呼吸器感作性を評価する方法
【課題】 小型動物を用いて、化学物質や天然物が直接気管や肺に到達したときの呼吸器感作性を、簡便且つ定量的に評価する感作性評価方法を提供する。
【解決手段】 本発明の呼吸器感作性評価方法は、体重70g以下の小型動物の気管内に、1回当たり100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴とする。本発明の呼吸器感作評価方法において、感作の段階及び/又は惹起の段階で、気管内に直接サンプルを投与する方法が好ましい。前記小型動物としてマウスを用いてもよい。本発明の方法は、小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法により行うのが好ましい。
【解決手段】 本発明の呼吸器感作性評価方法は、体重70g以下の小型動物の気管内に、1回当たり100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴とする。本発明の呼吸器感作評価方法において、感作の段階及び/又は惹起の段階で、気管内に直接サンプルを投与する方法が好ましい。前記小型動物としてマウスを用いてもよい。本発明の方法は、小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法により行うのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学物質や天然物が気管や肺に到達して呼吸器アレルギーを生じる可能性、すなわち呼吸器感作誘発性を、小型動物を用いて評価する呼吸器感作性評価方法に関する。この方法は、呼吸器アレルギーの原因物質の検索、既知の原因物質を用いたアレルギー誘因性の定性的又は定量的評価等の分野で利用される。
【背景技術】
【0002】
近年、天然物や化学物質に起因するアレルギー疾患が増加している。しかしながら、ある物質が体内に侵入して気管及び肺に到達した場合、呼吸器での感作アレルギーの発症(誘因)可能性について簡便且つ正確に評価する手法はこれまで報告されていない。
【0003】
天然物や化学物質、特に低分子の化学物質のアレルギー誘発性評価方法としては、従来、モルモットを用いた手法が広く用いられており、例えば、モルモットに対して吸入チャンバーやガス発生装置などを用いた吸入暴露を行い、呼吸器量の測定装置を用いて評価する方法が行われてきた。しかし、モルモットは実験動物として用いられるげっ歯類のなかでも中型の大きさであるため、飼育装置や飼料等のコストが高くなり、また、マウスなどに比べて遺伝的解析も進んでいない。しかも吸入暴露には大がかりな装置が必要となってしまう。さらに、動物愛護などの観点から、より小型の動物を用いた試験系が求められている。
【0004】
これに対し、より簡便な呼吸器感作の評価方法として、小型であって、モルモットに比べて遺伝的解析が進んでいるマウスを用いた手法が検討されている。マウスを用いて最も一般的に行われる方法としては、例えば、評価したい物質を感作(アレルギー)を起こさせる段階で、皮膚に塗布するか、又は当該物質を皮下又は腹腔に投与し、次いで、惹起の段階で、当該物質を液体状態で経鼻的に吸入させるか、ミスト発生装置等を用いてミスト状にして吸入させるか、又は口腔内に接種して自然吸入させる方法が行われている(例えば、Toxicology 194 (2003) 147-161、Toxicology (2003), 184(1), 51-68、Food and Chemical Toxicology (1999), 37(8), 889-896、Inhalation Toxicology (1998), 10(2), 131-154参照)。
【0005】
上記文献に記載の方法は、何れも、感作の段階で経皮暴露や皮下注射等の手法が用いられている。しかしこれらは、投与される物質の体内への浸透性(吸収性)等に関わる物性を正確に反映しない試験系となるという問題がある。例えば、本来気管や肺で吸収される物質が、経皮暴露では皮膚バリアにより体内に吸収されなかったり、逆に、本来気管や肺では吸収されない物質が、皮下注射では体内に取り込まれる場合がある。代表的な例として、タンパク質抗原である花粉や卵白アルブミン(OVA)は、経皮暴露では極めて感作が成立しにくいが、皮下注射や後述する経鼻暴露では容易に感作が成立する。
【0006】
また、皮膚における免疫系と、気管支及び肺における免疫系が、種々の物質に対して同じ免疫的反応を示すとは考えにくい。一般に、皮膚アレルギーはTh1タイプのIV型アレルギーであり、呼吸器アレルギーはTh2タイプのI型アレルギーであって互いに分類が異なり、また、呼吸器アレルギーの代表的な要因(アレルゲン)となる花粉等の高分子は、経皮的に暴露しても感作が起こらないことが知られており、経皮暴露や皮下注射等の手法を用いることは、実際のリスクを判断する面からは特に問題がある。
【0007】
しかも上記方法は、いずれも呼吸器感作性を有することが知られている物質のみを用いているため、ある化学物質が気管に吸入されたときに呼吸器に感作を起こすか否かを調べたり、発症するアレルギーのタイプを正確に評価することができるとの保証はない。
【0008】
一方、感作の段階で、経鼻暴露や、ガスやミスト発生装置を用いた吸入暴露などの方法を利用することが考えられる。しかし、経鼻暴露では、一部が食道へ流入することが避けられず、ミスト発生装置を用いた場合は、同時に経皮暴露が生じてしまい、いずれも定量性に欠ける理由となる。さらに、いずれの方法も、化学物質などの特性、例えば刺激性などにより呼吸量が一定しないため暴露量が正確に把握できず、やはり定量的に評価しにくくなる。しかも、水や溶媒等に溶解しにくいためガス状にすることが困難な物質は評価できないという問題があった。また、感作性の定量的な評価方法として、例えば、Local Lymph Node Assayが知られているが、これは、化合物濃度の違いにより皮膚における感作性を定量的に評価する方法であって、経皮暴露の定量評価には有効であるが、経鼻暴露や吸入暴露では経皮暴露と同レベルの定量性は望めなかった。
【0009】
【非特許文献1】Toxicology 194 (2003) 147-161
【非特許文献2】Toxicology (2003), 184(1), 51-68
【非特許文献3】Food and Chemical Toxicology (1999), 37(8), 889-896
【非特許文献4】Inhalation Toxicology (1998), 10(2), 131-154
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、小型動物を用いて、化学物質や天然物が直接気管や肺に到達したときの呼吸器感作性を、簡便且つ定量的に評価する感作性評価方法に関する。
本発明の他の目的は、サンプルが気管又は肺に直に接触した際の感作性を評価可能な感作性評価方法に関する。
本発明のさらに他の目的は、感作の段階及び/又は惹起の段階において、サンプルが気管又は肺に直に接触した際の感作性を評価可能な感作性評価方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、小型動物の呼吸を妨げないの量のサンプルを直接気管内に投与することにより、気管や肺に対するサンプルの感作性を正確に且つ定量的に評価できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、体重70g以下の小型動物の気管内に、1回当たり100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴とする呼吸器感作性評価方法に関する。前記小型動物としては、例えば、マウスなどが利用される。
【0013】
本発明の呼吸器感作性評価方法は、例えば、感作の段階で、気管内に直接サンプルを投与してもよく、また、惹起の段階、感作及び惹起の両段階のいずれであってもよい。また、本発明の呼吸器感作性評価方法は、小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法で行っても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法によれば、小型実験動物の気管内に、所定量のサンプルを気管支入り口に直接投与するため、サンプルが皮膚等に接触することがなく、気管又は肺に対する感作性を定量的且つ容易に評価することができる。しかも、感作及び/又は惹起の段階でサンプルを直接気管内に投与する場合には、より的確な感作性評価を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の呼吸器感作性評価方法は、体重が70g以下の小型動物の気管内に、100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴としている。
【0016】
小型動物としては、体重が70g以下(例えば15〜70g程度)である動物であれば特に限定されず、例えば、マウス、ハムスター、スナネズミなどの実験用小型動物が挙げられる。
【0017】
投与するサンプルは、液体の他、粉体などの固体であってもよく、例えば、卵白アルブミンなどのアレルギー誘因性の評価用サンプル、アレルギータイプの評価用サンプル、コピートナーや粉塵などの異物の肺吸入試験用サンプルなどの呼吸器感作性の評価を目的とする種々の物質を用いることができる。
【0018】
本発明の呼吸器感作性評価方法の好ましい態様としては、小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法が挙げられる。この方法によれば、気管内に直接サンプルを確実に投与可能である。
【0019】
サンプルの投与に用いる器具としては、小型動物の気管内に直接且つ確実に投与できる器具であれば特に限定されないが、好ましくは前記開口保持手段を備えた器具が用いられる。このような器具としては、例えば、特開2001−276231号公報に記載の器具等の公知の器具を用いることができるが、好ましくは、図1に示される小動物用気管内サンプル投与補助器具などが用いられる。
【0020】
図1は、本発明の呼吸器感作性評価方法の一例を示す正面図である。図1では、ホルダー9を介して小型動物8を手10で掴み、小動物用気管内サンプル投与補助器具を構成する挿入部1を小動物8の口腔に挿入した状態を保持して、該器具にサンプル投入手段7を用いて、小動物用気管内サンプル投与補助器具を構成する拡大観察手段4側から胴部5を通って小動物7の口腔に挿入することにより、気管内にサンプルを直接投入する方法が示されている。
【0021】
前記小動物用気管内サンプル投与補助器具は、図1に示されるように、円錐台形状からなる開口器1、胴部5、拡大観察手段4からなる器具本体と、チューブパイプ2aとポンプ2bとで構成される唾液除去手段2、及び電池収容部兼握り手6と結合した光源3を備えている。拡大観察手段4は、図2に示されるように、拡大観察手段4が有する接合部4aを、胴部5の一端部に設けられた接合部5aに固定することにより、該拡大観察手段4が胴部5の一端を完全に覆うことなく、部分的に開放した状態を維持できるように設置されている。唾液除去手段2は、拡大観察手段4を設けた側の胴部5の開放部位から挿入され、胴部5の軸方向中央付近に配された光源3に沿うように固定されている。サンプル投与手段7としては、例えば、シリンジ、スポイト等を使用できる。
【0022】
図1に示される小動物用気管内サンプル投与補助器具を用いた場合には、小型実験動物の狭い口腔から、所定量のサンプルを気管支入り口に直接投与することができる。前記小動物用気管内サンプル投与補助器具は、さらに、開口器1が円錐台形状であるため口腔付近に損傷を与えにくく実験動物に対する負担を軽減できること、唾液除去手段2により口腔内の唾液が除去されるためサンプル投入が容易となること、光源により狭い口腔内が照らされているため気管支入り口へ確実に投与可能となること等の観点から好適である。
【0023】
本発明では、1回当たりのサンプル投与量は100μl以下である。前記投与量が100μlを越えると、小型動物の肺の容積(通常1ml以下)に対するサンプル量が多すぎるため、呼吸を妨げてしまう。1回当たりのサンプル投与量は、好ましくは80μl、より好ましくは50μl程度であり、特に10μl程度とすることが望ましい。
【0024】
感作性の評価は、感作の段階及び惹起の段階の2回に分けてサンプルを投与することにより行われる。すなわち、最初のサンプル投与による感作の段階と、所定期間経過後に投与する惹起の段階とを経て、感作性の評価が行われる。本発明では、感作の段階及び惹起の段階の少なくとも一方で気管内に直接サンプルが投与されればよく、感作の段階又は惹起の段階のいずれかを他の方法でサンプルを投与してもよい。サンプルを投与する他の方法としては、例えば、経皮暴露、皮下注射、経鼻暴露、ミスト等の吸引暴露などの感作を起こす際の慣用の方法を採用できる。感作性を評価するためのサンプル投与の態様としては、例えば、惹起の段階としてサンプルを気管内に直接投与(気管内投与)した後、惹起の段階として気管内投与以外の方法で行う方法、感作の段階として気管内投与以外の方法で行い、惹起の段階としてサンプルを気管内に直接投与する方法、感作の段階及び惹起の段階ともにサンプルを気管内に直接投与する方法などが挙げられる。なかでも、感作の段階及び惹起の段階共に気管内に直接サンプルを投与する方法が好ましい。
【0025】
感作及び惹起の各段階におけるサンプル投与回数、投与期間は、肺における感作の成立が確認されれば特に限定されないが、サンプルの最初の投与(感作の段階での最初のサンプル投与)から最終の投与(惹起の段階での最後のサンプル投与)までの期間を短くすることが好ましく、例えば前記期間を1ヶ月以内で行うことが好ましい。
【0026】
本発明の呼吸器感作性評価方法によれば、サンプルが気管や肺に直接到達するため、サンプルの呼吸器への感作性をより正確に評価することができる。本発明は、また、呼吸器に対してアレルギー誘因するか否か不明の物質をサンプルとして投与することにより、呼吸器に対するアレルギー誘因性の有無を評価する方法として利用することも可能である。
【0027】
感作の成立の確認には、例えば、肺洗浄液の分析、肺組織への免疫担当細胞の浸潤、サイトカイン産生パターンの比較などの既知の方法を用いることができる。
【実施例】
【0028】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、小型実験動物として、マウス BALB/c、雌、6週齢を用い、サンプルとして卵白アルブミン(OVA)を使用した。感作の成立の確認には、気管支周辺の免疫担当細胞(リンパ球及び好酸球)の浸潤の有無、気管支上皮細胞の杯細胞の層形成を観察することにより行った。
【0029】
参考例1
10μg/100μlのOVAを腹腔内にシリンジを用いて週5回2週間投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/50μlのOVAを経鼻暴露して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図3及び図4に示されるように、血管13、気管支11周囲へのリンパ球及び好酸球14の浸潤、及び気管支上皮細胞の杯細胞12の層が観察され、感作の成立が認められた。
【0030】
実施例1
10μg/3μlのOVAを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/50μlのOVAを経鼻暴露して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図5及び図6に示されるように、血管13、気管支11周囲へのリンパ球及び好酸球14の浸潤、及び気管支上皮細胞の杯細胞12の層が観察され、感作の成立が確認された。
【0031】
実施例2
10μg/3μlのOVAを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/3μlのOVAを同様の方法で気管内投与して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図7及び図8に示されるように、気管支11周囲へのリンパ球及び好酸球14の浸潤、及び気管支上皮細胞の杯細胞12の層が観察され、感作の成立が確認された。
【0032】
実施例3
10μg/3μlのOVAを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μlのPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を経鼻暴露して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図9及び図10に示されるように、血管13、気管支11周囲にはリンパ球及び好酸球の浸潤はなく、気管支上皮細胞の杯細胞の層も観察されず、感作の成立は認められなかった。
【0033】
実施例4
3μlのPBSを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/3μlのOVAを同様の方法で気管内投与して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図11及び図12に示されるように、血管13、気管支11周囲にはリンパ球及び好酸球の浸潤はなく、気管支上皮細胞の杯細胞の層も観察されず、感作の成立は認められなかった。
【0034】
実施例5
3μlのPBSを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で3μlのPBSを同様の方法で気管内投与して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図13及び図14に示されるように、気管支11周囲にはリンパ球及び好酸球の浸潤はなく、気管支上皮細胞の杯細胞の層も観察されず、感作の成立は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の呼吸器感作性評価方法の一例を示す模式図である。
【図2】図1の本発明の呼吸器感作性評価方法の一例の部分拡大図である。
【図3】参考例1における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図4】図3の模式図である。
【図5】実施例1における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図6】図5の模式図である。
【図7】実施例2における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図8】図7の模式図である。
【図9】実施例3における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図10】図9の模式図である。
【図11】実施例4における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図12】図11の模式図である。
【図13】実施例5における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図14】図13の模式図である。
【符号の説明】
【0036】
1 挿入部
2 唾液除去手段
2a チューブパイプ
2b ポンプ
3 光源
4 拡大観察手段
4a 接合部
5 胴部
5a 接合部
6 電池収容部兼握り手
7 サンプル投与手段
8 小動物
9 ホルダー
10 手
11 気管支
12 気管支上皮細胞の杯細胞
13 血管
14 リンパ球及び好酸球
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学物質や天然物が気管や肺に到達して呼吸器アレルギーを生じる可能性、すなわち呼吸器感作誘発性を、小型動物を用いて評価する呼吸器感作性評価方法に関する。この方法は、呼吸器アレルギーの原因物質の検索、既知の原因物質を用いたアレルギー誘因性の定性的又は定量的評価等の分野で利用される。
【背景技術】
【0002】
近年、天然物や化学物質に起因するアレルギー疾患が増加している。しかしながら、ある物質が体内に侵入して気管及び肺に到達した場合、呼吸器での感作アレルギーの発症(誘因)可能性について簡便且つ正確に評価する手法はこれまで報告されていない。
【0003】
天然物や化学物質、特に低分子の化学物質のアレルギー誘発性評価方法としては、従来、モルモットを用いた手法が広く用いられており、例えば、モルモットに対して吸入チャンバーやガス発生装置などを用いた吸入暴露を行い、呼吸器量の測定装置を用いて評価する方法が行われてきた。しかし、モルモットは実験動物として用いられるげっ歯類のなかでも中型の大きさであるため、飼育装置や飼料等のコストが高くなり、また、マウスなどに比べて遺伝的解析も進んでいない。しかも吸入暴露には大がかりな装置が必要となってしまう。さらに、動物愛護などの観点から、より小型の動物を用いた試験系が求められている。
【0004】
これに対し、より簡便な呼吸器感作の評価方法として、小型であって、モルモットに比べて遺伝的解析が進んでいるマウスを用いた手法が検討されている。マウスを用いて最も一般的に行われる方法としては、例えば、評価したい物質を感作(アレルギー)を起こさせる段階で、皮膚に塗布するか、又は当該物質を皮下又は腹腔に投与し、次いで、惹起の段階で、当該物質を液体状態で経鼻的に吸入させるか、ミスト発生装置等を用いてミスト状にして吸入させるか、又は口腔内に接種して自然吸入させる方法が行われている(例えば、Toxicology 194 (2003) 147-161、Toxicology (2003), 184(1), 51-68、Food and Chemical Toxicology (1999), 37(8), 889-896、Inhalation Toxicology (1998), 10(2), 131-154参照)。
【0005】
上記文献に記載の方法は、何れも、感作の段階で経皮暴露や皮下注射等の手法が用いられている。しかしこれらは、投与される物質の体内への浸透性(吸収性)等に関わる物性を正確に反映しない試験系となるという問題がある。例えば、本来気管や肺で吸収される物質が、経皮暴露では皮膚バリアにより体内に吸収されなかったり、逆に、本来気管や肺では吸収されない物質が、皮下注射では体内に取り込まれる場合がある。代表的な例として、タンパク質抗原である花粉や卵白アルブミン(OVA)は、経皮暴露では極めて感作が成立しにくいが、皮下注射や後述する経鼻暴露では容易に感作が成立する。
【0006】
また、皮膚における免疫系と、気管支及び肺における免疫系が、種々の物質に対して同じ免疫的反応を示すとは考えにくい。一般に、皮膚アレルギーはTh1タイプのIV型アレルギーであり、呼吸器アレルギーはTh2タイプのI型アレルギーであって互いに分類が異なり、また、呼吸器アレルギーの代表的な要因(アレルゲン)となる花粉等の高分子は、経皮的に暴露しても感作が起こらないことが知られており、経皮暴露や皮下注射等の手法を用いることは、実際のリスクを判断する面からは特に問題がある。
【0007】
しかも上記方法は、いずれも呼吸器感作性を有することが知られている物質のみを用いているため、ある化学物質が気管に吸入されたときに呼吸器に感作を起こすか否かを調べたり、発症するアレルギーのタイプを正確に評価することができるとの保証はない。
【0008】
一方、感作の段階で、経鼻暴露や、ガスやミスト発生装置を用いた吸入暴露などの方法を利用することが考えられる。しかし、経鼻暴露では、一部が食道へ流入することが避けられず、ミスト発生装置を用いた場合は、同時に経皮暴露が生じてしまい、いずれも定量性に欠ける理由となる。さらに、いずれの方法も、化学物質などの特性、例えば刺激性などにより呼吸量が一定しないため暴露量が正確に把握できず、やはり定量的に評価しにくくなる。しかも、水や溶媒等に溶解しにくいためガス状にすることが困難な物質は評価できないという問題があった。また、感作性の定量的な評価方法として、例えば、Local Lymph Node Assayが知られているが、これは、化合物濃度の違いにより皮膚における感作性を定量的に評価する方法であって、経皮暴露の定量評価には有効であるが、経鼻暴露や吸入暴露では経皮暴露と同レベルの定量性は望めなかった。
【0009】
【非特許文献1】Toxicology 194 (2003) 147-161
【非特許文献2】Toxicology (2003), 184(1), 51-68
【非特許文献3】Food and Chemical Toxicology (1999), 37(8), 889-896
【非特許文献4】Inhalation Toxicology (1998), 10(2), 131-154
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、小型動物を用いて、化学物質や天然物が直接気管や肺に到達したときの呼吸器感作性を、簡便且つ定量的に評価する感作性評価方法に関する。
本発明の他の目的は、サンプルが気管又は肺に直に接触した際の感作性を評価可能な感作性評価方法に関する。
本発明のさらに他の目的は、感作の段階及び/又は惹起の段階において、サンプルが気管又は肺に直に接触した際の感作性を評価可能な感作性評価方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、小型動物の呼吸を妨げないの量のサンプルを直接気管内に投与することにより、気管や肺に対するサンプルの感作性を正確に且つ定量的に評価できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、体重70g以下の小型動物の気管内に、1回当たり100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴とする呼吸器感作性評価方法に関する。前記小型動物としては、例えば、マウスなどが利用される。
【0013】
本発明の呼吸器感作性評価方法は、例えば、感作の段階で、気管内に直接サンプルを投与してもよく、また、惹起の段階、感作及び惹起の両段階のいずれであってもよい。また、本発明の呼吸器感作性評価方法は、小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法で行っても良い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の方法によれば、小型実験動物の気管内に、所定量のサンプルを気管支入り口に直接投与するため、サンプルが皮膚等に接触することがなく、気管又は肺に対する感作性を定量的且つ容易に評価することができる。しかも、感作及び/又は惹起の段階でサンプルを直接気管内に投与する場合には、より的確な感作性評価を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の呼吸器感作性評価方法は、体重が70g以下の小型動物の気管内に、100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴としている。
【0016】
小型動物としては、体重が70g以下(例えば15〜70g程度)である動物であれば特に限定されず、例えば、マウス、ハムスター、スナネズミなどの実験用小型動物が挙げられる。
【0017】
投与するサンプルは、液体の他、粉体などの固体であってもよく、例えば、卵白アルブミンなどのアレルギー誘因性の評価用サンプル、アレルギータイプの評価用サンプル、コピートナーや粉塵などの異物の肺吸入試験用サンプルなどの呼吸器感作性の評価を目的とする種々の物質を用いることができる。
【0018】
本発明の呼吸器感作性評価方法の好ましい態様としては、小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法が挙げられる。この方法によれば、気管内に直接サンプルを確実に投与可能である。
【0019】
サンプルの投与に用いる器具としては、小型動物の気管内に直接且つ確実に投与できる器具であれば特に限定されないが、好ましくは前記開口保持手段を備えた器具が用いられる。このような器具としては、例えば、特開2001−276231号公報に記載の器具等の公知の器具を用いることができるが、好ましくは、図1に示される小動物用気管内サンプル投与補助器具などが用いられる。
【0020】
図1は、本発明の呼吸器感作性評価方法の一例を示す正面図である。図1では、ホルダー9を介して小型動物8を手10で掴み、小動物用気管内サンプル投与補助器具を構成する挿入部1を小動物8の口腔に挿入した状態を保持して、該器具にサンプル投入手段7を用いて、小動物用気管内サンプル投与補助器具を構成する拡大観察手段4側から胴部5を通って小動物7の口腔に挿入することにより、気管内にサンプルを直接投入する方法が示されている。
【0021】
前記小動物用気管内サンプル投与補助器具は、図1に示されるように、円錐台形状からなる開口器1、胴部5、拡大観察手段4からなる器具本体と、チューブパイプ2aとポンプ2bとで構成される唾液除去手段2、及び電池収容部兼握り手6と結合した光源3を備えている。拡大観察手段4は、図2に示されるように、拡大観察手段4が有する接合部4aを、胴部5の一端部に設けられた接合部5aに固定することにより、該拡大観察手段4が胴部5の一端を完全に覆うことなく、部分的に開放した状態を維持できるように設置されている。唾液除去手段2は、拡大観察手段4を設けた側の胴部5の開放部位から挿入され、胴部5の軸方向中央付近に配された光源3に沿うように固定されている。サンプル投与手段7としては、例えば、シリンジ、スポイト等を使用できる。
【0022】
図1に示される小動物用気管内サンプル投与補助器具を用いた場合には、小型実験動物の狭い口腔から、所定量のサンプルを気管支入り口に直接投与することができる。前記小動物用気管内サンプル投与補助器具は、さらに、開口器1が円錐台形状であるため口腔付近に損傷を与えにくく実験動物に対する負担を軽減できること、唾液除去手段2により口腔内の唾液が除去されるためサンプル投入が容易となること、光源により狭い口腔内が照らされているため気管支入り口へ確実に投与可能となること等の観点から好適である。
【0023】
本発明では、1回当たりのサンプル投与量は100μl以下である。前記投与量が100μlを越えると、小型動物の肺の容積(通常1ml以下)に対するサンプル量が多すぎるため、呼吸を妨げてしまう。1回当たりのサンプル投与量は、好ましくは80μl、より好ましくは50μl程度であり、特に10μl程度とすることが望ましい。
【0024】
感作性の評価は、感作の段階及び惹起の段階の2回に分けてサンプルを投与することにより行われる。すなわち、最初のサンプル投与による感作の段階と、所定期間経過後に投与する惹起の段階とを経て、感作性の評価が行われる。本発明では、感作の段階及び惹起の段階の少なくとも一方で気管内に直接サンプルが投与されればよく、感作の段階又は惹起の段階のいずれかを他の方法でサンプルを投与してもよい。サンプルを投与する他の方法としては、例えば、経皮暴露、皮下注射、経鼻暴露、ミスト等の吸引暴露などの感作を起こす際の慣用の方法を採用できる。感作性を評価するためのサンプル投与の態様としては、例えば、惹起の段階としてサンプルを気管内に直接投与(気管内投与)した後、惹起の段階として気管内投与以外の方法で行う方法、感作の段階として気管内投与以外の方法で行い、惹起の段階としてサンプルを気管内に直接投与する方法、感作の段階及び惹起の段階ともにサンプルを気管内に直接投与する方法などが挙げられる。なかでも、感作の段階及び惹起の段階共に気管内に直接サンプルを投与する方法が好ましい。
【0025】
感作及び惹起の各段階におけるサンプル投与回数、投与期間は、肺における感作の成立が確認されれば特に限定されないが、サンプルの最初の投与(感作の段階での最初のサンプル投与)から最終の投与(惹起の段階での最後のサンプル投与)までの期間を短くすることが好ましく、例えば前記期間を1ヶ月以内で行うことが好ましい。
【0026】
本発明の呼吸器感作性評価方法によれば、サンプルが気管や肺に直接到達するため、サンプルの呼吸器への感作性をより正確に評価することができる。本発明は、また、呼吸器に対してアレルギー誘因するか否か不明の物質をサンプルとして投与することにより、呼吸器に対するアレルギー誘因性の有無を評価する方法として利用することも可能である。
【0027】
感作の成立の確認には、例えば、肺洗浄液の分析、肺組織への免疫担当細胞の浸潤、サイトカイン産生パターンの比較などの既知の方法を用いることができる。
【実施例】
【0028】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、小型実験動物として、マウス BALB/c、雌、6週齢を用い、サンプルとして卵白アルブミン(OVA)を使用した。感作の成立の確認には、気管支周辺の免疫担当細胞(リンパ球及び好酸球)の浸潤の有無、気管支上皮細胞の杯細胞の層形成を観察することにより行った。
【0029】
参考例1
10μg/100μlのOVAを腹腔内にシリンジを用いて週5回2週間投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/50μlのOVAを経鼻暴露して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図3及び図4に示されるように、血管13、気管支11周囲へのリンパ球及び好酸球14の浸潤、及び気管支上皮細胞の杯細胞12の層が観察され、感作の成立が認められた。
【0030】
実施例1
10μg/3μlのOVAを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/50μlのOVAを経鼻暴露して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図5及び図6に示されるように、血管13、気管支11周囲へのリンパ球及び好酸球14の浸潤、及び気管支上皮細胞の杯細胞12の層が観察され、感作の成立が確認された。
【0031】
実施例2
10μg/3μlのOVAを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/3μlのOVAを同様の方法で気管内投与して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図7及び図8に示されるように、気管支11周囲へのリンパ球及び好酸球14の浸潤、及び気管支上皮細胞の杯細胞12の層が観察され、感作の成立が確認された。
【0032】
実施例3
10μg/3μlのOVAを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μlのPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を経鼻暴露して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図9及び図10に示されるように、血管13、気管支11周囲にはリンパ球及び好酸球の浸潤はなく、気管支上皮細胞の杯細胞の層も観察されず、感作の成立は認められなかった。
【0033】
実施例4
3μlのPBSを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で50μg/3μlのOVAを同様の方法で気管内投与して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図11及び図12に示されるように、血管13、気管支11周囲にはリンパ球及び好酸球の浸潤はなく、気管支上皮細胞の杯細胞の層も観察されず、感作の成立は認められなかった。
【0034】
実施例5
3μlのPBSを週3回2週間、図1に示される態様で気管内投与(感作)し、第4週目に3日間連続で3μlのPBSを同様の方法で気管内投与して惹起を行った。
気管支周辺の組織切片を作成して観察したところ、図13及び図14に示されるように、気管支11周囲にはリンパ球及び好酸球の浸潤はなく、気管支上皮細胞の杯細胞の層も観察されず、感作の成立は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の呼吸器感作性評価方法の一例を示す模式図である。
【図2】図1の本発明の呼吸器感作性評価方法の一例の部分拡大図である。
【図3】参考例1における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図4】図3の模式図である。
【図5】実施例1における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図6】図5の模式図である。
【図7】実施例2における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図8】図7の模式図である。
【図9】実施例3における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図10】図9の模式図である。
【図11】実施例4における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図12】図11の模式図である。
【図13】実施例5における気管支周辺の組織切片の写真である。
【図14】図13の模式図である。
【符号の説明】
【0036】
1 挿入部
2 唾液除去手段
2a チューブパイプ
2b ポンプ
3 光源
4 拡大観察手段
4a 接合部
5 胴部
5a 接合部
6 電池収容部兼握り手
7 サンプル投与手段
8 小動物
9 ホルダー
10 手
11 気管支
12 気管支上皮細胞の杯細胞
13 血管
14 リンパ球及び好酸球
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体重70g以下の小型動物の気管内に、1回当たり100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴とする呼吸器感作性評価方法。
【請求項2】
感作の段階で、気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項3】
惹起の段階で、気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項4】
感作の段階、及び惹起の段階共に、気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項5】
小型動物がマウスである請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項6】
小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項1】
体重70g以下の小型動物の気管内に、1回当たり100μl以下のサンプルを直接投与することにより気管又は肺における生体反応を評価することを特徴とする呼吸器感作性評価方法。
【請求項2】
感作の段階で、気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項3】
惹起の段階で、気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項4】
感作の段階、及び惹起の段階共に、気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項5】
小型動物がマウスである請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【請求項6】
小型動物の開口状態を保持しうる開口保持手段を用いて開口させ、小型動物の口からサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する請求項1記載の呼吸器感作性評価方法。
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図12】
【図14】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図11】
【図13】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図12】
【図14】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図11】
【図13】
【公開番号】特開2006−136432(P2006−136432A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−327125(P2004−327125)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【出願人】(504258527)国立大学法人 鹿児島大学 (284)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【出願人】(504258527)国立大学法人 鹿児島大学 (284)
【Fターム(参考)】
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