説明

呼吸器感染に関連したウイルスに特異的な核酸プライマーセットおよびプローブオリゴヌクレオチド

【課題】本発明の目的は、5種以上の呼吸器疾患ウイルスのうち一つ以上を増幅させることができるプライマーセットを提供すること。
【解決手段】配列番号1〜配列番号26の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから選択される5種以上の呼吸器疾患を引き起こすウイルスの標的配列を同時に増幅させることができる核酸プライマーセット、該増幅された産物を検出するためのプローブオリゴヌクレオチド、該プライマーセットおよび該プローブオリゴヌクレオチドを利用したウイルスの同時検出方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5種以上のウイルス呼吸器疾患を引き起こすウイルスの標的配列のうち一つ以上を増幅させることができる核酸プライマーセット、前記増幅された産物を検出するためのプローブおよびそれらを利用したウイルスの検出方法に係る。
【背景技術】
【0002】
呼吸器感染は、重要な感染疾患による死亡原因中の一つである。急性呼吸器疾患の75%ほどはウイルスによって引き起こされる。人間に呼吸器疾患を引き起こす最も目につくウイルスには、はしかウイルス(measles virus)、エンテロウイルス(entero virus)、ライノウイルス(rhino virus)、SARS関連コロナウイルス(SARS−coV:SARS−associated corona virus)、ヘルペス・ゾスターウイルス(VZV:varicella zoster virus)、アデノウイルス(adeno virus)、ヒトパラインフルエンザウイルス1(HPIV1:human parainfluenza virus1)、ヒトパラインフルエンザウイルス2(HPIV2)、ヒトパラインフルエンザウイルス3(HPIV3)、インフルエンザウイルスA(IVA:Influenza virus A)、インフルエンザウイルスB(IVB)、呼吸器多核体ウイルスA(RSVA:respiratory syncytial virus A)および呼吸器多核体ウイルスB(RSVB)が含まれる。これらウイルスを迅速に特異的に検出することは、呼吸器疾患の診断、予防および治療に必須である。
【0003】
特許文献1には、HPIV1配列を特異的に増幅できるプライマーを逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)に使用してHPIV1を検出する方法が開示されている。また、特許文献2には、七種の呼吸器疾患関連ウイルス(HPIV1,2,3、IVA、IVB、RSVおよびアデノウイルス)を同時に検出できる方法が開示されている。
【特許文献1】米国特許第5,744,299号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0130497号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、以上のような従来発明によっても、はしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS−coVおよびVZVを検出できる方法は開示されていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、5種以上の呼吸器疾患ウイルスのうち一つ以上を増幅させることができるプライマーセットを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、前記プライマーセットを利用して5種以上の呼吸器疾患ウイルスのうち一つ以上を検出する方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、13種のウイルスのうち一つ以上を検出するのに使われるプローブセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記本発明の課題を解決するために、本発明は、配列番号1の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号2の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号3の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号4の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号5の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号6の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号7の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号8の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号9の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号10の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、から構成される群から選択される一つ以上の核酸プライマーセットを提供する。
【0009】
前記本発明の他の課題を解決するために、本発明は、試料から核酸を得るステップと、前記記載の核酸プライマーセットを利用して前記核酸を増幅するステップと、前記増幅産物を検出するステップとを含み、標的ウイルスに特異的な増幅産物が存在する場合に、前記標的ウイルスが存在することが決定されることを特徴とする、ウイルスの検出方法を提供する。
【0010】
前記本発明のさらに他の課題を解決するために、本発明は、配列番号27〜配列番号50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドからなる群から選択される長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、はしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS関連コロナウイルス(SARS−coV)、ヘルペス・ゾスターウイルス(VZV)、アデノウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス1(HPIV1)、ヒトパラインフルエンザウイルス2(HPIV2)、ヒトパラインフルエンザウイルス3(HPIV3)、インフルエンザウイルスA(IVA)、インフルエンザウイルスB(IVB)、呼吸器多核体ウイルスA(RSVA)および呼吸器多核体ウイルスB(RSVB)のうち一つ以上を検出するためのプローブオリゴヌクレオチドを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の核酸プライマーセットによれば、5種以上の呼吸器疾患ウイルスのうち一つ以上を特異的に増幅させることができる。さらに、本発明の核酸プライマーセットによれば、5種以上の呼吸器疾患を引き起こすウイルスを一つの反応で増幅可能である。本発明の検出方法によれば、5種以上の呼吸器疾患を引き起こすウイルスを高い特異性で同時に検出可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【0013】
本発明は、配列番号1の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号2の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号3の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号4の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号5の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号6の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号7の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号8の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号9の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号10の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、から構成される群から選択される一つ以上の核酸プライマーセットを提供する。
【0014】
本発明の核酸プライマーセットは、配列番号11の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号12の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号13の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号14の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号15の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号16の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号17の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号18の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号19の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号20の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号21の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号22の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、配列番号23の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号24の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチド、または配列番号25の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号26の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、から構成される群から選択される一つ以上のプライマーセットをさらに含む核酸プライマーセットである。
【0015】
本発明の核酸プライマーセットは、呼吸器疾患を引き起こすとされている5種以上のウイルス種を増幅できるオリゴヌクレオチド対を含むものである。本発明の核酸プライマーセットは、1つの増幅反応で複数個の標的配列を増幅するのに使われうる。前記増幅反応は、多重PCR反応になりうるが、これに限定されるものではない。
【0016】
本発明の核酸プライマーセットに含まれている各プライマー対は、次のような特性を有し、呼吸器疾患と関連した5種以上のウイルスを同時に検出するのに使われうる。
【0017】
(1)配列番号1の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号2の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、はしかウイルスに特異的なプライマー対であり、61菌株のはしかウイルスのF遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0018】
(2)配列番号3の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号4の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、エンテロウイルスに特異的なプライマー対であり、3菌株のエンテロウイルスの5’UTR(ポリ蛋白質遺伝子)領域の保存領域から選択されたものである。
【0019】
(3)配列番号5の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号6の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、ライノウイルスに特異的なプライマー対であり、6菌株のライノウイルスの5’UTRの保存領域から選択されたものである。
【0020】
(4)配列番号7の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号8の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、SARS−coVに特異的なプライマー対であり、75菌株のSARS−coVのGD69遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0021】
(5)配列番号9の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号10の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、VZVに特異的なプライマー対であり、7菌株のVZVのORF54遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0022】
(6)配列番号11の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号12の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、アデノウイルスに特異的なプライマー対であり、31菌株のアデノウイルスのHexon遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0023】
(7)配列番号13の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号14の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、HPIV1に特異的なプライマー対であり、43菌株のHPIV1のHN遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0024】
(8)配列番号15の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号16の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、HPIV2に特異的なプライマー対であり、6菌株のHPIV2のHN遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0025】
(9)配列番号17の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号18の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、HPIV3に特異的なプライマー対であり、14菌株のHPIV3のHN遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0026】
(10)配列番号19の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号20の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、IVAに特異的なプライマー対であり、186菌株のIVAのMP遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0027】
(11)配列番号21の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号22の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、IVBに特異的なプライマー対であり、35菌株のIVBのNP遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0028】
(12)配列番号23の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号24の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチド、または配列番号25の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号26の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドは、RSVAおよびRSVBに特異的なプライマー対であり、28菌株のRSVAおよびRSVBのF遺伝子の保存領域から選択されたものである。
【0029】
本発明において、公知のデータベース(例えば、Genbank)から得たウイルス配列を公知のプログラム(例えば、DNASTAR Inc.,Madison,Wis.53715,米国)を利用して分析し、各ウイルスに特異的なプライマーセットを選択した。まず、さまざまなウイルスの菌株から保存領域を確認し、それら領域からプライマー対を選択した。対応する標的配列である標準ウイルス試料をテンプレートとして、選択したプライマーを用いてPCRを行うことにより、各ウイルスが特異的に増幅されるということを確認した。また、本発明で使われる各プライマー対を用いて、他のプライマー対の存在下でPCRを行う場合、すなわち多重PCRを行うと、それぞれ対応するPCR産物を得ることができる。これは、本願発明のプライマーセットに含まれるプライマーは、分子内、または分子間の相互干渉によってPCR反応を阻害することなしに重合反応を介して鎖を延長できるということを表す。本発明の各プライマー対から増幅されるPCR産物は、互いに異なる長さであるために、増幅産物を電気泳動などの方法で容易に区別することができる。
【0030】
本発明はまた、試料から核酸を得るステップと、前記核酸プライマーセットを利用して前記核酸を増幅するステップと、前記増幅産物を検出するステップとを含み、標的ウイルスに特異的な増幅産物が存在する場合に、前記標的ウイルスが存在することが決定されることを特徴とする、ウイルスの検出方法を提供する。
【0031】
本発明において、前記試料から核酸を得るステップは、当業界に公知の任意の核酸抽出方法が使われうる。例えば、フェノールクロロホルム抽出法、核酸に結合する固相物質を利用した精製法(例えば、米国特許第5,234,809号明細書)が使われうる。
【0032】
本発明の一具現例として、前記試料から核酸を得るステップは、試料からRNAを分離するステップと、分離されたRNAからcDNAを得るステップとを含むものである。cDNAを得るステップは、例えば、逆転写酵素を利用してなされうる。逆転写酵素を利用する逆転写酵素反応は、RT−PCRと呼ばれるPCR反応を用いてもよい。
【0033】
本発明の方法において、前記増幅するステップは、PCRによって行われうる。
【0034】
本発明の方法において、前記検出するステップは、前記増幅産物をプローブとハイブリダイズさせてハイブリダイゼーションの程度を検出するステップを含み、前記プローブは、配列番号27〜配列番号50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドからなる群から選択される長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことができる。
【0035】
本発明の方法において、前記プローブは、配列番号27または28の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号29または30の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号31または32の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号33または34の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号35または36の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号37または38の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号39または40の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号41または42の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号43または44の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号45または46の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号47または48の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、配列番号49または50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドとからなる群から選ばれる一つ以上のオリゴヌクレオチドを含むものでありうる。
【0036】
前記配列番号27または28;29または30;31または32;33または34;35または36;37または38;39または40;41または42;43または44;45または46;47または48;49または50;の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドからなる長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドのプローブ配列は、それぞれはしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS−coV、VZV、アデノウイルス、HPIV1、HPIV2、HPIV3、IVA、IVB、RSVAおよびRSVBに特異的なものであり、各オリゴヌクレオチドは本発明の核酸プライマーセットから増幅されたPCR産物に特異的に結合する。本発明のプローブ配列は、本発明の核酸プライマーセットによって増幅される標的配列のうち保存領域から選択されたものである。
【0037】
本発明において、前記プローブセットは膜、ガラスまたはプラスチック重合体のような固体支持体の表面に固定化されたものでありうる。プローブを固体支持体の表面に固定化する過程は、当業界に公知の任意のプローブ固定化方法が使われうる。例えば、80℃でのベーキングまたはUV架橋化が使われうる。また、活性化された固体基板上でプローブ重合体がフォトリソグラフィによって合成される方法(例えば、WO92/100092明細書)またはすでに合成されたプローブを活性化された基板の表面に共有結合させる方法(スポッティング法)などが使われうる。本発明の方法の一具現例で、前記プローブは、マイクロアレイの基板上に固定化されているものでありうる。
【0038】
本発明の標的増幅産物は、検出を促進するために標識されていてもよい。核酸を標識するのに使われる標識物質は、当業界に公知である。例えば、Cy3およびCy5のような蛍光を発する物質を使用することができる。その他、前記標識物質は、検出可能な信号を発生させることができるものならば、いかなるものでも可能である。例えば、放射能物質、または発色物質を生成させることができる酵素が含まれる。
【0039】
本発明はまた、配列番号27〜配列番号50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドからなる群から選択される長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、はしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS−coV、VZV、アデノウイルス、HPIV1、HPIV2、HPIV3、IVA、IVB、RSVAおよびRSVBのうち一つ以上を検出するためのプローブオリゴヌクレオチドを提供する。
【0040】
本発明のさらに他の具現例は、配列番号27〜配列番号50のオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドプローブである。
【0041】
本発明はまた、本発明のオリゴヌクレオチドプローブセットが固定化されているマイクロアレイを提供する。
【0042】
本発明のプローブオリゴヌクレオチドおよびマイクロアレイについては、前記の本発明の方法で説明した通りである。
【実施例】
【0043】
以下、本発明を実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例に限定されるものではない。
【0044】
実施例1:呼吸器疾患を引き起こす13種のウイルスに特異的な標的配列を増幅するためのプライマーの選択
本実施例では、13種のウイルス、すなわちはしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS−coV、VZV、アデノウイルス、HPIV1、HPIV2、HPIV3、IVA、IVB、RSVAおよびRSVBに特異的な標的配列を検出できるプライマーセットを設計した。
【0045】
まず、Genbankから呼吸器疾患を引き起こすウイルスの配列を入手してDNASTARプログラムを利用し、それらからそれぞれ保存された領域を選択した。分析に使われた配列の数(菌株の数)および配列確認番号および保存された領域は、下記表1の通りである。
【0046】
【表1−1】

【0047】
【表1−2】

【0048】
【表1−3】

【0049】
【表1−4】

【0050】
これら保存領域から、はしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS−coV、VZV、アデノウイルス、HPIV1、HPIV2、HPIV3、IVA、IVB、RSVAおよびRSVBにそれぞれ特異的な配列番号1〜配列番号26のプライマー対を選択した。
【0051】
実施例2:13種の呼吸器疾患と関連したウイルスのアガロースゲル上での検出
本実施例では、13種の呼吸器疾患と関連したウイルスを培養し、それらからゲノムを分離した後、配列番号1〜配列番号26のプライマーセットをプライマーとして使用した多重RT−PCRを行い、その産物をアガロースゲル上で確認した。
【0052】
(1)ウイルス培養物の準備
各ウイルスDNAゲノムは、50μl培養溶液に5N NaOH5.5μlを添加して最終濃度を0.5Nに調整した後、37℃で15分間変成させ、5N HClを5.5μl入れて中和させた後、HOで希釈した。ウイルスのRNAゲノムは、約600μlのTriZol−試薬を使用し、200μlの細胞上澄み液から分離した。エタノールで沈殿された最終沈殿物は、ジエチルピロカーボネート(DEPC)蒸溜水に再懸濁して−20℃に保管するか、または直ちにRT−PCRに使用した。
【0053】
(2)逆転写およびPCR
前記得られた13種のウイルス由来核酸試料をテンプレートとして、ヘキサマーやオリゴdTプライマーを使用してcDNAを合成し、反応は5×バッファ3、0.5μl RNase阻害剤0.5μl、dNTP 3μl、ランダムヘキサマー、スーパースクリプトII RTase(逆転写酵素)0.5μl、RNA 5μlを使用し、最終体積をDEPC処理蒸溜水を使用して15μlに調整し、37℃で40分、42℃で90分間反応させた後、95℃で5分間酵素を不活性化にした。前記cDNA10μl、dNTP4μl、配列番号1〜配列番号26を含むプライマーをそれぞれ1μl(20pmol/μl)ずつ、Taqポリメラーゼ0.5μlを含むPCR反応混合液を94℃で30秒、55℃で30秒、70℃で30秒の熱サイクルを30回行い、ウイルスゲノムから標的配列を増幅した。
【0054】
(3)増幅産物の検出
得られたPCR産物をアガロースゲル上で電気泳動によって確認した。図1は、配列番号1〜配列番号26のプライマーセットを利用して多重PCRを介して標的核酸を増幅し、その増幅産物をアガロースゲル上で電気泳動した結果を表す図面代替写真である。図1に表したように、13個の標的配列を確認することができ、それは、多重PCR中で配列番号1〜配列番号26のプライマーセットは、相互標的配列特異性に影響を及ぼさないということを表す。図1で、各PCR産物の長さは、下記表2に表した通りである。
【0055】
【表2】

【0056】
実施例3:13種の呼吸器疾患と関連したウイルスのマイクロアレイ上での検出
本実施例では、実施例2で増幅された増幅産物をマイクロアレイ上に固定化されているプローブとハイブリダイズさせ、そのハイブリダイゼーションの程度を検出することにより、特定のウイルス種から増幅された増幅産物の存否を確認した。
【0057】
全てのフォワードプライマーには、5’末端がCy3で標識された配列番号51のオリゴヌクレオチドが連結されたプライマーを使用し、全てのリバースプライマーには、5’末端がCy3に標識された配列番号52のオリゴヌクレオチドが連結されたプライマーを使用したことを除いては、実施例2の試料準備およびRT−PCRと同様の手法で実験を行った。増幅産物を下記のようにマイクロアレイ上で検出した。
【0058】
(1)プローブの設計
DNASTARプログラムを利用して各ウイルスゲノム増幅された領域からプローブを選択し、その配列は表3に表した通りである。
【0059】
【表3】

【0060】
(2)前記プローブの固定化されたマイクロアレイの製造
本実施例に使われるマイクロアレイは、アミン化合物で活性化された基板上に配列番号27〜配列番号50のプローブオリゴヌクレオチドを添加し、50℃で30分間反応させることによって固定化した。得られたマイクロアレイに、前記のような13種の各ウイルスから増幅された核酸が含まれている試料を前記ウイルスに特異的なオリゴヌクレオチドが固定化されているスポットに添加し、16℃で12時間ハイブリダイゼーション反応を行った。
【0061】
(3)検出
ハイブリダイゼーション反応後、洗浄バッファで洗浄した後、540nmで蛍光を測定した。図2は、配列番号27〜配列番号50のプローブオリゴヌクレオチドが固定化されているマイクロアレイに標的増幅産物をハイブリダイズさせた結果を表す図面代替写真である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の核酸プライマーセットおよびプローブオリゴヌクレオチド、それらを利用した呼吸器疾患ウイルスの検出方法は、例えば、ウイルス検出関連の技術分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】配列番号1〜配列番号26のプライマーセットを利用して多重PCRを介して標的核酸を増幅し、その増幅産物をアガロースゲル上で電気泳動した結果を表す図面代替写真である。
【図2】配列番号27〜配列番号50のプローブセットが固定化されているマイクロアレイに標的増幅産物をハイブリダイズさせた結果を表す図面代替写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号2の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号3の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号4の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号5の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号6の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号7の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号8の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号9の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号10の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
から構成される群から選択される一つ以上の核酸プライマーセット。
【請求項2】
配列番号11の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号12の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号13の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号14の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号15の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号16の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号17の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号18の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号19の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号20の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号21の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号22の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
配列番号23の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号24の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチド、または配列番号25の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドおよび配列番号26の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドから構成される群から選択され、長さが10bp〜100bpであるオリゴヌクレオチドと、
から構成される群から選択される一つ以上のプライマーセットをさらに含む請求項1に記載の核酸プライマーセット。
【請求項3】
試料から核酸を得るステップと、
請求項1または2に記載の核酸プライマーセットを利用して前記核酸を増幅するステップと、
前記増幅産物を検出するステップとを含み、標的ウイルスに特異的な増幅産物が存在する場合に、前記標的ウイルスが存在することが決定されることを特徴とする、ウイルスの検出方法。
【請求項4】
前記試料から核酸を得るステップは、
試料からRNAを分離するステップと、
分離されたRNAからcDNAを得るステップと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記増幅するステップは、PCRによって行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記検出するステップは、前記増幅産物をプローブとハイブリダイズさせてハイブリダイゼーションの程度を検出するステップを含み、前記プローブは、配列番号27〜配列番号50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドからなる群から選択される長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記プローブは、配列番号27または28の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号29または30の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号31または32の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号33または34の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号35または36の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号37または38の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号39または40の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号41または42の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドと、
配列番号43または44の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号45または46の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号47または48の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号49または50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
から構成される群から選択される一つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プローブは、配列番号27〜配列番号50のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記プローブは、マイクロアレイの基板上に固定化されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
配列番号27〜配列番号50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドからなる群から選択される長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドを含む、はしかウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、SARS関連コロナウイルス(SARS−coV)、ヘルペス・ゾスターウイルス(VZV)、アデノウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス1(HPIV1)、ヒトパラインフルエンザウイルス2(HPIV2)、ヒトパラインフルエンザウイルス3(HPIV3)、インフルエンザウイルスA(IVA)、インフルエンザウイルスB(IVB)、呼吸器多核体ウイルスA(RSVA)および呼吸器多核体ウイルスB(RSVB)のうち一つ以上を検出するためのプローブオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
配列番号27または28の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号29または30の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号31または32の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号33または34の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号35または36の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号37または38の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号39または40の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号41または42の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドと、
配列番号43または44の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号45または46の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号47または48の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
配列番号49または50の配列に存在する10個以上の連続塩基の断片を含むオリゴヌクレオチドおよびそれに相補的なオリゴヌクレオチドであって、長さが10bp〜100bpである一つ以上のオリゴヌクレオチドと、
から構成される群から選択される一つ以上のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項10に記載のプローブオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
配列番号27〜配列番号50のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項10に記載のプローブオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
請求項10〜12のうちいずれか1項に記載のプローブオリゴヌクレオチドが固定化されているマイクロアレイ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−180878(P2006−180878A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372078(P2005−372078)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】