説明

商取引管理装置、商取引管理方法、商取引管理プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】電子商取引に関して、ユーザの要求に合致した特典を提供することにより、当該特典に関わる商品等の売り上げの向上を図る。
【解決手段】商取引管理装置1は、ユーザが希望する商品の販売条件を含むウィッシュリストを受け付けるウィッシュリスト受付部11と、その販売条件を受諾するか否かを決定する決定部15と、販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品の販売に関する所定の処理を実行する実行部16とを備える。これにより、ユーザの要求に合致する販売条件が、当該商品の販売に関する特典としてユーザに提供される。従って、提供される特典に関わる商品の売り上げの向上が図られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引管理装置、商取引管理方法、商取引管理プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子商取引サイトにおいて、例えばクーポンの発行により商品の価格の割り引きを実施するといった態様により、ユーザに対する特典の提供が行われていた。例えば、下記特許文献1には、ユーザ情報に基づき特典情報が発行されるシステムが記載されている。また、下記特許文献2には、ユーザの属性及びユーザのクーポンの使用履歴に基づいて、ユーザに配布するクーポンを決定するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−083149号公報
【特許文献2】特開2004−094406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子商取引サイト等では、店舗側が、一方的にある商品の売り上げを見込んで、その商品の割引を実施するクーポンの発行されていた。しかしながら、このように発行されるクーポンは、ユーザが所望するものであるとは限らない。即ち、ユーザに対してクーポン等の特典が提供される際、その特典の内容は、商品及び特典の提供者側により決定されていたので、ユーザの要求に合致した特典が提供されていない場合があった。
【0005】
そこで本発明は、電子商取引に関して、ユーザの要求に合致した特典を提供することにより、当該特典に関わる商品等の売り上げの向上を図ることが可能な商取引管理装置、商取引管理方法、商取引管理プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の商取引管理装置は、販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置であって、一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報をユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付手段と、要求受付手段により受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定手段と、決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行手段と、を備える。
【0007】
本発明の商取引管理方法は、販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置における商取引管理方法であって、一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報をユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付ステップと、要求受付ステップにおいて受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定ステップと、決定ステップにおいて販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行ステップと、を有する。
【0008】
本発明の商取引管理プログラムは、コンピュータを、販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置として機能させるための商取引管理プログラムであって、コンピュータに、一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報をユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付機能と、要求受付機能により受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定機能と、決定機能により販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行機能と、を実現させる。
【0009】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置として機能させるための商取引管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、商取引管理プログラムがコンピュータに、一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報をユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付機能と、要求受付機能により受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定機能と、決定機能により販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行機能と、を実現させる。
【0010】
本発明によれば、ユーザが希望する商品の販売条件を含む要求情報が受け付けられ、その販売条件を受諾するか否かが決定され、販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品の販売に関する所定の処理が実施される。これにより、ユーザの要求に合致する販売条件が、当該商品の販売に関する特典としてユーザに提供される。従って、提供される特典に関わる商品の売り上げの向上が図られる。
【0011】
本発明の商取引管理装置は、要求情報記憶手段に記憶された要求情報を、該要求情報に示される商品を登録した一の店舗に通知する通知手段と、通知手段により通知された要求情報に応じて一の店舗から返信された、該要求情報に含まれる販売条件を受諾可能であることを示す受諾情報を受信する受信手段と、を更に備え、決定手段は、受信手段により受信された受諾情報に基づき、販売条件を受諾することを決定してもよい。
【0012】
この場合には、ユーザが希望する商品の販売条件を含む要求情報が、当該商品の商品情報を登録した店舗に通知され、その要求情報の通知に応じて店舗から返信された、ユーザが希望する販売条件が受諾可能であることを示す受諾情報に基づき、販売条件の受諾が決定されるので、店舗において販売条件の受諾の可否を適切に判断できる。
【0013】
本発明の商取引管理装置では、通知手段は、一の店舗に対する要求情報が要求情報記憶手段に所定数以上蓄積されたときに、蓄積された要求情報を一の店舗に通知してもよい。
【0014】
この場合には、店舗は、一の要求情報ごとに販売条件の受諾可否の判断、及び受諾情報の返信を実施する必要がないので、店舗側の特典の提供に関わる対応の負荷が軽減される。
【0015】
本発明の商取引管理装置では、通知手段は、要求情報に示される商品を販売対象の商品として登録した、一の店舗以外の他の店舗に該要求情報を更に通知し、受信手段は、通知手段により通知された要求情報に応じて各店舗から返信された受諾情報を受信し、決定手段は、受信手段により受信された受諾情報に基づき、販売条件を受諾することを決定し、実行手段は、決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、販売条件を受諾する旨の受諾情報を返信した店舗により登録された当該商品の商品情報に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行してもよい。
【0016】
この場合には、ユーザが購入を希望する商品に関する商品情報を販売対象として登録した全ての店舗に対して、ユーザが希望する販売条件を含む要求情報が通知され、その販売条件を受諾可能な店舗から返信された受諾情報に基づき、当該販売条件の受諾が決定される。これにより、ユーザは、所望の商品を販売対象としている店舗ごとに、当該商取引管理装置を介して要求情報を通知させる必要がないので、ユーザの負荷が軽減される。また、所望の商品を販売対象としている全ての店舗に要求情報が通知されるので、ユーザは、より確実に特典の提供を受けることができる。
【0017】
本発明の商取引管理装置は、商品毎の受諾可能な販売条件に関する受諾条件情報を店舗から受け付けると共に、受諾条件情報を記憶する受諾条件記憶手段に、受け付けた受諾条件情報を記憶させる受諾条件受付手段を更に備え、決定手段は、要求情報記憶手段に記憶された要求情報に示される商品を登録した一の店舗から受諾条件記憶手段が受け付けた受諾条件情報を参照して、要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを決定してもよい。
【0018】
この場合には、店舗から予め受け付けて記憶した受託条件情報に基づき、要求情報に含まれる販売条件の受諾可否が決定されるので、店舗側は、ユーザから一の要求情報が受け付けられる度に販売条件の受諾可否の判断を実施する必要がない。従って、店舗における特典の提供に関わる対応の負荷が軽減される。
【0019】
本発明の商取引管理装置では、受諾条件情報は、商品の価格、値引き額、商品の価格に対する割引率、ユーザの属性情報、及び当該商品以外の物を当該商品に付属させて販売すること、を含むこととしてもよい。
【0020】
この場合には、上記した種々の受諾条件により、ユーザが希望する販売条件の受諾可否を決定できる。
【0021】
本発明の商取引管理装置では、決定手段は、要求情報に示される商品を登録した一の店舗以外の他の店舗から受け付けた、当該商品に関する受諾条件情報を更に参照して、販売条件を受諾するか否かを決定し、実行手段は、決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、販売条件を受諾可能な受諾条件情報を提示した店舗により登録された当該商品の商品情報に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行してもよい。
【0022】
この場合には、ユーザが購入を希望する商品に関する商品情報を販売対象として登録した全ての店舗からの受託条件情報に基づき、要求情報に含まれる販売条件の受諾可否が決定されるので、ユーザは、所望の商品を販売対象としている店舗ごとの要求情報を当該商取引管理装置に受け付けさせる必要がない。これにより、ユーザの負荷が軽減される。また、所望の商品を販売対象としている全ての店舗の受託条件情報に基づき販売条件の受諾の可否が決定されるので、ユーザは、より確実に特典の提供を受けることができる。
【0023】
本発明の商取引管理装置では、要求情報は、商品の価格、値引き額、商品の価格に対する割引率、及び当該商品以外の物を当該商品に付属させて販売すること、のうちの少なくとも1つを販売条件として含むこととしてもよい。
【0024】
この場合には、ユーザは、上記した種々の条件を、当該商品の販売に関する特典として設定できる。
【0025】
本発明の商取引管理装置では、要求情報は、決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、実行手段により実行される所定の処理の内容を含み、実行手段は、決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、要求情報に含まれる所定の処理を実行してもよい。
【0026】
この場合には、ユーザが希望する販売条件の受諾が決定された場合における当該商品情報に関する処理内容を、ユーザが予め設定できる。
【0027】
本発明の商取引管理装置では、実行手段により実行される所定の処理は、要求情報に含まれる販売条件が受諾された旨の通知、要求情報に示される商品情報の当該ユーザの購入対象商品のリストへの登録、及び当該商品の購入のための決済処理のうちの少なくとも1つであることとしてもよい。
【0028】
この場合には、上記した種々の処理内容を、ユーザが希望する販売条件の受諾が決定された場合における当該商品情報に関する処理内容として設定できる。
【0029】
本発明の商取引管理装置では、要求受付手段は、要求情報に含まれる販売条件に関する禁止条件を予め有し、該禁止条件に該当する販売条件を含む要求情報を受け付けないよう制御してもよい。
【0030】
この場合には、例えば、受諾可能と判断される可能性が全くないような販売条件を含む要求情報が受け付けられることが防止される。従って、店舗側に、不適切な要求情報に対応させるような事態が防止される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、電子商取引に関して、ユーザの要求に合致した特典を提供することにより、当該特典に関わる商品等の売り上げの向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】商取引管理装置を含むシステムの装置構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る商取引管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】商取引管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】ウィッシュリスト記憶部12に記憶されたウィッシュリストの例及びクーポンの例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る店舗端末の機能構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係る商取引管理装置における処理内容を示すタイミングチャートである。
【図7】第2実施形態に係る商取引管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る店舗端末の機能構成を示すブロック図である。
【図9】ウィッシュリスト記憶部12に記憶されたウィッシュリストの例及びクーポンの例を示す図である。
【図10】受諾条件情報の例を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る商取引管理装置における処理内容を示すタイミングチャートである。
【図12】第3実施形態に係る商取引管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図13】商品DBの構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
【図14】第4実施形態に係る商取引管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図15】第4実施形態に係る受諾条件情報の例を示す図である。
【図16】第1実施形態の商取引管理装置に対応する商取引管理プログラムの構成を示す図である。
【図17】第2実施形態の商取引管理装置に対応する商取引管理プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0034】
図1は、本実施形態に係る商取引管理装置を含むシステム100の装置構成を示すブロック図である。システム100は、商取引管理装置1、複数の店舗端末M及び複数のユーザ端末Uを含む。本実施形態の商取引管理装置1は、販売対象の商品を示す(販売条件を含む)商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける装置である。具体的には、商取引管理装置1は、例えば、電子商取引サイトを構成する。商取引管理装置1は、店舗端末Mから販売対象の商品の商品情報を受け付けて、当該電子商取引サイトにアクセスしたユーザに対して、商品情報を提示する。そして、商取引管理装置1は、ユーザ端末Uからの商品の選択処理、購入処理及び決済処理等を受け付けて、それらの処理を実施する。
【0035】
商取引管理装置1、店舗端末M及びユーザ端末Uは、インターネットや無線LAN、移動体通信網などで構成されている通信ネットワークNを介して互いに通信することが可能である。商取引管理装置1は、例えば、サーバにより構成される。また、店舗端末M及びユーザ端末Uは、例えば、携帯端末、パーソナルコンピュータ等により構成される。なお、図1では、店舗端末Mを2台、ユーザ端末Uを3台示しているが、システム100内に存在する端末の台数は任意である。
【0036】
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る商取引管理装置1の機能的構成を示すブロック図である。図2に示すように、商取引管理装置1は、機能的には、ウィッシュリスト受付部11(要求受付手段)、ウィッシュリスト記憶部12(要求情報記憶手段)、通知部13(通知手段)、受信部14(受信手段)、決定部15(決定手段)及び実行部16(実行手段)を備える。なお、本実施形態では、各機能部11〜16が1つの装置に構成されることとしているが、各機能部11〜16がそれぞれ互いに通信可能な別の装置に備えられることとしてもよい。例えば、ウィッシュリスト記憶部12が、商取引管理装置1と通信可能な他の装置に備えられることとしてもよい。
【0037】
図3は、商取引管理装置1のハードウェア構成図である。商取引管理装置1は、物理的には、図3に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、ネットワークカード等で構成される通信制御装置104、入力デバイスであるキーボード、マウス等の入力装置105、ディスプレイ等の出力装置106などを含むコンピュータシステムとして構成されている。
【0038】
図2に示した各機能は、図3に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェア(商取引管理プログラム)を読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104、入力装置105、出力装置106を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。
【0039】
ウィッシュリスト受付部11は、一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含むウィッシュリスト(要求情報)をユーザ端末Uから受け付ける部分である。ユーザは、ユーザ端末Uを介して、店舗により商取引管理装置1に登録された販売対象の商品の商品情報を閲覧し、所望の商品の購入意思を示す情報を登録すると共に、その商品の販売条件に関する希望をウィッシュリストとして商取引管理装置1に登録する。
【0040】
ウィッシュリストとして登録される事項は、例えば、当該商品の割引である。図4(a)は、ウィッシュリスト受付部11により受け付けられた、ユーザ毎のウィッシュリストの例を示す図である。図4(a)に示すように、ウィッシュリストは、店舗ID及び商品IDに対応付けて、商品名、販売条件、期限及びアクションを含む。店舗IDは、販売対象の商品の商品情報を登録した店舗を識別する識別子である。商品IDは、商品を識別する識別子である。商品名は、商品の名称である。
【0041】
販売条件は、当該商品の購入に際するユーザの希望事項である。図4(a)に示す例では、例えば、「値下げ」、「価格:3000円」といったデータが販売条件として記憶されている。販売条件としての「値下げ」は、当該商品の購入に際して当該商品の値下げをユーザが要求していることを表す。また、販売条件としての「価格:3000円」は、ユーザが当該商品を3000円で購入すること、即ち、当該商品の価格が3000円まで値引きされたら購入する意思がユーザにあること、を表す。ウィッシュリストは、商品の価格、値引き額、商品の価格に対する割引率、及び当該商品以外の物を当該商品に付属させて販売すること等を、販売条件として含むことができる。
【0042】
また、ウィッシュリストにおける期限は、当該ウィッシュリストの有効期限を示す。即ち、この期限は、店舗側からの販売条件の受諾の可否に関する応答を待つ期間として、ユーザが設定するものである。アクションは、販売条件が受諾された場合に当該ユーザに対して実施される処理であって、当該商品情報に示される商品の販売に関して実施される処理を設定するための項目である。図4(a)に示す例では、例えば、「買い物かごにいれる」、「通知」といったデータがアクションとして記憶されている。「買い物かごにいれる」といった処理は、ウィッシュリストとして示した販売条件が店舗により受諾された場合に、電子商取引サイトにおいて購入対象の商品を登録するためのいわゆる買い物かごに、商品ID「T001」により識別される商品情報を登録する処理である。また、アクションとして設定された「通知」は、ウィッシュリストとして示した販売条件が店舗により受諾された場合に、その旨を当該ユーザに対して通知する処理である。なお、ウィッシュリストは、販売条件が受諾された旨の通知、買い物かごへの登録、及び当該商品の購入のための決済処理等をアクションとして含むことができる。
【0043】
また、ウィッシュリスト受付部11は、ウィッシュリスト記憶部12にウィッシュリストを記憶させる部分である。そして、ウィッシュリスト記憶部12は、ウィッシュリストを記憶する記憶手段である。なお、上述のとおり、ウィッシュリスト記憶部12は、商取引管理装置1と通信可能な他の装置に備えられることとしてもよい。
【0044】
また、ウィッシュリスト受付部11は、販売条件に関する禁止条件を予め有し、その禁止条件に該当する販売条件を含むウィッシュリストを受け付けないよう制御することとしてもよい。具体的には、ウィッシュリスト受付部11は、例えば、販売条件に関する禁止条件として価格の下限値を予め有し、この下限値未満の価格を販売条件として含むウィッシュリストを受け付けないように制御する。このように制御することにより、例えば、受諾可能と判断される可能性が全くないような販売条件を含むウィッシュリストが受け付けられることが防止される。従って、店舗側に、不適切なウィッシュリストに対応させるような事態が防止される。
【0045】
通知部13は、ウィッシュリスト記憶部12に記憶されたウィッシュリストを、当該ウィッシュリストに示される商品の商品情報を登録した一の店舗端末Mに通知する部分である。具体的には、通知部13は、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾可否を判断させるために、ウィッシュリストの店舗IDにより識別される店舗の店舗端末Mに、当該ウィッシュリストを通知する。なお、通知部13は、1件のウィッシュリストがウィッシュリスト記憶部12に登録される度に、店舗端末Mに、登録されたウィッシュリストを通知することができる。一方、通知部13は、一の店舗に対するウィッシュリストがウィッシュリスト記憶部12に所定数以上蓄積されたときに、蓄積されたウィッシュリストをその店舗の店舗端末Mに通知することとしてもよい。この場合には、店舗は、一のウィッシュリストごとに販売条件の受諾可否の判断、及び受諾情報の返信を実施する必要がないので、店舗側の特典の提供に関わる対応の負荷が軽減される。
【0046】
ここで、図5を参照して、店舗端末Mの機能的構成を説明する。図5は、店舗端末Mの機能的構成を示すブロック図である。図5に示すように、店舗端末Mは、ウィッシュリスト取得部31、ウィッシュリスト提示部32、クーポン発行可否入力部33及びクーポン発行可否送信部34を備える。
【0047】
ウィッシュリスト取得部31は、商取引管理装置1から送信されたウィッシュリストを取得する部分である。ウィッシュリスト提示部32は、ウィッシュリスト取得部31により取得されたウィッシュリストをディスプレイに表示させるなどして店舗側のユーザに提示する部分である。これにより、店舗側ユーザは、提示されたウィッシュリストを参照して、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾の可否を判断できる。
【0048】
クーポン発行可否入力部33は、ウィッシュリスト提示部32により提示されたウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾の可否の入力をキーボードやマウスなどを介して受け付ける部分である。店舗は、販売条件を受諾する場合には、当該ユーザに対する特典として、その販売条件により当該商品を販売する旨のクーポンを発行できる。即ち、ここで発行されるクーポンは、ユーザの希望する販売条件を実現するものとして、通常に提示されている価格より低い価格、値引き額、商品の価格に対する割引率、及び当該商品以外の物を当該商品に付属させて販売すること、といった内容を含むことができる。
【0049】
クーポン発行可否送信部34は、ウィッシュリストに含まれる販売条件を受諾可能であることを示す受諾情報を、商取引管理装置1に送信する部分である。クーポン発行可否送信部34は、例えば、ユーザの希望する販売条件に応じたクーポンの発行する旨の情報を、受諾情報として送信できる。
【0050】
ここで、再び図3を参照して、商取引管理装置1の機能構成を説明する。受信部14は、通知部13により通知されたウィッシュリストに応じて一の店舗端末Mから返信された、当該ウィッシュリストに含まれる販売条件を受諾可能であることを示す受諾情報を受信する部分である。具体的には、受信部14は、クーポン発行可否送信部34から送信された受諾情報を受信する。この受諾情報は、ユーザの希望する販売条件に応じたクーポンを発行する旨の情報であってもよい。
【0051】
決定部15は、ウィッシュリストに含まれる販売条件を受諾するか否かを決定する部分である。具体的には、決定部15は、受信部14により受信された受諾情報に基づき、販売条件を受諾することを決定する。上記したとおり、この受諾情報は、店舗端末Mによるクーポンを発行する旨の情報であってもよい。図4(b)は、受諾情報の受信に応じて発行されるクーポンの例を示す図である。
【0052】
図4(b)に示すクーポンは、図4(a)における商品ID「T001」に対するウィッシュリストに応じて発行されたものである。クーポンは、図4(b)に示すように、店舗ID、商品ID、商品名及び販売条件を含む。クーポンにおける販売条件は、ウィッシュリストに含まれる、ユーザが希望する販売条件の提示に応じて、当該ユーザに提供される特典を示すものである。図4(b)に示す例では、クーポンは、「10%値下げ」といった特典を販売条件として含む。即ち、このクーポンは、ユーザが希望する販売条件「値下げ」(図4(a))に応じて、当該ユーザに販売条件「10%値下げ」の特典を提供する。このクーポンの情報は、当該ユーザのユーザ端末Uからのアクセスに対してのみ参照可能に制御される。
【0053】
実行部16は、決定部15により販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する部分である。具体的には、本実施形態では、ウィッシュリストは、販売条件の受諾が決定された場合に実行する所定の処理の内容を「アクション」として含むので、実行部16は、ウィッシュリストにおけるアクションに規定された処理を、ウィッシュリストを登録したユーザに対して実行する。図4に示す例に従えば、実行部16は、商品ID「T001」により識別される商品の商品情報を、当該ユーザの買い物かごに登録する処理を実施する。
【0054】
なお、実行部16により実行される処理はいずれも、ウィッシュリストを登録したユーザに対してのみ実施され、それ以外のユーザに対して実施されないので、店舗は、当該ウィッシュリストを登録したユーザ以外に対して同様の特典を提供することを要しない。
【0055】
なお、本実施形態では、実行部16により実行される所定の処理は、ウィッシュリストのアクションに設定されているが、ウィッシュリストの設定に依存せずに予め設定された処理が実行されることとしてもよい。かかる設定に応じて、実行部16は、販売条件を受諾することが決定された場合に、販売条件が受諾された旨の通知、買い物かごへの登録、及び当該商品の購入のための決済処理等を実行できる。
【0056】
続いて、図6を参照して、本実施形態の商取引管理装置1の動作について説明する。図6は、商取引管理装置1、ユーザ端末U及び店舗端末Mにおいて実施される商取引管理方法の処理内容を示すタイミングチャートである。
【0057】
まず、ユーザは、ユーザ端末Uを介して、商取引管理装置1に店舗端末Mから登録された、販売対象の商品の商品情報を閲覧する(S1)。続いて、ユーザは、ユーザ端末Uを介して、所望の商品の販売条件に関する希望をウィッシュリストとして商取引管理装置1に登録する(S2)。
【0058】
ユーザ端末Uによるウィッシュリストの登録処理が実施されると、商取引管理装置1のウィッシュリスト受付部11は、そのウィッシュリストを受け付けて、ウィッシュリスト記憶部12に記憶させる。そして、通知部13は、ウィッシュリスト記憶部12に記憶されたウィッシュリストを、当該ウィッシュリストに示される商品の商品情報を登録した一の店舗端末Mに通知する(S3)。
【0059】
通知部13から店舗端末Mにウィッシュリストが通知されると、店舗端末Mのウィッシュリスト取得部31は、通知されたウィッシュリストを取得する。そして、ウィッシュリスト提示部32は、ウィッシュリスト取得部31により取得されたウィッシュリストを店舗側のユーザに提示する。店舗側ユーザは、提示されたウィッシュリストの販売条件の受諾の可否を判断し、判断結果を店舗端末Mに入力する。クーポン発行可否入力部33は、販売条件の受諾の可否に関する判断結果を受け付ける。そして、ウィッシュリストに含まれる販売条件を受諾可能である場合に、クーポン発行可否送信部34は、販売条件を受諾可能であることを示す受諾情報を、商取引管理装置1に返信する(S4)。受諾情報は、クーポンの発行を決定する旨の情報であってもよい。
【0060】
受諾情報が店舗端末Mから送信されると、商取引管理装置1の受信部14は、受諾情報を受信する。そして、決定部15は、受信部14により受信された受諾情報に基づき、販売条件を受諾することを決定する(S5)。即ち、決定部15は、クーポンの発行を決定する。続いて、実行部16は、ウィッシュリストの販売条件が受諾された旨の通知として、クーポンの発行が決定された旨をユーザ端末Uに通知する(S6)。
【0061】
クーポンの発行が決定された旨が通知されると、ユーザは、ユーザ端末Uを介して、そのクーポンを利用した商品購入の申込処理を実施できる(S7)。商取引管理装置1は、ユーザ端末Uからの書品購入のための申込処理を受け付けると、所定の商品購入処理を実施する(S8)。商取引管理装置1は、クーポンを利用した商品購入処理が完了すると、ウィッシュリスト記憶部12に記憶されていた当該商品に係るウィッシュリスト(図4(a)参照)及び決定部15により発行管理されたクーポン(図4(b))のうちの商品購入に使用されたクーポンのデータが削除される(S9)。
【0062】
以上説明した第1実施形態の商取引管理装置1、商取引管理方法によれば、ユーザが希望する商品の販売条件を含むウィッシュリストがウィッシュリスト受付部11により受け付けられ、その販売条件を受諾するか否かが決定部15により決定され、販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品の販売に関する所定の処理が実行部16により実施される。これにより、ユーザの要求に合致する販売条件が、当該商品の販売に関する特典としてユーザに提供される。従って、提供される特典に関わる商品の売り上げの向上が図られる。また、ユーザが希望する商品の販売条件を含むウィッシュリストが、当該商品の商品情報を登録した店舗端末Mに通知され、そのウィッシュリストの通知に応じて店舗端末Mから返信された、販売条件の受諾が可能であることを示す受諾情報に基づき、販売条件の受諾が決定されるので、店舗において販売条件の受諾の可否を適切に判断できる。
【0063】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る商取引管理装置の第2実施形態について図7〜11を参照して説明する。なお、図7〜11において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
第1実施形態では、商取引管理装置1に受け付けられたウィッシュリストが店舗側に対する問い合わせのために店舗端末Mに送信され、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾の可否に関する受諾情報が店舗端末Mから返信される構成が採られていた。これに対して、第2実施形態では、受諾可能な販売条件に関する受諾条件情報が予め商取引管理装置1に登録され、ウィッシュリストごとの店舗端末Mへの問い合わせを介することなく、この受諾条件情報に基づき販売条件の受諾可否が決定される。
【0065】
図7は、第2実施形態に係る商取引管理装置1の機能的構成を示すブロック図である。図7に示すように、商取引管理装置1は、機能的には、ウィッシュリスト受付部11(要求受付手段)、ウィッシュリスト記憶部12(要求情報記憶手段)、決定部15A(決定手段)及び実行部16(実行手段)に加えて、受諾条件受付部17(受諾条件受付手段)及び受諾条件記憶部18(受諾条件記憶手段)を備える。また、図8は、第2実施形態に係る店舗端末MAの機能的構成を示すブロック図である。店舗端末MAは、受諾条件送信部35A及び受諾条件入力部36Aを備える。
【0066】
第2実施形態におけるウィッシュリスト受付部11及びウィッシュリスト記憶部12は、第1実施形態におけるそれらの機能部と同様の機能を有する。図9(a)は、第2実施形態において、ウィッシュリスト記憶部12に登録されたユーザ毎のウィッシュリストの例を示す図である。図9(a)に示す例では、商品「T001」に関するウィッシュリストとして、ユーザが希望する販売条件「価格:8000円」が記憶されており、商品「T002」に関するウィッシュリストとして、ユーザが希望する販売条件「価格:3000円」が記憶されている。
【0067】
店舗端末MAの受諾条件送信部35Aは、受諾条件入力部36Aにより受け付けられた、商品毎の受諾可能な販売条件に関する受諾条件情報を予め商取引管理装置1に送信し、登録する部分である。また、受諾条件入力部36Aは、受諾条件情報の入力をキーボードやマウスなどを介して受け付ける部分である。
【0068】
受諾条件受付部17は、店舗端末MAから送信された受諾条件情報を受け付けると共に、受諾条件情報を記憶するための記憶手段である受諾条件記憶部18に、受け付けた受諾条件情報を記憶させる。図10は、店舗S1から受け付けた受諾条件情報の例を示す図である。
【0069】
図10に示すように、受諾条件情報は、商品を識別する商品IDに対応付けて、商品名、オープン価格及び許容条件を記憶している。オープン価格は、ユーザ全般に対して提示されている当該商品の価格である。許容条件は、販売条件において許容可能な条件を既定している。
【0070】
決定部15Aは、ウィッシュリストに示される商品を登録した店舗から受け付けた受諾条件情報を参照して、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾可否を決定する。具体的には、決定部15Aは、商品ID「T001」に関する販売条件「価格:8000円」(図9(a))の受諾可否を決定するために、店舗ID「S1」により識別される店舗から受け付けた受諾条件情報を参照する(図10)。そして、受諾条件情報において、オープン価格「10000円」からの「2000円値下げ」が可能であることが、商品「T001」の許容条件として記憶されているので、決定部15Aは、販売条件「価格:8000円」が受諾可能である旨の決定を実施する。
【0071】
また、決定部15Aは、商品ID「T002」に関する販売条件「価格:3000円」(図9(a))の受諾可否を決定するために、店舗ID「S1」により識別される店舗から受け付けた受諾条件情報を参照する(図10)。そして、受諾条件情報において、オープン価格「5000円」からの「1000円値下げ」が可能であることが、商品「T002」の許容条件として記憶されているので、決定部15Aは、販売条件「価格:3000円」が受諾不可である旨の決定を実施する。
【0072】
そして、決定部15Aは、上記した決定に基づき、図9(b)に示すクーポンの発行を決定する。即ち、決定部15Aは、商品ID「T001」及び「T002」のうち、販売条件の受諾が可能と決定した商品ID「T001」について、販売条件「価格:8000円」を内容とするクーポンの発行を決定する。なお、実行部16の処理内容は第1実施形態と同様である。
【0073】
続いて、図11を参照して、第2実施形態の商取引管理装置1の動作について説明する。図11は、第2実施形態における商取引管理装置1、ユーザ端末U及び店舗端末Mにおいて実施される処理内容を示すタイミングチャートである。
【0074】
まず、店舗端末MAは、販売対象の商品に関する商品情報を商取引管理装置1に登録すると共に、受諾条件送信部35Aを介して、受諾条件情報を商取引管理装置1に送信する(S11)。受諾条件情報が送信されると、受諾条件受付部17は、送信された受諾条件情報を受け付けると共に、受諾条件記憶部18に受諾条件情報を記憶させる。続くステップS12〜S13の処理内容は、図6のタイミングチャートにおけるステップS1〜S2の処理内容と同様である。
【0075】
ステップS14において、決定部15Aは、ウィッシュリストに示される商品を登録した店舗から受け付けた受諾条件情報を参照して、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾可否を決定する。即ち、決定部15Aは、受諾条件情報を参照して、ユーザに対する特典としてのクーポンの発行の可否を決定する。続いて、実行部16は、クーポンの発行が決定された場合には、ウィッシュリストの販売条件が受諾された旨の通知として、クーポンの発行が決定された旨をユーザ端末Uに通知する(S15)。続くステップS16〜S18の処理内容は、図6のタイミングチャートにおけるステップS7〜S9の処理内容と同様である。
【0076】
以上説明した第2実施形態の商取引管理装置1、商取引管理方法によれば、店舗端末Mから予め受け付けて記憶した受託条件情報に基づき、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾可否が決定されるので、店舗側は、ユーザから一の要求情報が受け付けられる度に販売条件の受諾可否の判断を実施する必要がない。従って、店舗における特典の提供に関わる対応の負荷が軽減されると共に、販売条件の受諾可否が適切に決定される。
【0077】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る商取引管理装置の第3実施形態について図12〜13を参照して説明する。なお、図12〜13において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0078】
第1実施形態では、ウィッシュリストに含まれる店舗IDにより識別される店舗にのみ、ウィッシュリストを通知する構成が採られていた。これに対して、第3実施形態では、ウィッシュリストに示される商品と、同一の商品を販売対象としている他の店舗に対してもウィッシュリストが通知される。
【0079】
図12は、第3実施形態に係る商取引管理装置1Bの機能的構成を示すブロック図である。図12に示すように、商取引管理装置1は、機能的には、ウィッシュリスト受付部11(要求受付手段)、ウィッシュリスト記憶部12(要求情報記憶手段)、通知部13B(通知手段)、受信部14B(受信手段)、決定部15(決定手段)及び実行部16(実行手段)に加えて、商品DB19を備える。
【0080】
商品DB19は、各店舗の販売対象の商品の商品情報を記憶しているデータベースである。図13は、商品DBの構成及び記憶されているデータの例を示す図である。なお、図13(a)は、店舗S1のデータベースであり、図13(b)は、店舗S2のデータベースである。図13に示すように、商品DBは、商品IDに対応付けて、商品名、オープン価格及びカタログIDを記憶している。これらのデータ項目のうち、商品IDは、一の店舗が販売対象の商品としている商品群において、商品を識別する識別子である。これに対して、カタログIDは、商品の種類に固有の識別しであるので、異なる店舗において同種の商品が販売対象の商品として登録されていた場合には、それらの商品に対して同一のカタログIDが対応付けられている。
【0081】
通知部13Bは、ウィッシュリストに示される一の店舗だけでなく、ウィッシュリストに示される商品を販売対象の商品として登録した、一の店舗以外の他の店舗に当該ウィッシュリストを更に通知する。具体的には、図4(a)に示されるようなウィッシュリストがウィッシュリスト記憶部12に登録され、商品ID「T002」に関するウィッシュリストを店舗端末に通知する場合において、まず、通知部13Bは、店舗S1の店舗端末に対して当該ウィッシュリストを通知する。この通知と共に、通知部13Bは、店舗S1の商品DB(図13(a))を参照して、商品ID「T002」に対応付けられたカタログID「C002」を抽出する。続いて、通知部13Bは、カタログID「C002」をキーとして商品DB19を検索して、カタログID「C002」により特定される商品を販売対象としている店舗S2(図13(b))を特定する。そして、通知部13Bは、店舗S2の店舗端末に対して当該ウィッシュリストを通知する。
【0082】
受信部14Bは、通知部13Bにより通知されたウィッシュリストに応じて各店舗から返信された受諾情報を受信する。具体的には、受信部14Bは、店舗S1及びS2のうちの、ウィッシュリストに含まれる販売条件を受諾可能と判断した店舗からの受諾情報を受信する。この受諾情報は、例えば、クーポンの発行が可能である旨の情報である。
【0083】
決定部15Bは、受諾情報に基づき、ウィッシュリストの販売条件の受諾を決定する。ここで、決定部15Bは、受信した全ての受諾情報に応じてクーポンを発行することを決定できる。また、決定部15Bは、最も早く返信された受諾情報に基づく一のクーポンを発行することができる。さらに、決定部15Bは、ユーザにとって最も好適な販売条件を含む受諾情報に応じたクーポンを発行することを決定してもよい。
【0084】
以上説明した第3実施形態の商取引管理装置1によれば、ユーザが購入を希望する商品に関する商品情報を販売対象として登録した全ての店舗に対して、ユーザが希望する販売条件を含むウィッシュリストが通知され、その販売条件を受諾可能な店舗から返信された受諾情報に基づき、当該販売条件の受諾が決定される。これにより、ユーザは、所望の商品を販売対象としている店舗ごとに、当該商取引管理装置1Bを介して要求情報を通知させる必要がないので、ユーザの負荷が軽減される。また、所望の商品を販売対象としている全ての店舗に要求情報が通知されるので、ユーザは、より確実に特典の提供を受けることができる。
【0085】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る商取引管理装置の第4実施形態について図14〜15を参照して説明する。なお、図14〜15において、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0086】
第2実施形態では、ウィッシュリストに含まれる店舗IDにより識別される店舗により登録された受諾条件情報を参照して、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾可否を決定する構成が採られていた。これに対して、第4実施形態では、ウィッシュリストに示される商品と同一の商品を販売対象としている他の店舗により登録された受諾条件情報も参照される。
【0087】
図14は、第4実施形態に係る商取引管理装置1Cの機能的構成を示すブロック図である。図14に示すように、商取引管理装置1Cは、機能的には、ウィッシュリスト受付部11(要求受付手段)、ウィッシュリスト記憶部12(要求情報記憶手段)、決定部15C(決定手段)、実行部16C(実行手段)、受諾条件受付部17(受諾条件受付手段)、受諾条件記憶部18C(受諾条件記憶手段)及び商品DB19Cを備える。
【0088】
受諾条件記憶部18Cは、受諾条件情報を記憶するための記憶手段である。図15は、受諾条件記憶部18Cに記憶されている受諾条件情報の例を示す図である。図15に示すように、受諾条件記憶部18Cは、各店舗の受諾条件情報を記憶している。なお、図15(a)は、店舗S1の受諾条件情報であり、図15(b)は、店舗S2に受諾条件情報である。
【0089】
商品DB19Cは、各店舗の販売対象の商品の商品情報を記憶しているデータベースであって、その内容は、第3実施形態(図13)と同様である。
【0090】
決定部15Cは、ウィッシュリストに示される商品を登録した一の店舗から受け付けた受諾条件情報を参照すると共に、ウィッシュリストに示される商品を登録した一の店舗以外の他の店舗から受け付けた受諾条件情報を更に参照して、販売条件を受諾するか否かを決定する。
【0091】
具体的には、図4(a)に示されるようなウィッシュリストがウィッシュリスト記憶部12に登録され、商品ID「T002」に関するウィッシュリストの販売条件「価格:3000円」の受諾可否を決定する場合において、まず、決定部15Cは、店舗S1の受諾条件情報(図15(a))を参照して、商品ID「T002」に対応付けられたオープン価格「5000円」及び許容条件「1000円値下げ」に基づき、販売条件「価格:3000円」が受諾不可である旨を決定する。
【0092】
次に、決定部15Cは、店舗S1の商品DB(図13(a))を参照して、商品ID「T002」に対応付けられたカタログID「C002」を抽出する。続いて、通知部13Bは、カタログID「C002」をキーとして商品DB19を検索して、カタログID「C002」により特定される商品を販売対象としている店舗S2(図13(b))を特定する。そして、決定部15Cは、店舗S2の受諾条件情報(図15(b))を参照して、商品ID「T002」に対応付けられたオープン価格「4500円」及び許容条件「1500円値下げ」に基づき、販売条件「価格:3000円」が受諾可能である旨を決定する。
【0093】
実行部16Cは、決定部15Cにより販売条件を受諾することが決定された場合に、受諾可能と決定する根拠となった受諾条件情報を提示した店舗により登録された当該商品の商品情報に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する。具体的には、上記の例に従えば、実行部16Cは、商品ID「T002」に関するクーポンが店舗S2から発行された旨を、ユーザ端末Uに通知する。
【0094】
以上説明した第4実施形態の商取引管理装置1によれば、ユーザが購入を希望する商品に関する商品情報を販売対象として登録した全ての店舗からの受託条件情報に基づき、ウィッシュリストに含まれる販売条件の受諾可否が決定されるので、ユーザは、所望の商品を販売対象としている店舗ごとのウィッシュリストを当該商取引管理装置に受け付けさせる必要がない。これにより、ユーザの負荷が軽減される。また、所望の商品を販売対象としている全ての店舗の受託条件情報に基づき販売条件の受諾の可否が決定されるので、ユーザは、より確実に特典の提供を受けることができる。
【0095】
(商取引管理プログラム)
次に、図16を参照して、コンピュータを商取引管理装置1として機能させるための商取引管理プログラムを説明する。図16は、図2に示した第1実施形態に係る商取引管理装置1に対応する商取引管理プログラムを示す図である。
【0096】
商取引管理プログラム1Pは、メインモジュールP10、ウィッシュリスト受付モジュールP11、ウィッシュリスト記憶モジュールP12、通知モジュールP13、受信モジュールP14、決定モジュールP15及び実行モジュールP16を備える。
【0097】
メインモジュールP10は、商取引管理装置1を統括的に制御する部分である。ウィッシュリスト受付モジュールP11、ウィッシュリスト記憶モジュールP12、通知モジュールP13、受信モジュールP14、決定モジュールP15及び実行モジュールP16を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図2に示される商取引管理装置1のウィッシュリスト受付部11、ウィッシュリスト記憶部12、通知部13、受信部14、決定部15及び実行部16の機能と同様である。
【0098】
商取引管理プログラム1Pは、例えば、CD−ROMやDVD、ROM等の記憶媒体1Dまたは半導体メモリによって提供される。また、商取引管理プログラム1Pは、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0099】
また、図17は、図7に示した第2実施形態に係る商取引管理装置1Aに対応する商取引管理プログラムを示す図である。
【0100】
商取引管理プログラム1APは、メインモジュールP10A、ウィッシュリスト受付モジュールP11、ウィッシュリスト記憶モジュールP12、決定モジュールP15A、実行モジュールP16、受諾条件受付モジュールP17及び受諾条件記憶モジュールP18を備える。
【0101】
メインモジュールP10Aは、商取引管理装置1Aを統括的に制御する部分である。ウィッシュリスト受付モジュールP11、ウィッシュリスト記憶モジュールP12、決定モジュールP15、実行モジュールP16、受諾条件受付モジュールP17及び受諾条件記憶モジュールP18を実行することにより実現される機能はそれぞれ、図7に示される商取引管理装置1のウィッシュリスト受付部11、ウィッシュリスト記憶部12、通知部13、受信部14、決定部15、実行部16、受諾条件受付部17及び受諾条件記憶部18の機能と同様である。
【0102】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1,1A,1B,1C…商取引管理装置、1D…記憶媒体、1P,1AP…商取引管理プログラム、11…ウィッシュリスト受付部、12…ウィッシュリスト記憶部、13,13B…通知部、14,14B…受信部、15,15A,15B,15C…決定部、16,16C…実行部、17…受諾条件受付部、18,18C…受諾条件記憶部、31…ウィッシュリスト取得部、32…ウィッシュリスト提示部、33…クーポン発行可否入力部、34…クーポン発行可否送信部、35A…受諾条件送信部、36A…受諾条件入力部、19,19C…商品DB、M,MA…店舗端末、N…通信ネットワーク、P10,P10A…メインモジュール、P11…ウィッシュリスト受付モジュール、P12…ウィッシュリスト記憶モジュール、P13…通知モジュール、P14…受信モジュール、P15,P15A…決定モジュール、P16…実行モジュール、P17…受諾条件受付モジュール、P18…受諾条件記憶モジュール、U…ユーザ端末。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置であって、
一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報を前記ユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付手段と、
前記要求受付手段により受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを、前記一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定手段と、
前記決定手段により前記販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行手段と、
を備える商取引管理装置。
【請求項2】
前記要求情報記憶手段に記憶された要求情報を、該要求情報に示される商品を登録した前記一の店舗に通知する通知手段と、
前記通知手段により通知された要求情報に応じて前記一の店舗から返信された、該要求情報に含まれる販売条件を受諾可能であることを示す受諾情報を受信する受信手段と、を更に備え、
前記決定手段は、前記受信手段により受信された受諾情報に基づき、前記販売条件を受諾することを決定する、
請求項1に記載の商取引管理装置。
【請求項3】
前記通知手段は、一の店舗に対する要求情報が前記要求情報記憶手段に所定数以上蓄積されたときに、蓄積された要求情報を前記一の店舗に通知する、
請求項2に記載の商取引管理装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記要求情報に示される商品を販売対象の商品として登録した、前記一の店舗以外の他の店舗に該要求情報を更に通知し、
前記受信手段は、前記通知手段により通知された要求情報に応じて各店舗から返信された前記受諾情報を受信し、
前記決定手段は、前記受信手段により受信された受諾情報に基づき、前記販売条件を受諾することを決定し、
前記実行手段は、前記決定手段により前記販売条件を受諾することが決定された場合に、前記販売条件を受諾する旨の受諾情報を返信した店舗により登録された当該商品の商品情報に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する
請求項2に記載の商取引管理装置。
【請求項5】
商品毎の受諾可能な販売条件に関する受諾条件情報を前記店舗から受け付けると共に、前記受諾条件情報を記憶する受諾条件記憶手段に、受け付けた受諾条件情報を記憶させる受諾条件受付手段を更に備え、
前記決定手段は、前記要求情報記憶手段に記憶された要求情報に示される商品を登録した前記一の店舗から前記受諾条件記憶手段が受け付けた受諾条件情報を参照して、前記要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを決定する、
請求項1に記載の商取引管理装置。
【請求項6】
前記受諾条件情報は、商品の価格、値引き額、商品の価格に対する割引率、ユーザの属性情報、及び当該商品以外の物を当該商品に付属させて販売すること、を含む、
請求項5に記載の商取引管理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記要求情報に示される商品を登録した前記一の店舗以外の他の店舗から受け付けた、当該商品に関する受諾条件情報を更に参照して、前記販売条件を受諾するか否かを決定し、
前記実行手段は、前記決定手段により前記販売条件を受諾することが決定された場合に、前記販売条件を受諾可能な受諾条件情報を提示した店舗により登録された当該商品の商品情報に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する、
請求項5に記載の商取引管理装置。
【請求項8】
前記要求情報は、商品の価格、値引き額、商品の価格に対する割引率、及び当該商品以外の物を当該商品に付属させて販売すること、のうちの少なくとも1つを前記販売条件として含む、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の商取引管理装置。
【請求項9】
前記要求情報は、前記決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、前記実行手段により実行される所定の処理の内容を含み、
前記実行手段は、前記決定手段により販売条件を受諾することが決定された場合に、前記要求情報に含まれる所定の処理を実行する
請求項1〜8のいずれか1項に記載の商取引管理装置。
【請求項10】
前記実行手段により実行される所定の処理は、前記要求情報に含まれる販売条件が受諾された旨の通知、前記要求情報に示される商品情報の当該ユーザの購入対象商品のリストへの登録、及び当該商品の購入のための決済処理のうちの少なくとも1つである、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の商取引管理装置。
【請求項11】
要求受付手段は、前記要求情報に含まれる販売条件に関する禁止条件を予め有し、該禁止条件に該当する販売条件を含む要求情報を受け付けないよう制御する、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の商取引管理装置。
【請求項12】
販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置における商取引管理方法であって、
一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報を前記ユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付ステップと、
前記要求受付ステップにおいて受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを前記一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて前記販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行ステップと、
を有する商取引管理方法。
【請求項13】
コンピュータを、販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置として機能させるための商取引管理プログラムであって、
前記コンピュータに、
一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報を前記ユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付機能と、
前記要求受付機能により受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを前記一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定機能と、
前記決定機能により販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行機能と、
を実現させる商取引管理プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、販売対象の商品を示す商品情報の登録を複数の店舗から受け付けると共に、登録された商品情報に示される商品の購入の申込をユーザから受け付ける商取引管理装置として機能させるための商取引管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記商取引管理プログラムが前記コンピュータに、
一の店舗により登録された商品に関してユーザが希望する販売条件を含む要求情報を前記ユーザから受け付けると共に、要求情報記憶手段に該要求情報を記憶させる要求受付機能と、
前記要求受付機能により受け付けられた要求情報に含まれる販売条件を受諾するか否かを前記一の店舗から取得した情報に基づいて決定する決定機能と、
前記決定機能により販売条件を受諾することが決定された場合に、当該商品情報に示される商品の販売に関する所定の処理を当該ユーザに対して実行する実行機能と、
を実現させるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−50815(P2013−50815A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187841(P2011−187841)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(399037405)楽天株式会社 (416)