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周波数帯域割当装置および周波数帯域割当方法
説明

周波数帯域割当装置および周波数帯域割当方法

【課題】周波数帯域割当値の不要な変更を行わず、また、無線リソースを有効に活用することができる周波数帯域割当装置を得ること。
【解決手段】移動局に周波数帯域を割当てる周波数帯域割当装置であって、前記移動局から受信した信号の受信品質を測定する回線品質測定部26と、周波数割当要求を受信した場合に、前記要求の送信元である送信元移動局の受信品質に基づいて前記送信元移動局への割当周波数帯域を決定する無線リソース管理部27と、を備え、前記割当周波数帯域を前記送信元移動局へ通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の技術分野に関し、特に複数の移動局が周波数分割多元接続(FDMA:Frequency Division Multiple Access)方式で基地局と通信する無線通信システムにおける周波数帯域割当装置および周波数帯域割当方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、従来の無線通信システムについて説明する。複数の移動局と1つの基地局との多元接続方法の1つであるFDMA方式では、移動局ごとに周波数帯域幅が割当てられ、移動局はその帯域を占有できる。たとえば、FDMA方式を採用する無線通信システムの例として、下記非特許文献1に記載されている衛星通信システムがある。このシステムは、基地局と移動局が、固定された周波数帯域幅(非マルチレート方式)のシングルキャリアを用いて通信を行う。
【0003】
一方、下記特許文献1では、下記非特許文献1に記載のシステムについて、同時接続数が少ない状況ではシステムに用意されているリソース(周波数や衛星中継器の電力等)が十分活用されないこと、また、逆に移動局に割当てる周波数帯域幅を大きくすると同時接続移動局数の最大値が小さくなってしまうことを問題点として指摘している。この問題点に対する解決策として、下記特許文献1では、QoS(Quality of Service)要求,受信CNR,各移動局の能力などを加味した上で、移動局間でシステム帯域を公平に分割する方法を開示している。これにより、移動局数が多いときには各移動局に割当てる周波数帯域幅を小さくして同時接続移動局数を大きくし、逆に移動局数が少ないときには割当てる周波数帯域幅を大きくしてシステムリソースを有効に活用するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−333405号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「Sバンドを用いる国内移動衛星通信システム」,ARIB STD−T49 3.0版,社団法人 電波産業会,p.5,p.10,平成13年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の特許文献1の技術によれば、各移動局からの周波数帯域の割当要求,解放要求の発生または各移動局の制約条件の変化(受信CNRの変化やQoS要求の変化など)事象が発生するたびに、移動局に割当てる周波数帯域幅の計算を行い、計算結果を接続中の全移動局に同時に反映させる。したがって、上記特許文献1の技術を実現するためには、上述の変化事象が発生していない移動局に対しても、使用する周波数帯域の変更を通知することになり、制御信号を伝送するために無線リソースが使用されることになり無線リソースが有効に活用されない、という問題があった。
【0007】
また、変化事象が発生していない移動局で、周波数帯域幅切り替えに伴う一時的な通信断が発生し、さらにこの通信断に伴い上位アプリケーションの動作に悪影響を与える可能性がある(TCP(Transmission Control Protocol)がスロースタート動作をする可能性があることなど)、という問題があった。
【0008】
また、上記の変化事象として、QoS要求が変化する場合として、音声とデータの切り替えのように呼属性の変化などの比較的変化周期が長いものと、アプリケーションが発生するデータ量の変化などのように比較的変化周期が短いものとがある。後者の場合には、変化事象を各移動局から通知させる必要があり、その制御信号を伝送するために無線リソースを使用し、無線リソースが有効に活用されない、という問題があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周波数帯域割当値の不要な変更を行わず、また、無線リソースを有効に活用することができる周波数帯域割当装置および周波数帯域割当方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、移動局に周波数帯域を割当てる周波数帯域割当装置であって、前記移動局から受信した信号の受信品質を測定する受信品質測定手段と、周波数割当要求を受信した場合に、前記要求の送信元である送信元移動局の受信品質に基づいて前記送信元移動局への割当周波数帯域を決定する無線リソース管理手段と、を備え、前記割当周波数帯域を前記送信元移動局へ通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周波数帯域幅割当の不要な切り替えを行わず、また、無線リソースを有効に活用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明にかかる通信システムの実施の形態1の構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1の基地局および移動局の機能構成例を示す図である。
【図3】図3は、上りリソース割当時間と実使用時間の関係の一例を示す図である。
【図4】図4は、使用率に基づく周波数帯域幅の決定方法の概念を示す図である。
【図5】図5は、過去の使用率の値とその原因、および無線リソース管理部の動作,効果を示す図である。
【図6−1】図6−1は、使用率に基づく割当周波数帯域幅の決定方法の概念を示す図である。
【図6−2】図6−2は、使用率に基づく割当周波数帯域幅の決定方法の概念を示す図である。
【図7】図7は、空き帯域の割合と実施の形態1の動作および効果の一例を示す図である。
【図8】図8は、収容数小の場合と収容数大の場合の周波数割当の概念を示す図である。
【図9】図9は、過去の「使用率」に基づいて割当てる周波数帯域幅の上限値を決定する方法が、最適でないケースの一例を示す図である。
【図10】図10は、回線品質の測定時刻と周波数帯域割当ての関係の一例を示す図である。
【図11】図11は、静的なQoS要求としてファイルダウンロードまたはファイルアップロードが要求される場合の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明にかかる周波数帯域割当装置および周波数帯域割当方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる通信システムの実施の形態1の構成例を示す図である。本実施の形態の通信システムは、基地局11と、衛星に搭載され通信を中継する衛星中継器12と、基地局11のサービスエリアであるサービスエリア13内に存在する複数の移動局14と、で構成される。本実施の形態では、基地局11が本発明にかかる周波数帯域割当装置としての機能を有する例について説明する。
【0015】
移動局14は、送信する周波数帯域幅を変更可能であり、基地局11は、FDMA方式により複数の移動局14との間で同時に通信を行う。基地局11と移動局14間の通信は衛星中継器12を介して行われる。また、基地局11と移動局14間の制御信号は制御用チャネルを用いて伝送され、データ信号は通信用チャネルを用いて伝送される。この制御チャネルで伝送される制御信号によって、基地局11は移動局14の送信信号周波数帯域を制御する。なお、制御用チャネルと通信用チャネルは論理的な区分を示し、必ずしも物理的に独立した回線上に存在する必要はない。
【0016】
図2は、本実施の形態の基地局11および移動局14の機能構成例を示す図である。本実施の移動局14は、送信バッファ21,通信要求制御部22,送信機23を備えている。また、基地局11は、受信機24,使用率測定部25,回線品質測定部26,無線リソース管理部27を備えている。
【0017】
つづいて、本実施の形態の動作について説明する。まず、移動局14の送信バッファ21は、自局に通信用(データ用)チャネルが割当てられていない場合、移動局14で発生した送信データを一時的に蓄積する。通信要求制御部22は、自局に通信用チャネルが割当てられておらず、送信バッファ21にデータが蓄積されている場合には、制御用チャネルを用いて基地局11に通信用チャネルの割当を要求する信号を送信する。また、通信要求制御部22は、通信用チャネルが不要となった場合には、基地局11に通信用チャネルの解放を要求する信号を送信する。
【0018】
送信機23は、基地局11から指示された周波数および周波数帯域幅を用いて、衛星中継器12を介して基地局11に向けて信号を送信する。また、基地局11の受信機24は、衛星中継器12を介して移動局14から送信された信号を受信する。
【0019】
基地局11の使用率測定部25は、移動局14に割当てたそれぞれの通信用チャネルについて、その移動局14の上り信号の送信のためにリソースが割当てられている時間(上りリソース割当時間)に対し実際に有効なデータが送信される割合(使用率と呼ぶ)を測定し、無線リソース管理部27に報告する。本実施の形態では、使用率は以下の式(1)で定義する。
使用率
=実際にデータ伝送に使用した実使用時間の和/上りリソース割当時間 …(1)
【0020】
図3は、上りリソース割当時間と実使用時間の関係の一例を示す図である。まず、移動局14から(1)帯域割当要求が送信され、基地局11が(2)帯域割当応答を返す。移動局14は、割当てられた周波数と周波数帯域幅でデータを送信し、データの送信が終了すると、(3)帯域解放要求を基地局11に送信する。そして、基地局11が(4)帯域解放応答を返す。上り割当時間のうち、データの送信は1回で行われるとは限らず、間をあけて2回以上に分けて送信されることもある。
【0021】
また、移動局14の通信要求制御部22は、データの送信が終わると帯域保留タイマを起動し、次の送信データの発生を待機する(送信バッファ21にデータが蓄積されるのを待機する)こととする。帯域保留タイマは通信要求制御部22に内蔵されることとし、所定の設定時間が経過するとタイムアウトとなる。通信要求制御部22は、帯域保留タイマのタイムアウトを検知すると(3)帯域解放要求を送信する。通信要求制御部22は、帯域保留タイマのタイムアウトの前に送信データの発生を検知した場合(送信バッファ21にデータが蓄積された場合)は、帯域保留タイマをクリアする。
【0022】
図3の例では、3回に分けて送信される例であり、1回目と2回目のデータの送信は途切れなく行われ、2回目のデータの送信と3回目のデータの送信の間には、空き時間(データ発生待ちに伴う空き時間)がある。3回目のデータの送信の後は、帯域保留タイマがタイムアウトし、(3)帯域解放要求が送信されている。
【0023】
図3の例の場合、図の右側に示したように、このときの上りリソース割当時間は、伝搬遅延に伴う空き時間と実使用時間とデータ発生待ちに伴う空き時間と保留タイマに伴う空き時間(帯域保留タイマがタイムアウトするまでの時間)と、で構成されることになる。このうち、保留タイマに伴う空き時間は固定時間であり、伝搬遅延に伴う空き時間はほぼ固定時間である。したがって、この上りリソース割当時間内で変化するのは、データ待ちに伴う空き時間と実使用時間である。
【0024】
また、基地局11の回線品質測定部26は、受信機24が各移動局14から受信する通信用チャネルの回線品質を測定し、無線リソース管理部に報告する。回線品質は、受信CNR(Carrier vs. Noise Ratio)やSIR(信号対干渉比)などでもよいし、または信号品質を表す他の量であってもよい。
【0025】
そして、基地局11の無線リソース管理部27は、移動局14から帯域割当要求,割当解放要求のための要求信号を受信する。要求信号には、移動局14の識別情報と、新規の割当要求,解放要求等の要求の内容を示す情報が含まれている。無線リソース管理部27は、帯域割当要求の要求信号(帯域割当要求信号)を受信した場合には、送信元の移動局14に対し割当てる周波数と周波数帯域幅とを決定し、送信元の移動局14に通知する。割当解放要求の要求信号(割当解放要求信号)を受信した場合には、送信元の移動局14のリソースを解放し、そのリソースを他の移動局14への割当が可能な状態にする。
【0026】
以下、無線リソース管理部27のリソース割当の動作について説明する。無線リソース管理部27は、使用率測定部25より報告される使用率に基づいて、次に割当てる周波数帯域幅を決定し、第1の上限値とする。図4は、使用率に基づく周波数帯域幅の決定方法の概念を示す図である。上りリソース割当時間T1,T2,T3は、基地局11が移動局Aに周波数帯域幅を割当ててからその割当てを解除するまでの時間である。割当周波数帯域幅B1,B2,B3は移動局Aに割当てられた周波数帯域幅を示す。図中の長方形は、移動局Aが実際にその割当てられた周波数帯域で伝送を行った時間である。図4に示すように、上りリソース割当時間T1についての使用率に基づいて上りリソース割当時間T2の割当周波数帯域幅B2を決定し、上りリソース割当時間T2についての使用率に基づいて上りリソース割当時間T3の割当周波数帯域幅B3を決定する。
【0027】
図5は、過去の使用率(割当てが行われる前の上りリソース割当時間についての使用率)の値とその原因、および無線リソース管理部27の動作,効果を示す図である。このように、過去の使用率が低い原因としては、割当時間(割当周波数を使用して伝送する時間)が短いデータが間欠伝送されていることが原因として考えられ、過去の使用率が高い原因としては、割当時間が長いデータが連続伝送されていることが原因として考えられる。本実施の形態の無線リソース管理部27の動作としては、過去の使用率が低い場合には、割当帯域幅を減少させる。これにより、その移動局の使用するリソースを削減することができるという効果を得ることができる。また、過去の使用率が高い場合には、割当帯域幅を増加させる。これにより、その移動局の伝送を短時間に完了できるという効果を得ることができる。
【0028】
図6−1、6−2は、使用率に基づく割当周波数帯域幅の決定方法の概念を示す図である。図6−1では、過去の使用率が高い例を示し、図6−2では過去の使用率が低い例を示している。図6−1に示すように、周波数帯域幅がいったん解放され、再度同一の移動局に割当を行う際に、過去の使用率が高い場合にはその移動局に割当てる周波数帯域幅を増加させる。これにより割当周波数帯域幅を増加させる前に比べ同一のデータを伝送するのに必要な伝送時間を短縮することができる。実使用時間Rは、移動局が実際に伝送を行った時間を示しており、短縮時間ΔTは、割当周波数帯域幅を増加させたことにより、短縮した伝送時間を示している。
【0029】
また、図6−2に示すように、過去の使用率が低い場合にはその移動局に割当てる周波数帯域幅を減少させる。これにより割当周波数帯域幅を減少させる前に比べ割当て対象の移動局に対する無線リソースを削減することができ、システムとして無線リソースの有効活用を図ることができる。
【0030】
なお、増加または減少させる方法としては、たとえば、使用率と増加または減少させる比率とを計算式またはテーブルなどで定義しておきその定義に基づいて増加または減少させるようにする、使用率と増加または減少させる量とを計算式またはテーブルなどで定義しておき、その定義に基づいて増加または減少させるようにする、など使用率に基づいて増加または減少量が決まるような方法であればどのような方法でもよい。
【0031】
なお、その移動局への最初の割当時など、参照すべき過去の使用率を用いることができない場合には、あらかじめ設定した初期値を割当てる周波数帯域幅の上限値として用いるようにする。また、図4では、参照すべき過去の使用率として、直近の割当時の使用率を用いる例を示したが、これに限らず、過去の複数回の上りリソース割当時間についての使用率の平均値を用いてもよい。
【0032】
また、無線リソース管理部27では、さらに、回線品質測定部26から報告された割当て対象の移動局からの上りデータチャネルの過去の「回線品質」に基づいて、次に割当てる周波帯域幅の第2の上限値を決定する。移動局に割当て可能な周波数帯域幅は、それぞれの移動局の通信環境などの条件に依存する。移動局に割当てる周波数帯域幅は、その移動局が最大の送信電力で信号を送信したときに受信側である基地局11で測定された受信CNRが所要CNRと一致するときの周波数帯域幅が上限となる。それより大きな周波数帯域幅をその移動局に割当てても基地局で所要CNRを実現できないからである。
【0033】
なお、その移動局への最初の割当時など、参照すべき過去の「回線品質」データを用いることができない場合には、その移動局への割当周波数帯域幅は、あらかじめ設定した初期値とする。この初期値としては、たとえば、所要CNRを満足する確率を最大とするために、最も狭い帯域幅とする。
【0034】
また、「回線品質」は、他の上りチャネル(たとえば上り制御チャネル)の上り回線品質に基づいて導出してもよいし、下りチャネル(たとえば下りの制御チャネルや下りのデータチャネル)の回線品質を用いてもよい。
【0035】
また、無線リソース管理部27では、さらに、「混雑度」によって次に割当てる周波数帯域幅を決定し、その周波数帯域幅を第3の上限値とする。図7は、空き帯域の割合と本実施の形態の動作および効果の一例を示す図である。ここで、空き帯域の割合は、基地局11が使用可能な全ての周波数帯域に空き帯域の割合を示す。無線リソース管理部27は、空き帯域の割合を算出する。
【0036】
図7に示すように、基地局11が帯域割当要求の要求信号を受信した時に、空き帯域の割合が低い(図7の例では規定値1%以下)という事象が生じた場合、原因として、基地局11に接続する(収容する)移動局14の数が多く、混雑していることが考えられる。空き帯域の割合が高い(図7の例では規定値2%以上)という事象が生じた場合、原因として、基地局11に接続する移動局14の数が少なく、空いていることが考えられる。
【0037】
図8は、収容数小の場合(収容数が少ない場合)と収容数大の場合(収容数が多い場合)の周波数割当の概念を示す図である。収容数小の場合には、上段のように割当周波数帯域幅を大きくし、下段のように割当周波数帯域幅を小さくすることにより、収容数を多くすることができる。
【0038】
本実施の形態では、無線リソース管理部27は、空き帯域の割合が低い場合には、割当要求に対してその要求元の移動局14に割当てる周波数帯域幅を減少させる。これにより空き周波数帯域が増えてくるため、収容する移動局14の数を増加させることができる。また、無線リソース管理部27は、空き帯域の割合が低い場合には、割当要求に対してその要求元の移動局14に割当てる周波数帯域幅を減少させる。これにより高速伝送を実現することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、上記の各事象が1回生じた場合に、空き帯域の割合に応じて上記の動作を行うようにしたが、これに限らず、上記の各事象が所定の回数発生した場合に上記の動作を行うようにしてもよい。
【0040】
無線リソース管理部27は、以上のように求めた第1〜第3の3つの周波数帯域幅の上限値のうち、もっとも小さな周波数帯域幅を、その移動局に割当て可能な最大周波数帯域幅として決定する。そして、無線リソース管理部27は、その時点で空いている割当可能な全周波数帯域のうち、得られた最大周波数帯域幅以下で割当可能な帯域を選択して、その移動局への割当周波数帯域とする。
【0041】
なお、本実施の形態では、第1〜第3の3つの周波数帯域幅の上限値を求めるようにしたが、第1〜第3のいずれか1つ、またはいずれか2つの上限値のみを求め、割当て可能な最大周波数帯域幅として決定するようにしてもよい。
【0042】
なお、本実施の形態では、衛星中継器12を介して基地局11と移動局14が通信するようにしたが、衛星中継器12を介さずに基地局11と移動局14が無線通信を行う通信システムで本実施の形態の動作を行うようにしてもよい。
【0043】
このように、本実施の形態では、移動局14から周波数帯域割当要求があった場合に、無線リソース管理部27が、その移動局14について、過去の使用率に基づいて周波数帯域幅の第1の上限値を求め、回線品質に基づいて周波数帯域幅の第2の上限値を求め、空き周波数帯域の割合に基づいて周波数帯域幅の第3の上限値を求め、第1〜第3の3つの周波数帯域幅に基づいてその移動局14に割当てる周波数帯域幅を決定するようにした。このため、周波数帯域割当要求が送信されていない移動局14に帯域変更を通知する必要がなく、不要な制御信号を削減することができる。
【0044】
また、移動局14が使用するアプリケーションを変更した場合など送信するデータ量の変化を基地局11が移動局14からの送信データに基づいて検知することができるため、移動局14から変化を通知する必要がない。したがって、不要な制御信号を削減し、かつ適切な周波数割当てを実施することができ、システムリソースを有効に活用することができる。
【0045】
実施の形態2.
つづいて、本発明にかかる実施の形態2の周波数帯域割当方法について説明する。本実施の形態の通信システム,端末,基地局の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態1では、必ず過去の「使用率」に基づいて割当てる周波数帯域の上限値を決定する(初期値を参照する場合を除く)こととしているが、この方法が最適でないケースも考えられる。
【0046】
図9は、過去の「使用率」に基づいて割当てる周波数帯域幅の上限値を決定する方法が、最適でないケースの一例を示す図である。まず、初回割当は使用率の少ないデータ(たとえば呼設定のためのシグナリングデータ)であり、2回目割当では、初回割当ての使用率が反映されるため、割当周波数帯域幅が減少し少ない周波数帯域幅しか割当てられないとする。ところが、このような割当てをされているにもかかわらず、実際には2回目割当で伝送されるのは大容量のデータ(たとえばファイルのアップロード)であったとする。この場合、少ない周波数帯域幅しか割当てられていないため、データの伝送時間が長くなってしまうことがある。このような場合、3回目割当で、ようやく適切な周波数帯域幅が割当てられることになる。
【0047】
このような問題に対応するため、その移動局に対する2回目の割当帯域幅を決定する際には1回目の割当についての使用率を考慮しないこととする。すなわち、移動局ごとの初回の周波数割当ての場合には、初回割当てに基づいて行われた通信に関する使用率は考慮しないこととし、2回目割当てでは、第1の上限値を考慮の対象からはずし、第2の上限値に基づいて移動局に割当てる周波数帯域幅を決定する。そして、3回目割当から、使用率に基づいて周波数帯域幅の第1の上限値を決定する。このようにすることにより、2回目の割当てで過少な周波数帯域幅が割当てられることを防ぎ、ユーザデータの伝送時間を短縮することができる。3回目の割当からは、実施の形態1に記載したとおりの動作とする。以上説明した動作以外の本実施の形態動作は、実施の形態1と同様である。
【0048】
なお、上記の説明では、初回割当てのみを考慮しないようにしたが、トラヒックの特性に基づいて、指定した所定の回数以降の割当てから使用率に基づいて第1の上限値を決定する。
【0049】
このように、本実施の形態では、使用率に基づく第1の上限値の算出を開始する割当て回数を指定できるようにした。このため、実施の形態1の効果に加え、トラヒックの特性に対応した適切な帯域割当を行うことができる。
【0050】
実施の形態3.
つづいて、本発明にかかる実施の形態3の周波数帯域割当方法について説明する。本実施の形態の通信システム,端末,基地局の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態1では、必ず回線品質に基づいて割当てる周波数帯域の上限値を決定する(初期値を参照する場合を除く)こととしているが、相関が少ない時間的に離れた時刻の回線品質を参照することは適切でないこともある。実施の形態1では、参照する回線品質は、割当て対象の移動局に前回割当てを行った際に測定した結果を用いている。
【0051】
したがって、本実施の形態では、直近に測定した回線品質の測定時刻(前回割当てを行った時刻)と現在時刻との時間差が所定のしきい値よりも少ない場合のみ、回線品質に基づく周波数帯域幅の第2の上限値を求めることとする。また、時間差がしきい値以上の場合には、周波数帯域幅の第2の上限値としてあらかじめ設定した初期値を用いることとする。
【0052】
図10は、回線品質の測定時刻と周波数帯域割当ての関係の一例を示す図である。図中の周波数割当時間31〜34は、ある移動局について周波数割当が行われている時間(基地局11が周波数帯域を割当ててから、その移動局から割当解放要求を受信するまで)である。周波数割当時間31と周波数割当時間32の間、および、周波数割当時間32と周波数割当時間33の間は、時間間隔が長くないため(しきい値未満)、前回の割当て時の回線品質に基づいて第2の上限値を求める。また、周波数割当時間34の割当てについては、前回割当て(周波数割当時間33)との時間間隔が長いため(しきい値以上)、第2の上限値は初期値とする。
【0053】
このように、本実施の形態では、前回の割当てとの時間差がしきい値よりも大きい場合には、回線品質は参照せず、第2の上限値を初期値に設定するようにした。このため、現在の回線品質の状態とほとんど関係のない過去の回線品質を参照することを避け、誤った周波数帯域幅の上限値を決定してしまう危険性を低減することができる。
【0054】
なお、一般にある移動局と網との間では「呼」を設定し、その呼の中で複数回の帯域割当を実施するが、あるひとつの「呼」の中での割当については回線品質を参照し、その呼以前の異なる呼についての周波数帯域割当て時の回線品質情報については参照しないとする構成としてもよい。
【0055】
実施の形態4.
つづいて、本発明にかかる実施の形態4の周波数帯域割当方法について説明する。本実施の形態の通信システム,端末,基地局の構成は実施の形態1と同様である。
【0056】
本実施の形態では、移動局が上り通信用チャネルを用いて送信するトラヒックの特性が静的なQoS要求としてあらかじめ与えられている場合、実施の形態1で示した使用率に基づく周波数帯域幅の第1の上限値の計算は行わず、与えられている静的なQoS要求に基づいて周波数帯域幅の第1の上限値を決定することとする。
【0057】
図11は、静的なQoS要求としてファイルダウンロードまたはファイルアップロードが要求される場合の動作の一例を示す図である。図11に示すように、ファイルダウンロードの場合には、上り方向には送達確認程度の離散的なトラヒックとなる。また、ファイルアップロードの場合には、上り方向には大容量の連続的なトラヒックとなる。
【0058】
したがって、本実施の形態では、無線リソース管理部27は、ファイルダウンロードの場合には、割当周波数帯域幅を小さい値とする。これにより収容移動局数の増加、または他ユーザのデータ伝送の高速化を図ることができる。また、無線リソース管理部27は、ファイルアップロードの場合には、割当周波数帯域幅を所定の大きい値とする。これにより、高速なファイルアップロードが可能となる。また、これらの小さい値と大きい値については、あらかじめ設定しておくこととする。
【0059】
なお、ファイルアップロード,ファイルダウンロードなどの事象を示す情報は、たとえば、移動局から送信される周波数帯域割当要求または送信データに含まれるようにしてもよいし、別途他の手段により設定できるようにしてもよい。また、上記の静的なQoS要求に基づく第1の上限値の決定と、実施の形態1の第1の上限値の決定と、のどちらを行うかを切替えられるようにしてもよい。これ以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様である。
【0060】
このように、本実施の形態では、あらかじめ静的なQoS要求が与えられる場合には、その静的なQoS要求に基づいて周波数帯域幅の第1の上限値を求めるようにした。これにより、実施の形態1の効果に加え、与えられたQoS要求に合致した帯域割当を行うことができる。
【0061】
実施の形態5.
つづいて、本発明にかかる実施の形態5の基地局および周波数帯域割当方法について説明する。本実施の形態の通信システムの構成および移動局14の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。実施の形態1では、「使用率」「回線品質」「空き帯域の割合」の3つの項目を全て考慮し、第1〜第3の3つの周波数帯域幅の上限値を求めるようにしたが、本実施の形態では、第1〜第3のいずれか1つ、またはいずれか2つの上限値のみを求め、割当て可能な最大周波数帯域幅として決定するようにしてもよい。
【0062】
たとえば、TCPの送達確認トラヒックのような使用時間が短いデータが間欠送信されているトラヒックを流す場合に使用率が低いことは気にしないでよいこととすると、使用率を用いる第1の上限値を周波数帯域幅決定の制限事項として考慮する必要はない。また、サービスエリア全域のいかなる周波数帯域幅でも所要CNRを満足することが保証されているシステム設計であるならば、「回線品質」に基づく第2の上限値を帯域幅決定の制限事項として考慮する必要はない。また、接続を要求する移動局が増加しても、同時接続移動局数を増加させる必要がない場合には、空き帯域の割合に基づく第3の上限値を周波数帯域幅決定の制限事項として考慮する必要はない。
【0063】
本実施の形態の基地局は、実施の形態1の基地局11から、上記のように制限事項としない項目に関わる機能を省略した構成となる。たとえば、「使用率」に基づく第1の上限値を用いない場合には、使用率測定部25は必要なく「回線品質」に基づく第2の上限値を用いない場合には、回線品質測定部26は必要なく、「空き帯域の割合」に基づく第3の上限値を用いない場合には、無線リソース管理部27は、空き帯域の割合を求める必要は無い。以上説明した以外の本実施の形態の動作および構成は、実施の形態1と同様である。
【0064】
なお、本実施の形態では、実施の形態1の第1〜第3のいずれか1つ、またはいずれか2つの上限値を用いる場合について説明したが、これに限らず、実施の形態2、3または4の場合に、第1〜第3のいずれか1つ、またはいずれか2つの上限値を用いるようにしてもよい。
【0065】
このように、本実施の形態では、そのシステムに応じて必要な項目のみを上限値に反映させるようにした。このため、実施の形態1の効果を実現するとともに、不必要な処理,構成要素を削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる周波数帯域割当装置および周波数帯域割当方法は、無線通信システムに有用であり、特に、複数の移動局が周波数分割多元接続方式で基地局と通信する無線通信システムに適している。
【符号の説明】
【0067】
11 基地局、12 衛星中継器、13 サービスエリア、14 移動局、21 送信バッファ、22 通信要求制御部、23 送信機、24 受信機、25 使用率測定部、26 回線品質測定部、27 無線リソース管理部、T1,T2,T3 上りリソース割当時間、B1,B2,B3 割当周波数帯域幅、R 実使用時間、ΔT 短縮時間、31〜34 周波数割当時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局に周波数帯域を割当てる周波数帯域割当装置であって、
前記移動局から受信した信号の受信品質を測定する受信品質測定手段と、
周波数割当要求を受信した場合に、前記要求の送信元である送信元移動局の受信品質に基づいて前記送信元移動局への割当周波数帯域を決定する無線リソース管理手段と、
を備え、
前記割当周波数帯域を前記送信元移動局へ通知することを特徴とする周波数帯域割当装置。
【請求項2】
前記無線リソース管理手段は、割当て可能な全周波数帯域に対する空き帯域の割合を求め、さらに前記割合に基づいて前記送信元移動局への割当周波数帯域を決定することを特徴とする請求項1に記載の周波数帯域割当装置。
【請求項3】
移動局に周波数帯域を割当てる周波数帯域割当装置であって、
周波数割当要求を受信した場合に、割当て可能な全周波数帯域に対する空き帯域の割合を求め、前記割合に基づいて前記要求の送信元である送信元移動局への割当周波数帯域を決定する無線リソース管理手段、
を備え、
前記割当周波数帯域を前記送信元移動局へ通知することを特徴とする周波数帯域割当装置。
【請求項4】
移動局に周波数帯域を割当てる周波数帯域割当方法であって、
前記移動局から受信した信号の受信品質を測定する受信品質測定ステップと、
周波数割当要求を受信した場合に、前記要求の送信元である送信元移動局の受信品質に基づいて前記送信元移動局への割当周波数帯域を決定する無線リソース管理ステップと、
前記割当周波数帯域を前記送信元移動局へ通知する通知ステップと、
を含むことを特徴とする周波数帯域割当方法。
【請求項5】
移動局に周波数帯域を割当てる周波数帯域割当方法であって、
周波数割当要求を受信した場合に、割当て可能な全周波数帯域に対する空き帯域の割合を求め、前記割合に基づいて前記要求の送信元である送信元移動局への割当周波数帯域を決定する無線リソース管理ステップと、
前記割当周波数帯域を前記送信元移動局へ通知する通知ステップと、
を含むことを特徴とする周波数帯域割当方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−85282(P2013−85282A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−275464(P2012−275464)
【出願日】平成24年12月18日(2012.12.18)
【分割の表示】特願2008−254837(P2008−254837)の分割
【原出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】