説明

呼気分析装置

【課題】使用者が呼気を吹込むに際してその勢いに特別な注意を払わなくても測定や分析にばらつきを生じることのない呼気分析装置を提供すること。
【解決手段】本発明の呼気分析装置は、呼気の吹込口と、ガスセンサが配設されたセンサ配設部と、前記吹込口から吹込まれた呼気を前記センサ配設部に導くための呼気導入路とを備えてなる呼気分析装置であって、前記呼気導入路には、調圧弁が配設されていることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサを用いて呼気の測定や分析を行う呼気分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼気中アルコール濃度の測定や口臭レベルの判定等といった呼気の測定や分析を行うための、例えば金属酸化物半導体で形成された感ガス体を含むガスセンサを用いてなる呼気分析装置が知られている(特許文献1及び2参照。)。斯かる呼気分析装置では、その本体の前面に呼気吹込口が形成されると共に本体の内部にガスセンサが配設されており、呼気吹込口から吹込まれた呼気は、これをガスセンサ配設部に導く呼気導入路を流通してガスセンサ配設部に至り、ガスセンサに接触する。このときのガスセンサの出力に基づいて、呼気の測定や分析が行われる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−304715号公報
【特許文献2】特開2001−333925号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスセンサを用いた従来の呼気分析装置では、ガスセンサに接触する呼気の流量、圧力、角度等によってその出力が変動し、これが呼気の測定や分析の結果にばらつきを生じる要因となっている。即ち、呼気の測定や分析を正確に且つ安定して行うためには、常に一定の勢いで呼気を吹込むことによってガスセンサに接触する呼気の流量等を安定させることが必要で、結果として使用者には、呼気分析装置の使用を煩雑なものと感じさせてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、使用者が呼気を吹込むに際してその勢いに特別な注意を払わなくても測定や分析にばらつきを生じることのない呼気分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の呼気分析装置は、呼気の吹込口と、ガスセンサが配設されたセンサ配設部と、前記吹込口から吹込まれた呼気を前記センサ配設部に導くための呼気導入路とを備えてなる呼気分析装置であって、前記呼気導入路には調圧弁が配設されていることを特徴とするものである。
【0007】
ここで、前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路をその外部に連通させるものであることが望ましい。
【0008】
更に、前記調圧弁は、前記呼気導入路とその外部とを連通させる連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に前記弁体を付勢する付勢部材とで構成され、前記弁体は、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部とを備えてなるものであることが望ましい。
【0009】
或いは、前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させるものであることが望ましい。
【0010】
更に、前記調圧弁は、前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁であることが望ましい。
【0011】
或いは、前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路をその外部に連通させ、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力よりも低い第二の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させるものであることが望ましい。
【0012】
更に、前記調圧弁は、前記呼気導入路に形成された外部との連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に弁体を付勢する付勢部材とで構成され、前記弁体は、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部と、この通路部に配設されて前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁とを備えてなることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の呼気分析装置であれば、呼気導入路に調圧弁が配設されているため、使用者が呼気を吹込む勢いに拘らず呼気導入路の内圧は安定し、結果としてガスセンサに接触する呼気の流量、圧力が安定する。従って、使用者が呼気を吹込むに際してその勢いに特別な注意を払わなくても測定や分析にばらつきを生じることのない呼気分析装置とすることができる。
【0014】
ここで、前記調圧弁を、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路をその外部に連通させるものとした場合は、呼気を吹込む勢いが強過ぎるときに余剰となる呼気を呼気導入路の外部に解放するように機能するため、ガスセンサに接触する呼気の流量、圧力を安定させることができる。
【0015】
更に、前記調圧弁を、前記呼気導入路とその外部とを連通させる連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に前記弁体を付勢する付勢部材とで構成し、前記弁体を、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部とを備えてなるものとしたときは、ガスセンサに接触する呼気の流量、圧力を安定させるための調圧弁を簡便な構造で実現できると共に、呼気の流通が通路部で絞られることによってセンサ配設部に導入される呼気が整流されるので、ガスセンサに接触する呼気の角度をも安定させることができる。
【0016】
或いは、前記調圧弁を、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させるものとした場合は、呼気を吹込む勢いが弱過ぎるときにセンサ配設部への呼気の導入を停止するように機能するため、ガスセンサに接触する呼気の流量、圧力を安定させることができる。
【0017】
更に、前記調圧弁を、前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁としたときは、ガスセンサに接触する呼気の流量、圧力を安定させるための調圧弁を簡便な構造で実現できる。
【0018】
或いは、前記調圧弁を、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路をその外部に連通させ、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力よりも低い第二の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させるものとした場合は、呼気を吹込む勢いが強過ぎるときには余剰となる呼気を呼気導入路の外部に解放し、呼気を吹込む勢いが弱過ぎるときにはセンサ配設部への呼気の導入を停止するように機能するため、ガスセンサに接触する呼気の流量、圧力を安定させることができる。
【0019】
更に、前記調圧弁を、前記呼気導入路に形成された外部との連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に弁体を付勢する付勢部材とで構成し、前記弁体を、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部と、この通路部に配設されて前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁とを備えてなるものとしたときは、呼気を吹込む勢いが強過ぎるときにも弱過ぎるときにもガスセンサに接触する呼気の流量、圧力を安定させるための調圧弁を簡便な構造で実現できると共に、呼気の流通が通路部で絞られることによってセンサ配設部に導入される呼気が整流されるので、ガスセンサに接触する呼気の角度をも安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の呼気分析装置は、呼気の吹込口と、ガスセンサが配設されたセンサ配設部と、前記吹込口から吹込まれた呼気を前記センサ配設部に導くための呼気導入路とを備えてなる呼気分析装置において、前記呼気導入路に調圧弁を配設する。
【0021】
ここで、前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路をその外部に連通させるものであることが望ましい。
【0022】
更に、前記調圧弁は、前記呼気導入路とその外部とを連通させる連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に前記弁体を付勢する付勢部材とで構成され、前記弁体は、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部とを備えてなるものであることが望ましい。
【0023】
或いは、前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させるものであることが望ましい。
【0024】
更に、前記調圧弁は、前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁であることが望ましい。
【0025】
或いは、前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路をその外部に連通させ、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力よりも低い第二の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させるものであることが望ましい。
【0026】
更に、前記調圧弁は、前記呼気導入路に形成された外部との連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に弁体を付勢する付勢部材とで構成され、前記弁体は、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部と、この通路部に配設されて前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁とを備えてなることが望ましい。
【実施例1】
【0027】
以下、本発明の第一実施例を、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明による呼気分析装置1の概略外観図であって、図1(a)はその正面図、図1(b)はその背面図である。図2は、本発明の第一実施例における図1のA−A断面を概略的に表す図であって、図2(a)は呼気の吹込みが適正に行われている状態を表し、図2(b)は呼気の吹込みが強過ぎる状態を表している。尚、図2(a)、(b)において、図中の矢印は呼気の流れを表している。
【0028】
図1に示すように、呼気分析装置1は、その本体10の正面に、呼気の吹込口11が形成されると共に、表示画面20と、操作スイッチ30とが配設されている。また、その背面には、呼気の吹抜口12が形成されている。操作スイッチ30の押下により電源が投入され、その状態で吹込口11に呼気を吹込むと、本体10の内部に配設されたガスセンサ131に呼気が接触し、呼気中アルコール濃度の測定等が実行され、その結果が表示画面20に表示されるものである。ガスセンサ131に接触した呼気は、吹抜口12(121)から排気される。
【0029】
図2に示すように、本体10の内部には、上下方向に対向して配置された一対の内壁101、101によってセンサ配設部13が区画形成されており、このセンサ配設部13にガスセンサ131が配設されている。夫々の内壁101は、本体10の正面側の外壁100aに向かって延出する内壁101aと、本体10の背面側の外壁100bに開口された吹抜口12に向かって延出する内壁101bと、これら内壁101a、101bに直交するリブ状の内壁101cとを備えており、図示しない位置において本体10の外壁に固着されている。
【0030】
ここで、夫々の内壁101aは、外壁100aに向かって延出しつつもこれに到達せず、従って内壁101aの先端部と外壁100aの内側壁面との間に間隙が形成されている。詳しくは後述するように、この間隙が呼気導入路14とその外部15とを連通させる連通口16を構成するものである。一方、夫々の内壁101bは、外壁100bに開口された吹抜口12に向かって延出してその先端部が外壁101bの外側壁面と略同一の平面に到達し、以って吹抜口12を3つの吹抜口121、122、123に区画している。
【0031】
また、内壁101aと内壁101cとで区画される空間には、弁体171と付勢部材172とで構成される調圧弁17が、呼気の流通方向に摺動可能に配設されている。
【0032】
弁体171は、吹込口11に連通する上流開口部173を区画する上流側壁171aと、上流開口部173よりも小さな断面積でセンサ配設部13に連通する下流開口部174を区画する下流側壁171bと、上流側壁171aと下流側壁171bとを接続する接続壁171cとによって構成された中空体である。そして、これら上流側壁171aと下流側壁171bと接続壁171cとで囲繞されて上流開口部173と下流開口部174とを連通させる通路部175が、吹込口11から吹込まれた呼気をセンサ配設部13に導くための呼気導入路14を兼ねる構成となっている。また、接続壁171cは、通路部175の軸方向に対して略直交して通路部175に段差を形成し、これによって通路部175が絞られている。また、後述するように、接続壁171cの内側壁面には通路部175(呼気導入路14)の内圧が作用し、その外側壁面には付勢部材172の付勢力が作用する。
【0033】
付勢部材172は、一般的なコイルスプリングであって、本体10の内壁101a及び内壁101cと弁体171の下流側壁171b及び接続壁171cとで区画される夫々の空間に、内壁101c及び接続壁171cをバネ座として配設されている。この付勢部材172の付勢力によって弁体171は外壁100aに向かって常時付勢され、自然状態においては上流側壁171aの先端部が外壁100aの内側壁面(吹込口11の開口周辺部)に当接させられる。この結果、内壁101aの先端部と外壁100aの内側壁面との間の間隙たる連通口16は、上流側壁171aによって閉塞されるものである。
【0034】
そして、本体10の内部であって内壁101、101で区画されるセンサ配設部13等の外側に位置する空間15は、通常は弁体171の上流側壁171aによって閉塞される連通口16を介して吹込口11及び呼気導入路14に連通すると共に、外壁100bと内壁101bの先端部とで区画される吹抜口122、123を介して本体10の外部に連通している。
【0035】
上述の如き構成の呼気分析装置1において、その使用者が吹込口11から呼気を吹込んだ場合の調圧弁17の動作及び呼気の流れは、次のようになる。
【0036】
先ず、呼気を吹込む勢いが強過ぎることなく、従って呼気導入路14の内圧が付勢部材172の付勢力(即ち、コイルスプリングのバネ定数)で定まる所定圧力を下回っている場合においては、図2(a)に示す如く、弁体171は付勢部材172に付勢されて連通口16を閉塞したままとなる。従って、呼気はその全てがセンサ配設部13に導入されてガスセンサ131に接触し、その後吹抜口121から排気される。
【0037】
一方、呼気を吹込む勢いが強過ぎ、従って呼気導入路14の内圧が上記所定圧力を上回った場合においては、斯かる内圧は接続壁171cの内側壁面に作用し、図2(b)に示す如く、弁体171は呼気導入路14の軸方向に移動して連通口16を開口する。従って、吹込まれた呼気のうち余剰となる分が連通口16を介して呼気導入路14の外部の空間15に解放され、これにより適正化された流量、圧力の呼気がセンサ配設部13に導入されるので、ガスセンサ131に接触する呼気の流量、圧力は安定したものとなる。ここで、弁体171の移動量(即ち、連通口16の開口面積)は、呼気導入路14の内圧(即ち、呼気の余剰流量)に比例して広がるので、センサ配設部13に導入される呼気の流量、圧力は、極めて安定するものである。尚、空間15に解放された呼気は、吹抜口122、123から排気される。
【0038】
また、上記何れの場合においても、呼気の流通は通路部175で絞られることによって整流されてセンサ配設部13に導入される。従って、ガスセンサ131に接触する呼気の角度も安定したものとなる。
【実施例2】
【0039】
次に、本発明の第二実施例を、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第二実施例における図1のA−A断面を概略的に表す図であって、図3(a)は呼気の吹込みが弱過ぎる状態を表し、図2(b)は呼気の吹込みが適正に行われている状態を表している。図3(a)、(b)においても、図中の矢印は呼気の流れを表している。
【0040】
第二実施例が第一実施例と相違する点は、呼気導入路14の内圧が所定圧力を上回る場合にこの呼気導入路14とセンサ配設部13とを連通させる調圧弁18を設けた点のみである。従って、同一の構成については同一の符号を付し、説明は割愛する。
【0041】
図3に示すように、呼気導入路14として機能する弁体171の通路部175には、調圧弁18が配設されている。調圧弁18は、相対向する一組の可撓体(板バネ)181、181及び基部182、182からなる常閉型の逆止弁(リード弁)である。弁体171の接続壁171cに固着された夫々の基部182から夫々の可撓体181が延出し、自然状態においてはその撓み力によって各可撓体181、181の先端部が互いに当接して呼気導入路14とセンサ配設部13との間の連通を遮断している。
【0042】
呼気導入路14に調圧弁18が配設された呼気分析装置1において、その使用者が吹込口11から呼気を吹込んだ場合の調圧弁18の動作及び呼気の流れは、次のようになる。
【0043】
先ず、呼気を吹込む勢いが弱過ぎ、従って呼気導入路14の内圧が可撓体181の撓み力(即ち、板バネのバネ定数)で定まる所定圧力を下回っている場合においては、図3(a)に示す如く、可撓体181は呼気導入路14を閉塞したままとなる。従って、適正な流量、圧力に満たない呼気はセンサ配設部13に導入されず、ガスセンサ131に接触することもない。尚、可撓体181の撓み力は付勢部材172の付勢力よりも弱く設定されており、従って上記の所定圧力は、第一実施例において説明した所定圧力を第一の所定圧力とした場合、この第一の所定圧力よりも低い第二の所定圧力ということができる。
【0044】
一方、呼気を吹込む勢いが弱過ぎることなく、従って呼気導入路14の内圧が上記第二の所定圧力を上回った場合においては、図3(b)に示す如く、可撓体181はその先端部が互いに離間して呼気導入路14をセンサ配設部13に連通させる。従って、吹込まれた適正な流量、圧力の呼気がセンサ配設部13に導入されるので、ガスセンサ131に接触する呼気の流量、圧力は安定したものとなる。
【0045】
尚、呼気を吹込む勢いが更に強くなって呼気導入路14の内圧が更に上昇し、上記第一の所定圧力をも上回った場合においては、調圧弁18が呼気導入路14をセンサ配設部13に連通させたまま、第一実施例(図2(b))と同様に調圧弁17が連通口16を開口して余剰となる呼気は空間15に解放される。この結果、センサ配設部13に導入され、ガスセンサ131に接触する呼気の流量、圧力は、安定したものとなる。もちろん、通路部175の絞りによって呼気が整流されてガスセンサ131への接触角度が安定する点も、第一実施例に同じである。
【0046】
上述のように、第二実施例においては、第一実施例の調圧弁17の内部に調圧弁18を組込んだので、簡便な構造で調圧弁による効果を得ることが可能となっている。
【0047】
以上、本発明及びその実施の形態について詳述してきたが、本発明は、以上の説明に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した構成を備える限りにおいて、様々な変形が可能である。例えば、弁体171の接続壁171cは、通路部175に対して必ずしも直交する必要はなく、テーパ状であっても良く、或いは弁体171自体を漏斗状に形成しても良い。また、付勢部材172はコイルスプリングに限らず、弁体171に対して必要な付勢力を得られるものであれば良く、磁力や電磁力等を利用することも考えられる。また、調圧弁17はそれ自体が呼気導入路14の一部を構成するような中空体でなくとも良く、固定された呼気導入路に形成された連通口を開閉し得る常閉型の弁であれば足りる。調圧弁18もまた、調圧弁17とは独立して配設しても良く、或いは調圧弁18のみを備える構成であっても良い。更にまた、呼気の吹込口を本体から延出されたチューブ等で構成した呼気分析装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による呼気分析装置1の概略外観図。
【図2】第一実施例における図1のA−A断面を概略的に表す図。
【図3】第二実施例における図1のA−A断面を概略的に表す図。
【符号の説明】
【0049】
1 呼気分析装置
10 本体
100a、100b 外壁
101、101a、101b、101c 内壁
11 吹込口
12、121、122、123 吹抜口
13 センサ配設部
131 ガスセンサ
14 呼気導入路
15 空間
16 連通口
17 調圧弁
171 弁体
171a 上流側壁
171b 下流側壁
171c 接続壁
172 付勢部材
173 上流開口部
174 下流開口部
175 通路部
18 調圧弁
181 可撓体
182 基部
20 表示画面
30 操作スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気の吹込口と、ガスセンサが配設されたセンサ配設部と、前記吹込口から吹込まれた呼気を前記センサ配設部に導くための呼気導入路とを備えてなる呼気分析装置であって、前記呼気導入路には調圧弁が配設されていることを特徴とする呼気分析装置。
【請求項2】
前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路をその外部に連通させることを特徴とする請求項1記載の呼気分析装置。
【請求項3】
前記調圧弁は、前記呼気導入路とその外部とを連通させる連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に前記弁体を付勢する付勢部材とで構成され、前記弁体は、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部とを備えてなることを特徴とする請求項2記載の呼気分析装置。
【請求項4】
前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が所定圧力を上回る場合においてこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させることを特徴とする請求項1記載の呼気分析装置。
【請求項5】
前記調圧弁は、前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁であることを特徴とする請求項4記載の呼気分析装置。
【請求項6】
前記調圧弁は、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路をその外部に連通させ、前記呼気導入路の内圧が第一の所定圧力よりも低い第二の所定圧力を上回る場合においてはこの呼気導入路を前記センサ配設部に連通させることを特徴とする請求項1記載の呼気分析装置。
【請求項7】
前記調圧弁は、前記呼気導入路に形成された外部との連通口を開閉する弁体と、前記連通口を閉塞する方向に弁体を付勢する付勢部材とで構成され、前記弁体は、前記吹込口に連通する上流開口部と、この上流開口部よりも小さな断面積で前記センサ配設部に連通する下流開口部と、これら上流開口部と下流開口部とを連通させる通路部と、この通路部に配設されて前記吹込口から前記センサ配設部への呼気の流通のみを許容する逆止弁とを備えてなることを特徴とする請求項6記載の呼気分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−98058(P2006−98058A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280816(P2004−280816)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】