説明

呼吸補助器械

本発明は、呼吸補助器械内に存在する内部導管をクリーニングする便利且つ有効な方法を実施できる呼吸補助器械を提供する。呼吸補助器械は、好ましくは、ガス供給及び加湿装置である。クリーニング方法は、特にガス供給及び加湿装置内に存在する内部エルボ導管を消毒するのに必要な訓練が最小限であるように自動化された消毒方法である。したがって、ガス供給及び加湿装置を取り外す必要は無く、したがって、ガス供給及び加湿装置の内部部品の不注意による損傷が回避される。本発明は又、加熱呼吸導管及び患者インターフェイスを消毒する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる患者ごとに消毒して再使用することができるガス供給及びガス加湿器械に関する。本発明は又、一人の患者にしか使用できなかった器械部品の寿命を延ばす器械部品の消毒方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の呼吸を助ける多くの方法が当該技術分野において知られている。持続的気道内陽圧法(CPAP)では、通常は鼻マスクにより空気を圧力下で患者に投与する。これは、いびきや閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)、即ち、吸息中上気道の虚脱の繰り返しという特徴を呈する状態の治療に用いられる。陽圧は、上気道を開放状態に支え、その虚脱を阻止する。鼻CPAPによるOSAの治療は、効果的であると共に安全であることが分かったが、CPAPは、使い方が難しく、患者の大多数は、特に治療の初期段階において相当重い副作用を経験する。
【0003】
CPAPは又、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む種々の呼吸器疾患のある患者に一般的に用いられている。
【0004】
上気道症状は、CPAPによる治療に悪影響を及ぼす。粘膜の乾燥は、不快であり、夜中に患者を覚醒させる場合がある。リバウンドとしての鼻充血は一般に、次の日に起こり、見掛け上ウイルス感染状態を呈する。治療しなければ、上気道症状は、使用率に悪影響を及ぼす。
【0005】
鼻の中における抵抗の増大は、咽頭に送られるCPAP治療レベルに悪影響を及ぼし、治療の有効性を減少させる場合がある。CPAPを利用した各患者について個別的な圧力が決定され、この圧力は、患者インターフェイスのところで設定される。鼻の中の抵抗の変化は、咽頭に送られる圧力に影響を及ぼし、変化が十分な大きさのものである場合、いびき又は気道虚脱の再発が生じる場合があり又は肺に与えられる圧力のレベルが減少する場合がある。かかる症状は、患者が人工呼吸器を付けている病院環境においても生じる場合がある。典型的には、かかる状況では、患者は、挿管される。したがって、喉の組織が、刺激された状態になって炎症を起こす場合があり、それにより、患者が困窮すると共に場合によっては別の呼吸上の問題が生じる。
【0006】
かかる症状を治療する多くの方法を採用でき、かかる方法としては、鼻疾患を軽減するための薬理学的薬剤の使用又は寝室を暖房することが挙げられる。最も一般的に採用されている方法の1つは、インライン型加湿器を用いる吸入空気の加湿である。2つの形式の加湿器が現在用いられている。コールドパスオーバー型加湿器は、広い表面積をもつ状態にある水に当てることにより空気を加湿する方式を有している。これらは安価であるが、湿度出力は、高流量では低く、典型的には、250L/分よりも高い流量では2〜4mg/L絶対湿度である。出力は、粘膜乾燥を阻止するには不十分である。加熱水浴型加湿器は、これよりも効率が高く、高流量でも高レベルの湿度を生じさせる。これら加湿器は、上気道粘膜乾燥を阻止するのに効果があり、鼻内抵抗の増大を阻止し、上気道症状を治療する最も信頼性の高い手段である。
【0007】
酸素は、入院患者に処方される最も一般的な薬剤である。鼻カニューレ又はフェースマスクを介する酸素の投与は、息切れを訴える患者の恵みとなる。吸息酸素の割合を増やすことにより、酸素療法は、呼吸のための労力を軽減し、結果としての低酸素症(組織中の酸素のレベルが低いこと)を矯正することができる。
【0008】
この酸素療法の持続時間は、根源的又は潜在的な疾患で決まる。例えば、術後患者は、手術からの回復中、酸素を受け入れるというに過ぎない場合があり、他方、COPDに罹っている患者は、毎日16〜18時間酸素を必要とする。
【0009】
現在、1600万人以上の成人は、最も一般的には数十年間にわたる喫煙により引き起こされる肺気腫及び慢性気管支炎と主として関連した非可逆性の気道の制限を特徴とする肺疾患のグループを説明する包括的な用語であるCOPDに罹患している。気道制限が並程度に進むと、これは、身体的労作無しに恒久的な息切れとなって現われる。気管気管支、心不全、更に環境曝露のような状況は、急性息切れが管理下にあるようになるまで入院を必要とするCOPDの増悪を招く場合がある。COPDの急性増悪中、患者は、呼吸の困難度(息切れ)の増大、低酸素症、痰の量及び化膿の増加及び咳の増加を経験する。
【0010】
酸素療法は、生体器官不全の恐れを減少させると共に呼吸困難症を軽減することにより、COPDの急性増悪が生じている低酸素性の患者にとって多くの利益をもたらす。酸素療法と関連した主要な合併症は、高炭酸ガス結晶(血中二酸化炭素レベルの増加)及びその結果としての呼吸不全である。したがって、酸素投与量は、重要な場合があり、正確に知られなければならない。
【0011】
患者に与えられる酸素投与量を正確に制御するため、酸素に富んだガスは、室内空気の同伴を阻止すると共に酸素の希釈を阻止するために患者のピーク吸息流量を超えなければならない。これを達成するため、20L/分を超える流量が、一般的である。乾燥ガスのかかる流量は、鼻カニューレによって送り出された場合、鼻内通路及び気道の脱水及び炎症を生じさせる。このようなことが起こるのを回避するため、加熱型加湿器が用いられる。
【0012】
酸素療法又は単に患者へのガスの送り出しに用いられるシステムの大部分は、ガス供給手段と、加湿器と、導管とから成っている。インターフェイスは、フェースマスク、口マウスピース、気管切開入口及び鼻カニューレを含み、鼻カニューレには、フェースマスクよりも快適であり且つ許容できるという利点がある。
【0013】
加湿療法の恩恵を受けるグループの患者は、粘液線毛クリアランスが欠乏している患者である。これら患者は、粘液が化膿している場合が多く、病原体による感染を受けやすい。
【0014】
水粒子が豊富な加熱加湿空気は、病原体を運ぶ病気をかくまう理想的な媒体である。その結果、水粒子を気相のみで送り出して病気の病原体を空気で患者に運ぶことができないようにする能動的パスオーバー型加湿器を市場に出すには相当な設計上のノウハウが必要であった。治療セッションの終わりで呼吸回路又は導管の内面上に凝縮する水は、患者が加湿器を用いる次回に患者に送り出される病原体をかくまう場合がある。これは、患者が体温において十分に飽和した空気を受け入れている加湿療法の場合に特にそうである。
【0015】
病院又はこれに類似した環境では、ガス供給装置、例えば、CPAPを送り出すと共に加湿器を有する装置は、多数の患者が使用できなければならない場合が多い。かかる装置がこのように用いられる場合、加湿チャンバから患者インターフェイスまで(これを含む)の全ての部品は、異なる患者による使用相互間で処分されなければならず又は高い消毒基準までクリーニングされなければならない。CPAP装置及び加湿器は一体形ユニットの状態で、例えば、フィッシャー・アンド・ペイケル・ヘルスケア・リミテッド(Fisher & Paykel Healthcare Limited)のSleepstyle(登録商標)600系列のCPAP装置の状態で提供される場合が多い。このCPAP装置は、主として、個人による家庭使用に供される。この装置は、加湿チャンバの出口から延びていて、消毒するのが困難な内部チューブを有する。これら装置は、消毒するのが困難なので、多数の患者が装置を用いることになる施設、例えば病院又は診療所では用いられない場合が多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
家庭使用状況では、酸素療法とCPAP装置が1人の患者によって用いられる場合、呼吸チューブ及び患者インターフェイスの予想耐用年数は、部品の機械的予想耐用年数及びこれら部品の呼吸ガス回路経路への微生物病原体の付着堆積度によって決定される。これら部品の呼吸ガス表面に対する微生物による汚染を減少させることは、困難である場合が多い。
【0017】
本発明の目的は、上述の欠点を解決する手立てを提供し又は少なくとも一般大衆又は業界に有用な選択肢を提供する呼吸補助器械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様は、加湿されたガスを患者に送り出すようになった呼吸補助器械であって、
ハウジングを有し、
ハウジング内に設けられたガス供給手段を有し、
ハウジングに設けられていて、ガス供給手段と流体連絡関係にあり、ガスを加湿器に供給するために加湿器の入口と流体連絡関係をなすようになったガス出口を有し、
加湿器に設けられた出口を有し、
ハウジングに設けられた患者側出口を有し、
ハウジングに設けられていて、加湿ガスを加湿器から受け入れて加湿ガスを患者側出口に送るために加湿器出口と流体連絡関係をなすようになったガス戻り部を有し、患者側出口は、加湿ガスを患者に送り出す呼吸導管と流体連絡状態にあり又はこの呼吸導管と流体連絡関係をなすようになっており、
発熱体を備えていて、ガス出口と患者側出口を連結するようになった加熱型ガス導管を有することを特徴とする呼吸補助器械である。
【0019】
好ましくは、ガス戻り部内には、ガス戻り部を通って流れるガスの温度を検出する温度センサが設けられる。
【0020】
好ましくは、呼吸補助器械は、ガス戻り部から出たガスを濾過するためにガス戻り部に連結可能なフィルタを更に有する。
【0021】
本発明の第2の態様は、呼吸補助器械を消毒する方法であって、呼吸補助器械が、ガスの流れを所定圧力状態で患者に供給することができると共にガスを患者に供給する導管に電力を与えることができるガス供給手段を有する、方法において、
発熱体を備えた加熱型ガス導管をガス供給手段の出口と患者への出口との間に連結するステップを有し、
ガス供給手段は、所定期間にわたり、所定流量のガスを消毒導管に送り、
ガス供給手段は、電力を発熱体に供給するコントローラを備え、コントローラにより、発熱体は、加熱型ガス導管を所定温度まで加熱することを特徴とする方法である。
【0022】
好ましくは、所定期間は、2〜60分である。
好ましくは、所定期間は、約30分である。
好ましくは、所定温度は、60〜90℃である。
【0023】
好ましくは、所定温度は、約80℃である。
好ましくは、所定循環流量は、毎分1〜50リットルである。
好ましくは、所定循環流量は、毎分約10リットルである。
【0024】
本発明の第3の態様は、呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法であって、呼吸導管及び患者インターフェイスが、呼吸補助器械に連結されており、呼吸補助器械が、ガスの流れを所定圧力又は所定流量で患者に供給することができるガス供給手段を有すると共にガスを患者に供給する呼吸導管に電力を与えることができ、呼吸補助器械が、加湿チャンバ及びチャンバ内の水を加熱することができるヒータを有し、呼吸導管が、発熱体を備えている、方法において、
水をチャンバから除去するステップを有し、
ガス供給手段は、所定流量のガスを所定期間にわたり、チャンバと呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方とに給送し、
ガス供給手段は、電力をヒータ及び発熱体に供給するコントローラを有し、コントローラにより、ヒータ及び発熱体は、呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方に供給されるガスを所定温度まで加熱し、それにより呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を乾燥させてこれを消毒すると共に呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方内における細菌の堆積を阻止することを特徴とする方法である。
【0025】
好ましくは、所定の期間は、30〜120分である。
好ましくは、所定の期間は、約90分である。
好ましくは、所定温度は、40〜75℃である。
好ましくは、所定温度は、40℃である。
【0026】
好ましくは、本方法は、加熱ガスが呼吸導管内を流れるようになる前に、キャップを呼吸導管に取り付けるステップを有する。
好ましくは、本方法は、患者インターフェイスをエンクロージャ内に配置するステップを有する。
【0027】
本発明と関連した当業者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく本発明の多種多様な実施形態及び用途における構成の多くの変更を想到できよう。本明細書における開示内容は、純粋に例示であり、本発明を何ら限定するものではない。
【0028】
本明細書において、特許明細書、他の外部文書又は他の情報源の参照が行われた場合、これは、一般に、本発明の特徴を説明する前後関係を提供する目的のためである。特に断らない限り、かかる外部文章の参照は、かかる文章又はかかる情報源がどの諸官庁においても、先行技術を構成し又は当該技術分野における通常の知識の一部を形成するという承認と解されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、添付の図面を参照して本発明の好ましい形態を説明する。
本発明は、呼吸補助器械であって、この器械内に存在する内部導管をクリーニングする便利且つ有効な方法を実施する呼吸補助器械を提供する。図1に示すように、ガスの流れは、ガス供給手段又は流れ駆動装置(例えば、ブロワ、ファン又は圧縮機)、加湿チャンバ、加熱送り出し回路及び患者インターフェイスを順番に通る。
【0030】
さらに、本発明は、加熱型呼吸導管及び患者インターフェイスを消毒する方法を提供する。
ガスは、患者インターフェイス2を経て患者に送られる。本発明の装置に用いられる患者インターフェイスは、フルフェースマスク、鼻マスク、鼻カニューレ、経口マウスピース又は気管切開連結部であるのが良いが、以下の説明及び図面は、鼻カニューレの使用を開示している。
【0031】
図1を参照すると、本発明の呼吸補助器械が示されており、この図では、患者1は、鼻カニューレ2を介して加湿加圧ガスを受け入れている。カニューレ2は、ガス運搬経路又は吸息導管3に連結され、この吸息導管は、一体形ガス供給手段(ブロワ)と加湿装置4(加湿チャンバ5を含む)に連結されている。ブロワ型加湿装置4の好ましい実施形態では、ガス供給手段又はブロワは、一ハウジング内で、加湿器及び加湿チャンバと組み合わされている。加湿チャンバ5は、ハウジング10から延び出ており、使用にあたり、これを患者又は他のユーザが取り外したり元に戻したりすることができる(例えば、フィッシャー・アンド・ペイケル・ヘルスケア・リミテッドの国際公開第04/024429号パンフレット(この特許文献を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする)に記載されているスライドオン動作により)。また、加湿チャンバ5の入口にガスを供給するガス供給出口ポート11(図2参照)が、ハウジング10の内部に設けられている。理解されなければならないこととして、ハウジングに関して上述した実施形態及び図は、一体形ガス供給及び加湿装置のハウジングの一形態を示しているに過ぎない。
【0032】
吸息導管3(図1参照)は、所与の量の水6を収容した加湿チャンバ5の出口8に連結されている。吸息導管3は、好ましくは、加熱手段又はヒータワイヤ7を収容しており、かかる加熱手段又はヒータワイヤは、導管の壁を加熱して導管及び患者インターフェイス(例えば、鼻カニューレに)、例えば、フィッシャー・アンド・ペイケル・ヘルスケア・リミテッドの国際公開第04/026382号パンフレットに記載されている導管内における加湿ガスの凝縮を減少させる。なお、かかる国際公開を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0033】
加湿チャンバ5は、好ましくは、プラスチック材料で作られ、この加湿チャンバは、ヒータプレート25と直接的な接触状態にある熱伝導率の高いベース(例えば、アルミニウムベース)を有するのが良い。装置4は、制御手段又は電子コントローラを備え、この制御手段又は電子コントローラは、関連のメモリ内にストレージされたコンピュータソフトウェア指令を実行するマイクロプロセッサ利用コントローラから成るのが良い。コントローラは、例えばユーザ入力手段又はダイヤル(図示せず)のような源からの入力を受け取り、かかるユーザ入力手段又はダイヤルを介して、装置4のユーザは、例えば、患者1に供給されるガスの湿度又は温度の所定所要の値(設定値)を設定することができる。
【0034】
ダイヤル(又はボタン)及び他の考えられる入力、例えばガス流量又は温度を検出する内部センサを介して又はコントローラで計算されたパラメータによって入力されたユーザ設定湿度又は温度値に応答して、コントローラは、加湿チャンバ5内の水6を加熱するためにヒータプレートにいつ通電するか(又は、どのレベルまで通電するか)を決定する。加湿チャンバ5内の所与の量の水6を加熱すると、水蒸気が水の表面上のチャンバの容積部を満たし始め、そして加湿チャンバ出口8から流出し、ガス(例えば、空気)の流量は、装置4の背部に設けられた入口9を介して装置4に入る装置のブロワ部分から得られる。
【0035】
装置4内のガス供給手段は、好ましくは、ブロワ入口9を通って空気又は他のガスを引込む変速ポンプ又はファンである。変速ポンプ又はファンの速度は、好ましくは、ユーザにより装置4にエンターされた入力に応答して上述した制御手段又は電子コントローラによって制御される。
【0036】
装置の消毒
ガス供給及び加湿装置4の部分組立て分解図が、図2に示されている。装置4は、ハウジング10に設けられたガス戻り部である入口端部13及びハウジング4の患者側出口である出口端部8を備えたエルボ型の連結導管12を有する。導管12は、加湿チャンバ5から加湿ガスを受け入れるために設けられており、したがって、入口端部13は、加湿チャンバの出口15に連結されている。加湿ガスは、導管の出口端部8から、患者への送り出しのための呼吸導管3(図1参照)内に差し向けられる。エルボ型連結導管12は、ハウジング4内の定位置に永続的に固定されることが好ましい。
【0037】
これら装置が病院、睡眠実験室で用いられ又は短期間家庭ユーザのためにホームケア会社及び病院によって賃貸しされる場合、多数のユーザにはこれら装置を用いるための要件が課される。
【0038】
かかるガス供給及び加湿装置4を多数の患者に用いるためには、装置内に一体化されたエルボ型導管12には、これを用いる互いに異なる患者相互間で実施される高レベルの消毒プロセスが施されなければならない。使いやすくするため、エルボ型導管12を取り外すことができる場合であっても、又、装置4の内部部品の分解及び潜在的な損傷を回避するために、エルボは、現場で消毒されることが必要である。これは、エルボを取り外し、これをクリーニングし、そしてこれを再び連結することは実際的ではない場合が多いからである。エルボを取り外すことが実際的ではない理由は、エルボが、電気コネクタ等を備えている場合があるということにある。さらに、多大な労力及び高い技術レベルが必要なので、エルボを取り外すことが信頼性の乏しいクリーニング法になり、しかも、装置が信頼性の乏しいものになる場合がある。
【0039】
装置4の他の部分、例えばガス供給出口11も又、患者相互間で高レベルの消毒を必要とする場合があるので、本発明の恩恵を受ける場合がある。
【0040】
現在、高レベルの消毒は、熱的プロセスが化学的プロセスかのいずれかによって行われている。熱的消毒は、通常、熱水又は高温蒸気中に浸漬させることによって行われ、化学的消毒は、器具用消毒薬中に浸漬させきることによって行われる。これらプロセスには、例えば本発明のガス供給及び加湿装置4のような装置の高レベル消毒にとっては欠点がある。というのは、かかる装置を浸漬させることができず、蒸気滅菌することができず、又は、容易に化学的に消毒することができないからである。
【0041】
熱による消毒の別のオプションは、高温乾燥空気である。本発明は、特にエルボ型導管12の消毒を可能にするよう装置4に用いることができる加熱型ガスチューブ(消毒導管)の提供である。消毒導管14が、図3に示されている。エルボ型導管12を消毒するため、消毒導管14の第1の端部17が、ガス供給出口11に連結され、第2の端部18が、エルボ型導管12の出口端部8に連結されている。消毒導管14は、好ましくは、消毒導管14の壁内に、これら壁を貫通して外に又はかかる壁周りに設けられた発熱体又は加熱エレメント19を有している。例えば、消毒導管14は、フィッシャー・アンド・ペイケル・ヘルスケア・リミテッドの国際公開第04/026382号パンフレットに記載されているようなチューブの一部であるのが良く、エルボ型導管12及びガス供給出口11への連結を可能にするのに適したコネクタがチューブの両端部に設けられている。
【0042】
取り外し可能な排気ガスフィルタ20がエルボ型導管12の入口端部13に取り付けられることが好ましい。このフィルタ20は、図5及び図6に詳細に示されている。図5では、フィルタハウジング21が、入口端部13周りに配置されるのが良い。フィルタハウジング21は、好ましくは、プラスチック材料で作られ、かかるフィルタハウジングは、入口端部13に単に取り外し可能に取り付けられるのが良く、摩擦嵌めによりこの入口端部13に取り付けられたままである。好ましくは円形のフィルタ材料片(この図には示されていない)が、フィルタハウジング21の内部に嵌まっているので入口端部13を閉塞しており、したがって、図3を参照して説明した消毒導管と共に使用されているとき、入口端部13(患者側戻り部13)を出たガスが、濾過され、その後周囲環境に出ていくようになっている。
【0043】
図6を参照すると、フィルタハウジング21が、詳細に示されている。好ましくは、突起22が、フィルタ20及びハウジング21に設けられている。この管状突起22は、入口端部13内に嵌まっており、フィルタハウジング21は、突起22の周りに且つ入口13の端部上に位置する。突起22は、加熱ガスが入口端部13を出る箇所で(消毒導管14が上述したように定位置にあるとき及び使用中)ガス速度を増大させる目的を有している。これは、流出ガスの排出温度を最大にすると共に出口箇所のところで温度低下を最小限に抑えるという効果を有する。これにより、エルボ型導管12全体にわたって高レベルの消毒が行われるようになる。使用にあたり、加熱ガスは、突起22の球形端部23周りにこれに沿って流れ、管状入口端部の側部に沿ってこれを下って(矢印Aの方向に)突起22に設けられている孔(図示せず)を通り、フィルタ材料20を通り、そしてフィルタハウジング20を通過して周囲環境中に流れる。
【0044】
消毒導管14を上述したようにガス供給出口11と患者側出口8との間に連結すると、装置4をクリーニングモードにすることができ、それにより、乾燥ガス、例えば空気が、消毒導管14及びエルボ型導管12を通って循環する。循環ガスは、消毒導管によって80℃の温度まで加熱されることが好ましい。しかしながら、60℃〜90℃の温度が適していると言える。
【0045】
消毒導管14の両端部17,18のところのコネクタは、好ましくは、空気圧継手を有する。好ましくは、消毒導管14の第2の端部18は、導管14内の発熱体19に装置4から電力を供給することができるように電気接続部を有している。装置の他の形態では、両端部17,18は、電気接続部及び空気圧連結部を有するのが良い。
【0046】
装置4、特に、装置4内に設けられていて、上述したようにヒータプレートの加熱具合を制御するコントローラは、発熱体19の温度を制御することができる。
【0047】
装置4は、好ましくは、コントローラがガスの流量、例えば、毎分1〜50リットルを消毒導管14に給送すると同時に電力を発熱体19に供給して導管14を通って循環するガスの温度が80℃まで増大するようにする構成を有する。すると、コントローラは、発熱体19に供給される電力を維持し、加熱乾燥ガスがエルボ型導管12を消毒するために、導管12内に所定の温度を所与の期間、好ましくは20分間維持する。
【0048】
したがって、使用中、患者が本発明の装置4を用いた後、及び次の患者がこれを用いる前に、患者、病院スタッフ又はホームケア供給業者は、上述したように消毒導管14を装置4に連結して装置4をクリーニングモードにするのが良い。一例として、人が、装置に設けられていて、コントローラが電力を発熱体に供給すると共にガスを設定された期間にわたり所定の温度で消毒導管に供給するようにするボタンを作動させることにより、装置をクリーニングモードにするのが良い。装置を消毒する好ましい方法では、エルボ型導管内の表面温度が20分の期間にわたり最低80℃に達し、エルボ型導管を通って循環可能に提供される流量が毎分約10リットルであることが好ましい。しかしながら、毎分1〜50リットルの他の適当な循環流量、他の適当な期間及び温度を用いることができる。
【0049】
本発明の好ましい形態では、エルボ型導管12内には、例えば図7に示すように温度センサ24を設けることが好ましい。しかしながら、本発明の他の形態では、エルボ型導管は、かかるセンサを備えていなくても良い。
【0050】
好ましい形態では、このセンサは、導管12を通って流れるガスの温度を測定する。特に、消毒方法の好ましい形態では、消毒プロセスの開始時に、装置4内に設けられたコントローラ又はエレクトロニクスは、消毒導管が装置4に正しく連結されるようにするために幾つかの点検を行う。第1に、点検は、エルボ型導管12を通る加熱ガスの流れが存在することを確認するために行われる。装置4により供給されるガス流及び消毒導管14の発熱体19を両方共ターンオンしたとき、加熱ガス流は、エルボ型導管12内の内部温度センサ24により測定される。所定期間後、発熱体19を装置4のガス流がオンのままの状態でターンオフする。次の所定期間後、エルボ型導管12内の温度センサ24によって再び測定する。温度は、測定相互間で低下していることが予想される。これにより、流れ源をエルボ型導管12に連結するガス供給手段の流体連絡状態が存在することが分かる。
【0051】
測定相互間の温度の上昇及び温度の低下がセンサ24によって検出されない場合、誤り警報が装置によって出され又は可聴的に取り次がれ、それにより、消毒導管14が装置4に正しくは連結されていないことが分かる。
【0052】
ガス流量、装置4外部の周囲温度(装置4内に周囲空気温度センサが組み込まれている場合)及び発熱体19に電力供給する期間が分かると、上述した加熱期間及び非加熱期間について予想温度を計算することができる。次に、予想温度を温度センサからの実際の測定温度と比較するのが良い。これらが一致する場合、点検が完了し、消毒導管14と発熱体19を互いに連結し、これらが正しく働く。次に、上述した消毒方法をクリーニングモードで開始する。
【0053】
本発明の別の実施形態では、消毒導管は、エルボ型導管内に温度内部センサを備えていないブロワ付き加湿装置に用いることができる。この実施形態では、所定のガス流は、消毒導管を通って流れ、所定の電力が、消毒導管内の発熱体に供給される。周囲条件は、既知である。所定のガス流量及び供給する所定の電力は、エルボ型導管内の内部表面温度が或る範囲の周囲条件に関し、高レベルの消毒を可能にするのに必要な温度を超えるように決定される。所定温度及び所定電力は、好ましくは、試験等で決定される。
【0054】
上述の消毒方法は、米国マサチューセッツ州レッドフォード所在のトキシコン・コーポレイション(Toxkon Corporation)の独立実験室によって実証された。
【0055】
上述したような消毒方法は、エルボ型導管を消毒するのに必要な訓練が最小限であり、しかもガス供給及び加湿装置を取り外す必要は無く、したがって、ガス供給及び加湿装置の内部部品の不注意による損傷が回避されるように自動化される。
【0056】
また、消毒期間中、エルボ型導管の内部表面温度は、各消毒サイクルの有効性を立証することができ、消毒完了記号が、消毒プロセスの完了時にディスプレイ上に示されるように連続的にモニタされる。変形例として、消毒サイクルの有効性が立証されなかった場合、消毒の失敗を表す記号を表示してユーザ又はオペレータに警報を出すのが良い。
【0057】
吸息導管及び患者インターフェイスの消毒
本発明のブロワ形加湿装置4の第2の形態では、吸息導管3及び(又は)患者インターフェイス2を消毒する方法が開示される。
【0058】
図1を参照すると、上述したように、好ましくは、吸息導管3内には加熱手段又はワイヤ7が設けられる。導管3内のワイヤ7は、導管をクリーニングして消毒するのが困難であり又は危険である場合のあることを意味している。したがって、患者による導管の長期間にわたる使用の結果として、導管内部には微生物による高い汚染度が生じる。その結果、導管3の連続使用により患者の感染の恐れが存在する。したがって、患者が相当な期間にわたり吸息導管3及び患者インターフェイス2を再使用する家庭用途の場合、導管3及び患者インターフェイス2をクリーニングして消毒する方法を提供することが好ましい。
【0059】
図1に示すように、標準型の形態では、ブロワ付き加湿装置は、装置4の患者側出口8に連結された加熱型呼吸導管(吸息導管3)と共に用いられる。患者インターフェイス2は、導管3の他端部に連結される。
【0060】
消毒方法では、導管及びオプションとして患者インターフェイス中にドライヒート(乾燥加熱作用)を及ぼして導管及び患者インターフェイスを加熱すると共に乾燥させ、その結果、細菌及び微生物を殺してこれらが乾燥条件下で繁殖することができないようにする。患者が自分の治療を完了した後(例えば、毎朝後)、患者は、加湿チャンバを空にし、例えば装置4に設けられているボタンを押し、それにより制御シーケンス又はアルゴリズムを実行する。制御シーケンス又はアルゴリズムは、好ましくは、コントローラ(上述した)にストレージされている。装置4のボタンは、制御シーケンスを実行させることができるが、シーケンスを実行させる他の手段を設けても良く、例えばこの装置は、治療の完了(例えば患者のインターフェースの取り外し)が検出され、装置のコントローラによって加湿チャンバが空になっていることが検出された後の所定の時点において導管消毒制御シーケンスを自動的に実行することができる。次に、コントローラは、ヒータプレート25を制御して加湿チャンバ5への熱を維持し、ブロワ4は、引き続きガスをチャンバ5に供給して、加熱状態の乾燥ガスがチャンバ5を通って導管3に流れるようにする。それと同時に、加熱手段又はワイヤ7への電力を維持して導管3内のガスに追加の熱を与える。ガスの加熱は、好ましくは、約40℃の状態であり、チューブからの出口温度は、40℃〜75℃である。消毒及び加熱シーケンスは、好ましくは、30〜120分間続く。
【0061】
具体的に説明すると、加湿チャンバのヒータは、戻りエルボ(入口端部13)内のガスの温度が40℃に達するまでガスを加熱する。加熱型呼吸導管内の加熱用ワイヤは、導管の患者側端部のところの温度センサが約50℃に達するまで導管を下って流れる空気を加熱する。他の具体化例では、この温度を70℃という高い温度まで上昇させることが可能である。
【0062】
この方法の幾つかの形態では、キャップを加熱型呼吸導管3の患者側端部に取り付ける(患者インターフェイス2に代えて)。キャップにより、加熱されたガスは、導管内に蓄積することができ、それにより消毒プロセスの有効性が増大する。キャップの目的は、患者が患者インターフェイスを着用しないようにすることにある。装置4のコントローラは、キャップが導管3の遠位端部に取り付けられると、患者インターフェイスが導管3の端部に取り付けられた場合の特性と比較して、ガスの異なる圧力及び流れ特性によってこれを判定することができる。確実に患者に連結されてはいないということにより、加熱型呼吸導管内の空気を安全なガス呼吸温度を優に超える温度まで加熱することができ、それにより、消毒プロセスの効率が向上する。
【0063】
この方法の他の形態では、患者インターフェイス2を導管3の遠位端部のところの定位置に置いたままにし、加熱且つ乾燥したガスにさらす。別の形態では、消毒プロセス中の患者インターフェイス2を、増大した熱の蓄積が患者インターフェイス内で起こることができるようにする容器内に収納するのが良く、この場合も又、消毒の有効性が向上する。インターフェイスを容器内に入れることにより、患者が呼吸のためにインターフェイスを用いることができないようにすることができ、制御装置は、この場合も又、圧力流れ特性が異なっているので、患者に連結されていないことを検出することができる。次に、加熱型呼吸導管を安全なガス呼吸温度を優に超える温度まで加熱するのが良い。この場合も又、これにより消毒プロセスの効率が向上する。
【0064】
この消毒プロセスの目的は、ガスがパスオーバーする内面上における微生物の汚染を低下させることにより加熱型呼吸導管の有効寿命を延ばすことにある。加熱型呼吸導管を定期的にクリーニングしなかった場合及びこれが内部加熱用ワイヤで困難な場合、微生物は、導管の表面の内側が細菌繁殖状態になるレベルまで増加する場合があり、それにより、導管の有効寿命が短くなり、治療が患者にとって一層不便になる。
【0065】
消毒プロセス無しで、通常の使用により2箇月間家庭で患者によって加熱型試験導管について試験を実施した。次に、導管を汚染があるかどうかについて検査した。その結果は、導管内の汚染は、導管を使用上危険にする細菌汚染レベルに達していた。
【0066】
また、上述したように、同一の条件で2箇月間使用した同一の加熱型呼吸導管について試験を実施した。次に、導管を上述したドライヒート消毒方法により処理した。結果は、細菌による汚染は、導管を引き続き安全に使用することができるレベルまで減少した(処理されなかった導管と比較して)。
【0067】
ドライヒートによるこの消毒方法は、細菌による汚染を導管が引き続き患者により使用可能なレベルまで効果的に減少させることができるということを示している。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の消毒方法を利用することができる呼吸補助器械の略図である。
【図2】本発明の呼吸補助器械のエルボ型連結導管の分解組立て図である。
【図3】本発明の高温ガスチューブ(消毒導管)及びフィルタ連結部を備えたガス供給及び加湿器械の正面図である。
【図4】消毒導管が省かれていて、患者によっていつでも使用できる状態の図3のガス供給及び加湿器械の正面図である。
【図5】呼吸補助器械のガス戻り部を覆って設けられたフィルタを備える呼吸補助器械の斜視図である。
【図6】フィルタを備えたガス戻り部、特に、フィルタカバー及びガス戻り部内に延びる突起の拡大図である。
【図7】ガス戻り部及びガス戻り部内に位置する温度センサを示すガス供給及び加湿器械の正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿されたガスを患者に送り出すようになった呼吸補助器械であって、
ハウジングを有し、
前記ハウジング内に設けられたガス供給手段を有し、
前記ハウジングに設けられていて、前記ガス供給手段と流体連絡関係にあり、ガスを加湿器に供給するために前記加湿器の入口と流体連絡関係をなすようになったガス出口を有し、
前記加湿器に設けられた出口を有し、
前記ハウジングに設けられた患者側出口を有し、
前記ハウジングに設けられていて、加湿ガスを前記加湿器から受け入れて加湿ガスを前記患者側出口に送るために前記加湿器出口と流体連絡関係をなすようになったガス戻り部を有し、前記患者側出口は、加湿ガスを患者に送り出す呼吸導管と流体連絡状態にあり又はこの呼吸導管と流体連絡関係をなすようになっており、
発熱体を備えていて、前記ガス出口と前記患者側出口を連結するようになった加熱型ガス導管を有する、呼吸補助器械。
【請求項2】
前記ガス戻り部内には、前記ガス戻り部を通って流れる前記ガスの温度を検出する温度センサが設けられている、請求項1記載の呼吸補助器械。
【請求項3】
前記ガス戻り部から出たガスを濾過するために前記ガス戻り部に連結可能なフィルタを更に有する、請求項1又は2記載の呼吸補助器械。
【請求項4】
呼吸補助器械を消毒する方法であって、前記呼吸補助器械が、ガスの流れを所定圧力状態で患者に供給することができると共にガスを前記患者に供給する導管に電力を与えることができるガス供給手段を有する、方法において、
発熱体を備えた加熱型ガス導管を前記ガス供給手段の出口と前記患者への出口との間に連結するステップを有し、
前記ガス供給手段は、所定期間にわたり、所定流量のガスを消毒導管に送り、
前記ガス供給手段は、電力を前記発熱体に供給するコントローラを備え、前記コントローラにより、前記発熱体は、前記加熱型ガス導管を所定温度まで加熱する、方法。
【請求項5】
前記所定期間は、2〜60分である、請求項4記載の呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項6】
前記所定期間は、約30分である、請求項4記載の呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項7】
前記所定温度は、60〜90℃である、請求項4〜6のうちいずれか一に記載の呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項8】
前記所定温度は、約80℃である、請求項4〜6のうちいずれか一に記載の呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項9】
前記所定循環流量は、毎分1〜50リットルである、請求項4〜8のうちいずれか一に記載の呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項10】
前記所定循環流量は、毎分約10リットルである、請求項4〜8のうちいずれか一に記載の呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項11】
呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法であって、前記呼吸導管及び前記患者インターフェイスが、呼吸補助器械に連結されており、前記呼吸補助器械が、ガスの流れを所定圧力又は所定流量で患者に供給することができるガス供給手段を有すると共にガスを前記患者に供給する前記呼吸導管に電力を与えることができ、前記呼吸補助器械が、加湿チャンバ及び前記チャンバ内の水を加熱することができるヒータを有し、前記呼吸導管が、発熱体を備えている、方法において、
水を前記チャンバから除去するステップを有し、
前記ガス供給手段は、所定流量のガスを所定期間にわたり、前記チャンバと前記呼吸導管及び前記患者インターフェイスのうちの少なくとも一方とに給送し、
前記ガス供給手段は、電力を前記ヒータ及び前記発熱体に供給するコントローラを有し、前記コントローラにより、前記ヒータ及び前記発熱体は、前記呼吸導管及び前記患者インターフェイスのうちの前記少なくとも一方に供給される前記ガスを所定温度まで加熱し、それにより前記呼吸導管及び前記患者インターフェイスのうちの前記少なくとも一方を乾燥させてこれを消毒すると共に前記呼吸導管及び前記患者インターフェイスのうちの前記少なくとも一方内における細菌の堆積を阻止する、方法。
【請求項12】
前記所定の期間は、30〜120分である、請求項11記載の呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法。
【請求項13】
前記所定の期間は、約90分である、請求項11記載の呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法。
【請求項14】
前記所定温度は、40〜75℃である、請求項11〜13のうちいずれか一に記載の呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法。
【請求項15】
前記所定温度は、40℃である、請求項11〜13のうちいずれか一に記載の呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法。
【請求項16】
前記方法は、前記加熱ガスが前記呼吸導管内を流れるようになる前に、キャップを前記呼吸導管に取り付けるステップを有する、請求項11〜15のうちいずれか一に記載の呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法。
【請求項17】
前記方法は、前記患者インターフェイスをエンクロージャ内に配置するステップを有する、請求項11〜16のうちいずれか一に記載の患者導管及び患者インターフェイスのうちの少なくとも一方を消毒する方法。
【請求項18】
添付の図面を参照して明細書において説明した呼吸補助器械。
【請求項19】
添付の図面を参照して明細書において説明した呼吸補助器械の消毒方法。
【請求項20】
添付の図面を参照して明細書において説明した加熱呼吸導管及び患者インターフェイスのうちの一方を消毒する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−519093(P2009−519093A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545524(P2008−545524)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/NZ2006/000330
【国際公開番号】WO2007/069922
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(504298349)フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド (41)