説明

哺乳類のTCTP遺伝子またはその蛋白質産物を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物、および前記組成物を用いる抗高血圧剤スクリーニング方法

本発明は、哺乳類のTCTP遺伝子またはそれから発現される蛋白質を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物、および前記組成物を用いる抗高血圧剤スクリーニング方法に関する。本発明の組成物に含まれるTCTPは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの細胞質内抑制剤として作用し、高血圧および心臓肥大症を誘発する。したがって、本発明の組成物およびこれを用いたスクリーニング方法は、抗高血圧剤の探索および開発に有用に使用できる。また、本発明のTCTPを過多発現する形質転換マウスは、高血圧および心臓肥大症を表現型として示し、高血圧または心臓肥大の治療および改善のために開発された試験対象物質を投与して治療および改善程度を観察することにより、試験対象物質スクリーニングの際に有用に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗高血圧剤スクリーニング用組成物およびこれを用いる抗高血圧剤スクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
TCTP蛋白質(translationally controlled tumor protein)は、論文『J Immunol, 123(2);626-32,(1979)』でThueson等によって最初報告されたように、HRF(histamine-releasing factor)の機能を有するものと知られている蛋白質である。前記論文によれば、HRFは、培養されたヒト単核細胞からヒスタミンを遊離させるための活性を有するものである。
【0003】
HRFは、活性化された免疫細胞の生成物であって、好塩基球、肥満細胞と相互作用してヒスタミン遊離を誘発する物質と定義され、その結果、2種類に分類された。一つはヒスタミン遊離の際に細胞表面のIgEを必要とし、もう一つはIgEに非依存的に作用する。この中でも、IgE依存的ヒスタミン放出因子(IgE-dependent histamine-releasing factor)は、抗原なしに好塩基球からヒスタミン遊離を促進して、後期アレルギー性炎症反応の発生に重要な役割をするものと考えられている。
【0004】
HRF蛋白質は、マウスでは21kDaポリペプチドの意味でP21と呼ばわれており、ヒトではP23と知られている。HRFの発現は、1988年に血清によって翻訳レベル(translation level)で調節されること、鉛、銅、カドミウムなどによって転写レベル(transcription level)で調節されることが知られることにより、TCTPという名称を持つことになった。
【0005】
P21は、2D−PAGEリファレンスマップ(reference map)であり且つ4.9の等電点(isoelectric point)および24kDaの分子量を有する酸性ペプチドであることが報告された。その後、MacDonald等(Science, 269:688-690, 1995)によって、アトピー性患者のリンパ球とアレルギー患者の生体液(biological fluids)からHRFが分離、精製され、そのアミノ末端配列確認(amino-terminal sequencing)によって、この蛋白質が、成長調節蛋白質(growth-related protein)と知られてきたTCTPと同一の蛋白質であるということが証明された。
【0006】
TCTPは、1980年代まで、腫瘍に関連した蛋白質(tumor-specific protein)と知られており、この合成は腫瘍の増殖期(proliferative stage)と関連があるものと考えられてきた。ところが、TCTPは、腎臓(kidney)と腎細胞癌(renal cell carcinoma)を除いた全ての正常細胞から発見されるだけでなく、ほぼ全ての種において高い相同性(homology)を示すものと報告された。
したがって、TCTPは、細胞内で非常に重要な役割を担い、常時一定の水準に発現されるハウスキーピング蛋白(housekeeping protein)であると考えられるが、その明確な機能については知られていない。
【0007】
本発明者らは、韓国特許出願番号10−2001−0027896に記載されているように、TCTPと同一の蛋白質であると知られているHRFがナトリウム/カリウムAPTaseポンプ(Na,K-ATPase pump)のサブユニットの3番目の細胞質ループ(cytoplasmic loop)と相互作用することを明らかにした。
【0008】
TCTPは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの3番目の細胞質部分をエサ(bait)としてマウスの骨格筋ライブラリ(rat skeletal muscle library)に対してイーストツーハイブリッド法(Yeast two-hybrid)を行い得た蛋白質である。その相互作用は、イソ型特異的(isoform specific)ではなく、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの5個の細胞質部分の中でもただ3番目の部分のみと相互作用をする。これらの相互作用は、バイアコア分析(biacore assay)、共免疫沈澱法(coimmunoprecipitation)、共焦点顕微鏡(confocal microscope)によって再び確認された。この際、TCTPは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの細胞質抑制剤(cytoplasmic repressor)として作用するものと示された。
【0009】
ナトリウム/カリウムAPTaseポンプは、細胞膜に存在し、2つのサブユニット、すなわち112kDaサブユニットと55kDaサブユニットからなる膜蛋白質である。ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの最も重要な作用は、膜を横切るイオン輸送によって細胞内Kイオンの濃度を高く維持し、細胞外でのNaイオンの濃度を高くすることにより、結果的に細胞内NaとKイオンの濃度調節をすることである。
【0010】
また、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプは、蛋白質−蛋白質間の相互作用の際に信号伝達分子としても作用する。ナトリウム/カリウムAPTaseポンプのイオン濃度調節機能を阻害する物質は、グリコシド(glycoside)系統のウアバイン(ouabain)、ジゴキシン(digoxin)、ジギトキシン(digitoxin)などがあるが、これらグリコシド類を長期間服用すると、血管が収縮し、血圧が増強される。これは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの機能低下による細胞内NaおよびCa2+濃度の増加がその原因であると考えられる。
【0011】
これに関連して細胞内にナトリウム/カリウムAPTaseポンプの活性を阻害する内因性ウアバイン様因子(endogenous ouabain-like factor)が存在し、これが高血圧(hypertension)と心臓肥大症(heart hypertrophy)の誘発に寄与するという仮説が提起されてきたが、最近では、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプが阻害されると、EGFRとクロストーク(cross talk)をしてNF−kBを活性化することにより、心臓肥大症を誘発することがあるという実験的証拠も提示されたことがある(Haas, M., Askari, A., and Xie, Z., J. Biol. Chem, 275-27832-27837, 2000)。
【0012】
したがって、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの阻害剤は、結果的に高血圧および心臓肥大症を誘発し、このような阻害剤の活性を抑制することが可能な物質の効果的なスクリーニングは、抗高血圧剤の開発において非常に重要であると予想される。
【0013】
そこで、本発明者らは、TCTPがナトリウム/カリウムAPTaseポンプの活性阻害によって高血圧および心臓肥大症を誘発することを見出し、これを用いた抗高血圧剤スクリーニング用組成物およびスクリーニング方法を開発することにより、本発明の完成に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、哺乳類のTCTP遺伝子またはそれから発現される蛋白質を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物、および前記組成物を用いて抗高血圧剤をスクリーニングする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、哺乳類のTCTP遺伝子を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物を提供する。
【0016】
本発明の組成物に含まれるTCTP遺伝子は、ほぼ全ての種の哺乳類細胞から発見される遺伝子であって、配列番号1の塩基配列構造、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊(disruption)、欠失(deletion)、挿入(insertion)、点(point)、置換(substitution)、ノンセンス(nonsense)、ミスセンス(missense)、多形現象(polymorphism)、または再配列突然変異が起こったものの中から選ばれた一つであり得る。
【0017】
本発明は、哺乳類のTCTP蛋白質を含むスクリーニング用組成物を提供する。
【0018】
本発明の組成物に含まれるTCTP蛋白質は、ほぼ全ての種の哺乳類細胞で常時一定の水準に発現されるハウスキーピング蛋白であって、配列番号2のアミノ酸構造を有し、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こった塩基配列の中から選ばれた一つから発現でき、TCTPと同等な生理的活性を示すポリペプチド断片であり得る。
【0019】
また、本発明は、前記TCTP遺伝子を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物を標的物質として用いる抗高血圧剤スクリーニング方法を提供する。
【0020】
本発明は、前記TCTP遺伝子を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物と試験対象物質を接触させた後、それらの間の反応を確認して、前記組成物に含まれる遺伝子の発現を抑制する活性を示すかを決定する段階からなる抗高血圧剤スクリーニング方法を提供する。
【0021】
また、本発明は、前記TCTP蛋白質を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物を標的物質として用いる抗高血圧剤スクリーニング方法を提供する。
本発明は、前記TCTP蛋白質を含む抗高血圧剤スクリーニング用組成物と試験対象物質を接触させた後、それらの間の反応を確認して、前記組成物に含まれる蛋白質の機能を抑制する活性を示すかを決定する段階からなる抗高血圧剤スクリーニング方法を提供する。
【0022】
TCTPは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの大型細胞質ループと結合する蛋白質であって、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの細胞質内抑制剤として作用し(図1)、高血圧および心臓肥大症を誘発する。
【0023】
TCTPが高血圧および心臓肥大症を誘発するメカニズムは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプ作用が阻害されると、血管平滑筋筋肉および心臓筋肉の反応度と収縮度、並びに脳の神経伝達物質の分泌に影響を及ぼして高血圧を誘発する現象と関連があるものと見られる。
【0024】
TCTPが過多発現されるように形質転換されたマウスは、正常マウスに比べて顕著な高血圧症状(図5)と心臓肥大症の表現型を示す(図6)。
したがって、本発明では、TCTP遺伝子またはそれから発現される蛋白質を含む本発明の組成物を標的物質として用いて抗高血圧剤をスクリーニングする。
【0025】
本発明のスクリーニング方法は、前記組成物と試験対象物質とを接触させた後、それらの間の反応を確認して、前記遺伝子の発現を抑制しまたは前記蛋白質の機能を抑制する活性を示すかを決定する段階からなる。
【0026】
本発明のスクリーニング方法において、TCTP遺伝子を含む組成物と試験対象物質間の反応確認は、DNA−DNA、DNA−RNA、DNA−蛋白質間の反応有無の確認に用いられる通常の方法を使用することができる。
【0027】
例えば、生体外で(in vitro)前記遺伝子と試験対象物質間の結合有無を確認するための混成化試験、哺乳類細胞と試験対象物質とを反応させた後、ノーザン分析による前記遺伝子の発現率を測定する方法、または前記遺伝子にレポーター遺伝子を連結させて細胞内に導入した後、試験対象物質と反応させ、レポーター蛋白質の発現率を測定する方法などを使用することができる。
【0028】
このような場合、本発明の組成物は、TCTP遺伝子の他にも、核酸の構造を安定的に維持させる蒸留水または緩衝液を含むことができる。
【0029】
本発明のスクリーニング方法において、TCTP蛋白質を含む組成物と試験対象物質間の反応確認は、蛋白質−蛋白質間の反応有無の確認に用いられる通常の方法を使用することができる。
【0030】
例えば、TCTP遺伝子または蛋白質と試験対象物質とを反応させた後、活性を測定する方法、イーストツーハイブリッド法(yeast two-hybrid)、TCTP蛋白質に結合するファージディスプレイペプチドクローン(phage-displayed peptide clone)の検索、天然物および化学物質ライブラリ(chemical library)などを用いたHTS(high throughput screening)、ドラッグヒットHTS(drug hit HTS)、細胞系スクリーニング(cell-based screening)、またはDNAアレイ(DNA array)を用いるスクリーニング法などを使用することができる。
【0031】
このような場合、本発明の組成物は、TCTPから発現された蛋白質の他にも、蛋白質の構造または生理活性を安定的に維持させる緩衝液または反応液を含むことができる。また、本発明の組成物は、生体内(in vivo)実験のために、前記蛋白質を発現する細胞、または転写率を調節することの可能なプロモーターの下に前記蛋白質を発現するプラスミドを含有する細胞などを含むことができる。
【0032】
本発明のスクリーニング方法において、試験対象物質は、通常の選定方式によって抗高血圧剤としての可能性を持つものと推定されるかあるいは無作為的に選定された個別的な核酸、蛋白質、その他の抽出物または天然物などであってもよい。
【0033】
本発明のスクリーニング方法によって得られた抗高血圧剤候補物質は、以後の抗高血圧剤の開発過程で先導物質(leading compound)として作用し、先導物質に対してTCTP遺伝子またはそれから発現される蛋白質の抑制効果を示すことができるようにその構造を変形させて最適化することにより、新しい抗高血圧剤を開発することができる。
【0034】
こうして得られた物質は、哺乳類のTCTP遺伝子またはそれから発現される蛋白質に対して部分的または完全な活性抑制効果を示すので、TCTP遺伝子またはそれから発現される蛋白質による高血圧と心臓肥大症、その他に誘発される疾患を抑制することができる。
【0035】
したがって、本発明の組成物およびこれを用いるスクリーニング方法は、哺乳類を始めとした病原性細菌に対する抗高血圧剤の探索および開発に有用に使用できる。
【0036】
また、本発明は、受精卵段階で哺乳類のTCTP遺伝子が導入されるので、体細胞と生殖細胞に哺乳類のTCTP遺伝子を含み、これからTCTP蛋白質が過多発現されて高血圧および心臓肥大症の表現型を示す形質転換マウスを提供する。
【0037】
本発明の形質転換マウスにおいて、前記TCTP遺伝子は、配列番号1の塩基配列構造、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こったもの中から選ばれた一つになり得る。
【0038】
本発明の形質転換マウスに導入されたTCTP遺伝子は、受精卵への注入の際にマウス形質転換ベクターに挿入された状態で注入される。好ましくは、TCTP遺伝子は、サイトメガロウィルスエンハンサー(CMV−IE)、ニワトリベータアクチンプロモーター(chicken beta-actin promoter)およびウサギベータグロビンポリAテール(rabbit beta-globin poly A-tail)を含有する形質転換ベクターDNA内に挿入される。
【0039】
本発明の形質転換マウスを製作するための受精卵は、純血または混血マウスから由来した受精卵を使用することができる。好ましくは、C57BL/6N純血マウスまたはC57BL/6J+CBA/N混血マウスを使用することができる。
【0040】
本発明のTCTPを過多発現する形質転換マウスの受精卵は、2004年5月21日付けで韓国生命工学研究院の遺伝子銀行(KCTC)に受託番号KCTC10640BPで寄託された。
【0041】
また、本発明は、TCTP過多発現形質転換マウスの製造方法を提供する。
本発明のTCTP過多発現形質転換マウスの製造方法は、1)哺乳類のTCTP遺伝子を形質転換ベクターに挿入させて形質転換用組み換え遺伝子構造物を製造する第1段階と、2)前記第1段階の組み換え遺伝子構造物をマウスの受精卵の雄性前核に微細注入する第2段階と、3)前記微細注入された受精卵を代理母マウスに移植する第3段階と、4)TCTP遺伝子がゲノムDNAに挿入され、TCTP蛋白質を発現し、高血圧または心臓肥大症の表現型を示すことを確認することにより、前記代理母マウスの子孫の中からTCTP過多発現形質転換マウスを選別する第4段階とを含んでなる。
【0042】
前記第1段階において、哺乳類のTCTP遺伝子は、配列番号1の塩基配列構造、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こったものの中から選ばれた一つを使用することができる。
【0043】
また、第1段階の形質転換ベクターは、当業界に公知になっているマウスの形質転換用ベクターを使用することができ、ベクター内のプロモーターは、全体組織に発現させるプロモーターまたは組織特異的に発現させるプロモーターを使用することができ、プロモーターを活性化させるエンハンサー(enhancer)、およびターミネーター(terminator)以後のポリAテールなどを含有する。好ましくは、サイトメガロウィルスエンハンサー(CMV−IE)、ニワトリベータアクチンプロモーター(chicken beta-actin promoter)およびウサギベータグロビンポリAテール(rabbit beta-globin poly A-tail)を含有するベクターを使用することができる。
【0044】
哺乳類のTCTP遺伝子をマウスの形質転換ベクターに挿入して形質転換用組み換え遺伝子構造物を製作した後、そのDNA塩基配列を確認し、その後多量生産し、多段階で精製して、微細注入(microinjection)のために適切なDNA濃度となるように微細注入用溶液に希釈して準備する。
【0045】
前記第2段階でTCTP遺伝子を微細注入する受精卵は、純血または混血マウスから準備する。準備されたマウスの受精卵に極微操作装置(micromanipulator)を用いてマウス受精卵の雄性前核(male pronucleus)に微細注入する。遺伝子が核内に注入されるか否かは、雄性前核の膨張から確認する。このようにTCTP遺伝子が微細注入された受精卵は、CO培養器で2細胞期まで培養する。
【0046】
前記第3段階において、前記第2段階の外来遺伝子を微細注入した受精卵を移植するための代理母マウスは、ICR系統の雌マウスを精管手術した雄マウスと受精卵採取一日前に交尾させて準備する。その後、前記段階で製造したTCTP遺伝子を微細注入した受精卵を代理母の卵管に移植する。
【0047】
前記第4段階では、受精卵移植の後に代理母マウスから子孫が生まれ、生まれた子孫に挿入されたTCTP遺伝子の導入および発現を確認するために、尾からDNAおよび蛋白質を抽出する。TCTP遺伝子がマウスゲノムDNAに挿入され、TCTP蛋白質を発現し、高血圧または心臓肥大症の表現型を示すことを確認することにより、本発明のTCTP過多発現形質転換マウスを選別する。
【0048】
前記形質転換マウスを製作する方法は、既存公知の様々な方法(Ian Jackson; Catherine M. Abbott; Mouse genetics and transgenics: a practical approach, Oxford; New York: Oxford University Press, 2000)をそのまま適用または変形させて製作することができる。
本発明は、TCTP過多発現形質転換マウスに試験対象物質を投与した後、高血圧および心臓肥大症の症状改善の度合いを観察してスクリーニングすることを特徴とする、抗高血圧剤スクリーニング方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、実施例で本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲は下記実施例に局限されるものではない。
実施例1:本発明の組成物の抗高血圧剤スクリーニング用途の確認
1)本発明の組成物に含まれるTCTP蛋白質のナトリウム/カリウムAPTaseポンプ阻害活性の確認
本発明の組成物に含まれるTCTP蛋白質のナトリウム/カリウムAPTaseポンプ阻害活性を確認した。TCTPがナトリウム/カリウムAPTaseポンプと相互作用するということは公知になっているので、この相互作用がナトリウム/カリウムAPTaseポンプの活性にどの様な影響を及ぼすかを確認した。
【0050】
RBL−2H3細胞を適正の密度で培養した後、クレブス−リンガー緩衝液(Krebs-Ringer buffer)(KRP、140mM NaCl、5mM KCl、10mM NaHPO、1mM MgSO、1.4mM CaCl、25mMグルコース、pH7.4)で3回洗浄した。次いで、細胞を37℃で15分間インキュベーションした後、1mMウアバイン(ouabain)を含んだ0.1%牛血清アルブミン(BSA)含有KRP緩衝液を加えた。
【0051】
ナトリウム/カリウムAPTaseポンプによるKの移動を測定するために、ウアバインに対して高い感受性を持った86Rb(0.5Ci/mL、NEN)をトレーサ(tracer)として用いて5〜10分間培養し、10〜20g/mLのTCTPを加えた。この際、TCTPを加えていない対照群も共に準備して86Rb移動量、K消費量を測定し、その結果を図1に示した。
【0052】
図1aに示すように、TCTPは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプの活性度を53.5%まで大幅減少させた。
前記結果を再び確認するために、ナトリウム敏感性染色物質(Na-sensitive dye)を用いてFACS分析を行った。
【0053】
図1bに示すように、TCTPは、Na輸送が円滑に行われる対照群(Mock)とは異なり、細胞内Naの濃度を増加させた。
【0054】
したがって、本発明の組成物に含まれるTCTPは、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプのイオン濃度調節活性を抑制し、ナトリウム/カリウムAPTaseポンプに対する細胞質抑制剤であることが分かる。
【0055】

2)本発明の組成物による高血圧および心臓肥大症誘発の確認
本発明の組成物に含まれるTCTPを持続的に過多発現する細胞において高血圧と心臓肥大症が誘発することを確認するために、TCTP過多発現形質転換マウス(TCTP transgenic mouse)を製作した。
【0056】
2−1)TCTP過多発現形質転換マウスの製作1
本発明のTCTP過多発現形質転換マウスは、C57BL/6N純血(inbred)のマウスで製作された。形質転換マウスの製作過程におけるマウス受精卵の採取、受精卵への遺伝子の微細注入、代理母への受精卵移植などの動物実験は、(株)マクロジェン社に依頼して行った。
【0057】
TCTP過多発現形質転換マウスの製作に使用された遺伝子マップは、図2に示した。この遺伝子マップは、TCTPが形質転換マウスの全体組織で発現されるように考案された。この時、韓国生命工学研究院の実験動物室で提供したサイトメガロウィルスエンハンサー(CMV−IE)およびニワトリベータアクチンプロモーター(chicken beta-actin promoter)を使用した。
【0058】
この遺伝子構造物をC57BL/6N純血マウスの受精卵に微細注入するために準備する過程は、次のとおりである。
【0059】
まず、TCTP cDNAを、遺伝子組み換え過程によって、サイトメガロウィルスエンハンサーおよびニワトリベータアクチンプロモーターを含有したベクターDNAに入れた後、これをDNA塩基配列確認方法で最終確認した。
これらのDNAをQiagen DNA精製キットを用いて多量回収した後、制限酵素BamHI/SalIを処理してDNA断片を作り、これを低融点アガロースゲル(low-melting agarose gel)で電気泳動して、約3Kbpに相当するエンハンサー、プロモーター、TCTP cDNAおよびウサギベータグロビンポリAテール(rabbit beta-globin poly A-tail)を含有したDNA断片部分を得た。DNA断片を含むゲルを切り出して、高濃度の塩からなる緩衝液(high salt buffer:20mM Tris−HCl、1.0M NaCl、1.0mM EDTA、pH7.4)で分離した。このように回収したDNAをElutip−D(Schleicher & Schuell)カラムを用いて最終精製した後、DNA濃度を測定して約4〜6ng/μLとなるように微細注入用溶液(10mM Tris−HCl、0.1mM EDTA、pH7.4)で透析して調整した後、DNA溶液を50μLずつ分注して−20℃に格納しておいて使用した。
【0060】
TCTP遺伝子の微細注入は、極微操作装置(micromanipulator: Leitz, Germany)を用いてマウス受精卵の雄性前核に注入して行い、遺伝子が核内に注入されるか否かは、雄性前核の膨張から確認した。
【0061】
外来遺伝子を微細注入した受精卵を移植するための代理母マウスを準備する過程は、次のとおりである。自然的な状態で発情期を示すICR系統の雌性マウスを受精卵採取一日前に交尾をさせるが、この際、使用される雄性マウスは、精管手術を施したマウスであり、少なくとも3日以上交尾をしていない状態の雄性マウスを用いて1:2で交尾させ、翌日の朝、雌性マウスの膣スミア(vaginal smear)を確認して、交尾の行われた(pluged)雌性マウスを代理母として使用した。
【0062】
TCTP遺伝子が微細注入された受精卵は、CO培養器で2細胞期まで培養した後、健康な状態の受精卵を選別して移植した。まず、麻酔剤(Avertin)を代理母に0.5mg/体重10gの量で腹腔注射して全身麻酔を施した後、仮親マウスの腹壁正中線を約1cm程度切開し、卵巣、卵管を摘出しそれぞれの卵管に受精卵を移植した後、卵管の膨大部がやや膨れ上がることを確認し、その後腹腔内に再度卵管と卵巣を入れて筋肉層と表皮を縫合した。
代理母から生まれた産子のTCTP遺伝子発現有無を確認するために、産子の尾を約0.5cm程度切り出した後、プロテイナーゼK(proteinase K)含有の溶解緩衝液(lysis buffer)を用いてゲノムDNA(genomic DNA)を抽出し、PCRを施してTCTP遺伝子の生殖系列への伝達(germline transmission)有無を判別した。また、前記マウスの脳、心臓、肝、脾臓、腎臓、肺などの臓器から蛋白質を抽出してウェスタンブロット(Western blotting)を行ってTCTP蛋白質の発現も調査した。
【0063】
その結果、C57BL/6N純血マウスから、TCTP遺伝子を過多発現することが確認されたTCTP形質転換マウスを得、その受精卵を2004年5月21日付けで韓国生命工学研究院の遺伝子銀行(KCTC)に受託番号KCTC10640BPで寄託した。
【0064】
2−2)TCTP過多発現形質転換マウスの製作2
本発明のTCTP過多発現形質転換マウスは、C57BL/6J+CBA/Nの混血マウスを用いて前記実施例2−1)の方法と同様にして製作した。
混血マウスから製作されたTCTP過多発現形質転換マウスを対象として前記実施例2−1)でのPCRおよびウェスタンブロットを施すことにより、TCTP遺伝子が挿入されたか否かとTCTP蛋白質が発現されたか否かを確認した。
【0065】
その結果、図3の電気泳動写真をみれば、レイン(lane)2は陽性対照群であって、陽性対照群と同じ位置のPCR産物がレイン6で観察されることにより、レイン6の産子にTCTP外来遺伝子が挿入されたことを確認した。
前記マウスの脳、心臓、肝、脾臓、腎臓、肺などの臓器から蛋白質を抽出してウェスタンブロットを行うことにより、形質転換マウスの臓器では全てTCTP蛋白質が発現されることを確認した(図4参照)。
【0066】
2−3)TCTP過多発現形質転換マウスでの高血圧および心臓肥大症誘発の確認
前記実施例2−2)で製作されたTCTP過多発現形質転換混血マウスの雌雄それぞれに対して、テールカフ法による収縮期血圧測定法(SBP measurement by tail-cuff method)およびカテーテルを挿入してマウスの頚動脈収縮期血圧と心臓左心室収縮期血圧を測定する直接法を用いて血圧上昇度を確認し、左心室肥大(left ventricular hypertrophy)の度合いを測定して心臓肥大か否かを確認した。
【0067】
T−SBP(Tail systolic blood pressure)の測定は、computerized tail-cuff system(BA-98A system, Softron Co)を用いて測定した。11週齢のマウスから血圧測定を行い 、同じマウスに対して1週間隔で血圧を測定した。この際、週齢別マウスを雌雄の対照群マウスグループと雌雄の形質転換マウスグループよりなる4つのグループに分け、それぞれのグループから少なくとも3匹のマウスを選定して血圧を測定した。
【0068】
また、生後5〜6週齢の形質転換マウスから9〜12週齢、19〜20週齢のマウス雌雄それぞれで1.4 French high-fidelity micromanometer catheterをマウスの頚動脈に直接挿入して頚動脈での収縮期血圧(carotid systolic blood pressure、C−SBP)を測定し、このカテーテルを心臓左心室まで押し込んで心臓左心室での収縮期血圧(left ventricular systolic pressure、LVSP)を測定した。
【0069】
左心室肥大(left ventricular hypertrophy)は、生後19週齢の形質転換マウスの体重(BW、単位g)に対する左心室重量(LVW、単位mg)の比を測定し、その度合いを確認した。
【0070】
以上の実験結果は、図5a〜図5cおよび図6にそれぞれ示した。
【0071】
図5a〜図5cはTCTP過多発現形質転換マウスで高血圧症状を確認した図である。ここで、Tgは形質転換マウス、Lmは対照群であって、形質転換されていない同腹子を示し、Mは雄、Fは雌を意味する。
【0072】
図5a〜図5cに示すように、TCTP過多発現形質転換マウスは、雌雄両方共の尾で測定した収縮期血圧(T−SBP)が対照群に比べて15mmHg以上上昇して高血圧症状を示した。頚動脈収縮期血圧(C−SBP)および心臓左心室で測定した収縮期血圧(LVSP)もTCTP過多発現形質転換マウスが対照群に比べて15〜20mmHg程度上昇した。このような高血圧症状は、生後約6週齢以上のTCTP過多発現形質転換マウスから現われることを確認することができた。
【0073】
また、図6は本発明の形質転換マウスが生後19週齢になったとき、左心室肥大を確認した結果図であって、体重(BW、単位g)に対する左心室重量(LVW、単位mg)の比で表現された。図6において、横軸の1は対照群マウスの雌、2は形質転換マウスの雌、3は対照群マウスの雄、4は形質転換マウスの雄をそれぞれ示す。
【0074】
図6に示すように、TCTP過多発現形質転換マウスが対照群に比べて雌雄両方とも心臓肥大症を示すことを確認することができた。
【0075】
上述したように、本発明の組成物は、高血圧および心臓肥大症を誘発するので、本発明の組成物と反応する物質をスクリーニングすることにより、抗高血圧剤候補物質を開発することができる。
【0076】
本発明のTCTPを過多発現する形質転換マウスは、高血圧および心臓肥大症を表現型として示し、高血圧または心臓肥大の治療および改善のために開発された試験対象物質を投与して治療および改善の度合いを観察することにより、試験対象物質スクリーニングの際に有用に使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の組成物は、高血圧および心臓肥大症を誘発するという効果がある。
したがって、本発明の組成物およびこれを用いたスクリーニング方法は、抗高血圧剤の探索および開発に有用に使用できる。
【0078】
また、本発明の形質転換マウスは、高血圧および心臓肥大症を表現型として示し、高血圧または心臓肥大の治療および改善のために開発された試験対象物質のスクリーニングの際に有用に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明のスクリーニング用組成物に含まれるTCTPのナトリウム/カリウムAPTaseポンプ阻害活性を確認した図である。
【0080】
【図2】本発明のスクリーニング用組成物に含まれるTCTPを過多発現する形質転換マウスの製作に必要な遺伝子マップを示す図である。
【0081】
【図3】TCTP過多発現形質転換マウスの尾から抽出したゲノムDNAにTCTP外来遺伝子が挿入されたことを確認した図である。
【0082】
【図4】TCTP過多発現形質転換マウスの臓器でTCTP蛋白質の過多発現を確認した図である。
【0083】
【図5】TCTP過多発現形質転換マウスで高血圧症状を確認した図であって、図5aは本発明の形質転換マウスの尾収縮期血圧を測定した図、図5bは形質転換マウスの頚動脈収縮期血圧を測定した図、図5cは形質転換マウスの左心室収縮期血圧を測定した図である。
【0084】
【図6】TCTP過多発現形質転換マウスで心臓肥大症の発現を確認した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類のTCTP遺伝子を含むことを特徴とする、抗高血圧剤スクリーニング用組成物。
【請求項2】
前記TCTP遺伝子は、配列番号1の塩基配列構造、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こったものの中から選ばれた一つであることを特徴とする、請求項1に記載の抗高血圧剤スクリーニング用組成物。
【請求項3】
哺乳類のTCTP蛋白質を含むことを特徴とする、抗高血圧剤スクリーニング用組成物。
【請求項4】
前記TCTP蛋白質は、配列番号2のアミノ酸構造を有し、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こった塩基配列の中から選ばれた一つから発現でき、TCTPと同等な生理的活性を示すポリペプチド断片であることを特徴とする、請求項3に記載の抗高血圧剤スクリーニング用組成物。
【請求項5】
請求項1または2の組成物を標的物質として用いることを特徴とする、抗高血圧剤スクリーニング方法。
【請求項6】
前記組成物と試験対象物質を接触させた後、それらの間の反応を確認して、前記遺伝子の発現を抑制する活性を示すかを決定する段階からなることを特徴とする、請求項5に記載の抗高血圧剤スクリーニング方法。
【請求項7】
請求項3または4の組成物を標的物質として用いることを特徴とする、抗高血圧剤スクリーニング方法。
【請求項8】
前記組成物と試験対象物質を接触させた後、それらの間の反応を確認して、前記遺伝子の発現を抑制する活性を示すかを決定する段階からなることを特徴とする、請求項7に記載の抗高血圧剤スクリーニング方法。
【請求項9】
TCTP遺伝子または蛋白質と試験対象物質とを反応させた後活性を測定する方法、イーストツーハイブリッド法(yeast two-hybrid)、TCTP蛋白質に結合するファージディスプレイペプチドクローン(phage-displayed peptide clone)の検索、天然物および化学物質ライブラリ(chemical library)などを用いたHTS(high throughput screening)、ドラッグヒットHTS(drug hit HTS)、細胞系スクリーニング(cell-based screening)、またはDNAアレイ(DNA array)を用いるスクリーニング法であることを特徴とする、請求項8に記載の抗高血圧剤スクリーニング方法。
【請求項10】
受精卵段階で哺乳類のTCTP遺伝子が導入されるので、体細胞と生殖細胞に哺乳類のTCTP遺伝子を含み、これからTCTP蛋白質が過多発現されて高血圧および心臓肥大症の表現型を示す形質転換マウス。
【請求項11】
前記TCTP遺伝子は、配列番号1の塩基配列構造、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こったものの中から選ばれた一つであることを特徴とする、請求項10に記載の形質転換マウス。
【請求項12】
前記TCTP遺伝子は、サイトメガロウィルスエンハンサー(CMV−IE)、ニワトリベータアクチンプロモーター(chicken beta-actin promoter)およびウサギベータグロビンポリAテール(rabbit beta-globin poly A-tail)を含有するベクターDNA内に挿入されたものであることを特徴とする、請求項11に記載の形質転換マウス。
【請求項13】
前記形質転換マウスの受精卵は、受託番号KCTC10640BPで寄託されたものであることを特徴とする、請求項12に記載の形質転換マウス。
【請求項14】
下記の段階からなるTCTP過多発現形質転換マウスの製造方法:
1)哺乳類のTCTP遺伝子を形質転換ベクターに挿入させ形質転換用組み換え遺伝子構造物を製造する第1段階、
2)前記第1段階の組み換え遺伝子構造物をマウスの受精卵の雄性前核に微細注入する第2段階、
3)前記微細注入された受精卵を代理母マウスに移植する第3段階、および
4)TCTP遺伝子がゲノムDNAに挿入され、TCTP蛋白質を発現し、高血圧または心臓肥大症の表現型を示すことを確認することにより、前記代理母マウスの子孫の中からTCTP過多発現形質転換マウスを選別する第4段階。
【請求項15】
前記TCTP遺伝子は、配列番号1の塩基配列構造、または配列番号1の塩基配列に一つ以上の崩壊、欠失、挿入、点、置換、ノンセンス、ミスセンス、多形現象、または再配列突然変異が起こったものの中から選ばれた一つであることを特徴とする、請求項14に記載のTCTP過多発現形質転換マウスの製造方法。
【請求項16】
請求項10〜13のうちいずれか1項の形質転換マウスに試験対象物質を投与した後、高血圧および心臓肥大症の症状改善の度合いを観察してスクリーニングすることを特徴とする、抗高血圧剤スクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−521001(P2007−521001A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516929(P2006−516929)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001435
【国際公開番号】WO2004/113572
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505469540)エファ・ユニバーシティ・インダストリー・コラボレイション・ファウンデイション (3)
【氏名又は名称原語表記】EWHA UNIVERSITY INDUSTRY COLLABORATION FOUNDATION
【Fターム(参考)】