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呼吸器疾患の治療のためのシクレソニドの使用
説明

呼吸器疾患の治療のためのシクレソニドの使用

【課題】本発明は、児童の呼吸器疾患を非常に効率的かつ安全に治療することを目的とする。
【解決手段】本発明の対象は、児童患者における呼吸器疾患を治療又は予防するための方法において、その患者にシクレソニド、製剤学的に認容性の塩、それらの溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体を含有する組成物の用量を投与することを含む。ここで、該組成物は、シクレソニドを20〜200μgの量で含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、呼吸器疾患の治療、特に喘息児童の治療の新規方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
特許文献1(US5482934号は、プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン−16−17−アセタール−21エステル及び炎症状態の治療におけるそれらの使用を開示している。該化合物は、一般構造:
【0003】
【化1】

[式中、R1は2−プロピル、1−ブチル、シクロヘキシル又はフェニルであり、かつR2はアセチル又はイソブタノイルである]を有する。シクレソニドは、式Iで示され、その式中で、R1がシクロヘキシルであり、かつR2がイソブタノイルである化合物についてのINNであり、その化学名は[11β,16α(R)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンである。
【0004】
シクレソニドは、喘息治療のための新規の吸入用のコルチコステロイドであり、これは臨床評価に供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5482934号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シクレソニドはグルココルチコステロイド受容体に対して非常に低い親和性を有するが、肺においてエステラーゼによって活性の代謝物のデスイソブチリル−シクレソニドに容易に変換されて、標的器官において局所活性を提供する。この活性化は、シクレソニドのC21位でのエステル分解によって生ずる。グルココルチコステロイド受容体に対するデスイソブチリル−シクレソニドの親和性は、シクレソニドの約100倍高いものである。シクレソニドは経口投与後に控えめに吸収されるにすぎず、低い全身活性を有する。肺中の薬剤濃度が高く、肝臓のオキシダーゼによる代謝が非常に高いので、その薬剤は低い血漿内半減期を示す。シクレソニドの全身活性はブテニドのそれより3倍低いが、抗炎症活性はより高い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要旨
ここで、児童の呼吸器疾患を、必要とする児童にシクレソニドを20〜200μgの用量で投与することによって非常に効率的かつ安全に治療できることが判明した。特に全身性副作用であって、吸入した鼻腔内のコルチコステロイドに恐らく関連する副作用、例えば長期暴露後の児童における成長抑制を減らすか又は完全に回避できる。
【0008】
従って本発明の対象は、児童患者における呼吸器疾患を治療又は予防するための方法において、その患者にシクレソニド、製剤学的に認容性の塩、それらの溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体を含有する組成物の用量を投与することを含み、該組成物がシクレソニドを20〜200μgの量で含有する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の対象は、児童患者における呼吸器疾患を治療又は予防するための方法において、その患者にシクレソニド、製剤学的に認容性の塩、それらの溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体を含有する組成物の用量を投与することを含み、該組成物がシクレソニドを20〜200μgの量で含有する方法である。
【0010】
シクレソニド(以下に有効成分とも呼ぶ)は化学名[11β,16α(R)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン3,20−ジオンを有する有効化合物についてのINNである。シクレソニド及びその製造はUS5482934号に記載されている。
【0011】
また本発明によれば、シクレソニドという名称は、シクレソニドの溶媒和物、シクレソニドの生理学的に機能的な誘導体又はそれらの溶媒和物を含む。本発明の関連で挙げることができる、シクレソニドの生理学的に機能的な誘導体は、有利にはシクレソニドの化学的誘導体であって、シクレソニドと同等の生理学的機能を有する誘導体であるか、又はシクレソニドの活性代謝物、例えばシクレソニドの21−ヒドロキシ誘導体(以下にデスイソブチリル−シクレソニド=デス−CICと呼称する)である。21−ヒドロキシ化合物は、16α,17−(22R,S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンという化学名を有する。この化合物及びその製造はWO94/22899号に開示されている。本発明によれば、名称"シクレソニド"は、化合物[11β,16α]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンの純粋なRエピマーだけでなく、任意の所望の混合比のR/Sエピマー混合物(つまり化合物[11β,16α−(R)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン及び[11β,16α−(S)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン)も意味すると解されるが、実質的にRエピマーからなるものが好ましい。本発明によれば、実質的にRエピマーからなるとは、混合物中のSエピマーの割合が5%未満又はそれに等しい、有利には1%未満又はそれに等しいことを意味する。
【0012】
シクレソニドを日用量範囲20〜200μgで呼吸器疾患を患う児童に投与することで、呼吸器疾患の効果的な治療及び/又は予防がもたらされ、その際に全身性副作用、例えば吸入された鼻腔内のコルチコステロイドへの長期暴露後に児童に生じうる成長抑制は回避される。
【0013】
本発明の関連で用量の例は、20、40、60、80、100、120、140、160、180又は200μgのシクレソニドである。有利にはその用量は40、80又は160μgのシクレソニドを含む。その用量は有利には日用量であり、一日一回又は二回で、有利には一日一回で投与される。一日一回の用量は、一日のどの時点でも、例えば朝又は好ましくは午後に投与できる。20〜200μgの範囲のシクレソニドの日用量の投与は、有利には持続的な治療計画の一部、有利には1日より長い治療期間、特に有利には1週間より長い治療期間、例えば2週間の治療期間、例えば2週間の治療期間、1ヶ月の治療期間、1年の治療期間又は一生の治療期間の一部である。
【0014】
本発明に関しては、患者は児童である。本発明に関する児童とは、18歳未満、例えば17歳、15歳、10歳、9歳、5歳、2歳などのヒトを指す。有利には児童とは、思春期前のヒトであり、特に6〜12歳のヒトを指す。
【0015】
シクレソニドは、呼吸器疾患の治療における使用のために記載されている。従って、シクレソニドの製剤は、グルココルチコステロイドが指示される臨床的状態の予防及び治療において使用されている。かかる状態は、可逆的な気道閉塞に関連する疾病、例えば喘息、夜間喘息、運動に誘発される喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば慢性気管支炎及び喘鳴性気管支炎、肺気腫)、気道感染症及び上部気道疾病(例えば鼻炎、例えばアレルギー性鼻炎及び季節性鼻炎)を含む。本発明による有利な実施態様では、本発明の関連での呼吸器疾患とは、喘息、有利には軽度ないし重度の喘息を指す。
【0016】
また本発明は、シクレソニド、その製剤学的に認容性の塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体の、児童患者における呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の製造のための使用であって、医薬品が20〜200μgのシクレソニドの用量で投与される使用に関する。
【0017】
シクレソニドを含有する組成物(製剤、医薬品又は医薬品組成物とも呼ぶ)は、経口、非経口(皮下、皮内、筋内、静脈内及び動脈内、鼻内、吸入(例えば、種々の型の加圧式定量エーロゾル、噴霧器又は注入器によって生成できる微粒子ダスト又はミスト)、直腸及び局所(例えば、皮膚、頬、舌下及び眼内の投与)のために適した製剤を含むが、最も好適な経路は、例えば被検者の状態及び疾患に依存しうる。該製剤は、適宜、単位剤形で存在してよく、薬学分野でよく知られた任意の方法によって製造できる。全ての方法は、有効成分を、1種以上の補助成分/賦形剤を構成している担体と組み合わせる工程を含む。一般に該製剤は、有効成分と液状担体又は微細な固体担体又はその両者とを一様にかつ密接に組合せ、次いで必要であれば、該生成物を所望の製剤に成形することによって製造される。
【0018】
一実施態様では、シクレソニドは吸入に適した形で提供される。吸入用製剤は、有利にはラクトースを含有する粉末組成物と、例えば加圧包装から好適な噴射剤、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、二酸化炭素又は他の好適なガスを用いて送達される水溶液又は水性懸濁液又はエーロゾルとして配合されてよい噴霧組成物とを含む。慣用のクロロフルオロカーボンと比較して最小限のオゾン減少効果を有すると考えられる噴射剤の種類はヒドロフルオロカーボンを含み、かつかかる噴射剤系を用いた幾つかの医学的エーロゾル製剤は、例えばEP0372777号、WO91/04011号、WO91/11173号、WO91/11495号、WO91/14422号、WO93/11743号及びEP−0553298号に開示されている。これらの用途は、全て、医薬品の投与のために加圧式エーロゾルを製造することを関連しており、そして新規の噴射剤のクラスの使用と関連する問題、特に製造される医薬品製剤に付随する安定性の問題を克服すると考えられる。その用途には、例えば1種以上の賦形剤、例えば極性の補助溶剤又は湿潤剤(例えばエタノールのようなアルコール)、アルカン、ジメチルエーテル、界面活性剤(例えば、フッ素化及び非フッ素化の界面活性剤、カルボン酸、例えばオレイン酸、ポリエトキシレートなど)又は増量剤、例えば糖類(例えばWO02/30394号を参照)及び治療学的にかつ予防学的に有効でない濃度で含まれるビヒクル、例えばクロモグリク酸及び/又はネドクロミル(WO00/07567号を参照)の添加が推奨される。懸濁液エーロゾルに関しては、有効成分を微細化して、エーロゾル製剤の投与後に肺中に有効成分の事実上全てが吸入されるべきであり、従って、有効成分は100ミクロン未満、所望には20ミクロン未満、有利には0.7〜10ミクロンの範囲、例えば1〜5ミクロンの範囲の平均粒度を有する。
【0019】
WO98/52542号は、治療学的有効量のシクレソニド又は関連化合物及びヒドロフルオロカーボン噴射剤、有利には1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及びそれらの混合物から選択される噴射剤、及び補助溶剤、有利にはエタノールをシクレソニドを溶解するのに有効な量で含有し、そして場合により界面活性剤を含有する医薬品組成物に関する。有利な一実施態様では、シクレソニドは、WO98/52542号による組成物で投与される。シクレソニドは、一般に該組成物中に、用量20〜200μgの投与が可能な濃度で存在する。かかる製剤は、一般に、シクレソニドを溶解するのに有効な量でエタノールを含有する。噴射剤は、有利にはヒドロフルオロアルカン、特にPropellant 134a、Propellant 227又はそれらの混合物を含む。混合物の場合には、Propellant 134aとPropellant 227との比率は一般に75:25(質量/質量)〜25:27(質量/質量)の範囲である。該製剤は、界面活性剤、例えばオレイン酸を含有してよいが、界面活性剤不含であってもよい。該製剤は、有利には他の賦形剤を含まない。
【0020】
該製剤は、有効成分エタノールとの薬剤濃縮物を製造し、そしてこの濃縮物を計量容器中で、予冷された噴射剤に添加することによって製造できる。有利には、シクレソニドを補助溶剤中に溶かした溶液が計量容器中で、予冷された噴射剤に添加される。得られた製剤をバイアルに充填する。選択的に、該製剤は、所望量の有効成分をエーロゾルバイアル中に添加し、バイアルの弁を締め、そして予備混合された噴射剤とエタノールとの配合物を弁を介して導入することによって製造できる。そのバイアルを超音波浴中に置いて、シクレソニドの溶解を確実なものとする。
【0021】
もう一つの実施態様では、エーロゾル送達に有利な組成物は、有効成分を粒子形で、かつ1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン又はそれらの混合物を噴射剤として含有する。かかる製剤は、一般に0.01〜5%(全製剤質量に対しての質量/質量)の極性補助溶剤、例えばエタノールを含有する。有利な実施態様では、極性補助溶剤、特にエタノールは含まれないか、又は3%(質量/質量)未満で含まれる。エーロゾル送達のために特に有利な組成物は、粒子状の有効成分、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン又はそれらの混合物を噴射剤として、かつ場合により界面活性剤(有利にはオレイン酸)からなる。混合物の場合には、Propellant 134aとPropellant 227との比率は一般に75:25(質量/質量)〜25:27(質量/質量)の範囲である。
【0022】
該製剤は、所望量の有効成分をエーロゾルバイアル中に添加し、バイアルの弁を締め、そして噴射剤又は場合により噴射剤と場合により補助溶剤と界面活性剤との予備混合された配合物を弁を介して導入することによって製造できる。
【0023】
キャニスターは、一般に、噴射剤の蒸気圧に耐えうる容器、例えばプラスチックボトル又はプラスチック被覆されたガラスボトル、又は金属缶、例えば場合によりアノード被覆、塗料被覆及び/又はプラスチック被覆されたアルミニウム缶を含み、この容器は計量弁で閉じられている。キャニスターを、WO96/32150号に記載されるフルオロカーボンポリマー、例えばポリエーテルスルホン(PES)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のコポリマーで被覆することができる。考慮できる被覆用の別のポリマーはFEP(フッ素化エチレンプロピレン)である。
【0024】
計量弁は、1動作につき定量の製剤量を送達し、ガスケットを装着して、弁を通る噴射剤の漏洩を防ぐように設計される。そのガスケットは、任意の好適なエラストマー材料、例えば低密度ポリエチレン、クロロブチル、ブタジエン−アクリロニトリルの黒ゴムと白ゴム、ブチルゴム及びネオプレンからなってよい。WO92/11190号に記載される熱可塑性エラストマー弁及びWO95/02650号に記載されるEPDMゴムを含有する弁が適していることがある。好適な弁はエーロゾル工業においてよく知られた製造元、例えばValois、フランス(例えばDF10、DF30、DF60)、Bespak pic、英国(例えばBK300、BD356、BK357)及び3M-Neotechnic Ltd、英国(例えばSpraymiser)から商業的に入手できる。
【0025】
弁シール、特にガスケットシール及び計量チャンバ周りのシールは、特に内容物がエタノールを含む場合に製剤の内容物への抽出に耐性である材料から製造できる。
【0026】
弁材料、特に計量チャンバの製造用材料は、不活性で、特に内容物がエタノールを含む場合に製剤の内容物による分解に耐性な材料から製造できる。計量チャンバの製造にあたり使用するのに特に好適な材料には、ポリエステル、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)及びアセタール、特にPBTが含まれる。
【0027】
計量チャンバ及び/又は弁軸の製造用材料は、所望には、フッ素化、部分的にフッ素化させるか、又はフッ素含有物質で含浸して、薬剤の堆積に耐久性を付与してよい。
【0028】
完全に又は実質的に金属成分からなる弁(例えばSpraymiser、3M-Neotechnic)は本発明による使用のために特に有利である。
【0029】
鼻内スプレー又は点鼻液は、水性又は非水性のビヒクルを用いて、増粘剤、緩衝塩又はpH調整用の酸又はアルカリ、等張性調整剤、保存剤又は酸化防止剤を添加するか又は添加せずに配合することができる。粘膜への適用のためのシクレソニドについての好適な水性製剤は、例えばWO01/28562号及びWO01/28563号に開示されている。
【0030】
本発明のもう一つの実施態様では、シクレソニドを含有する医薬品製剤は乾燥粉末である、すなわちシクレソニドは微粉砕されたシクレソニドと一緒に、場合により微粉砕された製剤学的に認容性の担体(これは存在することが好ましく、乾燥粉末吸入組成物中の担体として公知の1種以上の材料、例えばサッカライド、例えばモノサッカライド、ジサッカライド、ポリサッカライド及び糖アルコール、例えばアラビノース、グルコース、フルクトース、リボース、マンノース、スクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース、デンプン、デキストラン又はマンニトールであってよい)を含有する乾燥粉末である。特に有利な担体はラクトース、特に一水和物の形のラクトースである。乾燥粉末はゼラチン又はプラスチックのカプセル中、又はブリスター中で、乾燥粉末吸入装置中で使用するために、有利にはシクレソニドと一緒に、各カプセル中の粉末の全質量を5mg〜50mgにする量で担体を含有する剤形であってよい。選択的に、乾燥粉末は多用量型乾燥粉末吸入装置の貯蔵容器中に含まれていてよい。カプセル及びカートリッジ又は、例えばゼラチン、又は例えば積層アルミ箔のブリスターは吸入器又は注入器で使用するために、有効成分と好適な粉末基材、例えばラクトース又はデンプン、有利にはラクトースの粉末混合物を含めて配合してよい。この態様では、有効成分は好適には、乾燥粉末製剤の投与後に有効成分の事実上全てが肺に吸入されうるように微細化されるため、有効成分は100μm未満の粒度、所望には20μmの粒度、有利には1〜10μmの粒度を有する。固体担体は、存在するのであれば、一般に、300μm、有利には200μmの最大粒径を有し、適切には、40〜100μm、有利には50〜75μmの平均粒径を有する。有効成分の粒度及び、乾燥粉末組成物中に存在するのであれば固体担体の粒度は、慣用の方法によって、例えば、気流粉砕機、ボールミル又は振動粉砕機中での粉砕、微量沈降、噴霧乾燥、凍結乾燥又は超臨界媒体からの再結晶によって所望の程度にまで下げることがでる。
【0031】
本発明の組成物の吸入形は微粉砕粒子形であるが、一方で吸入装置は、例えば乾燥粉末の単位用量を含有するカプセル又はブリスターから乾燥粉末を搬送するよう適合された乾燥粉末吸入装置又は多用量乾燥粉末吸入装置であってよい。
【0032】
かかる乾燥粉末吸入装置はこの分野で知られている。挙げられる例は、Cyclohaler(登録商標)、Diskhaler(登録商標)、Rotadisk(登録商標)、Turbohaler(登録商標)又はEP0505321号、EP407028号、EP650410号、EP691865号又はEP725725号に開示される乾燥粉末吸入装置(Ultrahaler(登録商標))である。
【0033】
噴霧化による吸入用の製剤は水性ビヒクルと一緒に、酸又はアルカリ、緩衝塩、等張性調整剤又は抗生物質のような薬剤を添加して配合することができる。これらは濾過又はオートクレーブ中での加熱によって滅菌することができる。この種の投与のために好適な技術はこの分野で知られている。例としてはMystic(登録商標)技術が挙げられる(例えばUS6397838号、US6454193号及びUS6302331号を参照)。
【0034】
有利な単位投与製剤は、有効成分の前記のような製剤学的に有効な用量又はその適切な小部分を含有する製剤である。このように、加圧式定量エーロゾルによる送達用に設計された製剤の場合に、エーロゾルの1回の動作で治療学的有効量の半分が送達されれば、治療学的に有効な用量を送達するのに2回の動作が必要である。
【0035】
特に前記した成分の他に、本発明の製剤は、この分野に慣例で、当該製剤の種類に関連する他の薬剤を含んでよい。更に、本発明による製剤は、米国食品医薬品局によって定義される生物学的同等性を含む。
【実施例】
【0036】
本発明を以下の実施例によって説明するが、本発明を制限するものではない。
【0037】
実施例
実施例1:シクレソニド定量吸入器(HFA−MDI)
シクレソニドは、分配弁を備えたエーロゾルバイアルを含み、以下の製剤:
シクレソニド 1.000mg/ml
エタノール 94.800mg/ml
P134a 1090.200mg/ml
を含有する医薬製品として提供する。
【0038】
実施例2:喘息を患う児童における臨床研究
本研究を実施して、シクレソニドの効果を、児童への使用を意図した用量で、軽度の喘息を患う児童において、下肢成長率とHPA機能について測定した。
【0039】
方法:プラセボ対照無作為化二重盲検の4期交叉試験において、6〜12歳の児童24人に、40、80及び160μgのシクレソニド又はプラセボをHFA−MDIを介して午後に一日一回与えた。2週間の治療期間ごとに、2週間の洗い出しを行った。各治療期間の開始時と終了時に下肢長測定(knemometry)を実施した。12時間の一晩の尿中のコルチゾールを、各試験期間の終了時に測定した。
【0040】
結果:任意のシクレソニド治療とプラセボにおいて、下肢成長率になんら統計上有意な差異は見られなかった;下肢成長率は0.412mm/週(プラセボ)、0.425mm/週(シクレソニド40μg)、0.397mm/週(80μg)、0.370mm/週(160μg)であった。統計上有意な用量−応答効果はなかった。同様に、クレアチニン調整された尿中遊離コルチゾールについては、種々の治療間に差異は見出されず、かつ用量依存性は見出されなかった。全ての治療は良く許容された。
【0041】
まとめ:短期間の下肢成長率と、軽度の喘息を患う思春期前児童のHPA軸機能とは、児童における使用に意図した用量範囲でのシクレソニドによる治療によっては影響を受けない。
【0042】
本発明は有利な製剤及び成分に関して説明しているが、これらは限定を意図するものではないと理解すべきである。それに対して、当業者は、矯味剤、保存剤、付加的な有効成分などのような種々の随意の成分が含まれることを理解しており、一方でそれもまた本発明の実施態様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
児童患者における呼吸器疾患を治療又は予防するための方法において、その患者にシクレソニド、製剤学的に認容性の塩、それらの溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体を含有する組成物の用量を投与することを含み、該組成物の用量がシクレソニドを20〜200μgの量で含有する方法。
【請求項2】
用量が、20、40、60、80、100、120、140、160、180又は200μgのシクレソニドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
用量が、40、80又は160μgのシクレソニドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
児童が思春期前のヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
児童が6〜12歳のヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
用量が、持続的な治療計画における日用量である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
治療期間が1日より長い、請求項6記載の方法。
【請求項8】
治療期間が1週間より長い、請求項7記載の方法。
【請求項9】
患者の成長率に影響を及ぼさない、請求項1記載の方法。
【請求項10】
組成物が、製剤学的に認容性の担体及び/又は1種以上の賦形剤を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
シクレソニドが、[11β,16α(R)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、[11β,16α(S)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、[11β,16α(R,S)]−16,17−[(シクロヘキシル−メチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、16α,17−(22R)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、16α,17−(22S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン及び16α,17−(22R,S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンの群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項12】
一日一回の投与計画を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
組成物が吸入による投与に適している、請求項記載の方法。
【請求項14】
組成物が、治療学的有効量のシクレソニドと、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及びそれらの混合物から有利には選択されるヒドロフルオロカーボン噴射剤を含有し、かつ補助溶剤をシクレソニドの溶解に有効な量で含有し、場合により界面活性剤を含有するエーロゾル医薬製剤である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
補助溶剤がエタノールである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
組成物が、シクレソニドの粒子を治療学的有効量で含有し、かつ1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及びそれらの混合物から有利には選択されるヒドロフルオロカーボン噴射剤を含有し、かつ噴射剤に対して0.01〜5%(質量/質量)の極性補助溶剤と、場合により界面活性剤を含有するエーロゾル医薬製剤である、請求項13記載の方法。
【請求項17】
組成物が乾燥粉末であり、かつ担体がサッカライドである、請求項13記載の方法。
【請求項18】
担体がラクトース一水和物である、請求項13記載の方法。
【請求項19】
臨床的状態が、喘息、夜間喘息、運動誘発性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性でゼーゼーと音が出る気管支炎、肺気腫、気道感染症及び上部気道疾病、鼻炎、アレルギー性鼻炎及び季節性鼻炎の群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項20】
臨床的状態が軽度又は中程度の喘息である、請求項1記載の方法。
【請求項21】
シクレソニドが主にRエピマーからなる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
シクレソニド、その製剤学的に認容性の塩、溶媒和物又は生理学的に機能的な誘導体の、児童患者における呼吸器疾患の治療又は予防のための医薬品の製造のための使用であって、医薬品が20〜200μgのシクレソニドの用量で投与される使用。
【請求項23】
児童が思春期前のヒトである、請求項22記載の使用。
【請求項24】
児童が6〜12歳のヒトである、請求項22記載の使用。
【請求項25】
医薬品が、用量20、40、60、80、100、120、140、160、180又は200μgのシクレソニドで投与される、請求項22記載の使用。
【請求項26】
医薬品が、用量40、80、160μgのシクレソニドで投与される、請求項22記載の使用。
【請求項27】
用量が、持続的な治療計画における日用量である、請求項22記載の使用。
【請求項28】
治療期間が1日より長い、請求項27記載の使用。
【請求項29】
治療期間が1週間より長い、請求項28記載の使用。
【請求項30】
患者の成長率に影響を及ぼさない、請求項22記載の使用。
【請求項31】
医薬品が、製剤学的に認容性の担体及び/又は1種以上の賦形剤を含有する、請求項22記載の使用。
【請求項32】
シクレソニドが、[11β,16α(R)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、[11β,16α(S)]−16,17−[(シクロヘキシルメチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、[11β,16α(R,S)]−16,17−[(シクロヘキシル−メチレン)ビス(オキシ)]−11−ヒドロキシ−21−(2−メチル−1−オキソプロポキシ)プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、16α,17−(22R)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン、16α,17−(22S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン及び16α,17−(22R,S)−シクロヘキシルメチレンジオキシ−11β,21−ジヒドロキシプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオンの群から選択される、請求項22記載の使用。
【請求項33】
一日一回の投与計画を含む、請求項22記載の使用。
【請求項34】
医薬品が吸入による投与に適している、請求項22記載の使用。
【請求項35】
組成物が、治療学的有効量のシクレソニドと、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及びそれらの混合物から有利には選択されるヒドロフルオロカーボン噴射剤を含有し、かつ補助溶剤をシクレソニドの溶解に有効な量で含有し、場合により界面活性剤を含有するエーロゾル医薬製剤である、請求項34記載の使用。
【請求項36】
補助溶剤がエタノールである、請求項35記載の使用。
【請求項37】
組成物が、シクレソニドの粒子を治療学的有効量で含有し、かつ1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン及びそれらの混合物から有利には選択されるヒドロフルオロカーボン噴射剤を含有し、かつ噴射剤に対して0.01〜5%(質量/質量)の極性補助溶剤と、場合により界面活性剤を含有するエーロゾル医薬製剤である、請求項34記載の使用。
【請求項38】
組成物が乾燥粉末であり、かつ担体がサッカライドである、請求項34記載の使用。
【請求項39】
担体がラクトース一水和物である、請求項34記載の使用。
【請求項40】
呼吸器疾患が、喘息、夜間喘息、運動誘発性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性でゼーゼーと音が出る気管支炎、肺気腫、気道感染症及び上部気道疾病、鼻炎、アレルギー性鼻炎及び季節性鼻炎の群から選択される、請求項22記載の使用。
【請求項41】
呼吸器疾患が軽度又は中程度の喘息である、請求項22記載の使用。
【請求項42】
シクレソニドが主にRエピマーからなる、請求項22記載の使用。

【公開番号】特開2012−197306(P2012−197306A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137341(P2012−137341)
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【分割の表示】特願2006−525842(P2006−525842)の分割
【原出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(507229021)ニコメッド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (90)
【氏名又は名称原語表記】Nycomed GmbH
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2, D−78467 Konstanz, Germany
【Fターム(参考)】