説明

味覚強化伝達をもたらす容器

【課題】人の口の液体と接触することによって飲料の開封時に放出するための可食風味強化コーティングが提供される飲料のための容器を提供すること。
【解決手段】より詳しくは、本発明は、飲料容器内の中身を飲むまたは注ぐ直前にまたはその間に味覚受容体を刺激するような方法で、飲料容器の開封時にだけ人の口の液体または飲むことになる飲料と接触することによって溶解する水溶性可食風味強化コーティングを提供される部分が飲むための口の中に置かれている容器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料容器に係り、より詳しくは、可食風味強化コーティングが提供される飲料のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、飲料は、混ぜ合わされたときの味のために製造時に製造業者によって風味成分と混合される。この目的のために、飲料添加物は典型的には、所望の風味を与えるために製造中に製造業者によって飲料とすぐに混ぜ合わされるが、しかしながらそのような味強化手法は、経年変化によっておよび風味成分と飲料それ自体との間の否定的な化学的相互作用によって制限される可能性があり、その相互作用は、その2つが混合物として一緒に貯蔵されると時間とともに増加する傾向があることもある。同様に、自然風味の精油などのある風味成分は、もし保護するようにカプセル化されないならば、製造時から消費時点までに効能を失う傾向がある。
【0003】
さらに、製造時での風味添加物および飲料キャリアの混合を通じて風味を提供する周知の手法では、人の味覚受容体は、もし香味料が飲料の消費の直前および/または同じ時に与えられるならば実現されることもあるなどのような最適風味感覚を受け取らない。例えば、ビールおよび炭酸水を飲む人は、事前に風味付けされたレモンまたはライム飲料が、実際にレモンまたはライムのウェッジを消費の直前に飲料に加えるのと同じほどおいしくないことを理解する。消費時でよりもむしろ、製造時でのそのような混合は、飲料と香味料との間で時間とともに生じる化学反応のために、およびカプセル化されなかったまたはさもなければ飲料の貯蔵中に保存されなかった香味料に固有の新鮮さの欠如のために、新鮮でないまたは気の抜けた風味付加物をしばしばもたらす。この目的のために、消費時に風味成分を実際に与えることの即時性は、飲料を消費する個人の味覚受容体に容器中の実際の中身を超えるはるかにより新鮮で、異なるおよび/または補足的な味覚を感知できるように提示することができる。
【0004】
それと明らかに対照的に、発明性のある味覚強化容器は、人の味覚受容体をよりすぐに刺激するために、実際の中身が容器から消費されている間にすぐに人の味覚受容体を刺激するための風味薬剤または付加物の準備および放出によって飲料の味が改善されることを可能にすることになる。そのような風味付加物は、容器の開封より前に飲料の中身との接触を避けるような方法で、容器の口のすぐ近くに噴霧される、水溶性キャリア中にカプセル化されるまたは懸濁されてもよく、容器の開封時には、噴霧される、水溶性キャリアもしくはフィルム中にカプセル化されるまたは懸濁される風味付加物は、人の口および/または実際それが容器から注がれまたは飲まれると飲料の中身との接触によってすぐに溶解されてもよい。そのようなものとして提供されるとき、発明性のある味覚強化容器は、容器中の実際の中身の消費時に人の味覚受容体を刺激し、開封された容器からの飲料の放出時にのみ混合されるより新鮮で、より即時性の香味料をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,689,417号
【特許文献2】米国特許第6,197,353号
【特許文献3】米国特許第4,229,482号
【特許文献4】米国特許第3,824,322号
【特許文献5】米国特許公開第2006/0024425号
【特許文献6】米国特許第7,435,439号
【特許文献7】米国特許公開第2010/0272864号
【特許文献8】米国特許出願第2002/018722号
【特許文献9】米国特許第5,827,553号
【特許文献10】国際公開第93/15116号
【特許文献11】米国特許出願公開第2010/0055267号
【特許文献12】米国特許第6,887,493号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、人の口の液体と接触することによって飲料の開封時に放出するための可食風味強化コーティングが提供される飲料のための容器を提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、製造時に飲料溶液内に風味付加物を事前混合することに焦点を合わせる手法に存在する欠点を克服する発明性のある味覚強化表面コーティングを備える飲料容器に関する。発明性のある味覚強化表面コーティングは、飲料容器の口または縁に供給され、飲料容器の開封時および人の口が容器と接触するときにのみ風味付加物が準備され、放出されることによって、ならびに、それほどではないにせよ注がれる飲料との流体連結を通じて飲料の味が改善されることを可能にすることになる。そのようなものの提供は、人の味覚受容体をよりすぐに刺激するためにおよび風味効能を保存するように、容器から消費されている中身を実際に分注する間にすぐに人の味覚受容体を刺激することを可能にする。容器の開口上のまたはすぐ近くの発明性のある味覚強化表面エリアの状況は、開封より前は容器に含有されるような飲料流体から相対的に分離されるようになされ、飲料容器の口の周りに円周状に置かれるエリアを提供し、その結果飲料が消費されるとき、それは、消費者の唇または口に自然に置かれるような(または人の口の液体が、人の味蕾を刺激する味覚エンハンサーを活性化するような)位置にあるが、しかしそれが分注されると飲料流体と流体接続するように、なお容器の開封より前は外部要素(環境)および実際の飲料の両方から分離される。従って、発明性のある味覚強化表面コーティングは、容器の縁または口に被覆され、そのため飲料流体およびまたは消費者の唾液が前述のものと接触すると、味覚強化表面コーティングは、溶解して中に含有される人の味蕾を刺激する風味強化物を放出し始め、風味付加物の即座のおよび継続する混合を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ボトル口の狭いバンドに沿って塗布された発明性のある味覚強化表面コーティングを有する引上げ式ボトルの側面図を例示する図である。
【図2】ボトル口の狭いバンド(斜交平行線によって示される)に沿って塗布された発明性のある味覚強化表面コーティングを有するねじぶた式ボトルの上部の部分的オフセット図を例示する図である。
【図3A】缶口の縁の狭いバンド(斜交平行線によって示される)に沿って塗布された発明性のある味覚強化表面コーティングを有する缶の上端面を例示する図である。
【図3B】狭いバンド(斜交平行線によって示される)に沿ってその上に塗布された発明性のある味覚強化表面コーティングを覆って缶口に塗布された保護シールを有する缶を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明性のあるコーティングからの風味強化物の放出は、容器に被覆されたキャリア内の所望の付加物で味覚受容体を刺激して、飲料容器中の液体の消費より前に、および消費中に容器から所望の感覚を人の味覚受容体に与える。味覚強化表面コーティングは、飲料容器に提供されるとき、味覚受容体への最大感覚を達成するために人の口の中に置かれる部分の周りに実質的に円周状に広がる。容器は、飲むために使用される開口(口または縁)を備える主液体チャンバーを有する。この表面エリアは、味覚強化表面コーティングで被覆される。ほんの一例として、主チャンバーが、液体(「アイスティー」、「ビール」、または「ソーダ」など)で満たされ、口(例えば、容器の縁または口)の中に置かれる容器の部分が、発明性のある味覚強化表面コーティングによる補足的な香味料(この場合は、「レモン」または「ライム」が選択されてもよい)で被覆できるとき、その結果被覆エリアが、流体を飲むことによって人の口の中に置かれるとき、味覚強化表面コーティングは、必然的に人の口の流体と接触することになり、それの水溶性に起因して分解されることになって、人の味蕾を所望の香味料(この場合は「レモン」または「ライム」)で刺激し、それに応じて、飲む人の味覚受容体は、その香味料感覚で刺激されることになる。加えて、容器が、口の中に置かれるとき、人の味覚受容体は、最初に容器上の味覚強化表面コーティングから香味料(「レモン」または「ライム」)の感覚を取得し、次いで注がれるとき飲料容器から中身のアイスティー(また今ではその上香味料とも混合されている)を取得することになる。味蕾エンハンサー容器は、かんきつ類(レモン、ライム、オレンジ)、果物(パッション・フルーツ、サクランボ、リンゴ、パイナップル、ブルーベリー、クランベリー、アサイー・ベリー)、アミノ酸、酸、苦味剤、栄養補助食品、食塩、付加的甘味料(蜂蜜、砂糖、ステビア)または容器に含有される飲み物に従って味覚受容体を刺激するための任意の他の所望の香味料などの香味料を含有してもよい。
【0010】
従って、容器上の味覚強化表面コーティングは、事前作用(液体(飲料)が飲む人の口に注がれる直前に唇に接触して置かれるときの即時の味)としておよび/または同時作用(液体が飲まれているとき液体は被覆エリアを越えて注がれているので、表面コーティングが液体と混合するまたは液体で溶解するような)として人の受容体を誘発する。味の感覚は、味覚受容体の興奮の結果であり、味の受容に寄与する多数の特定の化学物質のための受容体は、識別されている。この複雑さにもかかわらず、5種類の味が、人によって一般に認識される。
・甘味−通常高エネルギー栄養物を指す。
・うま味−アミノ酸の味(例えば、肉汁または熟成チーズ)
・塩味−電解質平衡のための調節ダイエットを可能にする。
・酸味−典型的には酸の味
・苦味−多様な天然毒素の感知を可能にする。
これらの香味料または薬剤は、容器内の中身を強化する所望の結果を達成することになる人の味覚を誘発するように味覚強化表面コーティング上に置かれる、またはその中に混合されてもよい。
【0011】
上記のことによると、それの説明に役立つ最も広いレベルでは、本発明は、味覚強化表面コーティング方法の提供、ならびにまた飲料を分注するための口を有する飲料容器であって、その容器はアルミニウムまたはガラスから形成される、飲料容器と、飲料の開封より前に飲料との接触を避けるような方法で封入手段によって覆われるようにかつ飲料の開封より前に外部要素への露出を避けるように狭い円周バンドに沿って口に塗布される可食風味コーティングとを含み、その可食風味コーティングは、次の(a)可食フィルム形成剤および可食フィルム形成剤を口に接着するための可食接着剤、(b)噴霧乾燥生成物を口に接着するために水溶性キャリアで接着される噴霧乾燥生成物、(c)果糖、ブドウ糖、またはセルロースに基づく成分から準備され、その中に混合された風味成分を有する水溶性キャリア、または(d)その中に均質に分散される複数の微小球を有する水溶性キャリアの少なくとも1つを含む群から形成される、飲料容器の開封時に即時溶解するための水溶性味覚強化表面コーティングを備える飲料容器の提供にも関する。追加の実施形態では、前述の可食フィルム形成剤は、加水分解グアー・ガム、加水分解ローカスト・ビーン・ガム、加水分解カラマツ・ガム、加水分解カラギーナン、加水分解アラビア・ゴム、加水分解トラガカント・ゴムおよびそれらの組合せから成る群から選択される低粘度加水分解植物ガムで構成されてもよく、可食接着剤は、(a)重量で約18%から約71%の加工でんぷん、(b)重量で約27%から約80%のマルトデキストリン、(c)重量で約0.01%から約7%の界面活性剤、および(d)重量で約0.02%から2.5%の多糖で構成され、低粘度加水分解植物ガムは、前記可食フィルムの重量で約2%から約60%の量で存在し、低粘度植物ガムは、約10,000cpsに至るまでの粘度を有し、また微結晶性セルロース、セルロース高分子、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、粉末石灰石、ケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、粘度、滑石、二酸化チタン、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウムおよびそれらの組合せから成る群から選択されるフィラーを含んでもよく、フィラーは、可食フィルムの重量で約2%から約30%の量で存在する。加えて、可食フィルムは、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、ポリエチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、水素化でんぷん加水分解物、コーン・シロップ、トリアセチン、グリセロール・オレイン酸塩、蔗糖脂肪酸エステル、ネオビー(Neobee)オイルおよびそれらの組合せから成る群から選択され、前記可食フィルムの重量で約20%に至るまでの量で存在する軟化剤と、香味料と、レシチン、脂肪酸、モノグリセリド、ジアシルグリセリド、ポリグリセロール・エステル、ポリエチレン・ソルビタン・エステル、プロピレン・グリコール、ソルビタン・モノパルミテート、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、酵素修飾レシチン、水酸化レシチン、およびそれらの組合せから成る群から選択され、可食フィルムの重量で約0.1%から約3%存在する乳化剤と、甘味料とをさらに含んでもよい。なおさらなる実施形態では、噴霧乾燥生成物は、次の、乾燥重量基準で約10%から約30%に従って提供される、精油、トップノート(top−note)、またはアルデヒド、ケトン、エステルの混合物から成る風味化合物の少なくとも1つを含む風味付加物と、重量パーセントで約50%から約80%に従って提供される加工でんぷんと、重量パーセントで約5%から約30%に従って提供される甘味料とで構成されてもよい。さらなる実施形態では、複数の微小球は、活性薬剤を含有し、感湿マトリクス材で形成されるコーティング中に提供されてもよく、感湿マトリクス材は、水溶性合成高分子、水分散性合成高分子、でんぷん誘導体、天然ガム、多糖、タンパク質、親水コロイドおよびそれらの混合物から成る群から選択され、微小球は、その後に前記活性約剤を放出するように湿気との接触時に溶解し、水溶性合成高分子は、ポリビニル・ピロリドン、水溶性セルロース、ポリビニル・アルコール、エチレン・無水マレイン酸共重合体、メチルビニル・エーテル・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸およびメタクリル樹脂のアニオン性重合体、ジメチル−アミノエチル・アンモニウム官能基とのカチオン性重合体、ポリエチレン・オキシド、水溶性ポリアミドおよびポリエステルならびにそれらの混合物から成る群から選択されてもよい。さらに、微小球は、活性薬剤の噴出を提供するために有効量の活性薬剤を放出するように提供されてもよく、活性薬剤は、風味物質(flavorant)、感覚マーカー、または栄養補助食品の1つまたは複数から選択され、風味物質は、結晶性成分、乳製品成分、スパイス、天然香味料、人工香味料、増粘剤、タンパク体、植物ガムおよびそれらの組合せから成る群から選択される。
【0012】
口の中に(またはさもなければ飲料が注がれている間流体接続して)置かれる容器開口部分は、味覚強化表面コーティング溶液を噴霧され、塗られまたはその中に浸され、その溶液は、多くの異なる方法で製造されてもよいが、しかし説明に役立つほんの一実施形態では、水溶性果糖、ブドウ糖、またはセルロースに基づく成分から単に混ぜ合わせて作られてもよく、所望の事前作用味覚受容体感覚を達成するために他の成分および天然または人工香味料と混合されてもよい。味覚強化表面コーティングは、いったん容器開口に塗布されると、味覚強化表面コーティング香味料を保存するために乾燥され、キャップ(ボトルの場合は)または別法としてリフトオフ・シール(もしアルミニウム缶上に置かれるなら)によって覆われ、その結果味覚強化表面コーティングを備える部分は、それが消費される準備ができるまで露出されない。容器が、消費される準備ができると、キャップは、除去され、容器開口は、飲む人の口の中に置かれ、その結果容器が口の中の唾液および/または液体と接触するとき、容器上の水溶性味覚強化表面コーティングは、湿らされ、それによって容器上の味覚強化表面コーティング中の所望の香味料を放出し、誘発し、その香味料は次に、人の味覚受容体を刺激する。
【0013】
一実施形態では、味覚強化表面コーティング容器製造プロセスは、ねじ口、およびキャップ、またはタブ開口を有する標準的容器とほとんど同じであってもよい。味覚強化表面コーティングは、いったん容器が飲料製造仕様書に合わせて生産されると、容器に追加されることになる増加物である。飲料容器は、プラスチック、ガラスまたはアルミニウムであろうと、それらのそれぞれの分注口を、円形(典型的にはガラスまたはプラスチック・ボトル)、卵形/細長い卵形または丸まった長方形(典型的にはアルミニウム缶)であろうと、有することになる。これらの場合のいずれでも、本手法は、容器が開封されたとき飲料が注がれる開口のすぐ近くの円周エリアが、発明性のある味覚強化表面コーティングで被覆されることになるので同じこととなる。開口(口)の特定の形状にかかわらず、味覚強化表面コーティングは、開封より前に飲料の中身から、ならびに開封より前に外部環境または要素からの両方から前述のものを分離するように位置付けられまたは塗布されることとなることに留意することが重要である。図1および2を参照すると、ボトルの場合には、味覚強化表面コーティングは、ボトル1の口の上部縁を取り囲む狭いバンド3に塗布されることになり、その中でさらに描写されるように、そこから下方に垂直のまたはテーパー状に傾斜した壁4に沿って延びてもよい。どちらの場合にも、味覚強化表面コーティングが開封より前に飲料と接触しないようにするために、味覚強化表面コーティングが飲料容器の首の内面側に遠く広がり過ぎることを許容しないように、また生産時にボトルにシールされるときキャップ(描画されず)が覆う範囲の外側に広がるのを避けるために、垂直のまたはテーパー状に傾斜した壁4の下方に遠く広がり過ぎないように、その結果味覚強化表面コーティングもまた外部環境から分離されるように、狭いバンド3は、味覚強化表面コーティングがその中に含有されることになるように描かれることがわかる。そのようなものの提供は、味覚強化表面コーティングをそれの活性薬剤および/または水溶性キャリアが早期に活性化されかつ/または溶解されることから保護し、その事象は、味覚強化体験を弱めることになるだけでなく、揮発性精油の場合には、また前述のものの効能の低減を引き起こす可能性もあり、また風味プロファイルを害することもある。
【0014】
同様に、図3aで見られるように、アルミニウム飲料缶もまた、分注タブおよび口5が標準的アルミニウム缶の内部から飲料を分注するために設けられる缶の上部で少なくとも前方または縁部分の跡をたどる狭いバンド3’に沿って味覚強化表面コーティングを提供されてもよい。缶とボトルとの間の比較的異なる飲む動力学を考えると、上で述べたボトル1と違い、狭いバンド3’は、缶の口5の全円周エリアの跡をたどる必要はない。さらに、缶は普通、味覚強化表面コーティングを覆い、保護するためのねじぶた式またはポップオフ式キャップを有さないので、味覚強化表面コーティングの塗布は、ボトルのそれとは異なってもよい。この目的のために、図3bは、オプションの実施形態を描写し、この場合缶の口5に塗布される狭いバンド(図3aでは隠されている)に沿った味覚強化表面コーティングは、プラスチック・フィルムまたは同様のものでできた保護シール7を提供されてもよく、その保護シールは、缶を開封する前に消費者が引っ張って外すことができる解放可能な接着剤9によって固定される。いったん保護シール7が、缶の上部から引っ張って外されると、下部に保護するように分離された味覚強化表面コーティングは、露出されることになり、いったん消費者が、缶を開け、飲料を注ぎまたは直接飲み始めると、飲料にさらされる準備ができていることになる。いずれの場合にも、保護シール7による実際の被覆の形状、サイズ、および位置の説明に役立つ描写は、分注タブおよび口5の種類に応じておよび味覚強化表面コーティングが塗布される結果として生じるまたは所望のエリアの広さに応じて、大きく変化してもよいことに留意されたい。
【0015】
所与の容器への味覚強化表面コーティングの実際の塗布に関して、いったん容器が製造されると、容器は普通、味覚強化表面コーティングを受け入れるように殺菌され、乾燥される。その後、味覚強化表面コーティングは、いくつかの異なる手法を通じて容器の殺菌された狭いバンド3、3’に塗布されてもよい。
【0016】
1つの簡単な手法は、狭いバンド3、3’上に少なくとも結果として得られる最少約1ミルのコーティングを作製するように、缶またはボトルを、一回または複数回、容器の狭いバンド3、3’に関して、約1/8インチの垂直浸漬で液化水溶性キャリア混合物中に浸すことを含む。これは、容器が逆さまである間に行われてもよく、その結果味覚強化表面エリア(複数可)が、塗布され、次いで空冷し、少なくとも約1分間硬化を始めることを許され(もし所望なら、任意の噴霧乾燥材料の追加を可能にするように)かつ/または乾燥および固化するために約10秒間混合物をさらす熱い(例えば、約200°Fまたはそれ以上)強制空気乾燥器中に置かれてもよい。飲料容器はまた、「Method for coating and drying」と題する米国特許第6,689,417号で例示されるそれなどの他の方法で、または「Gluten−derived colloidal dispersions, edible coatings therefrom and method of making」と題する米国特許第6,197,353号で述べられるような、グルテン誘導タンパク質および/またはペプチドの微小粒子を含有するコロイド分散液を形成することによって被覆されてもよく、各々の明細書は、これによってすべて参照により全体として組み込まれる。
【0017】
液化水溶性キャリア混合物の準備に関して、説明に役立つ(甘味のある)一実施形態では、組成物は、これらの比に従って次の例となる成分の比であらかじめ混合されてもよい、すなわち1割合の果糖、蔗糖、ブドウ糖および/またはセルロースに基づく成分、1/2割合の明るいコーン・シロップ、1/2割合の水、1/48割合の抽出物(バニラ、ミント、シナモン、ココナツ、レモン、その他)、1/48割合の食品着色剤(オプション)。果糖、蔗糖、ブドウ糖および/またはセルロースに基づく成分は、容器中でコーン・シロップおよび水と混ぜ合わされ、どんな微粒子状成分も溶解するまで中〜高熱源の上で加熱されてもよく、その後混合物は、295°F(ハードクラック段階)に達するまで、かき回すことなく、沸騰状態にされてもよい。いったん混合物が、295°Fに達すると、選り抜きの抽出物、およびもし所望ならば食品着色剤が、その後追加されることになる。そのようなものとして提供されるとき、液化水溶性キャリアは、上で論じたように容器に直接塗布されるべき味覚強化表面コーティングと見なされてもよい。このキャリアはまた、以下でさらに論じるように、完全な冷却および硬化より前に存在する温かい粘着性表面への接着を確実にするように、完全な冷却より前にそれに塗布される噴霧乾燥粉末などの追加の付加物を有してもよい。同様の手法はまた、「lollipop and Method of Manufacturing of Same」と題する米国特許第4,229,482号、および「Flavored Stirrer for Alcoholic Beverages」と題する米国特許第3,824,322号で見いだされるそれらなどの手法による他の実施形態でも熟考され、両方の明細書は、これによって参照により全体として組み込まれる。しかしながら、なお他の代替実施形態では、味覚強化表面コーティングはまた、上述の水溶性キャリアのあるまたはない可食フィルム組成物の提供を通じて、ならびに異なる水溶性キャリアの提供を通じてなどの、より洗練された手法に従って提供されてもよく、そのキャリアのいくつかはまた、制御放出特性のためおよび追加の寿命を揮発性香味料に提供するためにカプセル化微小球をその中に有してもよい。味覚強化表面コーティングの上記の説明に役立つ変形の各々は、以下の例となる代替実施形態で論じられる。
【実施例1】
【0018】
他の可能性のある実施形態では、飲料の縁の口は単に、「Edible Film Compositions」と題する米国特許公開第2006/0024425号で例示的に述べられるそれに従って容易に溶解する水溶性フィルム組成物で被覆されてもよく、それの明細書は、これによって参照により全体として組み込まれる。それと対照的に、本発明は、そのような可食フィルム配合組成の使用を熟考するが、しかし口腔粘膜接着のためよりもむしり、飲料容器の縁または口の基材(例えば、ガラスまたはアルミニウム)表面エリアへの接着のために変更されており、それでもなお形成剤のような低粘度フィルムを含有する配合組成を熟考する。可食接着剤はまた、任意の様式の可食フィルムを飲料容器のガラスまたはアルミニウム基材に接着するために提供されてもよく、「Edible temporary tattoos」と題する米国特許第7,435,439号、「Edible Adhesive Tape」と題する米国特許公開第2010/0272864号、「Edible particulate adhesive」と題する米国特許出願第2002/018722号(今は放棄されている)、および/または「Edible Adhesive」と題する米国特許第5,827,553号で一般的に述べられるそれらなどの、多くの異なる方法に従って提供されてもよく、それらの各々は、これによって参照により全体として組み込まれる。説明に役立つ一実施形態では、可食接着剤は、(a)重量で約18%から約71%の加工でんぷん、(b)重量で約27%から約80%のマルトデキストリン、(c)重量で約0.01%から約7%の界面活性剤、および(d)重量で約0.02%から約2.5%の多糖、ならびにオプションの溶媒を含む、前述のものの準備のための接着剤成分ミックスから形成されてもよい。可食接着剤またはフィルムは、さまざまなレベルの粘度および粘着性を有してもよいが、しかし説明に役立つ一実施形態では、約215g/sから約700g/sの間であってもよく、典型的には約800cps未満の粘度を有してもよく、Binks Manufacturing Company、Franklin Park IIIからの自動吹き付け器モデル460、またはPrecision Valve Corporation Yonkers、N.Y.からのPreval Spray Gunなどの噴霧器などの、霧状の空気を噴霧し、食品の準備での使用が承認されている従来の噴霧装置を使用することによって飲料容器の口または縁に吹き付けられてもよい。別法として、可食接着剤またはフィルムは、飲料容器の口または縁に適合するように形成され、切断され、その上に接着されてもよい。
【0019】
そのため、本発明のいくつかの実施形態では、本発明の説明に役立つ可食フィルムはそれ故に、有効量の低粘度加水分解植物ガムを用いてもよいが、しかし飲料容器の口からフィルムが剥離するのを避けるために、また可食フィルムの上面への追加によりフィルムの風味を増やすことが必要なこともある任意の微粒子状材料または粉末を接着するためにも、可食フィルムの下に上述の食品安全性接着剤層をさらに含んでもよい。この目的のために、植物ガムは、植物性材料から得られる高分子炭水化物であり、いろいろな食品製品で添加物として一般に使用される。それほど一般に使用されないけれども、これらのガムは、より低い分子量を有するガムを作製するために酸または酵素によって加水分解されてもよい。本発明で有用なこともあるそのような加水分解植物ガムの例は、加水分解グアー・ガム、加水分解ローカスト・ビーン・ガム、加水分解カラマツ・ガム、加水分解カラギーナン、加水分解アラビア・ゴム、加水分解アルギン酸ナトリウムおよび加水分解トラガカント・ゴムを含む。一実施形態では、本発明で使用される加水分解植物ガムは、ガラクトマンナンである。一実施形態では、加水分解ガラクトマンナンは、Taiyo Kagaku Co.,Ltd.によって生産され、商標名Benefiber(登録商標)の下でMinneapolis、Minn.のNovartisによって米国で市販されている酵素加水分解グアー・ガムである。低粘度加水分解植物ガムの使用は、フィルムが急速に溶解してゴム性が低減し、異臭も出ないような特徴を可食フィルムに提供する。
【0020】
本発明で熟考される1つの可能性がある低粘度加水分解植物ガムは、加水分解グアー・ガムを具体的に参照して例示的に述べられる。これは、風味のない、無色の、微細な白色粉末であり、可溶性植物繊維であり、食品製品に追加されるとき知覚できない。加水分解グアー・ガムは、ガラクトマンナンと呼ばれる植物ガムのファミリーにある。これらの材料は、マンノースおよびガラクトース単位でできている。主鎖は、(1−>4)結合β−D−マンノース残留物から成り、側鎖は、(1−>6)結合α−D−ガラクトースから成る。ローカスト・ビーン・ガムは、別のガラクトマンナンである。ガラクトマンナンそれ自体は、天然ガムのより大きなグループの一部である。これによって参照により全体として組み込まれる国際公開第93/15116号は、「天然炭水化物」ガムと特徴付けられるグアー・ガム、ローカスト・ビーン・ガムおよびカラヤ・ゴムを加水分解するためのプロセスを開示する。国際公開第93/15116号で開示される他の加水分解物は、グアー・ガム加水分解物に似た形で有用なこともある。
【0021】
粘度比較は、加水分解グアー・ガム、Benefiber(登録商標)とアルギン酸ナトリウムとの間で行われてもよい。本発明の一実施形態では、可食フィルムは、約10,000cpsに至るまでの粘度を有する低粘度加水分解植物ガムを含んでもよい。より好ましくは、可食フィルムは、約5000cpsに至るまでの粘度を有する低粘度加水分解植物ガムを含む。もっとも好ましくは、可食フィルムは、約500cpsに至るまでの粘度を有する低粘度加水分解植物ガムを含む。
【0022】
従って、これらの加水分解植物ガムは、フィルム形成剤であり、それは、ただ1つのフィルム形成剤として、または他のフィルム形成剤と組み合わせて、フィルム中の重量(乾燥基準)で約2%から約60%に及ぶレベルで使用されてもよい。一実施形態では、これらの加水分解植物ガムは、重量で約15%から約50%に及ぶレベルで用いられてもよい。なお別の実施形態では、加水分解植物ガムは、重量で約20%から約45%に及ぶレベルで用いられることになる。
【0023】
典型的には、他の成分は、本発明の可食フィルムに組み込まれることになる。他の成分は、追加のフィルム形成剤、フィラー、可塑剤、香味料、乳化剤、着色剤、甘味料、高強度甘味料、酸、その他を含んでもよい。さらに、可食フィルムは、軟化剤、加熱剤、冷却剤、界面活性剤、増粘剤、結合剤、活性薬剤、香料、他の同様の成分またはそれらの組合せなどの、いろいろな他の適切な成分を含んでもよい。
【0024】
本発明で使用されてもよい追加のフィルム形成剤は、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、プルラン、加工でんぷん(例えば、ヒドロキシプロピルでんぷん)、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、ペクチン、加水分解アルギン酸塩、多糖、マルトデキストリン、でんぷん、アラビア・ゴム、カラマツ・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、キサンタン・ガム、親水コロイド、およびそれらの組合せを含む。そのようなフィルム形成剤はまた、可食フィルムのテクスチャも変更する。フィルム形成剤の選択は、可食フィルムをより脆くまたはあまり脆くなくすることもあり、また可食フィルムのガム的特性を変更するのに寄与することもある。全フィルム形成剤は、全フィルム形成組成の2%から約60%のレベルで、より好ましくは約20%から約45%の量で存在してもよい。
【0025】
親水コロイド(上で述べた)は、例えば天然海藻、天然種子ガム、天然植物滲出物、天然繊維抽出物、生合成ガム、ゼラチン、生合成プロセスでんぷんまたはセルロース系材料、アルギン酸塩、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、カラギーナン、グアー・ガム、ローカスト・ビーン・ガム、カラマツ・ガム、タラ・ガム、アラビア・ゴム、ガッチ・ガム、寒天ガム、キサンタン・ガム、ペクチン、他の同様の親水コロイド原材料またはそれらの組合せから得られてもよい。親水コロイドは、フィルム形成剤であることに加えて、上で述べたように、可食フィルムの厚さを提供し、脆さを減少させることができる。親水コロイドは、任意の適切な種類、量および数の親水コロイドを含むことができる。
【0026】
任意の適切な食品用のバルク・フィラーもまた、可食フィルムに追加できる。これは、どんなねばねばしたテクスチャも低減できならびにフィルムに構造を提供することができ、それによってそれをより口当たりよくする。加えて、フィラーは、ガム性および溶解速度を制御し、それらは、フィルムを互いに分離された状態にしておくのに役立つ。一実施形態では、フィラーは、フィルムの乾燥重量で約2%から約30%、好ましくは乾燥重量で約5%から約15%を占めることができる。フィラーは、例えば微結晶性セルロース、木などのセルロース高分子、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、粉末石灰石、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩、粘土、滑石、二酸化チタン、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、他の同様のバルク・フィラーまたはそれらの組合せを含むことができる。
【0027】
もし低減したレベルのフィルム形成剤が、利用されるならば、軟化剤が、結果として得られるフィルムの脆さを低減するために使用されてもよい。可塑剤または可塑化薬剤としてもまた周知である軟化剤は一般に、フィルムの乾燥重量で約20%に至るまで、好ましくは乾燥重量で約2%から約10%を占める。軟化剤は、例えばソルビトールおよび糖アルコールの混合物、キシリトール、グリセリン、ポリエチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、水素化でんぷん加水分解物、コーン・シロップ、トリアセチン、グリセロール・オレイン酸塩、蔗糖脂肪酸エステル、ネオビー(登録商標)オイル(商標名の下で販売され、Northfield、ILのStepan Companyから入手できる植物油)、中鎖脂肪酸トリグリセリド、他の同様の材料またはそれらの組合せを含有する可塑剤を含むことができる。
【0028】
本発明で使用されてもよい着色剤は、例えば天然食品着色剤ならびに食品、薬および化粧用途に適した染料を含んでもよい。FD&C染料および顔料として典型的に周知の着色剤は、もし所望ならば可食フィルム配合組成の重量で約0.01%から約1.5%の量で存在してもよい。
【0029】
いろいろな風味薬剤がまた、可食フィルムに追加されてもよい。任意の適切な量および種類の人工および/または天然風味薬剤が、任意の感覚的に受容できる方法で使用されてもよい。例えば、香味料は、フィルムの乾燥重量で約0.1%から20%、好ましくは約5%から約15%を占めることができる。風味薬剤は、例えば、かんきつ油、果実エッセンス、ペパーミント油、スペアミント油、他のハッカ油、丁子油、冬緑樹、アニスおよび同様のものの油などの植物ならびに果実からもたらされる油、メントール、オイカリプトール、チモールなどの殺菌特性を持つ香味油、同様の風味薬剤またはそれらの組合せを含むがそれだけに限定されない、精油、合成香味料または混合物を含むことができる。
【0030】
香味料は、乳化作用によって増強でき、製品全体にわたって均等に配分できる。任意の適切な量および種類の天然ならびに/または合成の食品用乳化剤が、使用できる。例えば、乳化剤は、脂肪酸(C10〜C18)、モノグリセリド、ジアシルグリセリド、牛胆汁抽出物、ポリグリセロール・エステル、ポリエチレン・ソルビタン・エステル、プロピレン・グリコール、ソルビタン・モノパルミテート、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、酵素修飾レシチン、水酸化レシチン、他の同様の乳化剤またはそれらの組合せなどの、レシチン、食品用非イオン性乳化剤を含むことができる。乳化剤は、約0.1%から約3%に及ぶ量で使用されてもよい。香味料は、機械的処理、活発なかくはん、均質化などの乱流中で生じる強い圧力変動、超音波処理、コロイド製粉および同様のものなどの、任意の適切な乳化プロセスによって乳化できる。
【0031】
フィルム組成物に追加されてもよいバルク甘味料は、糖および無糖成分の両方を含む。糖甘味料は一般に、蔗糖、右旋性ブドウ糖、麦芽糖、デキストリン、乾燥転化糖、果糖、レブロース、ガラクトース、コーン・シロップ固形物、および同様のものを単独でまたは組み合わせで含むがそれだけに限定されない、当技術分野で一般に周知の糖類成分を含む。糖甘味料は、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化でんぷん加水分解物、マルチトール、および同様のものなどの糖アルコールを単独でまたは組み合わせで含むが、それだけに限定されない。
【実施例2】
【0032】
果実香味料、精油、または具体的にはかんきつ類香味料を与えることは、単に天然および/もしくは人工かんきつ類香味料を水溶性キャリア中にまたはその上に被覆されるように混ぜ合わせることによって達成されてもよい。他のより複雑な実施形態では、さまざまな組成物に望ましい風味プロファイルを与え、風味プロファイルを選別する他のものの中でもとりわけ、精油およびトップノートまたはアルデヒド、ケトン、エステルの混合物から成る風味化合物のさまざまな混合物から一般に成ることもある果実香味料を提供することが可能であり、それは説明に役立つ1つの場合にはかんきつ類香味料と呼ばれてもよく、その香味料は、「Method of Producing a Shelf−Stable Cirus Spray−Dry Product」と題する米国特許出願公開第2010/0055267号で述べられるそれなどの手法に従って酸化から保存されてもよく、それは、これによって参照により全体として組み込まれる。そのような場合には、水溶性キャリアに塗布されるべき噴霧乾燥香味料は典型的には、乾燥重量基準で約50%から約80%重量パーセント、より好ましくは約60%から約70%の加工でんぷん、約5%から約30%、より好ましくは約10%から約20%の糖、および約10%から約30%、より好ましくは約20%のかんきつ類精油の混合物を含有してもよい。
【0033】
しかしながら、それと対照的に、これによって参照により全体として組み込まれる米国特許出願公開第2010/0055267号で述べられる手法は、貯蔵の間噴霧乾燥かんきつ類香味料の品質を維持することおよびその後の粉末状清涼飲料および同様の乾燥ミックス用途での使用を対象にし、安定したかんきつ類香味料を提供する1つの手法の説明に役立つ例を提供するが、しかし乾燥粉末ミックスの提供に限定される。これにもかかわらず、本発明では、かんきつ類噴霧乾燥生成物が、上で述べたように感湿微小球にカプセル化されてもよく、かつ/またはその微小球が、水溶性キャリアに埋め込まれてもよくまたは別法として水溶性キャリアの完全な乾燥より前に水溶性キャリアに接着されるもしくはその上に噴霧されてもよい補助的手法が、考案された。その際に、その時に乾燥する水溶性キャリアの全体の水分含有量が、水の浸透またはそれとの混合を避けるのに十分に低い(例えば、おそらく言える範囲内では、40%より低い相対湿度および/または水濃度)ときに、けれども水溶性キャリアが、前述のものの塗布をその中にまたはそれの露出表面エリア上に保有するのに十分な粘着性または付着性のあるときに、混合または被覆が提供されることを確実にすることによって、水溶性キャリアに埋め込まれるまたはその上に接着されるもしくは噴霧されるときにかんきつ類香味料の早期放出を避けることが重要である。それ故に、一実施形態では、最初に高いレベルの湿気を含有する噴霧乾燥香味料の水分活性を低減するのに有効である食品材料と噴霧乾燥香味料を混ぜ合わせることもまた熟考される。カルボキシルメチルセルロース・ナトリウム(Na−CMC)、二酸化シリコン、および塩化ナトリウムなどだがそれだけに限定されない、水溶性キャリアで使用されてもよい食品材料は、噴霧乾燥香味料との組合せで使用できる。糖類の水への高い親和性および溶液効果に起因して糖類含有マトリクスの水分活性を低減することが困難なこともある、いくつかの場合には、還元が、それと混ぜ合わされるとき噴霧乾燥生成物の貯蔵安定性を臨界領域内に維持するのに必要な安全マージンを提供することもある。
【実施例3】
【0034】
説明に役立つ一実施形態では、本発明は、これによって参照により全体として組み込まれる、「Multi component controlled release system for oral care, food products, nutraceutical, and bevarages」と題する米国特許第6,887,493号で述べられるそれなどの、異なる香味料、知覚マーカー、および活性成分、または香味料、知覚マーカー、およびさまざまな活性成分の組合せをカプセル化し、相次いで連続して多重活性成分を放出することができる改善された制御放出システムを熟考する。本発明の制御配送システムは、カプセル化感湿微小球で形成された実質的に自由流動の粉末を含んでもよく、その微小球は、水溶性キャリアに埋め込まれるまたは水溶性キャリアの乾燥より前に水溶性キャリア上に接着されるもしくは噴霧される。1つまたは複数の香味料(活性成分または薬剤)は、個別にまたは組み合わせて水分感知微小球にカプセル化できる。微小球での異なる香味料または活性薬剤のカプセル化は、貯蔵の間香味料保存を提供する。本発明の制御放出システムは、広範囲の香味料、知覚マーカー、および他の活性成分の安定性および生物学的利用可能性を強化し、飲料容器に被覆されるときそれらの貯蔵時間を延長し、それらの放出特性を制御し、長続きする官能知覚または長続きする口の感触を提供するように口中の香味料および他の知覚マーカーの感覚を延長することさえできる。
【0035】
本発明の制御放出システムは、感湿微小球マトリクスを含み、それは、水溶性キャリア中に均質に分散できる。微小球は、約20ミクロンから約100ミクロンの範囲の平均球サイズを有する。第1の香味料、または活性成分は、水分感知微小球にかつ湿気(口の中の唇および同様のものを湿らせる)へのシステムの露出時に放出されるようにカプセル化でき、第2のもしくは追加の香味料、または活性成分(複数可)もまた、追加の微小球にカプセル化できる。従って、本発明の制御放出システムは、香味料、知覚マーカー、および他のさまざまな活性成分を含む微小球で形成された自由流動粉末の、水溶性キャリア内のカプセル化に基づいている。本発明のこの制御放出システムは、(i)活性成分ならびに香味料の揮発性構成物質の必要とされるまでの貯蔵中の保護、(ii)ビタミン、生物活性薬剤、栄養物、およびその他などのさまざまな活性成分の生物学的利用可能性の強化、(iii)微小球水分感知マトリクスにカプセル化される香味料および他の活性成分の湿気誘発放出、(iv)湿気に応答しての風味特徴または他の嗅覚の変化、(v)微小球にカプセル化される香味料および他の活性成分の期待される期間を超える長期の放出、ならびに(vi)香味料、知覚マーカー、甘味料、および他の活性成分の長続きする官能知覚または長続きする口の感触によって特徴付けられる。
【0036】
本発明の制御放出システムはまた、飲料中のさまざまな活性成分(例えば、風味物質または香料成分)の安定性を改善し、それらを不快な匂いおよび異臭の進展に対して保護し、シトラールおよびシトリス・ノートを酸化に対して保護し、食品および飲料製品の保管寿命を増加させもする。
【0037】
本発明はまた、(i)香味料および他の活性成分を微小球に組み込むステップと、(ii)1つまたは複数の香味料および他の活性成分、微小球、ならびにでんぷん誘導体、天然ガム、ポリビニル・アルコール、タンパク質、親水コロイド、またはそれらの混合物などの水分感知材料を含む水性混合物を形成するステップと、(iii)その混合物を噴霧乾燥して乾燥粉末組成物を形成するステップとを含む本発明の制御放出システムを作製するための方法も提供する。
【0038】
従って、本発明の成分を容器の縁または口に組み込む飲料容器は、湿気に応答して知覚できる風味推移(風味特徴の変化)もしくは官能知覚の変化、ならびに長期の風味知覚および口の感触を提供する微小球に異なる香味料または知覚マーカーを含む。本発明の制御放出を提示する微小球は、重量で約1%から約50%の水分感知マトリクス、および重量で約1%から約50%の香味料または他の活性成分を水溶性キャリア内に含むことができる。
【0039】
上記の例でそのようなものとして提供されるとき、または上記の説明に役立つ例によって必ずしも述べられない他の可能性のある変形でのように、本発明は、本発明の制御放出システムを含む飲料容器の口または縁への発明性のある堆積を提供することができる。そのため、この発明のある実施形態が、示され、述べられたけれども、さまざまな適応および変更が、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく行われてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ボトル
3 狭いバンド
3’ 狭いバンド
4 垂直またはテーパー状に傾斜した壁
5 分注用タブおよび口
7 保護シール
9 解放可能な接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を分注するための口を有する飲料容器であって、前記容器は、アルミニウムまたはガラスから形成される、飲料容器と、
前記飲料の開封より前に前記飲料との接触を避けるような方法で封入手段によって覆われるようにかつ前記飲料の開封より前に外部要素への露出を避けるように狭い円周バンドに沿って前記口に塗布される味覚強化表面コーティングとを含み、
前記味覚強化表面コーティングは、次の(a)風味物質を持つ可食フィルム形成剤および前記可食フィルム形成剤を前記口に接着するための可食接着剤、(b)噴霧乾燥生成物を前記口に接着するために水溶性キャリアで接着される風味物質を持つ噴霧乾燥生成物、(c)果糖、ブドウ糖、またはセルロースに基づく成分から準備され、その中に混合される風味物質を持つ水溶性キャリア、または(d)その中に均質に分散される複数の微小球を有する水溶性キャリアの少なくとも1つを含む群から形成される、飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項2】
前記可食フィルム形成剤は、加水分解グアー・ガム、加水分解ローカスト・ビーン・ガム、加水分解カラマツ・ガム、加水分解カラギーナン、加水分解アラビア・ゴム、加水分解トラガカント・ゴムおよびそれらの組合せから成る群から選択される低粘度加水分解植物ガムで構成され、前記可食接着剤は、(a)重量で約18%から約71%の加工でんぷん、(b)重量で約27%から約80%のマルトデキストリン、(c)重量で約0.01%から約7%の表面活性剤、および(d)重量で約0.02%から約2.5%の多糖で構成される、請求項1に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための水溶性可食風味コーティングを備える飲料容器。
【請求項3】
前記低粘度加水分解植物ガムは、前記可食フィルムの重量で約2%から約60%の量で存在し、前記低粘度植物ガムは、約10,000cpsに至るまでの粘度を有する、請求項2に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項4】
前記可食フィルムは、微結晶性セルロース、セルロース高分子、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、粉末石灰石、ケイ酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、粘土、滑石、二酸化チタン、第一リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウムおよびそれらの組合せから成る群から選択されるフィラーをさらに含み、前記フィラーは、前記可食フィルムの重量で約2%から約30%の量で存在する、請求項3に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項5】
前記可食フィルムは、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、ポリエチレン・グリコール、プロピレン・グリコール、水素化でんぷん加水分解物、コーン・シロップ、トリアセチン、グリセロール・オレイン酸塩、蔗糖脂肪酸エステル、ネオビー(登録商標)オイルおよびそれらの組合せから成る群から選択され、前記可食フィルムの重量で約20%に至るまでの量で存在する軟化剤をさらに含む、請求項4に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項6】
前記可食フィルムは、次の精油、トップノート、またはアルデヒド、ケトン、もしくはエステルの混合物から成る風味化合物の少なくとも1つを含む風味物質をさらに含む、請求項5に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項7】
前記可食フィルムは、レシチン、脂肪酸、モノグリセリド、ジアシルグリセリド、ポリグリセロール・エステル、ポリエチレン・ソルビタン・エステル、プロピレン・グリコール、ソルビタン・モノパルミテート、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、酵素修飾レシチン、水酸化レシチン、およびそれらの組合せから成る群から選択され、前記可食フィルムの重量で約0.1%から約3%存在する乳化剤をさらに含む、請求項6に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項8】
前記可食フィルムは、甘味料をさらに含む、請求項7に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項9】
前記噴霧乾燥生成物は、
次の、乾燥重量基準で約10%から約30%に従って提供される、精油、トップノート、またはアルデヒド、ケトン、もしくはエステルの混合物から成る風味化合物の少なくとも1つを含む少なくとも1つの風味物質と、
重量パーセントで約50%から約80%に従って提供される加工でんぷんと、
重量パーセントで約5%から約30%に従って提供される甘味料とで構成される、請求項1に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項10】
前記複数の微小球は、活性薬剤を含有し、感湿マトリクス材料で形成され、前記感湿マトリクス材料は、水溶性合成高分子、水分散性合成高分子、でんぷん誘導体、天然ガム、多糖、タンパク質、親水コロイドおよびそれらの混合物から成る群から選択され、前記微小球は、その後に前記活性薬剤を放出するように前記湿気との接触時に溶解する、請求項1に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項11】
前記水溶性合成高分子は、ポリビニル・ピロリドン、水溶性セルロース、ポリビニル・アルコール、エチレン無水マレイン酸共重合体、メチルビニル・エーテル無水マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、メタクリル酸およびメタクリル樹脂のアニオン性高分子、ジメチル−アミノエチル・アンモニウム官能基とのカチオン性高分子、ポリエチレン・オキシド、水溶性ポリアミドおよびポリエステルならびにそれらの混合物から成る群から選択される、請求項10に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項12】
前記微小球は、前記活性薬剤の噴出を提供するために有効量の前記活性薬剤を放出する、請求項11に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項13】
前記活性薬剤は、風味物質、感知マーカー、または栄養補給食品の1つまたは複数から選択される、請求項12に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項14】
前記風味物質は、次の精油、トップノート、スパイス、天然香味料、人工香味料、増粘剤、タンパク体の少なくとも1つを含む結晶性成分、アルデヒド、ケトン、エステルの混合物から成る植物ガム風味化合物、およびそれらの組合せから成る群から選択される、請求項13に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための味覚強化表面コーティングを備える飲料容器。
【請求項15】
前記封入手段は、ポップオフ式キャップ、ねじぶた式キャップ、または解放可能な保護被覆をその上に備えるアルミニウム・ポップトップを含む群から選択される、請求項1に記載の飲料容器の開封時に即時溶解するための水溶性可食風味コーティングを備える飲料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2012−240755(P2012−240755A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−113120(P2012−113120)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(512129136)
【氏名又は名称原語表記】PICOLLI,Richard
【住所又は居所原語表記】71 Ridge Road Rutherford, NJ 07070 USA
【Fターム(参考)】