説明

呼吸音解析装置、呼吸音解析方法、および呼吸音解析プログラム

【課題】誤嚥などの異常の検出精度を高めた呼吸音解析装置、呼吸音解析方法、および呼吸音解析プログラムを提供する。
【解決手段】呼吸音解析装置11は、所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得部31と、呼吸音情報取得部31が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出部35と、呼気音抽出部35が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出部36とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出する呼吸音解析装置、呼吸音解析方法、および呼吸音解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、食べ物や唾液などが通過する器官を示す人体の側断面図である。
【0003】
食べ物や唾液などを口腔91から咽頭部92に飲み込むと、その食べ物や唾液などを咽頭部92を経由して食道93に送り込もうとする嚥下の咽頭期の動作が行われる。このとき、嚥下機能が低下した高齢者などは、食べ物や唾液などが声門94を越えて気管95内に入り込んでしまう誤嚥を起こしやすい。また、誤嚥まで至らなくても、声門94の手前まで食べ物や唾液などが入り込んでしまう喉頭侵入、嚥下の咽頭期の動作を行っているのにもかかわらず咽頭部92に食べ物や唾液などが一時的に停滞してしまう咽頭残留、嚥下の咽頭期の動作が行われずに咽頭部92に食べ物や唾液などが一時的に停滞してしまう咽頭貯留を起こすこともある。喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留は、誤嚥につながる可能性がある。誤嚥を繰り返すと誤嚥性肺炎を発症する虞があるため、誤嚥の有無を検査し、誤嚥を起こしやすい場合は適切に対処する必要がある。また、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留を起こす人も、早めに適切に対処する必要がある。
【0004】
従来、誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、または咽頭貯留のうち少なくとも一つの異常(以下、誤嚥などの異常と称する)の有無を検査する方法として、嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査、頸部聴診が知られている。嚥下造影検査は、レントゲンを咽頭部92付近にあてながら、バリウムを混ぜた模疑食品を被験者に実際に食べてもらい、被験者が食べた模疑食品の流れを観察する検査である。嚥下内視鏡検査は、ファイバースコープを用いて、被験者が食べた食べ物の流れを観察する検査である。これらの検査は、食事中の誤嚥などの異常を検査する方法としては有効である。また、頸部聴診は、嚥下の際に生じる嚥下音ならびに嚥下前後の呼吸音を頸部において聴診し、誤嚥などの異常を判定する方法である。この頸部聴診は、上記2つの検査方法と比較してやや検査精度は落ちるものの、食べ物だけでなく唾液による誤嚥などの異常も検査可能であり、また簡便に検査ができるという点で有用な検査方法である。
【0005】
しかし、これらの検査方法は、何れも就寝中の誤嚥を検査する方法としては採用し難い検査方法である。すなわち、就寝中の誤嚥などの異常は、主に唾液が気管95内に入り込むことことで生ずるが、嚥下造影検査では唾液を撮影することができない。また、嚥下造影検査は、レントゲン設備のある施設で行なう必要があり、長時間続けて行うと被験者が被爆する虞があるため、長時間の検査を必要とする就寝中の誤嚥などの異常を検査する方法としては採用できない。嚥下内視鏡検査は、被験者の鼻からファイバースコープを挿入して行う検査であり、被験者の苦痛を伴うため、被験者が就寝している最中に検査することは難しい。頸部聴診は、被験者の負担は少ないものの、被験者が就寝している間、被験者に医師が長時間付き添って検査を行うことになる。このため、医師の負担が大きくなり過ぎてしまい現実的に実施は困難である。
【0006】
また、就寝中の誤嚥を自動的に検出する診断システムとして、特許文献1に記載された診断システムが知られている。この診断システムは、就寝中の被験者の嚥下音を取得し、その嚥下音が発生した回数が健常者と比較して少ない場合には誤嚥を起こしていると判定するものである。この診断システムを用いれば、医師の負担を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO2007/108322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、嚥下音が発生するような嚥下の動作が行われていても結果として誤嚥を起こしていることがある。また、逆に嚥下音が発生していなくても、唾液が正常に食道を通過して胃に到達していることもある。このため、嚥下音の発生回数が少ないからといって一概に誤嚥が発生しているとは結論付けられず、特許文献1の診断システムでは、誤嚥の検出ができなかったり、誤って誤嚥を検出することが多くなってしまう。また、喉頭侵入、咽頭残留または咽頭貯留の有無も、嚥下音の有無と一致しないことがあるため、特許文献1の診断システムでは、これらも検出できないことがある。
【0009】
本発明は上記事情に鑑み、誤嚥などの異常の検出精度を高めた呼吸音解析装置、呼吸音解析方法、および呼吸音解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の呼吸音解析装置は、就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出する呼吸音解析装置において、
所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得部と、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出部と、
前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、前記異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の呼吸音解析装置によれば、前記異常の際に変化が現れやすい呼気音を呼吸音の中から抽出し、その呼気音を基準呼気音と比較することで、誤嚥などの異常による変化の疑いがある呼気音を検出するので前記異常を高い精度で検出することができる。
【0012】
前記疑呼気音検出部は、前記基準呼気音を更新し、更新した基準呼気音に基づいて前記疑呼気音を検出するものであってもよい。
【0013】
また、前記疑呼気音検出部は、前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、前記疑呼気音でないと判定した呼気音を前記基準呼気音に加えるとともに該基準呼気音から所定の呼気音を取り除いて新たな基準呼気音として更新し、更新した基準呼気音に基づいて該疑呼気音を検出するものであってもよい。
【0014】
なお、前記基準呼気音には、たとえば嚥下の咽頭期の動作が良好に行われていると想定されているときに生じる呼気音の他、嚥下の咽頭期の動作を伴わない所定の呼気音が含まれる。一方、疑呼気音には、嚥下の咽頭期の動作に伴う異常が生じたときの呼気音の他、嚥下の咽頭期の動作を伴わないけれども異常が生じたときの呼気音も含まれる。
【0015】
本発明の呼吸音解析装置において、前記疑呼気音検出部は、前記呼気音に占める、所定の周波数を含む所定周波数範囲の周波数成分の割合に基づいて、前記疑呼気音を検出するものであることを特徴とする。
【0016】
本発明の呼吸音解析装置は、本発明者が見いだした、前記所定周波数範囲の周波数成分の割合が前記異常の際に変化する特性を用いて前記疑呼気音を検出しているので、疑呼気音を高い精度で検出することができる。
【0017】
本発明の呼吸音解析装置において、前記疑呼気音検出部は、前記基準呼気音の音圧を表す値に対する前記呼気音の音圧を表す値の比率に基づいて、前記疑呼気音を検出するものであることを特徴とする。
【0018】
本発明の呼吸音解析装置は、本発明者が見いだした、前記比率が前記異常の際に変化する特性を用いて前記疑呼気音を検出しているので、前記疑呼気音を高い精度で検出することができる。
【0019】
前記基準呼気音の音圧を表す値および前記呼気音の音圧を表す値は、所定期間における所定時間毎の音圧を表す値の二乗平均平方根の値であってもよく、相加平均の値であってもよい。
【0020】
本発明の呼吸音解析装置において、前記疑呼気音検出部は、前記呼気音の音圧を表す値と、前記呼気音における第1の周波数範囲の周波数成分に占める、第2の周波数範囲の周波数成分の割合と、該第1の周波数範囲の周波数成分に占める、該第2の周波数範囲とは異なる第3の周波数範囲の周波数成分の割合とを用いて、前記疑呼気音を検出するものであることを特徴とする。
【0021】
本発明の呼吸音解析装置は、本発明者が見いだした、前記第2の周波数範囲の周波数成分の割合および前記第3の周波数範囲の周波数成分の割合が異常の際に変化する特性を用いて前記疑呼気音を検出しているので、前記疑呼気音をより高い精度で検出することができる。
【0022】
第3の周波数範囲は、第2の周波数範囲より高い周波数の範囲であってもよい。また、第3の周波数範囲は、第2の周波数範囲に含まれる最も高い周波数よりも高い周波数を含む範囲であってもよいし、さらに、第2の周波数範囲に含まれる最も低い周波数よりも高い周波数を最も低い周波数とした範囲であってもよい。
【0023】
本発明の呼吸音解析装置において、前記疑呼気音検出部は、
【0024】
【数1】

ただし、Lkは、検査対象になる前記呼気音の中のk番目の呼気音における第1の周波数範囲の周波数成分に占める、前記第2の周波数範囲の周波数成分の割合、Hkは、検査対象になる前記呼気音の中のk番目の呼気音における第1の周波数範囲の周波数成分に占める、前記第3の周波数範囲の周波数成分の割合、Skは、検査対象になる前記呼気音の中のk番目の呼気音における前記音圧を表す値、Lnは、n番目の基準呼気音における前記第1の周波数範囲の周波数成分に占める、前記第2の周波数範囲の周波数成分の割合、Hnは、n番目の基準呼気音における前記第1の周波数範囲の周波数成分に占める、第3の周波数範囲の周波数成分の割合、Snはn番目の基準呼気音の音圧を表す値、kおよびnは正の整数、mは前記基準呼気音の個数である。
上記式(1)で求められる算出値を所定の基準値と比較することによって疑呼気音を検出するものであることを特徴とする。
【0025】
本発明者は、前記呼気音に占める、第2の周波数範囲の周波数成分の割合が前記異常の際に増加し、第3の周波数範囲の周波数成分の割合が前記異常の際に減少し、さらに音圧を表す値が前記異常の際に増加する特性を見いだした。本発明の呼吸音解析装置は、これらの特性を用い、増加する割合および値を乗算し、減少する割合で除算することで異常の際の特性をより顕在化させて前記疑呼気音を検出しているので、前記疑呼気音をより高い精度で検出することができる。
【0026】
本発明の呼吸音解析装置において、前記疑呼気音検出部は、前記呼気音抽出部が抽出した呼気音のうち、該呼気音の開始から該呼気音の終了までの呼気期間の前半部分における所定期間に生じた音を用いて、疑呼気音を検出するものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の呼吸音解析装置は、前記異常の際に最も顕著に変化する、呼気音の前半部分に生じた音を用いて検出しているので前記疑呼気音を高い精度で検出することができる。
【0028】
本発明の呼吸音解析装置において、前記就寝中の被験者の呼吸動作に基づく変化を表す変化情報を取得する変化情報取得部と、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報と前記変化情報取得部が取得した変化情報を対応させて呼吸音情報と変化情報を記憶する記憶部とを備え、
前記呼気音抽出部は、前記記憶部が記憶した呼吸音情報と変化情報に基づいて、呼気音を抽出するものであることを特徴とする。
【0029】
本発明の呼吸音解析装置は、呼吸音情報と変化情報の2つの情報に基づいて呼気音を抽出しているので、呼吸音の中から呼気音を正確に抽出することができる。
【0030】
上記目的を達成する本発明の呼吸音解析方法は、就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出する呼吸音解析方法において、
所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得工程と、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出工程と、
前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、前記異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出工程とを備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明の呼吸音解析方法を呼吸音解析装置に用いることにより、前記異常を高い精度で検出する呼吸音解析装置を実現できる。
【0032】
上記目的を達成する本発明の呼吸音解析プログラムは、就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出するコンピュータに用いられる呼吸音解析プログラムであって、
所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得部、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出部、および、
前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、前記異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出部、
としてコンピュータを機能させるための呼吸音解析プログラムである。
【0033】
本発明の呼吸音解析プログラムをコンピュータにインストールして実行することにより、そのコンピュータを本発明の呼吸音解析装置として動作させることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、誤嚥などの異常の検出精度を高めた呼吸音解析装置、呼吸音解析方法、および呼吸音解析プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の呼吸音解析装置の一実施形態を含む呼吸音解析システム1の一例を示すハードウェア構成図である。
【図2】呼吸音解析プログラムがコンピュータ10にインストールされて実行されることにより実現する、本発明の一例としての呼吸音解析装置11の機能ブロック図である。
【図3】呼気音抽出部による、呼気音の抽出動作を説明するための概念図である。
【図4】(a)は、表示装置に表示された呼吸音解析装置の初期画面の一例であり、(b)は、解析が完了した後に表示される表示画面の一例である。
【図5】順次再生ボタンが押されたときに表示される呼吸音の波形を表す表示画面の一例である。
【図6】呼吸音解析装置の動作の一例を表すフローチャートである。
【図7】食べ物や唾液などが通過する器官を示す人体の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0037】
図1は、本発明の呼吸音解析装置の一実施形態を含む呼吸音解析システム1の一例を示すハードウェア構成図である。
【0038】
この図1に示す呼吸音解析システム1は、本発明の呼吸音解析装置の一実施形態として動作するコンピュータ10と、データロガ51と、マイクロフォン52と、呼吸バンドセンサ53とにより構成されている。データロガ51は、マイクロフォン52および呼吸バンドセンサ53それぞれと通信ケーブルで接続されている。マイクロフォン52は、音を電気信号に変換し、その電気信号をデータロガ51に送信するものである。呼吸バンドセンサ53は、バンドの伸びを電気信号に変換するセンサである。データロガ51は、コンピュータ10と通信ケーブルで接続されている。マイクロフォン52および呼吸バンドセンサ53からデータロガ51に送信された各電気信号は、データロガ51の内部に設けられたメモリに記憶されるとともに、データロガ51からコンピュータ10に送信される。
【0039】
コンピュータ10の内部には、各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)12、RAM(Random Access Memory)からなる主メモリ13、各種プログラムや情報等が保存されたハードディスク装置14、CPU12からの指示に応じて表示画面上に画像や文字を表示する表示装置15、キーボードやマウスなどの入力装置16、光ディスク61に記録されたプログラムなどを読み出す光学ドライブ装置17、データロガ51などの外部機器が接続される外部I/F(インターフェイス)18、スピーカやヘッドフォンなどの音声出力装置19、およびタイマ20を備えている。これらの各種要素は、バスを介して相互に接続されている。
【0040】
光ディスク61には、コンピュータ10を呼吸音解析装置として動作させる呼吸音解析プログラムが記憶されている。この光ディスク61を光学ドライブ装置17に装填することで、光ディスク61に記憶された呼吸音解析プログラムがコンピュータ10にインストールされる。なお、呼吸音解析プログラムが記憶される媒体は、光ディスク61でなくてもよく、メモリカードなどの他の記録媒体でもよい。なお、メモリカードなどの他の記録媒体に呼吸音解析プログラムを記憶させた場合、その記録媒体を読み取る読み取り装置を外部I/F18に接続することでコンピュータ10にその呼吸音解析プログラムがインストールされる。
【0041】
図2は、呼吸音解析プログラムがコンピュータ10にインストールされて実行されることにより実現する、本発明の一例としての呼吸音解析装置11の機能ブロック図である。
【0042】
呼吸音解析装置11は、インストールされた呼吸音解析プログラムをCPU12が読み出して実行することにより、就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常(以下、誤嚥などの異常と称する)を、被験者が発した呼吸音に基づいて検出する装置である。この呼吸音解析装置11は、表示装置15、入力装置16、音声出力装置19、呼吸音情報取得部31、変化情報取得部32、情報管理部33、記憶部34、呼気音抽出部35、および疑呼気音検出部36から構成されている。なお、これらのうち、呼吸音情報取得部31、変化情報取得部32、情報管理部33、呼気音抽出部35、および疑呼気音検出部36は、CPU12により実現される機能構成である。また、呼吸音解析装置11には、データロガ51が接続されており、そのデータロガ51にはマイクロフォン52と呼吸バンドセンサ53とが接続されている。
【0043】
マイクロフォン52は、被験者の輪状軟骨直下気管外側上皮膚面に貼り付けられることで、被験者が就寝している時の呼吸音を取り込み、その呼吸音を電気信号に変換するものである。マイクロフォン52によって変換された電気信号は、データロガ51に送信され、さらにデータロガ51から呼吸音解析装置11に送信される。呼吸バンドセンサ53は、たとえば被験者の胸部を巻くように取り付けられることで、呼吸動作に伴う胸部の膨張と収縮の変化を測定し、その変化を電気信号に変換するものである。本実施形態における胸部の膨張と収縮の変化は、本発明の呼吸動作に基づく変化の一例に相当する。呼吸バンドセンサ53によって変換された電気信号は、データロガ51に送信され、さらにデータロガ51によって電気信号が増幅されて呼吸音解析装置11に送信される。なお、本実施形態では呼吸バンドセンサ53を用いたが、被験者の呼吸動作に基づく変化を測定するセンサであれば、たとえば鼻孔に取り付けられ、呼吸による空気の流れの変化を検出するセンサなど、他のセンサを用いてもよい。
【0044】
呼吸音情報取得部31は、マイクロフォン52から送信された電気信号をデータロガ51を経由して受信し、その受信した電気信号に基づいて、呼吸音を表す呼吸音情報を取得する。呼吸音情報取得部31は、呼吸音情報を取得する際に、図1に示すタイマ20から得られた時間情報を呼吸音情報に追加しながら主メモリ13に呼吸音情報を記憶していく。図2に示す変化情報取得部32は、呼吸バンドセンサ53から送信された電気信号をデータロガ51を経由して受信し、その受信した電気信号に基づいて、胸部の膨張と収縮の変化を表す変化情報を取得する。変化情報取得部32は、変化情報を取得する際に、図1に示すタイマ20から得られた時間情報を変化情報に追加しながら主メモリ13に変化情報を記憶していく。呼吸音情報の取得と変化情報の取得が完了した後、呼吸音解析装置11の操作者が入力装置16を用いて所定の入力を行うと、情報管理部33は、取得した呼吸音情報と変化情報それぞれに保存日時などを書き込み、対応する情報として記憶部34に記憶させる。なお、呼吸音情報と変化情報とを情報管理部33がマージし、一つの情報として記憶部34に記憶させてもよい。
【0045】
情報管理部33は、呼吸音解析装置11の各構成部から伝達された情報を管理し、適宜必要な情報を記憶部34から取り出して呼吸音解析装置11を構成する各構成部に伝達し、また記憶が必要な情報を記憶部34に記憶させるものである。記憶部34は、情報管理部33からの指示に基づいて各種情報を記憶するものであり、具体的なハードウェアとしては図1に示すハードディスク装置14が相当する。なお、主メモリ13は、呼吸音解析装置11を構成する各構成部が、情報の一時的な保存や計算過程の保存を行う場合など必要に応じて利用する一時的なメモリである。図2に示す呼気音抽出部35は、呼吸音情報と変化情報に基づいて、呼吸音の中から呼気音を抽出するものである。本発明者が研究したところ、誤嚥などの異常が発生すると、特に呼気音が変化することが判明した。そこで、本実施形態の呼吸音解析装置11では、呼吸音の中から呼気音を抽出し、その呼気音を解析することで誤嚥などの異常を検出する。
【0046】
図3は、呼気音抽出部35による、呼気音の抽出動作を説明するための概念図である。
【0047】
呼気音抽出部35は、図3を用いて説明する抽出動作により呼気音を抽出する。図3に示す上段のグラフには、呼吸音を表す波形W1と、波形W1を、300Hz〜500Hzを通過させるバンドパスフィルタで処理した呼吸音の音圧に基づく値を表した波形W2が示されている。波形W1をバンドパスフィルタで処理するのは、300Hz〜500Hzの周波数範囲で呼気音の抽出が容易になるからである。図3に示す下段のグラフには、胸部の膨張と収縮の変化を表す波形W3が示されている。この波形W3の縦軸は胸部の膨張量を表しており、胸部が膨張すると高い値になり、胸部が収縮すると低い値になる。なお、波形W3および波形W2は区間平均をとることで平滑化処理を施した波形である。図3に示すグラフの横軸は、左から右に向かって流れる時間を表す時間軸である。呼気音抽出部35は、呼吸音情報と変化情報それぞれに書き込まれた時間情報から、各波形の時間軸を一致させ、発生タイミングの早い呼吸音から順に呼気音抽出処理を行うことで呼気音を抽出していく。
【0048】
呼気音抽出部35は、まず、一呼吸毎における波形W3のピーク時間Pを検出する。ここで、ピーク時間Pの検出動作について説明する。呼気音抽出部35は、波形W3において胸部が膨張から収縮に変化する仮ピーク時間をサーチする。その仮ピーク時間を見つけたら、その前後1.5秒の期間に胸部が膨張から収縮に変化する別の仮ピーク時間が存在していないかサーチし、存在していなければ、仮ピーク時間をピーク時間Pとして決定する。また、別の仮ピーク時間が存在していても、仮ピーク時間と別の仮ピーク時間のうち、最も胸部が膨張している時間が仮ピーク時間であれば、その仮ピーク時間をピーク時間Pとして決定する。別の仮ピーク時間の方が仮ピーク時間よりも胸部が膨張していれば、その別の仮ピーク時間を新たな仮ピーク時間として再度その前後1.5秒のサーチを行い、ピーク時間Pが決定されるまでこの作業を繰り返す。
【0049】
次に、呼気音抽出部35は、ピーク時間Pから前後0.2秒の期間における波形W2の最小値が存在する時間B(音圧に基づく値が最も小さな値となっている時間)をサーチし、その時間Bを呼気音の開始時間として決定する。吸気音と呼気音の切り換えは、胸部が収縮を開始する直前に起こることから、ピーク時間Pの直前直後で呼吸音の音圧が最も弱まる時間を探すことで呼気音の開始時間を見つけ出すことができる。最後に、時間Bを始点として波形W2の時間経過の方向にサーチしていき、時間Bと同一値(音圧に基づく値が時間Bと同一の値)になっている時間Eを見つけ出して呼気音の終了時間として決定する。ただし、時間Bの後3秒以内に同一値になっている時間がなければ、3秒以内で音圧に基づく値が最も小さな値となっている時間を時間Eとして決定する。呼気の開始時と終了時では、音圧がほぼ同一になることから、時間Bよりも後で音圧に基づく値が時間Bと同一の値となる最初の時間を探すことで呼気の終了時間を見つけ出すことができる。ただし、呼気が3秒よりも長く続くことは通常考えられないので、3秒以内に時間Bの音圧に基づく値と同一の値になる時間がなければ、その3秒の中で音圧に基づく値が最も小さくなった時間を呼気音の終了時間として決定している。以上の抽出動作を繰り返すことにより、呼気音抽出部35は、全ての呼吸音の中から呼気音を抽出する。全ての呼吸音に対する呼気音の抽出が完了したら、呼気音抽出部35は、被験者が最初に発した呼気音から順に番号を付け、抽出した全ての呼気音の、番号、開始時間(時間B)、終了時間(時間E)、および時間Bから時間Eまでの時間(呼気期間T)を情報管理部33に伝達する。情報管理部33は、呼気音抽出部35から伝達された、番号、開始時間、終了時間、呼気期間Tに関する情報を記憶部34に記憶させる。
【0050】
疑呼気音検出部36は、呼気音の、番号、開始時間、終了時間、呼気期間Tに関する情報を情報管理部33から受け取り、呼気音の中から、基準となる基準呼気音を抽出し、誤嚥などの異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を基準呼気音に基づいて検出するものである。本発明者が研究したところ、異常呼気音は、誤嚥などの異常が生じていない呼気音(以下、正常呼気音と称する)に対して呼気音の音圧が強くなる傾向があることが判明した。また、異常呼気音は、0Hzよりも大きく1000Hz以下の周波数範囲の周波数成分に占める、0Hzよりも大きく100Hz以下の周波数範囲の周波数成分の割合(以下、低周波数成分割合と称する)が正常呼気音に対して増加する傾向があることが判明した。さらに、異常呼気音は、0Hzよりも大きく1000Hz以下の周波数範囲(以下、基準周波数範囲と称する)の周波数成分に占める、450Hz以上800Hz以下の周波数範囲の周波数成分の割合(以下、高周波数成分割合と称する)が正常呼気音に対して減少する傾向があることが判明した。また、これらの傾向は、特に女性において顕著に現れることも判明した。本実施形態における0Hzよりも大きく1000Hz以下の周波数範囲は、本発明の第1周波数範囲の一例に相当し、本実施形態における0Hzよりも大きく100Hz以下の周波数範囲は、本発明の第2周波数範囲の一例に相当し、本実施形態における450Hz以上800Hz以下の周波数範囲は、本発明の第3周波数範囲の一例に相当する。本実施形態の疑呼気音検出部36は、これらの傾向をふまえて異常呼気音と疑わしき疑呼気音の検出を行っている。なお、基準周波数範囲は、計測機器などの性能に応じて適宜設定すればよく、たとえば0Hzよりも大きく2000Hz以下の周波数範囲としてもよい。また、低周波数成分割合は、0Hzよりも大きく100Hz以下の周波数範囲の一部を含んだ周波数成分の割合であれば、たとえば100Hzよりも高い周波数を含んだ周波数範囲の周波数成分の割合でもよい。また、高周波数成分割合は、450Hz以上800Hz以下の周波数範囲の一部を含んだ周波数成分の割合であれば、たとえば450Hz未満或いは800Hzよりも高い周波数を含んだ周波数範囲の周波数成分の割合でもよい。また、特定の疾患のある被験者などに適用する場合、低周波数成分割合は、0Hzよりも大きく100Hz以下の周波数範囲以外の周波数範囲の周波数成分の割合としてもよく、高周波数成分割合も、450Hz以上800Hz以下の周波数範囲以外の周波数範囲の周波数成分の割合としてもよい。たとえば、低周波数成分割合を、300Hz以上400Hz以下の周波数範囲の周波数成分の割合とし、高周波数成分割合を、250Hz以上450Hz以下の周波数範囲の周波数成分の割合としてもよい。また、たとえば、低周波数成分割合を、250Hz以上400Hz以下の周波数範囲の周波数成分の割合とし、高周波数成分割合を、300Hz以上450Hz以下の周波数範囲の周波数成分の割合としてもよい。
【0051】
また、本発明者が研究したところ、上述の傾向は、呼気音の開始から呼気音の終了までの呼気期間Tのうち、前半部分における期間に生じた音に最も顕著に現れることが判明した。そこで、本実施形態の呼吸音解析装置11の疑呼気音検出部36は、疑呼気音の検出の際に、呼気期間Tの開始から呼気期間Tの25%までの期間に生じた呼気音を用いて各種の計算を行っている。ただし、呼気音における前半部分の期間に生じた音であれば最初から25%の部分でなくてもよく、たとえば、25%から50%までの期間に生じた呼気音を用いて各種の計算を行ってもよい。また、疑呼気音の検出精度は落ちるものの、呼気音全体を用いて各種の計算を行ってもよい。
【0052】
ここで、疑呼気音検出部36が行う基準呼気音の抽出動作について説明する。疑呼気音検出部36は、呼気音抽出部35が抽出した呼気音の中から、被験者が最初に発した呼気音から所定回目(ここでは7回目)に発した呼気音までの所定回数(ここでは7つ)の呼気音を仮の基準呼気音として抽出する。なお、本実施形態では仮の基準呼気音および後述する基準呼気音として7つの呼気音を抽出しているが、仮の基準呼気音および基準呼気音として抽出する呼気音の個数はいくつでも構わない。ただし、検出精度を高めるためには5つ以上の呼気音を用いることが好ましい。疑呼気音検出部36は、7つの仮の基準呼気音それぞれにおける、低周波数成分割合L’、高周波数成分割合H’、および音圧を表す値S’を算出する。なお、各周波数成分割合は、FFT(Fast Fourier Transform)アナライザを用いることで求めることができる。本実施形態では、0Hzよりも大きく1000Hz以下の周波数範囲の周波数成分に占める、50Hz毎の周波数範囲の周波数成分の割合をFFTアナライザを用いて求めている。そして、その50Hz毎の周波数範囲の周波数成分の割合を加算することで、低周波数成分割合および高周波数成分割合を算出している。また、音圧を表す値は、呼気期間Tの開始から呼気期間Tの25%までの期間における1/16000sec毎の音圧を表す値を二乗して相加平均し、平方根をとった二乗平均平方根の値である。この基準呼気音の音圧を表す値は、単なる相加平均の値としてもよいが、二乗平均平方根の値を用いると、より呼気音と疑呼気音との違いが明確になるという利点がある。
【0053】
疑呼気音検出部36は、7つの仮の基準呼気音それぞれについて、被験者が最初に発した呼気音から順に、下記式(a)で得られる仮算出値をもとめる。
【0054】
【数2】

【0055】
ただし、L’は、7つの仮の基準呼気音のうちのn番目の呼気音における低周波数成分割合、H’は、7つの仮の基準呼気音のうちのn番目の呼気音における高周波数成分割合、S’は、7つの仮の基準呼気音のうちのn番目の呼気音における音圧を表す値、nは正の整数、mは仮の基準呼気音の個数であり本実施形態では7である。
【0056】
式(a)で得られた仮算出値が全て所定値(ここでは2.08)未満であれば、被験者が最初に発した呼気音から7回目に発した呼気音までの7つの呼気音を基準呼気音として定める。仮の基準呼気音の中に、式(a)で得られる仮算出値が2.08以上になる呼気音が存在していた場合、その2.08以上になる呼気音を仮の基準呼気音から除くとともに、仮の基準呼気音として用いた呼気音の中で被験者が最も後に発した呼気音の次に存在する呼気音を新たに加えた7つの呼気音を新たな仮の基準呼気音とする。そして、その新たな仮の基準呼気音における低周波数成分割合L’、高周波数成分割合H’、および音圧を表す値S’を新たに算出し、式(a)を用い、基準呼気音から除いた(仮算出値が2.08以上になる)呼気音の次に存在する呼気音から引き続き式(a)で仮算出値を求めていく。7つの仮の基準呼気音の仮算出値全てが2.08未満となる呼気音を抽出できたら、その7つの呼気音を基準呼気音と定める。
【0057】
基準呼気音が定まったら、疑呼気音検出部36は、被験者が最初に発した呼気音(k=1)から順に疑呼気音の検出動作を行う。疑呼気音検出部36は、呼気音全てについて、一呼気音づつ下記式(b)で得られる算出値をもとめる。
【0058】
【数3】

【0059】
ただし、Lkは、被験者がk回目に発した呼気音における低周波数成分割合、Hkは、被験者がk回目に発した呼気音における高周波数成分割合、Skは、被験者がk回目に発した呼気音における音圧を表す値、Lnは、7つの基準呼気音のうちのn番目の呼気音における低周波数成分割合、Hnは、7つの基準呼気音のうちのn番目の呼気音における高周波数成分割合、Snは、7つの基準呼気音のうちのn番目の呼気音における音圧を表す値、kおよびnは正の整数、mは基準呼気音の個数であり本実施形態では7である。
【0060】
疑呼気音検出部36は、式(b)で得られる呼気音の算出値が、仮の基準呼気音を求める際に用いた所定値と同じ値である基準値(ここでは2.08)未満になる呼気音は正常呼気音と判定する。一方、基準値である2.08以上の算出値になる呼気音は、疑呼気音と判定する。被験者が最初に発した呼気音から、基準呼気音の中で被験者が最も後に発した呼気音までは、算出値が2.08未満であれば、次の呼気音について順に算出値を求めていく。基準呼気音の中に疑呼気音と判定した呼気音が存在していた場合、その疑呼気音と判定した呼気音を基準呼気音から除くとともに、基準呼気音の中で被験者が最も後に発した呼気音の次に存在する呼気音を新たに加えた7つの呼気音を新たな基準呼気音とする。そして、その新たな基準呼気音を用いて、基準呼気音から除いた(算出値が2.08以上になる)呼気音の次に存在する呼気音から引き続き式(b)で算出値を求めていく。
【0061】
式(a)を用いて最初に定めた基準呼気音の中で被験者が最も後に発した呼気音の次の呼気音からは、その次の呼気音以降の呼気音を正常呼気音であると判定した場合、その呼気音を基準呼気音に新たに加えるとともに、基準呼気音の中で被験者が最も前に発した(古い)呼気音を基準呼気音から除いた新たな7つの呼気音を基準呼気音として式(b)で算出値を求めていく。すなわち、正常呼気音と判定した呼気音を基準呼気音に加えて古い呼気音を基準呼気音から除くことで基準呼気音を順次更新し、間近に発生した正常呼気音から構成される基準呼気音を用いた算出値で疑呼気音を検出している。間近に発生した正常呼気音を基準呼気音とすることで、呼気音の変化がより明確に算出値として現れるので、疑呼気音の検出精度を高めることができる。たとえば、就寝からの時間経過に応じて徐々に呼気音が変化する場合であっても、基準呼気音を順次更新しているので誤嚥などの異常を正確に検出できる。ただし、検出精度は下がるものの、正常呼気音と判定した呼気音を基準呼気音に加えることなく、一旦定めた基準呼気音に基づいて全ての呼気音を解析してもよい。
【0062】
なお、式(a)を用いて最初に定めた基準呼気音の中で被験者が最も後に発した呼気音の次の呼気音からは、呼気音が疑呼気音であると判定した場合(疑呼気音を検出した場合)、基準呼気音は更新しない。全ての呼気音について疑呼気音の検出を行ったら、疑呼気音検出部36は、何回目の呼気音が疑呼気音であるかを情報管理部33に伝達する。情報管理部33は、疑呼気音検出部36から伝達された疑呼気音の情報を記憶部34に記憶する。また、情報管理部33は、表示装置15に疑呼気音の情報を表示させる。
【0063】
図4(a)は、表示装置15に表示された呼吸音解析装置11の初期画面の一例である。
【0064】
この初期画面は、呼吸音解析装置11の電源が投入されたときに表示される画面であり、疑呼気音算出部33による算出が完了した後は、後述する図4(b)の画面が表示される。初期画面には、ファイル読出ボタン71、呼気解析ボタン72、順次再生ボタン73、拡大表示ボタン74、範囲指定表示ボタン75、コメント表示ボタン76、除外指定ボタン77、ヘルプボタン78、呼吸音の再生順や再生長さを指定する再生条件指定部79、疑呼気位置表示部81、拡大表示部82、解析した結果を表す結果表示部83が表示される。
【0065】
ファイル読出ボタン71は、記憶部34に記憶された呼吸音情報を指定する画面の呼び出しを指示する操作ボタンである。呼吸音解析装置11の操作者がファイル読出ボタン71を押すと、記憶部34に記憶されている呼吸音情報を表示する図示しない情報選択画面が呼び出される。呼吸音解析装置11の操作者が、その情報選択画面において、呼吸音情報を1つ指定することで、解析対象とする呼吸音情報とその呼吸音情報と対応して記憶部34に記憶された変化情報が指定される。なお、呼吸音情報および変化情報が記憶部34に記憶されていないときには、上述した呼吸音情報取得部31と変化情報取得部32による呼吸音情報と変化情報の取得を行った後、記憶部34に呼吸音情報と変化情報を記憶させる必要がある。呼気解析ボタン72は、選択された呼吸音情報および変化情報の解析開始を呼吸音解析装置11に指示する操作ボタンである。呼気解析ボタン72が押されると、図2に示す呼気音抽出部35と疑呼気音検出部36が順に動作して疑呼気音が検出される。疑呼気音の検出が完了すると、解析結果が疑呼気位置表示部81および結果表示部83に表示される。
【0066】
図4(b)は、解析が完了した後に表示される表示画面の一例である。
【0067】
疑呼気位置表示部81の横軸は、左から右に向かって流れる時間を表す時間軸である。この疑呼気位置表示部81には、解析した呼吸音全体の中で、疑呼気音が存在する部分に黒色の縦線が表示され、正常呼気音が存在する部分は白色で表示される。また、結果表示部83には、解析した呼吸音全体における、呼吸音の数、検出した疑呼気音の数、および呼気時間の平均値(秒)が表示される。
【0068】
順次再生ボタン73は、解析が完了した呼吸音の表示を呼吸音解析装置11に指示する操作ボタンである。この順次再生ボタン73が押されると、再生条件指定部79によって指定された呼吸音が画面に表示される。再生条件指定部79は、ソート条件指定部791、順位入力部792、番号入力部793、再生呼吸数指定部794、および演奏指定ボックス795から構成されている。
【0069】
ソート条件指定部791には、5つのラジオボタンと1つのチェックボックスが表示されている。5つのラジオボタンは、順次再生ボタンを押されたときに表示される呼吸音の波形の表示順を指定するためのものである。「なし」のラジオボタンは、順次再生ボタンを押す毎に、時間順に呼吸音の波形を表示することを指定するものである。この「なし」が指定されている場合、順次再生ボタンを押す毎に、最も古い呼吸音から順に呼吸音の波形が表示される。「指標」のラジオボタンは、順次再生ボタンを押す毎に、上述の式(b)で計算した算出値の高い順に呼吸音の波形を表示することを指定するものである。「強度」のラジオボタンは、順次再生ボタンを押す毎に、音圧を表す値Skの高い呼吸音から順に呼吸音の波形を表示することを指定するものである。「周波」のラジオボタンは、順次再生ボタンを押す毎に、呼気音における低周波数成分割合Lkを呼気音における高周波数成分割合Hkで除算した値、すなわち、各呼気音におけるLk÷Hkの値が高い呼吸音から順に呼吸音の波形を表示することを指定するものである。「強周」のラジオボタンは、順次再生ボタンを押す毎に、呼気音における低周波数成分割合Lkに呼気音における音圧を表す値Skを乗算した値を呼気音における高周波数成分割合Hkで除算した値、すなわち、各呼気音におけるLk×Sk÷Hkの値が高い呼吸音から順に呼吸音の波形を表示することを指定するものである。チェックボックスは、順次再生する順番の反転を指定するものである。このチェックボックスにチェックが入っていると、順次再生ボタンを押す毎に、ラジオボタンによって指定された順番とは逆の順で呼吸音の波形が表示される。
【0070】
順位入力部792は、ソート条件指定部791において指定された順番に呼吸音を並べたときの何番目の呼吸音を表示するかを入力する部分である。この部分に数値を入力して順次再生ボタンを押すと、ソート条件指定部791において指定された順において、入力された順位になる呼吸音の波形が表示される。番号入力部793は、被験者が最初に発した呼気音から順に時間順で呼吸音を並べたときの何番目の呼吸音を表示するかを指定する部分である。この部分に数値を入力して順次再生ボタンを押すと、ソート条件指定部791において指定された順番にかかわらず、時間順において、入力された順位になる呼吸音の波形が表示される。再生呼吸数指定部794は、順次再生ボタンが押されたときに表示される呼吸数を指定する部分である。演奏指定ボックス795は、順次再生ボタン73が押されたときに、呼吸音の波形を表す表示画面の表示と併せて、その呼吸音を音声出力装置19から出力することを指定するチェックボックスである。
【0071】
図5は、順次再生ボタン73が押されたときに表示される呼吸音の波形を表す表示画面の一例である。
【0072】
この図5に示される表示画面において、疑呼気音の波形は矩形731で囲まれて示され、正常呼気音の波形の上方にはハッチングが施された帯状の目印732が表示される。各呼気音の波形の上方に記載された数値は、上段が時間順に並べた場合の順位を示す数値であり、下段が上述の式(b)で計算した算出値である。たとえば、図5の中央に示された矩形731で囲まれた波形は、1143番目の波形であり、その波形によって示される呼気音における算出値は2.6であることが示されている。
【0073】
図4(a)および図4(b)に示される拡大表示ボタン74は、疑呼気位置表示部81において選択された呼気音を拡大して拡大表示部82に表示することを指定する操作ボタンである。また、範囲指定表示ボタン75は、疑呼気位置表示部81において選択された範囲を拡大表示部82に表示することを指定する操作ボタンである。コメント表示ボタン76は、疑呼気位置表示部81において選択された呼気音にコメントを付与する場合や既に付与されたコメントを表示することを指定する操作ボタンである。このコメント表示ボタン76が押されると、図示しないコメント入力用の別画面が表示される。呼吸音解析装置11の操作者は、その別画面でコメントを記入したり、既に付与されたコメントがあれば、そのコメントを編集することができる。除外指定ボタン77は、疑呼気位置表示部81において選択された呼気音が疑呼気音として判定されている呼気音であっても、正常呼気音として処理することを指定する操作ボタンである。たとえば、選択された呼気音が、いびきや寝言などである場合、呼吸音解析装置11の操作者が除外指定ボタン77を押すことで、その呼気音に対する疑呼気音の判定を取り消すことができる。ヘルプボタン78は、ヘルプ画面を表示することを指定する操作ボタンである。
【0074】
次に、図6を用いて本発明の一例としての呼吸音解析装置11の動作を説明する。
【0075】
図6は、呼吸音解析装置11の動作の一例を表すフローチャートである。
【0076】
呼吸音解析装置11の電源が投入されると、呼吸音解析プログラムをCPU12が読み出して実行し、呼吸音解析装置11の各構成部は呼吸音解析プログラムに基づいて動作する。呼吸音解析プログラムが実行されると、先ず情報管理部33は、図4(a)に示す初期画面を表示装置15に表示させる。
【0077】
マイクロフォン52および呼吸バンドセンサ53からの電気信号が呼吸音解析装置11に送信されてくると、呼吸音情報取得部31および変化情報取得部32は、送信された電気信号に基づいて呼吸音情報および変化情報をそれぞれ取得する(ステップS1)。そして、呼吸音解析装置11の操作者による所定の入力に応じて、呼吸音情報取得部31と呼吸音情報取得部31はそれぞれ呼吸音情報と変化情報を情報管理部33に伝達する。情報管理部33は、呼吸音情報と変化情報を対応させて記憶部34に記憶させる。
【0078】
ステップS2では、呼吸音解析装置11の操作者によって、呼吸音情報が指定された後、呼気解析ボタン72が押されるまで繰り返し実行する。呼気解析ボタン72が押されると(ステップS2でYes)、情報管理部33は、指定された呼吸音情報および変化情報を記憶部34から読み出して呼気音抽出部35に伝達する。呼気音抽出部35では、伝達された呼吸音情報および変化情報を用いて上述した抽出動作により呼気音を抽出する(ステップS3)。呼気音抽出部35は、抽出した呼気音の情報を情報管理部33に伝達する。情報管理部33は、その呼気音の情報を疑呼気音検出部36に伝達するとともに記憶部34に記憶させる。次に、疑呼気音検出部36が、呼気音抽出部35によって抽出された呼気音の中から基準呼気音を抽出し、上述した検出動作により疑呼気音の検出を行なう(ステップS4)。疑呼気音の検出が完了したら、疑呼気音検出部36は、検出した情報を情報管理部33に伝達する。情報管理部33は、疑呼気音検出部36が検出した情報を記憶部34に記憶させるとともに、その検出した情報に基づいて解析結果を表示装置15に表示させる(ステップS5)。そして、解析結果を表す表示画面(図4(b)に示す表示画面)において、順次再生ボタン73が押されなければ(ステップS6でNo)、ステップS10に進む。順次再生ボタン73が押されたら(ステップS6でYes)、演奏指定ボックス795のチェックの有無を確認し(ステップS7)、チェックが有れば、再生条件指定部79によって指定された条件に従って呼吸音の波形を表示装置15に表示させるとともに、その呼吸音を音声出力装置19から出力する(ステップS8)。演奏指定ボックス795のチェックが無ければ、再生条件指定部79によって指定された条件に従って呼吸音の波形を表示装置15に表示させる(ステップS9)。なお、ステップS8およびステップS9において表示される呼吸音の波形は、ソート条件指定部791に指定された順番に従って、順次再生ボタン73が押される毎に順次切り替わっていく。ステップS10では、終了指示がなければステップS6に戻り、終了指示があれば呼吸音解析装置11の動作を終了する。
【0079】
本実施形態の呼吸音解析装置11によれば、誤嚥などの異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を検出できる。また、就寝中の被験者に医師が付き添わなくても、医師は呼吸音解析装置11によって検出された疑呼気音を聞くことで、短時間で就寝中に生じた誤嚥などの異常の有無を診断することができる。また、疑呼気音の再生順序などを再生条件指定部79で指定できるので、医師が診断に必要な呼吸音を容易に選択することができる。また、本実施形態の呼吸音解析装置11によれば、誤嚥だけでなく、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留も検出できる。すなわち、これらのうち少なくとも一つの異常が発生すると、食べ物または唾液などが気道の一部に存在することになるため、気道の一部が狭くなり呼吸音が変化する。本実施形態の呼吸音解析装置11は、この呼吸音を解析しているので、誤嚥だけでなく、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留も検出できる。また、嚥下の咽頭期の動作を伴う誤嚥などの異常だけでなく、嚥下の咽頭期の動作を伴わない誤嚥などの異常も検出することができる。また、本実施形態の呼吸音解析装置11は、誤嚥などの異常の際に変化が現れやすい呼気音を呼吸音の中から抽出し、その呼気音を基準呼気音と比較することで、誤嚥などの異常による変化の疑いがある呼気音を検出するので、誤嚥などの異常の検出精度を高めることができる。また、異常呼気音において高い値を示しやすい2つの要素(呼気音の低周波数成分割合Lおよび呼気音の音圧を表す値S)を乗算し、さらに異常呼気音において低い値を示しやすい要素(呼気音の高周波数成分割合H)で除算した値を用いて疑呼気音を検出しているので、誤嚥などの異常を高い精度で検出できる。また、本実施形態の呼吸音解析装置11によれば、誤嚥などの異常が就寝中のどの時間に発生したかが分かるので、誤嚥などの異常を起こしやすい人に適切な対処をすることができる。
【0080】
本発明は上述の実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形を行うことが出来る。たとえば、上述の実施形態では、疑呼気音検出部36は、式(b)を用いることで高い検出精度で疑呼気音を検出しているが、基準呼気音の音圧を表す値の平均値{Σ(S+S+・・・S)÷m}に対する呼気音の音圧を表す値Skの比率を所定の基準値と比較することで簡便に疑呼気音を検出してもよい。また、基準呼気音の高周波数成分割合の平均値{Σ(H+H+・・・H)÷m}に対する呼気音の高周波数成分割合Hkの比率を所定の基準値と比較することで簡便に疑呼気音を検出してもよい。また、基準呼気音の低周波数成分割合{Σ(L+L+・・・L)÷m}に対する呼気音の低周波数成分割合Lkの比率を所定の基準値と比較することで簡便に疑呼気音を検出してもよい。また、呼気音の音圧を表す値Sk、呼気音の高周波数成分割合Hk、呼気音の低周波数成分割合Lkのうちの2つを用いて疑呼気音を検出してもよい。また、本実施形態では、呼吸音から呼気音を抽出する精度を高めるために、変化情報を用いたが、呼吸音のみから呼気音を検出してもよい。
【符号の説明】
【0081】
11 呼吸音解析装置
15 表示装置
16 入力装置
18 外部I/F
19 音声出力装置
31 呼吸音情報取得部
32 変化情報取得部
33 情報管理部
34 記憶部
35 呼気音抽出部
36 疑呼気音算出部
51 データロガ
52 マイクロフォン
53 呼吸バンドセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出する呼吸音解析装置において、
所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得部と、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出部と、
前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、前記異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出部とを備えたことを特徴とする呼吸音解析装置。
【請求項2】
前記疑呼気音検出部は、前記呼気音に占める、所定の周波数を含む所定周波数範囲の周波数成分の割合に基づいて、前記疑呼気音を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の呼吸音解析装置。
【請求項3】
前記疑呼気音検出部は、前記基準呼気音の音圧を表す値に対する前記呼気音の音圧を表す値の比率に基づいて、前記疑呼気音を検出するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の呼吸音解析装置。
【請求項4】
前記疑呼気音検出部は、前記呼気音の音圧を表す値と、前記呼気音における第1の周波数範囲の周波数成分に占める、第2の周波数範囲の周波数成分の割合と、該第1の周波数範囲の周波数成分に占める、該第2の周波数範囲とは異なる第3の周波数範囲の周波数成分の割合とを用いて、前記疑呼気音を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の呼吸音解析装置。
【請求項5】
前記疑呼気音検出部は、
【数1】

ただし、Lkは、検査対象になる前記呼気音の中のk番目の呼気音における第1の周波数範囲の周波数成分に占める、前記第2の周波数範囲の周波数成分の割合、Hkは、検査対象になる前記呼気音の中のk番目の呼気音における第1の周波数範囲の周波数成分に占める、前記第3の周波数範囲の周波数成分の割合、Skは、検査対象になる前記呼気音の中のk番目の呼気音における前記音圧を表す値、Lnは、n番目の基準呼気音における前記第1の周波数範囲の周波数成分に占める、前記第2の周波数範囲の周波数成分の割合、Hnは、n番目の基準呼気音における前記第1の周波数範囲の周波数成分に占める、第3の周波数範囲の周波数成分の割合、Snはn番目の基準呼気音の音圧を表す値、kおよびnは正の整数、mは前記基準呼気音の個数である。
上記式(1)で求められる算出値を所定の基準値と比較することによって疑呼気音を検出するものであることを特徴とする請求項4に記載の呼吸音解析装置。
【請求項6】
前記疑呼気音検出部は、前記呼気音抽出部が抽出した呼気音のうち、該呼気音の開始から該呼気音の終了までの呼気期間の前半部分における所定期間に生じた音を用いて、疑呼気音を検出するものであることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の呼吸音解析装置。
【請求項7】
就寝中の被験者の呼吸動作に基づく変化を表す変化情報を取得する変化情報取得部と、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報と前記変化情報取得部が取得した変化情報を対応させた状態で呼吸音情報と変化情報を記憶する記憶部とを備え、
前記呼気音抽出部は、前記記憶部が記憶した呼吸音情報と変化情報に基づいて、呼気音を抽出するものであることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載の呼吸音解析装置。
【請求項8】
就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出する呼吸音解析方法において、
所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得工程と、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出工程と、
前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、前記異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出工程とを備えたことを特徴とする呼吸音解析方法。
【請求項9】
就寝中の被験者に生じた誤嚥、喉頭侵入、咽頭残留、および咽頭貯留のうちの少なくとも一つの異常を、該被験者が発した呼吸音に基づいて検出するコンピュータに用いられる呼吸音解析プログラムであって、
所定期間に被験者が発した連続した呼吸音を表す呼吸音情報を取得する呼吸音情報取得部、
前記呼吸音情報取得部が取得した呼吸音情報に基づいて、連続した呼吸音それぞれのうちの各呼気音を抽出する呼気音抽出部、および、
前記呼気音抽出部が抽出した呼気音の中から、基準となる1又は複数の基準呼気音を抽出し、前記異常の際に生ずる異常呼気音と疑わしき疑呼気音を該基準呼気音に基づいて検出する疑呼気音検出部、
としてコンピュータを機能させるための呼吸音解析プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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