説明

呼吸システムのための弁アセンブリ

アダプタアセンブリ(22)は、マニホールド(30)と弁アセンブリとを備える。弁アセンブリは、支持体(202)と、環状のベース部(210)と壁部(212)とを有する弁体(200)を備える。壁部(212)は、ベース部(210)の後面(218)から延び、スリット(230)が形成された端で終端するドーム形状である。壁部(212)は、スリット(230)の対向し合うシール面(240)を定義する。支持体(202)は、環状の上側面(250)と、環状の下側面(252)とを備える。上側面(250)がベース部(210)の前面(216)と係合し、下側面(252)が後面(218)と係合する。上側面(250)または下側面(252)の少なくとも一方に、隆起部(266,286)が形成されている。最終組み立て状態において、弁体(200)がマニホールド(30)の通路(44)を横断するように配置されるとともに、スリット(230)が選択的に開閉可能な経路を形成する。隆起部(266,286)からの力によって、ベース部(210)が変形するとともに、シール面(240)が付勢されて接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年7月29日に出願された米国仮特許出願第61/084424号(「流し洗い装置を備えた閉鎖式吸引カテーテルアダプタ、およびそれに使用される弁アセンブリ」、代理人整理番号C270.160.101/W−1622)に基づく優先権主張出願である。また、その内容全体が、本明細書に参照として組み込まれている。
【0002】
本発明は、呼吸器官に使用される気道アクセス用アダプタに関する。特に、洗浄、すなわち流し洗いできるアダプタおよび関連する閉鎖式吸引カテーテルシステム、加えてそれに使用される選択的な弁構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
患者の呼吸を手助けするために、換気装置(ベンチレータ)や関連する呼吸回路を使用することはよく知られている。例えば、手術中や他の医療処置中、多くの場合、患者は、呼吸ガスを患者に供給するベンチレータに接続される。多くの場合、気管切開チューブや気管内チューブなどの人工気道を介して、患者の気道に機械式のベンチレータが接続される。
【0004】
呼吸回路においてベンチレータと人工気道が1対1で直接流体接続される場合、多くの介護士が、呼吸回路に器具や物質を導入できることを望んでいる。これらの要望を満足するために、気道アクセス用アダプタが開発されている。概括的に言えば、気道アクセス用アダプタは、換気用ポート、呼吸器官用ポート、およびアクセス用ポートを含む、少なくとも3つの流体接続用ポートを備えるマニホールドの形態である。気道アクセス用アダプタは、使用中、換気用ポートがベンチレータに流体接続されるとともに呼吸器官用ポートが人工気道に流体接続された状態で、呼吸回路に組み込まれる。このような構成の場合、アクセス用ポートを介して、介護士は、例えば、患者の気道を見るためのまたは関連する処置を行うための器具や、患者の気道から液体や分泌物を吸引するための器具を挿入することができる。一般的には、気道アクセス用アダプタは、患者の換気の維持に必要な圧力がアクセス用ポートを介して低下しないように、アクセス用ポートにシールや弁構造体を備える。気道アクセス用アダプタは、広く受け入れられ、特に機械式のベンチレータを長期間必要とする患者に対して非常に役に立っている。
【0005】
上述したように、気道アクセス用アダプタは、呼吸回路に対して様々な異なるツールの使用を容易にする。そのようなツールの一つとして、換気中の患者の気道から分泌物や液体を取り除くために使用される閉鎖式吸引カテーテルシステムが挙げられる。換気圧力の低下を防止するために、カテーテルは、閉鎖された呼吸回路の一部となり、それにより、患者の気道を吸引するために回路を「開く(opened)」必要がなくなる。また、周囲の微生物に汚染されていない状態で、または介護士によって汚染された状態でカテーテルを維持するために、閉鎖式吸引カテーテルシステムは、多くの場合、呼吸回路の外側のカテーテル部分を覆うシースを備える。この構成の場合、閉鎖式吸引カテーテルシステムは、吸引処置の間、呼吸回路に(気道アクセス用アダプタを介して)取り付けられた状態で維持される。しかしながら、時間の経過にともない、分泌物や他の物質がカテーテルの作業端に堆積し、カテーテルを定期的に洗浄する必要がある。一般的な洗浄方法の一つとして、開通性を維持しつつ、細菌を増殖させる媒体の滞留を抑制するために、生理食塩水や水などの流体を用いてカテーテルを流し洗いする方法がある。
【0006】
閉鎖式吸引カテーテルシステムや関連する気道アクセス用アダプタが存在する場合、吸引カテーテルシステムの流し洗いを可能にする構成が2つあって、そのうちの一つが採用される。一つは、吸引カテーテルが、気道アクセス用アダプタから簡単に取り外せ、吸引カテーテルの構成要素に取り付けられた、洗浄を容易にする流し洗い用ポートを備える。この場合、流し洗い用ポートは、吸引カテーテルシステムの他の構成要素とともに、気道アクセス用アダプタから離れる。逆に、吸引カテーテルシステム(および関連する気道アクセス用アダプタ)が閉鎖式吸引の用途のためだけのものである場合(すなわち、カテーテルが気道アクセス用アダプタから分離できない場合)、流し洗い用ポートは、気道アクセス用アダプタ自体に設けられる。カテーテルを取り外すことができないため、カテーテルが患者の気道から完全に引き抜かれて保護用シース内に収容されたときに、カテーテルの先端近くに洗浄用の液体が導入できるように、流し洗い用ポートが配置される。
【0007】
上記した吸引カテーテルの洗浄に関する2つの構成は非常に有益であるものの、ある欠点が存在する。カテーテル/流し洗い用ポートが取り外し可能な設計の場合、(閉鎖式吸引カテーテルシステムの取り外しが可能な)気道アクセス用アダプタのアクセス用ポートを通過している他の器具を簡単に洗浄することができない。言い換えると、流し洗い用ポートが取り外されると、他の器具を容易に洗浄することができない。逆に、流し洗い用ポートを備える気道アクセス用アダプタを使用する場合、吸引カテーテルは、簡単に取り外せず、他の器具と交換することができない。そのため、アダプタの有用性が全面的に損なわれる。これらにしたがって、吸引カテーテルを(滑合シールを介して)取り外し可能に受け入れるように、流し洗い用ポートを備える気道アクセス用アダプタを改良することが考えられるが、滑合シールが流し洗い用ポートを妨害するため、これは実行不可能である。
【0008】
従来の流し洗い用ポートの構成に関連する欠点に加えて、気道アクセス用アダプタは、一般的に、非使用時にアクセス用ポートを閉塞するいくつかの種類の弁を備え、それに様々な器具がシールを維持した状態で挿入される。この点に関して、従来からあるチェック弁やフラップ弁が幅広く利用されているが、長期にわたって繰り返してシールする弁としては、最善なものではない。
【0009】
上述のことを考慮すると、気道アクセス用アダプタを改良する必要があるとともに、それを使用する閉鎖式吸引カテーテルシステムも改良する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
一態様によれば、マニホールドと弁アセンブリとを備える、患者の人工気道に呼吸デバイスを接続するためのアダプタアセンブリが提供される。マニホールドは、換気用ポート、呼吸器官用ポート、およびアクセス用ポートを形成して相互に流体接続する。マニホールドは、アクセス用ポートと流体接続して該アクセス用ポートから延びる通路を形成する導管部を備える。弁アセンブリは、通路を選択的に閉塞し、また弁体と弁支持構造体とを備える。弁体は、対向し合う第1および第2の端と内部チャンバーを備える。弁体は、環状のベース部と壁部とを備える。環状のベース部は、前面と後面とを備え、その前面が弁体の第1の端を定義する。壁部は、ベース部の後面から延びて第2の端で終端するドーム形状である。スリットが、第2の端でチャンバーが開くように壁部に貫通形成されている。壁部が、スリットの対向し合うシール面を定義する。弁支持構造体は、導管部に沿って形成され、ベース部を封密に保持する。弁支持構造体は、環状の上側面と環状の下側面とを備える。環状の上側面は、ベース部の前面と係合する。環状の下側面は、ベース部の後面と係合する。上側面または下側面の少なくとも一方に、隆起部が形成されている。最終組み立て状態において、弁体が通路を横断するように配置されるとともにスリットが弁アセンブリを通過する選択的に開閉可能な経路を形成し、隆起部からの力によって、ベース部が変形するとともに対向し合うシール面が付勢されて接触する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の態様に係る呼吸装置の側面図
【0012】
【図2A】図1に示す装置の気道アクセス用アダプタアセンブリの断面図
【図2B】図1に示す装置の気道アクセス用アダプタアセンブリの断面図
【0013】
【図3】図1に示す装置の閉鎖式吸引カテーテルアセンブリの一部の分解斜視図
【0014】
【図4】図1に示す装置の分解断面図
【0015】
【図5A】図1に示す装置の断面図
【図5B】図1に示す装置の断面図
【0016】
【図6A】図1に示す装置の弁デバイスに使用される弁体の側面図
【0017】
【図6B】図6Aに示す弁体の上面図
【0018】
【図6C】図6Aに示す弁体の下面図
【0019】
【図6D】図6Aに示す弁体の断面図
【0020】
【図7】本発明の態様に係る弁デバイスを備える気道アクセス用アダプタの一部の断面図
【0021】
【図8A】図7に示す弁デバイスの構成要素である弁支持構造体の一部の斜視図
【0022】
【図8B】図8Aに示す構成要素の断面図
【図8C】図8Aに示す構成要素の断面図
【0023】
【図9A】図7に示す弁デバイスの別の構成要素の拡大斜視図
【0024】
【図9B】図9Aに示す構成要素の断面図
【図9C】図9Aに示す構成要素の断面図
【0025】
【図10A】最終組み立て状態における、図7に示す気道アクセス用アダプタの断面図
【図10B】最終組み立て状態における、図7に示す気道アクセス用アダプタの断面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係るいくつかの態様は、ベンチレータ回路に使用される気道アクセス用アダプタに関する。また、その気道アクセス用アダプタを使用する閉鎖式吸引カテーテルに関する。これを考慮して、図1に示す一実施形態の呼吸装置20は、気道アクセス用アダプタアセンブリ(または「アダプタアセンブリ」)22と、閉鎖式吸引カテーテルアセンブリ24とを備える。その複数の構成要素の詳細については後述する。概括的に言えば、アダプタアセンブリ22は、患者の呼吸器官(例えば、気管内チューブや気管切開チューブなどを介して)に直接的に流体接続されている人工気道(図示せず)に対して相互に流体接続し、且つ機械式の換気源(例えば、ベンチレータに接続されたチューブ)を備える患者の呼吸回路(図示せず)内に配置されるように構成されている。さらに、アダプタアセンブリ22は、吸引カテーテルアセンブリ24を含む、複数の器具の呼吸回路内への取り外し可能な挿入を容易にする。このために、アダプタアセンブリ22と吸引カテーテルアセンブリ24には、吸引カテーテルアセンブリ24がアダプタアセンブリ22に取り付けられた状態のときに、吸引カテーテルアセンブリ24の洗浄を手助けする付随的な機構が組み込まれている。
【0027】
上述を考慮して、アダプタアセンブリ22は、換気用ポート32、呼吸器官用ポート34、アクセス用ポート36、流し洗い用ポート38を形成する、すなわちこれらを備えるマニホールドハウジング30を備える。図2Aや図2Bに最もよく示されるように、ハウジング30はポート32〜38を相互に流体接続し、アダプタアセンブリ22はさらに、アクセス用ポート36に隣接する弁デバイス40を備える。
【0028】
図2Aに示すように、換気用ポート32は、例えばチューブを介して、ベンチレータ33に流体接続するように構成されている(図1)。この点に関連して、アダプタアセンブリ22は、スイベル式接続、シール接続などの所望の流体接続を確立して維持するために、付加的な構成要素を備える。
【0029】
呼吸器官用ポート34は、患者の呼吸器官と直接接続する人工気道35に流体接続するように構成されている(図1)。例えば、呼吸器官用ポート34は、気管内チューブまたは気管切開チューブに流体接続されているチューブに接続される。または、人工気道35が、呼吸器官用ポート34に直接接続される。さらに、アダプタアセンブリ22は、スイベル式接続、シール接続などの所望の流体接続を確立して維持するために、付加的な構成要素を備える。
【0030】
換気用ポート32や呼吸器官用ポート34に対する構造的な要求や接続またはシールなどに関連する部材に対する要求に関係なく、ハウジング30は、ポート32,34を相互に流体接続する。この構成の場合、アダプタアセンブリ22は、患者の呼吸回路内に組み込まれ、ベンチレータ33と患者の呼吸器官との間の必要な流体接続を維持する。
【0031】
アクセス用ポート36は、ハウジング30内、特に呼吸器官用ポート34を選択的に通過するように、様々な器具が選択的に挿入できる構成にされている。したがって、いくつかの実施形態において、アクセス用ポート36は、呼吸器官用ポート34に対して軸方向に位置合わせされている。図2Bに具体的に示すように、アクセスポート36は、通路44を確立する導管部42を備える、または定義する。通路44はアクセス用ポート36の近位側端すなわち挿入側端46で開口し、挿入側端46は、いくつかの実施形態において、導管部42から放射方向外側に延びるフランジ48を備えている。とにかく、導管部42の内側表面50は、後述する吸引カテーテルアセンブリ24を含む、アダプタアセンブリ22に接続された状態で使用される様々な一般的な器具に対応したサイズの断面積を備える通路44を定義する。
【0032】
流し洗い用ポート38は、挿入側端46の近傍で導管部42から突出しており、通路44に流体接続されている。特に、流し洗い用ポート38は、対向して開口する入口54と出口56との間を延びる通路52を形成している。流し洗い用ポート38は、アクセス用ポート36に挿入された物体を洗浄(すなわち流し洗い)するために使用される水や生理食塩水などの液体源(図示せず)に関連するチューブや他の部材と流体接続するための機構を入口54に備える。例えば、蛇腹状表面58が選択的に形成される。とにかく、出口56は、挿入側端46に対する既知または所定の長手方向位置または距離の導管部42の内側表面50の部分に形成されている。後述するように、挿入側端46に対する出口56の所定の位置は、吸引カテーテルシステム24(図1)の寸法的な特徴に対応しており、これにより、流し洗い用ポート38に導入された液体が所望の位置で吸引カテーテルシステム24に接触する。
【0033】
言及すると、図2Aや2Bは、第1および第2のフレーム部、すなわちハウジング部60,62によって形成されているアクセス用ポート36を示している。第1のフレーム部60は、一体的に形成されたマニホールド30構造体である(すなわち、第1のフレーム部60は、換気用ポート32と呼吸器官用ポート34とを備えるように一体的に形成されている)。一方、第2のフレーム部62は挿入側端46を定義する。この構成の場合、第2のフレーム部62は、第1のフレーム部60に組み付けられ、それにより、アクセス用ポート36が完成されるとともに、弁デバイス40が完成される。他の実施形態において、アクセス用ポート36は、2つ(またはそれ以上)の分離可能な部品を組み合わせたものではなく、単一体である。とにかく、弁デバイス40は、通路44を横断するように延びて通路44を流体密にシールするとともに、アクセス用ポート36を介する器具の選択的な挿入を可能にする機構を備えている。器具が取り外されると、弁デバイス40は、通路44を流体密にシールするように作動する(すなわち、挿入側端46と換気用ポート32および呼吸器官用ポート34との間を遮断する)。弁デバイス40の選択的な構造の一例は後述されている。概括的に言えば、弁デバイス40は、アクセス用ポート36を介する器具のシールを維持した状態での挿入や取り外しを容易にする様々な形態(例えば、チェックバルブ、ダックバルブ、フラッパバルブなど)をとることが可能である。
【0034】
上述したように、また図1に戻り、吸引カテーテルアセンブリ24は、アクセス用ポート36を介してアダプタアセンブリ22とともに使用されるように構成されている。これを考慮して、本発明に係る一例の吸引カテーテルアセンブリ24は、図3に詳細に示すように、カテーテル70、フレキシブルシース72、フィッティング74、シール体76、カプラー78を備える。これらの構成要素の詳細については後述する。概括的に言えば、カテーテル70は、シール体76を介してフィッティング74にスライド可能に組み付けられている。同様に、フレキシブルシース72は、カプラー78を介してフィッティング74に取り付けられている。そして、フィッティング74は、アクセス用ポート36(図1)と接触するように構成されており、それにより、アダプタアセンブリ22(図1)を介するカテーテル70の挿入やカテーテル70の洗浄が可能になる。
【0035】
カテーテル70は、呼吸回路に接続された患者に対して吸引処置を実施するために、従来からある形態、または将来開発される形態をとることができる。いくつかの実施形態において、カテーテル70は、その長さ方向に、遠位側端82の開口から延びる、一つまたはそれ以上のルーメン80を定義する。側面の開口84は、ルーメン80に向かって開口するように形成されている。この構成の場合、遠位側端82は、人工気道35(図1)を通過して患者の呼吸器官(例えば患者の肺)に向かって延びる。ルーメン80は、同様にカテーテル70の近位側端(図示せず)で開口し、吸引源37(図1)に接続される。患者の呼吸器官に遠位側端82が留置されて吸引源37が作動すると、患者内や人工気道35内の呼吸分泌物が取り除かれる。
【0036】
フレキシブルシース72は、フィッティング74から離れたカテーテル70を囲み、呼吸器官から吸引されてカテーテル70上に堆積した汚染物質や粘液を収容して隔離する役割をする。加えて、シース72は、カテーテル70に外部からの不純物が混入しないように保護する。シース72は、閉鎖式吸引カテーテルの用途に役立つ任意の形態をとることができ、通常、薄いプラスチックの壁からなる。
【0037】
フィッティング74は、ハブ部90とノーズ部92とを備え、その長手方向に延びる連続したルーメン94(図3)を定義する。フィッティング74は、ステンレス鋼、プラスチック、セラミックなどの、剛性があって外科的に安全な材料から形成されている。
【0038】
ハブ部90は、シール体76およびカプラー78と係合し、後述するようにアクセス用ポート36(図1)と接触するサイズにされている。これを考慮して、ハブ部90は対向し合う第1および第2の端96,98によって定義され、第2の端98は、アクセス用ポート36の寸法的な特徴に対応した直径を備える。それにより、最終組み立て時に、アクセス用ポート36に対してフィッティング74が所望に配置される。いくつかの実施形態において、ハブ部90はフランジ100を備える。フランジ100は、一つまたはそれ以上のピン102を保持し、ピン102は、カプラー78の対応する部分に取り付けられるように構成されている。けれども、さまざまな他の取り付け方法でも、同様に可能である。
【0039】
ノーズ部92は、ハブ部90の第2の端98から延びる管状であって、末端104で終端する。ルーメン94は末端104で開口し、ノーズ部92はアクセス用ポート36(図1)内に挿入できる大きさにされている。いくつかの実施形態において、ノーズ部92は、径方向外側にわずかに傾斜する(すなわち、ハブ部90の第2の端98から末端104に向かって傾斜する)外側表面106を形成する。加えて、ノーズ部92は、末端104の近傍に外側表面106に沿った円周溝108と、複数の開口110とを形成する。円周溝108は、フィッティング74の作製中に、切削加工によって外側表面106に形成される。開口110は、ノーズ部92の厚さ方向に延び、外側表面106とルーメン94との間の通路を確立する。いくつかの実施形態において、4つの開口110が、等間隔に配置され、同一の大きさおよび形状で形成される。代わりとして、開口110の数はこれ以外でもよく(多いまたは少なくてもよく)、また、開口110は同一でなくてもよい。とにかく、開口110は、溝108の領域内に形成される。
【0040】
溝108と開口110の関連性が図4にさらに示されている。図示するように、開口110は、溝108内に周方向に配置され(例えば、溝108の長手方向高さの中央に配置され)、ルーメン94に向かって開口している。さらに、溝108(および開口110)は、ハブ部92の第2の端98に対して既知または所定の長さ方向位置に配置されている。後述にて明らかになるが、この既知の関係は、最終組み立て状態時に流し洗い用ポートの出口56と流体接続する位置に溝108を配置することができる、アクセス用ポート36の挿入側端46に対する流し洗い用ポートの出口56の既知の関係に対応する。
【0041】
図4を引き続き参照すると、シール体76は、ハブ部90内に保持され、カテーテル70と接触してその間をシールできるサイズにされている。シール体76は、様々な形態や構造をとることができ、また、ハブ部90内への取り付け性を向上させる様々な機構を備えることができる。とにかく、シール体76は、少なくともある程度は変形でき、それにより、流体密を維持しつつシール体76に対してカテーテル70が摺動可能にされる。いくつかの実施形態において、シール体76はワイピングすることができ、それにより、カテーテル70が引き抜かれるときに、シール体76によってカテーテル70の外側表面に付着した汚染物質が取り除かれる。
【0042】
カプラー78は、ハブ部90に取り付け可能であって、図4に示すようにハブ部90に対してシース72を固定する役割をする。カプラー78は、図とは異なる様々な構成をとることができ、いくつかの実施形態において、ピン102(図3)を収容することができる大きさの複数の穴112(図3)を備える。
【0043】
図5Aは、アダプタアセンブリ22と吸引カテーテルアセンブリ24との接続を示している。ノーズ部92は、挿入側端46を介してアクセス用ポート36に挿入され(例えば、滑合に取り付けされ)、それにより、通路44にカテーテル70の進路が確立される。このような配置の場合、上述したように気道に対して吸引処置を実施するために、カテーテル70の遠位側端82は、マニホールド30を遠位方向に進んで呼吸器官用ポート34を通過する。これに関連して、図5Bに示すように、弁デバイス40は、カテーテル70が通過可能であって、その一方でカテーテル70が引き抜かれると通路44を再シールするための一つまたはそれ以上の機構(スリット120など)を備える。
【0044】
図5Aに戻り、臨床医が、カテーテル70を、例えば遠位側端82を、流し洗い用ポート38を介して洗浄するすなわち流し洗いすることを定期的に所望する可能性がある。これに関連して、アクセス用ポート36とフィッティング74は、図5Aに示すようにノーズ部92が挿入されると、円周溝108が流し洗い用ポートの出口56に位置合わせされるように構成されている。例えば、上述したように、溝108とハブ部90の第2の端98との間の長手方向距離は、流し洗い用ポートの出口56とアクセス用ポート36の挿入側端46との間の長手方向距離に合致する。それにより、第2の端98が挿入側端46のフランジ48に隣接配置されると(すなわち、第2の端98の外形寸法または外径が、挿入側端46における通路44の対応する寸法に比べて大きい)、流し洗い用ポートの出口56と溝108とが位置合わせされる。特に、このような位置合わせを実行するために(アクセス用ポート36に対してフィッティング74を一時的に固定するために)、様々な構成が、付加的にまたは代わりとして使用可能である。例えば、通路44は、末端104と溝108との間の長手方向距離に関連して予め決められた流し洗い用ポートの出口56に対する長手方向位置で、その直径がノーズ部92の末端104の外径に比べて小さくなるようにテーパー状にされる。とにかく、導管部42の内側表面50とノーズ部92の外側表面106は、対応し合う形状および大きさ(例えば、対応し合う長手方向のテーパー)であって、図5Aに示すような組み付け状態において、ノーズ部92の外側表面106は、導管部42の内側表面50に係合する。
【0045】
流し洗い用ポートの出口56と溝108との位置合わせにより、開口110との流体接続が確立される。特に、導管部42の内側表面50とノーズ部92の外側表面106との間がシールされる。溝108は、係合面間に、開口110それぞれと流し洗い用ポートの出口56とを相互的に流体接続する、ギャップすなわち空間を効果的に定義する。例えば、複数の開口110には、第1の開口110aと第2の開口110bとが含まれている。いくつかの配列において、少なくとも一つの開口110(例えば、図5Aに一例として示されている第2の開口110b)は、流し洗い用ポートの出口56に直接位置合わせされない。流し洗い用ポートの通路52に入った液体は出口56に向かって流れ、そして溝108に流れ入る。溝108は、出口56に直接位置合わせされていない開口110を含む、複数の開口110それぞれに向かって、移動してきた液体を案内する(例えば、液体は、溝108を介して第2の開口110bに案内される)。言及すると、カテーテルを流し洗いする場合、カテーテル70は、まず、遠位側端82が開口110近傍に位置するように、フィッティング74に対して後退される。これにより、洗浄液は、遠位側端82に接触し、カテーテルのルーメン80を介して排出される。
【0046】
呼吸装置20を形成することに加えて、アダプタアセンブリ22は、臨床医が所望する他の器具と接続された状態で使用することができる。例えば、吸引カテーテルアセンブリ24がアクセス用ポート36から取り外され、そこに異なる器具(例えば、気管支鏡)が挿入される。このような場合、流し洗い用ポート38は、アダプタアセンブリ22に残ったままであるため、この別の器具に対しても洗浄処置を実行することが可能である。
【0047】
上述したように、弁デバイス40は、アクセス用ポート36を流体密にシールするために設けられる一方で、器具の定期的な挿入を可能とする。いくつかの実施形態において、弁デバイス40は、シール面を閉じさせる機構を備える。
【0048】
例えば、弁デバイス40は、弁体200と弁支持構造体202(図5B参照)とを備える。概括的に言えば、弁支持構造体202は通路44に対して弁体200を保持する。これらの部材200,202は、シール性を高めるために直列に構成されている。最終の組み立て状態における通路44を基準として、弁体200は、第1の端すなわち上流側端204と、第2の端すなわち下流側端206とを備えるものまたは定義するものとして図示されている。上流側端204は、下流側端206に比べて、アクセス用ポート36の挿入側端46の近傍に位置する。
【0049】
弁体200の詳細が図6A〜6Cに示されている。弁体200は、ベース部210と壁部212とを備える。壁部212は、ベース部210から延びて内部チャンバー214(図6B参照)を定義し、またドーム形状である。弁体200は、柔軟性を備えて弾性変形可能な、流体密にシールするのに適した、ラバーなどの様々な材料から作製することができる。
【0050】
ベース部210は、環状またはリング状であって、前面216と後面218とを定義する。最終組み立て状態において(図5A)、前面216は上流側端204を形成する。面216,218は、弁支持構造体202(図5A)の対応する部分と係合するように構成されている。この点に関して、また後述するように、ベース部210は、弁支持構造体202に取付けられると、非対称に、収縮するすなわち変形する。いくつかの実施形態において、所望に収縮するように、ベース部210は、図6Aや図6Bに示すように、前面216からテーパー状に突出した一つまたはそれ以上のフィンガー部220を備える。弁体200や弁支持構造体202の他の部分に対するフィンガー部220の配置や構成は、後述において明らかになる。また、図6Dに示すように、スロット222が後面218に沿って形成され、その結果として円周リブ224も形成される。スロット222/リブ224は、弁支持構造体202と接触する表面積を増加させる。
【0051】
図6Dを引き続き参照すると、壁部212は、ベース部210の後面218から突出し、先端226で終端する。先端226は、弁体200の下流側端206(図5A)を定義し、内部チャンバー214をほぼ閉じている。壁部212を貫通して形成された(すなわち、壁部212の内側表面232と外側表面234との間を延びている)スリット230(例えば図5Bのスリット120と同種のもの)を介して、先端226(およびチャンバー214)を通過する通路が設けられている。図6Bおよび図6Cに最もよく示されるように、スリット230は、ベース部210の中央に位置し、また、略直線状すなわち略平面状に設けられている。理由は後述にて明らかになるが、図6Bに示すように、付加的なフィンガー部220が、スリット230の面に対して垂直方向に配置されている。
【0052】
図6Dは、スリット230で先端226を二分割したものを示しており、片割れそれぞれにスリット230に沿ったシール面240が形成されている(図6Dは1つの片割れを示している)。所望の収縮や付勢を受けると、シール面240は、お互いに密に、とりわけ外側表面234沿って密に接触し、完全にシールする。したがって、シール面240は、スリット230に挿入された器具(図示せず)によって離れ、器具が取り除かれると直ちに再びシール状態に戻る。いくつかの実施形態において、自然状態でのシール性をさらに高めるために、壁部212は、スリット230の領域で厚くされている。例えば、壁部212は、ベース部210から延びる第1の部分242と、第1の部分242から延びて先端226を定義する第2の部分244とを定義するものとして図示されている。このような構造を考慮した場合、先端226での壁部212の厚さは、第1の部分242の壁部212の厚さに比べて厚くされている。図6Aには、リッジ246を形成することによってスリット230に沿って肉厚にされたものが示されている。
【0053】
上述の弁体200の構造を考慮した、弁支持構造体202が図7に示されている。弁支持構造体202は、いくつかの実施形態において、マニホールドハウジング30の一部として設けられ、環状の上側面250と環状の下側面252とを備えている。上側面250は、ベース部210の前面216に係合するように構成されている。一方、下側面252は後面218に係合するように構成されている。この点に関して、面250,252の一方または両方に、ベース部210を収縮させるまたは付勢力を付与する機構が組み込まれている。
【0054】
いくつかの実施形態において、上側面250および下側面252は、マニホールドハウジング30の別々の部品、例えば、上述した第1のフレーム部60と第2のフレーム部62とに、それぞれ形成されている。この点を考慮した、第1のフレーム部60が、マニホールド30の残りの部分を取り除いた状態で、また上側面250を詳細に示した状態で、図8A−8Cに示されている。特に、上側面250は、少なくとも一部で高さが増加する、一つまたはそれ以上の環状ショルダー部260を備えるまたは形成する。例えば、第1のショルダー部260aは、底面262から係合面264に延びるものとして図示されている。この延び量でショルダー部260aの高さが定義される。これらのことを考慮した場合、第1のショルダー部260aは、その周方向に高さが変化し、例えば、第1および第2の隆起部266a,266bと第1および第2の沈降部268a,268bとを定義する。隆起部266a,266bは、沈降部268a,268bを介してお互いに間隔をあけて周方向に配置されている。また、隆起部266a,266bは、沈降部268a,268bに比べて高い。図8Bを参照すると、隆起部266a,266bから第1の沈降部268aに向かって高さが減少するショルダー部260aが図示されている。一方、図8Cには、沈降部268a,268bから第1の隆起部266aに向かって高さが増加するショルダー部260aが図示されている。最終組み立て状態時における隆起部266a,266bの空間位置が弁体200(図7)の形状に関連することが後述されており、その後述により、隆起部266a,266bの存在によって弁体200が付勢されるまたは変形されることが明らかになる。
【0055】
図8A−8Cを参照すると、3つのショルダー部260を備えるものとして(各ショルダー部260の隆起部が径方向に並んでいる状態の)上側面250が示されている。代わりとして、ショルダー部260の数はこれよりも多くてもよく、また少なくてもよい。さらに、第1のフレーム部60は、弁体200(図7)の取り付けを容易にする、径方向の突起270などの付加的な機構を備えてもよい。
【0056】
同様の機構を備える下側面252が、図9A−9C(第1のフレーム部60を取り除いた状態のマニホールド30を示す図)に示されている。下側面252は、円周リブ280を備えまたは定義し、リブ280は高さが異なる。特に、リブ280は、底282から係合面284に向かって延び、その延びた距離がリブ280の高さを定義する。このことを考慮した、リブ280が、第1および第2の隆起部286a,286bと第1および第2の沈降部288a,288bとを定義するものとして図示されている。隆起部286a,286bは、沈降部288a,288bによって互いに間隔をあけて周方向に配置されている。また、隆起部286a,286bは、沈降部288a,288bに比べて高い。図9Bを参照すると、第1および第2の隆起部286a,286bから第1の沈降部288aに向かって高さが減少するリブ280が示されている。逆に言えば、図9Cに示すように、リブ280は、第1および第2の沈降部288a,288bから第1の隆起部286aに向かって高さが増加する。最終組み立て状態時における隆起部286a,286bの空間位置が弁体200(図7)の形状に関連することが後述されており、その後述により、隆起部286a,286bの存在によって弁体200が付勢されるまたは変形されることが明らかになる。弁体200と所望に接触するように、例えば、隆起部286a,286bに沿って径方向に凸状のアンダーカット部290などの、付加的な機構が組み込まれてもよい。
【0057】
最終組み立て状態の弁デバイス40が、図10Aおよび図10Bに示されている。弁体200は、ベース部210が上側面250と下側面252との間に挟持されることにより、弁支持構造体202に取り付けられる。この点に関して、面250,252の高い部分は、長手方向に位置合わせされる。例えば、図10Aに示すように、上側面250の第1の隆起部266aと下側面252の第1の隆起部286aとが長手方向に位置合わせされる。同様に、第2の隆起部266b,286b同士が長手方向に位置合わせされる。特に、弁体200は、理由は後述するが、隆起部266a/286a,266b/286bとスリット230の面が略平行になるように、配置される。
【0058】
隆起部266a/286aと266b/286bとに接触するベース部210の部分に高圧縮力が作用する(図10Bに示すように、沈降部268a/288aと268b/288bとに対応するベース部210の部分に作用する圧縮力に比べて)。ベース部210は、壁部212の外側表面234に押圧方向の力すなわち付勢力を発生させるとともに内側表面232に引張り方向の力すなわち付勢力を発生させる、非対称的な付勢力を受けて変形する。言い換えると、弁支持構造体202がベース部に対して非均一な力を加えるため(対応する表面250,252の高さが非均一であることにより)、その加えられた力により、壁部212がスリット230の面を寄せるすなわち動かす。このような挙動は、付加的なフィンガー部220によってさらに増進される。図示するように、フィンガー部220が隆起部266a/286aと266b/286bに接触するように弁体200が配置されることにより、ベース部210を付勢する力すなわちすぼめる力が増加する。
【0059】
上述のベース部210の非均一な変形により、外側表面234に集中して付勢力が作用し、スリット230の対向し合うシール面240a,240bが付勢されて強く閉じる(自らシールする)。言い換えると、図10Aに示すように、付勢力は、スリット230の面に平行に弁体200に作用する。逆に言えば、図10Bに示すように、非対称な弁支持構造体202は、図示するシール面240aに対して直交する方向の圧力を変化させることがない。
【0060】
上述の構造の弁デバイス40は、気道アクセス用アダプタに使用される従来構造の弁に比べて著しく改善されている。器具の挿入やひき抜きが所望に実行されても、弁デバイス40は、安定して長期間シール性を維持することができる。特に、この同一の構造の弁デバイスは、上述したような閉鎖式吸引カテーテルアセンブリ用のインタフェース機構を持たない別の気道アクセス用アダプタにも使用可能である。同様に、呼吸装置は、完全に異なる構造の弁デバイスによっても、利益(例えば、接続されている吸引カテーテルが流し洗いできること)を得ることができる。
【0061】
好ましい実施形態を挙げて本発明を説明しているが、本発明の意図や範囲を逸脱することなく、形態や詳細について変更可能であることは、当業者であれば明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の人工気道に呼吸デバイスを接続するためのアダプタアセンブリであって、
換気用ポート、呼吸器官用ポート、およびアクセス用ポートを形成して相互に流体接続し、アクセス用ポートと流体接続して該アクセス用ポートから延びる通路を形成する導管部を備えるマニホールドと、
通路を選択的に閉塞し、弁体と弁支持構造体とを備える弁アセンブリとを有し、
弁体は、対向し合う第1および第2の端と内部チャンバーとを備え、且つ、
前面および後面を備えてその前面が弁体の第1の端を定義する環状のベース部と、ベース部の後面から延びて第2の端で終端するドーム形状の壁部とを備え、スリットが第2の端でチャンバーが開くように壁部に貫通形成され、壁部がスリットの対向し合うシール面を定義し、
弁支持構造体は、
導管部に沿って形成されてベース部を封密に保持し、且つ、ベース部の前面と係合する環状の上側面と、ベース部の後面と係合する環状の下側面とを備え、上側面または下側面の少なくとも一方に隆起部が形成され、
最終組み立て状態において、弁体が通路を横断するように配置されるとともにスリットが弁アセンブリを通過する選択的に開閉可能な経路を形成し、隆起部からの力によって、ベース部が変形するとともに対向し合うシール面が付勢されて接触するアダプタアセンブリ。
【請求項2】
弁支持構造体が、ベース部から第2の端に向かってスリット面と平行な方向に、弁体の壁部を押圧して付勢する、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項3】
最終組み立て状態において、隆起部が、スリット面からオフセットされている、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項4】
環状の下側面が、周方向に間隔をあけて設けられた第1および第2の隆起部を備えるリブを有し、
ベース部が、これらの隆起部と接触する領域で大きく変形する、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項5】
環状の上側面が、周方向に間隔をあけて設けられた第1および第2の隆起部を備えるショルダー部を有し、
ベース部が、環状の上側面の隆起部と接触する領域で大きく変形する、請求項4に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項6】
最終組み立て状態において、下側面の隆起部が、上側面の隆起部に対して長手方向に位置合わせされている、請求項5に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項7】
壁部が、ベース部から延びる第1の部分と、第1の部分から第2の端まで延びる第2の部分とを備え、
スリットの領域における壁部の厚さが、第1の部分の壁部の厚さに比べて厚くされている、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項8】
弁体が、ベース部の前面から突出するフィンガー部を備え、
最終組み立て状態において、フィンガー部が、隆起部に対して長手方向に位置合わせされる、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項9】
弁体のスリットが、ベース部の中央に位置し、且つ直線状である、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項10】
弁体が、スリット面に対して垂直方向に延びる少なくとも1つのフィンガー部を備える、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項11】
スリットが、壁部の第2の端を2つの片割れに分割し、
それぞれの片割れに、対向し合うシール面の一つが形成されている、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項12】
弁支持構造体が、マニホールドのハウジングによって形成されている、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項13】
弁支持構造体の環状の上側面および下側面が、マニホールドの別々の部品によって形成されている、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項14】
最終組み立て状態において、ベース部が、壁部の外側表面に作用する非対称な付勢力によって変形する、請求項1に記載のアダプタアセンブリ。
【請求項15】
患者の人工気道に呼吸デバイスを接続する方法であって、
呼吸デバイスを患者の人工気道に流体接続する呼吸回路内に、請求項1の呼吸装置を接続する方法。
【請求項16】
ベース部が非対称に変形して対向し合うスリットの面が互いにシールする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
医療器具の遠位側端をアクセス用ポートに挿入し、
遠位側端をスリットを通過させて呼吸器官用ポートに向かって案内し、
スリットのシール面が、遠位側端によって離れる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
弁体から遠位側端を引き抜き、
スリットを通過して遠位側端が引き抜かれると、弁体が、対向し合うシール面が互いにシールし合う閉塞状態に自ら変形する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
弁体が、弁支持構造体の隆起部がベース部に力を加えることにより、自ら変形する、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2011−529740(P2011−529740A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521297(P2011−521297)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/052137
【国際公開番号】WO2010/014735
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511026131)ケアフュージョン207インコーポレイテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】CareFusion 207, Inc.