商取引促進システム
【課題】娯楽性及び適切且つ適度な射幸性を備える電子クーポンをユーザに提供することにより、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、商取引促進システムを提供する。
【解決手段】クーポンサーバから直接ユーザに電子クーポンを配布する際に、当該電子クーポンをユニークに識別するためのクーポンコードに、ユーザシリアルIDを含めた。更に、当該電子クーポンを所有する正規ユーザが他のユーザに電子クーポンを譲渡又は配布するために、クーポンコードにユーザクーポン通し番号を含めた。更に、電子クーポンを譲渡又は配布する度に、電子クーポンの効果が変化する仕組みを、クーポンサーバの機能として実装した。
【解決手段】クーポンサーバから直接ユーザに電子クーポンを配布する際に、当該電子クーポンをユニークに識別するためのクーポンコードに、ユーザシリアルIDを含めた。更に、当該電子クーポンを所有する正規ユーザが他のユーザに電子クーポンを譲渡又は配布するために、クーポンコードにユーザクーポン通し番号を含めた。更に、電子クーポンを譲渡又は配布する度に、電子クーポンの効果が変化する仕組みを、クーポンサーバの機能として実装した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商取引促進システムに関する。
より詳細には、電子クーポンをユーザに提供し、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、クーポンサーバを中心とする商取引促進システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが一般市民に普及したことにより、電子商取引が一般消費者に広く普及していることは周知の通りである。電子商取引の技術が発達することにより、電子商取引で利用できる「電子クーポン」と呼ばれるデータの割引券も普及している。
一般的に電子クーポンと言われるものは、webサイト内にある所定のhtml文書をプリントアウトして店舗等に持参するものや、いわゆる携帯電話と呼ばれる携帯型無線端末の液晶表示画面に表示するもの等が周知である。
特許文献1は、電子クーポンに関する特許出願の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−128774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの電子クーポンは、あくまでも電子クーポン配布サイトから直接ユーザに提供されており、ユーザ同士のクーポンの配布を許していない。
また、これまでの電子クーポンは所定の割引率の提供、或は所定の商品等の無料サービス等、予め定められた効果を提供するのみであり、それら定められた効果が変動することはない。
これは転じて、電子クーポンに娯楽性が皆無であることを意味する。
【0005】
本発明はかかる課題を解決し、娯楽性及び適切且つ適度な射幸性を備える電子クーポンをユーザに提供することにより、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、商取引促進システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の商取引促進システムは、電子クーポンが提供するサービスを一意に識別するクーポンサービスを有するクーポンマスタと、ユーザを一意に識別するユーザシリアルIDフィールドを有するユーザマスタと、クーポンサービスと、ユーザシリアルIDと、ユーザクーポン通し番号よりなるクーポンコードで電子クーポンを一意に識別して管理する取得クーポンテーブルと、第一ユーザが所望する第一の電子クーポンを第一ユーザの端末に発行すると共に、第一ユーザが所望する第二ユーザに第一の電子クーポンに基づく第二の電子クーポンを譲渡するために、第一の電子クーポンのクーポンコードに含まれるユーザクーポン通し番号を変化させて新たなクーポンコードを有する第二の電子クーポンを生成して、取得クーポンテーブルに登録する、クーポン管理部とを具備する。
【0007】
電子クーポンは、クーポンコードで一意に識別される。クーポンコードは、電子クーポンが提供するサービスを一意に識別するクーポンサービスと、ユーザを一意に識別するユーザシリアルIDと、ユーザクーポン通し番号よりなる。電子クーポンをユーザ同士で譲渡する際、ユーザクーポン通し番号が変化する。したがって、クーポンコードの一意性が取得クーポンテーブル上で確保される。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、娯楽性及び適切且つ適度な射幸性を備える電子クーポンをユーザに提供し、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、商取引促進システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る商取引促進システムの概略図である。
【図2】クーポンサーバの機能ブロック図である。
【図3】携帯型無線端末の機能ブロック図である。
【図4】クーポンサーバのテーブルのフィールド構成を示す図である。
【図5】クーポンサーバのテーブルのフィールド構成を示す図である。
【図6】携帯型無線端末のテーブルのフィールド構成を示す図である。
【図7】クーポンサーバと携帯型無線端末同士で送受信されるデータのフィールド構成を示す図である。
【図8】ゲストユーザが電子クーポンを使用する迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。
【図9】お気に入り申請と、お気に入り承認と、電子クーポン配布に至る迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。
【図10】クーポンアプリを携帯型無線端末にインストールしたユーザがクーポンアプリを最初に実行した時の初期動作として、MACアドレスをクーポンサーバに登録することにより、ゲストユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図11】ゲストユーザがクーポンサーバに所定の個人情報を登録し、クーポンサービスの正規ユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図12】正規ユーザがクーポンサーバから所望の電子クーポンをダウンロードする処理の流れを示すタイムチャートである。
【図13】正規ユーザが他のユーザに直接対面して電子クーポンを譲渡する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図14】正規ユーザから直接対面して電子クーポンを譲り受けたゲストユーザが、当該電子クーポンを使用してECサイトで商品を購入する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図15】ユーザが所有する電子クーポンの一覧をクーポンサーバから取得する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図16】電子クーポンを直接譲り受けたユーザが、電子クーポンを譲ってくれた正規ユーザに対し、お気に入り申請を行う処理の流れを示すタイムチャートである。
【図17】正規ユーザがお気に入り申請を承認する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図18】正規ユーザが選択した電子クーポンを一人以上のお気に入りユーザにクーポンサーバを経由して配布する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図19】正規ユーザが選択した電子クーポンを一人以上のお気に入りユーザにクーポンサーバを経由して配布する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図20】携帯型無線端末の画面推移を示す概略図である。
【図21】携帯型無線端末の画面推移を示す概略図である。
【図22】携帯型無線端末の画面推移を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の概要]
本実施形態では、商取引促進システムを開示する。商取引促進システムは、クーポンサーバ、クーポンを利用するユーザの携帯型無線端末、そして電子商取引サイト或は実店舗で構成される。これらはインターネットを通じて電子クーポンに関するデータの送受信が可能である。
クーポンサーバは会員制の電子クーポンを発行する。正規ユーザはクーポンサーバから直接電子クーポンを取得できる。
これに加え、正規ユーザは他の正規ユーザのみならずゲストユーザに対してもクーポンを配布することができる。したがって、正規ユーザでなくても電子クーポンを利用できる。更に、正規ユーザは他人にクーポンを配布することで、クーポンの割引率が上がる等の恩恵を受ける。
また、電子クーポンをユーザ同士で譲渡する際、電子クーポンにくじ引き等の簡易ゲーム機能を持たせることで、クーポンを配布する意欲(incentive: インセンティブ)が増加する。
このように、電子クーポンに娯楽性と適切且つ適度な射幸性を提供する機能を持たせることで、これまでより電子クーポンの普及を飛躍的に増加させることが期待できる。
【0011】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る商取引促進システムの概略図である。
商取引促進システム101は、クーポンサーバ102と、クーポンを利用するユーザの携帯型無線端末103と、そして電子商取引サイト(以下「ECサイト」と略)104で構成される。これらはインターネット105を通じて電子クーポンに関するデータの送受信が可能である。なお、図1では第一ユーザ106が携帯型無線端末103aを所持し、第二ユーザ107が携帯型無線端末103bを所持している。これ以降、携帯型無線端末103a及び携帯型無線端末103bを総称する際に、携帯型無線端末103と記す。
クーポンサーバ102は周知のTLS/SSLを用いた暗号化通信が可能なwebサーバであると共に、電子クーポンとこれを利用するユーザを管理するデータベースサーバでもある。クーポンサーバ102はクーポンサービス会社が運営する。クーポンサービス会社はクーポンサーバ102を通じて、複数の電子商取引サービスを利用する際に使える電子クーポンを提供する、クーポン発行サービスを提供している。
携帯型無線端末103は、近年急速に普及しているスマートフォンが好ましい。ユーザ同士で電子クーポンを譲渡する際、タッチパネルを構成する表示画面を指でなぞる操作を行うことで、クーポンサーバ102を介した電子クーポンの譲渡を実現する。このような直感的な操作にはタッチパネルを有していることが好ましい。また、スマートフォンには後述する無線LANインターフェースが標準的に搭載されているので、クーポンサーバ102はユーザ登録の際に無線LANインターフェースに付与されているMACアドレスを利用する。
これ以降、本実施形態においてユーザが使用する携帯型無線端末103はスマートフォンであることを前提に説明する。
【0012】
クーポンサーバ102が提供する電子クーポンは、携帯型無線端末103にインストールされて実行される、電子クーポン専用のアプリケーションプログラムによって、携帯型無線端末103内に保存され、管理される。これ以降、このアプリケーションプログラムを「クーポンアプリ」と称する。
携帯型無線端末103は、クーポンアプリを実行することにより、電子クーポンを管理し、またこれを使用する、電子商取引端末として機能する。
【0013】
図1中、第一ユーザ106はクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスの正規ユーザである。第一ユーザ106は固有のログインIDを持ち、クーポンアプリを用いてクーポンサーバ102にログインすることで、クーポンサーバ102から直接電子クーポンを入手できる。そして、クーポンサーバ102から入手した電子クーポンを、他のユーザに譲り渡すこともできる。この時、電子クーポンは他のユーザに移動するのではなく、電子クーポンの複写(コピー)が他のユーザに譲り渡され、オリジナルの電子クーポンは携帯型無線端末103内に残る。
また、正規ユーザである第一ユーザ106は、他の正規ユーザから電子クーポンを譲り受けることもできる。
【0014】
図1中、第二ユーザ107はクーポン発行サービスのゲストユーザである。つまり、クーポン発行サービスの正規会員ではなく、携帯型無線端末103にクーポンアプリをインストールして実行しただけのユーザである。したがって、第一ユーザ106とは異なり、第二ユーザ107はクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスにおいて固有のログインIDを持たない。このため、クーポンアプリを用いてクーポンサーバ102にログインしても、クーポンサーバ102から直接電子クーポンを入手できない。
しかし、第二ユーザ107は正規ユーザである第一ユーザ106から、電子クーポンを譲り受けることができる。そして、譲り受けた電子クーポンは正規ユーザと同様に使用することができるので、第二ユーザ107はECサイト104にアクセスして、商品108を購入する際に購入価格に対する所定の割引サービスを享受できる。
【0015】
第二ユーザ107が第一ユーザ106から電子クーポンを譲り受けるには、二通りの方法がある。
一つは、周知のGPSシステムでユーザの存在する地域的範囲を限定した上で、第一ユーザ106からクーポンサーバ102を通じて、第二ユーザ107が電子クーポンを譲り受ける方法である。つまり、第一ユーザ106は第二ユーザ107に直接対面して、電子クーポンを譲渡する。
もう一つは、予め第一ユーザ106が第二ユーザ107を自らの「お気に入り」として認識し、クーポンサーバ102に登録した上で、第一ユーザ106からクーポンサーバ102を通じて、「お気に入り」である第二ユーザ107に電子クーポンを譲り渡す方法である。つまり、第一ユーザ106は第二ユーザ107に直接対面することなく、電子クーポンを配布できる。
【0016】
クーポン発行サービスの正規会員である第一ユーザ106が、電子クーポンを他のユーザに配布する際、相応の特典が付帯すると好ましい。そこで、電子クーポンを配布すると、電子クーポンに備わっている効果が変動するように、クーポンサーバ102を構成する。一例としては、商品108購入の際に適用される割引率を、電子クーポン配布枚数に応じて上昇させる、等である。このように、電子クーポンに備わっている効果を変動させると、ユーザにとってはいわゆる「お得感」が増加するので、電子クーポンを配布する意欲が増加する。
ここで注意すべきは、変動する効果はあくまでも割引率等の、商品108購入に係る効果であり、ユーザに対して直接金銭を授受しないことである。電子クーポンの割引率等の上限を適切に設定すれば、法的な安定性を担保しつつ、適度な射幸性も醸しだすことができる。
【0017】
以上の説明より明らかなように、クーポンサーバ102と携帯型無線端末103上で稼働するクーポンアプリは、
・会員が非会員に電子クーポンを直接配布する機能と、
・非会員が譲り受けた電子クーポンを利用できる機能と、
・会員が電子クーポンを直接配布した際、電子クーポンの効果が変動する機能と、
・会員が対面していない非会員に電子クーポンを配布する機能
を提供する。
【0018】
[クーポンサーバ102]
図2は、クーポンサーバ102の機能ブロック図である。
クーポンサーバ102は暗号化通信が可能なwebサーバであると共に、電子クーポンとこれを利用するユーザを管理するデータベースサーバでもある。webサーバとしての機能は、webサーバプログラム201によって提供される。webサーバプログラム201はインターネット105を通じてユーザの携帯型無線端末103から送信される種々の要求を受信し、要求の種類に応じてcgi(Common Gateway Interface)であるユーザ管理部202、クーポン管理部203、お気に入り処理部204を実行する。
【0019】
クーポンサーバ102は会員制の電子クーポンを発行する。このためクーポンサーバ102は、ユーザ管理部202を通じて、正規ユーザを登録し、管理するためのユーザマスタ205を備える。なお、電子クーポンをゲストユーザにも利用できるようにするため、ユーザマスタ205はゲストユーザも管理する機能を備えている。
【0020】
クーポンサーバ102は会員制の電子クーポンを発行すると共に、会員同士又は会員からゲストユーザへの、電子クーポンを譲渡する機能を提供する。このためクーポンサーバ102は、クーポン管理部203を通じて、クーポン発行会社が発行する電子クーポンを識別するためのクーポンマスタ206と、正規ユーザ及びゲストユーザが所有する電子クーポンを管理するための取得クーポンテーブル207と、正規ユーザが他の正規ユーザ又はゲストユーザに電子クーポンを配布した事実を記録するための配布クーポンテーブル208を備える。
【0021】
クーポンサーバ102はクーポンサーバ102自体を通じて、会員が目前に居る会員又はゲストユーザへ、電子クーポンを譲渡する機能を提供する。その際、電子クーポン譲渡元の会員の目前に譲渡相手の会員又はゲストユーザが存在することを確認する必要がある。このためクーポンサーバ102は、GPSシステムでユーザの存在する地域的範囲を限定した上で、ワンタイムパスワードを用いて電子クーポンを譲り受けるための、ワンタイムパスワード認証テーブル209を備える。
【0022】
クーポンサーバ102はクーポンサーバ102自体を通じて、会員同士又は会員からゲストユーザへの、電子クーポンを配布する機能を提供する。その際、ある会員が電子クーポンを配布しても良いと認める相手を特定できる必要がある。このためクーポンサーバ102は、お気に入り処理部204を通じて、正規ユーザが認めるお気に入りの相手ユーザを管理すると共に、電子クーポンを直接譲り受けたユーザが自らをお気に入りにして欲しい旨の申請を行うための、お気に入りテーブル210を備える。
【0023】
[携帯型無線端末103]
図3は、携帯型無線端末103の機能ブロック図である。
スマートフォンである携帯型無線端末103は、周知のマイコンで構成される携帯型電子機器である。このマイコンにクーポンアプリを読み込ませ、実行することで、本実施形態の商取引促進システム101における電子商取引端末として機能する。
LCD(液晶表示装置)である表示部301と、LCDの表面を覆う透明電極の座標入力装置である操作部302は、表示部301と操作部302が重なって組み合わされることで周知のタッチパネル303を構成する。表示部301と操作部302は入出力制御部304に接続される。ユーザは操作部302を操作することで、入出力制御部304を通じて表示部301に所定の画面を表示する。
なお、操作部302は透明電極の座標入力装置以外に、周知の押釦スイッチやメンブレンスイッチ等も存在するが、それらスイッチ類も操作部302に包含されるものとする。
【0024】
入出力制御部304には、携帯電話網に接続するための無線インターフェース305と、無線LANに接続するための無線LANインターフェース306と、現在地点の緯度及び経度のデータを得るためのGPS受信部307が接続されている。
入出力制御部304は、無線インターフェース305と無線LANインターフェース306のいずれかを用いて、インターネット105と、その先に存在するクーポンサーバ102及びECサイト104に接続する。
また、無線LANインターフェース306には周知のMACアドレスを内包する。このMACアドレスはクーポンサーバ102にユーザ登録を行う際に用いられる。
更に、入出力制御部304は、
・クーポンアプリの動作状態を決定するための設定ファイル308と、
・ユーザが所有する電子クーポンを記録して管理する所有クーポンテーブル309と、
・正規ユーザのお気に入りユーザを記録して管理するお気に入りリスト310と、
・ユーザがお気に入りとして登録して貰った相手ユーザを記録して管理する被お気に入りリスト311と
に対し、情報の読み書きを実行する。
【0025】
なお、殆どの場合、携帯型無線端末103は通話を実現するためのマイクとスピーカを備えるが、本実施形態には無関係なので割愛している。つまり、通話機能がない端末であっても、インターネット105に接続でき、クーポンアプリが実行できるコンピュータであればよい。したがって、携帯型無線端末103は、近年急速に普及しているタブレット型端末や、ノート型パソコンであってもよい。
【0026】
[クーポンサーバ102のテーブル]
図4及び図5は、クーポンサーバ102のテーブルのフィールド構成を示す図である。
ユーザマスタ205は、MACアドレスフィールドと、ユーザシリアルIDフィールドと、ログインIDフィールドと、パスワードフィールドと、氏名フィールドと、メールアドレスフィールドと、その他個人情報フィールドを備える。
MACアドレスフィールドには、無線LANインターフェース306のMACアドレスが格納される。これは、ゲストユーザを一時的に一意に識別するために用いられる。
ユーザシリアルIDフィールドには、正規ユーザ及びゲストユーザを一意に識別するための、自然数よりなるユーザシリアルIDが格納される。
ログインIDフィールドには、正規ユーザがクーポンサーバ102のサービスを受けるためにログインする際に使用する、正規ユーザを一意に識別できる英数文字列よりなるログインIDが格納される。
パスワードフィールドには、正規ユーザの認証に用いられるパスワード或はそのハッシュ文字列が格納される。
氏名フィールドには正規ユーザの氏名或は本人が希望して登録するニックネームが格納される。
メールアドレスフィールドには正規ユーザのメールアドレスが格納される。
その他個人情報フィールドには正規ユーザの住所や年齢、性別や職業等、種々の個人情報が格納される。なお、これら個人情報の記入はユーザの任意であり、必須ではない。
【0027】
正規ユーザはログインIDフィールドに有意なログインIDが格納されている一方、ゲストユーザはログインIDフィールドが空欄、或はゲストを示す所定のIDが格納されると共に、パスワードフィールド、氏名フィールド、メールアドレスフィールド及びその他個人情報フィールドが空欄である。したがって、ログインIDフィールド又はパスワードフィールドを見ることで、当該レコードに係るユーザが正規ユーザかゲストユーザであるかを識別できる。
【0028】
クーポンマスタ206は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、配布条件フィールドと、クーポン効果情報フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドには、電子クーポンを発行するECサイト104を運営する会社を一意に識別する、クーポン発行会社コードが格納される。
クーポン通し番号フィールドには、クーポンマスタ206のレコードを一意に識別する、クーポン通し番号が格納される。
これ以降、クーポン発行会社コードとクーポン通し番号を組み合わせた情報を、クーポンサービスと呼ぶ。クーポンサービスとは、「あるクーポン発行会社が提供する一つの電子クーポンによるサービス」を意味する。例えば、「衣料販売会社がECサイト104内取扱い商品を10%割引する」「ファストフード店が特定のハンバーガーを半額割引する」等の、電子クーポンの種類そのものである。
有効期限フィールドには、電子クーポンの有効期限が格納される。
【0029】
配布条件フィールドには、電子クーポンに関する様々な情報が格納される。例えば、当該電子クーポンは
・変動する割引率を提供するもの(変動割引型電子クーポン)なのか、
・電子クーポン所有者全員に所定の景品を提供するもの(景品提供型電子クーポン)なのか、
・くじ引きや抽選等のゲームやイベント等を伴って、電子クーポン所有者の一部に所定の景品或はサービスを提供するもの(抽選型電子クーポン)なのか、
というような、電子クーポンの種別が格納される。
【0030】
更に、変動割引型電子クーポンの場合であれば、配布に伴って割引率はどのように変動するのか、初期割引率と最大割引率は何%なのか等の、電子クーポンの条件情報が格納される。
同様に、抽選型電子クーポンの場合は、抽選機能を備えているクーポンアプリであるか否かをチェックするための、必要バージョン情報等が格納される。例えば、クーポンアプリがある時点でバージョンアップする前は抽選機能を備えていないが、バージョンアップによって抽選機能を備えた場合、抽選型電子クーポンはその抽選機能を有するバージョンのクーポンアプリでのみ利用可能である。したがって、バージョンチェックを行って、必要な場合にはクーポンアプリのバージョンアップをユーザに促す必要が生じる。
このように、配布条件フィールドには、電子クーポンがもたらす効果と、その効果に伴う必要な情報が格納される。
【0031】
クーポン効果情報フィールドには、電子クーポンの効果に関する情報が格納される。前述の変動割引型電子クーポンの場合は、主に初期割引率が格納される。
テキストフィールドには、電子クーポンの詳細情報を携帯型無線端末103の表示部301に表示する際に、表示部301に表示するテキストが格納される。
画像フィールドには、電子クーポンの詳細情報を携帯型無線端末103の表示部301に表示する際に、表示部301に表示する画像が格納される。
なお、テキストフィールド及び画像フィールドは、独立したファイルであってもよい。その場合、ファイル名は一意に識別するために「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号」とすると、当該レコードと容易に紐付けられる。
つまり、クーポンマスタ206のレコードを一意に識別する情報は、「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号」の組み合わせ、すなわちクーポンサービスである。
【0032】
取得クーポンテーブル207は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、クーポン効果情報フィールドと、取得日時フィールドと、クーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、配布条件フィールドと、クーポン効果情報フィールドは、クーポンマスタ206の同名のフィールドと同じ内容である。
【0033】
クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドには、クーポンサーバ102から電子クーポンを直接受け取った正規ユーザのユーザシリアルIDが格納される。
ユーザクーポン通し番号フィールドには、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されているユーザシリアルIDの正規ユーザが、他のユーザに当該電子クーポンを配布する際にインクリメントする、通し番号が格納される。オリジナルの電子クーポンの場合、このフィールドの値は「0」であり、当該電子クーポンの最大配布可能枚数がこのフィールドの値の最大値になる。
【0034】
未使用フラグフィールドには、当該電子クーポンが使用されていないか否かを識別する未使用フラグが格納される。当該電子クーポンが使用されると、未使用フラグフィールドは論理の「真」から「偽」に転換する。したがって、未使用フラグフィールドは状況に応じて内容が変動するフィールドである。
取得日時フィールドには、当該電子クーポンを取得した日時情報が格納される。
クーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドには、当該ユーザのユーザシリアルIDが格納される。
【0035】
前述のように、クーポン効果情報フィールドには、電子クーポンの効果に関する情報が格納される。前述の変動割引型電子クーポンの場合は、初期値として初期割引率が格納される。その後、正規ユーザが他のユーザに電子クーポンを配布すると、割引率が増加する等の変動が生じるので、このフィールドの内容が変化する。
したがって、クーポン効果情報フィールドも未使用フラグフィールドと同様に、状況に応じて内容が変動するフィールドである。
【0036】
取得クーポンテーブル207のレコードを一意に識別する情報は、「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号+クーポン発行ユーザシリアルID+ユーザクーポン通し番号」の組み合わせである。これ以降、この四つのフィールドの組み合わせを、電子クーポンを一意に識別する情報として「クーポンコード」と称する。クーポンコードは、前述の説明にあったクーポンサービスを内包する。
取得クーポンテーブル207は、クーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドに記載されているユーザ(正規ユーザ及びゲストユーザ)が所有する電子クーポンが記録されている。したがって、取得クーポンテーブル207のクーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドを、所望のユーザシリアルIDで絞り込むと、当該ユーザが所有する全ての電子クーポンに関する情報を取得できる。
【0037】
配布クーポンテーブル208は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、配布日時フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールド、すなわちクーポンコードは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
配布日時フィールドには、当該電子クーポンを譲渡した日時情報が格納される。
配布クーポンテーブル208は、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されている正規ユーザが電子クーポンを配布した事実が記録されている。したがって、配布クーポンテーブル208のクーポン発行ユーザシリアルIDフィールドを、所望のユーザシリアルIDで絞り込むと、当該ユーザが他のユーザに配布した全ての電子クーポンに関する情報を取得できる。
【0038】
図5を参照して、クーポンサーバ102のテーブルのフィールド構成の説明を続ける。
お気に入りテーブル210は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、相手ユーザシリアルIDフィールドと、承認済みフラグフィールドと、承認依頼時コメントフィールドと、承認日時フィールドと、登録日時フィールドと、更新日時フィールドと、削除日時フィールドよりなる。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールド、すなわちクーポンコードは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
相手ユーザシリアルIDフィールドには、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されている正規ユーザに対してお気に入りを申請するユーザである相手の、ユーザシリアルIDが格納される。
承認済みフラグフィールドには、相手ユーザシリアルIDフィールドに記載されている、お気に入りを申請するユーザが、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されている正規ユーザによってお気に入りとして承認されたか否かを示すフラグが格納される。
承認依頼時コメントフィールドには、相手ユーザシリアルIDフィールドに記載されている、お気に入りを申請するユーザが、お気に入りを申請する際に相手に添えるテキストメッセージが格納される。
承認日時フィールドには、相手ユーザシリアルIDフィールドに記載されている、お気に入りを申請するユーザが、お気に入りを申請した日時が格納される。
登録日時フィールドには、お気に入りユーザを登録した日時が格納される。
更新日時フィールドには、お気に入りユーザを更新した日時が格納される。
削除日時フィールドには、お気に入りユーザを削除した日時が格納される。
【0039】
ワンタイムパスワード認証テーブル209は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、クーポン配布ユーザ緯度フィールドと、クーポン配布ユーザ経度フィールドと、ワンタイムパスワードフィールドと、発行日時フィールドと、失効日時フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールド、すなわちクーポンコードは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
クーポン配布ユーザ緯度フィールドには、クーポンコードに係る電子クーポンを配布するユーザの現在地を、GPSで測定した緯度が格納される。
クーポン配布ユーザ経度フィールドには、クーポンコードに係る電子クーポンを配布するユーザの現在地を、GPSで測定した経度が格納される。
ワンタイムパスワードフィールドには、クーポンコードに係る電子クーポンを配布するユーザが電子クーポンを配布する際に用いるワンタイムパスワードが格納される。
発行日時フィールドには、ワンタイムパスワードフィールドに格納されるワンタイムパスワードを発行した日時が格納される。
失効日時フィールドには、ワンタイムパスワードフィールドに格納されるワンタイムパスワードが失効する日時が格納される。
周知のように、ワンタイムパスワードは有効期間を極短期間に設定することで、セキュリティ面におけるパスワードとしての強度を確保している。本実施形態のワンタイムパスワードも例外ではなく、一例としてワンタイムパスワードの有効期間を10分に設定している。
【0040】
[携帯型無線端末103のテーブル]
図6は、携帯型無線端末103のテーブルのフィールド構成を示す図である。
所有クーポンテーブル309は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドと、取得日時フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドは、前述のようにクーポンコードである。
有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、取得日時フィールドは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
テキストフィールドと、画像フィールドは、クーポンマスタ206の同名のフィールドと同じ内容である。なお、テキストフィールド及び画像フィールドは、独立したファイルであってもよい。その場合、ファイル名は一意に識別するために「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号」とすると、当該レコードと容易に紐付けられる。
【0041】
お気に入りリスト310は、相手ユーザシリアルIDフィールドと、相手氏名又は名称フィールドと、登録年月日フィールドよりなる。
これらフィールドは、お気に入りテーブル210の同名のフィールドと同じ内容である。つまり、お気に入りリスト310は、お気に入りテーブル210を当該携帯型無線端末103の所有者のユーザシリアルIDで絞り込んだ内容である。
被お気に入りリスト311は、相手ユーザシリアルIDフィールドと、相手氏名又は名称フィールドと、登録年月日フィールドよりなる。
被お気に入りリスト311はその名の通り、お気に入りリスト310の逆の立場を記録するテーブルである。つまり、相手ユーザシリアルIDフィールドに格納されるユーザシリアルIDの正規ユーザが、当該携帯型無線端末103の所有者をお気に入りに登録したことを示す。被お気に入りリスト311は、既にお気に入り登録をしてくれた相手ユーザに対して、誤って重複してお気に入り申請をしないためのリストである。
【0042】
[クーポンサーバ102と携帯型無線端末103同士で送受信されるデータ]
図7は、クーポンサーバ102と携帯型無線端末103同士で送受信されるデータのフィールド構成を示す図である。
クーポンデータ701は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。
クーポンデータ701の全てのフィールドは、所有クーポンテーブル309の同名フィールドと同じ内容である。すなわち、クーポンデータ701のフィールドは、所有クーポンテーブル309のうち取得日時フィールドがない以外は全て同じである。
【0043】
取得可能クーポンリスト702は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。
取得可能クーポンリスト702の全てのフィールドは、クーポンマスタ206の同名フィールドと同じ内容である。すなわち、取得可能クーポンリスト702のフィールドは、クーポンマスタ206のうち有効期限フィールドと、クーポン効果情報フィールドがない以外は全て同じである。
【0044】
取得済クーポンリスト703は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。なお、レコードによってはテキストフィールドと画像フィールドがない場合もある。
取得済クーポンリスト703の全てのフィールドは、所有クーポンテーブル309の同名フィールドと同じ内容である。すなわち、取得済クーポンリスト703のフィールドは、所有クーポンテーブル309のうち取得日時フィールドがない以外は全て同じである。
【0045】
[処理の流れの全体像]
図8は、ゲストユーザが電子クーポンを使用する迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。これ以降のタイムチャートは全て、時間軸が上から下へ推移する。
先ず、電子クーポンを利用するためには、携帯型無線端末103にクーポンアプリをインストールする必要がある。このため、第一ユーザ106及び第二ユーザ107は夫々、携帯型無線端末103用アプリケーションプログラム配布サイト(以下「アプリ配布サイト」)821にアクセスして、クーポンアプリをダウンロードし、インストールする(S801、S802)。
【0046】
次に、第一ユーザ106が最初にクーポンアプリを実行すると、クーポンアプリは初期動作としてクーポンサーバ102にアクセスし、携帯型無線端末103のMACアドレスをクーポンサーバ102に登録する(S803)。こうして、第一ユーザ106はクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスのゲストユーザになる。
次に、第二ユーザ107も第一ユーザ106と同様に、最初にクーポンアプリを実行すると、前述の第一ユーザ106の時と同じ処理が行われ、第二ユーザ107もクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスのゲストユーザになる(S804)。
その後、第一ユーザ106はクーポンアプリ上で所定の操作を経て、クーポンサーバ102に所定の個人情報を登録し、クーポン発行サービスの正規ユーザとなる(S805)。
【0047】
次に、正規ユーザとなった第一ユーザ106は、クーポンアプリを通じてクーポンサーバ102にアクセスし、所望する電子クーポンをダウンロードする(S806)。そして、ゲストユーザである第二ユーザ107に対し、直接対面して、電子クーポンの譲渡を行う(S807)。その際、第一ユーザ106が譲渡する電子クーポンは、クーポンアプリを通じて第二ユーザ107に譲渡される。この譲渡によって、第一ユーザ106が所有する電子クーポンの割引率が上昇するという特典が付与される。
【0048】
次に、第一ユーザ106からクーポンを譲り受けた第二ユーザ107は、電子クーポンに埋め込まれているECサイト104のURL(Uniform Resource Locator)を用いて、webブラウザを起動し、ECサイト104にwebブラウザでアクセスし、譲り受けた電子クーポンによってもたらされる割引率にて、ECサイト104上で所望する商品108を購入する(S809)。
この間、第二ユーザ107がECサイト104へアクセスする際にECサイト104とクーポンサーバ102との間では、第二ユーザ107が使おうとする電子クーポンが真正のものか否かを確認するために、電子クーポンの与信が行われる(S810)。そして、商品108購入が完遂したら、ECサイト104とクーポンサーバ102との間では、第二ユーザ107が使った電子クーポンに使用済みである旨を記入するめに、電子クーポンの消し込みが行われる(S811)。
【0049】
第二ユーザ107は、電子クーポンを使用した後、クーポンアプリ上で所定の操作を経て、所有する電子クーポンの一覧を確認すると、クーポンサーバ102から最新の電子クーポン一覧が返信される(S812)。その際、消し込みが遂行された電子クーポンには「使用済み」である旨を示す情報が含まれる。
【0050】
図9は、お気に入り申請と、お気に入り承認と、電子クーポン配布に至る迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。
電子クーポンの譲渡(S901)を受けた第二ユーザ107は、電子クーポンに含まれる第一ユーザ106のユーザシリアルIDを基に、第一ユーザ106に対してお気に入りを申請する(S903)。お気に入り申請を示す情報はクーポンサーバ102に登録される。第一ユーザ106はクーポンサーバ102から当該お気に入り申請の情報の存在を知ると、第二ユーザ107をお気に入りとして承認する(S904)。
一旦お気に入りとしてクーポンサーバ102に登録されれば、第一ユーザ106は第二ユーザ107に直接会わなくても、クーポンサーバ102を通じて所望の電子クーポンを第二ユーザ107に配布することができる(S905、S906)。そして、第二ユーザ107は、電子クーポンを配布してくれた第一ユーザ106が目の前に居なくても、クーポンサーバ102にアクセスして配布された電子クーポンを受け取ることができる(S907)。
【0051】
[MACアドレス登録(ゲストユーザ登録)]
図10は、クーポンアプリを携帯型無線端末103にインストールしたユーザがクーポンアプリを最初に実行した時の初期動作として、MACアドレスをクーポンサーバ102に登録することにより、ゲストユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS803及びS804の詳細である。
クーポンアプリが実行されると、入出力制御部304は最初にステータスチェックとして、設定ファイル308の有無を確認する(S1001)。クーポンアプリが一番最初に起動された状態では、設定ファイル308が存在しないので、「初期設定を行います」という内容のメッセージを表示部301に表示した(S1002)後、無線LANインターフェース306のMACアドレスをクーポンサーバ102に送信する(S1003)。
【0052】
クーポンサーバ102のユーザ管理部202は、受信したMACアドレスの重複チェックを行った後、ユーザマスタ205に新規レコードとして追記すると共にユーザシリアルIDを発行し(S1004)、発行したユーザシリアルIDを返信する(S1005)。
入出力制御部304は、クーポンサーバ102からユーザシリアルIDを受信すると、設定ファイル308を作成し、設定ファイル308にゲストユーザである旨を示す「guest」の文字列と、ユーザシリアルIDを記載する(S1006)。そして、ゲストユーザ用のトップメニュー画面を表示部301に表示する(S1007)。
【0053】
[正規ユーザ登録]
図11は、ゲストユーザがクーポンサーバ102に所定の情報を登録し、クーポン発行サービスの正規ユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS805の詳細である。
第一ユーザ106は、表示部301にゲストユーザ用のトップメニュー画面が表示部301に表示された状態(S1101)から、操作部302を操作してユーザ登録を選択する(S1102)と、表示部301にはユーザ登録画面が表示される(S1103)。第一ユーザ106は操作部302を操作して、正規ユーザとして登録するために必要な、ログインID及びパスワード等の情報を入力した後、「登録」ボタンを押す等の、登録のための操作を行う(S1104)。すると、それら情報は入出力制御部304によってクーポンサーバ102に送信される(S1105)。
【0054】
クーポンサーバ102のユーザ管理部202は当該情報を受信すると、ユーザマスタ205に正規ユーザとして登録し(S1106)、登録が正常に終了した旨のリザルトコードを返信する(S1107)。
入出力制御部304は、クーポンサーバ102からリザルトコードを受信すると、設定ファイル308を更新し、設定ファイル308にステップS1105で送信したログインIDとパスワードを記載する(S1108)。そして、正規ユーザ登録が完了した旨を示す画面を表示部301に表示する(S1109)。
ステップS1108の時点で、設定ファイル308には、図10のゲストユーザ登録のステップS1006で記録したユーザシリアルIDと、ログインIDとパスワードが記載されている。クーポンアプリは起動時に設定ファイル308の内容を確認し、正規ユーザであるか否かを識別して、表示部301に表示する内容を変更する。
【0055】
[クーポンダウンロード]
図12は、正規ユーザがクーポンサーバ102から所望の電子クーポンをダウンロードする処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS806及び図9のステップS905の詳細である。
正規ユーザとなった第一ユーザ106は、電子クーポンをダウンロードするため、トップメニューから取得可能クーポンの一覧を表示する操作を行う(S1201)。すると、取得可能クーポンの一覧を要求するコマンドが、入出力制御部304からクーポンサーバ102へ送信される(S1202)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、取得可能クーポンの一覧を要求するコマンドを受けると、クーポンマスタ206を読み込み、クーポンマスタ206から取得可能クーポンリスト702を作成して(S1203)、返信する(S1204)。
入出力制御部304は、取得可能クーポンリスト702を受信すると、表示部301に取得可能クーポン一覧を表示する(S1205)。
【0056】
第一ユーザ106は、表示部301に表示されている取得可能クーポン一覧から、所望の電子クーポン(クーポンサービス)を選択して、ダウンロードする操作を行う(S1206)。すると、選択された電子クーポンを示すクーポンサービスと、当該クーポンサービスに係る電子クーポンをダウンロードするためのコマンドが、入出力制御部304からクーポンサーバ102へ送信される(S1207)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、指定された電子クーポンのダウンロードを要求するコマンドを受けると、クーポンマスタ206を読み込み、クーポンサービスでレコードを特定する。そして、特定したレコードの内容に基づいて、第一ユーザ106に配布するための、第一ユーザ106のユーザシリアルIDを含むクーポンコードを生成し(S1208)、生成したクーポンコードを含むクーポンデータ701を返信する(S1209)。
【0057】
入出力制御部304は、クーポンデータ701を受信すると、これを所有クーポンテーブル309に追記録する(S1210)。そして、再びステップS1205と同様に、表示部301に取得可能クーポン一覧を表示する(S1211)。
一方、クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、ステップS1208で生成したクーポンコードを、取得クーポンテーブル207に追記録する(S1212)。
【0058】
[クーポン譲渡]
図13は、正規ユーザが他のユーザに直接対面して電子クーポンを譲渡する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS807及び図9のステップS901の詳細である。
正規ユーザである第一ユーザ106は、ゲストユーザである第二ユーザ107に対して、電子クーポンを譲渡したいと思い立ち、予めダウンロードした電子クーポンを選択し、表示部301に詳細表示する(S1301)。そして、第二ユーザ107に対して選択した電子クーポンを譲渡する操作を行う(S1302)。
第一ユーザ106の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、ステップS1302の操作を受けて、ワンタイムパスワードをクーポンサーバに要求する(S1303)。そして、表示部301に電子クーポンを送信中である旨を示すクーポン送信中表示画面を表示すると共に(S1304)、予めGPS受信部307が算出した現在地点の緯度及び経度と、ステップS1301で選択した電子クーポンのクーポンコードを伴って、ワンタイムパスワードの送信要求をクーポンサーバ102に送信する(S1305)。
【0059】
クーポンサーバ102は、第一ユーザ106の携帯型無線端末103から送信されたクーポンコードと緯度及び経度とワンタイムパスワードの送信要求を受信すると、先ずワンタイムパスワードを生成する。そして、受信したクーポンコードと緯度及び経度と共にワンタイムパスワード認証テーブル209に新規レコードとして追記すると共に、第一ユーザ106の携帯型無線端末103にワンタイムパスワードを送信する(S1306)。
第一ユーザ106の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、クーポンサーバ102からワンタイムパスワードを受信すると、これを表示部301に表示する(S1307)。
【0060】
第二ユーザ107は、第一ユーザ106の携帯型無線端末103がワンタイムパスワードを受信したことを受けて、第二ユーザ107の携帯型無線端末103の操作部302を操作して、ワンタイムパスワード入力画面を表示するための操作を行う(S1308)。すると、入出力制御部304は表示部301にワンタイムパスワード入力画面を表示する(S1309)。
【0061】
第二ユーザ107は、第一ユーザ106の携帯型無線端末103の表示部301に表示されているワンタイムパスワードを読むか、第一ユーザ106が読み上げたワンタイムパスワードを聞き取って、操作部302を操作して、ワンタイムパスワードを入力する(S1310)。表示部301に表示されている「送信」ボタンが押されると、第二ユーザ107の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、第二ユーザ107のユーザシリアルIDと、ステップS1311で入力されたワンタイムパスワードと、予めGPS受信部307が算出した現在地点の緯度及び経度を、クーポンサーバ102へ送信する(S1311)。
【0062】
クーポンサーバ102は、第二ユーザ107の携帯型無線端末103から送信された、第二ユーザ107のユーザシリアルIDと、ワンタイムパスワードと、第二ユーザ107の携帯型無線端末103の現在地点の緯度及び経度を受信すると、ワンタイムパスワード認証テーブル209を参照して、それら送信されたデータが電子クーポンを発行するに有効であるか否かを確認する。具体的には、先ず当該ワンタイムパスワードが有効であるか否かを確認する。つまり、ワンタイムパスワードのレコードが存在し、且つ有効な時間内に送信されたものであるか否かを確認する。次に、ワンタイムパスワードが有効であれば、受信した緯度及び経度が、ワンタイムパスワード認証テーブル209の当該レコードに記録されている緯度及び経度から所定の距離範囲内であるか否かを確認する。GPS測位は測位を行う場所によってその測位精度が大きく変化するので、一例として第一ユーザ106の位置から半径500メートルの範囲内に存在するか否かを確認する。
【0063】
以上の、ワンタイムパスワードの有効性と、緯度及び経度が所定の距離範囲内であることが満たされれば、クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、ワンタイムパスワード認証テーブル209の当該レコードに記載されているクーポンコードを基に、配布用の電子クーポンに係る新たなクーポンコードを生成する。そして、新たに生成したクーポンコードを配布クーポンテーブル208に追記録した上で、取得クーポンテーブル207にも追記録する。そして、当該電子クーポンに係るクーポンデータ701を、第二ユーザ107の携帯型無線端末103に送信する(S1312)。
【0064】
第二ユーザ107の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、クーポンサーバ102からクーポンデータ701を受信すると、これを所有クーポンテーブル309に追記録する(S1313)。
一方、クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、第一ユーザ106が第二ユーザ107にクーポンを譲渡したことを受けて、譲渡の基となった電子クーポンに特典を付与する。具体的には、取得クーポンテーブル207の該当するレコード(ステップS1303でクーポンサーバ102へ送信したクーポンコードに係るレコード)の、クーポン効果情報フィールドの内容を、所定のルールに従って変更する(S1314)。
【0065】
ある正規ユーザから他のユーザへ電子クーポンを譲渡すると、クーポンコードのユーザクーポン通し番号が1インクリメントする。譲り受けた電子クーポンのクーポンコードには、譲渡元のユーザのユーザシリアルID(クーポン発行ユーザシリアルID)が含まれている。
ゲストユーザが正規ユーザになったら、それまで正規ユーザから貰い受けた電子クーポンを他のユーザにも配布できることが望ましい。そこで、既にゲストユーザの頃に貰った電子クーポンのクーポンコードはそのままに、新たに譲渡する電子クーポンのクーポンコードには、正規ユーザとなった自らのユーザシリアルIDを含める。このようにクーポンサーバ102がクーポンコードを操作することで、ゲストユーザの頃に貰った電子クーポンを、正規ユーザとなることで他のユーザに配布できるようになる。すると、配布した電子クーポンの枚数だけ、割引率が上がる等の特典が付与されるので、ユーザは正規ユーザの恩恵を受けることができる。
つまり、ゲストユーザがすぐに正規ユーザになりたくなる機能を提示することで、クーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスの正規ユーザを効果的に増やすことができる。
【0066】
[クーポン使用]
図14は、正規ユーザから直接対面して電子クーポンを譲り受けたゲストユーザが、当該電子クーポンを使用してECサイト104で商品108を購入する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS809、S810及びS811の詳細である。
ゲストユーザである第二ユーザ107は、正規ユーザである第一ユーザ106から譲り受けた電子クーポンを利用するため、先ずクーポン詳細表示画面を表示部301に表示させる(S1401)。そして、操作部302に対し、電子クーポンを使用する操作を行う(S1402)。
電子クーポンの使用とは、電子クーポンのテキストに含まれているURLにwebブラウザでECサイト104にアクセスし、ECサイト104にて電子クーポンの効果を利用することを意味する。例えば、電子クーポンを用いて、商品108を購入する際に所定の割引率の適用を受ける、或は、商品108を購入する際に所定の景品の添付を受ける、等である。
入出力制御部304は、ステップS1402の電子クーポン使用操作を受けて、電子クーポンのテキストに含まれているURLを引数として、webブラウザを起動する(S1403)。この時、クーポンアプリは終了する。
URLにはECサイト104のcgiと、その引数として電子クーポンのクーポンコードが記述されている。一例としては、以下のようなURL文字列である。
【0067】
ECサイト104はGETメソッドで得たクーポンコードを抽出する(S1404)と、ECサイト104は当該クーポンコードが真正のものか否かを確認するため、クーポンサーバ102に問い合わせる(S1405)。これがクーポン与信要求である。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、クーポン与信要求を受けると、取得クーポンテーブル207を検索して、に問い合わせ対象のクーポンコードがあるか否かを確認する(S1406)。問い合わせ対象のクーポンコードが存在することが判明したら、クーポン管理部203は当該クーポンコードは真正のものである旨のメッセージと、クーポンの効果情報をECサイト104へ返信する。当該電子クーポンは割引率等の効果情報が変化している可能性があるので、電子クーポン使用時点における電子クーポンの効果情報をECサイト104へ送信することは必須である。
【0068】
ECサイト104は、クーポンサーバ102から返信されたクーポン与信結果とクーポン効果情報を受けて、当該電子クーポンを適用した、商品108購入のためのhtml文書を作成し、携帯型無線端末103へ送信する(S1407)。携帯型無線端末103は、ECサイト104から受信した、電子クーポンが適用されたhtml文書を表示する(S1408)。
【0069】
なお、ステップS1408において、電子クーポンが適用されたhtml文書によって表示部301に表示されるクーポン適用画面は、電子クーポンの効果情報等で変化する。例えば、特定の商品108に対してのみ所定の割引率が適用される場合は、当該商品108のwebページを表示する際に、価格が電子クーポン適用後の価格となる。一方、複数の商品108を購入し、その合計金額が所定の金額以上となった時に所定の割引率が適用される場合は、最終的な決済のwebページを表示する際に、価格が電子クーポン適用後の価格となる。
【0070】
第二ユーザ107は、操作部302に対し、商品108を購入する操作を行う(S1409)。第二ユーザ107の操作によって発生した商品108購入要求情報は、ECサイト104に送信される。ECサイト104は、受信した商品108購入要求情報に基づいて、電子クーポンを適用した商品108販売処理を行う(S1410)。
ECサイト104の処理結果を受けて、携帯型無線端末103はwebブラウザを終了する(S1411)。
【0071】
一方、ECサイト104はステップS1410にて電子クーポンが使用されたことを受け、クーポンサーバ102に対し、当該電子クーポンが使用されたことを報告する、クーポン消し込み要求を送信する(S1412)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203はクーポン消し込み要求を受けて、取得クーポンテーブル207を検索し、当該電子クーポンに係るレコードの未使用フラグフィールドを論理の「偽」に変更する、クーポン消し込み処理を行う(S1413)。
【0072】
[取得済クーポン一覧要求]
図15は、ユーザが所有する電子クーポンの一覧をクーポンサーバ102から取得する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS812及び図9のステップS907の詳細である。
ユーザ1021は操作部302を操作して、クーポンサーバ102に対して取得済クーポンの一覧を要求する操作を行う(S1501)と、入出力制御部304は所有クーポンテーブル309に存在する全レコードのうち、未使用フラグが論理の「真」であるレコードのクーポンコードを抽出し、取得済みクーポン一覧要求コマンドと共に送信する(S1502)。ここで、未使用フラグが論理の「真」であるレコードのクーポンコードのリストを、「クーポンリスト」と呼ぶ。
【0073】
携帯型無線端末103から送信された取得済みクーポン一覧要求コマンドとクーポンリスト(S1503)は、クーポンサーバ102のクーポン管理部203が受信する。クーポン管理部203は、取得クーポンテーブル207をクーポンリストと突き合わせてクーポンリストを更新した後、携帯型無線端末103のユーザシリアルID又はMACアドレスで絞り込み検索し、クーポンリストにないレコードをクーポンリストに追記録する。そして、更新されたクーポンリストを携帯型無線端末103に返信する(S1504)。
【0074】
クーポンサーバ102によって更新されたクーポンリスト(S1505)は、携帯型無線端末103が受信する。入出力制御部304は、クーポンリストを所有クーポンテーブル309にマージし、更新する(S1506)。そして、所有クーポンテーブル309から取得済クーポン一覧表示を表示部301に表示する(S1507)。
【0075】
[お気に入り申請]
図16は、電子クーポンを直接譲り受けたユーザが、電子クーポンを譲ってくれた正規ユーザに対し、お気に入り申請を行う処理の流れを示すタイムチャートである。図9のステップS903の詳細であると共に、図13のクーポン譲渡の後の処理になる。
正規ユーザから電子クーポンを直接譲り受けると、入出力制御部304は表示部301にクーポン受信完了を示すメッセージを表示する(S1601)。その後、ユーザ1021が操作部302を操作して所定の画面遷移操作を行う(S1602)と、入出力制御部304は表示部301にお気に入り申請画面を表示する(S1603)。
ユーザ1021は操作部302を操作して、お気に入りを申請するためのメッセージ等を入力した後、申請を実行する操作を行う(S1604)。すると、入出力制御部304は表示部301にお気に入り申請情報を送信中である旨の画面を表示した(S1605)後、お気に入り申請メッセージを送信する(S1606)。
お気に入り申請メッセージとは、ステップS1601にて表示した電子クーポンのクーポンコードと、ステップS1604にて入力したテキストメッセージと、ユーザシリアルIDである。
【0076】
クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、お気に入り申請メッセージを受信すると、お気に入りテーブル210と、取得クーポンテーブル207を参照する。具体的には、お気に入り申請メッセージに含まれているクーポンコードが取得クーポンテーブル207に存在するか否かを確認する。もし、取得クーポンテーブル207に、お気に入り申請メッセージに含まれているクーポンコードのレコードが存在していれば、当該お気に入り申請メッセージは、譲渡された電子クーポンのクーポンコードに基づいて作成された、真正のお気に入り申請情報である。そこで、このお気に入り申請メッセージをお気に入りテーブル210に追記録する(S1607)。そして、正常に追記録できた旨のリザルトコードを携帯型無線端末103に返信する。
リザルトコードを受信した携帯型無線端末103の入出力制御部304は、表示部301にお気に入り申請情報の送信を完了した旨の画面を表示する(S1608)。
なお、図16にて説明したお気に入り申請処理は、取得済みクーポン一覧画面からも実行できる。
【0077】
[お気に入り承認]
図17は、正規ユーザがお気に入り申請を承認する処理の流れを示すタイムチャートである。図9のステップS904の詳細である。
電子クーポンの譲渡を行った正規ユーザが、携帯型無線端末103の表示部301にお気に入り一覧を表示させるための操作を行う(S1701)と、入出力制御部304はお気に入りリスト310を要求するコマンドを、クーポンサーバ102に送信する(S1702)。
【0078】
クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、お気に入りリスト310を要求するコマンドを受信すると、要求されたお気に入り申請情報を携帯型無線端末103へ返信する(S1703)。
【0079】
携帯型無線端末103の入出力制御部304は、クーポンサーバ102から送信されたお気に入り申請情報(S1704)を受信して、表示部301に表示する(S1705)。正規ユーザは操作部302を操作して、表示部301に表示されたお気に入り申請ユーザのうち、お気に入りに設定しても良いと思ったユーザ1021の氏名等を選択し、お気に入りとして承認するための操作を行う(S1706)。
入出力制御部304は、操作部302からお気に入り承認のための操作情報を受けて、選択されたユーザ1021のクーポンコードを送信する(S1707)。
【0080】
クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、クーポンコードを受信すると、当該クーポンコードでお気に入りテーブル210のレコードを特定し、特定したレコードの承認済みフラグフィールドを論理の「真」に設定する(S1708)。
次に、お気に入り処理部204はお気に入りテーブル210を正規ユーザのユーザシリアルIDで絞り込み検索して、正規ユーザのお気に入りリスト310を作成する(S1709)。
クーポンサーバ102から送信されたお気に入りリスト310(S1710)は、携帯型無線端末103の入出力制御部304によって受信される。入出力制御部304は、表示部301にお気に入り一覧を表示する(S1711)。
【0081】
[クーポン配布]
図18及び図19は、正規ユーザが選択した電子クーポンを一人以上のお気に入りユーザにクーポンサーバ102を経由して配布する処理の流れを示すタイムチャートである。図9のステップS906の詳細である。
正規ユーザは、お気に入りユーザに配布したい電子クーポンの詳細を表示部301に表示させた状態(S1801)で、操作部302を操作して、電子クーポンをお気に入りユーザに配布するための操作を行う(S1802)。入出力制御部304は、表示部301に電子クーポンを直接譲渡するか或はクーポンサーバ102を経由して配布するかを選択するための画面を表示する(S1803)。そして、正規ユーザは操作部302を操作して、クーポンサーバ102を経由して電子クーポンをお気に入りに配布することを指示する操作を行う(S1804)。
【0082】
入出力制御部304は、操作部302から電子クーポンをお気に入りに配布することを指示する操作情報を受けて、クーポンサーバ102に対し、お気に入りリスト310を要求するコマンドを送信する(S1805)。クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、お気に入りリスト310を要求するコマンドを受信すると、お気に入りテーブル210を参照し、お気に入りリスト310を作成して(S1806)、携帯型無線端末103に返信する(S1807)。
携帯型無線端末103の入出力制御部304は、お気に入りリスト310を受信すると表示部301にお気に入りユーザの一覧を表示する(S1808)。
【0083】
正規ユーザは操作部302を操作して、表示部301に表示されているお気に入りユーザの一覧から、電子クーポンを配布したいユーザ1021を選択する(S1809)。そして、選択したお気に入りユーザを送信する操作を行うと、入出力制御部304は表示部301に電子クーポンを配布するお気に入りユーザ(配布先)のリストを送信中である旨の画面を表示する(S1810)。
【0084】
図19を参照して、処理の流れの説明を続ける。
ステップS1810でお気に入りユーザのリストを送信中である旨の画面を表示部301に表示した後、入出力制御部304は、それら選択されたユーザ1021に対し、配布する電子クーポンのクーポンコードを生成する(S1911)。生成するクーポンコードは、生成元となる電子クーポンのクーポンコードから、ユーザクーポン通し番号のみ1ずつインクリメントすることで生成する。
【0085】
ステップS1911にて入出力制御部304が生成したクーポンコードと電子クーポン配布先のユーザシリアルIDは、紐付けられた状態、つまりテーブルとしてクーポンサーバ102に送信される(S1912)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、このテーブルを受信すると、クーポンコードを配布クーポンテーブル208に登録した上で、クーポンコードとユーザシリアルIDを取得クーポンテーブル207に登録する(S1913)。そして、配布クーポンテーブル208に追記録したレコード数に応じて、その基となった電子クーポンである取得クーポンテーブル207のレコードに、特典を付与する(S1914)。
【0086】
ステップS1914にて特典付与処理を行ったことによって、取得クーポンテーブル207に記録されている、電子クーポン配布元となった電子クーポンのレコードの内容は更新されているので、クーポン管理部203は更新されたレコードの内容(クーポンデータ701)を携帯型無線端末103に送信する(S1915)。
携帯型無線端末103の入出力制御部304は、受信したクーポンデータ701を以て、所有クーポンテーブル309の該当レコードを上書きする(S1916)。そして、表示部301に配布先の送信を完了した旨のメッセージを表示して(S1917)、所定時間(例えば0.5秒間)経過後、表示部301に電子クーポンの詳細を表示する(S1918)。
【0087】
[画面推移]
図20は、携帯型無線端末103の画面推移を示す概略図である。また、この画面の推移を示す図20は、画面の状態遷移図でもある。
クーポンアプリを起動すると、携帯型無線端末103の表示部301にはトップメニュー画面P2001が表示される。
トップメニュー画面P2001の一番上にある「取得可能クーポン」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301には取得可能クーポン一覧画面P2002が表示される。取得可能クーポン一覧画面P2002には、取得可能な電子クーポンが一覧表示される。
【0088】
取得可能クーポン一覧画面P2002において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
取得可能クーポン一覧画面P2002において、表示されている電子クーポンの内の一つを選択する操作を行うと、選択した電子クーポンが未取得の電子クーポンであれば、取得可能クーポン詳細画面P2003が表示部301に表示される。取得可能クーポン詳細画面P2003には、取得可能クーポン一覧画面P2002において選択した、取得可能な電子クーポンの詳細情報と、ダウンロードボタン2051が表示される。
取得可能クーポン一覧画面P2002において、表示されている電子クーポンの内の一つを選択する操作を行うと、選択した電子クーポンが取得済みの電子クーポンであれば、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示部301に表示される。取得済みクーポン詳細画面P2004には、取得可能クーポン一覧画面P2002において選択した、取得済みの電子クーポンの詳細情報と、使うボタン2052と配るボタン2053が表示される。
【0089】
取得可能クーポン詳細画面P2003において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、取得可能クーポン一覧画面P2002が表示部301に表示される。
取得可能クーポン詳細画面P2003において、表示されている電子クーポンを上下に移動する操作を行うと、取得可能クーポン一覧画面P2002にて表示部301に表示されていた電子クーポン一覧の、次の電子クーポン又は前の電子クーポンの詳細情報が表示される。その際、未取得の電子クーポンであれば、取得可能クーポン詳細画面P2003が表示され、取得済みの電子クーポンであれば、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
取得可能クーポン詳細画面P2003において、ダウンロードボタン2051を押す操作を行うと、その時点で表示部301に表示中の電子クーポンをダウンロードすると共に、クーポンダウンロード中画面P2005が表示される。電子クーポンのダウンロードが完遂すると、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
【0090】
トップメニュー画面P2001の上から二番目にある「取得済クーポン」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301には取得済みクーポン一覧画面P2006が表示される。取得済みクーポン一覧画面P2006には、取得済みの電子クーポンが一覧表示される。一覧表示されている取得済みの電子クーポンのうちの一つを選択する操作を行うと、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
取得済みクーポン一覧画面P2006において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0091】
取得済みクーポン詳細画面P2004において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、取得済みクーポン一覧画面P2006が表示部301に表示される。
取得済みクーポン詳細画面P2004において、表示されている電子クーポンを上下に移動する操作を行うと、取得済みクーポン一覧画面P2006にて表示部301に表示されていた電子クーポン一覧の、次の電子クーポン又は前の電子クーポンの詳細情報が表示される。
取得済みクーポン詳細画面P2004において、表示されている電子クーポンを左右に移動する操作を行うと、クーポン裏面画面P2007が表示される。クーポン裏面画面P2007は、取得済みクーポン詳細画面P2004にて表示されている電子クーポンの裏面を示す画像とテキストを表示する画面である。
クーポン裏面画面P2007において、表示されている電子クーポンの裏面を左右に移動する操作を行うと、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
【0092】
取得済みクーポン詳細画面P2004において、使うボタン2052を押す操作を行うと、クーポンアプリが終了し、代わりにwebブラウザが起動する。webブラウザは選択した電子クーポンに係るECサイト104にアクセスし、ECサイト104の画面P2008が表示部301に表示される。こうして、電子クーポンを用いた電子商取引が可能になる。所定の電子商取引が終了すると、再びクーポンアプリが起動され、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0093】
取得済みクーポン詳細画面P2004において、配るボタン2053を押す操作を行うと、クーポン配布用画面P2009が表示部301に表示される。クーポン配布用画面P2009には、譲渡ボタン2055と配布ボタン2056が表示されている。
クーポン配布用画面P2009において、譲渡ボタン2055を押すと、GPS受信部307による現在地点情報とワンタイムパスワードを用いて、クーポンサーバ102を経由して目前の相手方に対してクーポンデータ701を送信する。つまり、電子クーポンを譲渡する。クーポンコードの送信中は、クーポン送信中画面P2010が表示部301に表示される。クーポンコードの送信を完遂すると、ワンタイムパスワード表示画面P2011が表示部301に表示される。ワンタイムパスワード表示画面P2011は、クーポンサーバ102から受信したワンタイムパスワードを表示部301に表示する画面である。
ワンタイムパスワード表示画面P2011に表示されている確認ボタン2054を押すと、取得済みクーポン一覧画面P2006が表示部301に表示される。
【0094】
クーポン配布用画面P2009において、配布ボタン2056を押す操作を行うと、後述する画面遷移を経て、送信完了確認画面P2012が表示部301に表示される。
送信完了確認画面P2012に表示されている確認ボタン2057を押すと、取得済みクーポン一覧画面P2006が表示部301に表示される。
【0095】
トップメニュー画面P2001の上から三番目にある「クーポン受信」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301にはワンタイムパスワード入力画面P2014が表示される。このワンタイムパスワード入力画面P2014では、電子クーポンを譲渡してくれる正規ユーザから、ワンタイムパスワードを教えて貰い、ワンタイムパスワードを入力する。この時、GPS受信部307が起動され、現在地点情報(緯度及び経度)が得られる。ワンタイムパスワードと現在地点情報をクーポンサーバ102へ送信すると、クーポンサーバからクーポンデータ701が返送される。クーポンデータ701の受信を完遂すると、受信完了確認画面P2015が表示部301に表示された後、後述する画面遷移を経て、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0096】
トップメニュー画面P2001の上から四番目にある「お気に入り」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301にはお気に入りユーザ一覧画面P2016が表示される。この、お気に入りユーザ一覧画面P2016から、お気に入りユーザの承認や削除等の管理を行う。
お気に入りユーザ一覧画面P2016において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0097】
図21は、携帯型無線端末103の画面推移を示す概略図である。図21は、図20に記述しきれなかった画面推移を示す。この画面の推移を示す図21も図20と同様に、画面の状態遷移図でもある。
クーポン配布用画面P2009において、配布ボタン2056を押す操作を行うと、お気に入りユーザ一覧画面P2101が表示される。お気に入りユーザ一覧画面P2101には、お気に入りユーザが一覧表示されると共に、送信ボタン2151が表示されている。
一覧表示されているお気に入りユーザから、取得済みクーポン詳細画面P2004で表示した電子クーポンを配布したいユーザ1021を一人以上選択して、送信ボタン2151を押すと、クーポンサーバ102に対して配布したい電子クーポンのクーポンコードと、選択したユーザ1021のユーザシリアルIDが送信される。クーポンコードと、選択したユーザ1021のユーザシリアルIDを送信している時は、表示部301にはクーポン配布中画面P2102が表示部301に表示され、送信が終わると、送信完了確認画面P2012が表示部301に表示される。
【0098】
図22は、携帯型無線端末103の画面推移を示す概略図である。図22は、図20に記述しきれなかった画面推移を示す。この画面の推移を示す図22も図20及び図21と同様に、画面の状態遷移図でもある。
【0099】
図22は、電子クーポンを受信した際の、詳細な画面推移を示す。図20のワンタイムパスワード入力画面P2014から受信完了確認画面P2015を経てトップメニュー画面P2001に戻る迄の詳細な画面推移である。
トップメニュー画面P2001の上から三番目にある「クーポン受信」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301にはワンタイムパスワード入力画面P2014が表示される。このワンタイムパスワード入力画面P2014では、電子クーポンを譲渡してくれる正規ユーザから、ワンタイムパスワードを教えて貰い、ワンタイムパスワードを入力する。この時、GPS受信部307が起動され、現在地点情報(緯度及び経度)が得られる。ワンタイムパスワードと現在地点情報をクーポンサーバ102へ送信すると、クーポンサーバからクーポンデータ701が返送される。クーポンデータ701の受信を完遂すると、受信完了確認画面P2015が表示部301に表示される。
受信完了確認画面P2015の下には、お気に入り申請チェックボックス2221が表示されている。お気に入り申請チェックボックス2221は、初期状態で既にチェックが入っている状態で表示される。つまり、初期状態で既に「クーポンを譲渡してくれた相手に対し、お気に入りの申請を行う」、つまりユーザ1021同士のお気に入りを増やすことを意図している。このお気に入り申請チェックボックス2221のチェックを外さずに、受信完了確認画面P2015を叩くと、お気に入り申請画面P2201が表示部301に表示される。
なお、お気に入り申請チェックボックス2221のチェックを外して受信完了確認画面P2015を叩くと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0100】
お気に入り申請画面P2201には、電子クーポンを譲渡してくれた相手に対してお気に入りユーザとして登録して欲しい旨のメッセージを書き込むための、テキスト入力欄2222が設けられている。ユーザ1021はテキスト入力欄2222にメッセージを書き込んだ後にお気に入り申請画面P2201を叩くと、携帯型無線端末103はクーポンコードと共に当該メッセージのテキストデータをクーポンサーバ102に送信する。その際、クーポンコードとテキストデータを送信している間は、お気に入り申請情報送信中画面P2202を表示部301に表示し、送信が終了したら、お気に入り申請情報送信完了画面P2203を所定時間(一例として0.5秒間)だけ表示した後、トップメニュー画面P2001を表示部301に表示する。
【0101】
上述の実施形態の他、以下のような応用例が考えられる。
(1)クーポンコードのクーポン発行会社コードは、クーポン通し番号がクーポンマスタ206においてユニークであれば、必ずしもクーポンコード内に存在しなくてもよい。
クーポンコードの思想は「クーポンサービス+クーポン発行ユーザシリアルID+ユーザクーポン通し番号」である。クーポンコードとは、電子クーポンがもたらすサービスを一意に識別するクーポンサービスと、当該クーポンサービスに属する電子クーポンを一意に識別するクーポン発行ユーザシリアルID及びユーザクーポン通し番号の組み合わせである。
【0102】
(2)ユーザ同士が直接会って電子クーポンを譲渡する方法としては、BlueTooth(登録商標)等の近距離無線インターフェースを用いる方法もある。この場合、クーポンサーバ102を経由せずに電子クーポンのクーポンデータをユーザ同士でやり取りすることとなるので、電子クーポンの譲渡を行った後、譲渡を行った正規ユーザが譲渡した電子クーポンのクーポンコードと譲渡相手のユーザシリアルIDを取得クーポンテーブル207及び配布クーポンテーブル208に追記録する、「クーポン有効化処理」が必要になる。
【0103】
(3)更に、電子クーポンの譲渡方法を、前述の実施形態にて用いたワンタイムパスワードの方法と、近距離無線インターフェースを用いる方法とを混在させることも可能である。BlueTooth(登録商標)の場合、現時点では一部の異機種同士のデータ送受信に非互換性が存在することが判明している。したがって、最初に近距離無線インターフェースを試みて、通信が失敗した場合にはワンタイムパスワードを用いる、という実施形態も可能である。
【0104】
(4)ゲストユーザ登録の際に用いるMACアドレスの代わりに、携帯型無線端末に設けられているデバイスIDを用いることもできる。これら情報は、携帯型無線端末を一意に識別する、個体識別情報として用いられる。
【0105】
本実施形態では、商取引促進システム101を開示した。
クーポンサーバから直接ユーザに電子クーポンを配布する際に、当該電子クーポンをユニークに識別するためのクーポンコードに、ユーザシリアルIDを含めた。更に、当該電子クーポンを所有する正規ユーザが他のユーザに電子クーポンを譲渡(他のユーザと直接対面して電子クーポンを譲渡する)又は配布(他のユーザと直接対面せずに電子クーポンを配布する)するために、クーポンコードにユーザクーポン通し番号を含めた。更に、電子クーポンを譲渡又は配布する度に、電子クーポンの効果が変化する仕組みを、クーポンサーバの機能として実装した。
このような、電子クーポンのクーポンコードの構造と、クーポンサーバの機能によって、電子クーポンは効果的にユーザに広まり、クーポン発行サービスの正規ユーザを増加させることが期待できる。また、これまでの電子クーポンとは明らかに異なる様々なバリエーションの機能を有することで、結果的に電子クーポンを介してクーポンサーバが提供するクーポン発行サービスを伴う電子商取引や実店舗の商取引が促進される。
【0106】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0107】
101…商取引促進システム、102…クーポンサーバ、103…携帯型無線端末、104…ECサイト、105…インターネット、106…第一ユーザ、107…第二ユーザ、108…商品、201…webサーバプログラム、202…ユーザ管理部、203…クーポン管理部、204…入り処理部、205…ユーザマスタ、206…クーポンマスタ、207…取得クーポンテーブル、208…配布クーポンテーブル、209…ワンタイムパスワード認証テーブル、210…入りテーブル、301…表示部、302…操作部、303…タッチパネル、304…入出力制御部、305…無線インターフェース、306…無線LANインターフェース、307…GPS受信部、308…設定ファイル、309…所有クーポンテーブル、310…お気に入りリスト、311…被お気に入りリスト、701…クーポンデータ、702…取得可能クーポンリスト、703…取得済クーポンリスト、821…アプリ配布サイト、1021…ユーザ、2051…ダウンロードボタン、2052…使うボタン、2053…配るボタン、2054…確認ボタン、2055…譲渡ボタン、2056…配布ボタン、2057…確認ボタン、2151…送信ボタン、2221…お気に入り申請チェックボックス、2222…テキスト入力欄
【技術分野】
【0001】
本発明は商取引促進システムに関する。
より詳細には、電子クーポンをユーザに提供し、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、クーポンサーバを中心とする商取引促進システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが一般市民に普及したことにより、電子商取引が一般消費者に広く普及していることは周知の通りである。電子商取引の技術が発達することにより、電子商取引で利用できる「電子クーポン」と呼ばれるデータの割引券も普及している。
一般的に電子クーポンと言われるものは、webサイト内にある所定のhtml文書をプリントアウトして店舗等に持参するものや、いわゆる携帯電話と呼ばれる携帯型無線端末の液晶表示画面に表示するもの等が周知である。
特許文献1は、電子クーポンに関する特許出願の一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−128774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの電子クーポンは、あくまでも電子クーポン配布サイトから直接ユーザに提供されており、ユーザ同士のクーポンの配布を許していない。
また、これまでの電子クーポンは所定の割引率の提供、或は所定の商品等の無料サービス等、予め定められた効果を提供するのみであり、それら定められた効果が変動することはない。
これは転じて、電子クーポンに娯楽性が皆無であることを意味する。
【0005】
本発明はかかる課題を解決し、娯楽性及び適切且つ適度な射幸性を備える電子クーポンをユーザに提供することにより、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、商取引促進システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の商取引促進システムは、電子クーポンが提供するサービスを一意に識別するクーポンサービスを有するクーポンマスタと、ユーザを一意に識別するユーザシリアルIDフィールドを有するユーザマスタと、クーポンサービスと、ユーザシリアルIDと、ユーザクーポン通し番号よりなるクーポンコードで電子クーポンを一意に識別して管理する取得クーポンテーブルと、第一ユーザが所望する第一の電子クーポンを第一ユーザの端末に発行すると共に、第一ユーザが所望する第二ユーザに第一の電子クーポンに基づく第二の電子クーポンを譲渡するために、第一の電子クーポンのクーポンコードに含まれるユーザクーポン通し番号を変化させて新たなクーポンコードを有する第二の電子クーポンを生成して、取得クーポンテーブルに登録する、クーポン管理部とを具備する。
【0007】
電子クーポンは、クーポンコードで一意に識別される。クーポンコードは、電子クーポンが提供するサービスを一意に識別するクーポンサービスと、ユーザを一意に識別するユーザシリアルIDと、ユーザクーポン通し番号よりなる。電子クーポンをユーザ同士で譲渡する際、ユーザクーポン通し番号が変化する。したがって、クーポンコードの一意性が取得クーポンテーブル上で確保される。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、娯楽性及び適切且つ適度な射幸性を備える電子クーポンをユーザに提供し、電子商取引のみならず一般商取引を促進する、商取引促進システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る商取引促進システムの概略図である。
【図2】クーポンサーバの機能ブロック図である。
【図3】携帯型無線端末の機能ブロック図である。
【図4】クーポンサーバのテーブルのフィールド構成を示す図である。
【図5】クーポンサーバのテーブルのフィールド構成を示す図である。
【図6】携帯型無線端末のテーブルのフィールド構成を示す図である。
【図7】クーポンサーバと携帯型無線端末同士で送受信されるデータのフィールド構成を示す図である。
【図8】ゲストユーザが電子クーポンを使用する迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。
【図9】お気に入り申請と、お気に入り承認と、電子クーポン配布に至る迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。
【図10】クーポンアプリを携帯型無線端末にインストールしたユーザがクーポンアプリを最初に実行した時の初期動作として、MACアドレスをクーポンサーバに登録することにより、ゲストユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図11】ゲストユーザがクーポンサーバに所定の個人情報を登録し、クーポンサービスの正規ユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図12】正規ユーザがクーポンサーバから所望の電子クーポンをダウンロードする処理の流れを示すタイムチャートである。
【図13】正規ユーザが他のユーザに直接対面して電子クーポンを譲渡する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図14】正規ユーザから直接対面して電子クーポンを譲り受けたゲストユーザが、当該電子クーポンを使用してECサイトで商品を購入する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図15】ユーザが所有する電子クーポンの一覧をクーポンサーバから取得する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図16】電子クーポンを直接譲り受けたユーザが、電子クーポンを譲ってくれた正規ユーザに対し、お気に入り申請を行う処理の流れを示すタイムチャートである。
【図17】正規ユーザがお気に入り申請を承認する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図18】正規ユーザが選択した電子クーポンを一人以上のお気に入りユーザにクーポンサーバを経由して配布する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図19】正規ユーザが選択した電子クーポンを一人以上のお気に入りユーザにクーポンサーバを経由して配布する処理の流れを示すタイムチャートである。
【図20】携帯型無線端末の画面推移を示す概略図である。
【図21】携帯型無線端末の画面推移を示す概略図である。
【図22】携帯型無線端末の画面推移を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の概要]
本実施形態では、商取引促進システムを開示する。商取引促進システムは、クーポンサーバ、クーポンを利用するユーザの携帯型無線端末、そして電子商取引サイト或は実店舗で構成される。これらはインターネットを通じて電子クーポンに関するデータの送受信が可能である。
クーポンサーバは会員制の電子クーポンを発行する。正規ユーザはクーポンサーバから直接電子クーポンを取得できる。
これに加え、正規ユーザは他の正規ユーザのみならずゲストユーザに対してもクーポンを配布することができる。したがって、正規ユーザでなくても電子クーポンを利用できる。更に、正規ユーザは他人にクーポンを配布することで、クーポンの割引率が上がる等の恩恵を受ける。
また、電子クーポンをユーザ同士で譲渡する際、電子クーポンにくじ引き等の簡易ゲーム機能を持たせることで、クーポンを配布する意欲(incentive: インセンティブ)が増加する。
このように、電子クーポンに娯楽性と適切且つ適度な射幸性を提供する機能を持たせることで、これまでより電子クーポンの普及を飛躍的に増加させることが期待できる。
【0011】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る商取引促進システムの概略図である。
商取引促進システム101は、クーポンサーバ102と、クーポンを利用するユーザの携帯型無線端末103と、そして電子商取引サイト(以下「ECサイト」と略)104で構成される。これらはインターネット105を通じて電子クーポンに関するデータの送受信が可能である。なお、図1では第一ユーザ106が携帯型無線端末103aを所持し、第二ユーザ107が携帯型無線端末103bを所持している。これ以降、携帯型無線端末103a及び携帯型無線端末103bを総称する際に、携帯型無線端末103と記す。
クーポンサーバ102は周知のTLS/SSLを用いた暗号化通信が可能なwebサーバであると共に、電子クーポンとこれを利用するユーザを管理するデータベースサーバでもある。クーポンサーバ102はクーポンサービス会社が運営する。クーポンサービス会社はクーポンサーバ102を通じて、複数の電子商取引サービスを利用する際に使える電子クーポンを提供する、クーポン発行サービスを提供している。
携帯型無線端末103は、近年急速に普及しているスマートフォンが好ましい。ユーザ同士で電子クーポンを譲渡する際、タッチパネルを構成する表示画面を指でなぞる操作を行うことで、クーポンサーバ102を介した電子クーポンの譲渡を実現する。このような直感的な操作にはタッチパネルを有していることが好ましい。また、スマートフォンには後述する無線LANインターフェースが標準的に搭載されているので、クーポンサーバ102はユーザ登録の際に無線LANインターフェースに付与されているMACアドレスを利用する。
これ以降、本実施形態においてユーザが使用する携帯型無線端末103はスマートフォンであることを前提に説明する。
【0012】
クーポンサーバ102が提供する電子クーポンは、携帯型無線端末103にインストールされて実行される、電子クーポン専用のアプリケーションプログラムによって、携帯型無線端末103内に保存され、管理される。これ以降、このアプリケーションプログラムを「クーポンアプリ」と称する。
携帯型無線端末103は、クーポンアプリを実行することにより、電子クーポンを管理し、またこれを使用する、電子商取引端末として機能する。
【0013】
図1中、第一ユーザ106はクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスの正規ユーザである。第一ユーザ106は固有のログインIDを持ち、クーポンアプリを用いてクーポンサーバ102にログインすることで、クーポンサーバ102から直接電子クーポンを入手できる。そして、クーポンサーバ102から入手した電子クーポンを、他のユーザに譲り渡すこともできる。この時、電子クーポンは他のユーザに移動するのではなく、電子クーポンの複写(コピー)が他のユーザに譲り渡され、オリジナルの電子クーポンは携帯型無線端末103内に残る。
また、正規ユーザである第一ユーザ106は、他の正規ユーザから電子クーポンを譲り受けることもできる。
【0014】
図1中、第二ユーザ107はクーポン発行サービスのゲストユーザである。つまり、クーポン発行サービスの正規会員ではなく、携帯型無線端末103にクーポンアプリをインストールして実行しただけのユーザである。したがって、第一ユーザ106とは異なり、第二ユーザ107はクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスにおいて固有のログインIDを持たない。このため、クーポンアプリを用いてクーポンサーバ102にログインしても、クーポンサーバ102から直接電子クーポンを入手できない。
しかし、第二ユーザ107は正規ユーザである第一ユーザ106から、電子クーポンを譲り受けることができる。そして、譲り受けた電子クーポンは正規ユーザと同様に使用することができるので、第二ユーザ107はECサイト104にアクセスして、商品108を購入する際に購入価格に対する所定の割引サービスを享受できる。
【0015】
第二ユーザ107が第一ユーザ106から電子クーポンを譲り受けるには、二通りの方法がある。
一つは、周知のGPSシステムでユーザの存在する地域的範囲を限定した上で、第一ユーザ106からクーポンサーバ102を通じて、第二ユーザ107が電子クーポンを譲り受ける方法である。つまり、第一ユーザ106は第二ユーザ107に直接対面して、電子クーポンを譲渡する。
もう一つは、予め第一ユーザ106が第二ユーザ107を自らの「お気に入り」として認識し、クーポンサーバ102に登録した上で、第一ユーザ106からクーポンサーバ102を通じて、「お気に入り」である第二ユーザ107に電子クーポンを譲り渡す方法である。つまり、第一ユーザ106は第二ユーザ107に直接対面することなく、電子クーポンを配布できる。
【0016】
クーポン発行サービスの正規会員である第一ユーザ106が、電子クーポンを他のユーザに配布する際、相応の特典が付帯すると好ましい。そこで、電子クーポンを配布すると、電子クーポンに備わっている効果が変動するように、クーポンサーバ102を構成する。一例としては、商品108購入の際に適用される割引率を、電子クーポン配布枚数に応じて上昇させる、等である。このように、電子クーポンに備わっている効果を変動させると、ユーザにとってはいわゆる「お得感」が増加するので、電子クーポンを配布する意欲が増加する。
ここで注意すべきは、変動する効果はあくまでも割引率等の、商品108購入に係る効果であり、ユーザに対して直接金銭を授受しないことである。電子クーポンの割引率等の上限を適切に設定すれば、法的な安定性を担保しつつ、適度な射幸性も醸しだすことができる。
【0017】
以上の説明より明らかなように、クーポンサーバ102と携帯型無線端末103上で稼働するクーポンアプリは、
・会員が非会員に電子クーポンを直接配布する機能と、
・非会員が譲り受けた電子クーポンを利用できる機能と、
・会員が電子クーポンを直接配布した際、電子クーポンの効果が変動する機能と、
・会員が対面していない非会員に電子クーポンを配布する機能
を提供する。
【0018】
[クーポンサーバ102]
図2は、クーポンサーバ102の機能ブロック図である。
クーポンサーバ102は暗号化通信が可能なwebサーバであると共に、電子クーポンとこれを利用するユーザを管理するデータベースサーバでもある。webサーバとしての機能は、webサーバプログラム201によって提供される。webサーバプログラム201はインターネット105を通じてユーザの携帯型無線端末103から送信される種々の要求を受信し、要求の種類に応じてcgi(Common Gateway Interface)であるユーザ管理部202、クーポン管理部203、お気に入り処理部204を実行する。
【0019】
クーポンサーバ102は会員制の電子クーポンを発行する。このためクーポンサーバ102は、ユーザ管理部202を通じて、正規ユーザを登録し、管理するためのユーザマスタ205を備える。なお、電子クーポンをゲストユーザにも利用できるようにするため、ユーザマスタ205はゲストユーザも管理する機能を備えている。
【0020】
クーポンサーバ102は会員制の電子クーポンを発行すると共に、会員同士又は会員からゲストユーザへの、電子クーポンを譲渡する機能を提供する。このためクーポンサーバ102は、クーポン管理部203を通じて、クーポン発行会社が発行する電子クーポンを識別するためのクーポンマスタ206と、正規ユーザ及びゲストユーザが所有する電子クーポンを管理するための取得クーポンテーブル207と、正規ユーザが他の正規ユーザ又はゲストユーザに電子クーポンを配布した事実を記録するための配布クーポンテーブル208を備える。
【0021】
クーポンサーバ102はクーポンサーバ102自体を通じて、会員が目前に居る会員又はゲストユーザへ、電子クーポンを譲渡する機能を提供する。その際、電子クーポン譲渡元の会員の目前に譲渡相手の会員又はゲストユーザが存在することを確認する必要がある。このためクーポンサーバ102は、GPSシステムでユーザの存在する地域的範囲を限定した上で、ワンタイムパスワードを用いて電子クーポンを譲り受けるための、ワンタイムパスワード認証テーブル209を備える。
【0022】
クーポンサーバ102はクーポンサーバ102自体を通じて、会員同士又は会員からゲストユーザへの、電子クーポンを配布する機能を提供する。その際、ある会員が電子クーポンを配布しても良いと認める相手を特定できる必要がある。このためクーポンサーバ102は、お気に入り処理部204を通じて、正規ユーザが認めるお気に入りの相手ユーザを管理すると共に、電子クーポンを直接譲り受けたユーザが自らをお気に入りにして欲しい旨の申請を行うための、お気に入りテーブル210を備える。
【0023】
[携帯型無線端末103]
図3は、携帯型無線端末103の機能ブロック図である。
スマートフォンである携帯型無線端末103は、周知のマイコンで構成される携帯型電子機器である。このマイコンにクーポンアプリを読み込ませ、実行することで、本実施形態の商取引促進システム101における電子商取引端末として機能する。
LCD(液晶表示装置)である表示部301と、LCDの表面を覆う透明電極の座標入力装置である操作部302は、表示部301と操作部302が重なって組み合わされることで周知のタッチパネル303を構成する。表示部301と操作部302は入出力制御部304に接続される。ユーザは操作部302を操作することで、入出力制御部304を通じて表示部301に所定の画面を表示する。
なお、操作部302は透明電極の座標入力装置以外に、周知の押釦スイッチやメンブレンスイッチ等も存在するが、それらスイッチ類も操作部302に包含されるものとする。
【0024】
入出力制御部304には、携帯電話網に接続するための無線インターフェース305と、無線LANに接続するための無線LANインターフェース306と、現在地点の緯度及び経度のデータを得るためのGPS受信部307が接続されている。
入出力制御部304は、無線インターフェース305と無線LANインターフェース306のいずれかを用いて、インターネット105と、その先に存在するクーポンサーバ102及びECサイト104に接続する。
また、無線LANインターフェース306には周知のMACアドレスを内包する。このMACアドレスはクーポンサーバ102にユーザ登録を行う際に用いられる。
更に、入出力制御部304は、
・クーポンアプリの動作状態を決定するための設定ファイル308と、
・ユーザが所有する電子クーポンを記録して管理する所有クーポンテーブル309と、
・正規ユーザのお気に入りユーザを記録して管理するお気に入りリスト310と、
・ユーザがお気に入りとして登録して貰った相手ユーザを記録して管理する被お気に入りリスト311と
に対し、情報の読み書きを実行する。
【0025】
なお、殆どの場合、携帯型無線端末103は通話を実現するためのマイクとスピーカを備えるが、本実施形態には無関係なので割愛している。つまり、通話機能がない端末であっても、インターネット105に接続でき、クーポンアプリが実行できるコンピュータであればよい。したがって、携帯型無線端末103は、近年急速に普及しているタブレット型端末や、ノート型パソコンであってもよい。
【0026】
[クーポンサーバ102のテーブル]
図4及び図5は、クーポンサーバ102のテーブルのフィールド構成を示す図である。
ユーザマスタ205は、MACアドレスフィールドと、ユーザシリアルIDフィールドと、ログインIDフィールドと、パスワードフィールドと、氏名フィールドと、メールアドレスフィールドと、その他個人情報フィールドを備える。
MACアドレスフィールドには、無線LANインターフェース306のMACアドレスが格納される。これは、ゲストユーザを一時的に一意に識別するために用いられる。
ユーザシリアルIDフィールドには、正規ユーザ及びゲストユーザを一意に識別するための、自然数よりなるユーザシリアルIDが格納される。
ログインIDフィールドには、正規ユーザがクーポンサーバ102のサービスを受けるためにログインする際に使用する、正規ユーザを一意に識別できる英数文字列よりなるログインIDが格納される。
パスワードフィールドには、正規ユーザの認証に用いられるパスワード或はそのハッシュ文字列が格納される。
氏名フィールドには正規ユーザの氏名或は本人が希望して登録するニックネームが格納される。
メールアドレスフィールドには正規ユーザのメールアドレスが格納される。
その他個人情報フィールドには正規ユーザの住所や年齢、性別や職業等、種々の個人情報が格納される。なお、これら個人情報の記入はユーザの任意であり、必須ではない。
【0027】
正規ユーザはログインIDフィールドに有意なログインIDが格納されている一方、ゲストユーザはログインIDフィールドが空欄、或はゲストを示す所定のIDが格納されると共に、パスワードフィールド、氏名フィールド、メールアドレスフィールド及びその他個人情報フィールドが空欄である。したがって、ログインIDフィールド又はパスワードフィールドを見ることで、当該レコードに係るユーザが正規ユーザかゲストユーザであるかを識別できる。
【0028】
クーポンマスタ206は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、配布条件フィールドと、クーポン効果情報フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドには、電子クーポンを発行するECサイト104を運営する会社を一意に識別する、クーポン発行会社コードが格納される。
クーポン通し番号フィールドには、クーポンマスタ206のレコードを一意に識別する、クーポン通し番号が格納される。
これ以降、クーポン発行会社コードとクーポン通し番号を組み合わせた情報を、クーポンサービスと呼ぶ。クーポンサービスとは、「あるクーポン発行会社が提供する一つの電子クーポンによるサービス」を意味する。例えば、「衣料販売会社がECサイト104内取扱い商品を10%割引する」「ファストフード店が特定のハンバーガーを半額割引する」等の、電子クーポンの種類そのものである。
有効期限フィールドには、電子クーポンの有効期限が格納される。
【0029】
配布条件フィールドには、電子クーポンに関する様々な情報が格納される。例えば、当該電子クーポンは
・変動する割引率を提供するもの(変動割引型電子クーポン)なのか、
・電子クーポン所有者全員に所定の景品を提供するもの(景品提供型電子クーポン)なのか、
・くじ引きや抽選等のゲームやイベント等を伴って、電子クーポン所有者の一部に所定の景品或はサービスを提供するもの(抽選型電子クーポン)なのか、
というような、電子クーポンの種別が格納される。
【0030】
更に、変動割引型電子クーポンの場合であれば、配布に伴って割引率はどのように変動するのか、初期割引率と最大割引率は何%なのか等の、電子クーポンの条件情報が格納される。
同様に、抽選型電子クーポンの場合は、抽選機能を備えているクーポンアプリであるか否かをチェックするための、必要バージョン情報等が格納される。例えば、クーポンアプリがある時点でバージョンアップする前は抽選機能を備えていないが、バージョンアップによって抽選機能を備えた場合、抽選型電子クーポンはその抽選機能を有するバージョンのクーポンアプリでのみ利用可能である。したがって、バージョンチェックを行って、必要な場合にはクーポンアプリのバージョンアップをユーザに促す必要が生じる。
このように、配布条件フィールドには、電子クーポンがもたらす効果と、その効果に伴う必要な情報が格納される。
【0031】
クーポン効果情報フィールドには、電子クーポンの効果に関する情報が格納される。前述の変動割引型電子クーポンの場合は、主に初期割引率が格納される。
テキストフィールドには、電子クーポンの詳細情報を携帯型無線端末103の表示部301に表示する際に、表示部301に表示するテキストが格納される。
画像フィールドには、電子クーポンの詳細情報を携帯型無線端末103の表示部301に表示する際に、表示部301に表示する画像が格納される。
なお、テキストフィールド及び画像フィールドは、独立したファイルであってもよい。その場合、ファイル名は一意に識別するために「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号」とすると、当該レコードと容易に紐付けられる。
つまり、クーポンマスタ206のレコードを一意に識別する情報は、「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号」の組み合わせ、すなわちクーポンサービスである。
【0032】
取得クーポンテーブル207は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、クーポン効果情報フィールドと、取得日時フィールドと、クーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、配布条件フィールドと、クーポン効果情報フィールドは、クーポンマスタ206の同名のフィールドと同じ内容である。
【0033】
クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドには、クーポンサーバ102から電子クーポンを直接受け取った正規ユーザのユーザシリアルIDが格納される。
ユーザクーポン通し番号フィールドには、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されているユーザシリアルIDの正規ユーザが、他のユーザに当該電子クーポンを配布する際にインクリメントする、通し番号が格納される。オリジナルの電子クーポンの場合、このフィールドの値は「0」であり、当該電子クーポンの最大配布可能枚数がこのフィールドの値の最大値になる。
【0034】
未使用フラグフィールドには、当該電子クーポンが使用されていないか否かを識別する未使用フラグが格納される。当該電子クーポンが使用されると、未使用フラグフィールドは論理の「真」から「偽」に転換する。したがって、未使用フラグフィールドは状況に応じて内容が変動するフィールドである。
取得日時フィールドには、当該電子クーポンを取得した日時情報が格納される。
クーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドには、当該ユーザのユーザシリアルIDが格納される。
【0035】
前述のように、クーポン効果情報フィールドには、電子クーポンの効果に関する情報が格納される。前述の変動割引型電子クーポンの場合は、初期値として初期割引率が格納される。その後、正規ユーザが他のユーザに電子クーポンを配布すると、割引率が増加する等の変動が生じるので、このフィールドの内容が変化する。
したがって、クーポン効果情報フィールドも未使用フラグフィールドと同様に、状況に応じて内容が変動するフィールドである。
【0036】
取得クーポンテーブル207のレコードを一意に識別する情報は、「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号+クーポン発行ユーザシリアルID+ユーザクーポン通し番号」の組み合わせである。これ以降、この四つのフィールドの組み合わせを、電子クーポンを一意に識別する情報として「クーポンコード」と称する。クーポンコードは、前述の説明にあったクーポンサービスを内包する。
取得クーポンテーブル207は、クーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドに記載されているユーザ(正規ユーザ及びゲストユーザ)が所有する電子クーポンが記録されている。したがって、取得クーポンテーブル207のクーポン所有者ユーザシリアルIDフィールドを、所望のユーザシリアルIDで絞り込むと、当該ユーザが所有する全ての電子クーポンに関する情報を取得できる。
【0037】
配布クーポンテーブル208は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、配布日時フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールド、すなわちクーポンコードは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
配布日時フィールドには、当該電子クーポンを譲渡した日時情報が格納される。
配布クーポンテーブル208は、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されている正規ユーザが電子クーポンを配布した事実が記録されている。したがって、配布クーポンテーブル208のクーポン発行ユーザシリアルIDフィールドを、所望のユーザシリアルIDで絞り込むと、当該ユーザが他のユーザに配布した全ての電子クーポンに関する情報を取得できる。
【0038】
図5を参照して、クーポンサーバ102のテーブルのフィールド構成の説明を続ける。
お気に入りテーブル210は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、相手ユーザシリアルIDフィールドと、承認済みフラグフィールドと、承認依頼時コメントフィールドと、承認日時フィールドと、登録日時フィールドと、更新日時フィールドと、削除日時フィールドよりなる。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールド、すなわちクーポンコードは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
相手ユーザシリアルIDフィールドには、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されている正規ユーザに対してお気に入りを申請するユーザである相手の、ユーザシリアルIDが格納される。
承認済みフラグフィールドには、相手ユーザシリアルIDフィールドに記載されている、お気に入りを申請するユーザが、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドに記載されている正規ユーザによってお気に入りとして承認されたか否かを示すフラグが格納される。
承認依頼時コメントフィールドには、相手ユーザシリアルIDフィールドに記載されている、お気に入りを申請するユーザが、お気に入りを申請する際に相手に添えるテキストメッセージが格納される。
承認日時フィールドには、相手ユーザシリアルIDフィールドに記載されている、お気に入りを申請するユーザが、お気に入りを申請した日時が格納される。
登録日時フィールドには、お気に入りユーザを登録した日時が格納される。
更新日時フィールドには、お気に入りユーザを更新した日時が格納される。
削除日時フィールドには、お気に入りユーザを削除した日時が格納される。
【0039】
ワンタイムパスワード認証テーブル209は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、クーポン配布ユーザ緯度フィールドと、クーポン配布ユーザ経度フィールドと、ワンタイムパスワードフィールドと、発行日時フィールドと、失効日時フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールド、すなわちクーポンコードは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
クーポン配布ユーザ緯度フィールドには、クーポンコードに係る電子クーポンを配布するユーザの現在地を、GPSで測定した緯度が格納される。
クーポン配布ユーザ経度フィールドには、クーポンコードに係る電子クーポンを配布するユーザの現在地を、GPSで測定した経度が格納される。
ワンタイムパスワードフィールドには、クーポンコードに係る電子クーポンを配布するユーザが電子クーポンを配布する際に用いるワンタイムパスワードが格納される。
発行日時フィールドには、ワンタイムパスワードフィールドに格納されるワンタイムパスワードを発行した日時が格納される。
失効日時フィールドには、ワンタイムパスワードフィールドに格納されるワンタイムパスワードが失効する日時が格納される。
周知のように、ワンタイムパスワードは有効期間を極短期間に設定することで、セキュリティ面におけるパスワードとしての強度を確保している。本実施形態のワンタイムパスワードも例外ではなく、一例としてワンタイムパスワードの有効期間を10分に設定している。
【0040】
[携帯型無線端末103のテーブル]
図6は、携帯型無線端末103のテーブルのフィールド構成を示す図である。
所有クーポンテーブル309は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドと、取得日時フィールドを備える。
クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドは、前述のようにクーポンコードである。
有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、取得日時フィールドは、取得クーポンテーブル207の同名のフィールドと同じ内容である。
テキストフィールドと、画像フィールドは、クーポンマスタ206の同名のフィールドと同じ内容である。なお、テキストフィールド及び画像フィールドは、独立したファイルであってもよい。その場合、ファイル名は一意に識別するために「クーポン発行会社コード+クーポン通し番号」とすると、当該レコードと容易に紐付けられる。
【0041】
お気に入りリスト310は、相手ユーザシリアルIDフィールドと、相手氏名又は名称フィールドと、登録年月日フィールドよりなる。
これらフィールドは、お気に入りテーブル210の同名のフィールドと同じ内容である。つまり、お気に入りリスト310は、お気に入りテーブル210を当該携帯型無線端末103の所有者のユーザシリアルIDで絞り込んだ内容である。
被お気に入りリスト311は、相手ユーザシリアルIDフィールドと、相手氏名又は名称フィールドと、登録年月日フィールドよりなる。
被お気に入りリスト311はその名の通り、お気に入りリスト310の逆の立場を記録するテーブルである。つまり、相手ユーザシリアルIDフィールドに格納されるユーザシリアルIDの正規ユーザが、当該携帯型無線端末103の所有者をお気に入りに登録したことを示す。被お気に入りリスト311は、既にお気に入り登録をしてくれた相手ユーザに対して、誤って重複してお気に入り申請をしないためのリストである。
【0042】
[クーポンサーバ102と携帯型無線端末103同士で送受信されるデータ]
図7は、クーポンサーバ102と携帯型無線端末103同士で送受信されるデータのフィールド構成を示す図である。
クーポンデータ701は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。
クーポンデータ701の全てのフィールドは、所有クーポンテーブル309の同名フィールドと同じ内容である。すなわち、クーポンデータ701のフィールドは、所有クーポンテーブル309のうち取得日時フィールドがない以外は全て同じである。
【0043】
取得可能クーポンリスト702は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。
取得可能クーポンリスト702の全てのフィールドは、クーポンマスタ206の同名フィールドと同じ内容である。すなわち、取得可能クーポンリスト702のフィールドは、クーポンマスタ206のうち有効期限フィールドと、クーポン効果情報フィールドがない以外は全て同じである。
【0044】
取得済クーポンリスト703は、クーポン発行会社コードフィールドと、クーポン通し番号フィールドと、クーポン発行ユーザシリアルIDフィールドと、ユーザクーポン通し番号フィールドと、有効期限フィールドと、未使用フラグフィールドと、配布条件フィールドと、テキストフィールドと、画像フィールドを備える。なお、レコードによってはテキストフィールドと画像フィールドがない場合もある。
取得済クーポンリスト703の全てのフィールドは、所有クーポンテーブル309の同名フィールドと同じ内容である。すなわち、取得済クーポンリスト703のフィールドは、所有クーポンテーブル309のうち取得日時フィールドがない以外は全て同じである。
【0045】
[処理の流れの全体像]
図8は、ゲストユーザが電子クーポンを使用する迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。これ以降のタイムチャートは全て、時間軸が上から下へ推移する。
先ず、電子クーポンを利用するためには、携帯型無線端末103にクーポンアプリをインストールする必要がある。このため、第一ユーザ106及び第二ユーザ107は夫々、携帯型無線端末103用アプリケーションプログラム配布サイト(以下「アプリ配布サイト」)821にアクセスして、クーポンアプリをダウンロードし、インストールする(S801、S802)。
【0046】
次に、第一ユーザ106が最初にクーポンアプリを実行すると、クーポンアプリは初期動作としてクーポンサーバ102にアクセスし、携帯型無線端末103のMACアドレスをクーポンサーバ102に登録する(S803)。こうして、第一ユーザ106はクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスのゲストユーザになる。
次に、第二ユーザ107も第一ユーザ106と同様に、最初にクーポンアプリを実行すると、前述の第一ユーザ106の時と同じ処理が行われ、第二ユーザ107もクーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスのゲストユーザになる(S804)。
その後、第一ユーザ106はクーポンアプリ上で所定の操作を経て、クーポンサーバ102に所定の個人情報を登録し、クーポン発行サービスの正規ユーザとなる(S805)。
【0047】
次に、正規ユーザとなった第一ユーザ106は、クーポンアプリを通じてクーポンサーバ102にアクセスし、所望する電子クーポンをダウンロードする(S806)。そして、ゲストユーザである第二ユーザ107に対し、直接対面して、電子クーポンの譲渡を行う(S807)。その際、第一ユーザ106が譲渡する電子クーポンは、クーポンアプリを通じて第二ユーザ107に譲渡される。この譲渡によって、第一ユーザ106が所有する電子クーポンの割引率が上昇するという特典が付与される。
【0048】
次に、第一ユーザ106からクーポンを譲り受けた第二ユーザ107は、電子クーポンに埋め込まれているECサイト104のURL(Uniform Resource Locator)を用いて、webブラウザを起動し、ECサイト104にwebブラウザでアクセスし、譲り受けた電子クーポンによってもたらされる割引率にて、ECサイト104上で所望する商品108を購入する(S809)。
この間、第二ユーザ107がECサイト104へアクセスする際にECサイト104とクーポンサーバ102との間では、第二ユーザ107が使おうとする電子クーポンが真正のものか否かを確認するために、電子クーポンの与信が行われる(S810)。そして、商品108購入が完遂したら、ECサイト104とクーポンサーバ102との間では、第二ユーザ107が使った電子クーポンに使用済みである旨を記入するめに、電子クーポンの消し込みが行われる(S811)。
【0049】
第二ユーザ107は、電子クーポンを使用した後、クーポンアプリ上で所定の操作を経て、所有する電子クーポンの一覧を確認すると、クーポンサーバ102から最新の電子クーポン一覧が返信される(S812)。その際、消し込みが遂行された電子クーポンには「使用済み」である旨を示す情報が含まれる。
【0050】
図9は、お気に入り申請と、お気に入り承認と、電子クーポン配布に至る迄の処理の流れの概略を示すタイムチャートである。
電子クーポンの譲渡(S901)を受けた第二ユーザ107は、電子クーポンに含まれる第一ユーザ106のユーザシリアルIDを基に、第一ユーザ106に対してお気に入りを申請する(S903)。お気に入り申請を示す情報はクーポンサーバ102に登録される。第一ユーザ106はクーポンサーバ102から当該お気に入り申請の情報の存在を知ると、第二ユーザ107をお気に入りとして承認する(S904)。
一旦お気に入りとしてクーポンサーバ102に登録されれば、第一ユーザ106は第二ユーザ107に直接会わなくても、クーポンサーバ102を通じて所望の電子クーポンを第二ユーザ107に配布することができる(S905、S906)。そして、第二ユーザ107は、電子クーポンを配布してくれた第一ユーザ106が目の前に居なくても、クーポンサーバ102にアクセスして配布された電子クーポンを受け取ることができる(S907)。
【0051】
[MACアドレス登録(ゲストユーザ登録)]
図10は、クーポンアプリを携帯型無線端末103にインストールしたユーザがクーポンアプリを最初に実行した時の初期動作として、MACアドレスをクーポンサーバ102に登録することにより、ゲストユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS803及びS804の詳細である。
クーポンアプリが実行されると、入出力制御部304は最初にステータスチェックとして、設定ファイル308の有無を確認する(S1001)。クーポンアプリが一番最初に起動された状態では、設定ファイル308が存在しないので、「初期設定を行います」という内容のメッセージを表示部301に表示した(S1002)後、無線LANインターフェース306のMACアドレスをクーポンサーバ102に送信する(S1003)。
【0052】
クーポンサーバ102のユーザ管理部202は、受信したMACアドレスの重複チェックを行った後、ユーザマスタ205に新規レコードとして追記すると共にユーザシリアルIDを発行し(S1004)、発行したユーザシリアルIDを返信する(S1005)。
入出力制御部304は、クーポンサーバ102からユーザシリアルIDを受信すると、設定ファイル308を作成し、設定ファイル308にゲストユーザである旨を示す「guest」の文字列と、ユーザシリアルIDを記載する(S1006)。そして、ゲストユーザ用のトップメニュー画面を表示部301に表示する(S1007)。
【0053】
[正規ユーザ登録]
図11は、ゲストユーザがクーポンサーバ102に所定の情報を登録し、クーポン発行サービスの正規ユーザとして登録する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS805の詳細である。
第一ユーザ106は、表示部301にゲストユーザ用のトップメニュー画面が表示部301に表示された状態(S1101)から、操作部302を操作してユーザ登録を選択する(S1102)と、表示部301にはユーザ登録画面が表示される(S1103)。第一ユーザ106は操作部302を操作して、正規ユーザとして登録するために必要な、ログインID及びパスワード等の情報を入力した後、「登録」ボタンを押す等の、登録のための操作を行う(S1104)。すると、それら情報は入出力制御部304によってクーポンサーバ102に送信される(S1105)。
【0054】
クーポンサーバ102のユーザ管理部202は当該情報を受信すると、ユーザマスタ205に正規ユーザとして登録し(S1106)、登録が正常に終了した旨のリザルトコードを返信する(S1107)。
入出力制御部304は、クーポンサーバ102からリザルトコードを受信すると、設定ファイル308を更新し、設定ファイル308にステップS1105で送信したログインIDとパスワードを記載する(S1108)。そして、正規ユーザ登録が完了した旨を示す画面を表示部301に表示する(S1109)。
ステップS1108の時点で、設定ファイル308には、図10のゲストユーザ登録のステップS1006で記録したユーザシリアルIDと、ログインIDとパスワードが記載されている。クーポンアプリは起動時に設定ファイル308の内容を確認し、正規ユーザであるか否かを識別して、表示部301に表示する内容を変更する。
【0055】
[クーポンダウンロード]
図12は、正規ユーザがクーポンサーバ102から所望の電子クーポンをダウンロードする処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS806及び図9のステップS905の詳細である。
正規ユーザとなった第一ユーザ106は、電子クーポンをダウンロードするため、トップメニューから取得可能クーポンの一覧を表示する操作を行う(S1201)。すると、取得可能クーポンの一覧を要求するコマンドが、入出力制御部304からクーポンサーバ102へ送信される(S1202)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、取得可能クーポンの一覧を要求するコマンドを受けると、クーポンマスタ206を読み込み、クーポンマスタ206から取得可能クーポンリスト702を作成して(S1203)、返信する(S1204)。
入出力制御部304は、取得可能クーポンリスト702を受信すると、表示部301に取得可能クーポン一覧を表示する(S1205)。
【0056】
第一ユーザ106は、表示部301に表示されている取得可能クーポン一覧から、所望の電子クーポン(クーポンサービス)を選択して、ダウンロードする操作を行う(S1206)。すると、選択された電子クーポンを示すクーポンサービスと、当該クーポンサービスに係る電子クーポンをダウンロードするためのコマンドが、入出力制御部304からクーポンサーバ102へ送信される(S1207)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、指定された電子クーポンのダウンロードを要求するコマンドを受けると、クーポンマスタ206を読み込み、クーポンサービスでレコードを特定する。そして、特定したレコードの内容に基づいて、第一ユーザ106に配布するための、第一ユーザ106のユーザシリアルIDを含むクーポンコードを生成し(S1208)、生成したクーポンコードを含むクーポンデータ701を返信する(S1209)。
【0057】
入出力制御部304は、クーポンデータ701を受信すると、これを所有クーポンテーブル309に追記録する(S1210)。そして、再びステップS1205と同様に、表示部301に取得可能クーポン一覧を表示する(S1211)。
一方、クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、ステップS1208で生成したクーポンコードを、取得クーポンテーブル207に追記録する(S1212)。
【0058】
[クーポン譲渡]
図13は、正規ユーザが他のユーザに直接対面して電子クーポンを譲渡する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS807及び図9のステップS901の詳細である。
正規ユーザである第一ユーザ106は、ゲストユーザである第二ユーザ107に対して、電子クーポンを譲渡したいと思い立ち、予めダウンロードした電子クーポンを選択し、表示部301に詳細表示する(S1301)。そして、第二ユーザ107に対して選択した電子クーポンを譲渡する操作を行う(S1302)。
第一ユーザ106の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、ステップS1302の操作を受けて、ワンタイムパスワードをクーポンサーバに要求する(S1303)。そして、表示部301に電子クーポンを送信中である旨を示すクーポン送信中表示画面を表示すると共に(S1304)、予めGPS受信部307が算出した現在地点の緯度及び経度と、ステップS1301で選択した電子クーポンのクーポンコードを伴って、ワンタイムパスワードの送信要求をクーポンサーバ102に送信する(S1305)。
【0059】
クーポンサーバ102は、第一ユーザ106の携帯型無線端末103から送信されたクーポンコードと緯度及び経度とワンタイムパスワードの送信要求を受信すると、先ずワンタイムパスワードを生成する。そして、受信したクーポンコードと緯度及び経度と共にワンタイムパスワード認証テーブル209に新規レコードとして追記すると共に、第一ユーザ106の携帯型無線端末103にワンタイムパスワードを送信する(S1306)。
第一ユーザ106の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、クーポンサーバ102からワンタイムパスワードを受信すると、これを表示部301に表示する(S1307)。
【0060】
第二ユーザ107は、第一ユーザ106の携帯型無線端末103がワンタイムパスワードを受信したことを受けて、第二ユーザ107の携帯型無線端末103の操作部302を操作して、ワンタイムパスワード入力画面を表示するための操作を行う(S1308)。すると、入出力制御部304は表示部301にワンタイムパスワード入力画面を表示する(S1309)。
【0061】
第二ユーザ107は、第一ユーザ106の携帯型無線端末103の表示部301に表示されているワンタイムパスワードを読むか、第一ユーザ106が読み上げたワンタイムパスワードを聞き取って、操作部302を操作して、ワンタイムパスワードを入力する(S1310)。表示部301に表示されている「送信」ボタンが押されると、第二ユーザ107の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、第二ユーザ107のユーザシリアルIDと、ステップS1311で入力されたワンタイムパスワードと、予めGPS受信部307が算出した現在地点の緯度及び経度を、クーポンサーバ102へ送信する(S1311)。
【0062】
クーポンサーバ102は、第二ユーザ107の携帯型無線端末103から送信された、第二ユーザ107のユーザシリアルIDと、ワンタイムパスワードと、第二ユーザ107の携帯型無線端末103の現在地点の緯度及び経度を受信すると、ワンタイムパスワード認証テーブル209を参照して、それら送信されたデータが電子クーポンを発行するに有効であるか否かを確認する。具体的には、先ず当該ワンタイムパスワードが有効であるか否かを確認する。つまり、ワンタイムパスワードのレコードが存在し、且つ有効な時間内に送信されたものであるか否かを確認する。次に、ワンタイムパスワードが有効であれば、受信した緯度及び経度が、ワンタイムパスワード認証テーブル209の当該レコードに記録されている緯度及び経度から所定の距離範囲内であるか否かを確認する。GPS測位は測位を行う場所によってその測位精度が大きく変化するので、一例として第一ユーザ106の位置から半径500メートルの範囲内に存在するか否かを確認する。
【0063】
以上の、ワンタイムパスワードの有効性と、緯度及び経度が所定の距離範囲内であることが満たされれば、クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、ワンタイムパスワード認証テーブル209の当該レコードに記載されているクーポンコードを基に、配布用の電子クーポンに係る新たなクーポンコードを生成する。そして、新たに生成したクーポンコードを配布クーポンテーブル208に追記録した上で、取得クーポンテーブル207にも追記録する。そして、当該電子クーポンに係るクーポンデータ701を、第二ユーザ107の携帯型無線端末103に送信する(S1312)。
【0064】
第二ユーザ107の携帯型無線端末103の入出力制御部304は、クーポンサーバ102からクーポンデータ701を受信すると、これを所有クーポンテーブル309に追記録する(S1313)。
一方、クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、第一ユーザ106が第二ユーザ107にクーポンを譲渡したことを受けて、譲渡の基となった電子クーポンに特典を付与する。具体的には、取得クーポンテーブル207の該当するレコード(ステップS1303でクーポンサーバ102へ送信したクーポンコードに係るレコード)の、クーポン効果情報フィールドの内容を、所定のルールに従って変更する(S1314)。
【0065】
ある正規ユーザから他のユーザへ電子クーポンを譲渡すると、クーポンコードのユーザクーポン通し番号が1インクリメントする。譲り受けた電子クーポンのクーポンコードには、譲渡元のユーザのユーザシリアルID(クーポン発行ユーザシリアルID)が含まれている。
ゲストユーザが正規ユーザになったら、それまで正規ユーザから貰い受けた電子クーポンを他のユーザにも配布できることが望ましい。そこで、既にゲストユーザの頃に貰った電子クーポンのクーポンコードはそのままに、新たに譲渡する電子クーポンのクーポンコードには、正規ユーザとなった自らのユーザシリアルIDを含める。このようにクーポンサーバ102がクーポンコードを操作することで、ゲストユーザの頃に貰った電子クーポンを、正規ユーザとなることで他のユーザに配布できるようになる。すると、配布した電子クーポンの枚数だけ、割引率が上がる等の特典が付与されるので、ユーザは正規ユーザの恩恵を受けることができる。
つまり、ゲストユーザがすぐに正規ユーザになりたくなる機能を提示することで、クーポンサーバ102が提供するクーポン発行サービスの正規ユーザを効果的に増やすことができる。
【0066】
[クーポン使用]
図14は、正規ユーザから直接対面して電子クーポンを譲り受けたゲストユーザが、当該電子クーポンを使用してECサイト104で商品108を購入する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS809、S810及びS811の詳細である。
ゲストユーザである第二ユーザ107は、正規ユーザである第一ユーザ106から譲り受けた電子クーポンを利用するため、先ずクーポン詳細表示画面を表示部301に表示させる(S1401)。そして、操作部302に対し、電子クーポンを使用する操作を行う(S1402)。
電子クーポンの使用とは、電子クーポンのテキストに含まれているURLにwebブラウザでECサイト104にアクセスし、ECサイト104にて電子クーポンの効果を利用することを意味する。例えば、電子クーポンを用いて、商品108を購入する際に所定の割引率の適用を受ける、或は、商品108を購入する際に所定の景品の添付を受ける、等である。
入出力制御部304は、ステップS1402の電子クーポン使用操作を受けて、電子クーポンのテキストに含まれているURLを引数として、webブラウザを起動する(S1403)。この時、クーポンアプリは終了する。
URLにはECサイト104のcgiと、その引数として電子クーポンのクーポンコードが記述されている。一例としては、以下のようなURL文字列である。
【0067】
ECサイト104はGETメソッドで得たクーポンコードを抽出する(S1404)と、ECサイト104は当該クーポンコードが真正のものか否かを確認するため、クーポンサーバ102に問い合わせる(S1405)。これがクーポン与信要求である。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、クーポン与信要求を受けると、取得クーポンテーブル207を検索して、に問い合わせ対象のクーポンコードがあるか否かを確認する(S1406)。問い合わせ対象のクーポンコードが存在することが判明したら、クーポン管理部203は当該クーポンコードは真正のものである旨のメッセージと、クーポンの効果情報をECサイト104へ返信する。当該電子クーポンは割引率等の効果情報が変化している可能性があるので、電子クーポン使用時点における電子クーポンの効果情報をECサイト104へ送信することは必須である。
【0068】
ECサイト104は、クーポンサーバ102から返信されたクーポン与信結果とクーポン効果情報を受けて、当該電子クーポンを適用した、商品108購入のためのhtml文書を作成し、携帯型無線端末103へ送信する(S1407)。携帯型無線端末103は、ECサイト104から受信した、電子クーポンが適用されたhtml文書を表示する(S1408)。
【0069】
なお、ステップS1408において、電子クーポンが適用されたhtml文書によって表示部301に表示されるクーポン適用画面は、電子クーポンの効果情報等で変化する。例えば、特定の商品108に対してのみ所定の割引率が適用される場合は、当該商品108のwebページを表示する際に、価格が電子クーポン適用後の価格となる。一方、複数の商品108を購入し、その合計金額が所定の金額以上となった時に所定の割引率が適用される場合は、最終的な決済のwebページを表示する際に、価格が電子クーポン適用後の価格となる。
【0070】
第二ユーザ107は、操作部302に対し、商品108を購入する操作を行う(S1409)。第二ユーザ107の操作によって発生した商品108購入要求情報は、ECサイト104に送信される。ECサイト104は、受信した商品108購入要求情報に基づいて、電子クーポンを適用した商品108販売処理を行う(S1410)。
ECサイト104の処理結果を受けて、携帯型無線端末103はwebブラウザを終了する(S1411)。
【0071】
一方、ECサイト104はステップS1410にて電子クーポンが使用されたことを受け、クーポンサーバ102に対し、当該電子クーポンが使用されたことを報告する、クーポン消し込み要求を送信する(S1412)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203はクーポン消し込み要求を受けて、取得クーポンテーブル207を検索し、当該電子クーポンに係るレコードの未使用フラグフィールドを論理の「偽」に変更する、クーポン消し込み処理を行う(S1413)。
【0072】
[取得済クーポン一覧要求]
図15は、ユーザが所有する電子クーポンの一覧をクーポンサーバ102から取得する処理の流れを示すタイムチャートである。図8のステップS812及び図9のステップS907の詳細である。
ユーザ1021は操作部302を操作して、クーポンサーバ102に対して取得済クーポンの一覧を要求する操作を行う(S1501)と、入出力制御部304は所有クーポンテーブル309に存在する全レコードのうち、未使用フラグが論理の「真」であるレコードのクーポンコードを抽出し、取得済みクーポン一覧要求コマンドと共に送信する(S1502)。ここで、未使用フラグが論理の「真」であるレコードのクーポンコードのリストを、「クーポンリスト」と呼ぶ。
【0073】
携帯型無線端末103から送信された取得済みクーポン一覧要求コマンドとクーポンリスト(S1503)は、クーポンサーバ102のクーポン管理部203が受信する。クーポン管理部203は、取得クーポンテーブル207をクーポンリストと突き合わせてクーポンリストを更新した後、携帯型無線端末103のユーザシリアルID又はMACアドレスで絞り込み検索し、クーポンリストにないレコードをクーポンリストに追記録する。そして、更新されたクーポンリストを携帯型無線端末103に返信する(S1504)。
【0074】
クーポンサーバ102によって更新されたクーポンリスト(S1505)は、携帯型無線端末103が受信する。入出力制御部304は、クーポンリストを所有クーポンテーブル309にマージし、更新する(S1506)。そして、所有クーポンテーブル309から取得済クーポン一覧表示を表示部301に表示する(S1507)。
【0075】
[お気に入り申請]
図16は、電子クーポンを直接譲り受けたユーザが、電子クーポンを譲ってくれた正規ユーザに対し、お気に入り申請を行う処理の流れを示すタイムチャートである。図9のステップS903の詳細であると共に、図13のクーポン譲渡の後の処理になる。
正規ユーザから電子クーポンを直接譲り受けると、入出力制御部304は表示部301にクーポン受信完了を示すメッセージを表示する(S1601)。その後、ユーザ1021が操作部302を操作して所定の画面遷移操作を行う(S1602)と、入出力制御部304は表示部301にお気に入り申請画面を表示する(S1603)。
ユーザ1021は操作部302を操作して、お気に入りを申請するためのメッセージ等を入力した後、申請を実行する操作を行う(S1604)。すると、入出力制御部304は表示部301にお気に入り申請情報を送信中である旨の画面を表示した(S1605)後、お気に入り申請メッセージを送信する(S1606)。
お気に入り申請メッセージとは、ステップS1601にて表示した電子クーポンのクーポンコードと、ステップS1604にて入力したテキストメッセージと、ユーザシリアルIDである。
【0076】
クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、お気に入り申請メッセージを受信すると、お気に入りテーブル210と、取得クーポンテーブル207を参照する。具体的には、お気に入り申請メッセージに含まれているクーポンコードが取得クーポンテーブル207に存在するか否かを確認する。もし、取得クーポンテーブル207に、お気に入り申請メッセージに含まれているクーポンコードのレコードが存在していれば、当該お気に入り申請メッセージは、譲渡された電子クーポンのクーポンコードに基づいて作成された、真正のお気に入り申請情報である。そこで、このお気に入り申請メッセージをお気に入りテーブル210に追記録する(S1607)。そして、正常に追記録できた旨のリザルトコードを携帯型無線端末103に返信する。
リザルトコードを受信した携帯型無線端末103の入出力制御部304は、表示部301にお気に入り申請情報の送信を完了した旨の画面を表示する(S1608)。
なお、図16にて説明したお気に入り申請処理は、取得済みクーポン一覧画面からも実行できる。
【0077】
[お気に入り承認]
図17は、正規ユーザがお気に入り申請を承認する処理の流れを示すタイムチャートである。図9のステップS904の詳細である。
電子クーポンの譲渡を行った正規ユーザが、携帯型無線端末103の表示部301にお気に入り一覧を表示させるための操作を行う(S1701)と、入出力制御部304はお気に入りリスト310を要求するコマンドを、クーポンサーバ102に送信する(S1702)。
【0078】
クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、お気に入りリスト310を要求するコマンドを受信すると、要求されたお気に入り申請情報を携帯型無線端末103へ返信する(S1703)。
【0079】
携帯型無線端末103の入出力制御部304は、クーポンサーバ102から送信されたお気に入り申請情報(S1704)を受信して、表示部301に表示する(S1705)。正規ユーザは操作部302を操作して、表示部301に表示されたお気に入り申請ユーザのうち、お気に入りに設定しても良いと思ったユーザ1021の氏名等を選択し、お気に入りとして承認するための操作を行う(S1706)。
入出力制御部304は、操作部302からお気に入り承認のための操作情報を受けて、選択されたユーザ1021のクーポンコードを送信する(S1707)。
【0080】
クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、クーポンコードを受信すると、当該クーポンコードでお気に入りテーブル210のレコードを特定し、特定したレコードの承認済みフラグフィールドを論理の「真」に設定する(S1708)。
次に、お気に入り処理部204はお気に入りテーブル210を正規ユーザのユーザシリアルIDで絞り込み検索して、正規ユーザのお気に入りリスト310を作成する(S1709)。
クーポンサーバ102から送信されたお気に入りリスト310(S1710)は、携帯型無線端末103の入出力制御部304によって受信される。入出力制御部304は、表示部301にお気に入り一覧を表示する(S1711)。
【0081】
[クーポン配布]
図18及び図19は、正規ユーザが選択した電子クーポンを一人以上のお気に入りユーザにクーポンサーバ102を経由して配布する処理の流れを示すタイムチャートである。図9のステップS906の詳細である。
正規ユーザは、お気に入りユーザに配布したい電子クーポンの詳細を表示部301に表示させた状態(S1801)で、操作部302を操作して、電子クーポンをお気に入りユーザに配布するための操作を行う(S1802)。入出力制御部304は、表示部301に電子クーポンを直接譲渡するか或はクーポンサーバ102を経由して配布するかを選択するための画面を表示する(S1803)。そして、正規ユーザは操作部302を操作して、クーポンサーバ102を経由して電子クーポンをお気に入りに配布することを指示する操作を行う(S1804)。
【0082】
入出力制御部304は、操作部302から電子クーポンをお気に入りに配布することを指示する操作情報を受けて、クーポンサーバ102に対し、お気に入りリスト310を要求するコマンドを送信する(S1805)。クーポンサーバ102のお気に入り処理部204は、お気に入りリスト310を要求するコマンドを受信すると、お気に入りテーブル210を参照し、お気に入りリスト310を作成して(S1806)、携帯型無線端末103に返信する(S1807)。
携帯型無線端末103の入出力制御部304は、お気に入りリスト310を受信すると表示部301にお気に入りユーザの一覧を表示する(S1808)。
【0083】
正規ユーザは操作部302を操作して、表示部301に表示されているお気に入りユーザの一覧から、電子クーポンを配布したいユーザ1021を選択する(S1809)。そして、選択したお気に入りユーザを送信する操作を行うと、入出力制御部304は表示部301に電子クーポンを配布するお気に入りユーザ(配布先)のリストを送信中である旨の画面を表示する(S1810)。
【0084】
図19を参照して、処理の流れの説明を続ける。
ステップS1810でお気に入りユーザのリストを送信中である旨の画面を表示部301に表示した後、入出力制御部304は、それら選択されたユーザ1021に対し、配布する電子クーポンのクーポンコードを生成する(S1911)。生成するクーポンコードは、生成元となる電子クーポンのクーポンコードから、ユーザクーポン通し番号のみ1ずつインクリメントすることで生成する。
【0085】
ステップS1911にて入出力制御部304が生成したクーポンコードと電子クーポン配布先のユーザシリアルIDは、紐付けられた状態、つまりテーブルとしてクーポンサーバ102に送信される(S1912)。
クーポンサーバ102のクーポン管理部203は、このテーブルを受信すると、クーポンコードを配布クーポンテーブル208に登録した上で、クーポンコードとユーザシリアルIDを取得クーポンテーブル207に登録する(S1913)。そして、配布クーポンテーブル208に追記録したレコード数に応じて、その基となった電子クーポンである取得クーポンテーブル207のレコードに、特典を付与する(S1914)。
【0086】
ステップS1914にて特典付与処理を行ったことによって、取得クーポンテーブル207に記録されている、電子クーポン配布元となった電子クーポンのレコードの内容は更新されているので、クーポン管理部203は更新されたレコードの内容(クーポンデータ701)を携帯型無線端末103に送信する(S1915)。
携帯型無線端末103の入出力制御部304は、受信したクーポンデータ701を以て、所有クーポンテーブル309の該当レコードを上書きする(S1916)。そして、表示部301に配布先の送信を完了した旨のメッセージを表示して(S1917)、所定時間(例えば0.5秒間)経過後、表示部301に電子クーポンの詳細を表示する(S1918)。
【0087】
[画面推移]
図20は、携帯型無線端末103の画面推移を示す概略図である。また、この画面の推移を示す図20は、画面の状態遷移図でもある。
クーポンアプリを起動すると、携帯型無線端末103の表示部301にはトップメニュー画面P2001が表示される。
トップメニュー画面P2001の一番上にある「取得可能クーポン」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301には取得可能クーポン一覧画面P2002が表示される。取得可能クーポン一覧画面P2002には、取得可能な電子クーポンが一覧表示される。
【0088】
取得可能クーポン一覧画面P2002において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
取得可能クーポン一覧画面P2002において、表示されている電子クーポンの内の一つを選択する操作を行うと、選択した電子クーポンが未取得の電子クーポンであれば、取得可能クーポン詳細画面P2003が表示部301に表示される。取得可能クーポン詳細画面P2003には、取得可能クーポン一覧画面P2002において選択した、取得可能な電子クーポンの詳細情報と、ダウンロードボタン2051が表示される。
取得可能クーポン一覧画面P2002において、表示されている電子クーポンの内の一つを選択する操作を行うと、選択した電子クーポンが取得済みの電子クーポンであれば、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示部301に表示される。取得済みクーポン詳細画面P2004には、取得可能クーポン一覧画面P2002において選択した、取得済みの電子クーポンの詳細情報と、使うボタン2052と配るボタン2053が表示される。
【0089】
取得可能クーポン詳細画面P2003において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、取得可能クーポン一覧画面P2002が表示部301に表示される。
取得可能クーポン詳細画面P2003において、表示されている電子クーポンを上下に移動する操作を行うと、取得可能クーポン一覧画面P2002にて表示部301に表示されていた電子クーポン一覧の、次の電子クーポン又は前の電子クーポンの詳細情報が表示される。その際、未取得の電子クーポンであれば、取得可能クーポン詳細画面P2003が表示され、取得済みの電子クーポンであれば、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
取得可能クーポン詳細画面P2003において、ダウンロードボタン2051を押す操作を行うと、その時点で表示部301に表示中の電子クーポンをダウンロードすると共に、クーポンダウンロード中画面P2005が表示される。電子クーポンのダウンロードが完遂すると、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
【0090】
トップメニュー画面P2001の上から二番目にある「取得済クーポン」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301には取得済みクーポン一覧画面P2006が表示される。取得済みクーポン一覧画面P2006には、取得済みの電子クーポンが一覧表示される。一覧表示されている取得済みの電子クーポンのうちの一つを選択する操作を行うと、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
取得済みクーポン一覧画面P2006において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0091】
取得済みクーポン詳細画面P2004において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、取得済みクーポン一覧画面P2006が表示部301に表示される。
取得済みクーポン詳細画面P2004において、表示されている電子クーポンを上下に移動する操作を行うと、取得済みクーポン一覧画面P2006にて表示部301に表示されていた電子クーポン一覧の、次の電子クーポン又は前の電子クーポンの詳細情報が表示される。
取得済みクーポン詳細画面P2004において、表示されている電子クーポンを左右に移動する操作を行うと、クーポン裏面画面P2007が表示される。クーポン裏面画面P2007は、取得済みクーポン詳細画面P2004にて表示されている電子クーポンの裏面を示す画像とテキストを表示する画面である。
クーポン裏面画面P2007において、表示されている電子クーポンの裏面を左右に移動する操作を行うと、取得済みクーポン詳細画面P2004が表示される。
【0092】
取得済みクーポン詳細画面P2004において、使うボタン2052を押す操作を行うと、クーポンアプリが終了し、代わりにwebブラウザが起動する。webブラウザは選択した電子クーポンに係るECサイト104にアクセスし、ECサイト104の画面P2008が表示部301に表示される。こうして、電子クーポンを用いた電子商取引が可能になる。所定の電子商取引が終了すると、再びクーポンアプリが起動され、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0093】
取得済みクーポン詳細画面P2004において、配るボタン2053を押す操作を行うと、クーポン配布用画面P2009が表示部301に表示される。クーポン配布用画面P2009には、譲渡ボタン2055と配布ボタン2056が表示されている。
クーポン配布用画面P2009において、譲渡ボタン2055を押すと、GPS受信部307による現在地点情報とワンタイムパスワードを用いて、クーポンサーバ102を経由して目前の相手方に対してクーポンデータ701を送信する。つまり、電子クーポンを譲渡する。クーポンコードの送信中は、クーポン送信中画面P2010が表示部301に表示される。クーポンコードの送信を完遂すると、ワンタイムパスワード表示画面P2011が表示部301に表示される。ワンタイムパスワード表示画面P2011は、クーポンサーバ102から受信したワンタイムパスワードを表示部301に表示する画面である。
ワンタイムパスワード表示画面P2011に表示されている確認ボタン2054を押すと、取得済みクーポン一覧画面P2006が表示部301に表示される。
【0094】
クーポン配布用画面P2009において、配布ボタン2056を押す操作を行うと、後述する画面遷移を経て、送信完了確認画面P2012が表示部301に表示される。
送信完了確認画面P2012に表示されている確認ボタン2057を押すと、取得済みクーポン一覧画面P2006が表示部301に表示される。
【0095】
トップメニュー画面P2001の上から三番目にある「クーポン受信」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301にはワンタイムパスワード入力画面P2014が表示される。このワンタイムパスワード入力画面P2014では、電子クーポンを譲渡してくれる正規ユーザから、ワンタイムパスワードを教えて貰い、ワンタイムパスワードを入力する。この時、GPS受信部307が起動され、現在地点情報(緯度及び経度)が得られる。ワンタイムパスワードと現在地点情報をクーポンサーバ102へ送信すると、クーポンサーバからクーポンデータ701が返送される。クーポンデータ701の受信を完遂すると、受信完了確認画面P2015が表示部301に表示された後、後述する画面遷移を経て、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0096】
トップメニュー画面P2001の上から四番目にある「お気に入り」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301にはお気に入りユーザ一覧画面P2016が表示される。この、お気に入りユーザ一覧画面P2016から、お気に入りユーザの承認や削除等の管理を行う。
お気に入りユーザ一覧画面P2016において、表示部301の左上隅に表示されている、図示しない「戻る」ボタンを押す操作を行うと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0097】
図21は、携帯型無線端末103の画面推移を示す概略図である。図21は、図20に記述しきれなかった画面推移を示す。この画面の推移を示す図21も図20と同様に、画面の状態遷移図でもある。
クーポン配布用画面P2009において、配布ボタン2056を押す操作を行うと、お気に入りユーザ一覧画面P2101が表示される。お気に入りユーザ一覧画面P2101には、お気に入りユーザが一覧表示されると共に、送信ボタン2151が表示されている。
一覧表示されているお気に入りユーザから、取得済みクーポン詳細画面P2004で表示した電子クーポンを配布したいユーザ1021を一人以上選択して、送信ボタン2151を押すと、クーポンサーバ102に対して配布したい電子クーポンのクーポンコードと、選択したユーザ1021のユーザシリアルIDが送信される。クーポンコードと、選択したユーザ1021のユーザシリアルIDを送信している時は、表示部301にはクーポン配布中画面P2102が表示部301に表示され、送信が終わると、送信完了確認画面P2012が表示部301に表示される。
【0098】
図22は、携帯型無線端末103の画面推移を示す概略図である。図22は、図20に記述しきれなかった画面推移を示す。この画面の推移を示す図22も図20及び図21と同様に、画面の状態遷移図でもある。
【0099】
図22は、電子クーポンを受信した際の、詳細な画面推移を示す。図20のワンタイムパスワード入力画面P2014から受信完了確認画面P2015を経てトップメニュー画面P2001に戻る迄の詳細な画面推移である。
トップメニュー画面P2001の上から三番目にある「クーポン受信」ボタンを操作すると、携帯型無線端末103の表示部301にはワンタイムパスワード入力画面P2014が表示される。このワンタイムパスワード入力画面P2014では、電子クーポンを譲渡してくれる正規ユーザから、ワンタイムパスワードを教えて貰い、ワンタイムパスワードを入力する。この時、GPS受信部307が起動され、現在地点情報(緯度及び経度)が得られる。ワンタイムパスワードと現在地点情報をクーポンサーバ102へ送信すると、クーポンサーバからクーポンデータ701が返送される。クーポンデータ701の受信を完遂すると、受信完了確認画面P2015が表示部301に表示される。
受信完了確認画面P2015の下には、お気に入り申請チェックボックス2221が表示されている。お気に入り申請チェックボックス2221は、初期状態で既にチェックが入っている状態で表示される。つまり、初期状態で既に「クーポンを譲渡してくれた相手に対し、お気に入りの申請を行う」、つまりユーザ1021同士のお気に入りを増やすことを意図している。このお気に入り申請チェックボックス2221のチェックを外さずに、受信完了確認画面P2015を叩くと、お気に入り申請画面P2201が表示部301に表示される。
なお、お気に入り申請チェックボックス2221のチェックを外して受信完了確認画面P2015を叩くと、トップメニュー画面P2001が表示部301に表示される。
【0100】
お気に入り申請画面P2201には、電子クーポンを譲渡してくれた相手に対してお気に入りユーザとして登録して欲しい旨のメッセージを書き込むための、テキスト入力欄2222が設けられている。ユーザ1021はテキスト入力欄2222にメッセージを書き込んだ後にお気に入り申請画面P2201を叩くと、携帯型無線端末103はクーポンコードと共に当該メッセージのテキストデータをクーポンサーバ102に送信する。その際、クーポンコードとテキストデータを送信している間は、お気に入り申請情報送信中画面P2202を表示部301に表示し、送信が終了したら、お気に入り申請情報送信完了画面P2203を所定時間(一例として0.5秒間)だけ表示した後、トップメニュー画面P2001を表示部301に表示する。
【0101】
上述の実施形態の他、以下のような応用例が考えられる。
(1)クーポンコードのクーポン発行会社コードは、クーポン通し番号がクーポンマスタ206においてユニークであれば、必ずしもクーポンコード内に存在しなくてもよい。
クーポンコードの思想は「クーポンサービス+クーポン発行ユーザシリアルID+ユーザクーポン通し番号」である。クーポンコードとは、電子クーポンがもたらすサービスを一意に識別するクーポンサービスと、当該クーポンサービスに属する電子クーポンを一意に識別するクーポン発行ユーザシリアルID及びユーザクーポン通し番号の組み合わせである。
【0102】
(2)ユーザ同士が直接会って電子クーポンを譲渡する方法としては、BlueTooth(登録商標)等の近距離無線インターフェースを用いる方法もある。この場合、クーポンサーバ102を経由せずに電子クーポンのクーポンデータをユーザ同士でやり取りすることとなるので、電子クーポンの譲渡を行った後、譲渡を行った正規ユーザが譲渡した電子クーポンのクーポンコードと譲渡相手のユーザシリアルIDを取得クーポンテーブル207及び配布クーポンテーブル208に追記録する、「クーポン有効化処理」が必要になる。
【0103】
(3)更に、電子クーポンの譲渡方法を、前述の実施形態にて用いたワンタイムパスワードの方法と、近距離無線インターフェースを用いる方法とを混在させることも可能である。BlueTooth(登録商標)の場合、現時点では一部の異機種同士のデータ送受信に非互換性が存在することが判明している。したがって、最初に近距離無線インターフェースを試みて、通信が失敗した場合にはワンタイムパスワードを用いる、という実施形態も可能である。
【0104】
(4)ゲストユーザ登録の際に用いるMACアドレスの代わりに、携帯型無線端末に設けられているデバイスIDを用いることもできる。これら情報は、携帯型無線端末を一意に識別する、個体識別情報として用いられる。
【0105】
本実施形態では、商取引促進システム101を開示した。
クーポンサーバから直接ユーザに電子クーポンを配布する際に、当該電子クーポンをユニークに識別するためのクーポンコードに、ユーザシリアルIDを含めた。更に、当該電子クーポンを所有する正規ユーザが他のユーザに電子クーポンを譲渡(他のユーザと直接対面して電子クーポンを譲渡する)又は配布(他のユーザと直接対面せずに電子クーポンを配布する)するために、クーポンコードにユーザクーポン通し番号を含めた。更に、電子クーポンを譲渡又は配布する度に、電子クーポンの効果が変化する仕組みを、クーポンサーバの機能として実装した。
このような、電子クーポンのクーポンコードの構造と、クーポンサーバの機能によって、電子クーポンは効果的にユーザに広まり、クーポン発行サービスの正規ユーザを増加させることが期待できる。また、これまでの電子クーポンとは明らかに異なる様々なバリエーションの機能を有することで、結果的に電子クーポンを介してクーポンサーバが提供するクーポン発行サービスを伴う電子商取引や実店舗の商取引が促進される。
【0106】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0107】
101…商取引促進システム、102…クーポンサーバ、103…携帯型無線端末、104…ECサイト、105…インターネット、106…第一ユーザ、107…第二ユーザ、108…商品、201…webサーバプログラム、202…ユーザ管理部、203…クーポン管理部、204…入り処理部、205…ユーザマスタ、206…クーポンマスタ、207…取得クーポンテーブル、208…配布クーポンテーブル、209…ワンタイムパスワード認証テーブル、210…入りテーブル、301…表示部、302…操作部、303…タッチパネル、304…入出力制御部、305…無線インターフェース、306…無線LANインターフェース、307…GPS受信部、308…設定ファイル、309…所有クーポンテーブル、310…お気に入りリスト、311…被お気に入りリスト、701…クーポンデータ、702…取得可能クーポンリスト、703…取得済クーポンリスト、821…アプリ配布サイト、1021…ユーザ、2051…ダウンロードボタン、2052…使うボタン、2053…配るボタン、2054…確認ボタン、2055…譲渡ボタン、2056…配布ボタン、2057…確認ボタン、2151…送信ボタン、2221…お気に入り申請チェックボックス、2222…テキスト入力欄
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子クーポンが提供するサービスを一意に識別するクーポンサービスを有するクーポンマスタと、
ユーザを一意に識別するユーザシリアルIDフィールドを有するユーザマスタと、
前記クーポンサービスと、前記ユーザシリアルIDと、ユーザクーポン通し番号よりなるクーポンコードで前記電子クーポンを一意に識別して管理する取得クーポンテーブルと、
第一ユーザが所望する第一の電子クーポンを前記第一ユーザの端末に発行すると共に、前記第一ユーザが所望する第二ユーザに前記第一の電子クーポンに基づく第二の電子クーポンを譲渡するために、前記第一の電子クーポンの前記クーポンコードに含まれる前記ユーザクーポン通し番号を変化させて、新たな前記クーポンコードを有する前記第二の電子クーポンを生成し、前記取得クーポンテーブルに登録する、クーポン管理部と
を具備する商取引促進システム。
【請求項2】
前記取得クーポンテーブルは、前記電子クーポンがもたらす効果に関する情報を格納するクーポン効果情報フィールドを備え、
前記クーポン管理部は、前記第一ユーザが前記第二ユーザに前記第二の電子クーポンを譲渡した際、前記第一の電子クーポンに係る前記取得クーポンテーブルのレコードの前記クーポン効果情報フィールドの内容を更新する、請求項1記載の商取引促進システム。
【請求項1】
電子クーポンが提供するサービスを一意に識別するクーポンサービスを有するクーポンマスタと、
ユーザを一意に識別するユーザシリアルIDフィールドを有するユーザマスタと、
前記クーポンサービスと、前記ユーザシリアルIDと、ユーザクーポン通し番号よりなるクーポンコードで前記電子クーポンを一意に識別して管理する取得クーポンテーブルと、
第一ユーザが所望する第一の電子クーポンを前記第一ユーザの端末に発行すると共に、前記第一ユーザが所望する第二ユーザに前記第一の電子クーポンに基づく第二の電子クーポンを譲渡するために、前記第一の電子クーポンの前記クーポンコードに含まれる前記ユーザクーポン通し番号を変化させて、新たな前記クーポンコードを有する前記第二の電子クーポンを生成し、前記取得クーポンテーブルに登録する、クーポン管理部と
を具備する商取引促進システム。
【請求項2】
前記取得クーポンテーブルは、前記電子クーポンがもたらす効果に関する情報を格納するクーポン効果情報フィールドを備え、
前記クーポン管理部は、前記第一ユーザが前記第二ユーザに前記第二の電子クーポンを譲渡した際、前記第一の電子クーポンに係る前記取得クーポンテーブルのレコードの前記クーポン効果情報フィールドの内容を更新する、請求項1記載の商取引促進システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−89071(P2013−89071A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229672(P2011−229672)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(502153628)アリト株式会社 (1)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(502153628)アリト株式会社 (1)
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