説明

味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤

【課題】味噌又は味噌含有飲食品をより自然で天然感のある良質な香味に改善することができる香味改善剤、及び当該改善剤を用いた味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法を提供することである。
【解決手段】3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンからなることを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤であり、当該香味改善剤を0.0001ppb〜10ppm添加することを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンからなることを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤、並びに当該改善剤を特定量で添加することを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
味噌は、麹の酵素により、大豆の他、米や麦等の原料成分を分解し、あるいはさらに酵母や乳酸菌等で発酵、熟成した含塩大豆発酵食品である。
味噌は、大豆及び米若しくは麦のタンパク質、炭水化物、脂質、それらの分解物並びに塩分等からなり、これらの成分が総合的に作用して、甘味、辛味、旨味、酸味及び苦味の調和した特有の風味を醸し出している。
【0003】
味噌は、本来の調味料的な効果の他、pH緩衝作用、吸着作用あるいは抗酸化作用のような調理作用を有することが知られている。
さらに、最近、抗変異原性、抗腫瘍性、血中コレステロール低下作用、体内過酸化脂質の生成抑制作用、肝臓内解毒作用、胃潰瘍の予防や血小板凝集抑制作用などの様々なヒトに対する生理作用が明らかにされている。
【0004】
こうした様々な機能性が明らかにされている味噌は、手軽に摂取することができる大豆加工食品として、近年の健康志向の高まりによって注目されている。
一方で、味噌は日本古来の調味料であるため、香味に対する消費者の関心は高く、より自然で天然感のある香味を有することが要求されている。
しかしながら、近代的な製造法により量産化され、また、現代的な食品衛生基準に従って製造される味噌の風味は、伝統的な製法によって作られた味噌が有していた馥郁とした豊かな香味を再現することが困難である。
【0005】
さらに、味噌を含有する飲食品(例えば、調味料入り味噌、粉末味噌、味噌風味ドレッシング、味噌風味調味料など)は、より高度な加工が施されるため、その傾向が特に顕著となっている。
従って、味噌を手軽に摂取できるようになった半面、従来の味噌本来の香味の魅力が大きく損なわれている。そのため、消費者の嗜好に合ったより自然で天然感のある良質な香味に改善された味噌製品を開発することが食品産業において極めて重要な課題となっている。
【0006】
そこで、味噌又は味噌を含有する飲食品の香味改善方法として、味噌にヒスチジン、乳酸、カリウム、イノシン酸を配合して「あつみ」及び「こく味」を付与する方法が提案されている(特許文献1)。
また、味噌にヒスチジン、乳酸、カリウム、イノシン酸、グルタミン酸を配合して得られた味噌を用いて、「あつみ」及び「こく味」を付与し、かつ、加熱調理時に生成する好ましくない匂いの抑制された食品を提供する方法が提案されている(特許文献2)。
さらに、味噌に、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得られる有機酸発酵液の濃縮液を配合して「風味」、「コク・熟成感」、「まろやかさ」等を改善する方法も提案されている(特許文献3)。
【0007】
しかしながら、上述した改良技術では、消費者の天然志向にマッチした、自然で天然感のある香味が賦与された味噌又は味噌を含有する飲食品の要望に十分に対応できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−253845号公報
【特許文献2】特開2002−142704号公報
【特許文献3】特開2007−267719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、味噌又は味噌含有飲食品をより自然で天然感のある良質な香味に改善することができる香味改善剤、及び当該改善剤を用いた味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、天然の生味噌に3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンが含まれることを見出した。
そして、その香味特性について検討したところ、意外にも当該化合物が味噌の熟成感、旨味や塩味の濃厚感、呈味の複雑さを増し、味噌の香味を改善する効果を有することを見出し、さらに本発明者は、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンを、味噌又は味噌含有飲食品に極めて微量の濃度で添加することにより、味噌又は味噌含有飲食品を極めて自然で天然感のある良質な香味に改善でき、伝統的な製法で製造された馥郁とした豊かな香味が再現された味噌等の提供が可能になるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンからなることを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤。
〔2〕上記香味改善剤を0.0001ppb〜10ppm濃度添加したことを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品。
〔3〕上記香味改善剤を食品用香料に0.0001ppm〜10%濃度添加したことを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品用の香味料組成物。
〔4〕上記香味改善剤を味噌又は味噌含有飲食品に0.0001ppb〜10ppm添加することを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法。
〔5〕上記香味料組成物を味噌又は味噌含有飲食品に0.01質量%〜1質量%添加することを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の香味改善剤を添加すれば、味噌又は味噌含有飲食品における味噌の熟成感や濃厚感が強く感じられ、風味が豊かとなった結果、味噌の香味が極めて自然で天然感のある良質な香味に改善され、嗜好性向上に大きく貢献するという効果がもたらされる。
その結果、消費者の選択の幅が広がり、大豆加工食品の一層の需要拡大を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
(1)味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤
本発明の有効成分は、下記の化学構造を有する3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンであり、別名をソトロン(sotolon)といい、香料や試薬として市販されている。
本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
【化1】

3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンは、糖蜜香気の主香成分であり、閾値(0.001ppb)付近では糖蜜様芳香を有し、チョコレートやベリー系香料に用いられ、通常は0.1ppm〜10ppmで用いられるとされている(印藤元一「合成香料 化学と商品知識」、1996年、株式会社化学工業日報社)。
しかしながら、当該化合物が味噌又は味噌含有飲食品の香味を改善する効果があることは知られていなかった。
【0014】
3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンを味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤として用いる場合、その添加量は、一般的には、0.0001ppb〜10ppm、好ましくは0.001ppb〜1ppm、さらに好ましくは0.005ppb〜0.5ppmの範囲を例示することができる。
添加量が0.0001ppb未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が10ppmを超えた場合は3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンの香味が浮き出る可能性がある。
なお、味噌含有飲食品については、飲食品中の味噌の量を基準にして上記の添加量が適用される。
【0015】
(2)味噌又は味噌含有飲食品用の香味料組成物
本発明の3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンからなる香味改善剤は、単独で味噌又は味噌含有飲食品に用いることもできる他、任意成分として他の食品用香料を添加することもできる。すなわち、3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンと他の1種又は2種以上の食品用香料とを適宜組合せて味噌又は味噌含有飲食品用の香味料組成物とすることができる。
本発明の香味料組成物に配合される他の成分としては、特に制限は無く、用途や目的に応じて従来から使用されていた種々の香料素材が使用可能であり、具体的にはアルデヒド類、アルコール類、エステル類等の従来公知の香料素材があげられる。
【0016】
その様な食品用香料としては、例えば、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α−アミルシンナムアルデヒド、アントラニル酸メチル、イオノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシアン酸アリル、イソチオシアン酸3−ブテニル、イソチオシアン酸4−ペンテニル、イソチオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸3−メチルチオプロピル、イソチオシアネート類、インドール及びその誘導体、γ−ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクタノール、オクタナール、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、
【0017】
酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、1,8−シネオール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デカナール、デカノール、デカン酸エチル、テルピネオール、
リモネン、ピネン、ミルセン、タピノーレン、テルペン系炭化水素類、γ−ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、
【0018】
フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フェノール類、フルフラール及びその誘導体、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸、ヘキサン酸アリル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、l−ペリラアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、d−ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ−ナフチルケトン、dl−メントール、l−メントール、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロール等の合成或いは天然由来の香料の他、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどシトラス系精油類、
【0019】
アップル、バナナ、グレープ、メロン、ピーチ、パイナップル、ストロベリーなどフルーツ系の精油或いは回収フレーバー、ミルク、クリーム、バター、チーズ、ヨーグルトなど乳系の抽出香料、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココアなど嗜好品系の回収フレーバー、ペパーミント、スペアミントなどミント系の精油、アサノミ、アサフェチダ、アジョワン、アニス、アンゼリカ、ウイキョウ、ウコン、オレガノ、オールスパイス、オレンジノピール、カショウ、カッシア、カモミル、カラシナ、カルダモン、カレーリーフ、カンゾウ、キャラウェー、クチナシ、クミン、クレソン、クローブ、ケシノミ、ケイパー、コショウ、ゴマ、コリアンダー、サッサフラス、サフラン、サボリー、サルビア、サンショウ、シソ、シナモン、シャロット、ジュニパーベリー、
【0020】
ショウガ、スターアニス、スペアミント、セイヨウワサビ、セロリー、ソーレル、タイム、タマネギ、タマリンド、タラゴン、チャイブ、ディル、トウガラシ、ナツメグ、ニガヨモギ、ニジェラ、ニンジン、ニンニク、バジル、パセリ、ハッカ、バニラ、パプリカ、ヒソップ、フェネグリーク、ペパーミント、ホースミント、ホースラディッシュ、マジョラム、ミョウガ、ラベンダー、リンデン、レモングラス、レモンバーム、ローズ、ローズマリー、ローレル、ワサビなどから得られる香辛料抽出物、アイスランドモス、アカヤジオウ、アケビ、アサ、アサフェチダ、アジアンタム、アジョワン、アズキ、アスパラサスリネアリス、アップルミント、アーティチョーク、アニス、アボカド、アマチャ、アマチャズル、アミガサユリ、アミリス、アーモンド、アリタソウ、
【0021】
アルカンナ、アルテミシア、アルニカ、アルファルファ、アロエ、アンゴスツラ、アンゴラウィード、アンズ、アンズタケ、アンゼリカ、アンバー、アンバーグリス、アンブレット、イカ、イカリソウ、イグサ、イースト、イタドリ、イチゴ、イチジク、イチョウ、イノコヅチ、イランイラン、イワオウギ、インペラトリア、インモルテル、ウィンターグリーン、ウォータークレス、ウコギ、ウコン、ウスバサイシン、ウッドラフ、ウニ、ウメ、ウーロンチャ、エゴマ、エノキダケ、エビ、エビスグサ、エリゲロン、エルダー、エレウテロコック、エレカンペン、エレミ、エンゴサク、エンジュ、エンダイブ、欧州アザミ、オウレン、オオバコ、オカゼリ、オキアミ、オーク、オークモス、オケラ、オスマンサス、オポポナックス、オミナエシ、オモダカ、
【0022】
オランダセンニチ、オリガナム、オリス、オリバナム、オリーブ、オールスパイス、オレンジ、オレンジフラワー、カイ、カイニンソウ、カカオ、カキ、カサイ、カシューナッツ、カスカラ、カスカリラ、カストリウム、カタクリ、カツオブシ、カッシー、カッシャフィスチュラ、カテキュ、カニ、カーネーション、カノコソウ、カモミル、カヤプテ、カラシ、カラスウリ、カラスビシャク、ガラナ、カラムス、ガランガ、カーラント、カリッサ、カリン、カルダモン、ガルバナム、カレー、カワミドリ、カンゾウ、ガンビア、カンラ
ン、キウィーフルーツ、キカイガラタケ、キキョウ、キク、キクラゲ、キササゲ、ギシギシ、キダチアロエ、キナ、キハダ、キバナオウギ、ギボウシ、ギムネマシルベスタ、キャットニップ、キャラウェー、キャロップ、キュウリ、キラヤ、
【0023】
キンミズヒキ、グァバ、グァヤク、クコ、クサスギカズラ、クサボケ、クズ、クスノキ、クスノハガシワ、グーズベリー、クチナシ、クベバ、クマコケモモ、グミ、クミン、グラウンドアイビー、クララ、クラリセージ、クランベリー、クリ、クルミ、クリーム、グレインオブパラダイス、クレタディタニー、グレープフルーツ、クローバー、クローブ、クロモジ、クワ、クワッシャ、ケイパー、ゲットウ、ケード、ケブラコ、ゲルマンダー、ケンチュール、ケンポナシ、ゲンノショウコ、コウジ、コウダケ、コウチャ、コウホネ、コカ、コガネバナ、コクトウ、コクルイ、ココナッツ、ゴシュユ、コショウ、コスタス、コストマリー、コパイパ、コーヒー、コブシ、ゴボウ、ゴマ、コーラ、コリアンダー、コルツフート、ゴールデンロッド、コロンボ、コンサイ、
【0024】
コンズランゴ、コンフリー、サイプレス、魚、サクラ、サクランボ、ザクロ、サケカス、ササ、ササクサ、サーチ、サッサフラス、サフラン、サポジラ、サボテン、サラシナショウマ、サルサパリラ、サルシファイ、サルノコシカケ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、サンタハーブ、サンダラック、サンダルウッド、サンダルレッド、シイタケ、ジェネ、シソ、シダー、シトラス、シトロネラ、シヌス、シベット、シマルーバ、シメジ、シャクヤク、ジャスミン、ジャノヒゲ、ジャボランジ、シャロット、シュクシャ、ジュニパーベリー、ショウガ、ショウユ、ショウユカス、ジョウリュウシュ、ショウロ、シロタモギタケ、ジンセン、シンナモン、酢、スイカ、スイセン、スギ、スターアニス、スターフルーツ、スチラックス、スッポン、スッポンタケ、ズドラベッツ、
【0025】
スネークルート、スパイクナード、スプルース、スペアミント、スベリヒユ、スローベリー、セイボリー、セキショウ、セージ、ゼドアリー、セネガ、ゼラニウム、セロリー、センキュウ、センタウリア、センゲン、セントジョーンズウォルト、センナ、ソース、ダイオウ、ダイズ、タイム、タケノコ、タコ、タデ、ダバナ、タマゴ、タマゴタケ、タマネギ、タマリンド、ダミアナ、タモギタケ、タラゴン、タラノキ、タンジー、タンジェリン、タンポポ、チェリモラ、チェリーローレル、チェリーワイルド、チガヤ、チコリ、チーズ、チチタケ、チャイブ、チャービル、チャンパカ、チュベローズ、チョウセンゴミシ、チラータ、ツクシ、ツケモノ、ツタ、ツバキ、ツユクサ、ツリガネニンジン、ツルドクダミ、ディアタング、ティスル、ディタニー、ディル、デーツ、
【0026】
テンダイウヤク、テンマ、トウガラシ、トウキ、ドウショクブツタンパクシツ、ドウショクブツユ、トウミツ、トウモロコシ、ドクダミ、トチュウ、ドッググラス、トマト、ドラゴンブラッド、ドリアン、トリュフ、トルーバルサム、トンカ、ナギナタコウジュ、ナシ、ナスターシャム、ナッツ、ナットウ、ナツメ、ナツメグ、ナデシコ、ナメコ、ナラタケ、ニアウリ、ニュウサンキンバイヨウエキ、ニンジン、ニンニク、ネズミモチ、ネットル、ネムノキ、ノットグラス、バイオレット、パイナップル、ハイビスカス、麦芽、ハコベ、バジル、ハス、ハスカップ、パースカップ、パセリ、バター、バターオイル、バターミルク、バーチ、ハチミツ、パチュリー、ハッカ、バックビーン、ハッコウシュ、ハッコウニュウ、ハッコウミエキ、パッションフルーツ、ハツタケ、
【0027】
バッファローベリー、ハトムギ、ハナスゲ、バナナ、バニラ、ハネーサックル、パパイヤ、バーベリー、ハマゴウ、ハマスゲ、ハマナス、ハマボウフウ、ハマメリス、バラ、パルマローザ、バンレイシ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒソップ、ヒッコリー、ピーナッツ、ヒノキ、ヒバ、ピプシシワ、ヒメハギ、ヒヤシンス、ヒラタケ、ビワ、ビンロウ、フェイジョア、フェネグリーク、フェンネル、フジバカマ、フジモドキ、フスマ、フーゼルユ、プチグレイン、ブチュ、ブドウ、ブドウサケカス、フトモモ、ブナ、ブナハリタケ
、ブラックキャラウェイ、ブラックベリー、プラム、ブリオニア、プリックリーアッシュ、プリムローズ、プルネラ、ブルーベリー、ブレッドフルーツ、ヘイ、ベイ、ヘーゼルナッツ、ベチバー、ベーテル、ベニバナ、ペニーロイヤル、
【0028】
ペパーミント、ヘビ、ペピーノ、ペプトン、ベルガモット、ベルガモットミント、ペルーバルサム、ベルベナ、ベロニカ、ベンゾイン、ボアドローズ、ホアハウンド、ホウ、ホウキタケ、ホウショウ、ボウフウ、ホエイ、ホオノキ、ホースミント、ホースラディッシュ、ボタン、ホップ、ポピー、ポプラ、ポポー、ホホバ、ホヤ、ボルドー、ボロニア、マイタケ、マグウォルト、マシュマロー、マジョラム、マスティック、マソイ、マタタビ、マチコ、マツ、マツオウジ、マッシュルーム、マツタケ、マツブサ、マツホド、マテチャ、マメ、マリーゴールド、マルバダイオウ、マルメロ、マレイン、マロー、マンゴー、マンゴスチン、ミカン、ミシマサイコ、ミソ、ミツマタ、ミツロウ、ミート、ミモザ、ミョウガ、ミルク、ミルテ、ミルフォイル、ミルラ、ミロバラン、ムギチャ、ムスク、ムラサキ、メスキート、メドウスィート、メハジキ、
【0029】
メープル、メリッサ、メリロット、メロン、モウセンゴケ、モニリアバイヨウエキ、モミノキ、モモ、モロヘイヤ、ヤクチ、ヤマモモ、ユーカリ、ユキノシタ、ユズ、ユッカ、ユリ、ヨウサイ、ヨロイグサ、ライオンズフート、ライチ、ライフエバーラスティングフラワー、ライム、ライラック、ラカンカ、ラカンショウ、ラズベリー、ラタニア、ラディッシュ、ラブダナム、ラベンダー、ラングウォルト、ラングモス、ランブータン、リキュール、リーク、リツェア、リナロエ、リュウガン、リョウフンソウ、リョクチャ、リンゴ、リンデン、リンドウ、ルー、ルリジサ、レセダ、レモン、レモングラス、レンギョウ、レンゲ、レンブ、ローズマリー、ロベージ、ローレル、ロンゴザ、ワサビ、ワタフジウツギ、ワームウッド、ワームシード、ワラビ、ワレモコウなどから得られる天然香料などが例示され、適宜選択して使用される。
【0030】
3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンからなる香味改善剤を上記食品用香料と組合せて、味噌又は味噌含有飲食品用の香味料組成物を調製する場合における香味改善剤の添加量は、その目的あるいは香味料組成物の種類によって異なるものの、一般的には、香味料組成物全体量の0.0001ppm〜10%で用いられ、好ましくは0.001ppm〜5%で用いられ、より好ましくは0.001ppm〜1%で用いられ、さらに好ましくは0.005ppm〜5000ppmで用いられ、最も好ましくは0.005ppm〜1000ppmで用いられる。
添加量が0.0001ppmを未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が10%を超えた場合は3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
【0031】
本発明の香味料組成物の味噌又は味噌含有飲食品への添加量は、通常は0.01質量%〜1.0質量%で用いられ、好ましくは0.01質量%〜0.5質量%で用いられ、より好ましくは0.05質量%〜0.5質量%で用いられ、さらに好ましくは0.05質量%〜0.3質量%で用いられ、最も好ましくは0.05質量%〜0.1質量%で用いられる。
添加量が0.01質量%未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が1.0質量%を超えた場合は3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンの香味が浮き出る可能性がある。
なお、味噌含有飲食品については、飲食品中の味噌の量を基準にして上記の添加量が適用される。
【0032】
(3)味噌、味噌含有飲食品
本発明の香味改善の対象とされる味噌は、米味噌(原材料が大豆、米、食塩)、麦味噌(原材料が大豆と、大麦等の麦、食塩)、豆味噌(原材料が大豆、食塩)の他、調味味噌
類(出汁、各種エキス、調味料、食塩、砂糖などを加えて加工したもの)である。
また、味噌含有飲食品は、即席みそ汁や味噌風味のインスタント麺、鍋料理用スープ、焼きおにぎりなど味噌を使用した食品類、甜面醤や豆板醤など中華風調味料、および中華風調味料を使用した食品類、焼肉のたれ、味噌風味のせんべい、まんじゅう、ビスケット、パン、アイスクリーム、スープ、各種スナック食品類などである。
【実施例】
【0033】
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0034】
[実施例1]
3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン(4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジヒドロフラン−2−オン(シグマ−アルドリッチ社製)の100ppmエタノール溶液を調製し、味噌懸濁液(市販の米味噌(ハナマルキ株式会社製)に水を加え10質量%に調製したもの)に0.1質量%添加し、本発明の香味改善剤を0.1ppm含有する味噌懸濁液1を調製した。
【0035】
[比較例1]
実施例1の3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンの代わりにエチルアルコールを配合して本発明の香味改善剤を含有しない味噌懸濁液2を調製した。
【0036】
[実施例2]
3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン(4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−2,5−ジヒドロフラン−2−オン(シグマ−アルドリッチ社製)の100ppmエタノール溶液を調製し、即席味噌汁(市販の即席味噌(ハナマルキ株式会社製)に水を加え10質量%に調製したもの)に0.1質量%添加し、本発明の香味改善剤を0.1ppm含有する即席味噌汁1を調製した。
【0037】
[比較例2]
実施例2の3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンの代わりにエチルアルコールを配合して本発明の香味改善剤を含有しない即席味噌汁2を調製した。
【0038】
[実施例3]
下記処方により本発明の香味料組成物1を得た。
【0039】
【表1】

【0040】
[比較例3]
実施例3の3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンの代わりにエチルアルコールを配合して香味料組成物2を得た。
【0041】
[試験例1]
本発明の香味改善剤を0.1ppm含有する味噌懸濁液1、本発明の香味改善剤を含有しない味噌懸濁液2について9名の専門パネラーにより、味噌の熟成感、濃厚感、風味の豊かさを以下の7段階で評価した。
1点(極めて弱い)、2点(弱い)、3点(やや弱い)、4点(普通)、5点(やや強い)、6点(強い)、7点(極めて強い)。
その結果、専門パネラーの全員が本発明品である香味改善剤を添加した味噌懸濁液1は、味噌の熟成感や濃厚感が強く感じられ、風味が豊かとなった結果、味噌の香味が改善され嗜好性が向上すると評価した。詳細を表2に示した。
【0042】
【表2】

【0043】
[試験例2]
本発明の香味改善剤を0.1ppm含有する即席味噌汁1、本発明の香味改善剤を含有しない即席味噌汁2について9名の専門パネラーにより、味噌の熟成感、濃厚感、風味の豊かさを以下の7段階で評価した。
1点(極めて弱い)、2点(弱い)、3点(やや弱い)、4点(普通)、5点(やや強
い)、6点(強い)、7点(極めて強い)。
その結果、専門パネラーの全員が本発明品である香味改善剤を添加した即席味噌汁1は、味噌の熟成感や濃厚感が強く感じられ、風味が豊かとなった結果、即席味噌汁の香味が改善され嗜好性が向上すると評価した。詳細を表3に示した。
【0044】
【表3】

【0045】
[実施例4]
強力粉1400質量部に水に溶解させた生イースト40質量部を加えてよく撹拌し、28℃、4時間発酵させた。得られた生地に強力粉600質量部、砂糖100質量部、市販の味噌100質量部、食塩30質量部、実施例3で調製した香味料組成物1および比較例3で調製した香味料組成物2を0.1質量部添加し、生地をよくこねた後、容器に詰め、38℃、40分間発酵後、220℃、40分間焼成し、本発明の味噌入り食パン1および比較品の味噌入り食パン2を得た。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、味噌入り食パン1の方が味噌の熟成感や濃厚感が強く感じられ、風味が豊かとなり嗜好性が向上した。
【0046】
[実施例5]
ショートニング15質量部、砂糖30質量部、全卵3質量部、食塩1質量部、味噌0.5質量部、実施例3で調製した香味料組成物1または比較例3で調製した香味料組成物2を0.1質量部添加し、30分間撹拌後、30分間エージングを行った。得られた生地を型に流し入れ、220℃、5分焼成し、本発明の味噌入りハードビスケット1及び比較品の2を調製した。
専門パネラー7名による官能評価試験を行ったところ、味噌入りハードビスケット1の方が味噌の熟成感や濃厚感が強く感じられ、風味が豊かとなり嗜好性が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の添加剤及び香味料組成物を味噌又は味噌含有飲食品に使用した場合、味噌又は味噌含有飲食品を極めて自然で天然感のある良質な香味に改善でき、より一層の天然感が感じられる飲食品を消費者に提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノンからなることを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善剤。
【請求項2】
請求項1記載の香味改善剤を0.0001ppb〜10ppm濃度添加したことを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品。
【請求項3】
請求項1記載の香味改善剤を食品用香料に0.0001ppm〜10%濃度添加したことを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品用の香味料組成物。
【請求項4】
請求項1記載の香味改善剤を味噌又は味噌含有飲食品に0.0001ppb〜10ppm添加することを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法。
【請求項5】
請求項3記載の香味料組成物を味噌又は味噌含有飲食品に0.01質量%〜1質量%添加することを特徴とする味噌又は味噌含有飲食品の香味改善方法。