説明

品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラム

【課題】ソフトウェア開発における品質報告書の作成に際して、必要な情報が不足している場合に、不足している情報を収集して、品質報告書を作成し得る、品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】品質管理装置11は、開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置21〜23から、開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部12と、データ取得部によって取得された情報を用いて、品質報告書を作成し、作成した品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベース31から取得し、取得した情報を、品質報告書に付加する、報告書作成部13と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラムに関し、特に、ソフトウェア開発における品質報告書の作成に必要な情報を収集するための、品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ソフトウェア開発においては、設計フェーズ(工程)、製造フェーズおよびテストフェーズに分けられる開発フェーズ毎に、開発日程、過去の実績、および開発工数などに応じて、プログラムの欠陥(バグ)の摘出数、テスト項目数といった品質管理項目の目標値が設定される。ソフトウェア開発に責任を持つ管理者は、開発者により開発中に採取された各品質管理項目の実績値を記録し、記録した実績値と目標値とを比較することにより、ソフトウェア開発の進捗を判断する。
【0003】
しかしながら、管理者が、各品質管理項目の実績値を逐一記録し、実績値と目標値とを比較することは、作業負担が大きいという問題がある。この問題を解決するために、開発者が開発中に採取した各品質管理項目の実績値を自動的に抽出し、抽出した実績値と目標値とを比較した上で、自動的に報告書を作成するシステムが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、特許文献1は、各品質管理項目における、実績値と目標値とを開発フェーズ毎に比較することにより、進捗状況および品質状況などを記載した報告書を作成する、ソフトウェア品質管理システムを開示している。特許文献1に開示されたソフトウェア品質管理システムは、表計算ソフトウェアを利用した複数の定型フォーマットの表計算ファイル、および実績値が記録された実績シートから、各品質管理項目の実績値を集計する。そして、特許文献1に開示されたソフトウェア品質管理システムは、集計した実績値における、合計値、平均値、最も早い日程、または最も遅い日程を報告書に記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−279965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、たとえば、表計算ファイルまたは実績シートにおいて、開発者が、作業完了日、工程開始日、摘出バグ数、テスト項目数といった品質管理項目に関する情報を、記入していない場合がある。
【0007】
このような場合において、上記特許文献1に開示されたシステムでは、品質管理項目に関する情報を、未記入として報告書に記載する。このため、管理者は、未記入となっている情報を探し出すために、表計算ファイルおよび実績シートを逐一チェックしなければならないため、管理者に大きな負担がかかってしまうという問題がある。
【0008】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、ソフトウェア開発における品質報告書の作成に際して、必要な情報が不足している場合に、不足している情報を収集して、品質報告書を作成し得る、品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における品質管理装置は、ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、品質管理装置であって、
前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された情報を用いて、前記品質報告書を作成し、作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、報告書作成部と、を備えている、
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における品質管理システムは、ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発を管理するための、システムであって、
前記開発プロジェクトの実行に用いられる、端末装置と、
前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成する、品質管理装置と、
前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースと、を備え、
前記品質管理装置は、
前記端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された情報を用いて、前記品質報告書を作成し、作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、前記開発成果データベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、報告書作成部と、を備えている、
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における品質管理方法は、ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、品質管理方法であって、
(a)前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得する、ステップと、
(b)前記品質情報を用いて、前記品質報告書を作成する、ステップと、
(c)作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで、情報が不足していると判定した場合に、不足している情報をデータベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータによって、ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、プログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得する、ステップと、
(b)前記品質情報を用いて、前記品質報告書を作成する、ステップと、
(c)作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで、情報が不足していると判定した場合に、不足している情報をデータベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明における品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラムによれば、ソフトウェア開発における品質報告書の作成に際して、必要な情報が不足している場合に、不足している情報を収集して、品質報告書を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における品質管理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施の形態で用いられる第一の品質報告書の一例を示す図である。
【図3】図3は、本実施の形態で用いられる第二の品質報告書の一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態における品質管理装置の動作を示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態における品質管理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における品質管理装置、品質管理システム、品質管理方法、およびプログラムについて、図1から図3を参照しながら説明する。
【0016】
[システム構成および装置構成]
最初に、本発明の実施の形態における品質管理システム10および品質管理装置11の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態における、品質管理システムおよび品質管理装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態における品質管理システム10は、端末装置21〜23と、開発成果データベース31と、品質管理装置11とを備えている。端末装置21〜23は、ソフトウェアの開発プロジェクトの実行に用いられ、品質情報を保持している。ここで、品質情報は、ソフトウェア開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含んでいる。また、端末装置21〜23は、ネットワーク17を介して、品質管理装置11と通信を行う。
【0018】
開発成果データベース31は、開発プロジェクトの成果をフェーズ(工程)毎に保持している。品質管理装置11は、端末装置21〜23および開発成果データベース31によって保持されている情報を基に、ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成する。
【0019】
また、図1に示すように、本実施の形態における品質管理装置11は、データ取得部12と、報告書作成部13と、を備えている。データ取得部12は、端末装置21〜23それぞれから品質情報を取得する。そして、報告書作成部13は、データ取得部12によって取得された品質情報を用いて、品質報告書14を作成し、品質報告書14の作成に必要な情報が不足していないかどうかを判定する。品質報告書の作成に必要な情報が不足している場合、報告書作成部13は、不足している情報を、開発成果データベース31から取得し、取得した情報を、品質報告書14に付加する。
【0020】
このように、本実施の形態では、品質管理装置11は、端末装置21〜23から取得した品質情報を用いて、品質報告書14を作成する。そして、品質報告書14の作成に必要な情報が不足している場合に、品質管理装置11は、不足している情報を開発成果データベース31から取得し、取得した情報を品質報告書14に付加する。すなわち、本実施の形態によれば、ソフトウェア開発における品質報告書の作成に際して必要な情報が不足していたとしても、品質管理装置11は、不足している情報を自ら収集し、品質報告書を完成させる。
【0021】
ここで、本実施の形態における品質管理システム10および品質管理装置11の構成について、さらに具体的に説明する。本実施の形態では、品質管理装置11、および端末装置21〜23は、それぞれパーソナルコンピュータである。図1に示すように、端末装置21〜23は、ソフトウェア開発の進捗、または品質を管理するためのプロジェクト管理ツール、進捗管理ツール、品質管理ツールといった、管理ツールを備えている。また、図1の例では、一台の端末装置は、一つの管理ツールを備えている。具体的には、端末装置21が、管理ツール(A)を備えている。また、端末装置22は、管理ツール(B)を備え、端末装置23は、管理ツール(C)を備えている。但し、本実施の形態では、一台の端末装置は、複数の管理ツールを備えていてもよい。
【0022】
管理ツール(A)、管理ツール(B)、または管理ツール(C)は、それぞれ異なる方法により、品質情報を保持する。具体的には、管理ツール(A)は、開発者から入力された品質情報を環境ファイルに自動的に書きこむことにより、品質情報を環境ファイルにおいて保持する。また、管理ツール(B)は、開発者から入力された品質情報を、管理ツール(B)に組み込まれたファイル出力機能を利用して品質情報ファイルに書きこむことにより、品質情報を品質情報ファイルにおいて保持する。また、管理ツール(C)は、開発者から入力された品質情報を、管理ツール(C)自身が保持する。
【0023】
本実施の形態において、管理ツール(A)、(B)、(C)は、ソフトウェア開発者による、品質情報の入力を受け付ける。また、本実施の形態では、管理ツール(A)、(B)、(C)は、品質情報に加えて、ソフトウェア開発の管理者による、ソフトウェア開発の目標値である、事前設定値の入力を受け付けてもよい。管理ツール(A)、(B)、(C)は、受け付けた品質情報、および事前設定値を基に、ソフトウェア開発における進捗、または品質を管理する。
【0024】
また、上記の例では、各端末には管理ツールが備えられているが、本実施の形態では、この態様に限定されない。たとえば、本実施の形態は、各端末が、ワープロソフト、または表計算ソフトのみを備えている態様であっても良い。この場合は、データ取得部12は、ワープロソフト、または表計算ソフトによって作成された中間ファイルから、品質情報を取得する。
【0025】
次に、本実施の形態における品質管理装置11において、データ取得部12は、インターネットなどのネットワーク17を介して端末装置21〜23から、品質情報を取得する。そして、本実施の形態における報告書作成部13は、データ取得部12によって取得された品質情報を用いて、たとえば、図2および図3に示す、品質報告書14を作成する。
【0026】
図2は、本実施の形態で用いられる第一の品質報告書の一例を示す図である。また、図3は、本実施の形態で用いられる第二の品質報告書の一例を示す図である。図2に示すように、第一の品質報告書は、設計書作成頁数およびテスト項目数(目標/実績)の表と、バグ摘出数(目標/実績)の表と、プロジェクト品質状況とにより、構成される。また、図3に示すように、第二の品質報告書は、各フェーズにおけるバグの原因の内訳を示す表により構成される。
【0027】
報告書作成部13は、まず、品質管理装置11における図示しないメインメモリ上に、品質報告書14を記憶するための記憶領域を確保する。次に、報告書作成部13は、データ取得部12によって取得された品質情報を、品質報告書14を記憶するための記憶領域に書き込み、品質報告書14を作成する。
【0028】
続いて、本実施の形態において、開発成果データベース31が保持する、フェーズ毎の成果について説明する。本実施の形態でのソフトウェア開発における、各フェーズの具体的な成果、および品質情報を、図1〜3を参照しながら説明する。たとえば、開発するプログラム本体の規模が大きい場合、プログラムの開発効率を向上させるために、プログラム本体は、機能ごとに複数の小さなプログラム単位、すなわち、モジュールに分割される。そして、単独の開発者、または少人数のグループが、各モジュールの開発を行う。
【0029】
また、本実施の形態では、具体的なフェーズとして、たとえば図2および図3に示すように、基本設計フェーズ、概要設計フェーズ、詳細設計フェーズ、製造フェーズ、単体テストフェーズ、および結合テストフェーズなどが、挙げられる。
【0030】
本実施の形態では、基本設計フェーズにおいては、プログラム本体の外側部分、すなわち、プログラム本体のデザイン、機能、性能、および操作性に関する設計が行われ、基本設計書にまとめられる。概要設計フェーズにおいては、プログラム本体を機能毎に複数のモジュールに分割する機能分割、および機能分割により生じたモジュール間の処理の流れ、についての設計が行われ、概要設計書にまとめられる。詳細設計フェーズにおいては、プログラム本体の内側部分、すなわち、ソースコードをモジュール単体に実装できるレベルの詳細な設計が行われ、詳細設計書にまとめられる。これらの設計書は、開発成果データベース31における、各設計フェーズの成果情報32〜34に保持される。
【0031】
また、本実施の形態では、設計に関するいずれのフェーズにおいても、設計審査、すなわちデザインレビューを行い、デザインレビューを記録した設計レビュー記録表が、各設計フェーズにおいて作成される。デザインレビューにおいてバグが摘出された場合、摘出されたバグの分析が行われる。すなわち、バグの分析により、バグが摘出されたフェーズ、バグの原因が属するフェーズ、およびバグの原因の区分が明らかにされる。そして、バグの分析結果は、各設計フェーズにおける設計レビュー記録表に記録される。これらの設計レビュー記録表は、開発成果データベース31における、各設計フェーズの成果情報32〜34に保持される。
【0032】
また、本実施の形態において、基本設計フェーズ、概要設計フェーズ、および詳細設計フェーズの成果から、報告書作成部13が不足している情報として取得する具体的な品質情報としては、各フェーズでの設計書の頁数とバグの分析結果とが挙げられる。
【0033】
また、本実施の形態での製造フェーズにおいては、設計書に基づいてソースコードが記述され、モジュールへのプログラムの実装、すなわち、コーディングが行われる。ソースコードが記述されたモジュールは、開発成果データベース31における、製造フェーズ成果情報34に保持される。また、製造フェーズにおいては、コーディングの審査、すなわちコードレビューを行い、コードレビューを記録したコードレビュー記録表が、作成される。コードレビューにおいてバグが摘出された場合、摘出されたバグの分析が行われる。そして、バグの分析結果は、製造フェーズにおけるコードレビュー記録表に記録される。このコードレビュー記録表は、開発成果データベース31における、製造フェーズ成果情報34に保持される。
【0034】
また、本実施の形態において、製造フェーズの成果から、報告書作成部13が不足している情報として取得する具体的な品質情報としては、モジュールに実装されたプログラムのソースコードのライン数(行数)と、バグの分析結果とが挙げられる。
【0035】
また、本実施の形態では、各テストフェーズにおいては、製造フェーズで実装されたプログラムの動作が設計書に記載された要件を満たすかどうか、を検証するためのテスト項目が記載された、テスト仕様書が作成される。すなわち、単体テストフェーズにおいては、詳細設計書において定められたモジュール単体の動作、を検証するためのテスト項目が記載された、単体テスト仕様書が作成される。また、結合テストフェーズにおいては、概要設計書において定められた複数のモジュールを組み合わせた際の動作、を検証するためのテスト項目が記載された、結合テスト仕様書が作成される。これらのテスト仕様書は、開発成果データベース31における、各テストフェーズの成果情報36、37に保持される。
【0036】
また、図1〜3に示されていないが、テストフェーズとしては、更に、基本設計書において定められたプログラム本体の動作を検証する総合テストフェーズ、および製品としての出来栄えを検証する運用テストフェーズが、挙げられる。この場合、総合テストフェーズ、または運用テストフェーズにおいて、各フェーズにおける動作、または出来栄えを検証するためのテスト項目が記載された、テスト仕様書が作成される。
【0037】
各テストフェーズにおいて、各テスト仕様書に従って行われる動作テストの際に、バグが摘出された場合、本実施の形態では、摘出されたバグの分析が行われる。そして、バグの分析結果は、各テストフェーズにおけるテスト結果報告書に記録される。これらのテスト結果報告書は、開発成果データベース31における、各テストフェーズの成果情報36、37に保持される。
【0038】
また、本実施の形態において、単体テストフェーズ、および結合テストフェーズの成果から、報告書作成部13が不足している情報として取得する具体的な品質情報としては、各フェーズにおけるテスト仕様書に記載されたテスト項目の項目数、すなわちテスト項目数と、バグの分析結果と、が挙げられる。
【0039】
また、本実施の形態では、上述した各フェーズにおけるソフトウェア開発の成果は、上述したように成果情報として、開発成果データベース31によって保持される。具体的には、開発成果データベース31は、基本設計フェーズ、概要設計フェーズ、および詳細設計フェーズにおける成果情報として、各フェーズにおいてまとめられた設計書と、各フェーズにおいて記録された設計レビュー記録表とを保持する。また、開発成果データベース31は、製造フェーズにおける成果情報として、モジュールとコードレビュー記録表とを保持する。また、開発成果データベース31は、単体テストフェーズ、および結合テストフェーズにおける成果情報として、各フェーズにおいて作成されたテスト仕様書と、各フェーズにおいて記録されたテスト結果報告書とを保持する。
【0040】
報告書作成部13は、本実施の形態では、品質報告書14を作成するために必要な情報が、不足していないかどうかを、品質報告書14において、品質情報を入力すべき項目に値が入力されているかどうかチェックすることによって、判定する。
【0041】
品質報告書14を作成するために必要な情報が不足していた場合、報告書作成部13は、品質報告書14において値が入力されていない項目を基に、不足している情報と、不足している情報が属するフェーズと、を特定する。そして、報告書作成部13は、不足している情報を、開発成果データベース31から取得する。
【0042】
具体的には、報告書作成部13は、不足している情報と、不足している情報が属するフェーズと、を手がかりとして、開発成果データベース31において、該当するフェーズの成果情報から、不足している情報を取得する。報告書作成部13は、不足している情報を取得し得た場合は、これを品質報告書14に付加する。
【0043】
また、図1に示すように、本実施の形態では、品質管理装置11は、更に、事前設定値受付部15とメッセージ格納部16とを備えている。本実施の形態における、事前設定値受付部15は、ソフトウェア開発の管理者による、事前設定値の入力を受け付ける。また、事前設定値受付部15は、端末装置21〜23における管理ツール(A)、(B)、(C)において、ソフトウェア開発の管理者によって事前設定値が入力されている場合、管理ツール(A)、(B)、(C)から事前設定値を取得してもよい。
【0044】
ソフトウェアの開発目標を示す、本実施の形態での具体的な事前設定値として、基本設計、概要設計、および詳細設計フェーズにおいては、各フェーズにおける設計書の頁数の目標値が、挙げられる。また、本実施の形態での製造フェーズにおいては、モジュールに実装されたプログラムのソースコードのライン数の目標値が、具体的な事前設定値として挙げられる。また、本実施の形態での単体テストフェーズ、および結合テストフェーズにおいては、各フェーズにおけるテスト仕様書に記載された、テスト項目数の目標値が、具体的な事前設定値として挙げられる。
【0045】
更に、本実施の形態におけるソフトウェアの開発目標を示す具体的な事前設定値として、目標バグ数、フェーズ別のバグ目標摘出率の配分、および過去の実績から見積もられる参考値が、挙げられる。本実施の形態における目標バグ数は、全フェーズにおいて検出されたバグ数の総和の目標値である。目標バグ数は、プロジェクト規模、すなわち、製造フェーズにおけるライン数から見積もられてもよいし、ソフトウェア開発の管理者によって決定されてもよい。また、本実施の形態におけるフェーズ別のバグ目標摘出率の配分は、フェーズ別に加えられた重み付けの割合によって、フェーズ毎の目標バグ数の配分を決定する。
【0046】
たとえば、図2におけるバグの原因フェーズである、基本設計フェーズ、概要設計フェーズ、詳細設計フェーズ、および製造フェーズの4フェーズにおいて、フェーズ別のバグ目標摘出率の配分が、各々10%、20%、30%、および40%である場合を考える。目標バグ数が200件のとき、基本設計フェーズ、概要設計フェーズ、詳細設計フェーズ、および製造フェーズにおける、目標バグ数は、各フェーズの重み付けの割合を乗じることにより、各々、20件、40件、60件、および80件と求まる。
【0047】
また、報告書作成部13は、本実施の形態では、事前設定値受付部15において受け付けた事前設定値と品質報告書14に付加された情報とを対比して、ソフトウェアの開発目標の達成状況を求めることができる。
【0048】
具体的には、報告書作成部13は、事前設定値受付部15において受け付けた事前設定値を、品質報告書14に付加する。そして、報告書作成部13は、設計書の作成頁数、ライン数、およびテスト項目数の実績値と目標値との比を計算し、計算した結果を消化率として図2における品質報告書14に付加する。また、報告書作成部13は、品質報告書14のバグ摘出状況において、バグの摘出数の目標値と実績値とを集計し、集計したバグの摘出数の実績値と目標値との比である摘出率を計算し、計算した摘出率を図2における品質報告書14に付加する。
【0049】
また、本実施の形態における報告書作成部13は、規模あたりの設計書の頁数、テスト項目数、およびバグ件数を計算し、計算した結果を品質報告書14に付加しても良い。また、本実施の形態における品質報告書14には、過去の実績から見積もられた参考値として、過去に手掛けたプロジェクトにおける、規模あたりの設計書の頁数、テスト項目数、およびバグ件数を統計処理した値が、記載されていても良い(図2参照)。これらの参考値は、規模あたりの値であるので、同じ規模あたりの実績値との比較の対象となる。たとえば、図2の単位規模あたりのテスト項目数において、単体テストフェーズにおける参考値が5.0件/KL(キロライン)であるのに対して、実績値が5.9件/KLであった場合、実績値は、参考値に比べて多いので、適正であることが分かる。
【0050】
次に、報告書作成部13は、本実施の形態では、求めた達成状況に応じたメッセージを、品質報告書14に付加する。具体的には、報告書作成部13は、計算した消化率、摘出率、および規模あたりの実績値が適正であるどうか判断し、判断に合致するメッセージをメッセージ格納部16から抽出し、抽出したメッセージを品質報告書14に付加する。
【0051】
メッセージ格納部16は、達成状況を表すメッセージを保持する。具体的には、メッセージ格納部16は、達成状況が悪い場合に管理者に注意を促すために、「バグの摘出率が著しく低いので、注意が必要。」、「消化率が著しく低いので、注意が必要。」といった、メッセージを保持する。
【0052】
たとえば、結合テストフェーズにおける摘出フェーズ別バグ摘出状況の目標数が10件であるのに対して、実績数が6件であった場合、バグの摘出率は60%となり、著しく低い。このように、バグの摘出率が著しく低い場合、報告書作成部13は、メッセージ格納部16から、「バグの摘出率が著しく低いので、注意が必要。」というメッセージを抽出する。
【0053】
そして、報告書作成部13は、抽出したメッセージに問題となっているフェーズ、および達成状況の情報を加える。結果、「結合テストフェーズにおけるバグの摘出率は60%であり、バグの摘出率が著しく低いので、注意が必要。」というメッセージが、図2における品質報告書14の、プロジェクト品質状況(図2参照)に付加される。
【0054】
[品質管理システムおよび品質管理装置の動作]
次に、本実施の形態における品質管理システム10および品質管理装置11の動作について、図4を用いて説明する。以下の説明においては、適宜図1から図3を参酌する。また、本実施の形態では、品質管理装置11を動作させることによって、品質管理方法が実施される。よって、本実施の形態における品質管理方法の説明は、以下の品質管理装置11の動作説明に代える。
【0055】
図4は、本発明の実施の形態における品質管理装置の動作を示すフロー図である。図4に示すように、まず、本実施の形態での品質管理装置11におけるデータ取得部12は、端末装置21〜23それぞれから品質情報を取得する(ステップA1)。次に、ステップA1が実行されると、報告書作成部13は、データ取得部12によって取得された品質情報を用いて、品質報告書14を作成する(ステップA2)。
【0056】
たとえば、管理ツール(A)に対しては、データ取得部12は、環境ファイルから品質情報を取得する。そして、報告書作成部13は、取得した品質情報を、品質報告書14に書き込む。
【0057】
また、管理ツール(B)に対しては、データ取得部12は、管理ツール(B)のファイル出力機能により、品質情報を品質情報ファイルに書き込ませる。次にデータ取得部12は、品質情報ファイルから品質情報を取得する。そして、報告書作成部13は、取得した品質情報を、品質報告書14に書き込む。
【0058】
また、管理ツール(C)に対しては、データ取得部12は、管理ツール(C)から直接、品質情報を取得する。そして、報告書作成部13は、取得した品質情報を、品質報告書14に書き込む。
【0059】
次に、報告書作成部13は、作成された品質報告書14に対して、必要な情報が不足していないかどうかを判定するために、品質報告書14における未入力項目をチェックする(ステップA3)。
【0060】
次に、報告書作成部13は、ステップA3におけるチェックを基に、フェーズ毎のバグが発生した回数、フェーズ毎のバグの原因となった回数、および原因の区分毎のバグの数が、品質報告書14において未入力であるかどうかを判定する(ステップA4)。ステップA4の判定の結果、未入力であった場合(ステップA4でYES)、ステップA5が実行され、未入力でなかった場合(ステップA4でNO)、ステップA6が実行される。ステップA5において、報告書作成部13は、開発成果データベース31に保持されている各フェーズのレビュー記録表およびテスト結果報告書の少なくとも一方から、不足している情報を取得し、品質報告書14を作成する(ステップA5)。
【0061】
具体的には、ステップA5では、報告書作成部13は、図2のバグ摘出数(目標/実績)において、未入力となっている項目がある場合、未入力となっている項目の摘出フェーズと原因フェーズとを特定する。そして、報告書作成部13は、開発成果データベース31に保持されている、特定した摘出フェーズのレビュー記録表、およびテスト結果報告書の少なくとも一方に記載されたバグの分析結果から、未入力となっている項目のバグ数の取得を試みる。未入力となっている項目のバグ数を取得し得た場合に、報告書作成部13は、品質報告書14において未入力となっている項目に、取得したバグ数を付加する。
【0062】
また、ステップA5では、報告書作成部13は、図3の各フェーズにおけるバグの原因の内訳において、未入力となっている項目がある場合、未入力となっている項目を持つ表と原因フェーズとを特定する。そして、報告書作成部13は、開発成果データベース31において、特定した表が属するフェーズのレビュー記録表、およびテスト結果報告書の少なくとも一方に記載された、バグの分析結果から、未入力となっている項目のバグ数の取得を試みる。未入力となっている項目のバグ数を取得し得た場合に、報告書作成部13は、品質報告書14において未入力となっている項目に、取得したバグ数を付加する。
【0063】
また、報告書作成部13は、ステップA3におけるチェックを基に、開発プロジェクトの規模が、品質報告書14において未入力であるかどうかを判定する(ステップA6)。ステップA6の判定の結果、未入力であった場合(ステップA6でYES)、ステップA7が実行され、未入力でなかった場合(ステップA6でNO)、ステップA8が実行される。ステップA7において、報告書作成部13は、開発成果データベース31に保持されているモジュールから、プロジェクト規模を取得し、品質報告書14を作成する(ステップA7)。
【0064】
具体的には、ステップA7では、報告書作成部13は、開発成果データベース31の製造フェーズ成果情報35において、全モジュールのソースコードの取得を試みる。次に、全モジュールのソースコードを取得し得た場合に、報告書作成部13は、全モジュールのソースコードのライン数を合計し、品質報告書14において未入力となっている開発プロジェクトの規模に、合計したライン数を付加する。
【0065】
また、報告書作成部13は、ステップA3におけるチェックを基に、開発プロジェクトのテスト項目数が、品質報告書14において未入力であるかどうかを判定する(ステップA8)。ステップA8の判定の結果、未入力であった場合(ステップA8でYES)、ステップA9が実行され、未入力でなかった場合(ステップA8でNO)、ステップA10が実行される。ステップA9において、報告書作成部13は、開発成果データベース31に保持されているテストの仕様書から、テスト項目数を取得し、品質報告書14を作成する(ステップA9)。
【0066】
具体的には、ステップA9では、報告書作成部13は、未入力となっているテスト項目数のフェーズを特定する。そして、報告書作成部13は、開発成果データベース31において、特定したフェーズに属するテスト仕様書の取得を試みる。次に、特定したフェーズに属するテスト仕様書を取得し得た場合に、報告書作成部13は、テスト仕様書に記載されたテスト項目の項目数を合計し、品質報告書14において未入力となっているテスト項目数に、合計した項目数を付加する。
【0067】
また、報告書作成部13は、ステップA3におけるチェックを基に、開発プロジェクトの設計書の頁数が、品質報告書14において未入力であるかどうかを判定する(ステップA10)。ステップA10の判定の結果、未入力であった場合(ステップA10でYES)、ステップA11が実行され、未入力でなかった場合(ステップA10でNO)、ステップA12が実行される。ステップA11において、報告書作成部13は、開発成果データベース31に保持されている設計書から、設計書の頁数を取得し、品質報告書14を作成する(ステップA11)。
【0068】
具体的には、ステップA11では、報告書作成部13は、未入力となっている設計書作成頁数のフェーズを特定する。そして、報告書作成部13は、開発成果データベース31において、特定したフェーズに属する設計書の取得を試みる。次に、特定したフェーズに属する設計書を取得し得た場合に、報告書作成部13は、設計書の頁数を合計し、品質報告書14において未入力となっている設計書作成頁数に、合計した頁数を付加する。
【0069】
次に、本実施の形態における報告書作成部13は、事前設定値受付部15において受け付けた事前設定値と、品質報告書14の情報とを対比して、ソフトウェアの開発目標の達成状況を求める(ステップA12)。
【0070】
具体的には、報告書作成部13は、事前設定値受付部15において受け付けた事前設定値を、品質報告書14に付加する。そして、報告書作成部13は、事前設定値と、品質報告書14の情報とを対比して、消化率と、摘出率と、規模あたりの設計書の頁数、テスト項目数、およびバグ件数とを計算する。
【0071】
次に、ステップA12が実行されると、本実施の形態における報告書作成部13は、求めたソフトウェアの開発目標の達成状況を、品質報告書14に付加する(ステップA13)。続いて、本実施の形態における報告書作成部13は、品質報告書14に付加された達成状況に応じたメッセージを、品質報告書14に付加する(ステップA14)。具体的には、計算した消化率、摘出率、および規模あたりの実績値が適正であるどうか判断し、判断に合致するメッセージをメッセージ格納部16から抽出し、抽出したメッセージを品質報告書14に付加する。
【0072】
[実施の形態における効果]
このように、本実施の形態では、品質管理装置11は、端末装置21〜23から取得した品質情報を用いて品質報告書14を作成する際に、未入力となっている項目があった場合、開発成果データベース31から未入力となっている項目に関する情報を取得する。このようにして品質管理装置11は、品質報告書14を完成させる。この結果、本実施の形態によれば、管理者は、未記入となっている項目に関する情報を探し出すために、ソフトウェア開発の成果情報を逐一チェックしなくてもよいので、管理者にかかる負担を軽減することができる。
【0073】
また、本実施の形態では、品質管理装置11は、事前設定値と品質報告書14の情報とを対比することにより、ソフトウェアの開発目標の達成状況を求め、求めた達成状況に応じたメッセージを品質報告書14に付加する。この結果、本実施の形態によれば、管理者は、品質報告書14に付加されたメッセージを読むことにより、ソフトウェアの開発状況を把握することができる。
【0074】
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図4に示すステップA1〜A14を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における品質管理装置と品質管理方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、データ取得部12、報告書作成部13、および事前設定値受付部15として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態では、品質報告書14およびメッセージ格納部16は、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置に格納されていればよい。
【0075】
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、本実施の形態における品質管理装置を実現するコンピュータについて図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態における品質管理装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0076】
図5に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0077】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0078】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0079】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0080】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記28)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0081】
(付記1)
ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、品質管理装置であって、
前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された情報を用いて、前記品質報告書を作成し、作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、報告書作成部と、
を備えている、
ことを特徴とする品質管理装置。
【0082】
(付記2)
前記開発成果データベースが、前記開発の成果として、前記開発プロジェクトにおけるレビューの記録表と、前記開発プロジェクトで開発されたモジュールと、前記開発プロジェクトで実行されるテストの仕様書と、前記テストの結果報告書と、前記開発プロジェクトにおける設計書とを、少なくとも保持している、
付記1に記載の品質管理装置。
【0083】
(付記3)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、フェーズ毎のバグが発生した回数、フェーズ毎のバグの原因となった回数、および原因の区分毎のバグの数、が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記フェーズ毎の前記レビューの記録表および前記テストの結果報告書の少なくとも一方から、不足している情報を取得する、
付記2に記載の品質管理装置。
【0084】
(付記4)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトの規模が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記モジュールから、不足している情報を取得する、
付記2に記載の品質管理装置。
【0085】
(付記5)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトのテスト項目数が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記テストの仕様書から、不足している情報を取得する、
付記2に記載の品質管理装置。
【0086】
(付記6)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトの設計書の頁数が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記設計書から、不足している情報を取得する、
付記2に記載の品質管理装置。
【0087】
(付記7)
前記報告書作成部が、
前記ソフトウェアの開発目標を示す事前設定値の入力を受け付け、
受け付けた前記事前設定値と前記品質報告書の情報とを対比して、前記ソフトウェアの開発目標の達成状況を求め、
求めた達成状況に応じたメッセージを前記品質報告書に付加する、
付記1〜6のいずれかに記載の品質管理装置。
【0088】
(付記8)
ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発を管理するための、システムであって、
前記開発プロジェクトの実行に用いられる、端末装置と、
前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成する、品質管理装置と、
前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースと、を備え、
前記品質管理装置は、
前記端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された情報を用いて、前記品質報告書を作成し、作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、前記開発成果データベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、報告書作成部と、を備えている、
ことを特徴とする品質管理システム。
【0089】
(付記9)
前記開発成果データベースが、前記開発の成果として、前記開発プロジェクトにおけるレビューの記録表と、前記開発プロジェクトで開発されたモジュールと、前記開発プロジェクトで実行されるテストの仕様書と、前記テストの結果報告書と、前記開発プロジェクトにおける設計書とを、少なくとも保持している、
付記8に記載の品質管理システム。
【0090】
(付記10)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、フェーズ毎のバグが発生した回数、フェーズ毎のバグの原因となった回数、および原因の区分毎のバグの数、が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記フェーズ毎の前記レビューの記録表および前記テストの結果報告書の少なくとも一方から、不足している情報を取得する、
付記9に記載の品質管理システム。
【0091】
(付記11)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトの規模が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記モジュールから、不足している情報を取得する、
付記9に記載の品質管理システム。
【0092】
(付記12)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトのテスト項目数が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記テストの仕様書から、不足している情報を取得する、
付記9に記載の品質管理システム。
【0093】
(付記13)
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトの設計書の頁数が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記設計書から、不足している情報を取得する、
付記9に記載の品質管理システム。
【0094】
(付記14)
前記報告書作成部が、
前記ソフトウェアの開発目標を示す事前設定値の入力を受け付け、
受け付けた前記事前設定値と前記品質報告書の情報とを対比して、前記ソフトウェアの開発目標の達成状況を求め、
求めた達成状況に応じたメッセージを前記品質報告書に付加する、
付記8〜13のいずれかに記載の品質管理システム。
【0095】
(付記15)
ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、品質管理方法であって、
(a)前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得する、ステップと、
(b)前記品質情報を用いて、前記品質報告書を作成する、ステップと、
(c)作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで、情報が不足していると判定した場合に、不足している情報をデータベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする品質管理方法。
【0096】
(付記16)
前記(d)のステップで、前記データベースが、前記開発の成果として、前記開発プロジェクトにおけるレビューの記録表と、前記開発プロジェクトで開発されたモジュールと、前記開発プロジェクトで実行されるテストの仕様書と、前記テストの結果報告書と、前記開発プロジェクトにおける設計書とを、少なくとも保持している、
付記15に記載の品質管理方法。
【0097】
(付記17)
前記(c)のステップで、情報として、フェーズ毎のバグが発生した回数、フェーズ毎のバグの原因となった回数、および原因の区分毎のバグの数、が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記フェーズ毎のレビューの記録表およびテストの結果報告書の少なくとも一方から、不足している情報を取得する、
付記16に記載の品質管理方法。
【0098】
(付記18)
前記(c)のステップで、情報として、前記開発プロジェクトの規模が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記モジュールから、不足している情報を取得する、
付記16に記載の品質管理方法。
【0099】
(付記19)
前記(c)のステップで、情報として、前記開発プロジェクトのテスト項目数が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発成果データベースに保持されている、前記テストの仕様書から、不足している情報を取得する、
付記16に記載の品質管理方法。
【0100】
(付記20)
前記(c)のステップで、情報として、前記開発プロジェクトの設計書の頁数が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記設計書から、不足している情報を取得する、
付記16に記載の品質管理方法。
【0101】
(付記21)
前記(d)のステップで、前記事前設定値と前記品質報告書の情報とを対比して、前記ソフトウェアの開発目標の達成状況を求め、求めた達成状況に応じたメッセージを前記品質報告書に付加する、
付記15〜20のいずれかに記載の品質管理方法。
【0102】
(付記22)
コンピュータによって、ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、プログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得する、ステップと、
(b)前記品質情報を用いて、前記品質報告書を作成する、ステップと、
(c)作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで、情報が不足していると判定した場合に、不足している情報をデータベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0103】
(付記23)
前記(d)のステップで、前記データベースが、前記開発の成果として、前記開発プロジェクトにおけるレビューの記録表と、前記開発プロジェクトで開発されたモジュールと、前記開発プロジェクトで実行されるテストの仕様書と、前記テストの結果報告書と、前記開発プロジェクトにおける設計書とを、少なくとも保持している、
付記22に記載のプログラム。
【0104】
(付記24)
前記(c)のステップで、情報として、フェーズ毎のバグが発生した回数、フェーズ毎のバグの原因となった回数、および原因の区分毎のバグの数、が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記フェーズ毎の前記レビューの記録表および前記テストの結果報告書の少なくとも一方から、不足している情報を取得する、
付記23に記載のプログラム。
【0105】
(付記25)
前記(c)のステップで、情報として、前記開発プロジェクトの規模が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記モジュールから、不足している情報を取得する、
付記23に記載のプログラム。
【0106】
(付記26)
前記(c)のステップで、情報として、前記開発プロジェクトのテスト項目数が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記テストの仕様書から、不足している情報を取得する、
付記23に記載のプログラム。
【0107】
(付記27)
前記(c)のステップで、情報として、前記開発プロジェクトの設計書の頁数が不足していると判定した場合に、
前記(d)のステップで、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースにおける、前記設計書から、不足している情報を取得する、
付記23に記載のプログラム。
【0108】
(付記28)
前記(d)のステップで、前記事前設定値と前記品質報告書の情報とを対比して、前記ソフトウェアの開発目標の達成状況を求め、求めた達成状況に応じたメッセージを前記品質報告書に付加する、
付記22〜27のいずれかに記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、ソフトウェアおよびハードウェアの開発システムにおいて有用である。
【符号の説明】
【0110】
10 品質管理システム
11 品質管理装置
12 データ取得部
13 報告書作成部
14 品質報告書
15 事前設定値受付部
16 メッセージ格納部
17 ネットワーク
21 端末装置
31 開発成果データベース
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、品質管理装置であって、
前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された情報を用いて、前記品質報告書を作成し、作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、報告書作成部と、
を備えている、
ことを特徴とする品質管理装置。
【請求項2】
前記開発成果データベースが、前記開発の成果として、前記開発プロジェクトにおけるレビューの記録表と、前記開発プロジェクトで開発されたモジュールと、前記開発プロジェクトで実行されるテストの仕様書と、前記テストの結果報告書と、前記開発プロジェクトにおける設計書とを、少なくとも保持している、
請求項1に記載の品質管理装置。
【請求項3】
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、フェーズ毎のバグが発生した回数、フェーズ毎のバグの原因となった回数、および原因の区分毎のバグの数、が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記フェーズ毎の前記レビューの記録表および前記テストの結果報告書の少なくとも一方から、不足している情報を取得する、
請求項2に記載の品質管理装置。
【請求項4】
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトの規模が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記モジュールから、不足している情報を取得する、
請求項2に記載の品質管理装置。
【請求項5】
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトのテスト項目数が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記テストの仕様書から、不足している情報を取得する、
請求項2に記載の品質管理装置。
【請求項6】
前記報告書作成部が、前記品質報告書において、情報として、前記開発プロジェクトの設計書の頁数が不足していると判定した場合に、前記開発成果データベースに保持されている、前記設計書から、不足している情報を取得する、
請求項2に記載の品質管理装置。
【請求項7】
前記報告書作成部が、
前記ソフトウェアの開発目標を示す事前設定値の入力を受け付け、
受け付けた前記事前設定値と前記品質報告書の情報とを対比して、前記ソフトウェアの開発目標の達成状況を求め、
求めた達成状況に応じたメッセージを前記品質報告書に付加する、
請求項1〜6のいずれかに記載の品質管理装置。
【請求項8】
ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発を管理するための、システムであって、
前記開発プロジェクトの実行に用いられる、端末装置と、
前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成する、品質管理装置と、
前記開発プロジェクトの成果をフェーズ毎に保持している開発成果データベースと、を備え、
前記品質管理装置は、
前記端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得するデータ取得部と、
前記データ取得部によって取得された情報を用いて、前記品質報告書を作成し、作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定し、情報が不足している場合に、不足している情報を、前記開発成果データベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、報告書作成部と、を備えている、
ことを特徴とする品質管理システム。
【請求項9】
ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、品質管理方法であって、
(a)前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得する、ステップと、
(b)前記品質情報を用いて、前記品質報告書を作成する、ステップと、
(c)作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで、情報が不足していると判定した場合に、不足している情報をデータベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする品質管理方法。
【請求項10】
コンピュータによって、ソフトウェアの開発プロジェクトにおいて、前記ソフトウェアの開発段階における品質を示す品質報告書を作成するための、プログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記開発プロジェクトの実行に用いられる端末装置から、前記開発の進捗状況を示す情報、およびバグの発生状況を示す情報を少なくとも含む品質情報を取得する、ステップと、
(b)前記品質情報を用いて、前記品質報告書を作成する、ステップと、
(c)作成した前記品質報告書において、情報が不足していないかどうかを判定する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで、情報が不足していると判定した場合に、不足している情報をデータベースから取得し、取得した情報を、前記品質報告書に付加する、ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37415(P2013−37415A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170673(P2011−170673)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】