説明

呼気判定装置

【課題】呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができるようにする。
【解決手段】気体中の二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度を算出し(350、352)、算出された二酸化炭素の濃度が、所定の濃度範囲外であるか、又は、算出された算出された酸素の濃度が、所定の濃度範囲外である場合には、気体中に呼気が含まれていないと判断する(104、354)。そして、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度が、所定の濃度範囲内である場合には、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて、呼気希釈率を各々算出し(356)、算出された2つの呼気希釈率の比が、1を含む許容範囲内である場合には、呼気希釈率がほぼ一致し、気体中に呼気が含まれていると判断する(358)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼気判定装置に係り、特に、運転者の呼気が判定対象の気体中に含まれるか否かを判定することができる呼気判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルコールセンサを用いた呼気アルコール検知システムにおいて、被験者が息を止める不正アルコール測定に対する対策方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この呼気アルコール検知システムでは、風速計、風量計、風圧計、及び二酸化炭素センサによって、測定時に吹き込まれる呼気を計測し、所定の基準値を超えた場合にアルコールの計測を開始している。
【特許文献1】特開2004−212217号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、呼気が検知システムヘ吹き込まれたか否かを判定することができるが、呼気が吹き込まれるという前提に立っている判定であり、呼気以外のガスを吹き込めば、容易に不正行為が行われてしまう、という問題点があった。例えば、不活性ガスを含むスプレー缶を用意して、呼気を吹き込むノズルに向けてスプレーを吹きかけるといった不正行為が考えられる。このようなスプレー缶は、日用品として市販されているものが多くあり、入手は容易である。また、ドライアイスをノズルの途中に置いてスプレーを吹きかけるなどの不正が考えられる。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる呼気判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の発明の呼気判定装置は、判定対象の気体中に含まれる、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも1種のガスの濃度を検出するガス検出手段と、前記ガス検出手段によって検出された前記ガスの濃度が、予め求められた呼気を含まない大気中の前記ガスの濃度と予め求められた呼気中の前記ガスの濃度との間の範囲内であるか否かを判定して、前記判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する判定手段と、を含んで構成したものである。
【0006】
第1の発明の呼気判定装置によれば、ガス検出手段によって、判定対象の気体中に含まれる、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも1種のガスの濃度を検出する。そして、判定手段によって、ガス検出手段によって検出されたガスの濃度が、予め求められた呼気を含まない大気中のガスの濃度と予め求められた呼気中のガスの濃度との間の範囲内であるか否かを判定して、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定することができる。
【0007】
このように、水蒸気、二酸化炭素、又は酸素の濃度が、呼気を含まない大気中の濃度と呼気中の濃度との間の範囲内であるか否かを判定することにより、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。
【0008】
第2の発明の呼気判定装置は、判定対象の気体中に含まれる、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも2種のガスの濃度を各々検出するガス検出手段と、前記ガスの種類各々について、前記ガス検出手段によって検出された前記ガスの濃度と、予め求められた呼気中の前記ガスの濃度との比を算出し、前記ガスの種類各々について算出された前記比の差又は該比の比が所定範囲内の値であるか否かを判定して、前記判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する判定手段と、を含んで構成したものである。
【0009】
第2の発明の呼気判定装置は、ガス検出手段によって、判定対象の気体中に含まれる、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも2種のガスの濃度を各々検出する。そして、判定手段によって、ガスの種類各々について、ガス検出手段によって検出されたガスの濃度と、予め求められた呼気中のガスの濃度との比を算出し、ガスの種類各々について算出された比の差又は該比の比が所定範囲内の値であるか否かを判定して、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する。
【0010】
このように、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも2種のガスの濃度に対する、検出されたガスの濃度と呼気中のガスの濃度との比の差又は該比の比が、所定範囲内の値であるか否かを判定することにより、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。
【0011】
第2の発明の判定手段は、ガスの少なくとも1種について、ガス検出手段によって検出されたガスの濃度が、予め求められた呼気を含まない大気中のガスの濃度と予め求められた呼気中のガスの濃度との間の範囲外である場合、判定対象の気体中に呼気が含まれないと判定し、ガス検出手段によって検出されたガスの濃度が、範囲内である場合、ガスの種類各々について算出された比の差又は該比の比が所定範囲内の値であるか否かを判定して、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定することができる。これによって、水蒸気、二酸化炭素、又は酸素の濃度が、呼気を含まない大気中の濃度と呼気中の濃度との間の範囲内であるか否かを更に判定することにより、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを更に精度よく判定することができる。
【0012】
上記の検出されたガスの濃度と呼気中のガスの濃度との比は、呼気希釈率であって、判定手段が、以下の(1)式に従って呼気希釈率Diを算出するようにすることができる。
【0013】
Di=(BG−AG)/Δb ・・・(1)
【0014】
ただし、Δbはガス検出手段で検出されたガスの濃度の変化量、変化率、または所定時間内の積分値、BGは予め求められた呼気中のガスの濃度、AGは予め求められた呼気を含まない大気中の前記ガスの濃度である。
【0015】
上記(1)式によって、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも2種のガスについて、呼気希釈率を求めて、呼気希釈率の差又は該呼気希釈率の比が、所定範囲内の値であるか否かを判定することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、ドライバの呼気からアルコールの一種であるエタノールの濃度を検出するエタノール濃度検出装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0018】
図1に示すように、第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10は、運転席に設けられたステアリングコラム12の、ドライバの呼気が到達可能な位置に取り付けられている。エタノール濃度検出装置10は、先端部に拡径した吸い込み口20Aが形成された細長円筒状の呼気導入管20を備えており、呼気導入管20の基端部には、ドライバの呼気を吸い込み口20Aから吸い込むために駆動される吸い込みファン22が設けられている。
【0019】
呼気導入管20の中間部の内部には、酸化物半導体を用いてエタノールガスの濃度を検出するエタノールガスセンサであるアルコールセンサ、及び二酸化炭素の濃度を検出する二酸化炭素センサを有するセンサ群24が取り付けられている。
【0020】
図2に示すように、センサ群24は、呼気導入管20の中間部の内部に対向するように取り付けられた、アルコールセンサ24Aと二酸化炭素センサ24Bとで構成されている。
【0021】
アルコールセンサ24Aは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれるエタノールガスを検出するセンサであり、例えば、酸化錫の半導体を用いたTGS822(フィガロ技研社製、商品名)を使用することができる。
【0022】
二酸化炭素センサ24Bは、呼気導入管20内を流れる気体中に含まれる二酸化炭素を検出するセンサであり、例えば、固体電解質を用いたCDM4160(フィガロ技研社製、商品名)を使用することができる。
【0023】
この実施の形態によれば、吸い込みファン22を駆動することにより、ドライバから吐き出された呼気は呼気導入管20の吸い込み口20Aから呼気導入管20内に吸入されると共に、呼気が空気と混合されることで任意に希釈され、アルコールセンサ24A及び二酸化炭素センサ24Bへ到達する。そして、呼気は、アルコールセンサ24A及び二酸化炭素センサ24Bに接触した後、吸い込みファン22の背面に排出される。
【0024】
呼気がアルコールセンサ24A及び二酸化炭素センサ24Bに接触することにより、アルコールセンサ24Aによって呼気を含む気体中のエタノールガスの濃度が検出されると共に、二酸化炭素センサ24Bによって呼気を含む気体中の二酸化炭素の濃度が検出される。アルコールセンサ24A及び二酸化炭素センサ24Bで検出された気体中のエタノールガスの濃度及び二酸化炭素の濃度は、後述するエタノール濃度判定器に入力され、検出した二酸化炭素の濃度の大きさに基づいて、ドライバの不正行為を防止すると共に、エタノール成分の濃度の大きさに基づいて、エタノールガスの濃度が検出される。
【0025】
図3に示すように、エタノール濃度検出装置10は、アルコールセンサ24A及び二酸化炭素センサ24Bに接続され、かつ、エタノールガスの濃度を検出するエタノール濃度判定器30を備えている。
【0026】
エタノール濃度判定器30は、二酸化炭素センサ24Bの出力に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中の二酸化炭素の濃度を算出する二酸化炭素濃度算出部32と、算出された二酸化炭素の濃度に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれているか否かを判定する呼気判定部34と、アルコールセンサ24Aの出力に基づいて、呼気導入管20内を流れる呼気を含む気体中のエタノールガスの濃度を算出するエタノール濃度算出部36と、呼気判定部34による判定結果やエタノール濃度算出部36による算出結果を表示する表示部38とを備えている。
【0027】
二酸化炭素濃度算出部32は、図4(A)に示すような二酸化炭素センサ24Bの出力濃度の変化から、最大値を算出し、算出された最大値[CO]peakを、二酸化炭素の濃度とする。
【0028】
呼気判定部34は、二酸化炭素濃度算出部32で算出された二酸化炭素の濃度が、所定の濃度範囲内であるか否かを判定して、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれているか否かを判定する。
【0029】
呼気成分のうち二酸化炭素は、ほぼ常に一定濃度呼気中に存在している。したがって、気体中で希釈された呼気中の二酸化炭素の濃度範囲は、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度と呼気中の二酸化炭素濃度との間である。そこで、本実施の形態では、上記の所定の濃度範囲を、呼気が吐き出される前、すなわち、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度以上であって、呼気中の二酸化炭素濃度以下の範囲とする。なお、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度については、呼気が吹きこまれる前における二酸化炭素センサ24Bの出力濃度に基づいて、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度を予め求めればよい。また、呼気中の二酸化炭素濃度については、実験や統計により予め求めておけばよく、例えば、約3.8%で一定である。
【0030】
エタノール濃度算出部36は、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていると判定される場合に、アルコールセンサ24Aの出力濃度から、最大値を算出し、算出した最大値を、呼気が含まれる気体中のエタノールガスの濃度とする。
【0031】
次に、第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置10の作用について説明する。ドライバが車両シートに着座すると、ドライバの呼気が呼気導入管20に吹き込まれる状態となり、ドライバによってイグニッションスイッチがオンされると、エタノール濃度検出装置10のエタノール濃度判定器30において、図5に示すエタノール濃度検出処理ルーチンが実行される。
【0032】
まず、ステップ100において、アルコールセンサ24A及び二酸化炭素センサ24Bの各々から、センサ出力の変化を所定期間分取得し、ステップ102において、上記ステップ100で取得した二酸化炭素センサ24Bのセンサ出力の変化から、呼気導入管20内を流れる気体中の二酸化炭素の濃度[CO]peakを算出する。
【0033】
そして、ステップ104において、上記ステップ102で算出された二酸化炭素の濃度[CO]peakが、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度aと呼気中の二酸化炭素濃度bとの間の濃度範囲であるか否かを判定する。二酸化炭素の濃度[CO]peakが、この濃度範囲外である場合には、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないと判断し、ステップ106で、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないことを示すメッセージを、表示部38によって表示させて、エタノール濃度検出処理ルーチンを終了する。
【0034】
一方、上記ステップ104で、二酸化炭素の濃度[CO]peakが、上記の濃度範囲内である場合には、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていると判断し、ステップ108において、上記ステップ100で取得したアルコールセンサ24Aのセンサ出力の変化に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中のエタノールガスの濃度を算出する。
【0035】
次のステップ110において、上記ステップ108で算出されたエタノールガスの濃度を表示部38によって表示させて、エタノール濃度検出処理ルーチンを終了する。
【0036】
以上説明したように、第1の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置によれば、気体中の二酸化炭素の濃度が、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度と呼気中の二酸化炭素濃度との間の濃度範囲内であるか否かを判定して、気体中に呼気が含まれるか否かを判定することにより、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。また、呼気中のエタノールガス濃度を検出する場合に、呼気の替わりに、呼気以外のガスを作用させる等の不正行為を防止することができる。
【0037】
また、検出された二酸化炭素の濃度が所定の濃度範囲を外れれば、気体中に呼気が含まれないと判定されるため、短時間の処理で判定を行なうことができる。
【0038】
なお、上記の実施の形態では、判定で用いる濃度範囲として、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度以上であって、呼気中の二酸化炭素濃度以下の濃度範囲を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度と呼気中の二酸化炭素濃度との間の任意の濃度範囲を、判定で用いるようにしてもよい。
【0039】
また、二酸化炭素センサを用いた場合を例に説明したが、呼気中の他のガス成分の濃度を検出するセンサを用いてもよい。例えば、酸素センサ又は水蒸気センサを用いて検出されたガス濃度が、呼気を含まない大気中のガス濃度と呼気中のガス濃度との間の濃度範囲内であるか否かを判定して、気体中に呼気が含まれるか否かを判定してもよい。なお、水蒸気センサとしては、酸化錫の半導体を用いたTGS2180(フィガロ技研社製、商品名)を用いることができる。また、呼気が含まれるか否かの判定では、呼気を含まない大気中の水蒸気濃度以上であって、呼気中の水蒸気濃度(例えば、34℃の飽和水蒸気濃度の値とする)以下の濃度範囲を用いればよい。
【0040】
次に、第2の実施の形態に係るエタノール濃度判定装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
第2の実施の形態では、呼気中の成分のうち、二酸化炭素及び酸素の各々について、気体中の濃度を検出している点と、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度に基づいて、気体中に呼気が含まれているか否かを判定している点とが第1の実施の形態と異なっている。
【0042】
図6に示すように、第2の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置210では、呼気導入管20の中間部の内部に、アルコールセンサ24A、二酸化炭素センサ24B、及び酸素センサ24Cからなるセンサ群が取り付けられている。
【0043】
酸素センサ24Cは、呼気導入管20内を流れる気体中の酸素の濃度を検出するセンサであり、例えば、ジルコニア固体電解質を用いたFCX−MVL(フジクラ社製、商品名)を使用することができる。
【0044】
図7の断面図に示すように、アルコールセンサ24Aと二酸化炭素センサ24Bと酸素センサ24Cとは、呼気導入管20の中間部の内部であって、吸い込み口20Aから同じ距離となる位置に、等間隔に取り付けられている。
【0045】
図8に示すように、エタノール濃度検出装置210は、アルコールセンサ24A、二酸化炭素センサ24B、及び酸素センサ24Cに接続されたエタノール濃度判定器230を備えている。
【0046】
エタノール濃度判定器230は、二酸化炭素濃度算出部32と、酸素センサ24Cの出力に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中の酸素の濃度を算出する酸素濃度算出部228と、算出された二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれているか否かを判定する呼気判定部234と、エタノール濃度算出部36と、表示部38とを備えている。
【0047】
酸素濃度算出部228は、図4(B)に示すような酸素センサ24Cの出力濃度から、最小値[O]peakを算出し、算出した最小値[O]peakを、酸素の濃度とする。
【0048】
呼気判定部234は、二酸化炭素濃度算出部32で算出された二酸化炭素の濃度が、所定の濃度範囲内であるか否かを判定すると共に、酸素濃度算出部228で算出された酸素の濃度が、所定の濃度範囲内であるか否かを判定して、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれているか否かを判定する。
【0049】
呼気成分のうち二酸化炭素及び酸素は、ほぼ常に一定濃度呼気中に存在している。したがって、空気中で希釈された呼気中の二酸化炭素の濃度範囲は、呼気が含まれない大気中の二酸化炭素濃度と呼気中の二酸化炭素濃度との間であり、空気中で希釈された呼気中の酸素の濃度範囲は、呼気中の酸素濃度と呼気が含まれない大気中の酸素濃度との間である。そこで、本実施の形態では、二酸化炭素の所定の濃度範囲を、第1の実施の形態と同様に、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度以上であって、呼気中の二酸化炭素濃度以下の範囲とし、酸素の所定の濃度範囲を、呼気中の酸素濃度以上であって、呼気が吐き出される前、すなわち、呼気を含まない大気中の酸素濃度以下の範囲とする。なお、呼気を含まない大気中の酸素濃度については、呼気が吹きこまれる前における酸素センサ24Cの出力濃度に基づいて、呼気を含まない大気中の酸素濃度を予め求めればよい。また、呼気中の酸素濃度については、実験や統計により予め求めておけばよく、例えば、約15.2%で一定である。
【0050】
第2の実施の形態に係るエタノール濃度検出処理ルーチンでは、アルコールセンサ24A、二酸化炭素センサ24B、及び酸素センサ24Cの各々からセンサ出力を所定期間分取得し、取得した二酸化炭素センサ24Bのセンサ出力から、気体中の二酸化炭素の濃度[CO]peakを算出すると共に、取得した酸素センサ24Cのセンサ出力から、気体中の酸素の濃度[O]peakを算出する。
【0051】
そして、算出された二酸化炭素の濃度[CO]peakが、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度aと呼気中の二酸化炭素濃度bとの間の濃度範囲であるか否かを判定すると共に、算出された酸素の濃度[O]peakが、呼気中の酸素濃度cと呼気を含まない大気中の酸素濃度dとの間の濃度範囲であるか否かを判定する。二酸化炭素の濃度[CO]peak及び酸素の濃度[O]peakの少なくとも一方が、上記濃度範囲外である場合には、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないと判断し、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないことを示すメッセージを、表示部38によって表示させる。
【0052】
一方、二酸化炭素の濃度[CO]peak及び酸素の濃度[O]peakの双方が、上記各々の濃度範囲内である場合には、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていると判断する。そして、アルコールセンサ24Aのセンサ出力の変化に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中のエタノールガスの濃度を算出し、算出されたエタノールガスの濃度を表示部38によって表示させる。
【0053】
このように、気体中の二酸化炭素の濃度が、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度と呼気中の二酸化炭素濃度との間の濃度範囲内であるか否かを判定すると共に、気体中の酸素の濃度が、呼気を含まない大気中の酸素濃度と呼気中の酸素濃度との間の濃度範囲内であるか否かを判定して、気体中に呼気が含まれるか否かを判定することにより、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態では、二酸化炭素センサ及び酸素センサを用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、二酸化炭素センサ、酸素センサ、及び水蒸気センサを任意に組み合わせて用いてもよい。
【0055】
また、二酸化炭素センサ、酸素センサ、及び水蒸気センサを用いて検出されたガス濃度の各々が、各ガスに対応した濃度範囲内であるか否かによって、気体中に呼気が含まれるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、3種のガス濃度全てが、各ガスに対応した濃度範囲内である場合に、気体中に呼気が含まれると判断してもよいし、また、少なくとも2種のガス濃度が、対応した濃度範囲内である場合に、気体中に呼気が含まれると判断してもよい。
【0056】
次に、第3の実施の形態に係るエタノール濃度判定装置について説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成となっている部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0057】
第3の実施の形態では、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて、呼気希釈率を各々算出して、呼気希釈率を比較している点が第1の実施の形態と異なっている。
【0058】
図9に示すように、第3の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置310のエタノール濃度判定器330は、二酸化炭素濃度算出部32と、酸素濃度算出部228と、算出された二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々が、所定の濃度範囲内であるか否かを判定するガス濃度判定部334と、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて、呼気希釈率を各々算出する呼気希釈率算出部336と、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて算出された呼気希釈率を比較して、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれているか否かを判定する呼気判定部338と、エタノール濃度算出部36と、表示部38とを備えている。
【0059】
ガス濃度判定部334は、二酸化炭素濃度算出部32で算出された二酸化炭素の濃度が、第1の実施の形態で説明した所定の濃度範囲内であるか否かを判定すると共に、酸素濃度算出部228で算出された酸素の濃度が、第2の実施の形態で説明した所定の濃度範囲内であるか否かを判定する。
【0060】
呼気希釈率算出部336は、検出された二酸化炭素の濃度に基づいて、二酸化炭素の濃度(希釈された二酸化炭素の濃度)の大きさと予め求められた呼気中の二酸化炭素の濃度の大きさとの比に基づいて、呼気の希釈率を算出すると共に、検出された酸素の濃度に基づいて、酸素の濃度(希釈された酸素の濃度)の大きさと予め求められた呼気中の酸素の濃度の大きさとの比に基づいて、呼気の希釈率を算出する。ここで、呼気希釈率は、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて、以下の(2)式、(3)式に従って、各々算出される。
Di=
([CO]breath−[CO]base)/([CO]peak−[CO]base)
・・・(2)
Di=([O]breath−[O]base)/([O]peak−[O]base)
・・・(3)
【0061】
ただし、Diは、呼気がセンサに到達するまでに空気によって希釈される割合を示す呼気希釈率、[CO]breathは、予め求められた呼気中の二酸化炭素濃度、[CO]base、呼気が導入される前の二酸化炭素センサ24Bの出力濃度、[CO]peakは、呼気が導入されたときの二酸化炭素センサ24Bの出力濃度の最大値、[O]breathは、予め求められた呼気中の酸素濃度、[O]baseは、呼気が導入される前の酸素センサ24Cの出力濃度、[O]peakは、呼気が導入されたときの酸素センサ24Cの出力濃度の最小値である。
【0062】
なお、上記では、呼気が導入されたときの二酸化炭素センサ及び酸素センサの出力値(出力濃度)として最大値又は最小値を用いているが、必ずしも最大値や最小値である必要はなく、呼気導入管20内に導入され呼気が二酸化炭素センサ及び酸素センサに接触した時点以降の出力値を用いてもよい。
【0063】
呼気判定部338は、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて算出された呼気希釈率の比を算出し、以下の(4)式により、呼気希釈率の比が、1を含む許容範囲内であるか否かによって、呼気希釈率がほぼ一致するか否かを判定して、呼気導入管20内を流れる気体に呼気が含まれるか否かを判定する。
1−e<呼気希釈率の比<1+e ・・・(4)
ただし、eは、呼気希釈率の一致の許容値を示す定数である。
【0064】
ここで、本発明の原理について説明する。呼気が空気中で任意に希釈されるとき、呼気中の2種類のガス成分の濃度の比は、どのように希釈されても一定であると考えられるため、二酸化炭素の希釈率と酸素の希釈率とは等しくなる。したがって、2種類の呼気中のガス成分について、それぞれの呼気ガス希釈率を、呼気希釈率として算出して、それが略一致すれば、空気中で希釈されたガス中に呼気が含まれると判定することができる。
【0065】
次に、第3の実施の形態に係るエタノール濃度検出処理ルーチンについて、図10を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0066】
まず、ステップ350において、アルコールセンサ24A、二酸化炭素センサ24B、及び酸素センサ24Cの各々からセンサ出力の変化を所定期間分取得し、ステップ352において、上記ステップ350で取得した二酸化炭素センサ24Bのセンサ出力の変化から、呼気導入管20内を流れる気体中の二酸化炭素の濃度[CO]peakを算出すると共に、上記ステップ350で取得した酸素センサ24Cのセンサ出力の変化から、呼気導入管20内を流れる気体中の酸素の濃度[O]peakを算出する。
【0067】
そして、ステップ104において、上記ステップ352で算出された二酸化炭素の濃度[CO]peakが、呼気を含まない大気中の二酸化炭素濃度aと呼気中の二酸化炭素濃度bとの間の濃度範囲であるか否かを判定する。二酸化炭素の濃度[CO]peakが、この濃度範囲外である場合には、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないと判断し、ステップ106へ移行する。
【0068】
一方、上記ステップ104で、二酸化炭素の濃度[CO]peakが、上記の濃度範囲内である場合には、ステップ354において、上記ステップ352で算出された酸素の濃度[O]peakが、呼気中の酸素濃度cと呼気を含まない大気中の酸素濃度dとの間の範囲であるか否かを判定する。酸素の濃度[O]peakが、この濃度範囲外である場合には、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないと判断し、ステップ106へ移行する。
【0069】
ステップ106では、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないことを示すメッセージを、表示部38によって表示させて、エタノール濃度検出処理ルーチンを終了する。
【0070】
上記ステップ354で、酸素の濃度[O]peakが、上記の濃度範囲内である場合には、ステップ356において、上記(2)式、(3)式により、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて、呼気希釈率を各々算出する。
【0071】
次のステップ358では、上記ステップ356で算出された2つの呼気希釈率の比を算出し、上記(4)式によって、算出した比が1を含む許容範囲内であるか否かを判定する。呼気希釈率の比が、1を含む許容範囲外である場合には、呼気希釈率がまったく一致せず、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていないと判断し、上記ステップ106へ移行する。
【0072】
一方、上記ステップ358で、上記ステップ356で算出された2つの呼気希釈率の比が、1を含む許容範囲内である場合には、呼気希釈率がほぼ一致し、呼気導入管20内を流れる気体中に呼気が含まれていると判断し、ステップ108へ移行する。
【0073】
ステップ108では、上記ステップ100で取得したアルコールセンサ24Aのセンサ出力の変化に基づいて、呼気導入管20内を流れる気体中のエタノールガスの濃度を算出する。
【0074】
次のステップ110において、上記ステップ108で算出されたエタノールガスの濃度を表示部38によって表示させて、エタノール濃度検出処理ルーチンを終了する。
【0075】
以上説明したように、第3の実施の形態に係るエタノール濃度検出装置は、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて算出された2つの呼気希釈率が、ほぼ一致するか否かを判定して、気体中に呼気が含まれるか否かを判定することにより、呼気の替わりに、呼気以外のガスが吹きかけられる場合であっても、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを精度よく判定することができる。
【0076】
また、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の少なくとも一方が、呼気を含まない大気中のガス濃度と呼気中のガス濃度との間の濃度範囲外である場合には、気体中に呼気が含まれないと判定することにより、判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを更に精度よく判定することができる。
【0077】
また、呼気中のエタノールガス濃度を検出する場合に、呼気の替わりに、呼気以外のガスを作用させる等の不正を防止することができる。
【0078】
なお、上記の実施の形態では、二酸化炭素センサ及び酸素センサを用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、二酸化炭素センサ、酸素センサ、及び水蒸気センサを任意に組み合わせて用いてもよい。3種類全てのセンサを用いる場合には、二酸化炭素の濃度、酸素の濃度、及び水蒸気の濃度の各々に基づいて、呼気希釈率を各々算出し、算出された呼気希釈率の各組み合わせについて、呼気希釈率の比を算出し、呼気希釈率の比の全てが、1を含む許容範囲内である場合には、気体中に呼気が含まれると判定すればよい。また、算出された呼気希釈率の各組み合わせに算出された呼気希釈率の比のうち、少なくとも2つの比が、1を含む許容範囲内である場合に、気体中に呼気が含まれると判定するようにしてもよい。
【0079】
また、呼気希釈率の比に基づいて、気体中に呼気が含まれるか否かを判定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、呼気希釈率の差に基づいて、気体中に呼気が含まれるか否かを判定してもよい。この場合には、二酸化炭素の濃度及び酸素の濃度の各々に基づいて、呼気希釈率を各々算出し、2つの呼気希釈率の差を算出し、呼気希釈率の差が、0を含む許容範囲内である場合に、呼気希釈率がほぼ一致すると判断して、気体中に呼気が含まれると判定すればよい。
【0080】
また、呼気が導入されたときの二酸化炭素センサ及び酸素センサの出力値の最大値または最小値と、導入される前の二酸化炭素センサ及び酸素センサの出力値との変化量を用いて、呼気希釈率を算出した場合を例に説明したが、呼気が導入されたときの二酸化炭素センサ及び酸素センサの出力値の変化率、または所定時間内の積分値を用いて、呼気希釈率を算出するようにしてもよい。
【0081】
上記では、ドライバの呼気からエタノールを検出する例について説明したが、エタノール濃度検出装置を携帯可能に構成する等により、本発明はドライバ以外の人間の呼気からエタノールを検出する場合にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施の形態のエタノール濃度検出装置を運転席のステアリングコラムに取り付けた状態を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のエタノール濃度判定器の構成を示すブロック図である。
【図4】(A)二酸化炭素センサの出力濃度の時間変化を示す線図、及び(B)酸素センサの出力濃度の時間変化を示す線図である。
【図5】第1の実施の形態のエタノール濃度検出装置におけるエタノール濃度検出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す概略図である。
【図7】センサ群の配置を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のエタノール濃度判定器の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のエタノール濃度判定器の構成を示すブロック図である。
【図10】第3の実施の形態のエタノール濃度検出装置におけるエタノール濃度検出処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
10、210、310 エタノール濃度検出装置
20 呼気導入管
24A アルコールセンサ
24B 二酸化炭素センサ
24C 酸素センサ
30、230、330 エタノール濃度判定器
32 二酸化炭素濃度算出部
34、234、338 呼気判定部
36 エタノール濃度算出部
228 酸素濃度算出部
334 ガス濃度判定部
336 呼気希釈率算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
判定対象の気体中に含まれる、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも1種のガスの濃度を検出するガス検出手段と、
前記ガス検出手段によって検出された前記ガスの濃度が、予め求められた呼気を含まない大気中の前記ガスの濃度と予め求められた呼気中の前記ガスの濃度との間の範囲内であるか否かを判定して、前記判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する判定手段と、
を含む呼気判定装置。
【請求項2】
判定対象の気体中に含まれる、水蒸気、二酸化炭素、及び酸素の少なくとも2種のガスの濃度を各々検出するガス検出手段と、
前記ガスの種類各々について、前記ガス検出手段によって検出された前記ガスの濃度と、予め求められた呼気中の前記ガスの濃度との比を算出し、前記ガスの種類各々について算出された前記比の差又は該比の比が所定範囲内の値であるか否かを判定して、前記判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する判定手段と、
を含む呼気判定装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記ガスの少なくとも1種について、前記ガス検出手段によって検出された前記ガスの濃度が、予め求められた呼気を含まない大気中の前記ガスの濃度と予め求められた呼気中の前記ガスの濃度との間の範囲外である場合、前記判定対象の気体中に呼気が含まれないと判定し、
前記ガス検出手段によって検出された前記ガスの濃度が、前記範囲内である場合、前記ガスの種類各々について算出された前記比の差又は該比の比が所定範囲内の値であるか否かを判定して、前記判定対象の気体中に呼気が含まれるか否かを判定する請求項2記載の呼気判定装置。
【請求項4】
前記検出された前記ガスの濃度と前記呼気中の前記ガスの濃度との比は、呼気希釈率であって、
前記判定手段が、以下の(1)式に従って前記呼気希釈率Diを算出するようにした請求項2又は3記載の呼気判定装置。
Di=(BG−AG)/Δb ・・・(1)
ただし、Δbは前記ガス検出手段で検出された前記ガスの濃度の変化量、変化率、または所定時間内の積分値、BGは予め求められた呼気中の前記ガスの濃度、AGは予め求められた呼気を含まない大気中の前記ガスの濃度である。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−42024(P2009−42024A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206245(P2007−206245)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】