説明

呼吸作動式吸入器

本発明は、出口、および医薬を含む複数の密閉区画を備えた吸入器に関する。出口に現在位置合わせされている区画を開放する開放機構が設けられている。インデックス機構は、区画を出口に順次位置合わせする。開放機構を付勢位置にラッチするためにラッチが設けられている。ラッチは、インデックス機構が次の区画を出口に位置合わせするまで開放機構をラッチすることができない。本発明はまた、吸入器を準備する方法および医薬を吸入器から投与する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬を含む複数の密閉区画を備えた吸入器に関する。本発明はまた、吸入器の準備をする方法および医薬を吸入器から投与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の吸入器が市販されている。加圧式定量噴霧吸入器(pMDI)は、一定量の物質を噴霧形態で放出する。粉末吸入器は、一般に、気流に引き込まれた1回分の粉末物質を放出する。粉末吸入器では、粉末を吸入器のバルクコンテナ内に含めることができ、このコンテナから、投与のために所定用量の粉末が測定される。バルクコンテナの代わりとして、粉末吸入器は、単一区画または1つ以上の個別用量の粉末物質を含めるための複数の区画を備えることができる。このような区画は、ブリスタパックの密閉されたブリスタの形態、密閉ストリップに結合された、キャビティを含むストリップの形態、または他の適当な形態をとることができる。
【0003】
欧州特許第1220698号に、粉末形態の医薬用の吸入器が開示されている。医薬は、吸入器内の多数の密閉容器内に配置される。吸入器内の気流が一定の閾値に達すると、呼吸作動式作動手段により、細長い中空本体が密閉容器に刺入して医薬に到達する。これは、例えば、欧州特許第1220698号の図3〜図6に例示されている。医薬を吸入したら、使用者は、マウスピースカバーを閉じ、これにより中空本体が投与位置に戻ってラッチされると共に、密閉容器が1段階前進する。しかし、この種類の吸入器では、マウスピースカバーが適切に閉じられないと、吸入器が次の密閉容器に完全にインデックスされていなくても中空本体が引き戻されてラッチされるリスクが存在し得る。したがって、次に使用者が吸入しようとすると、中空本体が、同じ密閉容器に進入するか、または2つの密閉容器間の中間部に衝突し、医薬が送達されない恐れがある。
【0004】
国際出願第2009/008001A2号に、呼吸作動機構を備えた乾燥粉末吸入器が開示されている。マウスピースのキャップが開けられると、ばねが付勢される。吸入時に、フラップが移動して、これによりばねが解放され、機構が駆動して(i)ホイルで密閉された医薬キャビティが穿刺され、そして(ii)医薬キャビティのディスクの外周部にある一連のラチェット歯の周りのインデックス要素がラチェット動作する。キャップが閉じられると、呼吸フラップがリセットされ、ディスクが1つのキャビティ分だけ回ってインデックスされる。ディスクは、キャップが閉じられると回転前進するが、どの時点で呼吸フラップがリセットされるのか、および実際に呼吸フラップがどのようにリセットされるのかが不明確である。例えば、キャップが部分的に閉じられて再び開けられると、ディスクが完全にインデックスされる前に呼吸フラップがリセットされる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の吸入器の欠点を回避することにある。以下の説明で明らかになるこの目的および他の目的は、添付の特許請求の範囲で規定される吸入器および方法によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、インデックス機構に対して、適切なタイミングで開放機構のリセットおよびラッチを順次行うことによって、医薬が適切に位置合わせされていないのに吸入器を投与状態に準備するリスクを低下させることができるという洞察に基づいている。
【0007】
本発明の第1の態様によって吸入器が提供される。この吸入器は、
出口と、
医薬を含む複数の密閉区画と、
無負荷位置に向かって付勢される付勢位置を有する開放機構(開放装置)であって、付勢位置から無負荷位置への移動の際に、出口に位置合わせされた密閉区画を開放する、開放機構(開放装置)と、
区画を出口に順次位置合わせするためのインデックス機構(インデックス装置)であって、開放機構が無負荷位置から付勢位置に移動した後に次の区画を出口に位置合わせするように適合されている、インデックス機構と、
開放機構を付勢位置にラッチする第1の位置と、開放機構が前記無負荷位置になるのを許容する第2の位置とを有するラッチであって、流路を通る吸入気流がラッチを第1の位置から第2の位置に移動させるように少なくとも部分的に前記流路に配置され、インデックス機構が次の区画を出口に位置合わせするまでは第1の位置に戻ることができない、ラッチと、を備える。
【0008】
したがって、開放機構を付勢位置にラッチするのを遅延させることにより、吸入器が、次の区画が所定の位置、すなわち出口に位置合わせされるまでは投与準備ができた状態に準備されない。これは、ラッチが、適切には、インデックス機構が次の区画を出口に位置合わせするのと同時か、または位置合わせした後に移動するように適合できることを意味する。この文脈では、「出口と位置合わせ」という表現は、内部の医薬を出口から吸入するための位置に区画が配置されたと解釈されるべきである。出口は、マウスピースまたは鼻腔アダプタとすることができる。
【0009】
開放機構の遅延ラッチは、様々な方法で達成することができる。例えば、吸入器は、様々な機構に接続された多数の使用者用制御部を備えることができ、この場合、制御部は、所定の順序でのみ動作可能に配置することができる。必要な使用者用制御部を使用者にとって単純にし、その数を減らすために、遅延が、適切には、機械式または電子式とすることができるビルトイン機能として設けられる。本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態によると、吸入器は、ラッチが第1の位置に達するのを防止する防止位置と、ラッチが第1の位置に達するのを許容する解除位置とを有するキャッチを備え、このキャッチは、インデックス機構に接続され、インデックス機構と共に移動可能である。インデックス機構は、開放機構が付勢位置に移動してからその位置合わせ動作を行うため、インデックス機構に接続されているキャッチは、次の区画が所定の位置にくるまでラッチを防止するように適合することができる。
【0010】
吸入器を操作するための特別にデザインされた使用者用制御部、例えば、吸入器ハウジングにおける別個のレバーまたはボタンを設けることができるが、適切には、出口カバーの動作は、吸入器の準備のために使用することができる。これは、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に反映され、この実施形態によると、吸入器は、出口を交互に閉鎖および開放するための移動可能な出口カバー、および出口カバーに接続され、この出口カバーと共に移動可能な機械シーケンスアセンブリを備えている。出口カバーの前記閉鎖動作または前記開放動作のいずれか一方が行われると、接続された機械シーケンスアセンブリにより、開放機構がその付勢位置に到達し、次いでインデックス機構が次の区画を出口に位置合わせする。例えば、吸入後に、使用者が、次に吸入するときまで出口を閉じるように出口カバーを閉じると、この閉鎖動作が機械シーケンスアセンブリを作動させ、これにより開放機構がその付勢位置に到達し、次いでインデックス機構が区画を1段階インデックスする。使用者が後に出口カバーを開けると、吸入器が既に準備されていて、使用者の吸入力によって引き起こされる気流によって医薬が投与される。代替案は、使用者が出口カバーを開けたときに機械シーケンスアセンブリがその機能を果たすように配置することとしてもよい。出口カバーと機械シーケンスアセンブリとの間の接続は、適切には、吸入器ハウジングの1つ以上の開口を貫通して延在させることができる。
【0011】
ラッチはまた、機械シーケンスアセンブリによって作動させることもできる。したがって、出口カバーの開放動作または閉鎖動作を用いて、開放機構を該開放機構の付勢位置にラッチするその第1の位置に向かってラッチを付勢することができる。上述の防止キャッチが吸入器内に存在すると、キャッチが、その付勢に反作用する。キャッチが、接続されたインデックス機構が移動して解除されると、その付勢により、ラッチが第1の位置に移動し、これにより開放機構がラッチされる。
【0012】
上述の機械シーケンスアセンブリは、遅延を達成するために異なる時点で開放機構およびインデックス機構にそれぞれ力を伝達するように配置することができる。しかし、代替案は、インデックス機構の遅延を達成するためにインデックス機構に伝達される力に反作用する間、これらの力が実質的に同時に伝達されるのを許容する。これは、少なくとも1つの例示的な実施形態に反映されている。前記実施形態では、機械シーケンスアセンブリは、開放機構をその無負荷位置から付勢位置に移動させるように適合された第1の力伝達部材を備えている。機械シーケンスアセンブリはまた、インデックス機構に次の区画を前進させて出口に位置合わせするように適合された第2の力伝達部材も備えている。また、開放機構がその付勢位置に達するまで第2の力伝達部材の作用に一時的に反作用する反作用部材も備えている。
【0013】
第1の力伝達部材は、例えば、可動本体上の突出部、ランプ、湾曲壁、またはカムなどのプッシャを備えることができるが、様々な代替案も考えられ得る。第1の力伝達部材の動作は、適切には、回転動作とすることができるが、直線状などの他の方向も考えられ得る。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態によると、開放機構は、第1のばねを備え、前記第1の力伝達部材が、開放機構を第1のばねの力に逆らって押圧して、開放機構を付勢位置にする。
【0015】
少なくとも1つの例示的な実施形態によると、インデックス機構は、区画を前進させるための駆動部材と、駆動部材に接続された第2のばねとを備え、第2の力伝達部材は、反作用部材が区画の移動を一時的に防止している間、第2のばねを付勢するように適合されている。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態によると、機械シーケンスアセンブリは、トラックを備えている。反作用部材は、区画の移動を防止するように適合されたブレーキ、および機械シーケンスアセンブリが出口カバーの動作に応答して移動するときに前記トラック内を移動する、ブレーキに接続された従動節を備えている。従動節が解放点に達すると、接続されたブレーキが解放されるため、駆動部材を介した付勢された第2のばねによる力の結果として区画の移動が可能となる。
【0017】
上述のキャッチが吸入器に存在する場合、キャッチは、好適には駆動部材に接続されてもよく、例えば、駆動部材と一体に形成されてもよい。したがって、駆動部材が動作しない場合は、キャッチも動作しない。逆に、駆動部材が動作する場合は、キャッチも動作する。これは、少なくとも1つの例示的な実施形態に反映され、この実施形態によると、キャッチは、駆動部材に接続されており、反作用部材が区画の移動を防止するときは、キャッチがその防止位置に維持されて、駆動部材が区画を移動させることができるときは、キャッチがその解除位置に移動している。キャッチが解除位置にあるときは、ラッチは、開放機構を付勢位置にラッチするその第1の位置に達することができる。このように、開放機構は、インデックスが完了するまでラッチされないため、空の(すなわち、用量の存在しない)投与のリスクが低下する。
【0018】
少なくとも1つの例示的な実施形態によると、ラッチは、第1の位置に向かって付勢されている。付勢の程度は、適切には、使用者の吸入によって誘導可能な予想気流に対して釣り合っている。したがって、気流が一定の閾値を超えると、付勢力が負けて、ラッチがその第2の位置に移動する。気流が閾値よりも下がると、ラッチが、その付勢された第1の位置に戻ることができるが、吸入器の他の部品(例えば、開放機構および区画)がラッチがかかる前に移動できるようにするために、このような戻る動作を一時的に防止する、上述のキャッチなどの機構を設けることができる。最終的に、ラッチは、開放機構をその付勢位置にラッチする第1の位置に移動することができる。
【0019】
ラッチは、単一体構成要素としてデザインすることができるが、適切には、1つの構成要素が気流に応答し、別の構成要素が開放機構に係合するようにいくつかの構成要素を備えることができる。これは、少なくとも1つの実施形態に反映され、この実施形態によると、ラッチは、第1の要素と第2の要素とを備え、第1の要素は、開放機構に接続されている。第2の要素は、第1の要素を固定して開放機構が無負荷位置に移動するのを防止する支持位置と、第1の要素が移動可能であることにより、前記付勢された開放機構の無負荷位置への移動を可能にする非支持位置とを有し、第2の要素は、吸入気流に応答して非支持位置に移動可能である。吸入器が上述のキャッチを備える場合、その防止位置で、キャッチは、第1の要素が第2の要素に支持されるのを防ぐことができる。したがって、第1の要素は、キャッチがその解除位置に移動すると、第2の要素のみによって支持されることになる。別の考えられ得る代替案は、キャッチで第2の要素に作用することとすることができる。例えば、キャッチは、その防止位置にあるときは、第2の要素を非支持位置に維持して、第2の要素が支持位置に達するのを防止することができる。したがって、第1の要素が支持され得ないため、開放機構をラッチすることができない。次いで、キャッチがその解除位置に移動すると、第2の要素は、支持位置に戻ることができ、第1の要素が支持されるため、開放機構をラッチすることができる。
【0020】
第1の要素には、考えられ得る様々の動作が存在する。例えば、第1の要素は、開放機構にスライド可能に接続することができる。別の代替案の第1の要素は、少なくとも1つの例示的な実施形態に反映されるように回転可能に接続され、この実施形態では、第1の要素は、軸を中心に旋回可能な第1の端部と、第2の要素によって支持されるように適合された第2の端部とを有する細長い支柱を備えている。ピボット軸は、開放機構の一部を形成する軸または開放機構に接続された軸とすることができる。
【0021】
同様に、第2の要素には、考えられ得る種々の動作が存在する。第2の要素は、吸入器ハウジング内にスライド可能に配置することができ、吸入器ハウジングから延びたばねが、第2の要素を付勢してその支持位置にスライドさせることができる。少なくとも1つの例示的な実施形態に反映される別の代替案では、(例えば、ロッカーとしてデザインされる)第2の要素は、軸を中心に旋回可能であり、吸入気流に応答して第2の要素が旋回し、第1の要素(例えば、支柱)がその支持状態から外れることができる。
【0022】
本発明の概念は、様々な吸入器の構造に適用可能である。例えば、本発明の概念は、ブリスタパック内の密閉ブリスタの形態の区画を備えた吸入器、または密閉ストリップもしくは任意の他の適切な構造に結合されたキャビティを含むストリップを備えた吸入器に適用可能であろう。少なくとも1つの例示的な実施形態によると、吸入器は、
医薬を含む前記複数の密閉区画を有するベースであって、前記区画がベース内のキャビティの形態である、ベースと、
2つの面を有する複数のホイル部であって、一方の面が、それぞれのキャビティ内に医薬を密閉するためにベースに取り付けられている、複数のホイル部と、
複数の分離要素であって、各分離要素が、ホイル部をキャビティから分離するためにそれぞれのホイル部の他方の面に取り付けられている、複数の分離要素と、を備え、
開放機構が、分離要素に係合して分離要素をキャビティから分離することが可能なアクチュエータを備えている。
【0023】
一部の実施形態では、ベースは、例えば、比較的低用量の吸入器の場合は、全体的に直線状の形状を有することができるが、適切には、全体的に円形の回転可能なディスク構造を有することができる。したがって、ベースは、周方向に一連のキャビティを備えることができる。ディスクが回転すると、次の分離要素がアクチュエータに差し出される。回転可能なディスクは、手動操作可能な別個のレバーに接続することができる。代替案は、ディスクの回転を出口カバーの動作に結び付けることである。したがって、出口カバーの開放または閉鎖の途中で、ディスクが回転して、吸入器が次の用量まで1段階インデックスされる。例えば、出口カバーの閉鎖によりアクチュエータがその付勢位置に移動する実施形態では、回転可能なディスクも、前記閉鎖の結果として移動する(インデックスする)ことができる。
【0024】
多用量吸入器では、ホイル部は、1つのホイルとして設けることができ、任意選択で、ホイル部は、関連する分離要素がベースから離れるときにホイル部がキャビティから引き離しやすくするミシン目または他の脆弱な材料によって画定することができる。単一ホイルの代替案として、ホイル部は、個別のパッチの形態で適用することができる。ホイル部は、溶接、接着、または他の適切な方法によってベースおよび分離要素に取り付けることができる。用語「ホイル」および「ホイル部」は、単一の材料層に限定されるものではないことに留意されたい。反対に、ホイルまたはホイル部は、複数の層を有することができる。例えば、ホイルは、望ましい剛性、取り付け性などを提供するために、任意の適切な組み合わせで一方の側または両側にラッカーまたはポリマー層が被覆された材料層を含むことができる。
【0025】
ホイル部を、このホイル部が密閉しているキャビティから分離するために、ホイル部を、その関連する分離要素に適切に取り付けるべきである。本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態によると、分離要素とそれぞれの関連する分離要素との間の付着力は、ベースとホイル部との間の接着よりも大きいため、このような分離要素がその関連するキャビティから離れると、関連するホイル部がベースから分離されることになる。
【0026】
適切には、ホイル部とその関連する取り付けられた分離要素との間の接触面積は、分離された後に、気流を乱す破れたホイル部が残らないような寸法である。言い換えれば、キャビティ開口の下流および上流の流路に、邪魔になるホイルの切れ端が一切存在しないようにすべきである。適切に、ベース上には、キャビティ開口の上流および下流の流路は、分離された後はホイルがまったく存在しない。これは、ホイル部よりも長い(または等しい)流路方向の延長部を備えた分離要素をデザインすることによって達成することができる。ホイル部が、キャビティを密閉するためにキャビティ開口にわたって延在するため、取り付けられた分離要素も、少なくともキャビティ開口にわたって延在すべきである。上述したように、ホイル部は、ホイル部を画定するミシン目または脆弱部を備えた1つのカバーホイルの一部を形成することができる。このようなミシン目は、キャビティ開口間に存在することができ、ホイル部がこれらのミシン目または脆弱部で破れると、どの切れ端も、流路方向から見てキャビティの横方向に位置するため、キャビティの上流または下流に、邪魔になる切れ端がまったく存在しないことになるであろう。
【0027】
ホイル部/ベースの接合面での付着力よりも大きい分離要素/ホイル部の接合面での付着力を得る様々な方法が存在する。本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態によると、分離要素とその関連するホイル部との間の接合面は、ホイル部とベースとの間の接合面よりも大きい。言い換えれば、分離要素/ホイル部の接合面は、ホイル部/ベースの接合面よりも大きい。分離要素がホイル部全体を覆う場合は、キャビティ開口の真上に位置するホイル部の片が、どこにも取り付けられず、ホイルの周囲部分のみがベースに取り付けられているため、接触面は、分離要素とホイル部との間の接触面の方が、ホイル部とベースとの間の接触面よりも自動的に大きくなる。
【0028】
異なる付着力を得る別の方法が、本発明の少なくとも1つの他の例示的な実施形態で考慮される。ホイル部は、ベースが取り付けられる第1の被覆層と、分離要素が取り付けられる第2の被覆層とを有することができ、第2の被覆層の引張り強さの方が、第1の被覆層の引っ張り強さよりも大きい。これらの層は、異なる結合特性、例えば、異なる種類の材料の溶接、異なる種類もしくは量の接着剤、または任意のこれらの組み合わせを提供することができる。
【0029】
異なる付着力を得る他の方法は、特別にデザインされた幾何学的特徴、例えばホイルを取り付けることができる溝、または他の特徴、例えば強固なグリップを得るためにホイルに刺入することを備えた分離要素を提供することとすることができる。
【0030】
ホイル部は、例えば、取り付け面積を増加させるために、分離要素の溝内に折り込むか、または他の方法で分離要素の周りに湾曲させても良いが、ホイル部は、好適には、単に平坦にする、すなわちベースに平行な単一平面に延在するだけでも良い。こうすることにより、分離要素のホイル部への単純な組み立てが可能となる。これらが組み立てられると、ホイルをベースに取り付けることができる。代替案として、初めにホイル部をベースに取り付けて、次いで分離要素をそれぞれのホイル部に取り付けてもよい。
【0031】
適切には、分離要素の剛性は、ホイル部の剛性よりも実質的に高く、分離要素が、ホイル部の剛体運動を可能にするため、ベースから引き剥がすのではなく、持ち上げるかまたは折り外すことができる。
【0032】
上に例示した実施形態は、1つの関連する分離要素を有する1つのキャビティについて説明したが、代替案として、共通の1つの関連する分離要素を有する2つのキャビティを有することとしてもよい。例えば、2つの配合禁忌の薬物成分が本質的に同時に吸入される場合は、これらの薬物成分は、適切に、2つの別個のキャビティに設けることができる。2つのキャビティは、1つの共通のホイル部(またはそれぞれに1つのホイル部)によって覆って密閉することができ、次にこのホイル部が、両方のキャビティにわたって延在する関連する共通の分離要素に取り付けられる。したがって、分離要素がキャビティから引き離されるときに、分離要素がホイル部も一緒に引き離され、両方のキャビティが露出され、両方のキャビティから薬物成分が吸入気流に引き込まれ得る。これらのキャビティは、ベースに連続して配置する、すなわち一方のキャビティが他方のキャビティの下流とするか、または平行に配置する、すなわち吸入気流がこれらのキャビティに本質的に同時に到達することができる。
【0033】
密閉ホイル部は、水分の浸入のリスクを低下させるのに有利であり得るが、少なくとも1つの例示的な実施形態によると、前記ホイル部が存在しなくても、除去可能なカバー要素(分離要素ではなく)をベースに直接取り付けて(例えば、接着または溶接して)それぞれのキャビティを覆うことができる。
【0034】
吸入器は、吸入される様々な薬物および/または生理活性剤を含むことができる。
【0035】
生理活性剤は、任意の治療薬または診断薬から選択することができる。例えば、生理活性剤は、抗アレルギー薬、気管支拡張薬、気管支収縮薬、肺表面活性剤、鎮痛薬、抗生物質、ロイコトリエン阻害剤または拮抗薬、抗コリン作動薬、肥満細胞阻害剤、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗新生物薬、麻酔薬、抗結核薬、造影剤、心血管薬、酵素、ステロイド、遺伝物質、ウイルスベクター、アンチセンス剤、タンパク質、ペプチド、およびこれらの組み合わせの群から選択することができる。
【0036】
本発明に係る吸入装置に含めることができる特定の薬物の例として、モメタゾン、臭化イプラトロピウム、チオトロピウムおよびその塩、サルメテロール(salemeterol)、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、レプロテロール、クレンブテロール、ロフレポニドおよび塩、ネドクロミル、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド、ブデソニド、フマル酸ホルモテロール二水和物(formoterol fumarate dihydrate)、Symbicort(商標)(ブデソニドおよびホルモテロール)、テルブタリン、硫酸テルブタリン、サルブタモール塩基および硫酸サルブタモール、フェノテロール、3−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−3H−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチルアミノ]−N−[2−[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]エチル]プロパン−スルホンアミド、塩酸塩が挙げられる。上記化合物のすべては、当技術分野で公知の遊離塩基型または薬学的に許容され得る塩とすることができる。
【0037】
また、薬物の組み合わせとして、例えば、ホルモテロール/ブデソニド、ホルモテロール/フルチカゾン、ホルモテロール/モメタゾン、サルメテロール/フルチカゾン、ホルモテロール/チオトロピウム塩、ザフィルルカスト/ホルモテロール、ザフィルルカスト/ブデソニド、モンテルカスト/ホルモテロール、モンテルカスト/ブデソニド、ロラタジン/モンテルカストおよびロラタジン/ザフィルルカストを利用することができる。
【0038】
さらなる組み合わせとして、チトロピウムとフルチカゾン、チトロピウムとブデソニド、チトロピウムとモメタゾン、モメタゾンとサルメテロール、ホルモテロールとロフレポニド、サルメテロールとブデソニド、サルメテロールとロフレポニド、およびチトロピウムとロフレポニドが挙げられる。
【0039】
本発明の第2の態様によると、出口と、医薬を含む一連の密閉区画と、出口に位置合わせされた密閉区画を開放するための開放機構とを備えた吸入器を準備する方法が提供される。この方法は、
開放機構が無負荷位置に向かって付勢される付勢位置に開放機構を移動させるステップと、
開放機構の前記移動の後に次の区画を出口に位置合わせするステップと、
前記次の区画の位置合わせの後に開放機構をその付勢位置にラッチするステップと、を含む、方法。
【0040】
この操作順序は、用量が放出されない投与のリスクを低減する。「次の区画」という用語は、次に出口に位置合わせされる区画を意味する。例えば、1番〜5番の一連の区画が出口に順番に位置合わせされると仮定し、現在、3番の区画が出口に位置合わせされているとすると、「次の区画」は4番の区画である。
【0041】
本発明の第3の態様によって、第2の態様の準備する方法を含む、吸入器から医薬を投与する方法が提供される。この方法は、
開放機構のラッチの解除を作動させるために吸入器を介して気流を供給するステップと、
前記気流に応答して開放機構のラッチを解除して、開放機構がその無負荷位置に移動できるようにするステップと、
開放機構のその無負荷位置への移動の際に、出口に位置合わせされた密閉区画を開放するステップと、
気流に引き込まれた医薬を投与するステップと、をさらに含む。
【0042】
本発明の第2および第3の態様の方法は、本発明の第1の態様の吸入器に関連して記載された任意の実施形態または任意の特徴が第2および第3の態様の方法に適合する限り、これらの実施形態および特徴のすべてを含み、これらの実施形態および特徴を用いて実施することができることを理解されたい。
【0043】
薬物は、(場合によっては、例えば、ラクトースの担体粒子などの他の成分と共に)様々な活性成分を含むことができる。活性成分は、任意の治療薬または診断薬から選択することができる。例えば、活性成分は、抗アレルギー薬、気管支拡張薬(例えば、β2−アドレナリン受容体作動薬またはムスカリン拮抗薬)、気管支収縮薬、肺表面活性剤、鎮痛薬、抗生物質、肥満細胞阻害剤、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗新生物薬、麻酔薬、抗結核薬、造影剤、心血管薬、酵素、ステロイド、遺伝物質、ウイルスベクター、アンチセンス剤、タンパク質、ペプチド、非ステロイド性糖質コルチコイド受容体(GR受容体)作動薬、抗酸化剤、ケモカイン拮抗薬(例えば、CCR1拮抗薬)、コルチコステロイド、CRTh2拮抗薬、DP1拮抗薬、ヒストンデアセチラーゼ誘導物質、IKK2阻害剤、COX阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、MPO阻害剤、p38阻害剤、PDE阻害剤、PPARγ作動薬、プロテアーゼ阻害剤、スタチン、トロンボキサン拮抗薬、血管拡張薬、ENAC遮断薬(上皮ナトリウムチャンネル遮断薬)、およびこれらの組み合わせとすることができる。
【0044】
吸入器に含めることができる特定の活性成分の例として、
(i)酸化防止剤:アロプリノール、エルドステイン、マンニトール、N−アセチルシステインコリンエステル、N−アセチルシステインエチルエステル、N−アセチルシステイン、N−アセチルシステインアミド、およびナイアシン、
(ii)ケモカイン拮抗薬:BX471((2R)−1−[[2−[(アミノカルボニル)アミノ]−4−クロロフェノキシ]アセチル]−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2−メチルピペラジンモノヒドロクロライド)、CCX634、N−{2−[((2S)−3−{[1−(4−クロロベンジル)ピペリジン−4−イル]アミノ}−2ヒドロキシ−2−メチルプロピル)オキシ]−4−ヒドロキシフェニル}アセトアミド(国際出願第2003/051839号を参照)、および2−{2−クロロ−5−{[(2S)−3−(5−クロロ−1’H,3H−スピロ[1−ベンゾフラン−2,4’−ピペリジン]−1’−イル)−2−ヒドロキシプロピル]オキシ}−4−[(メチルアミノ)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸(国際出願第2008/010765号を参照)、656933(N−(2−ブロモフェニル)−N’−(4−シアノ−1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−7−イル)尿素)、766994(4−({[({[(2R)−4−(3,4−ジクロロベンジル)モルホリン−2−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−アミノ}メチル)ベンズアミド)、CCX−282、CCX−915、シアノビリンN、E−921、INCB−003284、INCB−9471、マラビロック、MLN−3701、MLN−3897、T−487(N−{1−[3−(4−エトキシフェニル)−4−オキソ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル]エチル}−N−(ピリジン−3−イルメチル)−2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アセトアミド)、およびビクリビロック、
(iii)コルチコステロイド:ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アメロメタゾン、ジプロピオン酸ベルクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸ブチキソコルト(Butixocort propionate)、シクレソニド、プロピオン酸クロベタゾール、脱イソブチリルシクレソニド(Desisobutyrylciclesonide)、ジクロ酢酸エチプレドノール(Etiprednol dicloacetate)、フルオシノロンアセトニド、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、エタボン酸ロテプレドノール(局所)、およびフロ酸モメタゾン、
(iv)DP1拮抗薬:L888839およびMK0525、
(v)ヒストンデアセチラーゼ誘導物質:ADC4022、アミノフィリン、メチルキサンチン、またはテオフィリン、
(vi)IKK2阻害剤:2−{[2−(2−メチルアミノ−ピリミジン−4−イル)−1H−インドール−5−カルボニル}−アミノ}−3−(フェニル−ピリジン−2−イル−アミノ)−プロピオン酸、
(vii)COX阻害剤:セレコキシブ、ジクロフェナクナトリウム、エトドラク、イブプロフェン、インドメタシン、メロキシカム、ニメスリド、OC1768、OC2125、OC2184、OC499、OCD9101、パレコキシブナトリウム、ピセアタンノール、ピロキシカム、ロフェコキシブ、およびバルデコキシブ、
(viii)リポキシゲナーゼ阻害剤:アジュレム酸(Ajulemic acid)、ダルブフェロン、メシル酸ダルブフェロン、デキシブプロフェンリシン(一水和物)、エタロシブナトリウム(Etalocib sodium)、リコフェロン、リナゾラスト、ロナパレン、マソプロコール、MN−001、テポキサリン、UCB−35440、ベリフラポン(Veliflapon)、ZD−2138、ZD−4007、およびジロートン((±)−1−(1−ベンゾ[b]チエン−2−イルエチル)−1−ヒドロキシ尿素);
(ix):ロイコトリエン受容体拮抗薬:アブルカスト、イラルカスト(CGP45715A)、モンテルカスト、モンテルカストナトリウム、オンタゾラスト、プランルカスト、プランルカスト水和物(モノナトリウム塩)、ベルルカスト(MK−679)、およびザフィルルカスト、
(x):MPO阻害剤:ヒドロキサム酸誘導体(N−(4−クロロ−2−メチル−フェニル)−4−フェニル−4−[[(4−プロパン−2−2イルフェニル)スルホニルアミノ]メチル]ピペリジン−1−カルボキサミド)、ピセアタンノール、およびレスベラトロール、
(xi)β2−アドレナリン受容体作動薬:メタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、(例えば、硫酸塩としての)サルブタモール、ホルモテロール(例えば、フマル酸塩として)、(例えば、キシナホ酸塩としての)サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、ビトルテロール(例えば、メシル酸塩として)、ピルブテロール、(例えば、塩酸塩としての)バンブテロール、カルモテロール、インダカテロール(CAS番号312753−06−3;QAB−149)、ホルムアニリド誘導体、例えば、3−(4−{[6−({(2R)−2−[3−(ホルミルアミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−ヒドロキシエチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド;3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシ−メチル)フェニル]エチル}アミノ)−ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド;GSK159797、GSK159802、GSK597901、GSK642444、GSK678007;およびN−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(3−クロロフェニル)エトキシ]プロパンアミド、7−[(1R)−2−({2−[(3−{[2−(2−クロロフェニル)エチル]アミノ}プロピル)チオ]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−オン、およびN−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミド、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、対イオンは、塩酸塩(例えば、一塩酸塩または二塩酸塩)、臭化水素酸塩(例えば、一臭化水素酸塩または二臭化水素酸塩)、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、2,5−ジクロロヒドロベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩またはナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホン酸塩またはエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホン酸塩)、D−マンデル酸塩、L−マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、または安息香酸塩)からなる群から選択される化合物、
(xii)ムスカリン拮抗薬:臭化アクリジニウム(Aclidinium bromide)、グリコピロレート(例えば、R,R−、R,S−、S,R−、またはS,S−臭化グリコピロニウム)、臭化オキシトロピウム、ピレンゼピン、テレンゼピン、臭化チトロピウム、臭化3(R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、臭化(3R)−3−[(2S)−2−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−チエン−2−イルアセトキシ]−1−(2−フェノキシエチル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]アクタン、第4級塩(例えば、[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−(3−フェノキシ−プロピル)−アンモニウム塩、[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾル−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩、および(R)−1−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−3−((S)−2−フェニル−2−ピペリジン−1−イル−プロピオニルオキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩(対イオンは、例えば、塩酸塩、臭化物、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ナフタレンジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩またはヘミ−ナパジシル酸塩)、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、またはコハク酸塩)、
(xiii)p38阻害剤:681323、856553、AMG548(2−[[(2S)−2−アミノ−3−フェニルプロピル]アミノ]−3−メチル−5−(2−ナフタレニル)−6−(4−ピリジニル)−4(3H)−ピリミジノン)、Array−797、AZD6703、ドラマピモド(Dramapimod)、KC−706、PH797804、R1503、SC−80036、SCIO469、6−クロロ−5−[[(2S,5R)−4−[(4−フルオロフェニル)メチル]−2,5−ドメチル−1−ピペラジニル]カルボニル]−N,N,1−トリメチル−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド、VX702、およびVX745(5−(2,6−ジクロロフェニル)−2−(フェニルチオ)−6H−ピリミド[1,6−b]ピリダジン−6−オン)、
(xiv)PDE阻害剤:256066、アロフィリン(3−(4−クロロフェニル)−3,7−ジヒドロ−1−プロピル−1H−プリン−2,6−ジオン)、AWD12−281(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−[(4−フルオロフェニル)メチル]−5−ヒドロキシ−α−オキソ−1H−インドール−3−アセトアミド)、BAY19−8004(Bayer)、CDC−801(Calgene)、Celgene化合物((βR)−β−(3,4−ジメトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−プロパンアミド)、シロミラスト(シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−シクロヘキサンカルボン酸)、2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−1−(7−メトキシスピロ[1,3−ベンソジオキソール−2,1’−シクロペンタン]−4−イル)エタノン(CAS番号185406−34−2))、(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−)−3−ピリジンカルボキサミド)、(2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−5−フルオロ−N−[シス−4−[[2−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)ベンゾイル]アミノ]シクロヘキシル]−3−ピリジンカルボキサミド)、CT2820、GPD−1116、イブジラスト、IC485、KF31334、KW−4490、リリミラスト(Lirimilast)([2−(2,4−ジクロロベンゾイル)−6−[(メチルスルホニル)オキシ]−3−ベンゾフラニル])−尿素)、(N−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1−[3−(3−ピリジニルエチニル)フェニル]−)−1,8−ナフチリジン−3−カルボキサミド)、(N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(シフルオロメトキシ)−8−[(メチルスルホニル)アミノ])−1−ジベンゾフランカルボキサミド)、ONO6126、ORG20241(4−(3,4−ジメトキシフェニル)−N−ヒドロキシ−)−2−チアゾールカルボキシミドアミド)、PD189659/PD168787(Parke−Davis)、ペントキシフィリン(3,7−ジヒドロ−3,7−ジメチル−1−(5−オキソヘキシル)−)−1H−プリン−2,6−ジオン)、化合物(5−フルオロ−N−[4−[(2−ヒドロキシ−4−メチル−ベンゾイル)アミノ]シクロヘキシル]−2−(チアン−4−イルオキシ)ピリジン−3−カルボキサミド)、ピクラミラスト(3−(シクロペンチルオキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−メトキシ−ベンズアミド)、PLX−369(WO2006026754)、ロフルミラスト(3−(シクロプロピルメトキシ)−N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンズアミド)、SCH351591(N−(3,5−ジクロロ−1−オキシド−4−ピリジニル)−8−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)−5−キノリンカルボキサミド)、SelCID(商標)CC−10004(Calgene)、T−440(Tanabe)、テトミラスト(6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)−4−チアゾリル]−2−ピリジンカルボン酸)、トフィミラスト(Tofimilast)(9−シクロペンチル−7−エチル−6,9−ジヒドロ−3−(2−チエニル)−5H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン)、TPI1100、UCB101333−3(N,2−ジシクロプロピル−6−(ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル)−5−メチル−4−ピリミジンアミン)、V−11294A(Napp)、VM554/VM565(Vernalis)、およびザルダベリン(6−[4−(ジフルオロメトキシ)−3−メトキシフェニル]−3(2H)−ピリダジノン)、
(xv)PDE5阻害剤:γ−グルタミル[s−(2−ヨードベンジル)システイニル]グリシン、タダラフィル、バルデナフィル、シルデナフィル、4−フェニル−メチルアミノ−6−クロロ−2−(1−イミダゾリル)−キナゾリン、4−フェニル−メチルアミノ−6−クロロ−2−(3−ピリジル)−キナゾリン、1,3−ジメチル−6−(2−プロポキシ−5−メタンスルホニルアミドフェニル)−1,5−ジヒドロピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、および1−シクロペンチル−3−エチル−6−(3−エトキシ−4−ピリジル)−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−オン、
(xvi)PPARγ作動薬:ピオグリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、マレイン酸ロシグリタゾン、マレイン酸ロシグリタゾン((−)−エナンチオマー、遊離塩基)、マレイン酸ロシグリタゾン/塩酸メトホルミン、およびテスアグリチザー(Tesaglitizar)、
(xvii)プロテアーゼ阻害剤:α1−アンチトリプシンプロテイナーゼ阻害剤、EPI−HNE4、UT−77、ZD−0892、DPC−333、Sch−709156、およびドキシサイクリン、
(xviii)スタチン:アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、およびシンバスタチン、
(xix)トロンボキサン拮抗薬:ラマトロバンおよびセラトロダスト、
(xx)血管拡張剤:A−306552、アンブリセンタン、アボセンタン、BMS−248360、BMS−346567、BMS−465149、BMS−509701、ボセンタン、BSF−302146(アンブリセンタン)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、ダグルトリル(Daglutril)、ダルセンタン、ファンドセンタンカリウム(Fandosentan potassium)、ファスジル、イロプロスト、KC−12615(ダグルトリル)、KC−12792 2AB(ダグルトリル)、リポソームトレプロスチニル、PS−433540、シタクスセンタンナトリウム、フェルラ酸ナトリウム、TBC−11241(シタクスセンタン)、TBC−3214(N−(2−アセチル−4,6−ジメチルフェニル)−3−[[(4−クロロ−3−メチル−5−イソオキサゾリル)アミノ]スルホニル]−2−チオフェンカルボキサミド)、TBC−3711、トラピジル、トレプロスチニルジエタノールアミン、およびトレプロスチニルナトリウム、
(xxi)ENAC:アミロリド、ベンザミル、トリアムテレン、552−02、PSA14984、PSA25569、PSA23682、およびAER002、が挙げられる。
【0045】
吸入器は、2つ以上の活性成分の組み合わせ、例えば、上の(i)〜(xxi)に列記された2つ以上の特定の活性成分の組み合わせを含むことができる。
【0046】
一実施形態では、吸入器は、
モメタゾン、臭化イプラトロピウム、チオトロピウムおよびその塩、サルメテロール(salemeterol)、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、レプロテロール、クレンブテロール、ロフレポニドおよび塩、ネドクロミル、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド、ブデソニド、フマル酸ホルモテロール二水和物(formoterol fumarate dihydrate)、テルブタリン、硫酸テルブタリン、サルブタモール塩基および硫酸サルブタモール、フェノテロール、3−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−3H−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチルアミノ]−N−[2−[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]エチル]プロパン−スルホンアミド、塩酸塩、インダカテロール、臭化アクリジニウム(aclidinium bromide)、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンソチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、二臭化水素酸塩)、
N−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ジ−D−マンデル酸)、
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩(例えば、ヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)、
(R)−1−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−3−((S)−2−フェニル−2−ピペリジン−1−イル−プロピオニルオキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩(例えば、臭化物またはトルエンスルホン酸塩)、或いは、
これらのいずれか2つ以上の組み合わせから選択される活性成分を含む。
【0047】
吸入器に含めることができる活性成分の特定の組み合わせとして、
(a)(例えば、フマル酸塩としての)ホルモテロールおよびブデソニド、
(b)(例えば、フマル酸塩としての)ホルモテロールおよびフルチカゾン、
(c)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1、3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、二臭化水素酸塩)および[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩(例えば、ヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)、
(d)N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1、3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミドまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、二臭化水素酸塩)および(R)−1−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−3−((S)−2−フェニル−2−ピペリジン−1−イル−プロピオニルオキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩(例えば、臭化物またはトルエンスルホン酸塩)、
(e)N−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ジ−D−マンデル酸)および[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩(例えば、ヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)、
(f)N−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミドまたはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ジ−D−マンデル酸)および(R)−1−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−3−((S)−2−フェニル−2−ピペリジン−1−イル−プロピオニルオキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩(例えば、臭化物またはトルエンスルホン酸塩)が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に係る吸入器の組立分解図である。
【図2】図2は、吸入器の選択された細部の断面図である。
【図3】図3は、吸入器から医薬を投与するときの、吸入器の選択された細部の断面図を図示する。
【図4】図4は、吸入器の様々な細部を図示する。
【図5】図5は、吸入器の様々な細部を図示する。
【図6】図6は、吸入器の様々な細部を図示する。
【図7】図7は、吸入器の様々な細部を図示する。
【図8】図8は、吸入器の様々な細部を図示する。
【図9】図9は、インデックスの前の吸入器の選択された細部の断面図である。
【図10】図10は、インデックスの後の吸入器の選択された細部の断面図である。
【図11】図11は、吸入器の様々な細部を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態による吸入器2の組立分解図である。吸入器2は、全体的なディスク構造を有する用量投薬アセンブリ4、上側ハウジング部6、下側ハウジング部8、本実施形態ではマウスピース10の形態で示されている出口、および出口カバー12を備えている。
【0050】
用量投薬アセンブリ4は円形のベース14を備え、該ベースは、該ベースの円形延在部に沿って順次配置された複数のキャビティ16を有する。キャビティ16は、乾燥粉末形態などの医薬を配置することができ、ホイル部18によって密閉され、これにより密閉区画が形成されている。ホイル部18は、一般的なホイルの一部であるか、または分離したパッチとして設けられる。図示されている例では、ホイル部18を画定し、ベース14からの分離を容易にするためにミシン目が形成されている。各キャビティ16の上に、個々の関連する分離要素20が、ホイル部18の上側に取り付けられている。分離要素20は、任意の適切な種類の結合、溶接、接着などによって個々のホイル部18に取り付けられている。分離要素20の上方への移動または持ち上げにより、取り付けられたホイル部18がキャビティ16から分離されることになる。
【0051】
円形ガイド構造22が、分離要素20の上に設けられている。ガイド構造22は、垂直に延在する壁によって分割された複数のガイドセクション24を備え、各ガイドセクション24は、それぞれの分離要素20に関連している。分離要素20がキャビティ保持ベース14から持ち上げられるときに、関連するガイドセクション24が、分離要素20の上方への移動を案内する。各ガイドセクション24は、板ばね26などの反作用要素を備えている。分離要素20が持ち上げられて板ばね26またはガイド構造22のいくつかの他の部分に衝突すると、音が発生される。分離要素20が持ち上げられて、開いたキャビティ16内の医薬が吸入気流に引き込まれ、分離要素20がベース14に戻った後に、板ばね26が、持ち上げられた分離要素20をベース14に接触した状態に維持してキャビティ16を覆う。これにより、残ったいかなる粉末も、覆われた使用済みキャビティ16から出るのが困難になるため、このような残った粉末が以降の吸入で引き込まれた場合に起こり得る用量のばらつきのリスクが低下する。また、残った粉末がキャビティ16から出て吸入器の機械の構成要素を故障させるリスク、または分離要素が使用者にとって不快であろうガタガタ音を発生させるリスクが低下する。円形ガイド構造22をガイドセクション24に分割する垂直壁は、要素を画定する側方流路として機能する。したがって、吸入気流は、ベース14のキャビティ領域に達すると横にそれるのが防止され、マウスピース10に案内される。代替案では、より低い垂直壁を有することができ、この場合は、隣接する分離要素20が、要素を画定する側方流路の機能を有することができる。
【0052】
各分離要素20は、ベースの各キャビティ16に一致するベースカバー部28を備えている。加えて、各分離要素20は、中心に向かって延びた突出部30を有する。分離要素20を持ち上げるためのアクチュエータ32を備えた開放機構が設けられている。該アクチュエータは、本明細書では、分離要素20の中心に向かって延びた突出部30を保持するためのジョー34を備えた旋回可能なレバーの形態で表現されている。アクチュエータ32は、ジョー34が下がった位置にある付勢位置(図2および図6)と、ピボット軸36を中心に旋回した後の、ジョー34が上がった位置にある無負荷位置(図3および図7)を有する。ジョー34を備えたアクチュエータ32は、水平軸36を中心にのみ旋回可能であるため、吸入器2の操作中にマウスピース10の向きが維持される。
【0053】
図1に戻ると、全体的にディスク型のインサート38が、上側ハウジング部6の下側に設けられている。インサート38の上側は、2つのペグ40を備えている。ペグ40は、上側ハウジング部6の各弓状開口42を通って上方に延びており、出口カバー12に接続されている。出口カバー12が回転するときに、ペグ40は、弓状開口42を介して運動をインサート38に伝達し、インサート38も共に回転する。インサート38の下側は、本明細書ではカム44(図4を参照)の形態で例示されている第1の力伝達部材を備え、このカム44は、アクチュエータ32を無負荷位置から付勢位置に戻すために、回転動作を、アクチュエータ32のジョー34を作動させる直線状の力に変換する。カム44がアクチュエータ32のジョー34に接触すると(図5を参照)、アクチュエータ32は、分離要素20に向かって径方向に移動し、ピボット軸36を中心に回転する。また、ジョー34は、アクチュエータ32の準備位置または付勢位置まで下がる(図2を参照)。ジョー34の下降は、ジョー34を無負荷位置に持ち上げるように付勢するコイルばね46の力に逆らう。コイルばね46は、下側ハウジング部8から上方に突出するポスト48の周りに巻かれている。
【0054】
図4、図6、および図7に図示されているように、インサート38の下側は、コイルばね46の下側に位置し、かつ同じポスト48の周りのねじりばね52の端部に係合するように構成および適合された、突出した第2の力伝達部材50も備えている。ねじりばね52は、毎回、未開封のキャビティがマウスピース10に位置合わせされるように1回に1つの増分でキャビティ16を回転前進させるために駆動部材54に接続されている。該駆動部材は、図8、図9、図10、および図11に最も良く示されている。
【0055】
ラッチ56が、前記アクチュエータを付勢位置に維持するために設けられており、図2に明確に示されている。ラッチ56は、細長い支柱58で構成された第1の要素と、フラップ60で構成された第2の要素とを備えている。細長い支柱58は、マウスピース10の遠位側に位置するアクチュエータ32の端部近傍(マウスピース10に近位側にはジョー34が位置する)の第1の水平軸64を中心に旋回可能な第1の端部62を有する。細長い支柱58は、フラップ60によって支持されるように適合された第2の端部66を有する。フラップ60は、第2の水平軸68を中心に旋回可能である。該フラップは、下側ハウジング部8に設けられた多数の空気吸入口70(図1〜図3)を覆っている。空気は、使用者がマウスピース10(出口)から吸入するときに前記空気吸入口70を介して吸入器2に進入することができる。
【0056】
図2は、吸入器の選択された細部の断面図であり、吸入器は、準備状態である、すなわちアクチュエータ32が付勢位置にラッチされている。したがって、アクチュエータ32のジョー34が、コイルばね46の力に逆らって下げられていて、ここでは、マウスピースに位置合わせされた分離要素20の中心に延びた突出部30を包囲している。細長い支柱58の第2の端部66は、フラップ60の嵌め合い部によって支持されている。支柱58およびフラップ60を含むラッチ56は、ここでは、アクチュエータ32を付勢位置にラッチする第1の位置にある。ラッチ56は、第1の位置に向かって付勢されている。より具体的には、この例示的な実施形態では、細長い支柱58の第2の端部66とフラップ60との間の接合面または接触点が、空気吸入口70を覆うフラップ60の部分と同様に第2の水平軸68の同じ側に位置している(図2では、細長い支柱58とフラップとの間の接触点は、第2の水平軸68の左側に位置する)。したがって、細長い支柱58によって画定されるフラップ60の質量および力の中心が、第2の水平軸68によって画定されるピボット点の左側(図2)に位置するため、フラップ60が、図示されている低い位置に維持される。フラップ60が静止したままであれば、支柱58の移動も防止されるため、アクチュエータ32が付勢位置にラッチされて維持される。フラップ60に加えられる力は、適切には、使用者の吸入が上回り得る気流閾値に一致するように調整されている。位置維持要素72が、支柱58の第1の端部62に設けられている。上記から、位置維持要素72は、ディスク型インサート38(図1)に接触する。この接触は、使用者が出口カバー12を閉じる際に異なる向き(例えば、上下逆)に吸入器を回した場合に、支柱58が、第1の水平軸64を中心に誤って旋回しないようにしている。したがって、フラップ60および支柱58は、使用者が出口カバー12を閉じる際に吸入器を上下逆さに保持したとしても、アクチュエータ32をラッチすることができる。
【0057】
少なくとも1つの他の実施形態では、図示されている位置維持要素72は、むしろ付勢ばね要素72として機能することができる。このような実施形態では、付勢ばね要素72は、ディスク型インサート38(図1)に接触しているだけではなく、ディスク型インサート38によって実際に下方に押圧され得る。付勢ばね要素72に加えられるこの力は、第1の軸64を中心とするてこ作用を有することができ、支柱58の第2の端部66をジョー34およびマウスピースに向かう方向(図2では時計回りの回転)に作動する。フラップ60の嵌め合い部に接触している第2の端部66のこの付勢が、フラップ60を図示されている実質的に水平な低い位置に付勢された状態に維持することができる。付勢ばね要素72からフラップ60に伝達される付勢力は、適切には、使用者の吸入が上回り得る気流閾値に一致するように調整することができる。
【0058】
(図面には図示されていない)別の実施形態では、前記要素72は、インサート38に配置されるばねで置き換えることができる。このばねは、例えば、前記要素72と本質的に同じ方法で支柱58の上部の小さい突出部を付勢するためにこの突出部に支持される鋼ばねとすることができる。
【0059】
上述のように、1回分を投与するためには、使用者の吸入が、十分な気流を発生させて、付勢力に対してフラップ60を持ち上げる。これは、図3に図示されている。フラップ60が気流によって持ち上げられて第2の軸68を中心に旋回すると(図3では時計回り)、この軸の反対側にあるフラップ60の嵌め合い部が下げられるため、支柱58の第2の端部66がその支持を失う。これにより、支柱58が第1の軸64を中心に旋回し(図3では反時計回り)、フラップ60の嵌め合い部から「回転して」外れる。このとき、ラッチ56は、その第2の位置にあり、アクチュエータ32が前記無負荷位置に移動することができる。したがって、コイルばね46に蓄積されたエネルギーが、ここで、解放されたアクチュエータ32を移動させる。アクチュエータ32は、その軸36を中心に旋回し、ジョー34が持ち上げられるため、係合した分離要素20がベース14から持ち上げられる。ホイル部18は、分離要素20に取り付けられたままであるため、医薬を含むキャビティ16が開く。図1は、アクチュエータ32のジョー34によって持ち上げられる分離要素20を一点鎖線で図示している。
【0060】
例示的な吸入器2のデザインにより、キャビティ16内で粉末が分散し、粉末がキャビティ16から排出される際に、せん断駆動キャビティの原理と称される現象を利用できることに留意されたい。せん断駆動キャビティは、上側の境界が望ましい流れの方向に移動するため、キャビティ内で回転が起こる、キャビティ内での流れのモデルである。図2は、粉末の上に適切な上部空間を有する医薬粉末を含むキャビティ16を図示している。図3では、吸入気流が、平坦な表面領域に沿って前記上部空間の近傍を通り、前記平坦な表面領域が、粉末を含むキャビティ16に開口している。吸入気流の水平通過により、キャビティ16内に渦気流を形成し、これにより粉末が分散されてキャビティ16から排出される。キャビティ16は、全体的にれんが型であり、キャビティ開口はリムを有し、該リムにおいて、キャビティの側面が流路の平坦な表面領域内へ乗り越える。したがって、気流が、流路にあるキャビティを通過する際に、流路にあるキャビティ開口のリムに一致する平面と平行に流れるのが好ましい。
【0061】
フラップ60は、1回分が投与された後に低い位置に戻ることができるが、アクチュエータ32のジョー34は、使用者が次の服用のために吸入器を準備するまで無負荷位置(図7を参照)に維持される。
【0062】
吸入器2の準備は、出口カバー12の開放または閉鎖のいずれかに結びつけることができるが、この例示的な実施形態では、出口カバー12の閉鎖が吸入器2を準備するものとする。上述のように、使用者が1回分を吸入すると(図3および図7)、使用者は、出口カバー12を閉じてマウスピース10(図1)を覆う。出口カバー12は、直線状または段階的通路などの様々な通路を形成するようにデザインすることができるが、この例示的な実施形態では、出口カバー12は、回転してマウスピース10を覆う。出口カバー12をこのように閉じる際に、力伝達突出部材50とカム44とを備える接続されたインサート38が、アクチュエータ32のジョー34をコイルばね46(図5)の力に逆らって押し下げ、ベース14を回転させ、これにより未開封の次のキャビティ16がジョー34に差し出される。インサート38はまた、支柱58の位置維持要素72も押圧するため、ラッチ56が第1の位置に戻り、このためアクチュエータ32がジョー34を持ち上げることができない。次いで、別の1回分を服用するために使用者が出口カバー12を開けると、ラッチされて付勢されたアクチュエータ32を作動させずに、インサート38が反対方向に回転する。吸入器2は、使用者がマウスピース10を介して呼吸すると、ここで準備(始動)されて投与準備完了となり、呼吸をトリガとしてホイル部18をキャビティ16から持ち上げることが可能となる。
【0063】
未開封のキャビティ16に位置合わせされないでアクチュエータ32が付勢位置にラッチされるリスクを低減するために、ラッチ56は、次のキャビティがマウスピース10に位置合わせされるまで第1のラッチ位置に戻ることができない。また、オーバーインデックスのリスク、すなわち未開封のキャビティ16が開封されずにマウスピース10を通過するリスクを低減するために、キャビティをマウスピース10に順次位置合わせするためのインデックス機構が設けられており、該インデックス機構は、アクチュエータ32が無負荷位置から付勢位置に移動した後、次のキャビティ16をマウスピース10に位置合わせするように適合されている。
【0064】
上述のように、図示されている例示的な実施形態では、1回分が投薬された後、使用者が出口カバー12を閉じる。上記されているように、出口カバー12の回転により、全体的にディスク型のインサート38が回転する。このインサート38の回転により、前記のように設けられたカム44が、アクチュエータ32(図5を参照)をその付勢位置に移動させる。したがって、アクチュエータ32のジョー34は、図3および図7に図示されている高い無負荷位置から、図2および図6に図示されている低い付勢位置に移動する。
【0065】
インサート38の回転により、カム44がアクチュエータ32を作動させるのと実質的に同時に、突出した第2の力伝達部材50が、インデックス機構を作動させて次のキャビティ16を前進させ、マウスピース10に位置合わせする。より具体的には、図6に図示されているように、突出部材50が、駆動部材54(図8を参照)に接続されたねじりばね52を付勢する。付勢されたねじりばね52は、接続された駆動部材54をポスト48(図1を参照)によって画定された中心軸を中心に回転させてベース14に係合させ、これによりベース14が回転して次のキャビティ16がマウスピースに位置合わせされる。
【0066】
しかし、ねじりばね52を介して突出部材50によって加えられる駆動部材54に対する力が、少なくともアクチュエータ32がその付勢位置に達するまで一時的に反作用する。アクチュエータ32のジョー34が、インデックスまでに下がらないと、分離要素20が次に、インデックスの際にジョー34に衝突するリスクがあるであろう。
【0067】
前記反作用部材は、区画が移動するのを防止するように適合されたブレーキ74を備えている。ブレーキ74は、下側ハウジング部8から突出した外側ポスト75(図1を参照)に取り付けられている。該ブレーキは、ベース14の外周面に対して押圧されるブレーキパッド76(図9を参照)を備え、これによりベース14の回転を防止する。反作用部材はまた、全体的にディスク型のインサート38の下側に設けられたトラック80内を移動する、ブレーキ74に接続された従動節78(図1および図11を参照)も備えている。トラック80は、図4、図5、および図11に最も良く示されており、図11は、従動節78がトラック80内をどのように移動するかを明示している。したがって、従動節78がトラック80内を移動するときは、従動節78は、不規則な通路に従い、解放点に達すると、接続されたブレーキ74がベース14を解放する(図10を参照)。ここで、ベース14は、既に説明したようにねじりばね52によって作動される駆動部材54によって回転可能となる。したがって、上に例示した機械式連続アセンブリは、開放機構(本明細書では、ジョーが付いたアクチュエータ32として例示)の付勢と区画(本明細書では、ベース14の密閉キャビティ16として例示)のインデックスを交互に行う。
【0068】
図9に図示されているように、ブレーキ74が解放されるまで、駆動部材54の端部が、ベース14の複数の歯82の1つに係合している。アーム型キャッチ84が、駆動部材54に接続されているが、アーム型キャッチ84は、駆動部材54と一体形成しても良い。キャッチ84は、ラッチ56の第1の要素(支柱58)がラッチ56の第2の要素(フラップ60)によって支持されるのを防止する防止位置にある。したがって吸入器のこの状態では、アクチュエータは、付勢位置にラッチされ得ない。したがって、同じキャビティ16からの再投与のリスクが低下する。
【0069】
ブレーキ74が解放されると、駆動部材54が、係合した歯82によってベース14を1キャビティ段階回転させる。図9および図10はまた、前記駆動部材のピボット点(点線で示されている)で旋回可能に取り付けられた爪86も図示している。図9では、爪86は、引き込まれているが、図10では、爪86は、前進して歯82に係合し、本明細書では駆動部材54によって押された同じ歯82の反対側に係合するとして例示されている。爪86は、駆動部材54がベース14を過度に回転するのを防止し、吸入器が、一度に1キャビティ段階のみで確実にインデックスされるようにしている。
【0070】
駆動部材54およびキャッチ84は、下側ハウジング部8から上方に突出した中心ポスト48(図1)を中心に旋回する共通バレル88(図11に最も良く示されている)に接続されている。駆動部材54がベース14を回転させると、図10に図示されているようにキャッチ84が防止位置から移動するため、支柱58がフラップ60によって支持されるようになり、付勢されたアクチュエータがラッチされるのを可能とする。このとき、吸入器は準備された状態となっている。
【0071】
上述したように、特に図2および図3に関連して、使用者が出口カバー12を開けて、マウスピース10を介して吸入すると、フラップ60が持ち上げられて支柱58がフラップ60から外れ、これによりアクチュエータ32のラッチが解除される。コイルばね46によって付勢されているアクチュエータ32が持ち上げられて、アクチュエータ32のジョー34が、ここではマウスピース10に位置合わせされているキャビティ16から分離要素20およびホイル部18を引き離す。図11から分かるように、可動引張りアーム90が、駆動部材54とアクチュエータ32を接続している。アクチュエータ32およびジョー34が持ち上げられると、引張りアーム90がその動きに従うため、引張りアーム90の他端で、駆動部材54が、図10に示されている準備状態から図9に示されている投与状態に引っ張られる。結果として、キャッチ84が、図9に示されている防止位置に戻る。次に、使用者が出口カバー12を閉じると、吸入器が再び準備状態になる。
【0072】
使用者が、何らかの理由で出口カバー12を十分に閉じないと、トラック80内を移動する従動節78が解放点に達しないため、ブレーキ74が解除されない。すなわち、インデックスされないことになる。さらに、アクチュエータ32は、その付勢位置にあるが、既に述べたように、ラッチはインデックスに関連してのみ行うことができるため、アクチュエータ32はラッチされない。したがって、使用者が、次に、完全に閉じられなかった出口カバー12を開いても、アクチュエータ32は、単にその無負荷位置に戻るだけである。
【0073】
本明細書で説明したインデックス機構は、一方向に限定されたベース14の回転を可能にする。したがって、インデックス解除は起こりえない。これは、他の種類の開放機構または分離要素に関しても有利であろう。
【0074】
本願では、「上側」、「下側」、「上に」、「下に」などの用語は、吸入器が周囲環境内でどのように向けられているかにかかわらず、吸入器の要素間の内部の関係を記載するために説明目的で使用されていることに留意されたい。例えば、図面の例示的な実施形態では、使用者により吸入器2全体がどのように保持または回転されるかにかかわらず、キャビティ16は、ホイル部18の「下に」配置されていると見なされ、分離要素20は、ホイル部18の「上に」配置されていると見なされる。同様に、「水平に」は、ホイル部18の平面またはホイル部18の平面に平行な任意の平面に位置する方向を意味し、「垂直に」は、このような平面に直交する任意の方向を意味する。したがって、垂直線は、キャビティ16、ホイル部18、および分離要素20と交差し得る。
【0075】
ベース14、分離要素20、アクチュエータ32、およびラッチ56などの吸入器2のほとんどの構成要素は、適切には、ポリマーなどのプラスチック材料から形成されるが、金属またはセラミックなどの他の材料も考えられ得る代替材料である。
【0076】
吸入器2は、適切には、例えば、国際出願第2006/000758号に記載されている吸湿シンクまたは乾燥剤を含む任意の他の適当な代替物などの湿気防止を与える構造を含むことができる。
【0077】
(図面には示していない)さらなる実施形態では、カバー12に代えて、ハウジングの大部分にわたって延在するカバーを用いてもよい。カバーは、マウスピースが露出された開放構造と、マウスピースおよびハウジングの大部分がカバー内に閉じ込められた閉鎖構造との間でハウジングに対して回動可能とすることができる。カバーは、前の実施形態ではインサート38に関連し、カバーの内面に形成されたカム面44、50、80を有することができる。ハウジング内の機構(例えば、インデックスばね52)の対応する部品に係合するために、一部またはすべてのカム表面、例えば、カム表面50が突出可能な開口をハウジングに設けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口と、
医薬を含む複数の密閉区画と、
無負荷位置に向かって付勢される付勢位置を有し、該付勢位置から前記無負荷位置への移動の際に、前記出口に位置合わせされた密閉区画を開放する、開放機構と、
前記区画を前記出口に順次位置合わせするためのインデックス機構であって、前記開放機構が前記無負荷位置から前記付勢位置に移動した後に次の区画を前記出口に位置合わせするように適合されている、インデックス機構と、
前記開放機構を前記付勢位置にラッチする第1の位置と、前記開放機構が前記無負荷位置になるのを許容する第2の位置とを有するラッチであって、流路を通る吸入気流が前記ラッチを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるように少なくとも部分的に前記流路に配置され、前記インデックス機構が次の区画を前記出口に位置合わせするまでは前記第1の位置へ戻ることができない、ラッチと、
を備える、吸入器。
【請求項2】
前記ラッチが前記第1の位置に達するのを防止する防止位置と、前記ラッチが前記第1の位置に到達するのを許容する解除位置とを有するキャッチを備え、前記キャッチが、前記インデックス機構に接続され、前記インデックス機構と共に移動可能である、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記出口を交互に閉鎖および開放するための移動可能な出口カバーと、
前記出口カバーに接続され、前記出口カバーと共に移動可能な機械シーケンスアセンブリと、を備え、
前記出口カバーの前記閉鎖動作または前記開放動作のいずれか一方が行われると、前記接続された機械シーケンスアセンブリにより、前記開放機構が該開放機構の付勢位置に到達し、次いで前記インデックス機構が次の区画を前記出口に位置合わせする、請求項1または2に記載の吸入器。
【請求項4】
前記機械シーケンスアセンブリは、
前記開放機構を該開放機構の無負荷位置から該開放機構の付勢位置に移動させるように適合された第1の力伝達部材と、
前記インデックス機構に次の区画を前進させて前記出口に位置合わせさせるように適合された第2の力伝達部材と、
前記開放機構が該開放機構の付勢位置に達するまで前記第2の力伝達部材の作用に一時的に反作用する反作用部材と、を備える、請求項3に記載の吸入器。
【請求項5】
前記開放機構は第1のばねを備え、前記第1の力伝達部材は、前記開放機構を前記第1のばねの力に逆らって押圧して、前記開放機構を前記付勢位置にする、請求項4に記載の吸入器。
【請求項6】
前記インデックス機構は、
前記区画を前進させるための駆動部材と、
前記駆動部材に接続された第2のばねと、を備え、
前記第2の力伝達部材が、前記反作用部材が前記区画の移動を一時的に防止している間、前記第2のばねを付勢するように適合されている、請求項4または5に記載の吸入器。
【請求項7】
前記機械シーケンスアセンブリはトラックを備え、
前記反作用部材は、
前記区画の移動を防止するように適合されたブレーキと、
前記機械シーケンスアセンブリが前記出口カバーの動作に応答して移動するときに前記トラック内を移動する、前記ブレーキに接続された従動節と、を備え、
前記従動節が解放点に達すると、前記接続されたブレーキが解放されるため、前記駆動部材を介した前記付勢された第2のばねによる力の結果として前記区画の移動が可能となる、請求項6に記載の吸入器。
【請求項8】
前記キャッチが前記駆動部材に接続されており、
前記反作用部材が前記区画の移動を防止するときは、前記キャッチが該キャッチの防止位置に維持されていて、
前記駆動部材が前記区画を移動させることができるときは、前記キャッチが該キャッチの解除位置に移動している、請求項2を引用する請求項6または7に記載の吸入器。
【請求項9】
前記ラッチは第1の要素と第2の要素とを備え、
前記第1の要素は前記開放機構に接続され、
前記第2の要素は、
前記第1の要素を固定して前記開放機構が前記無負荷位置に移動するのを防止する支持位置と、
前記第1の要素が移動可能であることにより、前記付勢された開放機構の前記無負荷位置への移動を可能にする非支持位置とを有し、
前記第2の要素は、前記吸入気流に応答して前記非支持位置に移動可能であり、
前記キャッチは、該キャッチの防止位置において、前記第1の要素が前記第2の要素に支持されるのを防げる、請求項2に記載または請求項2を引用する請求項3〜8のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項10】
前記医薬を含む複数の密閉区画を有するベースであって、前記区画が前記ベースのキャビティの形態である、ベースと、
2つの面を有し、一方の面が、それぞれのキャビティ内に医薬を密閉するために前記ベースに取り付けられている、複数のホイル部と、
複数の分離要素であって、各分離要素が、前記ホイル部を前記キャビティから分離するためにそれぞれのホイル部の他方の面に取り付けられている、複数の分離要素と、を備え、
前記開放機構は、前記分離要素に係合して前記分離要素をキャビティから分離することが可能なアクチュエータを備えている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項11】
前記医薬は、
モメタゾン、臭化イプラトロピウム、チオトロピウムおよびその塩、サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、レプロテロール、クレンブテロール、ロフレポニドおよび塩、ネドクロミル、クロモグリク酸ナトリウム、フルニソリド、ブデソニド、フマル酸ホルモテロール二水和物、テルブタリン、硫酸テルブタリン、サルブタモール塩基および硫酸サルブタモール、フェノテロール、3−[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−3H−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチルアミノ]−N−[2−[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]エチル]プロパン−スルホンアミド、塩酸塩、インダカテロール、臭化アクリジニウム、N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンソチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−3−[2−(1−ナフチル)エトキシ]プロパンアミド、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、二臭化水素酸塩)、
N−シクロヘキシル−N−[2−(3−フルオロフェニル)エチル]−N−(2−{[2−(4−ヒドロキシ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−7−イル)エチル]アミノ}エチル)−β−アラニンアミド、またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ジ−D−マンデル酸)、
[2−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−エチル]−[2−((R)−シクロヘキシル−ヒドロキシ−フェニル−メチル)−オキサゾール−5−イルメチル]−ジメチル−アンモニウム塩(例えば、ヘミ−ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩)、
(R)−1−[2−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−3−((S)−2−フェニル−2−ピペリジン−1−イル−プロピオニルオキシ)−1−アゾニア−ビシクロ[2.2.2]オクタン塩(例えば、臭化物またはトルエンスルホン酸塩)、或いは、
これらのいずれか2つ以上の組み合わせから選択される活性成分を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項12】
出口、医薬を含む一連の密閉区画と、前記出口に位置合わせされた前記密閉区画を開放するための開放機構とを備えた吸入器を準備する方法であって、
前記開放機構が無負荷位置に向かって付勢される付勢位置に前記開放機構を移動させるステップと、
前記開放機構の前記移動の後に次の区画を前記出口に位置合わせするステップと、
前記次の区画の位置合わせの後に前記開放機構を該開放機構の付勢位置にラッチするステップと、を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の準備する方法を含む、吸入器から医薬を投与する方法であって、
前記開放機構のラッチの解除を作動させるために吸入器を介して気流を供給するステップと、
前記気流に応答して前記開放機構のラッチを解除して、前記開放機構が該開放機構の無負荷位置に移動できるようにするステップと、
前記開放機構の該開放機構の無負荷位置への移動の際に、前記出口に位置合わせされた前記密閉区画を開放するステップと、
前記気流に引き込まれた医薬を投与するステップと、をさらに含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−505018(P2012−505018A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530994(P2011−530994)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【国際出願番号】PCT/SE2009/051111
【国際公開番号】WO2010/042034
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】