命令を実行するように構成されている記憶媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供する少なくとも1つの第1アレンジメントであって、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが多重の異なる縦モードを含むものと、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出する少なくとも1つの第2アレンジメントと、を備える装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第3放射線がサンプルから戻された放射線であり、前記少なくとも1つの第4放射線がリファレンスから戻された放射線である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
更に、前記少なくとも1つの第1電磁放射線、少なくとも1つの第2電磁放射線、少なくとも1つの第3電磁放射線及び少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つの周波数をシフトするように構成され、さらに、前記干渉のマイナス周波数成分を少なくとも部分的に減縮し,区分し,または,無くすように構成された少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
更に、検出された干渉に基づいて画像を生成する少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
更に、走査データ生成のためにサンプルの横方向位置を走査し、その走査データを画像生成のために前記第3アレンジメントに提供するプローブを備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記走査データが、サンプル上の多重横方向位置で得られた干渉検出データを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記リファレンスが非反射性である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記スペクトルの中央値がほぼ直線的に経時変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記スペクトルの中央値の変化の速度が少なくとも1000nm/msecである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
スペクトルが少なくとも10kHzの反復レートで反復的に経時変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1アレンジメントが、スペクトルを経時変化させるスペクトルフィルタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記スペクトルフィルタが、多角形スキャナ、スペクトルを経時変化させるスペクトル分離アレンジメント、及び、前記スペクトル分離アレンジメントから前記干渉の1つまたはそれ以上の成分を直接受け取って,該干渉の1つまたはそれ以上の成分を像平面上に収束及び投影するように構成された少なくとも1つの光学撮像アレンジメントを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1アレンジメントが、電磁放射線を発生させ、増幅する半導体利得媒体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、少なくとも1つの光検出器と、前記少なくとも1つの光検出器の後に続く少なくとも1つの電気アナログフィルタを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの電気アナログフィルタが、前記周波数シフトアレンジメントによる周波数シフトの大きさとほぼ同じ中心周波数を持つ帯域フィルタである、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記電気アナログフィルタの透過プロファイルがほぼその通過帯域全体にわたって変化する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記プローブが回転接合器と光ファイバーカテーテルを備える、請求項5に記載の装置。
【請求項18】
前記カテーテルが毎秒30回転より高い速度で回転する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
更に、前記電磁放射線の偏光を時間について変調するように構成された少なくとも1つの偏光変調器を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、前記第1電磁放射線と第2電磁放射線のうち少なくとも1つの偏光状態を検出できる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、前記少なくとも1つの第3放射線に関連した自己相関を除去するように構成された少なくとも1つのデュアルバランスレシーバを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2アレンジメントが、前記少なくとも1つの第3放射線に関連した自己相関を除去するように構成された少なくとも1つの偏光ダイバーシティレシーバ及びデュアルバランスレシーバを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
更に、
・前記少なくとも1つの第1電磁放射線と少なくとも1つの第2電磁放射線のうち少なくとも1つ、または、
・前記少なくとも1つの第3電磁放射線と少なくとも1つの第4電磁放射線のうち少なくとも1つ、の少なくとも1つの間の位相差を追跡するように明確に構成された少なくとも1つの第3アレンジメントを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
少なくとも1つの第1電磁放射線をサンプルに、少なくとも1つの第2電磁放射線をリファレンスに提供し、ここで、前記第1放射線と第2放射線のうち少なくとも1つが経時変化するスペクトルを有し、前記スペクトルが多重の異なる縦モードを含んでいるステップ、及び、
前記少なくとも1つの第1放射線と関連した少なくとも1つの第3放射線と、前記少なくとも1つの第2放射線と関連した少なくとも1つの第4放射線の間の干渉を検出するステップを備える方法。
【請求項26】
前記スペクトルが、いずれかの時点で多重の異なる縦モードを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記スペクトルが、いずれかの時点で多重の異なる縦モードを含む、請求項25に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−215162(P2011−215162A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168731(P2011−168731)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【分割の表示】特願2006−536622(P2006−536622)の分割
【原出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】