説明

呼気捕集容器

【課題】 本発明は、完全に密接した二つの層の間を呼気の収納空間として機能させることにより、残留気体がなくかつ無菌状態で呼気を密封収納することを目的とする。
【解決手段】 外層3と内層4を有する易剥離性積層容器である容器本体2と、吹き込まれた呼気mを外層3と内層4の層間に導く通気キャップ9と、通気キャップ9に組付けられて、吹き込まれた呼気mによって開弁する弁体21とを有しており、弁体21の閉弁により容器本体2の外層3と内層4の間に層間空間bを形成しながら呼気mを捕集することにより、捕集した呼気mを異物の混入のないものとし、通気キャップ9に対する検査器25の装着により、弁体21を開弁して、捕集した呼気mの検査器25への送り込みを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹き込まれた呼気を密に捕集し、検査器の装着により、密閉を解除して、捕集した呼気を検査器だけに送り出す呼気捕集容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
呼気中の含有成分を分析するために、吹き込まれた呼気を密に捕集保持し、この捕集保持した呼気を専門の検査機関や検査器により検査するものとして呼気捕集容器が知られている。
【0003】
この呼気捕集容器の特許文献1に示された従来技術は、呼気取り込み口を備えた収縮自在の袋状部材と、一方の端部が袋状部材の呼気取り込み口に着脱自在であると共にその内部が他方の端部まで導通する呼気流通管とを備え、この呼気流通管を、内部に水分を吸収する乾燥剤を封入した乾燥管と、この乾燥管に連結自在であると共にその内部に呼気中の特定成分を吸着する吸着剤を封入する吸着管とから構成し、呼気流通管の乾燥管側を呼気取り込み口に装着する構成となっており、被験者は、萎めた袋状部材の呼気取り込み口から呼気を吹き込み、袋状部材を膨らますことにより、呼気の捕集を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−304245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、袋状部材を萎めても、この袋状部材内の気体(空気)を完全に排出することができるわけではなく、多少の残留気体が残存し、このため導入された呼気と残留気体とが混合してしまい、捕集した呼気の検査精度の向上に限界が生じることになり、また袋状部材は、その内部を予め無菌状態としておくことが望ましいのであるが、その作業に手間を要すると共に、完全な無菌状態とすることは殆ど不可能であり、このことも呼気の検査精度の向上の弊害となっている、と云う問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、完全に密接した二つの層の間を呼気の収納空間として機能させることを技術的課題とし、もって残留気体がなくかつ無菌状態で呼気を密封収納することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するための本発明の主たる構成は、
定形の外殻を形成し、かつスクイズ性を有する合成樹脂製の外層と、この外層に剥離自在に積層し、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層とで、ボトル状にブロー成形された容器本体と、呼気が出入りする通気筒を有し、容器本体の口筒部に外装して、内層内の内部空間を開放する排気口を形成した通気キャップとを有すること、
容器本体は、口筒部の外層部分に、この外層と内層との層間への呼気の出入りを可能とする通気孔を開設すること、
通気キャップは、容器本体の口筒部との間に、通気筒と通気孔を連通する通気路を形成し、通気筒内に、外部からの正圧および同一方向から作用する押圧力により開弁し、この正圧の消滅により閉弁する弁体を設けること、
にある。
【0008】
容器本体は、外層と内層を積層状態で一体にブロー成形した易剥離積層ボトル状容器、所謂デラミボトルであり、外層と内層とは密接状態にあるので、この外層と内層との間は、残留気体が存在しないと共に、無菌状態となっている。
【0009】
通気キャップの通気筒に呼気を吹き込むと、吹き込まれた呼気の正圧により弁体が開弁するので、吹き込まれた呼気は、通気筒から通気路と通気孔を通って外層と内層の間に導入され、密接状態にある外層と内層を剥離させて、外層と内層との間に層間空間を形成しながら、この層間空間に収納される。また、この呼気の層間空間への導入収納と同時に、内層内の内部空間に滞留していた内部空気は、呼気の層間空間への導入動作の邪魔とならないように、導入された呼気の分だけ排気口から外部に排出される。
【0010】
通気キャップの通気筒に対する呼気の吹き込みを停止すると、弁体に対する正圧の作用が消滅するので、弁体は閉弁して逆止弁として機能し、層間空間に導入収納した呼気が逆流して排出するのを阻止すると共に、層間空間内に呼気を捕集し、この捕集した呼気を密封収納保持する。この層間空間に捕集された呼気は、純粋に呼気だけであると共に、この呼気に含まれた菌以外の菌を含まないものとなっている。
【0011】
呼気を捕集している層間空間は、外殻を形成する外層内に形成されるので、その形成状態が外層により安定的に維持された状態で保持される。
【0012】
呼気捕集容器に捕集された呼気を検査等のために回収する際は、正圧と同一方向から押圧力を弁体に作用させて開弁し、この状態で容器本体をスクイズ変形により減容変形させて、層間空間内の呼気を逆流させて、通気筒から取り出して回収する。それゆえ、回収された気体は、他の気体を含まない呼気だけであると共に、導入された呼気に含まれた菌以外の菌を含んでいない。
【0013】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、弁体を開弁する押圧力を、通気キャップの通気筒に対する検査器の装着により生じるものとし、この押圧力による弁体の開弁を、弁体の撓み変形により達成する構成とした、ものである。
【0014】
弁体を開弁する押圧力を、通気キャップの通気筒に対する検査器の装着により生じるものとし、この押圧力による弁体の開弁を、弁体の撓み変形により達成する構成としたものにあっては、弁体に対する検査器の装着方向は、通気筒に対する呼気の吹き込み方向と一致するので、弁体に対する正圧の作用と同様に、検査器の装着に伴う押圧力により弁体を開弁方向に撓み変形させることができ、弁体の撓み変形による開弁を無理なく簡単に達成できる。
【0015】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、弁体を開弁する押圧力を、通気キャップの通気筒に対する検査器の装着により生じるものとし、この押圧力による弁体の開弁を、弁体の変位により達成する構成とした、ものである。
【0016】
弁体を開弁する押圧力を、通気キャップの通気筒に対する検査器の装着により生じるものとし、この押圧力による弁体の開弁を、弁体の変位により達成する構成としたものにあっては、検査器の装着による押圧力によって弁体を閉弁機能の発揮できる位置から発揮できない位置に変位させるだけであるので、弁体の開弁を無理なく簡単に達成できる。
【0017】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、通気キャップを筒状に構成し、排気口を、通気キャップの仮想される中心軸に対して横向きに開口した、ものである。
【0018】
通気キャップを筒状に構成し、排気口を、通気キャップの仮想される中心軸に対して横向きに開口したものにあっては、容器本体の口筒部に組付く部分の上面全域を通気筒として利用することができる。
【0019】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、通気キャップを筒状に構成し、排気口を、通気キャップの仮想される中心軸に沿って開口した、ものである。
【0020】
通気キャップを筒状に構成し、排気口を、通気キャップの仮想される中心軸に沿って開口したものにあっては、通気キャップを射出成形する際に、排気口の成形金型部分の離型方向を、他の成形金型部分と同じにすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成にあっては、検査対象である呼気を、残留気体が全くないと共に、無菌状態となっている外層と内層との間に導入するので、呼気だけを呼気外から菌を侵入させることなく捕集することができ、これにより呼気の検査精度の飛躍的な向上を得ることができる。
【0022】
また、捕集された呼気は、その密閉収納状態を容器本体により安全に保持されているので、捕集から検査実施までの間、安全な取り扱いを得ることができる。
【0023】
さらに、呼気捕集容器に捕集した呼気の取出しは、呼気捕集容器の弁体に対して押圧力を作用させた状態で、捕集された呼気を逆流させることにより達成されるので、捕集した呼気だけを、他の気体および菌を混入させることがなく、きわめて信頼性の高い状態で取出すことができる。
【0024】
検査器の装着による弁体の開弁を、検査器の装着に伴う押圧力による弁体の撓み変形により達成する構成としたものにあっては、弁体の開弁を無理なく簡単に達成できるので、検査器装着のための特別な構成を要することがない。
【0025】
検査器の装着による弁体の開弁を、検査器の装着に伴う押圧力による弁体の変位により達成する構成としたものにあっては、検査器の装着に伴い押圧力によって弁体を閉弁機能の発揮できる位置から発揮できない位置に変位させるだけであるので、弁体の開弁を無理なく簡単に達成でき、これにより検査器装着のための構成を簡単に得ることができる。
【0026】
通気キャップを筒状に構成し、排気口を、通気キャップの仮想される中心軸に対して横向きに開口したものにあっては、容器本体の口筒部に組付く部分の上面全域を通気筒として利用することができるので、通気キャップの通気筒が位置する部分の構成を簡単なものとすることができる。
【0027】
通気キャップを筒状に構成し、排気口を、通気キャップの仮想される中心軸に沿って開口したものにあっては、通気キャップを射出成形する際に、排気口の成形金型部分の離型方向を、他の成形金型部分と同じにすることができるので、通気キャップの射出成形を簡単のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態例の捕集前の状態を示す、要部縦断面図である。
【図2】第一実施形態例の捕集時の状態を示す、要部縦断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図3中、A−A線に沿って断面した、平断面図である。
【図5】本発明の第二実施形態例の捕集前の状態を示す、要部縦断面図である。
【図6】第二実施形態例の捕集時の状態を示す、要部拡大縦断面図である。
【図7】第一実施形態例の検査器への捕集呼気を移送する状態を示す、縦断説明図である。
【図8】検査器装着の第一の構成例を示す、要部拡大縦断面説明図である。
【図9】検査器装着の第二の構成例を示す、要部拡大縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態例を、図面を参照しながら説明する。
本発明による呼気捕集容器1は、定形の外殻を形成し、かつスクイズ性を有するポリエチレン製の外層3と、変形自在な内袋を形成するナイロン製の内層4とを共押出し成形手段により積層円筒状に押出し成形したパリソンからボトル状にブロー成形された容器本体2に対し、この容器本体2の口筒部5に、通気キャップ9を密に外装螺合組付けして構成されている。
【0030】
容器本体2(図1、図3参照)の口筒部5を構成する外層3部分の外周面には、通気キャップ9を螺合組付けするための螺条が刻設されていると共に、この螺条の下方の箇所には、外層3と内層4との間に呼気mを導入させるための通気孔6(図1、図3参照)が、呼気mの導入が行われ易いように左右に一対開設してあり、また口筒部5の下端の肩部を介して胴部8に接続される部分は、口筒部5を拡径した拡径首部7に成形されている。なお、外層3に対して内層4は、容器本体2の下端の底部に形成されたピンチオフ部(図1、図5の点線図示参照)における挟み込みを利用するとか、専用に設けた接着帯により、所望箇所を固定し、これにより外層3から剥離した際に、略一定した形態で萎み変形するようにしている。
【0031】
軟質ポリエチレン樹脂製の通気キャップ9(図1、図3参照)は、その全体が円筒形状に形成され、隔壁11で上下に区画された上半分を呼気mが出入りする通気筒10とし、下半分を口筒部8に外装して螺合する組付き筒15としている。組付き筒15の上部内には、隔壁11から垂下設されて口筒部5内に密嵌入して、通気キャップ9の口筒部5に対する密な組付きを達成するシール筒16が設けられており、またこのシール筒16と組付き筒15との間には複数(図示構成例の場合、4つ)のリブ片17(図4参照)が、設けられており、このリブ片17は、口筒部5の上端面に突き当ることにより、通気キャップ9の口筒部5に対する螺合組付き限界位置を設定している。
【0032】
通気キャップ9を通気筒10と組付き筒15とに区画する隔壁11には、呼気mが出入りする通気口13(図3参照)が、リブ片17を避けて開設されており、また組付き筒15の内周面下端部には、通気キャップ9を口筒部5に螺合組付けした状態で、拡径首部7に密に押接して拡径首部7と組付き筒15との間をシールする周突条状のシール部20が設けられている。通気口13が開設されていることと、リブ片17により組付き筒15とシール筒16との間に上下に開放された間隙が形成されていることと、シール部20により拡径首部7と組付き筒15に間が密閉されていることとにより、口筒部5と組付き筒15の間には、呼気mを外部に逃がすことなく通す通気路18(図3、図4参照)が形成される。
【0033】
また、この通気キャップ9には、内層4が形成する内部空間a内の内部空気nを外部に排出する排気口19が開設されており、この排気口19は、第一実施形態例の場合は、通気キャップ9の仮想される中心軸に対して横向き(図3参照)に開設されており、第二実施形態例の場合は、隔壁11に通気キャップ9の仮想される中心軸に沿って(図6参照)開設されている。
【0034】
排気口19を横向きに開設した第一実施形態例の場合、隔壁11の上面全域を通気筒10として機能させることができるので、通気キャップ9の全体構造を単純化させるのが容易となり、また排気口19を中心軸に沿って開設した第二実施形態例の場合、通気キャップ9の射出成形に際して、主要な成形金型部分を利用して、排気口19を簡単に成形することができる。
【0035】
通気キャップ9の通気筒10内には、隔壁11の中央に立設された支持片12に軟質弾性材製の弁体21(図1、図5参照)が組付けられており、この弁体21は、支持片12への組付き部分である筒状の取付き筒片23と、笠状に下方に拡径して拡がった弁片22とから構成されており、弁片22は、その拡がった下端縁の全周域を、通気筒10の円滑な内周面に密に弾接させることにより、逆止弁機能を発揮するものとなっている。
【0036】
この弁体21は、通気筒10に呼気mが吹き込まれる等して正圧が作用すると、弁片22の拡径端部を縮径方向に弾性変形させた、この弁片22の拡径端縁を通気筒10の内周面から浮き上がらせて(図3参照)、開弁状態となり、通気筒10への呼気mの吹き込みが停止する等して正圧が消滅すると、縮径方向に弾性変形していた弁片22の拡径端部が弾性復帰して通気筒10の内周面に密弾接して、閉弁状態となる。
【0037】
この呼気捕集容器1に着脱される検査器25の、通気筒10に対する装着機能部分の構造は、特定されることはなく、適当に構成すればよいのであるが、図7〜図9に示した構成例の場合は、着脱筒片26で構成されている。この着脱筒片26は、通気筒10に密嵌入可能な円筒形状をしていて、その先端には、周方向に間隔を開けて複数の脚片27が設けられており、この脚片27は、弁体21を撓み変形により開弁させる場合には、弁体21の弁片22を強制的に弾性変形させるように、弁片22に直接当接する構成(図8参照)となっており、弁体21を変位により開弁させる場合には、弁体21を変位させることができるように、弁体21の弾性変形し難い部分、例えば弁片22と取付き筒片23を連結するフランジ状部分に当接する構成(図9参照)となっている。
【0038】
この弁体21を変位により開弁させる場合は、図9に示すように、弁体21の取付き筒片23は支持片12に対して昇降変位可能な筒状に構成されており、また通気筒10の内周面には、弁体21が変位により開弁できる構成、例えば変位した弁体21の弁片22の拡径端縁が位置するリーク溝14を、予め形成しておくのがよい。
【0039】
なお、24は、通気キャップ9に着脱自在に組付けられるカバーで、このカバー24は、弁体21に対する不要な正圧の作用を防止すると共に、通気筒10内にホコリ等の異物が侵入しないようにするものである。
【0040】
次に、呼気mの捕集動作、および捕集した呼気mの検査器25への送り込み操作を順に説明する。
図1および図5に示された、容器本体2の内層4が外層3に密接している状態から、カバー24を外して呼気mを通気筒10に吹き込むと、弁体21が開弁して、通気筒10から通気口13と通気路18と通気孔6を通って、外層3と内層4の間に、この外層3と内層4を剥離させながら呼気mが吹き込まれ、この呼気mは、外層3と内層4との間に層間空間bを形成しながら、この層間空間bに捕集(図3、図6参照)される。この際、層間空間bへの呼気mの捕集と同時に、内部空間aの内部空気nが排出されるので、呼気mの層間空間bへの捕集は無理なく円滑に達成される。
【0041】
この層間空間bへの呼気mの捕集において、呼気mが侵入するまでは、外層3と内層4の間には気体や細菌等が全く存在しない状態であるので、層間空間bに捕集された呼気mは、異物の混入の全くない、純粋に呼気mだけのものとなる。
【0042】
この状態で、通気筒11への呼気mの吹き込みを停止すると、弁体21が閉弁するので、層間空間bから通気孔6と通気路18と通気口13を通る逆流通路が遮断され、層間空間b内の呼気mは、その捕集状態が密に保持される。
【0043】
呼気mを捕集収納した呼気捕集容器1に検査器25を装着(図7〜図9は、検査器25を呼気捕集容器1に上方から装着する状態となっている)すると、検査器25の着脱筒片26に設けられた脚片27により弁体21が開弁する。この状態で、図7の白抜き矢印に示すように、容器本体2の胴部8を、押圧力の作用により減容方向にスクイズ変形させ、これにより層間空間bに捕集されている呼気mを送り込んで検査に供する。
【0044】
前記したように、呼気捕集容器1に捕集収納されていた呼気mは、異物の混入の全くない、純粋に呼気mだけのものであるので、検査器25による検査は、きわめて信頼性が高く精度のよいものとなる。
【0045】
なお、本発明は、上記した実施形態例に限定されることはなく、例えば外層3および内層4さらには通気キャップ9の成形樹脂材料を検査項目に適合させて、捕集した呼気mに影響を与えない安全な材料を選択して設定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明の呼気捕集容器は、吹き込まれた呼気により、この呼気を密閉して捕集する空間を形成するものであり、呼気を検査のために捕集して収納保持する呼気捕集容器に対して幅広い利用展開が期待される。
【符号の説明】
【0047】
1 ;呼気捕集容器
2 ;容器本体
3 ;外層
4 ;内層
5 ;口筒部
6 ;通気孔
7 ;拡径首部
8 ;胴部
9 ;通気キャップ
10;通気筒
11;隔壁
12;支持片
13;通気口
14;リーク溝
15;組付き筒
16;シール筒
17;リブ片
18;通気路
19;排気口
20;シール部
21;弁体
22;弁片
23;取付き筒片
24;カバー
25;検査器
26;着脱筒片
27;脚片
a ;内部空間
b ;層間空間
m ;呼気
n ;内部空気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定形の外殻を形成し、かつスクイズ性を有する合成樹脂製の外層(3)と、該外層(3)に剥離自在に積層し、内袋を形成する可撓性合成樹脂製の内層(4)とで、ボトル状にブロー成形された容器本体(2)と、呼気(m)が出入りする通気筒(10)を有し、前記容器本体(2)の口筒部(5)に外装して、前記内層(4)内の内部空間(a)を開放する排気口(19)を形成した通気キャップ(9)とを有し、前記容器本体(2)は、前記口筒部(5)の外層(3)部分に、該外層(3)と内層(4)との層間への呼気(m)の出入りを可能とする通気孔(6)を開設し、前記通気キャップ(9)は、前記口筒部(5)との間に、通気筒(10)と通気孔(6)を連通する通気路(18)を形成し、前記通気筒(10)内に、外部からの正圧および該正圧と同一方向から作用する押圧力により開弁し、該正圧の消滅により閉弁する弁体(21)を設けたことを特徴とする呼気捕集容器。
【請求項2】
弁体(21)を開弁する押圧力を、通気筒(10)に対する検査器(25)の装着により生じるものとし、前記押圧力による弁体(21)の開弁を、該弁体(21)の撓み変形により達成する構成とした請求項1に記載の呼気捕集容器。
【請求項3】
弁体(21)を開弁する押圧力を、通気筒(10)に対する検査器(25)の装着により生じるものとし、前記押圧力による弁体(21)の開弁を、該弁体(21)の変位により達成する構成とした請求項1に記載の呼気捕集容器。
【請求項4】
通気キャップ(9)を筒状に構成し、排気口(19)を、前記通気キャップ(9)の仮想される中心軸に対して横向きに開口した請求項1〜3のいずれか1項に記載の呼気捕集容器。
【請求項5】
通気キャップ(9)を筒状に構成し、排気口(19)を、前記通気キャップ(9)の仮想される中心軸に沿って開口した請求項1〜3のいずれか1項に記載の呼気捕集容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181017(P2012−181017A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42052(P2011−42052)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】