説明

哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法

【課題】癌を早期に発見するための診断方法や治療方法等の評価に適する、遺伝子異常の検出に基づいた哺乳動物由来の検体の癌化度評価方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法であって、
(1)哺乳動物由来の検体に含まれるFms-related tyrosine kinase 1遺伝子のメチル化頻度又はそれに相関関係がある指標値を測定する第一工程、及び
(2)測定された前記メチル化頻度又はそれに相関関係がある指標値と、対照とを比較することにより得られる差異に基づき前記検体の癌化度を判定する第二工程
を有することを特徴とする評価方法
等に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法であって、
(1)哺乳動物由来の検体に含まれるFms-related tyrosine kinase 1遺伝子のメチル化頻度又はそれに相関関係がある指標値を測定する第一工程、及び
(2)測定された前記メチル化頻度又はそれに相関関係がある指標値と、対照とを比較することにより得られる差異に基づき前記検体の癌化度を判定する第二工程
を有することを特徴とする評価方法。
【請求項2】
哺乳動物由来の検体が細胞であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
【請求項3】
哺乳動物由来の検体が組織であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
【請求項4】
哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法であって、
(1)哺乳動物由来の検体に含まれるFms-related tyrosine kinase 1遺伝子のメチル化頻度を測定する第一工程、及び
(2)測定された前記メチル化頻度と、対照とを比較することにより得られる差異に基づき前記検体の癌化度を判定する第二工程
を有することを特徴とする評価方法。
【請求項5】
哺乳動物由来の検体が細胞であって、かつ、当該検体の癌化度が哺乳動物由来の細胞の悪性度であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
【請求項6】
哺乳動物由来の検体が細胞であって、かつ、当該検体の癌化度が哺乳動物由来の細胞の悪性度であることを特徴とする請求項4記載の評価方法。
【請求項7】
哺乳動物由来の検体が組織であって、かつ、当該検体の癌化度が哺乳動物由来の組織における癌細胞の存在量であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
【請求項8】
哺乳動物由来の検体が組織であって、かつ、当該検体の癌化度が哺乳動物由来の組織における癌細胞の存在量であることを特徴とする請求項4記載の評価方法。
【請求項9】
組織が大腸組織であって、かつ、癌が大腸癌であることを特徴とする請求項8記載の評価方法。
【請求項10】
遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子のプロモーター領域、非翻訳領域又は翻訳領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1又は4記載の評価方法。
【請求項11】
組織が大腸組織であって、かつ、癌が大腸癌であることを特徴とする請求項10記載の評価方法。
【請求項12】
遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子のプロモーター領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1又は4記載の評価方法。
【請求項13】
遺伝子のメチル化頻度が、当該遺伝子の非翻訳領域又は翻訳領域にある塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1又は4記載の評価方法。
【請求項14】
遺伝子のメチル化頻度が、配列番号1で示される塩基配列内に存在する一つ以上の5'-CG-3'で示される塩基配列中のシトシンのメチル化頻度であることを特徴とする請求項1記載の評価方法。
【請求項15】
組織が大腸組織であって、かつ、癌が大腸癌であることを特徴とする請求項14記載の評価方法。
【請求項16】
哺乳動物由来の検体の癌化度を評価する方法であって、
(1)哺乳動物由来の検体に含まれるFms-related tyrosine kinase 1遺伝子のメチル化頻度に相関関係がある指標値を測定する第一工程、及び
(2)測定された前記メチル化頻度に相関関係がある指標値と、対照とを比較することにより得られる差異に基づき前記検体の癌化度を判定する第二工程
を有することを特徴とする評価方法。
【請求項17】
Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子のメチル化頻度に相関関係がある指標値が、Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子の発現産物の量であることを特徴とする請求項16記載の評価方法。
【請求項18】
Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子の発現産物の量が、当該遺伝子の転写産物の量であることを特徴とする請求項17記載の評価方法。
【請求項19】
Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子の発現産物の量が、当該遺伝子の翻訳産物の量であることを特徴とする請求項17記載の評価方法。
【請求項20】
Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子の発現を促進する能力を有する物質の探索方法であって、
(1)癌細胞に被験物質を接触させる第一工程、
(2)第一工程(1)後に、前記癌細胞に含まれるFms-related tyrosine kinase 1遺伝子の発現産物量を測定する第二工程、
(3)測定された発現産物の量と対照とを比較することにより得られる差異に基づき被験物質が有するFms-related tyrosine kinase 1遺伝子の発現を促進する能力を判定する第三工程
を有することを特徴とする探索方法。
【請求項21】
癌細胞が大腸癌細胞であることを特徴とする請求項20記載の探索方法。
【請求項22】
有効成分として、請求項20の探索方法により見出された能力を有する物質を含み、当該有効成分が薬学的に許容される担体中に製剤化されてなることを特徴とする抗癌剤。
【請求項23】
有効成分として、Fms-related tyrosine kinase 1のアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる核酸を含み、当該有効成分が薬学的に許容される担体中に製剤化されてなることを特徴とする抗癌剤。
【請求項24】
癌マーカーとしての、メチル化されたFms-related tyrosine kinase 1遺伝子の使用。
【請求項25】
癌マーカーが大腸癌マーカーであることを特徴とする請求項24記載の使用。
【請求項26】
癌であると診断されうる哺乳動物の体内にある細胞に、Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子のメチル化頻度を低下させる物質を投与する工程を有することを特徴とする癌化抑制方法。
【請求項27】
癌が大腸癌であることを特徴とする請求項26記載の癌化抑制方法;
【請求項28】
哺乳動物由来の検体中に含まれるFms-related tyrosine kinase 1遺伝子の塩基配列が有する目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAの含量を測定する方法であって、
(1)哺乳動物由来の検体中に含まれるゲノムDNA由来のDNA試料をメチル化感受性制限酵素による消化処理を行う第一工程、
(2)第一工程で得られた消化処理が行われたDNA試料からメチル化された一本鎖DNAを取得し、該一本鎖DNAと、固定化メチル化DNA抗体とを結合させて一本鎖DNAを選択する第二工程、及び、
(3)下記の各本工程の前工程として第二工程で選択された一本鎖DNAを、固定化メチル化DNA抗体から分離して一本鎖状態であるDNA(正鎖)にする工程(第一前工程)と、
第一前工程で一本鎖状態にされたゲノム由来のDNA(正鎖)を、一本鎖状態であるDNA(正鎖)が有する塩基配列の部分塩基配列(正鎖)であって、且つ、前記の目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)の3’末端よりさらに3’末端側に位置する部分塩基配列(正鎖)、に対して相補性である塩基配列(負鎖)を有する伸長プライマー(フォーワード用プライマー)を伸長プライマーとして、該伸長プライマーを1回伸長させることにより、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を二本鎖DNAに伸長形成させる工程(第二前工程)と、
第二前工程で伸長形成された二本鎖DNAを、目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)と目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(負鎖)に一旦分離する工程(第三前工程)を有し、且つ、本工程として
(a)生成した目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(正鎖)を鋳型として、前記フォワード用プライマーを伸長プライマーとして、該伸長プライマーを一回伸長させることにより、前記の目的とするDNA領域を含む一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第A工程(本工程)と、
(b)生成した目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(負鎖)を鋳型として、前記の目的とするDNA領域を含む一本鎖DNA(負鎖)が有する塩基配列の部分塩基配列(負鎖)であって、且つ、前記の目的とするDNA領域の塩基配列(正鎖)に対して相補性である塩基配列(負鎖)の3’末端よりさらに3’末端側に位置する部分塩基配列(負鎖)、に対して相補性である塩基配列(正鎖)を有する伸長プライマー(リバース用プライマー)を伸長プライマーとして、該伸長プライマーを1回伸長させることにより、前記の目的とするDNA領域を含む一本鎖DNAを二本鎖DNAとして伸長形成させる第B工程(本工程)とを有し、
さらに第三工程の各本工程を、前記各本工程で得られた伸長形成された二本鎖DNAを一本鎖状態に一旦分離した後、繰り返すことにより、前記の目的とするDNA領域におけるメチル化されたDNAを検出可能な量になるまで増幅し、増幅されたDNAの量を定量する第三工程、を有することを特徴とする方法。
【請求項29】
固定化メチル化DNA抗体がメチルシトシン抗体であることを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
メチル化感受性制限酵素が、Fms-related tyrosine kinase 1遺伝子の塩基配列が有する目的とするDNA領域の中に認識切断部位を有する制限酵素であることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
メチル化感受性制限酵素が、HhaIであることを特徴とする請求項29記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−95643(P2012−95643A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202874(P2011−202874)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】