説明

味隠蔽マイクロカプセル組成物及び製造方法

【課題】水溶性薬剤の味を隠蔽したマイクロカプセル組成物の提供。
【解決手段】水溶性薬剤(例えば、H2アンタゴニストであるラニチジン)及びエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボキシメチルエチルセルロースとポリ乳酸とこれらの組合せとからなる群より選ばれる1つ以上の重合材料との組成物であり、重合材料は組成物の30〜65重量%からなる水溶性薬剤の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【効果】有効な味隠蔽を行うことができ、薬剤は口を通り過ぎるとすぐに解放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、マイクロカプセルの形態をなす薬剤組成物に関し、より特定すると、含有される薬剤の味が隠蔽されたマイクロカプセルに関する。本発明は更に、発泡配合物をはじめとする、マイクロカプセルを含有する薬剤配合物及び相分離−コアセルベーション(coacervation)技術を使用した薬剤の味を隠蔽する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤の味を隠蔽する数多くの方法が知られており、これは推奨される薬剤治療を患者が応諾する場合に著しく重要な問題となっている。Gifu Yakuke Daigaku KLyo、第44巻、第18−31頁(1995年)に掲載のエム・ウエダ(M. Ueda)の「グラニュールの苦味を隠蔽する最近の薬剤技術及び見通し」("Recent Pharmaceutical Techniques and Outlook for Masking the Bitter Taste of Granules")と題する論文に説明されているように、味隠蔽技術は、物理的方法、化学的方法、生化学的方法及び官能的方法に広く分けることができる。採用されるべき方法は、幾つかの因子によるが、主として経口薬剤配合物に組み込まれるべき薬剤の苦味の程度による。
【0003】
味隠蔽の官能的方法として、風味及び/または甘味料の添加があるが、これは比較的簡単なものである。しかしながら、風味料または甘味料のような味隠蔽剤の単なる添加は、味が隠蔽されるべき薬剤が特に苦くないことがない場合には、それ自体が有効でない場合がしばしばある。最近の生化学的方法として、苦味受容体部位と反応して薬剤の苦味に対する応答を抑制するリポタンパク質を使用するものがある。しかしながら、最も一般的な隠蔽方法は、凝集、コーティング及びマイクロカプセル化(microencapsulation)をはじめとする物理的手段に基づく。マイクロカプセル化は、実質的には、固形物、液体の小滴または分散体の小さな粒子にコーティングを施してマイクロカプセルを形成する処理であり、この技術は、粒子の大きさが一般に、直径で数十分の一μmから5000μmの範囲にあるという点で他のコーティング技術とは異なる。
【0004】
本発明は、マイクロカプセル化技術を使用して、経口薬剤配合物における薬剤の味を隠蔽する技術に関する。マイクロカプセル化技術は、3つの相、即ち、カプセル化されるべき薬剤の「コア材料」相、コーティングを最終的に形成する物質の「コーティング材料」相並びにコア及びコーティング材料が分散されまたは溶解される液体相を利用するコアセルベーション−相分離技術である。次に、コーティングをコア材料に被着し、脱溶媒処理を使用して液体相を除去するとともにマイクロカプセルを単離する。先行技術のマイクロカプセル化とは異なり、本発明は、均一で不透質のコーティングを形成することができるとともに、高いコーティングレベルを有する配合物を得ることができる材料と方法のパラメータとを使用する。このようにして、本発明は、極めて有効な味隠蔽を行うことができるとともに、薬剤が口を過ぎた直後に薬剤を解放することができる。一般的に云うと、当業者が理解することができるように、味隠蔽に有効な高いコーティングレベルを有する薬剤の迅速な解放を図ることは、極めて異常であるとともに、特に困難である。かかる目的を達成した本発明は、本技術分野の進歩に大きく貢献するものであり、種々の薬剤の味を有効に隠蔽することができる。
【0005】
Pharmaceutical Technology、1994年4月、第84−99頁に掲載の「経口薬剤の味隠蔽」("Taste Masking in Oral Pharmaceuticals")と題するロイ(Roy)の、通常苦い薬剤の味を隠蔽しあるいは改善する数多くの方法と配合物に関する論文がある。ラニチジン塩酸塩(ranitidine hydrochloride)をエチルセルロースでコーティングする技術は、薬剤の味隠蔽を行う可能な方法であると説明されている。
【0006】
ロウチェ(Roche)の米国特許第5,075,114号には、味を隠蔽することを目的として薬剤にコーティングを施す流動床方法が記載されている。この特許には、セルロース材料の混合物、即ち、ヒドロキシプロピルセルロースと、酢酸セルロースもしくは酢酸セルロースまたはこれらの双方との混合物としてのコーティングが記載されている。イブプロフェン、ロペラミド、ファモチジン、シメチジン及びラニチジンをはじめとする多数の薬剤が記載されている。
【0007】
シライ(Shirai)らの米国特許第5,082,669号には、苦味のある薬剤のエチルセルロースコーティングが記載されている。シメチジンをはじめとする多数の薬剤が実現可能なものとして記載されている(第3欄、第13−31行)。コーティングは、フィルム形成溶液または分散液を使用し、あるいはスプレー技術を使用して形成される(第5欄、第36−50行)。
【0008】
S.T.P. Pharma. Sciences、第1(2)巻、第117−120頁(1991年)に掲載の「燐酸クロロキン及びキニン塩酸塩マイクロカプセルの幾つかの特性」("Some Properties of Chloroquine Phosphate and Quinine Hydrochloride Microcapsules")と題するチュキュー(Chukwu)等の論文には、燐酸クロロキンとキニン塩酸塩粒子を、熱誘導コアセルベーション技術を使用するとともに、シクロヘキサンを溶媒として使用して、エチルセルロースでマイクロカプセル化する方法が記載されている。
【0009】
タイス(Tice)等の米国特許第4,389,330号には、塩化メチレンのような溶媒を用いてセルロース化(cellulosic)(第3欄、第22行)することができる「壁形成材料」を使用してマイクロカプセル化された薬剤を製造する方法が記載されている。この方法は、胃腸治療薬をはじめとする公判な薬剤に関して有用であると説明されている。
【0010】
サメジマ(Samejima)等の米国特許第4,389,331号および第4,542,042号には、相分離技術を使用してエチルセルロースで薬剤をカプセル化する方法が記載されている。’331特許においては相分離を誘起するのに燐脂質が使用され、’042特許においては別のタイプの化合物が使用され、即ち、ワックス、ブチルゴムまたはポリエチレンのような炭化水素が使用されている。
【0011】
アンタゴニスト(antagonist)のようなある種の苦味のある薬剤の味隠蔽マイクロカプセルを提供するとともに、薬剤をマイクロカプセルから迅速に解放させることを目的とする一の方法が、PCT公開国際出願WO93/24109号に記載されている。しかしながら、この方法は、コアセルベーションによるのではなく、空気浮遊コーティング技術により被着される複数のコーティング層を利用するものである。このコーティングは、薬剤のポリマに対する透過性を高めるために第4アンモニウム基を有するセルロースポリマからなる。スプレーコーティング技術または空気浮遊技術により多量のコーティングを被着する方法は、時間を要する。
【0012】
重合材料(polymeric material)、特に、セルロース系ポリマを使用して苦味を隠蔽する技術は上記のように公知であるが、本発明は、コーティングレベルを高くして、これまでよりもはるかに有効に味隠蔽をすることができるとともに、薬剤を迅速に解放することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、薬剤、好ましくは、水溶性の薬剤を経口投与するための味隠蔽マイクロカプセルであって、コーティングレベルが高く、それにもかかわらず薬剤を迅速に解放することができるマイクロカプセルを提供することにより本技術分野における上記要望に答えることにある。
【0014】
本発明の別の目的は、ラニチジンまたはラニチジンの薬剤として許容することができる(phamaceutically acceptable)酸添加塩のようなHアンタゴニストを、味を隠蔽した形態で提供することにある。
【0015】
本発明の更に別の目的は、内含される薬剤が味隠蔽されたマイクロカプセルからなる経口薬剤配合物を製造する方法を提供することにある。
【0016】
本発明の更に別の目的は、コーティング材料が最終乾燥マイクロカプセル配合物の30重量%乃至65重量%程度に相当する経口薬剤配合物を相分離コアセルベーション技術を使用して製造する方法を提供することにある。
【0017】
本発明の更なる目的、利点及び新規な特徴は、一部は以下の記載において説明されており、一部は以下の説明に基づいて当業者に明らかにとり、あるいは本発明の実施を通じて修得することができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明を詳細に説明するにあたり、薬剤配合物、方法のパラメータまたはコーティング材料は当然にして変動するので、本発明は特定の薬剤配合物、方法のパラメータまたはコーティング材料に限定されるものではないことが理解されるべきである。更に、本明細書において使用されている用語は特定の実施の形態を説明するためだけのものであり、限定を意図するものではないことが理解されるべきである。
【0019】
更に、本明細書及び請求の範囲において使用されている単数形の不定冠詞及び定冠詞は、内容が明らかに別のものを示していない限りは、複数の対象物を含むものである。従って、例えば、「単数で表される重合材料」("a polymeric material")は、2つ以上の重合材料の混合物を含み、「単数で表される溶媒」は2つ以上の溶媒を含むものであり、「単数で表される賦形剤」または「単数で表されるビヒクル」は賦形剤の混合物またはビヒクルの混合物を含み、「単数で表される薬剤」は2つ以上の薬剤を含む。
【0020】
別に特定されない限り、本明細書において使用されている全ての技術及び科学用語は、当業者により広く理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されている方法及び材料と同様のまたは均等の方法及び材料は、本発明の試験の実施において使用することができるが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0021】
本発明を説明しかつ主張するうえにおいて、下記の用語は以下においてなされている定義に従って使用される。
【0022】
本明細書において使用されている「薬剤」("drug")は、治療剤その他の有効剤、好ましくは、経口投与することができる薬剤化合物(pharmaceutical compound)または化学薬品を含むことを意味する。本発明に関して有用な薬剤には、抗生物質、抗ウイルス薬、鎮痛薬、麻酔薬、食欲減退薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、血糖降下薬、止痢薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗催吐薬、抗新生物形成薬、パーキンソン病治療薬、止痒薬、神経安定薬、解熱薬、鎮痙薬、Hアンタゴニスト、心臓血管薬、抗不整脈薬、抗高血圧薬、ACE抑制薬、利尿薬、血管拡張薬、ホルモン、睡眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、抗コリン作動性薬、副交感神経作用薬、覚醒薬、鎮静薬、抗片頭痛薬、抗結核薬及びトランキライザが含まれる。一般に、本発明に関連して使用される薬剤は、苦味がありあるいは不快な味を持ち、従って、味の隠蔽を必要とする薬剤である。特定のかかる薬剤には、ラニチジン、シメチジン、ファモチジン、グアイフェネシン(guaifenesin)、ロペラミド塩酸塩、ニゼチジン(nizetidine)、ジメンヒドリネート、カフェイン、テオフィリン、アセトアミノフェン及びイブプロフェンが含まれる。「薬剤」なる語はまた、栄養補給剤、特に、ビタミンB群及びビタミンCの補給薬を含むものである。
【0023】
「有効」量の薬剤とは、無毒であるが、所望の治療または予防効果を提供するのに十分な量を意味する。
【0024】
本明細書において使用されている「ポリマ」とは、低重合材料及び重合材料の双方、即ち、2つ以上の単量体単位を含む化合物を含むものである。この語はまた、「共重合」材料、即ち、2つ以上の異なる単量体単位を含む材料を含むものである。
【0025】
本明細書において使用されている「キャリヤ」("carrier")または「ビヒクル」とは、経口薬剤投与に適したキャリヤ材料を云い、本技術分野において公知の材料、例えば、希釈剤、バインダ、粒状化剤、崩壊剤、滑性剤、着色剤、風味剤などが含まれる。
【0026】
「マイクロカプセル化」なる語は、コーティングされた薬剤粒子を形成する処理を云うのに使用されている。かくして形成される「マイクロカプセル」は、重合コーティングを有する薬剤コアの態様とすることができ、あるいは、このカプセルは浸透された薬剤を含むポリママトリックスからなることができる。
【0027】
本明細書において使用されている「薬剤配合物」("pharmaceutical formulation")なる語は、所定の薬剤配給プラットホームに適したキャリヤまたは賦形剤と組み合わせた本発明のマイクロカプセルを含む配合物、例えば、発泡性(effervescent)配合物、噛むことができるタブレット、迅速融解配合物などを云う。
【0028】
「相分離により行われるマイクカプセル化」及び「コアセルベーション」とは、薬剤をコーティング材料を含む溶液に分散させるカプセル化処理を云い、コア材料にコーティングを被着する操作が行われる。
【0029】
即ち、本発明のマイクロカプセルは、所定の薬剤と、コーティングとして作用する第1の重合材料と、相分離を促進する第2の重合材料とを無極性溶媒において先づ混合することによりつくられる。混合は、任意の数の従来の技術を使用した攪拌とともに行うのが好ましい。溶媒は、重合材料がより高い温度、即ち、一般に70℃程度以上の温度で可溶であるが周囲温度において不溶性となる溶媒であるべきである。また、薬剤は製造処理において使用される全ての温度で溶媒に実質上不溶性であるべきである。この目的のために特に好ましい溶媒は、シクロヘキサンであるが、当業者であれば、他の無極性有機溶媒も有効であり、使用することができることを理解することができるものである。
【0030】
薬剤と第1の重合材料との相対量を入念に選定することが重要であり、一般には、相対量は、マイクロカプセルが約30重量%乃至65重量%の第1の重合材料、好ましくは40重量%乃至60重量%の第1の重合材料、最も好ましくは45重量%乃至55重量%の第1の重合材料を含むような量とされる。このように高いコーティングレベルでは、薬剤の有効な味隠蔽を行うことができる。
【0031】
これらの当初の成分を混合した後に、かくして形成された懸濁体を所定の時間、第1および第2の重合材料を溶媒に溶解するのに十分な温度に加熱する。更に、攪拌を所定の攪拌速度で継続するのが好ましく、適宜の攪拌速度は当業者が容易に定めることができる。温度は、溶媒の沸点以下であり、成分は一般に70℃以上の温度、好ましくは少なくとも約75℃の温度に加熱される。しかしながら、薬剤を分解させる温度に加熱しないように注意すべきである(ラニチジン塩酸塩の場合には、約85度を超える温度は避けるべきである)。次に、冷却を、所定の速度で、かつ、第1の重合材料の相分離と含まれる薬剤のマイクロカプセル化とを行わせるのに十分な温度まで行うことにより、マイクロカプセル化された薬剤の分散体を形成する。当業者であれば、冷却速度を、例えば、凝集、流動性及び解放プロファイルに関するマイクロカプセルの特性を最適にするように変えることができるものである。次に、溶媒および第2の重合材料を、デカント処理、フィルタ処理などにより除去し、次いで、溶媒で洗浄して微量の第2の重合材料を除去し、次に、薬剤またはコーティング材料に悪影響を与えるようには高くない温度で乾燥を行う。乾燥は、通常、大規模バッチで少なくとも6時間以上、一般に略周囲温度乃至60℃の範囲にある温度で行われるが、これは必ずしも必要ではない。乾燥は、減圧下で行ってもよく、行わなくてもよい。
【0032】
上記した手順即ち操作を変えて、感熱性薬剤にとって好ましい有用な代替方法を提供することができる。この代わりの手順即ち操作では、薬剤を添加することなく第1および第2の重合材料を所定の無極性有機溶媒に溶解し、次いで、ポリマを溶解するのに有効な温度まで加熱する。次いで、薬剤が添加され、次に、混合物を冷却に供し、上記した手順の残りを行う。
【0033】
選定された薬剤は、上記したように、典型的には、ラニチジン、シメチジンなどのような苦味のあるあるいは不快な治療薬剤である。薬剤はまた、薬剤として許容される塩、一般的には、化学量論的に過剰な所定の酸で薬剤の塩基形態を処理することにより形成されるような酸添加塩の形態とすることもできる。かかる酸添加塩は、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸などのような無機酸、あるいは、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、リンゴ酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、サリチル酸などのような有機酸を用いて形成することができる。酸性薬剤を用い、類似法により、薬剤として許容することができる塩を、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムのような塩基、トリメチルアミン、ジメチルアミン、エタノールアミンのような天然に産するアミン、塩基性イオン交換樹脂などを用いてつくることができる。
【0034】
本発明の方法及び配合物に関連して任意の数の薬剤を使用することができるが、好ましい薬剤は、水溶性、即ち、合衆国薬局方(United States Pharmacopeia)XXIII版において定義されている「可溶性」("soluble")及び「極めて可溶性」("very soluble")なる語の定義に従って水に可溶のまたは極めて可溶の薬剤である。かかる定義によれば、1グラムの可溶性薬剤を20−25℃の水30ml、好ましくは10mlに溶解することができ、一方、1グラムの極めて可溶の薬剤は同じく20−25℃の水1mlに溶解することができる。かくして、本発明において使用される好ましい水溶性薬剤は、20−25℃の水30ml、より好ましくは10ml、最も好ましくは1mlに1グラムの溶解度を有する薬剤である。望ましくは、薬剤は、5000未満、好ましくは1000未満、より好ましくは500未満の比較的低分子量を有する。
【0035】
本発明は、不快な味を有する薬剤に関して特に有用である。かくして、本発明は、快適な味を有する薬剤の味を隠蔽するのに使用することができるとともに、感知可能な味を持たない薬剤を投与するのに使用することができるが、最大の利点は、苦味のような不快な味を有する薬剤に関して得ることができる。例えば、ハンドブック・オブ・センサリー・フィジオロジー(Handbook of Sensory Physiology)第IV巻、チャプターに開示されているように、苦味を呈する化合物は、多くの場合、ある種の特徴的な構造を組み込んでいる。これらには、アルカロイドにおいて広く見受けられるプリン、ピリジン及びピロール環、多重NO基、C=S及び−S−S−成分、並びに、尿素状構造、即ち下記式のようなN含有環構造が含まれる。
【0036】
【化1】

【0037】
上記式において、R1、R2及びR3は、同じであっても異なっていてもよい。苦味を呈する他の化合物には、ある種の塩及びグリコシドが含まれる。以下において説明するHアンタゴニストは、苦味を呈する化合物である。
【0038】
別の好ましい種類の薬剤は、水溶性のHアンタゴニスト、好ましくは、ラニチジン、ファモチジン、シメチジン、ニザチジンよりなる群から選ばれるHアンタゴニストである。かかるHアンタゴニストの薬剤として許容することができる水溶性塩並びにHアンタゴニスト及び/または塩の組み合わせも使用することができる。Hアンタゴニストラニチジン、特に、ラニチジン塩酸塩を用いて得られる薬剤組成物が、本発明においては特に好ましい。ラニチジン、即ち、N−[2[[[5−[(ジメチルアミノ)メチル]−2−フラニル]−メチル−チオ]エチル]−N’−メチル−2−ニトロ−1,1−エテンジアミンが、グラクソ(Glaxo)に譲渡されたプライス(Price)等の米国特許第4,128,658号に記載されている。本明細書においては説明されていないラニチジンを合成しあるいは使用する方法に関する情報についても参照することができる。
【0039】
【化2】

【0040】
’658特許に説明されているように、ラニチジン及び他のアミノアルキルフラン誘導体は、ヒスタミンH受容体を介して刺激されるときに胃酸の分泌の抑制剤として同定されている。この’658特許にはまた、ラニチジン及びその類似体は、例えば胃潰瘍及び消化性潰瘍、ヒスタミンが公知の調停基であるアレルギー症状の治療、並びに、蕁麻疹のようなアレルギ−及び炎症症状の治療における胃酸の分泌過多が生じている症状の治療において有用である。
【0041】
次に、残りの配合物成分について説明すると、第1の重合材料は、(1)処理が完了したときに薬剤をカプセル化するのに有効であり、(2)「実質上水不溶性であり」、かつ、所定の無極性有機溶媒において感知可能な溶解度を有し、即ち、選定された無極性有機溶媒における溶解度が相分離−コアセルベーションをかかる溶媒において行うことを許容し、(3)薬剤の有効な味隠蔽を行い、しかも(4)マイクロカプセル化された薬剤が口の中で直ちに解放するのを防止する材料である。エチルセルロースが第1の重合材料として特に好ましいが、例えば、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース及びポリ乳酸などのような他のポリマも使用することができる。第1の重合材料として使用するのに最も好ましいポリマは、上記した特定のポリマ及びかかるポリマの組み合わせである。これらの好ましいポリマは第4アンモニウム基のような容易にイオン化する置換基を実質上含まず、好ましくは、かかる置換基を本質的にまたは全く含まない。無極性置換基のような置換基を有する好ましいポリマの誘導体を使用することができるが、かかるポリマの最も好ましい形態は、全ての置換基を本質的に含まないものである。本明細書において別に特定されない限り、第1の重合材料として使用される特定された即ち特に名前が挙げられたポリマは、置換基を本質的に含まない、名前が挙げられたポリマを云う。ある好ましいポリマは、マイクロカプセルに組み込まれた薬剤に対して溶解度が著しく低く、従って、ポリマのバルク(bulk)を介して薬剤が拡散する速度は著しく低い。以下において更に説明するように、マイクロカプセルからの薬剤の解放は、第1の重合材料自体を介しての薬剤の拡散よりもむしろコーティングの孔と関連する。
【0042】
第2の重合材料は、上記した操作にける第1の重合材料の相分離を促進するのに有効となるように選定される。ポリエチレンが好ましいが、例えば、ポリイソブチレン、酢酸エチレンビニルなどのような他のポリマも使用することができる。相分離を促進するように作用することができる更に別のポリマも使用することができ、かかるポリマは公知であり、あるいは当業者が容易に推測することができるものである。第2の重合材料の量は、相分離を促進するのに少なくとも最小限度十分であるように選定されるべきである。
【0043】
この基本的な操作に対する変更においては、第1の重合材料の相分離とマイクロカプセルの形成を促進する別の手段が提供される限りは、第2のポリマは省くことができる。典型的には、この方法は、第1の重合材料の相分離と薬剤のマイクロカプセル化を促進し及び/または誘起するのに有効な第2の溶媒の添加が必要となる。
【0044】
マイクロカプセルに組み込むことができる任意の添加剤には、解凝集剤、例えば、マイクロカプセルの凝集を少なくするのに有効な物質(例えば、Syloid(登録商標)として入手することができるようなコロイドシリカ)、着色剤(例えば、二酸化チタン、FD&C染料として公知のような食品に適した染料など)、風味剤及び/または甘味剤などが含まれる。しかしながら、薬剤の解放に大きく影響を及ぼす添加剤は、マイクロカプセルの第1のポリマの層には存在しないのが好ましい。即ち、マイクロカプセルの重合体部分は、残量の第2のポリマを含みまたは含まず、第1のポリマから実質上なるのが望ましい。操作において使用される微量の無極性溶媒は、マイクロカプセルに残留するレベルで許容することができる程度の低い毒性を有する場合には、残留していてもよい。好ましくは、マイクロカプセルには、カプセルの重合部分を包囲する別の層はコーティングされない。かかる別の層が使用される場合には、この層は、高い水溶性を呈する材料から形成するとともに、水溶性の高い材料を少なくとも約10%、望ましくは少なくとも約15%含むようにすべきであり、これにより、コーティングの全てまたは一部を、マイクロカプセルが使用の際に唾液及び/または胃液と接触したときに迅速に除去することができる。
【0045】
一般的に云うと、必ずしも必要ではないが、マイクロカプセルの粒度は、数ミクロン乃至約千ミクロン以上の範囲にあり、約30μm乃至800μmの粒度が好ましく、約40μm乃至250μmの範囲の粒度が特に好ましい。
【0046】
当業者であれば認識することができるように、マイクロカプセルの成分、薬剤と重合コーティング材料の相対量、マイクロカプセルのサイズ、その他のパラメータは種々の程度の味隠蔽及び種々の解放プロファイルを得るように容易に変えることができる。上記した操作のパラメータ、マイクロカプセルの成分及び成分の相対量であれば、一般に、「目標とする」("targeted")解放プロファイルを提供することができ、この場合、薬剤の解放は口の中で行われるのではなく、その後ごく短時間で行われ、実質上、分単位の範囲内で完了する。量的な意味においては、目標とする解放を行うマイクロカプセルは、本技術分野において「パドル法」("paddle method")溶解試験と広く呼ばれている合衆国薬局方(「USP」)溶解試験に従って試験を行った場合に、薬剤の少なくとも約75%を45分以内に溶解させるのが望ましい。本明細書に記載の溶解試験は、マイクロカプセルに含まれる活性成分のタブレットまたはカプセルに関してUSPのモノグラフにおいて特定されている溶解媒体、攪拌速度及び溶解媒体の量を使用して行うべきである。かかるUSPモノグラフがない場合、あるいは上記した条件が特定されない場合には、900mlの水に活性成分を溶解して得られる飽和溶液を形成するのに必要な量の5%未満の活性成分を含む、この900mlの水をマイクロカプセルの溶解媒体として使用すべきである。攪拌速度は50rpmにすべきであり、温度は37℃にすべきである。45分で少なくとも90%溶解のような45分で更に高い溶解値が、より一層望ましい。更に、30分の溶解時間、より一層好ましくは約15分の溶解時間で少なくとも約75%以上の溶解を行う能力を有するのがより一層好ましい。活性成分の迅速解放タブレットまたはカプセルに関するUSPモノグラフに、溶解試験において溶解されるべき活性成分のパーセントQとして量が記載されている場合には、本発明の好ましい実施の形態に係るマイクロカプセルは、モノグラフにおいて特定されているのと同じ溶解試験において、少なくともその量の溶解、好ましくはQ+5パーセントの溶解を行うのが望ましい。即ち、本発明に係る目標とされる解放を行うマイクロカプセルは、活性成分の迅速解放タブレットまたはカプセルに関するUSPモノグラフにおいて特定されている溶解特性を発揮するのに少なくとも必要とされる迅速な解放速度を発揮すべきである。
【0047】
しかしながら、患者の口内での薬剤の瞬間的な解放は味の隠蔽を損なうことになるので、目標とする解放は、唾液によって瞬間的に行われるものであってはならない。かくして、約1分以内の溶解時間で薬剤が実質上溶解するのは、一般に望ましくない。マイクロカプセルが薬剤投与の形態で使用される場合には、典型的には約1分以内で飲み込んで口を通り過ぎる。最初の1分間における溶解のレベルがより低いと、より効果的な味の隠蔽が得られる。理想的な味隠蔽マイクロカプセルは、1分では薬剤の溶解を全く行わない。かくして、好ましいマイクロカプセルは、上記したUSP試験方法による薬剤の溶解が75%よりもかなり低くなるようにすべきであり、1分の溶解値が50%未満、25%未満、5%未満、1%未満というように、更に低いのが一層好ましい。
【0048】
本発明は何らの操作理論によっても制限されるものではないが、マイクロカプセルの重合体壁、特にコアセルベーションにより形成される重合体の壁は、多くの場合、孔を有するものと考えられる。更に、マイクロカプセルからの薬剤の溶解がこれらの孔を介して行われることが考えられる。かくして、水が孔に入り込み、薬剤と水の著しく濃厚な溶液をマイクロカプセルの内部で形成するとともに、著しく濃厚な溶液から周囲の水性流体へかけて形成される濃度勾配により、孔を介して周囲の水性流体への薬剤の拡散が促進されるものと考えられる。生ずるものと考えられる別の解放機構として、水の吸収によるコア材料の膨潤により引き起こされあるいは促進されるマイクロカプセルのコーティングの破壊がある。かかる操作の理論にもかかわらず、マイクロカプセルのコーティング材料の一層高い特性はより緩慢な溶解を行わせる傾向があり、一方、より少量のコアセルベーション促進剤即ち上記した「第2のポリマ」を使用したコアセルベーションは、より迅速な溶解を行わせる傾向がある。後者の作用は、孔の形成に及ぼす第2のポリマの影響により得られるものと考えられ、第2のポリマの量を一層多くすると、ポリマコーティングに、より少ないまたはより小さな孔を形成させる傾向がある。かかる作用の理由の如何にかかわらず、これらの作用を利用して、特定の薬剤の解放速度を調整することができる。
【0049】
本明細書に記載のマイクロカプセルを使用して、粉末、噛むことができるタブレット、迅速溶解タブレット、発泡性配合物及び液体分散体をはじめとする種々のタイプの薬剤配合物をつくることができる。粉末、噛むことができるタブレット及び発泡性配合物のような固形の配合物の場合には、希釈剤、バインダ、粒状化剤、崩壊剤、風味添加剤などを含む、従来のキャリヤ、賦形剤及び添加剤が使用される。通常使用される賦形剤には、例えば、薬剤等級のマンニトール、ラクトース、澱粉などが含まれる。本発明のマイクロカプセルを含む液体薬剤組成物は、一般に、マイクロカプセルを、薬剤の解放を引き起こさない非水性キャリヤに分散または懸濁させ、あるいは患者に投与する直前にマイクロカプセルを水性キャリヤに分散させることにより得ることができる。例えば、マイクロカプセルは、匂い袋その他の適宜の包装体の形態で、易流動性の粒状材料として得ることができ、かかる粒状材料は水性キャリヤに分散させることができる。これらの固体または液体の配合物は、マイクロカプセルに含まれる所望量の活性成分を提供するのに必要な任意の量のマイクロカプセルを含むことができる。例えば、投与形態物の10重量%乃至95重量%程度の量のマイクロカプセルを使用することができる。投与形態物は、患者に投与するときにマイクロカプセルを迅速に解放するように構成すべきである。即ち、マイクロカプセル以外の、投与形態物の構成素子は、投与形態物を患者に投与するときにマイクロカプセル内の活性成分の解放を大きく妨害することがないようにすべきである。かくして、投与形態物は、マイクロカプセルに関して上記した好ましい溶解値のような溶解値を提供するのが好ましい。かかる投与形態物をつくる実際の方法は公知であり、あるいは当業者に明らかであり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版(ペンシルバニア州、イーストンに所在するマック・パブリッシング・カンパニ(Mack Publishing Company)から1990年発行)を参照されたい。
【0050】
発泡性配合物に関しては、使用される手順及び成分が、いずれもウエーリング(Wehling)等の発明に係り、本譲受人に譲渡された米国特許第5,178,878号、第5,219,574号、第5,223,264号及び第5,401,513号に記載されている。しかしながら、これらは、発泡性配合物については必ずしも必要ではない。本明細書においては、これらの米国特許を引用してその説明に代える。この配合物は、発泡、即ち、水と接触したときに気体の放出を図る成分を含んでおり、これらの成分には、乾燥した固体の炭酸塩、好ましくは、炭酸水素ナトリウムと、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸及び琥珀酸のような有機酸が含まれる。これらの添加剤は組み合わせで、典型的には、発泡性タブレットの1重量%乃至90重量%、好ましくは2重量%乃至50重量%、最も好ましくは2重量%乃至25重量%程度に相当し、水と接触したときに二酸化炭素を放出する。発泡性配合物には、更に、水素化及び部分水素化植物油、動物脂肪、ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、タルク、軽質鉱油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、イーストマン・ケミカルズ(Eastman Chemicals)により商標MYVATEX TLを付して販売されている滑剤(lubricant)などが含まれる。例えば、上記した米国特許第5,118,878号に記載されているように、直接的な経口投与に適した発泡性タブレットが特に有用である。かかるタブレットは、口に入れた場合、唾液に曝したときに迅速に崩壊することにより、患者が噛んで崩壊させる必要性を少なくしあるいはなくすように構成することができる。’878号特許に説明されているように、これは発泡性投与形態物に組み込まれるマイクロカプセルの損傷を最小にし易い。
【0051】
本発明を好ましい特定の実施の形態に関して説明したが、上記説明および下記の実施例は本発明を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲に含まれる他の観点、利点及び修正は、当業者にとって明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
以下の実施例においては、使用される数値(例えば、量、温度など)の精度を確保する努力がされているが、ある程度の実験誤差及び偏りが考慮されるべきである。別に特定しない限り、温度は摂氏であり、圧力は大気圧または大気圧に近いものである。
【実施例1】
【0053】
カプセル化されたラニチジンの製造
下記の操作を行って、ラニチジンのマイクロカプセルをつくった。
エチルセルロース(120g、NFプレミアム(Premium)標準等級100、ダウ・ケミカル(Dow Chemical))と、酢酸エチレンビニルコポリマ(Elvax(登録商標)40、デュポン(DuPont))を、12リットルのフラスコに入れた8リットルのシクロヘキサンに加えた。この混合物を、ポリマが全て溶解するまで80℃に加熱した。ラニチジン塩酸塩(80g、グラクソ(Glaxo))をポリマ溶液に加え、混合物を1時間450rpmで攪拌した。得られた溶液を、450rpmで攪拌しながら、約0.5℃/分で1時間冷却に供し、約50度の最終温度にした。次に、溶液を1時間の時間をかけて0.166度/分で40℃に冷却した。最後に、フラスコを氷水に浸漬することにより溶液を20°に冷却した。得られた固形の沈殿を沈降させ、冷溶液をデカント処理した。固形物をろ過により集め、1リットルの冷シクロヘキサンで2回及び1リットルのシクロヘキサンで1回洗浄を行った。得られたマイクロカプセルの素材を一晩空気乾燥に供し、次に少なくとも6時間減圧下で乾燥に供した。乾燥したマイクロカプセル(約195g)を、所要の場合には乳鉢と乳棒を使用して、穏やかに分散させ、840μmのスクリーンにより篩い分けした。生成物の約5%がスクリーンにより捉えられた。この全操作により、185gの生成物が得られた。
【実施例2】
【0054】
カプセル化ラニチジンの製造
再現性
粒状ラニチジン塩酸塩を含む5バッチ分のマイクロカプセルを、実施例1に記載の方法により製造した。酢酸エチルビニルの代わりにポリエチレンを使用した。これらのマイクロカプセルの配合物を表1に示すが、表に示すように、各配合物は、解凝集剤として5重量%のコロイドシリカ(Syloid(登録商標))を含んでいる。バッチ1、4及び5(実験2A、2D及び2E)は同じ配合物であった。
【0055】
【表1】

【実施例3】
【0056】
マイクロカプセルの評価
実施例3の目的は、実施例2において製造したマイクロカプセルの解放プロファイルを評価することにあった。表2においては、薬剤の解放は、各バッチのマイクロカプセルに関して時間の関数として評価を行った。表2に示すように、マイクロカプセルは実質上全てが、5分以内に、封入された薬剤の大部分を解放し、評価の対象となった全てのマイクロカプセルにおいて90%を越える薬剤が30乃至45分で解放された。
【0057】
【表2】

【実施例4】
【0058】
ラニチジンHClマイクロカプセルを含む発泡性タブレットの配合物
ラニチジン塩酸塩を含むマイクロカプセルを実施例2に記載のようにしてつくった。かかるマイクロカプセルを含む発泡性タブレットは、表3に掲げる成分をポリ袋に秤量することによりつくった。かくして得た混合物を、16USメッシュスクリーンに通し、ツインシェルのブレンダに入れ、15分間ブレンドした。滑剤であるステアリン酸マグネシウムをスクリーン処理し、秤量し、ツインシェルブレンダの混合物に添加した。
互いに対向して配置され、0.625”の同等にコーティングされ、平坦面の標準的な面取りされた工具の2つのステーションを装備し、かつ、重力供給装置を使用したカッド・マック(Cad Mach)ステーションタブレットプレス機で、ブレンドをタブレットにした。
かくして形成された発泡タブレットの成分及び物理的特性を表3に示す。
【0059】
【表3−1】

【0060】
【表3−2】

【実施例5】
【0061】
実施例4において得られた発泡性タブレットの評価を、水との接触後の時間と薬剤解放に関して行った。溶解試験の条件は次の通りであった。
媒体:水
媒体の容量:900ml
媒体の温度:37℃
装置:USP#2(パドル)
パドル速度:50rpm
【0062】
これらのタブレットの溶解の速度を表4に示す。7.5乃至60分の範囲の時間におけるタブレットの溶解の再現性は、試験された時間のいずれかの時点において実験4A乃至4Eにおいて行われたタブレットの溶解パーセントを比較することにより理解することができる。
【0063】
【表4】

【実施例6】
【0064】
味の隠蔽
ラニチジン塩酸塩を含むマイクロカプセルを実施例2に記載のようにしてつくった。このマイクロカプセルを含む発泡性タブレットを実施例4に記載のようにしてつくった。
【0065】
マイクロカプセル及び発泡性タブレットの評価を、8人からなる内部の味審査会により味の隠蔽に関して行い、8人の各人がマイクロカプセルの全てについて評価を行った。5つのタブレット配合物のうちの4つが、この8人による評価に供された。味の評価は、ソーダクラッカを食べ、水をひとなめし、マイクロカプセルまたはタブレットのサンプルを味見する工程からなる標準的なプロトコールを使用して行った。この手順を各人が繰り返すことにより、全てのサンプルの評価を行った。
【0066】
マイクロカプセルを、次の特性、即ち、流動性、色彩、臭い、口当たり/じゃりじゃり感(grittiness)、味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容性に関して行った。マイクロカプセルの味隠蔽、苦味、後味及び全体の許容性に関する平均点数及び中間点数が、図1A乃至図1D及び図2A乃至図2Dにそれぞれ示されている。データは、0乃至5のスケールで提示されており、5は最も望ましい結果であり、即ち、苦味と後味がなく、0は最も望ましくない点数であり、即ち、味の隠蔽がされていないことを示している。かくして、例えば、マイクロカプセル組成物2Bは、最高の味隠蔽点と最高の総合点を有していると考えられる。
【0067】
タブレット配合物を、崩壊時間、発泡のレベル、風味許容性、口当たり、味の隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容性に関して評価を行った。マイクロカプセルの味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容性に関する平均点数及び中間点数が、図3A乃至図3D及び図4A乃至図4Dにそれぞれ示されている。マイクロカプセル組成物2Bからつくったタブレット配合物4Bが、最高の味隠蔽点と最高の総合点を有していた。
【0068】
本明細書においては、1996年10月1日付で出願した米国仮出願第60/027,170号を引用してその説明に代える。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、薬剤の製造において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1A】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図1B】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図1C】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図1D】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図2A】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図2B】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図2C】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図2D】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図3A】ラニチジンタブレット配合物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図3B】ラニチジンタブレット配合物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図3C】ラニチジンタブレット配合物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図3D】ラニチジンタブレット配合物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の平均点数を示す。
【図4A】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図4B】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図4C】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。
【図4D】ラニチジンマイクロカプセル組成物の味隠蔽、苦味、後味及び全体的な許容度のそれぞれについての実施例6に記載の評価の中間点数を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性薬剤の味隠蔽マイクロカプセル組成物であって、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カルボキシメチルエチルセルロースと、ポリ乳酸と、これらの組み合わせとからなる群より選ばれる1つ以上のポリマから実質上なる重合材料であって、組成物の約30重量%乃至65重量%を構成する重合材料における水溶性薬剤のマイクロカプセルを備えてなり、該マイクロカプセルは前記薬剤の目標とする解放を行うのに有効であることを特徴とする味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項2】
アンタゴニスト及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれる薬剤の味隠蔽マイクロカプセル組成物であって、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カルボキシメチルエチルセルロースと、ポリ乳酸と、これらの組み合わせとからなる群より選ばれる1つ以上のポリマから実質上なる重合材料であって、組成物の約30重量%乃至65重量%を構成する重合材料における水溶性薬剤のマイクロカプセルを備えてなり、該マイクロカプセルは前記薬剤の目標とする解放を行うのに有効であることを特徴とする味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項3】
水溶性薬剤の味隠蔽マイクロカプセル組成物であって、コアセルべートされた重合材料における前記薬剤のマイクロカプセルを備え、前記重合材料は組成物の約30重量%乃至65重量%を構成し、前記マイクロカプセルは前記薬剤の目標とする解放を行うのに有効であることを特徴とする味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項4】
アンタゴニスト及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれる薬剤の味隠蔽マイクロカプセル組成物であって、コアセルべートされた重合材料における前記薬剤のマイクロカプセルを備え、前記重合材料は組成物の約30重量%乃至65重量%を構成し、前記マイクロカプセルは前記薬剤の目標とする解放を行うのに有効であることを特徴とする味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項5】
重合材料は、実質上水不溶性のポリマから実質上なることを特徴とする請求項3または4に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項6】
前記重合材料は孔を有し、前記マイクロカプセルは前記孔を介しての拡散により薬剤を解放するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項7】
前記重合材料はポリマのバルクを介しての薬剤の拡散に対して実質上不透性の1つ以上のポリマから実質上なることを特徴とする請求項6に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項8】
前記重合材料はエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カルボキシメチルエチルセルロースと、ポリ乳酸と、これらの組み合わせとよりなる群から選ばれる1つ以上のポリマから実質上なることを特徴とする請求項3または4に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項9】
前記重合材料はエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース及びポリメタクリレートよりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項10】
前記重合材料はエチルセルロースであることを特徴とする請求項9に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項11】
各マイクロカプセルは重合材料のコーティングにより包囲された薬剤のコアを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項12】
水不溶性重合材料は配合物の約40重量%乃至60重量%に相当することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項13】
水不溶性重合材料は配合物の約45重量%乃至55重量%に相当することを特徴とする請求の項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項14】
前記薬剤は水溶性Hアンタゴニスト及びHアンタゴニストの薬剤として許容することができる水溶性塩よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項15】
前記薬剤はラニチジン及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項14に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項16】
薬剤はラニチジン塩酸塩であることを特徴とする請求項15に記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物。
【請求項17】
圧縮タブレットの形態をなす請求項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物を備えることを特徴とする薬剤を投与する薬剤配合物。
【請求項18】
タブレットは噛むことができることを特徴とする請求項17に記載の薬剤配合物。
【請求項19】
タブレットは発泡性であることを特徴とする請求項17に記載の薬剤配合物。
【請求項20】
タブレットは、味隠蔽マイクロカプセル組成物のほかに、タブレットの約1重量パーセント乃至90重量%程度に相当する乾燥した固体炭酸塩成分及び有機酸を組み合わせて備えることを特徴とする請求項17に記載の薬剤配合物。
【請求項21】
乾燥した固体炭酸塩成分と有機酸の組み合わせ体はタブレットの約2重量%乃至50重量%程度に相当することを特徴とする請求項17に記載の薬剤配合物。
【請求項22】
乾燥した固体炭酸塩成分と有機酸の組み合わせ体はタブレットの約2重量%乃至25重量%程度に相当することを特徴とする請求項17に記載の薬剤配合物。
【請求項23】
易流動性の粒状材料の形態をなす請求項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物を備えることを特徴とする薬剤を投与する薬剤配合物。
【請求項24】
液体分散体の形態をなす請求項1乃至4のいずれかに記載の味隠蔽マイクロカプセル組成物を備えることを特徴とする薬剤を投与する薬剤配合物。
【請求項25】
薬剤の味を隠蔽する方法であって、
(a)(i)薬剤と、(ii)薬剤をマイクロカプセル化するのに有効な第1の重合材料と、(iii)溶媒からの第1の重合材料の相分離を促進させる第2の重合材料と、(iv)第1と第2の重合材料が溶媒に溶解するように第1の温度の無極性有機溶媒とを含む混合物を形成する工程と、
(b)第1の重合材料における薬剤のマイクロカプセルを形成してマイクロカプセル化された薬剤の分散体を形成するように混合物を所定の時間所定の冷却速度で前記第1の温度よりも低い第2の温度に冷却する工程と、
(c)溶媒と第2の重合材料を分散体から除去して単離された味隠蔽マイクロカプセルを得る工程と、
(d)マイクロカプセルを乾燥する工程とを備え、
工程(a)における薬剤と第1の重合材料の相対量はマイクロカプセルが約30重量%乃至65重量%の第1の重合材料を含むように設定され、前記マイクロカプセルは薬剤の目標とする解放を行うのに有効であることを特徴とする薬剤の味を隠蔽する方法。
【請求項26】
第1の重合材料は実質上水不溶性のポリマであることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1の重合材料はエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カルボキシメチルエチルセルロースと、ポリ乳酸と、これらの組み合わせとからなる群から選ばれることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
第1の重合材料はエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース及びポリメタクリレートよりなる群から選ばれることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
第1の重合材料はエチルセルロースであることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
第1の重合材料は配合物の約40重量%乃至60重量%に相当することを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
第1の重合材料は配合物の約45重量%乃至55重量%に相当することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記薬剤は水溶性のH−アンタゴニスト及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記薬剤はラニチジン及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項34】
薬剤はラニチジン塩酸塩であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記混合物を形成する前記工程は、前記第1と第2のポリマを前記溶媒と混合してブレンドを形成する工程と、該ブレンドを前記第1の温度に加熱するとともに前記ポリマが前記溶媒に溶解するまで前記ブレンドを前記第1の温度に保持する工程と、前記薬剤を添加する工程とを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記混合物を形成する前記工程は、前記薬剤と前記ポリマを前記溶媒と混合してブレンドを形成する工程と、前記ブレンドを前記第1の温度に加熱する工程とを含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項37】
薬剤の味を隠蔽する方法であって、
(a)(i)薬剤と、(ii)薬剤をマイクロカプセル化するのに有効な第1の重合材料と、(iii)第1と第2の重合材料が溶媒に溶解するように第1の温度の無極性有機第1溶媒とを含む混合物を形成する工程と、
(b)第1の重合材料における薬剤のマイクロカプセルを形成してマイクロカプセル化された薬剤の分散体を形成するように混合物を所定の時間所定の冷却速度で前記第1の温度よりも低い第2の温度に冷却する工程と、
(c)溶媒を分散体から除去して単離された味隠蔽マイクロカプセルを得る工程と、
(d)マイクロカプセルを乾燥する工程とを備え、
工程(a)における薬剤と第1の重合材料の相対量はマイクロカプセルが約30重量%乃至65重量%の第1の重合材料を含むように設定され、前記マイクロカプセルは薬剤の目標とする解放を行うのに有効であることを特徴とする薬剤の味を隠蔽する方法。
【請求項38】
前記冷却工程の際または前に第1の重合材料の相分離を促進するのに有効な第2の溶媒を前記混合物に添加する工程を更に備えることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第1の重合材料はエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリメタクリレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、カルボキシメチルエチルセルロースと、ポリ乳酸と、これらの組み合わせとからなる群から選ばれることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1の重合材料はエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸酪酸セルロース及びポリメタクリレートよりなる群から選ばれることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項41】
第1の重合材料はエチルセルロースであることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項42】
第1の重合材料は配合物の約40重量%乃至60重量%に相当することを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項43】
第1の重合材料は配合物の約45重量%乃至55重量%に相当することを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記薬剤は水溶性のH−アンタゴニスト及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記薬剤はラニチジン及びその薬剤として許容することができる塩よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項37に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【公開番号】特開2006−225397(P2006−225397A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79752(P2006−79752)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【分割の表示】特願2003−436050(P2003−436050)の分割
【原出願日】平成9年10月1日(1997.10.1)
【出願人】(500117347)シーマ・ラブス、インコーポレイテッド (12)
【出願人】(593195026)エスアールアイ インターナショナル (14)
【氏名又は名称原語表記】SRI INTERNATIONAL
【Fターム(参考)】