説明

商品コード読取装置及びプログラム

【課題】商品に付帯された特定アイテムの検出をより確実に行うこと。
【解決手段】撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、前記画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付されたコードシンボルを検出するコードシンボル検出手段と、前記コードシンボル検出手段が検出したコードシンボルから、当該コードシンボルに保持されたコード情報を読み取るコード読取手段と、前記画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付帯された所定の物品を特定アイテムとして検出する特定アイテム検出手段と、前記特定アイテム検出手段が前記特定アイテムを検出した場合に、当該特定アイテムに応じた対応方法を報知する報知手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品コード読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の小売店では、販売する商品に対し所定の物品(以下、特定アイテムという)を付帯させることで、商品管理の効率化を図っている。係る特定アイテムの例としては、盗難等の防犯上の理由により付される防犯タグや、衣類等を陳列するために付帯されるハンガー等が挙げられる。この特定アイテムは、商品の決済時において当該商品から取り外される等、特定アイテムに応じた対応方法が行われるよう運営されている。
【0003】
また、商品に付されたバーコードの読み取りに関し、CCD等のイメージセンサを用いて商品に付されたバーコード部分を撮像し、この撮像した画像から商品コードを読み取る技術が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来での特定アイテムの検出は、店員等の目視により行われているため、見落としが発生する可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施の形態の商品コード読取装置は、画像取込手段と、コードシンボル検出手段と、コード読取手段と、特定アイテム検出手段と、報知手段とを備えている。画像取込手段は、撮像手段が撮像した画像を取り込む。コードシンボル検出手段は、画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付されたコードシンボルを検出する。コード読取手段は、コードシンボル検出手段が検出したコードシンボルから、当該コードシンボルに保持されたコード情報を読み取る。特定アイテム検出手段は、画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付帯された所定の物品を特定アイテムとして検出する。報知手段は、特定アイテム検出手段が特定アイテムを検出した場合に、当該特定アイテムに応じた対応方法を報知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施形態に係るチェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態に係るPOS端末及びコード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、テンプレートファイルの一例を模式的に示す図である。
【図4】図4は、特定アイテムの一例を示す図である。
【図5】図5は、特定アイテムの他の例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態に係るコード読取装置が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、コード読取装置のオペレータ用表示器に表示される画面の一例を示す図である。
【図8】図8は、コード読取装置が行う情報出力処理の他の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施形態の変形例に係る商品コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、商品テンプレートファイルの一例を模式的に示す図である。
【図11】図11は、実施形態の変形例に係る商品コード読取装置が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、チェックアウトシステムを例に、本実施形態にかかる商品コード読取装置及びプログラムを説明する。本実施形態では、飲食店やスーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムに適用した例について説明する。
【0008】
図1は、本実施形態に係るチェックアウトシステムの構成を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステムは、POS端末100と商品コード読取装置200とを備える。
【0009】
POS端末100は、顧客が購入する商品の販売登録を行うための商品情報処理装置であって、チェックアウト台11に載置されている。POS端末100は、キーボード101と、オペレータ用の表示器102と、顧客用の表示器103と、プリンタ104と、ドロワ105とを備えている。なお、POS端末100が備える各部については後述する。
【0010】
また、チェックアウト台11とL字を形成するようにして、横長テーブル状のカウンタ台12が配置されている。カウンタ台12の上面には、荷受面13が形成されている。商品コード読取装置200は、この荷受面13に載置され、有線又は無線によりPOS端末100との間で通信可能に接続されている。
【0011】
商品コード読取装置200は、商品に貼付されたコードシンボルを読み取って、該コードシンボルが含む商品コードをPOS端末100に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置200は、読取窓201と、キーボード202と、オペレータ用の表示器203と、顧客用の表示器204とを備えている。なお、商品コード読取装置200が備える各部については後述する。
【0012】
荷受面13には、後述するコードラベルが貼付された商品Gを収納する買物カゴ14が載置される。買物カゴ14は、顧客によって持ち込まれる第1の買物カゴ14aと、第1の買物カゴ14aから商品コード読取装置200を挟んだ位置に載置される第2の買物カゴ14bとに分別される。
【0013】
顧客によって持ち込まれた第1の買物カゴ14aには、一取引にかかる商品Gが収納されている。商品Gには、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを表したコードラベルが貼付されている。コードシンボルには、商品Gに関する商品コードが符号化された状態で保持されている。なお、商品コードは、商品Gを特定するために各商品に割り当てられたコードであり、一例としてJANコードがある。
【0014】
第1の買物カゴ14a内の商品Gは、商品コード読取装置200を操作するオペレータにより第2の買物カゴ14bへと移動される。この移動過程で、商品が商品コード読取装置200の読取窓201に向けられる。この際、読取窓201内に設けられた後述する撮像部215(図2参照)は、商品Gに付されたコードラベルを撮像する。
【0015】
商品コード読取装置200では、撮像部215で撮像された商品Gの画像からコードシンボルを検出し、このコードシンボルから商品Gに関する商品コードを読み取る。なお、本実施形態ではコードシンボルとしてバーコードを用いた例を説明するが、これに限らず二次元コードを用いる形態としてもよい。
【0016】
また、商品コード読取装置200では、撮像部215で撮像された画像データに特定の物品(以下、特定アイテムという)が含まれているか否かを判定する。ここで、特定アイテムとは、商品Gの管理のために当該商品Gに付された物品である。特定アイテムの例としては、盗難等の防犯上の理由により付される防犯タグや、衣類等を陳列するために付されるハンガー等が挙げられる。
【0017】
商品コード読取装置200では、画像データから特定アイテムを検出すると、この特定アイテムが商品Gに付されたままであることを商品コード読取装置200のオペレータに報知することで、商品Gからの特定アイテムの取り外しをオペレータに促す。
【0018】
以下、チェックアウトシステムの構成について説明する。図2は、POS端末100及び商品コード読取装置200の構成を示すブロック図である。
【0019】
まず、POS端末100の構成について説明する。POS端末100は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112及びRAM(Random Access Memory)113を備えている。
【0020】
CPU111は、ROM112や後述する記憶部114に記憶された各種プログラムを実行することにより、POS端末100を統括的に制御する。ROM112は、基本動作を行うためのプログラムを記憶する。RAM113は、POS端末100の主記憶装置であって、CPU111のワークエリアとして機能する。
【0021】
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード101、表示器102、表示器103、プリンタ104及びドロワ105が接続されている。
【0022】
キーボード101は、POS端末100を操作するオペレータから入力されたキーの情報(以下、キー情報という)をCPU111に通知する入力デバイスである。このキーボード101には、数字や演算子を入力するためのテンキーや、商品代金の決済に必要な「締め」キー等の各種操作キーが配設されている。
【0023】
表示器102及び表示器103は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示デバイスを有し、CPU111の指示に基づいて商品の名称や価格等の各種の情報を表示する。ここで、表示器102は、POS端末100を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器103は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器102をタッチパネル構成とすることで、キーボード101の全てのキー又は一部のキーをタッチパネル上に実現する形態としてもよい。
【0024】
プリンタ104は、サーマルプリンタ等の印刷装置であって、CPU111の制御に従い、レシートやジャーナル等を印字する。ドロワ105は、現金等を収容するためのキャッシュドロワであって、CPU111の制御に従い開閉する。
【0025】
また、CPU111には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部114及び通信I/F115が接続されている。
【0026】
記憶部114は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU111が実行可能なプログラム114aや各種ファイルを記憶している。記憶部114に記憶されるプログラムとしては、決済処理用のプログラム等が挙げられる。また、記憶部114に記憶されるファイルとしては、PLUファイル114b等が挙げられる。
【0027】
PLUファイル114bは、各商品に関する情報を保持するためのファイルである。具体的にPLUファイル114bには、店舗で販売される商品毎に、その商品の種別を表わす部門コードや各商品にユニークに割り当てられた商品コード、商品の名称及び価格等を対応付けたレコードが保持されている。
【0028】
通信I/F115は、商品コード読取装置200とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU111は、この通信I/F115を介し、商品コード読取装置200との間で種々のデータを送受信する。
【0029】
また、POS端末100のCPU111は、ROM112又は記憶部114に記憶されたプログラムとの協働により、図2に示すように、決済処理部121を実現させる。
【0030】
決済処理部121は、商品の決済に係る決済処理を実行する。具体的に、決済処理部121は、商品コード読取装置200から商品コードの入力を受け付けると、この商品コードに対応するレコードをPLUファイル114bから読み出し、表示器102及び表示器103に表示出力する。また、決済処理部121は、PLUファイル114bから読み出した各商品のレコードを、その商品の販売個数等に基づいて販売登録を行う。ここで、販売登録とは、PLUファイル114bから読み出した各商品のレコードを、その商品の購入数等と関連付けてRAM113に保持することを意味する。
【0031】
また、決済処理部121は、キーボード101の「締め」キーの入力に応じて、販売登録した各商品の価格及び販売個数から全商品の合計金額(購入金額)を算出し、該合計金額の支払を確認すると、その支払方法(現金又はクレジット)に応じたレシート出力をプリンタ104から行う。
【0032】
次に、商品コード読取装置200の構成について説明する。図2に示すように、商品コード読取装置200は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU211、ROM212及びRAM213を備えている。
【0033】
CPU211は、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することにより、商品コード読取装置200を統括的に制御する。ROM212は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM213は、商品コード読取装置200の主記憶装置であって、CPU211のワークエリアとして機能する。
【0034】
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、上述したキーボード202、表示器203及び表示器204が接続されている。
【0035】
キーボード202は、商品コード読取装置200を操作するオペレータから入力されたキー情報をCPU211に通知する入力デバイスである。このキーボード202は、販売個数の入力や、バーコードを読み取ることができない商品の商品コードの入力を行う場合等に用いられる。
【0036】
表示器203及び表示器204は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU211の指示に基づいて各種の情報を表示する。ここで、表示器203は、商品コード読取装置200を操作するオペレータ用の表示器であって、その表示面がオペレータに向けて配置されている(図1参照)。また、表示器204は、顧客用の表示器であって、その表示面が顧客に向けて配置されている(図1参照)。なお、表示器203をタッチパネル構成とすることで、キーボード202の全てのキー又は一部のキーを該タッチパネル上に実現する形態としてもよい。
【0037】
また、CPU211には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、通信I/F214、撮像部215及び記憶部216が接続されている。
【0038】
通信I/F214は、POS端末100とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU211は、この通信I/F214を介し、POS端末100との間で種々のデータを送受信する。撮像部215は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサであって、図1に示した読取窓201内に設けられている。また、撮像部215は、CPU211の制御に従い撮像を開始する。
【0039】
記憶部216は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、CPU211が実行可能なプログラム216aや、各種ファイルを記憶している。ここで、記憶部216に記憶されるプログラム216aの例としては、撮像部215の制御用プログラムや、コードシンボル読取用のプログラム、OCRやパターンマッチング等の画像や文字認識用のプログラム等が挙げられる。また、記憶部216に記憶されるファイルの例としては、特定アイテムの検出に用いるパターン認識用のテンプレートファイル216b等が挙げられる。
【0040】
図3は、テンプレートファイル216bの一例を模式的に示す図である。同図に示すように、テンプレートファイル216bは、特定アイテムの名称(種別)と、その特定アイテムの特徴を表した特徴データと、対応方法とを対応付けて管理している。
【0041】
ここで、特徴データは、各種特定アイテムの外観上の特徴(形状等)を定義したものであって、撮像部215が撮像した画像データとのパターンマッチングの際に利用される。例えば、特定アイテムが“防犯タグ”の場合、図4に示すように、その店舗で使用している防犯タグT1の形状等、防犯タグの外観上の特徴を表したデータ(画像データ等)が特徴データとして用いられる。また、特定アイテムが“ハンガー”の場合、図5に示すように、その店舗で使用しているハンガーT2の形状等、ハンガーの外観上の特徴を表したデータ(画像データ等)が特徴データとして用いられる。
【0042】
また、対応方法には、各特定アイテムが検出された際の、オペレータの対応方法を指示する情報が格納されている。例えば、特定アイテム“防犯タグ”には、“防犯タグが付帯されたままです 商品から取り外して下さい”なる文字列(メッセージ)が、対応方法として対応付けられている。
【0043】
次に、商品コード読取装置200が有する特徴的な機能部について説明する。CPU211は、ROM212や記憶部216に記憶されたプログラムとの協働により、図2に示すように、画像データ取込部221、コード読取部222、特定アイテム検出部223、報知処理部224及び情報出力部225を実現させる。
【0044】
画像データ取込部221は、撮像部215に撮像オン信号を出力することで撮像部215に撮像動作を開始させる。画像データ取込部221は、撮像部215が撮像した画像データを取り込んで、RAM213に格納する。
【0045】
コード読取部222は、画像データ取込部221がRAM213に格納した画像データから、商品に付されたバーコードの画像を検出し、検出したバーコードから商品コードを読み取るバーコード読取処理を行う。具体的に、コード読取部222は、RAM213に格納された1フレームの画像データを二値化し、この二値化したデータ内にバーコードに関するデータ領域が存在するか否かを検出する。コード読取部222は、バーコードに関するデータ領域を検出した場合には、そのバーコードをデコードし、デコードしたデータを商品Gの商品コードとして読み取る。そして、コード読取部222は、読み取った商品コードをRAM213に格納する。
【0046】
特定アイテム検出部223は、画像データ取込部221がRAM213に格納した画像データから特定アイテムの画像を検出する特定アイテム検出処理を実行する。具体的に、特定アイテム検出部223は、テンプレートファイル216bに保持された各特定アイテムの特徴データに基づいて、文字認識やパターンマッチング処理を行うことで、画像データに特定アイテムの画像が含まれているか否かを判定する。そして、特定アイテム検出部223は、特定アイテムの画像が含まれていると判定した場合、画像データから特定アイテムを検出したと判定する。なお、文字認識やパターンマッチング処理については、公知の技術を用いるものとする。
【0047】
報知処理部224は、特定アイテム検出部223が、画像データから特定アイテムの画像を検出した場合に、この特定アイテムに対応付けられた対応方法をテンプレートファイル216bから読み出し、オペレータ用の表示器203に表示することで、商品コード読取装置200のオペレータに対応方法を報知する。
【0048】
また、情報出力部225は、コード読取部222が読み取った商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に送信(出力)する。
【0049】
以下、図6及び図7を参照して、本実施形態のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図6は、商品コード読取装置200が行う情報出力処理の手順を示すフローチャートである。
【0050】
商品コード読取装置200のCPU211は、POS端末100からの信号により取引開始が指示されると、情報出力処理を開始する。画像データ取込部221は、撮像部215に撮像オン信号を出力し、撮像部215による撮像動作を開始する(ステップS11)。画像データ取込部221は、撮像部215が撮像した画像データをRAM213に取り込む(ステップS12)。
【0051】
続いて、コード読取部222は、バーコード読取処理を開始すると(ステップS13)、RAM213に取り込まれた画像データからバーコードを検出したか否かを判定する(ステップS14)。ここで、コード読取部222がバーコードを検出した場合(ステップS14;Yes)、情報出力部225は、コード読取部222がRAM213に格納した商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に出力し(ステップS15)、ステップS19に移行する。なお、キーボード202を介し販売個数が入力されていた場合には、その販売個数を商品コードとともに出力するものとする。
【0052】
一方、ステップS14において、バーコードが検出されない場合(ステップS14;No)、特定アイテム検出部223は、特定アイテム検出処理を開始し(ステップS16)、RAM213に取り込まれた画像データから特定アイテムを検出したか否かを判定する(ステップS17)。
【0053】
ここで、特定アイテム検出部223が画像データから特定アイテムを検出すると(ステップS17;Yes)、報知処理部224は、この特定アイテムに対応する対応方法をテンプレートファイル216bから読み出し、オペレータ用の表示器203に表示し(ステップS18)、ステップS19に移行する。なお、画像データから特定アイテムが検出されない場合には(ステップS17;No)、ステップS19に直ちに移行する。
【0054】
ここで、図7は、ステップS18で表示される表示画面の一例を示す図である。同図では、特定アイテムとして“防犯タグ”が検出された例を示しており、この特定アイテムに応じた対応方法としてメッセージ“防犯タグが付帯されたままです 商品から取り外して下さい”が表示されている。これにより、商品コード読取装置200のオペレータは、表示器203に表示されたメッセージに基づき、特定アイテムが商品Gに付されたままであることを容易に認識することができ、また、対応方法を容易に確認することができるため、処理の効率化を図ることができる。
【0055】
なお、図7の選択ボタンB1は、表示画面の確認を行うためのものである。特定アイテム検出部223は、キーボード202を介し商品コード読取装置200のオペレータから選択ボタンB1が操作されたことを検出すると、次の処理(ステップS19)に移行する。
【0056】
ステップS19において、CPU211は、POS端末100からの信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS19)。取引終了が指示されない場合には(ステップS19;No)、ステップS12に再び戻り、ステップS12〜S19を取引終了が指示されるまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合(ステップS19;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部215に撮像オフ信号を出力することで、撮像部215による撮像動作を停止した後(ステップS20)、本処理を終了する。
【0057】
以上のように、本実施形態の商品コード読取装置200によれば、撮像部215が撮像した商品の画像データから特定アイテムを検出することで、該特定アイテムが商品に付帯されているか否かを判定する。このように、特定アイテムの検出を撮像部215が撮像した画像データから自動的に行うことで、商品に付帯された特定アイテムの検出をより確実に行うことができる。
【0058】
また、本実施形態の商品コード読取装置200によれば、画像データから特定アイテムを検出した場合に、この特定アイテムに応じた対応方法をオペレータ用の表示器203に表示する。このように、特定アイテムに応じた対応方法を商品コード読取装置200のオペレータに報知することで、オペレータの対応し忘れを防止することができるため、サービスレベルの向上を図ることができる。
【0059】
なお、上記処理では、ステップS13のバーコード読取処理においてバーコードが検出されない場合に、ステップS16の特定アイテム認識処理を行う形態としたが、これに限らず、バーコード読取処理と特定アイテムの認識処理とを並列で行う形態としてもよいし、バーコード読取処理の結果に依らず特定アイテム認識処理を行う形態としてもよい。
【0060】
ここで、図8は、バーコード読取処理の結果に依らず特定アイテム認識処理を行う場合の情報出力処理の手順を示すフローチャートである。図8において、ステップS21及びS22は、上述したステップS11及びS12と同様の処理内容であり、ステップS23は、上述したステップS13〜S15の処理を一のサブルーチンとしたものである。なお、ステップS23ではバーコードの検出有無に依らず、ステップS24に移行するものとする。
【0061】
ステップS24において、特定アイテム検出部223は、特定アイテム検出処理を開始し(ステップS24)、RAM213に取り込まれた画像データから特定アイテムを検出したか否かを判定する(ステップS25)。
【0062】
ここで、特定アイテム検出部223が画像データから特定アイテムを検出すると(ステップS25;Yes)、報知処理部224は、この特定アイテムに対応する対応方法をテンプレートファイル216bから読み出し、オペレータ用の表示器203に表示し(ステップS26)、ステップS27に移行する。なお、画像データから特定アイテムが検出されない場合には(ステップS25;No)、ステップS27に直ちに移行する。
【0063】
ステップS27において、CPU211は、POS端末100からの信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS27)。取引終了が指示されない場合には(ステップS27;No)、ステップS21に再び戻り、ステップS21〜S27を取引終了が指示されるまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合(ステップS27;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部215に撮像オフ信号を出力することで、撮像部215による撮像動作を停止した後(ステップS28)、本処理を終了する。
【0064】
以上のように、図8に示す情報出力処理を実行しても、上述した商品コード読取装置200と同様の効果を奏することができる。
【0065】
なお、図6及び図8の情報出力処理では、特定アイテムを認識する毎に当該特定アイテムに応じた対応方法を表示する形態としたが、これに限らないものとする。例えば、特定アイテムの検出結果をRAM213に保持しておき、取引終了時等の所定のタイミングで、これら各特定アイテムの対応方法を纏めて又は順次表示する形態としてもよい。また、特定アイテムの検出結果をその特定アイテムを検出した画像データとともにRAM213に保持しておき、取引終了時等の所定のタイミングで、これら各特定アイテムの対応方法を対応する画像データとともに纏めて或いは順次表示する形態としてもよい。
【0066】
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し説明を省略する。
【0067】
図9は、本変形例に係る商品コード読取装置200aの構成を示すブロック図である。同図に示すように、商品コード読取装置200aの記憶部216は、プログラム216a及びテンプレートファイル216bに加え、商品テンプレートファイル216cを記憶する点が上述した商品コード読取装置200と異なっている。また、商品コード読取装置200aのCPU211は、ROM212や記憶部216に記憶されたプログラムとの協働により、画像データ取込部221、コード読取部222、特定アイテム検出部223a、報知処理部224及び情報出力部225を実現させる。
【0068】
図10は、商品テンプレートファイル216cの一例を模式的に示す図である。同図に示すように、商品テンプレートファイル216cは、各商品の商品コードと、当該商品の特徴を表した商品特徴データとを対応付けて管理している。
【0069】
ここで、商品特徴データは、各商品の外観上の特徴(形状等)を定義した画像データ等であって、撮像部215が撮像した画像データとのパターンマッチングの際に利用される。なお、商品特徴データで定義される商品の形状や特徴は、商品の全体であってもよいし商品の一部であってもよい。
【0070】
特定アイテム検出部223aは、画像データ取込部221がRAM213に格納した画像データから特定アイテムの画像を検出する特定アイテム検出処理を実行する。
【0071】
具体的に、特定アイテム検出部223aは、コード読取部222が読み取った商品コードに対応する商品特徴データを商品テンプレートファイル216cから読み出し、当該商品特徴データに基づいて、文字認識やパターンマッチング処理を行うことで、商品コードに対応する商品の画像以外の他の画像が画像データに含まれているか否かを判定する。特定アイテム検出部223aは、他の画像が画像データに含まれていると判定した場合、テンプレートファイル216bに保持された各特定アイテムの特徴データに基づいて、文字認識やパターンマッチングを行うことで、他の画像が特定アイテムを表すものか否かを判定する。そして、特定アイテム検出部223aは、他の画像が特定アイテムの画像と判定した場合、画像データから特定アイテムを検出したと判定する。
【0072】
以下、図11を参照して、本変形例のチェックアウトシステムの動作について説明する。ここで、図11は、商品コード読取装置200aが行う情報出力装置の手順を示すフローチャートである。なお、ステップS31〜S33の処理は、上述したステップS11〜S13と同様であるため、説明を省略する。
【0073】
コード読取部222は、RAM213に取り込まれた画像データからバーコードを検出したか否かを判定する(ステップS34)。ここで、バーコードが検出されない場合(ステップS34;No)、ステップS40に直ちに移行する。
【0074】
ステップS34において、コード読取部222がバーコードを検出した場合(ステップS34)、情報出力部225は、コード読取部222がRAM213に格納した商品コードを、通信I/F214を介してPOS端末100に出力する(ステップS35)。
【0075】
続いて、特定アイテム検出部223aは、コード読取部222がRAM213に格納した商品コードに対応する商品特徴データを商品テンプレートファイル216cから読み出すと、この商品特徴データに基づき、商品コードに対応する商品の画像以外の他の画像が画像データに含まれているか否かを判定する(ステップS36)。
【0076】
ステップS36において、他の画像が画像データに含まれていないと判定した場合には(ステップS36;No)、ステップS40に移行する。一方、ステップS36において、他の画像が画像データに含まれていると判定した場合(ステップS36;Yes)、特定アイテム検出部223aは、特定アイテム検出処理を開始し(ステップS37)、RAM213に取り込まれた画像データから特定アイテムを検出したか否かを判定する(ステップS38)。
【0077】
ここで、特定アイテム検出部223が画像データ(他の画像)から特定アイテムを検出すると(ステップS38;Yes)、報知処理部224は、この特定アイテムに対応する対応方法をテンプレートファイル216bから読み出し、オペレータ用の表示器203に表示し(ステップS39)、ステップS40に移行する。なお、画像データ(他の画像)から特定アイテムが検出されない場合には(ステップS38;No)、ステップS40に直ちに移行する。
【0078】
ステップS40において、CPU211は、POS端末100からの信号により取引終了が指示されたか否かを判定する(ステップS40)。取引終了が指示されない場合には(ステップS40;No)、ステップS32に再び戻り、ステップS32〜S40を取引終了が指示されるまで繰り返し実行する。また、取引終了が指示された場合(ステップS40;Yes)、画像データ取込部221は、撮像部215に撮像オフ信号を出力することで、撮像部215による撮像動作を停止した後(ステップS21)、本処理を終了する。
【0079】
以上のように、本変形例の商品コード読取装置200aによれば、コード読取部222が読み取った商品コードに対応する商品の画像以外の他の画像を、撮像部215が撮像した商品の画像データ中から検出し、当該他の画像から特定アイテムを検出することで、該特定アイテムが商品に付帯されているか否かを判定する。このように、商品の画像以外の他の画像から特定アイテムを検出することで、商品が特定アイテムと同様の形状を有する場合(例えば、商品が図5に示したハンガーであるような場合)に、商品として正しく処理することができる。
【0080】
また、本変形例の商品コード読取装置200aによれば、画像データから特定アイテムを検出した場合に、この特定アイテムに応じた対応方法をオペレータ用の表示器203に表示する。このように、特定アイテムに応じた対応方法を商品コード読取装置200のオペレータに報知することで、オペレータの対応し忘れを防止することができるため、サービスレベルの向上を図ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態では、特定アイテムを検出した場合の対応として、当該アイテムの取り外しを指示するメッセージを出力したが、防犯タグでは、当該タグの商品からの取り外しでは、電波遮蔽シールを貼る等の機能無効化を指示してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、PLUファイル114bを、POS端末100内に記憶する形態としたが、これに限らず、POS端末100がアクセス可能な外部装置にこのファイルを記憶する形態としてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、チェックアウトシステムに適用した例を示したが、これに限らず、例えば、顧客自らが商品コードの読み取り及び決済処理を行うことが可能なセルフチェックアウト端末に適用する形態としてもよい。
【0085】
また、上記実施形態のPOS端末100及び商品コード読取装置200で実行されるプログラムを、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態のPOS端末100及び商品コード読取装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施形態のPOS端末100及び商品コード読取装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
11 チェックアウト台
12 カウンタ台
13 荷受面
14、14a、14b 買物カゴ
100 POS端末
101 キーボード
102 表示器
103 表示器
104 プリンタ
105 ドロワ
111 CPU
112 ROM
113 RAM
114 記憶部
114a プログラム
114b PLUファイル
115 通信I/F
121 決済処理部
200、200a 商品コード読取装置
201 読取窓
202 キーボード
203 表示器
204 表示器
211 CPU
212 ROM
213 RAM
214 通信I/F
215 撮像部
216 記憶部
216a プログラム
216b テンプレートファイル
216c 商品テンプレートファイル
221 画像データ取込部
222 コード読取部
223、223a 特定アイテム検出部
224 報知処理部
225 情報出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0088】
【特許文献1】特開2008−33640号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付されたコードシンボルを検出するコードシンボル検出手段と、
前記コードシンボル検出手段が検出したコードシンボルから、当該コードシンボルに保持されたコード情報を読み取るコード読取手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付帯された所定の物品を特定アイテムとして検出する特定アイテム検出手段と、
前記特定アイテム検出手段が前記特定アイテムを検出した場合に、当該特定アイテムに応じた対応方法を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする商品コード読取装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記特定アイテムに応じた対応方法をオペレータ用の表示器に表示させることを特徴とする請求項1に記載の商品コード読取装置。
【請求項3】
前記特定アイテム検出手段は、前記特定アイテムの外観上の特徴を定義したテンプレートファイルに基づいて、前記画像取込手段が取り込んだ画像から前記特定アイテムを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品コード読取装置。
【請求項4】
前記テンプレートファイルは、前記特定アイテムの特徴と対応付けて当該特定アイテムについての対応方法を管理しており、
前記報知手段は、前記テンプレートファイルに基づいて、前記特定アイテム検出手段が検出した特定アイテムに対応付けられた対応方法を報知することを特徴とする請求項3に記載の商品コード読取装置。
【請求項5】
前記コード読取手段が読み取ったコード情報を、外部装置に送信する送信手段を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の商品コード読取装置。
【請求項6】
コンピュータを、
撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付されたコードシンボルを検出するコードシンボル検出手段と、
前記コードシンボル検出手段が検出したコードシンボルから、当該コードシンボルに保持されたコード情報を読み取るコード読取手段と、
前記画像取込手段が取り込んだ商品の画像から、当該商品に付帯された所定の物品を特定アイテムとして検出する特定アイテム検出手段と、
前記特定アイテム検出手段が前記特定アイテムを検出した場合に、当該特定アイテムに応じた対応方法を報知する報知手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−74010(P2012−74010A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150334(P2011−150334)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】