説明

呼吸フェースマスク

弾性材料から形成される、呼吸マスクに使用のためのクッションは、フラップ部分と、フラップ部分に隣接する中間部分と、中間部分に隣接する接続部分とを含む。クッションは、クッションの一部の周りに形成されるプリーツを含み、クッションは、頂部領域と、頂部領域から延在する一対の側部領域と、一対の側部領域の間に相互接続される下部領域とを持つ。プリーツは、下部領域及び側部領域の少なくとも一部の周りに連続して延在し、プリーツは、前記頂部領域の周りに断続的に延在する。頂部領域は、2つの頂部プリーツを含み、各頂部プリーツは隣接する対応の側部プリーツと相互接続され、頂部プリーツは、互いに相互接続されていない。プリーツは少なくとも部分的にスペースを規定し、スペースは柔軟材料で少なくとも部分的に満たされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2008年1月22日に出願された米国特許出願第61/022658号に基づいた優先権を主張し、当該出願の全内容は参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、治療用ガス送出システム、特に、ガス送出の間、患者の顔との密閉を形成するクッションを持つマスクに関係する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザとフェースマスクとの間の効果的な密閉を供給する呼吸フェースマスクのプリーツのクッションは、知られている(例えば、米国特許第7237551B2号を参照)。幾つかのフェースマスクは、マスクの確かな密閉又は快適な特性を変化させるためにゲルを含むクッションを供給する。本発明は、従来技術に対する改善及び幾つかの実施例を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一つの態様は、呼吸マスクに使用のためのクッションを提供する。クッションは、弾性材料から形成されるフラップ部分と、弾性材料から形成されフラップ部分に隣接する中間部分と、弾性材料から形成され中間部分に隣接する接続部分とを含む。クッションは、クッションの一部の周りに形成されるプリーツを含み、クッションは、頂部領域と、頂部領域から延在する一対の側部領域と、一対の側部領域の間に相互接続される底部領域とを持つ。プリーツは、底部領域及び側部領域の少なくとも一部の周りに連続して延在し、プリーツは、頂部領域の周りに断続的に延在する。頂部領域は、2つの頂部プリーツを含み、各頂部プリーツは隣接する対応の側部プリーツと相互接続され、頂部プリーツは、互いに相互接続されていない。プリーツは少なくとも部分的にスペースを規定し、スペースは柔軟材料で少なくとも部分的に満たされている。
【0005】
本発明の他の態様は、呼吸マスクに使用のためのクッションを提供する。クッションは、弾性材料から形成されるフラップ部分と、弾性材料を含み、フラップ部分と相互接続される接続部分とを含む。接続部分は、スペース又はスペースの周りの境界の少なくとも一部を規定し、柔軟材料がスペース内に置かれる。
【0006】
本発明の他の態様は、呼吸マスクに使用のためのクッションを提供する。クッションは、フラップ部分と、弾性材料を含みフラップ部分と相互接続される接続部分とを含む。フラップ部分は、壁面を持つ壁を規定するために形作られる弾性材料を含み、壁面は、ユーザの顔と適合するように構成されて配される。フラップ部分は、スペースを規定し、スペースは、壁により少なくとも部分的に規定される。柔軟材料が、スペース内に置かれる。
【0007】
本発明の他の態様は、ガスをユーザに送出するのに使用のための呼吸マスクを提供する。呼吸マスクは、シェル及びクッションを含み、シェルは、クッション及び導管と接続されるように構成されて配されるカップリングを持つ。クッションは、シェルと結合され、患者の顔と係合するように構成されて配される。クッションは、弾性材料から形成されるフラップ部分と、弾性材料から形成されフラップ部分と相互接続される接続部分とを含む。接続部分は、シェルと接続される。額係合構造は、シェルから離れて延在し、額係合構造は、スペースを少なくとも部分的に規定する弾性材料を有し、柔軟材料がスペースに置かれる。
【0008】
本発明の他の態様は、導管を通じてガスをユーザに送出するのに使用のための呼吸マスクを提供する。呼吸マスクは、シェル及びクッションを含み、シェルは、クッション及び導管と接続されるように構成されて配されるカップリングを持つ。クッションは、シェルと結合され、患者の顔と係合するように構成されて配される。クッションは、また、クッションの一部の周りに形成されるプリーツを含み、クッションは、頂部領域、頂部領域から延在する一対の側部領域、及び一対の側部領域の間に相互接続される底部領域を持つ。プリーツは、底部領域及び側部領域の少なくとも一部の周りに連続して延在し、プリーツは、頂部の周りに断続的に延在する。頂部領域は、2つの頂部プリーツを含み、各頂部プリーツは隣接する対応の側部プリーツと相互接続され、頂部プリーツは互いに相互接続されていない。プリーツは、スペースを少なくとも部分的に規定し、スペースは柔軟材料で少なくとも部分的に満たされる。
【0009】
本発明の他の態様は、導管を通じてガスをユーザに送出するのに使用のための呼吸マスクを提供する。呼吸マスクは、シェル及びクッションを含み、シェルは、導管と接続されるカップリングを持ち、クッションはシェルに結合される。クッションは、クッションをシェルに接続する接続部分と、弾性材料から形成され接続部分と相互接続されるフラップ部分とを含む。接続部分は、スペースの周りの境界の少なくとも一部又はスペースを規定するように形作られ、柔軟材料がスペース内に置かれる。
【0010】
本発明の他の態様は、導管を通じてガスをユーザに送出するのに使用のための呼吸マスクを提供する。呼吸マスクは、シェル及びクッションを含み、シェルは、導管と接続されるカップリングを持ち、クッションはシェルに結合される。クッションは、弾性材料から形成されクッションをシェルに接続する接続部分と、接続部分と相互接続されるフラップ部分とを含む。フラップ部分は、壁面を持つ壁を規定するために形作られる弾性材料を含み、壁面は、ユーザの顔と適合するように構成されて配される。フラップ部分は、スペースを規定し、スペースは、壁により少なくとも部分的に規定される。柔軟材料が、スペース内に置かれる。
【0011】
製造の経済性、部品の組み合わせ、構造の関連する要素の動作及び機能の方法と同様に、本発明のこれら及び他の態様は、全てが本明細書の一部を形成する図面を参照して以下の説明及び添付のクレームを考慮してより明らかになるだろうし、類似の参照符号は様々な図面の対応する部品を示す。しかしながら、図面は例示及び説明だけの目的であって、本発明の制限を規定するものとして意図されないことは、明白に理解されるべきである。明細書及びクレームで使用される、「a」、「an」及び「the」の単数形式は、文章で明確に指示がない限り複数のものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例による呼吸マスクの側面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例による呼吸マスクの底面図であって、導管及び陽気道圧装置の概略図である。
【図3A】図3Aは、本発明の実施例による呼吸マスクのクッションの正面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の実施例によるクッションの側面図である。
【図4A】図4Aは、本発明の実施例によるクッションの平面図である。
【図4B】図4Bは、本発明の実施例によるクッションの底面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例によるクッションを示す、図3Aのライン5−5を通る側面断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例によるクッションを示す、図3Aのライン6−6を通る側面断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例によるクッションを示す、図3Aのライン7−7を通る側面断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例によるクッションを示す、図3Aのライン8−8を通る側面断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例によるクッションを示す、図3Aのライン9−9を通る側面断面図である。
【図9A】図9Aは、本発明の実施例による柔軟材料で満たされたプリーツを持つクッションの断面図である。
【図9B】図9Bは、本発明の他の実施例による柔軟材料で満たされたプリーツを持つクッションの断面図である。
【図10A】図10Aは、本発明の実施例による鼻マスクに使用されるクッションの上面斜視図である。
【図10B】図10Bは、本発明の実施例による鼻マスクに使用されるクッションの底面斜視図である。
【図11】図11は、本発明の実施例による鼻マスクに使用されるクッションの側面図である。
【図12】図12は、本発明の実施例による鼻マスクに使用されるクッションの正面斜視図である。
【図13】図13は、本発明の実施例による鼻枕に使用されるクッションの背面斜視図である。
【図14】図14は、本発明の実施例による鼻枕に使用されるクッションの側面図である。
【図15】図15は、本発明の実施例による鼻枕に使用されるクッションの正面図である。
【図16】図16は、本発明の実施例による鼻枕に使用されるクッションの正面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例による鼻枕に使用されるクッションを示す、図16のライン19−19を通る断面図である。
【図18】図18は、本発明の実施例による柔軟材料で満たされたフラップ部分を持つクッションを持つマスクの断面図である。
【図19】図19は、本発明の実施例によるプリーツ及び柔軟材料で満たされたダブルフラップ部分を持つクッションを持つマスクの断面図である。
【図20A】図20Aは、本発明の実施例による柔軟材料で満たされたダブルフラップ部分の断面図である。
【図20B】図20Bは、本発明の実施例による柔軟材料で満たされたダブルフラップ部分の断面図である。
【図20C】図20Cは、本発明の実施例による柔軟材料で満たされたダブルフラップ部分の断面図である。
【図21】図21は、本発明の実施例によるプリーツ及び柔軟材料で満たされた接続部分を持つクッションを持つマスクの部分的断面図である。
【図22】図22は、本発明の実施例による柔軟材料で満たされた額サポートを持つマスクの側面斜視図である。
【図23】図23は、本発明の実施例による柔軟材料で満たされた額サポートを持つマスクの背面斜視図である。
【図24】図24は、本発明の実施例による両方が柔軟材料で満たされた額サポート及び接続部分を持つマスクの断面図である。
【図25】図25は、本発明の他の実施例による両方が柔軟材料で満たされた額サポート及び接続部分を持つマスクの断面図である。
【図26】図26は、本発明の実施例による両方が柔軟材料で満たされたフラップ部分及び接続部分を持つクッションを持つマスクの部分的断面図である。
【図27】図27は、本発明の実施例による各々が柔軟材料で満たされた接続部分、プリーツ及びフラップ部分を有するクッションを持つマスクの部分的断面図である。
【図28A】図28Aは、本発明の実施例によるシェルの斜視図である。
【図28B】図28Bは、本発明の実施例によるクッションの斜視図である。
【図29】図29は、本発明の実施例によるクッションの部分的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2は、本発明の実施例による導管35を通ってユーザにガスを送出する際に使用のための呼吸マスク30を示す。一つの実施例では、呼吸マスク30は、シェル34及びクッション32を一般に含み、シェル34は導管35と接続されたカップリング38を持ち、クッション32はシェル34と結合されている。クッション32は、弾性材料から形成されるフラップ部分52と、前記弾性材料から形成されフラップ部分52に隣接する中間部分54と、前記弾性材料から形成され中間部分54に隣接する接続部分56とを含む。クッション32は、クッション32の一部の周りに形成されるプリーツ82も含む。クッション32は、頂部領域64、頂部領域64から延在する一対の側部領域66、及び一対の側部領域66の間に相互接続される底部領域68を持つ。示されるように、プリーツ82は、底部領域68及び側部領域66の少なくとも一部の周りに連続して延在するか、又はプリーツ82は、頂部64の周りに断続的に延在する。図1に示されるように、頂部領域64は、2つの頂部プリーツ88を含み、各頂部プリーツ88は隣接する対応の側部プリーツ86と相互接続され、頂部プリーツ88は互いに相互接続されていない。又は、異なる実施例では、プリーツ82は、弾性材料よりはむしろ柔軟材料83でプリーツ82が少なくとも部分的に満たされるところで全クッションの周りに連続して延在してもよい。
【0014】
実施例では、呼吸マスク30のクッション32は、捕捉リング33によりシェル34に装着される。捕捉リング33は、クッション32の周りにはめ込み、捕捉リング33とシェル34との間のクッション32の一部を捕捉するようにシェル34と接続する。クッション32は、適当な材料で形成される。クッション32は、シリコン又は当業者により理解されるような他の弾性材料のような弾性的材料から形成される。斯様な種々異なる材料が、ここで開示されるクッション又は枕のために使用される。シェル34は、ポリカーボネート又は当業者により理解されるような他のプラスチック材料のような固いプラスチック材料から形成される。もちろん、マスクは、接着剤、機械的クリップを介して様々な他の態様でシェルと装着されてもよい。代わりに、マスク及びシェルは、一体的に一緒にモールドされるか又はオーバーモールドされてもよい。
【0015】
一つの実施例では、呼吸マスク30は、額サポート36とシェル34に接続されたカップリング38とを含む。導管35は、カップリング38を介して呼吸マスク30と接続される。導管35は、陽圧装置37により作られる圧力ガスを呼吸マスク30へ送出する。陽圧装置37は、連続陽圧、可変圧(患者の呼吸サイクルで変化する双レベル圧力のような)、又は患者の監視状況で変化する自動滴定圧のような多くの一般に知られている方法で圧力ガスを作る。図1に示されるように、額サポート36は、シェル34から離れて延在するフレーム40を持つ。フレーム40は、一端でシェル34に装着され、他端でパッド42をサポートする。パッド42とフレーム40との間に固いベース44がある。呼吸マスク30は、ヘッドギア(図示されず)によりユーザの顔に適所に保持される。ヘッドギアは、ベース44から延在する耳46により額サポート36と接続される。同様に、シェル34は、ヘッドギアに接続される、図示されていない旋回部材を受けるために適合するスロット48を持つ。共に、耳46及びスロット48は、ヘッドギアを呼吸マスクに固定する。パッドが撓むので、ユーザの額の特定の形状と合致する。
【0016】
図2に示されるように、カップリング38は、シェル34と略同一平面に向いている肘コネクタ50であるので、装着される導管はシェル34から直接垂直に延在していない。呼吸マスクから垂直に延在する導管を持つことは、増大した圧力をマスクに配し、扱いにくいことを、当業者は最も良く理解できている。肘コネクタ50は、シェル34に旋回可能に接続されるので、ユーザは導管の周りを動かし旋回運動を通じて自由に動かせる。
【0017】
図3A、図3B、図4A及び図4Bに示されるように、クッション32は、概して三角形状の周辺部を持ち、ユーザの鼻に適合する。クッション32は、ユーザとシェル34との間にフレキシブルな密閉を供給するように構成される。効果的にするため、クッション32は快適であるべきであり、さもなければ患者の対応性は減少するだろう。加えて、クッション32は、また、ユーザとシェル34との間にかなり漏れがない密閉を供給すべきである。
【0018】
一つの実施例では、クッション32は、フラップ部分52、中央部分54及び接続部分56を持つ。各部分は、異なる目標を達成するために特に構成される。フラップ部分52は、ユーザとシェル34との間の固定の密閉を供給するように構成される。示されているように幾つかの実施例は中央部分を実質的に排除しているが、中央部分54は、クッション32に押される力に抵抗するためにクッション32へのサポートを提供する。接続部分56は、クッション32とシェル34との間に固定の接続を供給するようにデザインされている。
【0019】
一つの実施例では、クッション32の各部分は、頂部領域、一対の側部領域及び底部領域を持つ。例えば、図1乃至図9に示されるフラップ部分52は、一対の側部フラップ60に隣接する頂部フラップ58を持つ。側部フラップ60は、略三角形状のフラップ部分を形成するために、底部フラップ62により接合される。ここで開示される幾つかの実施例の頂部フラップは、ユーザの鼻に対して密閉するように概して構成される一方、側部フラップ及び底部フラップが頬(すなわち顔の側部)及びあごそれぞれに対して密閉するように概して構成される。中央部分54は、フラップ部分52に隣接する。はじめの方で説明したように、中央部分54は、一対の中央側部領域66に隣接する中央頂部領域64を持つ。中央側部領域66は中央底部領域68により接合される。最後に、接続部分56は、一対の接続側部領域72に隣接する頂部接続領域70である。接続側部領域72は、接続底部領域74に隣接する。接続部分56は、シェル34でかなり気密の密閉を形成するために捕捉リング33とシェル34との間で捕捉される襟76を持つ。一対の位置合わせ突出部78及び位置合わせスロット80が、襟76から延在している。位置合わせ突出部78及び位置合わせスロット80は共に、クッション32がシェル34に対してずれることを防止するために働く。
【0020】
本発明のこの例示的実施例の他の態様は、図3B及び図4Bを参照して最も良く理解されるようにプリーツ82の組み込みである。プリーツ82は、クッション32の一部の周りに延在する。プリーツ82は、クッション32が形成される弾性材料とは異なる柔軟材料83で満たされる。一つの実施例では、柔軟材料83はシリコンゲルである。他の実施例では、柔軟材料83は、例えば、ゲル(例えばスーパーソフトシリコンゲル)、ガス、液体(ここで、「液体」が柔軟材料と呼ばれ、水、化学処理された(例えば、pHに対して処理された)水のような適当な液体が使用されると意図される)、泡、架橋されていないポリマ、又は食塩水から成るグループから選択される。柔軟材料がガスの場合、適当なガスが使用されることが意図される。一つの実施例では、ガスは空気又は窒素のような不活性ガスである。柔軟材料83は、シリコンコーティング85、シリコンスプレー85、これらの両方、又は密閉機能を実行可能な他の材料によりプリーツ82内に保持される。
【0021】
プリーツ82は、一体的なひだを提供し、2つの矢印により示されるようにプリーツ82に垂直にばねタイプの動作を提供する。様々な壁厚さと組み合わせて、この特徴は、圧縮されてばねが次第に固くなることを可能にする。柔軟材料83をプリーツ82に組み込むことは、ばねの動きを、弱め及び/又は遅らせる。柔軟材料により供給されるこの弱め及び/又は遅らせる動作は、様々な実施例でここに開示されるように、柔軟材料を具備する各領域で存在する。
【0022】
プリーツ82は、フラップ部分52に隣接して置かれ、内部へ延在する。圧力がフラップ部分52に付与されるので、柔軟材料で満たされたプリーツ82に対して最終的に当接し、より固くなる。柔軟材料83で満たされた複数のプリーツが使用される事象において、この特徴は、圧力が増大するにつれて次第に増大する抵抗を供給する。従って、ユーザのオプションで、クッション32により供給される抵抗の量が変化される。ひだに加えて、変形及び回転により、柔軟材料で満たされたプリーツ82は、フラップ部分52の層を通じて柔軟材料83との接触をユーザに保たせ、よって、ユーザの顔との密閉の適合を増強する。
【0023】
プリーツの使用は、また同時に、2つの矢印により示される軸外方向にクッション32をより固くさせる。これは、クッション32が、プリーツ82に平行に付与される半径方向の力に抵抗可能にする。プリーツ82の深さは、より弾性的な領域を供給するために深くされるか、又はプリーツの数がこれらの効果を更に増強するために増大できる。他の領域では、プリーツ82は、この効果を低減するために幾つかの領域から完全に除去されるか又は比較的浅くなる。ここで開示された実施例の各々において、ゲル(又は他の対応充填材料)の量は、プリーツ82の異なる領域でばね減衰特性を特に調整するために、異なる領域で変えられる。
【0024】
柔軟材料がクッション自身の材料とは異なる材料であると述べられた、ここで開示された実施例では、これは、柔軟材料がクッション材料の弾性とは異なる弾性を持つことだけを意味する。例えば、クッション材料及び柔軟材料両方がシリコンベースの材料から形成されてもよいが、クッションシリコンの組成が柔軟材料シリコン充填物とは異なる(例えば、異なる固さ、異なる粘度、異なる相及び又は異なる化学組成)ことを意図する。加えて、ここで開示される各実施例では、柔軟材料は、ここで後の説明から理解されるように、2つの異なる材料又は構成要素(例えば、液体及びゲル)を持ってもよい。
【0025】
一つの実施例では断続的構造であるプリーツ82は、中央底部領域68の周りを延在する底部プリーツ(又はプリーツ領域)84と、中央側部領域66まで延在する一対の側部プリーツ(又はプリーツ領域)86とを持つ。最終的に、プリーツ82は、接続部分56に向かって曲がり、一対の頂部プリーツ(又はプリーツ領域)88で終わる。頂部プリーツ88は、相互接続されていない。代わりに、頂部プリーツ88は、互いに長さが足りずに終わる。プリーツ82は、フラップ部分52の近傍のクッション32の周りに延在して、クッション32のこの領域に行使される力にプリーツ82が強く応じる。すなわち、プリーツ82は、図4Bに見られるように、矢印Bにより示される方向に、クッション32に半径方向内側に行使される力よりも、矢印Aの方向に、ユーザの顔によりフラップに行使される力に、より応答する。代わりに、プリーツ82は、クッション32の他の領域で行使される力に強く応じるために、クッション32のこれら他の領域に位置され得る。
【0026】
当業者は、プリーツ82が離れていく距離で変化してもよいことを最もよく理解できる。プリーツ82は、内側に延在するように示されるが、プリーツ82は、本発明の教示から逸脱することなく、半径方向に外向きに延在できる。内側にプリーツ82を延在させることは、クッションの全体的サイズを低減させる。さらに、内側にプリーツ82を延在させることは、外部部材がプリーツ82内にはさまれる可能性を最小にする。プリーツ82の高さは、プリーツ82により供給される強さを調整するために変化されてもよい。
【0027】
例示的実施例に示されるように、プリーツ82は、概して滑らかにカーブした構成を持つ。しかしながら、ここで使用される用語「プリーツ」は、プリーツ82を囲む概して平らな領域から離れた何れの特徴も含むように広く解釈されるべきである。例えば、本発明は、また、ギザギザの鋸の歯又は矩形断面へ折り目がつくか、又は滑らかにカーブされた断面を含む様々な断面構成をプリーツ82が持つことを意図する。第1の例示的実施例に示されるように、プリーツ82は、単一のプリーツとして示されている。しかしながら、本発明は、また、複数のプリーツが互いに隣接して置かれてもよいことを意図する。
【0028】
図5及び図8に見られるように、側部フラップ60及び底部フラップ62は、各領域間で変化する長さを持つ。断面を見ると、フラップは、片持ち態様で中央部分から離れて延在することが最もよく理解できる。フラップの長さを変えることにより、モーメントアームは、種々異なる領域で変化する。例えば、頂部フラップ58は、2つの間で移行する長さを持つ側部フラップ60と底部フラップ62と比較して比較的長い長さを持つ。長めの長さを持つ頂部フラップ58を供給することは、このフラップが比較的より変形可能であることを許容するので、ユーザの鼻の鼻梁周りの速く変化する形状に対して適切に密閉できることになる。対照的に、底部フラップ62は比較的短い。ユーザの顔のこの領域では、ユーザの顔の形状が非常にゆっくり変化する。従って、頂部領域で必要とされるのと同じフラップの変形を持つ必要がない。代わりに、より多くのサポートがこの領域に必要とされる。従って、短めの長さを持つフラップが利用される。
【0029】
図5は、プリーツ82を持つクッション32の断面図を示す。柔軟材料83は、プリーツ82内に満たされ、シリコンスプレー85、シリコンコーティング85、これらの両方、又は他の対応密閉材料により、プリーツ82内に保持される。他の実施例では、示されるように、オプション的には、ゲル87は、フラップ部分52内部に、特に一対の側部フラップ60及び/又は底部フラップ62の下に供給される。後のより詳細な説明から理解されるように、ゲル87は、フラップ部分52の壁と接着して係合する第2の壁により保持されてもよい。柔軟材料83がクッション32の外部面と接触する前の実施例と対照的に、フラップ部分52内に満たされたゲル87は、クッション32の内部面55と接触して示される。フラップ部分52は、凹凸又は「C」字形状構成をとる円弧状断面を持つ。ゲル87は、フラップ部分52の構成のくぼんだ側に規定されるスペース内に配される。他の実施例では、図示されないが、フラップ部分内のゲルは、クッションの外面(例えば、凸面側)にあり、シリコンコーティング又はスプレーシールによってのみ患者の顔から密閉され又は分離される。ここで開示される実施例の各々において、ゲル(又は他の対応充填材料)の量は、フラップ部分52の異なる部分でばね減衰特性を制御するために異なる領域で変更できる。
【0030】
図6乃至図9は、図3Aに示されるようなクッション32の異なる断面図である。中央部分54まで延在する図6及び図7に示される側部プリーツ86は、図8に示されるように、一対の頂部プリーツ88で徐々に終わる。図8及び図9のプリーツ82を比較することにより、頂部プリーツ88の深さは、これらが中央頂部領域64(図4A参照)に向かって移動するにつれて徐々に減少することが明確に見える。頂部プリーツ88は、相互接続されず、代わりに、頂部プリーツ88は、互いに短く終わる。従って、上述されたように、クッション32のプリーツ82は、断続的構造を持つ。前の実施例で説明されたように、プリーツ82は、柔軟材料83で満たされ、シリコンスプレー85、シリコンコーティング85、これら両方、又は他の対応充填材料によりプリーツ82内に保持される。他の実施例では、代わりに又は追加的に、ゲル87は、フラップ部分52内部に、特に一対の側部フラップ60及び/又は底部フラップ62(図5参照)の下で満たされ、図19で詳細に説明されるように、フラップ部分52の壁と接着して係合する二重壁により保持される。
【0031】
図6乃至図9を参照すると、フラップ部分52、中央部分54、及び接続部分56の断面厚さが見える。一般に、各部分の壁厚は、相対的に厚い接続部分56で変化する。中間部分54は、概して中位の壁厚を持ち、フラップ部分52は、相対的に薄い壁厚を持つ。接続部分56の壁厚は、シェル34との固定インタフェースを供給するために相対的に厚い。中間部分54は、材料を浪費することなく、適当な強さを供給するために、中位の壁厚を持つ。最後に、フラップ部分52は、比較的薄い壁厚を持つので、ユーザの顔の特定の形状に容易に適合する。もちろん、当業者は、本発明の教示から逸脱することなく、これらの領域の壁厚が変化し得ることは最もよく理解できる。
【0032】
図9Aは、他の実施例において、ユーザにガスを送出する際に使用のための呼吸フェースマスク130の断面図を示す。呼吸マスク130は、シェル134及びシェル134に接続されたクッション132を含む。カップリング138は、一方の端部で回転可能な接続部135でシェル134と回転可能に接続され、マスク130へガスを送出するために導管(図示されず)と接続されるために適した他方の端部137を持つ。クッション132は、弾性材料から形成され、フラップ部分152、フラップ部分152に隣接する中央部分154、及び中央部分154に隣接する接続部分156を含む。代わりに、中央部分154は、非常に短くてもよいし、なくてもよい。一つの実施例では、クッション132の弾性材料は、当業者により理解されるように、シリコン又は他の弾性材料である。クッション132のフラップ部分152は、頂部フラップ158、頂部フラップ158から延在する一対の側部フラップ160、及び一対の側部フラップ160の間に相互接続される底部フラップ(図示されず)を持つ。クッション132は、また、クッション132の部分の周りに形成されるプリーツ182を含む。プリーツ182は、底部領域及び側部領域の少なくとも一部の周りに連続して延在し、プリーツ182は、頂部領域の周りに断続的に延在し、よって、プリーツ182を断続的プリーツにする。プリーツ182は、クッション132の弾性材料とは異なる柔軟材料195で少なくとも部分的に満たされ、よって、クッション132とは異なる変形特性を持つ。一つの実施例では、柔軟材料195は、シリコンゲルのようなゲル材料から形成され、シリコンスプレー、シリコンコーティング、これらの両方、又は他の密閉材料のような密閉構造197によりプリーツ182内に保持される。
【0033】
図9Bは、柔軟材料193が水又は食塩水のような液体材料を有する以外、図9に類似する他の実施例を示す。液体材料は、柔軟な、弾性固体密閉構造197により密閉される。一つの実施例では、密閉構造197は、コーティング又はスプレーのようなシリコンから形成され、一つの実施例では、密閉構造197は、クッション132の他の部分(例えばフラップのような)と一体的に形成されてもよく、次に、液体材料が挿入された後、密閉され、フラップ又は他の構造の斯様な密閉が、超音波溶接、熱、接着等により達成される。他の実施例では、密閉構造197は、分離構造(クッション132と一体的に形成されていない)でもよく、後で付与されて密閉される。密閉構造197の様々な可能な装置に関するこれらの広範な原理及び実施例は、明細書の全ての実施例で開示される密閉構造を保持する全ての柔軟材料に等しく適用される。
【0034】
本発明の更に他の例示的実施例では、クッション232が、ユーザの鼻を覆うための鼻マスクとして図10A、図10B及び図11に示される。前と同じように、クッション232が、フラップ部分252、中央部分254及び接続部分256を持つ。クッション232は、クッションの一部の周りに延在する第1のプリーツ290と、クッションの他の部分の周りに延在する第2のプリーツ292とを持つ。第1のプリーツ290は、底部プリーツ(又はプリーツ領域)284、一対の側部プリーツ(又はプリーツ領域)286、及び一対の頂部プリーツ(又はプリーツ領域)288を含む。同様に、第2のプリーツ292は、頂部プリーツ294及び一対の側部プリーツ296を持つ。クッション232は、適当な材料で形成される。好ましくは、クッション232は、シリコン又は当業者により理解されるような他の弾性材料のような弾性材料から形成される。
【0035】
第1のプリーツ290及び/又は第2のプリーツ292は、柔軟材料295で満たされるか、又は少なくとも部分的に満たされ、柔軟材料は前に説明したように、クッション232の弾性材料とは異なる。例示された実施例では、柔軟材料295を備えたプリーツ290及び292両方が示されている。一つの実施例では、柔軟材料295は、上述された密閉構造のタイプの一つの形式を採用して、シール297により第1のプリーツ290又は第2のプリーツ292内に保持される。一つの実施例では、柔軟材料295は、ゲル、ガス、液体、泡、架橋されていないポリマ又は食塩水からなるグループから選択される。第1のプリーツ290は、2つの頂部プリーツ288を含み、各頂部プリーツ288は、隣接する対応側部プリーツ286と相互接続されるが、頂部プリーツ288は、互いに相互接続されないので、よって、第1のプリーツ290を断続する。第2のプリーツ292は、2つの側部プリーツ296を含み、各側部プリーツ296は、隣接する頂部プリーツ294と相互接続されるが、側部プリーツ296は、互いに相互接続されないので、よって、第2のプリーツ292を断続する。
【0036】
第2のプリーツ292は、第1のプリーツ290より浅い。従って、第2のプリーツ292は、第1のプリーツ290より大幅に固いので、よって、第1のプリーツ290より軸方向の力に抗し得る。しかしながら、第2のプリーツ292は、この領域がプリーツを全く持っていない場合ほどは軸方向に固くはない。第1のプリーツ290は、中央部分254の周りに延在し、フラップ部分252に近い。このプリーツが供給する強さの変更は、接続部分256に行使される力よりフラップ部分252に行使される力にもっと応答することが理解できる。対照的に、第2のプリーツ292は、中央部分254の周りに延在し、接続部分256に近い。第2のプリーツ292は、フラップ部分252よりも接続部分256に行使される力にもっと応答するだろう。第1のプリーツ290及び第2のプリーツ292共に、本発明の固有の強さ変更特徴を利用した、本発明の一つの実施例を示す。第1のプリーツ290は、フラップ部分252に付与される力に、より応答し、フラップ部分252の中央側部領域及び中央底部領域周りに増大した可撓性の領域を供給する。これは、フラップ部分252に近いクッションの中央頂部領域に対してのヒンジ動作を作る。第2のプリーツ292は、接続部分256に行使される力に、より応答し、接続部分256の中央側部領域及び中央上部領域の周りに増大した可撓性の領域を供給する。これは、接続部分256に近いクッション232の中央底部領域に対してのヒンジ動作を作る。
【0037】
この例示的実施例の接続部分256は、位置合わせ突出部278も含む。前の実施例とは違い、接続部分256は、ステップ200の周りに肩298を持って形成される。しかしながら、本発明は、種々異なる接続特徴を備える様々なマスクに利用できる。クッション232は、図示されないシェルに結合される。
【0038】
柔軟材料295で満たされたプリーツ290及び292の戦略的配置は、クッション232にヒンジ的動作を供給する。図10Bを参照して、プリーツ290及び292は、互いに概して対向する一対の一体的ヒンジを形成する。プリーツ292は、中央頂部領域264及び中央側部領域266が、中央底部領域268より容易に撓むことを可能にする。斯様なクッションでは、しばしば導管が、様々な異なる角度で外向きに延在する。第2のプリーツ292は、クッション232が、導管とクッション232との間の角度が変わるのに容易に適応可能にする。第1のプリーツ290は、中央側部領域266及び中央底部領域268が共に、中央頂部領域264より容易に撓むことを可能にする。第1のプリーツ290は、フラップ部分252に付与される力に、より応答する以前の実施例のプリーツ82と同様な態様で働く。柔軟材料295は、使用される柔軟材料のタイプ及び量に依存して、ヒンジ的動作を減衰する。
【0039】
本発明の態様が鼻枕300に組み込まれた本発明の他の実施例が、図12乃至図17に示される。例示的鼻枕は、米国特許出願第10/918、832号に充分開示され、この全内容は参照によりここに組み込まれる。鼻枕300は、開口部304で終わる鼻孔部材302を含む。鼻孔部材302は、本体308に共に結合されるアウトレット脚306により共に接合される。本体308は、内側にカーブされた面310と外側にカーブされた面312とを持ち、その間でキャビティ313を規定する。本体308は、開口部314で終わる。図13及び図14を参照して最もよく理解されるように、本体はまた、位置合わせレール316、位置合わせフィン318、及び突起又は取付タブ320も含む。鼻枕300は、シリコン又は当業者に理解されるように他の適当な弾性材料のような弾性材料から作られる。
【0040】
各鼻孔部材302は、各鼻孔部材302の一部の周りに延在する少なくとも一つのプリーツ342を含む。前の実施例のように、プリーツ342は、鼻枕300の弾性材料とは異なる柔軟材料395で少なくとも部分的に満たされる。一つの実施例では、柔軟材料395は、上述のタイプの密閉構造397によりプリーツ342内に保持される。プリーツ342は、2つのプリーツ342であり、互いに相互接続されず、よって、プリーツ342を断続している。柔軟材料395は、柔軟材料としての使用のために上述された材料の何れかから形成されてもよい。
【0041】
前の実施例のように、柔軟材料395で満たされたプリーツ342は、鼻孔部材302が制御され減衰される態様で関節接合できるようにする。例えば、プリーツ342は、最も可撓性が所望されるように位置合わせされた最も深いくぼみの領域に配置される。図16を参照して最もよく理解されるように、各鼻孔部材は、主軸344及び長軸344に直交する短軸346を規定する近似的に楕円断面を持つ。もちろん、鼻孔の形状は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な他の形状を持ってもよい。図16の柔軟材料395を備えるプリーツ342は、最も深いくぼみを持つ領域が各鼻孔部材302の長軸344とほぼ位置合わせされ、短軸346に向かって徐々に浅くなるように配置される。この構成は、鼻孔部材302が、より可撓性となり、よって、同時に相対的により固く、短軸346に沿った曲げに抵抗する一方、長軸に沿って旋回可能となる。
【0042】
図17を参照すると、鼻孔部材302は、最も深いくぼみの領域で、薄めの壁厚を持つプリーツ342を形成することにより、更に増強される。これは、更に、鼻孔部材302を回転と同様に旋回可能にする。鼻孔は、異なるユーザの特定の鼻形状を収容するために制御された態様で、長軸に沿って旋回するか、及び/又はその中心の周りを回転する。もちろん、柔軟材料395で満たされたプリーツ342は、本発明の教示から逸脱することなく、所望とみなされる局所的減衰した旋回を促進するために、鼻孔部材302の周りの他の場所に位置されてもよい。
【0043】
図18は、クッション432を持つ呼吸マスク400の実施例を例示し、ここで、クッション432は、柔軟材料で満たされたスペース472を持つフラップ部分(又は顔接触構造)452を含む。しかしながら、この実施例では、クッション432は、プリーツがクッション432の周りに形成されない。クッション432は、フラップ部分452、中央部分454、及び接続部分456を持つ。中央部分454は、フラップ部分452に隣接する。クッション432の接続部分456は、後述する方法を使用して、シェル434に装着される。図18に示されるように、中央部分454から延在するフラップ部分452の側部フラップ460は、壁461及び第2の壁464へ二またに分かれる。第1の外壁461及び第2の内壁464が、それらの外部エッジ468及び470それぞれで互いと接着して接続するように構成されて配されるので、柔軟材料で満たされたスペース472が、壁461と第2の壁464との間に形成される。壁461は、ユーザの顔に適合するように構成されて配される外壁面463を含む。
【0044】
一つの実施例では、壁461の外部エッジ468は、RTV接着剤を使用して、第2の壁464の外部エッジ470に接着して接続される。柔軟材料で満たされたスペース472は、ゲルのような柔軟材料474を受けるように構成され配される。柔軟材料で満たされたスペース472の柔軟材料474は、患者の顔と実質的に接触し、クッションの薄い外壁461によってだけ分離されている。これは、呼吸マスク400を着用する患者に対して快適な適合特性を増強する。一つの実施例では、柔軟材料474は、スーパーソフトシリコンゲルである。一つの実施例では、柔軟材料で満たされたスペース472の柔軟材料474は、クッション432の全周囲を通じて延在し、よって、連続する柔軟材料で満たされたフラップ部分を持つクッションを形成する。代わりの実施例では、柔軟材料で満たされたスペース472の柔軟材料474は、フラップ部分452の別々の領域に形成され、よって、離散的で断続的な柔軟材料で満たされたフラップ部分を持つクッションを形成する。
【0045】
図19は、クッション532を持つ患者インタフェース500の実施例を例示し、クッション532は、柔軟材料を受けるための柔軟材料で満たされたスペース572を形成するダブルフラップ構造を含む。この実施例は、クッション532の部分の周りに形成されるプリーツ582を含む。クッション532は、フラップ部分(又は顔接触構造)552、中央部分554、及び接続部分556を持つ。中央部分554は、フラップ部分552に隣接する。クッション532の接続部分556は、後述される方法を使用して、シェル534に装着される。プリーツ582は、フラップ部分552と中央部分554との間にある。
【0046】
フラップ部分552は、壁面555を持つ壁553を含み、壁面555は、ユーザ又は患者の顔と適合するように構成されて配される。壁553の下に位置する第2の壁564は、これらの間で密閉されたスペース572を形成するようにフラップ部分552の壁553と接続するために構成されて配される。特に、第2の壁564の外部エッジ570はフラップ部分552の壁553の外部エッジ568と接続されて(例えば接着剤により)、スペース572がフラップ部分552の壁553と第2の壁564との間に形成される。一つの実施例では、フラップ部分552の壁553の外部エッジ568は、RTV接着剤を使用して、第2の壁564の外部エッジ570と接着して接続される。柔軟材料で満たされたスペース572は、柔軟材料574を受けるように構成されて配される。柔軟材料で満たされたスペース572の柔軟材料574は、患者の顔(壁553によってだけ離れた)と実質的に接触し、患者インタフェース500を着用する患者に対して快適な適合特性を増強する。前の実施例で説明されたように、この実施例では、柔軟材料574は、クッションの内面561とも接触する。一つの実施例では、スペース572内の柔軟材料574は、クッション532の全周囲を通じて延在し、よって、連続する柔軟材料で満たされたフラップ部分を形成する。代わりの実施例では、スペース572の柔軟材料574は、フラップ部分552の別々の領域に形成され、よって、離散的で断続的な柔軟材料で満たされたフラップ部分を形成する。患者の顔は、最初に、柔軟材料で満たされたフラップ部分と接触し、柔軟材料で満たされたフラップ部分を加圧する。その後、プリーツ582は、サポートとして働くようになり、内側に変形及び回転する(ふくらませる)ことによりフラップ部分を患者の顔に適合させる。
【0047】
図20A乃至図20Cは、図18を参照して上述された、呼吸フェースマスク400のフラップ部分452と同じ又は同様であるフラップ部分452の断面図を示す。フラップ部分452は、柔軟材料474を受けるための柔軟材料で満たされたスペース472を形成するために、接着のためにデザインされた重なり部分を持つダブルフラップとしてモールドされる。詳細には、図20Bは、フラップ部分452の壁453の外部エッジ468が第2の壁464の外部エッジ470を越えて延在することを示す。壁453の外部エッジ468が第2の壁464の外部エッジ470と接続されるとき、壁453の外部エッジ468は、第2の壁464の外部エッジ470と係合する。図20Cに示されるように、壁453の外部エッジ468は、外部エッジ468及び外部エッジ470の重畳部分又は係合部分にRTV接着剤494を取り付けることにより、第2の壁464の外部エッジ470と接着して接続される。代わりに、一つの実施例では、柔軟材料474は、壁が密閉された後、スペース472に注入される。これは、密閉された壁に小さなホール又は穴を作り、柔軟材料474をスペース472に注入し、その後前記ホール又は穴を密閉(例えば接着剤で)することによりなされる。
【0048】
図21は、クッション632を持つ呼吸フェースマスク600の実施例を例示し、クッション632は、クッション632の部分の周りに形成されるプリーツ682を含む。クッション632は、フラップ部分652、中央部分654、及び接続部分656を持つ。中央部分654は、フラップ部分652に隣接し、これらの間にプリーツ682を持つ。クッション632の接続部分656は、後述するような方法を用いて、シェル634に装着される。部分652、654、656及び686の各々は、前の実施例の場合のように弾性材料から一体的に形成される。この実施例の接続部分656は、スペース667を規定するように形作られる。例えば、クッション632の中央部分654から延在する接続部分656は、外部壁661と内部壁663とに分かれる。外部壁661と内部壁663とは、相互接続壁665により互いに接続するため構成されて配される。外部壁661と内部壁663との間に形成されるスペース667は、柔軟材料684で満たされる。一つの実施例では、クッション632の弾性材料とは異なる柔軟材料684は、ゲル、ガス、液体、泡、架橋されていないポリマ、食塩水又はこれらの組み合わせからなるグループから選択される材料の複数の異なる層を含む。複数の層が利用される場合、層材料は、まったく異なってもよい(例えば、一つの実施例では、シリコンゲルと水のような)。他の実施例では、柔軟材料684は、同じ材料の異なる粘度を持つ材料の複数の層を含む(例えば、異なる粘度の2つのゲル)。
【0049】
この実施例では、相互接続壁665は、クッション632と同じ弾性材料から形成され、一つの実施例では、壁661又は663の一つと(例えばフラップとして)一体的に形成されてもよいし(図示されていない)、代わりに、壁661及び663と接着してさもなければ接続される別個の固い材料から形成されてもよい。相互接続壁665は、柔軟材料684が壁661と663との間に置かれる前か後で、壁661及び/又は663と接続される。固い壁665が備えられるところで、これは、固いシェル634を持つ接続部分656との間の接続を促進する。一つの実施例では、壁665とシェル634とは、同一の固い材料から形成されてもよい。
【0050】
他の実施例では、図22乃至図25に示されるように、呼吸フェースマスク700は、クッション732、シェル734及び額係合構造736を含む。額係合構造736は、シェル734から離れて延在するフレーム740を持つ。フレーム740は、一方の端部でシェル734に装着され、他方の端部でパッド742をサポートする。ベース744が、パッド742とフレーム740との間に存在し、フレーム740と一体的に形成されるか、又は別個に形成されて装着される。パッド742は可撓性であるので(例えば、クッションのために使用されるここで開示された一つ以上の材料から形成される)、ユーザの額の特定の形状に適合できる。クッション732は、クッション732の下部及び側部部分の周りに形成される断続的プリーツ782を含む。
【0051】
クッション732は、フラップ部分752、中央部分754及び接続部分756を持つ。特に、この実施例では、示されるように、フラップ部分752は、プリーツ782へ即座に移行してもよく、順に、クッション732の下部及び側部部分に向かって接続部分756へ即座に移行してもよい。クッションの上部(頂部)部分に向かって、小さな中央部分754が、プリーツ782の代わりに備えられる。
【0052】
クッション732の接続部分756は、後述されるように、シェル734に装着される。接続部分756は、スペース767の周りの境界の少なくとも一部又はスペース767を規定するように形作られる弾性材料(フラップ部分752と一体的に形成される)を含む。例えば、一つの実施例では、接続部分756の弾性材料が、中央部分754及び/又はプリーツ782から延在し、第1の外部壁761と第2の内部壁763へ分かれてそれらの間でスペース767を形成する。スペース767は、第1の壁761、第2の壁763及びシール725により囲まれる。
【0053】
一つの実施例では、図25に最も良く示されるように、第1の壁761は、概して肘のような形状であり、第2の壁763は、概して真直ぐである。第1の壁761及び第2の壁763両方は、内側に回され、クッション732をシール725と接続するように構成される複数の一体的装着タブ又は部材796を持つ。第2の壁763及び第1の壁761上の一体的装着部材796は、示されるようにL字形状構成を持つ。シール725は、U字形状の構成の上部端部で、係合部材729を備える概してU字形状の構成を持つ。一つの実施例では、係合部材729は、反転L字形状の脚729である。反転L字形状の脚729は、第2の壁763及び第1の壁761それぞれのL字形状下部面と係合する。シェル734は、示されるようにシール構造725及び壁761、763を受けるためにU字形状接続部分727を持つ。シール725は、接着接続、スナップ接続又は摩擦適合接続を使用して、シェル734のU字形状接続部分727に固定される。マスクの上部部分で、シェル734のU字形状接続部分727は、フレーム740へ移行する。
【0054】
接続部分756のスペース767及び額係合構造736のスペース787は、柔軟材料784で満たされる。一つの実施例では、柔軟材料784は、前述の柔軟材料から選択される複数の異なる材料層を含む。
【0055】
一つの実施例では、額係合構造736の柔軟材料784は、フレーム740の一部又は隣接する下部の相互接続密閉壁(図示されず)により額係合構造736内に保持される。一つの実施例では、密閉壁は、額係合構造736と同じ弾性材料から形成される。一つの実施例では、額係合構造736は、弾性材料から作られる球根状サポート742を有し、当該弾性材料は、ユーザの額と接触するための外部面を持つ。前述の相互接続壁は、サポート742の壁の一つと(例えば、フラップとして)一体的に形成されてもよいし、代わりに、額係合構造736の壁と接着して、さもなければ接続するための別個の固い材料から形成されてもよい。相互接続密閉壁は、柔軟材料784が額係合構造736の壁の間に置かれる前か後の何れかで、額係合構造736の壁と接続される。これは、相互接続密閉壁が備えられるところと、固いシェル734を持つ接続部分756との間の接続を促進する。一つの実施例では、相互接続壁及びシェル734が、同じ固い材料から形成される。他の実施例では、額係合構造736の柔軟材料784は、額係合構造736と同じ弾性材料から形成されるシール(図示されず)により、額係合構造736内に保持される。
【0056】
一つの実施例では、接続部分756の柔軟材料784が、前述のシール725によりスペース767内に保持される。シール725は、スペース767を形成する第1の壁761及び第2の壁736に接続される。これは、シール725が供給されるところと、固いシェル734を持つ接続部分756との間の接続を促進する。一つの実施例では、シール725及びシェル734は、同じ固い材料から形成される。代わりに、シール725は、接続部分756と同じ弾性材料から形成されてもよい。
【0057】
一つの実施例では、接続部分756のスペース767に配される柔軟材料784は、クッションの周囲の周りに連続している。他の実施例では、接続部分756のスペース767に配される柔軟材料784は、クッションの周辺の周りで断続する。
【0058】
図26は、図19に示される呼吸フェースマスク500に関して説明されたフラップ部分内の柔軟材料で満たされたスペースと、図21に示される呼吸フェースマスク600に関して説明されるように柔軟材料で満たされた接続部分内のスペースとを含む、呼吸フェースマスク800の実施例を例示する。特に、マスク800は、クッション832及びシェル834を持ち、クッション832は、フェース接触面853の後方にスペース872を規定するフラップ部分(又はフェース接触領域)852を含む。スペース872は、柔軟材料874を受けるために、図19の実施例のように、構成されて配される。プリーツ882は、クッション832の部分の周りに形成され、接続部分856は、スペース884を備える。一つの実施例では、スペース872は、スーパーソフトシリコンゲルを含み、接続部分856のスペース884は、固めのポリウレタンゲルを含む。一つの実施例では、柔軟材料884は、前に説明された柔軟材料から選択された材料の複数の異なる材料層を含む。上述した柔軟材料の何れの組み合わせも、スペース872及びスペース884何れにも使用できる。
【0059】
図27は、呼吸フェースマスク900の他の実施例を例示する。マスク900は、クッション932及びシェル934を持つ。クッション932は、柔軟材料974を受けるためのスペース972を規定するフラップ(又はフェース接触)構造952を含む。プリーツ982は、クッション932の周りに形成される柔軟材料983で満たされるスペース987を規定するために、シール又は壁985と協働する。接続部分956は、図21に関して説明されるように、柔軟材料986で満たされるスペース984を備える。
【0060】
柔軟材料974、983及び986は、異なるか又は互いに同じである。加えて、上述された柔軟材料の何れもが、柔軟材料974、983及び/又は986の何れに対しても使用できる。加えて、スペース972、984及び/又は987の何れもが、上述のような異なるタイプの柔軟材料の異なる層を具備するか、満たされる。
【0061】
図28A乃至図29は、呼吸マスク1030の他の実施例を示す。呼吸マスク1030は、一般に、クッション1032と、クッション1032に結合されたシェル1034とを含む。クッション1032は、弾性材料から形成されるフラップ部分1052、弾性材料から形成されるフラップ部分1052に隣接する中央部分1054、及び弾性材料から形成される中央部分1054に隣接する接続部分1056を含む。この実施例は、上述されたプリーツを含むが、図28に示されるクッション1032は、柔軟材料1083で満たされるスペース1081を持つ。大きな開口スペースを持つよりもむしろ、この実施例では、スペース1081は、開口部1090を通じてアクセスされる。スペース1081は、柔軟材料1083に注入されるか、又はさもなければ満たされる。マスク1030は、更に、網1043によりクッション1032に接続される額パッド1042を含む。額パッド1042は、開口部1094によりアクセスされ、柔軟材料1096で満たされるスペース1092を含む。クッションと共に、パッド1042及び網1043は、弾性アセンブリ1033を形成する。
【0062】
シェル1034は、概してクッション1034の形状に適合する。フレーム1040は、シェル部分1032から延在し、ベース1044をサポートする。構造的アセンブリ(シェル1034、フレーム1040及びベース1044)1035は、共に一体的に形成されてもよいし、別個に製造されて良く知られた様々な手段を通じて接続されてもよい。このアセンブリは、ポリカーボネート又は当業者により理解されるような他のプラスチック材料のような固いプラスチック材料から形成される。弾性アセンブリ1033は、構造的アセンブリ1035上に形成される溝1098及びクッション1032上に形成されるタブ1100により、構造的アセンブリ1035に接続される。弾性アセンブリ1033及び構造的アセンブリ1035を共に結合することを援助するため、弾性アセンブリ1033は、周辺位置合わせ溝1104、内部位置合わせ溝1106及び中央T字形状位置合わせ溝1108を含む。構造的アセンブリ1035は、対応する周辺壁1110、内部壁1112及び中央T字形状壁1114を含む。
【0063】
柔軟材料1083、1096は、互いに絶縁されている。代わりに、スペース1081及びスペース1092は、互いに連通している。スペース1081、1092が連通しているという場合には、柔軟材料1083、1096は、一つ以上の開口部1090、1094を通じて注入される。又は、これらスペースが互いに対して絶縁されるので、異なるデュロメータを持つ柔軟材料が使用できる。開口部1090、1094は、構造的アセンブリ1035により閉じられる。開口部1094は、図28Aに示されるように開口部1094に又は開口部1094の周りに適合する構造的アセンブリ1035上に形成される一体的キャップ1116により閉じられる。もちろん、開口部1090は、図示されないが、同様に、キャップにより閉じられる。代わりに、図29に示されるように、開口部1090は、開口部に又は開口部の周りに適合する別個のキャップ1118により閉じられる。同様に、開口部1094は、図示されないが、別個のキャップにより閉じられる。
【0064】
上述された、実施例の全てに対して、柔軟材料で満たされたスペースの各々は、マスクの周りに連続して延在するか、代わりに、マスクの周辺の部分的周りだけに延在してもよいことも理解されるべきである。図面は、特定の構造を開示しているが、当業者は、プリーツ、壁厚及び柔軟材料含有スペースが、フルフェースマスク、鼻マスク、鼻口マスク又は鼻枕のような様々なマスク構成において、特定の問題を強調するために変更されてもよいことが最もよく理解している。特定の領域が軸方向にあまりにも固い場合には、壁厚が変更でき、フラップの深さが変更でき、プリーツが加えられるか、及び/又は柔軟材料のタイプ若しくは量が変更できる。特定の領域が、増大した半径方向の力を受ける場合には、壁厚が増大でき、フラップの長さが低減でき、プリーツが加えられ、及び/又は柔軟材料のタイプ若しくは量が変更できる。
【0065】
この発明で説明される呼吸マスクは、ユーザの鼻に適合する。しかしながら、本発明は、実質的に患者の全顔面領域(鼻、口及び目を含む)を収容するトータルフェースマスク、ユーザの鼻及び口だけを収容する口/鼻マスク、ユーザの鼻の主要部分をカバーするフルフェースマスク、又はユーザの鼻孔内に適合する患者のインタフェースも意図することは、理解されるべきである。当業者により理解されるように、様々な異なるマスクサイズ及び構成の中から適当な選択を要求するために、患者が年齢、サイズ及び/又は医療目的で変化するので、マスクの構成は、変化し、特定のサイズ又は構成に限定されない。従来のように、フェースマスクのシェルは、ヘッドギアと接続される旋回部材を受けるのに適したスロットのような固定装置を好ましくは含み、耳は額サポートのベースから延在する。耳及びスロットは、共に、ヘッドギアを呼吸マスクに固定する。
【0066】
呼吸マスクのクッションは、当業者により理解されるように種々異なる方法でシェルに装着される。例えば、クッションは、接着剤を使用してシェルに装着される。代わりに、クッションは、クッションをシェルへオーバーモールドすることにより装着されてもよい。もちろん、シェルをクッションへ相互接続する他の方法が、本発明の範囲を逸脱することなく考察されてもよい。一つの実施例では、クッションは、インジェクションモールドプロセスにより形成される。ここで使用される用語「満たされる」は、柔軟材料で完全に満たされる、又は部分的に満たされるスペースを指すために使用される包括的用語である。
【0067】
本発明は、最も実践的で好ましい実施例と現在考えられるものに基づいて例示の目的のために詳細に説明されてきたが、斯様な詳細は、その目的のためだけであり、本発明は、開示された実施例に限定されず、対照的には、添付の請求項の趣旨及び範囲内にある変形及び等価の装置及び方法をカバーすることを意図することは、理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な拡張まで、実施例の一つ以上の特徴が、他の実施例の一つ以上の特徴と組み合わせ可能であることを意図する。
【0068】
本発明は、治療用ガス供給システム、特にガス供給の間、患者の顔との密閉を形成するマスクに関係する。
【0069】
呼吸フェースマスクアセンブリの1つの分類は、2つの異なるタイプ、単一肢回路タイプ及び2重肢回路タイプである。単一肢回路に対して、フェースマスクアセンブリはバルブ及び排気部を通常含み、2重肢回路に対して、フェースマスクアセンブリは通常バルブを含まないが、代わりにバルブがない導管を備える。
【0070】
他のタイプのマスクも異なるアプリケーションで有効である。このように、病院及び他のヘルスケア設備は、通常、種々異なるアプリケーションに対して使用される種々異なるタイプのフェースマスクアセンブリを幾つか在庫している。種々異なるフェースマスクアセンブリを幾つか在庫させることに関連するコスト及び格納スペース問題は、重要である。
【0071】
本発明の一つの態様は、患者にガスを供給するためのマスクアセンブリを提供することである。マスクアセンブリは、ガスの受け入れのための開口部を持つマスク本体と呼吸回路インタフェースとを含む。マスク本体は、患者の顔を塞ぐようにはめて少なくとも患者の鼻及び口を囲むためのシール構造部を含む。呼吸回路インタフェースは、マスク本体と回転可能に接続される第1の部分と、開口部を通じて患者へガスを配送するための導管と着脱可能に接続するように構成され配される、第2の部分とを含む。
【0072】
本発明の他の態様は、患者にガスを供給するためのマスクアセンブリを提供することである。マスクアセンブリは、ガスの受け入れのための開口部を持つマスク本体と導管とを含む。マスク本体は、患者の顔を塞ぐようにはめて少なくとも患者の鼻及び口を囲むためのシール構造部と接続部とを含む。導管は、マスク本体の接続部と着脱可能に接続される。導管は、接続部と接続する第1のコネクタ部、及びチューブと接続するために構成され配される第2のコネクタ部を有し、第1のコネクタ部は、吐き出したガスが接続部を通って逃げることが可能なように接続部とのインタフェースで複数のくぼみを含む。
【0073】
更に他の実施例において、本発明は、患者にガスを供給するためのマスクアセンブリキットを提供することである。マスクアセンブリキットは、ガスの受け入れのための開口部を持つマスク本体と、バルブ無しの第1の導管と、バルブを含む第2の導管とを含む。マスク本体は、患者の顔を塞ぐようにはめて少なくとも患者の鼻及び口を囲むためのシール構造部を含む。導管の各々は、マスク本体と関連する接続部と接続する第1のコネクタ部、及びチューブと接続するために構成され配される第2のコネクタ部を含む。マスク本体の接続部が、第1の導管又は第2の導管の何れかの第1のコネクタ部と選択的に装着されるように構成され配される。
【0074】
製造の経済性、部品の組み合わせ、構造の関連する要素の動作及び機能の方法と同様に、本発明のこれら及び他の態様は、全てが本明細書の一部を形成する図面を参照して以下の説明及び添付のクレームを考慮してより明らかになるだろうし、類似の参照符号は様々な図面の対応する部品を示す。しかしながら、図面は例示及び説明だけの目的であって、本発明の制限を規定するものとして意図されないことは、明白に理解されるべきである。明細書及びクレームで使用される、「a」、「an」及び「the」の単数形式は、文章で明確に指示がない限り複数のものを含む。
【0075】
図1Aは、本発明の実施例によるマスクアセンブリ及び患者の顔の斜視図である。
図1Bは、本発明の実施例によるマスクアセンブリ及び患者の顔の左側面斜視図である。
図2は、本発明の実施例による吸い込みバルブアセンブリを持つマスクアセンブリの斜視図である。
図3は、本発明の実施例によるマスクアセンブリの斜視分解図である。
図4は、本発明の実施例による排気ポートアセンブリを持つ空気吸い込みバルブの右上斜視図である。
図5は、本発明の実施例による排気ポートアセンブリを持つ空気吸い込みバルブの左側斜視図である。
図6は、本発明の実施例によるマスクアセンブリの断面図である。
図7は、本発明の実施例による吸い込みバルブアセンブリの断面図である。
図8は、本発明の実施例によるバルブ要素の斜視図である。
図9は、本発明の実施例によるバルブ要素の上部斜視図である。
図10は、本発明の実施例によるマスク本体及び吸い込みバルブアセンブリの斜視図である。
図11は、本発明の実施例によるアセンブリの前の標準肘及びマスク本体の斜視図である。
図12は、本発明の実施例によるアセンブリの後の標準肘及びマスク本体の斜視図である。
図13は、本発明の実施例によるマスクアセンブリの後方斜視図である。
図14は、本発明の実施例によるマスクヘッドギア装着ポストの前方斜視図である。
図15は、本発明の実施例によるマスクヘッドギア装着ポストの後方斜視図である。
図16は、本発明の実施例によるマスクヘッドギア装着ポストの側方斜視図である。
図17は、本発明の実施例によるマスクヘッドギア装着クリップの後方斜視図である。
図18は、本発明の実施例によるマスクヘッドギア装着クリップの前方斜視図である。
図19は、本発明の実施例による呼吸回路インタフェースを通じて排気溝の通路を示す、図6のラインA−Aを通る断面図である。
図20は、マスクアセンブリの代わりの実施例の前方斜視図である。
図21は、本発明の実施例によるマスクアセンブリの分解前方斜視図である。
図22は、本発明の実施例による代わりのマスクヘッドギア装着クリップの前方斜視図である。
図23は、本発明の実施例による代わりのマスクヘッドギア装着クリップの後方斜視図である。
【0076】
図1A、図1B、図2及び図3は、本発明の実施例による治療用ガス供給での使用のためのマスクアセンブリ10を示す。マスクアセンブリ10は、ガスの受け入れのための開口部13を持つマスク本体12を一般に含む。マスク本体12は、患者27の少なくとも鼻及び口(及びオプション的に目)を関連して囲む際、患者27の顔を塞ぐようにはめるためのシール構造20を含む。一つの実施例では、マスクアセンブリ10は、また、マスク本体12を加圧呼吸ガス供給部と接続させるための呼吸回路インタフェース16を含む。以下に詳細に説明されるように、呼吸回路インタフェース16は、マスク本体12と回転可能に接続された第1の部分17と、開口部13を通じてガスを患者27に供給するための導管18と接続するように構成して配される第2の部分19とを持つ。
【0077】
実施例において、呼吸回路インタフェース16及び導管18は、回路チューブ(図示されず)を介して、呼吸ガスを患者27へ供給するためのガスのソース(図示されず)、例えば、送風装置、CPAPマシン、換気装置又は他の適切な装置と、マスク本体12を接続させる。本願の他の説明から理解されるように、呼吸回路インタフェース16の第2の部分19は、種々異なるタイプの導管18がマスク本体12と接続可能にするために、導管18と脱着可能に接続される。加えて、第1部分17での呼吸回路インタフェース16間でマスク本体12との回転又は旋回接続は、チューブと接続するための360度の回転内の何れの方向においても延在できるように接続された後、肘形状の導管18を回転可能にする。幾つかの目的のため、呼吸回路インタフェース16が、マスク本体12の一部であると考えられてもよいことは、理解されるべきである。
【0078】
図3に示されるように、呼吸回路インタフェース16は、中央開口部29の周りに置かれた概して円筒形の内面23を持つ環状構成を持つ。後のより詳細な説明から明らかになるように、呼吸回路インタフェース16の円筒内面23は、呼吸ガスを受けるためのチューブと接続する適当な導管18の概して円柱の係合面25に開放可能な摩擦フィットを供給するように形状化されて構成される。
【0079】
第2の部分から呼吸回路インタフェース16の第1の部分17まで延在するように増大していく厚さ又は放射サイズを持つ複数の放射状の外向き延在リブ31は、一定の外周間隔で離間されている。リブ31は、呼吸回路インタフェース16の外面の一部として一体的に形成される。呼吸回路インタフェース16の第2の部分19の外面に位置される複数のリブ31は、導管18を呼吸回路インタフェース16と接続したり分離したりするとき、呼吸回路インタフェース16を保持するためにユーザ27(又は医療関係者)にグリップを供給する。リブ31は、また、呼吸回路インタフェース16の手動回転を促進する。
【0080】
一つの実施例では、マスク本体12は、透明なプラスチック材料から形成される固定部分21と、前述のフレキシブル周縁シール構造体20とを含む。フレキシブル周縁シール構造体20は、マスク本体12の固定部分21の周りに装着される。突出部60は、マスク本体12の固定部分21の前方中央部から前方に延在し、患者27の鼻及び口を収容するように形状化される。突出部60は、その周辺62の周りの概して梨形状であり、固定部分21の平坦部分64と合い、最も前方に位置される開口部13を含む。突出部60は、開口部13の両側に水平に位置される1対のくぼみ68を含む。1対のくぼみ68は、指入力くぼみとして役立ち、患者の顔にマスク本体12を着けたり外したりするとき、マスク本体12を把持するための個人の領域を供給する。
【0081】
一つの実施例では、マスク本体12は、患者27の頭にマスク本体12を取り付けるために使用できるヘッドギアアセンブリ11と接続されるように適応される。実施例では、ヘッドギアアセンブリ11の下の方のヘッドギア取付ストラップ部分40との接続及びインタフェースのため一対のヘッドギア装着クリップ14が具備される。一対のヘッドギア装着部材22が、ヘッドギア装着クリップ14を接続可能に受けるために具備され、各々が長手方向の開口部50を持つ一対の離隔した上部ストラップ保持タブ24が、ヘッドギアアセンブリ11の上部ヘッドギア取付ストラップ部分40を受けるために具備される。一対のヘッドギア保持タブ24が、マスク本体12の固定部分21の対向し合う上部側に配置される。一対のヘッドギア装着部材22が、マスク本体12の固定部分21の対向し合う下部側に配置される。各ヘッドギア保持タブ24が、固定部分21と一体的に形成され、図2及び図3で最も良く見えるように、フレキシブル周辺シール構造20から外向きに延在する。
【0082】
図4は、一つの実施例による導管18を示す。この実施例では、導管18は、吸い込みバルブアセンブリ200である。吸い込みバルブアセンブリ200は、当業者により理解されるように、ポリカーボネート又は他のプラスチック材料のような固定のプラスチック材料で形成された肘形の管状部材201を一般に有する。一つの実施例では、管状部材201は、透明で、無色のプラスチック材料から形成される。管状部材201は、第1のインレット202、第2のインレット230及びアウトレット206を有する。
【0083】
管状部材201は、第1のコネクタ部分230及び第2のコネクタ部分232を含む。第1のコネクタ部分230及び第2のコネクタ部分232は、概して円等形状であり、概して互いに垂直に配置される。第1のコネクタ部分230及び第2のコネクタ部分232は、曲がった管状領域233により結合される。第1のコネクタ部分230が呼吸回路インタフェース16との接続のための前述した略円筒形外面25を持つ一方、第2のコネクタ部分232も管の内面と摩擦してかみ合うための円筒形外面205を持つ。
【0084】
第2のコネクタ部分232は、呼吸回路管(図示されず)に接続され、圧力ガスの装置(例えば、CPAPマシンからの空気、送風機、換気装置又は他の通風装置)からの圧力ガスを受ける。
【0085】
吸い込みバルブアセンブリ200の第2のインレット204は、曲がった管状領域233に向かって位置される開口部254を有する。開口部254は、平面壁256により、2つの等しい概して半円筒セグメントに分割される。吸い込みバルブアセンブリ200の平面壁256は、円筒形開口部254を通って延在する。開口部254は、インレット202に供給される圧力ガス流れがない場合、ユーザが空気からの呼吸を可能にする。円筒面25で、吸い込みバルブアセンブリ200は、複数の呼気溝258を更に含む。溝258は、図19からより充分に理解されるように、吸い込みバルブアセンブリ200が呼吸回路インタフェース16と接続するインタフェースに位置される。複数の呼気溝258は、表面25上で周方向に離隔され、第1のコネクタ部分230の両側で対称的に置かれる。呼気溝258が第1のコネクタ部分230の外面上のどこかに位置され、呼吸回路インタフェース16と連結する他の実施例が考察される。
【0086】
図3に明確に示されるように、吸い込みバルブ管状部材201の両側に4つの呼気溝258が、吸い込みバルブ200の表面25上の水平軸に関して角度を持って位置される。特に、管状部材201の第2のコネクタ部分232が下方を示すように管状部材201は固定部分21と接続されるとき、管状部材201の一方の側の4つの呼気溝258がある角度で上方を示すのに対し、管状部材201の他方の側の4つの呼気溝258が、ある角度で下方を示す。溝258の角度位置どりは、呼気ガスが旋回動作でマスクから出ることを可能にする。加えて、角度がある溝258は、吸い込みバルブアセンブリ200の円筒状かみ合い面25と呼吸回路インタフェース16の円筒状内面23との間の開放可能な摩擦装着を供給するのを補助する。
【0087】
呼気溝258は充分に長いので、呼吸回路インタフェース16に入れる限り、吸い込みバルブアセンブリ200が押されるとき、溝258は、呼吸回路インタフェース16から外に向かって依然延在し、呼気ガスが溝258を通って出ることを可能にするための経路を供給する。加えて、表面23、25間の摩擦はめ込み係合の何れの程度に対しても、溝258により供給されるギャップ又はスペースの断面領域が一定になるので、マスク258の外側への呼気ガス流路は、吸い込みバルブアセンブリ200が充分に挿入されているか、又は呼吸回路インタフェース16へ充分に挿入されているよりも幾らか不十分であるかに関わらず、一定の抵抗力を供給する。
【0088】
図5を参照すると、吸い込みバルブアセンブリ200は、圧力部分260を含む。圧力部分260は、吸い込みバルブアセンブリ200の曲がった管状領域233から延在し、吸い込みバルブアセンブリ200の第2のコネクタ部分232と概して平行である。可動キャップ262が、圧力ポート260を閉じるために使用される。キャップ262は、圧力ポート260からキャップ262の移動を補助するためのグリップタブ264を含む。サンプリングチューブ(図示せず)が、圧力ポート260を通って管状本体201内のガスとの流体連通で配置されてもよい。トランスデューサ(図示せず)が、サンプリングチューブに固定され、プロセッサがトランスデューサと通信する。プロセッサは、トランスデューサからの信号を使用して、少なくとも一つの呼吸パラメータを計算する。これは、換気装置への制御フィードバックとして、換気装置により圧力を測定するために概して使用される。
【0089】
図6及び図7に示されるように、呼吸回路インタフェース16は、前述の第1の部分17及び第2の部分19を含む。第1の部分17は、概して円形であり、スライド可能な面関係において半径方向に内部に延在するフランジ部分70と係合する環状フラット壁408を含む。フランジ部分70は、マスク本体の固定部分21の開口部13を囲む(図3参照)。呼吸回路インタフェース16の第1の部分17は、更に、環状面408の半径方向の最も内側部分から外に向かって延在する概して円筒形状の突出部分409を含む。円筒形状の突出部分409は、マスク本体12の固定部分21の開口部13へ延在する。円筒形状の突出部分409は、その外側円筒面に位置される溝410を持つ。溝410は、接続ワッシャー又はベアリング412を収容する。一つの実施例におけるワッシャー412は、フランジ70の内面を支える外側周辺部と、マスク本体12と呼吸回路インタフェース16を回転可能に接続するための内部周辺受け入れ溝410とを持つ分割リングワッシャー構造である。よって、呼吸回路インタフェース16は、マスク本体12の固定部分21と回転可能に接続される。一つの実施例では、回転可能なインタフェースでのわずかな摩擦が、回転に対して少なくとも抵抗を供給して、呼吸回路インタフェース16の回転位置が所望なように手動で設定できるようにし、管と接続する導管18の第2のコネクタ部分232又は脚が、意図的に変更がない場合に、一般に保持される所望の方向に位置されるようにその位置を保持する。他の実施例では、回転のポイントでの摩擦は、呼吸回路インタフェース16のフリー回転を可能にするため最小である。
【0090】
他の実施例では、呼吸回路インタフェース16とマスク本体12の固定部分21との間の接続は、ボールベアリング装置又はマスク本体12に対して呼吸回路インタフェース16の回転動作を可能にする他のタイプのベアリング装置を使用することにより達成される。
【0091】
上述のように、呼吸回路インタフェース16の内面23は、摩擦はめ込みにより吸い込みバルブアセンブリ200の外面25と着脱可能に係合するように形状化され、構成される。吸い込みバルブアセンブリ200との摩擦はめ込みを可能にすることに加えて、呼吸回路インタフェース16の内面23は、後で詳細に説明されるように、吸い込みバルブアセンブリ200は、除去可能であり、類似の摩擦はめ込みを通じて異なる他のタイプの導管18と交換可能に摩擦はめ込みできる。第1のコネクタ部分230の直径は、バルブアセンブリ200の間違った端部がインタフェース16と接続されることを防止するため、吸い込みバルブアセンブリ200の第2のコネクタ部分232の直径より大きい。
【0092】
吸い込みバルブアセンブリ200は、バルブ部材208を含む。バルブ部材208は、バルブ部材208に供給される止め部材528、かえし526及びくぼみ250により接続領域248で管状部材201と接続される(図8及び図9を参照)。吸い込みバルブアセンブリ200の曲がった管状領域233の下の部分に位置されるリブ252(図7参照)は、環状フランジ253の部分234に対して接続領域248をクランプするために、くぼみ250に受けられる外面を持つ。
【0093】
バルブ部材208は、相対的に薄くフラットで楕円構造を持つシール部分520を持つ。シール部分520は、フレキシブルな材料で作られ、よって、第1のインレット202に行使される圧力ガスに応答して、上方に曲げることができる(図7の点線に示されるように)。上方への曲げは、シール部分520の上面522が、管状本体201へ突出し第2のインレット204を規定する円筒形壁254の端部で環状リップ235と係合するまで続く。その停止位置から上部の曲げ位置へのシール部分520の進行方向が、図7の矢印Aにより示される。この上部曲げ部分では、バルブ部材208の上部面522と環状リップ235とのシール係合は、第2のインレット204が封止されるようにするので、第1のインレット202へ供給される圧力ガスが第2のインレット204を通じて逃げられない。
【0094】
ガスが第1のインレット202を通じて患者に供給されず(例えば、第1のインレット202と接続される送風機が動作していない)、第2のインレット204が、呼気に対するアウトレット通路と、吸い込みの間患者へ供給される大気のインレット通路との両方として役立つことに注意されるべきである。この例では、シール部分520は、その停止部分にあり、図7に示されるように、環状フランジ253の上部面259とのシールを形成する。
【0095】
バルブ部材208は、ゴム、ラテックス、シリコン、又は当業者に理解されるような他のゴム弾性材料から作られる。
【0096】
図4及び図19から最も良く理解されるように(図6のA−Aを通る断面図である)、呼気溝258は、管状部分201の外部面25と、呼吸回路インタフェース16の内部円筒面23との間の通路を形成する。一つの実施例では、呼気溝258は、管状部分201の外面25の対向し合う側面に供給される。他の実施例では、呼気溝は、本体201よりむしろ、呼吸回路インタフェース16の内面23に供給される。加えて、図7に点線として示されるように、他の実施例において、呼気溝は、代わりに又は更に、本体201の外部面25の最上部にも位置されてもよい。ユーザが吸い込むとき、ガスの非常に小さな一部が、呼気溝を通って大気から吸い込まれる。しかしながら、全般的に、第1のインレット202へ押し出される圧力ガスが、大気圧よりも高い圧力を本体201内に作るので、吸い込みの間でさえ、空気が呼気経路258を通って(中へというよりはむしろ)外に向かって大部分押し出される。その上、ユーザが吐き出すので、呼気ガスが、本体201を通って中心に入ってくる空気流にインパクトを与え、よって、半径方向に外に向かって膨れ上がるように押し出され、呼気ガスを効果的に流す循環流出パターンとなり、よって、概して、周辺呼気溝258へ向かい且つ通って大気へ行く。
【0097】
図6に最もよく示されるように、フレキシブル周辺シール部分20は、3つの側面504、506及び508を持つ略矩形チャネル形状の断面構成を持つ。フレキシブル周辺シール構造20は、側面504でマスク本体12に取り付けられる。マスク本体12の固定部分21のエッジ500は、階層接続が形成されるように、フレキシブル周辺シール構造20の側面504に位置される開口部502と係合する。当業者に理解されるように、接着接続、超音波溶接接続、鋲着若しくはピン接続、又は他のタイプの接続を通じて、部品が適所に接着される。エッジエンドからエンドで(例えば、接着接続により)フレキシブル周辺シール構造20及び固定部分21に取り付けることによるような、重ならない他の実施例が考察される。側面506は、側面504と側面508との間に位置され、側面504と側面508との間にギャップを供給する。このギャップは、ユーザ27の顔面に合致するように、柔軟性をフレキシブル周辺シール構造20へ提供する。フレキシブル周辺シール構造20の角は、概して丸められている。側面508と側面506との間の長さは、マスク本体12の合致したシール係合を患者27の顔面に提供するために、シール構造20の周辺に沿って変化してもよい。
【0098】
図10乃至図12は、呼吸回路インタフェース16に関して置換可能で交換可能なコンセプトの導管18を示す。特に、図10乃至図12において、標準肘300により置換される吸い込みバルブアセンブリ200が示され、何れも導管18に対する例として使用できる。しかしながら、後で説明されるように、他の肘構造が呼吸回路インタフェース16と摩擦適合されてもよい。
【0099】
図10は、マスクアセンブリ10から除去された吸い込みバルブアセンブリ200を示す。これは、後述されるように摩擦適合を開放するためマスクアセンブリ10から吸い込みバルブアセンブリ200を単に引っ張ることによりなされる。図11及び図12は、類似の摩擦適合により標準肘300と接続されたマスクアセンブリ10を示す。標準肘300は、内部バルブも外部呼気溝も持たない。標準肘300は、呼吸ガスをマスクアセンブリ10へ供給する管と、呼吸回路インタフェース16との間の接続を供給するための管状本体201と別途類似する管状肘形本体301を具備する。標準肘300は、オプション的に、吸い込みバルブアセンブリ200に関して説明されたように圧力キャップ262及び圧力ポート260を具備してもよい。一つの実施例では、本体301が、クリア(透明)であるが色が付いた(例えば青)プラスチック材料から形成される。
【0100】
除去可能で置換可能な導管18は、マスクアセンブリ10が、単に選択の導管18を利用することにより、種々異なる使用のために機能的であることを可能にする。
【0101】
図10乃至図12が吸い込みバルブアセンブリ200及び標準肘300を交換可能に収容するために適応するマスクアセンブリ10を示しているが、上述のマスクアセンブリと交換可能に使用される他のタイプの導管18の幾つかの限定的でない例が、以下にリストされる。
・マスクを着けて気管支鏡法手順を介護者が実行可能にする気管支鏡ポートを具備する導管
・NIVの間、薬物を供給するためのエーロゾル発生器アダプタを具備する導管
・「測定される投与量の吸入器」を使用して薬物を供給するためのMDIポートを具備する導管
・CPAP開放バルブを収容するためのポートを具備する導管
・患者をモニタするためのC02センサ機能を備えた導管
・患者VC02をモニタするための容量測定のC02センサ機能を備えた導管
・ヘリオックス又は他の特定のガスを引き込む導管
・吸い込みガスに湿気を加える導管
・HME[熱湿気交換器]を含む導管
・様々な医療監視機能のための「ナノ」センサを組み込んだ導管
・フィルタリングされる呼気機能を持つ導管[SARSのようなパンデミックに有効である]
・「マスクを着けたまま話す」ための患者能力を強化する導管
・NG供給管を収容する導管
・C02再呼吸を低減/制御する導管
・分泌除去を補助する導管
・標準肘を具備する導管
・マスクタイプの広い範囲で使用できる導管
【0102】
上記リストされた導管構成は、種々異なるタイプ、構成及び/又は供給できる導管の構造の限定的でない例を提供する。これらの導管全てが肘形管状本体を具備するが、他の管状形状(直線的管状構成のような)が代わりに供給されてもよいことは、理解されるべきである。
【0103】
導管18と呼吸回路インタフェース16との間の接続が摩擦はめ込みではなく、4分の1回しタイプの接続、スナップはめ込み、又は導管18と呼吸回路インタフェース16との間での着脱可能な接続を供給する他のタイプのロック機構のような様々なタイプの接続のおかげで達成される他の実施例が考察される。
【0104】
更に他の実施例では、導管18の第1のコネクタ部分230自身が、マスクの一部として供給されるような構造よりはむしろ、呼吸回路インタフェース16と類似する旋回結合を備える。この場合、肘の旋回結合は、マスク本体12の固定部分21の開口部13を囲む旋回しない部分(例えば、外側に突出する円筒構成)と直接接続できる。
【0105】
更に他の実施例では、旋回結合が備えられていない。むしろ、管状本体(例えば、201又は301)間の直接接続は、マスクの固定部分21の対応する形状の部分を具備する。この実施例では、それにもかかわらず、導管18の幾らかの回転により、固定部分21と管状本体との間の摩擦はめ込み接続で直接的スライド摩擦を介して収容されてもよい。しかしながら、回転接続でない他の接続が備えられてもよいし、考察されるデザインのモジュラー形式を可能にすることも更に考察される。
【0106】
本発明の一つの態様では、マスクアセンブリキットが供給される。キットアセンブリは、回転可能なインタフェース16を具備する又は具備していないマスク本体12と、導管タイプを単に変えることによりマスク本体12が異なる機能を提供可能にする異なるタイプの少なくとも2つの導管18とを含む。例えば、標準肘300(バルブ無し)は、一つの導管として供給され、吸い込みバルブアセンブリ200が他方の導管として供給される。導管がマスク本体をはめ込む少なくとも2つの異なる構成を持ちながら、マスクの各々が共通の構成を持つが、2つより多くの導管が供給されてもよいし、1つより多くのマスクが供給されてもよい。
【0107】
図13は、マスクアセンブリ10の後方斜視図を示す。フレキシブルシール構造20が、ここで明確に見える。ヘッドギア装着クリップ14により部分的に遮られているヘッドギア装着部材22の一部とヘッドギアストラップ保持タブ24も示される。図14乃至図16は、ヘッドギア装着部材22をより明確に示す。ヘッドギア装着部材22は、固定部分21と一体的に形成され、フレキシブル周辺シール構造20を越えて外に向かって延在する。特に、ヘッドギア装着部材22各々は、マスク本体12の固定部分21と一体的に接続される概して平らなウェブ部分78と、ウェブ部分78の外側端部に配される接続ポスト又はバレル82とを持つ。ウェブ部分78は、マスク本体12からバレル82へ向かって徐々に先細りになる。ヘッドギア装着部材22各々は、前面84及び背面86を含む。ウェブ78に沿ってマスク本体12からバレル82へ延在する補強リブ88が、各ウェブ78上の背面86に設けられる。各バレル又はポスト82は、前面90及び背面92を含む。バレル82の前面90は、図14で最も良く見えるように、中心に位置される溝94を持つ概して半円筒形の形状である。前面90は、上部半円筒形面部分91と下部半円筒形面部分93とを溝94の両側に持つ。バレル82の背面92は、バレル82の両端部104と106との間に位置されるチャネル96を含む。チャネル96は、3つの概して半円形突出部108、110及び112(上部突出部108、中間突出部110及び下部突出部112)により4つのセグメントへ分割される。中心円形突出部110の厚さは、円形突出部108及び112の厚さより大きい。
【0108】
図17及び図18は、ヘッドギア装着クリップ14の一つを示す。ヘッドギア装着クリップ14各々は、前面116、背面118、上部面120、下部面122、第1の側面124及び第2の側面126を含む。ヘッドギア装着クリップ14がマスク本体12と組み立てられるとき、上部面120はマスク本体12のヘッドギアストラップ保持タブ24に向かって上方に面し、下部面122はマスク本体12のヘッドギアストラップ保持タブ24から向きがそれ、第1の側面124はマスク本体12に面し、第2の側面126はマスク本体12から向きがそれる。把持リブ129を持つ指のくぼみが、ヘッドギア装着クリップ14の上部面120及び下部面122に位置される。マスク本体12を持つヘッドギアアセンブリ11を固定するか又は除去する間、把持リブ129は、ヘッドギア装着クリップ14を把持するため患者27又は介護人のための領域を供給する。ヘッドギア装着クリップ14は、ヘッドギアアセンブリ11のストラップ40を受ける長手開口部130を含む。
【0109】
図17に示されるように、ヘッドギア装着クリップ14の背面118は、概して矩形のキャビティ134を含み、当該キャビティ134は、長手開口部130の一方の側を規定する壁133から延在する3つのカム指136、138及び140を含む。カム指136、138及び140は、キャビティ134を通って約半分まで延在する。中央のカム指138の厚さは、上及び下のカム指136及び140それぞれの厚さより大きい。カム指136、138及び140は、概して矩形であり、一方の側に沿って壁133と接続され、下部でキャビティ134の下部壁137と接続される。カム指136、138及び140の各々は、側壁133から離れて位置される上部角139上に位置される面取りエッジを持つ。角139から下方に延在するカム指136及び140のエッジ145が、正の角度で傾斜するので、これらが壁133から離れて延在し、下部壁137と接合するため下方に延在する。対照的に、中央のカム指138上の面取り角139は、カム指136及び140のエッジ145をわずかに越えて突出する固い角141で止まり、切り込みを形成するために負の角度で延在し、下部壁137に向かって延在して、その前方エッジ149はわずかに壁133に向かう方向に延在する。固い角141は、説明されるようにバレル82をヘッドギア装着クリップ14にロックしたりロックを外したり(又は接続したり接続解除したり)するために、バレル82(特に、その中央突出部110)とのカム接触の第1のポイントを供給する。キャビティ134は、カム指136、138及び140を含まない長手チャネル135を含む。ヘッドギア装着クリップ14の外部の壁148は、壁133の向かい側で、キャビティ134の一方の端を規定する。壁148の上部部分は、面取り上部部分151を含み、一対の張り出し143も含む。張り出し143は、同様の機能を固い角141へ供給するが、説明されるように半円筒面91及び93それぞれと係合する(図14を参照)。
【0110】
図18に示されるように、ヘッドギア装着クリップ14の前面116は、壁137に位置される3つの矩形開口部142、144及び146を含む。3つの矩形開口部142、144及び146は、背面118のキャビティ134のチャネル135へ延在する(図17を参照)。開口部142及び146が外壁148近くに置かれる一方、開口部144は段をつけられカム指138の傾斜面149の下部に置かれる。
【0111】
ヘッドギアストラップ40と共にヘッドギア装着クリップ14は、バレル82に向かってヘッドギア装着クリップ14を動かすことにより、それぞれのヘッドギア装着部材22と接続されるので、ヘッドギア装着クリップ14のチャネル135は、ヘッドギア装着部材22のバレル82に押し込まれる。特に、ヘッドギア装着クリップ14のカム指138(特に、固い角141)は、バレル82の対応する半円形突出部110と係合し、ヘッドギア装着クリップ14の張り出し143は、バレル82の反対側の面91及び93と係合する。ヘッドギア装着クリップ14のカム指138と、ヘッドギア装着部材22のバレル82の対応する円形突出部110との間のカム動きが、ウェブ部分78の曲げ、並びにカム指138及び/又は円形突出部110のわずかなたわみを生じ、円形突出部110が固い角141を過ぎてチャネル135へ移動可能にする。同様に、張り出し143及び/又は面91、93のわずかなたわみと共にウェブ78のたわみ動きは、これらの面が張り出し143を過ぎてカムを付けられることを可能にする。バレル82がチャネル135内に置かれるとき、張り出し143及び固い角141は、バレル82がチャネル135から逃げることを防止する。ヘッドギア装着クリップ14の張り出し143がバレル82の反対側の面91及び93と係合し、よって、調整の又は異なるヘッドサイズを収容する間、ヘッドギア装着クリップ14の回転を可能にする。
【0112】
一つの実施例では、カム動作というよりはむしろ、ヘッドギア装着クリップ14は、カムなしで固い角141にわたるスナップ動作により、ヘッドギア装着部材22から引き離されたり、押しつけられ、ヘッドギア装着クリップ14のカム指138が、バレル82の対応する半円形突出部110と係合する。
【0113】
ヘッドギア装着クリップ14を取り外すため、ユーザ27又は介護従事者は、指のくぼみ128に指を置き、ヘッドギア装着クリップ14を、突出部60に向かってフレキシブル周辺シール構造20から離れる方向に引っ張る。ヘッドギア装着クリップ14は、壁148の面取り上部部分151がウェブ78の前面84と係合するまで、バレル82により規定される軸の周りを回転する。面84に抗して面151に押し付ける方向に、ヘッドギア装着クリップ14に付与される回転力(例えば、手動の力)は、チャネル135内のロック係合を外してバレル82にカムを付けるために、チャネル135内のバレル82をロックする面及び上述のパーツのたわみを生じさせるカム動作を生じる。一つの実施例では、ヘッドギア装着クリップ14は、プラスチック材料からモールドされてもよいが、ゴム、エラストマー材料又は金属のような他の材料も考察される。
【0114】
図20乃至図23に示されるようにヘッドギア装着クリップ14の他の実施例では、ヘッドギア装着クリップ14各々は、前面116、背面118、上部面120、下部面122、第1の側面124及び第2の側面126を含む。ヘッドギア装着クリップ14がマスク本体12と組みたてられるとき、上部面120はマスク本体12のヘッドギアストラップ保持タブ24に向かって上方に面し、下部面122はマスク本体12のヘッドギアストラップ保持タブ24から向きがそれ、第1の側面124はマスク本体12に面し、第2の側面126はマスク本体12から向きがそれる。ヘッドギア装着クリップ14は、ヘッドギアアセンブリ11のストラップ40を受ける長手開口部130を含む。加えて、この実施例は、補助の長手開口部152を含む。長手開口部152は、内部補助壁154、外部補助壁156及び側部補助壁158により規定される。前記内部補助壁は下部面122から延在する。
【0115】
図23に示されるように、ヘッドギア装着クリップ14の背面118は、矩形であるキャビティ134を含み、当該キャビティ134は、長手開口部130の一方の側を規定する壁133から延在する3つのカム指136、138及び140を含む。カム指136、138及び140は、キャビティ134を通って約半分まで延在する。中央のカム指138の厚さは、上及び下のカム指136及び140それぞれの厚さより大きい。カム指136、138及び140は、概して矩形であり、一方の側に沿って壁133と接続され、下部でキャビティ134の下部壁137と接続される。カム指136、138及び140の各々は、側壁133から離れて位置される上部角139上に位置される面取りエッジを持つ。角139から下方に延在するカム指136及び140のエッジ145が、正の角度で傾斜するので、これらが壁133から離れて延在し、下部壁137と接合するため下方に延在する。対照的に、中央のカム指138上の面取り角139は、切り込みを形成するために、カム指136及び140のエッジ145をわずかに越えて突出する固い角141で止まり、負の角度で延在し、下部壁137に向かって延在して、その前方エッジ149はわずかに壁133に向かう方向に延在する。固い角141は、説明されるようにバレル82をヘッドギア装着クリップ14にロックしたりロックを外したり(又は接続したり接続解除したり)するために、バレル82(特に、その中央突出部110)とのカム接触の第1のポイントを供給する。キャビティ134は、カム指136、138及び140を含まない長手チャネル135を含む。ヘッドギア装着クリップ14の外部の壁148は、壁133の向かい側で、キャビティ134の一方の端を規定する。壁148の上部部分は、面取り上部部分151を含み、一対の張り出し143も含む。張り出し143は、同様の機能を固い角141へ供給するが、説明されるように半円筒面91及び93それぞれと係合する(図14を参照)。
【0116】
図22に示されるように、ヘッドギア装着クリップ14の前面116は、壁137に位置される3つの矩形開口部142、144及び146を含む。3つの矩形開口部142、144及び146は、背面118のキャビティ134のチャネル135へ延在する(図23を参照)。開口部142及び146が外壁148近くに置かれる一方、開口部144は段をつけられカム指138の傾斜面149の下部に置かれる。
【0117】
ヘッドギアストラップ40と共にヘッドギア装着クリップ14は、バレル82に向かってヘッドギア装着クリップ14を動かすことにより、それぞれのヘッドギア装着部材22と接続されるので、ヘッドギア装着クリップ14のチャネル135は、ヘッドギア装着部材22のバレル82に押し込まれる。特に、ヘッドギア装着クリップ14のカム指138(特に、固い角141)は、バレル82の対応する半円形突出部110と係合し、ヘッドギア装着クリップ14の張り出し143は、バレル82の反対側の面91及び93と係合する。ヘッドギア装着クリップ14のカム指138と、ヘッドギア装着部材22のバレル82の対応する円形突出部110との間のカム動きが、ウェブ部分78の曲げ、並びにカム指138及び/又は円形突出部110のわずかなたわみを生じ、円形突出部110が固い角141を過ぎてチャネル135へ移動可能にする。同様に、張り出し143及び/又は面91、93のわずかなたわみと共にウェブ78のたわみ動きは、これらの面が張り出し143を過ぎてカムを付けられることを可能にする。バレル82がチャネル135内に置かれるとき、張り出し143及び固い角141は、バレル82がチャネル135から逃げることを防止する。ヘッドギア装着クリップ14の張り出し143がバレル82の反対側の面91及び93と係合し、よって、調整の又は異なるヘッドサイズを収容する間、ヘッドギア装着クリップ14の回転を可能にする。
【0118】
この実施例では、マスクアセンブリは、あごの下で補助開口部152間に接続された図示されていない追加のストラップを具備する。この構成は、マスク12を患者の顔に乗せることを可能にするというよりはむしろ、そこに保持するため当該マスク12のための追加のあご下サポートを供給する。
【0119】
マスク本体12のフレキシブルな周辺シール構造20は、比較的ソフト及び/又はフレキシブルな材料で作られるので、フレキシブルな周辺シール構造20は、患者の顔に対して保持されるとき、患者の顔の形状と適合する。フレキシブルな周辺シール構造20は、例えば、シリコン、エラストマー材料又は当業者により理解されるような他の適当な形状適合材料で作られる。マスク本体12の周囲のフレキシブルな周辺シール構造20の異なる領域は、異なる断面構成を持つ。様々な他のフレキシブルな周辺シール構造20の構成は、当業者に明らかになるだろう。フレキシブルな周辺シール構造20は、鼻及び口の周りにシールを形成するために概して環状であり、概して矩形形状、洋ナシ形状(図13に示されるように)、又は当業者に理解されるように他の適当な形状でも良い。一つの実施例では、マスク本体12の固定部分21は、フレキシブルな周辺シール構造20よりも相対的により堅い材料で作られる。例えば、マスク本体12は、ポリカーボネート又は他の適当な材料から作られる。
【0120】
マスク本体12は、2ステップ挿入モールドプロセスにより形成される。例えば、固定部分21は、最初にモールドされ、次にフレキシブルな周辺シール構造20のための第2のモールドへ挿入され、これは固定部分21の周り及び/又は固定部分21を形成するためにインジェクションモールドされる。
【0121】
一つの実施例では、マスク本体12を患者27の頭に取り付けるのに使用されるヘッドギアアセンブリ11は、ストラップの形をとる。しかしながら、マスク本体12を患者27の頭に固定するための如何なる構造も使用できる。図1A及び図1Bに示される例示される実施例において、2つのヘッドギアストラップ40(図1Bに1つだけ示された)の各々の端部部分41は、ヘッドギア保持タブ24の長手開口部50を通って貫かれていて、下部のヘッドギアストラップ40の端部部分41はヘッドギア装着クリップ14の長手開口部130通って貫かれている。一つの実施例では、端部部分41は、フック材料を有し、フック及びループ(又はVELCRO(商標))タイプの接続を形成するためにストラップ40上の、ループ材料で形成される、隣接面401との係合で曲げられる。しかしながら、ヘッドギアストラップの端部部分をそれ自身に固定する、ヘッドギア装着クリップ14に固定する及び/又はヘッドギア装着タブ24に固定するため、非限定的な例としてスナップ接続、バックル又はロッククランプのような多くの他の態様があることは理解されるべきである。ストラップ40が、ヘッドギア保持タブ24の開口部50を通って、又はより小さな直径ヘッドサイズを収容するためヘッドギア装着クリップ14の長手開口部130を通って引っ張られるので、ヘッドギア11は調整可能である。
【0122】
加えて、他の実施例では、ヘッドギアストラップ保持タブ24又はヘッドギア装着クリップ14へのヘッドギアストラップ40の端部のより永い装着が提供される。例えば、患者/ユーザ27はヘッドギア装着クリップ14の長手開口部130又はヘッドギアストラップ保持タブ24の長手開口部50を通じて貫いて所望の長さまでヘッドギアストラップ40を設定すると、重なっているストラップを一緒に接着するか、縫うか又は鋲打ち等することによって、ストラップ40の自由端が、ストラップ40上へ永久に固定される。ヘッドギアアセンブリ11のストラップ40は、弾性的又は非弾性的であり、患者の顔とのシール係合の際にフレキシブル周辺シール構造20で、患者27にマスク本体12を固定するために患者27のヘッドの周りに延在する。
【0123】
図1に示されるようなマスクは、患者のほぼ全顔面領域(鼻、口及び目を含む)を収容する完全なフェースマスクである。しかしながら、本発明は、ユーザの鼻及び口だけを収容する口/鼻マスクも意図することは理解されるべきである。マスクの構成は、可変であり、当業者により理解されるように様々な異なるマスクサイズ及び構成の中から適当な選択を要求するため、年齢、サイズ、及び/又は医療目的で患者は範囲があるので、特定のサイズ又は構成に限定されない。一つの実施例では、フェースマスクのサイズが、図13の600に示されるようにフレキシブル周辺シール構造20の下の端部にエンボス加工される。
【0124】
本発明は、最も実際的で好ましい実施例であると現在考察されているものに基づいて、例示の目的のため詳細に説明されてきたが、斯様な詳細な説明は、その目的のためだけであり、本発明は、開示された実施例に限定されず、添付の請求項の趣旨及び範囲内にある変更及び等価の装置をカバーすることを意図するものであることは理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な程度まで何れの実施例の一つ以上の特徴が他の何れの実施例の一つ以上の特徴と組み合わせることを意図することは理解されるべきである。
【0125】
特徴1
ガスの受け入れのための開口部、患者の顔を塞ぐようにはめて少なくとも患者の鼻及び口を囲むためのシール構造部、並びに接続部を持つマスク本体と、前記開口部を通じて患者へガスを配送するため前記マスク本体の前記接続部と着脱可能に接続される導管とを有するガスを患者に供給するためのマスクアセンブリであって、前記導管は前記接続部と接続する第1のコネクタ部及びチューブと接続するために構成され配される第2のコネクタ部を有し、第1のコネクタ部は、吐き出したガスが前記接続部を通って逃げることが可能なように前記接続部とのインタフェースで複数のくぼみを有する、マスクアセンブリ。
【0126】
特徴2
前記マスク本体と接続される呼吸回路インタフェースを更に有し、前記接続部が前記呼吸回路インタフェース上に形成される、特徴1に記載のマスクアセンブリ。
【0127】
特徴3
前記呼吸回路インタフェースが前記マスク本体と回転可能に接続される、特徴2に記載のマスクアセンブリ。
【0128】
特徴4
前記導管が前記接続部と摩擦フィット接続を形成するように構成され配される、特徴3に記載のマスクアセンブリ。
【0129】
特徴5
前記導管が前記接続部と摩擦フィット接続を形成するように構成され配される、特徴1に記載のマスクアセンブリ。
【0130】
特徴6
前記導管が、チューブと接続するように構成され配されるインレットと、前記接続部と接続するように構成され配されるアウトレットと、前記インレットと前記アウトレットとの間に第2のインレットとを有し、第2のインレットは、前記インレットをシールする第1の位置と第2のインレットをシールする第2の位置との間で移動可能なバルブにより大気と前記導管を連通させる、特徴1に記載のマスクアセンブリ。
【0131】
特徴7
前記バルブは、前記インレットを通常シールするフレキシブル部材を有し、第2のインレットをシールする第2の位置まで移動のために前記インレットを通じた圧力ガスの印加の際に撓む、特徴6に記載のマスクアセンブリ。
【0132】
特徴8
ガスの受け入れのための開口部、及び患者の顔を塞ぐようにはめて少なくとも患者の鼻及び口を囲むためのシール構造部を持つマスク本体と、バルブ無しの第1の導管と、バルブを含む第2の導管とを有するガスを患者に供給するためのマスクアセンブリキットであって、各導管が、前記マスク本体と関連する接続部と接続する第1のコネクタ部と、チューブと接続するように構成され配される第2のコネクタ部とを有し、前記マスク本体の接続部が、第1の導管又は第2の導管の何れかの第1のコネクタ部と選択的に装着されるように構成され配される、マスクアセンブリキット。
【0133】
特徴9
前記導管の各第1のコネクタ部が前記接続部と摩擦フィット接続を形成するように構成され配される、特徴8に記載のマスクアセンブリキット。
【0134】
特徴10
前記マスク本体を、選択された導管と接続させる前記接続部を供給する、前記マスク本体と接続される呼吸回路インタフェースを更に有する、特徴9に記載のマスクアセンブリキット。
【0135】
特徴11
前記呼吸回路インタフェースが前記選択された導管と接続されて摩擦フィットを形成する、特徴10に記載のマスクアセンブリキット。
【0136】
特徴12
前記呼吸回路インタフェースが前記マスク本体と回転可能な接続を形成する、特徴10に記載のマスクアセンブリキット。
【0137】
特徴13
第2の導管と前記呼吸回路インタフェースとの間の摩擦フィット接続で大気と患者との間にガスの連通を供給する複数のくぼみを第2の導管が有する、特徴11に記載のマスクアセンブリキット。
【0138】
マスク本体12及び呼吸回路インタフェース16を含むマスクアセンブリ10は、患者にガスを配送するために提供される。マスク本体は、ガスの受け入れのための開口部13と、患者の顔を塞ぐようにはめて少なくとも患者の鼻及び口を囲むためのシール構造部20とを含む。呼吸回路インタフェースは、マスク本体と回転可能に接続される第1の部分17と、開口部を通じて患者へガスを配送するための導管18と着脱可能に接続するように構成され配される、第2の部分19とを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料から形成されるフラップ部分と、
前記弾性材料から形成され前記フラップ部分に隣接する中間部分と、
前記弾性材料から形成され前記中間部分に隣接する接続部分と、クッションの一部の周りに形成されるプリーツとを有する呼吸マスクの使用のためのクッションであって、前記クッションは、頂部領域と、前記頂部領域から延在する一対の側部領域と、前記一対の側部領域の間に相互接続される底部領域とを持ち、前記プリーツは、前記底部領域及び前記側部領域の少なくとも一部の周りに連続して延在し、前記プリーツは、前記頂部領域の周りに断続的に延在し、前記頂部領域は、2つの頂部プリーツを含み、各頂部プリーツは隣接する対応の側部プリーツと相互接続され、前記頂部プリーツは、互いに相互接続されず、前記プリーツは少なくとも部分的にスペースを規定し、前記スペースは柔軟材料で少なくとも部分的に満たされている、クッション。
【請求項2】
前記柔軟材料は、シリコンスプレー、シリコンコーティング、又はシリコンスプレー及びシリコンコーティング両方により前記スペース内に保持される、請求項1に記載のクッション。
【請求項3】
前記柔軟材料は、ゲル、ガス、液体、泡、架橋されていないポリマ及び食塩水からなるグループから選択された材料を有する、請求項1に記載のクッション。
【請求項4】
弾性材料から形成されるフラップ部分と、前記弾性材料を有し、前記フラップ部分と相互接続され、スペース又はスペースの周りの境界の少なくとも一部を規定する接続部分と、前記スペース内に置かれる柔軟材料とを有する、呼吸マスクに使用のためのクッション。
【請求項5】
前記フラップ部分と前記接続部分との間に中間部分を更に有する、請求項4に記載のクッション。
【請求項6】
前記クッションの一部の周りに形成されるプリーツを更に有し、前記プリーツは、前記フラップ部分と前記接続部分との間に形成される、請求項4に記載のクッション。
【請求項7】
前記クッションは、頂部領域と、前記頂部領域から延在する一対の側部領域と、前記一対の側部領域の間で相互接続される底部領域とを持ち、前記プリーツは、前記下部領域及び前記側部領域の少なくとも一部の周りに連続して延在し、前記プリーツは、前記頂部領域の周りに断続的に延在し、前記頂部領域は、2つの頂部プリーツを含み、各頂部プリーツは、隣接する対応の側部プリーツと相互接続され、前記頂部プリーツは、互いに相互接続されていない、請求項6に記載のクッション。
【請求項8】
前記プリーツは、少なくとも部分的にスペースを規定し、前記スペースは柔軟材料で少なくとも部分的に満たされる、請求項6に記載のクッション。
【請求項9】
前記柔軟材料は、ゲル、ガス、液体、泡、架橋されていないポリマ、食塩水又はこれらの組み合わせからなるグループから選択された材料を有する、請求項4に記載のクッション。
【請求項10】
前記柔軟材料は、異なる粘度の材料から形成される複数の層を有する、請求項4に記載のクッション。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【公表番号】特表2012−515562(P2012−515562A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542728(P2010−542728)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【国際出願番号】PCT/IB2009/050200
【国際公開番号】WO2009/093174
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】