説明

哺乳類の発毛の調節

本発明は、アグマチン及びその塩を含む安全且つ有効な量のスキンケア活性物質と、BHT又はBHA、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、緑茶カテキン、フィトステロール、ウルソール酸、植物抽出物由来の化合物、それらの塩及び誘導体から成る群から選択される安全且つ有効な量の第一の追加のスキンケア活性物質と、アグマチン組成物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを含有する局所用スキンケア組成物に関する。
本発明は、哺乳類の発毛及び皮膚の状態を調節するためにこうしたアグマチン組成物を使用する方法にも関する。前記方法は、一般に、安全且つ有効な量のこのような組成物を、こうした処置を必要とする哺乳類の皮膚に局所に適用する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア活性物質、特にアグマチン及びその塩と、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、塩化セチルピリジニウム、ヘキサミジン、フィトステロール、植物抽出物由来の化合物、緑茶カテキン化合物、ウルソール酸、並びに遊離脂肪酸のようなその他のスキンケア活性物質との組み合わせを含有する局所用組成物に関する。このような組成物は、哺乳類の発毛の調節、好ましくは発毛の抑制及び/若しくは遅延、並びに/又はシェイビングの頻度の減少が挙げられるがこれらに限定されない、ケラチン組織の状態の調節に有用である。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野において周知であるように、正常な発毛は成長及び休止の交互の期間が関与する活動のサイクルによって生じる。このサイクルはしばしば、成長期、退行期、及び休止期として知られる3つの主要段階に分けられる。成長期はサイクルの発育段階であり、分化して毛髪を形成する細胞の急速な増殖とともに毛嚢が真皮に深く浸透することで特徴づけられる。次の段階は退行期で、これは細胞分裂の休止によって特徴づけられる移行段階であり、この間に毛嚢は真皮を通って退行し、発毛が止まる。次の段階の休止期は、その間に、退行した毛嚢が、真皮乳頭細胞が密集した毛芽を含有する休止段階として特徴づけられることが多い。休止期には、新しい成長期の開始が、毛芽での急速な細胞増殖、真皮乳頭の拡大、及び基底膜構成要素の合成によって引き起こされる。このサイクルは発毛の間終始繰り返される発毛が停止した際、毛嚢の大部分は休止期にあり、成長期は関与しておらず、したがって完全又は部分的な禿頭症の開始を引き起こす。
【0003】
哺乳類の発毛の主な機能は、環境保護を提供することである。しかし、ヒトではその機能が失われ、本質的に美容上の理由から、毛髪が身体の様々な部分で維持又は除去されている。例えば、米国の女性では、頭皮に毛髪を有することは一般に好ましいが、脚、腋窩又は顔の特定の領域に有することは好ましくない。
【0004】
不必要な毛髪を除去するため、シェイビング、電解、脱毛クリーム又はローション、脱毛デバイス、ワックス除毛、引き抜き、治療用アンドロゲン、及びレーザー脱毛を含む種々の処置及びパーソナルケア製品が開発された。しかし、このような従来の処置はしばしばそれに付随する欠点を有する。例えば、シェイビングは、刻み目、切り傷、発疹及び炎症を引き起こす場合があり、しばしば望ましくない無精髭を残す。電解及びレーザー脱毛は、処置領域を毛髪がない状態に長期間保つことができるが、高価であり得、苦痛及び/又は時として瘢痕を残すことがあり得る。ワックス除毛及び引き抜きは苦痛であり、短い毛髪には悪い選択肢である。女性の多毛症の処置に使用される抗アンドロゲン剤は、不快な身体的副作用並びに先天性欠損への影響の可能性がある。多毛症でない女性では、アンドロゲンの役割は正常な発毛に必要とされないことから、先天性欠損への影響のため、アンドロゲンが媒介する経路を経ずに機能する技術の必要性が存在する。脱毛デバイスは、使用が苦痛であることがあり、腋窩及び顔を含む身体の多数の領域に十分に適さない。最後に、脱毛クリームは有効であるが、適用が面倒であり、炎症の可能性が高いことから頻繁な使用が一般的に推奨されない。
【0005】
したがって、哺乳類のケラチン組織の状態を調節するだけでなく、身体の指定領域で不必要な哺乳類の発毛の遅延、抑制、及び/又は停止も行う安全、有効な方法の必要性が存在する。
【0006】
驚くべきことに、アグマチン及びその硫酸塩を含有する組成物は、他の選択されたスキンケア活性物質との組み合わせで、発毛の遅延、抑制、又は排除を含む哺乳類の発毛の調節に有用であることがこの度発見された。理論に束縛されるものではないが、アグマチンは、哺乳類の皮膚内の毛嚢単位の中及び周囲でプロテアーゼ活性を抑制することによって発毛を調節することができると考えられる。プロテアーゼは、成長期初期に皮膚の真皮を通って毛嚢が成長する間の細胞外マトリックスの再構築において重要な構成成分である。更に、プロテアーゼは、成長期初期の毛嚢の血管新生並びに全成長期にわたる血管床の維持にとって重要過程である脈管形成において重要な役割を果たす。更に、アグマチンは、オルニチン脱炭酸酵素(ODC)を調節及び分解するタンパク質であるアンチザイムを上方調節することによって、発毛を調節することができると考えられる。オルニチン脱炭酸酵素は、細胞の生存能力にとってきわめて重要な酵素である。したがって、アグマチンは、アンチザイムを上方調節することによって間接的にODC活性を抑制することができる。このように、アグマチンは毛嚢単位の構造的改造(structural
remodeling)の阻止並びにODCを介した毛嚢単位の血管新生及び毛嚢細胞の増殖の抑制における役割を果たし、それによって哺乳類の発毛特性を改変する。
【0007】
驚くべきことに、BHT又はBHA、塩化セチルピリジニウム、ヘキサミジン及びウルソール酸のような選択されたスキンケア組成物は、発毛の遅延、抑制、又は排除を含む哺乳類の発毛の調節のために単独で使用できることも発見された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既存の技術には、本発明の利点及び効果のすべてを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アグマチン及びその塩を含む安全且つ有効な量のスキンケア活性物質と、BHT又はBHA、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、緑茶カテキン、フィトステロール、ウルソール酸、植物抽出物由来の化合物、それらの塩及び誘導体から成る群から選択される安全且つ有効な量の第一の追加のスキンケア活性物質と、アグマチン組成物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを含有する局所用スキンケア組成物に関する。
【0010】
本発明は、哺乳類の発毛及び皮膚の状態を調節するためにこうしたアグマチン組成物を使用する方法にも関する。前記方法は、一般に、安全且つ有効な量のこのような組成物を、こうした処置を必要とする哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む。
【0011】
本発明は、塩化セチルピリジニウム及びその塩を含む安全且つ有効な量のスキンケア活性物質と、ウルソール酸及び植物抽出物由来の化合物、それらの塩及び誘導体から成る群から選択される安全且つ有効な量の第一の追加のスキンケア活性物質と、塩化セチルピリジニウム組成物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを含有する局所用スキンケア組成物に関する。
【0012】
本発明は、哺乳類の発毛及び皮膚の状態を調節するために、こうした塩化セチルピリジニウム組成物を使用する方法にも関する。前記方法は、一般に、安全且つ有効な量のこのような組成物を、こうした処置を必要とする哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む。
【0013】
本発明は、安全且つ有効な量のヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、ウルソール酸又はBHT、それらの塩及び誘導体と、化合物のいずれかのための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを使用する発毛調節方法にも関する。
【0014】
本発明は、安全且つ有効な量のBHT又はBHAと、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、フィトステロール、緑茶カテキン、及びウルソール酸、それらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される安全且つ有効な量の追加のスキンケア活性物質と、BHT化合物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを使用する発毛調節方法にも関する。
【0015】
本発明は、安全且つ有効な量のヘキサミジンと、塩化セチルピリジニウム、フィトステロール、緑茶カテキン、及びウルソール酸、それらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される安全且つ有効な量の追加のスキンケア活性物質と、ヘキサミジン化合物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを使用する発毛調節方法にも関する。
【0016】
本発明は、安全且つ有効な量の塩化セチルピリジニウムと、フィトステロール、緑茶カテキン、及びウルソール酸、それらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される安全且つ有効な量の追加のスキンケア活性物質と、塩化セチルピリジニウム化合物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを使用する発毛調節方法にも関する。
【0017】
本発明は、安全且つ有効な量のフィトステロールと、緑茶カテキン及びウルソール酸、それらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される安全且つ有効な量の追加のスキンケア活性物質と、BHT化合物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを使用する発毛調節方法にも関する。
【0018】
本発明は、安全且つ有効な量の緑茶カテキン及び安全且つ有効な量のウルソール酸、それらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物と、緑茶カテキン化合物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを使用する発毛調節方法にも関する。
【0019】
本発明の前述及びその他の特徴、態様、並びに利点は、本開示を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本明細書は本発明を特に指摘し、明確に請求する、特許請求の範囲でまとめられているが、本発明は以下の説明からよりよく理解されるであろうと考えられる。
【0021】
本発明の組成物は、本発明の構成成分並びに本明細書で記載されるその他の成分を含むことができるか、それらから本質的に成ることができるか、又はそれらから成ることができる。本明細書で使用する時、用語「から本質的に成る」は、組成物又は構成成分が追加の成分を含むことができるが、追加の成分が特許請求した組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0022】
特に指定のない限り、すべてのパーセンテージ、部及び比率は、本発明の局所用組成物の全重量に基づき、すべての測定は25℃で実施されている。列挙する成分に関連するこのようなすべての重量は、活性レベルに基づくので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれている可能性があるキャリアや副生成物を含まない。
【0023】
本明細書で引用する全ての刊行物は、その全体を参考として本明細書に組み込む。
【0024】
本明細書で使用する時、「美容ケア製品」は、皮膚及び/又は毛髪を処置若しくは手入れするため、又は何らかの形で保湿、改善、若しくは清浄にするために使用されるものである。「美容ケア製品」という句によって意図される製品には、保湿剤、パーソナルクレンジング製品、閉塞性薬剤送達貼付剤、粉末類、拭き取り用品、ヘアコンディショナー、ヘアトニック、シャンプー、染毛剤、皮膚トリートメントエマルション、シェービングクリーム、制汗剤、防臭剤等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の組成物は、哺乳類の毛髪の成長の調節に有用である。発毛の調節は、しばしば、衛生的又は社会的圧力により、身体の特定の部分で望まれる。発毛調節の願望は、身体の内部及び/又は外部の要因によって誘発され又は引き起こされる発毛パターンに由来する場合もある。例としては、環境被害、放射線曝露(紫外線及び放射線治療を含む)、遺伝、経年的老化、閉経状態(例えば、閉経後の発毛の変化)、ストレス、疾患、化学療法等が挙げられる。
【0026】
「発毛の調節」、すなわち哺乳類の発毛の調節には、発毛の減少、調節、抑制、減衰、遅延、促進、増強、及び/若しくは縮小(diminuation)、並びに/又はシェイビングの頻度の減少が含まれる。
【0027】
「発毛の減少/抑制」は、本明細書で参照される時、毛髪除去の頻度が減少するか、又は哺乳類の毛髪の触覚及び視覚的感触が改善され、その際被験者が処置部位の毛髪がより少ないことを知覚する(即ち、毛髪がより柔軟、繊細になり、見て目立ちにくいと知覚される)時、又は定量的に、シェイビングによって除去される毛髪の重量(即ち、毛髪質量)が減少しそれによって哺乳類のシェイビングの容易さ、頻度、及び有効性を改善する時に実証される。
【0028】
「哺乳類の毛髪」は、本明細書で参照される時、哺乳類の身体のいかなる部分の毛髪も含み、顔、頭部、又は身体の毛髪を含んでもよい。男性の顔の毛髪は、一般にあごひげ、口ひげ、眉毛及びもみあげを指すが、顔及び/又は首のいかなる領域を含んでもよい。女性の顔の毛髪(主に産毛であるが硬毛も含み得る)は、一般に眉毛、上唇、顎、及び頬の領域を指すが、顔及び/又は首のいかなる領域を含んでもよい。一般に調節されることが望ましいその他の発毛領域には、腋窩、ビキニエリア、脚、腕、背中、及び胸が挙げられる。脱毛の減少の要望は、しばしば頭髪、特に化学療法及び/又は放射線治療患者の頭髪に関連する。本発明の組成物は、多毛症又はその他の状態に悩む女性の不必要な毛髪の成長を低減するのに特に好適である。
【0029】
組成物は多毛症の治療に特に好適である。ヒトでは、発毛の知覚される減少を達成するには、組成物を1日に1回若しくは2回、又は更に頻繁に、少なくとも3ヶ月間適用するべきである。
【0030】
用語「触覚及び視覚的感触の改善」は、本明細書で使用する時、毛髪がより柔軟、繊細、目立ちにくいと知覚されるような、皮膚上の毛髪の外観における目に見えてより顕著な改善を指す。更に、シェイビングの容易さ、頻度、及び有効性は哺乳類によって知覚されるであろう。発毛の減少は、毛髪除去の頻度が減少した時、又は被験者が処置した部位の毛髪がより少ないことを知覚した時、又は定量的に、シェイビングによって除去される毛髪の重量(即ち、毛髪質量)が減少した時に実証される。
【0031】
本明細書で使用する時、用語「ケラチン組織」とは、哺乳類(例えば、ヒト、イヌ、ネコなど)の最外保護外皮として配置されるケラチン含有層を指し、これには皮膚、毛髪などが含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
本明細書で使用する時、「局所適用」という用語は、本発明の組成物をケラチン組織表面に適用すること又は塗り広げることを意味する。
【0033】
本明細書で使用する時、用語「皮膚科学的に許容可能な」とは、このように記載されているこれらの組成物又はその構成成分が、不当な毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを有することなく、哺乳類のケラチン組織と接触させて使用するのに適していることを意味する。
【0034】
本明細書で使用する時、用語「安全且つ有効な量」とは、本明細書で開示する個々の利益又はその利益の組み合わせを含む、肯定的利益、好ましくは発毛調節効果、又は毛髪の外観若しくは感触の肯定的効果を顕著に生じさせるのに十分であるが、重篤な副作用を避けるのに十分少ない化合物又は組成物の量、即ち、当業者の健全な判断の範囲内での妥当な利益対危険比を提供する量を意味する。本明細書で使用される「周囲条件」という用語は、特に指示がない限り、約1気圧、約50%の相対湿度、及び約25°Cのもとでの環境条件を意味する。本発明の組成物は、安定性、重大な(使用者の許容不可能な)皮膚の炎症がないこと及び良好な審美性を含む、追加の利益を提供する。
【0035】
本発明の組成物は安定である。アグマチンを含む本明細書で使用される成分は、互いに、並びにテルペンアルコール、レチノイド、ペプチド、ソルビン酸トコフェロール、及びビタミンB3化合物のような他のスキンケア活性物質と適合性がある。したがって、アグマチンと、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、フィトステロール、BHT、BHA、植物抽出物由来の化合物、緑茶カテキン化合物、ウルソール酸、及び遊離脂肪酸のようなその他のスキンケア活性物質とを併せた組み合わせを含有する組成物は、追加の及び/又は相乗的な皮膚効果を提供することができる。更に、得られるスキンケア組成物は、良好な製品安定性及び適度に長い貯蔵寿命を有する。
【0036】
アグマチンを他の選択されたスキンケア活性物質と組み合わせて含有する得られる組成物は、良好な審美性を有する。良好な審美性の例としては、(i)軽くべたつかない、(ii)皮膚の上で滑らかな絹のような感触を持つ、(iii)容易に広がる、及び/又は(iv)素早く吸収する、高級クリーム及びローションのような組成物が挙げられる。良好な審美性のその他の例としては、消費者が許容可能な外観(即ち、不快な臭い又は変色が存在しない)を有し、良好な肌触りを提供する組成物が挙げられる。本明細書の組成物は、多種多様な任意成分を包含してもよい。
【0037】
本発明の必須及び任意の構成成分を含む組成物を、以下で詳細に記載する。
【0038】
I.物質
A.アグマチン
本発明の局所用組成物は、安全且つ有効な量のアグマチンを含む。
【0039】
本明細書で有用なアグマチンは、次の一般構造によって表すことができる:
【0040】
【化1】

1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9=アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、複素環式芳香族、カルボキサミド、スルホンアミド、カルボキシル、カルボキシレート、カルバメート、尿素、サルフェート、ホスフェート、シリル、アシル、アミノ酸、ポリペプチド、イミノ、水素、ニトロ、窒素、酸素、イオウ、リン、不存在。
【0041】
A、D=炭素、窒素、芳香族、複素環式芳香族、水素、不存在。
【0042】
B、C=窒素、酸素、イオウ、リン、水素、不存在。
【0043】
n=0〜20。
【0044】
本発明の組成物において、アグマチンは好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約2.5重量%含まれる。
【0045】
B.スキンケア活性物質
本発明の局所用組成物は、BHT又はBHA、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、緑茶カテキン、フィトステロール、ウルソール酸、並びにそれらの塩及び誘導体から成る群から選択される第一の追加のスキンケア活性物質を含む。
【0046】
本発明の局所用組成物は、BHT又はBHA、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、緑茶カテキン、フィトステロール、ウルソール酸、並びにそれらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される第二の追加のスキンケア活性物質も含み、その際第二の追加のスキンケア活性物質は第一のスキンケア活性物質と異なる。
【0047】
1.ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)
本発明の局所用組成物は、安全且つ有効な量のBHT又はBHAを含む。本明細書で有用なBHTは、次の一般構造によって表すことができる:
【0048】
【化2】

X=OH、SH
Y=H、OH、OR5、COOR5、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、複素環式芳香族、カルボキサミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素、トリアルキルシリル
1、R2、R3、R4=アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、複素環式芳香族、OR5、カルボキサミド、スルホンアミド、ホルミル、アシル、カルボキシル、カルボキシレート、カルバメート、尿素、トリアルキルシリル、ヒドロキシル、水素
5=アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、複素環式芳香族、トリアルキルシリル、アシル、水素。
【0049】
本発明の組成物において、BHT又はBHAは、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%含まれる。
【0050】
2.ヘキサミジン
本発明の局所用組成物は、安全且つ有効な量のヘキサミジン、その塩、及び誘導体を含む。より好ましくは、ヘキサミジンは、ヘキサミジンイセチオネートである。本明細書で使用する時、「ヘキサミジン」は、そのいかなる異性体及び互変異性体も含み、エラスタブ(Elastab)(登録商標)HP100の商品名のヘキサミジンイセチオネートとしてラボラトリーズ・セロバイオロジクス(Laboratoires Serobiologiques)(フランス、プルノイ(Pulnoy))より市販されている。
【0051】
本発明の組成物において、ヘキサミジンは、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約2.0重量%含まれる。
【0052】
3.塩化セチルピリジニウム
本発明の局所用組成物は、安全且つ有効な量の塩化セチルピリジニウムを含む。
【0053】
塩化セチルピリジニウムの別の形態としては、四級窒素上の置換基のうちの1つ又は2つが炭素原子約8〜約20個、典型的には約10〜約18個の炭素鎖長(典型的にはアルキル基)を有する一方、残りの置換基(典型的にはアルキル基又はベンジル基)は、炭素原子約1〜約7個のような、より少ない炭素原子数、典型的にはメチル基又はエチル基を有するものが挙げられる。臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム、臭化ドデシルジメチル(2−フェノキシエチル)アンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、四級化5−アミノ−1,3−ビス(2−エチル−ヘキシル)−5−メチル−ヘキサヒドロピリミジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム及び塩化メチルベンゼトニウムは、典型的な四級アンモニウム剤の代表例である。その他の化合物は、米国特許第4,206,215号(ベイリー(Bailey)、1980年6月3日発行)に開示されているビス4−(R−アミノ)−1−ピリジニウム(bis?4-(R-amino)-1-pyridinium!)アルカンであり、これを参考として本明細書に組み込む。ピリジニウム化合物は、本発明で使用するのに好ましい四級アンモニウム化合物であり、最も好ましいのは塩化セチルピリジニウムである。
【0054】
本発明の組成物において、塩化セチルピリジニウムは、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約2重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約1.0重量%含まれる。
【0055】
4.緑茶カテキン
本発明の局所用組成物は、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ガロカテキン、及びこれらの混合物から成る群から選択される、1つ以上の安全且つ有効な量のカテキン化合物を含む。より好ましくは、カテキンはカフェインを含まず、緑茶植物源から抽出され濃厚にされている。最も好ましくは、カテキンはエピガロカテキンガレートである。
【0056】
本発明の組成物において、カテキン混合物は好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.1重量%〜約2.5重量%含まれる。
【0057】
5.フィトステロール
本発明の局所用組成物は、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、Δ5−アベナステロール、ルペノール、α−スピナステロール、スチグマステロール、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、1つ以上の安全且つ有効な量のフィトステロールを含む。より好ましくは、フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、スチグマステロール、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。更により好ましくは、フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、スチグマステロール、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。最も好ましくは、フィトステロールはスチグマステロールである。
【0058】
本発明のフィトステロールは、起源が合成又は天然であることができ、本質的に純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源の抽出物)として用いることができる。フィトステロールは、通常植物油及び植物性脂肪の不けん化部に見出され、遊離ステロール、アセチル化誘導体、ステロールエステル、エトキシ化又はグリコシド誘導体として入手可能である。より好ましくは、フィトステロールは遊離ステロールである。本明細書で使用する時、「フィトステロール」には、その異性体、互変異性体、及び誘導体(例えば、エステル)が含まれ、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich
Chemical Company)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス)、コグニス(Cognis)、及びカールスハムンス(Karlshamns)(スウェーデン、カールスハムンス)より市販されている。
【0059】
本発明の組成物中に、フィトステロールは、好ましくは組成物の約0.01重量%〜約99.99重量%、より好ましくは、約0.01重量%〜約50重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約20重量%、より一層好ましくは、約0.2重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約10重量%含まれる。
【0060】
6.ウルソール酸
本発明の局所用組成物は、安全且つ有効な量のウルソール酸を含む。本発明の組成物において、ウルソール酸は、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約5重量%含まれる。
【0061】
7.植物抽出物由来の化合物
本発明の局所用組成物は、マメ科、ナス科、イネ科、ウリ科から成る群から選択される植物抽出物由来の安全且つ有効な量の化合物を含む。好ましくは、植物抽出物由来の化合物は、タンパク質分解酵素抑制剤及び1又はそれ以上のイソフラボンである。本発明の組成物において、植物抽出物由来の化合物は、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約5重量%含まれる。
【0062】
C.皮膚科学的に許容可能なキャリア
本発明の局所用組成物はまた、カテキン組成物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアも含む。本明細書で使用する時、「皮膚科学的に許容可能なキャリア」という語句は、キャリアがケラチン組織への局所適用に好適であり、良好な審美特性を有し、本発明の活性物質及びその他の構成成分と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる問題も起こさないことを意味する。安全且つ有効な量のキャリアは、組成物の約50%〜約99.99%、好ましくは約60%〜約99.9%、より好ましくは約70〜約98%、最も好ましくは約80〜約95%である。
【0063】
キャリアは、多種多様な形態をとることができる。例えば、本明細書においては水中油型、油中水型、水中油中水型及びシリコーン中水中油型エマルションなどのエマルションキャリアが有用であるが、これらに限定されない。
好ましいキャリアは、水中油型エマルション及び油中水型エマルションのようなエマルション、例えば、水中シリコーン型又はシリコーン中水型エマルションを含む。当業者には理解されるように、特定の構成成分は、組成物における構成成分の水への溶解度/非必須性に応じて、主として水相又は油相のいずれかに分散する。カテキン化合物は主に油相に分配する。水中油型エマルションが特に好ましい。
【0064】
本発明に基づいたエマルションは一般に、前述の溶液及び脂質又は油を含有する。脂質及び油は、動物、植物、又は石油に由来してもよく、天然又は合成(人工的)でもよい。好ましいエマルションはグリセリンのような湿潤剤も含有する。エマルションは好ましくは、組成物の重量に基づいて約1重量%〜約10重量%、より好ましくは約2重量%〜約5重量%の乳化剤を更に含有する。乳化剤は、非イオン性、陰イオン性又は陽イオン性であってよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)ら、1973年8月28日発行);米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)ら、1983年12月20日発行);及びマカッチャンの洗剤と乳化剤(McCutcheon's
Detergents and Emulsifiers)、北米版、317〜324頁(1986年)に開示されている。
【0065】
エマルションは、ケラチン組織へ適用する際に泡の発生を最小にするために消泡剤を更に含有してもよい。消泡剤としては、高分子量のシリコーン、及びそのような利用に対して周知のその他の物質が挙げられる。
好適なエマルションは、所望の製品形態によって、幅広い粘度を有してよい。低粘度エマルションの代表例で好ましいものの粘度は、約50mm2/s(約50センチストーク)以下、より好ましくは約10mm2/s(約10センチストーク)以下、最も好ましくは約5mm2/s(約5センチストーク)以下である。
好ましいシリコーン中水型エマルション及び水中油型エマルションを以下に詳しく説明する。
【0066】
1)シリコーン中水型エマルション
シリコーン中水型エマルションは、連続的なシリコーン相と分散した水相を含有する。
【0067】
(a)連続的なシリコーン相
本発明の好ましいシリコーン中水型エマルションは、約1重量%〜約60重量%、好ましくは約5重量%〜約40重量%、より好ましくは約10重量%〜約20重量%の連続的なシリコーン相を含む。連続的なシリコーン相は、以下に説明するような不連続な水相を含有するか、又は取り囲む外部相として存在する。
【0068】
連続的なシリコーン相はポリオルガノシロキサンオイルを含有する。好ましいシリコーン中水型エマルション系は、任意のレチノイドに対する酸化的に安定な溶媒を提供するように配合される。これらの好ましいエマルションの連続的なシリコーン相は、約50重量%〜約99.9重量%のオルガノポリシロキサンオイル及び約50重量%未満の非シリコーンオイルを含む。好ましい実施形態においては、連続的なシリコーン相は、少なくとも連続的なシリコーン相の約50重量%、好ましくは約60重量%〜約99.9重量%、より好ましくは約70重量%〜約99.9重量%、更により好ましくは約80重量%〜約99.9重量%のポリオルガノシロキサンオイル、及び連続的なシリコーン相の約50重量%まで、好ましくは約40重量%未満、より好ましくは約30重量%未満、更により好ましくは約10重量%未満、最も好ましくは約2重量%未満の非シリコーンオイルを含む。これらの好ましいエマルション系は、より低濃度のポリオルガノシロキサンオイルを含有する、相当する油中水型エマルションよりも、長期間にわたってレチノイドに更なる酸化安定性を与える。連続的なシリコーン相における非シリコーンオイルの濃度は、組成物中で選択されたレチノイドの酸化的安定性を更に高めるために、最小限に抑えられるか完全に無効にされる。この種類のシリコーン中水型エマルションは、同時係属の米国特許出願第08/570,275号(ジョセフ・マイケル・ズコフスキー(Joseph
Michael Zukowski)、ブレント・ウィリアム・メーソン(Brent William Mason)、ラリー・リチャード・ロビンソン(Larry
Richard Robinson)、及びグレッグ・ジョージ・ヒルブランド(Greg George Hillebrand)の名前で、1995年12月11日出願)に記載されている。
【0069】
組成物に使用するオルガノポリシロキサンオイルは揮発性、非揮発性、又は揮発性及び非揮発性シリコーンの混合物であってもよい。この文脈で用いられる「非揮発性」という用語は、周囲条件で液状であり、引火点が約100℃以上(1気圧下で)であるシリコーンのことをいう。この文脈中で使用されている「揮発性」という用語は、他の全てのシリコーンオイルのことをいう。好適なオルガノポリシロキサンは、幅広い揮発性及び粘度に及ぶ多種多様なシリコーンから選択することができる。好適なオルガノポリシロキサンオイルの例には、ポリアルキルシロキサン、環式ポリアルキルシロキサン、及びポリアルキルアリールシロキサンが挙げられる。
【0070】
本明細書の組成物に有用なポリアルキルシロキサンには、25℃で粘度が約0.5〜1,000,000mm2/s(約0.5〜約1,000,000センチストーク)のポリアルキルシロキサンが挙げられる。このようなポリアルキルシロキサンは、一般化学式、R3SiO[R2SiO]xSiR3で表すことができ、式中、Rは1〜約30個の炭素原子を有するアルキル基であり(好ましくは、Rがメチル又はエチル、より好ましくはメチルであり、混合アルキル基も同じ分子中で使用することができる)、xは約10,000,000を超える範囲を取り得る所望の分子量を達成するために選択される0〜約10,000の整数である。市販のポリアルキルシロキサンには、ジメチコンとしても既知のポリジメチルシロキサンが挙げられ、その例としては、ゼネラル・エレクトリック社(General
Electric Company)より販売されるビカシル(Vicasil)(登録商標)シリーズ、及びダウ・コーニング社(Dow
Corning Corporation)より販売されるダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)200シリーズが挙げられる。好適なポリジメチルシロキサンの具体例としては、粘度が0.65mm2/s(0.65センチストーク)、沸点が100℃のダウ・コーニング(Dow
Corning)(登録商標)200流体、粘度が10mm2/s(10センチストーク)、沸点が200℃より高いダウ・コーニング(Dow
Corning)(登録商標)225流体、及び粘度がそれぞれ50、350、12,500mm2/s(50、350、12,500センチストーク)、沸点が200℃より高いダウ・コーニング(Dow
Corning)(登録商標)200流体が挙げられる。適切なジメチコンには、化学式が、(CH33SiO[(CH32SiO]x[CH3RSiO]ySi(CH33で表されるものが挙げられ、式中、Rは2〜約30個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキルであり、x及びyは、約10,000,000を超える範囲を取り得る所望の分子量を達成するために選択される、それぞれ1又はそれより大きい整数である。これらのアルキル置換ジメチコンの例には、セチルジメチコン及びラウリルジメチコンが挙げられる。
【0071】
組成物中での使用に適切な環状ポリアルキルシロキサンには、化学式、[SiR2−O]nで表されるものが挙げられ、式中、Rはアルキル基(好ましくはRがメチル又はエチル、より好ましくはメチル)であり、nは約3〜約8の整数であり、より好ましくはnは約3〜約7の整数であり、最も好ましくはnは約4〜約6の整数である。Rがメチルの時には、これらの物質は、通常シクロメチコンと呼ばれる。市販のシクロメチコンには、粘度が2.5mm2/s(2.5センチストーク)、沸点が172℃で、主としてシクロメチコンテトラマー(即ち、n=4)を含有するダウ・コーニング(Dow
Corning)(登録商標)244流体、粘度が2.5mm2/s(2.5センチストーク)、沸点が178℃で、主としてシクロメチコンペンタマー(即ち、n=5)を含有するダウ・コーニング(登録商標)344流体、粘度が4.2mm2/s(4.2センチストーク)、沸点が205℃で、主としてシクロメチコンテトラマー及びペンタマー(即ち、n=4及び5)の混合物を含有するダウ・コーニング(登録商標)245流体、並びに粘度が4.5mm2/s(4.5センチストーク)、沸点が217℃で、主としてシクロメチコンテトラマー、ペンタマー、及びヘキサマー(即ち、n=4、5、及び6)の混合物を含有するダウ・コーニング(登録商標)345流体が挙げられる。
【0072】
一般化学式、[(CH23SiO1/2x[SiO2]yに相当するポリマー物質であるトリメチルシロキシシリケートのような物質も有用であり、式中、xは約1〜約500の整数であり、yは約1〜約500の整数である。市販のトリメチルシロキシシリケートは、ダウ・コーニング(Dow
Corning)(登録商標)593流体として、ジメチコンとの混合物として販売されている。
【0073】
ジメチコノールもまた組成物への使用に適している。これらの化合物は、化学式、R3SiO[R2SiO]xSiR2OH及びHOR2SiO[R2SiO]xSiR2OHで表すことができ、式中、Rはアルキル基(好ましくはRがメチル又はエチル、より好ましくはメチル)であり、xは望ましい分子量を達成するように選択される0〜約500の整数である。市販のジメチコノールは、通常は、ジメチコン又はシクロメチコンとの混合物(例えば、ダウ・コーニング(Dow
Corning)(登録商標)1401、1402、及び1403流体)として販売されている。
【0074】
ポリアルキルアリールシロキサンも組成物で使用するのに適している。25℃で粘度が約15〜約65mm2/s(約15〜約65センチストーク)のポリメチルフェニルシロキサンが、特に有用である。
【0075】
本明細書での利用で好ましいものは、ポリアルキルシロキサン、アルキル置換ジメチコン、シクロメチコン、トリメチルシロキシシリケート、ジメチコノール、ポリアルキルアリールシロキサン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるオルガノポリシロキサンである。本明細書で用いるのにより好ましいのは、ポリアルキルシロキサン及びシクロメチコンである。ポリアルキルシロキサンの中で好ましいのは、ジメチコンである。
【0076】
前述したように、連続的なシリコーン相は1つ以上の非シリコーンオイルを含有してもよい。連続的なシリコーン相中の非シリコーンオイルの濃度は、組成物中のレチノイドの酸化安定性を更に強化するために、好ましくは最小に抑えられるか完全に無効にされる。好適な非シリコーンオイルは、融点が約1気圧で約25℃以下である。連続的なシリコーン相での使用に好適な非シリコーンオイルの例には、油中水型エマルションの形態の局所用身体ケア製品において、化学分野では周知のもの、例えば、鉱油、植物油、合成油、半合成油などが挙げられる。
【0077】
(b)分散した水相
本発明の局所用組成物は、約30%〜約90%、より好ましくは約50%〜約85%、最も好ましくは約70%〜約80%の分散した水相を含む。エマルション技術では、「分散した相」という用語は、当業者には周知であり、相が、連続的な相の中に懸濁した又は連続的な相に囲まれた小粒子又は液滴として存在することを意味する。分散した相は、内部相又は不連続相としても既知である。分散した水相は、前述の連続的なシリコーン相に懸濁し取り囲まれた小さな水性粒子又は液滴の分散である。
【0078】
水相は水、又は水と1つ以上の水溶性若しくは水に分散性の成分との組み合わせであり得る。そのような任意成分の非限定的な例には、濃厚剤、酸、塩基、塩、キレート化剤、ゴム、水溶性又は水分散性アルコール及びポリオール、緩衝液、防腐剤、日焼け止め剤、着色剤などが挙げられる。
【0079】
本発明の局所用組成物は、典型的には組成物の約25重量%〜約90重量%、好ましくは約40重量%〜約80重量%、より好ましくは約60重量%〜約80重量%の分散した水相における水を含む。
【0080】
(c)水相分散用の乳化剤
本発明のシリコーン中水エマルションは、好ましくは乳化剤を含む。好ましい実施形態において、組成物は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤、より好ましくは約0.5重量%〜約7.5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約5重量%の乳化剤を含有する。乳化剤は、連続的なシリコーン相に水相を分散し、懸濁するのを助ける。
【0081】
好ましいシリコーン中水型エマルションを形成するために、本明細書では多種多様な乳化剤を使用できる。選択された乳化剤が、化学的及び物理的に組成物の必須成分に適合し、望ましい分散特性を提供するという条件で、既知の又は従来の乳化剤を組成物に使用することができる。好適な乳化剤には、局所用身体ケア製品での使用に当業者に既知の、シリコーン乳化剤、非シリコーン含有乳化剤、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくはこれらの乳化剤のHLB値は、約14未満、より好ましくは約2〜約14、最も好ましくは約4〜約14である。これらの範囲外のHLB値を有する乳化剤は、これらの範囲内に収まる組み合わせのための有効な加重平均HLBを得るように、その他の乳化剤と組み合わせて使用し得る。
【0082】
シリコーン乳化剤が好ましい。多種多様なシリコーン乳化剤が、本明細書で有用である。これらのシリコーン乳化剤は、典型的には、有機的に修飾されたオルガノポリシロキサンであり、当業者にはシリコーン界面活性剤としても既知である。有用なシリコーン乳化剤には、ジメチコンコポリオールが挙げられる。これらの物質は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの分子鎖の混合物、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの両方から誘導される部分を含有するポリエーテル鎖のようなポリエーテル側鎖を含むように修飾されたポリジメチルシロキサンである。その他の例には、アルキル変性ジメチコンコポリオール、即ち、C2〜C30ペンダント側鎖を含有する化合物が挙げられる。更に他の有用なジメチコンコポリオールとしては、様々な陽イオン性、陰イオン性、両性、及び双極性イオン性のペンダント部分を有する物質が挙げられる。
【0083】
本明細書において有用なジメチコンコポリオール乳化剤は、次の一般構造で記載することができる:
【0084】
【化3】

式中、RはC1〜C30の直鎖、分枝鎖、又は環式アルキルであり、R2は以下から成る群から選択される:
−(CH2n−O−(CH2CHR3O)m−H
及び
−(CH2n−O−(CH2CHR3O)m−(CH2CHR4O)o−H
式中、nは3〜約10の整数であり;R3及びR4は、これらが同時に同一のものとならないようにH及びC1〜C6の直鎖又は分枝鎖アルキルから成る群より選択され;m、o、x、及びyは、分子の全分子量が約200〜約10,000,000になるように選択され、m、o、x、及びyは、m及びoの両方が同時にゼロにならないように、独立してゼロ以上の整数から選択され、zは独立して1以上の整数から選択される。これらのコポリオールの位置異性体が生成し得ることができることが認識される。R3及びR4基を含有するR2部分について前述した化学的表現は、限定的ではなく、便宜上示したものである。
【0085】
厳密にはジメチコンコポリオールとしては分類されないが、前段落の構造式で表されるシリコーン界面活性剤も本明細書で有用であり、式中、R2は:
−(CH2n−O−R5
であり、式中、R5は、陽イオン性、陰イオン性、両性、又は双極性イオン性部分である。
【0086】
本明細書で有用なジメチコンコポリオール乳化剤は、例えば、米国特許第4,960,764号(フィゲロア・ジュニア(Figueroa,Jr.)ら、1990年10月2日発行);欧州特許第330,369号(サノグエイラ(SanoGueira)、1989年8月30日公開);G.H.ダームス(G.H.Dahms)ら、シリコーンコポリオールにより提供される新しい処方の可能性(New
Formulation Possibilities Offered by Silicone Copolyols)、化粧品及び洗面用化粧品(Cosmetics
& Toiletries)、110巻、91〜100頁、1995年3月;M.E.カルロッティ(M.E.Carlotti)ら、W/O−Sエマルションの最適化及びエステル構造とエマルション特性の定量的関係の研究(Optimization
of W/O-S Emulsions And Study Of The Quantitative Relationships Between Ester
Structure And Emulsion Properties)、分散科学と技術誌(J.Dispersion
Science And Technology)、13巻(3)、315〜336頁(1992年);P.ハメイヤー(P.Hameyer)、化粧品の油中水型エマルション調製における有機及びオルガノシリコーン乳化剤の比較技術研究(Comparative
Technological Investigations of Organic and Organosilicone
Emulsifiers in Cosmetic Preparations)、HAPPI28巻(4)、88〜128頁(1991年);J.スミッド−コーバー(J.Smid-Korbar)ら、エマルションにおけるシリコーン界面活性剤の効率と有用性(Efficiency and
usability of silicone surfactants in emulsions)、プロビジョナル・コミュニケーション、インターナショナル・ジャーナル・オブ・コスメティック・サイエンス(Provisional
Communication,International Journal of Cosmetic
Science)、12巻、135〜139頁(1990年);並びにD.G.クリシク(D.G.Krzysik)ら、油中水型系のための新しいシリコーン乳化剤(A
New Silicone Emulsifier For Water-in-Oil Systems)、医薬品化粧品産業(Drug and Cosmetic
Industry)、146巻(4)、28〜81頁(1990年4月)に記載されている。
【0087】
本発明に有用な非シリコーン含有乳化剤の中には、糖エステル及びポリエステル、アルコキシル化糖エステル及びポリエステル、C1〜C30脂肪族アルコールのC1〜C30脂肪酸エステル、C1〜C30脂肪族アルコールのC1〜C30脂肪酸エステルのアルコキシル化誘導体、C1〜C30脂肪族アルコールのアルコキシル化エーテル、C1〜C30脂肪酸のポリグリセリルエステル、ポリオールのC1〜C30エステル、ポリオールのC1〜C30エーテル、アルキルホスフェート、ポリオキシアルキレン脂肪エーテルホスフェート、脂肪酸アミド、アシルラクチレート、石鹸、並びにこれらの混合物のような様々な非イオン性及び陰イオン性乳化剤がある。その他の好適な乳化剤は、例えばマカッチャンの洗剤と乳化剤(McCutcheon's
Detergents and Emulsifiers)、北米版(1986年)、アルレッド・パブリッシング社(Allured Publishing
Corporation)出版;米国特許第5,011,681号(チオッティ(Ciotti)ら、1991年4月30日発行);米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)ら、1983年12月20日発行);及び米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)ら、1973年8月28日発行)に記載されている。
【0088】
2)水中油型エマルション
その他の好ましい局所用キャリアには、連続的な水相及びそこに分散している疎水性の非水溶性相(「油相」)を有する水中油型エマルションが挙げられる。水中油型エマルションを含む好適なキャリアの例は、米国特許第5,073,371号(D.J.ターナー(Turner,D.J.)ら、1991年12月17日発行)、及び米国特許第5,073,372号(D.J.ターナー(Turner,D.J.)ら、1991年12月17日発行)に記載されている。構造剤、親水性の界面活性剤及び水を含有する、特に好ましい水中油型エマルションについては、以下に詳述する。
【0089】
(a)構造剤
好ましい水中油型エマルションは、液晶ジェルの網目構造の形成を補助するための構造剤を含む。理論によって束縛されるものではないが、構造剤は、組成物の安定性に寄与する組成物にレオロジー的特性を供給する助けをすると考えられている。構造剤はまた乳化剤又は界面活性剤として機能してもよい。好ましい本発明の組成物は、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約5重量%の構造剤を含む。
【0090】
本発明の好ましい構造剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均約1〜約21のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、平均約1〜約5のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択される。本発明のより好ましい構造剤は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、平均約2のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−2)、平均約21のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−21)、平均約2のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択される。更により好ましい構造剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアレス−2、ステアレス−21、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0091】
(b)親水性界面活性剤
好ましい水中油型エマルションは、(組成物の)約0.05重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%、より好ましくは約1重量%〜約3重量%の少なくとも1つの親水性界面活性剤を含み、この親水性界面活性剤は疎水性の物質を水相に分散することができる。界面活性剤は少なくとも、水に分散するのに十分なだけ親水性でなければならない。
【0092】
好適な界面活性剤には、多種多様な既知の陽イオン性、陰イオン性、双極性イオン性、及び両性界面活性剤が挙げられる。マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's,
Detergents and Emulsifiers)、北米版(1986年)、アルレッド・パブリッシング社(Allured Publishing
Corporation)により出版;米国特許第5,011,681号;米国特許第4,421,769号;及び米国特許第3,755,560号を参照されたい。これらの参考文献は、その全てを本明細書に参考として組み込む。
【0093】
選択される的確な界面活性剤は、組成物のpH及び存在するその他の構成成分に依存している。
【0094】
好ましいのは、陽イオン性界面活性剤、特にジアルキル四級アンモニウム化合物であり、その例は米国特許第5,151,209号;米国特許第5,151,210号;米国特許第5,120,532号;米国特許第4,387,090号;米国特許第3,155,591号;米国特許第3,929,678号;米国特許第3,959,461号;マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's,Detergents & Emulsifiers)(北米版、1979年)M.C.出版社(M.C.Publishing Co.);及びシュワルツら、界面活性剤、それらの化学と技術(Surface Active
Agents, Their Chemistry and Technology)、ニューヨーク:インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、1949年に記載されており;これらの記載を参考として本明細書に組み込む。
【0095】
多種多様な陰イオン性界面活性剤も、本明細書に有用である。例えば、ラフリン(Laughlin)らの米国特許第3,929,678号(1975年12月30日発行)を参照されたい。これは参考としてその全てを本明細書に組み込む。陰イオン性界面活性剤の非限定的な例には、アルコイルイセチオネート、並びにアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。アルコイルイセチオネートは、典型的には式、RCO−OCH2CH2SO3Mを有し、式中、Rは約10〜約30個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンのような水溶性陽イオンである。これらのイセチオネートの非限定的な例には、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される、アルコイルイセチオネートが挙げられる。
【0096】
アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートは、典型的にはそれぞれ式、ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは約10〜約30個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは約1〜約10であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンのような水溶性陽イオンである。別の好適な陰イオン性界面活性剤の部類は、以下の一般式の有機硫酸反応生成物の水溶性塩である:
1−SO3−M
式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約16個の炭素原子を持つ直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され、Mは陽イオンである。更にその他の陰イオン性合成界面活性剤には、スクシナメート、約12〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネート、及びβ−アルキルオキシアルカンスルホネートとして示される部類が挙げられる。このような物質の例は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウムである。
【0097】
本発明において有用なその他の陰イオン性物質は、脂肪酸の石鹸(即ち、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)であり、典型的には約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する。石鹸を作製する際に使用される脂肪酸は、例えば、植物由来又は動物由来のグリセリド(例えば、パーム油、ココヤシ油、大豆油、ヒマシ油、タロー、ラードなど)のような天然源から得ることができる。脂肪酸は、また、合成的に調製することもできる。石鹸については、米国特許第4,557,853号に更に詳細に記載されている。
【0098】
両性及び双極性界面活性剤も、本発明で有用である。本発明の組成物で使用できる両性及び双極性界面活性剤の例は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つが約8〜約22個の炭素原子を含有し(好ましくはC8〜C18)、1つが陰イオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体と広く記載されるものである。例としては、式、RN[CH2mCO2M]2及びRNH(CH2mCO2Mのアルキルイミノアセテート、並びにイミノジアルカノエート及びアミノアルカノエートがあり、式中、mは1〜4であり、RはC8〜C22のアルキル又はアルケニルであり、MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属アンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。更に、イミダゾリニウム及びアンモニウム誘導体も挙げられる。有用な両性のその他の例には、コアミドプロピル塩化PG−ジモニウムリン酸(モナ社(Mona
Corp)からモナクアット(Monaquat)PTCとして市販されている)のようなリン酸塩が挙げられる。
【0099】
同じく本明細書で両性及び双極性界面活性剤として有用なものは、ベタイン、スルタイン及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン(ローヌ−プーラン(Rhone-Poulenc)からミラテイン(Mirataine)CBSとして入手可能)のようなヒドロキシスルタイン、並びに式、RCON(CH3)CH2CH2CO2Mに相当するアルカノイルサルコシネートであって、式中、Rは約10〜約20個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)のような水溶性陽イオンであり、その中で好ましい例は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである。
【0100】
(c)水
好ましい水中油型エマルションは、局所用キャリアの約25重量%〜約98重量%、好ましくは約65重量%〜約95重量%、より好ましくは約70重量%〜約90重量%の水を含む。
疎水性相は連続的な水相に分散している。疎水性相は、水中シリコーン型エマルションに関連して本明細書に記載されるシリコーン、並びにエマルションに関連して前述したようなその他のオイル及び脂質が挙げられるが、これらに限定されない、当該分野で既知の非水溶性又は部分的に水溶性の物質を含有してもよい。
【0101】
(d)組成物の形態
ローションやクリームが挙げられるがこれらに限定されない本発明の局所用組成物は、皮膚科学的に許容可能な皮膚軟化剤を含んでもよい。このような組成物は、好ましくは約2%〜約50%の皮膚軟化剤を含有する。本明細書で使用する時、「皮膚軟化剤」とは、乾燥の予防又は緩和並びに皮膚の保護に有用な物質のことをいう。多種多様の好適な皮膚軟化剤が既知であり、本明細書で使用してもよい。本明細書に参考として組み込まれるサガリン(Sagarin)、化粧品、科学と技術(Cosmetics, Science and Technology)、第2版、第1巻、32〜43頁(1972年)は、皮膚軟化剤として好適な物質の多数の例を含む。好ましい皮膚軟化剤は、グリセリンである。グリセリンは、好ましくは約0.001%〜約20%、より好ましくは約0.01%〜約10%、最も好ましくは約0.1%〜約7%、例えば5%の量で用いられる。
【0102】
本発明によるローション及びクリームは一般に、溶液キャリア系及び1つ以上の皮膚軟化剤を含む。ローションは典型的には、約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約10%の皮膚軟化剤;約50%〜約90%、好ましくは約60%〜約80%の水;及び上記の量のカテキンを含む。クリームは典型的には、約5%〜約50%、好ましくは約10%〜約20%の皮膚軟化剤;約45%〜約85%、好ましくは約50%〜約75%の水;及び上記の量のカテキンを含む。
【0103】
本発明の軟膏は、動物油若しくは植物油若しくは半固形炭化水素(油性)の単純なキャリアベース;エマルションを形成するために水を吸収するような吸収性軟膏ベース;又は水溶性キャリア、例えば、水溶性溶液キャリアを含んでもよい。軟膏は、参考として本明細書に組み込まれるサガリン(Sagarin)、化粧品、科学と技術(Cosmetics、Science and Technology)、第2版、第1巻、72〜73頁(1972年)に記載されるような増粘剤、及び/又は皮膚軟化剤を更に含んでもよい。
【0104】
洗浄(「洗剤」)に有用な本発明の組成物は、例えば、上記のように、好適なキャリアと共に配合され、好ましくは、上記の量のカテキンに加えて、約1%〜約90%の皮膚科学的に許容可能な界面活性剤を含有する。
【0105】
洗浄組成物の物理的形態はさほど重要ではない。組成物は、例えば、化粧石鹸、リキッド、シャンプー、浴用ジェル、ヘアコンディショナー、ヘアトニック、ペースト、又はムースとして配合することができる。化粧石鹸は、最も一般的に皮膚の洗浄に使われる洗浄剤の形態なので、最も好ましい。シャンプーのようなリンスオフ洗浄組成物は、皮膚及び頭皮に活性物質を十分な濃度で付着させるために適したデリバリーシステムが必要である。好ましいデリバリーシステムは不溶性錯体の利用を伴う。かかるデリバリーシステムの更に完全な開示については、米国特許第4,835,148号(バーフォード(Barford)ら、1989年5月30日発行)を参照のこと。
【0106】
本発明の組成物は、化粧品の形態であってもよい。好適な化粧品の形態には、ファンデーション、口紅、ルージュ、マスカラなどが挙げられるが、これらに限定されない。そのような化粧用製品は、オイル、着色剤、色素、皮膚軟化剤、芳香剤、ワックス、安定剤などのような従来の成分を含んでもよい。本明細書に用いるのに好適な、代表的なキャリア及びこうしたその他の成分は、例えば、同時係属の特許出願番号第08/430,961号(マーシャ・L・カンター(Marcia
L.Canter)、ブレイン・D・バーフォード(Brain D.Barford)、及びブライアン・D・ホフリヒター(Brian
D.Hofrichter)の名前で1995年4月28日出願)に記載されている。
【0107】
D.任意成分
本発明の組成物は、所与の製品の種類に従来用いられる他の様々な成分を、それらが本発明の利益を容認し難いほど変更しないという条件で含有してもよい。
組成物中に組み込まれる場合、任意成分は、正しい判断の範囲内で、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトのケラチン組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA
Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版(1992年)には、スキンケアに関連する業界で一般に使用される様々な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。
【0108】
しかしながら、本発明のいかなる実施形態においても、本明細書で有用な活性物質は、それらが提供する利益又は前提とされるそれらの作用様式によって分類することができる。しかしながら、本明細書で有用な活性物質は、場合によっては1を超える利益をもたらすか、又は1を超える作用様式を介して機能することが理解される必要がある。それゆえ、本明細書での分類は、便宜上のことであって、特定の適用又は列記する適用に対する活性を限定しようとするものではない。
【0109】
1.)発毛抑制化合物
本発明の組成物は、その他の発毛抑制化合物も含んでよい。これらの化合物は当該技術分野で発毛を抑制するものとして既知であり、以下から成る:1,10−フェナントロリン;5’−p−フルオロスルホニルベンゾイルアデノシン;5−ケト−D−フルクトース;5−ケト−D−フルクトース−1,6−ビスホスフェート;6−アミノ−6−デオキシ−グルコース;アガリン酸(agaric acid);Br−cAMP;システインスルフィン酸;D−マンノサミン;ジエチルアミノマロネート;ドキシサイクリン;エタクリン酸;エトキシキン;ユーパクニン(eupacunin);ユーパロチンアセテート(euparotin
acetate);フルバスタチン;グアニジノコハク酸;システイン経路酵素の阻害物質;メタサイクリン;メバスタチン;メビノリン;ミノサイクリン;N−α−(p−トシル)−L−リシンクロロメチルケトン;N−アセチル−β−D−マンノサミン;オキサロ酢酸;ホスホグリセレート;プラバスタチン;プロトカテチューアルデヒド(protocatechuic aldehyde);キナルジン酸;リバスタチン;シムバスタチン;スクアレスタチン(squalestatin);タキソジオン;タキソドン(taxodone);テトラサイクリン;ベルノレピン(vernolepin);1,10−フェナントロリン;1,8−ジアミノオクタン;2−メチル−6−ヘプチン−2,5−ジアミン;3−カルボキシプロピルジスルフィド;ノコギリパルメット抽出物、ヤナギラン抽出物、カボチャ種子抽出物、5−(N−ベンジルオキシカルボニル)−1−フェニルアラナミドメチル)−3−ブロモ−4,5−ジヒドロイソオキサゾール;5’−デオキシ−5’−(N−メチル−N−(2−アミノオキシ−エチル)−アミノアデノシン(MAOEA);5’-デオキシ−5’−メチル−チオアデノシン;6−ヘプチン−2,4−ジアミン;アクチノニン(actinonin);α−メチル−dl−メチオニン;α−エチル−オルニチン;アピゲニン;アルギナーゼ阻害物質;バチミスタット(batimistat);Br−cAMP;カフェ酸;カプトプリル;クロロタウリン;コレステロール経路酵素阻害物質;シクロオキシゲナーゼ阻害物質;システアミン;システインスルフィン酸;システイニル−グリシン;D−システイン;D−ペニシラミン;ジフルオロメチルオルニチン(DFMO);ジエチルアミノマロネート;ジエチルグリオキサールビス(グアニルヒドラゾン(quanylhydrazone));ジエチルジチオカルバミン酸;ジメチルシステアミン;ドキシサイクリン;エイコサペンタエン酸;エストラムスチン;エタクリン酸;エトポシド;グアニジノコハク酸;H−ホモアルギニン;コレステロール経路酵素の阻害物質;糖タンパク質、プロテオグリカン又はグリコサミノグリカンの生成の阻害物質;ハイプシン生合成経路の阻害物質;L−アラノシン;L−アルギニンアミド;L−アスパラギンアミド;L−システインメチルエステル;リポ酸;ロバスタチン;マリミスタット(marimistat);マトリスタチン(matlystatin)−B;meso−ジメルカプトコハク酸;メタサイクリン;メチルグリオキサールビス(グアニルヒドラゾン);ミノサイクリン;N(G)−メチル−L−アルギニン;N−[N[((R)−1−ホスホノプロピル)−(S)−ロイシル]−(S)−フェニルアラニン−N−メチルアミド;N−アセチルシステイン;N−ホスホンアルキルジペプチド;N−ホスホノアセチル−アスパラギン酸;ナリジクス酸;N−α−アセチル−L−アルギニン;N−α−ベンゾイル−L−アルギニンアミド;N−α−ベンゾイル−L−アルギニン;N−α−ベンゾイル−L−アルギニンメチルエステル;NG−L−アルギニンベンジルエステル;NG−ニトロ−L−アルギニン;NG−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル;ノルジヒドログアイアレチン酸(nordihydroguaianetic acid)(NDGA);クレオソートからの抽出物;オキサロ酢酸;パントテン酸;パントテン酸類似体;ホスホシステアミン;没食子酸プロピル;タンパク質キナーゼC阻害物質;プロトカテチューアルデヒド;プロトカテチューアルデヒド;ケルセチン;S−カルバミル−L−システイン;S−トリチル−L−システイン;サルファサラジン;血管新生の抑制因子;テトラサイクリン;チオサリチル酸;チラミン;2−ジフルオロメチル−2,5−ジアミノペンタン酸;ハービマイシン;HNMPA(AM)3;アルカリホスファターゼの阻害物質;ラベンダスチンA;カフェ酸メチル;タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質;トリホスチン(Tryphostin)A47;O−p−ニトロヒドロキシルアミン、α−フルオロメチルヒスチジン、マイコフェノール酸、ブロモクリプチン、クロモグリセート、キノリン−3−カルボキサミド、16α−又はβ−置換4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;2−アリール−インドール誘導体;2−フェニル−3−アミノアルキル−インドール誘導体;3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスタン誘導体;5α−アンドロスタン−3−オン;5−(アミノカルボニルアルキル)−3−(ヘテロビサイクリル−アルキルアミノアルキル)−2−フェニルインドール誘導体;6−アザインドール誘導体;7−アザインドール誘導体;アリール−イミダゾ−ピリジン;フィナステリド;GnRH阻害物質、アロエ;カルボキシアルキルアミン誘導体;クローブ;エキナセアアングスティフォリア;エキナセアプルプレア;エラスチン(elasatin)分解酵素阻害物質;ショウガからの抽出物;加水分解アーモンド;リソスペルマム;ペプチド;バラ科の抽出物;ワレモコウの抽出物;キンレンカ;シラカバ及びアカネ科植物の抽出物;ジュニパー属の抽出物及び/又は麦芽抽出物;マロンアミド誘導体;エラスターゼ阻害物質;パパイン、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、ブロメライン、フィシン又はパンクレアチン;植物果実酵素の抽出物;プレイオネ種、ウコン(Curcuma
longa L.)又はカキからの化合物;2−インドールカルボン酸誘導体;α−TNF拮抗物質;アミノプロパン;細菌リボソーム;非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS);ジエチレンジアミン;ヒスタミン拮抗物質;インターロイキン−1拮抗物質;リポキシゲナーゼ阻害物質及び刺激物質;フェノチアジン;スルホトランスフェラーゼ阻害物質;テトラゾリル−ベンゾフランカルボキサミド;テトラゾリル−ベンゾチオフェンカルボキサミド;シアノグアニジン誘導体;17α−ヒドロキシ−4,9(11)−プレグナジエン−3,20−ジオン誘導体;抗血管新生ステロイド;ピリミジン−シアノグアニジン誘導体;置換アミジン又はグアニジン;ベンゾチオフェン誘導体;(−)シス 6(S)−フェニル−5(R)−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロナフテレン(tetrahydronaphthelen)−2−オール D−タートレート(I);テトラヒドロナフタレン誘導体;エストロゲン作用物質又は拮抗物質;テトラヒドロイソキノリン;ヘプタペプチド黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体;テトラヒドロイソキノリン誘導体;テトラヒドロイソキノリン誘導体;3−(アニリノメチレン)オキシインドール誘導体;ベンゾ−[f]−キノリン−3−オン誘導体;((S−(−)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミド);24−エチル−(Δ)4,22−コレスタジエン−3−オン;アジサイからの抽出物;ヤマアジサイ;アヤメ科ヒオウギ属;アヤメ科アヤメ属;クワ科カラハナソウ属;CDK結合タンパク質;サイクリン依存性キナーゼ(CDK)結合モチーフを有するキメラポリペプチド;E6AP−結合ポリペプチド;2−メルカプトエタノール;2−メルカプトプロピオン酸;システイン;ジエチルジチオカルバミン酸;ジチオトレイトール;グルタチオン;ホモシステイン;リポ酸;メルカプトプロピオン酸(mecaptopropionic acid);N−アセチル−L−システイン;チオジグリコール;チオジグリコール酸;チオグリセロール;チオグリコール酸;チオ乳酸;チオリンゴ酸;チオプロピオン酸;チオサリチル酸;チオキサンチン;安息香酸ラクトンエーテル;1−ハロメチル−5α−アンドロスタン及びΔ−アンドロステン;ヘッジホッグ拮抗物質;パッチ(patched)拮抗物質;銅;鉄;亜鉛;1デヒドロメレンゲストロールアセテート;1−デヒドロメゲストロールアセテート;酢酸クロルマジノン;酢酸シプロテロン;酢酸メドロキシプロゲステロン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;酢酸ノメゲストロール;非弾性ポリオレフィン樹脂;部分的にフッ素化されたポリオレフィン樹脂;核酸分子;トリプシン類似体類;静菌性又は止血(haemostyptic)剤、特にフッ化第一スズ;α−又はγ−リノレン酸;EGF;リポキシゲナーゼ;レグロプラント(Regulo plant)(アオイ科トロロアオイ属)の抽出物;ウォロプラント(Wolo
plant)(ヤシ科オウギヤシ属)の抽出物;アンドロステンジオン類似体;アクチビンA(ポリペプチド);ヒドリンダン;酪酸誘導体;フィトエストロゲン;テトラヒドロイソキノリン;テトラヒドロナフタレン;3−アミノ−2,3−ジヒドロ安息香酸;6−フルオロ−2,5−ジアミノヘキサン酸;(S)−2−アミノ−4−アミノオキシ−酪酸;ノコギリヤシの果実及びその他の植物部分の抽出物;ニンジン油;丁子油;ジアゾ化合物;精油;蜂蜜;ジュニパーオイル;ラベンダーオイル;レモン果汁;パルマローザオイル;ローズマリーオイル;糖;糖状物質;ニオイヒバ油;トリアリールメタン化合物;過フルオロ−置換アニリン誘導体;17α−プロピルテストステロン;4−アンドロステン−3−オン 17β−カルボン酸;(4R)−5,10−セコ−19−ノルプレグナ 4,5−ジエン−3,10,20−トリオン;酢酸クロルマジノン;酢酸シプロテロン;プロゲステロン;スピロノラクトン;メラトニン;ボーマンバーク(Bowman
Birk)阻害物質(大豆由来);2−置換6−テトラヒドロナフチル又はインダニルナフタレン誘導体;ムカデ属からの水性アルコール抽出物;ヘッジホッグ信号変換経路の拮抗物質;表皮成長因子(EGF);フィナステリド;スピロノラクトン;脂肪酸;2−フェニル−ベンゾチオフェン誘導体;2−アリールイミノ−オキシアザ又はチアザ複素環式化合物;グルタチオン合成刺激物質;インドール誘導体;セイロンニッケイ;ペポカボチャ;エピロビウム・ロゼウム;ヤクヨウサルビア;ノコギリヤシ;カッシア・オブツシフォイラ・リンネ(Cassia
obtusifoila Linne);ポリヌクレオチド;休眠細胞抽出物;N−置換ベンジル−又はチエニルメチル−4−ピリドン化合物;(1H−ベンゾ(c)キノリジン−3−オン誘導体;5−α−レダクターゼ阻害物質;アデニルスクシネートシンセターゼ阻害物質;アスパルテートトランスカルバミラーゼ阻害物質;ガンマグルタミルトランスペプチターゼ阻害物質;オルチニン脱炭酸酵素阻害物質;クエン酸;死海塩;ビサボロール;アリの卵;アンドロゲン受容体遮断剤;プレビタミンD;プロビタミンD;ビタミンD;ビタミンK;ウリ科;イクリニンの抽出物;ホスホジエステラーゼ;フロンドリン(Phlondrin);フロレチン;5α−アンドロステン−3α,17β−ジオール;シプロテロン;セイヨウキヅタ(Hedera helex);シコン;メドロキシプロゲステロン;メスタノロン;ノルエチステロン;オウゴン;トマト;コミフォーラ・ミーラの抽出物;シトロネラ;オオバナサルスベリ;フィランサス・ヌリリ(phyllanthus nuriri);スミラックス・ゼイラニカ;ウッドフォルディア・フルティコサ;キレート剤;クロロフェノール;o−フェニルフェノール;フェノール;ニフトリド(Niphtolide);モモ油;ソルビン酸;ホンオニク;オオバコ;チョロギ;2−アミノ−5−置換ベンゾフェノン;アニリン誘導体;ウインターコスモス浸出液;カンファー油;クエン酸;針葉樹抽出物;ヒナギク浸出液;蜂蜜;シーバックソーン油;タンニン溶液;トウガラシ;トウガラシ抽出物(ナス科族);脂肪酸エステル及びジチオアルカノイル基を有するアミノ酸、ペプチド又はトリスアミンで置換された活性剤を含む接合体;組換えDNAエンコーディングEGF;組換えDNAエンコーディングTGFα;11−β−アリール−17−スピロ−ピロリン−2−イリデンN−オキシドステロイドプロゲスチン及び抗プロゲスチン;フェニルイミダゾリジン;弱酸類のアンモニウム塩;精油;ビタミンF;クマリン誘導体;黄体形成ホルモン放出ホルモン;黄体形成ホルモン放出ホルモン類似体;ヒドロキサム酸誘導体;ボルネオール;シネオール;リナロール;メチルヘプテノン;ショウガの油;ショウガオール;ジンゲロン;ジンギベロール;ジンギベロン;グルタチオンS−トランスフェラーゼ調節因子;アミノ酸(類);リポキシダーゼ;グルタミン代謝の阻害物質;チオモリブデート化合物;無毛タンパク質阻害物質;アロマターゼ阻害物質;トリフルオロアニリド誘導体;EGF;EGF類似体;並びにハトムギの種子の抽出物。
【0110】
2.)脱毛剤
本発明のある実施形態は、任意に脱毛剤を含んでもよい。本明細書で使用する時、「脱毛剤」は、毛髪のケラチンのジスルフィド結合を開裂し、それによって毛髪繊維を崩壊することによって皮膚から毛髪を除去することができる薬剤を意味する。本発明で有用な好ましい脱毛剤としては、チオグリコール酸アンモニウム、硫酸バリウム、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸エタノールアミン、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリコール酸及びチオ酢酸が挙げられる。組成物中に存在する時、該組成物は、組成物の約0.0001重量%〜約99.9重量%、好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%の脱毛剤を含有する。好適な脱毛剤の例は、米国特許第5,897,857号に更に詳細に記載されている。
【0111】
3.)落屑活性物質
安全且つ有効な量、より好ましくは組成物の約0.01重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、また好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の落屑活性物質を本発明の組成物に添加してもよい。落屑活性物質は、本発明の皮膚外観効果を増進させる。例えば、落屑活性物質は皮膚のきめ(例えば、滑らかさ)を改善する傾向がある。本明細書に用いるのに好適な1つの落屑系は、スルフヒドリル化合物及び双極性界面活性剤を含み、PCT国際公開特許WO96/01101(1996年1月18日公開)に相当する米国特許第5,681,852号(ドナルド・L・ビセット(Donald
L.Bissett)の名前で、1997年10月28日発行)に記載されている。本明細書での使用に好適な別の落屑系は、サリチル酸及び双極性界面活性剤を含み、PCT国際公開特許WO95/13048(1995年5月18日公開)に相当し、出願番号08/209,041(ビセット(Bissett)の名前で、1994年3月9日出願、現在は放棄されている)の継続である、米国特許第5,652,228号(1997年7月29日発行)に記載されている。これらの特許出願に記載されているような双極性界面活性剤はまた、本明細書においても落屑剤として有用であり、セチルベタインが特に好ましい。
【0112】
4.)抗ニキビ
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上の抗ニキビ活性物質を含んでもよい。有用な抗ニキビ活性物質の例には、レゾルシノール、イオウ、サリチル酸、エリスロマイシン、亜鉛などが挙げられる。好適な抗ニキビ活性物質のさらなる例は、米国特許第5,607,980号(マカティー(McAtee)ら、1997年3月4日発行)に更に詳細に記載されている。
【0113】
5.)抗しわ活性物質及び抗皮膚萎縮活性物質
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上の抗しわ活性物質又は抗皮膚萎縮活性物質を更に含んでもよい。本発明の組成物に用いるのに好適な代表的な抗しわ/抗皮膚萎縮活性物質には、イオウ含有D及びLアミノ酸並びにこれらの誘導体と塩、特にN−アセチル誘導体が挙げられ、その好ましい例は、N−アセチル−L−システイン;チオール、例えば、エタンチオール;ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸、グリコール酸)、ケト酸(例えば、ピルビン酸)、アスコルビン酸(ビタミンC)、フィチン酸、リポ酸;リソフォスファチド酸、皮膚剥離剤(例えば、フェノールなど)、フラボノイド(例えば、フラバノン、カルコン、イソフラボン、フラボンなど)、スチルベン、シンナメート、レスベラトロール、カイネチン、ゼアチン、ジメチルアミノエタノール、自然源からのペプチド(例えば、大豆ペプチド)、糖酸の塩(例えば、グルコン酸マンガン)、テルペンアルコール(例えば、ファルネソール)、ペプチド、特にケラチン組織の状態、例えば、皮膚の状態を調節する場合に本発明のケラチン組織の外観の利益を強化するビタミンB3化合物及びレチノイド、並びにその他のビタミンB化合物(例えば、チアミン(ビタミンB1)、パントテン酸(ビタミンB5)、カルニチン(ビタミンBt)、リボフラビン(ビタミンB2)、コバラミン(ビタミンB12)、パンガム酸又はジイソプロピルアミンジクロロアセテート(ビタミンB15群)、並びにこれらの誘導体及び塩(例えば、HCl塩又はカルシウム塩))が挙げられる。
【0114】
(a)ビタミンB3化合物
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のビタミンB3化合物を含んでもよい。ビタミンB3化合物は、同時係属米国出願第08/834,010号(1997年4月11日出願)(国際公開WO97/39733A1(1997年10月30日公開)に相当する)に記載されているように、皮膚状態の調節に特に有用である。ビタミンB3化合物が本発明の組成物に存在する時、組成物は、好ましくは組成物の約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更により一層好ましくは約1重量%〜約5重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%のビタミンB3化合物を含む。
【0115】
(b)レチノイド
本発明の組成物はまた、レチノイドを含んでもよい。本発明で使用する時、「レチノイド」には、皮膚内でビタミンAの生物活性を有する、ビタミンA又はレチノール様化合物のすべての天然及び/又は合成類縁体、並びにこれらの化合物の幾何異性体及び立体異性体が含まれる。レチノイドは、好ましくはレチノール、レチノールエステル(例えば、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニルを含むレチノールのC2〜C22アルキルエステル(飽和又は不飽和アルキル鎖))、レチナール、及び/又はレチノイン酸(全トランスレチノイン酸及び/又は13−シス−レチノイン酸を含む)であり、より好ましくはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、複数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma
Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス)及びベーリンガー・マンハイム(Boehringer
Mannheim)(インディアナ州インディアナポリス)より市販されている。好ましいレチノイドは、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、レチナール及びこれらの組み合わせである。
【0116】
(c)酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを含んでもよい。酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、鱗屑の剥がれの増加又は角質層のきめの変化の原因となり得る紫外線から、またその他の皮膚損傷の原因となり得る環境要因にから保護するのに、特に有用である。
【0117】
安全且つ有効な量の酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを本発明の組成物に加えてもよく、その量は好ましくは組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%である。
【0118】
アスコルビン酸(ビタミンC)及びその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム)、トコフェロール(ビタミンE)、ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、トコフェロールのその他のエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸及びその塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス(Trolox)(登録商標)という商品名で市販)、没食子酸及びそのアルキルエステル、特に没食子酸プロピル、尿酸及びその塩並びにアルキルエステル、ソルビン酸及びその塩、リポ酸、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸及びその塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアイアレチン酸、ビオフラボノイド、リシン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウの皮/種子抽出物、メラニン、並びにローズマリー抽出物のような酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを用いてもよい。好ましい酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、ソルビン酸トコフェロール及びトコフェロールのその他のエステルから選択され、より好ましくはソルビン酸トコフェロールである。局所用組成物及び本発明に適用できるものにおけるソルビン酸トコフェロールの使用については、ドナルド・L・ビセット(Donald
L.Bissett)、ロドニー・D・ブッシュ(Rodney D.Bush)及びランジット・シャテジー(Ranjit Chatterjee)に1989年7月11日に発行された米国特許第4,847,071号に記載されている。
【0119】
(d)キレート化剤
本発明の組成物はまた、安全且つ有効な量のキレート化剤又はキレート剤を含んでもよい。本明細書で使用する時、「キレート化剤」又は「キレート剤」とは、金属イオンが容易に化学反応に加わったり、化学反応を触媒したりしないように、錯体を形成することによって系から金属イオンを除くことができる活性物質を意味する。キレート剤を含むことは、過剰な鱗屑の剥がれ又は皮膚のきめの変化の一因となり得る紫外線から、また皮膚損傷の原因となり得るその他の環境要因から保護するために、特に有用である。
【0120】
安全且つ有効な量のキレート化剤を本発明の組成物に加えてもよく、その量は好ましくは組成物の約0.1%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%である。本発明に有用な代表的なキレート化剤の例は、米国特許第5,487,884号(ビセット(Bissett)ら、1996年1月30日発行)、国際公開91/16035(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日公開)、及び国際公開91/16034(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日公開)に開示されている。本発明の組成物に有用な好ましいキレート化剤は、フリルジオキシム及び誘導体である。
【0121】
(e)フラボノイド
本発明の組成物は、任意にフラボノイド化合物を含んでもよい。フラボノイドは、米国特許第5,686,082号及び第5,686,367号に広範に開示されており、これらを共に本明細書に参考として組み込む。
本明細書に記載するフラボノイド化合物は、本発明中では、約0.01%〜約20%、より好ましくは約0.1%〜約10%、最も好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で存在するのが好ましい。
【0122】
(f)抗炎症剤
安全且つ有効な量の抗炎症剤を本発明の組成物に加えてもよく、その量は、好ましくは組成物の約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約5%である。抗炎症剤は、皮膚の外観に関する本発明の効果を高め、例えばそのような薬剤は、更に均一で好ましい皮膚の色調又は色に寄与する。そのような薬剤は効力が様々に異なるために、組成物中で使用される抗炎症剤の正確な量は、利用する特定の抗炎症剤によって決まる。抗炎症剤は、数種類から選択できる。1つは、ステロイド系抗炎症剤で、これには副腎皮質ホルモンが、挙げられるがこれに限定されない。使用に好ましいステロイド系抗炎症剤は、ヒドロコルチゾンである。
【0123】
組成物に有用な第二の部類の抗炎症剤には、非ステロイド系抗炎症剤が挙げられる。このような化合物は、当該技術分野において非ステロイド系抗炎症剤(「NSAIDS」)として知られ、米国特許第5,280,045号、第4,708,966号、第5,189,066号、第5,510,361号、第5,189,066号、第5,476,876号、及び第5,684,204号に製造方法と共に詳細に記載されており、これらすべてを本明細書に参考として組み込む。
これらの非ステロイド系抗炎症剤の混合物と同様に、これらの薬剤の皮膚科学的に許容可能な塩及びエステルもまた使用してよい。
【0124】
最後に、いわゆる「天然の」抗炎症剤が、本発明の方法に有用である。このような薬剤は、好適な物理的及び/又は化学的単離により自然源(例えば、植物、真菌類、微生物の副産物)より抽出物として好適に得られてもよい。例えば、キャンデリラワックス、α−ビサボロール、アロエベラ、マニスタ(Manjistha)(ルビア(Rubia)属の植物、特にルビア・コーディフォリア(Rubia Cordifolia)からの抽出物)、及びグガル(Guggal)(コミフォラ(Commiphora)属の植物、特にコミフォラ・ムクル(Commiphora Mukul)からの抽出物)、コーラノキ抽出物、カモミール、ムラサキツメクサ抽出物、及びムチヤギ抽出物を使用してもよい。
【0125】
本発明において有用な追加の抗炎症剤には、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、及びこれらの誘導体(例えば、塩及びエステル)を含む、アラントイン及びカンゾウ族の化合物(植物属/種名グリチルリチア・グラブラ(Glycyrrhiza glabra))が挙げられる。前述の具体的な例としては、油溶性カンゾウ抽出物、グリチルリチン酸及びグリチルレチン酸そのもの、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸一カリウム、グリチルリチン酸二カリウム、1−β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、及び3−ステアリルオキシグリチルレチン酸、及び3−スクシニルオキシ−β−グリチルレチン酸二ナトリウムが挙げられる。グリチルレチン酸ステアリルが好ましい。
これらの抗炎症剤の活性成分(例えば、ビアボロール、グリチルレチン酸エステル)はまた、自然源の抽出物から得られるか又は合成により調製されてもよい。
【0126】
(g)抗セルライト剤
本発明の組成物はまた、安全且つ有効な量の抗セルライト剤を含んでもよい。好適な薬剤としては、キサンチン化合物(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、及びアミノフィリン)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0127】
(h)局所麻酔剤
本発明の組成物はまた、安全且つ有効な量の局所麻酔剤を含んでもよい。局所麻酔剤の例としては、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、及び製薬上許容できるこれらの塩が挙げられる。
【0128】
(i)日焼け活性物質
本発明の組成物は、日焼け活性物質を含んでもよい。存在する場合、組成物は、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約2重量%〜約7重量%、最も好ましくは約3重量%〜約6重量%のジヒドロキシアセトンを人工の日焼け活性物質として含むのが好ましい。
【0129】
ジヒドロキシアセトンは、酸性pH値においてより安定であることでも既知である。メルクインデックス(The Merck Index)、第10版、3167項目、463頁(1983年)、及び化粧品用のジヒドロキシアセトン(Dihydroxyacetone for Cosmetics)、E・メルク技術会報(E.Merck Technical Bulletin)、03−304 110、319 897、180 588を参照のこと。
【0130】
(j)美白剤
本発明の組成物は美白剤を含んでもよい。使用する時、組成物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%、更に好ましくは約0.5重量%〜約2重量%の美白剤を含む。好適な美白剤としては、コウジ酸、アルブチン、トラネキサム酸、アスコルビン酸及び誘導体、例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、又はリン酸アスコルビルのその他の塩を含む、当該技術分野において既知のものが挙げられる。本明細書で用いるのに好適な美白剤には、PCT出願米国第95/07432号(1995年6月12日出願)に相当する同時係属特許出願第08/479,935号(ヒルブランド(Hillebrand)の名前で、1995年6月7日出願)、及びPCT出願米国第95/02809号(1995年3月1日出願、1995年9月8日発行)に相当する同時係属特許出願08/390,152号(カラ・L・カバルネス(Kalla L.Kvalnes)、ミッチェル・A・デロング(Mitchell
A.DeLong)、バートン・J・ブラッドベリー(Barton J.Bradbury)、カーチス・B・モトレイ(Curtis
B.Motley)、及びジョン・D・カーター(John D.Carter)の名前で、1995年2月24日出願)に記載されているものも含まれる。
【0131】
(k)抗菌及び抗カビ活性物質
本発明の組成物は、抗菌又は抗カビ活性物質を含んでもよい。このような活性物質は、微生物を駆除し、微生物の発生を防止し、又は微生物の病原作用を防止することができる。安全且つ有効な量の抗菌又は抗カビ活性物質を本発明の組成物に加えてもよく、その量は好ましくは約0.001%〜約10%、より好ましくは約0.01%〜約5%、最も好ましくは約0.05%〜約2%である。
【0132】
(l)日焼け止め活性物質
一般に、日焼け止め活性物質を、本明細書で有用な組成物の約0.5%〜約20%含むことができる。正確な量は、選択した日焼け止め剤及び所望の太陽光線保護指数(SPF)により変化する。SPFとは、一般に使用される、紅斑に対する日焼け止め剤の光防護指標である。米国官報(Federal
Register)、第43巻、166号、38206〜38269頁(1978年8月25日)を参照されたい。
【0133】
また当該組成物に特に有用であるのは、米国特許第4,937,370号(サバテリ(Sabatelli)、1990年6月26日発行)、及び米国特許第4,999,186号(サバテリ(Sabatelli)及びスピルナク(Spirnak)、1991年3月12日発行)に開示されているものような日焼け止め活性物質である。そこに開示されている日焼け止め剤は、1つの分子中に、異なる紫外線吸収スペクトルを示す2つの別個の発色団部分を有する。発色団部分の一方は、主としてUVB放射線範囲において吸収し、他方は、UVA放射線範囲において強く吸収する。
【0134】
(m)コンディショニング剤
本発明の組成物は、湿潤剤、保湿剤、又は皮膚コンディショナーから成る群から選択されるコンディショニング剤を含んでもよい。これらの様々な物質を使用することができ、それぞれ、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約7重量%の濃度で存在し得る。これらの物質には、グアニジン;尿素;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);サリチル酸;乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);様々な形態のうちのいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラジェル);ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのようなポリヒドロキシ化合物;ポリエチレングリコール;糖類(例えば、メリビオース)及びデンプン;糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース、フルクトース、スクロースなど);ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許第4,976,953号(オア(Orr)ら、1990年12月11日発行)に記載されているプロポキシル化グリセロールも、本明細書で有用である。
【0135】
また、糖及び関連物質の様々なC1〜C30のモノエステル及びポリエステルも有用である。これらのエステルは、糖又はポリオール部分及び1つ以上のカルボン酸部分に由来する。このようなエステル物質は、米国特許第2,831,854号、米国特許第4,005,196号(ジャンダセック(Jandacek)、1977年1月25日発行);米国特許第4,005,195号(ジャンダセック(Jandacek)、1977年1月25日発行)、米国特許第5,306,516号(レットン(Letton)ら、1994年4月26日発行)、米国特許第5,306,515号(レットン(Letton)ら、1994年4月26日発行)、米国特許第5,305,514号(レットン(Letton)ら、1994年4月26日発行)、米国特許第4,797,300(ジャンダセック(Jandacek)ら、1989年1月10日発行)、米国特許第3,963,699号(リッチ(Rizzi)ら、1976年6月15日発行)、米国特許第4,518,772号(ボルペンハイン(Volpenhein)、1985年5月21日発行)、及び米国特許第4,517,360号(ボルペンハイン(Volpenhein)、1985年5月21日発行)に更に記載されている。
【0136】
好ましくは、コンディショニング剤は、グリセロール、尿素、グアニジン、スクロースポリエステル、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0137】
(n)増粘剤(濃厚剤及びゲル化剤を含む)
本発明の組成物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、最も好ましくは約0.25重量%〜約2重量%の1つ以上の増粘剤を含むことができる。
【0138】
非限定的な増粘剤の種類には、以下から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0139】
(i)カルボン酸ポリマー
これらのポリマーは、アクリル酸、置換アクリル酸、並びにこれらのアクリル酸や置換アクリル酸の塩及びエステルに由来する1つ以上のモノマーを含有する架橋した化合物であるが、ここで架橋剤は2つ以上の炭素間二重結合を含有し、また多価アルコールに由来する。本発明で有用なポリマーは、米国特許第5,087,445号(ハフィ(Haffey)ら、1992年2月11日発行)、米国特許第4,509,949号(ホワン(Huang)ら、1985年4月5日発行)、米国特許第2,798,053号(ブラウン(Brown)、1957年7月2日発行)、及びCTFA国際化粧品成分辞典(International
Cosmetic Ingredient Dictionary)、第4版、1991年、12及び80頁に更に完全に記載されている。
【0140】
本明細書で有用な、市販のカルボン酸ポリマーの例としては、スクロース又はペンタエリスリトール(pentaerytritol)のアリルエーテルと架橋した、アクリル酸のホモポリマーであるカルボマーが挙げられる。カルボマーは、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)からカーボポール(Carbopol)(登録商標)900シリーズ(例えば、カーボポール(Carbopol)(登録商標)954)として入手可能である。それに加え、その他の適切なカルボン酸ポリマー剤には、C10〜30アルキルアクリレートと、1つ以上のアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、又はこれらの短鎖(即ち、C1〜4アルコール)エステルの1つとのコポリマーが挙げられ、ここでその架橋剤は、スクロースのアリルエーテル又はペンタエリスリトール(pentaerytritol)である。これらのコポリマーは、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーとして知られ、カーボポール(Carbopol)(登録商標)1342、カーボポール(登録商標)1382、ペムレン(Pemulen)TR−1、及びペムレンTR−2としてB.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)より市販されている。換言すれば、本明細書で有用なカルボン酸ポリマー濃厚剤の例は、カルボマー、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0141】
(ii)架橋ポリアクリレートポリマー
本発明の組成物は、陽イオン性及び非イオン性ポリマーを含む濃厚剤又はゲル化剤として有用な架橋ポリアクリレートポリマーを任意に含むことができるが、陽イオン性ポリマーが一般に好ましい。有用な架橋非イオン性ポリアクリレートポリマー及び架橋陽イオン性ポリアクリレートポリマーの例は、米国特許第5,100,660号(ホー(Hawe)ら、1992年3月31日発行)、米国特許第4,849,484号(ハード(Heard)、1989年7月18日発行)、米国特許第4,835,206号(ファラー(Farrar)ら、1989年5月30日発行)、米国特許第4,628,078号(グローバー(Glover)ら、1986年12月9日発行)、米国特許第4,599,379号(フレッシャー(Flesher)ら、1986年7月8日発行)、及びEP228,868(ファラー(Farrar)ら、1987年7月15日公開)に記載されているものである。
【0142】
(iii)ポリアクリルアミドポリマー
本発明の組成物は、ポリアクリルアミドポリマー、特に置換分枝又は非分枝ポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを任意に含むことができる。これらのポリアクリルアミドポリマーのうち最も好ましいのは、非イオン性ポリマーであるCTFA指定ポリアクリルアミド及びイソパラフィン及びラウレス−7であり、商品名セピゲル(Sepigel)305としてセピック社(Seppic
Corporation)(ニュージャージー州フェアフィールド(Fairfield))より入手可能である。
【0143】
本明細書で有用なその他のポリアクリルアミドポリマーには、アクリルアミド及び置換アクリルアミドと、アクリル酸及び置換アクリル酸との、多元ブロックコポリマーが挙げられる。これらの多元ブロックコポリマーの市販の例としては、リポ・ケミカルズ社(Lipo Chemicals,Inc.)(ニュージャージー州パターソン)のハイパン(Hypan)SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hが挙げられる。
【0144】
(iv)多糖類
多種多様な多糖類が本明細書で有用である。「多糖類」とは、繰り返す糖(即ち、炭水化物)単位の主鎖を含有するゲル化剤のことをいう。多糖類ゲル化剤の非限定的な例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、プロピオン酸カルボン酸セルロースアセテート(cellulose
acetate propionate carboxylate)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。本明細書においてまた有用なものは、アルキル置換セルロースである。これらのポリマーでは、セルロースポリマーのヒドロキシ基は、ヒドロキシアルキル化(好ましくは、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化)して、ヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、次いでC10〜C30直鎖又は分枝鎖アルキル基によって、エーテル結合を通じて更に修飾される。典型的には、これらのポリマーは、C10〜C30直鎖又は分枝鎖アルコールとヒドロキシアルキルセルロースとのエーテルである。
【0145】
その他の有用な多糖類には、直鎖の(1〜3)結合グルコース単位と3単位毎の(1〜6)結合グルコースとを含むスクレログルカンが挙げられ、その市販の例は、マイケル・メルシエ・プロダクツ社(Michel
Mercier Products Inc.)(ニュージャージー州マウンテインサイド(Mountainside))のクレアロゲル(Clearogel)(登録商標)CS11である。
【0146】
(v)ゴム類
本明細書において有用なその他の増粘剤及びゲル化剤には、主として自然源より誘導される物質が挙げられる。このようなゲル化剤ゴムの非限定的な例としては、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルトリモニウム塩化グアー(guar
hydroxypropyltrimonium chloride)、ヘクトライト、ヒアルロン酸、水酸化珪素、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、イナゴマメゴム、納豆ゴム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムゴム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカントゴム、キサンタンガム、及びその混合物から成る群から選択される物質が挙げられる。
【0147】
本発明の好ましい組成物には、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択される増粘剤、より好ましくはカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択される増粘剤が含まれる。
【0148】
本発明の組成物は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは、約0.01重量%〜約7重量%、最も好ましくは約0.025重量%〜約5重量%の量で存在する追加のスキンケア活性物質を含むことが好ましい。
【0149】
(組成物の調製)
本発明の組成物は一般的には、局所用組成物を製造する技術分野において既知である従来の方法で調製される。このような方法は典型的には、加熱、冷却、真空適用などで又はそれら無しで、成分を1以上の工程で混合して、比較的均一な状態にすることを伴う。組成物は、好ましくは安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)の最適化及び/又は活性物質(例えば、アグマチン、BHT又はBHA、並びにヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、フィトステロール、ウルソール酸、及び緑茶カテキンから成る群から選択される追加のスキンケア活性物質)の送達などのために調製される。この最適化には、適切なpH(例えば、7未満)、活性剤と錯体になり、ひいては安定性又は送給にマイナスの影響を与え得る物質の排除(例えば、汚染鉄の排除)、錯体形成を防止する手法(例えば、適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば、日焼け止め剤/日焼け防止剤の組み込み、不透明包装の使用)の使用などが含まれてもよい。
【0150】
好ましい実施形態では、組成物は皮膚に長期間適用される。「長期の局所適用」とは、被験者の生存中長期間にわたって、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1か月間、更により好ましくは少なくとも約3か月間、更により一層好ましくは少なくとも約6か月間、なおより好ましくは少なくとも約1年間にわたって、組成物を連続的に局所に適用することを意味する。効果は、様々な最大使用期間(例えば、5年、10年又は20年)の後に得られるが、被験者の生涯を通じて長期にわたって適用を続けることが好ましい。典型的には、適用はこのような長期間にわたって1日当たり約1回程度であろうが、適用の度合いは1週間当たり約1回から1日当たり約3回又はそれ以上まで変えることができる。
【0151】
本発明の組成物は、皮膚の外観及び/又は感触の利益を提供するために広範囲の量を使用することができる。1回の適用で典型的に適用される本発明の組成物の量は、組成物mg/皮膚cm2で、約0.1mg/cm2〜約20mg/cm2までである。特に有用な適用量は、約0.5mg/cm2〜約10mg/cm2である。
【0152】
(皮膚状態を調節する方法)
本発明の組成物は、ケラチン組織、特に発毛及び哺乳類の皮膚状態の調節に有用である。ケラチン組織状態のそのような調節は、予防的及び治療的な調節を含むことができる。調節は、哺乳類の皮膚(kin)上の毛髪の外観及び感触において、触覚及び視覚の両方の、より顕著な改善の提供も含んでよい。例えば、このような調節方法は、毛髪をより柔軟、より繊細、及び/又はより目立ちにくく見えるようにすることを意図する。このような方法は、哺乳類のシェイビングの容易さ、頻度、及び有効性も提供する。皮膚状態の調節の例としては、ケラチン組織の肥厚化(即ち、皮膚の表皮層及び/又は真皮層並びに適用する場合には爪及び毛幹のケラチン層の構築)並びに哺乳類の皮膚の萎縮の防止及び/又は遅延、哺乳類の皮膚のクモ状の血管及び/又は赤いしみの出現の防止及び/又は遅延、哺乳類の目の下のクマの治療(即ち、その出現の防止及び/又は遅延)、哺乳類の皮膚の黄ばみの防止及び/又は遅延、哺乳類の皮膚の弛みの調節(即ち、防止及び/又は遅延)、哺乳類の唇、毛髪及び爪の柔軟化及び/又は平滑化、哺乳類の皮膚の痒みの防止及び/又は緩和、皮膚のきめ(例えば、しわ及び小じわ)の調節、光る皮膚の出現の調節、セルライトの処置(即ち、その出現の防止及び/又は遅延)、皮膚の代謝回転率の増大、並びに皮膚の色(例えば、赤色度、そばかす)の改善が挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
ケラチン組織状態の調節には、安全且つ有効な量の本発明の組成物をケラチン組織に局所適用することを伴う。適用される組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、所与の組成物のスキンケア活性物質及び/又はその他の構成成分の濃度、並びに例えば存在するか又は発生が見込まれるケラチン組織の損傷の程度を考慮した所望の調節の程度によって、広く異なる。
【0154】
好ましい実施形態では、組成物は皮膚に長期間適用される。「長期の局所適用」とは、被験者の生存中長期間にわたって、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1か月間、更により好ましくは少なくとも約3か月間、更により一層好ましくは少なくとも約6か月間、なおより好ましくは少なくとも約1年間にわたって、組成物を連続的に局所に適用することを意味する。効果は、様々な最大使用期間(例えば、5年、10年又は20年)の後に得られるが、被験者の生涯を通じて長期にわたって適用を続けることが好ましい。典型的には、適用はこのような長期間にわたって1日当たり約1回程度であろうが、適用の度合いは1週間当たり約1回から1日当たり約3回又はそれ以上まで変えることができる。
【0155】
本発明の組成物は、皮膚の外観及び/又は感触の利益を提供するために広範囲の量を使用することができる。1回の適用で典型的に適用される本発明の組成物の量は、組成物mg/皮膚cm2で、約0.1mg/cm2〜約10mg/cm2である。特に有用な適用量は、約1mg/cm2〜約2mg/cm2である。
【0156】
ケラチン組織状態の調節は、好ましくは組成物を、何らかの美的、予防的、治療的又はその他の効果のために、好ましくはケラチン構造に残るように意図された(即ち、「リーブオン」組成物)、スキンローション、クリーム、ジェル、フォーム、軟膏、ペースト、美容液、スティック、エマルション、スプレー、コンディショナー、トニック、化粧品、口紅、ファンデーション、ネールポリッシュ、アフターシェーブなどの形態で適用することにより実施される。組成物を皮膚に適用した後、好ましくは少なくとも約15分間、より好ましくは少なくとも約30分間、更により好ましくは少なくとも約1時間、より一層好ましくは少なくとも数時間、例えば約12時間までの間、皮膚上に放置する。顔、毛髪、及び/又は爪の外面部分のいかなる部分、例えば、顔、口唇、目の下の領域、上唇、眼瞼、頭皮、首、胴、腕、腋窩、手、脚、足、手指の爪、足指の爪、頭髪、睫毛、眉毛なども処置することができる。組成物は、指で、又は道具若しくはデバイス(例えば、パッド、綿球、アプリケータペン、噴霧アプリケータなど)を用いて適用できる。
【0157】
少なくとも最低濃度のスキンケア活性物質に皮膚を連続的に曝すことを確実にする別の手法は、例えば顔に適用された貼付剤の使用により化合物を適用することである。そのような手法は、より集中的な処置が必要な問題のある皮膚領域(例えば、顔の目尻のしわの領域、眉間のしわ線、目の下の領域、上唇など)に特に有用である。貼付剤は、閉塞性、半閉塞性又は非閉塞性であることができ、接着性又は非接着性であることができる。組成物は貼付剤内に含有されるか、又は貼付剤の適用前に皮膚に塗布されることができる。貼付剤は、米国特許第5,821,250号、第5,981,547号、及び第5,972,957号(ウー(Wu)ら)に記載されているもののような、発熱反応のための化学反応開始剤のような追加の活性物質も含むことができる。貼付剤は、好ましくは少なくとも約5分間、より好ましくは少なくとも約15分間、更により好ましくは少なくとも約30分間、より一層好ましくは少なくとも1時間、より一層好ましくは夜に夜間治療の形態として、皮膚上に放置される。
【実施例】
【0158】
次の実施例は本発明の範囲内の実施形態を更に記載し実証する。実施例は、単に説明の目的で与えられるに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施例の多くの変形形態が可能であるため、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0159】
(スキンクリーム)
(実施例1〜5)
以下の構成成分から従来の方法によって、潤いを与えるスキンクリーム/ローションを調製する。
【0160】
【表1】

1*パルミトイル−ペンタペプチド=セデルマ(Sederma)から入手可能なパルミトイル−リシン−トレオニン−トレオニン−リシン−セリン)
好適な容器において、相Aの構成成分を合わせ、好適な混合器(例えば、テクマー(Tekmar)RW20DZM)で混合して、攪拌しながら約70〜80℃の温度に加熱し、この温度を維持する。別の好適な容器において、相Bの構成成分を合わせ、好適な混合器で混合して、攪拌しながら約70〜75℃に加熱し、この温度を維持する。相B混合物をその後相A混合物に加え、組み合わせたものが乳化するまで十分に混合する。相A及び相Bの構成成分のエマルションをその後約60℃に冷却し、その後相Cの構成成分を連続して混合しながらエマルションに加える。相A、B及びCの構成成分のエマルションをその後更に約40℃に冷却し、その後相Dの構成成分を混合しながらエマルションに加える。得られたエマルションを、次に好適な粉砕機(テクマー(Tekmar)T−25)を使用して約5分間又は生成物が均一になるまで粉砕する。
【0161】
(実施例6〜8)
以下の構成成分から従来の方法によって、手及び身体のスキンケアのための潤いを与えるスキンクリーム/ローションが調製される。
【0162】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に記載し実証するものである。これらは、例証の目的で与えられており、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。該当する場合、成分はCTFA名で与えられる。実施例はすべて、従来の配合技術を用いて調製された水中油型エマルションである。コーティングされた二酸化チタンは、油相成分を介して組み込まれるのに対し、ナイロン粒子及び干渉顔料は水相を介して添加される。
【0163】
【表2】

1オルガソル(Orgasol)(登録商標)2002D NAT COS
2緑色干渉顔料
【0164】
(制汗剤/防臭剤)
(実施例9〜12)
以下の構成成分から従来方法によって、制汗剤軟質固体/クリームが調製される。
【0165】
【表3】

【0166】
(実施例13)
架橋シロキサンエラストマーを含む本発明のファンデーションコンパクトは、以下のように調製される。
【0167】
【表4】

1シクロメチコン中の5%ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー
【0168】
熱源を備えた好適な容器内で、顔料、TiO2(微粉化及びシリコーン処理された)、疎水性タルク、GE SFE839、シクロメチコン(DC245)及びジメチコンコポリオール(DC5225C)を均質になるまで混合し、その後シルバーソン(Silverson)L4RT混合器を用いて9000rpmにて所望の粒径まで粉砕する。次に、プロピルパラベン及びグリセリンを上記混合物に添加し、均質になるまで混合する。続いて、混合物を85〜90℃の温度に加熱し、この時、混合物が均質になるまで混合しながら地蝋を添加する(混合物中に溶融する)。続いて、混合物を鋳型に注ぎ、室温で冷却させる。冷却した時点で、混合物を適切な包装に組み込む。
ファンデーションコンパクトは顔に適用され、色、保湿及び改善された感触を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アグマチン、好ましくは0.001%〜10%のアグマチンを含む安全且つ有効な量のスキンケア活性物質と、
b)BHT、BHA、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、緑茶カテキン、フィトステロール、ウルソール酸、植物抽出物由来の化合物、それらの塩、誘導体又はこれらの混合物を含む安全且つ有効な量の第一の追加のスキンケア活性物質、好ましくは0.001%〜20%の第一の追加のスキンケア活性物質と、
c)皮膚科学的に許容可能なキャリアと
を含む局所用のスキンケア組成物。
【請求項2】
前記組成物がBHT、BHA、ヘキサミジン、塩化セチルピリジニウム、緑茶カテキン、フィトステロール、ウルソール酸、植物抽出物由来の化合物、それらの塩、誘導体又はこれらの混合物を含む第二の追加のスキンケア活性物質を更に含み、第二のスキンケア活性物質が第一のスキンケア活性物質と異なる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が1%〜10%のアグマチン、0.1%〜10%の塩化セチルピリジニウム、0.01%〜2%のヘキサミジン、0.01%〜1%のBHT、0.1%〜10%の緑茶カテキン及び0.1%〜10%の植物抽出物由来の化合物を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記緑茶カテキンが、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ガロカテキン及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、落屑活性物質、抗ニキビ活性物質、ビタミンB3化合物、ペプチド、ヒドロキシ酸、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート化剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、日焼け活性物質、美白剤、抗セルライト剤、フラボノイド、抗菌活性物質、皮膚鎮静剤、皮膚回復剤、抗カビ剤、日焼け止め活性物質、コンディショニング剤、構造剤、増粘剤及びこれらの混合物から成る群から選択される、第三の追加のスキンケア活性物質を更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記第三の追加のスキンケア活性物質が、アラントイン、ビサボロール、ニコチン酸トコフェロール、ナイアシンアミド、トコフェロール、トコフェロールエステル、パルミトイルペプチド誘導体、イソフラボン、デクスパンテノール、パンテノール、サリチル酸及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
哺乳類の発毛を抑制する方法であって、前記方法が安全且つ有効な量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を、処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項8】
哺乳類の発毛を抑制する方法であって、前記方法が安全且つ有効な量のヘキサミジン、その塩及び誘導体、並びにこれらの混合物、並びに皮膚科学的に許容可能なキャリアを、処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項9】
哺乳類の発毛を抑制する方法であって、前記方法が安全且つ有効な量の、ヘキサミジン、アグマチン、塩化セチルピリジニウム、ウルソール酸、BHT又はBHA、フィトステロール、緑茶カテキン、植物抽出物由来の化合物、並びにそれらの塩及び誘導体、並びにこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの化合物、並びに皮膚科学的に許容可能なキャリアを、処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項10】
シェイビングの頻度を減少させる方法であって、前記方法が安全且つ有効な量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を、処置が必要な哺乳類の皮膚に局所的に適用する工程を含む方法。


【公表番号】特表2006−515328(P2006−515328A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518888(P2005−518888)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006498
【国際公開番号】WO2004/078157
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】