説明

唾液分泌促進薬に基づく口腔ケア製品

エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含むバイオフィルムに反応性口腔ケア製品は、使用者に増加され延長された唾液流を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含有しているバイオフィルムに反応性口腔ケア製品に関し、この製品は増加されおよび延長された唾液流を産生する。本発明の目的のために、口腔ケア製品は、エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含有している菓子類、リンス剤、スプレー、ゲル、ペースト、錠剤を含み、これらは使用者に増加したおよび持続した唾液流を提供する。
【背景技術】
【0002】
口腔衛生を実行するのに用いられる口腔ケア製品は、ある種の菓子類、リンス剤、スプレー、ゲル、ペーストおよび錠剤を含む。これらの口腔ケア製品の全ては、これらをより多くバイオフィルムに反応性とし、唾液流を増加させおよび延長させて、エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物により改良することができる。
【0003】
上で言及した様々な口腔ケア製品の適正使用は、歯ブラシの毛先、リンス剤のすすぎ作用などによって到達することのできるこれらの歯面をきれいにするのに必要である。
【0004】
歴史的に、口腔ケア製品の目的は、
(1)口腔内に蓄積した、いずれの分解した食材、食屑等を排除および除去すること、および
(2)先の清掃以後に歯の表面に蓄積した、細菌性の物質(歯垢、歯石、結石・・・結局はバイオフィルムとして分類される。)の成長をできる限り多く排除しおよび除去すること、
であった。
【0005】
効果的な口腔衛生は、以下の3つの抑制要素を各自が維持することを必要とする。
(1)汚れ、歯垢および歯石の物理的除去。これは、もっとも断固とした意味において、予防、歯石除去またはルートプレーニングの間に、歯科医院における剥離および研磨によって達成される。自己管理による物理的手順は、口腔専門医への来院の間にしばしば必要とされ、適切な研磨剤入り歯磨剤での歯磨きから様々な歯間用歯科デバイスの使用までの範囲に及ぶ。
(2)界面活性剤による清掃。これは、歯表面に付着する前に食べ滓および汚れ物質;口腔の表面から絶えず剥がれ落ちる通常の死滅した細胞(上皮性)物質、および上記すべての物から由来する微生物の分解産物を除去するのに必要となる。口臭の主な原因は、正常な健康な口腔によって絶えず剥がれ落ちる死滅した細胞物質の保持およびその後の分解であることが研究により明らかとなっている。界面活性剤を含む口腔ケア製品により提供される単純な清潔性に関連する明らかな衛生上および健康上の効果に加えて、界面活性剤を含むこれらの口腔ケア製品によって提供される重要な美容上および健康上の効果がある。
(3)洗浄の頻度。これは、今日のペースの速い労働環境および社会環境では提供するのは恐らく最も困難である。大半の人は、最低1日3回歯を磨かなければならず、少なくとも1日1回は歯間を清潔にすべきであると認識している。単純な事実であるが、大半の人は1日1回歯を磨いており、ある人は朝および夜に歯磨きするが、極めて少数の人は、最適な口腔衛生のために、その他に1日3回または4回使用するために歯ブラシおよび歯磨剤を携行する。消費者調査では、人々は1日平均約1.3回歯を磨くことが示唆されている。最も驚くべきことであるが、定期的に歯間用歯科デバイスを使用している成人は15%未満である。
【0006】
歯垢をバイオフィルムとして分類することは、より効果的な口腔ケア製品の開発において大きな進歩であると考えられる。以下のバイオフィルムの参考文献を参照されたい。
【0007】
Greenstein and Polson,J.Periodontol.,May 1998,69:5:507−520;van Winkelhoff,et al.,J.Clin.Periodontol.,1989,16:128−131;およびWilson,J.Med.Microbiol.,1996,44:79−87。
【0008】
バイオフィルムとは、「・・・・相互に、および表面または表面間に付着した、マトリックスに内包された細菌集団であると定義される。これらの集団は、保護のためにエキソポリサッカライドのマトリックスを分泌する。バイオフィルム中の細菌を殺すには、水性懸濁液中の有機体に比べて非常により高濃度の薬剤が必要となる」。
【0009】
Costerton,J.W.,Lewandowski,Z.,DeBeer,D.,Caldwell,D.,Korber,D.,James,G.Biofilms,the customized microniche.J.Bacterio.,1994,176:2137−2142。
【0010】
バイオフィルムの特異性は、1990年代には一層重要なものとして認識されている。バイオフィルムの成長様式に関する今後の研究は、細菌分布の操作を可能とする。
【0011】
Douglass,C.W.,Fox,C.H.Cross−sectional studies in periodontal disease:Current status and implications for dental practice.Adv.Dent.Res.,1993,7:26−31。
【0012】
Greenstein,G.J.,Periodontal response to mechanical non−surgical therapy:A review.Periodontol.,1992,63:118−130。
【0013】
機械的療法は、療法の遵守および技能に注意すれば依然として有効である。
【0014】
Marsh,P.D.,Bradshaw,D.J.Physiological approaches to the control of oral biofilms.Adv.Dent.Res.,1997,11:176−185。
【0015】
大半の研究所および臨床所見は、生理学的抑制の概念を支持している。今後の研究でバイオフィルムの多様性の詳細が明らかとなろう。
【0016】
Page,R.C.,Offenbacher,S.,Shroeder,H.,Seymour,G.J.,Kornman,K.S.,Advances in the pathogenesis of periodontitis:Summary of developments,clinical implications and future directions.Periodont.2000,1997,14:216−248。
【0017】
3つの口腔嫌気性細菌に対する遺伝的感受性は、歯周炎の進行において重要な役割を果たす。後天的および環境リスク因子が、この問題に悪影響を及ぼす。機械的破砕は依然として歯周治療の有効で不可欠な部分として残る。
【0018】
Papapanou,P.N.,Engebretson,S.P.,Lamster,I.B.Current and future approaches for diagnosis of periodontal disease.NY State Dent.J.,1999,32−39。
【0019】
新規な歯周ポケット深さ測定デバイス、顕微鏡技術、免疫学的検定、DNAプローブ、BANA加水分解試験などの新しい技術が利用可能である。これらは、歯周炎の性質をより明確に定義する。
【0020】
Slavkin H.H.Biofilms,microbial ecology and Antoni Van Leeuwenhoek.J.Am.Dent.Assoc.,1997,128:492−495。
【0021】
DuPont,G.A.Understanding dental plaque;biofilm dynamics.J.Vet.Dent.,1977,14:91−94。
【0022】
Marsh P.D.,Bradshaw,D.J.Dental plaque as a biofilm.J.Industrial Microbiology,1995,15:169−175。
【0023】
Shearer,B.J.Biofilm and the dental office.J.Am.Dent.Assoc.,1996,127:181−189。
【0024】
Meyer,K.F.The present status of dental bacteriology.J.Am.Dent.Assoc.,1917,4:966−996。
【0025】
Haffajee,A.D.,Socransky,S.S.Evidence of bacterial etiology:a historical perspective.Periodontology 2000,1994,5:7−25。
【0026】
Willmann,D.E.,Chaves,E.S.The role of dental plaque in the etiology and progress of inflammatory periodontal disease.In Harris NO,Garcia−Godoy F eds.Primary preventive dentistry.Stamford,CO:Appleton & Lange,1999,63−76。
【0027】
Kimball,G.D.The relationship of materia alba and dental plaque to periodontal disease.J.Periodontol.1952,23:16−169。
【0028】
Keyes,P.H.,Jordan,H.V.Periodontal lesions in the Syrian hamster.III.Findings related to an infectious and transmissible component.Arch.Oral Biol.,1964,9:377−400。
【0029】
Listgarten,M.A.Electron microscopic observations of the bacteria flora of acute necrotizing ulcerative gingivitis.J.Periodontol.,1965,36:328−339。
【0030】
Haffajee,A.D.,Socransky,S.S.Microbial etiological agents of destructive periodontal diseases.Periodontol.2000,1994,5:78−111。
【0031】
Consensus report on periodontal diseases:pathogenesis and microbial factors.Ann.Periodontol.,1996,1:12−32。
【0032】
Wilson,M.,Gibson,M.,Strahan,D.,et al.A preliminary evaluation of the use of a redox agents in the treatment of chronic periodontitis.J.Periodont.Res.,1992,27:522−527。
【0033】
Adapted from Marsh and Bradshaw.Physiological approaches to the control of oral biofilms.Adv.Dent.Res.,1997,11:176−185。
【0034】
バイオフィルムとしての歯垢の分類は、バイオフィルムを除去し、崩壊させおよび/または抑制することに関して、唾液流を増加させおよび持続させる、より効果的な口腔ケア製品を必要とする。
【0035】
口内乾燥症(口渇の主観的な感覚)は、主に唾液腺の機能の著しい低下に起因する。口内乾燥症は病気ではないけれども、口内乾燥症は様々な重い全身性疾患および状態の発病の予告または存在の合図であり得る。これらは、口渇薬の摂取、自己免疫疾患および頭頸部への放射線照射である。さらに、口内乾燥症は口腔の軟組織および硬組織に深刻な影響を及ぼし、栄養および会話の妨げとなり得る。
【0036】
唾液腺機能低下症の歯への悪影響は、すっかりよく知られている。唾液は、口腔の組織および器官の主要な保護物質である。唾液が存在しないと、口腔の軟組織および硬組織の両方が、ひどく損傷を受け得る。虫歯の進行は、口腔粘膜の感染および/または潰瘍化を増大し得、および食品の摂取と消化に関係がある機能が弱まり得る。
【0037】
進化の視点から、唾液腺の最も古い機能は、食物のみならず、軟組織および硬組織を被覆するために、滑らかな分子を供給することであった。滑らかな被膜は、食物が消化器系を簡単に移動することを可能とし、最小の機能で平滑な組織表面を提供する。適切な潤滑がないと、食物は歯の周囲に保持されおよび詰め込まれ、食事を困難にしおよび不快なものにしならびに歯垢形成を増加させる。
【発明の開示】
【0038】
発明の要旨
本発明は、界面活性剤および唾液分泌促進薬を含む様々な口腔ケア製品、または唾液可溶性エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物、ならびに
(a)バイオフィルムを抑制させるためのおよび/または崩壊させるためのおよび/または物理的に除去するための、同時に
(b)唾液流を増加させおよび延長させるための、
関連方法を開示しおよび特許権を請求する。
【0039】
好ましくは、エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物は、
(1)界面活性剤連続相および被覆物質を有する、実質的に水を含まないエマルジョン、および
(2)少なくとも1つの唾液分泌促進薬、
を含む。
【0040】
本発明は、また、唾液分泌促進薬を含有し実質的に水を含まないエマルジョンを含む様々なバイオフィルムに反応性口腔ケア製品を開示しおよび特許権を請求する。該製品は唾液流を増加させおよび延長させるのに適している。
【0041】
好ましい実施形態
本発明の1実施形態は、さらに、インスリン非依存性糖尿病患者における唾液機能障害を含む口内乾燥症の様々な処置を開示しおよび特許権を請求する。
【0042】
したがって、本発明の1実施形態は、バイオフィルムを抑制し、崩壊させおよび除去すると同時に唾液流を増加させおよび延長させるのに適したバイオフィルムに反応性口腔ケア製品を含む。
【0043】
本発明のさらなる実施形態は、放出可能なエマルジョン/唾液分泌促進薬を含む唾液可溶性口腔ケア製品を含み、これにより口腔ケア製品にバイオフィルムに反応性を付与し、および唾液流を増加させおよび延長させるのに適したものとする。
【0044】
本発明の別の実施形態は、自己処置手段を含み、この自己処置手段は、歯の表面に形成されたバイオフィルムを日常的に除去するために、抑制するためにおよび崩壊させるために適した、ならびにエマルジョン/唾液分泌促進薬を有する口腔ケア製品の使用後残存する残りのバイオフィルムを被覆するために適した、一方で該製品は唾液流をさらに増加させおよび延長させ、これによりバイオフィルムの抑制を維持する、口腔ケア製品を含む。
【0045】
本発明のさらに別の実施形態は、歯の表面に形成されたバイオフィルムを定期的(すなわち、必要に応じて1時間毎、毎日、毎週、毎月、)に除去するためのおよび崩壊させるためのならびにバイオフィルムの防除を助けるエマルジョン/唾液分泌促進薬または唾液分泌促進薬被膜により残存するバイオフィルムを処置するための、一方で同時に唾液流を増加させ延長させる患者の自己処置方法を含む。
【0046】
本発明のさらに別の実施形態は、口腔ケア製品を含み、ならびに、口腔乾燥症を患う高リスク成人において、(a)バイオフィルムに付随する歯肉縁上の微生物学的な重荷を除去するための、崩壊させるための、および防除するための、および(b)唾液流を増加させおよび延長させるための関連方法を含む。
【0047】
本発明は、さらに、1つ以上の唾液分泌促進薬を含むエマルジョン被膜で処置される様々な口腔ケア製品を製造する様々な方法を開示しおよび特許権請求する。
【0048】
定義
本発明を説明するために、次の用語は以下に記載のように定義される。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「唾液分泌促進薬」は、口腔内での唾液の増加を引き起こす天然もしくは合成の化合物またはこれら化合物の混合物と定義される。言い換えると、唾液分泌促進薬は、唾液の産生を刺激する物質である。
【0050】
2種類の重要な唾液分泌促進薬がある。
(A)味覚唾液分泌促進薬、すなわち特定の食品および香味料などの味覚に関連した物質。特に好ましい唾液分泌促進薬は、アスコルビン酸、黒コショウ、ショウガ、カンゾウ、ピロカルピン、アフィニン、スピラントール、塩化ベタネコール、カイエンペッパー、エキネシア、バーバサンタ(verba santa)、ベイベリー、サンギナリン、人参、カバ、葛、カプサイシン、ジンゲロン、オイゲノールおよびピペリンを含む。
(B)唾液分泌を改善する医薬的唾液分泌促進薬(また、副交感神経作用薬とも呼ばれる。)。
【0051】
本発明で有用な両方のタイプの他の好ましい唾液分泌促進薬の例は、以下の通りである。
【0052】
1.以下のものを含む植物性抽出物:以下のものを含む植物性起源のアミド:
(a)アフィニン、すなわちN−イソブチル−2,6,8−デカトリエンアミド、
(b)ヘリオプシス・ロンギペス(Heliopsis longipes)を含むチルアン・ルート(Chiluan Root)誘導体、
(c)スピランテス・アクメラ(Spilanthes acmella)の蕾からの生理活性なN−イソブチルアミド、
(d)アフィニンおよびカプサイシンを含む香料植物に存在するアルカミド、および
(e)3−(1−メントキシ)プロパン−1,2ジオール 1(2−ヒドロキシフェニル)−4−(3−ニトロフェニル)−1,2,3,5−テトラヒドロピリミジン−2−オンを含むN−アルキル−カルボキサミド化合物。
【0053】
2.米国特許第5,585,424号;第6,780,443号;第6,890,567号;第6,899,901号;米国特許公開番号第2003/0215532号および米国特許公開番号第2004/0052735号などに記載された組成物。また、Journal of the Society of Cosmetic Chemists,29:185−200(1988)H.R.Watsonも参照されたい。好ましくは、そのような組成物は、少なくとも1つのジャンブ・オレオレシン(Jambu Oleoresin)および1つのスピラントールを含む。
【0054】
3.「スピランテス(Spilanthes)」。これは、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、クレブシエラ・ニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラ・ガリナルム(Salmonella gallinarum)およびスタフィロコッカス・アルバス(Staphylococcus albus)などの一般的な病原体に対してインビトロでの活性を有する強力な抗菌性ハーブである。スピランテスは、また、酵母/カビ微生物であるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(これはカンジダ症(口腔カンジダ症)として知られるほとんど伝染性の状態の起因菌である。)を阻害する。
【0055】
4.「ヘリオプシス・ロンギペス(Heliopsis longipes)」。これは、メキシコで見られる草本の植物種であり、根を噛むと口や舌が痺れおよび唾液分泌を刺激するので、メキシコでは主にスパイスまたは調味料として長く使われてきた。参照:Little,Jr.,E.L.,Journal of the Washington Academy of Sciences,Vol.38,No.8,pp.269−274(Aug.15,1948)。これらの根は、噛み砕かれて歯痛を和らげた。同上文献参照。
【0056】
5.ヘリオプシス・ロンギペスの根からの抽出物は、2、3の医療適用に使用されてきた。同上文献参照。例えば、伝えられるところによれば、このような抽出物は、風邪や肺炎を治療するために使われており、アルコール抽出物は、抜歯のための麻酔薬としての使用が試験されてきた。同上文献参照。また、これらの根からの抽出物は、消毒作用を有することも報告された。:Molina−Torres,J.,et al.Antimicrobial properties of alkanides present in flavoring plants traditionally used in Mesoamerica:affinin and capsaicin,Journal of Ethnopharmacology,Vol.64,Iss.3,pp.241−248(March 1999)。ヘリオプシス・ロンギペスの根からの粗製のメタノール抽出物は、抗感染症薬を生み出す可能性があると記載されたが、この抽出物は、伝えられるところによれば、大腸菌(グラム陰性菌)または枯草菌(グラム陽性菌)のいずれに対してもプレート拡散試験でいかなる活性も示さないと記載されている。同上文献参照;およびGutierrez−Lugo,M.T.,et al.,Antimicrobial and cytotoxic activities of some crude drug extracts from Mexican Medicinal plants,phyomedicine,Vol.2(4),pp.341−347(1996)。ヘリオプシス・ロンギペスの根からのエタノール抽出物は、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対する可変性の殺菌効果を有するとして報告された。Romcro−R.,C.M.,et al.,Preliminary Studies of the Antibacterial,Insecticidal,and Toxicological Effects of Chiluan Root(Heliopsis longipes),as translated,Veterinaria Mexico,pp.151−156(1989)。
【0057】
6.ヘリオプシス・ロンギペスの根は、生理活性なアルカミドであるアフィニン(これはN−イソブチル−2E,6Z,8E−デカトリエンアミドまたはN−イソブチルデカ−トランス−2,シス−6,−トランス−8−トリエンアミドと同定された。)を含むことが知られている。それぞれ前述;およびCrombie.L.,et al.,Amides of Vegetable Origin,part X.The Stereochemistry and Synthesis of Affinin,Journal of Chemical Society,pp.4970−4976(1963)。
【0058】
7.アフィニンは、また、ある刊行物において、別の刊行物において、N−イソブチル2,6,8−デカトリエノアミドとして、および別の刊行物においてN−イソブチルドデカ−2−トランス−6−シス−8−トランス−トリエナミドと同定された。それぞれ、Jacobson,M.,et al.,Correction of the Source of「Affinin」(N−Isobutyl−2,6,8−Decatrienoamide,Journal of Organic Chemistry 12,pp.731−732(1947);およびOgura,M.,et al.,Ethnopharmacologic studies.I.Rapid solution to a problem−oral use of Heliopsis longipes−by means of multidisciplinary approach,Journal of Ethnopharmacology,5,pp.215−219(1982)(強調部分は筆者による)。ヘリオプシス・ロンギペスの根のエタノール抽出物から調製された精製したアフィニンは、特定の微生物に対して有毒であると報告され、その毒性はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して変動した。Molina−Torres.,J.ら。
【0059】
8.ヘリオプシス・ロンギペスの根のエタノール抽出物の粉末から調製されたアフィニンの水溶液は、2.5から10.0mg/kgの用量でマウスに経口投与した場合、鎮痛効果を有し、正常な運動活動の重篤な低下をもたらし、5匹のうち2匹が最大服用量で死亡したと報告された。Ogura,Mら。
アフィニンが、N−イソブチル−ドデカ−2−トランス−6−シス−8−トランス−トリエナミドとして同定されている1つの刊行物において、これはスピラントール(いくつかのスピランテス種の辛味成分)と同一であると言われている。Ogura,Mらの文献参照。しかしながら、Little,Jr.の刊行物において、アフィニンは、スピランテス種の花頭から単離されたスピラントールと類似していると言われている。Little,Jr.,E.L.の270頁。オランダセンニチ(Spilanthes acmella L.var.oleracea Clarke)の花および葉は、スパイスとして、および吃音、歯痛、口内炎および喉の主訴に対する民間療法として使われてきたと報告されている。Ramsewak,R.S.et al.,Bioactive N−isobutylamides from the flower buds of Spilanthes acmella,Phytochemistry 51,pp.729−732(1999)。
ヘリオプシス・ロンギペスの抽出物は、例えば、植物性材料を適切な溶媒と接触させて植物性チンキを調製するなどの標準的な手段または方法、または炭酸ガス抽出、凍結乾燥、噴霧乾燥などのいずれかの他の従来手段または方法を用いて調製することができる(参照:Gennaro AR;Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Mack Publishing Company,Easton Pa.1995およびThe United States Pharmacopeia 22nd Rev,およびThe National Formulary(NF)17 ed,USP Convention,Rockville,Md.,1990)。抽出物は、ヘリオプシス・ロンギペスの根および溶媒、例えば他の溶媒と混合した水、有機溶媒(例えばヘキサンおよびグリセリン)またはアルコール(例えばエタノール)またはこれらのいずれかの組み合わせを使用して調製される。好ましくは、アルコールまたは含水アルコール溶媒が使用され、および最も好ましくは、エタノールまたはエタノールと水の組み合わせが使用される。
得られた抽出物は、抽出物に対してそれぞれ、約90.0から約99.9重量%(例えば、約98重量%)、および約10から0.01重量%(例えば、約2重量%)の淡褐色から金色の湿った成分または液体の成分および乾いたもしくは固体の成分から典型的に成る。上記の湿った、乾燥した形態の抽出物を含む組成物は、粉末またはペースト、例えば湿潤基準で約66.6重量%の抽出物および33.4重量%の担体を含む粉末に;またはそれ自体に噴霧された天然品を含む乾燥基準で約0.01から約100重量%の抽出物(例えば、乾燥基準で2から10重量%の抽出物)を含む粉末に、または湿式または乾式のいずれかの方法に対するこれらのいずれかの組み合わせまたは順列により製剤化できる。
唾液分泌促進薬に関する前述の引用文献の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
「本発明の口腔ケア製品」は、以下の米国特許で記載、および請求されているような菓子類、スプレー、リンス剤、ゲル、ペースト、錠剤などとして定義される。
第6,723,305号;第6,500,409号;第6,464,963号;第6,379,652号;第6,375,933号;第6,365,560号;第6,306,371号;第6,290,935号;第6,258,343号;第6,254,857号;第6,235,268号;第6,214,320号;第6,174,516号;第6,136,298号;第6,129,907号;第6,110,445号;第6,096,293号;第5,998,487号;第5,989,526号;第5,976,507号;第5,958,381号;第5,932,192号;第5,912,274号;第5,560,905号;第5,009,882号;第4,959,204号;第6,927,053号;第6,770,266号;第6,723,305号;第6,692,726号;第6,669,930号;第6,669,929号;第6,592,849号;第6,500,409号;第6,464,963号;第6,451,291号;第6,447,758号;第6,419,903号;第6,416,744号;第6,379,654号;第6,379,652号;第6,375,933号;第6,346,235号;第6,333,024号;第6,315,986号;第6,306,371号;第6,290,935号;第6,290,933号;第6,254,857号;第6,235,268号;第6,214,320号;第6,207,138号;第6,180,089号;第6,159,459号;第6,149,894号;第6,136,298号;第6,129,907号;第6,126,923号;第6,113,884号;第6,110,446号;第6,110,445号;第6,106,812号;第6,096,293号;第5,998,487号;第5,989,926号;第5,976,508号;第5,976,507号;第5,968,480号;第5,958,381号;第5,912,274号;第5,876,701号;第5,885,871号;第5,853,704号;第5,851,514号;第5,851,513号;第5,849,267号;第5,843,409号;第5,843,406号;第5,840,281号;第5,833,956号;第5,814,304号;第5,788,951号;第5,780,015号;第5,776,435号;第5,766,574号;第5,756,073号;第5,730,959号;第5,728,756号;第5,723,500号;第5,723,107号;第5,723,105号;第5,698,182号;第5,693,314号;第5,690,913号;第5,690,911号;第5,686,064号;第5,683,680号;第5,681,548号;第5,630,999号;第5,820,852号;第5,603,920号;第5,560,905号;第5,281,410号;第5,145,666号;第5,011,830号;第5,009,882号;第4,965,067号;第4,986,981号;および第4,959,204号。
前述の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
「口腔乾燥症のリスク患者」は、減少した唾液流に悩まされている患者、例えば、口腔乾燥症をもたらす副作用反応を有する薬物で定期的に治療を受けている1つ以上の慢性疾患の患者および/または典型的に口腔乾燥症をもたらす放射線治療および化学療法などの唾液分泌に悪影響を及ぼす治療を受けている患者と定義される。また、以下を参照されたい。
(a)McDonald E.and Marino C.「Dry Mouth:Diagnosing and treating its multiple causes.」Geriatrics 1991;46(Mar.61−63);
(b)Sreebyn L.M.and Valdini A.「Xerostomia Part 1 :Relationship to other oral symptoms and salivary gland hypofunction.」Oral Surg.Oral Med.Oral Pathol.1988,66:451−8;
(c)Sreebyn L.M.「Salivary flow in health and disease.」Compend.Contin.Educ.Dent.Suppl.No.13:461−469;
(d)Mandel I.W.「The role of saliva in maintaining oral homeostasis.」JADA VoI.119,Aug.1989;298−304;および
(e)Mandel I.W.「The functions of saliva.」J.Dent.Res.66(Spec Iss)623−627;Feb 1987。
前述の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
「唾液流」は、口腔衛生における重要な要素として定義される。唾液流は、食物と汚染物質の口腔を洗浄する傾向があり、歯茎と歯を含む口腔のバランスの取れた生態環境を促進し、および口腔をさわやかにする。唾液流の刺激は、口渇および口腔乾燥の感覚と知覚を寛解する;口腔内の細菌、虫歯、口臭、歯肉炎、歯周炎と歯垢(バイオフィルム)を減らす;および口腔病変(例えば口内炎、ヘルペスなどによって誘発される病変を含む口腔内に存在する病変)の治癒および寛解を促進する。
【0063】
「エマルジョン」は、界面活性剤が連続相であり、被覆物質が不連続相である、界面活性剤被覆の組み合わせと定義され、以下のものを示す:
(a)以下の米国特許第4,950,479号;第5,032,387号;第5,538,667号;第5,561,959号;および第5,665,374号(これらは参照により本明細書に組み込まれる。)に記述されているエマルジョン、
(b)米国特許第5,908,039号;第6,080,495号;第4,029;113号;第2,667,443号;第3,943,949号;第6,026,829号;第5,967,155号および第5,967,153号(これらは参照により本明細書に組み込まれる。)に記載された様々なエマルジョンおよび
(c)米国特許第6,907,889号;第6,609,527号;第6,916,880号および6,545,077号(これらは参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されおよび特許権が請求された本質的に唾液可溶性エマルジョン。
【0064】
前述のエマルジョンの全ては、バイオフィルムを抑制するためにおよび崩壊させるために適した1つ以上の物質のバイオフィルムに反応性レベルならびに唾液流を延長させ増加させるための少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含むことができる。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語「ワックスエマルジョン」は、ステアリルアルコールなどの長鎖アルコールの添加または無添加により、適切な乳化剤または界面活性剤(例えば、セテアレス−20またはポリソルベート60)に乳化された適切なワックス(例えば、微結晶ワックス、パラフィンワックス、蜜蝋など)から成る。このエマルジョンへ、香味料、唾液分泌薬、甘味料の少量および口腔ケア製品において一般に用いられる他の低レベルの有効成分が混合される。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「MICRODENT(登録商標)」および「ULTRAMULSION(登録商標)」は、米国特許第4,911,927号;第4,950,479号;第5,032,387号;第5,098,711号;第5,165,913号;第5,538,667号;第5,645,841号;第5,651,959号および第5,665,374号に記述されおよび特許権が請求されているような種々のポロキサマー界面活性剤における種々の分子量でのポリジメチルシロキサンのエマルジョンを指す。唾液分泌促進薬が、本明細書でより詳細に説明されるように、これらのエマルジョンに容易に添加できることが見い出された。
【0067】
本明細書で使用される場合、用語「逆ワックスエマルジョン」は、連続相が適切なワックス(例えば微結晶ワックス、パラフィンワックス、蜜蝋など)であり、および不連続相が界面活性剤であるエマルジョンと定義される。例えば香味料、甘味料、低レベルの有効成分および他の修飾剤の、唾液可溶性の界面活性剤の溶液は、唾液分泌促進薬(この唾液分泌促進薬は先に記載された「唾液可溶性の結晶を含まない被覆」よりも少量が口腔内に放出される。)と共に、不連続相として乳化される。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「抗菌剤」は、残存するバイオフィルム(本発明の口腔ケア製品での処置後に歯の表面に残る)に伴われた様々な微生物叢を抑制し、崩壊させおよび/または殺菌する種々の有効成分を含む。これらは、例えば、クロルヘキシジンジグルコナート(クロルヘキシジン)、トリクロサン、塩化ベンジルアルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ヨウ素、メトロニダゾールおよび微生物学的に活性な精油(例えば、チモール、メントールなど)などの局所用抗菌剤を含む。
【0069】
A.具体的には、第一世代の抗菌剤は以下のものを含む。
1.第4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム)、
2.フェノール性化合物(例えば、チモールおよびサリチル酸メチル、安息香酸およびホウ酸の混合物中のユーカリプトール、ならびにフェノール)、
3.抗菌性を有することが知られている天然抽出物(香油)、および
4.単独の、または塩化亜鉛と組み合わせたサンギナリン抽出物、または塩化亜鉛単独。
B.第二世代の抗菌物質は以下を含む。アレキシジン、オクテニジンおよびフッ化第一スズを含む遊離塩基としてまたはグルコン酸塩もしくは他の適切な塩として実質的にクロルヘキシジンを含む抗菌剤。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「バイオフィルムに反応性」は、口腔ケア製品と協力し作用し、バイオフィルムおよびバイオフィルムに伴われた微生物学的な重荷を物理的に除去するための崩壊させるためのおよび/または抑制するための、および残存するバイオフィルムを唾液分泌促進薬で処置するための、一方で唾液流を延長させ、および増加させる少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含むエマルジョンの性質として定義される。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「香味料」は、以下の物質によって例示される唾液可溶性被覆中に乳化するために適した香味成分として定義される。メントール、アニス油、ベンズアルデヒド、ビターアーモンド油、樟脳、スギ葉油、桂皮アルデヒド、シナモン油、シトロネラ油、チョウジ油、ユーカリプトール、ヘリオトロピン、ラベンダー油、カラシ油、ペパーミント油、フェニルサリチル酸塩、松油、松葉油、ローズマリー油、サッサフラス油、スペアミント油、タイム油、チモール、冬緑油、レモンおよびオレンジ油、バニリン、スパイス抽出物ならびに保健衛生当局によって通常安全である(GRAS)と認められる他の香味油。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「添加アジュバント」は、希望する通りの色または甘味効果を提供するためにエマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物に添加することのできる添加成分を指す。適切な甘味料の例としては、ソルビトール、サイクラミン酸ナトリウム、サッカリン、アスパルテームのNutrasweet(登録商標)ブランドなどの市販品およびキシリトールが挙げられる。クエン酸または酢酸は、香味修飾剤としてしばしば利用され、一般に約1.0から約20重量%、好ましくは約2.0から約15重量%の量で使用される。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「緩衝剤成分」は、本発明の香味組成物に香味成分または治療的に活性な成分の自然分解を防ぐために添加されてよい物質を指す。一般に、これらの組成物のpHは、保護を最も必要とする有効成分の化学的性質に依存して、約3.5から約8に調節される。弱有機酸のアルカリ金属塩などの緩衝成分(例えば、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムまたは酒石酸カリウム)は、通常約0.1から約1.0重量%の量で添加される。弱有機酸または弱塩基と強酸との塩(例えば、ホウ酸、クエン酸、塩化アンモニウムなど)などの他の緩衝剤が、また、同程度の濃度で使用することができる。
【0074】
本明細書で使用される場合、用語「安定化剤」は、香味料と共に、さらなる管理のために口腔ケア製品にしばしば添加される物質を指し、例えば、
(a)安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウムもしくはカリウム、メチルパラベン、プロピルパラベンおよび摂取が承認された他の物質、ならびに
(b)化学的酸化の制御物質(例えば、エチレンジアミン4酢酸、BHA、BHT、没食子酸プロピルおよびと摂取が承認された類似物質を指す)。これらの安定化剤の濃度レベルは、工業および規制基準に従う。
【0075】
本明細書で使用される場合、用語「清掃剤」は、口腔内での使用に適したおよび本発明の口腔ケア製品に適した本質的に全ての界面活性剤を指す。
【0076】
本明細書で使用される場合、語句「化学療法成分」は、口腔に治療的効果を付与する本発明の口腔ケア製品に添加するのに適した唾液分泌薬以外の物質を指し、抗菌剤;抗歯石および抗歯垢物質;再石灰化物質、脱感作剤、NSAID物質および抗生物質などを含む。本発明に適した特定の化学療法成分は、フッ化第1スズ、硝酸カリウム、塩化セチルピリジニウム(CPC)、トリクロサン、メトロニダゾール、クロルヘキシジン、アスピリンおよびドキシサイクリンを含む。
【0077】
本明細書で使用される場合、用語「粘度制御剤」は、通常、食物および消費者製品において知られているが、口腔ケア製品では一般に使われていない物質を含み、これらは、天然および合成ゴム(例えば、カラゲナン、トラガカントゴム)、メチルセルロースおよびその誘導体(例えば、ヒドロキシメチルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドンならびに親水性カルボキシビニルポリマー(例えば、商標名Carbopol934で販売されているものなど)から選択される。通常、1つまたはそれ以上の粘度制御剤の約0.01%から約10%が使用される。これらの物質は、しばしば、溶融−エマルジョン混合物への第3相として直接配合される乾燥粉末として使用される。活性水含量の適切な制御により、これらの乾燥粘性剤のいくらかまたは全てが、自由水を含まない事前にゲル化された粘稠化剤で置き換えることできた。
【0078】
発明の詳細な説明
本発明の口腔ケア製品で送達することができる5つの口腔ケアバイオフィルムに反応性要因がある。これら要因は、歯垢の前駆体を摩滅させること、除去すること、表面に歯垢が付着するのを変更させること、唾液流および抗炎症活性を強化することを含む。
【0079】
1.歯垢膜の磨滅除去は、歯垢膜が一旦歯面にしっかりと固着している場合、唯一の全く効果的清掃メカニズムである。再び、専門の歯科衛生が最も効果的であるが、最近、特別な摩耗剤入りの練り歯磨の多くが、歯肉縁上に付着した歯垢および歯垢からその後形成する歯石を部分的に除去することに関して、歯科機関に受け入れられた;
2.歯垢前駆体の除去は、重合して歯垢膜になるムコ多糖類を細菌が合成するのに必要な食物源および構築ブロックの減少を必要とする。歯垢形成につながる事象連鎖をずっと遡ることおよびこの連鎖を防ぐことは、充分な口腔衛生戦略として大いに賞賛しなければならない。しかしながら、この技術が効果的であるためには、歯垢構築ブロックが、定期的に(少なくとも毎日)口腔内の全体、特に歯垢形成部位において、できればちょうど歯と歯茎界面の下および歯間で妨害されなければならない。参考のために、L.Menaker,「The Biological Basis of Dental Caries,」Chapters 5,11,12,14,16 and 18,Harper and Row(1980)を参照されたい;
3.歯垢が付着するのを変更させることに関して、以下に記すエマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物が本発明の口腔ケア製品中に配合され得ることが、この度知見された。口腔ケア製品からのこれらの物質の放出は、延長された期間、歯の表面での歯垢マトリックスを崩壊させることに特に効果的である;
4.口腔内への唾液分泌促進薬の放出により唾液流を増加させ延長させることによる唾液流の強化;および
5.唾液分泌促進薬に伴われた抗炎症活性(これは急性炎症および疼痛の認識の後期段階に関与する。)は、前炎症性サイトカインおよびフリーラジカルの阻害することおよびプロスタグランジンを標的とすることを含む。
【0080】
加えて、下記に詳述されるように、本発明の口腔ケア製品により送達することができる3つの予想外の感覚反応性要因がある。
1.口腔ケア製品の使用頻度、使用の持続および効果的使用技術の奨励を増加する、即時的な使用の楽しみの増加。これは、一般に、楽しい食品、ごちそうおよび砂糖菓子の消費を伴う、心地よい、香味、口当たりおよび唾液分泌の取り込みを含む。典型的に界面活性剤、エマルジョンまたはMICRODENT(登録商標)と組み合わされた唾液分泌促進薬を有する口腔ケア製品は、非嗅覚(臭気または香り)、非風味(すなわち、苦い、甘い、すっぱいおよび塩辛い)の感覚受容器を刺激する。これは、口腔ケア製品の使用過程での楽しみの、メントールなどの典型的な香味成分または清涼成分から期待されるよりも遥かに、驚くべき増加をもたらす。
2.定期的に口腔ケア製品を使いたいという願望を増強するための使用後の喜びの増加。唾液分泌促進薬を有する口腔ケア製品は、効果の長命に驚くべきものがある。使用後10から15分にわたって「自分は自分自身のために何かよいことをした」という暗示が、良好な口腔ケア習慣を生む精神的な条件付けへの驚くほどの強力な補強となる。これは感覚反応が口腔全体にわたるものであるから、特に真実である。
3.様々なゲルにおいて伝統的に使われているベンゾカインおよびリドカインのように、伝統的な口腔内の疼痛要素を過剰に麻痺させることのない痛みの減少。ベンゾカインおよびリドカインは、不快な麻痺感覚をもたらすのに対し、唾液分泌促進薬は、歯間デバイスの使用に伴う通常の痛みの発生の認識を減少させながら、実際に患部をより「生き生きとした」感じにさせる同時に起きるちくちくする感じを有する。この驚くべき効果は、圧力により誘発された痛みが発生すると同時に、唾液分泌促進薬が直接、歯茎の表面に導入されるときに特に観察される。
【0081】
少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含むエマルジョンにより歯面を被覆するのに適したバイオフィルムに反応性口腔ケア製品は、上記で引用した様々な特許に記載されるような菓子類、リンス剤、スプレー、ゲル、ペーストおよび錠剤を含む。
【0082】
本発明の様々な口腔ケア製品の定期的な使用は、唾液分泌促進薬に起因して増加されおよび延長された唾液流により、機械的作用、洗浄作用、表面修飾および化学療法の独自の組み合わせを提供し、以下の結果をもたらす:
(a)歯肉縁上の微生物叢の崩壊、および
(a)歯肉縁上の歯垢(バイオフィルム)の除去。
【0083】
微生物叢の歯肉縁上の化学療法的崩壊は、以下の独自の組み合わせによって達成される。
(a)本発明の口腔ケア製品から放出される界面活性剤による化学的清掃、
(a)放出されたエマルジョン材料による微生物叢の表面化学の延長された修飾、および
(b)口腔ケア製品に含まれる様々な有効成分による微生物叢の変更。
【0084】
微生物叢の歯肉縁上での機械的崩壊は、以下の独自の組み合わせによって達成される。
(a)様々な口腔ケア製品による物理的崩壊、
(b)口腔ケア製品から放出される研磨材による研磨的崩壊、および
(c)使用の過程での界面活性剤の放出から生じる界面活性剤による崩壊。
【0085】
歯肉縁上の歯垢(バイオフィルム)の化学療法的除去は、以下の独自の組み合わせによって達成される。
(a)口腔ケア製品から放出される界面活性剤による化学的清掃、
(b)エマルジョンによる歯垢の表面化学修飾、および
(c)口腔ケア製品に含まれ、使用過程で放出される様々な有効成分(ピロリン酸4ナトリウム、ピロリン酸4カリウムなどを含む)による歯垢の変更。
【0086】
歯肉縁上の歯垢の機械的除去は、以下の独自の組み合わせによって達成される。
(a)ペーストなどの特定の口腔ケア製品による物理的除去、
(b)特定の口腔ケア製品から放出される研磨材(シリカ、リン酸ジカルシウム、ピロリン酸塩などを含む)による磨滅除去、および
(c)使用過程での界面活性剤の放出から生じる清掃。
【0087】
本発明に適したエマルジョン
本発明の様々な口腔ケア製品は、例えば以下のような広範囲のエマルジョンを有する唾液分泌促進薬を含むことができる。
【0088】
1.高溶融粘性混合物およびエマルジョン、
2.中溶融粘性混合物およびエマルジョン、および
3.低溶融粘性混合物およびエマルジョン。
【0089】
本発明の改良された口腔ケア製品は、(a)口腔ケア製品の約1から約50重量%を含みおよび(b)好ましくは唾液可溶性である、エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含有する。
【0090】
好ましい実施形態において、これらのエマルジョンは、唾液分泌促進薬に加えて、(a)抗菌物質、(b)歯肉縁上表面からバイオフィルム(歯垢)を物理的に除去するのを助けるSOFT ABRASIVES(登録商標)、(c)口腔健康に影響を与える他の化学療法成分、(d)様々なデバイスにより作用領域に洗浄効果をもたらす清掃剤および(e)口腔調整剤と香味料などの成分を含む。
【0091】
本発明のエマルジョンに対する適切な液体界面活性剤は、一般式
【0092】
【化2】

(式中、R、R、R、RはHまたは約10から30個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、ならびにw、x、yおよびzの合計は約20から約80の間である。)で表わされるポリオキシエチレングリコールソルビタンモノ−およびジ−脂肪族エステルを含む。これらの液体界面活性剤は、Emsorb(登録商標)、Span(登録商標)、Tween(登録商標)の商標名でCognis,N.A.およびICIから入手可能である。これらの具体例として、PEG20ソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80、ICI);PEG40ソルビタンモノステアレート(SPAN 60 ICI)およびPEG40ソルビタンジイソステアレート(Eumulgin(登録商標)SDI40、Cognis N.A.)が挙げられる。
【0093】
適切な固体界面活性剤としては、
ラウリル硫酸ナトリウム、
ラウリルサルコシンナトリウム、
ステアリン酸ポリエチレングリコール、
モノステアリン酸ポリエチレングリコール、
ココナッツモノグリセリドスルホナート、
アルキル硫酸ナトリウム、
アルキルスルホ酢酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンおよびポリオキシブチレンのブロックコポリマー、
アリルポリグリコールエーテルカルボキシラート、
ソルビタンエステルのポリエチレン誘導体、
プロポキシ化セチルアルコール、
共役ポリオキシプロピレンと、疎水物質として少なくとも分子量1200のポリオキシプロピレンポリマーを有するポリオキシエチレン化合物との同属性混合物を含む、ポロキサマー407およびポロキサマー388などのブロックコポリマー(これらの界面活性剤は、通常、ポロキサマーとして記述される。具体例は、下記の実施例で記述される。)、
粉石鹸、および
これらの混合物、
が挙げられる。
【0094】
以下を含む種々な化学療法が、本発明の口腔ケア製品のエマルジョンへの組み入れに適している。
【0095】
1.抗歯垢および/または抗歯石物質(例えば、MICRODENT(登録商標)、ULTRAMULSION(登録商標)、ピロリン酸4ナトリウム(TSPP));
2.ピロリン酸4カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど;
3.酸素化化合物、第4級アンモニウム化合物、フェノール性化合物および植物性アルカロイドなどの限られた量による、以下のものを含む第1世代抗バイオフィルム剤
a.第4級アンモニウム化合物(例えば塩化ベンゼトニウムおよび塩化セチルピリジニウム(CPC))、
b.フェノール性化合物(例えばチモールおよびフェノール)、サリチル酸メチルおよび他の組成物(例えば安息香酸およびホウ酸)、
c.ユーカリトールを含む抗菌性を有することが知られている天然抽出物(香味油)、
d.単独のもしくは塩化亜鉛と組み合わせたサンギナリン抽出物または塩化亜鉛単独、
e.トリクロサン、および
f.ヨウ素;
4.実質的に抗菌剤である第2世代薬剤、例えば、遊離塩基またはグルコン酸塩または他の適切な塩としてのクロルヘキシジン、アレキシジン、オクテニジンおよびフッ化第1スズなど。HDPE歯科デバイスを含むフッ化第1スズまたはクロルヘキシジン抗菌剤を用いた口腔処置は、本発明の好ましい実施形態である;
5.脱感作剤、抗生物質、口腔カンジタ症治療剤、カンジダ・エスピー(Candida sp.)を中和するための物質、酵母、虫歯治療剤、抗菌剤、COX−2剤など;
6.口腔乾燥緩和剤;
7.アスピリンを包含するNSAID;
8.ドキシサイクリン、テトラサイクリンおよびミノサイクリンを包含する抗生物質;および
9.メテロニダゾール。
【0096】
特定の石油ワックスが適切であり、本発明のエマルジョンのための好ましい添加剤である。これらは、室温で固体であり、高沸点石油留分由来のより高分子量の炭化水素(約C16からC50)のいずれもの範囲のものを含む。石油ワックスは、3つの基本的カテゴリーがある。パラフィン(結晶質)、微結晶および石油。パラフィンワックスは、一般に、油を冷却しおよび、48℃(118°F)から71℃(160°F)の間の融点を有する結晶性ワックスを濾過することにより、軽潤滑油蒸留液から製造される。十分に精製されたパラフィンワックスは、乾燥した硬いものであり、良好な光沢を与えることができる。微結晶ワックスは、通常、溶媒希釈および冷却の組み合わせにより、重潤滑油蒸留液の乾燥残渣(1潅出液)から製造される。これらは、パラフィンワックスとは、十分に定義されない結晶構造、より濃い色、より高い粘性およびより高い融点(63℃(148°F)から93℃(200°F)に及ぶ)を有する点において異なる。微結晶性の等級は、また、これらの物理的特性において、パラフィンよりもより広範囲に変動する。あるものは延性であり、他は脆くて簡単に砕ける。
【0097】
ペトロラタムは、プロパン希釈および濾過または遠心分離により残りの重潤滑油ストックから得られる。これは、微結晶性性質であり、室温で半固体である。腐食予防手段、カーボン紙および食肉業者の包装などの、工業的適用のためのより重い等級がある。伝統的に、用語スラックワックス、スケールワックスおよび精製ワックスは、油含量に対する限界を示すのに用いられた。今日、これらの分類は、その意味において、特にスラックワックスおよびスケールワックスとの間の差異においてあまり正確ではない。蜜蝋やカルナウバ蝋などの天然ワックスもまた適切であり、望ましい特性を具体的に提供することができる。
【0098】
唾液可溶性調合剤の修飾剤の例は、いわゆる水溶性ワックスを含み、例えば、以下である。
液体ポリエチレングリコール、
固体ポリエチレングリコール、
液体ポリエチレングリコール、
固体ポリプロピレングリコール、および
トリアセチン。
【0099】
低溶融温度の水溶性のポリマーの例は、以下を含む。
ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、
セルロースのカルボキシ誘導体、および
口腔内で適切な唾液を取得するまたは様々な樹脂の水溶性のコポリマー。
【0100】
適当なエマルジョンは、特に様々なMICRODENT(登録商標)およびULTRAMULSION(登録商標)の米国特許第4,911,927号;第4,950,479号;第5,032,387号;第5,098,711号;第5,165,713号;第5,538,667号;第5,645,841号;第5,561,959号および第5,665,374号(これらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されおよび特許権が請求されているものを含む。
【0101】
適当な界面活性剤の例は、以下を含む。
ラウリル硫酸ナトリウム、
ラウリルサルコシンナトリウム、
ステアリン酸ポリエチレングリコール、
モノステアリン酸ポリエチレングリコール、
ココナッツモノグリセリドスルホナート、
アルキル硫酸ナトリウム、
アルキルスルホ酢酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンおよびポリオキシブチレンのブロックコポリマー、
アリルポリグリコールエーテルカルボキシラート、
ソルビタンエステルのポリエチレン誘導体、
プロポキシ化セチルアルコール、
共役ポリオキシプロピレンと、疎水物質として少なくとも分子量1200のポリオキシプロピレンポリマーを有するポリオキシエチレン化合物との同属性混合物を含む、ポロキサマー407およびポロキサマー388などのブロックコポリマー(これらの界面活性剤は、通常、ポロキサマーとして記述される。具体例は、下記の実施例で記述される。)、
粉石鹸、および
これらの混合物。
【0102】
本発明のエマルジョンのための適切な被覆物質の例は、ワックス(天然および合成の両方)、例えば、微結晶ワックス、パラフィンワックス、カルナウバ、蜜蝋および他の天然ワックス、動物性および植物性の油脂ならびに低融点の口腔内に適したポリマーおよびコポリマー;シリコン;シリコーングリコールコポリマーおよび約700センチストーク(cs)から1000万csの間の分子量におけるポリジメチルシロキサン(具体例は、250万csのPDMSおよびULTRAMULSION(登録商標)10−2.5を含み、下記実施例に記述される。)を含む。
【0103】
下記の処方AからDで説明される唾液分泌促進薬エマルジョンは、下記実施例で詳述されるように、様々なレベルにて種々の口腔ケア製品中に示される。
【0104】
【表1】

【0105】
実施例1から4は、上記の表1で記述された本発明のエマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を有する様々な口腔ケア製品を含む。
【実施例1】
【0106】
処方Aは、2重量%にて標準的なフッ化物入り練り歯磨きに導入された。
【実施例2】
【0107】
処方Bは、1.5重量%にて標準的な抗菌性の口腔リンス剤に導入された。
【実施例3】
【0108】
処方Cは、1重量%にて呼吸スプレーに導入された。
【実施例4】
【0109】
処方Dは、2重量%にてゲルに導入された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含有し、使用者に増加および持続した唾液流を提供するバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項2】
界面活性剤の連続相および被覆物質の不連続相を有するエマルジョンを含み、唾液分泌促進薬を含有し、使用者に増加されおよび延長された唾液流を提供するバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項3】
使用者に増加されおよび延長された唾液流を提供するエマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含有する菓子類、リンス剤、スプレー、ゲル、ペーストおよび錠剤からなる群から選択されるバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項4】
エマルジョンが、界面活性剤の連続相および不連続相としての被覆物質を含む、請求項3に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項5】
前記菓子類が、チューインガム、ミント、ロゼンジ、キャンディおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項3に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項6】
前記被覆物質が、ワックスおよび約1,000csから10,000,000csの粘度を有するポリジメチル−シロキサンならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項7】
使用者に増加されおよび延長された唾液流を提供する、エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含むバイオフィルムに反応性口腔ケア製品を定期的に使用することを含む、口腔内バイオフィルムを抑制するための方法。
【請求項8】
エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含む口腔バイオフィルムに反応性口腔ケア製品を定期的に導入することを含む、唾液流を増加させおよび延長させるための方法。
【請求項9】
エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を口腔ケア製品に添加する段階を含む、最終使用者に増加されおよび延長された唾液流を提供するのに適したバイオフィルムに反応性口腔ケア製品を製造する方法。
【請求項10】
エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を含むバイオフィルムに反応性口腔ケア製品を、口腔内に導入する段階を含む、口腔内での唾液産生を増加させるための口腔を処置する方法。
【請求項11】
界面活性剤の連続相および被覆物質の不連続相を有する実質的に水を含まないエマルジョンを含み、前記エマルジョンは少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含み、
(a)バイオフィルムを抑制するために、崩壊させるためにおよび物理的に除去するために、ならびに
(b)唾液流を増加させるためにおよび延長させるために
適している
バイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項12】
前記界面活性剤の連続相が、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびこれらの混合物からなる界面活性剤の群から選択される、請求項2に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項13】
前記ポリジメチルシロキサンが、約1,000csから約10,000,000csの粘度を有する、請求項6に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項14】
前記唾液分泌促進薬が、N−イソブチル−2,6,8−デカトリエンアミド、植物性起源のアミド、ヘリオプシス・ロンギペス(Heliopsis Longipes)、チルアン・ルート(Chiluan Root)誘導体、スピランテス・アクメラ(Spilanthes acmella)の蕾からのN−イソブチルアミド、カプサシニア(capsacinia)、香料植物のアルカミド、胡椒アルカニド、ピロカルピンアルカニド、ショウガアルカニド、朝鮮ニンジン部分、ジャンボ・オレオレシン(Jambo Oleoresin)、ザントキシロム・ペペリタム(Zanthoxylom peperitum)、サンショオール−1、サンショオール−11、サンショアミド、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,1−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ−(4,5)−デカン−2−メタノール、コハク酸メンチル、コハク酸メンチル、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、3−(1−メントキシ)−2−メチル−プロパン−1,2−ジオール、メントングリセリンケタール、乳酸メンチル、[1’R,2’S,5’R]−2−(5’メチル−2’−(メチルエチル)シクロヘキシルオキシ)エタン−1−オール、[1’R,2’S,5’R]−3−(5’−メチル−2’−(メチルエチル)シクロヘキシルオキシ)プロパン−1−オール、[1’R,2’S,5’R]−4−(5’−メチル−2’−(メチルエチル)シクロヘキシルオキシ)ブタン−1−オール、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ジンジェロール、バニリルブチルエーテル、4−(1−メントキシ−メチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’,4’−ジヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(2’−ヒドロキシ−3’−メトキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(4’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’4’−メチレンジオキシ−フェニル)−1,3−ジオキソラン、ノニル酸バニリルアミド、4−(1−メントキシ−メチル)−2−(3’−メトキシ−4’−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、アスコルビン酸、黒コショウ、ショウガ、カンゾウ、ピロカルピン、アフィニン、スピラントール、塩化ベタネコール、カイエンペッパー、エキネシア(echinacea)、バーバサンタ(verba santa)、ベイベリー、サンギナリン、人参、カバ、葛、カプサイシン、ジンゲロン、オイゲノール、ピペリンおよびこれらの混合物を含む合成物および天然の植物抽出物からなる群から選択される、請求項1に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項15】
前記唾液分泌促進薬が、サイトカイン、遊離ラジカルおよびプロスタグランジンを阻害することを含む抗炎症活性をさらに付与する、請求項2に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項16】
口腔ケア製品を口腔内に定期的に導入する段階を含み、
前記口腔ケア製品は、
(a)バイオフィルムに反応性であり、
(b)界面活性剤の連続相およびポリジメチルシロキサンの不連続相を有する実質的に水を含まないエマルジョンを含み、ならびに
(c)前記エマルジョンは少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含む、
唾液流を増加させおよび延長させながら、バイオフィルムを除去するための、崩壊させるためのおよび防除するためのならびに残存バイオフィルムを処置するための患者の自己処置方法。
【請求項17】
界面活性剤の連続相およびポリジメチルシロキサンの不連続相を有するバイオフィルムに反応性の、水を含まないエマルジョンを含む口腔ケア製品を口腔内に定期的に導入する段階を含み、前記エマルジョンが少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含む、口腔乾燥症に対する患者の自己処置法。
【請求項18】
エマルジョン/唾液分泌促進薬の混合物を前記口腔ケア製品に添加する段階を含む、バイオフィルムに反応性被覆により被覆されたバイオフィルムに反応性口腔ケア製品の製造方法。
【請求項19】
バイオフィルムに反応性の、唾液可溶性の、水を含まないエマルジョンを含み、前記エマルジョンは界面活性剤の連続相およびポリジメチルシロキサンの不連続相を有し、前記エマルジョンは少なくとも1つの唾液分泌促進薬を含み、前記唾液可溶性のエマルジョンは高溶融粘性混合物およびエマルジョン、中溶融粘性混合物およびエマルジョンおよび低溶融粘性混合物およびエマルジョンならびにこれらの組み合わせから成る群から選択される
バイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項20】
一般式:
【化1】

(式中、R、R、R、RはHまたは約10個から約30個の炭素原子を有する脂肪族アシル基であり、および、w、x、yおよびzの合計は、約20から約80までである。)で表わされる液体界面活性剤を含む、請求項2に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項21】
前記界面活性剤の連続相が、
ラウリル硫酸ナトリウム、
ラウリルサルコシンナトリウム、
ステアリン酸ポリエチレングリコール、
モノステアリン酸ポリエチレングリコール、
ココナッツモノグリセリドスルホナート、
アルキル硫酸ナトリウム、
アルキルスルホ酢酸ナトリウム、
ポリオキシエチレンおよびポリオキシブチレンのブロックコポリマー、
アリルポリグリコールエーテルカルボキシラート、
ソルビタンエステルのポリエチレン誘導体、
プロポキシ化セチルアルコール、
共役ポリオキシプロピレンおよび疎水物質として少なくとも分子量1200のポリオキシプロピレンポリマーを有するポリオキシエチレン化合物との同属性混合物を含むブロックコポリマー、
粉石鹸、および
これらの混合物
から成る群から選択される、請求項2に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。
【請求項22】
前記被覆物質が、約1,000csから約10,000,000csのポリジメチルシロキサン;微結晶ワックス;パラフィンワックス;カルナウバワックス;蜜蝋;動物性脂肪および動物性油;低融点の経口に適したポリマー;低融点の経口に適したコポリマー;およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2に記載のバイオフィルムに反応性口腔ケア製品。

【公表番号】特表2009−531287(P2009−531287A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554467(P2008−554467)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/061610
【国際公開番号】WO2007/092811
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(504133589)ホワイトヒル・オーラル・テクノロジーズ・インコーポレイテツド (1)
【Fターム(参考)】