説明

呼接続制御装置、発信者識別情報通知システム、及びプログラム

【課題】電話帳データを内部に保持しない電話端末が呼の着信を受けるときに、発信者の識別情報を電話端末のユーザに通知する。
【解決手段】呼接続制御装置において、発信元電話端末から、発信元電話番号と着信先電話番号とを含む着信先電話端末宛の呼接続要求を受信する手段と、前記呼接続要求から前記発信元電話番号と着信先電話番号とを取得し、これらの電話番号を含む通知用情報要求を、通信ネットワークを介して接続されたユーザ情報管理装置に送信し、当該ユーザ情報管理装置から、前記発信元電話番号に対応付けられた発信者識別情報と前記着信先電話番号に対応付けられた通知先アドレスとを含む通知用情報を受信する手段と、前記発信者識別情報を含むメッセージを、前記通知先アドレス宛に送信する手段と、前記メッセージを送信した後に、呼接続要求を前記着信先電話端末に対して送信する手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信元電話端末から呼の着信を受ける着信先電話端末上に、発信者名等の発信者識別情報を表示するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年における携帯電話機の一般的な機能の一つとして電話帳機能がある。電話帳機能を有する携帯電話機は、電話番号と名前とを対応付けた電話帳データを保持する。そして、ユーザが特定の名前の相手に発信を行う場合に、ユーザは、携帯電話機上に電話帳を表示し、電話帳上で発信先とする名前を指定する。これより、携帯電話機は、指定された名前に対応付けられた電話番号を用いて発信を行う。
【0003】
また、呼の着信を受ける場合、携帯電話機は、着信信号に含まれる発信元電話端末の電話番号を用いて電話帳データを検索し、発信元の電話番号に対応する名前を抽出して、それを発信者の名前として表示する。これにより、ユーザは、着信に係る呼の発信者を把握でき、電話に出るか否か等の判断をすることができる。
【0004】
なお、電話帳に関連する先行技術文献として、特許文献1がある。また、本願に関連するIP電話システムに関連する先行技術文献として、特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−200550号公報
【特許文献2】特開2007−135194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように携帯電話機が電話帳データを格納する技術においては、携帯電話機を紛失した場合に、重要な個人情報が漏洩する恐れがあるという問題がある。
【0007】
そこで、電話帳データを携帯電話機の中に格納せずに、通信ネットワーク上のアプリケーションサーバ内に格納し、発信を行うときにアプリケーションサーバにアクセスして電話帳データを利用する技術がある。具体的には、例えば、アプリケーションサーバの電話帳データを携帯電話機の表示部画面に表示し、画面上で所望の発信先の名前を選択することにより発信を行う技術がある。
【0008】
この技術を用いることにより、携帯電話機に電話帳データを格納することなく、発信先の名前を指定することにより電話発信を行うことが可能となる。電話帳データを携帯電話機内に格納しないので、万一、携帯電話機を紛失したとしても、個人情報が漏洩する恐れはなくなる。
【0009】
しかしながら、電話帳データをアプリケーションサーバ上に格納して利用する技術では、携帯電話機への呼の着信時に、携帯電話機上に発信者の名前を表示できないという問題がある。つまり、携帯電話機内に電話帳データを保持していないので、着信時には、発信者の電話番号のみが表示されることになり、携帯電話機のユーザは、発信者が誰であるかを確認することができず、利便性に欠けるという問題がある。
【0010】
また、この問題は、携帯電話機に限らず、電話帳データを内部に保持しない電話端末全般に関連する問題である。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、電話帳データを内部に保持しない電話端末が呼の着信を受けるときに、発信者の識別情報を電話端末のユーザに通知するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、発信元電話端末と着信先電話端末との間で呼接続制御を行う呼接続制御装置であって、前記発信元電話端末から、当該発信元電話端末の電話番号である発信元電話番号と前記着信先電話端末の電話番号である着信先電話番号とを含む前記着信先電話端末宛の呼接続要求を受信する呼接続要求受信手段と、前記呼接続要求受信手段により受信した前記呼接続要求から前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを取得し、当該発信元電話番号と着信先電話番号とを含む通知用情報要求を、前記呼接続制御装置に通信ネットワークを介して接続されたユーザ情報管理装置に送信し、当該ユーザ情報管理装置から、前記発信元電話番号に対応付けられた発信者識別情報と前記着信先電話番号に対応付けられた通知先アドレスとを含む通知用情報を受信する通知用情報取得手段と、前記通知用情報取得手段により取得した前記発信者識別情報を含むメッセージを、前記通知先アドレス宛に送信するメッセージ通知手段と、前記メッセージを送信した後に、呼接続要求を前記着信先電話端末に対して送信する呼接続要求送信手段と、を備えたことを特徴とする呼接続制御装置として構成される。
【0013】
また、本発明は、発信元電話端末と着信先電話端末との間で呼接続制御を行う呼接続制御装置と、当該呼接続制御装置に通信ネットワークを介して接続されるユーザ情報管理装置とを備えた発信者識別情報通知システムであって、前記ユーザ情報管理装置は、電話番号と、ユーザ識別情報と、通知先アドレスとを対応付けて格納するユーザ情報格納手段と、前記呼接続制御装置から、前記発信元電話端末の電話番号である発信元電話番号と前記着信先電話端末の電話番号である着信先電話番号とを含む通知用情報取得要求を受信し、前記発信元電話番号に対応するユーザ識別情報である発信者識別情報と、前記着信先電話番号に対応する通知先アドレスとを通知用情報として前記ユーザ情報格納手段から取得し、当該通知用情報を前記呼接続制御装置に送信する通知用情報提供手段と、を備え、前記呼接続制御装置は、前記発信元電話端末から、前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを含む前記着信先電話端末宛の呼接続要求を受信する呼接続要求受信手段と、前記呼接続要求受信手段により受信した前記呼接続要求から前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを取得し、当該発信元電話番号と着信先電話番号とを含む通知用情報要求を、前記ユーザ情報管理装置に送信し、当該ユーザ情報管理装置から、前記発信元電話番号に対応付けられた発信者識別情報と前記着信先電話番号に対応付けられた通知先アドレスとを含む通知用情報を受信する通知用情報取得手段と、前記通知用情報取得手段により取得した前記発信者識別情報を含むメッセージを、前記通知先アドレス宛に送信するメッセージ通知手段と、前記メッセージを送信した後に、呼接続要求を前記着信先電話端末に対して送信する呼接続要求送信手段と、を備えることを特徴とする発信者識別情報通知システムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電話帳データを内部に保持しない電話端末であっても、呼の着信を受けるときに、発信者の識別情報を当該電話端末に表示することができるようになり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る電話システムの構成図である。
【図2】呼接続制御装置50の機能構成図である。
【図3】ユーザ情報管理装置60の機能構成図である。
【図4】ユーザ情報格納部65が格納するユーザ情報の例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る電話システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(システム構成)
図1に、本発明の実施の形態に係る電話システムの構成図を示す。図1に示すように、本実施の形態に係る電話システムは、IP電話網100と、その他の電話網200とが、ゲートウェイ装置150で接続された構成を有する。
【0018】
本実施の形態では、IP電話網100は、内線番号を用いて電話の発着信を可能とした内線電話網を想定しているが、これに限られるわけではない。IP電話網100は、グローバルなインターネットに接続されたIP網でもあり、IP電話網100に接続された端末は、IP電話網100に備えられたサーバが提供するIPサービス、及びグローバルなインターネット上のサーバにより提供されるIPサービスを利用可能である。このようなIPサービスとしては、例えば、電子メールの送受信、ファイル転送、Webサイトアクセス等がある。
【0019】
また、本実施の形態では、IP電話網100における各装置間の制御通信の信号方式として、SIP(Session Initiation Protocol)を用いることとしている。ただし、制御通信の信号方式はSIPに限られるわけではない。
【0020】
その他の電話網200は、内線電話網としてのIP電話網100に接続された外線電話網に相当し、固定電話網(回線交換網、IP電話網等)、携帯電話網、PHS網等であり、03、050、090、070等で始まる所定の電気通信番号を用いて電話発着信可能な電話網である。
【0021】
ゲートウェイ装置150は、IP電話網100とその他の電話網200とを接続する装置であり、信号方式の変換や、メディアの変換を行う。このような機能を有するゲートウェイ装置150自体は従来技術である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態におけるIP電話網100には、呼接続制御装置50とユーザ情報管理装置60が接続されている。呼接続制御装置50は、呼制御信号の送受信を行うことにより、電話端末間の呼接続を行う機能を有する装置である。また、ユーザ情報管理装置60は、ユーザ情報を格納する装置である。呼接続制御装置50とユーザ情報管理装置60の詳細については後述する。なお、呼接続制御装置50とユーザ情報管理装置60とから構成されるシステムを、発信者識別情報通知システムと呼ぶことができる。
【0023】
図1には、本実施の形態で使用する電話端末の例として電話端末10、20が示されている。電話端末10、20は、携帯電話機等の無線端末であり、IP電話網100において内線発着信を行うこともできるし、その他の電話網200に存圏して、電話発着信を行うこともできる端末である。IP電話網100には、無線LANアクセスポイント等、無線で電話端末と通信を行うための機能が備わっており、電話端末10、20は、IP電話網100に在圏しているときに、無線LANによりIP電話網100にアクセスして通話を行う。
【0024】
また、本実施の形態において使用される電話端末は、電子メールを送受信可能であり、当該電話端末宛の電子メールの着信があったときに電話端末を鳴動させ、ユーザに電子メールの着信があったことを通知する機能を有している。更に、取得した電子メールの内容を、メインの表示部の画面もしくはサブの表示部の画面等に自動的に表示する機能も有している。これらの電子メールに係る技術自体は既存技術である。
【0025】
なお、本実施の形態では、電話端末への電子メールの着信をユーザに知らせる機能があればよく、電子メールの内容を自動的に表示部に表示する機能は必須ではない。また、電話の着信を受ける端末と、電子メールを受信する端末とは1つの同じ端末である必要はなく、これらが別々の端末であってもよい。
【0026】
図2に、本実施の形態に係る呼接続制御装置50の機能構成図を示す。図2に示すように、呼接続制御装置50は、呼制御通信部51、通知用情報取得部52、発信者識別情報通知部53、及びデータ通信部54を有する。
【0027】
呼制御通信部51は、各電話端末との間で呼制御信号の送受信を行うことにより、電話端末間での呼接続を行うための機能部である。通知用情報取得部52は、発信元電話端末から受信する呼接続要求信号に含まれる発信元電話番号と着信先電話番号とをユーザ情報管理装置60に送信することにより通知用情報を要求し、ユーザ情報管理装置60から発信元電話番号に対応する発信者識別情報と着信先電話番号に対応する電子メールアドレスとを含む通知用情報を受信する機能部である。
【0028】
発信者識別情報通知部53は、上記通知用情報に含まれる電子メールアドレス宛に、通知用情報に含まれる名前等の発信者識別情報を通知する機能部である。データ通信部54は、呼接続制御装置50が、IP電話網100を介して他の装置と通信を行うための機能部である。
【0029】
図3に、本実施の形態に係るユーザ情報管理装置60の機能構成図を示す。図3に示すように、ユーザ情報管理装置60は、通知用情報要求受信部61、通知用情報抽出部62、通知用情報返却部63、データ通信部64、及びユーザ情報格納部65を備えている。
【0030】
通知用情報要求受信部61は、発信元電話番号と着信先電話番号とを含む通知用情報要求を呼接続制御装置60から受信する機能部である。通知用情報抽出部62は、通知用情報要求受信部61が受信した通知用情報要求に含まれる発信元電話番号及び着信先電話番号を用いて、ユーザ情報格納部65に格納されているユーザ情報を検索し、発信元電話番号に対応する発信者識別情報と、着信先電話番号に対応する電子メールアドレスとを含む通知用情報を抽出する機能部である。
【0031】
通知用情報返却部63は、通知用情報抽出部62により抽出された通知用情報を、呼接続制御装置50に返却する機能部である。
【0032】
ユーザ情報格納部65は、ユーザ情報を格納する機能部である。図4に、ユーザ情報格納部65が格納するユーザ情報の例を示す。図4に示す例では、ユーザ情報は、電話番号、ユーザ識別情報、電子メールアドレスを含む。
【0033】
図4の例において、電話番号は、ユーザが利用する電話端末に割り当てられている電話番号であり、内線電話番号でもよいし、外線電話番号でもよい。また、電話端末が内線電話番号と外線電話番号の両方を持ち、例えば、在圏する電話網に応じて、発信元電話番号として内線電話番号と外線電話番号のうちのいずれかを選択できる電話端末に関しては、ユーザ情報における電話番号として、内線電話番号と外線電話番号の両方を含めてもよい。また、内線電話番号に対応付ける電子メールアドレスと外線電話番号に対応付ける電子メールアドレスとを異なるものとしてもよい。
【0034】
図4の例では、ユーザ識別情報は、電話端末のユーザの名前であるが、ユーザを特定可能な電話番号以外の識別情報であればどのような情報でもよい。電子メールアドレスは、ユーザ識別情報で識別されるユーザに対して発信者識別情報を含む電子メールを送るための宛先となるアドレスである。なお、ユーザ情報格納部65に格納される電話番号とユーザ識別情報とを、電話帳データとして発信の際に使用することとしてもよい。
【0035】
呼接続制御装置50とユーザ情報管理装置60はそれぞれ、記憶装置及びCPUを備える一般的なコンピュータに、上記各機能部に対応する処理を行うためのプログラムを搭載することにより実現できる。当該プログラムは、メモリやディスク等の記録媒体から上記コンピュータにインストールしてもよいし、ネットワーク上のサーバから上記コンピュータにダウンロードし、インストールすることとしてもよい。
【0036】
(システムの動作)
次に、本発明の実施の形態に係る電話システムの動作について、電話番号Bを持つ電話端末10が、電話番号Aを持つ発信元の電話端末20から着信を受ける場合を例にとり、図5に示すシーケンスチャートを参照して説明する。以下では、電話端末10を着信先電話端末10と呼び、電話端末20を発信元電話端末20と呼ぶものとする。また、発信元電話端末20のユーザの名前は名前Aであり、着信先電話端末10の電子メールアドレスは、着信先の電話番号Bに対応するアドレスBであるものとする。
【0037】
まず、発信元電話端末20のユーザが、発信元電話端末20上で着信先電話端末10の電話番号Bを選択又は入力する等の操作を行うことにより、発信元電話端末20は、発信元の電話番号Aと着信先の電話番号Bを含む着信先電話端末10宛の呼接続要求信号を送出する(ステップ1)。呼接続要求信号は呼接続制御装置50が受信する。
【0038】
呼接続要求信号を受信した呼接続制御装置50において、呼制御通信部51は、呼制御通信のための処理(呼接続要求信号の転送処理等)を一時的に中断する。その間に、以下のステップ2〜ステップ5の処理が行われることになる。
【0039】
呼制御通信のための処理を中断する時間は、例えば、ステップ1で呼接続要求信号を受信してから予め定めた時間が経過するまでとしてもよいし、下記のステップ5の処理(発信者識別情報の通知処理)が終了した後に、予め定めた時間が経過するまでとしてもよい。また、呼制御通信のための処理を中断している間、呼接続制御装置50が発信元電話端末20に対して、着信先電話端末10を呼び出している旨のガイダンスを流すこととしてもよい。
【0040】
ステップ2において、呼接続制御装置50の通知用情報取得部52は、ステップ1にて受信した呼接続要求信号から発信元の電話番号Aと着信先の電話番号Bを抽出し、電話番号Aと電話番号Bを含む通知用情報要求をユーザ情報管理装置60に送信する。
【0041】
ユーザ情報管理装置60において、通知用情報要求受信部61が通知用情報要求を受信し、通知用情報要求を通知用情報抽出部62に渡す。そして、通知用情報抽出部62は、通知用情報要求に含まれる電話番号Aと電話番号Bを用いてユーザ情報格納部65のユーザ情報(図4参照)を検索し、電話番号Aに対応するユーザ識別情報(本実施形態では、名前A)を発信者識別情報として抽出するとともに、電話番号Bに対応する通知先アドレス(本実施形態では、電子メールアドレスB)を抽出し、抽出した情報を通知用情報返却部63に渡す(ステップ3)。
【0042】
続いて、通知用情報返却部63は、名前Aと電子メールアドレスBとを含む通知用情報を呼接続制御装置50に送信する(ステップ4)。
【0043】
呼接続制御装置50では、通知用情報取得部52が、名前Aと電子メールアドレスBとを含む通知用情報を取得し、当該通知用情報を発信者識別情報通知部53に渡す。発信者識別情報通知部53は、発信者識別情報である名前Aを本文に含む電子メールを作成し、それを電子メールアドレスB宛に送信する(ステップ5)。当該電子メールの本文は例えば「名前Aさんから電話です。」といった文である。
【0044】
着信先電話端末10が、電子メールアドレスB宛に送信された電子メールを受信すると、着信先電話端末10は鳴動して、電子メールの着信があったことをユーザに知らせるとともに、電子メールの内容(「名前Aさんから電話です。」)を表示部に表示する(ステップ6)。この表示を見た着信先電話端末10のユーザは、名前Aさんから電話があることを確認できる。
ステップ5において電子メールが送信された後、呼接続制御装置50における呼制御通信部51は、ステップ1で受信した呼接続要求信号に係る呼制御処理を再開し、着信先電話端末10宛に呼接続要求信号を送信する(ステップ7)。すなわち、着信先電話端末10に対する呼び出しを行う。
【0045】
呼接続要求信号を受信した着信先電話端末10では、電話の呼び出し音が鳴動する。この後、ユーザが着信先電話端末10に対して応答操作を行うことにより、発信元電話端末20と着信先電話端末10との間が呼接続され、通話が開始される。
【0046】
なお、着信先電話端末10のユーザが電子メールの内容を確認する時点で、既に、電話着信による鳴動が開始されていてよい。この場合、電子メールの内容を確認するユーザは、今現在呼び出しを行っている発信者が"名前A"さんであることを把握できる。
【0047】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。例えば、上述した実施の形態では、発信者識別情報の通知を電子メールを用いて行っていたが、発信者識別情報の通知手段は、電子メールに限られるわけではない。迅速にメッセージの通知を行うことが可能な手段であれば、どのような手段を用いてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、電子メールの宛先の電話端末と、電話の着信先の電話端末とは同じ電話端末であることとしたが、これらは異なる端末であってもよい。例えば、名前Bのユーザが使用する着信先電話端末10への着信の発信元識別情報を、当該ユーザのデスクトップPCに表示する形態も実現可能である。この場合、ユーザ情報格納部65(図4参照)において、電話番号Bに対応付けて、上記デスクトップPCの電子メールアドレスをアドレスBとして格納しておけばよい。
【符号の説明】
【0049】
10、20 電話端末
50 呼接続制御装置
60 ユーザ情報管理装置
51 呼制御通信部
52 通知用情報取得部
53 発信者識別情報通知部
54 データ通信部
61 通知用情報要求受信部
62 通知用情報抽出部
63 通知用情報返却部
64 データ通信部
65 ユーザ情報格納部
100 IP電話網
200 その他の電話網
150 ゲートウェイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発信元電話端末と着信先電話端末との間で呼接続制御を行う呼接続制御装置であって、
前記発信元電話端末から、当該発信元電話端末の電話番号である発信元電話番号と前記着信先電話端末の電話番号である着信先電話番号とを含む前記着信先電話端末宛の呼接続要求を受信する呼接続要求受信手段と、
前記呼接続要求受信手段により受信した前記呼接続要求から前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを取得し、当該発信元電話番号と着信先電話番号とを含む通知用情報要求を、前記呼接続制御装置に通信ネットワークを介して接続されたユーザ情報管理装置に送信し、当該ユーザ情報管理装置から、前記発信元電話番号に対応付けられた発信者識別情報と前記着信先電話番号に対応付けられた通知先アドレスとを含む通知用情報を受信する通知用情報取得手段と、
前記通知用情報取得手段により取得した前記発信者識別情報を含むメッセージを、前記通知先アドレス宛に送信するメッセージ通知手段と、
前記メッセージを送信した後に、呼接続要求を前記着信先電話端末に対して送信する呼接続要求送信手段と、
を備えたことを特徴とする呼接続制御装置。
【請求項2】
前記通知先アドレスは、前記着信先電話端末の電子メールアドレスであることを特徴とする請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項3】
前記通知先アドレスは、前記着信先電話端末と異なる端末の電子メールアドレスであることを特徴とする請求項1に記載の呼接続制御装置。
【請求項4】
発信元電話端末と着信先電話端末との間で呼接続制御を行う呼接続制御装置と、当該呼接続制御装置に通信ネットワークを介して接続されるユーザ情報管理装置とを備えた発信者識別情報通知システムであって、
前記ユーザ情報管理装置は、
電話番号と、ユーザ識別情報と、通知先アドレスとを対応付けて格納するユーザ情報格納手段と、
前記呼接続制御装置から、前記発信元電話端末の電話番号である発信元電話番号と前記着信先電話端末の電話番号である着信先電話番号とを含む通知用情報取得要求を受信し、前記発信元電話番号に対応するユーザ識別情報である発信者識別情報と、前記着信先電話番号に対応する通知先アドレスとを通知用情報として前記ユーザ情報格納手段から取得し、当該通知用情報を前記呼接続制御装置に送信する通知用情報提供手段と、を備え、
前記呼接続制御装置は、
前記発信元電話端末から、前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを含む前記着信先電話端末宛の呼接続要求を受信する呼接続要求受信手段と、
前記呼接続要求受信手段により受信した前記呼接続要求から前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを取得し、当該発信元電話番号と着信先電話番号とを含む通知用情報要求を、前記ユーザ情報管理装置に送信し、当該ユーザ情報管理装置から、前記発信元電話番号に対応付けられた発信者識別情報と前記着信先電話番号に対応付けられた通知先アドレスとを含む通知用情報を受信する通知用情報取得手段と、
前記通知用情報取得手段により取得した前記発信者識別情報を含むメッセージを、前記通知先アドレス宛に送信するメッセージ通知手段と、
前記メッセージを送信した後に、呼接続要求を前記着信先電話端末に対して送信する呼接続要求送信手段と、を備える
ことを特徴とする発信者識別情報通知システム。
【請求項5】
コンピュータを、発信元電話端末と着信先電話端末との間で呼接続制御を行う呼接続制御装置として機能させるプログラムであって、コンピュータを、
前記発信元電話端末から、当該発信元電話端末の電話番号である発信元電話番号と前記着信先電話端末の電話番号である着信先電話番号とを含む前記着信先電話端末宛の呼接続要求を受信する呼接続要求受信手段、
前記呼接続要求受信手段により受信した前記呼接続要求から前記発信元電話番号と前記着信先電話番号とを取得し、当該発信元電話番号と着信先電話番号とを含む通知用情報要求を、前記呼接続制御装置に通信ネットワークを介して接続されたユーザ情報管理装置に送信し、当該ユーザ情報管理装置から、前記発信元電話番号に対応付けられた発信者識別情報と前記着信先電話番号に対応付けられた通知先アドレスとを含む通知用情報を受信する通知用情報取得手段、
前記通知用情報取得手段により取得した前記発信者識別情報を含むメッセージを、前記通知先アドレス宛に送信するメッセージ通知手段、
前記メッセージを送信した後に、呼接続要求を前記着信先電話端末に対して送信する呼接続要求送信手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−114654(P2011−114654A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269998(P2009−269998)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)
【Fターム(参考)】